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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01G
管理番号 1332575
審判番号 不服2017-2561  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-22 
確定日 2017-10-10 
事件の表示 特願2012-255923「計量制御器」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 6月 5日出願公開、特開2014-102222、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成24年11月22日を出願日とする出願であって、平成28年7月29日付けの拒絶理由通知に対して平成28年9月26日付けで手続補正がなされるとともに意見書が提出されたが、平成28年12月15日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成29年2月22日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本願補正

1 本件補正

本件補正は、特許請求の範囲について、本件補正前に、

「【請求項1】
被計量物の重量を計量する計量機器に備えられ、前記計量機器の動作を零点及びスパン係数を含む複数の動作条件の各々の設定値に基づいて制御する計量制御器であって、
各々の前記動作条件の設定値が記憶される設定値記憶領域と、
各々の前記動作条件について前記設定値の良否判定の目安となる基準値が記憶される基準値記憶領域と、
前記設定値記憶領域に記憶されている前記動作条件の設定値を変更するための設定値変更手段と、
各々の動作条件について前記設定値記憶領域に記憶されている前記設定値と前記基準値記憶領域に記憶されている前記基準値とが等しいか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない前記動作条件を視認できるように画面に表示する表示手段と
を備え、
前記計量機器の動作を、常に、前記基準値ではなく、前記設定値に基づいて制御するよう構成された、計量制御器。
【請求項2】
比較指令信号を前記判定手段へ入力するための第1の操作手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記比較指令信号の入力に応答して前記判定を行うよう構成された、請求項1に記載の計量制御器。
【請求項3】
前記計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の値が、最初の前記基準値として予め前記基準値記憶領域に記憶されているよう構成された、請求項1または2に記載の計量制御器。
【請求項4】
複写指令信号の入力に応答して、前記設定値記憶領域に記憶されている全ての前記動作条件の設定値を、前記基準値記憶領域に前記基準値として記憶させる複写手段と、
前記複写指令信号を前記複写手段へ入力するための第2の操作手段と
をさらに備えた、請求項1?3のいずれかに記載の計量制御器。
【請求項5】
前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件について前記設定値と前記基準値とのうちの少なくとも前記設定値を画面に表示し、前記設定値と前記基準値とが等しい動作条件については前記設定値と前記基準値とを表示しないよう構成された、請求項1?4のいずれかに記載の計量制御器。
【請求項6】
前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件について前記設定値と前記基準値との両方を画面に表示するよう構成された、請求項5に記載の計量制御器。」
とあったところを、

「【請求項1】
被計量物の重量を計量する計量機器に備えられ、前記計量機器の動作を零点及びスパン係数を含む複数の動作条件の各々の設定値に基づいて制御する計量制御器であって、
各々の前記動作条件の設定値が記憶される設定値記憶領域と、
各々の前記動作条件について前記設定値の良否判定の目安となる基準値が記憶される基準値記憶領域と、
前記設定値記憶領域に記憶されている前記動作条件の設定値を変更するための設定値変更手段と、
各々の動作条件について前記設定値記憶領域に記憶されている前記設定値と前記基準値記憶領域に記憶されている前記基準値とが等しいか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない前記動作条件を視認できるように画面に表示する表示手段と
を備え、
前記計量機器の動作を、常に、前記基準値ではなく、前記設定値に基づいて制御するよう構成され、
前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件の全てについて、その項目名と前記設定値と前記基準値とを画面に表示するとともに、前記設定値と前記基準値とが等しい動作条件については、その項目名と前記設定値と前記基準値とのいずれも画面に表示しないよう構成された、
計量制御器。
【請求項2】
比較指令信号を前記判定手段へ入力するための第1の操作手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記比較指令信号の入力に応答して前記判定を行うよう構成された、請求項1に記載の計量制御器。
【請求項3】
前記計量機器の仕様に基づいて定められた各々の動作条件の値が、最初の前記基準値として予め前記基準値記憶領域に記憶されているよう構成された、請求項1または2に記載の計量制御器。
【請求項4】
複写指令信号の入力に応答して、前記設定値記憶領域に記憶されている全ての前記動作条件の設定値を、前記基準値記憶領域に前記基準値として記憶させる複写手段と、
前記複写指令信号を前記複写手段へ入力するための第2の操作手段と
をさらに備えた、請求項1?3のいずれかに記載の計量制御器。」
とすることを含むものである(下線は、本件補正による補正箇所である。)。

本件補正について検討する。

請求項1についてする本件補正は、「表示手段」について「前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件の全てについて、その項目名と前記設定値と前記基準値とを画面に表示するとともに、前記設定値と前記基準値とが等しい動作条件については、その項目名と前記設定値と前記基準値とのいずれも画面に表示しないよう構成」するとの限定を付加するものである。

よって、本件補正は、特定するために必要な事項を限定するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び第4項に違反するところはない。

2 独立特許要件

そこで、補正後の請求項1ないし4に記載されている事項により特定される発明(それぞれを、以下、「本件補正発明1」等という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、について、以下に検討する。

(1)引用例の記載事項
ア 原査定の拒絶理由で引用され、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2006-125903号公報(本引用例は、原査定の拒絶の理由における引用文献1に対応するので、以下、これを「引用例1」という。また、以下の引用例2ないし5についても同様である。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。

a「【0001】
本発明は、複数の設定項目を有する運転用設定データを記憶している組合せ計量装置や重量式選別装置などの計量機器に関する。」

b「【0025】
本実施の形態の組合せ計量装置は、装置上部の中央に、外部の供給装置10から供給される物品を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ11が設けられている。分散フィーダ11の周囲には、分散フィーダ11から送られてきた物品を振動によって各供給ホッパ13に送りこむためのリニアフィーダ12が設けられている。リニアフィーダ12の下方には、複数の供給ホッパ13、計量ホッパ14及びメモリホッパ15がそれぞれ対応して設けられ、円状に配置されている。供給ホッパ13はリニアフィーダ12から送りこまれた物品を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ14が空になるとゲートを開いて計量ホッパ14へ物品を投入する。計量ホッパ14にはロードセル等の重量センサ19が取り付けられており、この重量センサ19が計量ホッパ14内の物品の重量を計測する。ここでは、計量ホッパ14は、その保持している物品をメモリホッパ15と集合シュート16へ選択的に排出可能な構成になっている。メモリホッパ15は計量ホッパ14の斜め下方に配置され、空になると計量ホッパ14から物品が投入される。制御部31による組合せ演算により複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出すべきホッパ(以下、排出ホッパ)の組合せが求められ、その組合せに該当する排出ホッパから物品が集合シュート16上へ排出される。集合シュート16は、計量ホッパ14およびメモリホッパ15の下方に設けられ、また、その下部には集合ファンネル17が配設されている。計量ホッパ14およびメモリホッパ15から排出された物品は集合シュート16上を滑り集合ファンネル17で集められて集合ホッパ18に一旦溜められる。制御部31が図示されない包装機からの排出要求信号を受けて集合ホッパ18のゲートを開き、物品が包装機に送出される。また、分散フィーダ11上の物品の量を検出する光電式のレベルセンサ20が設けられている。また、上記からも明らかであるが、リニアフィーダ12及びその振動制御回路34(図2)と、供給ホッパ13,計量ホッパ14及びそれらのゲート駆動回路35(図2)と、重量センサ19及びA/D変換回路36(図2)と、メモリホッパ15及びそのゲート駆動回路37(図2)とを有する計量ユニット41(図2)が、複数備えられている。
【0026】
操作設定表示器3は、例えばタッチパネル等で構成され、組合せ計量装置の操作およびその動作設定等を行うための入力手段と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示手段とを備えている。印字部4は、プリンター等の一般的な印字装置で構成され、操作設定表示器3の入力手段から入力する信号により、演算制御部311を介して操作可能である。
【0027】
制御部31は、CPU等からなる演算制御部311と、RAM及びROM等のメモリからなる記憶部312とで構成されている。演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、前述の供給装置10の制御および組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行う。組合せ演算では、複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から、物品の計量値の合計が目標重量に対して許容範囲となるホッパの組合せが1つ求められる。この組合せ演算では、計量ホッパ14内の物品の計量値には重量センサ19による計測値が用いられ、メモリホッパ15内の物品の計量値には、その上の計量ホッパ14において重量センサ19により計測されたときの値が記憶部312に保持されており、その値が用いられる。また、記憶部312には、運転用プログラム、後述する動作パラメータの一覧表のデータ、その他計量値データ等が記憶される。」

c「【0032】
組合せ計量装置では、上記のような動作を行うための運転用設定データとして多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は操作設定表示器3を用いて行われ、設定されたパラメータの値(設定値)は記憶部312に記憶されている。

d「【0035】
図4は、本実施の形態における操作設定表示器3の表示手段の画面に表示された動作パラメータの一覧表を示す図である。この一覧表には組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための設定項目およびその設定値が記録されており、図4で示された設定項目はほんの一例であり、実際の設定項目数は前述のように多数ある。品種番号1?3は同じ種類の物品(A品)であるが目標重量が異なる。品種番号4,5,6はそれぞれB品、C品、D品であり、品種番号1?3とは物品の種類が異なる。組合せ計量装置では、目標重量と物品の種類により設定内容が異なるので、品種番号は、目標重量と物品の種類に応じて付与している。言い換えれば、本実施の形態における品種は、目標重量と物品の種類によって区分されている。
【0036】
図4の一覧表の表示例では、品種番号1を代表的な設定を行っている基準品種として、品種番号1についての設定値は全部表示し、品種番号2?6については、基準品種の品種番号1と異なる設定値のみを表示するとともに、設定値が「チェックを要する」場合は、二重の取り消し線を付加することにより警告表示している。
【0037】
このような表示内容になる過程を説明する。以下で述べる設定値の調整および変更等は、作業者が操作設定表示器3の画面を見ながら、操作設定表示器3に備えられているキーボード等の入力手段(この入力手段は画面上に表示されたものであってもよいし、あるいは画面の近傍に配置されてあるものでもよい)を操作して行う。
【0038】
組合せ計量装置の据え付け時に、まず、品種番号1の運転のための各設定項目の設定値を実運転で調整し、図4のような設定になった。品種番号1は目標重量が100gで速度は80pack/分であったが、目標重量が150gの運転も必要であった。そこで品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーし、目標重量を変更するとともに、それに伴い変更が必要となる他の設定項目の設定値を変更し、品種番号2に関する設定値の作成を終了した。その結果、変更した設定項目の内容が品種番号2の欄に表示される。なお、このコピーという手法については、情報処理の技術分野では周知であるので、その説明を省略する。ここで、上記のように新しい品種番号2の設定内容を作成する場合、その作成中は、品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーした後、全ての設定項目についての設定値が表示されているが、設定変更後に終了操作を行うと、品種番号1の設定内容と異なる部分の設定値と、後述する図6の変換条件あるいは図7の条件を満足していない設定値のみが表示される。品種番号2の設定内容の作成終了時には、表示されていない部分も含めた一覧表の全てのデータは、記憶部312内に記憶されており、操作設定表示器3は画面に表示する際に、演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御される。ただし、設定値が同じであっても、後述する図6の変換条件あるいは図7の条件を満足していない設定値は「チェックを要する」ものとして表示されるように制御する。
【0039】
同様にして品種番号3?6に関する設定値も作成された。なお、品種番号5の目標重量は品種番号1と同一であるが、物品の種類が異なるためリニアフィーダ強度を変える必要があった。また、品種番号6は、品種番号1とは目標重量も物品の種類も異なるため、変更する設定値は多かった。」

e 引用例1の図2から、組合せ計量装置には、制御部31、操作設定表示器3を備えることが示されている。

f 引用例1の図3には、組合せ計量装置の設定項目には、目標重量を含むことが示されている。

g 引用例1の図4から、設定値が同じでない設定項目については、設定項目と、基準品種である品種番号1の設定値と、基準品種以外の品種番号2?6の設定値を表示することが読み取れる。

(A)上記aの記載から、引用例1には「複数の設定項目を有する運転用設定データを記憶している組合せ計量装置」が記載されている。

(B)上記eから、引用例1には、「組合せ計量装置は、制御部31、操作設定表示器3を備える」ことが記載されているということができる。

(C)上記bの「【0025】本実施の形態の組合せ計量装置は、‥‥‥複数の供給ホッパ13、計量ホッパ14及びメモリホッパ15がそれぞれ対応して設けられ、‥‥‥供給ホッパ13はリニアフィーダ12から送りこまれた物品を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ14が空になるとゲートを開いて計量ホッパ14へ物品を投入する。計量ホッパ14には‥‥‥重量センサ19が取り付けられており、この重量センサ19が計量ホッパ14内の物品の重量を計測する。ここでは、計量ホッパ14は、その保持している物品をメモリホッパ15と集合シュート16へ選択的に排出可能な構成になっている。‥‥‥制御部31による組合せ演算により複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出すべきホッパ(以下、排出ホッパ)の組合せが求められ、その組合せに該当する排出ホッパから物品が集合シュート16上へ排出される。」との記載から、引用例1には、「組合せ計量装置は、計量ホッパ14へ物品を投入し、計量ホッパ14には重量センサ19が取り付けられており、この重量センサ19が計量ホッパ14内の物品の重量を計測し、計量ホッパ14は、その保持している物品をメモリホッパ15と集合シュート16へ選択的に排出可能な構成になっており、制御部31による組合せ演算により複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出すべきホッパ(以下、排出ホッパ)の組合せが求められ、その組合せに該当する排出ホッパから物品が集合シュート16上へ排出される」ことが記載されている。

(D)上記bの「【0026】操作設定表示器3は、組合せ計量装置の動作設定等を行うための入力手段と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示手段とを備えている」との記載において、上記fの「【0037】‥‥‥設定値の調整および変更等は、作業者が操作設定表示器3の画面を見ながら、操作設定表示器3に備えられている‥‥‥入力手段‥‥‥を操作して行う。」との記載から、引用例1には、「操作設定表示器3は、組合せ計量装置の動作設定、設定値の調整および変更等を行うための入力手段と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示手段とを備えている」ということができる。

(E)上記bには「【0027】、制御部31は、‥‥‥演算制御部311と、‥‥‥記憶312とで構成されている。演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行う。組合せ演算では、複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から、物品の計量値の合計が目標重量に対して許容範囲となるホッパの組合せが1つ求められる。この組合せ演算では、計量ホッパ14内の物品の計量値には重量センサ19による計測値が用いられ、‥‥‥記憶部312には、‥‥‥後述する動作パラメータの一覧表のデータ‥‥‥等が記憶される。」ことが記載されている。
ここで、「後述する動作パラメータ」については、「運転用設定データとして多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は操作設定表示器3を用いて行われ、設定されたパラメータの値(設定値)は記憶部312に記憶されている。」(上記cの【0032】)こと、及び「操作設定表示器3の表示手段の画面に表示された動作パラメータの一覧表を示す図である。この一覧表には組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための設定項目およびその設定値が記録されて」(上記dの【0035】)いること、そして、組合せ計量装置の設定項目には、目標重量を含むこと(上記f)から、引用例1には、「制御部31は、演算制御部311と記憶部312とで構成され、記憶部312には、運転用設定データとして多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目、およびその設定値である動作パラメータが記憶され、演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行う」ことが記載されているということができる。

(F)上記d(【0036】)の記載から、引用例1には、「品種番号1を代表的な設定を行っている基準品種として、品種番号1についての設定値は全部表示し、品種番号2については、基準品種の品種番号1と異なる設定値のみを表示する」ことが記載されている。

(G)上記d(【0038】)の記載から、引用例1には、「組合せ計量装置の据え付け時に、まず、品種番号1の運転のための各設定項目の設定値を実運転で調整し、品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーし、目標重量を変更するとともに、それに伴い変更が必要となる他の設定項目の設定値を変更し、変更した設定項目の内容が品種番号2の欄に表示され、操作設定表示器3は画面に表示する際に、演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御される」ことが記載されている。

(H)上記d(【0039】)の記載から、引用例1には、「同様にして品種番号3?6に関する設定値も作成され」ることが記載されている。

(I)上記gから、引用例1には、「設定値が同じでない設定項目については、設定項目と、基準品種である品種番号1の設定値と、基準品種以外の品種番号2の設定値を表示する」ことが記載されているということができる。


上記記載から、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「複数の設定項目を有する運転用設定データを記憶している組合せ計量装置であって、
組合せ計量装置は、制御部31、操作設定表示器3を備え、
組合せ計量装置は、計量ホッパ14へ物品を投入し、計量ホッパ14には重量センサ19が取り付けられており、この重量センサ19が計量ホッパ14内の物品の重量を計測し、計量ホッパ14は、その保持している物品をメモリホッパ15と集合シュート16へ選択的に排出可能な構成になっており、制御部31による組合せ演算により複数の計量ホッパ14およびメモリホッパ15の中から排出すべきホッパ(以下、排出ホッパ)の組合せが求められ、その組合せに該当する排出ホッパから物品が集合シュート16上へ排出され、
操作設定表示器3は、組合せ計量装置の動作設定、設定値の調整および変更等を行うための入力手段と、運転速度、組合せ計量値等を画面に表示する表示手段とを備え、
制御部31は、演算制御部311と記憶部312とで構成され、記憶部312には、運転用設定データとして多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目、およびその設定値である動作パラメータが記憶され、演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行い、
品種番号1を代表的な設定を行っている基準品種として、品種番号1についての設定値は全部表示し、品種番号2については、基準品種の品種番号1と異なる設定値のみを表示し、
組合せ計量装置の据え付け時に、まず、品種番号1の運転のための各設定項目の設定値を実運転で調整し、品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーし、目標重量を変更するとともに、それに伴い変更が必要となる他の設定項目の設定値を変更し、変更した設定項目の内容が品種番号2の欄に表示され、操作設定表示器3は画面に表示する際に、演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御され、
同様にして品種番号3?6に関する設定値も作成され、
設定値が同じでない設定項目については、設定項目と、基準品種である品種番号1の設定値と、基準品種以外の品種番号2?6の設定値を表示する、
組合せ計量装置。」

イ 原査定の拒絶理由で引用され、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2010-48630号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。

「【0007】
本発明の電子秤は、計量皿を有し、この計量皿に加えられる荷重を受けてその荷重量に応じた電気信号を出力する計量部を有し、ディップスイッチを有する重量検出ユニットと、前記計量部が出力する電気信号を増幅して2値化することで秤データに変換する2値化回路と、前記重量検出ユニットとは別体で設けられ、表示器を有し、個々の前記重量検出ユニットに対応する前記秤データに対するゼロ点調整値及びスパン調整値を記憶する不揮
発性メモリを有し、それらの調整値で補正した前記秤データに基づく計量値を算出して前記表示器に表示させるデータ処理部を有する制御ユニットと、を備え、前記データ処理部は、(1)前記ディップスイッチの設定値を前記不揮発性メモリに初期設定値として記憶する処理と、(2)前記データ処理部に接続されている前記ディップスイッチの現在の設定値を読み出して前記不揮発性メモリが記憶している初期設定値との一致不一致を判定する処理と、(3)前記現在の設定値と前記初期設定値との不一致を判定した場合に警告報知を行う処理と、を実行する。」

ウ 原査定の拒絶理由で引用され、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開平8-178737号公報(以下、「引用例3」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。

「【0017】このロードセル式はかりは、ロードセルユニット1a?1dごと、指示計ユニットに分けて別々に調整されており、指示計ユニット3と各ロードセルユニット1a?1dとを通信回線2で接続して運転した際に、最初に、主制御部8が通信回線2を介して各ロードセルユニット1a?1dのゼロ点の温度特性,スパンの温度特性,ゼロオフセット値,スパン係数,リニア特性,クリープ特性,ディジタルフィルタ特性,信号処理部6の動作条件を主記憶部12に書き込むように構成されている。」

エ 原査定の拒絶理由で引用され、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2008-269301号公報(以下、「引用例4」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。

「【0025】
図1に示す温度調節器1は、例えば図示せぬヒータの温度を検出し、この検出温度が目標温度となるようにヒータを温度制御する温度調節機能を備え、機能設定毎に初期値を記憶した初期値メモリ11と、この初期値メモリ11に記憶中の機能設定の初期値に基づき、同機能設定の現在設定値を記憶する現在設定値メモリ12と、様々な情報を表示する表示部13と、様々な情報を入力する操作部14と、初期値メモリ11及び現在設定値メモリ12をメモリ制御するメモリ制御部15と、表示部13を表示制御する表示制御部16と、この温度調節器1全体を制御する制御部17とを有している。
【0026】
初期値メモリ11は、例えば工場出荷時に設定した機能設定毎の初期値を記憶した、例えば不揮発性メモリに相当するものである。」

「【0084】
また、上記実施の形態においては、基準値として工場出荷時に設定した初期値を例に上げて説明したが、例えばユーザが前回に設定した設定値を基準値とするようにしても、同様の効果が得られることは言うまでもない。」

オ 原査定の拒絶理由で引用され、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開平4-106602号公報(以下、「引用例5」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。

「かかる問題の解決手段として、いくつかの装置使用条件に合ったパラメータテーブルを複数個設けるとともに、本発明においては、これらテーブルを選択するためのテーブルを用意する。選択用テーブルには使用者名、試料種類等の測定条件と最適テーブルの関係を結びつける機能をもたせる。
さらに複数テーブルのうち1つは装置管理者のみが使用出来るマスタテーブルを設けるとともに、これら複数テーブル間の複写、あるいは比較が行えるようにする。
【作用】
本発明によれば、装置使用に先立って使用者が使用者名、試料材質、試料構造、あるいは測定目的等を入力すると選択テーブルにより装置は最適パラメータテーブルを選択する。また、万一使用者の誤操作によりテーブルが破壊された場合でも、マスタテーブルとの比較、あるいは複写により容易に復帰することが可能である。」(第2ページ左下欄第1-18行)

(2)本件補正発明1と、引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「組合せ計量装置」は、「計量ホッパ14へ物品を投入し、計量ホッパ14には重量センサ19が取り付けられており、この重量センサ19が計量ホッパ14内の物品の重量を計測」するものであるから、本件補正発明1の「被計量物の重量を計量する計量機器」に相当する。

イ 引用発明の「組合せ計量装置は、制御部31を備える」ものであって、「制御部31は、演算制御部311と記憶部312とで構成され、記憶部312には、運転用設定データとして多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目、およびその設定値である動作パラメータが記憶され、演算制御部311は、記憶部312に記憶されている運転用プログラムを実行して、組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行う」ものである。
ここで、制御部31を構成する演算制御部311は、組合せ計量装置の全体の制御を行うとともに組合せ演算を行うものであって、組合せ計量装置の全体の制御や組合せ演算は、組合せ計量装置の運転動作の制御と捉えることができるから、組合せ計量装置の運転動作の制御は、記憶部312に記憶されている、運転用設定データとして多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目およびその設定値である動作パラメータを用いてなされているということができる。
したがって、引用発明において、組合せ計量装置(本件補正発明1の「計量機器」に相当。)の動作を、多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目およびその設定値である動作パラメータ(本件補正発明1の「複数の動作条件の各々の設定値」に相当。)に基づいて制御する制御部は、本件補正発明1の「前記計量機器の動作を零点及びスパン係数を含む複数の動作条件の各々の設定値に基づいて制御する計量制御器」と、「前記計量機器の動作を複数の動作条件の各々の設定値に基づいて制御する計量制御器」である点で共通する。

ウ 引用発明は、「記憶部312には、運転用設定データとして多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目、およびその設定値である動作パラメータが記憶され」るものであって、記憶部に、このような設定値である動作パラメータ(本件補正発明1の「各々の前記動作条件の設定値」に相当。)が記憶される記憶領域を設けることは常套手段であるから、引用発明の記憶部312に設けられた動作パラメータが記憶される領域は、本件補正発明1の「各々の前記動作条件の設定値が記憶される設定値記憶領域」に相当する。

エ 引用発明は、「記憶部312には、運転用設定データとして多数の、組合せ計量装置を各品種に応じて運転するための、目標重量を含む設定項目、およびその設定値である動作パラメータが記憶され」るものであって、目標重量を含む設定項目およびその設定値である動作パラメータについて、「品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーし、目標重量を変更するとともに、それに伴い変更が必要となる他の設定項目の設定値を変更し、」「基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され」るのであるから、「基準品種である品種番号1の各設定値」は、本件補正発明1の「前記設定値の良否判定の目安となる基準値」に相当する。
したがって、上記ウを踏まえれば、引用発明の「設定値である動作パラメータ」において、「基準品種である品種番号1の各設定値」が記憶される領域は、本件補正発明1の「各々の前記動作条件について前記設定値の良否判定の目安となる基準値が記憶される基準値記憶領域」に相当する。

オ 引用発明は、「品種番号1の設定内容を品種番号2の欄にコピーし、目標重量を変更するとともに、それに伴い変更が必要となる他の設定項目の設定値を変更」するものであって、目標重量を含む設定値を変更するために設定値変更手段を設けることは自明である。 そして、上記ウを踏まえれば、引用発明の、目標重量を含む設定値を変更する設定値変更手段は、本件補正発明1の「前記設定値記憶領域に記憶されている前記動作条件の設定値を変更するための設定値変更手段」に相当する。

カ 引用発明は、「演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御され」るものであって、演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが同じであるかどうかを判定していると捉えることができる。
そして、上記ウ、エを踏まえれば、引用発明の「演算制御部311」は、本件補正発明1の「各々の動作条件について前記設定値記憶領域に記憶されている前記設定値と前記基準値記憶領域に記憶されている前記基準値とが等しいか否かの判定を行う判定手段」に相当する。

キ 引用発明は、「変更した設定項目の内容が品種番号2の欄に表示され、操作設定表示器3は画面に表示する際に、演算制御部311の処理により、基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御され、同様にして品種番号3?6に関する設定値も作成され、設定値が同じでない設定項目については、設定項目と、基準品種である品種番号1の設定値と、基準品種以外の品種番号2?6の設定値を表示する」ものであって、設定値が同じでない設定項目については、品種番号2から6の設定値を表示するものということができるから、このような表示を行う操作設定表示器3は、本件補正発明1の「前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない前記動作条件を視認できるように画面に表示する表示手段」に相当する。

また、このような表示を行う操作設定表示器3は、本件補正発明1の「前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件の全てについて、その項目名と前記設定値と前記基準値とを画面に表示するとともに、前記設定値と前記基準値とが等しい動作条件については、その項目名と前記設定値と前記基準値とのいずれも画面に表示しないよう構成され」ることと、「前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件の全てについて、その項目名と前記設定値と前記基準値とを画面に表示するよう構成され」る点で共通する。

以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「被計量物の重量を計量する計量機器に備えられ、前記計量機器の動作を複数の動作条件の各々の設定値に基づいて制御する計量制御器であって、
各々の前記動作条件の設定値が記憶される設定値記憶領域と、
各々の前記動作条件について前記設定値の良否判定の目安となる基準値が記憶される基準値記憶領域と、
前記設定値記憶領域に記憶されている前記動作条件の設定値を変更するための設定値変更手段と、
各々の動作条件について前記設定値記憶領域に記憶されている前記設定値と前記基準値記憶領域に記憶されている前記基準値とが等しいか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない前記動作条件を視認できるように画面に表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記設定値と前記基準値とが等しくない動作条件の全てについて、その項目名と前記設定値と前記基準値とを画面に表示するよう構成された、
計量制御器。」

(相違点1)
本願発明1は、複数の動作条件には「零点及びスパン係数」が含まれるのに対し、引用発明では、このような特定がない点。

(相違点2)
本願発明1は、「前記計量機器の動作を、常に、前記基準値ではなく、前記設定値に基づいて制御するよう構成され」ているのに対し、引用発明では、このような特定がない点。

(相違点3)
本願発明1は、「前記設定値と前記基準値とが等しい動作条件については、その項目名と前記設定値と前記基準値とのいずれも画面に表示しないよう構成され」ているのに対し、引用発明では、このような特定がない点。

(3)判断
事案に鑑み、上記(相違点3)について検討する。
a 引用発明は、「基準品種である品種番号1の各設定値と基準品種以外の品種番号2の各設定値とが比較され、設定値が同じである設定項目については基準品種以外の品種番号2の設定値を表示しないように制御され、同様にして品種番号3?6に関する設定値も作成され、設定値が同じでない設定項目については、設定項目と、基準品種である品種番号1の設定値と、基準品種以外の品種番号2?6の設定値を表示する」のであるから、設定値と基準値とが同じである場合、設定値については画面に表示しないように構成されているものの、基準値や設定項目についてまで画面に表示しないように構成しているのではないため、本願補正発明1のように、「設定値と基準値とが等しい動作条件については、その項目名と前記設定値と前記基準値とのいずれも画面に表示しないよう構成され」ることについて、記載も示唆もされていない。

b さらに、引用例1及び引用例2-5に記載された事項を考慮しても、本件補正発明1の(相違点3)に係る構成について、記載も示唆もされていない。

したがって、本件補正発明1の(相違点3)に係る構成は容易に想到し得るものとはいえない。

(4)小括
よって、本件補正発明1は、(相違点1)及び(相違点2)について判断するまでもなく、引用発明及び引用例2-5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件補正発明2ないし4は、本件補正発明1を直接又は間接的に引用する請求項に係る発明であって、本件補正発明1をさらに限定したものであるから、本件補正発明1と同様に、引用発明及び引用例2-5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
そして、本件補正発明1ないし4について、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないものというべき理由を発見しない。
よって、本件補正発明1ないし4は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

3 まとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり、特許法第17条の2第3項ないし第6項の規定に適合するから、本願の請求項1ないし4に係る発明(それぞれを、以下、「本願発明1」等という。)は、本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 原査定の理由の概要

「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1-6
・引用文献等 1-5
<引用文献等一覧>
1.特開2006-125903号公報
2.特開2010-048630号公報
3.特開平8-178737号公報
4.特開2008-269301号公報
5.特開平4-106602号公報 」

3 原査定の理由についての判断
本願発明1は、上記「第2」の「2」の「(2)」ないし「(4)」に記載したとおり、当業者が引用発明、引用例2ないし引用例5に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。
また、本願発明1を引用する本願発明2ないし4は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、当業者が引用発明、引用例2ないし引用例5に記載された発明に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。
一方、原査定の理由の対象となった請求項5、6は、本件補正により削除された。

4 むすび
したがって、本願については、原査定の拒絶理由を検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-09-25 
出願番号 特願2012-255923(P2012-255923)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 細見 斉子山下 雅人  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 酒井 伸芳
須原 宏光
発明の名称 計量制御器  
代理人 特許業務法人 有古特許事務所  

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