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審決分類 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  F03D
審判 全部申し立て 2項進歩性  F03D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  F03D
管理番号 1329133
異議申立番号 異議2017-700138  
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-16 
確定日 2017-06-24 
異議申立件数
事件の表示 特許第5969651号発明「風車翼」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5969651号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5969651号の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成27年4月21日に特許出願され、平成28年7月15日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人株式会社グローバルエナジーより特許異議の申立てがされたものである。

2.本件発明
特許第5969651号の請求項1?4の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される下記のとおりのものである。(以下、本件請求項1?4に係る発明を、それぞれ「本件特許発明1」?「本件特許発明4」という。)(「A:」?「M:」の文字は、本件発明を分説した構成要件として当審で付与。)

「【請求項1】
A:風を受けて揚力を発生し、主翼部が縦長に形成され、翼端に傾斜部が設けられた風車翼であって、
B:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、
C:前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、前記傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成されると共に、
D:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されることを特徴とする風車翼。
【請求項2】
E:風を受けて揚力を発生し、主翼部が縦長に形成され、翼端に傾斜部が設けられた風車翼であって、
F:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、直線に沿って延出して形成されると共に、
G:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されることを特徴とする風車翼。
【請求項3】
H:前記主翼部と前記傾斜部との間に曲成部が設けられ、
I:前記曲成部の外側面の形状は、前記主翼部の端部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記曲成部の内側面の形状は、前記主翼部の端部に於ける内側形状を、前記曲成部の外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線に沿って延出して形成されることを特徴とする
J:請求項1又は2に記載の風車翼。
【請求項4】
L:前記主翼部と前記傾斜部との間に曲成部が設けられ、前記曲成部は、前記主翼部の端部に於ける断面形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成されることを特徴とする、M:請求項1又は2に記載の風車翼。」

3.申立理由の概要
特許異議申立人は、証拠として、
甲第1号証:特開2006-118384号公報(以下「刊行物1」という。)図1、3
甲第2号証:特許第4173727号公報(以下「刊行物2-1」という。)図1の風車翼、及び、意匠登録第1196480号公報(以下「刊行物2-2」という。)2頁の背面図
甲第3号証:風車革命カタログ 2004/11(株)グローバルエナジー(以下「刊行物3」という。)
甲第4号証:特開2011-169292号公報(以下「刊行物4」という。)第11頁図6の拡大図
甲第5号証:特開2011-169292号公報第11頁図5の拡大図
甲第6号証:意匠登録第1209082号公報(以下「刊行物6」という。)第2頁背面図
甲第7号証:意匠登録第1227961号公報(以下「刊行物7」という。)参考図
甲第8号証:特開2011-169292号公報図3
甲第9号証:特許第4989137号公報(以下「刊行物9」という。)図7
甲第10号証:雑誌強化プラスチックスVol53,Noll(2007年11月号)第463?467頁垂直軸型ベルシオン式風力発電(以下「刊行物10」という。)
甲第11号証:広辞苑第937頁「交差」、奥付(以下「刊行物11」という。)
甲第12号証:広辞苑第2959頁「稜」、奥付(以下「刊行物12」という。)
甲第13号証:英和和英機械用語図解辞典第475頁「曲率」、奥付、日刊工業新聞刊(以下「刊行物13」という。)
甲第14号証:J-NET 21新エネルギーに挑む企業・第58回空気力学の常識を覆す独自の風力発電機「グローバルエナジ」(以下「Webページ14」という。)
甲第15号証:特許第4907073号公報(以下「刊行物15」という。)
甲第16号証:特許第4888953号公報(以下「刊行物16」という。)
甲第17号証:特許第4173773号公報(以下「刊行物17」という。)
甲第18号証:特許第4616918号公報(以下「刊行物18」という。)
甲第19号証:本件特許公報の図1の拡大図
を提出し、
(1)特許法第29条第1項について(特許法第113条第2号)
・請求項1について:本件特許発明1は、甲第8号証公報に記載の発明である。
・請求項2について:本件特許発明2は、甲第2号証公報に記載の発明である。
・請求項3について:本件特許発明3は、甲第7号証公報に記載の発明である。
・請求項4について:本件特許発明4は、甲第4号証及び甲第7号証公報に記載の発明である。
(2)特許法第29条第2項について(特許法第113条第2号)
・請求項1について:本件特許発明1は、甲8発明と他の甲発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
・請求項2について:本件特許発明2は、甲2発明と他の甲発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
・請求項3について:本件特許発明3は、甲7発明と他の甲発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
・請求項4について:本件特許発明4は、甲4発明と他の甲発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)特許法第36条第4項第1号について(特許法第113条4号)
本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載には、不備があり、本件特許発明1ないし4に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
具体的には、
(ア)本件特許公報の段落0063には「曲成部3をなくして、主翼部の端部に傾斜部4を直接形成してもよい」と明記されている。これでは、図1によると傾斜部4は、ほぼ直立することになり、傾斜部ではなくなるから、「翼端に傾斜部が設けられた風車翼」という前提の意味がなくなる。
また段落0064には「傾斜部4をなくしてもよい」と明記してあるから、これも、「翼端に傾斜部が設けられた風車翼」という前提の意味がなくなる。
このように、請求項1の発明と、「曲成部3」のない発明と、「傾斜部4」のない発明とが、同じ発明で、同じ作用効果が生じるという手段の具体的構成は何等記載されておらず、かかる手段が周知のものでもない。
(イ)請求項1において、「交差線で形成」と記載されているが、図1における「内側の形成面4bと外側の形成面4aとが交差して」という部分は、単純に「稜線」が見えるというだけで、「交差線」は何処にも見当たらないし、形成される蓋然性が皆無である。
図1における「交差線5」は「3C線」部分で切れており、図5に「3C線」は記載されていないから、この図1及び図5では、「傾斜部4」の範囲は不明確である。
(ウ)請求項1における、「前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され」という部分で、図1が正面であるから、「側面」というのは図5のことである。「外側面」は0026で特定している「外側」とは異なるから不明瞭。
「曲線に沿って延出して形成」とあるが、「沿う」というのは、既に存在している物に沿うことをいうものであり、「沿うべき基点となる曲線」が不明で内容が不明瞭である。
また図5の側面図に内側面4bはないから、「交差」した実態は不明である。
しかして、「交差線5」が「外側面4aと内側面4b」が接合した「稜線」であることを述べたものであるなら、これは公知のすべての風車翼の構造を単に説明しているだけである。
(エ)請求項2において、「所定の曲率の曲線に沿って延出して」とあるが、「沿う」というのは、既に存在している物に沿うことをいうものであり、「沿うべき曲線」が何処にあるのか不明瞭である。
「内側形状を、直線に沿って延出」とあるが、これも、「沿うべき直線」が何処にあるのか不明瞭である。
「傾斜部の外側の形成面と内側の形成面とが交差してなる交差線で形成」という部分において、「交差線」は形成される蓋然性がなく、また図面上で存在していないから不明瞭である。
(オ)請求項3において、「外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って」とあるが、「沿うべき曲線」がどこにあるのか不明で不明瞭である。
「曲成部の内側面の形状は、曲成部の外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線に沿って形成」とあるが、これは縦方向か水平方向か不明である。
また「外側形状」は、縦方向か横方向か不明。「沿うべき曲線」がどれなのか不明で全体が不明瞭。
(カ)請求項3において「請求項1または2に記載」とあるが、請求項1は「曲成部3」がない物を含んでおり、かつ請求項1は、「傾斜部の内側面の形状」について「内側形状を外側形状の曲率よりも小なる曲率」のものに特定されているものであり、これに対して請求項3においては、「曲成部の内側面の形状」について、「主翼部の端部における内側形状を、曲成部の外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線に沿って延出形成される」ものである。
しかし、明細書段落0034に、「曲成部3は、主翼部の端部2Cの断面形状を基底部として形成され」、段落0036に、「曲成部3は、主翼部2に対して、滑らかに連続的に形成される」、段落0039に、「傾斜部4は、曲成部3の上側端部3Cの断面形状を基底部として形成され」と記載され、図1における、「主翼部の端部2Cから傾斜部の基底部3C」の断面は同じ形状とされているから、「傾斜部の内側形状を外側形状の曲率よりも小なる曲率」としてある請求項1に、「主翼部の端部における内側形状を、曲成部の外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線」にしたものを従属させることはできない。
(キ)請求項4において、「曲成部は、主翼部の端部に於ける断面形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出し」とあるが、「沿う」というのは、既に存在している物に沿うことをいうものであり、縦方向か、横方向か「沿うべき曲線」が不明で全体として不明瞭。
請求項4において、「請求項1または2に記載の」とあるが、請求項1、2は「曲成部のない物」を含み、「曲成部」を設けたのは請求項3と請求項4だけであるが、請求項3は請求項1に従属できない別発明である。
(ク)本件特許発明の先行技術として、特許第4184847号公報を引用して、ウイングレットを課題としているが、「甲号証記載の風車翼」については、甲第3号証(ベルシオンのカタログ)、甲第10号証(強化プラスチックス、Vol.53,No.11)、甲第14号証(J-Net 21-2014/2/20中小機構)などやテレビでも広く知られており、本件特許発明者は甲号証記載の発明者の工場を見学し説明を受けているので、その先行技術と比較すべきであるが、されていない。
甲第14号証「J-NET 21-2014/2/20 中小機構」において、「ベルシオン式風車のウイングレットは翼端の空気の剥離と乱流の発生を防ぐため風切り音がほとんどせず騒音公害の心配がない(2/3頁)」と紹介されている。
甲第14号証1/3頁に「ベルシオン翼は、実証試験で割り出した理想的な比率で翼端を内側に曲げているので風を逃がさない」と紹介されている。すなわち「所定の曲率で曲げられ」ている。
甲第10号証(強化プラスチックvol.53,No.11)に「翼端失速をなくすためにウイングレットとした」こと、低風速での高速回転のデータが記載されている。
これらの、傾斜部に関する学術論文と対比して、「傾斜部は無くてもよい」と本件特許公報に明記されている本件発明が、傾斜部が無くてもベルシオン式風車翼と同じ作用効果が生じるという科学的な実証資料も、説明も特許公報に記載されていない。

よって、請求項1?4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第36条第4項規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、請求項1?4に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

4.刊行物の記載
(1)刊行物1には、「縦軸風車」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】縦主軸の周囲部に、所定の間隔をおいて縦長の羽根が配設される縦軸風車において、羽根は上下端部に、縦主軸方向へ傾斜する傾斜部が形成され、羽根の弦長は、羽根の回転半径の40%?55%相当範囲の寸法に、設定されていること、を特徴とする縦軸風車。」
(イ)「【図面の簡単な説明】【0057】
【図1】本発明に係る実施例1の縦軸風車の要部平面図である。
【図2】図1における要部正面図である。
【図3】羽根の形状を示す平面と正面の組合せ概略図である。
【図4】本発明に係る実施例2の縦軸風車の要部正面図である。
【図5】図4における要部平面図である。」
(ウ)「【符号の説明】【0058】(1)縦軸風車 (2)支柱 (3)固定アーム (4)支持枠体 (4a)軸配設部 (5)縦主軸 (6)軸受 (66)中間軸受 (7)基台 (8)固定体 (9)支持アーム (10)羽根 (10a)傾斜部 (10b)膨出部 (11)発電器 (12)伝動手段 (13)屋根 (T)羽根の回転トラック (Ta)羽根膨出部の回転トラック (Tb)羽根傾斜部Pの回転トラック (B)基盤」
(エ)【図1】


(オ)【図2】


(カ)【図3】


(2)刊行物2-1には、「風車の受風羽根」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】垂直主軸を中心として水平に回転する回転体の外周部に、左側面を主軸に対面させて垂直とし、正面を進行方へ向けて装着される縦長の羽根であって、取付支持体と受風部とで構成され、受風部は、左側面が縦中央部から上下方へ次第に板厚が薄く設定され、その状態で上下翼端縁部が左側方向へそれぞれ傾斜して傾斜部が形成され、受風部の左側面は、前後幅の前端縁部に膨出部が形成されて、該膨出部の突出頂点から受風部の後端部へかけて受風部全体の板厚が次第に薄く設定されていること、を特徴とする風車の受風羽根。」(下線部は、当審で付与。以下同様。)
(イ)「【0024】
上記のように構成された、この風車(4)の作用効果について説明する。
図5において、この風車(4)が、受風羽根(1)にA矢示方向の風を受けると、B矢示方向へ回転する。回転し始めると各受風羽根(1)は、風を切って回転することになる。
この場合、受風羽根(1)の右側面(外側面)は、回転体(5)の周面に沿う位置で右側面の回転トラック(T)曲線で回転するので、風の抵抗が少ない。
【0025】
受風羽根(1)の左側面(内側面)は、前端縁部が膨出しているので、風の抵抗を受けることになる。その結果、右側面(外側面)に沿って通過する風の速度よりも、左側面(内側面)に沿って通過する風の速度が早くなり、受風部(3)内側面域の空気が薄くなって負圧になるので、受風部(3)の外側域の常圧の空気が、受風部(3)の前部を内側前部方向へ押すことになり、回転体(5)が回転すればする程、受風羽根(1)は揚力(回転推力)を内前向きに生じることになり、回転体(5)の回転速度を加速する。」
(ウ)「【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例を示す受風羽根の正面図である。
【図2】本発明第1実施例を示す受風羽根の平面図である。
【図3】本願発明第1実施例を示す受風羽根の左側面図である。
【図4】図1におけるA-A線横断平面図である。
【図5】本願発明受風羽根を装着した風車の平面図である。
【図6】本願発明第2実施例を示す受風羽根の正面図である。
【図7】本願発明第2実施例を示す受風羽根の平面図である。
【図8】本願発明第2実施例を示す受風羽根の左側面図である。
【図9】本願発明第3実施例を示す受風羽根の左側面図である。
【図10】図9における縦中央横断平面図である。」
(エ)「【符号の説明】(1)受風羽根 (1A)(1B)(1C)(1D)受風羽根 (2)取付支持体 (3)受風部 (3a)傾斜部 (3b)縦凹部 (4)風車 (5)回転体 (6)軸部 (7)支持アーム (8)環縁体 (9)垂直主軸 T 回転トラック」
(オ)【図1】?【図10】


(カ)(ア)の受風羽根は、「上下翼端縁部が左側方向へそれぞれ傾斜して傾斜部が形成され」たものであるので、翼端に傾斜部が設けられたものといえる。
(キ)図1?5には、実施例1の受風羽根が記載されており、その受風羽根1は縦長の羽根であって、上下翼端縁部が左側方向へそれぞれ傾斜して傾斜部が形成され、その傾斜部を除いた中央部も縦長に形成されたものといえる。
また、図1の正面図において、受風羽根1の左側面(内側面)及び右側面(外側面)は、受風羽根1の上端から下端まで連なる、連続線で表されたものであるので、受風羽根1は、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる内側面、及び外側面を備えるものといえる。
また、図3の引き出し線3、3aが引き出された線は、受風羽根1の側面外郭形状を規定するものといえ、内側面と外側面の境で形成されるものといえる。

上記記載事項及び図面の記載から、刊行物2-1には、次の発明が記載されているものと認められる。
「傾斜部を除いた中央部が縦長に形成され、翼端に傾斜部が設けられた受風羽根であって、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる内側面、及び外側面を備え、受風羽根の側面外郭形状は、内側面と外側面の境で形成される受風羽根。」

(3)刊行物2-2には、「垂直軸風車の羽根」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【意匠に係る物品の説明】この意匠に係る物品は、垂直軸で水平に回転する風車の羽根に係る。・・受風部は、正面において、上下端縁部がそれぞれ左方に、約45度の角度で傾斜した傾斜部が形成されている。」
(イ)【正面図】


(ウ)【背面図】


(エ)背面図には、垂直軸風車の羽根が記載されており、その羽根は正面において、上下端縁部がそれぞれ左方に、約45度の角度で傾斜した傾斜部が形成され、【左側面図】【右側面図】を参酌すれば、その傾斜部を除いた中央部も縦長に形成されたものといえる。
また、背面図において、羽根の左側面は、羽根1の上端から下端まで連なる、連続線で表されたものであるので、受風羽根1は、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる左側面を備えるものといえる。
また、【左側面図】【右側面図】の外側の線は、羽根の側面外郭形状を規定するものといえ、内側面と外側面の境で形成されるものといえる。

上記記載事項及び図面の記載から、刊行物2-2には、次の発明が記載されているものと認められる。
「傾斜部を除いた中央部が縦長に形成され、上下端縁部に傾斜部が設けられた受風羽根であって、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる左側面を備え、羽根の側面外郭形状は、内側面と外側面の境で形成される羽根。」

(4)刊行物3には、「風力革命 ベルシオン」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「補助金・助成金採用実績 2007年11月現在」
(イ)


(ウ)


(5)刊行物4には、「長翼縦軸風車」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【図面の簡単な説明】【0017】
【図1】本発明に係る長翼縦軸風車の実施例1の正面図である。
【図2】図1におけるII-II線縦断面図である。
【図3】支持腕の説明用の要部平面図である。
【図4】支持腕の説明用要部の正面図である。
【図5】本発明に係る長翼縦軸風車の実施例2の正面図である。
【図6】本発明に係る長翼縦軸風車の実施例3の正面図である。
【図7】本発明に係る長翼縦軸風車の実施例4の要部平面図である。
【図8】本発明に係る長翼縦軸風車の実施例5の正面図である。」
(イ)「【発明を実施するための形態】【実施例1】【0018】
本発明の実施例を、図面を参照して説明する。図1において、長翼縦軸風車1は、基台9上に立設された支柱10の上端に、発電筐体2を備えている。発電筐体2の中央部には、縦主軸3が、上部を上方へ突出されて立設され、その周囲に複数の発電コイル8が配設されている。」
(ウ)「【0031】
ブレード6の主部6Aの上下端部に、縦主軸3方向へ向かって傾斜する内向き傾斜部6Bが形成されている。回転時にブレード6の主部6Aの側面に沿って、上下方向へ拡散する気流は、コアンダ効果によって、内向き傾斜部6Bの内外面に沿って、後方、すなわち図4におけるW矢示方向へ通過して、ブレード6の回転効率を高める。」
(エ)「【符号の説明】【0066】1.長翼縦軸風車 2.発電筐体 3.縦主軸 4.回転体 4A.ベアリング 4B.蓋体 5.支持腕 51.傾斜支持腕 52.水平支持腕 6.ブレード 6A.主部 6B.内向傾斜部 7.磁石 8.発電コイル 9.基台 10.支柱 101.筒状支柱 10A.ベアリング 11.支柱 12.横枠 12A.ベアリング 13.支持枠体 C.ブレードの翼弦中心線 C1.支持腕の翼弦線 S.支持腕における気流 T.回転円弧 V.遠心力」

(オ)【図1】?【図2】


(カ)【図3】?【図5】


(キ)【図6】


(ク)【図7】


(ケ)【図8】


(コ)図1?4には、実施例1の長翼縦軸風車が記載されており、その主部6Aは縦長に形成されたものといえる。
また、図1の正面図において、ブレード6の支柱側及び反支柱側の外郭は、ブレード6の上端から下端まで連なる、連続線で表されたものであるので、ブレード6は、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる内側面、及び外側面を備えるものといえる。
また、図2の引き出し線6が引き出された線は、ブレード6の側面外郭形状を規定するものといえ、内側面と外側面の境で形成されるものといえる。

上記記載事項及び図面の記載から、刊行物4には、次の発明が記載されているものと認められる。
「主部6Aが縦長に形成され、主部6Aの上下端部に、縦主軸3方向へ向かって傾斜する内向き傾斜部6Bが形成されているブレード6であって、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる内側面、及び外側面を備え、ブレード6の側面外郭形状は、内側面と外側面の境で形成されるブレード6。」

(6)刊行物6には、「回転車の羽根」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【意匠に係る物品の説明】この意匠に係る物品は、風力発電機などの風車に使用される回転車の羽根である。羽根は、主体部と、その左側面に形成された取付支持体とから構成されている。 羽根の正面図は、上下端部が、羽根を回転車に装着したときの左側方(回転軸方向)へ傾斜している。該傾斜部は基部から先端部にかけて次第に薄くなるように設定される。 羽根は、弾性繊維強化樹脂(FRP)で形成され、AーA拡大断面図に示すように、主体部の縦中央横断面は略魚形状に設定され、その形状で上下先端部までほぼ同一の横断面形状となる。 羽根の大きさは、例えば回転車の直径4mで、羽根の縦長さ200cm、前後幅35cmであるが、回転車の大きさにより、あるいは回転車に装着される羽根の枚数などにより適宜設定される。 使用状態を示す参考図に風車の平面を示すように、羽根は垂直軸に装着された回転車の周部に、取付支持体を嵌合させるように複数装着される。 参考図において、羽根に風があたると、回転車が時計回り方向へ回転する。 参考図において南風が吹くとき、北方の3枚の羽根は追い風を受ける。この時、羽根の内側面(回転軸方向)に当たった風は羽根を押しながら上下方向へ逃げようとするが、羽根の上下端部の傾斜部で風が抑制されるので、回転方向への風力が大きく作用する。この羽根を装備した風車は風速より早く回転し、軸トルクも大きいので風力発電機に有利となる。」

(イ)【正面図】


(ウ)【背面図】


(7)刊行物7には、「縦軸風車の羽根車」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【意匠に係る物品の説明】この意匠に係る物品は、縦軸風車の羽根車である。・・各支持アームの先端部に縦長な羽根が左右相対して固定されている。羽根主体部の上下端部は、それぞれ左側(内側)方向へ約45度に傾斜した傾斜部が形成されている。」
(イ)【A-A断面図】


(ウ)【使用状態を示す参考図】


(エ)使用状態を示す参考図には、(ア)の「羽根主体部の上下端部は、それぞれ左側(内側)方向へ約45度に傾斜した傾斜部が形成されている」縦軸風車の羽根車の羽根が記載されており、その羽根は正面において、A-A断面図を参酌すれば、その傾斜部を除いた中央部も縦長に形成されたものといえる。
また、使用状態を示す参考図において、羽根の内側面及び外側面は、羽根の上端から下端まで連なる、連続線で表されたものであるので、羽根は、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる内側面及び外側面を備えるものといえる。

上記記載事項及び図面の記載から、刊行物7には、次の発明が記載されているものと認められる。
「傾斜部を除いた中央部が縦長に形成され、上下端縁部に傾斜部が形成された羽根であって、少なくとも部分的には上端から下端まで連続的に連なる内側面及び外側面を備える羽根。」

(8)刊行物9には、「照明表示塔」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】複数の支柱の上部位置に、複数の軸支持体を多段状に枠組みして形成した支持枠体の平面視における中央部に、上下の軸支持体の間に垂直揚力型ブレードを備える縦軸風車を配設して風力発電機構とし、かつ支持枠体の外側部に、縦軸風車の軸心を通る放射方向の複数部分に、照明付表示体を放射方向に突設し、縦軸風車で発電した電力で照明付表示体を点灯させるようにしたことを特徴とする照明表示塔。」
(イ)【図6】


(ウ)【図7】


(9)刊行物10には、「垂直軸型ベルシオン式風力発電」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「○1ウイングレット(翼端失速回避)」
・・・ベルシオン翼は翼端を内側に曲げたウイングレットとした。・・・
○3翼面積の拡大・・・トルクは大きくなり、負荷を与えても失速し難く・・」(第464頁3.2)
(イ)「パワー係数は、0.4を越える。
この値は、高効率の大型プロペラ型風車翼に匹敵する・・」(第467頁左欄第5-7行)
(ウ)「・・(プロペラ型)の風力発電の性能に劣らない結果であった。・・」(第467頁左欄第12-13行)
(エ)「・・問題になっている風きり音も認められない。」(第467頁右欄第3行)

(10)刊行物11には、「【交叉・交差】・・線状のものが十文字状に交わること。・・」と記載されている。

(11)刊行物12には、「【稜】・・多面体の隣合う二つの面の交わりの線分。・・」と記載されている。

(12)刊行物13には、「・・曲率半径 ・・その逆数を曲率という。」と記載されている。

(13)Webページ14には、「第58回 空気力学の常識を覆す独自の風力発電機[ブローバルエナジー]」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「実証試験で割り出した理想的な比率で翼端を内側に曲げているので風を逃がさない。」(1/3ページ第20-21行)
(イ)「・・先端が内側に曲がったウイングレット形状になっていて、それが翼先端の空気の剥離と渦(乱流)の発生を防ぐため風切り音がほとんどせず、騒音公害の心配がないので陸上立地を容易に進めるkとができる。」(2/3ページ第30-32行)
(エ)「掲載日:2014年2月20日」(3/3ページ第13行)
(オ)


(14)刊行物15には、「縦軸風車」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【0022】また、揚力型羽根(10)の内側面に、膨出部(10b)が形成されているので、正面から、揚力型羽根(10)の外側面に沿って流れる気流の速度よりも、内側面に沿って流れる気流の速度の方が早くなって、外側面よりも低圧になるため、揚力型羽根(10)は、気圧の差により外方から内側前方へ押されて、揚力(回転推力)を生じ、正面方向から吹く風にも自走回転力が生じる。
【0023】図3において、回転する揚力型羽根(10)の正面からその内側面に当り、揚力型羽根(10)の上下方向へ流れる気流は、揚力型羽根(10)の上下の傾斜部(10a)にあたる。傾斜部(10a)の先端(P)の回転トラック(Tb)は、膨出部(10b)の回転トラック(Ta)よりも内側にあるため、膨出部(10b)から後方へ通過する気流は、上下方向へ拡散せず、上下の傾斜部(10a)に抑えられ、風圧が高まった状態で、後方へ高速で通過するため、揚力型羽根(10)の内側面後部は、外側へ押されて、回転力は強められる。」
(イ)「【符号の説明】【0057】(1)縦軸風車 (2)支柱 (3)横支持体 (3a)軸支腕 (4)支持枠体 (4a)軸配設部 (5)縦主軸 (6)軸受 (66)中間軸受 (7)基台 (8)固定体 (9)支持アーム (10)揚力型羽根 (10a)傾斜部 (10b)膨出部 (11)発電機 (12)伝動手段 (13)屋根 (T)羽根の回転トラック (Ta)羽根膨出部の回転トラック (Tb)羽根傾斜部の回転トラック (B)基盤」

(ウ)【図1】


(エ)【図2】


(オ)【図3】


(15)刊行物16には、「複合風車」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】
中央部に軸受を備える水平の上下軸支持体を、複数の支柱をもって高層に枠組みした支持枠体の内部に、上下翼端を内方へ傾斜する傾斜部とした揚力型ブレードを備える1本の縦主軸を軸受で支持し、かつ縦主軸の上端を支持枠体の上方へ突出させ、支持枠体上部の支持台における軸部で支持し、この軸部に旋回可能に横軸風車の筐体前部を装着し、筐体内から後部へ突出する横主軸の後端に、ブレードの翼端を前方向へ傾斜する傾斜部としたロータブレードを装着し、横主軸の前端と縦主軸の上端とを、伝動手段を介して連動可能に連結し、かつ筐体の外面後側部に設けた方向舵により、ロータブレードが縦主軸よりも常に風下へ来るようにしたことを特徴とする複合風車。」
(イ)「【符号の説明】【0039】(1)複合風車 (2)支持枠体 (3)支柱 (4)軸支持体 (4a)外枠体 (4b)中桟 (5)軸受 (6)羽根配設区 (7)縦主軸 (8)発電器 (9)揚力型ブレード (9a)傾斜部 (9b)固定体 (10)羽根支持体 (10a)軸部 (10b)支持アーム (10c)環縁体 (11)台部 (11a)脚部 (11b)軸受部 (12)伝動手段 (13)風車筐体 (13a)軸管 (14)横主軸 (15)水平軸ロータ (16)ロータブレード (16a)傾斜部 (17)方向舵 (18)垂直軸ロータ」

(ウ)【図4】


(エ)【図5】


(オ)【図6】


(カ)【図7】


(16)刊行物17には、「回転車の羽根並びに回転車」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】
回転車の縦主軸に直角に配設された回転体外周部に、縦主軸に左側面を対面させて平行に配設され、正面を前向きに回転する羽根であって、該羽根は主体部とその縦中央左側面に形成された取付支持体とから構成され、該主体部の板厚は、縦中央部から上下端部方へ次第に薄くなるように設定され、羽根主体部の縦中央部における横断平面形は、前部の板厚が厚く後端部へかけて次第に薄く略魚形状とし、その前端と後端を結ぶ中芯線(S)は、回転体に装着して回転する羽根の回転トラック(T)に沿うように湾曲され、主体部の側面形は、縦中央部の前後幅(翼弦長)よりも上下端部は狭く形成されていること、を特徴とする回転車の羽根。」
(イ)「【符号の説明】(1)羽根 (1A)(1B)(1C)(1D)(1E)(1F)(1G)羽根 (2)主体部 (2a)外側の膨出部 (2b)回転推力造成用膨出部 (3)取付支持体 (3a)ネジ孔 (4)回転車 (5)回転体 (6)主軸 (7)ケース体 (8)軸部 (9)支持アーム (10)環縁体 (T)主体部の回転トラック (T1)外膨出部の回転トラック (T2)内膨出部の回転トラック (S)中芯線」

(ウ)【図2】


(エ)【図4】


(オ)【図6】


(カ)【図10】


(キ)【図12】


(17)刊行物18には、「縦軸風車の縦長翼」に関して、次の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】縦軸風車における縦主軸の周囲に、支持アームを介して縦長に配設されている縦軸風車の縦長翼であって、
縦長の主体部の上下端部に、縦主軸方向へ向かって傾斜する内向傾斜部を形成し、前記両内向傾斜部の基端部間において、前記主体部の回転方向の後端部に、後端部に重錘を設けた縦長の可動翼を、回転時の遠心力によって後端が外側方に揺動しうるようにして装着したことを特徴とする縦軸風車の縦長翼。」
(イ)「【符号の説明】【0052】1.縦軸風車 2.支柱 3.ハウジング 4.回転体 5.支持アーム 6.縦長翼 6A.主体部 6B.内向傾斜部 6C.基端部
6D.空所 7.可動翼 7A.ヒンジ 7B.接触突体 8.重錘 9.復元手段 10.可動翼 10A.ヒンジ 10B.彈力片 11.重錘 12.可動翼 13.ヒンジ 13A.支軸 14.重錘 15.可動翼 16.ヒンジ 17.弾性板 18.重錘」

(ウ)【図1】


(エ)【図4】


(オ)【図5】


(カ)【図7】


(キ)【図8】

5.判断
5-1.特許法第29条第1項、及び、第2項について
(1)本件特許発明1について
本件特許発明1と、請求人が「本件特許発明1は、甲第8号証公報に記載の発明である。」と主張している刊行物4(甲第8号証)に記載された発明とを対比すると、刊行物4には、「B:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、
C:前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、前記傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成されると共に、
D:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されること」が記載されていない。
したがって、本件特許発明1は、刊行物4(甲第8号証)に記載された発明ではない。
また、この点は、刊行物1?刊行物3、刊行物6、7、9?13、15?18、Webページ14にも記載されていない。
したがって、本件特許発明1は、刊行物4(甲第8号証)に記載された発明及び刊行物1?刊行物3、刊行物6、7、9?13、15?18、Webページ14に記載された事項から当業者が容易になし得るものでもない。

(2)本件特許発明2について
本件特許発明2と、請求人が「本件特許発明2は、甲第2号証公報に記載の発明である。」と主張している刊行物2-1(甲第2号証)に記載された発明とを対比すると、刊行物2-1には、「F:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、直線に沿って延出して形成されると共に、
G:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されること」が記載されていない。
したがって、本件特許発明2は、刊行物2-1(甲第2号証)に記載された発明ではない。
また、この点は、刊行物2-2(同じく甲第2号証)にも記載されていないので、本件特許発明2は、刊行物2-2(同じく甲第2号証)に記載された発明でもない。
また、この点は、刊行物1、刊行物3、4、6、7、9?13、15?18、Webページ14にも記載されていない。
したがって、本件特許発明2は、刊行物2-1(甲第2号証)、又は、刊行物2-2(同じく甲第2号証)に記載された発明及び刊行物1、刊行物3、4、6、7、9?13、15?18、Webページ14に記載された事項から当業者が容易になし得るものでもない。

(3)本件特許発明3について
本件特許発明3と、請求人が「本件特許発明3は、甲第7号証公報に記載の発明である。」と主張している刊行物7(甲第7号証)に記載された発明とを対比すると、刊行物7には、本件特許発明3の「J:請求項1又は2に記載の風車翼。」のうちの、本件特許発明1の「B:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、
C:前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、前記傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成されると共に、
D:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されること」、及び、本件特許発明2の「F:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、直線に沿って延出して形成されると共に、
G:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されること」が記載されていない。
したがって、本件特許発明3は、刊行物7(甲第7号証)に記載された発明ではない。 また、この点は、刊行物1?4、6、9?13、15?18、Webページ14にも記載されていない。
したがって、本件特許発明3は、刊行物7(甲第7号証)に記載された発明及び刊行物刊行物1?4、6、9?13、15?18、Webページ14に記載された事項から当業者が容易になし得るものでもない。

(4)本件特許発明4について
本件特許発明4と、請求人が「甲第4号証及び甲第7号証公報に記載の発明である。」と主張している刊行物4(甲第4号証)に記載された発明、及び、刊行物7(甲第7号証)に記載された発明とを対比すると、刊行物4、7には、本件特許発明4の「M:請求項1又は2に記載の風車翼。」のうちの、本件特許発明1の「B:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、
C:前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、前記傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成されると共に、
D:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されること」、及び、本件特許発明2の「F:前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、直線に沿って延出して形成されると共に、
G:前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されること」が記載されていない。
したがって、本件特許発明4は、刊行物4(甲第4号証)及び刊行物7(甲第7号証)に記載された発明ではない。
また、この点は、刊行物1?3、6、9?13、15?18、Webページ14にも記載されていない。
したがって、本件特許発明4は、刊行物4(甲第4号証)及び刊行物7(甲第7号証)に記載された発明及び刊行物1?3、6、9?13、15?18、Webページ14に記載された事項から当業者が容易になし得るものでもない。

(5)請求人の主張について
ア.特許異議申立人は、上記記載されていないとした点に関して、平成29年4月25日付け手続補正書で補正された特許異議申立書4(4)「イ 引用発明の説明」において、
「(ア)甲第1号証・・図3には、本件特許発明1に於ける『傾斜部の外側面の形状は傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され』ていることが看取される。」
「(イ)甲第2号証・・意匠登録第1196480号公報の背面図に、本件特許発明1に於ける『傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差してなる交差線で形成される』状態が看取される。
甲第2号証の図には、本件特許発明2の全部が看取される。」
「(工)甲第4号証・・(特開2011-169292号公報図6)には、・・本件特許発明1における『前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され』、及び、『前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差してなる交差線で形成されることを特徴とする風車翼』が看取される。」
「(オ)甲第6号証・・(意匠登録第1209082号公報背面図)には、・・本件特許発明1における『傾斜部の側面外郭形状は外側の形成面と内側の形成面とが交差してなる交差線で形成される』形状が記載されている。
請求項2に於ける『傾斜部の外側面の形状は傾斜部の基底部における外側形状を所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、傾斜部の内側面の形状は基底部に於ける内側形状を、傾斜部の外側の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成』の形状が記載されている。」
「(キ)甲第8号証・・(特開2011-169292号公報の図1、図5、図6、図8)に、本件特許発明1における『傾斜部の側面外郭形状は、外側の形成面と内側の形成面とが交差してなる交差線で形成されること』の形状が記載されている。」
「(コ)甲第11号証・・『交差』とは『線状のものが十文字状に交わること』と記載されている。」
「(サ)甲第12号証・・『稜』について『多面体の隣合う二つの面の交わりの線分』と記載されている。」
「(シ)甲第13号証・・『曲率』の説明がある。」
「(ス)甲第14号証・・[J-Net21-2014/2/20 中小機構の1頁])には、・・本件特許発明1における『傾斜部の側面外郭形状は、外側の形成面と内側の形成面とが交差してなる交差線で形成されること』の形状が記載されている。
本件特許発明2における『傾斜部の側面外郭形状は、外側の形成面と内側の形成面とが交差してなる交差線で形成されること』の形状が記載されている。」
「(セ)甲第15号証・・(特許第4907073号公報の図2)には、・・本件特許発明1における『傾斜部の内側面の形状は、傾斜部の基底部における内側形状を、傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成され』の形状が看取される。」
「(夕)甲第17号証・・(特許第4173773号公報の図12)には本件特許発明1に於ける『傾斜部の内側面の形状は、傾斜部の基底部における内側形状を、傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成され』の形状が看取される。」
「(チ)甲第18号証・・甲第18号証(特許第4616918号公報の図4、図5、図7、図8)には、本件特許発明2における『傾斜部の外側面の形状は、傾斜部の基底部における外側形状を所定の曲率の曲線に沿って延出形成され、傾斜部の内側面の形状は基底部に於ける内側形状を、傾斜部の外側の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成』の形状が看取される。」
旨主張している。

イ.また、特許異議申立人は、上記記載されていないとした点に関して、特許異議申立書の添付物件として提出した各甲号証に記載を付す形態で
(ア)甲第1号証【図1】「外側面の曲率よりも内側面の曲率が大となっている。」
【図3】「外側面の曲率よりも内側面の曲率が小となっている。」
(イ)甲第2号証特許第4173727号公報図1の拡大図「傾斜部の内側面は直線状である。」
意匠登録第1196480号公報背面図の拡大図「傾斜部の稜線が現れている。」
(ウ)甲第3号証写真「稜線がよく現れている」
(エ)甲第4号証図6の拡大図「傾斜部に稜線が現れている」
(オ)甲第5号証図5の拡大図「鎖線カコミ部分は本件特許公報図1と同じ態様
稜線は傾斜部から主翼部まで連続しており、横断面形は同じもの」
(カ)甲第6号証背面図の拡大図「垂直線Sに対して、外側面延長線aよりも、内側面延長線bの方が曲率が大である。」
(キ)甲第7号証使用状態を示す参考図「斜線カコミ部分は本件特許公報の図1の態様と同じ。
稜線が傾斜部から主翼部へ連続しているのは横断面が同じ形となる。
公報A-A線断面で外側面の曲率より内面側の曲率が大きい。」
(ク)甲第19号証本件特許公報第10頁の図1の拡大図「基底部(3c)における内側面4bに曲面は見られない」
旨主張している。

しかし、
(a)甲1?18号証(すなわち、刊行物1?4、6、7、9?13、15?18、Webページ14。なお、甲第19号証は本件特許公報。)には、風車の翼の平面図、正面図、側面図、断面図、外観の写真等が記載されており、刊行物やWebページ毎に上記4.に記載した、翼の部分的形状は看取できるものの、翼の前方から後方にいたる全体における、構成要件B、Fの「基底部に於ける外側形状」に対して、「所定の曲率の曲線に沿って延出して形成」と特定された「傾斜部の外側面の形状」や、構成要件C、Fの「傾斜部の基底部に於ける内側形状」に対して、「外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成」と特定された(すなわち、特定断面における部分の曲率のみでなく、基底部に於ける「内側形状」に対して、外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に「沿って延出して形成」された)「傾斜部の内側面の形状」は、看取できるものではない。
(b)また、特許公開公報や特許公報の図面は、特許出願に係る発明を説明するために添付された図面であり、必ずしも図示されている寸法が正確であるといえるものではないので、それらの図面のみから、本件特許発明1?4の構成要件B?D、F?Gの構成を看取することはできない。
(c)また、刊行物2-2の【背面図】、刊行物4の【図1】【図5】【図6】【図8】、刊行物6の【背面図】の羽根の内外面の間には、線が記載されているが、刊行物2-2の【正面図】、刊行物4の【図1】【図5】【図8】の右側の羽根、刊行物6の【正面図】には、羽根の内外面の線は存在しない、そうすると、前記刊行物のそれぞれに記載された羽根の傾斜部は、その側面外郭形状の少なくとも一部について前記傾斜部の外側の形成面と前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されているとはいえないので、当該図の線を根拠に「傾斜部の側面外郭形状」が「前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成される」構成を看取することはできない。
また、刊行物4の【図6】には、左右両側の羽根の内外面の間に、線が記載されているが、【図1】【図5】【図8】の右側の羽根に間の線が存在しないこと、【図4】【図7】に図示された羽根の前方側は交差線を看取できるようなものでないこと、明細書にその線が意味することの説明がないこと、さらに上記(b)の特許公開公報の図面の性質を考慮すると、当該図の線を根拠に「傾斜部の側面外郭形状」が「前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成される」構成を看取することはできない。
また、Webページ14の写真の翼端の陰影も、特段の説明なしに「傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差してなる交差線」であると認定できるものでない。
そうすると、上記請求人の主張は理由がない。

5-2.特許法第36条第4項第1号について
(1)ア.本件特許公報の【発明の詳細な説明】には、本件特許発明1?4に対応して、【課題を解決するための手段】として、
(a)「【0013】(1)風を受けて揚力を発生し、主翼部が縦長に形成され、翼端に傾斜部が設けられた風車翼であって、前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、前記傾斜部の外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して形成されると共に、前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されることを特徴とする風車翼。
【0014】(2)風を受けて揚力を発生し、主翼部が縦長に形成され、翼端に傾斜部が設けられた風車翼であって、前記傾斜部の外側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記傾斜部の内側面の形状は、前記傾斜部の基底部に於ける内側形状を、直線に沿って延出して形成されると共に、前記傾斜部の側面外郭形状は、前記傾斜部の外側の形成面と、前記傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線で形成されることを特徴とする風車翼。
【0015】(3)前記主翼部と前記傾斜部との間に曲成部が設けられ、前記曲成部の外側面の形状は、前記主翼部の端部に於ける外側形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成され、前記曲成部の内側面の形状は、前記主翼部の端部に於ける内側形状を、前記曲成部の外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線に沿って延出して形成されることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の風車翼。
【0016】(4)前記主翼部と前記傾斜部との間に曲成部が設けられ、前記曲成部は、前記主翼部の端部に於ける断面形状を、所定の曲率の曲線に沿って延出して形成されることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の風車翼。」が記載され、さらに【発明を実施するための形態】として、
(b)「【0049】図6及び図7に於ける枝番号(b1)及び(b2)は、曲成部3が生成されている状態を示している。曲成部3は、主翼部2の端部2cの断面形状を曲成部3の基底部とし、主翼部2の端部2cの断面形状(曲成部3の基底部)を所定の曲率の曲線に沿って延出して生成されている。
【0050】図6及び図7に於ける枝番号(c1)及び(c2)は、傾斜部4の外側面4aが生成されている状態を示している。傾斜部4の外側面4aを生成するために、曲成部3の上側端部3cの断面形状を当該基底部とし、曲成部3の上側端部3cの断面形状(当該基底部)を、所定の曲率の曲線に沿って延出して、傾斜部4の外側面生成要素4dが生成されている。外側面生成要素4dの外側面上に、傾斜部4の外側面4aが形成されている。
【0051】図6及び図7に於ける枝番号(d1)及び(d2)は、傾斜部4の内側面4bが生成されている状態を示している。傾斜部4の内側面4bを生成するために、曲成部3の上側端部3cの断面形状を当該基底部とし、曲成部3の上側端部3cの断面形状(当該基底部)を、傾斜部4の外側面4aに反映して形成された曲線の曲率よりも小なる曲率の曲線に沿って延出して、傾斜部4の内側面生成要素4eが生成されている。内側面生成要素4eの内側面上に、傾斜部4の内側面4bが形成されている。また、傾斜部4の外側面生成要素4dと内側面生成要素4eとが重なって交差している外郭稜線から成る交差線5が生成される。
【0052】
図6及び図7に於ける枝番号(e1)及び(e2)は、傾斜部4が生成されている状態を示してしる。傾斜部4は、外側面生成要素4dと内側面生成要素4eとが重なっている領域で形成されている。傾斜部4を側面から見た際に見られる側面外郭形状は、交差線5によって形成されている。
【0053】
上述で説明した、主翼部2の端部2cから曲成部3と傾斜部4とが生成される過程は、曲成部3と傾斜部4とを立体的に設定する設計方法としても有効に活用出来る。すなわち、曲成部3の外側面3aの曲率及び延出長さ、曲成部3の内側面3bの曲率及び延出長さを設定するだけで、曲成部3を立体的に確実に設定することが出来る。また、傾斜部4の外側面4aの曲率と、傾斜部4の内側面4bの曲率を設定するだけで、傾斜部4を立体的に確実に設定することが出来る。
【0054】
また、曲成部3と傾斜部4とでウィングレットが構成されるが、このウィングレットの形状を立体的に設定する際に、曲成部3の外側面3aの曲率及び延出長さ、曲成部3の内側面3bの曲率及び延出長さ、傾斜部4の外側面4aの曲率、傾斜部4の内側面4bの曲率の組み合わせることで自在に調整可能となり、当該ウィングレットを立体的に設定する設計方法として有効性が高い。」
(c)「【0057】曲成部3の外側面3aと内側面3bのそれぞれの延出長さは、対応する曲率に応じて設定されることが望ましい。すなわち、外側面3aの曲率が内側面3bの曲率よりも小さい場合、外側面3aの延出長さは内側面3bの延出長さよりも大きく設定することが望ましい。」
(d)「【0061】ここで、上述までの説明では、傾斜部4の、内側面4bに形成されている曲率は、外側面4aに形成されている曲率に比べて、小さく設定されているとしたが、内側面4bに形成されている曲率を極めて小さくした場合に、有限な長さを持つ傾斜部4の範囲に於いては、内側面4bに形成されている曲率の曲線を、直線(曲率0の曲線)とみなすことが出来る。
【0062】このように、傾斜部4の内側面4bは、曲成部3の上側端部3cの断面形状のうち、曲成部3の内側面3bの形状を、直線に沿って延出して形成されても良く、その場合にも、上述した内容と同等の効果及び形状が得られる。」
ことが記載されている。(下線は、当審で付与。)
イ.そして、上記記載(a)?(d)は、本件特許発明1?4と整合するものであって、当該記載は、当業者が本件特許発明1?4を実施することができる程度に記載されているものと認められる。

(2)請求人の主張について
特許異議申立人は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない理由として、平成29年4月25日付け手続補正書で補正された特許異議申立書において、上記「3.申立理由の概要」(2)(ア)?(ク)を主張している。
しかし、
(ア)「翼端に傾斜部が設けられた風車翼」でないものが、本件特許発明1?4でないことは、請求項1?4の記載から明確であって、段落0063の記載により、本件特許発明1?4が実施できないものではない。
(イ)2面が交差して成る交差線は、幾何学的に明確に定義されるものであって、部分的に図示がないとしてもそのことにより、本件特許発明1?4が実施できないものではない。
また、傾斜部も請求項1?4の記載から明確であって、図5に「3C線」は記載されていないことによって、本件特許発明1?4が実施できないものではない。
(ウ)?(オ)段落0026の「風車翼を前側から見た時に、翼端に形成されている傾斜部が傾斜している方向に位置する側を『内側』といい、その逆を『外側』という。また、風車翼を内側又は外側から見た際に見える面を『側面』という。」は、請求項1における「外側面」を特段不明瞭とするものではない。
また、「曲線に沿って延出して形成」の沿うべき「曲線」は、その前段で「所定の曲率の曲線」、「外側形状の曲率よりも小なる曲率の曲線」、「外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線」と定義されているので、当該記載により本件特許発明1?4が実施できないものではない。
また、2面の交差により交差線が定義されるので、図示の有無に関わりなく、「傾斜部の内側の形成面とが交差して成る交差線」は明確である。
また、「内側形状を、直線に沿って延出」の沿うべき「直線」も、幾何学的に直線の定義は明確であるので、当該記載により本件特許発明2が実施できないものではない。
また、請求項3の「曲成部の内側面の形状」は、「前記主翼部の端部に於ける内側形状を、前記曲成部の外側形状の曲率よりも大なる曲率の曲線に沿って延出して形成」ものであって、端部の形状を延出するものであるので、請求項3の記載から縦長に形成されている主翼部の延長方向に延出することは明らかである。
また、請求項3の「外側形状」も同様に明確である。
(カ)傾斜部と曲成部とは、別々の部分であり、それぞれ異なる曲率とすることができないものではないので、請求項3の記載により、本件特許発明1?4が実施できないものではない。
(キ)請求項4の「曲線に沿って延出して形成」の沿うべき「曲線」は、その前段で「所定の曲率の曲線」と定義されているので、当該記載により本件特許発明4が実施できないものではない。
(ク)本件特許発明の先行技術として、甲第3号証、甲第10号証、甲第14号証が記載されていないとしても、そのことで本件特許発明1?4が実施できないものではない。
そうすると、上記請求人の主張は理由がない。

6.むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-06-15 
出願番号 特願2015-86525(P2015-86525)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (F03D)
P 1 651・ 121- Y (F03D)
P 1 651・ 536- Y (F03D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 所村 陽一山本 崇昭  
特許庁審判長 藤井 昇
特許庁審判官 中川 真一
久保 竜一
登録日 2016-07-15 
登録番号 特許第5969651号(P5969651)
権利者 中島 紳一郎
発明の名称 風車翼  
代理人 竹沢 荘一  
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