• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06K
管理番号 1332746
審判番号 不服2016-10778  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-15 
確定日 2017-09-20 
事件の表示 特願2014-550375「無線周波識別タグ」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 7月 4日国際公開、WO2013/101654、平成27年 3月 2日国内公表、特表2015-506513〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯

本件特許出願は、平成24年12月20日(パリ条約による優先権主張 平成23年12月27日 米国、平成24年9月14日 米国)を国際出願日としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成27年 6月30日付け:拒絶理由の通知
平成28年 1月 7日 :意見書及び手続補正書の提出
平成28年 3月 9日付け:拒絶査定
平成28年 7月15日 :審判請求書及び手続補正書の提出
平成28年 8月18日付け:前置報告書
平成28年11月25日 :上申書の提出


第2.平成28年7月15日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成28年7月15日付けの手続補正を却下する。


[理由]

1.補正の内容

平成28年7月15日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成28年1月7日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲(以下、「補正前の特許請求の範囲」という。)について、以下のとおりの特許請求の範囲(以下、「補正後の特許請求の範囲」という。)に補正することを含むものである。

(補正前の特許請求の範囲)

「【請求項1】
タグを含むセンサーシステムであって、前記タグは、
a.少なくとも1ビットを含むバイナリコード化ワードの電気ストレージ及び出力端子を含む、メモリ素子を含む、少なくとも1つの無線周波チップと、
b.前記少なくとも1つの無線周波チップの前記出力端子と電気通信するように配置された第1アンテナと、
c.前記タグの表面上に配置された非導電性コーティングであって、前記非導電性コーティングは、前記少なくとも1つの無線周波チップを被覆して外辺部を画定し、前記外辺部は、前記第1アンテナの一部にわたって位置して、前記外辺部内の前記第1アンテナの一部を露出する、非導電性コーティングとを含む、センサーシステム。

【請求項2】
電源と、前記第1アンテナの共振周波数を含む電磁放射を生成するように適合された第2アンテナと、電磁放射を検出し、前記検出された放射を復調して、前記検出された放射から埋め込まれたデータを抽出するように適合された受信機とを含む、問い合わせ器を更に含む、請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項3】
前記問い合わせ器は、前記抽出された前記埋め込まれたデータを解釈するように適合された分析素子、及び前記解釈の結果を表示するように適合された表示素子を更に含む、請求項2に記載のセンサーシステム。

【請求項4】
前記問い合わせ器は、ネットワーク通信リンクを含む、請求項2に記載のセンサーシステム。

【請求項5】
製品を更に含み、前記タグが前記製品の一部を含む、請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項6】
前記製品は、使い捨て吸収性物品を含む、請求項5に記載のセンサーシステム。

【請求項7】
前記製品は、携帯用電源を含む、請求項5に記載のセンサーシステム。

【請求項8】
前記第1アンテナと前記製品との間に配置された電気シールドを更に含む、請求項5に記載のセンサーシステム。

【請求項9】
露出した前記第1アンテナの一部が、前記無線周波チップに接続されたアンテナリードを含む、請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項10】
露出した前記第1アンテナの一部が、前記第1アンテナのコイル内に、非導電性空隙を含む、請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項11】
前記タグは、受動的無線周波チップを含む、請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項12】
製品情報を判定する方法であって、前記方法は、
a.タグを含む製品を提供する工程であって、前記タグは一部が露出したアンテナを含み、前記アンテナは、非導電性コーティングによって画定される外辺部内で部分的に露出される、工程と、
b.前記タグの環境状態と関連する放射を検出するように適合された、問い合わせ器を提供する工程と、
c.露出した前記アンテナの一部の環境に関連する前記タグの前記環境状態を変更する工程と、
d.露出した前記アンテナの一部の前記環境が変更した後に、前記タグの状態を問い合わせる工程と、
e.前記タグの前記状態を解釈する工程と、
f.前記解釈された前記タグの状態と関連する出力を提供する工程とを含む、方法。

【請求項13】
前記問い合わせ器を提供する工程は、ネットワーク通信リンクを含む問い合わせ器を提供する工程を更に含み、前記方法は、前記タグの前記状態と関連するデータをネットワークを介して共有する工程を更に含む、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
前記ネットワークを通じて、前記問い合わせ器のセンサーからのデータを共有する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。

【請求項15】
前記ネットワークを使用して前記製品のユニットを購入する工程を更に含む、請求項13に記載の方法。 」


(補正後の特許請求の範囲)

「【請求項1】
タグを含むセンサーシステムであって、前記タグは、
少なくとも1ビットを含むバイナリコード化ワードの電気ストレージ及び出力端子を含む、メモリ素子を含む、少なくとも1つの無線周波チップと、
前記少なくとも1つの無線周波チップの前記出力端子と電気通信するように配置された第1アンテナと、
前記タグの表面上に配置された非導電性コーティングであって、前記非導電性コーティングは、前記少なくとも1つの無線周波チップを被覆して外辺部を画定し、前記外辺部は、前記第1アンテナの一部にわたって位置して、前記外辺部内の前記第1アンテナの一部を露出し、前記露出した前記第1アンテナの一部が、該第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む、該非導電性コーティングと
製品であって、前記タグが前記製品の一部を含む、該製品と、
前記第1アンテナと前記製品との間に配置された電気シールドと
を具え、
前記電気シールドは、前記第1アンテナの共振周波数を含む電磁放射線が前記第1アンテナの近位の金属に侵入して減衰しないように、使用される前記製品の金属と前記電磁放射線に関連するRFID周波数とに依存する電磁特性を有する磁気ダイバータにより構成され、
前記非導電性空隙が導電性物質により被覆されるとき前記第1アンテナの導電性が変化し、該導電性の変化は前記導電性物質の接触の指標として電流状態の変化を表わす前記電磁放射線の変化に対応し、これによって、該電磁放射線の変化を示す信号が前記磁気ダイバータによって前記第1アンテナの近位の前記金属に侵入することなく出力されることを特徴とするセンサーシステム。

【請求項2】
電源と、前記第1アンテナの共振周波数を含む電磁放射線を生成するように適合された第2アンテナと、前記電磁放射線を検出し、前記検出された電磁放射線を復調して、前記検出された電磁放射線から埋め込まれたデータを抽出するように適合された受信機とを含む、問い合わせ器を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項3】
前記問い合わせ器は、前記抽出された前記埋め込まれたデータを解釈するように適合された分析素子、及び前記解釈の結果を表示するように適合された表示素子を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサーシステム。

【請求項4】
前記問い合わせ器は、ネットワーク通信リンクを含むことを特徴とする請求項2に記載のセンサーシステム。

【請求項5】
前記製品は、使い捨て吸収性物品を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項6】
前記製品は、携帯用電源を含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項7】
露出した前記第1アンテナの一部が、前記無線周波チップに接続されたアンテナリードを含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項8】
前記タグは、受動的無線周波チップを含むことを特徴とする請求項1に記載のセンサーシステム。

【請求項9】
製品情報を判定する方法であって、前記方法は、
タグを含む製品を提供する工程であって、前記タグは、一部が露出したアンテナと、前記アンテナと前記製品との間に配置された電気シールドとを含み、前記アンテナは、非導電性コーティングによって画定される外辺部内で部分的に露出され、前記露出した前記アンテナの一部が、該アンテナのコイル内に非導電性空隙を含み、
前記電気シールドは、前記アンテナの共振周波数を含む電磁放射線が前記アンテナの近位の金属に侵入して減衰しないように、使用される前記製品の金属と前記電磁放射線に関連するRFID周波数とに依存する電磁特性を有する磁気ダイバータにより構成され、
前記非導電性空隙が導電性物質により被覆されるとき前記アンテナの導電性が変化し、該導電性の変化は前記導電性物質の接触の指標として電流状態の変化を表わす前記電磁放射線の変化に対応し、これによって、該電磁放射線の変化を示す信号が前記磁気ダイバータによって前記アンテナの近位の前記金属に侵入することなく出力される、該工程と、
前記タグの環境状態と関連する電磁放射線を検出するように適合された、問い合わせ器を提供する工程と、
露出した前記アンテナの一部の環境に関連する前記タグの前記環境状態を変更する工程と、
前記問い合わせ器は、露出した前記アンテナの一部の前記環境が変更した後に、前記タグの状態を問い合わせる工程と、
前記問い合わせ器は、前記タグの前記状態を解釈する工程と、
前記問い合わせ器は、前記解釈された前記タグの状態と関連する出力を提供する工程と
を具えたことを特徴とする方法。

【請求項10】
前記問い合わせ器を提供する工程は、ネットワーク通信リンクを含む問い合わせ器を提供する工程を更に含み、前記方法は、前記タグの前記状態と関連するデータをネットワークを介して共有する工程を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。

【請求項11】
前記ネットワークを通じて、前記問い合わせ器のセンサーからのデータを共有する工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。

【請求項12】
前記ネットワークを使用して前記製品のユニットを購入する工程を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 」


2.本件補正の目的及び新規事項の有無

2-1.本件補正にかかる補正事項

共に「センサーシステム」に関する発明である、補正前後の請求項1の記載を対比すると、本件補正は、以下の補正事項を含むものである。(なお、下線は審判請求人により付されたものである。)

(a)補正後の請求項1に係る補正事項は、補正前の請求項1に対して補正前の請求項10に係る「前記露出した前記第1アンテナの一部が、該第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む、」との事項、補正前の請求項5に係る「製品であって、前記タグが前記製品の一部を含む、該製品と、」との事項、補正前の請求項8に係る「前記第1アンテナと前記製品との間に配置された電気シールドとを具え、」との事項を付加すると共に、「前記電気シールドは、前記第1アンテナの共振周波数を含む電磁放射線が前記第1アンテナの近位の金属に侵入して減衰しないように、使用される前記製品の金属と前記電磁放射線に関連するRFID周波数とに依存する電磁特性を有する磁気ダイバータにより構成され、
前記非導電性空隙が導電性物質により被覆されるとき前記第1アンテナの導電性が変化し、該導電性の変化は前記導電性物質の接触の指標として電流状態の変化を表わす前記電磁放射線の変化に対応し、これによって、該電磁放射線の変化を示す信号が前記磁気ダイバータによって前記第1アンテナの近位の前記金属に侵入することなく出力されることを特徴とする」との事項を付加する補正事項。(以下、「補正事項a」という。)

また、共に「方法」に関する発明である、補正前の請求項12と補正後の請求項9の記載を対比すると、本件補正は、以下の補正事項も含むものである。(なお、下線は審判請求人により付されたものである。)

(b)補正後の請求項9に係る補正事項は、補正前の請求項12に対して補正前の請求項8に係る「前記第1アンテナと前記製品との間に配置された電気シールドとを具え、」との事項、補正前の請求項10に係る「前記露出した前記第1アンテナの一部が、該第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む、」との事項を付加すると共に、「前記電気シールドは、前記第1アンテナの共振周波数を含む電磁放射線が前記第1アンテナの近位の金属に侵入して減衰しないように、使用される前記製品の金属と前記電磁放射線に関連するRFID周波数とに依存する電磁特性を有する磁気ダイバータにより構成され、
前記非導電性空隙が導電性物質により被覆されるとき前記第1アンテナの導電性が変化し、該導電性の変化は前記導電性物質の接触の指標として電流状態の変化を表わす前記電磁放射線の変化に対応し、これによって、該電磁放射線の変化を示す信号が前記磁気ダイバータによって前記第1アンテナの近位の前記金属に侵入することなく出力される、」との事項を付加する補正事項。(以下、「補正事項b」という。)

2-2.新規事項の有無について

上記「補正事項a」及び「補正事項b」が、特許法第17条の2第3項で規定した、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「出願当初の明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてなされたものか否かについて検討する。

出願当初の明細書等には、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」ことに関して、段落【0011】、段落【0028】、段落【0029】に関連する記載が認められる。
また、同様に、「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」に関して、段落【0022】、段落【0023】に関連する記載が認められる。
しかしながら、上記「補正事項a」及び「補正事項b」の様に、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」こと、及び、「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」を共に備えた「タグ」については、出願当初の明細書等には記載されておらず、また、それを示唆する様な記載も認められない。つまり、出願当初の明細書等には、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」ことに関する記載と「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」に関する記載とは、双方が関連性のある事項として記載されていない。
また、「前記非導電性空隙が導電性物質により被覆されるとき前記第1アンテナの導電性が変化し、該導電性の変化は前記導電性物質の接触の指標として電流状態の変化を表わす前記電磁放射線の変化に対応し、これによって、該電磁放射線の変化を示す信号が前記磁気ダイバータによって前記第1アンテナの近位の前記金属に侵入することなく出力される、」は、出願当初の明細書等の記載から自明な事項ではなく、これとの関係で新たな技術的事項を導入するものである。
してみると、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」こと、及び、「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」を共に備えた「タグ」についてなされた上記「補正事項a」及び「補正事項b」は、出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内においてなされたものとは認められない。
したがって、上記「補正事項a」及び「補正事項b」は、特許法第17条の2第3項の規定を満たすものとはいえない。

2-3.目的要件について

本件補正に含まれる上記「補正事項a」及び「補正事項b」が,特許法第17条の2第5項の各号に掲げる事項を目的とするものに該当するかについて検討する。

(ア)特許法第17条の2第5項第1号(請求項の削除)、同第3号(誤記の訂正)、同第4号(明りょうでない記載の釈明)を目的とするものであるかについて

上記「補正事項a」及び「補正事項b」は、タグに関して上記「補正事項a」及び「補正事項b」で言及した事項を付加するものであるから、特許法第17条の2第5項第1号、第3号、第4号を目的とするものでないことは明らかである。

(イ)特許法第17条の2第5項第2号(特許請求の範囲の減縮)を目的とするものであるかについて

特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」は、第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限られる。

<限定的減縮か否かについて>

上記「補正事項a」及び「補正事項b」は、タグに関して上記「補正事項a」及び「補正事項b」で言及した事項を付加するものであるから、補正前の請求項1に記載した発明、及び、補正前の請求項12に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものと認められ、また、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題についても同一であると認められる。
したがって、上記「補正事項a」及び「補正事項b」は、特許法第17条の2第5項第2号でいうところの「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

<独立特許要件について>

上記「補正事項a」及び「補正事項b」は、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であると認められるから、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明1」という。)及び請求項9に記載された発明(以下、「本願補正発明2」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に適合するか)について検討する。

上記「2-2.新規事項の有無について」で言及した様に、上記「補正事項a」及び「補正事項b」の様に、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」こと、及び、「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」を共に備えた「タグ」については、出願当初の明細書等には記載されておらず、また、それを示唆する様な記載も認められない。つまり、出願当初の明細書等には、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」ことに関する記載と「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」に関する記載とは、双方が関連性のある事項として記載されておらず、これらを共に備えたタグに係る課題及びその解決手段が記載されていない。
してみると、「第1アンテナのコイル内に非導電性空隙を含む」こと、及び、「第1アンテナと製品との間に配置された電気シールド」を共に備えた「タグ」を発明特定事項とする「本願補正発明1」及び「本願補正発明2」は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たしているとはいえない。

したがって、「本願補正発明1」及び「本願補正発明2」は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反するものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

2-4.まとめ

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定、及び、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について

平成28年7月15日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項12に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年1月7日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項12に記載された事項により特定される以下の通りのものである。

「【請求項12】
製品情報を判定する方法であって、前記方法は、
a.タグを含む製品を提供する工程であって、前記タグは一部が露出したアンテナを含み、前記アンテナは、非導電性コーティングによって画定される外辺部内で部分的に露出される、工程と、
b.前記タグの環境状態と関連する放射を検出するように適合された、問い合わせ器を提供する工程と、
c.露出した前記アンテナの一部の環境に関連する前記タグの前記環境状態を変更する工程と、
d.露出した前記アンテナの一部の前記環境が変更した後に、前記タグの状態を問い合わせる工程と、
e.前記タグの前記状態を解釈する工程と、
f.前記解釈された前記タグの状態と関連する出力を提供する工程とを含む、方法。 」


1.引用例

1-1.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2011-235083号公報(以下、「引用例」という。)には、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付した。)

(ア)「本発明の実施の形態における排尿検知システムは、医療施設や介護施設等で利用されることを想定したものであり、尿センサ用UHF帯ICタグ1〔図5(a)〕または尿センサ用UHF帯ICタグ2〔図5(b)〕、あるいは、尿センサ用HF帯ICタグ7,8(図7,8参照)等を、図2に示すような尿センサ10としておむつ5の所定位置に貼り付け、このおむつ5を、施設内の患者や被介護者等が装用する。そして、施設内には、図1に示すように、病室や居室等の必要個所に、尿センサ10と通信するためのアンテナモジュール11およびリーダー12のセットが、複数組配設されるとともに、管理する側のナースセンター等に、これら複数のリーダー12を統合して制御するコンピュータ等からなる制御手段13(記録手段および通知手段を含む)が配置される。そして、上記リーダー12と尿センサ10との間の通信状態が、通信不能から通信可能に変化した場合、あるいは、通信可能から通信不能に変化した場合に、予め決められた尿の検知信号が上記制御手段13から外部に向けて発信される。これが、本発明の排尿検知システムの特徴である。」(【0019】)

(イ)「このような排尿検知システムにおいて、各リーダー12は、上記尿センサ10の通信状態の変化(通信不能から通信可能へ、または、通信可能から通信不能へ)を捕らえるために、尿センサ10の共振波長(帯域)に応じた所定波長の電波を、予め決められた所定の時間間隔で発信しており、それに用いるタイマ回路を備えている。
そして、上記制御手段13は、上記リーダー12と尿センサ10との間の通信状態が変化した際に、予め決められた尿の検知信号を外部に向けて発信するように構成されており、その検知信号に、上記制御手段13のコンピュータ等に記録された尿センサ10の信号情報(その位置や回数、装用している人を特定するためのID情報等)を付加して発信するようになっている。」(【0023】?【0024】)

(ウ)「そして、上記パターンのアンテナ回路Aは、そのICチップ接続部1dにICチップ4が実装され、このICチップ4と上記アンテナ部1a,ブリッジ部1c、および、上記インピーダンス整合部1bのうち、切り欠き部1eとその近傍を除く領域が、樹脂シートや防水紙等により封止されて、尿センサ用UHF帯ICタグ1(尿センサ10)が作製される。」(【0035】)

(エ)「このようなUHF帯ICタグ1を尿センサ10として用いた場合、先に述べたように、アンテナ回路Aのインピーダンス整合部1bの一部に、このインピーダンス整合部1bを電気的に断絶する切り欠き部1eが形成されていることから、尿や電解質等が周囲に存在しない乾燥時には、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成せず、アンテナの共振波長(ある程度の幅を持った帯域)は、上記リーダー12等から発信される電波の波長(予め決められている)から大幅にシフトして離れている。そのため、この状態では、尿センサ用UHF帯ICタグ1は、リーダー12等と通信不能である。
そして、尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでこの部位が短絡し、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成する湿潤時のみ、このアンテナの共振波長(帯域)が、上記リーダー12等から発信される特定波長の電波と通信可能な範囲に大きくシフトして、リーダー12等と通信可能になる。なお、このようなアンテナの共振波長(帯域)の大幅なシフトは、皮膚の湿気や発汗等に起因するアンテナ周辺の誘電率の変化では生じないことが確認されている。」(【0037】?【0038】)


したがって、上記摘記事項(ア)から(エ)の記載から引用例には、

「排尿検知システムを用いた方法であって、排尿検知システムは、医療施設や介護施設等で利用されることを想定したものであり、尿センサ用UHF帯ICタグ1〔図5(a)〕または尿センサ用UHF帯ICタグ2〔図5(b)〕、あるいは、尿センサ用HF帯ICタグ7,8(図7,8参照)等を、図2に示すような尿センサ10としておむつ5の所定位置に貼り付け、このおむつ5を、施設内の患者や被介護者等が装用し、そして、施設内には、図1に示すように、病室や居室等の必要個所に、尿センサ10と通信するためのアンテナモジュール11およびリーダー12のセットが、複数組配設されるとともに、管理する側のナースセンター等に、これら複数のリーダー12を統合して制御するコンピュータ等からなる制御手段13(記録手段および通知手段を含む)が配置され、各リーダー12は、上記尿センサ10の通信状態の変化(通信不能から通信可能へ、または、通信可能から通信不能へ)を捕らえるために、尿センサ10の共振波長(帯域)に応じた所定波長の電波を、予め決められた所定の時間間隔で発信しており、制御手段13は、上記リーダー12と尿センサ10との間の通信状態が変化した際に、予め決められた尿の検知信号を外部に向けて発信するように構成されており、その検知信号に、上記制御手段13のコンピュータ等に記録された尿センサ10の信号情報(その位置や回数、装用している人を特定するためのID情報等)を付加して発信するようになっており、アンテナ回路Aは、そのICチップ接続部1dにICチップ4が実装され、このICチップ4と上記アンテナ部1a,ブリッジ部1c、および、上記インピーダンス整合部1bのうち、切り欠き部1eとその近傍を除く領域が、樹脂シートや防水紙等により封止されて、尿センサ用UHF帯ICタグ1(尿センサ10)が作製され、このようなUHF帯ICタグ1を尿センサ10として用いた場合、アンテナ回路Aのインピーダンス整合部1bの一部に、このインピーダンス整合部1bを電気的に断絶する切り欠き部1eが形成されていることから、尿や電解質等が周囲に存在しない乾燥時には、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成せず、アンテナの共振波長(ある程度の幅を持った帯域)は、上記リーダー12等から発信される電波の波長(予め決められている)から大幅にシフトして離れており、そのため、この状態では、尿センサ用UHF帯ICタグ1は、リーダー12等と通信不能であり、そして、尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでこの部位が短絡し、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成する湿潤時のみ、このアンテナの共振波長(帯域)が、上記リーダー12等から発信される特定波長の電波と通信可能な範囲に大きくシフトして、リーダー12等と通信可能になる、方法。」(以下、「引用例発明」という。)が開示されているものと認められる。

2.対比

本願発明と引用例発明とを対比する。

(2-1)
引用例発明に係る「尿センサ用UHF帯ICタグ1」は、「アンテナ回路Aは、そのICチップ接続部1dにICチップ4が実装され、このICチップ4と上記アンテナ部1a,ブリッジ部1c、および、上記インピーダンス整合部1bのうち、切り欠き部1eとその近傍を除く領域が、樹脂シートや防水紙等により封止されて、作製され、」ており、そして、当該「尿センサ用UHF帯ICタグ1」は、「尿センサ用UHF帯ICタグ1を尿センサ10としておむつ5の所定位置に貼り付け、このおむつ5を、施設内の患者や被介護者等が装用」させるのであり、そして、当該「おむつ5」には、「尿センサ用UHF帯ICタグ1を尿センサ10として貼り付け」ているのであるから、引用例発明に係る「「尿センサ用UHF帯ICタグ1を尿センサ10として貼り付け」た「おむつ5」」及び「樹脂シートや防水紙等」は、それぞれ、本願発明でいうところの『タグを含む製品』、『非導電性コーティング』に対応するものといえる。
してみると、引用例発明と本願発明とは、『タグを含む製品を提供する工程であって、前記タグは一部が露出したアンテナを含み、前記アンテナは、非導電性コーティングによって画定される部分以外で部分的に露出される、工程』という点で一致しているといえる。

(2-2)
引用例発明においては、「病室や居室等の必要個所に、尿センサ10と通信するためのアンテナモジュール11およびリーダー12のセットが、複数組配設されるとともに、管理する側のナースセンター等に、これら複数のリーダー12を統合して制御するコンピュータ等からなる制御手段13(記録手段および通知手段を含む)が配置され」るのであるから、前記「アンテナモジュール11およびリーダー12のセット」と「これら複数のリーダー12を統合して制御するコンピュータ等からなる制御手段13」は、本願発明でいうところの『問い合わせ器』に対応するものといえる。

そして、引用例発明は、「このようなUHF帯ICタグ1を尿センサ10として用いた場合、アンテナ回路Aのインピーダンス整合部1bの一部に、このインピーダンス整合部1bを電気的に断絶する切り欠き部1eが形成されていることから、尿や電解質等が周囲に存在しない乾燥時には、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成せず、アンテナの共振波長(ある程度の幅を持った帯域)は、上記リーダー12等から発信される電波の波長(予め決められている)から大幅にシフトして離れており、そのため、この状態では、尿センサ用UHF帯ICタグ1は、リーダー12等と通信不能であり、そして、尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでこの部位が短絡し、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成する湿潤時のみ、このアンテナの共振波長(帯域)が、上記リーダー12等から発信される特定波長の電波と通信可能な範囲に大きくシフトして、リーダー12等と通信可能になる、」のであるから、前記「リーダー12等」は、本願発明でいうところの『タグの環境状態と関連する放射を検出するように適合され』ているといえる。
してみると、引用例発明は、本願発明でいうところの『タグの環境状態と関連する放射を検出するように適合された、問い合わせ器を提供する工程』を備えているといえる。

(2-3)
引用例発明は、「UHF帯ICタグ1を尿センサ10として用いた場合、アンテナ回路Aのインピーダンス整合部1bの一部に、このインピーダンス整合部1bを電気的に断絶する切り欠き部1eが形成されていることから、尿や電解質等が周囲に存在しない乾燥時には、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成せず、アンテナの共振波長(ある程度の幅を持った帯域)は、上記リーダー12等から発信される電波の波長(予め決められている)から大幅にシフトして離れており、そのため、この状態では、尿センサ用UHF帯ICタグ1は、リーダー12等と通信不能であり、そして、尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでこの部位が短絡し、上記インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成する湿潤時のみ、このアンテナの共振波長(帯域)が、上記リーダー12等から発信される特定波長の電波と通信可能な範囲に大きくシフトして、リーダー12等と通信可能になる、」のであるから、当該「切り欠き部1eに形成された溝に尿や電解質等が周囲に存在しない乾燥時」及び「尿や電解質等が切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでインピーダンス整合用の回路(ループ)が完成する湿潤時」は、本願発明でいうところの『露出した前記アンテナの一部の環境に関連する前記タグの環境状態』に対応し、「乾燥時」から「湿潤時」へ状態が変わることは、本願発明でいうところの『変更』に対応するといえる。
してみると、引用例発明には、本願発明でいうところの『露出した前記アンテナの一部の環境に関連する前記タグの前記環境状態を変更する工程』が備わっているといえる。

また、引用例発明に係る「尿センサ用UHF帯ICタグ1」は、「尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでこの部位が短絡し、インピーダンス整合用の回路(ループ)が完成する湿潤時のみ、リーダー12等と通信可能になる」のであるから、当該「リーダー12等」は「尿センサ用UHF帯ICタグ1」と「通信可能」となったことで「尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込ん」だことを認識することになる。
してみると、引用例発明には、本願発明でいうところの『タグの状態を解釈する工程』が備わっているといえる。

(2-4)
引用例発明は、「各リーダー12は、上記尿センサ10の通信状態の変化(通信不能から通信可能へ、または、通信可能から通信不能へ)を捕らえるために、尿センサ10の共振波長(帯域)に応じた所定波長の電波を、予め決められた所定の時間間隔で発信して」いるのであるから、上記「尿センサ10の通信状態の変化」が起こった後、即ち、「尿や電解質等がアンテナ回路Aの切り欠き部1eに形成された溝に入り込んだ」後においても「各リーダー12」が「所定波長の電波」を「発信」していることは明らかである。
そして、前記「尿や電解質等がアンテナ回路Aの切り欠き部1eに形成された溝に入り込んだ」状態は、本願発明でいうところの『露出した前記アンテナの一部の前記環境が変更した後』に対応するといえるので、引用例発明は、本願発明でいうところの『露出した前記アンテナの一部の前記環境が変更した後に、前記タグの状態を問い合わせる工程』を備えているといえる。

(2-5)
引用例発明に係る「制御手段13」は、「上記リーダー12と尿センサ10との間の通信状態が変化した際に、予め決められた尿の検知信号を外部に向けて発信するように構成されており、その検知信号に、上記制御手段13のコンピュータ等に記録された尿センサ10の信号情報(その位置や回数、装用している人を特定するためのID情報等)を付加して発信するようになって」いるのであるから、本願発明でいうところの『解釈されたタグの状態と関連する出力を提供する工程』を備えているといえる。

(2-6)
引用例発明は、「各リーダー12は、上記尿センサ10の通信状態の変化(通信不能から通信可能へ、または、通信可能から通信不能へ)を捕らえるために、尿センサ10の共振波長(帯域)に応じた所定波長の電波を、予め決められた所定の時間間隔で発信しており、制御手段13は、上記リーダー12と尿センサ10との間の通信状態が変化した際に、予め決められた尿の検知信号を外部に向けて発信するように構成されて」おり、そして、前記「尿センサ10」は、「UHF帯ICタグ1を尿センサ10として用い」て「おむつ5の所定位置に貼り付け」ているのであるから、上記「通信状態の変化」は、おむつ5に貼り付けられた尿センサ10に関する情報であるから、本願発明でいうところの『製品情報』といえ、その「変化」をリーダー12や制御手段13が捕らえるのであるから、当該「捕らえる」は、本願発明でいうところの『判定する』に対応するといえる。
してみると、引用例発明には、本願発明でいうところの『製品情報を判定する方法』が開示されているといえる。

したがって、上記(2-1)から(2-6)で対比した様に、本願発明と引用例発明とは、

「製品情報を判定する方法であって、前記方法は、
タグを含む製品を提供する工程であって、前記タグは一部が露出したアンテナを含み、前記アンテナは、非導電性コーティングによって画定される部分以外で部分的に露出される、工程と、
前記タグの環境状態と関連する放射を検出するように適合された、問い合わせ器を提供する工程と、
露出した前記アンテナの一部の環境に関連する前記タグの前記環境状態を変更する工程と、
露出した前記アンテナの一部の前記環境が変更した後に、前記タグの状態を問い合わせる工程と、
前記タグの前記状態を解釈する工程と、
前記解釈された前記タグの状態と関連する出力を提供する工程とを含む、方法。」
で一致しており、以下の点で相違している。

[相違点]
本願発明においては、アンテナの露出部分を『非導電性コーティングによって画定される外辺部内』と限定しているのに対し、引用例発明にはその旨の限定がない点。

3.判断

上記[相違点]について判断する。

引用例発明においては、「アンテナ回路Aは、そのICチップ接続部1dにICチップ4が実装され、このICチップ4と上記アンテナ部1a,ブリッジ部1c、および、上記インピーダンス整合部1bのうち、切り欠き部1eとその近傍を除く領域が、樹脂シートや防水紙等により封止されて、尿センサ用UHF帯ICタグ1(尿センサ10)が作製され、」るのであり、アンテナ回路Aの一部、即ち、「切り欠き部1eとその近傍を除く領域」が樹脂シートや防水紙等から露出していることが明らかである。
そして、この露出部分は、「尿や電解質等が上記切り欠き部1eに形成された溝に入り込んでこの部位が短絡し、リーダー12等と通信可能になる」ことで尿や電解質等の検知を行うという目的のために設けられているのである。
してみると、前記目的を達成するためには、尿や電解質等を検知できる様に、アンテナ回路Aの一部である「切り欠き部1eとその近傍」が「樹脂シートや防水紙等」から露出していればよいのであるから、前記「樹脂シートや防水紙等」のどの部分から露出させるかは、当業者が適宜決定し得る事項と認められる。
したがって、引用例発明において、アンテナ回路Aの露出部分を本願発明の様に『非導電性コーティングによって画定される外辺部内』と限定することは、当業者であれば容易に想到し得るものと認められる。

また、本願発明の構成によってもたらされる効果についても、引用例発明に開示されている事項より当業者ならば容易に予測することができる程度のものである。

したがって、本願発明は引用例発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。


4.むすび

以上のとおり、本願発明は引用例発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-04-12 
結審通知日 2017-04-18 
審決日 2017-05-08 
出願番号 特願2014-550375(P2014-550375)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡北 有平月野 洋一郎  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 佐藤 智康
相崎 裕恒
発明の名称 無線周波識別タグ  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ