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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A44C
管理番号 1332435
審判番号 訂正2017-390038  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-05-29 
確定日 2017-08-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4044598号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4044598号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
平成17年 6月30日 本件出願(優先権主張平成16年7月14日)
平成19年11月22日 設定登録(特許第4044598号)
平成27年 3月28日 訂正審判請求(2015-390027)
平成27年 4月23日 訂正認容審決(平成27年5月12日確定)
平成28年11月16日 訂正審判請求(2016-390150)
平成29年 5月15日 不成立審決(平成29年6月26日確定)
平成29年 5月29日 訂正審判請求(2017-390038)
平成29年 6月15日 手続補正(方式)

第2 請求の趣旨及び内容
本件訂正審判は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
訂正の内容は、次のとおりである。下線は訂正箇所を示す。

(1)訂正事項1
平成27年5月12日に確定した同年4月23日付けの審決により認容された訂正(以下「1次訂正」という。)に係る訂正特許請求の範囲の請求項2に
「【請求項2】
装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、
前記ホルダーが1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材が前記1対の顎部材のいずれか一方に固定され、あるいはこの吸着部材を支持する支持部材が前記1対の顎部材を軸支する支軸によって支持されている装飾品鎖状端部の留め具。」
とあるのを、
「【請求項2】
装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、
前記ホルダーが、1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材が前記1対の顎部材のいずれか一方に固定されている装飾品鎖状端部の留め具。

あるいは、装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、
前記ホルダーが、ホルダー受け嵌入用の開口部を構成すると共に先端部に噛合い形状を形成した1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、嵌入するホルダー受けのネック部の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の大きさは、鰐口クリップの閉口状態の止め部より後部の一対の顎部材間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間より大きく、
かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材を支持する支持部材が前記1対の顎部材を軸支する支軸によって支持されている装飾品鎖状端部の留め具。」
と訂正する。

第3 当審の判断
1.訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項2において、「鰐口クリップの内部に設けた吸着部材」の支持態様につき「1対の顎部材のいずれか一方に固定され」る態様と「この吸着部材を支持する支持部材が前記1対の顎部材を軸支する支軸によって支持されている」態様を選択する表現となっているところ、前者の支持態様を有する「装飾品鎖状端部の留め具」(以下「本件留め具A」という。)と後者の支持態様を有する「装飾品鎖状端部の留め具」(以下「本件留め具B」という。)を句点を用いて少なくとも文言上独立した表現に改めて、両者の留め具を「あるいは」の文言で接続するものである。
また、訂正事項1は、本件留め具Bについて、「1対の顎部材」に「ホルダー受け嵌入用の開口部を構成すると共に先端部に噛合い形状を形成した」との限定を、「嵌入するホルダー受けのネック部」に「鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間以下の大きさであり」との限定を、「ホルダー受けの吸着部材」に「鰐口クリップの閉口状態の止め部より後部の一対の顎部材間以下の大きさであり」及び「鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間より大きく」との限定を、それぞれ付加するものである。

そうすると、訂正事項1は、訂正前の請求項2に含まれる本件留め具A及びBのうち、本件留め具Bについて具体的に特定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

2.新規事項
1次訂正に係る訂正明細書又は図面(以下「特許明細書等」という。)には、以下の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。
(1)4頁40行?5頁14行
「〔鰐口クリップ及び係止部材〕
・・・
係止部材は、開口状態にある鰐口クリップの顎部材間に嵌入可能である適宜な形状と、鰐口クリップの顎部材が確実に噛合うことができる形状の噛合い部分を備えていれば良い。噛合いの確実性を期するために、顎部材の先端部にも一定の適宜な噛合い形状を形成することができる。」
(2)7頁44行?8頁1行
「鰐口クリップ3の開口部を構成する部分において、第1図における上側の顎部材6の上端部と下側の顎部材6の下端部には、それぞれ円形開口部の内周側へ少し張り出した止め部14を形成している。一方、ホルダー受けである前記の係止部材4は、鰐口クリップ3と略同径の円柱形状又は円筒形状を持っている。そして、係止部材4の先端側(鰐口クリップ3との対向面側)には、細径であるネック部15を介して前記N極磁石10と同形状のS極磁石16を固定している。第5図に示すように、鰐口クリップ3が閉じて係止部材4と噛み合ったときには、1対の顎部材6の上記止め部14が、ネック部15に食い込む。」
(3)8頁22?25行
「すると、第5図に示すように、バネ7の付勢力によって鰐口クリップ3が閉口状態に戻り、その際に係止部材4の先端部分が支持部材8と共に鰐口クリップ3の内部に引き込まれる。その結果、係止部材4のネック部15に対して1対の顎部材6の止め部14が噛合う。」
(4)図5?7
ネック部15の大きさにつき、鰐口クリップ3の一対の閉口状態の顎部材6の先端の止め部14と止め部14の間以下の大きさである点、及び、S極磁石16(吸着部材)の大きさにつき、鰐口クリップ3の一対の閉口状態の顎部材6の止め部14より後部の顎部材6間以下の大きさである点を看取することができる。
(5)上記記載事項(2)から、S極磁石16(吸着部材)の大きさにつき、鰐口クリップ3の一対の閉口状態の顎部材6の止め部14と止め部14の間より大きいものと認められる。
よって、訂正事項1は、特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3.特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項1は、上記1.のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4.独立特許要件
訂正後の請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かを検討するに、訂正後の請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

第4 むすび
本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5?7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、
前記ホルダーが、ホルダー受け嵌入用の開口部を構成すると共に先端部に噛合い形状を形成した1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設けた装飾品鎖状端部の留め具。
【請求項2】
装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、
前記ホルダーが、1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材が前記1対の顎部材のいずれか一方に固定されている装飾品鎖状端部の留め具。
あるいは、装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、
前記ホルダーが、ホルダー受け嵌入用の開口部を構成すると共に先端部に噛合い形状を形成した1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、嵌入するホルダー受けのネック部の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の大きさは、鰐口ダー受けの吸着部材の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間より大きく、
かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材を支持する支持部材が前記1対の顎部材を軸支する支軸によって支持されている装飾品鎖状端部の留め具。
【請求項3】
前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材又はこの吸着部材を支持する支持部材を1対の顎部材に対してリンクアームで連結することにより、1対の顎部材の開口時に吸着部材が開口部から突出動作するリンク機構を構成した請求項1に記載の装飾品鎖状端部の留め具。
【請求項4】
前記リンク機構のリンクアームを鰐口クリップ閉口用のバネとした請求項3に記載の装飾品鎖状端部の留め具。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-07-20 
結審通知日 2017-07-24 
審決日 2017-08-04 
出願番号 特願2006-528955(P2006-528955)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A44C)
最終処分 成立  
特許庁審判長 内藤 真徳
特許庁審判官 平瀬 知明
根本 徳子
登録日 2007-11-22 
登録番号 特許第4044598号(P4044598)
発明の名称 装飾品鎖状端部の留め具  

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