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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H01R
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H01R
審判 訂正 2項進歩性 訂正する H01R
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H01R
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H01R
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H01R
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H01R
管理番号 1331534
審判番号 訂正2015-390145  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2015-12-15 
確定日 2017-08-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5220888号に関する訂正審判事件についてされた平成28年5月23日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成28年(行ケ)第10151号、平成29年5月31日判決言渡)があったので更に審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 特許第5220888号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判の請求に係る特許第5220888号(以下「本件特許」という。)は、平成20年8月5日に出願された特願2008-201583号(以下「もとの出願」という。)の一部を平成23年6月3日に新たな特許出願としたものであって、平成25年3月15日に設定登録され、以後の主な手続は以下のとおりである。

平成27年 9月10日 訂正2015-390100の請求
同年10月 6日 上申書
同年10月30日 訂正拒絶理由通知(起案日)
同年12月 7日 請求取下
同年12月15日 本件訂正審判の請求
平成28年 2月25日 訂正拒絶理由通知(起案日)
同年 3月30日 意見書
同年 5月23日 審決
平成29年 5月31日 知的高等裁判所において審決取消しの判決
(平成28年(行ケ)第10151号)

第2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
本件審判の請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。

1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部が相手端子に嵌合側から順次弾性接触するようになっており、」とあるのを、「該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じて相手端子に嵌合側から順次弾性接触するようになっており、」に訂正する。

3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項2に「第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し、」とあるのを、「第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成されており、」に訂正する。

4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項2に「上記第一接触部の嵌合側と反対側の縁部の嵌合側と反対側に」とあるのを、「上記第一接触部の嵌合側と反対側の下縁の嵌合側と反対側に」に訂正する。

5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項2に「近接して位置し、」とあるのを、「近接して位置付けられることにより有効嵌合長が長く確保されており、」に訂正する。

6 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項2に「第二弾性腕の全長の方が長く設定されていること」とあるのを、「第二弾性腕の全長の方が長く設定されており、第一弾性部の板面の幅が、第二弾性部の板面の幅より大きく設定されていること」に訂正する。

7 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項3に「請求項1または請求項2」とあるのを、「請求項2」に訂正する

8 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1ないし請求項3のいずれか一つ」とあるのを、「請求項2または請求項3」に訂正する。

9 訂正事項9
願書に添付した明細書の段落【0010】を「本発明に係る発明の多接点端子を有する電気コネクタは、端子が基板に接続される接続部を下端側に有する共に、自由端側が上方へ向け並んで延びる第一弾性腕と第二弾性腕を有し、上方から嵌合される相手コネクタとの嵌合時に、該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じて相手端子に順次弾性接触するようになっており、端子は金属板の板面を維持したまま作られていて、該端子の板厚方向に間隔をもってハウジングに配列されている。」と訂正する。

10 訂正事項10
願書に添付した明細書の段落【0011】を「かかる多接点端子を有する電気コネクタにおいて、本発明では、端子の第一弾性腕と第二弾性腕は、相手端子との接触位置を通りコネクタ嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成されており、相手コネクタと接触する接点から第一接触部の突出基部に向けた直線と、上記斜縁を通る直線とでなす角度が鋭角であり、第二弾性腕の第二接触部が上記第一接触部の嵌合側と反対側の下縁の嵌合側と反対側に接近して位置付けられることにより有効嵌合長が長く確保されており、上記第一弾性部の嵌合側と反対側端部から第二弾性腕の嵌合側端部までのコネクタ嵌合方向での距離に比べ、第二弾性腕の全長の方が長く設定されており、第一弾性部の板面の幅が、第二弾性部の板面の幅より大きく設定されていることを特徴としてもよい。」と訂正する。

第4 訂正拒絶の理由
一方、平成28年2月25日付けで通知した訂正の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。

訂正後における特許請求の範囲の請求項2に係る発明は、本件特許のもとの出願の出願前に頒布された米国特許第3631381号明細書(以下「刊行物1」という。)に記載された発明、米国特許第3414871号明細書(以下「刊行物2」という。)に記載された発明、周知の技術事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件審判の請求は、同法第126条第7項の規定に適合しない。

第5 訂正の適否についての判断
1 訂正の目的
訂正事項1ないし3及び5ないし8は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、訂正事項4、9及び10は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

2 新規事項
訂正事項1ないし10は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、訂正事項1ないし10は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 拡張・変更の存否
訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
訂正事項2、3、5及び6は、請求項2に記載した発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
訂正事項4は、特許請求の範囲の記載の整合を図るものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
訂正事項7及び8は、引用する請求項の数を減じるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
訂正事項9及び10は、上記訂正事項2ないし6に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明との整合を図るため、明細書の記載を訂正するものであるから、訂正事項2ないし6と同様、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

4 独立特許要件
(1)訂正後の請求項2ないし5に係る発明
訂正後の請求項2ないし5に係る発明は、審判請求書に添付した特許請求の範囲の請求項2ないし5に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項2ないし5に係る発明(以下、それぞれ「本件訂正発明1」ないし「本件訂正発明4」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項2】
端子が基板に接続される接続部を有すると共に、自由端が嵌合側へ向け並んで延び、ハウジングの壁面との間にすき間をもって弾性変位可能な第一弾性部の嵌合側端部に第一接触部が形成された第一弾性腕と第二弾性部の嵌合側端部に第二接触部が形成された第二弾性腕を有し、相手コネクタとの嵌合時に、該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じて相手端子に嵌合側から順次弾性接触するようになっており、端子は金属板の板面を維持したまま作られていて、該端子の板厚方向に間隔をもってハウジングに配列されている電気コネクタにおいて、端子の第一弾性腕と第二弾性腕は、相手端子との接触位置を通りコネクタ嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成されており、相手コネクタと接触する接点から第一接触部の突出基部に向けた直線と、上記斜縁を通る直線とでなす角度が鋭角であり、第二弾性腕の第二接触部が上記第一接触部の嵌合側と反対側の下縁の嵌合側と反対側に近接して位置付けられることにより有効嵌合長が長く確保されており、上記第一弾性部の嵌合側と反対側端部から第二弾性腕の嵌合側端部までのコネクタ嵌合方向での距離に比べ、第二弾性腕の全長の方が長く設定されており、第一弾性部の板面の幅が、第二弾性部の板面の幅より大きく設定されていることを特徴とする多接点端子を有する電気コネクタ。
【請求項3】
端子の第一弾性腕及び第二弾性腕にそれぞれ形成された第一接触部及び第二接触部は、コネクタ嵌合時に相手端子と最初に接触する第一接触部の相手端子に対する接触圧が次に接触する第二接触部での接圧よりも大きくなっていることとする請求項2に記載の多接点端子を有する電気コネクタ。
【請求項4】
第一弾性腕の第一接触部における接触圧と、次に接触する第二弾性腕の第二接触部における接触圧との比が2対1であることとする請求項3に記載の多接点端子を有する電気コネクタ。
【請求項5】
第一弾性腕と第二弾性腕は、固有振動数がそれぞれ異なることとする請求項2または請求項3に記載の多接点端子を有する電気コネクタ。」

(2)刊行物
ア 刊行物1
刊行物1には、「MULTIPLE ELECTRICAL CONNECTOR」(マルチプル電気コネクタ)について、図面と共に、次の事項が記載されている。仮訳は、本件特許に対する訂正2015-390100号の審判手続において請求人が平成27年10月6日付けで提出した上申書に添付した刊行物1の訳文に基づき、当審が作成した。

(ア)2欄24行?4欄8行(上記訳文2枚目下から6行?4枚目下から2行。なお、下線は当審で付した。)

(仮訳)
最初に図1及び図2を参照すると、本発明の超小形多重電気コネクタは、本発明の上記原理に従って特別に設計されたコネクタ要素を多数受け入れるように構成されたレセプタクルを備える。各コネクタ要素は略C状で示され、レセプタクルは略R状で示されている。
レセプタクルRは、単一の絶縁材成形品から成り、プリント回路基板Bを受け入れるための長手溝10を中央に設けて形成される。前記溝は2つの向かい合った壁12及び14によって形成され、これら壁の少なくとも一方に、好ましくは両方にレセプタクルに収容されるコンタクト要素Cの数に対応した数のポケット16、16が溝に沿って長手方向に互いに距離を置いて形成される。各コンタクト要素は、ポケット16によって位置決めされ、かつ一部が収容される。レセプタクルRは、取付要素を受け入れるための有孔ターミナルラグ部18(図面には1つだけ図示)をさらに設けて形成されてもよい。
各コンタクト要素Cは音叉、即ち二又部材の形態で構成され、基部20とこの基部から上方に延在する一対のばね脚22及び24とを備えるように一枚の導電体シートから形成される。一対のばね脚は同一平面にあり、図面に明確に示されているように長さが互いに異なる。2つのばね脚22、24は、プリント回路基板Bの接触領域30、30に係合するように適合化された側方突出部26及び28をそれぞれ上端に有する。さらに各コンタクト要素は、電気端子を形成するテール部32を1つ以上設けて形成される(図面には1つ示されている)。図示のようにコンタクト要素はシート素材から形成されるので図示のように平らに作製される。したがって、このシート形状のコンタクト要素は、図1及び図2に最も良く示されているようにレセプタクルのポケット16内にプリント回路基板の平面に対して直角な平面に、配置される構造を有する。
上記のようにばね脚22及び24は長さが互いに異なる。コンタクト要素のこの構成及びレセプタクル内のそれぞれの位置及び配置により、ばね脚22、24は互いに独立に機能してプリント回路基板の接触領域30との電気的接続をもたらす。これにより、コネクタを利用する際、コンタクト要素の第2のばね脚によって冗長性がもたらされる。また、各コンタクト要素の基部20は、溝孔34をばね脚間に設けて形成される。この溝孔34は、前記ばね脚のそれぞれに加えられうる異なる接触圧又は荷重特性を決定するように構成される。したがって、各コンタクト要素は、コンタクト要素において、プリント回路基板の接触領域との電気的接触をもたらすために互いに独立に機能するよう特別に構成された部材又は部分(2つのばね脚)である。これら部材は、互いに独立した偏位特性を有し、更に、コネクタを使用している際に生じる異なる振動周波数に対応した、異なる共振周波数をも有する。
上記の構造を採ることにより、荷重特性については、いくつかの選択(すなわち、2つのばね脚にかかる荷重が等しい、短ばね脚にかかる荷重より長ばね脚にかかる荷重が小さい、及び、長ばね脚にかかる荷重より短ばね脚にかかる荷重が小さい)をすることが可能になる。これら選択肢は、ばね脚間の溝孔34の下端の形状を決めることで調整される。
上記のように、これらコンタクト要素は1シートインチの導電材料から形成される。この材料は燐青銅であることが好ましく、金又は銀鍍金されることが好ましい。このようなシート材として、図6に示されているように厚さ0.025インチのシート素材が挙げられる。各ばね脚22、24の幅も、図4に示されているように0.025インチ台である。ばね脚22の上端の幅は、突出部26も含め、図6に示されているように0.122インチにしうる。ばね脚24の上端の幅は、側方突出部も含め、図7に示されているように0.067インチにしうる。使用されるさまざまなプリント回路基板Bの厚さは、0.060乃至0.070インチ台でよい。これらの寸法ならびにポケット16の中心間の間隔0.050はコネクタの超小形特性を示している。
各コンタクト要素の基部20は、当該コンタクト要素をレセプタクルの基部に確実に取り付けるために、レセプタクルのポケット16の壁161及び162との係合用の側方突出部201及び202を設けて形成される。各コンタクト要素を締まり嵌めによってレセプタクル内に保持するために、各コンタクト要素の少なくとも一方の突出部にさらなる突起又は隆起36が形成される。この締まり嵌めによる取り付けにより、音叉状コンタクト要素の2つのフォーク、すなわちばね脚22及び24、の接触調整及び移動が完全に自由になる。ばね脚の上端突出部26、28の接触係合端は、同じ接触円滑さをもたらすために部分38、38が適切にコイニングされることが好ましい。上記コネクタのコンタクト要素は両端単一読み出し装置として説明されているが、これらコンタクト要素を片側用及び二重読み出し用として設けることも可能である。後者の機能は、追加のテール部をコンタクト要素に追加することによって得られる。図示のような端子テール部は巻線用に正方形であるが、半田付け用の形状にすることもできる。
図示のように右側及び左側のコンタクト要素は鏡像のような反転形状を有する。各側のコンタクト要素は、図2に明確に示されているように、さらには図3にテール部32、32の千鳥配列によって最も良く示されているように、互い違いに配置されることが好ましい。これにより端子への巻線作業が容易になる。この千鳥配列によると左側のコンタクト要素を右側に使用することも、この逆に使用することも可能である。
本コネクタの動作、コンタクト要素によって満たされる機能及び用途、及び従来技術の装置に勝る利点は、上記の詳細説明から概ね十分に明らかであろう。本発明のコネクタの構造は、コンタクト要素とプリント回路基板の導電接触領域との間の係合を保証し、コンタクト要素の確実な挿入及び容易な抜去を可能にし、コンタクト要素およびプリント回路基板の導電域の損傷又は過剰摩耗を抑止又は最小化するという通常の機能を動作及び使用中に実現することに加え、以下の目的、機能、及び利点を達成する。
a,互いに異なる長さのフォーク歯、すなわちばね脚、を有する音叉型コネクタ要素が提供される。各ばね脚は互いに独立に機能することによって、各ばね脚がプリント回路基板の接触領域との電気的接続を独立にもたらすという冗長性を提供する。
b,両ばね脚は、互いに異なる(又は等しい)接触圧又は荷重特性を決定するように構成することができる。
c,両ばね脚は、稼働中に遭遇しうるさまざまな振動周波数に一致する互いに異なる共振周波数を有するように設計される。
d,コンタクト要素は、プリント回路基板との接触及び調整係合の自由を可能にするために、コネクタレセプタクル内に基部で支持されるように設計されうる。
e,コンタクト要素は、シート素材から単純に形成されうるので、超小形エッジボードコネクタでの使用に容易に適合可能な装置を妥当な低製造コストでもたらしうる。

(イ)FIG.2及びFIG.4には、上記(ア)の「各コンタクト要素Cは音叉、即ち二又部材の形態で構成され、基部20とこの基部から上方に延在する一対のばね脚22及び24とを備える」との記載、「各コンタクト要素の基部20は、溝孔34をばね脚間に設けて形成される」との記載及び「2つのばね脚22,24は、プリント回路基板Bの接触領域30,30に係合するように適合化された側方突出部26及び28をそれぞれ上端に有する。」との記載とあわせみると、基部20には溝孔34が形成され、基部20から上方に延在するばね脚22,24が、それぞれ、弾性部と弾性部の上端に形成された側方突出部26,28とからなることが示されている。

(ウ)FIG.2には、コンタクト要素Cが、自由端が係合側へ向け並んで延び、レセプタクルRの壁12,14との間にすき間をもって弾性変位可能なばね脚22の弾性部の上端に側方突出部26が形成されたばね脚22とばね脚24の弾性部の上端に側方突出部28が形成されたばね脚24を有することが示されている。

(エ)FIG.2及びFIG.4からみて、プリント回路基板Bとの係合時に、ばね脚22とばね脚24にそれぞれ形成された側方突出部26と側方突出部28がこれら側方突出部26,28それぞれの半円形突状の部分38,38との接触を通じて接触領域30に係合側から順次弾性接触することが理解できる。

(オ)FIG.2からみて、コンタクト要素Cのばね脚22とばね脚24は、接触領域30との接触位置を通りプリント回路基板Bの係合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置することが理解できる。

(カ)FIG.2及びFIG.4には、ばね脚22の側方突出部26は、接触領域30との接触側に向かう半円形突状の部分38を有し且つ側方突出部26の下縁に凹部が形成されており、ばね脚24の側方突出部28が側方突出部26の下端に近接して位置付けられることが示されている。

(キ)上記(ア)の「各ばね脚22、24の幅も、図4に示されているように0.025インチ台である」との記載によれば、各ばね脚22,24の弾性部は0.025インチ台の幅であることが理解できる。また、FIG.2及びFIG.4には、ばね脚22の弾性部の下端より、ばね脚24の弾性部が下方に位置していることが示されている。そうすると、ばね脚22の弾性部の下端からばね脚24の上端までのプリント回路基板Bの係合方向での距離に比べ、ばね脚24の全長の方が長く設定され、ばね脚22の弾性部の板面の幅が、ばね脚24の弾性部の板面の幅に等しいといえる。

上記記載事項、認定事項及び図示内容を総合し、本件訂正発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されている。
「コンタクト要素Cが半田付け用の形状にすることもできるテール部32を有すると共に、自由端が係合側へ向け並んで延び、レセプタクルRの壁12,14との間にすき間をもって弾性変位可能なばね脚22の弾性部の上端に側方突出部26が形成されたばね脚22とばね脚24の弾性部の上端に側方突出部28が形成されたばね脚24を有し、
プリント回路基板Bとの係合時に、該ばね脚22とばね脚24にそれぞれ形成された側方突出部26と側方突出部28がこれら側方突出部26,28それぞれの半円形突状の部分38,38との接触を通じて接触領域30に係合側から順次弾性接触するようになっており、
コンタクト要素Cは導電体シートの板面を維持したまま作られていて、該コンタクト要素Cの板厚方向に間隔をもってレセプタクルRに配列されている超小型多重電気コネクタにおいて、
コンタクト要素Cのばね脚22とばね脚24は、接触領域30との接触位置を通りプリント回路基板Bの係合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、
ばね脚22の側方突出部26は、接触領域30との接触側に向かう半円形突状の部分38を有し且つ側方突出部26の下縁に凹部が形成されており、
ばね脚24の側方突出部28が側方突出部26の下端に近接して位置付けられ、
上記ばね脚22の弾性部の下端からばね脚24の上端までのプリント回路基板Bの係合方向での距離に比べ、ばね脚24の全長の方が長く設定されており、
ばね脚22の弾性部の板面の幅が、ばね脚24の弾性部の板面の幅に等しい
超小型多重電気コネクタ。」

イ 刊行物2
刊行物2には、図面(特に、FIG.18)と共に、次の事項が記載されている。仮訳は、当審が作成した。

(ア)2欄37行?41行
(仮訳)
図9は、本発明の多接触ソケットタイプコネクタが製作される打ち抜きブランクを示す。
図10は、図9の打ち抜きブランクから製作されたコネクタの側面図である。

(イ)2欄56行?57行
(仮訳)
図17と図18は、図9と図10による2つの入れ子式コネクタを示す。

(ウ)4欄53行?74行
(仮訳)
図9は、板ばねタイプのコネクタを示す。同コネクタは、付加的なリード部分21と付加的な戻り止めフラップ22を備える。コネクタのコンタクトが製作される部分は、多数の平坦で相互に独立した弾性舌部からなる。付加的なリード部分21は、ダブルリードとなることを許す。付加的な戻り止めフラップ22は、同じ目的のためにあり、異なる方法で同じ結果を達成する。図9に示されたブランクから製作された2つの屈折した板ばねは、互いに入れ子にされ、例えば、フラップ22によって、互いに戻り止めされる。2つのこのような入れ子ばねは、すでに複数のリードを有し、絶縁体の開口の中にインサートされ、或いは2番目のばねが1番目がインサートされた後に、インサートされる。
図17と図18は、図9と図10に示されたタイプの、1組の入れ子ばねを示し、すでに絶縁体の中で戻り止めされる。内部コネクタは、そのフラップ22を外部コネクタの部分35に入れて、戻り止めされる。コンタクトは、例えば、両側に電気コンタクトを備えたプリント回路基板23を受け入れるように適合される。

(エ)FIG.18には、プリント回路基板23が上方から下方に入れ子式コネクタに嵌合することが示され、また、複数の弾性舌部が、脚部とその先端側の突状の接触部とからなることが示されている。そして、上記(ウ)の記載内容を踏まえ、便宜的に最大の弾性舌部を第一弾性舌部と称し、中型の弾性舌部を第二弾性舌部と称すると、自由端が嵌合側へ向け並んで延び、絶縁体の壁面との間にすき間をもって弾性変位可能な第一弾性舌部の第一脚部の嵌合側端部に第一接触部が形成され、第二弾性舌部の第二脚部の嵌合側端部に第二接触部が形成され、プリント回路基板23との嵌合時に、該第一弾性舌部と第二弾性舌部にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じてプリント回路基板23の電気コンタクトに嵌合側から順次弾性接触するようになっており、第一弾性舌部と第二弾性舌部は、プリント回路基板23の電気コンタクトとの接触位置を通り嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性舌部の第一接触部は、該第一弾性舌部の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びてプリント回路基板23の電気コンタクトとの接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁を有していることが理解できる。

上記記載事項、認定事項及び図示内容を総合すると、刊行物2には、次の発明(以下「刊行物2発明」という。)が記載されている。

「自由端が嵌合側へ向け並んで延び、絶縁体の壁面との間にすき間をもって弾性変位可能な第一脚部の嵌合側端部に第一接触部が形成された第一弾性舌部と第二脚部の嵌合側端部に第二接触部が形成された第二弾性舌部を有し、プリント回路基板23との嵌合時に、該第一弾性舌部と第二弾性舌部にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じてプリント回路基板23の電気コンタクトに嵌合側から順次弾性接触するようになっており、第一弾性舌部と第二弾性舌部は、プリント回路基板23の電気コンタクトとの接触位置を通り嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性舌部の第一接触部は、該第一弾性舌部の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びてプリント回路基板23の電気コンタクトとの接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁を有している入れ子式コネクタ」。

(3)対比
本件訂正発明1と刊行物1発明とを対比すると、後者の「コンタクト要素C」は前者の「端子」に相当し、以下同様に、「テール部32」は「接続部」に、「係合」は「嵌合」に、「レセプタクルR」は「ハウジング」に、「ばね脚22」は「第一弾性腕」に、「ばね脚22の弾性部」は「第一弾性部」に、「ばね脚22の弾性部の上端」は「第一弾性部の嵌合側端部」に、「ばね脚22の弾性部の下端」は「第一弾性部の嵌合側と反対側端部」に、「側方突出部26」は「第一接触部」に、「側方突出部26の下端」は「第一接触部の嵌合側と反対側」に、「ばね脚24」は「第二弾性腕」に、「ばね脚24の弾性部」は「第二弾性部」に、「ばね脚24の弾性部の上端」は「第二弾性部の嵌合側端部」に、「側方突出部28」は「第二接触部」に、「プリント回路基板B」は「相手コネクタ」に、「プリント回路基板Bの係合方向」は「コネクタ嵌合方向」に、「接触領域30」は「相手端子」に、「導電体シート」は「金属板」に、「超小型多重電気コネクタ」は「多接点端子を有する電気コネクタ」にそれぞれ相当する。

したがって、両者は、
「端子が、自由端が嵌合側へ向け並んで延び、ハウジングの壁面との間にすき間をもって弾性変位可能な第一弾性部の嵌合側端部に第一接触部が形成された第一弾性腕と第二弾性部の嵌合側端部に第二接触部が形成された第二弾性腕を有し、相手コネクタとの嵌合時に、該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部が接触を通じて相手端子に嵌合側から順次弾性接触するようになっており、端子は金属板の板面を維持したまま作られていて、該端子の板厚方向に間隔をもってハウジングに配列されている電気コネクタにおいて、端子の第一弾性腕と第二弾性腕は、相手端子との接触位置を通りコネクタ嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、上記第一弾性部の嵌合側と反対側端部から第二弾性腕の嵌合側端部までのコネクタ嵌合方向での距離に比べ、第二弾性腕の全長の方が長く設定されている多接点端子を有する電気コネクタ。」
で一致し、次の点で相違する。

〔相違点1〕
本件訂正発明1は、端子が「基板に接続される接続部を有する」のに対し、
刊行物1発明は、コンタクト要素Cが半田付け用の形状にすることもできるテール部32を有する点。

〔相違点2〕
本件訂正発明1は、「これら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との」接触を通じて相手端子に順次弾性接触し、「第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成されており、相手コネクタと接触する接点から第一接触部の突出基部に向けた直線と、上記斜縁を通る直線とでなす角度が鋭角であり、第二弾性腕の第二接触部が上記第一接触部の嵌合側と反対側の下縁の嵌合側と反対側に近接して位置付けられることにより有効嵌合長が長く確保されて」いるのに対し、
刊行物1発明は、「これら側方突出部26,28それぞれの半円形突状の部分38,38との」接触を通じて接触領域30に順次弾性接触し、「ばね脚22の側方突出部26は、接触領域30との接触側に向かう半円形突状の部分38を有し且つ側方突出部26の下縁に凹部が形成されており、ばね脚24の側方突出部28が側方突出部26の下端に近接して位置付けられ」ている点。

〔相違点3〕
本件訂正発明1は、「第一弾性部の板面の幅が、第二弾性部の板面の幅より大きく設定されている」のに対し、
刊行物1発明は、「ばね脚22の弾性部の板面の幅が、ばね脚24の弾性部の板面の幅に等しい」点。

(4)判断
事案に鑑み、相違点2を先に検討する。
ア 相違点2について
本件特許に係る出願のもとの出願時に、電気コネクタの技術分野において有効嵌合長を長く確保することは、周知の技術事項(例えば、特開2003-168505号公報に「両接続片11、11間に進入する端子23の有効嵌合長及び端子23のばね長を長くし、接触信頼性を高めることができる」(段落【0040】)との記載参照。)である。
そうすると、刊行物1発明において、上記周知の技術事項を踏まえ、「ばね脚24の側方突出部28が側方突出部26の下端に近接して位置付けられる」との事項により、有効嵌合長を長く確保することに格別の困難性はない。
また、相手コネクタと接触する接点から接触部の突出基部に向けた直線と、斜縁を通る直線とでなす角度を鋭角とする点については従来周知である(例えば、特開2003-168505号公報の図4及び図5、刊行物2のFIG.9及びFIG.18、特開昭47-1532号公報のFig.3、特開2003-264015号公報の図2を参照)。
そうすると、刊行物1発明に刊行物2発明を適用したものにおいて、相手コネクタと接触する接点から第一接触部の突出基部に向けた直線と、斜縁を通る直線とでなす角度を鋭角とすることに格別の困難性はない。
一方、刊行物2発明のコネクタの第一弾性舌部と第二弾性舌部にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部は、「それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じてプリント回路基板23の電気コンタクトに嵌合側から順次弾性接触するようになっており、第一弾性舌部と第二弾性舌部は、プリント回路基板23の電気コンタクトとの接触位置を通り嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性舌部の第一接触部は、該第一弾性舌部の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びてプリント回路基板23の電気コンタクトとの接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁を有して」いるものの、当該下縁には「凹部」が形成されていないから(図9及び18参照)、刊行物1発明の側方突出部26の構成を、刊行物2発明のコネクタの第一接触部に係る構成に単に置き換えたとしても、その下縁に「凹部」が形成される構成とならないことは明らかである。
そこで、刊行物1発明の側方突出部26に刊行物2発明のコネクタの第一接触部に係る構成を適用することによりその下縁に「凹部」を形成する構成とするためには、刊行物1発明の側方突出部26の構成のうち、「下縁に凹部が形成され」た構成のみを残した上で、それ以外の構成を刊行物2発明のコネクタの第一接触部に係る構成と置き換えることが必要となる。しかしながら、刊行物1発明の側方突出部26に刊行物2発明のコネクタの第一接触部に係る構成を適用するに際し、上記側方突出部26が備える一体的構成の一部である下縁の「凹部」の構成のみを分離し、これを残すこととすべき合理的な理由は認められない。そもそも、刊行物1発明の側方突出部26の下縁に凹部が形成されている理由については、刊行物1に何ら記載されておらず技術常識等に照らして明らかなことともいえないから、当該構成の技術的意義との関係でこれを残すべき理由があると認められるものではない。したがって、当業者が、刊行物1発明の側方突出部26に刊行物2発明のコネクタの第一接触部に係る構成を適用するに当たり、刊行物1発明の側方突出部26における下縁の「凹部」の構成のみをあえて残そうとすることは、考え難いことというほかない。
してみると、刊行物1発明に刊行物2発明のコネクタの第一接触部に係る構成、前記周知の技術事項及び前記周知技術を適用したとしても、相違点2に係る本件訂正発明1の構成のうち、第一接触部の斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成される構成とすることを当業者が容易に想到し得たとはいえない。

したがって、本件訂正発明1は、相違点1及び相違点3を検討するまでもなく、刊行物1発明、刊行物2発明、前記周知の技術事項及び前記周知技術に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

また、本件訂正発明1を直接的及び間接的に引用し、本件訂正発明1を更に限定した本件訂正発明2ないし4も、本件訂正発明1と同様に、刊行物1発明、刊行物2発明、前記周知の技術事項及び前記周知技術に基いて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえない。

イ まとめ
したがって、本件訂正発明1ないし4は、刊行物1発明、刊行物2発明、前記周知の技術事項及び前記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(5)まとめ
以上のとおり、本件訂正発明1ないし4は、刊行物1発明、刊行物2発明、前記周知の技術事項及び前記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本件訂正発明1ないし4は、特許出願の際独立して特許を受けることができる。

第3 むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
多接点端子を有する電気コネクタ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多接点端子を有する電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
端子の接触部が相手端子に対する接触信頼性を向上させることを目的として、端子に二つの接触部を形成している電気コネクタが、特許文献1そして特許文献2で知られている。
【0003】
これらの特許文献での端子は、帯状の金属板の幅方向での一方の側部を屈曲して部分的に二枚の接触片がそれらの板面で対面するように形成している。これらの二つの接触片は長さが異なっており、それぞれの先端側が板厚方向に屈曲されて山型の接触部を形成している。かくして、相手コネクタとの嵌合方向で二つの位置に接触部を有する端子を形成し、このような端子がハウジングにより上記帯状金属板の幅方向に複数配列保持されている。このようなコネクタでは、一つの端子の二つの接触部が、相手コネクタとの嵌合時に、相手端子と順次接触して二つの接点を形成することで、接触信頼性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08-236187
【特許文献2】特開2002-175847
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1そして特許文献2のコネクタにあっては、帯状の金属板をその板厚方向に屈曲して端子を得ることとしているが故に、いくつかの問題点を有している。
【0006】
第一には端子の有効嵌合長が非常に短くなってしまうことである。端子は二つの弾性腕を有し、各弾性腕の先端部を板厚方向に加工して接触部を形成するので、加工技術上、コネクタ嵌合方向での二つの接触部同士間距離が大きくならざるを得ない。したがって、上記コネクタ嵌合方向でのコネクタの小型化が求められる場合、いずれかの弾性腕の接触部についての有効嵌合長が短くなる。その結果、該接触部での接触信頼性が低下する。
【0007】
第二には、二つの弾性腕を対面させるための屈曲加工が面倒なことに加え、さらには各弾性腕についての接触部の形成加工に部材の多くの部分が占められてしまい、コネクタ嵌合方向で端子寸法が大きくなる。山型とされる接触部は接圧の確保のために、山型の形状は一定の高さが要求される。この高さのもとに、コネクタの挿抜を楽にするには、山型の傾斜を緩くする必要があり、そうすると、結果として、弾性腕がその分長くなってしまい、さりとて、短くすると挿抜が硬くなって操作しづらくなる。
【0008】
さらに、第三には、端子は幅方向に大きな寸法を有するので、端子の配列のピッチを狭くすることができず、端子配列方向でのコネクタの小型化が実現しない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、コネクタ嵌合方向そして端子配列方向でコネクタを大型化することなく、容易に作れて有効嵌合長を長くすることのできる多接点端子を有する電気コネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る発明の多接点端子を有する電気コネクタは、端子が基板に接続される接続部を下端側に有する共に、自由端側が上方へ向け並んで延びる第一弾性腕と第二弾性腕を有し、上方から嵌合される相手コネクタとの嵌合時に、該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じて相手端子に順次弾性接触するようになっており、端子は金属板の板面を維持したまま作られていて、該端子の板厚方向に間隔をもってハウジングに配列されている。
【0011】
かかる多接点端子を有する電気コネクタにおいて、本発明では、端子の第一弾性腕と第二弾性腕は、相手端子との接触位置を通りコネクタ嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成されており、相手コネクタと接触する接点から第一接触部の突出基部に向けた直線と、上記斜縁を通る直線とでなす角度が鋭角であり、第二弾性腕の第二接触部が上記第一接触部の嵌合側と反対側の下縁の嵌合側と反対側に近接して位置付けられることにより有効嵌合長が長く確保されており、上記第一弾性部の嵌合側と反対側端部から第二弾性腕の嵌合側端部までのコネクタ嵌合方向での距離に比べ、第二弾性腕の全長の方が長く設定されており、第一弾性部の板面の幅が、第二弾性部の板面の幅より大きく設定されていることを特徴としてもよい。
【0012】
したがって、相手コネクタの相手端子に対し本発明コネクタの対応端子が第一弾性腕及び第二弾性腕にそれぞれ形成された第一接触部及び第二接触部で接触することとなる。本発明では、相手端子が一つの平坦面ではなく段状をなす各面に接触部を形成している場合には、上記仮想線としての接触線は段の数だけ互いに平行に存在するが、本発明の端子の第一弾性腕及び第二弾性腕はいずれの接触線に対しても一方の側に位置する。
【0013】
このような構成の本発明の電気コネクタでは、端子が金属板の板面を維持して加工して作られており、屈曲加工を伴わないので、製作が容易となると共に、加工時に、屈曲加工のように加工に或る程度の寸法が必要となるといった加工寸法の制限がなくなり、嵌合方向での端子寸法を大きくしなくとも十分に有効嵌合を長くでき、第一弾性腕及び第二弾性腕の弾性も十分に確保できる。さらには端子は板厚方向に配列されているので狭ピッチ構造のコネクタが実現する。
【0014】
また、本発明において、端子の第一弾性腕及び第二弾性腕にそれぞれ形成された第一接触部及び第二接触部は、コネクタ嵌合時に相手端子と最初に接触する第一接触部の相手端子に対する接触圧が次に接触する第二接触部での接圧よりも大きくなっているようにすることができる。このように形成することで、相手コネクタを嵌合するときに、最初の第一接触部を圧したその勢いで、次の第二弾性腕の第二接触部を圧するので、小さい挿入力で弾性変形させることができ、コネクタ嵌合が容易となる。
【0015】
例えば、第一弾性腕の第一接触部における接触圧と、次に接触する第二弾性腕の第二接触部における接触圧との比が2対1位であることが望ましい。
【0016】
本発明において第一弾性腕と第二弾性腕は、固有振動数がそれぞれ異なることが望ましい。本発明のコネクタは、元来、端子の接触信頼性を高めることを目的としているが、このような特性が求められるのは、振動を伴う装置、例えば、工作機械での用途である。かかる装置では、特定の周波数の振動がコネクタに伝わるので、第一弾性腕と第二弾性腕の固有振動数が異なっていれば、一つの弾性腕が共振して接触不良となっても、他の弾性腕は共振しないので、接触状態が安定して確保されることとなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように、金属板の板面を維持して第一弾性腕及び第二弾性腕を形成し、各弾性腕に接触部を設けることとしたので、端子の加工が容易で、屈曲加工による加工上の制限がなく、各弾性腕が十分に長くなって接触部における有効嵌合長を大きく確保しつつ、しかも弾性が十分に得られて、コネクタ嵌合方向でのコネクタの小型化が図れる。又、端子をその板厚方向に配列することで、端子の狭ピッチ配列が図れ、この方向でもコネクタの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態のコネクタの外観を示す斜視図である。
【図2】図1コネクタに用いられる第一実施形態の端子の斜視図である。
【図3】図1コネクタへ相手コネクタを嵌合させるときの断面図で、(A)?(D)で嵌合の進行順に示している。
【図4】第二実施形態の端子を有するコネクタへ相手コネクタを嵌合させるときの要部の断面図であり、(A)?(C)で嵌合の進行順を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態のコネクタの外観を示す斜視図である。図1にて、コネクタ1は、電気絶縁材料で作られたハウジング10に、金属板から作られた端子20が植設されている。
【0021】
上記ハウジング10は、本体部11と脚部12とを有している。本体部11は平面形状が横方向に長い略台形をなし、縦方向に延びる短筒外面を有し、横方向両端下部に上記脚部12が設けられている。上記ハウジング10の本体部11は、上方に開口して相手コネクタの被嵌合部を受入れる受入凹部13が上記横方向に長く形成されており、該受入凹部13の対向内面には、後述の端子20を植設する端子溝14が上記横方向で定間隔に複数形成されている。上記脚部12は上下方向そして横方向に開口せる切欠部12Aが形成されており、該切欠部12Aには、ハウジングで保持された金具19の一部が屈曲された状態で水平な取付面19Aが位置している。該取付面19Aは、コネクタ1が回路基板(図示せず)上に配置されたときに、該回路基板の対応ランドに接面し、該対応ランドと半田接続され、コネクタ1の回路基板への取付けに寄与する。また、上記ハウジング10の本体部11には、その外周面にシールド板が取り付けられることもある。
【0022】
上記ハウジング10の端子溝14には、図2に示される端子20が下方から挿入されている。
【0023】
端子20は、図2に見られるように、金属板の平坦面をそのまま維持した状態で、打抜き加工等により外形づけられている。
【0024】
該端子20は、下部となる基部21から上方に向け二つの弾性腕、すなわち第一弾性腕22と第二弾性腕23が平行に延びている。第一弾性腕22は、第二弾性腕23よりも幅が広く、また長くなっている。
【0025】
第一弾性腕22は、基部21側の部分の左側縁が延長された被取付部22Aと、該被取付部22Aよりも上方部分が段状に幅が小さくなりそのまま上方へ延びる第一弾性部22Bを有し、該第一弾性部22Bの上端に右方へ突出せる第一接触部22Cが設けられている。
【0026】
これに対し、第二弾性腕23は、上記基部21から、上記第一弾性腕22の第一弾性部22Bよりも若干小さい幅で上方に延びる第二弾性部23Aを有している。該第二弾性部23Aは上記第一弾性腕22の第一接触部22Cの直下まで延びていて、該第二弾性部23Aの上端に右方へ突出する第二接触部23Bが設けられている。該第二弾性腕23の第二接触部23Bと上記第一弾性腕22の第一接触部22Cのそれぞれの突端を通る線X’は、図3(A)に見られる相手コネクタ30の相手端子31の対応接触部31A(の接触面)を通りコネクタ嵌合方向に延びる仮想の接触線Xと平行であり、該接触線Xに対して距離δだけ偏位している。この距離δは、相手コネクタ30の嵌合時に、第一弾性腕22そして第二弾性腕23が相手コネクタ30の相手端子31に当接して変位する弾性変位量となる。このように、本実施形態では、一つの端子20が有する二つの弾性腕、すなわち、第一弾性腕22と第二弾性腕23は、上記接触線Xに対し一方の側に位置し、それらの弾性変位量も同じδである。しかし、第一弾性腕22と第二弾性腕23は、それらの幅、長さが違うので、固有振動数は互いに異なっている。この固有振動数は、コネクタが使用される装置、特に切削加工時に生ずる振動のもとで使用される工作機械等においては、この振動の周波数が予め知られている場合が多いのでこの周波数と異なるように設定される。
【0027】
上記端子20は、その基部21の下端から斜部24Aを経て左方に向け接続部24が延びている。
【0028】
上記端子20を下方から収容するようにハウジング10の本体部11に形成された端子溝14は、図3(A)に見られるように、上方に開口せる受入凹部13の対向せる両内面に形成されている。その形態は、図3(A)のごとく左右対称である。上記受入凹部13の下方には、左右を仕切る中央壁15が設けられていて、左右の端子溝14は該中央壁15の両側で下方に延びハウジング10の下面に開口するように貫通形成されている。
【0029】
上記端子溝14は、図3(A)において、紙面に直角な寸法が上記端子20の板厚寸法よりも僅かに大きい値となっている。該端子溝14の溝深さ、すなわち、同図での溝の左右寸法は、上下方向で上記中央壁15よりも上方の受入凹部13の領域では、第一弾性腕22と第二弾性腕23の殆どが収められ、第一弾性腕22の第一接触部22Cと第二弾性腕23の第二接触部23Bの突端が上記距離δだけ端子溝14から突出する程度となっており、上記中央壁15の領域では、端子20の基部21が幅方向(図にて左右方向)で圧せられながら下方から該端子溝14へ圧入される程度となっている。この端子20が端子溝14へ圧入されると、上記接続部24が、ハウジング10の下方で左右に延出する。
【0030】
一方、コネクタ1に嵌合される相手コネクタ30は、図3(A)に見られるように、上記ハウジング10の本体部11の外側面に嵌合する外壁33と、紙面に直角方向での両端における端壁34と、底壁35とで嵌合凹部36を形成するハウジング32を有している。該ハウジング32には、上記嵌合凹部36の左右方向中央位置で嵌入壁37が下方の開口に向けて上記底壁35から延びている。この嵌入壁37の両面には、紙面に直角方向で所定間隔に溝部が上下に延びて形成されていて、該溝部に相手端子31が圧入されている。勿論、相手端子31はハウジング32と一体成形により保持されていてもよい。この相手端子31は、紙面に直角な方向にて上記コネクタ1の端子20に対応する位置に設けられている。本実施形態においては、該相手端子31はその対応接触部31Aが平面をなして上下に延びており、上記接触線Xがここを通る。上記嵌入壁37は、上記相手端子31が、コネクタ嵌合時に、上記コネクタ1の左右の端子20間を押し拡げつつ進入する厚さに形成されており、また、コネクタ嵌合終了時には、該嵌入壁37の下端が上記コネクタ1の中央壁15の上端に至近あるいは当接する長さに設定されている。
【0031】
かかる形態のコネクタ1,30は、次の要領で使用される。
【0032】
(1)コネクタ1を回路基板(図示せず)上の所定位置に配し、端子20の接続部24を対応回路部と半田接続すると共に、金具19をその取付面19Aにて対応ランドと半田により固定する。
【0033】
(2)次に、このように回路基板に取り付けられたコネクタ1の上方に相手コネクタ30(他の回路基板に取り付けられていることもある)をもたらす(図3(A)参照)。
【0034】
(3)しかる後に、相手コネクタ30を降下させる。相手コネクタ30はその外壁33が上記コネクタ1のハウジング10の本体部11の外面で案内され、該相手コネクタ30の嵌合凹部36で上記本体部11に嵌合し始める。嵌合当初では、相手コネクタ30の嵌入壁37に設けられた相手端子31が、コネクタ1の端子20の第一弾性腕22に設けられた第一接触部22Cに当接し、その当接圧で左右両側の第一弾性腕22同士を左右に押し拡げて弾性変形させる(図3(B)参照)。この第一弾性腕22の第一接触部22Cの弾性変位量は距離δである。このとき、第二弾性腕23は、相手コネクタ30とは当接しておらず、未だ弾性変形していない。
【0035】
(4)さらに、相手コネクタ30を押し下げると、図3(A)における状態からの勢いで降下し、相手コネクタ30の相手端子31がコネクタ1の第二弾性腕23の第二接触部23Bに当接し、第二弾性腕23をも押し拡げて弾性変形させる(図3(C)参照)。この第二弾性腕23の第二接触部23Bの弾性変位量も上記第一接触部22Cと同じ距離δである。第一弾性腕22(前者)を押し拡げるのに要する接圧(操作者がコネクタ嵌合時に相手コネクタを押し込む力であり、接触部での接圧に比例する。)と第二弾性腕23(後者)を押し拡げるのに要する接圧とを比べると、相手端子が第一弾性腕22の方が先に当接するので、通常、前者の接圧の方が大きい。したがって、前者の第一接触部22Cの直下に後者の第二接触部23Bが位置しているので、相手端子は前者を押し拡げた勢いで後者を難なく押し拡げる。具体的には、相手端子との接圧は、前者が後者の2倍以上であると、上記の効果が顕著である。好ましくは、前者と後者の接圧比は2対1である。これらの関係は、接触部における弾性変位量が仮に前者そして後者において同じでも、両者の剛性をそのような関係となるように、長さ・幅を決めることにより得られる。
【0036】
(5)かくして、相手コネクタ30が図3(D)の所定深さまで嵌合して、両コネクタ1,30の嵌合が完了する。本発明では、第一弾性腕22の第一接触部22Cと第二弾性腕23の第二接触部23Bが、コネクタ嵌合方向で、かなり近く位置するようにできるので、第一弾性腕22はもとより第二弾性腕23も長く設定され、第一接触部22Cそして第二接触部23Bともに、有効嵌合長が長くなる。
【0037】
<第二実施形態>
第一実施形態では、第一弾性腕22と第二弾性腕23とは、順次独立して弾性変形したが、本実施形態は、両弾性腕22,23は、一時的に連係して弾性変形する。
【0038】
図4(A)において、第一弾性腕22は第一接触部22Cの下縁に凹部22C-1が形成されていて、該第一接触部22Cの先端部に係止部22C-2を有している。一方、第二弾性腕23は第二接触部23Bの上端部に、上方に向いた突状の被係止部23B-1が設けられている。該被係止部23B-1は上記凹部22C-1内に進入して位置しており、横方向、すなわち接触部22C,23Bの変位方向で、上記係止部22C-2に間隔をもって対面している。なお、図4(A)では一つの端子20のみが図示されているが、コネクタは、図3(A)の場合と同様に、左右対称にもう一つの端子を有している。
【0039】
かかる本実施形態において、コネクタ嵌合時に、該相手端子31は上記第一弾性腕22の第一接触部22Cに当接しながら降下して、これを左方に弾性変位せしめる。第一弾性腕22は、弾性変形中に、その係止部22C-2が第二弾性腕23の被係止部23B-1に当接するようになりこれを左方に押し、第二弾性腕23を同方向に弾性変形させる。この間に相手端子31は降下して、図4(B)のごとく、第二弾性腕23の第二接触部23Bにも接触するようになり、ここで第二弾性腕23を押圧して弾性変形させる。かくして、第二弾性腕23の被係止部23B-1は第一弾性腕22の係止部22C-2から離れるようになる。すなわち、第二弾性腕23は、最初に第一弾性腕22で押圧されて弾性変形し、しかる後に、図4(B)から図4(C)に向けて、相手端子31で押圧されて弾性変形する。第二接触部23Bが相手端子31に接触する際には、既に第二接触部23Bが左方に変位しているので、第二接触部23Bは相手端子31との接触範囲(斜部の長さ)が、斜部での傾斜を変えることなく(すなわち、相手端子の下方への押込み力を変えることなく)、第一実施形態の場合と比べ、短くてすむ。これは、第一接触部22Cの頂部と第二接触部23Bの頂部との上下方向での距離を短くすることができるということを意味する。したがって、第一実施形態の場合と同じ長さの有効嵌合長を確保しつつ、上述の短くなった分だけ上下方向で端子を短くすることができ、同方向での小型化に貢献する。
【0040】
相手端子31が第一接触部22Cの頂部と第二接触部23Bの頂部を通過する際の抵抗力の変化が一連の範囲で起こるので、嵌合時の操作性も良い。
【0041】
本発明では、図示した形態以外にも、種々変形可能である。例えば、端子は弾性腕が二つだけでなく三つ以上設けることも可能である。弾性腕が三つの場合、いずれの弾性腕も基部から平行して上方に延び、順次、側方に突出してそれぞれ接触部を形成すれば良い。
【0042】
また、相手コネクタの端子が段をなして各段に接触部を形成している場合には、各接触部を通るそれぞれの接触線に対応して、各弾性腕の接触部を位置せしめれば良い。
【0043】
さらには、複数の弾性腕の各接触部は、相手端子との当接時における変位量が、それぞれ異なっていても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 コネクタ 23 第二弾性腕
10 ハウジング 23B 第二接触部
20 端子 30 相手コネクタ
22 第一弾性腕 31 相手端子
22C 第一接触部 X 接触線
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】(削除)
【請求項2】
端子が基板に接続される接続部を有すると共に、自由端が嵌合側へ向け並んで延び、ハウジングの壁面との間にすき間をもって弾性変位可能な第一弾性部の嵌合側端部に第一接触部が形成された第一弾性腕と第二弾性部の嵌合側端部に第二接触部が形成された第二弾性腕を有し、相手コネクタとの嵌合時に、該第一弾性腕と第二弾性腕にそれぞれ形成された突状の第一接触部と第二接触部がこれら第一接触部及び第二接触部それぞれの斜縁の直線部分との接触を通じて相手端子に嵌合側から順次弾性接触するようになっており、端子は金属板の板面を維持したまま作られていて、該端子の板厚方向に間隔をもってハウジングに配列されている電気コネクタにおいて、端子の第一弾性腕と第二弾性腕は、相手端子との接触位置を通りコネクタ嵌合方向に延びる接触線に対して一方の側に位置しており、第一弾性腕の第一接触部は、該第一弾性腕の嵌合側端部から嵌合側と反対側へ延びて相手端子との接触側に向かう斜縁を有し且つ該斜縁よりも嵌合側と反対側に位置する下縁に凹部が形成されており、相手コネクタと接触する接点から第一接触部の突出基部に向けた直線と、上記斜縁を通る直線とでなす角度が鋭角であり、第二弾性腕の第二接触部が上記第一接触部の嵌合側と反対側の下縁の嵌合側と反対側に近接して位置付けられることにより有効嵌合長が長く確保されており、上記第一弾性部の嵌合側と反対側端部から第二弾性腕の嵌合側端部までのコネクタ嵌合方向での距離に比べ、第二弾性腕の全長の方が長く設定されており、第一弾性部の板面の幅が、第二弾性部の板面の幅より大きく設定されていることを特徴とする多接点端子を有する電気コネクタ。
【請求項3】
端子の第一弾性腕及び第二弾性腕にそれぞれ形成された第一接触部及び第二接触部は、コネクタ嵌合時に相手端子と最初に接触する第一接触部の相手端子に対する接触圧が次に接触する第二接触部での接圧よりも大きくなっていることとする請求項2に記載の多接点端子を有する電気コネクタ。
【請求項4】
第一弾性腕の第一接触部における接触圧と、次に接触する第二弾性腕の第二接触部における接触圧との比が2対1であることとする請求項3に記載の多接点端子を有する電気コネクタ。
【請求項5】
第一弾性腕と第二弾性腕は、固有振動数がそれぞれ異なることとする請求項2または請求項3に記載の多接点端子を有する電気コネクタ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-07-13 
結審通知日 2017-07-18 
審決日 2017-08-02 
出願番号 特願2011-124781(P2011-124781)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (H01R)
P 1 41・ 855- Y (H01R)
P 1 41・ 854- Y (H01R)
P 1 41・ 121- Y (H01R)
P 1 41・ 853- Y (H01R)
P 1 41・ 841- Y (H01R)
P 1 41・ 851- Y (H01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 伊藤 秀行  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 中川 隆司
滝谷 亮一
登録日 2013-03-15 
登録番号 特許第5220888号(P5220888)
発明の名称 多接点端子を有する電気コネクタ  
代理人 豊島 匠二  
代理人 豊島 匠二  
代理人 松野 仁彦  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 松野 仁彦  
代理人 須田 洋之  
代理人 須田 洋之  
代理人 高石 秀樹  
代理人 高石 秀樹  
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