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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62D
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 B62D
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 B62D
管理番号 1331883
審判番号 不服2016-11662  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-03 
確定日 2017-09-19 
事件の表示 特願2012-82639号「電動パワーステアリング装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年10月17日出願公開、特開2013-212714号、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成24年3月30日の出願であって、平成27年9月17日付けで拒絶理由通知がされ、平成27年11月16日付けで意見書が提出されたが、平成28年4月25日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされた。これに対し、平成28年8月3日に拒絶査定不服審判の請求がされ、平成29年5月9日付けで拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由」という。)がされ、平成29年5月24日付けで手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1-4に係る発明(以下、「本願発明1」-「本願発明4」という。)は、平成29年5月24日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。
「ステアリングホイールの操舵トルクに応じた値を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した検出値に基づいて電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、
を備え、
前記目標電流算出手段は、前記検出手段が検出した検出値に応じた基準目標電流と、前記検出手段が検出した検出値に応じた調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が大きい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きくなるように当該目標電流を算出し、
前記目標電流算出手段は、前記基準目標電流と前記調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が小さい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さくするように当該目標電流を算出することを特徴とする電動パワーステアリング装置。」

本願発明2-4は、本願発明1を減縮した発明である。

第3 引用文献および引用発明
1.引用文献に記載の事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献(特開平11-321685号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(i)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用操舵制御装置に係り、特に、パワーステアリング装置として機能し、ステアリング機構に付与するアシスト力を発生させる装置として好適な車両用操舵制御装置に関する。」
(ii)「【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例である車両用操舵制御装置10の全体構成図を示す。車両用操舵制御装置10は、操舵装置12を備えている。操舵装置12は、ラックアンドピニオン方式のステアリング装置である。操舵装置12は、ステアリングホイール14を備えている。ステアリングホイール14は、運転者が操作できるように車両室内に配設されている。ステアリングホイール14には、ステアリングシャフト16の一端が固定されている。ステアリングシャフト16は、ステアリングホイール14が回転することに伴って回転するように設計されている。
【0016】ステアリングシャフト16の他端には、ステアリングギヤボックス18が取付けられている。ステアリングギヤボックス18には、ステアリングシャフト16に固定されるピニオン(図示せず)とラックバー20に形成されたラックギヤ(図示せず)とが構成されている。ステアリングギヤボックス18は、ステアリングシャフト16の回転運動をラックバー20の直線運動に変換する役割を有している。
【0017】ラックバー20の両端には、それぞれステアリングラックエンドボールジョイント22を介してタイロッド24が連結されている。タイロッド24には、タイロッドエンド26を介してナックルアーム28が連結されている。ナックルアーム28には、車輪30,31が取付けられているホイール(図示せず)が固定されている。車輪30,31は、ラックバー20が車両の車幅方向に変位することにより転舵されるように構成されている。」
(iii)「【0020】本実施例の車両用操舵制御装置10において、ステアリングギヤボックス18には、軸力センサ32,34が配設されている。軸力センサ32,34は、ラックバー20がステアリングギヤボックス18に対して相対的に車幅方向に変位する際にラックバー20の軸方向に作用する軸力に応じた信号を発生する。ステアリングホイール14の中立位置では、ラックバー20に軸力が作用しない。ステアリングホイール14が中立位置から右側に操舵される場合、図1における左側の軸力センサ32は、圧縮方向の軸力に応じた信号を発生し、右側の軸力センサ34は、引張方向の軸力に応じた信号を発生する。一方、ステアリングホイール14が中立位置から左側に転舵される場合、軸力センサ32は、引張方向の軸力に応じた信号を発生し、軸力センサ34は、圧縮方向の軸力に応じた信号を発生する。
【0021】本実施例の車両用操舵制御装置10は、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)38を備えている。軸力センサ32,34は、ローパスフィルタ36を介してECU38に接続している。軸力センサ32,34の出力信号の中には、路面等から車輪30,31を介してラックバー20に伝達される高周波の信号が含まれている場合がある。ローパスフィルタ36は、この高周波の信号を除去する役割を有している。従って、ECU38には、軸力センサ32, 34が発した信号の中で路面等から伝達される高周波の信号以外の信号が入力される。ECU38は、軸力センサ32の出力信号と軸力センサ34の出力信号とに基づいて、ステアリングホイール14の操舵によって車幅方向に変位したラックバー20に作用する軸力を正確に検出することができる。
【0022】ECU38には、車速センサ40が接続されている。車速センサ40は、車速に応じた電気信号を発生する。ECU38は、車速センサ40の出力信号に基づいて、車速を検出する。また、ECU38には、モータドライバ42が接続されている。ECU38は、マイクロコンピューターにより構成されており、ラックバー20に作用する軸力および車両の車速に基づいて、モータドライバ42を駆動するための制御信号を出力する。
【0023】モータドライバ42には、電気モータ44が接続されている。電気モータ44は、ステアリングギヤボックス18に配設されている。モータドライバ42は、ECU38から駆動されることにより、電気モータ44に対してモータ電流を供給する。電気モータ44は、そのモータ電流に応じた駆動力をラックバー20に伝達する。電気モータ44は、ラックバー20の直線運動を補助する役割を有している。
【0024】従って、上記の構成によれば、ECU38が電気モータ44に適当なモータ電流を供給することで、車両の車幅方向へラックバー20を変位させるアシスト力を発生させることができる。ラックバー20は、ステアリングホイール14が回転されることによっても車幅方向に変位する。従って、本実施例の車両用操舵制御装置10によれば、運転者がステアリングホイール14を操作するために必要な操舵トルクを軽減することができる。」
(iv)「【0030】図3に示す如く、軸力Fが同一である(軸力F_(1))状況下では、ステアリングホイール14の切り込み時におけるアシスト力X_(1) に比して、切り戻し時におけるアシスト力X_(2) が大きい。すなわち、軸力Fとアシスト力Xとの関係において、いわゆるヒステリシス特性が形成される。従って、本実施例においては、ステアリングホイール14が切り戻される場合には、切り込まれる場合に比して大きなアシスト力Xが付与される。また、図3に示す如く、軸力Fが“0”である場合に、ステアリングホイール14の操舵方向と逆方向に微小なアシスト力ΔXが付与される。この構成によれば、運転者がステアリングホイール14の操舵を開始する場合に適当な手応え感が与えられ、運転者の操舵感を向上させることができると共に、いわゆる中立剛性を高めることができる。」

2.引用文献に記載の発明
上記1.より引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「ラックバー20がステアリングギヤボックス18に対して相対的に車幅方向に変位する際にラックバー20の軸方向に作用する軸力に応じた信号を発生する軸力センサ32,34と、
マイクロコンピューターにより構成されており、ラックバー20に作用する軸力および車両の車速に基づいて、モータドライバ42を駆動するための制御信号を出力するECU38と、
を備え、
ECU38は、軸力Fが同一である(軸力F_(1))状況下では、ステアリングホイール14の切り込み時におけるアシスト力X_(1)に比して、切り戻し時におけるアシスト力X_(2)が大きくなるようなアシスト力Xを決定し、このアシスト力Xに応じた制御信号をモータドライバ42に出力する、
車両用操舵制御装置10。」

第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「軸力センサ32,34」は、本願発明1の「検出手段」に相当する。そして、引用発明において、「ラックバー20がステアリングギヤボックス18に対して相対的に車幅方向に変位する」のは、ステアリングホイールを回転させる操舵トルクがラックバー20に作用したからである(引用文献の記載事項(ii)の段落【0016】、参照。)。したがって、ラックバー20には操舵トルクに応じた軸力が発生するといえるから、引用発明の「ラックバー20がステアリングギヤボックス18に対して相対的に車幅方向に変位する際にラックバー20の軸方向に作用する軸力に応じた信号を発生する軸力センサ32,34」は、本願発明1の「ステアリングホイールの操舵トルクに応じた値を検出する検出手段」に相当する。
イ 引用発明の「マイクロコンピュータにより構成され」る「ECU38」は、「モータドライバ42を駆動するための制御信号を出力する」ものであり、電動モータ44に供給する目標電流を定めるための制御信号のための電流を算出するものであるといえる(引用文献の記載事項(iii)の段落【00023】、参照。)。したがって、引用発明の「マイクロコンピュータにより構成され」る「ECU38」は、本願発明1の「電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段」、あるいは、「目標電流算出手段」に相当する。よって、上記アをも踏まえると、引用発明の「マイクロコンピューターにより構成されており、ラックバー20に作用する軸力および車両の車速に基づいて、モータドライバ42を駆動するための制御信号を出力するECU38」は、本願発明1の「前記検出手段が検出した検出値に基づいて電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段」に相当する。
ウ そして、引用発明の「車両用操舵制御装置10」は、本願発明1の「電動パワーステアリング装置」に相当するといえる(引用文献の記載事項(ii)、参照。)。
エ したがって、本願発明1と引用発明との一致点および相違点は次のとおりであるといえる。
<一致点>
「ステアリングホイールの操舵トルクに応じた値を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した検出値に基づいて電動モータに供給する目標電流を算出する目標電流算出手段と、
を備える電動パワーステアリング装置。」
<相違点>
「目標電流算出手段」に関し、本願発明1が「前記検出手段が検出した検出値に応じた基準目標電流と、前記検出手段が検出した検出値に応じた調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が大きい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きくなるように当該目標電流を算出し、」「前記基準目標電流と前記調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が小さい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さくするように当該目標電流を算出する」ものであるのに対し、引用発明の「ECU38」は、「軸力Fが同一である(軸力F_(1))状況下では、ステアリングホイール14の切り込み時におけるアシスト力X_(1)に比して、切り戻し時におけるアシスト力X_(2)が大きくなるようなアシスト力Xを決定し、このアシスト力Xに応じた制御信号をモータドライバ42に出力する」ものである点。
(2)判断
上記相違点について検討する。
引用発明の「ECU38」は、「軸力Fが同一である(軸力F_(1))状況下では、ステアリングホイール14の切り込み時におけるアシスト力X_(1)に比して、切り戻し時におけるアシスト力X_(2)が大きくなるようなアシスト力Xを決定し、このアシスト力Xに応じた制御信号をモータドライバ42に出力する」ものであり、このアシスト力X_(1)とX_(2)の決定は、軸力Fとアシスト力Xとの関係を定めたマップによるものであるところ(引用文献の図3、記載事項(iv))、まず、軸力Fに対する基準アシスト力Xを定め、次に、ステアリングホイールの切り込み時(切り増し方向である場合)には、当該基準アシスト力Xより小さくなるよう調整したアシスト力X_(1)として算出し、逆に、ステアリングホイールの切り戻し時(切り戻し方向である場合)には、前記基準アシスト力Xより大きくなるよう調整したアシスト力X_(2)として算出することによって、このマップを作成し、このマップを用いてアシスト力Xを決定していると解しうる。
とするならば、引用発明は、モータドライバ42に出力する制御信号を、ステアリングホイール14の切り込み時におけるアシスト力X_(1)に比して、切り戻し時におけるアシスト力X_(2)が大きくなるようなアシスト力Xとなるように調整値を用いて決定するものであるという点で、本願発明1の「前記目標電流算出手段は、前記検出手段が検出した検出値に応じた基準目標電流と、前記検出手段が検出した検出値に応じた調整値を用いて、」「前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きくなるように当該目標電流を算出」するという構成と共通する機能を有するということができる。
しかしながら、引用発明は、操舵トルクの絶対値が大きい場合と小さい場合とを場合分けし、前者の場合には、「前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きくなるように当該目標電流を算出し」、後者の場合には、逆に、「前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さくするように当該目標電流を算出する」手段は具備していないし、引用文献には、当該手段を具備することを示唆する記載もない。さらに、当該手段が当業者にとって周知・慣用の手段であったともいえない。
したがって、引用発明において、上記相違点に係る本願発明1の構成に到ることが当業者が容易に想到し得たものであるということはできない。
そして、本願発明1は、上記相違点の構成を具備することにより、操舵トルクが小さい場合および大きい場合の広い領域でヒステリシスを考慮した操舵感を向上させる(本願明細書、段落【0009】、【0049】)という格別な作用効果を奏するものであるといえる。
よって、本願発明1は、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明2-4について
本願発明2-4は、本願発明1を減縮した発明であり、上記相違点の構成を具備するものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第5 原査定の概要および原査定についての判断
原査定は、請求項1に係る発明について、引用文献に記載された発明であるか、または、引用文献に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項の規定により、または、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、請求項4に係る発明について、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、平成29年5月24日付け手続補正により補正された請求項1に係る発明および請求項1を引用する請求項4に係る発明は、「前記検出手段が検出した検出値に応じた基準目標電流と、前記検出手段が検出した検出値に応じた調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が大きい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きくなるように当該目標電流を算出し、」「前記基準目標電流と前記調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が小さい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さくするように当該目標電流を算出する」という構成を有するものとなっており、上記「第4」に説示のとおり、請求項1に係る発明は引用文献に記載された発明ではないし、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。また、請求項4に係る発明は、引用文献に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
当審では、「請求項1には、『操舵トルクの絶対値が大きい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きくなるように当該目標電流を算出する』ことが発明を特定するために必要な事項として記載されているだけで、操舵トルクの絶対値が小さい場合については記載されていない。したがって、この出願の請求項1においては、発明の詳細な説明に記載した発明の課題(操舵トルクTが小さい場合および大きい場合の広い領域でヒステリシスを考慮した操舵感を向上させる(段落【0009】、【0049】))を解決し得ないものを包含しうるという点で、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することとなる。よって、請求項1および請求項3?5(請求項1のみを引用する場合)は、発明の詳細な説明に記載したものではない。」との拒絶の理由を通知している。
これに対し、平成29年5月24日付け手続補正において、 「・・・前記目標電流算出手段は、前記基準目標電流と前記調整値を用いて、前記操舵トルクの絶対値が小さい場合に、前記目標電流の絶対値が、前記ステアリングホイールの切り増し方向である場合には当該基準目標電流よりも大きく、当該ステアリングホイールの切り戻し方向である場合には当該基準目標電流よりも小さくするように当該目標電流を算出する・・・」と補正された結果、上記拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-4は、当業者が引用発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-09-01 
出願番号 特願2012-82639(P2012-82639)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (B62D)
P 1 8・ 113- WY (B62D)
P 1 8・ 121- WY (B62D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 粟倉 裕二  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 尾崎 和寛
氏原 康宏
発明の名称 電動パワーステアリング装置  
代理人 尾形 文雄  
代理人 古部 次郎  

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