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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1328755
審判番号 不服2015-21226  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-30 
確定日 2017-06-20 
事件の表示 特願2015- 33014「画像データ提供システム、画像データ提供方法、および画像データ提供プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月 2日出願公開、特開2015-122802、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本件出願は、平成23年 4月20日に出願した特願2011-94304号の一部を平成27年 2月23日に新たな特許出願としたものであって、その手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由 :平成27年 4月10日(起案日)
手続補正 :平成27年 6月10日
拒絶査定 :平成27年 8月24日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成27年11月30日
手続補正 :平成27年11月30日
拒絶理由(当審) :平成28年 8月16日(起案日)
手続補正 :平成28年10月21日
拒絶理由(当審・最後):平成29年 1月17日(起案日)
手続補正 :平成29年 2月17日


第2.本件発明
本件出願の特許請求の範囲の請求項1ないし6に係る発明(以下、「本件発明1ないし6」という。)は、平成29年 2月17日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される以下のものと認める。
なお、本件発明4のAないしEの記号は、説明のために当審において付与した。以下、構成Aなどと称することにする。

「 【請求項1】
各地に設置されている複数の自動写真作成装置、画像データ提供装置、及び端末装置を有する画像データ提供システムであって、
前記各自動写真作成装置は、
利用者を撮影することにより撮影画像を得る撮影部と、
前記端末装置に送信するための画像であって前記撮影画像に基づいて生成された送信用の画像を、前記画像データ提供装置に送信する送信部と、を備え、
前記画像データ提供装置は、
前記複数の自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像を受信する受信部と、
利用者毎に、前記各自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像と、当該送信用の画像とは異なり前記各自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像と、をカレンダ上に表示する表示用データを生成する生成部と、
前記表示用データを前記端末装置に送信する送信部と、を備え、
前記端末装置は、
前記表示用データを受信する受信部と、
前記表示用データを表示する表示部と、を備えている、
画像データ提供システム。

【請求項2】
前記生成部は、前記撮影画像に関連付けられた日時に基づいて、前記カレンダの内容を生成する請求項1に記載の画像データ提供システム。

【請求項3】
前記撮影画像に関連付けられた日時は、当該撮影画像が、前記自動写真作成装置により撮影された月及び日である、請求項2に記載の画像データ提供システム。

【請求項4】
A 各地に設置されている複数の自動写真作成装置において利用者を撮影することにより得られた撮影画像に基づいて生成された、端末装置への送信用の画像を、受信する画像データ提供装置であって、
B 前記複数の自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像を受信する受信部と、
C 利用者毎に、前記各自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像、及び当該送信用の画像とは異なり前記各自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像、をカレンダ上に表示する表示用データを生成する生成部と、
D 前記表示用データを表示する表示部を有する前記端末装置に、当該表示用データを、送信する送信部と、
E を備えている、画像データ提供装置。

【請求項5】
各地に設置されている複数の自動写真作成装置、画像データ提供装置、及び端末装置を有する画像データ提供システムが実行する画像データ提供方法であって、
前記自動写真作成装置は、
利用者を撮影することにより撮影画像を得る撮影工程と、
前記端末装置に送信するための画像であって前記撮影画像に基づいて生成された送信用の画像を、前記画像データ提供装置に送信する送信工程と、
を実行し、
前記画像データ提供装置は、
前記複数の自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像を受信する受信工程と、
利用者毎に、前記各自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像と、当該送信用の画像とは異なり前記自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像とを、カレンダ上に表示する表示用データを生成する生成工程と、
前記表示用データを前記端末装置へ送信する送信工程と、
を実行し、
前記端末装置は、
前記表示用データを受信する受信工程と、
前記表示用データを表示する表示工程と、
を実行する、画像データ提供方法。

【請求項6】
各地に設置されている複数の自動写真作成装置、画像データ提供装置、及び端末装置を有する画像データ提供システムにおける前記画像データ提供装置のコンピュータが実行する画像データ提供プログラムであって、
複数の前記自動写真作成装置において撮影された撮影画像に基づいて生成され、前記端末装置に送信するための送信用の画像、を受信する受信工程と、
利用者毎に、前記各自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像と、当該送信用の画像とは異なり前記自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像とを、カレンダ上に表示する表示用データを生成する生成工程と、
前記表示用データを表示する表示部を備える前記端末装置へ、当該表示用データを送信する送信工程と、
を実行する、画像データ提供プログラム。」


第3.当審拒絶理由
1.当審拒絶理由の概要
当審の平成29年 1月17日付けの拒絶理由の概要は、次のとおりである。

理由1.(新規性)本件出願の平成28年10月21日付けの手続補正書によって補正された下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2.(進歩性)本件出願の平成28年10月21日付けの手続補正書によって補正された下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

理由1(新規性)、理由2(進歩性)
請求項5に記載された発明は、引用例Aに開示された技術と、同一である。または、引用例Aに開示された技術と軽微な差異があったとしても、引用例Aに開示された技術から、当業者が容易に発明をすることができたものである。

引用例A.特開2007-249271号公報

2.判断
平成29年 2月17日付けの手続補正書による補正によって、補正前の請求項5は、削除された。
よって、当審の拒絶の理由は解消した。


第4.原査定
1.原査定の理由の概要
原査定の概要は、次のとおりである。

本件出願の平成27年 6月10日付けの手続補正書によって補正された請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない

引用例1.特開2009-9142号公報
引用例2.特開2007-249271号公報

2.原査定の理由の判断
(1)引用例の記載及び引用発明等
ア.引用例1の記載及び引用発明1
原査定の拒絶の理由に引用例1として引用された特開2009-9142号公報(以下、「引用例1」という。)には、「画像表示装置、画像表示装置の制御方法、及びプログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の事項が記載されている。
なお、説明のために下線を当審において付与した。

(ア)引用例1の記載
「【0196】
サーバ510は携帯電話610やパソコン620等の端末(以下、「情報端末」と記す)から、画像検索型カレンダ表示指示があると指定された月のカレンダを生成してそのカレンダの日付に対応付けられた縮小画像データと共に生成したカレンダデータを要求元の情報端末に送信し、画像送信要求があるとデータベース520から要求された画像データ及びメッセージデータを取り出して要求元の情報端末宛てに送信する。また、詳細メッセージ送信要求があるとデータベース520から要求された詳細メッセージデータを取り出して要求元の情報端末宛てに送信する。
(略)
【0209】
携帯電話610の制御部は通信ネットワーク700を介してサーバ510から送信された現在年月のカレンダデータ及び日付に対応付けられた縮小画像データを受信すると、図30(c)に示すように上記ステップY5で選択されたジャンルにかかわる縮小画像を対応する日付欄に表示した現在月の月間カレンダ311を表示する(ステップY6)。」

(イ)引用発明1
上記の(ア)の記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して、引用例1に開示された発明(以下、「引用発明1」という。)を装置の発明として認定する。

上記(ア)の段落0196には、「サーバ510は携帯電話610やパソコン620等の端末(以下、「情報端末」と記す)から、画像検索型カレンダ表示指示があると指定された月のカレンダを生成してそのカレンダの日付に対応付けられた縮小画像データと共に生成したカレンダデータを要求元の情報端末に送信」することが開示されている。
サーバは、カレンダデータを生成するのであるから、サーバは、「カレンダデータを生成する生成部」を備えているといえる。
また、サーバは、「携帯電話に、縮小画像データとカレンダデータとを送信する送信部」を備えているといえる。

また、上記の携帯電話に関し、上記(ア)の段落0209には、「携帯電話610の制御部は通信ネットワーク700を介してサーバ510から送信された現在年月のカレンダデータ及び日付に対応付けられた縮小画像データを受信すると、図30(c)に示すように上記ステップY5で選択されたジャンルにかかわる縮小画像を対応する日付欄に表示した現在月の月間カレンダ311を表示する(ステップY6)」ことが開示されている。
携帯電話は、カレンダを表示するのであるから、カレンダを表示する表示部を備えているといえる。
また、カレンダは、縮小画像データとカレンダデータとを受信したことによって携帯電話で表示されるのであるから、縮小画像データとカレンダデータとは、カレンダを生成するためのデータであるといえ、さらに、カレンダは、縮小画像データとカレンダデータを用いて携帯電話で生成されるものといえる。

よって、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が開示されている。
なお、下記のとおり説明のために、aないしeの記号を当審において付与した。以下、構成aなどと称することにする。

(引用発明1)
a サーバであって、
c カレンダデータを生成する生成部と、
d カレンダを表示する表示部を有する携帯電話に、縮小画像データとカレンダデータとを、送信する送信部とを備え、
ここで、前記縮小画像データ及び前記カレンダデータは、カレンダを生成するためのデータであり、
カレンダは、前記縮小画像データと前記カレンダデータを用いて携帯電話で生成される、
e サーバ

イ.引用例2の記載及び引用例2に開示された技術事項
原査定の拒絶の理由に、引用例2として引用された特開2007-249271号公報(以下、「引用例2」という。)には、「プリントサービスシステム、写真提供サーバ、写真提供サーバの制御方法、および写真提供サーバの制御プログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の事項が記載されている。
なお、説明のために下線を当審において付与した。

(ア)引用例2の記載
「【0059】
ステップS105において写真提供サーバ400は、受信した写真画像とIDとを画像記憶部404の所定領域(ここでは非会員用の記憶エリア)に記憶する。ステップS107において、ユーザ端末200aから写真提供サーバ400に写真画像の閲覧要求があった場合、ステップS109において、ユーザ端末200aに該当写真画像を表示し、プリント案内を行なう。
(略)
【0066】
図7は、写真シール作成装置300の動作を示すフローチャートである。
図を参照してステップS201で、所定数のコインの投入が行なわれる。ステップS203で撮影処理が行なわれる。ステップS205で、撮影により得られた画像に対して落書き処理(合成画像の入力処理)が行なわれる。ステップS207で、印刷画像の選択や印刷レイアウトの選択などの印刷設定処理が行なわれる。
【0067】
ステップS209で設定された条件で印刷が開始される。印刷中において、ステップS211で送信する画像を選択する処理が行なわれ、送信を行なうメールアドレスをユーザから入力する処理が行なわれる。これに基づいて、写真提供サーバ400へ写真画像、IDおよびメールアドレスを通知する処理が行なわれる。」

(イ)引用例2に開示された技術事項
上記(ア)の記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮して、引用例2に開示された技術事項を検討する。

上記(ア)の段落0066ないし0067には、写真シール作成装置の動作として、「ステップS203で撮影処理が行なわれる。(略)ステップS211で送信する画像を選択する処理が行なわれ、送信を行なうメールアドレスをユーザから入力する処理が行なわれる。これに基づいて、写真提供サーバ400へ写真画像、IDおよびメールアドレスを通知する処理が行なわれる」ことが開示されている。
写真提供サーバは、写真シール作成装置で撮影することによって得られた写真画像が写真シール作成装置から通知されるのであるから、写真提供サーバは、「写真シール作成装置において撮影することによって得られた写真画像を受信する」ものといえる。

また、上記(ア)の段落0059には、「ユーザ端末200aから写真提供サーバ400に写真画像の閲覧要求があった場合、ステップS109において、ユーザ端末200aに該当写真画像を表示」することが開示されている。
よって、写真提供サーバは、「写真画像をユーザ端末に送信する」ものといえる。そして、この写真画像は、写真シール作成装置から受信したものである。

以上より、引用例2には、以下の技術事項が開示されているといえる。

(引用例2に開示された技術事項)
写真提供サーバにおいて、写真シール作成装置において撮影することにより得られた写真画像を受信し、受信した画像をユーザ端末に送信する技術。

(2)対比・判断
ア.本件発明4
(ア)対比
以下、本件発明4と引用発明1とを対比する。

a.本件発明4の構成A、B、Eと引用発明1の構成a、eとの対比
構成a及びeの「サーバ」は、『画像を提供する装置』である点で、構成A及びEの「画像データ提供装置」と、共通する。

しかし、『画像を提供する装置』に関し、本件発明4の「画像データ提供装置」は、「各地に設置されている複数の自動写真作成装置において利用者を撮影することにより得られた撮影画像に基づいて生成された、端末装置への送信用の画像を、受信する」ものであって、受信するための「受信部」を備えているのに対し、引用発明1の「サーバ」は、「各地に設置されている複数の自動写真作成装置において利用者を撮影することにより得られた撮影画像に基づいて生成された、端末装置への送信用の画像を、受信する」ものでなく、そのため、受信するための「受信部」を備えない点で、相違する。

b.本件発明4の構成Cと引用発明1の構成cとの対比
引用発明1と、本件発明4とは、『データ』を生成する「生成部」を備える点で、共通する。

しかし、『データ』は、引用発明1においては「カレンダデータ」であって、構成dをみると、携帯電話で生成されるカレンダに用いられるデータであり、「表示部」で表示されるデータではないから、「表示用データ」とはいえない。
したがって、『画像を提供する装置』の「生成部」で生成される『データ』に関し、本件発明4は、「利用者毎に、前記各自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像、及び当該送信用の画像とは異なり前記各自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像、をカレンダ上に表示する表示用データ」であるのに対し、引用発明1では、「カレンダデータ」であって、当該「表示用データ」ではない点で、相違する。

c.本件発明4の構成Dと引用発明1の構成dとの対比
構成dの「携帯電話」は、『データ』を表示する「表示部」を有する端末である点で、本件発明4の「端末装置」と、共通する。
構成dの「送信部」は、表示部を有する端末に『データ』を送信する「送信部」を備える点で、構成Dの「送信部」と、共通する。

よって、本件発明4と、引用発明1とは、「データを表示する表示部を有する端末装置に、『データ』を、送信する「送信部」を備える点で、共通する。
しかし、『画像を提供する装置』の「送信部」で送信される『データ』及び「端末装置の表示部」で表示される『データ』に関し、本件発明4は、「前記表示用データ」又は「当該表示用データ」、すなわち、上記b.において検討した「生成部」で生成された「表示用データ」であるのに対し、引用発明1は、携帯電話で生成されるカレンダの生成に用いられる「縮小画像データ」と「カレンダデータ」及び「カレンダ」であって、「表示用データ」でない点で相違する。

d.小括
したがって、本件発明4と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
『画像を提供する装置』であって、
『データ』を生成する生成部と、
『データ』を表示する表示部を有する端末装置に、『データ』を送信する送信部と、
を備えている、『画像を提供する装置』。

(相違点)
[相違点1]
『画像を提供する装置』に関し、本件発明4の「画像データ提供装置」は、「各地に設置されている複数の自動写真作成装置において利用者を撮影することにより得られた撮影画像に基づいて生成された、端末装置への送信用の画像を、受信する」ものであって、受信するための「受信部」を備えているのに対し、引用発明1の「サーバ」は、「各地に設置されている複数の自動写真作成装置において利用者を撮影することにより得られた撮影画像に基づいて生成された、端末装置への送信用の画像を、受信する」ものでなく、そのため、受信するための「受信部」を備えない点で、相違する。

[相違点2]
『データ』に関し、本件発明4は、『画像を提供する装置』の「生成部」での生成及び「送信部」での送信並びに端末装置の「表示部」での表示の対象となるデータが、「利用者毎に、前記各自動写真作成装置から送信された前記送信用の画像、及び当該送信用の画像とは異なり前記各自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像、をカレンダ上に表示する表示用データ」であるのに対し、引用発明1は、『画像を提供する装置』の生成部で生成するデータが「カレンダデータ」であり、『画像を提供する装置』で送信するデータが「カレンダデータ」と「縮小画像データ」であり、携帯電話で表示するデータが「カレンダデータ」と「縮小画像データ」を用いて端末装置で生成される「カレンダ」であって、当該「表示用データ」でない点、で、相違する。

(イ)判断
事案に鑑みて、相違点2について検討する。

上記(ア)b.及びc.において検討したように、本件発明4は、サーバにおいて「表示用データ」を生成し、当該「表示用データ」を端末装置に送信し、端末装置の表示部に当該「表示用データ」を表示するものであり、一方、引用発明は、サーバにおいて「カレンダデータ」を生成し、当該「カレンダデータ」と「縮小画像データ」とを携帯電話に送信し、携帯電話で当該「カレンダデータ」と当該「縮小画像データ」とを用いてカレンダを生成するものである。
引用例2に開示された技術的事項は、「写真提供サーバにおいて、写真シール作成装置において撮影することにより得られた写真画像を受信し、受信した画像をユーザ端末に送信する技術」(上記2.(1)イ.(イ))であって、サーバにおいて、端末装置の表示部に表示する表示用のデータを生成することを開示するものではない。さらに、引用例2は、表示用のデータである「当該送信用の画像とは異なり前記各自動写真作成装置で生成された画像に基づかない画像、をカレンダ上に表示する表示用データ」を生成することを開示するものではない。
よって、引用発明1に引用例2に開示された技術事項を適用しても、相違点2に係る構成とすることはできない。
また、相違点2に係る構成が、本件出願の出願前において、周知技術であるとも認められない。

したがって、相違点2に係る構成は、当業者が引用例1及び2から想到し得たものではないから、本件発明4は、当業者が引用例1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明ができたものとは言えない。

イ.本件発明1ないし3並びに5ないし6

本件発明1は、本件発明4の画像データ提供装置を構成として実質的に含むシステムに関する発明であって、本件発明4の相違点1及び2と実質的に同じ相違点を有するものである。したがって、本件発明1は、本件発明4と同様に、当業者が引用例1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明ができたものとは言えない。
本件発明2、3は、本件発明1を引用するものであって、本件発明1の相違点を有するものである。したがって、本件発明2、3は、本件発明1と同様に、当業者が引用例1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明ができたものとは言えない。
本件発明5は、本件発明4の画像データ提供装置を構成として実質的に含む方法の発明であって、本件発明4の相違点1及び2と実質的に同じ相違点を有するものである。したがって、本件発明5は、当業者が引用例1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明ができたものとは言えない。
本件発明6は、本件発明4の画像データ提供装置を構成として実質的に含むプログラムに関する発明であって、本件発明4の相違点1及び2と実質的に同じ相違点を有するものである。したがって、本件発明6は、当業者が引用例1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明ができたものとは言えない。


第5.むすび
したがって、原査定の理由については、本件出願を拒絶することはできない。
他に本件出願を拒絶すべき理由も発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-06-08 
出願番号 特願2015-33014(P2015-33014)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
P 1 8・ 537- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 富樫 明後藤 嘉宏  
特許庁審判長 篠原 功一
特許庁審判官 冨田 高史
小池 正彦
発明の名称 画像データ提供システム、画像データ提供方法、および画像データ提供プログラム  
代理人 山田 威一郎  
代理人 山下 未知子  
代理人 桝田 剛  
代理人 立花 顕治  

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