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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08G
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08G
管理番号 1332236
異議申立番号 異議2016-700938  
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-10-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-30 
確定日 2017-07-31 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5897341号発明「感光性樹脂組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5897341号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-22〕について訂正することを認める。 特許第5897341号の請求項1、2、5ないし22に係る特許を維持する。 特許第5897341号の請求項3及び4に係る特許に対する本件異議申立を却下する。 
理由 第1 手続の経緯・本件異議申立の趣旨

1.本件特許の設定登録までの経緯
本件特許第5897341号(以下、単に「本件特許」という。)に係る出願(特願2012-15937号、以下「本願」という。)は、平成24年1月27日に出願人旭化成イ-マテリアルズ株式会社によりされた特許出願であり、平成28年3月11日に特許権の設定登録がなされたものである。
(なお、本件特許については、平成28年7月13日付けで一般承継による移転登録が行われ、現在の特許権者は、旭化成株式会社である。)

2.本件異議申立の趣旨
本件特許につき平成28年9月30日付けで特許異議申立人岡村英紀(以下「申立人」という。)により「特許第5897341号の特許請求の範囲の全請求項に記載された発明についての特許は取り消されるべきものである。」という趣旨の本件異議申立がされた。

3.以降の経緯
本件異議申立後の経緯は以下のとおりである。
平成29年 1月18日付け 取消理由通知・審尋(特許権者あて)
平成29年 3月23日 意見書(特許権者)・回答書・訂正請求書
平成29年 3月29日付け 通知書(申立人あて)
(なお、申立人は、上記通知書に対して、応答を行わなかった。)

第2 申立人が主張する取消理由
申立人は、本件特許異議申立書(以下「申立書」という。)において、下記甲第1号証ないし甲第5号証を提示し、取消理由として、概略、以下の(a)及び(b)が存するとしている。

(a)本件特許の請求項1ないし3、6、7、9ないし14及び19に係る発明は、いずれも甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができるものではないものであって、それらについての特許は、同法第29条に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。(以下「取消理由1」という。)
(b)本件特許の請求項1ないし22に係る発明は、甲第1号証に記載された発明又は甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができるものではないものであって、それらについての特許は、同法第29条に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、取り消されるべきものである。(以下「取消理由2」という。)

・申立人提示の甲号証
甲第1号証:特開2009-179689号公報
甲第2号証:特開2010-202860号公報
甲第3号証:特開2004-307659号公報
甲第4号証:特開2009-256662号公報
甲第5号証:東レ・ダウコーニング株式会社が2008年10月に発行したものと認められる「シランカップリング剤 A Guide to Silane Solutions」なる技術資料
(以下、それぞれ「甲1」ないし「甲5」と略していう。)

第3 当審が通知した取消理由の概要
当審が、平成29年1月18日付けで通知した取消理由の概要は以下のとおりである。
「第4 当審の判断
当審は、
上記取消理由1及び2につきそれぞれ理由があるから、本件発明1ないし3、7、9ないし14及び19についての特許はいずれも取り消すべきものである、
と判断する。」

第4 平成29年3月23日付け訂正請求の適否

1.訂正請求の内容
上記平成29年3月23日付け訂正請求では、本件特許の特許請求の範囲を、上記訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?22について一群の請求項ごとに訂正することを求めるものであり、以下の(ア)ないし(エ)の訂正事項を含むものである。(なお、下線は、当審が付したもので訂正箇所を表す。)

(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「0.2以下である、」とあるのを、「0.2以下であり、前記感光性珪素樹脂(A)が、下記一般式(1):R^(1)_(n1)SiX^(1)_(4-n1)(1){式中、R^(1)は、水素原子又は炭素数1?20の有機基であり、n1は、0?3の整数であり、X^(1)は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1?6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のn1、R^(1)及びX^(1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種以上のシラン化合物の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物の一方又は両方と前記金属酸化物微粒子との縮合反応物を含む、」に訂正する。

(イ)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(ウ)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

(エ)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5?15、19の引用先請求項番号を下記の表のとおり訂正する。



2.検討
なお、以下の検討において、この訂正請求による訂正を「本件訂正」といい、本件訂正前の特許請求の範囲における請求項1ないし22を「旧請求項1」ないし「旧請求項22」、本件訂正後の特許請求の範囲における請求項1ないし22を「新請求項1」ないし「新請求項22」という。

(1)訂正の目的要件について
上記の各訂正事項による訂正の目的につき検討する。
上記訂正事項1は、旧請求項1に対して旧請求項3及び4に記載されていた事項を直列的に付加することにより、感光性樹脂組成物を限定するものであるから、請求項1に係る特許請求の範囲を減縮するものと認められる。
上記訂正事項2及び3は、いずれも、旧請求項3及び4を削除するものであるから、特許請求の範囲を減縮するものと認められる。
上記訂正事項4は、訂正事項1ないし3に係る訂正に伴い生じる旧請求項5ないし15の引用関係の不整合を単に正したものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものと認められる。
そして、これら訂正は一群の請求項に対して請求されたものであって、新請求項1、2及び5ないし22についても各請求項に係る特許請求の範囲が減縮されているものと認められる。
したがって、上記訂正事項1ないし4による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に規定の目的要件に適合するものである。

(2)新規事項の追加及び特許請求の範囲の実質的拡張・変更について
上記(1)に示したとおり、訂正事項1ないし4による訂正により、新請求項1、2及び5ないし22の特許請求の範囲がいずれも旧請求項3又は4に記載された事項に基づいて減縮されていることが明らかであるから、上記訂正事項1ないし4による訂正は、いずれも新たな技術的事項を導入しないものであり、また、特許請求の範囲を実質的に拡張又は変更するものではないことが明らかである。
してみると、上記訂正事項1ないし4による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定を満たすものである。

(3)訂正に係る検討のまとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-22〕について訂正を認める。

第5 本件特許に係る請求項に記載された事項
本件特許に係る請求項1ないし22には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
屈折率1.6以上の金属酸化物微粒子及び光ラジカル反応性基を含む感光性珪素樹脂(A)100質量部並びに光ラジカル重合開始剤(B)0.01?50質量部を含む感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物に含まれる光ラジカル反応性基当量が0.2?10mmol/gであり、
前記感光性珪素樹脂(A)を^(29)SiNMR法にて測定したときのピーク面積から下記計算式(2):
シラノール量割合=(D1×1+T1×2+T2+Q1×3+Q2×2+Q3)/[M1+(D1+D2)×2+(T1+T2+T3)×3+(Q1+Q2+Q3+Q4)×4] (2)
{式中、
M1とは、O原子と結合している結合手の数が1つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
D1とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
D2とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が2個のもののピーク面積であり、
T1とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
T2とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が2個のもののピーク面積であり、
T3とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が3個のもののピーク面積であり、
Q1とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
Q2とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が2個のもののピーク面積であり、
Q3とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が3個のもののピーク面積であり、そして
Q4とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が4個のもののピーク面積である。}
で計算されるシラノール量割合が、0.2以下であり、前記感光性珪素樹脂(A)が、下記一般式(1):R^(1)_(n1)SiX^(1)_(4-n1)(1){式中、R^(1)は、水素原子又は炭素数1?20の有機基であり、n1は、0?3の整数であり、X^(1)は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1?6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のn1、R^(1)及びX^(1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種以上のシラン化合物の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物の一方又は両方と前記金属酸化物微粒子との縮合反応物を含む、感光性樹脂組成物。
【請求項2】
分子内に光ラジカル反応性基を有するモノマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上の化合物(C)0.1?900質量部をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記縮合反応物が、芳香族炭化水素基を有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記感光性珪素樹脂(A)中の光ラジカル反応性基が、前記ポリシロキサン化合物に由来する、請求項1、2及び5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記感光性珪素樹脂(A)が、前記金属酸化物微粒子:20質量%以上95質量%以下、並びに前記ポリシロキサン化合物及び前記シラン化合物の合計:5質量%以上80質量%以下、を含む混合物又は該混合物の縮合生成物である、請求項1、2、5及び6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリシロキサン化合物が、前記一般式(1)で表されるシラン化合物の内、n1が1であるシラン化合物を含む縮合原料の加水分解縮合生成物である、請求項1、2、5?7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記光ラジカル重合開始剤(B)が、アセトフェノン誘導体、α-アミノアルキルフェノン系化合物、及びフォスフィンオキサイド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1、2、5?8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記金属酸化物微粒子が、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1、2、5?9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記金属酸化物微粒子が、バンドギャップ3.0eV以上を有する、請求項1、2、5?10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記光ラジカル反応性基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である、請求項1、2、5?11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項13】
酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の安定剤(D)0.1?50質量部をさらに含む、請求項1、2、5?12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記金属酸化物微粒子の平均一次粒子径が、1nm以上100nm以下である、請求項1、2、5?13のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を製造する方法であって、以下の工程:
下記一般式(1):
R^(1)_(n1)SiX^(1)_(4-n1) (1)
{式中、R^(1)は、水素原子又は炭素数1?20の有機基であり、n1は、0?3の整数であり、X^(1)は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1?6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のn1、R^(1)及びX^(1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種以上のシラン化合物を加水分解縮合するとともに、加水分解縮合前、加水分解縮合中及び加水分解縮合後の少なくともいずれかの時点で屈折率1.6以上の金属酸化物微粒子を反応系に添加して縮合させることによって、感光性珪素樹脂(A)を得る第1の工程、及び、
得られた感光性珪素樹脂(A)と光ラジカル重合開始剤(B)とを混合する第2の工程、
を含み、
前記第1の工程が、得られた感光性珪素樹脂(A)に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の、1気圧での沸点が100℃以上200℃以下である溶媒を加えた後、蒸留により溶媒成分を留去することにより、前記感光性珪素樹脂(A)の水分及び溶媒の合計含有率を0.0001質量%以上5質量%以下にすることをさらに含む、感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項16】
前記第1の工程における加水分解縮合を、アルコール水溶液中、酸性条件で行う、請求項15に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項17】
前記第1の工程において、前記シラン化合物の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物5質量%以上80質量%以下と、前記加水分解縮合後に反応系中に添加された前記金属酸化物微粒子20質量%以上95質量%以下とを、炭素数1?4のアルコール水溶液中、pH3?9、50℃以上100℃以下、及び大気圧で縮合させて感光性珪素樹脂(A)を得る、請求項15に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項18】
前記第2の工程において、分子内に光ラジカル反応性基を有するモノマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上の化合物(C)、並びに酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の安定剤(D)、の一方又は両方をさらに混合する、請求項15に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項19】
請求項1、2、5?14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物に、主波長が200?500nmである光を照射する工程を含む、硬化物の製造方法。
【請求項20】
130℃以上300℃以下でのベーク工程をさらに含む、請求項19に記載の硬化物の製造方法。
【請求項21】
請求項19に記載の硬化物の製造方法によって硬化物を製造することを含む、光半導体封止剤の製造方法。
【請求項22】
請求項19に記載の硬化物の製造方法によって硬化物を製造することを含む、プラスチックレンズの製造方法。」
(以下、上記請求項1ないし22に係る発明につき、項番に従い「本件発明1」ないし「本件発明22」という。)

第6 当審の判断
当審は、
申立人が主張する上記取消理由1及び2につきいずれも理由がないから、本件発明1、2及び5ないし22についての特許はいずれも取り消すことはできず、維持すべきものである、
本件の請求項3及び4に係る特許に対する本件異議申立は、訂正により記載事項が全て削除されたことにより、申立ての対象を欠く不適法なものとなり、その補正ができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである、
と判断する。
以下、詳述する。

1.各甲号証の記載事項及び記載された発明
上記取消理由1及び2は、特許性(新規性又は進歩性)に係る取消理由であるから、上記各甲号証に係る記載事項の摘示並びに甲1に記載された発明の認定を行う。
なお、下線は当審が付した。

(1)甲1の記載事項及び記載された発明

ア.甲1の記載事項
甲1には、申立人が申立書第13頁第14行?第15頁第24行で主張するとおりの事項が記載されており、さらに、以下の事項も記載されている。
「【請求項5】
無機フィラーが、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
【請求項6】
無機フィラーの平均粒子径が40?200nmである請求項4または5に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。」

イ.甲1に記載された発明
上記ア.の記載事項(特に、請求項1及び4ないし6の記載、【0031】ないし【0034】の記載並びに【0058】の記載)からみて、甲1には、
「(A)重合成分として、エポキシ基を含有する(メタ)アクリレート(a)と、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)を含有する共重合体に、α,β-不飽和カルボン酸を反応させて得られる、アクリル当量200?700g/eqの活性エネルギー線硬化型樹脂、
(B)シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の平均粒子径が40?200nmである無機フィラーの組成物全体に対して3?20重量%、
(C)光重合開始剤の組成物100重量部に対して0.1?10重量部
及び
(D)必要に応じて他の多官能性(メタ)アクリレート
を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。」
に係る発明(以下「甲1発明1」という。)並びに
「甲1発明1の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗膜に対して高圧水銀灯からの活性エネルギー線を照射する硬化塗膜の形成方法。」
に係る発明(以下「甲1発明2」という。)が記載されているものと認められる。

(2)甲2の記載事項
甲2には、申立人が申立書第15頁末行?第17頁第10行で主張するとおりの事項が記載されている。

(3)甲3の記載事項
甲3には、申立人が申立書第17頁第11行?第18頁第21行で主張するとおりの事項が記載されている。

(4)甲4の記載事項
甲4には、申立人が申立書第18頁第22行?第19頁末行で主張するとおりの事項が記載されている。

(5)甲5の記載事項
甲5には、申立人が申立書第20頁第1行?第10行で主張するとおりの事項が記載されている。

2.本件の各発明に係る検討
本件発明1、2及び5ないし22につき、甲1に記載された発明(甲1発明1及び甲1発明2)に基づいて、それぞれ検討する。

(1)本件発明1について

ア.対比
本件発明1と甲1発明1とを対比すると、甲1発明1における「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」につき、「ポリシロキサン」部分を有し、アクリル当量200?700g/eq(すなわち1.4?5.0mmol/g不飽和基当量)であって、本件発明1における光ラジカル反応性基当量の範囲との間で一部重複し、さらに「(B)」の「無機フィラー」を混合して含有する点で、甲1発明1における「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」と「(B)」の「無機フィラー」との混合物が、本件発明1における「感光性珪素樹脂(A)」に相当するとともに、甲1発明1における「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」と「(B)」の「無機フィラー」との混合物及び「(C)光重合開始剤」の各成分の組成比についても、本件発明1における「感光性珪素樹脂(A)」及び「光ラジカル重合開始剤(B)」の各成分の組成比との間で一部重複するものといえるから、本件発明1と甲1発明1とは、下記の点で相違し、その余で一致するものと認められる。

相違点1:本件発明1では「屈折率1.6以上の金属酸化物微粒子」であるのに対して、甲1発明1では「(B)シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の平均粒子径が40?200nmである無機フィラー」である点
相違点2:感光性珪素樹脂(A)につき、本件発明1では「^(29)SiNMR法にて測定したときのピーク面積から下記計算式(2):
シラノール量割合=(D1×1+T1×2+T2+Q1×3+Q2×2+Q3)/[M1+(D1+D2)×2+(T1+T2+T3)×3+(Q1+Q2+Q3+Q4)×4] (2)
{式中、・・(中略)・・のピーク面積である。}で計算されるシラノール量割合が、0.2以下である」のに対して、甲1発明1では、「シラノール量割合」につき特定されていない点
相違点3:本件発明1では、「感光性珪素樹脂(A)が、下記一般式(1):R^(1)_(n1)SiX^(1)_(4-n1)(1){式中、R^(1)は、水素原子又は炭素数1?20の有機基であり、n1は、0?3の整数であり、X^(1)は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1?6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のn1、R^(1)及びX^(1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種以上のシラン化合物の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物の一方又は両方と前記金属酸化物微粒子との縮合反応物を含む」のに対して、甲1発明1では、「ポリシロキサン化合物・・と前記金属酸化物微粒子との縮合反応物を含む」か否か特定されていない点

イ.検討

(ア)相違点1について
上記相違点1につき検討すると、甲1発明1における「無機フィラー」のうち「酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化亜鉛」はいずれも屈折率1.6以上の金属酸化物であることが当業者に自明であり、また、屈折率差を有する界面を形成しない限りにおいて、他のフィラーに代えて当該屈折率1.6以上の高屈折率の成分を使用又はその使用量を増加させた場合に、(成型)組成物全体の屈折率を上げることができるであろうことも、当業者が予期し得ることと認められる。
さらに、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載を検討しても、本件発明1において屈折率の改善以外の当業者が予期し得ない特異な効果を奏しているものとは認められず、本件発明1において「屈折率1.6以上の金属酸化物微粒子」を使用した点に、格別な技術的意義が存するものとも認められない。
してみると、上記相違点1は、実質的な相違点であるとはいえないか、仮に実質的な相違点であるとしても、当業者がその技術知識に基づき、適宜なし得ることである。

(イ)相違点2について
上記相違点2につき検討すると、甲1発明1に係る「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」は、「重合成分として、エポキシ基を含有する(メタ)アクリレート(a)と、ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート(b)を含有する共重合体に、α,β-不飽和カルボン酸を反応させて得られる」ものであって、上記の「ポリシロキサンモノ(メタ)アクリレート」としては、「一般式(1)」(甲1【0011】参照)で表される、珪素原子に水酸基又はアルコキシ基などの加水分解性基が直接結合していない化合物を使用するのであるから、上記甲1発明1に係る「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」(と「(B)」の「無機フィラー」との混合物)は、シラノール基を有するものではない、すなわち、本件発明1における「シラノール量割合」は0であるものと認められる。
してみると、上記相違点2は、実質的な相違点であるとはいえない。

(ウ)相違点3について
上記相違点3について検討すると、上記(イ)でも説示したとおり、甲1発明1に係る「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」は、シラノール基(又は加水分解性シリル基)を有するものではないのであるから、「(B)」の「無機フィラー」と混合・加熱したとしても、縮合生成物が生成するものとは認められない。
なお、甲5に開示されているとおり、無機酸化物微粒子の表面に対して加水分解性シリル基を有する、いわゆるシランカップリング剤を用いて縮合反応させて表面処理を行うことは当業者の周知技術であるものと認められるが、上記のとおり、甲1発明1に係る「(A)」の「活性エネルギー線硬化型樹脂」は、シラノール基(又は加水分解性シリル基)を有するものではないのであるから、当該甲1発明1に対して甲5に開示された当業者の周知技術を組み合わせるべき動機付けが存するものとは認められない。
ちなみに、上記甲2ないし甲4の記載を検討しても、この相違点3に係る事項を想起し得る事項が記載されているものとは認められない。
また、本件発明1は、相違点3に係る事項を具備することにより、金属酸化物微粒子の凝集が抑制され、硬化物の透明性が高くなり、厚膜での硬化性に優れるというより好適な効果を奏するものと認められる(本件特許明細書【0030】)。
してみると、上記相違点3は、実質的な相違点であり、また、甲1発明1において、当業者が適宜なし得ることということはできない。

ウ.小括
したがって、本件発明1は、甲1発明1と同一であるとも、甲1発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいうことはできないから、本件発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当するものではなく、同条第2項の規定により特許を受けることができないものでもない。
よって、本件請求項1に係る発明についての特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものということはできないから、同法第113条第2号に該当するものではない。

(2)本件発明2及び5ないし22について
本件発明2及び5ないし22につき併せて検討すると、本件発明2及び5ないし22は、いずれも本件発明1を直接的又は間接的に引用するものである。
そして、上記(1)で説示したとおり、本件発明1は、甲1発明1と同一であるとも、甲1発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいうことはできないのであるから、本件発明1を引用する本件発明2及び5ないし22についても、甲1に記載された発明(甲1発明1又は甲1発明2)と同一であるとも、甲1に記載された発明(甲1発明1又は甲1発明2)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいうことはできない。
よって、本件請求項2及び5ないし22に係る各発明についての特許は、いずれも特許法第29条の規定に違反してされたものということはできないから、同法第113条第2号に該当するものではない。

(3)検討のまとめ
以上のとおりであるから、本件の請求項1、2、5ないし22に係る各発明についての特許は、いずれも特許法第29条の規定に違反してされたものということはできず、同法第113条第2号に該当するものとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、特許異議申立人が主張する取消理由は、いずれも理由がない。
そして、ほかに、本件の請求項1、2、5ないし22に係る各発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件の請求項3及び4に係る特許に対する本件異議申立は、訂正により記載事項が全て削除されたことにより、申立ての対象を欠く不適法なものとなり、その補正ができないものであるから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率1.6以上の金属酸化物微粒子及び光ラジカル反応性基を含む感光性珪素樹脂(A)100質量部並びに光ラジカル重合開始剤(B)0.01?50質量部を含む感光性樹脂組成物であって、該感光性樹脂組成物に含まれる光ラジカル反応性基当量が0.2?10mmol/gであり、
前記感光性珪素樹脂(A)を^(29)SiNMR法にて測定したときのピーク面積から下記計算式(2):
シラノール量割合=(D1×1+T1×2+T2+Q1×3+Q2×2+Q3)/[M1+(D1+D2)×2+(T1+T2+T3)×3+(Q1+Q2+Q3+Q4)×4] (2)
{式中、
M1とは、O原子と結合している結合手の数が1つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
D1とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
D2とは、O原子と結合している結合手の数が2つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が2個のもののピーク面積であり、
T1とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
T2とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が2個のもののピーク面積であり、
T3とは、O原子と結合している結合手の数が3つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が3個のもののピーク面積であり、
Q1とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が1個のもののピーク面積であり、
Q2とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が2個のもののピーク面積であり、
Q3とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が3個のもののピーク面積であり、そして
Q4とは、O原子と結合している結合手の数が4つであるSi原子のうち、Si-O-Si結合が4個のもののピーク面積である。}
で計算されるシラノール量割合が、0.2以下であり、
前記感光性珪素樹脂(A)が、下記一般式(1):
R^(1)_(n1)SiX^(1)_(4-n1) (1)
{式中、R^(1)は、水素原子又は炭素数1?20の有機基であり、n1は、0?3の整数であり、X^(1)は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1?6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のn1、R^(1)及びX^(1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種以上のシラン化合物及び該シラン化合物の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物の一方又は両方と前記金属酸化物微粒子との縮合反応物を含む、感光性樹脂組成物。
【請求項2】
分子内に光ラジカル反応性基を有するモノマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上の化合物(C)0.1?900質量部をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記縮合反応物が、芳香族炭化水素基を有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記感光性珪素樹脂(A)中の光ラジカル反応性基が、前記ポリシロキサン化合物に由来する、請求項1,2及び5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記感光性珪素樹脂(A)が、前記金属酸化物微粒子:20質量%以上95質量%以下、並びに前記ポリシロキサン化合物及び前記シラン化合物の合計:5質量%以上80質量%以下、を含む混合物又は該混合物の縮合生成物である、請求項1,2,5及び6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリシロキサン化合物が、前記一般式(1)で表されるシラン化合物の内、n1が1であるシラン化合物を含む縮合原料の加水分解縮合生成物である、請求項1,2,5?7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記光ラジカル重合開始剤(B)が、アセトフェノン誘導体、α-アミノアルキルフェノン系化合物、及びフォスフィンオキサイド系化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1,2,5?8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記金属酸化物微粒子が、Al、Ti、Zn、Zr、Nb、及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1,2,5?9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
前記金属酸化物微粒子が、バンドギャップ3.0eV以上を有する、請求項1,2,5?10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記光ラジカル反応性基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、及びメルカプト基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である、請求項1,2,5?11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項13】
酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の安定剤(D)0.1?50質量部をさらに含む、請求項1,2,5?12のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項14】
前記金属酸化物微粒子の平均一次粒子径が、1nm以上100nm以下である、請求項1,2,5?13のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項15】
請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物を製造する方法であって、以下の工程:
下記一般式(1):
R^(1)_(n1)SiX^(1)_(4-n1) (1)
{式中、R^(1)は、水素原子又は炭素数1?20の有機基であり、n1は、0?3の整数であり、X^(1)は、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1?6のアルコキシ基、及びアセトキシ基からなる群から選ばれる基であり、複数存在する場合のn1、R^(1)及びX^(1)は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。}で表される1種以上のシラン化合物を加水分解縮合するとともに、加水分解縮合前、加水分解縮合中及び加水分解縮合後の少なくともいずれかの時点で屈折率1.6以上の金属酸化物微粒子を反応系に添加して縮合させることによって、感光性珪素樹脂(A)を得る第1の工程、及び、
得られた感光性珪素樹脂(A)と光ラジカル重合開始剤(B)とを混合する第2の工程、
を含み、
前記第1の工程が、得られた感光性珪素樹脂(A)に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の、1気圧での沸点が100℃以上200℃以下である溶媒を加えた後、蒸留により溶媒成分を留去することにより、前記感光性珪素樹脂(A)の水分及び溶媒の合計含有率を0.0001質量%以上5質量%以下にすることをさらに含む、感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項16】
前記第1の工程における加水分解縮合を、アルコール水溶液中、酸性条件で行う、請求項15に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項17】
前記第1の工程において、前記シラン化合物の加水分解縮合生成物であるポリシロキサン化合物5質量%以上80質量%以下と、前記加水分解縮合後に反応系中に添加された前記金属酸化物微粒子20質量%以上95質量%以下とを、炭素数1?4のアルコール水溶液中、pH3?9、50℃以上100℃以下、及び大気圧で縮合させて感光性珪素樹脂(A)を得る、請求項15に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項18】
前記第2の工程において、分子内に光ラジカル反応性基を有するモノマー及びオリゴマーからなる群から選ばれる1種以上の化合物(C)、並びに酸化防止剤及び紫外線吸収剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の安定剤(D)、の一方又は両方をさらに混合する、請求項15に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
【請求項19】
請求項1,2,5?14のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物に、主波長が200?500nmである光を照射する工程を含む、硬化物の製造方法。
【請求項20】
130℃以上300℃以下でのベーク工程をさらに含む、請求項19に記載の硬化物の製造方法。
【請求項21】
請求項19に記載の硬化物の製造方法によって硬化物を製造することを含む、光半導体封止剤の製造方法。
【請求項22】
請求項19に記載の硬化物の製造方法によって硬化物を製造することを含む、プラスチックレンズの製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-07-20 
出願番号 特願2012-15937(P2012-15937)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08G)
P 1 651・ 121- YAA (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小森 勇  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 藤原 浩子
橋本 栄和
登録日 2016-03-11 
登録番号 特許第5897341号(P5897341)
権利者 旭化成株式会社
発明の名称 感光性樹脂組成物  
代理人 中村 和広  
代理人 古賀 哲次  
代理人 青木 篤  
代理人 青木 篤  
代理人 三間 俊介  
代理人 中村 和広  
代理人 石田 敬  
代理人 齋藤 都子  
代理人 三間 俊介  
代理人 古賀 哲次  
代理人 石田 敬  
代理人 齋藤 都子  

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