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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A61B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61B
審判 全部申し立て 特29条の2  A61B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A61B
審判 全部申し立て 1項1号公知  A61B
管理番号 1331162
異議申立番号 異議2015-700042  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-09-30 
確定日 2017-06-16 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5692390号発明「生体センサ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5692390号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔4?8〕、請求項9及び請求項10について訂正することを認める。 特許第5692390号の請求項1?6に係る特許を維持する。 特許第5692390号の請求項7?10に係る特許についての申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5692390号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?10に係る特許についての出願は、平成24年8月9日(優先権主張 平成23年8月19日)に特許出願され、平成27年2月13日にその特許権の設定登録がされ、その後、その請求項1?10に係る特許に対し、特許異議申立人より特許異議の申立てがなされたものである。
その後の経緯は以下のとおりである。
平成28年 1月 5日付け 取消理由通知書<1回目>(当審)
平成28年 3月 7日 意見書・訂正請求書(特許権者)
平成28年 4月14日差出 意見書(特許異議申立人)
平成28年 5月31日付け 取消理由通知書<2回目>(当審)
平成28年 8月 5日 意見書・訂正請求書(特許権者)
平成28年10月11日差出 意見書(特許異議申立人)
平成28年11月10日付け 取消理由通知書<決定の予告>(予告1回目)
平成29年 1月12日 意見書・訂正請求書(特許権者)
平成29年 2月 9日付け 取消理由通知書<決定の予告>(予告2回目)
平成29年 4月 7日 意見書・訂正請求書(特許権者)
平成29年 5月24日 意見書(特許異議申立人)

なお、特許異議申立人から提出された甲各号証を、以下、甲1などと省略して表記する。
また、以下、平成29年4月7日付け訂正請求書による訂正請求を「本件訂正請求」と、同年2月9日付け取消理由<決定の予告>(予告2回目)を「予告2回目の取消理由」といい、その取消理由通知を「予告2回目の取消理由通知」という。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりであり、訂正前の請求項の引用関係からみて、(i)第1訂正単位(請求項4?請求項8)、(ii)第2訂正単位(請求項9)、(iii)第3訂正単位(請求項10)の3つの訂正単位がある。
なお、下線は訂正箇所を示し、(A)などの見出しは当審で附記したものである。
(1) 第1訂正単位(請求項4?請求項8)についての訂正
ア 訂正事項1
訂正前の請求項4に
「【請求項4】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
(I-3) 前記カバーの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。」
とあったのを、
「【請求項4】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、
(I-3) 前記カバーの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。」
と訂正する。

イ 訂正事項2
請求項4の訂正に伴い、請求項4を引用する請求項5も訂正された。

ウ 訂正事項3
訂正前の請求項6に
「【請求項6】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
(I) 前記カバーの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。」
とあったのを、
「【請求項6】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、
(I) 前記カバーの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。」
と訂正する。

エ 訂正事項4
請求項7及び請求項8を削除する。

(2) 第2訂正単位(請求項9)についての訂正
ア 訂正事項5
請求項9を削除する。

(3) 第3訂正単位(請求項10)についての訂正
ア 訂正事項6
請求項10を削除する。

2 訂正事項についての判断
(1) 第1訂正単位についての訂正の判断
ア 訂正事項1(請求項4)について
(ア) 新規事項の有無
本件特許明細書等には、
「【0020】
本発明に係る生体センサによれば、カバーの表面に指などの生体を接触させた場合、発光素子から出射された光が、発光素子封止部及びカバーを介して生体に入射される。」
と記載されており、
訂正事項1の「(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられて」いることは、本件特許明細書等の記載事項に基づくものであるといえる。
よって、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

(イ) 訂正の目的の適否
訂正事項1は、訂正前の「カバー」に関する限定事項であるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。

(ウ) 請求項4についての特許請求の範囲の拡張・変更の存否
請求項4に係る訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

イ 訂正事項2(請求項5)について
訂正事項2は、請求項4に係る訂正事項1の訂正に伴い、請求項4を引用する請求項5が訂正されたものであって、新規事項を含むものではなく、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を含む訂正事項1の訂正に伴うものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

ウ 訂正事項3(請求項6)について
訂正事項3と訂正事項1は、共に特定事項(M)を加える訂正であるところ、上記「ア 訂正事項1(請求項4)について」に記したのと同様の理由で、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であって、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであるし、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。
また、請求項6に係る訂正事項3の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

エ 訂正事項4(請求項7及び請求項8)について
訂正事項4は、それぞれ、請求項7及び請求項8を削除する訂正なので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

オ 一群の請求項についての判断
訂正前の請求項4は、請求項5、請求項7及び請求項8において直接または間接的に引用され、また、訂正前の請求項6は、請求項8において引用されているから、請求項4?8は一群の請求項を構成するものである。

カ 小括
以上のとおりであるから、訂正事項1?訂正事項4による訂正は、一群の請求項ごとに請求されたものであって、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔4?8〕について訂正を認める。

(2) 第2訂正単位(請求項9)及び第3訂正単位(請求項10)についての訂正
訂正事項5及び訂正事項6は、それぞれ訂正前に他の請求項と引用関係にない請求項9及び請求項10を削除する訂正なので、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえ、加えて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
よって、訂正後の請求項9及び請求項10についての訂正を認める。

3 訂正請求についてのまとめ
以上のとおり、特許第5692390号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔4?8〕、請求項9及び請求項10について、訂正することを認める。

第3 本件訂正後の発明
上記「第2」に記したように、訂正は認められることとなったので、訂正後の本件特許の請求項1?請求項10に係る発明は、当審で、(A)等の括弧付きアルファベット付して分説すると、次の事項により特定される発明であると認める。
なお、訂正の対象となっていない本件請求項1?3を、それぞれ「本件発明1」などといい、訂正の対象となった請求項4?10に係る発明を、それぞれ「本件訂正発明4」などとという。

【請求項1】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F-1) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有する基材と、
(G) 前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部との間に設けられ、前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部とを接着する透光性を有する接着層と、
(H) 前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子及び前記受光素子と重ならないように前記基材の主面に取り付けられ、生体の電位を測定する平面電極と、を備え、
(I-1) 前記接着層及び前記基材それぞれの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。

【請求項2】
前記接着層及び前記基材それぞれの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の生体センサ。

【請求項3】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F-1) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有する基材と、
(G) 前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部との間に設けられ、前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部とを接着する透光性を有する接着層と、
(H) 前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子及び前記受光素子と重ならないように前記基材の主面に取り付けられ、生体の電位を測定する平面電極と、を備え、
(I-2) 前記接着層及び前記基材それぞれの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。

【請求項4】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、
(I-3) 前記カバーの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする

【請求項5】
(I-4) 前記カバーの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
請求項4に記載の生体センサ。

【請求項6】
(A) 配線基板と、
(B) 前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
(C) 前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
(D) 前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
(E) 前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
(F) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、
(I) 前記カバーの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする
(J) 生体センサ。

【請求項7】削除
【請求項8】削除
【請求項9】削除
【請求項10】削除

第4 申立理由について
特許異議申立人は、
甲1:国際公開第2009/139028号
甲2:特開2006-158974号公報
甲3:特開2011-49473号公報
甲4:特開2013-378号公報
甲5:特開2011-70383号公報
を提出し、次の申立理由を主張する。

(申立理由1)
特許異議申立人は、
「1 特許法第29条第1項
・請求項4乃至8
甲第3号証に記載の発明から公知。」(11頁「理由の要点」1?3行)
及び
「ア. 特許法第29条第1項について(同法第113条第2号)
本件特許発明4ないし8は、甲第3号証に記載されている。
したがって、上記各発明に係る特許はいずれも同法第113条第2号により取り消されるべきものである。」(28頁2?6行)
と主張する。
甲3は、刊行物であることからすると、次のように解することができる。

本件発明4?本件発明8は、甲3に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、甲3に記載されて公然知られた発明であるから特許法第29条第1項第1号に該当し、本件請求項4?8についての特許は取り消されるべきものである。

(申立理由2)
本件発明1?本件発明3は、甲1記載の発明、甲2記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、本件発明1?本件発明3についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、本件請求項1?3についての特許は取り消されるべきものである。(特許異議申立書11頁[理由の要点]4?7行、28頁7?10行)

(申立理由3)
本件発明4?本件発明10は、甲1記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、本件請求項4?10についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、取り消されるべきものである。(特許異議申立書11頁「理由の要点」8?9行、28頁11?15行)

(申立理由4)
本件発明4?本件発明8は、甲3記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、本件請求項4?8についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであって、取り消されるべきものである。(特許異議申立書11頁「理由の要点」10?11行)

(申立理由5)
本件発明4?本件発明10は、本件特許に係る出願(優先日)前の特願2011-134864号の特許出願(以下、「先願」という。)であって、本件特許に係る出願の後に出願公開(甲4:特開2013-378号公報)がされた先願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という。)に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許に係る発明の発明者が先願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許に係る出願の時において、本件特許に係る出願の出願人が先願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものであるから、本件請求項4?請求項10に係る特許は、取り消されるべきものである。(特許異議申立書11頁[理由の要点]12?14行、28頁16?20行)

第5 平成29年2月9日付け予告2回目の取消理由の概要
本件特許の平成29年1月12日付け訂正請求(取下)により訂正された請求項4、請求項5及び請求項6は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

1 請求項4について
請求項4には「(K’) 前記遮光部は、前記受光素子の受光部と前記受光素子封止部の開口部の周縁部とを結ぶすべての仮想線が前記カバーの前記受光素子側の端部の側面と交わらないように、前記受光素子封止部の周囲を覆うように形成されている」と規定されているが、「前記受光素子封止部の開口部の周縁部」を通る仮想線を引く技術的意味が不明であり、結果的に発明が明確でないものとなっている。
また、同様の理由で、訂正後の請求項5及び請求項6の特許請求の範囲の記載が明確でなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第6 予告2回目の取消理由についての判断
本件訂正請求で訂正がなされた請求項4?請求項6には、「(K’) 前記遮光部は、前記受光素子の受光部と前記受光素子封止部の開口部の周縁部とを結ぶすべての仮想線が前記カバーの前記受光素子側の端部の側面と交わらないように、前記受光素子封止部の周囲を覆うように形成されている」という特定事項は存在せず、不明確な特定事項はなくなった。
よって、訂正後の請求項4?請求項6は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものである。

第7 予告2回目の取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 刊行物等記載の事項
(1) 甲1記載の事項
なお、下線は当審にて付記したものである。以下、同様である。
(甲1ア)「請求の範囲
[1] 基板と、
該基板上に配置され、光を被検体に照射する照射部と、
前記基板上に配置され、前記照射された光に起因する前記被検体からの光を検出する受光部と、
前記照射部及び前記被検体間と前記被検体及び前記受光部間との少なくとも一方に配置され、前記照射部から出射される光及び前記被検体からの光の少なくとも一方の光を散乱させる光散乱部と
を備えることを特徴とする自発光型センサ装置。
・・・
[5] 前記基板に対して前記被検体が配置される前面側に、前記基板に対向するように配置された前面板を更に備え、
前記光散乱部は、前記少なくとも一方の光を透過可能な接着剤によって前記前面板に接着されている
ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の自発光型センサ装置。
[6] 前記基板上における前記照射部及び前記受光部間に設けられており、前記照射部及び前記受光部間を遮光する遮光部を更に備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の自発光型センサ装置。
[7] 前記照射部及び前記受光部は、前記基板上に集積されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の自発光型センサ装置。」

(甲1イ)「<第1実施形態> 第1実施形態に係る血流センサ装置について説明する。
[0033] 先ず、本実施形態に係る血流センサ装置のセンサ部の構成について、図1から図4を参照して説明する。
[0034] 図1は、第1実施形態に係る血流センサ装置のセンサ部の構成を示す平面図である。図2は、図1のA-A’断面図である。尚、図1においては、説明の便宜上、図2に示す前面板190、保護板195及び散乱体200の図示を省略してある。
・・・

[0036] センサ部基板110は、シリコン基板等の半導体基板からなる。センサ部基板110上には、レーザダイオード120と、レーザダイオードドライブ回路150と、フォトダイオード160と、フォトダイオードアンプ170とが集積して配置されている。」

(甲1ウ)「[0039] フォトダイオード160は、本発明に係る「受光部」の一例であり、被検体から反射又は散乱された光(より詳細には、後述する散乱体200においても散乱された光)を検出する光検出器として機能する。具体的には、フォトダイオード160は、光を電気信号に変換することにより光の強度に関する情報を得ることができる。フォトダイオード160は、センサ部基板110上にレーザダイオード120と並んで配置されている。」

(甲1エ)「[0041] 遮光壁180は、センサ部基板110上に遮光性材料を含んで壁状に形成されており、センサ部基板110上における周縁に沿って形成された第1遮光部181と、センサ部基板110上におけるレーザダイオード120及びフォトダイオード160間に形成された第2遮光部182とを有している。第1遮光部181は、センサ部基板110上で平面的に見て、レーザダイオード120、電極130、ワイヤ配線140、レーザダイオードドライブ回路150、フォトダイオード160及びフォトダイオードアンプ170の全体を取り囲むように形成されている。第1遮光部181によって、センサ部100の周囲からの光がセンサ部100の内部(つまり、センサ部基板110上における第1遮光部181よりも内側)に光が入射することを防止できる。第2遮光部182は、センサ部基板110上におけるレーザダイオード120及びフォトダイオード160間において、第1遮光部181のうちセンサ部基板110の一辺に沿って形成された部分と、第1遮光部181のうち該一辺に対向する他辺に沿って形成された部分とを繋ぐように形成されている。第2遮光部182によって、レーザダイオード120及びフォトダイオード160間を遮光することができる。よって、例えば、レーザダイオード120から出射される光のうち、被検体に照射されることなく、そのままフォトダイオード160へ向かう光を遮ることができる。言い換えれば、センサ部基板110上におけるレーザダイオード120側からフォトダイオード160側へ、フォトダイオード160が検出しなくてもよい光がフォトダイオード160に入射してしまうのを防止し、検出の精度を高めることができる。」

(甲1オ)「[0042] 前面板190は、遮光性材料を含んでなる基板であり、レーザダイオード120、フォトダイオード170等の上部に(言い換えれば、遮光壁180を介してセンサ部基板110に対向するように)配置されている。尚、前面板190の板厚は、例えば300um程度である。

(甲1カ)「[0044]
図2及び図3に示すように、前面板190には、レーザダイオード120からの光を外部に出射させるための出射口191が開口されていると共に、被検体から反射又は散乱された光を入射させるための入射口192がピンホール状に形成されている。入射口192がピンホール状に形成されているので、フォトダイオード170には、真上からの(即ち、図2における上方向から下方向への)光のみが入射する。よって、検出しなくてもよい光がフォトダイオード170に入射してしまうのを防止し、検出の精度を高めることができる。尚、ピンポール状(当審注:上記では「ピンホール状」と記載されているから「ピンホール状」の誤記と解される。)に形成された入射口192の直径は、例えば40um(当審注:「u」という単位は存在しないから、「μ」を意図していると解される。)程度である。」

(甲1キ)「[0045] 図2において、前面板190の上面側には、保護板195が設けられている。保護板195は、透明基板からなり、レーザダイオード120からの光及び被検体からの光を透過させることができる。保護板195は、前面板190の全面に重なるように設けられている。保護板195としては、例えば樹脂基板、ガラス基板等を用いることができる。保護板195によって、センサ部100の耐久性を高めることができる。」

(甲1ク)「[0046] 散乱体200は、本発明に係る「光散乱部」の一例であり、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなる。散乱体200は、レーザダイオード120からの光及び被検体からの光を透過可能な接着剤によって保護板195に接着されている。よって、測定時において、被検体が散乱体200に接触することにより、散乱体200のセンサ部100における位置がずれてしまうことを防止できる。」

(甲1ケ)「[0001]
本発明は、例えば血流速度等を測定することが可能な自発光型センサ装置の技術分野に関する。」

(甲1コ) [図2]


(甲1サ) [図1]


(甲1シ)「[0094] 図16に示されるように、本実施形態に係る血流センサ装置によれば、指先を散乱体200に軽く押し当てた場合と指先を散乱体200に強めに押し当てた場合とで光ビート信号の信号強度は殆ど変化しない(つまり殆ど同じである)。」

(甲1ス)「<第3変形例>
第3変形例に係る血流センサ装置について、図11を参照して説明する。
[0072] 図11は、第3変形例における図2と同趣旨の断面図である。尚、図11において、図1から図8に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。

[0073] 図11において、第3変形例に係る血流センサ装置は、上述した第1実施形態における保護板195及び散乱体200に夫々代えて保護板196及び散乱体203を備えると共に構造体420を備える点で、上述した第1実施形態に係る血流センサ装置と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る血流センサ装置と概ね同様に構成されている。

[0074] 図11に示すように、第3変形例に係る血流センサ装置のセンサ部100では、センサ部本体100b(即ち、センサ部100のうち散乱体203及び保護板196を除く部分、つまり、センサ部基板110、レーザダイオード120(及びレーザダイオードドライブ150)、フォトダイオード160(及びフォトダイオードアンプ170)、遮光壁180及び前面板190)は、構造体420内に、前面板190が構造体420の上面側から露出するように、嵌めこまれ或いは埋め込まれており、保護板196が構造体420及び前面板190の上面の全体に重なるように設けられると共に、保護板196の上面に重なるように散乱体203が設けられている。構造体420は、例えば樹脂、ガラス、金属等から形成することができる。散乱体203は、第1実施形態における散乱体200と同様に、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなる。
[0075] このように構成された第3変形例に係る血流センサ装置によれば、センサ部本体100bを散乱体203、保護板196及び構造体420によって保護することができる。更に、構造体420を、その上面側から保護板196及び散乱体203によって保護することもできる。<第4変形例> 第4変形例に係る血流センサ装置について、図12を参照して説明する。」

(甲1セ)[図11]


(甲1ソ)「[0018] 本発明の自発光型センサ装置の他の態様では、前記基板に対して前記被検体が配置される前面側に、前記基板に対向するように配置された前面板を更に備え、前記光散乱部は、前記少なくとも一方の光を透過可能な接着剤によって前記前面板に接着されている。
[0019] この態様によれば、前面板は、例えば、照射部から出射される光を通過させるための出射口及び被検体からの光を通過させるための入射口が形成された遮光性の板状部材からなる。光散乱部は、例えば、前面板における被検体側の面を覆うように配置されて、接着剤によって前面板に接着される。よって、例えば、検出時において、被検体が光散乱部に接触することにより、光散乱部の当該自発光センサ装置における位置がずれてしまうことを防止できる。ここで、接着剤は、照射部から出射される光及び被検体からの光の少なくとも一方の光を透過可能であるので、受光部によって検出される光に殆ど或いは実践上は全く悪影響を及ぼさない。尚、ここで、「光散乱部は、接着剤によって前面板に接着されている」とは、光散乱部が接着剤によって前面板そのものに接着されている場合の他、光散乱部が接着剤によって前面板の上面に設けられた保護板に接着される場合も含む趣旨である。」

(甲1タ)「発明が解決しようとする課題
[0005]・・・
[0006]本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば当該自発光型センサ装置と被検体との相対的な位置関係のずれによる検出値の変動が低減され、被検体における例えば血流速度等の所定種類の情報を安定して検出可能な自発光型センサ装置を提供することを課題とする。」

(甲1チ)「課題を解決するための手段
[0007]・・・
[0009]本発明では特に、光散乱部が、照射部及び被検体間と被検体及び受光部間との少なくとも一方に配置されている。光散乱部は、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなり、照射部から出射される光及び被検体からの光の少なくとも一方の光を散乱させる。例えば、光散乱部が照射部及び被検体間と被検体及び受光部間との両方に配置された場合には、照射部から出射された光は、光散乱部によって散乱した後に、被検体に照射され、且つ、被検体に照射された光に起因する被検体からの光は、光散乱部によって散乱した後に、受光部によって検出される。
[0010] 本願発明者らの研究によれば、このような光散乱部が、照射部及び被検体間と被検体及び受光部間との少なくとも一方に配置されることで、例えば光散乱部が照射部及び被検体間と被検体及び受光部間とのいずれにも配置されない場合と比較して、例えば、受光部と被検体との相対的な位置関係のずれに起因する、受光部によって検出される光の検出値の変動を低減できる。従って、受光部により検出された光に基づいて、被検体における例えば血流速度等の所定種類の情報を安定して検出することが可能となる。この結果、当該自発光型センサ装置によって検出される検出値の信頼性を高めることができる。」

[甲1記載の発明]
ア 甲1の記載から理解される事項
甲1の記載から、次の(事項1)?(事項5)が理解される。
(事項1) <第3変形例>と<第1実施形態>との関係
甲1の請求の範囲(甲1ア)の実施例である<第3変形例>(甲1ス)を中心に発明を整理する。
甲1記載の<第3変形例>は、「図11において、第3変形例に係る血流センサ装置は、上述した第1実施形態における保護板195及び散乱体200に夫々代えて保護板196及び散乱体203を備えると共に構造体420を備える点で、上述した第1実施形態に係る血流センサ装置と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る血流センサ装置と概ね同様に構成されている。」(甲1ス)との記載に照らし、
(i)「第1実施形態における保護板195及び散乱体200に夫々代えて保護板196及び散乱体203を備える」こと、
(ii)「構造体420を備える」こと、
以外は、<第1実施形態>について記載された(甲1イ)?(甲1サ)と同様に構成されていることが理解される。

(事項2) <第1実施形態>における第2遮光部182と前面板190との関係
甲1の「第2遮光部182」(甲1エ)と「前面板190」(甲1オ)とは、[図2](甲1コ)に照らし、第2遮光部182の上に前面板190が配置されていると解される。

(事項3) 「フォトダイオード170」について
(甲1オ)及び(甲1カ)で、「フォトダイオード170」と記載されているが、甲1の他の記載では「フォトダイオード160」と記載され、「フォトダイオードアンプ170」と記載されていることから、(甲1オ)及び(甲1カ)における「フォトダイオード170」は「フォトダイオード160」の誤記と認められる。

(事項4) <第3変形例>の「センサ部本体100b」について
「センサ部本体100b(即ち、センサ部100のうち散乱体203及び保護板196を除く部分、つまり、センサ部基板110、レーザダイオード120(及びレーザダイオードドライブ150)、フォトダイオード160(及びフォトダイオードアンプ170)、遮光壁180及び前面板190)」((甲1サ)の[0074])であるとされていることから、
センサ部本体100bとは、センサ部100のうち散乱体203及び保護板196を除く部分であって、「センサ部基板110、レーザダイオード120及びレーザダイオードドライブ150、フォトダイオード160及びフォトダイオードアンプ170、遮光壁180並びに前面板190からなる」ものであることが理解される。

(事項5) <第3変形例>の構造体について
甲1の図11(甲1セ)は、概念図であり、実際の縮尺を表すものではないが、図11(甲1セ)に記載の「保護板196」は、明らかに「センサ部本体100bより大きく、遮光壁180を大きく超えて、構造体420の全面を覆っている」ことが当業者であれば認識できるところである。

(事項6) 遮光部とレーザダイオード及びフォトダイオードの位置関係について
図1(甲1サ)及び図11(甲1セ)から明らかなように、「第1遮光部181及び第2遮光部182に対して、レーザダイオード120は空間をおいて離間して配置されており、また、フォトダイオード160も空間をおいて離間して配置されている」ことが理解される。

イ 小括
上記アの(事項1)?(事項6)を踏まえて、<第3変形例>(甲1ス)を整理すると、甲1には次の発明(以下、「甲1第3変形例発明」という。)が記載されていると認められる。なお、発明認定の根拠となった摘記事項及び上記認定事項を付記した。
「(a) レーザダイオード120と、レーザダイオードドライブ回路150と、フォトダイオード160と、フォトダイオードアンプ170とが集積して配置されているセンサ部100のセンサ部基板110(甲1イ)を有し、
(b) フォトダイオード160とレーザダイオード120は、センサ部基板110上に並んで配置されており(甲1ウ)、
(c1) センサ部基板110上に遮光性材料を含んで壁状に形成されており、センサ部基板110上における周縁に沿って形成された第1遮光部181と、センサ部基板110上におけるレーザダイオード120及びフォトダイオード160間に形成された第2遮光部182とを有し(甲1エ)、
(c2) 第2遮光部182は、センサ部基板110上におけるレーザダイオード120及びフォトダイオード160間において、第1遮光部181のうちセンサ部基板110の一辺に沿って形成された部分と、第1遮光部181のうち該一辺に対向する他辺に沿って形成された部分とを繋ぐように形成されており(甲1エ)、
(c3) 第1遮光部181及び第2遮光部182に対して、レーザダイオード120は空間をおいて離間して配置されており、また、フォトダイオード160も空間をおいて離間して配置されており(事項6)、
(d) 第1遮光部181及び第2遮光部182とからなる遮光壁180(甲1エ)を介してセンサ部基板110に対向するように、レーザダイオード120、フォトダイオード160等の上部に設けられた、遮光性材料を含む前面板190を備え(甲1オ)、
(e) さらに、第2遮光部182の上に前面板190が配置され(甲1キ)、
(f) 前面板190には、レーザダイオード120からの光を外部に出射させるための出射口191が開口されていると共に、被検体から反射又は散乱された光を入射させるための入射口192がピンホール状に形成され(甲1カ)、
(g) 前面板190の上面側に前面板190の全面に重なるように、透明基板からなる保護板196を設け(甲1キ)、
(h) センサ部本体100bは、センサ部基板110、レーザダイオード120及びレーザダイオードドライブ150、フォトダイオード160及びフォトダイオードアンプ170、遮光壁180並びに前面板190からなり(事項4)、
(i)構造体420内に、前面板190が構造体420の上面側から露出するように、嵌めこまれ或いは埋め込まれており((甲1ス)[0074])、
(j) 保護板196は、センサ部本体100bより大きく、遮光壁180を大きく超えて、構造体420の全面を覆っており(事項5)、
(k) レーザダイオード120からの光及び被検体からの光を透過可能な接着剤によって保護板196に接着されている、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなる散乱体200を有する((甲1ク)及び保護板195を保護板196にした点は(事項1)(g))、
(l) 例えば血流速度等を測定することが可能な自発光型センサ装置(甲1ケ)。」

また、特許異議申立書14?15頁によれば、甲1の<第1実施形態>である図2から甲1に記載の発明を認定しており、この発明は、上記甲1第3変形例発明から、「(j) 保護板196は、センサ部本体100bより大きく、遮光壁180を大きく超えて、構造体420の全面を覆っており、(事項5)、」を除いた(a)?(i)、(k)及び(l)からなる発明が記載されていると認められる。
該発明を以下、「甲1第1実施形態発明」という。

(2) 甲2記載の事項
(甲2ア)「【0045】
図5は本発明の一体型生理学的信号評価装置のブロックダイアグラムである。前記装置は、検知インターフェースモデュール10と、アナログ信号処理モデュール20と、アナログからデジタルへの変換ユニット30と、デジタル信号処理モデュール40と、ディスプレイユニット50とを含む。検知インターフェースモデュール10は、2本の検知電極12、12’と、光学的プローブセット16とを含む。検知電極12、12’はECG信号を測定するために用いられ、検知電極12、12’のうちの少なくとも1本と組み合わされた光学的プローブセット16はPPG信号を測定するために用いられる。検知インターフェースモデュール10の詳細なデザインは以下に説明される。」

(甲2イ)「【0048】
図6Aに示すとおり、光学的反射法では、検知インターフェースモデュール10は、2本の検知電極12、12’と、該検知電極のうちの1本に配設された1本の光学的プローブセット16とを含む。検知電極12、12’のそれぞれは、被検者の体表と接触して、前記被検者の心筋がリズミカルに収縮するときECG信号を取得するために電流の変動を記録する、接触面14を有する。光学的プローブセット16は、少なくとも1個の発光器160と、少なくとも1個の受光器162とを含む。発光器160は、被検者の体表に光線を発するために用いられ、受光器162は、体表の組織からの反射光を受光して、PPG信号を作成するために用いられる。」

(甲2ウ)【図6A】


(甲2エ)【図6B】


(3)甲3記載の事項
(甲3ア)「【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などに代表される画面付きモバイル機器が広く利用されている。モバイル機器には、電池寿命を延長して利便性を高めることが求められている。例えば、通話中は携帯電話の画面を見ることがないため、液晶バックライトを消灯させ、液晶パネルの消費電力を低減させることによりバッテリを長時間持たせることが可能となる。
【0003】
更に、近年の携帯電話では、タッチパネル機能付き画面が採用され、入力ヒューマンインターフェースが向上されている。しかし、タッチパネル機能付きの携帯電話では、通話中にタッチパネル機能が人の肌を検出することがあり、タッチパネル機能が誤作動する問題が生じる恐れがある。
【0004】
このような背景から、被検出物としての人の肌(主に頬)を検出し、画面の点灯、消灯を自動調整するための近接センサを搭載することが求められている。例えば、光学式で小型の物体検出センサを、近接センサとして用いることが提案されている。」

(甲3イ)「【請求項1】
透光板と、
該透光板を介して被検出物に光を照射する発光素子と、
該被検出物において反射した該光を該透光板を介して受光する受光素子とを備えており、
該透光板と、該発光素子および該受光素子のうち少なくとも一つとの間に、回折格子が設けられていることを特徴とする光検出装置。」

(4) 甲4記載の事項等
(1) 甲4(先願明細書)記載の発明
(甲4ア)「【0026】
ところで、第1導光部材25の屈折率は、空気の屈性率よりも高い。このため、上側に向かう光のうち、界面である接触面25aに、空気に対する第1導光部材25の臨界角よりも小さい角度θaで到達した光は、図において符号Pで示されるように、第1導光部材25から角度θbで屈折して出射し、被験者の皮膚に侵入する。
一方、上側に向かう光のうち、接触面25aに上記臨界角以上の角度θcで到達した光は、図において符号Qで示されるように、接触面25aで反射した後、内部反射を繰り返す。このため、本実施形態では、被験者の皮膚に侵入しない光が、受光素子26に直接入射することが阻止される。」

(甲4イ)【図3】


(甲4ウ)【図6】


(甲4エ)「【0028】
ここで、本実施形態との比較のための比較例について図11を参照して説明する。
図11に示す比較例は、被験者との密着性を向上させるために、発光素子24および受光素子26に対して平板状の透明板29を設けた構成である。
比較例においても、被験者側(上側)に向かう光のうち、界面である接触面29aに臨界角よりも小さい角度θaで到達した光については、実施形態と同様に符号Pで示されるように、透明板29から角度θbで出射する。
一方、上側に向かう光のうち、接触面29aに上記臨界角以上の角度θcで到達した光は、図において符号Nで示されるように、接触面29aで反射した後に下面29cで反射する内部反射を繰り返して、漏れ光として受光素子26の受光層263に入射する。この漏れ光は、生体情報を反映した光ではないので、生体情報を反映した光Sに対してノイズNとして作用してしまう。
したがって、この比較例によれば、受光素子26から出力される信号のS/N比が低下してしまうため、生体情報を反映した光成分を精度良く検出することができない。」

(甲4オ)【図11】


(5) 甲5記載の事項
(甲5ア)「【0031】
この光ポインティング装置は、回路基板21と、光源の一例としてのLED16と、光源側樹脂モールド部20と、導光体の一例としてのカバー部材24と、撮像素子15と、第1樹脂部としての樹脂モールド部40と、第2樹脂部25とを備える。
【0032】
上記LED16は、被写体としての指先10を照射するようになっている。上記LED16は、カバー部材24の下部に配置され、光源側樹脂モールド部20で封止されている。上記カバー部材24は、接触面11を有する。上記接触面11は、カバー部材24のLED16側とは反対側に位置している。上記カバー部材24においてLED16の光の照射方向にLED16に重なる裏面部分13は、図1の断面において、LED16の出射光の光軸Mに対して傾いており、斜面を構成している。
・・・
【0036】
上記撮像素子15は、樹脂モールド部40で封止されている。・・・」

2 申立理由1について
申立理由1の概要は、請求項4?請求項6に対する、甲3に基づく特許法第29条第1項違反の主張である。
本件訂正発明4?本件訂正発明6の「生体センサ」とは、本件特許明細書の「【技術分野】【0001】本発明は、生体信号を取得する生体センサに関する。」との記載に照らし、生体信号を取得するセンサであると解される。
具体的には「光電脈波信号を取得する生体センサ」(本件特許明細書【0006】)が挙げられている。

他方、甲3に記載の「光検出装置」(甲3イ)は、「タッチパネル機能付きの携帯電話では、通話中にタッチパネル機能が人の肌を検出することがあり、タッチパネル機能が誤作動する問題が生じる恐れがある。」((甲3ア)【0003】)という課題を解決するためになされた発明であり、「被検出物としての人の肌(主に頬)を検出し、画面の点灯、消灯を自動調整するための近接センサ」((甲3ア)【0004】)として使用する装置である。
甲3には、生体信号の取得については何も記載されておらず、甲3記載の「光検出装置」は、本件訂正発明4?本件訂正発明6の「生体センサ」といえないことは明白である。

よって、本件訂正発明4?本件訂正発明6と甲3記載の発明との間には、少なくとも、次の(相違点A)がある。
(相違点A)
本件訂正発明4?本件訂正発明6が「生体センサ」であるのに対して、甲3記載の発明は「画面の点灯、消灯を自動調整するための近接センサとして用いることができる、被検出物としての人の肌(主に頬)の検知を行う機能を備えた光検出装置」であり、生体センサではない点で相違する。

そうすると、本件訂正発明4?本件訂正発明6は、甲3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号の規定に該当するものではないから、申立理由1により、本件訂正後の請求項4?請求項6に係る特許を取り消すことはできない。
また、公開特許公報である甲3が公開されることで、そこに記載の甲3発明が公然知られた発明となっているとしても、本件訂正発明4?本件訂正発明6は、上記したように甲3に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第1号の規定に該当するものではないから、本件訂正後の請求項4?請求項6に係る特許を取り消すことはできない。

3 申立理由2について
申立理由2の概要は、本件発明1?本件発明3は、甲1記載の発明、甲2記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、本件発明1?本件発明3についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたというものである。
申立人の提出した何れの甲号証にも、本件発明1?本件発明3の特定事項である「(F-1) 前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有する基材」について、「(H) 前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子及び前記受光素子と重ならないように前記基材の主面に取り付けられ、生体の電位を測定する平面電極と、を備え」ているものがなく、申立理由2により、本件請求項1?請求項3に係る特許を取り消すことはできない。

4 申立理由3について
(1) 申立理由3の概要は、請求項4?請求項10に対する、甲1記載の発明及び周知事項に基づく特許法第29条第2項違反の主張である。

(2) 本件訂正発明4に対して
甲1第3変形例発明と本件訂正発明4を対比すると、少なくとも、次の相違点がある。
(相違点)
カバーが、本件訂正発明4では、「(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられて」いるのに対して、甲1第3変形例発明では、「(k) レーザダイオード120からの光及び被検体からの光を透過可能な接着剤によって保護板196に接着されている、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなる散乱体200」を具備するものであって、「保護板196」(本件訂正発明4の「カバー」に相当)は、「散乱体200」で覆われており、被検体は「保護板196」に接することはできず、「散乱体200」に接触する点。

そこで、上記相違点についての検討するに、甲1第3変形例発明の発明が解決しようとする課題は、「例えば当該自発光型センサ装置と被検体との相対的な位置関係のずれによる検出値の変動が低減され、被検体における例えば血流速度等の所定種類の情報を安定して検出可能な自発光型センサ装置を提供することを課題」(甲1タ)を含むものである。
そして、その課題を解決するための手段として、「光散乱部が、照射部及び被検体間と被検体及び受光部間との少なくとも一方に配置される」(甲1チ)という手段が甲1に記載されているとともに、甲1第3変形例発明では、上記課題を解決するための手段に対応する特定事項として(k)「保護板196に接着されている、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなる散乱体200」が規定されている。
それにより、甲1第3変形例発明では、「例えば光散乱部が照射部及び被検体間と被検体及び受光部間とのいずれにも配置されない場合と比較して、例えば、受光部と被検体との相対的な位置関係のずれに起因する、受光部によって検出される光の検出値の変動を低減できる。」(甲1チ)という作用効果が奏されるものである。

そうすると、上記甲1第3変形例発明の発明が解決しようとする課題に鑑み、課題を解決するための手段として採用されている甲1第3変形例発明の(k)「保護板196に接着されている、例えば織布、不織布等の繊維状物質からなる散乱体200」を省く動機が無く、本件訂正発明4の「(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設け」るように構成することは、当業者といえども容易に発明できるものではない。

また、甲1第1実施形態発明も甲1第3変形例発明と同様に特定事項(k)を備えているから、上記と同様の理由で、本件訂正発明4の「(M) 前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設け」るように構成することは、当業者といえども容易に発明できたものではない。

(3) 本件訂正発明5に対して
本件訂正発明5は、請求項4を引用する本件訂正発明4の下位概念の発明である。
上記「(2) 本件訂正発明4に対して」で述べたように、本件訂正発明4は、当業者が容易に発明することができたものではないから、本件訂正発明4を更に限定した本件訂正発明5も取り消すことはできない。

(4) 本件訂正発明6に対して
本件訂正発明6と甲1第3変形例発明又は甲1第1実施形態発明を対比すると、少なくとも上記(相違点)がある。
したがって、上記「(2) 本件訂正発明4に対して」で述べたのと同様の理由で、本件訂正発明6を甲1第3変形例発明又は甲1第1実施形態発明、周知の技術的事項及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明することができたものということはできず、訂正後の請求項6に係る特許を取り消すことはできない。

(5) 請求項7?請求項10について
本件請求項7?請求項10は、本件訂正により削除された。

5 申立理由4について
申立理由4の概要は、請求項4?請求項6に対する、甲3記載の発明に基づく特許法第29条第2項違反の主張である
上記「2 申立理由1について」で述べたとおり、本件訂正発明4?本件訂正発明6と甲3発明との間には、次の(相違点A)がある。
(相違点A)
本件訂正発明4?本件訂正発明6が「生体センサ」であるのに対して、甲3発明は「画面の点灯、消灯を自動調整するための近接センサとして用いることができる、被検出物としての人の肌(主に頬)の検知を行う機能を備えた光検出装置」であり、生体センサではない点で相違する。

そこで検討するに、「画面の点灯、消灯を自動調整するための近接センサとして用いることができる、被検出物としての人の肌(主に頬)の検知を行う」甲3に記載された発明を、生体センサとする動機がなく、甲3に記載された発明において、相違点Aに記載の本件訂正発明4?本件訂正発明6のごとく構成することは、当業者にとって容易になし得たこととはいえない。
よって、申立理由4により、本件訂正後の請求項4?請求項6に係る特許を取り消すことはできない。

6 申立理由5について
(1) 申立理由5の概要は、本件発明4?本件発明10は、本件特許に係る出願(優先日)前の特願2011-134864号の特許出願(以下、「先願」という。甲4は、該特許出願の公開公報である)に記載された発明と同一であって特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものであるというものである。

(2) 甲4には、大きく2つの発明が記載されており、一つは図3(甲4イ)、図6(甲4ウ)及びそれらの図の説明である(甲1ア)に記載の実施例の発明、もう一つは比較例(甲4エ)である図11(甲4オ)に記載の発明である。

(3) 甲4の実施例記載の発明と本件訂正発明4?本件訂正発明6との対比
甲4の実施例には、図3(甲4イ)及び図6(甲4ウ)が示されている。実施例記載の発明は、本件訂正発明4?本件訂正発明6における(F)の「透光性を有するカバー」が記載されておらず、また、(E)の「前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部」が記載されていない。
よって、甲4の実施例記載の発明は、本件訂正発明4?本件訂正発明6と同一であるとはいえない。

(4) 甲4の比較例記載の発明と本件訂正発明4?本件訂正発明6との対比
甲4の比較例(甲4エ)は、図11(甲4オ)に図示されるものであって、本件訂正発明4?本件訂正発明6における(F)の「透光性を有するカバー」に相当する「平面状の透明板29」が記載されているが、(E)の「前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部」が甲4に記載されていない。
そして、該比較例記載の発明は、甲4の図6(甲4ウ)に記載の実施例記載の発明との比較のためのものであり、図6(甲4ウ)に符号Qで示されている迷光が「被験者の皮膚に侵入しない光が、受光素子26に直接入射することが阻止される」(甲4ア)ような態様との比較例となるものである。
特許異議申立人は、遮光部を設けることが周知技術であり、この相違は課題解決のための微差である旨を主張する(申立書23頁下から6行?24頁3行)が、仮に周知技術であるとしても、甲4の図11(甲4オ)の比較例(甲4エ)において、発光素子24と受光素子26の間に遮光部を設けると、上記図6(甲4ウ)に符号Qのような迷光も防がれてしまい、比較例にならなくなる。
よって、甲4記載の比較例記載の発明において、本件訂正発明4?本件訂正発明6における(E)のような遮光部を設けた発明が記載されていると当業者が認識できるものではない。
したがって、甲4の比較例記載の発明は、本件訂正発明4?本件訂正発明6と同一であるとはいえない。

(5) 本件請求項7?請求項10について
本件請求項7?請求項10は、本件訂正により削除された。

(6) 小括
よって、本件訂正発明4?本件訂正発明6を申立理由5によって取り消すことはできない。

第8 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は、平成29年5月24日付けの意見書において、特許権者は、本件訂正により、平成29年1月12日付けで行われた訂正請求に伴い生じた取消理由は解消された旨を主張しているが、訂正後の請求項4?6は、依然として特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない旨を主張している。
具体的には、配線基板の主面の法線方向から見た場合に、カバーの端部が受光素子封止部より僅かでも外側に位置すれば、訂正後の請求項4における「前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、前記カバーの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されている」との要件を満たすことになるが、そのようなものは、カバーの受光素子側の端部からの光が受光面に入射することとなり、技術的意味が不明であり、その結果依然として発明が明確でないというものである。
しかしながら、前記カバーの前記受光素子側の端部が、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されているものは、そのように配置されていないものと比較して、前記カバーの端部で反射された迷光が前記受光素子封止部に入射しにくくなると認められ、技術的意味が不明とはいえず、特許異議申立人の主張は採用できない。

第9 結語
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1?請求項3に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件請求項1?請求項3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

本件訂正後の請求項4?請求項6に係る特許は、取消理由、特許異議申立の理由及び証拠によっては、取り消すことができない。また、他に本件訂正後の請求項4?請求項6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

また、本件特許の請求項7?10に対してなされた特許異議の申立てについては、本件請求項7?10が訂正により削除され、申立ての対象となる請求項が存在しないものとなったから、却下する。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板と、
前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有する基材と、
前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部との間に設けられ、前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部とを接着する透光性を有する接着層と、
前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子及び前記受光素子と重ならないように前記基材の主面に取り付けられ、生体の電位を測定する平面電極と、を備え、
前記接着層及び前記基材それぞれの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする生体センサ。
【請求項2】
前記接着層及び前記基材それぞれの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の生体センサ。
【請求項3】
配線基板と、
前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有する基材と、
前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部との間に設けられ、前記基材と、前記遮光部、及び/又は、前記発光素子封止部、前記受光素子封止部とを接着する透光性を有する接着層と、
前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子及び前記受光素子と重ならないように前記基材の主面に取り付けられ、生体の電位を測定する平面電極と、を備え、
前記接着層及び前記基材それぞれの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする生体センサ。
【請求項4】
配線基板と、
前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、
前記カバーの前記受光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記受光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする生体センサ。
【請求項5】
前記カバーの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の生体センサ。
【請求項6】
配線基板と、
前記配線基板の主面に、所定の間隔を空けて配置される発光素子及び受光素子と、
前記配線基板の主面に形成され、前記発光素子を封止する透光性を有する発光素子封止部と、
前記配線基板の主面に形成され、前記受光素子を封止する透光性を有する受光素子封止部と、
前記発光素子封止部と前記受光素子封止部との間に設けられる遮光部と、
前記遮光部を介して前記配線基板と平行に設けられる透光性を有するカバーと、を備え、
前記カバーは、生体情報を検出する際に表面が生体と接触するように設けられており、
前記カバーの前記発光素子側の端部は、前記配線基板の主面の法線方向から見た場合に、前記発光素子封止部と重ならないように配置されていることを特徴とする生体センサ。
【請求項7】(削除)
【請求項8】(削除)
【請求項9】(削除)
【請求項10】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-06-08 
出願番号 特願2013-529862(P2013-529862)
審決分類 P 1 651・ 111- YAA (A61B)
P 1 651・ 537- YAA (A61B)
P 1 651・ 113- YAA (A61B)
P 1 651・ 121- YAA (A61B)
P 1 651・ 16- YAA (A61B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 湯本 照基  
特許庁審判長 三崎 仁
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
郡山 順
登録日 2015-02-13 
登録番号 特許第5692390号(P5692390)
権利者 株式会社村田製作所
発明の名称 生体センサ  
代理人 上田 和弘  
代理人 上田 和弘  
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