• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降)  A44C
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A44C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A44C
審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  A44C
審判 全部申し立て 2項進歩性  A44C
管理番号 1329070
異議申立番号 異議2016-700432  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-05-16 
確定日 2017-05-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5817753号発明「バンド取付構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5817753号の明細書、特許請求の範囲を、平成28年11月9日付け訂正請求書に添付され平成29年1月5日付けの手続補正書により補正された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?4〕、〔5〕について訂正することを認める。 特許第5817753号の請求項1?3、5に係る特許を維持する。 特許第5817753号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5817753号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成25年2月13日に特許出願され、平成27年10月9日にその特許権の設定登録がされ、同年11月18日にその掲載公報が発行された。
これに対し、平成28年5月16日付けで特許異議申立人土屋篤志(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年9月12日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年11月9日に意見書の提出及び訂正の請求があり、さらに同年12月1日付けで訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成29年1月5日に意見書及び手続補正書並びに訂正明細書及び訂正特許請求の範囲が提出されたものである。
なお、特許法第120条の5第5項の規定により、申立人に訂正請求があった旨の通知をし、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、指定した期間内に申立人から意見書の提出はなかった。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正請求書の補正の適否
ア 上記平成29年1月5日の訂正請求書の補正は、上記平成28年11月9日の訂正請求における以下の(ア)及び(イ)についてするものである。
(ア)補正前の特許請求の範囲の請求項1?3からなる一群の請求項、請求項5及び訂正明細書の段落【0006】に、「本体ケース側の端面」及び「バンド側の端面」 とあったのを、「本体ケース側」及び「バンド側」と補正する。

(イ)補正前の特許請求の範囲の請求項1?3からなる一群の請求項、請求項5及び訂正明細書の段落【0006】に「補強部材」とあったのを、「補強部」と補正する。

イ 上記各補正が、訂正請求書の要旨を変更するものであるか否かにつき検討する。

上記(ア)の補正は、平成28年12月1日付けで通知された、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正でないとの訂正拒絶理由に対応するためのものであって、実質的な内容変更を伴うものではないことが明らかなものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものでない。

上記(イ)の補正は、訂正請求の際に生じた明らかな誤記を解消するものであって、審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものでない。

したがって、上記訂正請求書の補正は、訂正請求書の要旨を変更するものではないから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第131条の2第1項の規定に適合する。

(2)訂正の内容
以上のとおり、訂正請求書の補正は認められるから、特許権者が求める補正後の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下ア?エのとおりである。

ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「・・・前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されていることを特徴とするバンド取付構造。」
とあるのを、
「・・・前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されており、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されていることを特徴とするバンド取付構造。」
と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2及び請求項3も同様に訂正する)。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

ウ 訂正事項3(請求項5に係る訂正を「訂正事項3」という。)
特許請求の範囲の請求項5に
「腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、
を備える連結部材が配置されていることを特徴とするバンド取付構造。」
とあるのを、
「腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、
を備える連結部材が配置され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されていることを特徴とするバンド取付構造。」
と訂正する。

エ 訂正事項4(明細書に係る訂正を「訂正事項4」という。)
明細書の段落[0006]に
「前記課題を解決するために、本発明に係るバンド取付構造は、
腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、を備える連結部材が配置され、
前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されていることを特徴としている。」
とあるのを、
「前記課題を解決するために、本発明に係るバンド取付構造は、
腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、を備える連結部材が配置され、
前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されており、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されていることを特徴としている。」
と訂正する。

(3)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、及び一群の請求項についての判断

ア 訂正事項1
訂正事項1は、訂正前の請求項1の発明特定事項である連結部材の補強部について、「前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されて」との発明特定事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号の規定に適合する。また、新規事項を追加するものでなく、特許請求の範囲の拡張・変更するものでもない。

イ 訂正事項2
訂正事項2は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項を追加するものでなく、特許請求の範囲の拡張・変更するものでもないことは明らかである。

ウ 訂正事項3
訂正事項3は、訂正前の請求項5の発明特定事項である連結部材の補強部について、「前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成され」との発明特定事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、新規事項を追加するものでなく、特許請求の範囲の拡張・変更するものでもない。

エ 訂正事項4
訂正事項4は、明細書段落[0006]の記載を、上記訂正事項1と整合させるためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、特許法第120条の5第2項ただし書第3号の規定に適合する。また、新規事項を追加するものでなく、特許請求の範囲の拡張・変更するものでもないことは明らかである。

オ 一群の請求項についての検討
訂正事項1、2に係る訂正前の請求項1?4について、訂正前の請求項2?4は請求項1を直接的又は間接的に引用するから、請求項1?4は特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
よって、訂正事項1及び2は、一群の請求項である請求項1?4について訂正するものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。
なお、訂正事項3に係る訂正前の請求項5は、他の請求項の記載を引用するものでなく、また、訂正事項4は明細書を訂正するものであるから、特許法第120条の5第4項の規定は課されない。

(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正の請求は、特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第4?6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?4〕、〔5〕について訂正することを認める。

3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
上記2.のとおり、本件訂正の請求は認められるから、本件特許の請求項1?3、5の特許に係る発明は、平成28年11月9日付け訂正請求書に添付され平成29年1月5日付けの手続補正書により補正された訂正特許請求の範囲の請求項1?3、5に記載された事項により特定されるとおりのものである。(以下、「本件発明1」等という。)

(2)当審の取消理由
ア 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1?5に係る特許に対して、上記平成28年9月12日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、以下(ア)、(イ)のとおりである。以下、本件訂正前の請求項に係る発明を、「本件特許発明1」等という。

(ア)取消理由1
本件特許発明5は、その出願前に頒布された刊行物である甲第1又は2号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

(イ)取消理由2
本件特許発明1?5は、その出願前に頒布された刊行物である甲第1、2、4号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
イ 甲号証及びその記載事項
甲第1号証:特開平8-315号公報
甲第2号証:実願昭62-68608号(実開昭63-178505号)のマイクロフィルム
甲第3号証:実願昭61-27418号(実願昭62-139309号)のマイクロフィルム
甲第4号証:実用新案登録第3023849号公報

甲第1?4号証のいずれにも、本件発明1?3、5の連結部材の補強部が、「本体ケースからバンドに向かう方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され」、「本体ケース側における断面積よりもバンド側における前記断面積が小さくなるように構成されている」点は記載されていない。

ウ 判断
(ア)取消理由通知に記載した取消理由について
(ア-1)取消理由1について
上記イのとおり、甲第1または2号証には、本件発明1?3、5の連結部材の補強部が、「本体ケースからバンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され」、「本体ケース側における断面積よりもバンド側における前記断面積が小さくなるように構成されている」点は記載されておらず、甲第1または2号証に記載された発明は、本件発明5と同一でない。
よって、本件発明5は、甲第1又は2号証に記載された発明でなく、特許法第29条第1項第3号に該当するものでないから、その発明に係る特許は取り消すべきものでない。

(ア-2)取消理由2について
上記イのとおり、甲第1、2、4号証には、本件発明1?3、5の連結部材の補強部が、「本体ケースからバンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され」、「本体ケース側における断面積よりもバンド側における前記断面積が小さくなるように構成されている」点は記載されておらず、本願出願前に周知の技術ということもできない。そして、本件発明1?3、5は、「腕時計1を腕に装着した際、バンド3が、腕時計ケース2に対しては強固に連結された状態を保ちながら、腕の動き等に応じて柔軟に撓り、腕にフィットする。」(明細書段落【0022】)との格別の効果を奏するものである。
よって、本件発明1?3、5は、甲第1、2、4号証に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでなく、特許法第29条第2項に該当するものでないから、その発明に係る特許は取り消すことはできない。

(イ)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
申立人は、訂正前の特許請求の範囲に関し、特許異議申立書において、以下(イ-1)、(イ-2)の理由を主張しているが、いずれも理由がない。

(イ-1)特許法第29条第2項違反
本件特許発明1?4は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?4号証に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消すべきである。

しかしながら、上記イのとおり、本件発明1?3、5の連結部材の補強部が、「本体ケースからバンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され」、「本体ケース側における断面積よりもバンド側における前記断面積が小さくなるように構成されている」点は甲第2?4号証に記載されておらず、本願出願前の周知技術ということはできない。
よって、本件発明1?3は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?4号証に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでなく、特許法第29条第2項に該当するものでないから、本件特許は取り消すことはできない。

(イ-2)特許法第36条第4項第1号違反
本件特許発明5は明細書の詳細な説明に、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていないものであって、本件特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、取り消すべきである。

しかしながら、本件特許発明5は、その内容からみて、バンド取付構造において、連結部材に注目して記載されたものと解することができるとともに、本件明細書の発明の詳細な説明には、当該連結部材を有するバンド取付構造について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されており、「切り欠き部が形成されていない場合のバンド取付構造をどのようにして製造してよいのかが理解できず、本件特許発明に係るバンド取付構造を製造することも、また、当該バンド取付構造の使用も理解し得ない。」ということはできない。
よって、本件明細書の発明の詳細な説明は、本件特許発明5を当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものであるから、本件特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものでないから、取り消すことはできない。

エ むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?3、5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?3、5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

そして、請求項4に係る特許について、上記2.のとおり、請求項4を削除する本件訂正が認められたので、請求項4に係る特許についての本件特許異議申立ては、その対象が存在しないものとなった。
したがって、請求項4に係る特許についての本件特許異議申立ては、不適法な特許異議申立てであって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
バンド取付構造
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンド取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、腕時計等の本体ケースにバンドを取り付ける取付構造として、取付孔が形成された取付突起部が側部に設けられた本体ケースと、本体ケースの取付突起部に取り付けられる先端部に、取付孔に対応して連続する状態で貫通孔が形成されたバンドと、取付突起部の取付孔及びバンドの貫通孔に連続して挿入される固定用の棒状部材(筒状部材、ねじ部材)を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5131592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本体ケースにバンドが連結されたものを腕に装着する場合、本体ケースとバンドとの連結部分では、本体ケースやバンドと腕との間に隙間ができ、バンド等が腕から浮きやすいという問題がある。
特に本体ケースが腕の太さに対して大きい場合には、腕に装着した際に、本体ケースに対してバンドが直角に近い角度をもつため、本体ケースとバンドとの連結部分において腕との間に大きく隙間が開き、バンド等が腕にフィットせず、装着性が悪くなりやすい。
【0005】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けて使用される腕時計等において、腕へのフィット感を向上させることのできるバンド取付構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係るバンド取付構造は、
腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、
を備える連結部材が配置され、
前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されており、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、腕時計等において、本体ケースやバンドの腕への装着性が向上し、優れたフィット感を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態におけるバンド取付構造が適用された腕時計の正面図である。
【図2】図1に示す腕時計を矢視II方向から見た側面図である。
【図3】図1に示す腕時計のIII線に沿う断面図である。
【図4】ケース枠体とバンドと連結部材との関係を示す斜視図である。
【図5】腕時計ケースの6時側のみに連結部材を取り付けた状態を示す正面図である。
【図6】腕時計ケースの6時側のみに連結部材を取り付けた状態を示す裏面図である。
【図7】(a)は、図5に示す腕時計を矢視IV方向から見た上面図であり、(b)は、図5に示す腕時計を矢視V方向から見た底面図であり、(c)は、図5に示す腕時計を矢視VI方向から見た右側面図であり、(d)は、図5に示す腕時計を矢視VII方向から見た左側面図である。
【図8】第1の実施形態の連結部材の斜視図である。
【図9】図8に示す連結部材の側面図である。
【図10】(a)は、図9に示す連結部材を矢視VIII方向から見た上面図であり、(b)は、図9に示す連結部材を矢視IX方向から見た下面図であり、(c)は、図9に示す連結部材を矢視X方向から見た平面図であり、(d)は、図9に示す連結部材を矢視VII方向から見た平面図である。
【図11】(a)は、図9における補強部のXII線に沿う断面図であり、(b)は、
図9における補強部のXIII線に沿う断面図である。
【図12】(a)は、第2の実施形態の連結部材の上面図であり、(b)は、(a)に示す連結部材の側面図である。
【図13】(a)は、第3の実施形態の連結部材の上面図であり、(b)は、(a)に示す連結部材の側面図である。
【図14】(a)は、第4の実施形態の連結部材の上面図であり、(b)は、(a)に示す連結部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1の実施形態]
図1から図11を参照しつつ、本発明に係るバンド連結構造の第1の実施形態を説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
図1は、本実施形態に係るバンド連結構造が適用された腕時計の正面図であり、図2は、腕時計を図1における矢視II方向から見た側面図である。また、図3は、図1におけるIII線に沿った断面図である。
図1、図2等に示すように、本実施形態において、腕時計1は、本体ケースとしての腕時計ケース2と、この腕時計ケース2に取り付けられたバンド3と、腕時計ケース2とバンド3との連結部分に配置された連結部材4とを備えている。
【0011】
図3に示すように、腕時計ケース2は、中空の短柱形状に形成された筒状部21aを有するケース枠体21と、透明なガラス等で形成されこのケース枠体21の筒状部21aの上部に取り付けられた風防部材22と、ケース枠体21の筒状部21aの下面に取り付けられた裏蓋23とを備えている。なお、腕時計ケース2の形状は図示例に限定されない。また、腕時計ケース2の構成は、ここに例示したものに限定されず、例えば、ケース枠体21と裏蓋23とが一体となった構成でもよい。
また、本実施形態では、腕時計ケース2の上部外周に、ベゼル24が設けられている。さらに、本実施形態の腕時計ケース2の側部外周には、時刻合わせ等、種々の操作を行うための操作ボタン25が複数設けられている。
ケース枠体21、裏蓋23及びベゼル24等は、例えば各種樹脂材料や、ステンレス、チタニウム等の金属材料、セラミックス等、又はこれらの組み合せで形成されている。なお、ケース枠体21、裏蓋23及びベゼル24を形成する材料は例示したものに限定されない。
【0012】
図4は、ケース枠体21とバンド3と連結部材4との関係を示す斜視図である。また、図5は、図4の腕時計ケース2に連結部材4が取り付けられた状態の正面図(すなわち風防部材22が取り付けられる側を示す図)であり、図6は、図4の腕時計ケース2に連結部材4が取り付けられた状態の裏面図(すなわち裏蓋23が取り付けられる側を示す図)である。なお、図4では、腕時計ケース2から風防部材22、裏蓋23、ベゼル24及び操作ボタン25を取り外した状態のケース枠体21を示し、図5及び図6では、腕時計ケース2から裏蓋23及び操作ボタン25を取り外した状態を示している。
また、図7(a)は、図5における矢視IV方向から見た上面図であり、図7(b)は、図5における矢視V方向から見た底面図であり、図7(c)は、図5における矢視VI方向から見た右側面図であり、図7(d)は、図5における矢視VII方向から見た左側面図である。
なお、図4から図7(a)?図7(d)では、いずれも腕時計の6時側のみに連結部材4が配置されている状態を示している。
【0013】
図1から図4等に示すように、腕時計ケース2の上下(図1における上下)の両端部、すなわち腕時計の12時側の端部及び6時側の端部には、バンド3が取り付けられるバンド取付部26が設けられている。本実施形態では、図7(a)から図7(d)に示すように、腕時計ケース2のケース枠体21の筒状部21aの上下(図1における上下)の両端部から腕時計1における裏面側の下方に向けて斜めに突出するように一対のバンド取付部26が形成されている。
腕時計ケース2のバンド取付部26には、棒受け孔27が形成されている。棒受け孔27は、腕時計ケース2とバンド3とを連結させる棒状部材であるばね棒5が腕時計1における左右方向(図1における左右方向)に挿通される貫通孔である。なお、本実施形態では、棒受け孔27が腕時計1における左右方向にバンド取付部26を貫通している場合を図示しているが、棒受け孔27は、貫通孔に限定されず、ばね棒5(棒状部材)の先端部を受ける孔又は凹部であってもよい。
図5、図6等に示すように、バンド取付部26には、連結部材4の補強部42(後述)が嵌め込まれる切り欠き部28が形成されている。切り欠き部28は、図3等に示すように、後述する連結部材4の凸部44と嵌り合う形状となっている。また、本実施形態では、切り欠き部28は、腕時計ケース2の裏面側から表面側に貫通している。
【0014】
また、腕時計ケース2の内部には、例えば電子機器としての腕時計1の表示装置6やこの表示装置6等を動作させるための各種電子部品等(図示せず)が搭載された時計モジュール7が収容されている。なお、表示装置6は、指針や文字板等を備えるアナログ式のものでもよいし、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)等で構成されたデジタル式のものでもよい。また、表示装置6は、アナログ式のものとデジタル式のものとが組み合わされたものであってもよい。
【0015】
バンド3は、例えば各種樹脂材料や、ステンレス、チタニウム等の金属材料、セラミックス等、又はこれらの組み合せで形成されている。なお、バンド3を形成する材料は例示したものに限定されない。
バンド3における腕時計ケース2との連結側の端部は、腕時計ケース2のバンド取付部26の形状に合う形状に形成された連結部31となっている。バンド3を腕時計ケース2に取り付ける際には、図4等に示すように、連結部31は、腕時計ケース2の一対のバンド取付部26の間に嵌め込まれる。連結部31には、バンド取付部26の棒受け孔27に対応する位置に、腕時計ケース2とバンド3とを連結させる棒状部材であるばね棒5が挿通される貫通孔32が形成されている。
また、連結部31における腕時計ケース2の切り欠き部28に対応する位置には、連結部材4が嵌め込まれる切り欠き部33が形成されている。本実施形態では、切り欠き部33は、バンド3の裏面側から表面側に貫通している。
【0016】
連結部材4は、腕時計ケース2とバンド3との連結部分に配置されており、腕時計ケース2及びバンド3にその裏面側から接触する接触部41と、該接触部41における腕時計ケース2及びバンド3の裏面側に接触する面から腕時計ケース2及びバンド3の表面側に向かって立設された補強部42と、を備えている。
連結部材4は、例えば、ポリウレタン等の軟質の合成樹脂により一体成型されている。なお、連結部材4を形成する材料は、ある程度柔軟性を有するものであればよく、ここに例示したものに限定されない。
【0017】
図8は、本実施形態における連結部材4の斜視図であり、図9は、連結部材4の側面図である。また、図10(a)は、連結部材4を図9における矢視VIII方向から見た上面図であり、図10(b)は、連結部材4を図9における矢視IX方向から見た下面図であり、図10(c)は、連結部材4を図9における矢視X方向から見た平面図であり、図10(d)は、連結部材4を図9における矢視XI方向から見た平面図である。
【0018】
図2及び図3、図8及び図9に示すように、接触部41は、腕時計ケース2及びバンド3の裏面の形状に沿うように、側面視において全体が緩やかにカーブしている。また、接触部41における腕時計ケース2側の端部は、腕時計ケース2の形状(本実施形態では、ケース枠体21の筒状部21aの形状)に沿う円弧状の凹部41aとなっている。なお、接触部41の形状、大きさ等は、連結部材4を取り付ける腕時計1の腕時計ケース2及びバンド3の形状、大きさ等に応じて適宜設計されるものであり、図示例には限定されない。
【0019】
補強部42は、接触部41の幅方向(図10(a)における横方向)におけるほぼ中央に、接触部41の幅方向に直交する方向(図10(a)における縦方向)に延在して設けられた板状の部である。本実施形態では、補強部42は全体がほぼ均一の厚みとなっている。
前述のように、腕時計ケース2の切り欠き部28及びバンド3の切り欠き部33は、腕時計ケース2及びバンド3の裏面側から表面側に貫通しており、補強部42の上端部42aは、この切り欠き部28,33から腕時計ケース2及びバンド3の表面側に露出している。
連結部材4は、例えば赤色等の、腕時計ケース2及びバンド3に対して目立つ色で形成されており、連結部材4の一部である補強部42の上端部42aを腕時計ケース2及びバンド3の表面側に露出させることにより、デザインのアクセントとなるとともに、腕時計1の向いている方向等を示す指標としての役割も果たすことができる。
【0020】
補強部42には、連結部材4を腕時計ケース2及びバンド3の連結部分に配置した際に腕時計ケース2の棒受け孔27及びバンド3の貫通孔32に対応する位置に、ばね棒5が挿通される貫通孔43が形成されている。
また、補強部42における腕時計ケース2側の端部には、腕時計ケース2側に突出する凸部44が形成されている。この凸部44は、腕時計ケース2のバンド取付部26の切り欠き部28と嵌合し、バンド3が腕時計ケース2に対して上下方向に回転し過ぎるのを抑止する回転防止部として機能する。
【0021】
また、本実施形態では、連結部材4の補強部42は、バンド3側における断面積が腕時計ケース2側における断面積よりも小さくなるように構成されている。
図11(a)は、補強部42の図9における一点鎖線XIIで示す部分(バンド3側の部
分)の断面図であり、図11(b)は、補強部42の図9における一点鎖線XIIIで示す部分(腕時計ケース2側の部分)の断面図である。
本実施形態では、補強部42は、バンド3側の方が腕時計ケース2側よりも高さが低くなっているため、図11(a)及び図11(b)に示すように、バンド3側における断面積(図11(a)に示す部分の面積)が、腕時計ケース2側における断面積(図11(b)に示す部分の面積)よりも小さくなっている。補強部42の断面積は、腕時計ケース2側からバンド3側に向かって無段階的に小さくなっていてもよいし、段階的に断面積が小さくなっていてもよい。
なお、補強部42のバンド3側における断面積を腕時計ケース2側における断面積よりもどの程度小さくするかは特に限定されないが、補強部42の強度等の観点からは、バンド3側における断面積が腕時計ケース2側における断面積の3分の2程度であることが好ましい。
【0022】
次に、本実施形態におけるバンド取付構造の作用について説明する。
本実施形態において、腕時計ケース2とバンド3と連結部材4とは、連結部分において、腕時計ケース2の棒受け孔27とバンド3の貫通孔31と連結部材4の貫通孔43とにばね棒5を挿通させることにより連結されている。
具体的には、まず、連結部材4を、接触部41が腕時計ケース2の裏面側に接触するとともに、補強部42の凸部44が形成されている側が腕時計ケース2側に位置するように配置して、連結部材4の補強部42を腕時計ケース2のバンド取付部26の切り欠き部28に嵌め込む。次に、バンド3の連結部31を腕時計ケース2のバンド取付部26に嵌め込む。このとき、連結部31の切り欠き部33に連結部材4の補強部42が嵌め込まれる。このように、腕時計ケース2とバンド3との間に連結部材4を介在させた状態で、腕時計ケース2の棒受け孔27とバンド3の貫通孔31と連結部材4の貫通孔43とを貫くようにばね棒5を挿通させる。これにより、バンド3が腕時計ケース2に取り付けられる。
連結部材4の補強部42の凸部44がバンド取付部26の切り欠き部28に嵌め込まれていることにより、バンド3は、腕時計ケース2に取り付けられた状態において、ある程度上下方向への回動が規制される。また、補強部42におけるバンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さいことにより、腕時計1を腕に装着した際、バンド3が、腕時計ケース2に対しては強固に連結された状態を保ちながら、腕の動き等に応じて柔軟に撓り、腕にフィットする。
なお、同じ形状で色や柄等の異なる連結部材4を複数種類用意すれば、ユーザが適宜好みの色や柄の連結部材4を選んで連結部分に取り付けることにより、デザインのバリエーションを手軽に楽しむことも可能である。
【0023】
以上のように、本実施形態によれば、腕時計ケース2とバンド3との連結部分に、腕時計ケース2及びバンド3にその裏面側から接触する接触部41と、該接触部41における腕時計ケース2及びバンド3の裏面側に接触する面から腕時計ケース2及びバンド3の表面側に向かって立設された補強部42とを備える連結部材4を配置し、連結部材4の補強部42が腕時計ケース2の切り欠き部28及びバンド3の切り欠き部33に嵌め込まれるようになっている。
腕時計1のように、腕時計ケース2(本体ケース)にバンド3が連結されたものを腕に装着する場合、腕時計ケース2とバンド3との連結部分では、腕時計ケース2やバンド3と腕との間に隙間ができ、バンド3等が腕から浮いてしまいやすい。
この点、本実施形態におけるバンド取付構造のように、腕時計ケース2からバンド3にかけて、その連結部分を裏面側から覆うように接触部41を配置した場合には、ユーザが腕時計1を腕に装着した際に、腕時計ケース2とバンド3との連結部分にできる隙間を接触部41が埋めるため、バンド3等が腕にフィットし、腕時計1の付け心地が向上する。また、接触部41に立設された補強部42が腕時計ケース2及びバンド3の切り欠き部28、33に嵌め込まれているため、腕の動き等によってバンド3が動いても、接触部41が捩れたり撚れたりしにくく、バンド3等が腕から浮くのを防止して、フィット感を維持することができる。
また、腕時計ケース2及びバンド3に形成されている切り欠き部28、33は、腕時計ケース2及びバンド3の裏面側から表面側に貫通しており、連結部材4の補強部42の上端部42aは、腕時計ケース2及びバンド3の表面側に露出している。これにより、腕時計ケース2及びバンド3の連結部分におけるデザインの自由度を高め、デザイン性を向上させることができる。例えば、腕時計ケース2やバンド3が黒色の場合に、赤色の連結部材4を配置すれば、腕時計ケース2とバンド3との連結部分に赤色の補強部42の上端部42aを腕時計1の表面に出すことができ、デザインのアクセントにすることができる。また、腕時計1にコンパス機能等が付いている場合に、赤色等の目立つ色の補強部42を腕時計1における12時側、6時側のほぼ中央に露出させることで、当該腕時計1の向いている方向を示す指標として用いることもできる。
また、本実施形態では、連結部材4の補強部42に、棒状部材としてのばね棒5を挿通させる貫通孔43を形成して、腕時計ケース2とバンド3と連結部材4とを、1本のばね棒5によって連結している。これにより、バンド3の連結に必要な部材が少なくてすむとともに、バンド3及び連結部材4の着脱が容易となっている。このため、ユーザ自身で適宜バンド3及び連結部材4の着脱を行うことができ、例えば、好みに応じて連結部材4を色の異なるものに交換する等により、デザインのバリエーションを簡易に楽しむことも可能となる。
また、連結部材4の補強部42は、腕時計ケース2側における断面積よりもバンド3側における断面積が小さくなるように構成されている。これにより、腕時計ケース2側においては、接触部41をしっかりと支えることができるとともに、バンド3側では、腕やバンド3の動きに柔軟に対応することができ、ユーザが腕時計1を腕に装着した際に、より優れたフィット感を得ることができる。
また、本実施形態では、連結部材4がポリウレタン等の軟質の合成樹脂で形成されているため、腕時計1を腕に装着した際、接触部41が腕との間の隙間を埋めるように適度に変形してフィット感を高めることができる。また、連結部材4が軟質の合成樹脂で形成されていることにより、腕時計ケース2やバンド3の下面側からの衝撃を連結部材4によって緩和あるいは吸収することができ、耐衝撃性にも優れている。
さらに、本実施形態では、接触部41は、腕時計ケース2及びバンド3の裏面の形状に沿うように、側面視において全体が緩やかにカーブしている。このため、この接触部41が腕の形状に自然に馴染み、よりフィット感を得ることができる。
【0024】
[第2の実施の形態]
次に、図12(a)及び図12(b)を参照しつつ、本発明に係るバンド取付構造の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、連結部材の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0025】
図12(a)は、本実施形態における連結部材を上方から見た平面図であり、図12(b)は、図12(a)に示す連結部材の側面図である。
図12(a)及び図12(b)に示すように、本実施形態において連結部材4の補強部46は、第1の実施形態と同様に、バンド3側の高さが腕時計ケース2側の高さよりも低くなっている。さらに、本実施形態では、腕時計ケース2側における幅方向(図12(a)において横方向、連結部材4を腕時計ケース2とバンド3との間に配置した際のバンド3の幅方向)の厚みよりもバンド3側における幅方向の厚みが薄くなる、上面視においてほぼ台形状に形成されている。
これにより、補強部46は、腕時計ケース2側における断面積よりもバンド3側における断面積が小さくなっている。
【0026】
また、図示は省略するが、本実施形態では、腕時計ケース2に形成されている切り欠き部及びバンド3に形成されている切り欠き部は、連結部材4の補強部46の形状に合うように、腕時計ケース2側からバンド3側にいくにしたがって徐々に幅が狭くなっている。
【0027】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
次に、本実施形態におけるバンド取付構造の作用について説明する。
本実施形態において、腕時計ケース2にバンド3を取り付ける際には、まず、連結部材4を、接触部41が腕時計ケース2の裏面側に接触するとともに、補強部46の凸部44が形成されている側が腕時計ケース2側に位置するように配置して、連結部材4の補強部46を腕時計ケース2のバンド取付部の切り欠き部に嵌め込む。次に、バンド3の連結部を腕時計ケース2のバンド取付部に嵌め込む。このとき、連結部の切り欠き部に連結部材4の補強部46が嵌め込まれる。そして、腕時計ケース2の棒受け孔27とバンド3の貫通孔31と連結部材4の貫通孔43とを貫くようにばね棒5を挿通させることにより、バンド3が腕時計ケース2に取り付けられる。
連結部材4の補強部46は、バンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さいことにより、腕時計1を腕に装着した際、バンド3が、腕時計ケース2に対しては強固に連結された状態を保ちながら、腕の動き等に応じて柔軟に撓り、腕にフィットする。
【0029】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、連結部材4の補強部46の高さだけでなく幅方向の厚みをも変えることで、バンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さくなるように断面積の調整を行っている。このため、高さのみによって補強部の断面積を調整する場合よりも腕時計ケース2側の断面積とバンド3側の断面積とを大きく変化させることができ、腕時計ケース2側においては、接触部41をしっかりと支えることができるとともに、バンド3側では、腕やバンド3の動きに柔軟に対応することができる。これにより、ユーザが腕時計1を腕に装着した際に、優れたフィット感を得ることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、連結部材4の補強部46の高さと幅方向の厚みの両方を変えて補強部46の断面積を調整する場合について例示したが、補強部46の断面積の調整の仕方はこれに限定されない。
補強部46の厚みを場所によって変える場合には、例えば、補強部46の高さを均一とし、厚みのみで補強部46の断面積を調整することも可能である。
このように、補強部47厚みを変える場合には、腕時計のデザイン上の制約等により補強部46の高さにあまり変化を付けられない場合でも、補強部46の断面積を調整することができ、ユーザが腕時計1を腕に装着した際に、優れたフィット感を得ることができる。
【0032】
[第3の実施の形態]
次に、図13(a)及び図13(b)を参照しつつ、本発明に係るバンド取付構造の第3の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、連結部材の構成のみが第1の実施形態等と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態等と異なる点について説明する。
【0033】
図13(a)は、本実施形態における連結部材を上方から見た平面図であり、図13(b)は、図13(a)に示す連結部材の側面図である。
図13(a)及び図13(b)に示すように、本実施形態では、連結部材4には、接触部41の上に、図13(a)における縦方向(連結部材4を腕時計ケース2とバンド3との間に配置した際のバンド3の延在方向)にほぼ平行して2つの補強部47が設けられている。
各補強部47は、第1の実施形態と同様に、バンド3側の高さが腕時計ケース2側の高さよりも低くなっており、これにより、補強部47は、腕時計ケース2側における断面積よりもバンド3側における断面積が小さくなっている。
【0034】
また、図示は省略するが、本実施形態では、腕時計ケース2及びバンド3には、連結部材4の補強部47の形状に合わせて、それぞれ2つの切り欠き部がほぼ平行して設けられる。
【0035】
なお、その他の構成は、第1の実施形態等と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
次に、本実施形態におけるバンド取付構造の作用について説明する。
本実施形態において、腕時計ケース2にバンド3を取り付ける際には、まず、連結部材4を、接触部41が腕時計ケース2の裏面側に接触するとともに、補強部47の凸部44が形成されている側が腕時計ケース2側に位置するように配置して、連結部材4の補強部47を腕時計ケース2のバンド取付部の切り欠き部に嵌め込む。次に、バンド3の連結部を腕時計ケース2のバンド取付部に嵌め込む。このとき、連結部の切り欠き部に連結部材4の補強部47が嵌め込まれる。そして、腕時計ケース2の棒受け孔27とバンド3の貫通孔31と連結部材4の貫通孔43とを貫くようにばね棒5を挿通させることにより、バンド3が腕時計ケース2に取り付けられる。
連結部材4の補強部47は、バンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さいことにより、腕時計1を腕に装着した際、バンド3が、腕時計ケース2に対しては強固に連結された状態を保ちながら、腕の動き等に応じて柔軟に撓り、腕にフィットする。
【0037】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、連結部材4に2つの補強部47が設けられており、それぞれバンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さくなるように断面積の調整を行っている。
このように、連結部材4に複数の補強部47を設けて、それぞれに断面積の調整を行った場合には、連結部材4の幅方向の中央部分に1つ補強部を設けて断面積の調整を行う場合と比較して、バンド3の幅方向の中央部分やその近傍にとどまらず、腕時計1やバンド3全体についての撓り具合の調整をより適切に行うことができる。これにより、腕時計ケース2側においては、接触部41をしっかりと支えることができるとともに、バンド3側では、腕やバンド3の動きに柔軟に対応することができ、ユーザが腕時計1を腕に装着した際に、優れたフィット感を得ることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、連結部材4に2つの補強部47がほぼ平行に配置されている場合を例示したが、補強部47の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
また、補強部47は必ずしも平行に設けられている必要はなく、補強部47の配置は適宜変更可能である。例えば、2つの補強部47が、バンド3側から腕時計ケース2側に向かって、ほぼV字型に開くような配置となっていてもよい。
【0040】
[第4の実施の形態]
次に、図14(a)及び図14(b)を参照しつつ、本発明に係るバンド取付構造の第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、連結部材の構成のみが第1の実施形態等と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態等と異なる点について説明する。
【0041】
図14(a)は、本実施形態における連結部材を上方から見た平面図であり、図14(b)は、図14(a)に示す連結部材の側面図である。
図14(a)及び図14(b)に示すように、本実施形態において連結部材4の補強部48は、上面視においてほぼX字型となる形状に形成されている。
なお、図14(b)に示すように、補強部48を側面から見た場合の形状は、第1の実施形態等とほぼ同様であり、バンド3側の高さが腕時計ケース2側の高さよりも低くなっている。これにより、補強部46は、腕時計ケース2側における断面積よりもバンド3側における断面積が小さくなっている。
【0042】
また、図示は省略するが、本実施形態では、腕時計ケース2に形成されている切り欠き部及びバンド3に形成されている切り欠き部は、連結部材4の補強部48の形状に合うように、腕時計ケース2側からバンド3側にかけて、上面視ほぼX字型となる形状に形成される。
【0043】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
次に、本実施形態におけるバンド取付構造の作用について説明する。
本実施形態において、腕時計ケース2にバンド3を取り付ける際には、まず、連結部材4を、接触部41が腕時計ケース2の裏面側に接触するとともに、補強部48の凸部44が形成されている側が腕時計ケース2側に位置するように配置して、連結部材4の補強部48を腕時計ケース2のバンド取付部の切り欠き部に嵌め込む。次に、バンド3の連結部を腕時計ケース2のバンド取付部に嵌め込む。このとき、連結部の切り欠き部に連結部材4の補強部48が嵌め込まれる。そして、腕時計ケース2の棒受け孔27とバンド3の貫通孔31と連結部材4の貫通孔43とを貫くようにばね棒5を挿通させることにより、バンド3が腕時計ケース2に取り付けられる。
連結部材4の補強部48は、バンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さいことにより、腕時計1を腕に装着した際、バンド3が、腕時計ケース2に対しては強固に連結された状態を保ちながら、腕の動き等に応じて柔軟に撓り、腕にフィットする。
【0045】
なお、その他の点については、第1の実施形態等と同様であることから、その説明を省略する。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態等と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、連結部材4に上面視においてほぼX字型の補強部48が設けられており、この補強部48のバンド3側の断面積が腕時計ケース2側の断面積よりも小さくなるように断面積の調整を行っている。
このように、補強部48が連結部材4の幅方向に拡がりを持つ場合には、接触部41を面で支えることができる。また、補強部が平板状である場合と比較して、バンド3の幅方向の中央部分やその近傍にとどまらず、腕時計1やバンド3全体についての撓り具合の調整をより適切に行うことができる。これにより、腕時計ケース2側においては、接触部41をしっかりと支えることができるとともに、バンド3側では、腕やバンド3の動きに柔軟に対応することができ、ユーザが腕時計1を腕に装着した際に、優れたフィット感を得ることができる。
【0047】
なお、補強部48の形状は、ここに例示したものに限定されず、例えば上面視においてH字型等に形成されてもよい。
【0048】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0049】
例えば、上記各実施形態では、連結部材4の補強部が、腕時計ケース2側の断面積よりもバンド3側の断面積が小さくなるように構成されている場合を例示したが、断面積の調整は、腕時計ケース2側からバンド3側へのバンド3の延在方向における調整のみに限定されない。
例えば、上記第3の実施形態、第4の実施形態のように、連結部材4の幅方向に補強部の端部が複数存在している場合には、連結部材4の幅方向においても補強部の断面積を変える調整を行ってもよい。
すなわち、例えば、連結部材4が、図13(a)及び図13(b)に示す補強部47や、図14(a)及び図14(b)に示す補強部48を備える場合には、補強部47、48の各部の断面積を、腕時計ケース2側における断面積よりもバンド3側における断面積の方が小さくなるようにし、さらに、連結部材4を腕時計1に取り付けた際に腕の付け根に近い側に配置される補強部47、48の断面積よりも手首に近い側に配置される補強部47、48の断面積の方が小さくなるようにしてもよい。
腕時計1が装着される腕は、手首側が細く、腕の付け根側に行くにしたがって徐々に太くなり、僅かにテーパ状となっている。このため、上記のように連結部材4の補強部における手首に近い側を腕の付け根に近い側よりも撓りやすくすることで、より一層腕に装着した際のフィット感が向上する。
【0050】
具体的には、例えば、腕時計1を左腕に装着する場合であって、図13(a)及び図14(a)における連結部材4を腕時計1の6時側(図1における下側)に連結する場合であれば、補強部47、48のb部分の断面積が47、48のa部分の断面積よりも小さくなるようにし、補強部47、48のd部分の断面積が47、48のc部分の断面積よりも小さくなるようにするとともに、手首に近い側に配置される補強部47、48のc部分の断面積が47、48のa部分の断面積よりも小さくなるようにし、同様に補強部47、48のd部分の断面積が47、48のb部分の断面積よりも小さくなるようにする。なお、腕時計1の12時側(図1における上側)に連結する連結部材4は、手首に近い側に配置される補強部47、48のa部分の断面積が補強部47、48のc部分の断面積よりも小さくなるようにし、補強部47、48のb部分の断面積が47、48のd部分の断面積よりも小さくなるようにする。
また、前述したように、連結部材4は、ユーザ自身で容易に着脱が可能なものであることから、腕時計1を左腕に装着するか、右腕に装着するかによって、ユーザが連結部材4を適宜入れ替えてもよい。すなわち、上記の例とは逆に腕時計1を右腕に装着する場合には、補強部47、48のc部分の断面積が47、48のa部分の断面積よりも小さく、補強部47、48のd部分の断面積が47、48のb部分の断面積よりも小さくなるように形成されている連結部材4を腕時計1の12時側(図1における上側)に連結し、補強部47、48のa部分の断面積が補強部47、48のc部分の断面積よりも小さく、補強部47、48のb部分の断面積が47、48のd部分の断面積よりも小さくなるように形成されている連結部材4を腕時計1の6時側(図1における下側)に連結する。
補強部47、48の各部の断面積を補強部47、48の高さのみで調整している場合には、上記のように腕時計1の12時側に配置する連結部材4と6時側に配置する連結部材4とを入れ替えても切り欠き部28,33に嵌め込むことができ、連結部材4を挟み込んだ状態でバンド3を腕時計ケース2に連結することができる。
【0051】
また、本実施形態では、腕時計1の12時側と6時側とに連結部材4を配置する場合を例としたが、連結部材4は、腕時計1の12時側及び6時側の両方に配置されている場合に限定されず、いずれか一方のみに配置されていてもよい。
【0052】
また、腕時計1の12時側に配置する連結部材4と6時側に配置する連結部材4とは同じものでなくてもよい。
例えば、腕時計1の12時側と6時側とにそれぞれ異なる色の連結部材4を配置してもよい。
また、腕時計1の12時側と6時側とに接触部41の形状等の異なるものを配置してもよい。例えば、腕時計1の12時側に配置する連結部材4の接触部41の厚みを6時側に配置する連結部材4の接触部41よりも厚くしてもよい。腕時計等を装着する腕は、断面において若干楕円形をしており、腕時計を装着しているうちに、腕時計における12時側にバンド3が回転してずれやすい。この点、腕時計1の12時側に配置する連結部材4の接触部41の厚みを腕時計1の6時側に配置する連結部材4の接触部41の厚みよりも厚くした場合には、12時方向への回転を抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、腕時計ケース2及びバンド3に形成されている切り欠き部28,33が、腕時計ケース2及びバンド3の裏面側から表面側に貫通しており、連結部材4の補強部42の上端部42aが、腕時計ケース2及びバンド3の表面側に露出している場合を例示したが、切り欠き部28,33は腕時計ケース2及びバンド3の裏面側から表面側に貫通しているものに限定されない。
【0054】
また、本実施形態では、腕時計ケース2とバンド3とは連結部分に棒状部材であるばね棒5を挿通させることにより連結されている場合を例としたが、本発明は、本体ケースとバンドとの連結部分に連結部材4が配置されて連結されていればよく、腕時計ケース2とバンド3との連結手法はばね棒を用いたものに限定されない。
【0055】
また、本実施形態では、バンド取付構造を腕時計に適用した場合を例として説明したが、バンド取付構造を適用するものは本体ケース(本実施形態では腕時計ケース)とこれに取り付けられるバンドを備えるものであればよく、腕時計に限定されない。例えば、歩数計、心拍計や脈拍計等の生体情報表示装置、高度情報や気圧情報等の表示装置、携帯型のプレーヤ等、バンドによって腕に装着可能な各種の機器に本発明のバンド取付構造を適用してもよい。
【0056】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、を備える連結部材が配置され、
前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されていることを特徴とするバンド取付構造。
<請求項2>
前記本体ケース及び前記バンドに形成されている前記切り欠き部は、前記本体ケース及び前記バンドの裏面側から表面側に貫通しており、
前記連結部材の前記補強部の上端部は、前記本体ケース及び前記バンドの表面側に露出していることを特徴とする請求項1に記載のバンド取付構造。
<請求項3>
前記本体ケースと前記バンドとは連結部分に棒状部材を挿通させることにより連結されており、
前記連結部材の前記補強部には、前記棒状部材を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバンド取付構造。
<請求項4>
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における断面積よりも前記バンド側における断面積が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバンド取付構造。
【符号の説明】
【0057】
1 腕時計
2 腕時計ケース
3 バンド
4 連結部材
5 ばね棒
21 ケース枠体
27 棒受け孔
28 切り欠き部
31 連結部
32 貫通孔
33 切り欠き部
41 接触部
41a 凹部
42 補強部
43 貫通孔
44 凸部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、
を備える連結部材が配置され、
前記本体ケース及び前記バンドに、前記連結部材の前記補強部が嵌め込まれる切り欠き部が形成されており、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されていることを特徴とするバンド取付構造。
【請求項2】
前記本体ケース及び前記バンドに形成されている前記切り欠き部は、前記本体ケース及び前記バンドの裏面側から表面側に貫通しており、
前記連結部材の前記補強部の上端部は、前記本体ケース及び前記バンドの表面側に露出していることを特徴とする請求項1に記載のバンド取付構造。
【請求項3】
前記本体ケースと前記バンドとは連結部分に棒状部材を挿通させることにより連結されており、
前記連結部材の前記補強部には、前記棒状部材を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバンド取付構造。
【請求項4】(削除)
【請求項5】
腕に装着されるバンドを本体ケースに取り付けるバンド取付構造において、
前記本体ケースと前記バンドとの連結部分に、前記本体ケース及び前記バンドにその裏面側から接触する接触部と、該接触部における前記本体ケース及び前記バンドの裏面側に接触する面から前記本体ケース及び前記バンドの表面側に向かって立設された補強部と、
を備える連結部材が配置され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケースから前記バンドに向う方向に対する垂直な面を前記補強部の断面積とした場合に、前記本体ケース側から徐々に前記断面積が小さくなるように構成され、
前記連結部材の前記補強部は、前記本体ケース側における前記断面積よりも前記バンド側における前記断面積が小さくなるように構成されていることを特徴とするバンド取付構造。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-04-28 
出願番号 特願2013-25073(P2013-25073)
審決分類 P 1 651・ 832- YAA (A44C)
P 1 651・ 113- YAA (A44C)
P 1 651・ 121- YAA (A44C)
P 1 651・ 841- YAA (A44C)
P 1 651・ 536- YAA (A44C)
最終処分 維持  
特許庁審判長 長屋 陽二郎
特許庁審判官 内藤 真徳
根本 徳子
登録日 2015-10-09 
登録番号 特許第5817753号(P5817753)
権利者 カシオ計算機株式会社
発明の名称 バンド取付構造  
代理人 廣田 浩一  
代理人 特許業務法人光陽国際特許事務所  
代理人 特許業務法人光陽国際特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ