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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G09F
審判 査定不服 5項独立特許用件 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G09F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 補正却下を取り消す 原査定を取り消し、特許すべきものとする  G09F
管理番号 1330459
審判番号 不服2016-10822  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-18 
確定日 2017-07-26 
事件の表示 特願2014-551083「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月12日国際公開、WO2014/087951、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年12月1日(優先権主張 平成24年12月5日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成27年5月29日付け(発送日 同年6月11日)で拒絶理由が通知され、同年8月3日付けで手続補正がされ同年8月5日付けで意見書が提出され、平成27年10月27日付け(発送日 同年11月24日)で(最後の)拒絶理由が通知され、平成28年1月24日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年3月23日付けで前記平成28年1月24日付け手続補正についての補正についての却下の決定がされるとともに同日付け(送達 同年4月19日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、同年7月18日に拒絶査定不服審判請求がなされたものである。

第2 平成28年3月23日付けの補正の却下の決定について
請求人は、審判請求書の請求の趣旨において「原査定を取り消す。本願の発明は特許すべきものとする、との審決を求める。」とし、審判請求書の請求の理由の「4.むすび」の項で、
(1)「『補正の却下の決定』通知書4頁に『各相違点に係る構成は、引用文献2-4に記載された発明に各々記載されているものであって、これらの構成を引用文献1に記載された発明に適用することで、本願の請求項1に係る発明とすることは、当業者であれば容易になし得たことである』と記されております。・・・そして、本願発明の新規な構成と具現化課題の発掘は決して当業者といえども容易に想到し得たものではないと思料致します。」
及び
(2)「『補正の却下の決定』通知書4頁には、さらに『本願の請求項1に係る発明の効果は、引用文献1-4に記載された発明から予測しうる程度のものである』と記されております。・・・すくなくとも本願発明と同一の全体構成の公知例は未だ見つかっておりません。・・・当業者も言葉の上では同じ効果を狙い近似した構成を考案しながらも、上記の必須要件を過不足なく満たした構成でもって無駄のない薄さの実現という効果には、未だ誰も想到していない、だから同一の公知例が無いものと思料致します。・・・本願発明は、他の多くの発明と同じ『公知の要素技術の新規な組み合わせでなされている』類ではありますが、到達した構成は新規で効果的なものであり、それは引用刊行物に記載された発明から当業者が容易に構成と効果を発明することができるものではない、と、思料致します。ご審査の上、何卒原査定を取り消す、そして本出願の発明はこれを特許すべきものとする、との審判を賜りますようお願い申し上げます。」
と主張しており、「補正の却下の決定」に対して不服が申し立てられているものと認められるため、平成28年3月23日付けの補正の却下の決定の当否について検討する。

[平成28年3月23日付けの補正の却下の決定についての結論]
平成28年3月23日付けの補正の却下の決定を取り消す。

[理由]
1 補正の内容
平成28年1月24日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、本件補正前(平成27年8月3日になされたもの)の特許請求の範囲を、以下のとおりに補正する内容を含むものである。
(1)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成27年8月3日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「携帯用機器の表示装置であって、その一部が携帯用機器筐体と一体となって筐体の上面を構成しさらに該筐体上面を越え延伸して成る単一の可撓性ディスプレイを具備し、該可撓性ディスプレイは、少なくとも可撓性薄膜表示部材と該表示部材の可撓性薄膜駆動部材と薄層支持基板とを積層して成り、延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有しもって筐体上面だけに表示面を有する小型携帯用機器になり、曲げた状態から復元し開けば可撓性ディスプレイの全面を使うシームレスな大画面表示携帯用機器になること、加えて該所定の曲げ箇所では可撓性ディスプレイの性能が損なわれない最小曲げ半径以下には曲げ折られないようにする過剰曲がり防止部材と、可撓性とともに復元力を有する部材の支持部材あるいは曲げ畳めかつ復元して水平にする補助機構を具備すること、および他の延伸部分は大画面での使用時の水平維持と折り畳んだ時の筐体との合わさった厚さを最小化するための薄層かつ剛性を有する部材で裏打ちされている構成であること、を特徴とする携帯用機器の表示装置」

(2)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲は次のとおり補正された(下線部は、当審が付したもので、補正箇所を示すものである。)
「【請求項1】
携帯用機器の表示装置であって、その一部が携帯用機器筐体と一体となって筐体の上面を構成しさらに該筐体上面を越え延伸して成る単一の可撓性ディスプレイを具備し、該可撓性ディスプレイは、少なくとも可撓性薄膜表示部材と該表示部材の可撓性薄膜駆動部材と薄層支持基板とを積層して成り、延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有しもって筐体上面だけに表示面を有する小型携帯用機器になり、曲げた状態から復元し開けば可撓性ディスプレイの全面を使うシームレスな大画面表示携帯用機器になること、加えて該所定の曲げ箇所では可撓性ディスプレイの性能が損なわれない最小曲げ半径以下には曲げ折られないようにする過剰曲がり防止部材と、可撓性とともに復元力を有する部材の支持部材あるいは曲げ畳めかつ復元して水平にする補助機構を具備すること、および他の延伸部分は大画面での使用時の水平維持と折り畳んだ時の筐体との合わさった厚さを大きくしないためプラスチック薄板や金属薄板などの薄層でかつ剛性を有する薄板で裏打ちされている構成であること、を特徴とする携帯用機器の表示装置」

2 本件補正の適否
(1)補正の目的
ア 平成27年10月27日付け(最後の)拒絶理由の概要は、
(ア)理由1
「機能・特性として部材が記載されるだけではどのような部材であるのかを特定することが困難であることが出願時の技術常識であって、かかる技術常識を考慮すると、『他の延伸部分は大画面での使用持の水平維持と折り畳んだ時の筐体との合わさった厚さを最小化するための薄層かつ剛性を有する』という機能・特性として記載される『部材』がどのようなものであるのかが十分に特定されていないため、請求項の記載から発明を明確に把握することができない」から、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(イ)理由2
「この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1.米国特許出願公開第2012/0200991号明細書
2.特開2009-230072号公報
3.特開2002-247164号公報
4.特表2010-530553号公報」
というものである。

イ 本件補正は、補正前の請求項1について、上記「1」「(1)」のとおり、他の延伸部分は大画面での使用時の水平維持と折り畳んだ時の筐体との合わさった厚さを「最小化するための薄層かつ剛性を有する部材」であったものを、上記「1」「(2)」のとおり、他の延伸部分は大画面での使用時の水平維持と折り畳んだ時の筐体との合わさった厚さを「大きくしないためプラスチック薄板や金属薄板などの薄層でかつ剛性を有する薄板」とすること、すなわち、「最小化する」を「大きくしない」と補正(以下「補正事項1」という。)するとともに、「部材」を「プラスチック薄板や金属薄板などの」「薄板」と補正(以下「補正事項2」という。)と限定する補正をするものである。

ウ(ア)上記補正事項1は、平成27年10月27日付け(最後の)拒絶理由の「理由1」で指摘された不明確な記載を明確な記載に補正するものであるから、当該補正は、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる、明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)に該当する。

(イ)上記補正事項2は、限定を付加するものから、当該補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、当該補正によっても、補正前後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることは明らかである。

(2)独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか否か)について検討する。
ア 本願補正発明の認定
本願補正発明は、上記1(2)のとおりのものと認める。

イ 刊行物の記載及び引用発明
(ア)平成28年3月23日付けの補正の却下の決定及び原査定の拒絶の理由で引用された、本件出願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である米国特許出願公開第2012/0200991号明細書(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審が付した。以下同じ。また、訳は特表2013-504783号公報に基づいて当審が付した。)
a 「[0029]FIG. 1 shows an example in which the variable display area type display device is mounted at one side of the body of a notebook computer 1 . The applicable field of the present invention is not limited thereto. It can be applied to various electronic instruments such as a common cellular phone, a PDA, a smart phone, a PC. A TV, etc. The present invention can be implemented in a form of a separate product, not being adapted to a separate electronic instrument.
[0030]As shown in FIG. 2 , the base plate 100 is formed in a rectangular shape and is characterized in that a pair of plate units 100 a and 100 b are coupled with each other in a hinged structure, so they are foldable in forward and backward directions. A pair of the plate units 100 a and 100 b are hinged via a hinge part 101 positioned at its intermediate portion. Not shown in the drawings, a stopper is provided at the hinge part 101 , thus defining a rotation angle between the pair of the plate units 100 a and 100 b.
[0031]The display part 110 is attached to one surface of the base plate 100 and operates in sync with the base plate 100 and is folded or unfolded, thus reducing or expanding the display area.
[0032]As shown in FIG. 3 , the display part 110 can be formed of a flexible display which is attached along its entire lengths while crossing the pair of the plate units 100 a and 100 b. In this case, when the base plate 100 is folded or unfolded, the flexible display can be folded or unfolded together with the base plate 100 .
[0033]As shown in FIG. 4 , the display part 110 is formed of a pair of displays 110 a and 110 b attached matching with the pair of the plate units 100 a and 100 b, respectively. The pair of the displays 110 a and 110 b might be formed of LCD, PDP, OLED, AMOLED, etc. In this case, when the base plate 100 is folded or unfolded, the pair of the displays 110 a and 110 b are folded or unfolded together with the base plate 100 .・・・
[0041]As shown in FIG. 8 , alternatively, each of the both sides of the display part 110 can be folded about the hinge part 101 of the base plate 100 so that the display area can be positioned outside. In this case, each of both sides of the display part 110 is positioned at the back side of the plate support member 120 .・・・
[0043]As shown in FIG. 9 , one plate unit 100 a between the pair of the plate units 100 a and 100 b can be accommodated in the plate support member 120 with its back side, namely, the opposite side where the display part (not shown) positioned, facing outside. As shown in (a) through (d) of FIG. 9 , while the pair of the plate units 100 a and 100 b are being unfolded, the plate unit 100 a in the accommodated state slides along the guide groove 123 and is inverted with its whole front sides being exposed to the outside, and then is unfolded. In this case, in the state of (d) of FIG. 9 , there might be provided a certain member which prevents the plate unit 100 b from sagging downward by means of the hinge part 101 in such a way the plate unit 100 b is supported against the plate support member 120 . Alternatively, it is desirable that the lengths of the plate units 100 a and 100 b are designed shorter than the length of the plate support member 120 so that the hinge part 101 can be positioned on the plate support member 120 .・・・
[0045]In the variable display area type display device according to a preferred embodiment of the present invention, since the display part 110 can be folded or unfolded with respect to the plate support member 120 , thus reducing or expanding the display area at the outside. It is preferred that the present invention can provide a display area in which the screen size is expanded as it is unfolded when in use from the folded state.」
([0029]図1には本発明に対する理解を図るために、表示領域可変型ディスプレー装置がノート・パンコン1の本体の一側に装着された例が示されている。本発明の適用対象はこのような例に限定されないで、一般の携帯電話、PDA、スマートフォン、PC、TVなど多様な電子機器に適用することができる。必要によって、本発明は別途の電子機器に装着されないで独立された製品として使われることも可能である。
[0030]図2に示すように、ベースプレート100は全体的に長方形を呈し、前、後方向に折り畳み可能に一対のプレートユニット100a、100bがヒンジ結合された構造を有する。一対のプレートユニット100a、100bはその中間地点に位置するヒンジ部101を介して相互連結されてヒンジ結合される。図面には図示していないが、ヒンジ部101には一対のプレートユニット100a、100bの間の回動角を定義する所定のストッパ(Stopper)が備えられる。
[0031]ディスプレー部110はベースプレート100の一面に付着され、ベースプレート100と連動して折り畳まれたり開かれてその表示領域が縮小または拡張される。
[0032]図3に示すように、ディスプレー部110は一対のプレートユニット100a、100bを横切る形態に一体に付着される可撓性ディスプレー(Flexible Display)によって構成されることができる。この場合、ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時ベースプレート100と一体に可撓性ディスプレーが折り畳まれて開かれる。
[0033]ディスプレー部110は、図4に示すように、一対のプレートユニット100a、100bにそれぞれ対応するように付着された一対のディスプレー110a、110bによって構成されてもよい。ここで、一対のディスプレー110a、110bとしてはLCD、PDP、OLED、AMOLEDなどを採用することができる。この場合、ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時、ベースプレート100と一体に一対のディスプレー110a、110bが相互折り畳まれたり開かれる。・・・
[0041]代案として、図8に示すように、ベースプレート100のヒンジ部101を中心にディスプレー部110の両側は外側に表示領域が位置するように折り畳むことができる。この場合、ディスプレー部110の両側の中の一側はプレート支持部材120の背面側に位置する。・・・
[0043]図9によれば、一対のプレートユニット100a、100bの中の一方のプレートユニット100aは、その背面、即ち、ディスプレー部(図示しない)が位置した反対面が外側を向くようにプレート支持部材120内に収容することができる。図9a?9dに示すように、一対のプレートユニット100a、100bが開かれる過程で前記収容状態のプレートユニット100aはガイド溝123に沿ってスライディングした後その前面が外部に露出するように反転しながら開かれる。この場合には、図9dの状態で、プレート支持部材120に対してプレートユニット100bを支持することによってヒンジ部101によってプレートユニット100bが下方へ垂れることを防止する部材を付加することができる。代案としては、ヒンジ部101がプレート支持部材120の上に位置するようにプレートユニット100a、100bの長さをプレート支持部材120の長さと比べて短く設計することも可能である。・・・
[0045]前述したように、本発明の好ましい実施形態による表示領域可変型ディスプレー装置は、ディスプレー部110が一面に付着されたベースプレート100をプレート支持部材120に対して折り畳んだり開くことによって外部に表示領域の大きさを縮小または拡張させることができる。このような本発明は、好ましくは電子機器の一側に装着されて、使用の時折り畳み状態から開くことによって画面の大きさが拡張された表示領域を提供することができる。)

b FiG.8(図8)は次のものである。


c 引用発明
上記a及びbによれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「携帯電話、PDA、スマートフォン、PC、TVなどの電子機器に適用することができる表示領域可変型ディスプレー装置であって、
ベースプレート100は全体的に長方形を呈し、前、後方向に折り畳み可能に一対のプレートユニット100a、100bがヒンジ結合された構造を有し、一対のプレートユニット100a、100bはその中間地点に位置するヒンジ部101を介して相互連結されてヒンジ結合され、ヒンジ部101には一対のプレートユニット100a、100bの間の回動角を定義する所定のストッパが備えられ、
前記ディスプレー部110はベースプレート100の一面に付着され、ベースプレート100と連動して折り畳まれたり開かれてその表示領域が縮小または拡張され、
前記ディスプレー部110は一対のプレートユニット100a、100bを横切る形態に一体に付着される可撓性ディスプレーによって構成されることができ、前記ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時ベースプレート100と一体に可撓性ディスプレーが折り畳まれて開かれ、
前記一対のディスプレー110a、110bとしてはLCD、PDP、OLED、AMOLEDを採用し、前記ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時、ベースプレート100と一体に一対のディスプレー110a、110bが相互折り畳まれたり開かれ、
前記ベースプレート100のヒンジ部101を中心にディスプレー部110の両側は外側に表示領域が位置するように折り畳むことができ、
前記プレート支持部材120に対してプレートユニット100bを支持することによってヒンジ部101によってプレートユニット100bが下方へ垂れることを防止する部材を付加することができ、
前記電子機器の一側に装着されて、使用の時折り畳み状態から開くことによって画面の大きさが拡張された表示領域を提供することができる、表示領域可変型ディスプレー装置」

(イ)同じく平成28年3月23日付けの補正の却下の決定及び原査定の拒絶の理由で引用された、本件出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開2009-230072号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある
a 「【0027】
図2に示した表示装置の裏面7の平面図を、図3に示す。こうした表示装置21に曲げ変形が加えられた場合には、図4に示されるように力が作用する。図4中、矢印Aは縮み方向を表わし、矢印Bは伸び方向を表わす。フレキシブルディスプレイ20の裏面7に設けられたダイラタント流体収容部材12においては、縮み方向Aにダイラタント流体が歪む。この方向に強い力で曲げ変形が加えられた場合は、ダイラタント流体が硬化してフレキシブルディスプレイ20の破損は防止されることになる。
【0028】
ダイラタント流体収容部材12は、必ずしもフレキシブルディスプレイ20の裏面7の全面に設けられる必要はなく、図5の平面図に示されるように裏面7の一部に設けることもできる。
【0029】
ダイラタント流体は、チューブ等の長手を有する中空体に充填して、ダイラタント流体収容部材を構成することもできる。こうしたダイラタント流体収容部材13は、例えば図5の断面図に示されるように、フレキシブルディスプレイ20の裏面7の一部に設けることができる。
【0030】
ディスプレイ20の裏面7であれば、ダイラタント流体収容部材13の配置される場所は特に規定されない。例えば図6に示されるように、裏面7の中心に沿って長手方向にダイラタント流体収容部材13を配置することができる。図示していないが、複数のダイラタント流体収容部材13を、任意の配列で裏面7に配置してよい。さらには、ダイラタント流体収容部材を屈曲させて任意の形状とし、ディスプレイ20の裏面7の所定の領域に配置することもできる。
【0031】
ダイラタント流体収容部材13は、ディスプレイ20の裏面7および表示面8の両面に設けてもよい。具体的には、図7の断面図に示されるように、ダイラタント流体収容部材13は、ディスプレイ20を挟み込むように裏面7および表示面8の向かい合う辺に配置する。フレキシブルディスプレイ20の裏面7における平面図を図8に示すが、表示面8においても、ダイラタント流体収容部材13は同様に配置される。
【0032】
ダイラタント流体収容部材13は、フレキシブルディスプレイ20のY軸方向の2辺を挟み込む形状で設けられているので、このY軸方向の曲がりに対して効果が発揮される。すなわち、Y軸方向の曲がりについては、上に凸の方向および下に凸の方向のいずれに対しても、フレキシブルディスプレイ20は保護される。
【0033】
あるいは、ダイラタント流体収容部材13は、図9に示されるように、フレキシブルディスプレイ20の裏面7の外周に沿って配置してもよい。外周に沿って配置される場合には、ディスプレイ20の裏面7に限定されず、表示面8に配置することもできる。この場合には、X軸方向およびY軸方向の2つの方向に沿ってダイラタント流体収容部材13が設けられていることになる。したがって、X軸方向およびY軸方向の曲がりについてフレキシブルディスプレイ20を保護することができる。
【0034】
ダイラタント流体が収容されるチューブは、蛇腹状とすることができる。具体的には、図10の側面図に示すように、フレキシブルディスプレイ20の曲げによってチューブ13が伸縮する。衝撃が加えられた際には、ダイラタント流体の作用によりチューブが硬くなる。特にチューブが蛇腹形状の場合、腹部14で曲げを加えたときに十分な伸縮が生じることから、ダイラタント現象が発現しやすいダイラタント流体収容部材は、パッド状の形状に形成することもできる。具体的には、パッド状とは、柱状形状、または半球ドーム状の形状をさす。図11には、パッド状のダイラタント流体収容部材15がディスプレイ20の裏面7に設けられた表示装置の側面図を示す。フレキシブルディスプレイ20に強い力が加えられて閾値以上の曲率半径で曲げられると、図12に示されるように、内径にあるパッド同士が接触し、各々のパッド15に押し込み方向の歪が発生してパッドが硬化する。曲率半径の閾値はパッド間の距離および、パッドの高さで調整可能である。パッド状のダイラタント流体収容部材15のサイズは、分散液の量および濃度、ディスプレイサイズ、さらには許容できるディスプレイの重量等に応じて適宜決定すればよく、パッド状のダイラタント流体収容部材15は、曲げ変形が加わる位置に応じて、フレキシブルディスプレイ20の裏面7の任意の位置に配置することができる。」

b 図11及び12は次のものである。


c 引用文献2に記載の事項
上記a及びbによれば、引用文献2には、下記の事項(以下「引用文献2に記載の事項」という。)が記載されているものと認められる。
「フレキシブルディスプレイ20の裏面7に設けられたダイラタント流体収容部材15においては、縮み方向Aにダイラタント流体が歪み、この方向に強い力で曲げ変形が加えられた場合は、ダイラタント流体が硬化してフレキシブルディスプレイ20の破損は防止される点。」

(ウ)同じく平成28年3月23日付けの補正の却下の決定及び原査定の拒絶の理由で引用された、本件出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特開2002-247164号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の記載がある
a 「【0017】図1に示す携帯電話機1は、1つの可視面からなる表示部2を備える。表示部2は、屈曲可能な高分子フィルム液晶を使用してA部、B部、C部の連続した1つの可視面として構成しており、A部およびB部、B部およびC部の境界で屈曲することが可能である。表示部2のA部は、従来の携帯電話機に備えられている程度の大きさであり、携帯電話機1本体の表面に構成されている。また、B部およびC部は、基本的に表示機能を有するのみであり、受信回路その他の主な機能を有する携帯電話機1本体からはみ出させた状態に構成されている。
【0018】また、図2に示すように、表示部2のB部およびC部の裏面には、それぞれ平面を保持できる非弾性部材としての樹脂や金属等の略平板状の薄板3a,3bを貼着している。携帯電話機1本体と薄板3aとの間、薄板3aと薄板3bとの間はそれぞれ屈曲可能な弾性部材片4a,4bによって連結している。
【0019】図2に示す一点鎖線D,Fは、表示部2を曲げて収縮するときの折り曲げの中心線を示している。表示部2の収縮時には、一点鎖線D,Fに沿ってそれぞれ図3(a),(b)に示すようにB部をA部の表面側に、C部をB部の裏面側に折り曲げる。弾性部材片4a,4bは、図3(a)に示すように、表示部2との接触面に凹部を備えて貼着したものでもよく、隙間なく完全に密着した状態で貼着したものでもよい。すなわち、弾性部材片4a,4bは、表示部2の屈曲に合わせて表示部2との距離を一定に保ちながら屈曲するものであり、表示部2と一体に動作するものとする。
【0020】また、弾性部材片4a,4bは、A部、B部、C部を1平面形状として長期にわたって復元可能とするため、めがねフレームやブラジャ等の形状を長期にわたって確保するために近年利用されているニッケル・チタン系の合金である超弾性合金と同様の性能を保有するメッシュ状の薄板を使用している。ここで、弾性部材片4a,4bの記憶形状を平面とすることによって、表示部2のB部およびC部に力を加えないときはA部、B部、C部を1平面上に保持して1可視面とすることができる。
【0021】また、表示部2のB部、C部を収縮してコンパクトに収納するため、表示部2のA部に永久磁石5a,5bを、B部に永久磁石6a,6bを、C部に永久磁石7a,7bをそれぞれ備える。永久磁石5a,6a,7aと永久磁石5b,6b,7bとは、それぞれ互いに引き合う磁極の向きかつ最適な位置となるように配置しておく。
【0022】このように永久磁石5a,5b,6a,6b,7a,7bを配置しておくことによって、表示部2を図1(a)に示す1可視面の状態から、図3(a)の状態を経て、同図(b)に示す収縮状態とすることができる。したがって、同図(b)に示す収縮状態においては、永久磁石5a,5b,6a,6b,7a,7bの作用により、表示部2は収縮状態で保持される。逆に、図3(b)に示す収縮状態から図1(a)に示す1可視面の状態へと移行する際は、手を使って広げることで容易に行うことが可能である。
【0023】なお、永久磁石5a,5b,6a,6b,7a,7bは、各面にそれぞれ2個ずつ配置して説明したが、収縮に支障がない程度に間引きできることは言うまでもない。例えば、表示部2のA部の裏面に永久磁石8aを1個、C部の裏側に永久磁石8bをそれぞれ1個ずつ配置し、互いに引き合うように構成することも可能である。
【0024】上記構成の携帯電話機1では、インターネット等から大量の情報を受信するとき、図1(a)に示すように表示部2を広げて1可視面として使用することで、その取得した大量の情報をより大きな表示部2へ見やすく表示することができる。すなわち、携帯電話機1は、表示部2を収縮時には従来の携帯電話機の表示部と同様の大きさとし、大量の情報を表示する際には表示部2を展開して従来の携帯電話機の表示部の表示面積の2倍や3倍とした使いやすくかつコンパクトなものとなる。
【0025】ところで、携帯電話機1では、表示部2のうち、A部、B部、C部のすべてに情報を表示することも、A部およびB部のみに表示するように構成することも可能である。また、表示部2を収縮状態としてその最外面のC部のみに表示し、A部およびB部には表示しないように構成することも可能であり、通常の携帯電話機として通話に使用する際、図1(b)に示すようにコンパクトな状態で携帯電話機1を使用することができる。」

b 図1及び3は次のものである。


c 引用文献3に記載の事項
上記a及びbによれば、引用文献3には、下記の事項(以下「引用文献3に記載の事項」という。)が記載されているものと認められる。
「表示部2のB部およびC部の裏面には、それぞれ平面を保持できる非弾性部材としての樹脂や金属等の略平板状の薄板3a,3bを貼着し、携帯電話機1本体と薄板3aとの間、薄板3aと薄板3bとの間はそれぞれ屈曲可能な弾性部材片4a,4bによって連結し、弾性部材片4a,4bは、表示部2との接触面に凹部を備えて貼着したものでもよく、隙間なく完全に密着した状態で貼着したものでもよく、弾性部材片4a,4bは、表示部2の屈曲に合わせて表示部2との距離を一定に保ちながら屈曲するものであり、表示部2と一体に動作する点。」

(エ)同じく平成28年3月23日付けの補正の却下の決定及び原査定の拒絶の理由で引用された、本件出願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である、特表2010-530553号公報
(以下「引用文献4」という。)には、以下の記載がある
a 「【0039】
図12は本発明による装置の別の実施形態の概略図を示す。装置120は第1の部分121と、第2の部分122と、第1の部分121および第2の部分122と協働する中央部分123とを備える。ディスプレイ124は第1の部分121、第2の部分122および中央部分123により少なくとも部分的に支持されていてもよい。可撓性ディスプレイ124の装置120のハウジング(図示しない)に対する異なる角度を負担する第1の機械的に安定な位置と少なくとも第2の機械的に安定な位置とを可能とするために、中央部分には第1の部分121および第2の部分122の凹部と協働することが想定されている弾性ロッカーアーム123a、123bを設けることができる。第1の部分121および第2の部分122は、矢印D1およびD2に模式的に示されるように、中央部分123に対して変位可能である。眺望120aはディスプレイ124が平坦であり、かつディスプレイ124の第1の機械的に安定な位置が到達されている構造を模式的に示す。眺望120bはディスプレイ124が曲げられ、かつディスプレイ124の第2の機械的に安定な位置が到達され、装置120のハウジングに対して異なる角度を有する構造を模式的に示す。実地上は、図11および図12を参照して説明された中央部分はハウジングの部分を形成してもよく、またはハウジング内に収容されてもよい。これは、中央部分に対するディスプレイの角度が異なると、そのままハウジングに対するディスプレイの角度が異なることを意味する。好適には、異なる観察モードにまたは異なる相互作用モード、例えばタッチ機能に関するタイピング、描画または仕事(undertaking)動作のためにディスプレイの異なる角度が用いられる。」

b 図12は次のものである。


c 引用文献4に記載の事項
上記a及びbによれば、引用文献4には、下記の事項(以下「引用文献4に記載の事項」という。)が記載されているものと認められる。
「可撓性ディスプレイ124の装置120のハウジングに対する異なる角度を負担する第1の機械的に安定な位置と少なくとも第2の機械的に安定な位置とを可能とするために、中央部分には第1の部分121および第2の部分122の凹部と協働することが想定されている弾性ロッカーアーム123a、123bを設ける点。」

ウ 対比・判断
(ア)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
a 引用発明の「携帯電話、PDA、スマートフォン、など電子機器に適用することができる表示領域可変型ディスプレー装置」は、本願補正発明の「携帯用機器の表示装置」に相当する。

b 引用発明の「前記ディスプレー部110は一対のプレートユニット100a、100bを横切る形態に一体に付着される可撓性ディスプレーによって構成されることができ、前記ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時ベースプレート100と一体に可撓性ディスプレーが折り畳まれて開かれ、」「前記電子機器の一側に装着されて、使用の時折り畳み状態から開くことによって画面の大きさが拡張された表示領域を提供することができる」は、本願補正発明の「その一部が携帯用機器筐体と一体となって筐体の上面を構成しさらに該筐体上面を越え延伸して成る単一の可撓性ディスプレイを具備し」と、「該筐体上面を越え延伸して成る単一の可撓性ディスプレイを具備し」の点で一致する。

c 引用発明の「ディスプレー110a、110b」は「LCD、PDP、OLED、AMOLEDを採用する」から、実質的に可撓性薄膜表示部材と該表示部材の可撓性薄膜駆動部材と薄層支持基板とを積層してなるといえる。
したがって、引用発明の「LCD、PDP、OLED、AMOLEDを採用する」「ディスプレー110a、110b」は、本願補正発明の「可撓性ディスプレイ」と「少なくとも可撓性薄膜表示部材と該表示部材の可撓性薄膜駆動部材と薄層支持基板とを積層して成」る点で一致する。

d 引用発明の「ベースプレート100は全体的に長方形を呈し、前、後方向に折り畳み可能に一対のプレートユニット100a、100bがヒンジ結合された構造を有し」、「前記ディスプレー部110は一対のプレートユニット100a、100bを横切る形態に一体に付着される可撓性ディスプレーによって構成されることができ、前記ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時ベースプレート100と一体に可撓性ディスプレーが折り畳まれて開かれ」、「前記ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時、ベースプレート100と一体に一対のディスプレー110a、110bが相互折り畳まれたり開かれ」、「前記ベースプレート100のヒンジ部101を中心にディスプレー部110の両側は外側に表示領域が位置するように折り畳むことができ」る点は、本願補正発明の「延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有しもって筐体上面だけに表示面を有する小型携帯用機器にな」る点と、「延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有」する点で一致する。

e 引用発明の「前記電子機器の一側に装着されて、使用の時折り畳み状態から開くことによって画面の大きさが拡張された表示領域を提供することができる」点は、本願補正発明の「曲げた状態から復元し開けば可撓性ディスプレイの全面を使うシームレスな大画面表示携帯用機器になること」に相当する。

f 引用発明の「前記ディスプレー部110は一対のプレートユニット100a、100bを横切る形態に一体に付着される可撓性ディスプレーによって構成されることができ、前記ベースプレート100が折り畳まれたり開かれる時ベースプレート100と一体に可撓性ディスプレーが折り畳まれて開かれ」、「前記プレート支持部材120に対してプレートユニット100bを支持することによってヒンジ部101によってプレートユニット100bが下方へ垂れることを防止する部材を付加することができ」る点は、本願補正発明の「曲げ畳めかつ復元して水平にする補助機構を具備する」点と、「曲げ畳めかつ復元して水平にする補助機構を具備する」点で一致する。

g 以上aないしfを総合すると、本願補正発明と引用発明は、
「携帯用機器の表示装置であって、
筐体上面を越え延伸して成る単一の可撓性ディスプレイを具備し、
該可撓性ディスプレイは、少なくとも可撓性薄膜表示部材と該表示部材の可撓性薄膜駆動部材と薄層支持基板とを積層して成り、
延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有し、
曲げた状態から復元し開けば可撓性ディスプレイの全面を使うシームレスな大画面表示携帯用機器になること、
曲げ畳めかつ復元して水平にする補助機構を具備する、携帯用機器の表示装置。」
である点で一致し、下記各点で相違する。

(a)本願補正発明の「可撓性ディスプレイ」は、「その一部が携帯用機器筐体と一体となって筐体の上面を構成し」、(延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有し、)「もって筐体上面だけに表示面を有する小型携帯用機器になる」と特定されるのに対して、引用発明の「可撓性ディスプレイ」は、「プレート支持部材120は、電子機器に着脱可能に結合することができ」、「前記電子機器の一側に装着され」ると特定されるにとどまる点(以下「相違点1」という。)。

(b)本願補正発明の「可撓性ディスプレイ」は、「加えて該所定の曲げ箇所では可撓性ディスプレイの性能が損なわれない最小曲げ半径以下には曲げ折られないようにする過剰曲がり防止部材」を備えるのに対して、引用発明の「可撓性ディスプレイ」は、「ヒンジ部101には一対のプレートユニット100a、100bの間の回動角を定義する所定のストッパが備えられ」ると特定されるにとどまる点(以下「相違点2」という。)。

(c)本願補正発明の「可撓性ディスプレイ」は、「他の延伸部分は大画面での使用時の水平維持と折り畳んだ時の筐体との合わさった厚さを大きくしないためプラスチック薄板や金属薄板などの薄層でかつ剛性を有する薄板で裏打ちされている構成である」のに対して、引用発明の「可撓性ディスプレイ」は、このように特定されない点(以下「相違点3」という。)。

(イ)判断
a 上記相違点1について検討する。
引用発明の「可撓性ディスプレイ」は、「電子機器に着脱可能に結合することができ」、「電子機器の一側に装着され」るものであるところ、「その一部が携帯用機器筐体と一体となって筐体の上面を構成」するとまでは特定されず、また、「延伸部分の所定の折り曲げ箇所では表示面の裏側に180度曲げることができる可撓性を有」するが、携帯用機器筐体の裏側に180度曲げるとまでは特定されないものである。
そして、180度曲げた状態において、「もって筐体上面だけに表示面を有する小型携帯用機器になる」構成を備えるものではなく、また、このような状態となる構成とすることを示唆する記載もない。
また、相違点1に係る構成は引用文献2ないし4に記載及び示唆はない。
したがって、引用発明、引用文献2ないし4に記載の事項から、相違点1に係る本願発明の構成が容易に想到し得たということはできない。

エ 小括
したがって、相違点2及び3を検討するまでもなく、本願補正発明は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし4に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)また、他に本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができることができないとする理由はない。
よって、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項(独立特許要件)に適合する。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし同第6項の規定に適合するから、却下することはできない。

第3 本願の請求項1に係る発明について
1 本願の請求項1に係る発明
上記のとおり、平成28年3月23日付けの補正の却下の決定は取り消されたので、本願の請求項1に係る発明は本願補正発明である。

2 原査定についての判断
原査定の概要(理由1及び理由2)は、上記「第2」[理由]「2」「(1)」「ア」のとおりである。
(1)原査定の理由1について
上記「第2」[理由]「2」「(1)」「ウ」「(ア)」で検討したとおり、本願補正発明は明確となったため、この拒絶の理由は解消した。

(2)原査定の理由2について
上記「第2」[理由]「2」「(2)」で検討したとおり、本願補正発明は、当業者が引用発明及び引用文献2ないし4に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたとはいえないから、原査定の理由2によっては拒絶することができない。

3 むすび
上記2で検討したとおりであって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-06-20 
出願番号 特願2014-551083(P2014-551083)
審決分類 P 1 8・ 575- WYA (G09F)
P 1 8・ 121- WYA (G09F)
P 1 8・ 537- WYA (G09F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小野 博之  
特許庁審判長 森林 克郎
特許庁審判官 伊藤 昌哉
松川 直樹
発明の名称 表示装置  
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