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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01G
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01G
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01G
管理番号 1329103
異議申立番号 異議2017-700216  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-03-03 
確定日 2017-06-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第5985023号発明「積層コンデンサ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5985023号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5985023号の請求項1ないし3に係る特許についての出願は、平成24年3月22日に出願した特願2012-65813号の一部を平成27年9月4日に新たな特許出願としたものであって、平成28年8月12日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許について、平成29年3月3日に特許異議申立人星正美により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
特許第5985023号の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、本件発明1ないし本件発明3はそれぞれ次のとおりのものである。

「【請求項1】
第1の軸方向に相互に対向する第1の端子面及び第2の端子面を有する直方体形状に形成され、前記第1の端子面から露出する第1の引出端部を有する第1の内部電極と、前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に前記第1の内部電極と対向し前記第2の端子面から露出する第2の引出端部を有する第2の内部電極と、前記第1の内部電極と前記第2の内部電極との間に配置された誘電体層と、を有する積層体と、
前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部と電気的に接続される第1の導体部を有する第1の外部電極と、
前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部と電気的に接続される第2の導体部を有する第2の外部電極と、
前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部に対する前記第1の導体部の接続幅を制限する第1の絶縁層と、前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部に対する前記第2の導体部の接続幅を制限する第2の絶縁層と、を有する抵抗調整部と
を具備し、
前記第1の絶縁層は、前記第1の軸方向及び前記第2の軸方向に各々直交する第3の軸方向に第1の間隙を介して相互に対向する一対の第1の端子被覆層を有し、
前記第2の絶縁層は、前記第3の軸方向に第2の間隙を介して相互に対向する一対の第2の端子被覆層を有し、
前記第1の引出端部及び前記第2の引出端部は、前記第1の間隙及び前記第2の間隙を介して前記第1の導体部及び前記第2の導体部にそれぞれ接続され、
前記積層体は、前記第3の軸方向に相互に対向する第1の側面及び第2の側面をさらに有し、
前記抵抗調整部は、前記第1の側面及び前記第2の側面にそれぞれ形成され前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層をさらに有し、
前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる
積層コンデンサ。
【請求項2】
請求項1に記載の積層コンデンサであって、
前記抵抗調整部は、セラミック材料で構成される
積層コンデンサ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の積層コンデンサであって、
前記一対の外部電極は、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層の上から前記第1の端子面及び前記第2の端子面をそれぞれ被覆する導電性被覆層をさらに有する
積層コンデンサ。」

第3 申立理由の概要
1.申立理由1(明確性)
特許異議申立人は、本件発明1は不明確であり、したがって、請求項1に係る特許は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、請求項1に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

2.申立理由2(新規性)
特許異議申立人は、証拠として、下記の甲第1号証ないし甲第4号証を提出し、本件発明1ないし本件発明3は、甲第1号証及び甲第3号証にそれぞれ記載された発明であり、また、本件発明1及び本件発明3は、甲第2号証及び甲第4号証にそれぞれ記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、したがって、請求項1ないし3に係る特許は同項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、請求項1ないし3に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

3.申立理由3(進歩性)
特許異議申立人は、証拠として、下記の甲第1号証ないし甲第11号証を提出し、本件発明1及び本件発明3は、甲第2号証に記載された発明、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1ないし本件発明3は、甲第3号証に記載された発明、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1及び本件発明3は、甲第4号証に記載された発明、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、したがって、請求項1ないし3に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、請求項1ないし3に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

記(証拠一覧)
甲第1号証:特開2009-27148号公報
甲第2号証:国際公開2006/126333号
甲第3号証:特開2011-3846号公報
甲第4号証:特開昭60-60708号公報
甲第5号証:特開2009-170873号公報
甲第6号証:特開2001-52952号公報
甲第7号証:特開2008-166470号公報
甲第8号証:特開2009-88420号公報
甲第9号証:実願昭57-159915号(実開昭59-63429号)のマイクロフィルム
甲第10号証:特開平9-153433号公報
甲第11号証:特開昭50-119269号公報

第4 甲第1号証ないし甲第4号証の記載
1.甲第1号証(特開2009-27148号公報)
甲第1号証には以下の事項が図面とともに記載されている。(なお、下線は当審で付与した。)
(1)「【請求項1】
積層された第1ないし第3のセラミック層を含む複数のセラミック層をもって構成され、互いに対向する第1および第2の主面と互いに対向する第1および第2の側面と互いに対向する第1および第2の端面とを有する、直方体形状のコンデンサ本体と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第1の端面に引き出された引出し部とを有する、第1の内部電極と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第2の端面に引き出された引出し部とを有し、前記第1のセラミック層を介して前記第1の内部電極とは電気的に絶縁されている、第2の内部電極と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第1の端面に引き出された引出し部とを有し、前記第2のセラミック層を介して前記第2の内部電極とは電気的に絶縁され、前記セラミック層の積層方向において前記第1の内部電極とは異なる位置に配置されている、第3の内部電極と、
前記コンデンサ本体の前記第1の端面上に形成され、前記第1の内部電極および前記第3の内部電極と電気的に接続される、第1の外部端子電極と、
前記コンデンサ本体の前記第2の端面上に形成され、前記第2の内部電極と電気的に接続され、前記第1の外部端子電極とは異なる電位に接続される、第2の外部端子電極と
を備え、
前記第1の端面および前記第2の端面における前記セラミック層の広がり方向の寸法が、前記第1の側面および前記第2の側面における前記セラミック層の広がり方向の寸法より大きく、
前記第1の外部端子電極および前記第2の外部端子電極が抵抗成分を含有する、
積層セラミックコンデンサであって、
前記第1の内部電極および前記第3の内部電極において、前記引出し部の前記第1の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法は、前記容量部の前記第1の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法より小さく、
前記第1の内部電極の前記引出し部と前記第3の内部電極の前記引出し部とは、前記セラミック層の積層方向に向かって平面透視した際に重ならないか、あるいは部分的に重なるように配置されていることを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
(中略)
【請求項4】
前記第1の内部電極および前記第3の内部電極のうち少なくとも一方は、前記引出し部の引出し方向に沿った両側端のいずれもが前記容量部の両側端と一直線上でつながらないT字形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
(中略)
【請求項6】
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第2の端面に引き出された引出し部とを有し、前記第3のセラミック層を介して前記第3の内部電極とは電気的に絶縁され、前記セラミック層の積層方向において前記第2の内部電極とは異なる位置に配置され、前記第2の外部端子電極と電気的に接続されている、第4の内部電極をさらに備え、
前記第2の内部電極および前記第4の内部電極において、前記引出し部の前記第2の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法は、前記容量部の前記第2の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法より小さく、
前記第2の内部電極の前記引出し部と前記第4の内部電極の前記引出し部とは、前記セラミック層の積層方向に向かって平面透視した際に重ならないか、あるいは部分的に重なるように配置されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
(中略)
【請求項9】
前記第2の内部電極および前記第4の内部電極のうち少なくとも一方は、前記引出し部の引出し方向に沿った両側端のいずれもが前記容量部の両側端と一直線上でつながらないT字形状であることを特徴とする、請求項6または7に記載の積層セラミックコンデンサ。」
(2)「【0019】
そこで、この発明の目的は、抵抗成分を含有する外部端子電極を備える積層セラミックコンデンサにおいて、ESR制御を行ないやすい構造を提供しようとすることである。」
(3)「【0037】
この発明によれば、第1の内部電極および第3の内部電極において、引出し部の幅方向寸法が容量部の幅方向寸法より小さくされているので、まず、ESRを高めることができる。」
(4)「【0046】
積層セラミックコンデンサ1は、積層された第1のセラミック層2-1、第2のセラミック層2-2および第3のセラミック層2-3を含む複数のセラミック層2をもって構成されたコンデンサ本体3と、コンデンサ本体3の内部に形成された第1ないし第4の内部電極4ないし7と、コンデンサ本体3の外表面上であって互いに対向するように形成された第1および第2の外部端子電極8および9とを備えている。
(中略)
【0049】
コンデンサ本体3は、互いに対向する第1および第2の主面10および11と互いに対向する第1および第2の側面12および13と互いに対向する第1および第2の端面14および15とを有する、直方体形状をなしている。
【0050】
コンデンサ本体3において、第1の端面14および第2の端面15におけるセラミック層2の広がり方向の寸法(L寸法)は、第1の側面12および第2の側面13におけるセラミック層2の広がり方向寸法(W寸法)よりも大きい。L寸法は、W寸法の1.5?2.5倍とされることが好ましい。前述した第1および第2の外部端子電極8および9は、それぞれ、第1および第2の端面14および15上に形成されている。
【0051】
コンデンサ本体3の内部において、第2の内部電極5は、第1のセラミック層2-1を介して第1の内部電極4とは電気的に絶縁されている。第3の内部電極6は、第2のセラミック層2-2を介して第2の内部電極5とは電気的に絶縁され、セラミック層2の積層方向において第1の内部電極4とは異なる位置に配置されている。第4の内部電極7は、第3のセラミック層2-3を介して第3の内部電極6とは電気的に絶縁され、セラミック層2の積層方向において第2の内部電極5とは異なる位置に配置されている。」
(5)「【0093】
図10に示した第4の実施形態では、内部電極4?7の各々について、引出し部17の引出し方向に沿った両側端のいずれもが容量部16の両側端と一直線上でつながらないT字形状をなしていることを特徴としている。
【0094】
図11は、図10(1)に相当する図であって、引出し部17の位置についての説明図である。
【0095】
第1の外部端子電極8は、コンデンサ本体3の第1の端面14上に形成されるが、その端部は、第1および第2の側面12および13の各一部上であって、第1の端面14に隣接する部分にまで延びるように形成されている。同様に、第2の外部端子電極9は、第2の端面15上に形成されるが、その端部は、第1および第2の側面12および13の各一部上であって、第2の端面15に隣接する部分にまで延びるように形成されている。また、第1および第2の外部端子電極8および9は、それぞれ、第1および第2の端面14および15上での厚みを見たとき、両端がより薄く、中央がより厚くなっている。
【0096】
このことから、図11に示した引出し部17の端点Eがたとえば第1の側面12に寄れば寄るほど、内部電極4から外部端子電極8の表面までの距離が短くなり、逆に、中央に寄れば寄るほど、内部電極4から外部端子電極8の表面までの距離が長くなる。
【0097】
ESRを高めるという観点からすれば、端点Eは中央に寄っている方が良い。そして、容量部16をそのままにして、端点Eを中央に寄せた場合、内部電極4はT字形状となる。なお、この第4の実施形態では、内部電極4?7の各々の引出し部17に同士が完全に重なってしまうことがないため、内部電極4?7の各々は必ず左右非対称なT字形状となる。」

そして、上記(1)ないし(5)の記載事項と図面の記載とを総合勘案すると、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。

「 積層された第1ないし第3のセラミック層を含む複数のセラミック層をもって構成され、互いに対向する第1および第2の主面と互いに対向する第1および第2の側面と互いに対向する第1および第2の端面とを有する、直方体形状のコンデンサ本体と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第1の端面に引き出された引出し部とを有する、第1の内部電極と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第2の端面に引き出された引出し部とを有し、前記第1のセラミック層を介して前記第1の内部電極とは電気的に絶縁されている、第2の内部電極と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第1の端面に引き出された引出し部とを有し、前記第2のセラミック層を介して前記第2の内部電極とは電気的に絶縁され、前記セラミック層の積層方向において前記第1の内部電極とは異なる位置に配置されている、第3の内部電極と、
前記コンデンサ本体の内部に形成され、容量を形成するための容量部と前記容量部から前記第2の端面に引き出された引出し部とを有し、前記第3のセラミック層を介して前記第3の内部電極とは電気的に絶縁され、前記セラミック層の積層方向において前記第2の内部電極とは異なる位置に配置されている、第4の内部電極と、
前記コンデンサ本体の前記第1の端面上に形成され、前記第1の内部電極および前記第3の内部電極と電気的に接続される、第1の外部端子電極と、
前記コンデンサ本体の前記第2の端面上に形成され、前記第2の内部電極および前記第4の内部電極と電気的に接続され、前記第1の外部端子電極とは異なる電位に接続される、第2の外部端子電極とを備え、
前記第1の内部電極および前記第3の内部電極において、前記引出し部の前記第1の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法は、前記容量部の前記第1の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法より小さく、
前記第2の内部電極および前記第4の内部電極において、前記引出し部の前記第2の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法は、前記容量部の前記第2の端面に平行な方向に測定した幅方向寸法より小さく、
前記第1の内部電極ないし前記第4の内部電極は、前記引出し部の引出し方向に沿った両側端のいずれもが前記容量部の両側端と一直線上でつながらない左右非対称なT字形状である、
積層セラミックコンデンサ。」

2.甲第2号証(国際公開2006/126333号)
甲第2号証には以下の事項が図面とともに記載されている。(なお、下線は当審で付与した。)
(6)「[0010]
本願発明は、めっき液のセラミック積層体への侵入を抑制、防止することが可能で、絶縁抵抗の低下や耐候性の劣化を招くようなことがなく、かつ、外部電極と内部電極層の電気的な接続信頼性や、外部電極のはんだ付き性が良好な積層セラミック電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。」
(7)「[0011]
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品は、
複数のセラミック層と、
前記セラミック層間に、一部が端面に導出されるような態様で配設された内部電極層とを備えたセラミック積層体と、
前記内部電極層が導出された端面に、前記内部電極層と導通するように配設された外部電極とを備えた積層セラミック電子部品であって、
前記セラミック積層体の端面の、前記内部電極層が導出されて露出した露出部分のうち、少なくとも長手方向の一方の端部がガラス膜で覆われており、かつ、
前記内部電極層の前記露出部分のうち、前記ガラス膜で覆われていない部分において、前記内部電極層と前記外部電極とが電気的に接続されていること
を特徴としている。」
(8)「実施例1
[0036]
積層セラミック電子部品として、以下に説明するような積層セラミックコンデンサ(試料1?11)を作製し、その特性を調べた。
[0037]
なお、この実施例1で作製した積層セラミックコンデンサは、図1および図2に示すように、複数の内部電極層2(2a,2b)がセラミック層3を介して互いに対向するように配設され、かつ、交互に逆側の端面4(4a,4b)に引き出されたセラミック積層体1の両端部に、内部電極層2(2a,2b)と導通するように一対の外部電極5(5a,5b)が配設された構造を基本構造とする積層セラミックコンデンサである。
(中略)
[0039]
[試料1?4の作製]
(1)セラミック積層体の作製
BaTiO_(3)を主成分とするセラミックグリーンシートを準備し、所定枚数のセラミックグリーンシートの表面上に、一方の端縁がセラミックグリーンシートの何れかの端面側に露出するように、焼成後に内部電極層となる導体膜(導電性ペースト)を印刷した。これら複数のセラミックグリーンシートを、静電容量の目標値が10μFとなるよう所定枚数積層し、圧着して、未焼成のセラミック積層体を形成した。このセラミック積層体について、脱脂・焼成・表面処理を順次行って、寸法が、長さ(L)2mm×幅(W)1.2mm×高さ(T)1.2mmのセラミック積層体を作製した。
(中略)
[0045]
(3)ガラス膜の形成
図3(a),(b)に示すように、保持体(テーブル)10上にガラスペースト11を、所定間隔Kをおいて帯状に塗布して2つのガラスペーストパターン11a,11bを形成した。なお、保持体としては、直接にガラスペースト11が塗布されるテーブル10を用いる場合に限らず、表面にフィルムが配設された台(テーブルなど)を用いることも可能であり、その具体的な構成に特別の制約はない。
[0046]
それから、図4(a)に示すように、テーブル10上に塗布されたガラスペースト11にセラミック積層体1の端面4を浸漬した後、図4(b)に示すように、セラミック積層体1を引き上げ、乾燥させることにより、端面4に露出した内部電極層2の両端がガラスペースト膜21により覆われた4種類の試料(試料1?4)を作製した。
(中略)
[0050]
(4)外部電極の形成
次に、端面4に露出した内部電極層2の両端がガラスペースト膜21により覆われたセラミック積層体1の端面4に導電性ペーストを塗布した後、150℃で15分間の乾燥を行った。
その後、中性雰囲気中、850℃、10分キープの条件で焼成した。
[0051]
これにより、図1(a)、図5(a),(b)に示すように、セラミック積層体1の端面の両端側部分(内部電極層2の露出部分Aの両端部A1,A2を含む領域)を覆うガラス膜31を形成するとともに、ガラス膜31も含めて端面4の全体を覆う外部電極5(5a,5b)を形成した。なお、ガラス膜31の形成領域の、内部電極層2の露出部分Aの長さ方向の距離は、図5(a)のように小さくすることも、図5(b)に示すように大きくすることも可能である。」

そして、図1及び図3の記載からみて、セラミック積層体1は直方体形状である。
したがって、上記(6)ないし(8)の記載事項と図面の記載とを総合勘案すると、甲第2号証には次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。

「 複数のセラミック層3と、
前記セラミック層3を介して互いに対向するように配設されるとともに、交互に逆側の端面4(4a,4b)に導出されるような態様で配設された複数の内部電極層2(2a,2b)とを備えた直方体形状のセラミック積層体1と、
前記内部電極層2(2a,2b)が導出された端面4(4a,4b)に、前記内部電極層2(2a,2b)と導通するように配設された一対の外部電極5(5a,5b)とを備え、
前記セラミック積層体1の端面4(4a,4b)の両端側部分(内部電極層2(2a,2b)の露出部分Aの両端部A1,A2を含む領域)がガラス膜31で覆われており、かつ、
前記内部電極層2(2a,2b)の前記露出部分Aのうち、前記ガラス膜31で覆われていない部分において、前記内部電極層2(2a,2b)と前記外部電極5(5a,5b)とが電気的に接続されている
積層セラミックコンデンサ。」

3.甲第3号証(特開2011-3846号公報)
甲第3号証には以下の事項が図面とともに記載されている。(なお、下線は当審で付与した。)

(9)「【請求項1】
長さ方向及び幅方向に沿って延びる第1及び第2の主面と、長さ方向及び高さ方向に沿って延びる第1及び第2の側面と、幅方向及び高さ方向に沿って延びる第1及び第2の端面とを有し、セラミックからなる直方体状の電子部品本体と、前記第1の端面において露出するように、前記第1の主面に対して平行に前記電子部品本体内に形成されている第1の内部電極と、前記第2の端面において露出するように、前記第1の主面に対して平行に前記電子部品本体内に形成されている第2の内部電極とを有する電子部品の製造方法であって、
前記第1の内部電極が第1の端面と第1及び第2の側面とに露出するように形成されていると共に、前記第2の内部電極が第2の端面と第1及び第2の側面とに露出するように形成されている直方体状のセラミック部材を用意する工程と、
前記セラミック部材の前記第1及び第2の側面に、セラミック粒子を含むセラミックペーストを滴下して塗布し、乾燥した後に、焼成させることにより、前記電子部品本体を形成する形成工程とを備える、電子部品の製造方法。」
(10)「【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、有効面積比率が高い電子部品を製造し得る電子部品の製造方法を提供することにある。」
(11)「【0018】
例えば、製造しようとする電子部品が、コンデンサである場合は、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシート10を用いることができる。誘電体セラミックの具体例としては、例えば、BaTiO_(3)、CaTiO_(3)、SrTiO_(3)、CaZrO_(3)などが挙げられる。セラミックグリーンシート10には、例えば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を適宜添加してもよい。」
(12)「【0028】
図4に示すように、セラミック部材13は、直方体状である。セラミック部材13は、長さ方向L及び幅方向Wに沿って延びる第1及び第2の主面13a、13bと、長さ方向L及び高さ方向Hに沿って延びる第1及び第2の側面13c、13dと、幅方向W及び高さ方向Hに沿って延びる第1及び第2の端面13e、13fとを備えている。セラミック部材13の内部には、それぞれ第1の主面13aと平行な第1及び第2の内部電極14,15が形成されている。第1及び第2の内部電極14,15は、セラミック層16を介して対向している。図4及び図5に示すように、第1の内部電極14は、第1及び第2の側面13c、13dと、第1の端面13eとに露出しており、第2の端面13fには露出していない。一方、図4及び図6に示すように、第2の内部電極15は、第1及び第2の側面13c、13dと、第2の端面13fとに露出しており、第1の端面13eには露出していない。なお、セラミック部材13が棒状である場合、第1の内部電極14と第2の内部電極15は、第1及び第2の側面13b,13cに露出している。」
(13)「【0029】
次に、図1に示すステップS6において、図7及び図8に示す塗布装置22を用いて、第1の側面13cの上にセラミックペーストを塗布する。なお、描画の便宜上、図7には塗布装置22の上流側部分のみを示し、図8に塗布装置22の下流側部分を示している。図7に示す塗布装置22の上流側部分は、図8に示す下流側部分に接続されている。
(中略)
【0033】
ディスペンサ22eの下流側には、エアー吹きつけ機構22fが配置されている。エアー吹きつけ機構22fは、搬送ベルト22b上のセラミック部材13にエアーを吹き付ける機構である。ディスペンサ22eによりセラミックペーストが滴下された状態では、図9(a)に示すように、セラミックペースト24は、第1またh第2の側面13c、13dの中央部に位置しており、第1または第2の側面13c、13dの全面に均一に広がっていない。エアー吹きつけ機構22fにより第1または第2の側面13c、13dにエアーが吹き付けられると、図9(b)に示すように、セラミックペースト24が広がっていき、図9(c)に示すように、第1または第2の側面13c、13dに均一に広がる。
(中略)
【0035】
エアー吹きつけ機構22fの下流側には、乾燥炉22gが配置されている。この乾燥炉22gをセラミック部材13が通過することにより、第1または第2の側面13c、13dに塗布されたセラミックペーストが乾燥する。
(中略)
【0037】
回転機構22iの下流側には、ディスペンサ22j、エアー吹きつけ機構22k及び乾燥炉22lがこの順番で配置されている。これらにより、第1及び第2の側面13c、13dのうちのもう一方にも同様に、セラミックペーストが塗布され、乾燥される。なお、セラミック部材13が棒状である場合は、第1の方向xに沿って切断し、個々のチップに分割する。」
(14)「【0040】
セラミックペーストの粘度は、セラミックペーストの塗布時において、5?1000mPa・sの範囲内にあることが好ましい。すなわち、セラミックペーストの粘度は、セラミックペーストを塗布する雰囲気温度において、5?1000mPa・sの範囲内にあることが好ましい。セラミックペーストの粘度を5mPa・s以上とすることで、第1の側面13cからセラミックペーストがたれることを抑制することができる。また、セラミックペーストの粘度を1000mPa・s以下とすることで、セラミックペーストを好適に塗布することができる。よって、薄く、かつ厚みが均一なセラミック層を形成することができる。」
(15)「【0043】
図10は、セラミックペースト塗布後のセラミック部材13の略図的斜視図である。図10に示すように、セラミック部材13の第1及び第2の側面13c、13d上に、セラミックペーストからなるセラミック層27a、27bが形成されている。次に、図1に示すステップS7において、これを焼成することにより、図11?図14に示す直方体状のセラミック電子部品41を完成させる。なお、さらに、第1及び第2の端面41e、41f上に第1及び第2の外部電極を形成してもよい。」
(16)「【0044】
次に、得られたセラミック電子部品41の構成について、図11?図14を参照して詳細に説明する。図11?図14に示すように、セラミック電子部品41は、直方体状の電子部品本体43を備えている。電子部品本体43は、長さ方向L及び幅方向Wに沿って延びる第1及び第2の主面41a、41bと、長さ方向L及び高さ方向Hに沿って延びる第1及び第2の側面41c、41dと、幅方向W及び高さ方向Hに沿って延びる第1及び第2の端面41e、41fとを有する。電子部品本体43の内部には、第1及び第2の内部電極14,15が形成されている。第1の内部電極14と、第2の内部電極15とは、図14に示すように、高さ方向Hにおいて、セラミック層43aを介して対向している。第1の内部電極14は、第1の端面41eにおいて露出している。第2の内部電極15は、第2の端面41fにおいて露出している。第1及び第2の内部電極14,15は、第1及び第2の側面41c、41dには露出していない。」

そして、上記(9)ないし(16)の記載事項と図面の記載とを総合勘案すると、甲第3号証には次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。

「 長さ方向及び幅方向に沿って延びる第1及び第2の主面と、長さ方向及び高さ方向に沿って延びる第1及び第2の側面と、幅方向及び高さ方向に沿って延びる第1及び第2の端面とを有し、セラミックからなる直方体状の電子部品本体と、前記第1の端面において露出するように、前記第1の主面に対して平行に前記電子部品本体内に形成されている第1の内部電極と、前記第2の端面において露出するように、前記第1の主面に対して平行に前記電子部品本体内に形成されている第2の内部電極と、前記第1及び第2の端面上に形成されている第1及び第2の外部電極とを有するコンデンサ。」

4.甲第4号証(特開昭60-60708号公報)
甲第4号証には以下の事項が図面とともに記載されている。(なお、下線は当審で付与した。)

(17)「特許請求の範囲
誘電体材料と内部電極とが交互に積層され、該内部電極と一層おきにそれぞれ接続する2つの外部電極が形成された積層コンデンサ型構造の積層体で積層方向に平行で、しかも外部電極形成面と異なる2つの面に内部電極層が露出している構造の積層焼結体を作製する工程と、該積層体の一方の外部電極と該積層体の外側に設置する電極板との間に直流電圧を印加し、電気泳動法によって前記内部電極露出面の一方の面において、一層おきの内部電極層上とその近傍に絶縁材料を形成する工程と、当該積層体の絶縁材料を形成した面及び内部電極層と異なる内部電極露出面及び電極層とその近傍に前記外部電極と異なる外部電極と電極板との間に直流電圧を印加し、電気泳動法によって絶縁材料を形成する工程と、当該絶縁材料が形成された積層体の外部電極形成部近傍及び所定部分を積層方向に切断する工程と、得られた積層体の絶縁材料が形成されている2つの面に外部電極を形成する工程と、該積層体の内部電極の露出している2つの面に絶縁層を形成する工程とを具備することを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。」
(18)「実施例1
チタン酸バリウム系セラミック粉末を有機バインダーとともに溶媒中に分散し、スラリーを作る。これをドクターブレード法によって25μm?200μmの均一な厚さのセラミックグリーンシートを作る。このセラミックシートを60mm×40mmの矩形に打ち抜き、その表面に内部電極となるパラジウムペーストをスクリーン印刷法によって印刷する。
このセラミックシートを所定の枚数、積層圧着し、積層体を形成する。この積層体を図3のような形状に切断する。
この個片を1350℃で1時間焼結し、第4図に示すような仮設電極を形成する。
次に絶縁層を電気泳動法によって形成するための懸濁液を作成する。ホウケイ酸亜鉛系結晶化ガラス粉末30g、エタノール290ml、5%ヨウ素エタノール溶液10mlを高速ホモジナイザーで混合する。30分間超音波をかけた後、30分間静置して、沈殿物を除去し、残りの懸濁液を使用する。
前記積層焼結個片の片面を粘着テープで被い、懸濁液にねれるのを防いだ後前記懸濁液を満たした容器に沈める。付着させたい面の前方に付着させたい面よりも大きい面積を持つ対向電極を沈める。対向電極板に直流電源のプラス端子を接続し、図中の3,3′で示す仮設電極をマイナス端子に接続し、20Vの電圧を300秒印加する。終了後乾燥し、裏面の粘着テープを剥離した後、700℃で10分間熱処理を行い、内部電極露出部分に付着したガラスを焼き付ける。この処理を終った個片を第4図に示す。図中の2,2′は誘電体セラミックス、1,1′は絶縁層を形成しない内部電極露出部分、4,4′は内部電極上に形成した絶縁層、3,3′は仮設電極を示す。
次に同様な方法によって反対側の面にも絶縁層を形成するが、この場合は前回絶縁層を形成していない内部電極層の露出部分に絶縁層を形成する。
以上のように表側と裏側に絶縁層を形成した積層体個片を第6図で示す点線の位置で切断する。得られた積層チップコンデンサを第7図に示す。得られたチップの絶縁層を形成した2つの面に外部電極を形成する。
この積層チップコンデンサのまだ絶縁層を形成していない内部電極露出部分に、電気泳動法によって同様に絶縁層を形成して、第8図(a)に示すようにする。」(第3頁左上欄第13行?同頁左下欄第18行)
(19)「さらに、外部電極を形成した後の露出内部電極部分の絶縁には必ずしも電気泳動法による必要はなく、印刷法、ディップ法、吹付法などを用いて、絶縁層を形成しても同様の効果が得られる。第8図(b)には印刷法によって露出内部電極上に絶縁層を形成した一例を示す。」(第4頁左上欄第16行?同頁右上欄第1行)

そして、第7図の記載からみて、積層体個片を第6図で示す点線の位置で切断して得られた上記チップは、直方体形状である。
また、第8図(b)の及び上記(19)の記載からみて、上記チップの2つの対向する面に外部電極5,5′が形成されており、また、外部電極5,5′が形成された前記2つの面とは異なる2つの対向する面であって、内部電極1が露出した2つの面の全体に絶縁層6,6′が形成されている。
したがって、上記(17)ないし(19)の記載事項と図面の記載とを総合勘案すると、甲第4号証には次の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されている。

「 誘電体2と内部電極1とが交互に積層された直方体形状のチップと、
前記チップの2つの対向する面に形成され、前記内部電極1と一層おきにそれぞれ接続する2つの外部電極5,5′と、
前記外部電極5,5′が形成された前記2つの面とは異なる2つの対向する面であって、前記内部電極1が露出した2つの面の全体に形成された絶縁層6,6′と
からなる積層セラミックコンデンサ。」

第5 判断
1.申立理由1(明確性)について
(1)接続幅の制限について
特許異議申立人は、本件発明1の「前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部に対する前記第1の導体部の接続幅を制限する第1の絶縁層と、前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部に対する前記第2の導体部の接続幅を制限する第2の絶縁層」という発明特定事項について、どの程度接続幅を制限すればESRの調整ができるのか、その最小値が規定されておらず、周知技術により製造上必然的に形成される場合と区別がつかないから、本件発明1は明確でない旨を主張している。
しかしながら、第1及び第2の絶縁層が存在せず、第1及び第2の引出端部に対する第1及び第2の導体部の接続幅が何ら制限されていない場合のESRに対して、第1及び第2の絶縁層が存在し、第1及び第2の引出端部に対する第1及び第2の導体部の接続幅が制限されている場合のESRが異なる値となることは技術的にみて明らかであって、接続幅を制限する量が特定の量を超えなければESRの値が変化しないというものではない。すなわち、どの程度接続幅を制限するかにかかわらず、接続幅を制限すれば、程度の差こそあるもののESRの調整は可能である。したがって、接続幅を制限する量の最小値が規定されていないからといって、発明が明確でないということはできない。
また、特許異議申立人が主張する「周知技術により製造上必然的に形成される場合」の例示として挙げられている甲第3号証、甲第4号証、甲第10号証、及び甲第11号証の記載内容について検討すると、下記2.(3)及び(4)で説示するように、甲第3号証については、使用するセラミックペーストの粘度の値からみて、セラミックペーストの一部が端子面に垂れるとは認められず、甲第4号証についは、外部電極を形成した後に絶縁層を形成していることからみて、ディップ法等を用いたとしても絶縁層6,6′は露出内部電極上には形成されない。また、甲第10号証の絶縁材料17及び甲第11号証のグレーズ6についても、それらの一部が外部電極が設けられる端面にまで形成される旨の記載や示唆は認められない。そうすると、上記甲第3号証、甲第4号証、甲第10号証、及び甲第11号証のいずれに記載のものも本件発明1の第1の絶縁層及び第2の絶縁層に相当するものをそもそも具備していないから、「周知技術により製造上必然的に形成される場合と区別がつかない」という特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。

(2)端子被覆層及び間隙の幅寸法について
特許異議申立人は、本件発明1の「前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる」という発明特定事項について、相互に同一である場合と相互に異なる場合との相違について技術的に十分に特定されていないから、本件発明1は明確でない旨を主張している。
しかしながら、相互に同一であるか相互に異なるかは、幅寸法を比較すれば特定可能であるとともに、「第1の間隙及び第2の間隙各々の第3の軸方向に沿った幅寸法」を相互に異ならせることによって積層コンデンサの入力側から見たときのESRと出力側から見たときのESRを異ならせることが可能であり(本件特許明細書の【0049】参照)、また、「一対の第1の端子被覆層各々の第3の軸方向に沿った幅寸法」又は「一対の第2の端子被覆層各々の第3の軸方向に沿った幅寸法」を相互に異ならせることによって、開口の位置及び幅について特に制限をされることなく、目的とするESRの値に応じた設計が可能となる(本件特許明細書の【0084】参照)。そうすると、上記各幅寸法が、相互に同一である場合と相互に異なる場合との相違は明確であるから、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。

(3)まとめ
以上のとおりであるから、請求項1に係る特許は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるということはできない。

2.申立理由2(新規性)について
(1)甲1発明との対比・判断
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「積層セラミックコンデンサ」「コンデンサ本体」「第1および第2の側面」「第1および第2の端面」「第1ないし第3のセラミック層を含む複数のセラミック層」「第1の内部電極及び第3の内部電極」「第2の内部電極及び第4の内部電極」「第1の外部端子電極」「第2の外部端子電極」は、本件発明1の「積層コンデンサ」「積層体」「第1の側面及び第2の側面」「第1の端子面及び第2の端子面」「誘電体層」「第1の内部電極」「第2の内部電極」「第1の外部電極」「第2の外部電極」にそれぞれ相当するから、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で相違しその余の点で一致する。

<相違点1>
本件発明1は「前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部に対する前記第1の導体部の接続幅を制限する第1の絶縁層と、前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部に対する前記第2の導体部の接続幅を制限する第2の絶縁層と、を有する抵抗調整部」を具備するのに対して、甲1発明はそのような抵抗調整部を具備していない点。
<相違点2>
本件発明1においては、上記抵抗調整部に関して、さらに以下の2aないし2cの事項が特定されているのに対して、甲1発明は抵抗調整部を具備していないため、それらの事項も具備していない。
2a.「前記第1の絶縁層は、前記第1の軸方向及び前記第2の軸方向に各々直交する第3の軸方向に第1の間隙を介して相互に対向する一対の第1の端子被覆層を有し、
前記第2の絶縁層は、前記第3の軸方向に第2の間隙を介して相互に対向する一対の第2の端子被覆層を有し、
前記第1の引出端部及び前記第2の引出端部は、前記第1の間隙及び前記第2の間隙を介して前記第1の導体部及び前記第2の導体部にそれぞれ接続され」る。
2b.「前記抵抗調整部は、前記第1の側面及び前記第2の側面にそれぞれ形成され前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層をさらに有」する。
2c.「前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる」。

したがって、本件発明1と甲1発明とは、上記相違点1及び相違点2で相違するから、本件発明1は甲1発明であるということはできない。
また、本件発明2及び本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、甲1発明であるということはできない。

なお、特許異議申立人は、特許異議申立書の「(4)具体的理由」の「オ」の「(ア)本件特許発明と甲第1号証発明との対比」の欄において、甲第1号証に記載されている何が本件発明1の「第1の絶縁層」及び「第2の絶縁層」に相当するものであるのかを明示していないが、甲第1号証には、第1の外部端子電極及び第2の外部端子電極以外でコンデンサ本体を被覆するものは記載されていないこと、及び、甲1発明においては、内部電極の引出し部の幅方向寸法を内部電極の容量部の幅方向寸法より小さくすることによってESRを高めるものである(上記第4の1.(3)参照)ことからみて、甲第1号証には、本件発明1の「第1の絶縁層」及び「第2の絶縁層」に相当するものが記載されていないことは明らかである。

(2)甲2発明との対比・判断
本件発明1と甲2発明とを対比すると、甲2発明の「積層セラミックコンデンサ」「セラミック積層体1」「端面4(4a,4b)」「セラミック層3」「内部電極層2(2a,2b)」「内部電極層2(2a,2b)の露出部分A」「外部電極5(5a,5b)」「ガラス膜31」は、本件発明1の「積層コンデンサ」「積層体」「第1の端子面及び第2の端子面」「誘電体層」「第1の内部電極及び第2の内部電極」「第1の内部電極の第1の引出端部及び第2の内部電極の第2の引出端部」「第1の外部電極及び第2の外部電極」「第1の端子被覆層及び第2の端子被覆層」にそれぞれ相当する。また、甲2発明の上記「ガラス層31」のうち、一方の端面4aの両端側部分を覆う一対の上記「ガラス膜31」は本件発明1の「第1の絶縁層」に相当し、他方の端面4bの両端側部分を覆う一対の上記「ガラス膜31」は本件発明1の「第2の絶縁層」に相当する。そうすると、本件発明1と甲2発明とは、以下の点で相違しその余の点で一致する。

<相違点3>
本件発明1は「前記第1の側面及び前記第2の側面にそれぞれ形成され前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層」を有するのに対して、甲2発明は前記第1の側面及び前記第2の側面に相当する面に、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層を有していない点。
<相違点4>
本件発明1は「前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる」のに対して、甲2発明はそのようにしてはいない点。

したがって、本件発明1と甲2発明とは、上記相違点3及び相違点4で相違するから、本件発明1は甲2発明であるということはできない。
また、本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、甲2発明であるということはできない。

なお、特許異議申立人は、特許異議申立書の「(4)具体的理由」の「オ」の「(イ)本件特許発明と甲第2号証発明との対比」の欄において、ガラス膜の形成方法からみて、端子面の両側に形成されるガラス膜の幅寸法が完全に同一になることはありえないから、甲第2号証における端子面の両側に形成されるガラス膜の幅寸法は異なる旨を主張している。しかしながら、甲第2号証には、端子面の両側に形成されるガラス膜の幅寸法を異ならせることや、異ならせることの技術上の意義については何ら明示的に記載されておらず、端子面を示す図である図5の記載からみても端子面の両側に形成されるガラス膜の幅寸法を異ならせていることは把握できない。また、仮に、同じ幅寸法のガラス膜を製造する際に、当該幅寸法に製造上の微差(誤差)が生じるとしても、そのような微差(誤差)による特段の技術上の意義が示されていないのであるから、そのような微差(誤差)が生じることのみによって、端子面の両側に形成されるガラス膜の幅寸法を異ならせるという技術思想が開示されているということはできない。したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。

(3)甲3発明との対比・判断
本件発明1と甲3発明とを対比すると、甲3発明の「コンデンサ」「電子部品本体」「第1及び第2の側面」「第1及び第2の端面」「セラミック」「第1の内部電極」「第2の内部電極」「第1及び第2の外部電極」は、本件発明1の「積層コンデンサ」「積層体」「第1の側面及び第2の側面」「第1の端子面及び第2の端子面」「誘電体層」「第1の内部電極」「第2の内部電極」「第1の外部電極及び第2の外部電極」にそれぞれ相当するから、本件発明1と甲3発明とは、以下の点で相違しその余の点で一致する。

<相違点5>
本件発明1は「前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部に対する前記第1の導体部の接続幅を制限する第1の絶縁層と、前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部に対する前記第2の導体部の接続幅を制限する第2の絶縁層と、を有する抵抗調整部」を具備するのに対して、甲3発明はそのような抵抗調整部を具備していない点。
<相違点6>
本件発明1においては、上記抵抗調整部に関して、さらに以下の6aないし6cの事項が特定されているのに対して、甲3発明は抵抗調整部を具備していないため、それらの事項も具備していない。
6a.「前記第1の絶縁層は、前記第1の軸方向及び前記第2の軸方向に各々直交する第3の軸方向に第1の間隙を介して相互に対向する一対の第1の端子被覆層を有し、
前記第2の絶縁層は、前記第3の軸方向に第2の間隙を介して相互に対向する一対の第2の端子被覆層を有し、
前記第1の引出端部及び前記第2の引出端部は、前記第1の間隙及び前記第2の間隙を介して前記第1の導体部及び前記第2の導体部にそれぞれ接続され」る。
6b.「前記抵抗調整部は、前記第1の側面及び前記第2の側面にそれぞれ形成され前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層をさらに有」する。
6c.「前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる」。

したがって、本件発明1と甲3発明とは、上記相違点5及び相違点6で相違するから、本件発明1は甲3発明であるということはできない。
また、本件発明2及び本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、甲3発明であるということはできない。

なお、特許異議申立人は、特許異議申立書の「(4)具体的理由」の「オ」の「(ウ)本件特許発明と甲第3号証発明との対比」の欄において、甲第3号証に記載の製造方法によれば、側面13cおよび13dセラミックペーストを滴下しエアーを吹き付けたときに、セラミックペーストの一部は側面13cおよび13dから13eおよび13fに垂れるから、外部電極との接続面である側面13eおよび13fに一対の絶縁層が形成される旨を主張している。しかしながら、上記第4の3.(14)で摘示したように、甲第3号証に記載の製造方法は、「セラミックペーストの粘度を5mPa・s以上とすることで、第1の側面13cからセラミックペーストがたれることを抑制する」ものであるから、特許異議申立人が主張するような垂れは生じない。したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。

(4)甲4発明との対比・判断
本件発明1と甲4発明とを対比すると、甲4発明の「積層セラミックコンデンサ」「チップ」「2つの対向する面」「前記2つの面とは異なる2つの対向する面であって、前記内部電極1が露出した2つの面」「誘電体2」「内部電極1」「2つの外部電極5、5′」は、本件発明1の「積層コンデンサ」「積層体」「第1の端子面及び第2の端子面」「第1の側面及び第2の側面」「誘電体層」「第1の内部電極及び第2の内部電極」「第1の外部電極及び第2の外部電極」にそれぞれ相当するから、本件発明1と甲4発明とは、以下の点で相違しその余の点で一致する。

<相違点7>
本件発明1は「前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部に対する前記第1の導体部の接続幅を制限する第1の絶縁層と、前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部に対する前記第2の導体部の接続幅を制限する第2の絶縁層と、を有する抵抗調整部」を具備するのに対して、甲4発明はそのような抵抗調整部を具備していない点。
<相違点8>
本件発明1においては、上記抵抗調整部に関して、さらに以下の8aないし8cの事項が特定されているのに対して、甲4発明は抵抗調整部を具備していないため、それらの事項も具備していない。なお、甲4発明における「絶縁層6、6′」は、本件発明1の「一対の絶縁性被覆層」と同様に第1の側面及び第2の側面を被覆する層ではあるが、本件発明1のように「前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを相互に接続する」ものではないから、甲4発明が下記8bの発明特定事項を具備しているということはできない。
8a.「前記第1の絶縁層は、前記第1の軸方向及び前記第2の軸方向に各々直交する第3の軸方向に第1の間隙を介して相互に対向する一対の第1の端子被覆層を有し、
前記第2の絶縁層は、前記第3の軸方向に第2の間隙を介して相互に対向する一対の第2の端子被覆層を有し、
前記第1の引出端部及び前記第2の引出端部は、前記第1の間隙及び前記第2の間隙を介して前記第1の導体部及び前記第2の導体部にそれぞれ接続され」る。
8b.「前記抵抗調整部は、前記第1の側面及び前記第2の側面にそれぞれ形成され前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層をさらに有」する。
8c.「前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる」。

したがって、本件発明1と甲4発明とは、上記相違点7及び相違点8で相違するから、本件発明1は甲4発明であるということはできない。
また、本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、甲4発明であるということはできない。

なお、特許異議申立人は、特許異議申立書の「(4)具体的理由」の「オ」の「(エ)本件特許発明と甲第4号証発明との対比」の欄において、甲第4号証に記載の製造方法によれば、側面に均一に絶縁層6、6′を形成しようとすると、外部電極5、5′が形成される端子面にも絶縁材料ペーストが垂れるから、端子面には一対の絶縁層が形成される旨を主張している。しかしながら、上記第4の4.(17)及び(19)で摘示したように、甲第4号証に記載の製造方法において、第8図(b)のように側面全体を被覆する絶縁層6、6′を形成する場合は、それよりも先に外部電極5、5′が形成され、端子面は外部電極5、5′によって被覆される。そうすると、仮に特許異議申立人が主張するように絶縁材料ペーストが垂れるとしても、それによる絶縁層は、端子面上ではなく外部電極上に形成される。したがって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。

(5)まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1ないし3は、特許法第29条第1項第3号に該当するということはできず、したがって、請求項1ないし3に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであるということはできない。

3.申立理由3(進歩性)について
(1)甲2発明等に基づく進歩性の判断
上記2.(2)で説示した相違点3及び相違点4について検討する。
ア.相違点3について
甲第2号証には、セラミック積層体1の側面に絶縁層を設けることや、その必要性について何ら記載も示唆もされていない。
また、甲第4号証には、積層体の内部電極が露出した側面に絶縁層を設けることが記載されている(上記第4の4.及び上記第5の2.(4)参照)が、甲第2号証の図1及び図5をみれば明らかなように、甲第2号証に記載のセラミック積層体1は、内部電極が側面に露出していないから、甲第4号証に記載のような絶縁層を設ける必要は認められない。
したがって、甲2発明において、端面4aを覆うガラス膜31と端面4bを覆うガラス膜31とを相互に接続する一対の絶縁性被覆層を両側面に設けることは、当業者が容易になし得ることであるということはできない。
イ.相違点4について
相違点4に係る「前記一対の第1の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、前記一対の第2の端子被覆層各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法、並びに、前記第1の間隙及び前記第2の間隙各々の前記第3の軸方向に沿った幅寸法のうち、少なくとも1つが相互に異なる」という技術事項は、甲第1、3ないし11号証のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるとも認められない。(そもそも、甲第1、3ないし11号証には、相違点4に係る上記発明特定事項の前提となる「前記第1の端子面に配置され前記第1の引出端部に対する前記第1の導体部の接続幅を制限する第1の絶縁層と、前記第2の端子面に配置され前記第2の引出端部に対する前記第2の導体部の接続幅を制限する第2の絶縁層と」を具備することすら記載も示唆もされていない。)
したがって、甲第1、3ないし11号証の記載事項並びに周知技術を参酌しても、甲2発明において、端面4aを覆う各ガラス膜の幅寸法を異ならしめることや、端面4bを覆う各ガラス膜の幅寸法を異ならしめることや、端面4aにおけるガラス膜で覆われていない部分の長さと端面4bにおけるガラス膜で覆われていない部分の長さとを異ならしめることは、いずれも当業者が容易になし得ることであるということはできない。
ウ.まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1は、甲2発明及び甲第1、3ないし11号証の記載事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
また、本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(2)甲3発明等に基づく進歩性の判断
上記2.(3)で説示した相違点5及び相違点6のうち、まず相違点6の6cの事項について検討すると、上記「(1)甲2発明等に基づく進歩性の判断」のイで説示したとおり、当該事項は、甲第1、2、4ないし11号証のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるとも認められない。
したがって、相違点5、相違点6の6a及び6bについて検討するまでもなく、本件発明1は、甲3発明及び甲第1、2、4ないし11号証の記載事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
また、本件発明2及び本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(3)甲4発明等に基づく進歩性の判断
上記2.(4)で説示した相違点7及び相違点8のうち、まず相違点8の8cの事項について検討すると、上記「(1)甲2発明等に基づく進歩性の判断」のイで説示したとおり、当該事項は、甲第1ないし3、5ないし11号証のいずれにも記載も示唆もされておらず、また、周知技術であるとも認められない。
したがって、相違点7、相違点8の8a及び8bについて検討するまでもなく、本件発明1は、甲4発明及び甲第1ないし3、5ないし11号証の記載事項並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
また、本件発明3は、本件発明1を減縮したものであるから、本件発明1と同様の理由によって、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(4)まとめ
以上のとおりであるから、請求項1ないし3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるということはできない。

第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-05-22 
出願番号 特願2015-174504(P2015-174504)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01G)
P 1 651・ 113- Y (H01G)
P 1 651・ 537- Y (H01G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 晃洋  
特許庁審判長 井上 信一
特許庁審判官 関谷 隆一
國分 直樹
登録日 2016-08-12 
登録番号 特許第5985023号(P5985023)
権利者 太陽誘電株式会社
発明の名称 積層コンデンサ  
代理人 高橋 満  
代理人 大森 純一  
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