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審決分類 審判 全部申し立て 特許請求の範囲の実質的変更  G08B
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  G08B
審判 全部申し立て 2項進歩性  G08B
審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  G08B
審判 全部申し立て 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張  G08B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G08B
管理番号 1331204
異議申立番号 異議2016-700859  
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-13 
確定日 2017-07-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5891468号発明「位置情報通知システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5891468号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、〔3-6〕、7について訂正することを認める。 特許第5891468号の請求項1、2、3ないし6、7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5891468号の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成27年4月3日(優先権主張平成26年5月7日)に特許出願され、平成28年3月4日に当該特許権の設定登録がされた。その後、当該特許について、特許異議申立人大谷浩史(申立番号01、申立日;平成28年9月13日、以下、「異議申立人大谷」という。)、特許異議申立人河原田隆(申立番号02、申立日;平成28年9月23日、以下、「異議申立人河原田」という。)及び特許異議申立人後藤さなえ(申立番号03、申立日;平成28年9月23日、以下、「異議申立人後藤」という。)により特許異議の申立てがされた。
当審において、平成28年12月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年2月24日に意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して異議申立人大谷から平成29年4月20日付けで意見書(以下、「大谷意見書」という。)が提出され、異議申立人後藤から、平成28年4月24日付けで意見書(以下、「後藤意見書」という。)が提出がされたものである。

第2 訂正の適否についての判断
1.訂正の内容
平成29年2月24日の訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下の(1)ないし(6)のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記基地局端末は、通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、前記検出時手段は、前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別隋報を取得する識別情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有することを特徴とする」とあるのを、「前記基地局端末は、前記経路の近傍にいる者が所持するスマートフォン又はタブレット型の携帯端末であって、前記識別情報と照合する情報は格納されておらず、通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、前記検出時手段は、前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにすることを特徴とする」と訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記近距離無線通信機器は、ボタン電池のみを電源として少なくとも1年以上動作可能なBluetooth端末であることを特徴とする請求項1に記載の位置情報通知システム」とあるのを、「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、前記基地局端末は、通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、前記検出時手段は、前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、前記近距離無線通信機器は、ボタン電池のみを電源として少なくとも1年以上動作可能なBluetooth端末であることを特徴とする位置情報通知システム」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、前記保護者が、必要なときに前記保護者用端末を用いて前記管理サーバーにアクセスすることで、前記検出時データを、前記被保護者の移動履歴として閲覧可能とした移動履歴閲覧手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置牌報通知システム」とあるのを、「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、前記基地局端末は、通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、前記検出時手段は、前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、前記保護者が、必要なときに前記保護者用端末を用いて前記管理サーバーにアクセスすることで、前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段を、更に備えたことを特徴とする位置情報通知システム」と訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、前記被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の前記基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置情報通知システム」とあるのを、「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、前記基地局端末は、通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、前記検出時手段は、前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、前記被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の前記基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段を、更に備えたことを特徴とする位置情報通知システム」と訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「通知手段を、更に備えたことを特徴とする」とあるのを、「通知手段を、前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として、更に備えたことを特徴とする」と訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7に「前記基地局端末よりも高い精度で位置情報を特定可能なビーコン端末を更に備え、前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、前記管理サーバーは、ある基地局端末から送信されたデータが前記ビーコン端末の信号をも含んでいた場合は、該信号に基づいてより精度の高い位置情報に変換して記録することを特徴とする請求項1?6の何れかに記載の位置情報通知システム」とあるのを、「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、前記基地局端末は、通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、前記検出時手段は、前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、前記被保護者が子供であって、前記基地局端末よりも高い精度で位置牌報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、前記管理サーバーは、ある基地局端末から送信されたデータが前記ビーコン端末の信号をも含んでいた場合は、該信号に基づいてより精度の高い位置情報に変換して記録することを特徴とする位置情報通知システム」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア.当審の判断
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「サーチ手段」と「検出時手段」とを備える「基地局端末」に対して、「前記経路の近傍にいる者が所持するスマートフォン又はタブレット型の携帯端末であって、前記識別情報と照合する情報は格納されておらず、」及び「前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に インストールされるアプリによって実現され、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0024】には、「本発明においては、基地局端末として、例えばスマートフォン3bや、タブレット型の携帯端末を利用することもできる」との記載があり、また同段落【0032】には、「検出時手段は、サーチ手段(#11ないし#13)によって検出されて基地局端末3a,3bと通信状態にあるBLE端末2より識別情報(学生番号のデータ)を取得する識別情報取得手段(#14)と、GPS衛星からの信号により自局(基地局端末3a,3b)の位置情報を取得する位置情報取得手段(#15)と、識別情報取得手段(#14)及び位置情報取得手段(#15)により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを管理サーバー4に送信する送信手段(#16)を備えている。」との記載があり、【図2】から、#13、#14、#15のステップ後に送信手段である#16のステップが行われることが見て取れ、また【図1】から、基地局端末3bはスマホアプリを有することが見て取れる。
そうすると、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
したがって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ.特許異議申立人の主張について
訂正事項1に関し、異議申立人大谷は、大谷意見書の第2ページ第6行ないし第3ページ第7行において、「訂正後の請求項1には、『前記基地局端末は、・・・前記識別情報と照合する情報は格納されておらず、』という下線部の要件(以下『訂正要件A』という)が追加されている。しかしながら、特許権者が訂正の根拠(訂正請求書の第10頁第3?6行参照)とする本件特許明細書の段落0028?0034及び図2には、BLE端末2をサーチし(#12)、BLE端末2が検出できたかどうかを判断し(#13)、BLE端末2が検出された場合に検出時手段(#14ないし#16)を実行することが記載されているだけである。すなわち、本件特許明細書には、『サーチ手段(#12)で見付かった近距離無線通信機器(BLE端末)から取得した識別情報と照合するための情報を格納していない』ことは全く記載されておらず、また自明であるとも言えない。よって、上記訂正要件Aを追加する訂正は、明細書等に記載されていない新たな技術的事項を導入するものである。また、訂正後の請求項1には、『前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォオン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする』という要件(以下『訂正要件B』という)が追加されている。しかしながら、特許権者も訂正請求書で主張しているように(訂正請求書の第10頁第6?14行参照)、図1に『スマホアプリ』という記載が存在する以外には、本件特許明細書及び図面に『アプリ』に関する記載は一切存在しない。従って、当然ながら、『サーチ手段と検出時手段とが、スマートフォン又はタブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され』ること、及び、『スマートフォン又はタブレット型の携帯端末にアプリをインストールさせることにより、基地局端末が、目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする』ことは、本件特許明細書及び図面に全く記載されておらず、また自明であるとも言えない。よって、上記訂正要件Bを追加する訂正は、明細書等に記載されていない新たな技術的事項を導入するものである。」旨の主張をしている。
まず、訂正要件Aについての主張を検討するに、願書に添付した【図2】のフローチャートを参酌すると、基地局端末では、識別情報(学生番号のデータ)を他の情報と照合することが行われていないことから、基地局端末では、識別情報と照合する情報が格納されていないといえる。
次に、訂正要件Bについての主張を検討するに、願書に添付した【図1】を参酌すると、【図1】に記載された「スマホアプリ」とは、基地局端末3bであるスマートフォン又はタブレット型の携帯端末に、インストールされることによって格納されるものであるといえる。
したがって、訂正事項1における訂正要件A及び訂正要件Bに関する事項が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正でないとはいえないから、異議申立人大谷の主張を採用することはできない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1を引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改めるものであり、実質的な内容の変更を伴うものではない。
したがって、訂正事項2は、引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項3について
ア.当審の判断
訂正事項3は、訂正前の請求項3に係る発明に対して、「前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」とするとともに、訂正前の請求項3が訂正前の請求項1又は2を引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改めるものである。また、訂正前の請求項5及び請求項6は、請求項3を引用するものであって、訂正事項3によって、請求項3についての訂正と同様、「前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」とする訂正がされるものである。
訂正事項3のうち、「前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」とした点については、閲覧可能な移動履歴を「動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0041】には、「図4(a)は、上述の移動履歴閲覧手段(#17)によって実現される「位置情報追跡サービス」S1の概要図である。このサービスを利用すれば、保護者用端末5において、BLE端末2を持たせた被保護者Kの動きを時系列で、地図上に表示された移動履歴5aとして確認できるため、非常の場合でも迅速な対応が可能になる。」との記載があり、また同段落【0050】には、「保護者は、図5(a)のメニューリスト5eを使用し、あらかじめ、BLE端末名の設定や指定エリア通知サービスにおける特定の基地局端末の設定などを行う。また、位置情報追跡サービスを利用する保護者は、図5(b)の位置履歴リスト5fを表示させて、被保護者の移動履歴、すなわち、何時にどの住所を通過したのかを一覧形式で確認することができる。」との記載があるから、「前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」とする訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項3のうち、訂正前の請求項3が訂正前の請求項1又は2を引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改める点については、引用関係の解消を目的とするものである。
したがって、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮及び引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ.特許異議申立人の主張について
訂正事項3に関し、異議申立人大谷は、大谷意見書の第3ページ第19行ないし第4ページ第9行において「訂正後の請求項3には、『前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」という下線部の要件(以下『訂正要件C』という)が追加されている。ここで、訂正要件Cの「時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能」との記載は、『時系列の一覧形式』と『地図上に表示された移動履歴』との一方のみを択一的に閲覧できるのか、両方が同時に表示されて同時に閲覧できるのか、いずれとも特定できないものとなっている。そのため、訂正要件Cは、『検出時データ』を『時系列の一覧形式』と『地図上に表示された移動履歴』との両方を同時に閲覧可能とする構成を含むものとなっている。しかしながら、特許権者が訂正の根拠(訂正請求書の第13頁第12?18行参照)とする本件特許明細書の段落0041、0050、図4(a)、図5(b)には、位置情報追跡サービスを利用すれば『地図上に表示された移動履歴』を確認でき、図5(a)のメニューリストからは『時系列の一覧形式』の移動履歴を確認できることが記載されているだけであり、両者を同時に表示する構成は全く記載されておらず、また自明であるとも言えない。よって、上記訂正要件Cを追加する訂正は、明細書等に記載されていない新たな技術的事項を導入するものである。」旨の主張をしている。
訂正要件Cについての主張を検討するに、願書に添付した明細書の段落【0050】の「図5(b)の位置履歴リスト5fを表示させて、被保護者の移動履歴、すなわち、何時にどの住所を通過したのかを一覧形式で確認することができる。」との記載、及び【図5(b)】からスマートフォンに位置履歴リスト5fが表示されることが見て取れることから、移動履歴閲覧手段は、検出時データを、被保護者の動きとして時系列の一覧形式で閲覧可能とするものであり、また、同段落【0041】の「被保護者Kの動きを時系列で、地図上に表示された移動履歴5aとして確認できる」との記載、及び同段落【0050】の「図5(b)の位置履歴リスト5fを表示させて、被保護者の移動履歴、すなわち、何時にどの住所を通過したのかを一覧形式で確認することができる。」との記載、及び【図4(a)】からスマートフォン5に移動履歴5aが表示されることが見て取れることから、移動履歴閲覧手段は、検出時データを、被保護者の動きとして、地図上に表示された形式の移動履歴としても閲覧可能とするものであるから、訂正要件Cである「前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」とは、移動履歴閲覧手段が「時系列の一覧形式」と「地図上に表示された」形式という二つの形式で閲覧可能となることを表現したものである。
したがって、訂正事項3における訂正要件Cに関する事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、異議申立人大谷の主張を採用することはできない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、訂正前の請求項4に係る発明に対して、「前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段」とするとともに、訂正前の請求項4が訂正前の請求項1又は2を引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改めるものである。また、訂正前の請求項5及び請求項6は、請求項4を引用するものであって、訂正事項4によって、請求項4についての訂正と同様、「前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段」とする訂正がされるものである。
訂正事項4のうち、「前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段」とした点については、電子メールで送信するものとして「送信手段が実行されるときの時刻データ」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0032】には、「検出時手段は、サーチ手段(#11ないし#13)によって検出されて基地局端末3a,3bと通信状態にあるBLE端末2より識別情報(学生番号のデータ)を取得する識別情報取得手段(#14)と、GPS衛星からの信号により自局(基地局端末3a,3b)の位置情報を取得する位置情報取得手段(#15)と、識別情報取得手段(#14)及び位置情報取得手段(#15)により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを管理サーバー4に送信する送信手段(#16)を備えている。なお、上記検出時データには、送信手段(#16)が実行されるときの時刻のデータを付加しても良い。」との記載があるから、「前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段」とする訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項4のうち、訂正前の請求項4が訂正前の請求項1又は2を引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改める点については、引用関係の解消を目的とするものである。
したがって、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮及び引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、訂正前の請求項5に係る発明に対して、「前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として」とするものである。また、訂正前の請求項6は、請求項5を引用するものであって、訂正事項5によって、請求項5についての訂正と同様、「前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として」とする訂正がされるものである。
「前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として」とする訂正は、訂正前の請求項5における「前記被保護者が前記見守り役の近辺にいることを前記保護者が所持する前記保護者用端末に電子メールで通知する通知手段」に関し、この見守り役からの通知手段が、「前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として」備えられることを限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0058】には、「本発明は、上記の基本機能に加え、例えば、野球やサッカーの試合会場に向かう複数の子供に見守り役が同行する場合など、必要時には、図8(c)に示すように、被保護者と共に行動する見守り役が所持するスマートフォン3cを、基地局端末3として設定できる機能を設けても良い。」との記載があり、また同段落【0061】には、「よって、上記のようなオプション機能を使用する場合は、街中にある学校や塾とは異なり、開催場所が不定で、かつ、多くの場合郊外にあり、基地局端末の数が不足する可能性があるイベント会場や競技場に向かう子供を見守ることも可能になる。」との記載があるから、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
したがって、訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(6)訂正事項6
ア.当審の判断
訂正事項6は、訂正前の請求項7に係る発明に対して、「前記被保護者が子供であって、前記基地局端末よりも高い精度で位置牌報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し」とするとともに、訂正前の請求項7が訂正前の請求項1?6の何れかを引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改めるものである。
訂正事項6のうち、「前記被保護者が子供であって、前記基地局端末よりも高い精度で位置情報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し」とした点については、被保護者を「子供」と限定し、ビーコン端末の設置場所を「迷子が発生する可能性がある場所」と限定し、サーチ手段のビーコン端末の信号の検出のタイミングを「同時にあるいは所定の時間内」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0053】には、「そこで、迷子が発生しやすい例えばショッピングセンターなどには、基地局端末3bのみならず、例えば3?5m程度の高精度で位置情報を特定することが可能なビーコン端末6も設置しておく。基地局端末3bは、BLE端末2と同時に、あるいは例えば数秒程度の所定の時間内に、ビーコン端末6の信号を検出した場合は、基地局端末3bのGPS情報と共に、ビーコン端末6の信号を管理サーバー4に併せて送信する。」との記載があるから、「前記被保護者が子供であって、前記基地局端末よりも高い精度で位置情報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し」とする訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内においてするものと認められる。
そして、訂正事項6のうち、訂正前の請求項7が訂正前の請求項1?6の何れかを引用する形式であったものを、他の請求項を引用しない独立形式請求項に改める点については、引用関係の解消を目的とするものである。
したがって、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮及び引用関係の解消を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ.特許異議申立人の主張について
訂正事項6に関し、異議申立人大谷は、大谷意見書の第4ページ第14行ないし第5ページ第15行において「訂正後の請求項7には、『・・・ビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、』という下線部の要件(以下『訂正要件D』という)が追加されている。これに関し、特許権者が訂正の根拠(訂正請求書の第19頁第3?7行参照)とする本件特許明細書の段落0053には、『そこで、迷子が発生しやすい例えばショッピングセンターなどには、基地局端末3bのみならず、例えば3?5m程度の高精度で位置情報を特定することが可能なビーコン端末6も設置しておく。』という記載がある。ここで、『迷子が発生する可能性がある場所』と『迷子が発生しやすい場所』とは同一ではない。わずかでも迷子が発生する可能性があれば『迷子が発生する可能性がある場所』であるのに対して、『迷子が発生しやすい場所』は、迷子が発生する頻度が高い場所に限られると解釈される。すなわち、本件特許明細書には、『迷子が発生しやすい場所にビーコン端末6を設置する』ことが記載されているだけであり、『迷子が発生する可能性がある任意の場所にビーコン端末6を設置する』ことは記載されていない。よって、上記訂正要件Dを追加する訂正は、明細書等に記載されていない新たな技術的事項を導入するものである。また、訂正後の請求項7には、『前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、』という下線部の要件(以下『訂正要件E』という)が追加されている。これに関し、特許権者が訂正の根拠(訂正請求書の第19頁第8?11行参照)とする本件特許明細書の段落0053には、『基地局端末3bは、BLE端末2と同時に、あるいは例えば数秒程度の所定の時間内に、ビーコン端末6の信号を検出した場合は、基地局端末3bのGPS情報と共に、ビーコン端末6の信号を管理サーバー4に併せて送信する。』という記載がある。ここで、訂正要件Eにおける『所定の時間内』は、時間の長さが全く特定されていないことから、例えば数日や1か月などの時間も、概念的には含まれる。これに対して、本件特許明細書には、『例えば数秒程度の所定の時間内』というような短時間に限定した記載があるだけであり、時間の長さを特定しない『所定の時間内』にビーコン端末6の信号を検出した場合の処理については何ら記載されていない。よって、上記訂正要件Eを追加する訂正は、明細書等に記載されていない新たな技術的事項を導入するものである。」旨の主張をしている。
まず、訂正要件Dについての主張を検討するに、願書に添付した明細書の段落【0053】には、「迷子が発生しやすい例えばショッピングセンター」と記載されている。そうすると、「迷子が発生する可能性がある場所」として「ショッピングセンター」が例示されており、「迷子が発生する可能性がある場所」との記載によって、新たな技術的事項を導入するとはいえない。
次に、訂正要件Eについての主張を検討するに、願書に添付した明細書の段落【0053】には、「基地局端末3bは、BLE端末2と同時に、あるいは例えば数秒程度の所定の時間内に、ビーコン端末6の信号を検出した場合は、基地局端末3bのGPS情報と共に、ビーコン端末6の信号を管理サーバー4に併せて送信する。」と記載されている。時間を表すものとして、「同時」と「数秒程度の所定の時間」とが例示されていることから、「同時にあるいは所定の時間内」との記載によって、時間の長さが全く特定されないとはいえず、新たな技術的事項を導入するともいえない。
したがって、訂正事項6における訂正要件D及び訂正要件Eに関する事項が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正でないとはいえないから、異議申立人大谷の主張を採用することはできない。

(7)一群の請求項に対する請求
訂正前の請求項1の記載を請求項2ないし7は引用する関係にあるから、上記訂正事項1ないし6よりなる本件訂正請求は、一群の請求項(請求項1ないし7)に対して請求されたものである。

3.小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1ないし6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1、2、〔3-6〕、7について訂正を認める。
訂正後の請求項2に係る訂正事項2、訂正後の請求項3、5、6に係る訂正事項3、訂正後の請求項4、5、6に係る訂正事項4、訂正後の請求項7に関する訂正事項6は、引用関係の解消を目的とする訂正であって、その訂正は認められるものである。そして、特許権者から、訂正後の請求項2、3ないし6、7について訂正が認められるときは請求項1とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、訂正後の請求項1、2、〔3-6〕、7については別の訂正単位として訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1.本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」ないし「本件発明7」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
前記経路の近傍にいる者が所持するスマートフォン又はタブレット型の携帯端末であって、前記識別情報と照合する情報は格納されておらず、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、
前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにすることを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項2】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記近距離無線通信機器は、ボタン電池のみを電源として少なくとも1年以上動作可能なBluetooth端末であることを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項3】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置隋報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、
前記保護者が、必要なときに前記保護者用端末を用いて前記管理サーバーにアクセスすることで、前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段を、更に備えたことを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項4】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置階報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、
前記被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の前記基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段を、更に備えたことを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項5】
前記基地局端末はスマートフォンであって、前記経路の近傍にいる者に所持させるのに加えて、前記被保護者と共に行動する見守り役にも所持させ、
所定の時刻もしくは所定の時間間隔ごとに、前記被保護者が前記見守り役の近辺にいることを前記保護者が所持する前記保護者用端末に電子メールで通知する通知手段を、前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として、更に備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の位置情報通知システム。
【請求項6】
前記被保護者が子供もしくは老人であって、
前記保護者用端末は、前記被保護者が所持している特定の近距離無線通信機器と常時無線通信し、前記特定の近距離無線通信機器が検出できなくなったときに、前記被保護者が迷子もしくは徘徊の状態となっている可能性があることを前記保護者用端末に電子メールで通知するアラーム手段を、更に備えたことを特徴とする請求項3?5の何れかに記載の位置情報通知システム。
【請求項7】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者が子供であって、
前記基地局端末よりも高い精度で位置情報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、
前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、
前記管理サーバーは、ある基地局端末から送信されたデータが前記ビーコン端末の信号をも含んでいた場合は、該信号に基づいてより精度の高い位置情報に変換して記録することを特徴とする位置情報通知システム。」

2.取消理由の概要
訂正前の請求項1ないし7に係る特許に対して平成28年12月21日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)請求項1に対して
請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、請求項1に係る特許は取り消すべきものである。
請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び慣用技術(甲第3及び5号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項1に係る特許は取り消すべきものである。
(2)請求項2に対して
請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項2に係る特許は取り消すべきものである。
(3)請求項3に対して
請求項3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、請求項3に係る特許は取り消すべきものである。
請求項3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項2及び3に係る特許は取り消すべきものである。
(4)請求項4ないし6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲第3ないし6号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項4ないし6に係る特許は取り消すべきものである。
(5)請求項7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された事項及び周知技術(甲第7及び8号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、請求項7に係る特許は取り消すべきものである。

甲各号証は以下のとおりである。
甲第1号証:国際公開第2013/154281号(異議申立人大谷による特許異議申立書(以下、「大谷異議申立書」という。)の甲第1号証。)
甲第2号証:特表2015-515831号公報(大谷異議申立書の甲第2号証で、甲第1号証の和文翻訳文として引用されるものである。)
甲第3号証:特開2009-245299号公報(大谷異議申立書の甲第3号証。)
甲第4号証:特開2004-46458号公報(大谷異議申立書の甲第4号証。)
甲第5号証:特開2010-147536号公報(大谷異議申立書の甲第5号証。)
甲第6号証:特開2000-287265号公報(大谷異議申立書の甲第6号証。)
甲第7号証:特開2008-89353号公報(大谷異議申立書の甲第7号証。)
甲第8号証:特開平10-281781号公報(大谷異議申立書の甲第8号証。)

3.甲各号証の記載
(1)甲第1号証(国際公開第2013/154281号)には、図1及び図2とともに次の事項が記載されている。
ここで、甲第1号証は、外国語で記載された文献であるため、甲第1号証における摘記段落のみを示し、当該摘記段落に続けて「 」に和文翻訳文として、甲第1号証に係る国際出願の日本国内における公表公報である甲第2号証(特表2015-515831号公報)の文章を記載している。下線は、当審で付した。以下、同じである。
ア.段落[1]
「本発明は、管理対象の位置を容易に把握し、その情報を管理者(保護者など)に速やかに提供するための位置管理システムに関する。」(段落【0001】)

イ.段落[26]
「図1を参照すると、本発明が適用される位置管理システムは、予め定められた時間単位ごとに動作して、自分の固有情報を出力するユーザ端末11、ユーザ端末11への固有情報を受信すれば、その時点での位置情報と、受信されたユーザ端末固有情報と、を共に伝送する複数の位置情報中継端末12、ユーザ端末11の情報を格納管理しながら、複数の位置情報中継端末12から提供された位置情報によって位置が把握されたユーザ端末11の管理対象有無を確認し、それに相応する後続処理を行うユーザ端末管理サーバ14、及び管理対象ユーザ端末11の情報をユーザ端末管理サーバ14に登録し、ユーザ端末管理サーバ14から管理対象ユーザ端末の位置情報の提供を受ける管理者端末13を含む。」(段落【0024】)

ウ.段落[27]
「本発明の一実施例において、複数の位置情報中継端末12は、ユーザ端末11から近距離無線通信を通じて出力される信号の受信ができる、近距離に位置した不特定多数の移動通信端末を意味する。さらに、ユーザ端末11の現在位置と位置情報中継端末12の現在位置は、誤差範囲内で同一であるため、ユーザ端末11の位置情報を把握することにおいて、中継端末12の位置情報を用いるようにした。」(段落【0025】)

エ.段落[28]
「ユーザ端末11は、失踪の危険性のある子供、老人、精神障害者・身体不自由者、痴呆患者などのような管理対象ユーザが有している端末であって、予め定められた時間間隔を開けて動作し、自分の固有情報を含む所定の近距離無線通信信号を送信する。具体的に、ユーザ端末11は、近距離通信モジュールを備えるが、通信モジュールは、ユーザの固有情報を送信するためのものであって、常に動作するものではなく、予め定められた時間間隔を開けて動作の開始及び待機を繰り返すように制御される。ユーザ端末11の通信モジュールが間歇的に動作するようにした理由は、ユーザ端末11に備えられた携帯用電源の電力消耗を最小化することで、ユーザ端末11を長期間使用可能にし、位置情報中継端末12がユーザ端末11が定められた時間に伝送する固有情報を受信するように時間同期作業をするためである。」(段落【0026】)

オ.段落[29]
「また、通信モジュールは、近距離無線通信を行うモジュールであって、ワイファイ(Wi-Fi)、NFC、ブルートゥース、ジグビー、UWBなどのプロトコルの中、少なくとも何れか一つを支援するモジュールであることができ、ワイファイプロトコルを支援するモジュールであることが望ましい。さらに、ユーザ端末が送出する固有情報は、少なくとも近距離通信用SSIDとMACアドレスとを含む。」(段落【0027】)

カ.段落[30]
「一方、位置情報中継端末12は、通常使われている移動通信端末であって、通常的に近距離無線通信ができる第1の通信モジュールと、移動通信網との通信を行う第2の通信モジュールと、を含む。また、位置情報中継端末12は、本発明に係る制御モジュールを備え、第1の通信モジュールを通じてユーザ端末11が出力する信号を受信するが、ユーザ端末信号に含まれた固有情報を確認すると、その地点で位置情報を確認し、確認された位置情報を移動通信網や無線インターネット網を通じて全てのユーザ端末管理サーバ14に提供する機能を行う。」(段落【0028】)

キ.段落[31]
「すなわち、第1の通信モジュールがユーザ端末11から送出された近距離無線通信信号を受信すると、受信した信号に含まれた固有情報を確認し、管理対象ユーザ端末から送出されたSSIDであることが確認されれば、内部の位置情報確認モジュールから現在の位置情報を獲得し、SSIDと共に受信したユーザ端末のMACアドレスと位置情報を、移動通信網や無線インターネット網を通じてユーザ端末管理サーバ14に伝送する。」(段落【0029】)

ク.段落[32]
「位置情報中継端末12に備えられた位置情報確認モジュールは、GPSモジュール、北斗航法モジュール、グロナスモジュール、COMPASSモジュール、ガリレオモジュール、IRNSSモジュール、QZSSモジュール、EGNOSモジュール、GAGANモジュール、LAASモジュール、MSASモジュール、WAASモジュール、スパタイヤモジュールの中、少なくとも何れか一つを含むことができる。」(段落【0030】)

ケ.段落[33]
「管理者端末13は、ユーザを管理する管理者(例えば、保護者など)が所持及び管理する通常的な移動通信端末であることができ、ユーザ端末管理サーバ14と有無線通信網を通じて連結される。管理者端末13は、ユーザ端末管理サーバ14に接続して、ユーザ端末11の管理のための情報を入力し、ユーザ端末管理サーバ14が送信するユーザ端末に対する位置情報を受信して、ユーザの位置が確認できるようにする。」(段落【0031】)

コ.段落[35]
「ユーザ端末管理サーバ14は、管理対象ユーザ端末の情報と、該当ユーザ端末の位置情報と、を管理するサーバであって、管理者端末13から特定のユーザ端末に対する管理要請を受け付けて管理できる環境(例えば、ウェブサーバ、アプリケーションなど)を提供し、管理者端末13が要請した管理対象ユーザ端末の管理情報を格納管理する。また、位置情報中継端末12から伝送されてくるユーザ端末に対する固有情報と位置情報を随時受信し、データベースに格納された管理対象ユーザ情報と比べて管理対象ユーザ端末であるか否か確認した後、管理対象として設定されたユーザ端末に関する情報が受信された場合、管理者端末13に通知する機能を行う。」(段落【0033】)

サ.段落[36]
「ユーザ管理情報は、ユーザ端末11の固有情報、ユーザ端末11を有しているユーザ情報、ユーザ端末管理等級情報、及び管理者(保護者)情報などを含むことができ、ユーザ端末管理等級情報は、管理者(保護者)が要請したユーザの状態を示す一般、失踪、紛失、緊急などに設定されることができ、管理者情報は、管理者の名前、電話番号、電子メール、住所、関係、対応する管理者端末識別者などを含むことができる。」(段落【0034】)

シ.段落[38]
「まず、管理者が管理対象として設定した、失踪危険のある子供、老人、精神障害者・身体不自由者、痴呆患者などのようなユーザが有しているユーザ端末11は、内部に備えられた通信モジュールが、予め定められた時間間隔を開けて周期的に動作するようにした。これによって、ユーザ端末11は、予め定められた近距離通信プロトコルによって、自分の固有情報を含む近距離無線通信信号を一定な時間間隔を開けて周辺にブロードキャスティングし、ユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置した不特定多数の位置情報中継端末12は、内部の第1の通信モジュールを通じてユーザ端末11の固有情報(SSID、MACアドレス)を受信するようになる。」(段落【0036】)

ス.段落[39]
「ユーザ端末11の固有情報を受信した位置情報中継端末12は、予め格納していたユーザ端末固有情報(SSID)と一致するか否か確認し、一致する場合、その時点の時間情報と位置情報を獲得するようになる。その後、ユーザ端末固有情報及び位置情報中継端末12の時間情報、位置情報を、第2の通信モジュールを用いて移動通信網や無線インターネット網を通じてユーザ端末管理サーバ14に伝送する。」(段落【0037】)

セ.段落[40]
「ユーザ端末管理サーバ14は、位置情報中継端末12からユーザ端末関連情報を受信すると、内部のデータベースを確認して、受信されたユーザ端末関連情報に対応する管理者端末13を確認し、位置情報中継端末12から受信したユーザ端末関連位置情報と時間情報を、ユーザ端末11に対応する管理者端末13に伝送する。」(段落【0038】)

ソ.段落[43]
「図2は、本発明の一実施例に係るユーザ端末11の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、本発明の一実施例に係るユーザ端末11は、基本的に、通信モジュール111、制御部112、電源部113、電源制御部114、及び格納部115を備える。」(段落【0041】)

タ.段落[44]
「通信モジュール111は、近距離無線通信を行うモジュールであって、ワイファイ(Wi-Fi)、NFC、ブルートゥース、ジグビー、UWBなどのプロトコルの中、少なくとも何れか一つを支援するモジュールであることができ、ワイファイプロトコルを支援するモジュールであることが望ましい。」(段落【0042】)

チ.段落[45]
「通信モジュール111は、基本的に自分の固有情報(インターネットIP、SSID、MACアドレスなど)を近距離無線通信を用いてブロードキャスティングし、固有情報を周辺の位置情報中継端末12が受信できるようにする。」(段落【0043】)

ツ.段落[47]
「電源部113は、ユーザ端末11が動作することに必要な電源を供給する装置であって、ニッケル-カドミウム電池(NiCd)、ニッケル水素蓄電池(NiMH)、リチウムイオン電池(Li-ion)、リチウムイオンポリマー電池(Li-ion polymer)などのように、充電可能な二次電池を含む。電源部113は、外部から提供される電源を用いて、二次電池を充電することができる充電端子を含むことができ、ひいては太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して提供できる太陽電池を更に含むこともできる。」(段落【0045】)

テ.上記記載事項イ.の「図1を参照すると、本発明が適用される位置管理システムは、予め定められた時間単位ごとに動作して、自分の固有情報を出力するユーザ端末11、ユーザ端末11への固有情報を受信すれば、その時点での位置情報と、受信されたユーザ端末固有情報と、を共に伝送する複数の位置情報中継端末12、ユーザ端末11の情報を格納管理しながら、複数の位置情報中継端末12から提供された位置情報によって位置が把握されたユーザ端末11の管理対象有無を確認し」との記載、上記記載事項ウ.の「ユーザ端末11の位置情報を把握することにおいて、中継端末12の位置情報を用いるようにした」との記載、及び上記記載事項エ.の「ユーザ端末11は、失踪の危険性のある子供、老人、精神障害者・身体不自由者、痴呆患者などのような管理対象ユーザが有している端末であって」との記載によれば、位置管理システムのユーザ端末は、移動する管理対象ユーザに所持されるものであって、固有情報を有しているが位置情報は有していないことが分かる。

ト.上記記載事項ウ.の「複数の位置情報中継端末12は、ユーザ端末11から近距離無線通信を通じて出力される信号の受信ができる、近距離に位置した不特定多数の移動通信端末を意味する」との記載、上記記載事項カ.の「位置情報中継端末12は、通常使われている移動通信端末であって、通常的に近距離無線通信ができる第1の通信モジュールと、移動通信網との通信を行う第2の通信モジュールと、を含む」との記載、上記記載事項ク.の「位置情報中継端末12に備えられた位置情報確認モジュールは、GPSモジュール」との記載、及び上記記載事項シ.の「ユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置した不特定多数の位置情報中継端末12は、内部の第1の通信モジュールを通じてユーザ端末11の固有情報(SSID、MACアドレス)を受信するようになる。」との記載によれば、位置情報中継端末12は、移動する管理対象ユーザに所持させるのではなく、管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能であることが分かる。

ナ.上記記載事項コ.の「ユーザ端末管理サーバ14は、管理対象ユーザ端末の情報と、該当ユーザ端末の位置情報と、を管理するサーバであって、管理者端末13から特定のユーザ端末に対する管理要請を受け付けて管理できる環境(例えば、ウェブサーバ、アプリケーションなど)を提供し、管理者端末13が要請した管理対象ユーザ端末の管理情報を格納管理する。また、位置情報中継端末12から伝送されてくるユーザ端末に対する固有情報と位置情報を随時受信し、データベースに格納された管理対象ユーザ情報と比べて管理対象ユーザ端末であるか否か確認した後、管理対象として設定されたユーザ端末に関する情報が受信された場合、管理者端末13に通知する機能を行う。」との記載によれば、ユーザ端末管理サーバ14は、位置情報中継端末12より送信された情報を格納管理することが分かる。

ニ.上記記載事項カ.の「位置情報中継端末12は、通常使われている移動通信端末であって、通常的に近距離無線通信ができる第1の通信モジュールと」との記載、及び上記記載事項ス.の「ユーザ端末11の固有情報を受信した位置情報中継端末12は、予め格納していたユーザ端末固有情報(SSID)と一致するか否か確認し、一致する場合、その時点の時間情報と位置情報を獲得するようになる」との記載によれば、位置情報中継端末12は、移動通信端末であって、前記固有情報と照合する情報が格納されていることが分かる。

ヌ.上記記載事項カ.の「位置情報中継端末12は、本発明に係る制御モジュールを備え、第1の通信モジュールを通じてユーザ端末11が出力する信号を受信するが、ユーザ端末信号に含まれた固有情報を確認すると、その地点で位置情報を確認し、確認された位置情報を移動通信網や無線インターネット網を通じて全てのユーザ端末管理サーバ14に提供する」との記載、上記記載事項キ.の「第1の通信モジュールがユーザ端末11から送出された近距離無線通信信号を受信すると、受信した信号に含まれた固有情報を確認し、管理対象ユーザ端末から送出されたSSIDであることが確認されれば、内部の位置情報確認モジュールから現在の位置情報を獲得し、SSIDと共に受信したユーザ端末のMACアドレスと位置情報を、移動通信網や無線インターネット網を通じてユーザ端末管理サーバ14に伝送する」との記載、及び上記記載事項ク.の「位置情報中継端末12に備えられた位置情報確認モジュールは、GPSモジュール」との記載によれば、位置情報中継端末12は、通信可能なユーザ端末11をサーチし、該ユーザ端末11が検出できたかどうかを判断するユーザ端末11が出力する信号を受信する手段と、前記サーチ手段が前記ユーザ端末11を検出したときに実行される手段、すなわち、検出時手段と、を備えることが分かり、前記検出時手段は、位置情報中継端末12と通信状態にある前記ユーザ端末11より前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報確認モジュールと、前記固有情報取得手段及び前記位置情報確認モジュールにより取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データをユーザ端末管理サーバ14に送信する送信手段と、を有することが分かる。

ネ.上記記載事項エ.の「ユーザ端末11は、近距離通信モジュールを備えるが、通信モジュールは、ユーザの固有情報を送信するためのものであって、常に動作するものではなく、予め定められた時間間隔を開けて動作の開始及び待機を繰り返すように制御される。ユーザ端末11の通信モジュールが間歇的に動作するようにした理由は、ユーザ端末11に備えられた携帯用電源の電力消耗を最小化することで、ユーザ端末11を長期間使用可能にし」との記載、上記記載事項オ.の「通信モジュールは、近距離無線通信を行うモジュールであって、ワイファイ(Wi-Fi)、NFC、ブルートゥース、ジグビー、UWBなどのプロトコルの中、少なくとも何れか一つを支援するモジュールであることができ」との記載、上記記載事項ソ.の「図2を参照すると、本発明の一実施例に係るユーザ端末11は、基本的に、通信モジュール111、制御部112、電源部113、電源制御部114、及び格納部115を備える」との記載、及び上記記載事項ツ.の「電源部113は、ユーザ端末11が動作することに必要な電源を供給する装置であって、ニッケル-カドミウム電池(NiCd)、ニッケル水素蓄電池(NiMH)、リチウムイオン電池(Li-ion)、リチウムイオンポリマー電池(Li-ion polymer)などのように、充電可能な二次電池を含む。」との記載によれば、ユーザ端末11は、二次電池を電源として長期間使用可能なブルートゥース端末であることが分かる。

ノ.上記記載事項イ.の「管理対象ユーザ端末11の情報をユーザ端末管理サーバ14に登録し、ユーザ端末管理サーバ14から管理対象ユーザ端末の位置情報の提供を受ける管理者端末13を含む」との記載、上記記載事項ケ.の「管理者端末13は、ユーザを管理する管理者(例えば、保護者など)が所持及び管理する通常的な移動通信端末であることができ、ユーザ端末管理サーバ14と有無線通信網を通じて連結される。管理者端末13は、ユーザ端末管理サーバ14に接続して、ユーザ端末11の管理のための情報を入力し、ユーザ端末管理サーバ14が送信するユーザ端末に対する位置情報を受信して、ユーザの位置が確認できるようにする」との記載、及び上記記載事項コ.の「ユーザ端末管理サーバ14は、管理対象ユーザ端末の情報と、該当ユーザ端末の位置情報と、を管理するサーバであって、管理者端末13から特定のユーザ端末に対する管理要請を受け付けて管理できる環境(例えば、ウェブサーバ、アプリケーションなど)を提供し、管理者端末13が要請した管理対象ユーザ端末の管理情報を格納管理する。また、位置情報中継端末12から伝送されてくるユーザ端末に対する固有情報と位置情報を随時受信し、データベースに格納された管理対象ユーザ情報と比べて管理対象ユーザ端末であるか否か確認した後、管理対象として設定されたユーザ端末に関する情報が受信された場合、管理者端末13に通知する機能を行う」との記載によれば、管理対象ユーザの管理者は、ユーザ端末管理サーバ14に登録されたユーザ端末11の位置情報、すなわち検出時データを所持する管理者端末13により閲覧可能であることが分かる。

ハ.上記記載事項コ.の「ユーザ端末管理サーバ14は、管理対象ユーザ端末の情報と、該当ユーザ端末の位置情報と、を管理するサーバであって、管理者端末13から特定のユーザ端末に対する管理要請を受け付けて管理できる環境(例えば、ウェブサーバ、アプリケーションなど)を提供し、管理者端末13が要請した管理対象ユーザ端末の管理情報を格納管理する。また、位置情報中継端末12から伝送されてくるユーザ端末に対する固有情報と位置情報を随時受信し、データベースに格納された管理対象ユーザ情報と比べて管理対象ユーザ端末であるか否か確認した後、管理対象として設定されたユーザ端末に関する情報が受信された場合、管理者端末13に通知する機能を行う」との記載、上記記載事項サ.の「管理者情報は、管理者の名前、電話番号、電子メール、住所、関係、対応する管理者端末識別者などを含むことができる」との記載、上記記載事項ス.の「ユーザ端末11の固有情報を受信した位置情報中継端末12は、予め格納していたユーザ端末固有情報(SSID)と一致するか否か確認し、一致する場合、その時点の時間情報と位置情報を獲得するようになる。その後、ユーザ端末固有情報及び位置情報中継端末12の時間情報、位置情報を、第2の通信モジュールを用いて移動通信網や無線インターネット網を通じてユーザ端末管理サーバ14に伝送する」との記載、及び上記記載事項セ.の「ユーザ端末管理サーバ14は、位置情報中継端末12からユーザ端末関連情報を受信すると、内部のデータベースを確認して、受信されたユーザ端末関連情報に対応する管理者端末13を確認し、位置情報中継端末12から受信したユーザ端末関連位置情報と時間情報を、ユーザ端末11に対応する管理者端末13に伝送する」との記載によれば、管理対象ユーザが所持した前記ユーザ端末11が、位置情報中継端末12で検出されたときに、位置情報、すなわち検出時データを、管理者端末13に伝送する手段を備えることが分かる。

これらの記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。

「移動する管理対象ユーザに所持させ、かつ、固有情報を有しているが位置情報は有していないユーザ端末11と、
移動する管理対象ユーザに所持させるのではなく、管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な位置情報中継端末12と、
前記位置情報中継端末12より送信された情報が格納管理されるユーザ端末管理サーバ14と、を備え、
前記位置情報中継端末12は、
移動通信端末であって、前記固有情報と照合する情報が格納され、
通信可能な前記ユーザ端末11をサーチし、該ユーザ端末11が検出できたかどうかを判断するユーザ端末11が出力する信号を受信する手段と、前記ユーザ端末11が出力する信号を受信する手段が前記ユーザ端末11を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記位置情報中継端末12と通信状態にある前記ユーザ端末11より前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報確認モジュールと、
前記固有情報取得手段及び前記位置情報確認モジュールにより取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記ユーザ端末管理サーバ14に送信する送信手段と、を有する位置管理システム。」

また、上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明2の記載ぶりに則って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。

「移動する管理対象ユーザに所持させ、かつ、固有情報を有しているが位置情報は有していないユーザ端末11と、
移動する管理対象ユーザに所持させるのではなく、管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な位置情報中継端末12と、
前記位置情報中継端末12より送信された情報が格納管理されるユーザ端末管理サーバ14と、を備え、
前記位置情報中継端末12は、
通信可能な前記ユーザ端末11をサーチし、該ユーザ端末11が検出できたかどうかを判断するユーザ端末11が出力する信号を受信する手段と、前記ユーザ端末11が出力する信号を受信する手段が前記ユーザ端末11を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記位置情報中継端末12と通信状態にある前記ユーザ端末11より前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報確認モジュールと、
前記固有情報取得手段及び前記位置情報確認モジュールにより取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記ユーザ端末管理サーバ14に送信する送信手段と、を有し、
前記ユーザ端末11は、二次電池を電源として長期間使用可能なブルートゥース端末である位置管理システム。」

また、上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明3の記載ぶりに則って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されている。

「移動する管理対象ユーザに所持させ、かつ、固有情報を有しているが位置情報は有していないユーザ端末11と、
移動する管理対象ユーザに所持させるのではなく、管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な位置情報中継端末12と、
前記位置情報中継端末12より送信された情報が格納管理されるユーザ端末管理サーバ14と、を備え、
前記位置情報中継端末12は、
通信可能な前記ユーザ端末11をサーチし、該ユーザ端末11が検出できたかどうかを判断するユーザ端末11が出力する信号を受信する手段と、前記ユーザ端末11が出力する信号を受信する手段が前記ユーザ端末11を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記位置情報中継端末12と通信状態にある前記ユーザ端末11より前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報確認モジュールと、
前記固有情報取得手段及び前記位置情報確認モジュールにより取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記ユーザ端末管理サーバ14に送信する送信手段と、を有し、
前記管理対象ユーザの管理者に所持させ、前記ユーザ端末管理サーバ14に登録された前記検出時データを閲覧可能な管理者端末13を備えた位置管理システム。」

また、上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明4の記載ぶりに則って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されている。

「移動する管理対象ユーザに所持させ、かつ、固有情報を有しているが位置情報は有していないユーザ端末11と、
移動する管理対象ユーザに所持させるのではなく、管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な位置情報中継端末12と、
前記位置情報中継端末12より送信された情報が格納管理されるユーザ端末管理サーバ14と、を備え、
前記位置情報中継端末12は、
通信可能な前記ユーザ端末11をサーチし、該ユーザ端末11が検出できたかどうかを判断するユーザ端末11が出力する信号を受信する手段と、前記ユーザ端末11が出力する信号を受信する手段が前記ユーザ端末11を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記位置情報中継端末12と通信状態にある前記ユーザ端末11より前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報確認モジュールと、
前記固有情報取得手段及び前記位置情報確認モジュールにより取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記ユーザ端末管理サーバ14に送信する送信手段と、を有し、
前記管理対象ユーザの管理者に所持させ、前記ユーザ端末管理サーバ14に登録された前記検出時データを閲覧可能な管理者端末13を備え、
前記管理対象ユーザが所持した前記ユーザ端末11が前記位置情報中継端末12で検出されたときに、前記検出時データを、前記管理者端末13に伝送する手段を、更に備えた位置管理システム。

上記記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明7の記載ぶりに則って整理すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明5」という。)が記載されている。

「移動する管理対象ユーザに所持させ、かつ、固有情報を有しているが位置情報は有していないユーザ端末11と、
移動する管理対象ユーザに所持させるのではなく、管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な位置情報中継端末12と、
前記位置情報中継端末12より送信された情報が格納管理されるユーザ端末管理サーバ14と、を備え、
前記位置情報中継端末12は、
通信可能な前記ユーザ端末11をサーチし、該ユーザ端末11が検出できたかどうかを判断するユーザ端末11が出力する信号を受信する手段と、前記ユーザ端末11が出力する信号を受信する手段が前記ユーザ端末11を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記位置情報中継端末12と通信状態にある前記ユーザ端末11より前記固有情報を取得する固有情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報確認モジュールと、
前記固有情報取得手段及び前記位置情報確認モジュールにより取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記ユーザ端末管理サーバ14に送信する送信手段と、を有し、
前記管理対象ユーザが子供である位置管理システム。」

(2)甲第3号証(特開2009-245299号公報)には、図1及び図8とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明は、主に小学校低学年等の低年齢の児童の登下校時に、児童を見守り、保護者に安心を与えるとともに、万一の異常事態の発生をいち早く検出するための見守りシステム、見守り方法およびプログラムに関する。」

イ.「【0003】
上記のような見守りシステムとしては、見守りセンサー(学校の校門、通学路、及び街中に設置)、メールサーバ(利用者にメール送信)、WEBサーバ(通過履歴や子どもの画像を閲覧)、及び管理用データベースサーバにより構成され、子どもが装着した電子タグと連動して、各見守りセンサーが登下校状況を把握し、子どもの通過履歴や通過画像をWEBやメールで保護者が確認するシステム(非特許文献1参照。)や、GPS(Globl Positioning System)等の位置検索サービスを利用し、利用者ごとに、指定した時間帯に指定した時間間隔で定期的に位置情報を得て記録することにより移動経路を把握するとともに、利用者ごとにあらかじめ設定された地域範囲と比較することにより異常な行動経路をすばやく認識し警告を発するシステム(特許文献1参照。)が知られている。」

ウ.「【0039】
<見守りシステムの構成>
本実施形態に係る見守りシステムは、図1に示すように、被観察者、例えばA、B、Cが所持する携帯端末1a、1b、1cと、電柱等に設けられた無線タグ2a、2b、2cと、データサーバ3と、観察者が所持する携帯端末4と、管理サーバ5とから構成され、特定の被観察者が所持する携帯端末1aと、データサーバ3、観察者が所持する携帯端末4、管理サーバ5とはネットワーク6を介して、接続されている。なお、本実施形態では、説明の都合上、被観察者が所持する携帯端末および電柱等に設けられた無線タグの数を3つで表わしたが、これらの数は、任意の数でよい。」

エ.「【0044】
情報収集部14は、近距離無線部11が読みだした無線タグの情報(図1の#1、#2、#3)と、アドホック通信部12が受信した携帯端末の情報(例えば、A、B、C)を収集し、(#2、A、B、C)等の情報を送信部15に出力する。送信部15は、入力した情報(#2、A、B、C)をネットワーク6を介して、データサーバ3に送信する。なお、無線タグの読み出しは、所定の時間間隔ごとに行われるため、無線タグが読みだせない場合には、携帯端末情報のみが、送信される。また、データサーバ3へのデータの送信は、被観察者のうち、1人の被観察者が行う。こうすることにより、同じ情報が複数の携帯端末から送信されることを防止でき、通信量の削減を図ることができる。なお、代表者(リーダ)の選定方法については、後述する。」

オ.「【0046】
受信部21は、被観察者の代表携帯端末から、例えば、(#2、A、B、C)というような位置情報と近接する携帯端末の情報を受信する。なお、受信情報に無線タグの情報がない場合には、所定の場所、例えば、通学路から外れた場所にいるという情報を示すことになる。」

カ.「【0079】
<見守りシステムの構成>
本実施形態に係る見守りシステムは、図8に示すように、被観察者、例えばA、B、Cが所持する携帯端末1a、1b、1cと、見守り者が所持する携帯端末1zと、電柱等に設けられた無線タグ2a、2b、2cと、データサーバ3と、観察者が所持する携帯端末4と、管理サーバ5とから構成され、見守り者が所持する携帯端末1zと、データサーバ3、観察者が所持する携帯端末4、管理サーバ5とはネットワーク6を介して、接続されている。なお、本実施形態では、説明の都合上、被観察者が所持する携帯端末および電柱等に設けられた無線タグの数を3つで表わしたが、これらの数は、任意の数でよい。」

キ.「【0082】
アドホック通信部42は、隣接する携帯端末1a、1b、1cとの間で、通信を行うことにより、グループ化を行う。具体的には、図1を例にとると、被観察者A、B、Cが所持する携帯端末1a、1b、1cと見守り者が所持する携帯端末1zで、アドホック通信を行うことにより、本人を含んだ(Z、A、B、C)というデータが得られ、見守り者Zの近くに、被観察者AとBとCがいることがわかる。」

ク.「【0084】
情報収集部44は、近距離無線部41が読みだした無線タグの情報(図1の#1、#2、#3)と、アドホック通信部42が受信した携帯端末の情報(例えば、Z、A、B、C)を収集し、(#2、Z、A、B、C)等の情報を送信部55に出力する。送信部45は、入力した情報(#2、Z、A、B、C)をネットワーク6を介して、データサーバ3に送信する。なお、データサーバ3へのデータの送信は、見守り者が所持する携帯端末で行う。こうすることにより、同じ情報が複数の携帯端末から送信されることを防止でき、通信量の削減を図ることができる。

ケ.「【0086】
<データサーバの構成>
本実施形態に係るデータサーバ3は、図10に示すように、受信部51と、位置情報生成部52と、地図情報データベース(DB)53と、送信部54と、異常状態検出部55と、メール送信部56とから構成されている。
【0087】
受信部51は、見守り者が所持する携帯端末1zから、例えば、(#2、Z、A、B、C)というような位置情報と近接する携帯端末の情報を受信する。
【0088】
位置情報生成部52は、受信部51が受信した情報を図示しない記憶装置に記憶して、これを時系列的に、地図情報データベース(DB)53に格納された地図情報上に、例えば、図4のように展開して、位置情報を生成する。
【0089】
地図情報データベース(DB)53は、地図情報を格納する記憶装置であり、送信部54は、位置情報生成部52が生成した位置情報をネットワーク6を介して、観察者の携帯端末4に送信する。なお、送信先の観察者の端末は、携帯端末に限らず、例えば、パーソナルコンピュータ等でもよい。
【0090】
異常状態検出部55は、位置情報生成部52が生成し、地図情報データベース(DB)53に格納した情報から異常状態を検出して、メール送信部55を介して、見守り者が所持する携帯端末1zに電子メールを送信する。」

コ.上記記載事項キ.の「アドホック通信部42は、隣接する携帯端末1a、1b、1cとの間で、通信を行うことにより、グループ化を行う。具体的には、図1を例にとると、被観察者A、B、Cが所持する携帯端末1a、1b、1cと見守り者が所持する携帯端末1zで、アドホック通信を行うことにより、本人を含んだ(Z、A、B、C)というデータが得られ、見守り者Zの近くに、被観察者AとBとCがいることがわかる」との記載、記載事項ク.の「情報収集部44は、近距離無線部41が読みだした無線タグの情報(図1の#1、#2、#3)と、アドホック通信部42が受信した携帯端末の情報(例えば、Z、A、B、C)を収集し、(#2、Z、A、B、C)等の情報を送信部55に出力する。送信部45は、入力した情報(#2、Z、A、B、C)をネットワーク6を介して、データサーバ3に送信する」との記載、及び上記記載事項ケ.の段落【0087】の「受信部51は、見守り者が所持する携帯端末1zから、例えば、(#2、Z、A、B、C)というような位置情報と近接する携帯端末の情報を受信する。」との記載によれば、位置情報を特定可能な無線タグ2a、2b、2cを備え、見守り者が所持する携帯端末1zにおいて、通信可能な被観察者A、B、Cが所持する携帯端末1a、1b、1cと共に無線タグの情報(#1、#2、#3)を検出したときは、送信部45は、無線タグの情報もデータサーバ3に送信することが分かる。

これらの記載事項、認定事項及び図面の図示内容を総合すると、甲第3号証には、次の技術事項(以下、「甲第3号証に記載された技術事項」という。)が記載されている。

「位置情報を特定可能な無線タグ2a、2b、2cを備え、見守り者が所持する携帯端末1zにおいて、通信可能な被観察者A、B、Cが所持する携帯端末1a、1b、1cと共に無線タグの情報(#1、#2、#3)を検出したときは、送信部45は、無線タグの情報もデータサーバ3に送信するシステム。」

(3)甲第4号証(特開2004-46458号公報)には、図1及び図2とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、学校、企業等に於ける学生、教師、社員等の関係者の出退を予め登録した者に対して通知する出退記録管理システムに関する。」

イ.「【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、上記問題点に鑑み、学生等に予めICカードを携帯させ学校等に登校、下校した際にそのICカードを読み取らせることによって、学生等の出退記録を、予め登録している者に対して通知をする出退記録管理システムを発明した。」

ウ.「【0017】
通知ルール設定手段4は、学生等が学校等に登校(出社)、下校(帰社)等した場合に、その通知を誰に行うか、どの電子メールアドレスに対して行うかの通知ルールの設定を通知先端末2から受信し、利用者データベース8に登録する手段である。
【0018】
ICカード読取手段5は、学生等が携帯しているICカード3を、学生等が接触又は非接触によって読み取らせることによって、当該学生等が登校、或いは下校等したことを認識する手段である。この際に読み取る情報としては、学籍番号(社員番号)、氏名等の学籍番号等識別子を読み取ることが好適である。更にICカード読取手段5でICカード3を読み取っただけでは、登校したのか下校したのかが不明確であるので、ICカード読取手段5と連動するディスプレイ装置及び入力装置を設け、当該入力装置から登校、或いは下校の選択を学生等に行わせても良い。又別の方法としては、ICカード3を読み取った時間で登校、或いは下校の選択を自動的に行っても良い。例えば朝方にICカード3を読み取った場合には登校時であることが考えられ、逆に夕方にICカード3を読み取った場合には下校時であることが考えられるからである。更にICカード3を所持している学生等の本人がその読み取りを行っているのか、或いは友人にICカード3を渡し、読み取りを行わせるかの依頼を行い、その友人が本人に代わってICカード3の読み取りを行っているかの判別を行う為に、指紋や網膜等の人体の一部又は全部を読み取り認証を行う認証装置を併設してもよい。これによって、例えば学生等が友人に依頼して、ICカード3を読み取ってもらうことで、本当は登校していないのに、記録上は登校したことになる等の、不正を防ぐことが可能となる。」

エ.「【0020】
通知手段7は、当該学生等の出退記録が登録されたこと、即ち学生等が登校、下校等したことを利用者データベース8に格納している通知ルールに基づいて、通知先端末2に対して通知する手段である。」

オ.「【0024】
通知先端末2は、学生等の保護者、配偶者、親戚等の関係者であって、通知先として設定されている者が有している端末である。この端末には、コンピュータ端末、ネットワーク10機能を有する携帯電話、PHS、PDA等が該当する。」

(4)甲第5号証(特開2010-147536号公報)には、図1及び図8とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明は、児童の登下校など、携帯端末を携帯する者の行動を遠隔から見守るための見守りサービスを提供する見守りサービスシステム、携帯端末、および携帯端末の位置管理方法に関する。」

イ.「【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る見守りサービスシステムの構成を示した図である。図1に示すように、見守りサービスシステム1は、複数の携帯端末10(10a,10b)と、サービスサーバ20と、中継局(通信基地局)30と、見守り装置40とを備えている。なお、本見守りサービスシステム1は、観察者が、見守り装置40を用いてサービスサーバ20に問い合わせることにより、携帯端末10を携帯する者がいる位置を遠隔から知り、その者の行動を見守ることを可能とする見守りサービスを提供するものである。本実施形態では、集団登下校時の1つの集団に所属する各児童が携帯端末10を携帯し、各児童の保護者や教師などの観察者が、児童の登下校を見守る場合を例にして説明する。」

ウ.「【0024】
ここで、複数の携帯端末10のうち、集団登下校の班長などの代表者が携帯する携帯端末10については、見守りサービスを実現するための特別な機能を発揮するよう、児童の保護者や学校の教師などの観察者によって、他の携帯端末10とは異なる設定がなされている。以下、代表者が携帯する携帯端末10を「代表者の携帯端末10a(第1の携帯端末)」といい、複数の携帯端末10のうち代表者の携帯端末10aを除く端末を「他の携帯端末10b(第2の携帯端末)」ともいうこととする。なお、代表者の携帯端末10aと他の携帯端末10bとのハードウェア構成はともに図2に示した同様の構成であり、機能が異なる。

エ.「【0070】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における見守りサービスシステム1が提供する見守りサービスは、登下校の集団に不在の児童の保護者に対して児童がいない旨を知らせるものである。なお、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付与して、詳細な説明を省略する。
【0071】
図11は、第3の実施形態に係るサービスサーバの構成を示した図である。図11に示すように、サービスサーバ20は、第1の実施形態に示した構成に加えて、メンバー情報登録部(メンバー情報登録手段)26と、不在者判断部(判断手段)27と、不在通知送信部(不在通知送信手段)28とをさらに備えた構成となっている。メンバー情報登録部26には、登下校時の集団に所属する各メンバーのID情報を示すメンバー情報が予め登録されている。不在者判断部27は、携帯端末10から受信したID情報とメンバー情報とを照合して、集団登校の集団に不在となっている児童がいるか否かを判断する。そして、不在通知送信部28は、不在の児童がいた場合に、対応する見守り装置40に不在通知を送信する処理を行う。」

オ.「【0073】
サービスサーバ20側の処理において、更新情報受信部21が、中継局30を介して代表者の携帯端末10aから更新情報100を受信した後(ステップS1000)、データベース部22が、受信した更新情報100を追加登録すると(ステップS1010)、不在者判断部27は、不在者がいるか否かを判断する(ステップS1020)。メンバー情報登録部26に登録されたメンバー情報に含まれる全てのID情報が、受信した更新情報100に含まれていれば、登下校の集団に所属する全ての児童が集団内にいることとなり「不在者なし」と判断されて(ステップS1020:No)、図12の処理は終了する。
【0074】
一方、メンバー情報に含まれるいずれかのID情報が、受信した更新情報100に含まれていなければ、登下校の集団に、所属する全ての児童が揃っていないことになるため、「不在者あり」と判断される(ステップS1020:Yes)。この場合、不在通知送信部28は、児童の保護者または学校の教師が所有する見守り装置40に対して、不在通知を送信する(ステップS1030)。」

(5)甲第6号証(特開2000-287265号公報)には、図1とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、忘れ物や迷子を防止する装置及び携帯電話機に関する。」

イ.「【0008】子機1と親機2は、迷子防止の場合、携帯電話機2aを親が所持し、子機1は子供に所持させる。親の近くに子供が居る場合は、子機1からの電波信号を携帯電話機2aの親機2が感知しているので、報知動作されない。子供が親の元から、例えば10m離れると、子機1からの電波信号を感知しなくなり、親機2はその旨を知らせるための報知動作を行う。」

(6)甲第7号証(特開2008-89353号公報)には、図1とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
本発明は、車両位置検出システムに関し、特に、GPS(Global positioning system)信号および光ビーコン情報を利用して車両位置を検出する車両位置検出システムに関する。」

イ.「【0003】
特許文献1の図1に示されるように、アンテナATgps(符号は特許文献1に記載のものを使用。)を介してGPS信号を受信したDGPS13は自車の現在位置を測位する。
ところで、GPS信号に基づいて検出される位置の誤差は30メートルと言われている。検出された位置と実際の位置との誤差を小さくすることが期待されるところである。」

ウ.「【0011】
請求項1に係る発明では、自車に搭載された光ビーコン通信手段で光ビーコン情報を受信したら、この光ビーコンの情報に基づいて自車の位置を補正する中央処理装置とを備えた。
光ビーコンは、地上に固定的に設置されているため、自己の位置については極めて正確な位置情報を発することができる。このような光ビーコン情報に基づいて自車の位置を補正するため、自車位置を高精度に検出することができるという利点がある。」

(7)甲第8号証(特開平10-281781公報)には、図1とともに次の事項が記載されている。
ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として車両に搭載されると共に、推測航法及びGPS(global positioning system)航法を併用して現在位置を検出表示する車両用自車位置検出表示方法及び装置に関する。」

イ.「【0019】
【作用】本発明の車両用自車位置検出表示装置では、路上等の地上に設置されたビーコンからの発信電波に基づいてビーコン位置情報を得るビーコン位置情報検出手段を備え、ここで得られた正確な固定点のビーコン位置情報に基づいて推測航法手段での現在位置信号の位置補正を行うようにしている。この結果、従来のように推測航法手段による現在位置をGPS航法手段により推定されたGPS現在位置を含む認識誤差範囲に基づいて補正を行った場合の精度数メートル?数十メートルの表示誤差よりも正確に現在位置の補正を行うことができるため、表示処理が適確に行われる。」

4.判断
4-1.取消理由通知に記載した取消理由について
(1)本件発明1について
ア.対比
本件発明1と引用発明1とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、引用発明1における「管理対象ユーザ」は本件発明1における「被保護者」に相当し、以下同様に、「固有情報」は「識別情報」に、「ユーザ端末11」は「近距離無線通信機器」及び「機器」に、「位置情報中継端末12」は「基地局端末」に、「格納管理される」ことは、「登録される」ことに、「ユーザ端末管理サーバ14」は「管理サーバー」に、「ユーザ端末11が出力する信号を受信する手段」は「サーチ手段」に、「位置情報確認モジュール」は「位置情報取得手段」に、「位置管理システム」は「位置情報通知システム」に、それぞれ相当する。
また、引用発明1における「移動通信端末」は、「移動通信端末」という限りにおいて、本件発明1における「スマートフォン又はタブレット型の携帯端末」と共通する。
そして、引用発明1における「管理対象ユーザが所持するユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置する、不特定多数の移動通信端末であって」は、位置情報中継端末12(本件発明1における「基地局端末」に相当。)の配置に関する事項であるから、「被保護者を所要の地点で検出できるように複数の移動通信端末を位置させ」という限りにおいて、本件発明1における「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」と共通する。

以上の点から見て、本件発明1と引用発明1とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、被保護者を所要の地点で検出できるように複数の移動通信端末を位置させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
移動通信端末であって、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有する位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。
[相違点1]
「基地局端末」が、本件発明1では、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであるのに対し、引用発明1では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点2]
本件発明1では、「基地局端末は、前記経路の近傍にいる者が所持するスマートフォン又はタブレット型の携帯端末」であって、「識別情報と照合する情報は格納されていない」のに対し、引用発明1では、「位置情報中継端末12は移動通信端末」であって、「固有情報と照合する情報が格納されている」点。

[相違点3]
本件発明1では、「前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする」のに対し、引用発明1では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

イ.判断
(ア)特許法第29条第1項第3号について
上記相違点1ないし3を有するから、本件発明1と引用発明1と同一であるとはいえない。

(イ)特許法第29条第2項について
上記相違点1について検討する。
甲第1号証には、「位置情報中継端末12」に関して、段落[30]に「位置情報中継端末12は、通常使われている移動通信端末であって、通常的に近距離無線通信ができる第1の通信モジュールと、移動通信網との通信を行う第2の通信モジュールと、を含む」と記載され、段落[38]に「ユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置した不特定多数の位置情報中継端末12は、内部の第1の通信モジュールを通じてユーザ端末11の固有情報(SSID、MACアドレス)を受信するようになる。」と記載されいるものの、「位置情報中継端末12」を「経路の近傍にいる者に所持させ」るとともに「位置情報中継端末12」が、「目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする」ことは、記載も示唆もされていない。
また、中継局となりうる端末が、人間により所持されることが慣用技術(例えば、甲第3号証における見守り者が所持する「携帯端末1z」及び甲第5号証における代表者が所持する「携帯端末1a」)であるとしても、「位置情報中継端末12」を「経路の近傍にいる者に所持させ」るとともに「位置情報中継端末12」が、「目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする」ことまでが慣用技術であるとはいえない。
そして、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項を有することにより、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】及び【0013】の「本発明が解決しようとする課題は、従来は、被保護者にGPS機能を有した高価な端末を持たせることなく、被保護者の行動を見守ることが可能な位置情報通知システムが提案されていなかった点である。なお、『被保護者の行動を見守る』とは、被保護者が目的地に到着したとか、目的地から出発したというような一地点における情報を通知するだけでなく、被保護者が例えば自宅と目的地を移動する間の複数の地点の位置情報についても、随時、保護者が確認できることを意味する。」との課題を解決できると解される。
以上のことを総合すると、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項は、引用発明1及び慣用技術から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、相違点2及び3について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1及び慣用技術から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ウ.特許異議申立人の主張について
異議申立人大谷は、大谷意見書の第7ページ第22行ないし第8ページ第7行において、「本件請求項1の『目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ』という要件は、システムの構成として実現が保証されているものではなく、単に実現したい目的或いは願望を特定しているだけに過ぎない。この目的或いは願望を実現できる可能性を高めるためには、結局、被保護者が移動し得るエリア内における基地局端末の密度を高めるしかなく、仮に密度を高めたとしても確実に実現できる保証はない。そして、この要件から不確定要素である目的や願望を除外し、純粋にシステムの構成だけを捉えると、単に「被保護者以外の者に基地局端末を所持させる」というだけの構成に過ぎないものとなる。このようにシステムの構成として捉えた場合、本件請求項1の「基地局端末」と、甲第2号証に記載された「ユーザ端末11の信号到達カバレージ内に位置した不特定多数の位置情報中継端末12」(段落0036)とは、全く同一のものである。以上より、意見書に記載された上記主張は、本件発明に係るシステムの構成要件とはなり得ない特定事項に基づく主張であり、妥当ではない。」旨の主張をしている。
当該主張を検討するに、本件発明1は「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」ることを前提としたものであるといえるから、同前提を「位置情報通知システム」の構成要件とはなり得ないとはいえない。
したがって、異議申立人大谷の当該主張を採用することはできない。
また、異議申立人後藤は、後藤意見書の第2ページ第28行及び第29行において、「以上の通り、特許権者による訂正事項1によっても、請求項1と甲1号証(注:大谷異議申立書の甲第1号証)の間に差異はなく、依然として新規性及び進歩性を有さない。」旨の主張をしている。
当該主張を検討するに、前記イ.で検討したように、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項は、引用発明1及び慣用技術から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、異議申立人後藤の当該主張を採用することはできない。

(2)本件発明2について
ア.対比
本件発明2と引用発明2とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、引用発明2における「ブルートゥース」は本件発明2における「Bluetooth」に相当する。
また、引用発明2における「二次電池」は、「電池」という限りにおいて、本件発明2における「ボタン電池のみ」と共通する。なお、本件発明1と引用発明1との対比と共通する事項は省略している。以下、同じである。

以上の点から見て、本件発明2と引用発明2とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、被保護者を所要の地点で検出できるように複数の移動通信端末を位置させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記近距離無線通信機器は、電池を電源としたBluetooth端末である位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。
[相違点4]
「基地局端末」が、本件発明2では、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであるのに対し、引用発明2では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点5]
「Bluetooth端末」が、本件発明2では「ボタン電池のみを電源として長期間使用可能」であるのに対し、引用発明2では、「二次電池を電源として少なくとも1年以上動作可能」である点。

イ.判断(特許法第29条第2項について)
上記相違点4は、本件発明1と引用発明1との相違点1と同様のものである。
したがって、上記(1)の本件発明1の判断と同様の理由で、相違点4に係る本件発明2の発明特定事項は、引用発明2から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、相違点5について検討するまでもなく、本件発明2は、引用発明2から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)本件発明3について
ア.対比
本件発明3と引用発明3とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、引用発明3における「管理者」は本件発明3における「保護者」に相当し、また、引用発明3における「管理者端末13」は本件発明3における「保護者用端末」に相当する。

以上の点から見て、本件発明3と引用発明3とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、被保護者を所要の地点で検出できるように複数の移動通信端末を位置させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備えた位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。
[相違点6]
「基地局端末」が、本件発明3では、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであるのに対し、引用発明3では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点7]
本件発明3では「前記保護者が、必要なときに前記保護者用端末を用いて前記管理サーバーにアクセスすることで、前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」を備えるのに対し、引用発明3では、かかる構成を有しない点。

イ.判断
(ア)特許法第29条第1項第3号について
上記相違点6及び7を有するから、本件発明3と引用発明3と同一であるとはいえない。

(イ)特許法第29条第2項について
上記相違点6は、本件発明1と引用発明1との相違点1と同様のものである。
したがって、上記(1)の本件発明1の判断と同様の理由で、相違点6に係る本件発明3の発明特定事項は、引用発明3から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、相違点7について検討するまでもなく、本件発明3は、引用発明3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ウ.特許異議申立人の主張について
異議申立人大谷は、大谷意見書の第5ページ第21行ないし第6ページ第2行において、「訂正後の請求項3には、『前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列のー覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段』という下線部の要件(訂正要件C)が追加されている。ここで、訂正要件Cの『時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能』との記載は、『時系列の一覧形式」と『地図上に表示された移動履歴』との一方のみを択一的に閲覧できる構成を特定しているのか、両方が同時に表示されて同時に閲覧できる構成を特定しているのか、何れともわからないものとなっている。従って、本件特許発明の訂正後の請求項3は、特許を受けようとする発明が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号(同法第113条第4号)に違反している。」旨の主張をしている。
当該主張を検討するに、「前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列のー覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段」という記載は、「時系列の一覧形式」と「地図上に表示された移動履歴」が閲覧できることを意味することは明らかであるから、当該記載が明確でないとはいえない。
したがって、異議申立人大谷の当該主張を採用することはできない。

(4)本件発明4について
ア.対比
本件発明4と引用発明4とを対比すると、引用発明4における「前記管理対象ユーザが所持した前記ユーザ端末11が、前記位置情報中継端末12で検出されたときに、前記検出時データを、前記管理者端末13に伝送する手段」は、「被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記保護者用端末に伝送する手段」という限りにおいて、本件発明4における「被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の前記基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段」と共通する。

以上の点から見て、本件発明4と引用発明4とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、被保護者を所要の地点で検出できるように複数の移動通信端末を位置させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記保護者用端末に伝送する手段を、更に備えた位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。
[相違点8]
「基地局端末」が、本件発明4では、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであるのに対し、引用発明4では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点9]
本件発明4では「被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の前記基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段」を備えるのに対し、引用発明4では、かかる構成を有しない点。

イ.判断(特許法第29条第2項について)
上記相違点8は、本件発明1と引用発明1との相違点1と同様のものである。
したがって、上記(1)の本件発明1の判断と同様の理由で、相違点8に係る本件発明4の発明特定事項は、引用発明4から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
また、仮に、被保護者が所持した近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の基地局端末で検出されたときに、検出時データを、保護者用端末に電子メールで送信することが甲第3及び4号証に記載された事項に基くような周知技術(以下、「周知技術1」という。)であるとしても、相違点8の判断に影響を与えるものではない。
したがって、相違点9について検討するまでもなく、本件発明4は、引用発明4及び周知技術1から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(5)本件発明5について
ア.判断(特許法第29条第2項について)
本件発明5は、本件発明3または4の発明特定事項の全てを含むものである。
したがって、仮に、基地局端末は携帯端末であって、被保護者と共に行動する見守り役に所持させること、及び、所定の時刻もしくは所定の時間間隔ごとに、前記被保護者が前記見守り役の近辺にいることを保護者が所持する保護者用端末に通知する通知手段を備えることが甲第3及び5号証に記載された事項に基くような周知技術(以下、「周知技術2」という。)であるとしても、本件発明5が引用する本件発明3が、引用発明3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、本件発明5は、本件発明3と同様の理由で、引用発明3及び周知技術2から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないか、または、本件発明5が引用する本件発明4が、引用発明4及び周知技術1から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、本件発明5は、本件発明4と同様の理由で、引用発明4並びに周知技術1及び2から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

イ.特許異議申立人の主張について
異議申立人大谷は、大谷意見書の第6ページ第4行ないし第11行において、「訂正後の請求項5には、『・・・前記保護者用端末に電子メールで通知する通知手段を、前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として、更に備えた』という下線部の要件(以下『訂正要件F』という)が追加されている。ここで、訂正要件Fの『前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として』との記載は、動作の主体が特定されておらず、本件特許発明に係るシステムとしてどのような構成を備えているかも全く特定されていない。従って、本件特許発明の訂正後の請求項5は、特許を受けようとする発明が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号(同法第113条第4号)に違反している。」旨の主張をしている。
当該主張を検討するに、請求項5には、「前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として」という語句の前に、「前記被保護者が前記見守り役の近辺にいることを前記保護者が所持する前記保護者用端末に電子メールで通知する通知手段」と記載されていることから、
「オプション機能」は、「前記被保護者が前記見守り役の近辺にいることを前記保護者が所持する前記保護者用端末に電子メールで通知する」「通知手段」のことであると解される。したがって、「前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として」との記載が明確でないとはいえない。
したがって、異議申立人大谷の当該主張を採用することはできない。

(6)本件発明6についての判断(特許法第29条第2項について)
本件発明6は、本件発明3ないし5のいずれかの発明特定事項の全てを含むものである。
したがって、仮に、異常状態を保護者用端末に通知することが甲第3及び6号証に記載された事項に基くような周知技術(以下、「周知技術3」という。)であるとしても、本件発明6が引用する本件発明3と同様に、本件発明3が、引用発明3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、本件発明6は、本件発明3と同様の理由で、引用発明3及び周知技術3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないか、または、本件発明6が引用する本件発明5が、引用発明4及び周知技術1から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、本件発明6は、本件発明4と同様の理由で、引用発明4並びに周知技術1及び3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないか、または、本件発明6が引用する本件発明5が、引用発明3及び周知技術2から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、本件発明6は、本件発明5と同様の理由で、引用発明3並びに周知技術2及び3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないか、または、本件発明6が引用する本件発明5が、引用発明4並びに周知技術1及び2から当業者が容易に発明をすることができたとはいえないから、本件発明6は、本件発明5と同様の理由で、引用発明4並びに周知技術1ないし3から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(7)本件発明7について
ア.対比
本件発明7と引用発明5とを対比すると、本件発明7と引用発明5とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、被保護者を所要の地点で検出できるように複数の移動通信端末を位置させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者が子供である位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。
[相違点10]
「基地局端末」が、本件発明7では、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであるのに対し、引用発明5では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点11]
本件発明7では前記基地局端末よりも高い精度で位置情報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、前記管理サーバーは、ある基地局端末から送信されたデータが前記ビーコン端末の信号をも含んでいた場合は、該信号に基づいてより精度の高い位置情報に変換して記録する」のに対し、引用発明5では、かかる構成を有しない点。

イ.判断(特許法第29条第2項について)
上記相違点10は、本件発明1と引用発明1との相違点1と同様のものである。
したがって、上記(1)の本件発明1の判断と同様の理由で、相違点10に係る本件発明7の発明特定事項は、引用発明5から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
甲第3号証には、基地局端末が、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させることについて記載も示唆もないから、甲第3号証に記載された技術事項は、相違点10の判断に影響を与えるものではなく、また、仮に、誤差の大きいGPS信号に基く位置情報を、より制度が高いビーコンの位置情報に置き換えることが甲第7及び8号証に記載された事項に基くような周知技術(以下、「周知技術4」という。)であるとしても、相違点10の判断に影響を与えるものではない。
したがって、相違点11について検討するまでもなく、本件発明7は、引用発明5、甲第3号証に記載された技術事項及び周知技術4から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

ウ.特許異議申立人の主張について
異議申立人大谷は、大谷意見書の第6ページ第13行ないし第22行において、「訂正後の請求項7には、『・・・ビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、』という下線部の要件(訂正要件D)、及び、『前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、』という下線部の要件(訂正要件E)が追加されている。ここで、訂正要件Dの『迷子が発生する可能性がある場所』及び訂正要件Eの『所定の時間内』という要件は、その外縁が特定されておらず、あらゆる『場所」や『時間』を含み得るものとなっている。従って、本件特許発明の訂正後の請求項7は、特許を受けようとする発明が明確ではなく、特許法第36条第6項第2号(同法第113条第4号)に違反している。」旨の主張をしている。
当該主張を検討するに、請求項7における、「迷子が発生する可能性がある場所」に関しては、願書に添付した明細書の段落【0053】に「ショッピングセンター」と記載され、また、請求項7における「所定の時間」に関しては、明細書の段落【0053】に「数秒程度」と記載されていることを考慮すれば、「迷子が発生する可能性がある場所」及び「所定の時間」という記載は、その記載そのものが意味する事項を理解することができるから明確でないとはいえない。
したがって、異議申立人大谷の当該主張を採用することはできない。

4-2.取消理由についてのまとめ
(1)請求項1に対して
本件発明1は、甲第1号証に記載された発明と同一ではないから、その特許は、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものではない。
また、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び慣用技術(甲第3及び5号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。
(2)請求項2に対して
本件発明2は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。
(3)請求項3に対して
本件発明3は、甲第1号証に記載された発明と同一ではないから、その特許は、特許法第29条第1項第3号に違反してされたものではない。
また、本件発明3は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。
(4)請求項4に対して
本件発明1は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術1(甲第3及び4号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。
(5)請求項5に対して
本件発明5は、甲第1号証に記載された発明並びに周知技術1(甲第3及び4号証参照)及び周知技術2(甲第3及び5号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。
(6)請求項6に対して
本件発明6は、甲第1号証に記載された発明、周知技術1(甲第3及び4号証参照)、周知技術2(甲第3及び5号証参照)及び周知技術3(甲第3及び6号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。
(7)請求項7に対して
本件発明7は、甲第1号証に記載された発明、甲第3号証に記載された技術事項及び周知技術4(甲第7及び8号証参照)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。

4-3.特許異議申立書に記載した特許異議申立理由について
(1)異議申立人河原田による特許異議申立書(以下、「河原田特許異議申立書」という。)に記載した特許異議申立理由(特許法第29条第2項)について
異議申立人河原田は、河原田特許異議申立書に添付して、甲第1ないし5号証(以下、それぞれ「甲1A」ないし「甲5A」という。)を提出し、本件発明1ないし7は、甲1Aないし甲5Aに記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張している。

ア.甲各号証について
甲1A:特開2010-147536号公報
甲2A:特許第5412636号公報
甲3A:特開2010-122772号公報
甲4A:特表2013-524345号公報
甲5A:特開2013-33423号公報

甲1Aの段落【0019】、【0022】、【0023】、【0026】、【0029】、【0030】、【0032】ないし【0036】、【0043】、【0045】、【0047】、【0048】、【0071】ないし【0076】、【0079】及び【0080】並びに【0047】、【0048】、【0030】の記載事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲1Aには、次の発明(以下、「甲1A発明」という。)が記載されている。

「移動する児童に所持させ、かつ、RFIDタグのID情報を有しているが位置情報は有していない他の携帯端末10bと、
移動する児童に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍に設けられた中継局30と、
前記代表者の携帯端末10a及び中継局30より送信された情報が登録されるサービスサーバ20と、を備え、
前記代表者の携帯端末10aは、
代表者が所持する携帯端末であって、
通信可能な前記他の携帯端末10bを検出するリーダ/ライタと、リーダ/ライタが他の携帯端末10bまたは中継局30を検出したときに実行される機能と、を備え、
前記機能は、
前記代表者の携帯端末10aと通信状態にある前記他の携帯端末10bより前記RFIDタグのID情報を取得し、
GPSによる測位を実施して位置情報を取得し、
取得したRFIDタグのID情報及び位置情報を少なくとも含む更新情報を前記サービスサーバ20に送信する送信手段と、を有する見守りサービスシステム。」

イ 対比
本件発明1と甲1A発明とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、甲1A発明における「児童」は本件発明1における「被保護者」に相当し、以下同様に、「RFIDタグのID情報」は「識別情報」に、「他の携帯端末10b」は「近距離無線通信機器」及び「機器」に、「サービスサーバ20」は「管理サーバー」に、「見守りサービスシステム」は「位置情報通知システム」に、それぞれ相当する。
また、甲1A発明における「中継局30」と「代表者の携帯端末10a」とが、本件発明1における「基地局端末」に相当するといえるから、甲1A発明における「中継局30」と「代表者の携帯端末10a」は「基地局端末になり得る部材」という限りにおいて本件発明1における「基地局端末」と共通する。
そして、甲1A発明における「代表者」は「本件発明1における「経路の近傍にいる者」に相当し、また、甲1A発明における「代表者の携帯端末10a」は、「携帯端末」という限りにおいて、本件発明1における「スマートフォン又はタブレット型の携帯端末」と共通する。
また、甲1A発明における「通信可能な前記他の携帯端末10bを検出するリーダ/ライタと、リーダ/ライタが他の携帯端末10bまたは中継局30を検出したときに実行される機能」は本件発明1における「通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段」に相当し、甲1A発明における「前記他の携帯端末10bより前記RFIDタグのID情報を取得し」は本件発明1における「前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と」に相当し、甲1A発明における「GPSによる測位を実施して位置情報を取得し」は本件発明1の「GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段」に相当し、甲1A発明における「取得したRFIDタグのID情報及び位置情報を少なくとも含む更新情報」は本件発明1の「識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データ」に相当する。
以上の点から見て、本件発明1と甲1A発明とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍に設けられた基地局端末になり得る部材と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
基地局端末になり得る部材は、
前記経路の近傍にいる者が所持する携帯端末であって、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末になり得る部材と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有する位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。

[相違点12]
「基地局端末」が、本件発明1では、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な」ものであるのに対し、甲1A発明では、「中継局30」と「代表者の携帯端末10a」とからなるものであり、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであるとはいえない点。

[相違点13]
本件発明1では「基地局端末が、スマートフォン又はタブレット型携帯端末」であって、「識別情報と照合する情報は格納されて」いないのに対し、甲1A発明では、「代表者の携帯端末10a」が、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点14]
本件発明1では、「前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする」のに対し、甲1A発明では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

ウ.判断(特許法第29条第2項について)
上記相違点12について検討する。
上記甲1A及び甲3Aには、「基地局端末」が、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な」ものであることは、記載も示唆もされていない。
そして、相違点12に係る本件発明1の発明特定事項を有することにより、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】及び【0013】の「本発明が解決しようとする課題は、従来は、被保護者にGPS機能を有した高価な端末を持たせることなく、被保護者の行動を見守ることが可能な位置情報通知システムが提案されていなかった点である。なお、『被保護者の行動を見守る』とは、被保護者が目的地に到着したとか、目的地から出発したというような一地点における情報を通知するだけでなく、被保護者が例えば自宅と目的地を移動する間の複数の地点の位置情報についても、随時、保護者が確認できることを意味する。」との課題を解決できると解される。
以上のことを総合すると、相違点12に係る本件発明1の発明特定事項は、甲1A発明並びに甲2A及び甲3Aに記載された技術事項から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、相違点13及び相違点14について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1A発明並びに甲2A及び甲3Aに記載された技術事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本件発明2ないし7と甲1A発明とを対比すると、上記相違点12と同様の相違点を有する。
そして、上記甲4A及び甲5Aには、「基地局端末」が、「目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な」ものであることは、記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明2ないし7は、本件発明1と同様の理由で、甲1A発明及び甲2Aないし甲5Aに記載された技術事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

エ.特許異議申立人の主張について
異議申立人河原田は、河原田特許異議申立書の第26ページ第11行ないし第27ページ第20行において、「以上のとおりであるから、本件特許発明1と甲1発明は以下の点で相違し、その余の点で一致する。(a)相違点1 構成要件Bについて、本件特許発明1の『基地局端末』は、目的地までの『経路の近傍にいるものに所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能』な端末であるのに対し、甲1発明の『中継局』は、目的地までの『経路の近傍にいるものに所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能』な端末であるかどうかについて開示がない点。(b)相違点2 構成要件D、D1、D2、E、E1、E2及びE3について、本件特許発明1の基地局端末は、近距離無線通信機器から識別情報を取得し、その取得した識別情報を管理サーバーに送信するのに対し、甲1発明の中継局は、他の携帯端末から代表者の携帯端末を介してID情報を取得し、その取得したID情報をサービスサーバに送信する(段落0027、0029)点で相違する。・・・中略・・・以上より、本件特許発明1は甲第1号証乃至甲第3号証に基づいて、当業者が容易に相当し得た発明である。」と主張し、基地局端末における主要な構成である位置情報を取得するための手段と、識別情報を取得するための手段とをそれぞれ別の相違点として本件発明1の進歩性を否定している。
しかしながら、本件発明1においては、位置情報を取得するための手段と識別情報を取得するための手段との二つを合わせ持つものが、「基地局端末」といえるのであるから、本件発明1と甲1A発明とを対比するにあたって、基地局端末に関して、位置情報を取得するための構成に関する相違点(上記主張における相違点1)と、識別情報を取得するための構成に関する相違点(上記主張における相違点2)とに分けて、それぞれを個別に判断すべきものではない。
したがって、異議申立人河原田の当該主張を採用することはできない。

オ.まとめ
本件発明1ないし7は、甲1Aに記載された発明及び甲2Aないし5Aに記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。

(2)異議申立人後藤による特許異議申立書(以下、「後藤特許異議申立書」という。)に記載した特許異議申立理由(特許法第29条第2項)について
異議申立人後藤は、後藤特許異議申立書に添付して、刊行物である甲第1ないし6号証(以下、それぞれ「甲1B」ないし「甲6B」という。)を提出し、本件発明1ないし7は、甲1Bないし甲6Bに記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張している。

ア.甲各号証について
甲1B:特開2010-147536号公報
甲2B:特表2013-524345号公報
甲3B:特開2010-122772号公報
甲4B:特開2007-72541号公報
甲5B:特開2010-130661号公報
甲6B:Mac People,2014年3月28日発行,2014年5月号,109ないし113ページ

甲1Bの段落【0025】、【0026】、【0029】、【0030】、【0032】及び【0079】の記載事項及び図面の図示内容を総合し、本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲1Bには、次の発明(以下、「甲1B発明」という。)が記載されている。

「集団登下校の班長などの代表者以外の児童に所持させ、かつ、RFIDタグのID情報を有しているが位置情報は有していない携帯端末10bと、
集団登下校の班長などの代表者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な携帯端末10aと、
前記携帯端末10aより送信された情報が登録されるサービスサーバ20と、を備え、
前記携帯端末10aは、
集団登下校の班長などの代表者が所持する携帯端末であって、
通信可能な前記携帯端末10bをサーチし、該携帯端末10bが検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、
前記サーチ手段が前記携帯端末10bを検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記携帯端末10aと通信状態にある前記携帯端末10bの前記RFIDタグからID情報を取得するID情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得するGPS機能と、
前記ID情報取得手段及び前記GPS機能により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記サービスサーバ20に送信する送信手段と、を有する見守りサービスシステム。」

イ 対比
本件発明1と甲1B発明とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、甲1B発明における「集団登下校の班長などの代表者以外の児童」は本件発明1における「移動する被保護者」に相当し、以下同様に、「RFIDタグのID情報」は「識別情報」に、「携帯端末10b」は「近距離無線通信機器」及び「機器」に、「携帯端末10a」は「基地局端末」に、「サービスサーバ20」は「管理サーバー」に、「ID情報取得手段」は「識別情報取得手段」に、「GPS機能」は「位置情報取得手段」に、「見守りサービスシステム」は「位置情報通知システム」に、それぞれ相当する。
また、甲1B発明における「集団登下校の班長」は代表者であって被保護者ではないといえるとともに、甲1発明における「集団登下校の班長などの代表者」は、「集団登下校の班長などの代表者以外の児童」と同様に「目的地に向かって移動」するから、本件発明1における「経路の近傍にいる者」に相当し、「集団登下校の班長などの代表者」が所持する「携帯端末10a」は、「集団登下校の班長などの代表者以外の児童」と同様に「目的地に向かって移動」し、「目的地までの経路の近傍」にあることが明らかであるから、甲1B発明における、「集団登下校の班長などの代表者に所持させ」ることは、から、本件発明1における「移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように、経路の近傍にいる者に所持させ」ることに相当する。

以上の点から見て、本件発明1と甲1B発明とは、
[一致点]
「移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように、経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
基地局端末になり得る部材は、
前記経路の近傍にいる者が所持する携帯端末であって、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末になり得る部材と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有する位置情報通知システム。」
である点で一致し、次の各点で相違する。

[相違点15]
「基地局端末」が、本件発明1では、「目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように所持させる」ものであるのに対し、甲1B発明では、「目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように所持させる」ものではない点。

[相違点16]
本件発明1では、「基地局端末が、スマートフォン又はタブレット型携帯端末」であって、「識別情報と照合する情報は格納されて」いないのに対し、甲1B発明では、「携帯端末10a」が、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

[相違点17]
本件発明1では、「前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにする」のに対し、甲1B発明では、かかる構成を有するかどうか明らかでない点。

ウ.判断(特許法第29条第2項について)
上記相違点15について検討する。
上記甲1Bには、「基地局端末」が、「前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであることは、記載も示唆もされていない。
そして、相違点15に係る本件発明1の発明特定事項を有することにより、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0012】及び【0013】の「本発明が解決しようとする課題は、従来は、被保護者にGPS機能を有した高価な端末を持たせることなく、被保護者の行動を見守ることが可能な位置情報通知システムが提案されていなかった点である。なお、『被保護者の行動を見守る』とは、被保護者が目的地に到着したとか、目的地から出発したというような一地点における情報を通知するだけでなく、被保護者が例えば自宅と目的地を移動する間の複数の地点の位置情報についても、随時、保護者が確認できることを意味する。」との課題を解決できると解される。
以上のことを総合すると、相違点15に係る本件発明1の発明特定事項は、甲1B発明から当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、相違点16及び相違点17について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1B発明から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本件発明2ないし7と甲1B発明とを対比すると、上記相違点15と同様の相違点を有する。
そして、上記甲2Bないし甲6Bには、「前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ」るものであることは、記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明2ないし7は、本件発明1と同様の理由で、甲1B発明及び甲2Bないし甲6Bに記載された技術事項から当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

エ.特許異議申立人の主張について
異議申立人後藤は、後藤特許異議申立書の第16ページ第29行ないし第17ページ第14行において、「次に、本件特許発明1は、『目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させる』と記載されているのに対して、甲第1号証には、かかる記載が存在しない。しかしながら、甲1発明にように、集団登下校の班長などの代表者に携帯端末10bを所持させることは、実質的に『目的地に向かって移動する被保護者を所要の地点で検出できるように目的地までの経路の近傍にいる者に所持させる』ことを意味する。なお、『あらかじめ複数存在している状態となるように』するかは否かは技術事項ではなく、単なる運用的・人為的な取り決め事項に過ぎず、技術的意味を持たない。特に、ここでは『複数』と記載されているが、所要の地点で検出できれば良いので、『複数』存在している状態とする意味がない。これらのことから、甲1発明のものは、『目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させる』という記載に関して本件特許発明1と設計上または運用上の差異に過ぎない。」と主張している。
しかしながら、甲1Bにおいては、「移動する被保護者」である「集団登下校の班長などの代表者以外の児童」と、「基地局端末」である「携帯端末10b」を所持する「集団登下校の班長」は、一緒に行動することを前提とするものであるから、「基地局端末」である「携帯端末10b」を所持する「集団登下校の班長」を本件発明1のように「前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように」することには、阻害要因がある。
したがって、「基地局端末」である「携帯端末10b」を「前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させる」ことが、設計上または運用上の差異にすぎないということはできない。
したがって、異議申立人後藤の当該主張を採用することはできない。

オ.まとめ
本件発明1ないし7は、甲1Bに記載された発明及び甲2Bないし甲6Bに記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項に違反してされたものではない。

(3)まとめ
以上のとおりであるから、上記(1)及び(2)の特許異議申立理由は、いずれも採用できない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2、3ないし6、7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2、3ないし6、7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
前記経路の近傍にいる者が所持するスマートフォン又はタブレット型の携帯端末であって、前記識別情報と照合する情報は格納されておらず、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記サーチ手段と前記検出時手段は、前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末にインストールされるアプリによって実現され、
前記スマートフォン又は前記タブレット型の携帯端末に前記アプリをインストールさせることにより、前記基地局端末が、前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるようにすることを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項2】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記近距離無線通信機器は、ボタン電池のみを電源として少なくとも1年以上動作可能なBluetooth端末であることを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項3】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、
前記保護者が、必要なときに前記保護者用端末を用いて前記管理サーバーにアクセスすることで、前記検出時データを、前記被保護者の動きとして時系列の一覧形式で、また地図上に表示された移動履歴としても閲覧可能とした移動履歴閲覧手段を、更に備えたことを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項4】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者の保護者に所持させ、前記管理サーバーに登録された前記検出時データを閲覧可能な保護者用端末を備え、
前記被保護者が所持した前記近距離無線通信機器が、あらかじめ設定しておいた特定の前記基地局端末で検出されたときに、前記検出時データを、前記送信手段が実行されるときの時刻データと共に前記保護者用端末に電子メールで送信する指定エリア通知手段を、更に備えたことを特徴とする位置情報通知システム。
【請求項5】
前記基地局端末はスマートフォンであって、前記経路の近傍にいる者に所持させるのに加えて、前記被保護者と共に行動する見守り役にも所持させ、
所定の時刻もしくは所定の時間間隔ごとに、前記被保護者が前記見守り役の近辺にいることを前記保護者が所持する前記保護者用端末に電子メールで通知する通知手段を、前記基地局端末の数が不足する可能性がある場合に用いるオプション機能として、更に備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の位置情報通知システム。
【請求項6】
前記被保護者が子供もしくは老人であって、
前記保護者用端末は、前記被保護者が所持している特定の近距離無線通信機器と常時無線通信し、前記特定の近距離無線通信機器が検出できなくなったときに、前記被保護者が迷子もしくは徘徊の状態となっている可能性があることを前記保護者用端末に電子メールで通知するアラーム手段を、更に備えたことを特徴とする請求項3?5の何れかに記載の位置情報通知システム。
【請求項7】
移動する被保護者に所持させ、かつ、識別情報を有しているが位置情報は有していない近距離無線通信機器と、
移動する被保護者に所持させるのではなく、目的地に向かって移動する前記被保護者を所要の地点で検出できるように前記目的地までの経路の近傍に、あらかじめ複数存在している状態となるように前記経路の近傍にいる者に所持させ、かつ、GPS衛星からの信号により位置情報を取得可能な基地局端末と、
前記基地局端末より送信された情報が登録される管理サーバーと、を備え、
前記基地局端末は、
通信可能な前記近距離無線通信機器をサーチし、該機器が検出できたかどうかを判断するサーチ手段と、前記サーチ手段が前記近距離無線通信機器を検出したときに実行される検出時手段と、を備え、
前記検出時手段は、
前記基地局端末と通信状態にある前記近距離無線通信機器より前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
GPS衛星からの信号により位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記識別情報取得手段及び前記位置情報取得手段により取得された夫々の情報を少なくとも含む検出時データを前記管理サーバーに送信する送信手段と、を有し、
前記被保護者が子供であって、
前記基地局端末よりも高い精度で位置情報を特定可能なビーコン端末を迷子が発生する可能性がある場所に設置し、
前記基地局端末において、前記サーチ手段が、通信可能な前記近距離無線通信機器と共に前記ビーコン端末の信号を同時にあるいは所定の時間内に検出したときは、前記送信手段は、前記ビーコン端末の信号も管理サーバーに併せて送信し、
前記管理サーバーは、ある基地局端末から送信されたデータが前記ビーコン端末の信号をも含んでいた場合は、該信号に基づいてより精度の高い位置情報に変換して記録することを特徴とする位置情報通知システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-06-26 
出願番号 特願2015-519679(P2015-519679)
審決分類 P 1 651・ 841- YAA (G08B)
P 1 651・ 851- YAA (G08B)
P 1 651・ 121- YAA (G08B)
P 1 651・ 855- YAA (G08B)
P 1 651・ 113- YAA (G08B)
P 1 651・ 854- YAA (G08B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 倍司宮田 繁仁  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 中川 隆司
小関 峰夫
登録日 2016-03-04 
登録番号 特許第5891468号(P5891468)
権利者 株式会社otta
発明の名称 位置情報通知システム  
代理人 河原 秀樹  
代理人 山本 進  
代理人 山本 進  
代理人 河原 秀樹  
代理人 溝上 哲也  
代理人 溝上 哲也  
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