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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04J
管理番号 1333065
審判番号 不服2016-10651  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-14 
確定日 2017-10-04 
事件の表示 特願2015-500790「多入力多出力(MIMO)通信」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月26日国際公開,WO2013/139439,平成27年 6月11日国内公表,特表2015-516725〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は,パリ条約による優先権主張を伴って2013年3月7日に欧州特許庁に対してなされた国際出願による特許出願であって,平成27年10月28日付けで拒絶理由が通知され,平成28年2月3日付けで手続補正がされ,同年3月14日付けで拒絶査定がされ,これに対し,同年7月14日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成28年2月3日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「無線通信ネットワークのユーザ機器と基地局との間のアップリンク多入力多出力伝送を制御する方法であって,
1次アップリンク・ストリーム上に伝送保留中のすべてのアップリンク・データ・パケットを伝送時間間隔内に搬送するには不十分な容量が存在するかどうかを識別するステップと,
不十分な容量が存在する場合,前記1次アップリンク・ストリームによって搬送されないであろう保留アップリンク・データ・パケットが前記伝送時間間隔内に2次アップリンク・ストリームによって提供される容量を十分に利用しないであろうことが決定されるのであれば,前記2次アップリンク・ストリームの確立を回避するステップとを備える方法。」


2 優先権の主張について
(1)本願は,受理官庁としての欧州特許庁に対し2013年3月7日を国際出願日としてなされた国際出願による特許出願(以下,「国際特許出願」ということがある。)であって,当該国際出願には,2012年3月19日を出願日とする欧州特許出願(出願番号:EP 12360019.9)に基づいて,パリ条約による優先権主張がなされている。

(2)特許協力条約に基づく国際特許出願については,特許法第184条の3第2項の規定により,優先権主張手続に関して,特許法第43条の規定は適用されず,特許協力条約及び特許協力条約に基づく規則が適用されるところ,同規則17.1(本願の国際出願日時点の2013年3月7日時点のもの。)には,優先権書類について次のとおり規定されている。

「17.1 先の国内出願又は国際出願の謄本を提出する義務
(a) 第8条の規定により先の国内出願又は国際出願に基づく優先権の主張を伴う場合には,当該先の国内出願又は国際出願を受理した当局が認証したその出願の謄本(「優先権書類」)は,既に優先権書類が優先権を主張する国際出願とともに受理官庁に提出されている場合並びに(b)及び(bの2)の規定に従う場合を除くほか,優先日から十六箇月以内に出願人が国際事務局又は受理官庁に提出する。ただし,当該期間の満了後に国際事務局が受理した当該先の出願の写しは,その写しが国際出願の国際公開の日前に到達した場合には,当該期間の末日に国際事務局が受理したものとみなす。
(b) 優先権書類が受理官庁により発行される場合には,出願人は,優先権書類の提出に代えて,受理官庁に対し,優先権書類を,作成し及び国際事務局に送付するよう請求することができる。その請求は,優先日から十六箇月以内にするものとし,また,受理官庁は,手数料の支払を条件とすることができる。
(bの2) 国際事務局が優先権書類を実施細則に定めるところにより国際出願の国際公開の日前に電子図書館から入手可能である場合には,出願人は,優先権書類の提出に代えて,国際事務局に対し,国際公開の日前に,当該優先権書類を当該電子図書館から入手するよう請求することができる。
(c) (a),(b)及び(bの2)の要件のいずれも満たされない場合には,指定官庁は,(d)の規定に従うことを条件として,優先権の主張を無視することができる。ただし,指定官庁は,事情に応じて相当の期間内に出願人に優先権書類を提出する機会を与えた後でなければ,優先権の主張を無視することはできない。
(d) 指定官庁は,(a)に規定する先の出願が国内官庁としての当該指定官庁に出願されている場合又は当該指定官庁が実施細則に定めるところにより優先権書類を電子図書館から入手可能な場合は,(c)の規定により優先権の主張を無視することはできない。」

(3)そこで,本願の手続が,上記規則17.1を満たしているか否かについて検討する。
ア 規則17.1(a)について
WIPO国際事務局が2014年5月2日付けで出願人に対して発送し,その写しを指定国である日本国特許庁に送付した,「優先権主張の書類提出に関する通知(NOTIFICATION CONCERNING SUBMISSION, OBTENTION OR TRANSMITTAL OF PRIORITY DOCUMENT)」(PCT/IB/304(July 2012))には,優先日(Priority date)を「19 March 2012(19.03.2012)」とする優先権の主張に関して,優先権書類の受領日(Date of receipt of priority document)は「23 April 2014(23.04.2014)*」(アスタリスクが付されていることに留意。)と記載されており,これらの優先権書類は,特許協力条約に基づく規則17.1(a)で規定する提出期限である優先日から16箇月を経過した後にWIPO国際事務局により受領されたものであると認められる。
また,上記受領日(2014年4月23日)は,本件国際出願の国際公開の日(2013年9月26日)前ではないから,本願の手続は,同規則17.1(a)のただし書には該当しない。
したがって,本願については,規則17.1(a)を満たしていない。

イ 規則17.1(b)及び(bの2)について
規則17.1(b)又は(bの2)の請求に関し,WIPOのHPのPATENTSCOPEにより書類を参照すると,出願書類「REQUEST 」(PCT/RO/101(second sheet)(16 September 2012))のFurnishing the priority document(s)の欄の上段及び下段のボックスにチェックはなく,アクセスコードも記載されていない。そして,同規則17.1(b)又は(bの2)の請求が,優先日から16箇月以内になされた事実も認められない。

また,優先権書類の受領日に付された上記アスタリスク("*")について,上記通知(PCT/IB/304(July 2012))には以下のように記載されている。
「An asterisk "*" next to a date of receipt, denotes a priority documents submitted or transmitted to or obtained by the International Bureau but not in compliance with Rule 17.1(a),(b)or(b-bis)(the priority document was received after the time limit prescribed in Rule 17.1(a); the request to prepare and transmit the priority document was submitted to the receiving Office after the applicable time limit under Rule 17.1(b) or the request to the International Bureau to obtain the priority document was made after the applicable time limit under Rule 17.1(b-bis)). Even though the priority document was not furnished in compliance with Rule 17.1(a),(b)or(b-bis), the International Bureau will nevertheless transmit a copy of the document to the designated Offices, for their consideration. In case such a copy is accepted by the designated Officce as the priority document, Rule 17.1(c) provides that no designated Office may disregard the priority claim concerned before giving the applicant an oppotunity, upon entry into the national phase, to furnish the priority document within a time limit which is reasonable under circumstances. 」
([当審仮訳]:
受領の日付の次のアスタリスク「*」は,優先権書類は,国際事務局に提出,送付され,又は国際事務局により獲得されたが,規則17.1(a),(b)又は(bの2)を満たしていない(優先権書類が,規則17.1(a)に規定されている期限の後に受領された;優先権書類を作成し送付する請求が,規則17.1(b)の下の適切な期限の後に,受理官庁に提出された,又は,国際事務局に対する優先権書類獲得の請求が,規則17.1(bの2)の下の適切な期限の後になされた。)。優先権書類の提供が規則17.1(a),(b)又は(bの2)を満たしていなくとも,国際事務局は,指定官庁に,検討のために優先権書類の写しを送付する。規則17.1(c)は,指定官庁は,国内段階で,事情に応じて相当の期間内に出願人に優先権書類を提出する機会を与えた後でなければ,優先権の主張を無視することはできないとしており,そのような場合には,写しは指定官庁により優先権書類として受け付けられる。)
してみると,WIPO国際事務局は,本願について同規則17.1(a),(b),及び(bの2)の要件を満たしていないとしていることは明らかである。

したがって,本願については,規則17.1(b),(bの2)の要件のいずれも満たしていない。

ウ 規則17.1(c)について
上記ア,イで検討したとおり,本願は,規則17.1(a),(b)又は(bの2)のいずれも満たしていないから,規則17.1(c)第1文に規定された優先権の主張を無視することができる条件のひとつである「規則17.1(a),(b)又は(bの2)のいずれも満たされない場合」に該当する。

次に,規則17.1(c)のただし書の規定について検討すると,国際特許出願についての優先権主張の手続について,上記規則17.1(c)ただし書の規定には特許法施行規則第38条の14が対応しており,その第1項に,優先権の主張を伴う国際特許出願をする者は,上記規則17.1(a)に規定する優先権書類を,国内書面提出期間が満了する時の属する日後2月以内に特許庁長官に提出することができる旨規定され,国際段階で優先権書類の提出がない場合においても,特許庁に対して優先権書類を提出する機会が与えられている。そして,同第2項は「前項の規定による優先権書類の提出は,様式第三十六によりしなければならない。」としている。
しかしながら,本願において,上記施行規則の規定に基づいて,国内書面提出期間が満了する時の属する日(本願においては,優先権主張日から30箇月,すなわち,2014年9月19日)後2月以内(2014年11月19日まで)に,特許庁に対して様式第三十六により優先権証明書の提出がなされた事実は認められない。
したがって,本願については,規則17.1(c)のただし書きに規定する,優先権の主張を無視することができない場合に該当しない。

規則17.1(c)第1文には,優先権の主張を無視することができる条件として,規則17.1(a),(b)又は(bの2)のいずれも満たされない場合に該当することの他に,規則17.1(d)に従うことを条件とする旨が規定されているので,最終的に規則17.1(c)の規定により優先権の主張を無視することができるか否かについては,次のエで,規則17.1(d)について検討した後に判断する。

エ 規則17.1(d)について
本願については,優先権主張の基礎とされた先の出願は欧州特許庁への特許出願であって,日本国特許庁への特許出願を優先基礎出願とするものではないから,規則17.1(d)の「(a)に規定する先の出願が国内官庁としての当該指定官庁に出願されている場合」には該当しない。

次に,規則17.1(d)の「当該指定官庁が実施細則に定めるところにより優先権書類を電子図書館から入手可能な場合」に該当するかを検討すると,規則17.1(d)における電子図書館からの優先権書類の入手の可能性については,実施細則715号(インターネット<URL http://www.wipo.int/pct/en/texts/ai/s715.html>より入手可能。)に以下のとおり規定されている。
「Section 715
Availability of Priority Documents from Digital Libraries
(a) For the purposes of Rules 17.1(b-bis), 17.1(d) (where appropriate, as applicable by virtue of Rules 17.1(c) and 82ter.1(b)), 66.7(a) (where appropriate, as applicable by virtue of Rule 43bis.1(b)) and 91.1(e), a priority document shall be considered to be available from a digital library to the International Bureau, a designated Office, the International Searching Authority or the International Preliminary Examining Authority, as the case may be:
(i) if the Office or Authority concerned has notified the International Bureau, or the International Bureau has declared, as the case may be, that it is prepared to obtain priority documents from that digital library; and
(ii) the priority document concerned is held in that digital library and the applicant has, to the extent required by the procedures for accessing the relevant digital library, authorized the Office or Authority concerned or the International Bureau, as the case may be, to access that priority document. 」
([当審仮訳]:
実施細則715
電子図書館からの優先権書類の入手の可能性
(a)規則17.1(bの2),17.1(d)(該当する場合には,規則17.1(c)及び82の3.1(b)の規定によって適用する17.1(d),66.7(a)(該当する場合には,規則43の2.1(b)の規定によって適用する66.7(a))及び91.1(e)の規定の適用上,次の場合には,国際事務局,指定官庁,国際調査機関又は国際予備審査機関が優先権書類を電子図書館から入手可能であるとみなす:
(i)当該官庁又は機関が国際事務局に対し優先権書類を当該電子図書館から入手する用意があることを通知したか,又は国際事務局がその旨を宣言しており,かつ,
(ii)当該優先権書類が当該電子図書館において保有されており,出願人が当該電子図書館へのアクセスに関する手続において必要とされる範囲内で当該官庁もしくは機関又は国際事務局による当該優先権書類へのアクセスを承諾している場合 )

そして,本願における特許法施行規則第38条の14に規定された国内書面提出期間が満了する時の属する日(本願においては,優先権主張日から30箇月,すなわち,2014年9月19日)後2月以内(2014年11月19日まで)において,日本国特許庁が指定官庁として国際事務局に対し実施細則715号(a)(i)に定める通知をした事実はなく,国際事務局がその旨の宣言した事実もない。また,本願の優先権書類が電子図書館に保有され,出願人が該実施細則715号(a)(ii)に定める承諾をしていた事実も,認められない。
よって,日本国特許庁が,実施細則に定めるところにより,本願の優先権書類を電子図書館から入手可能であったとする事実は無いから,本願について,上記規則17.1(d)に規定の適用はない。

(4)請求人の主張について
審判請求における請求人の主張は,以下のとおり採用できない。
「(3-1-1)」として,優先権書類は遅くとも平成26年11月26日にはIBからJPOに転送されたことによって,日本国における優先権書類に対する要件は満たされた旨主張するが,上述のとおり国内書面提出期間が満了する時の属する日後2月以内(2014年11月19日まで)に,特許庁長官に対して様式第三十六により優先権証明書の提出がなされた事実は認められないから,当該主張は採用できない。
「(3-1-2)」として,PCTに基づく規則17.1(d)の立法趣旨は,優先権書類が容易に取得できる場合には指定官庁は優先権主張を無視してはならないという点にあり,優先権書類はJPOに転送され,JPOの電子図書館から入手可能であるから,PCTに基づく規則17.1(d)によりJPOは優先権主張を無視することはできず,それゆえ優先権主張は有効である旨主張するが,上述のとおり,本願は,実施細則に照らして,規則17.1(d)の規定の適用はないから,当該主張は採用できない。
「(3-1-3)」として,PCT第48条(2)(a)に具体的に表現されているように,いかなる期限に関しても,出願人がパリ条約に基づく優先権主張出願を行った場合と比べて不利な立場にならないようにするというのが国際(PCT)システムの原理であり,PCT出願人が,パリ条約に基づく優先権主張をした出願人であれば必須とされなかったであろう手続き上の要件を満たさなかったという理由のみで,優先権の利益を失うとしたら,PCT第48条(2)(a)に反することになる旨主張し,「(3-1-4)」として,我国の特許法は平成28年4月1日を施行日として改正され,日本国特許庁はパリ条約による優先権に関する優先権書類が欠けている場合に出願人に通知する義務を負うこととなり,PCT第48条(2)(a)の観点からPCT出願にも適用されてしかるべきであり,それゆえ優先権主張は有効である旨主張するが,PCT第48条(2)(a)は,「締約国は,期間が遵守されていないことが国内法令で認められている遅滞の事由と同一の事由による場合には,自国に関する限り,遅滞を許すものとする。」とのとおり,例外的・限定的に遅滞を容認するに過ぎず,また,特許協力条約に基づく国際特許出願については,特許法第184条の3第2項の規定により,優先権主張手続に関して,特許法第43条の規定は適用されず,特許協力条約及び特許協力条約に基づく規則が適用されるから,当該主張は採用できない。

(5)小活
以上によれば,本願については,特許協力条約に基づく規則17.1(a),(b)及び(bの2)の要件のいずれも満たされない場合であって,同規則17.1(c)のただし書により与えられた提出機会にも優先権書類の提出がなされておらず,また,上記規則17.1(d)の規定の適用もないため,同規則17.1(c)本文の規定により,上記優先権主張の効力を認めることはできない。

本願は,2013年3月7日を国際出願日としてなされた,パリ条約による優先権主張の効力が認められない出願であるから,以下,進歩性の要件についての判断は,上記国際出願日を基準日として行う。


3 引用発明
原査定の拒絶理由に引用された国際公開第2012/094241号(以下,「引用例」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(1)「 [0024] Currently, only DL MIMO is specified in 3GPP standard and implemented WCDMA HSPA system. With the evolution of HSPA, more and more applications require better uplink performance such as higher throughput and extended coverage.
[0025] In accordance with embodiments of the present disclosure, systems and methods are provided for controlling WRTU transmission parameters, for calculating a set of supported E-TFCs, for determining transmission rank, for determining enhanced transport format combination (E-TFC) selections, and for selecting transport format. The system and method embodiments disclosed herein may be used individually or in any suitable combination.
[0026] By way of background, HSUPA was originally designed for single stream operations. In conventional HSUPA, the wireless receive/transmit unit (WRTU) determines the transport block size (TBS) to use for transmission based on a number of parameters. Some of these parameters may be dynamically signaled by the network, others are semi-static or static and other parameters are dynamic and only known to the WRTU. A set of procedures in the 3GPP specifications describe the exact WRTU behavior and TBS selection rules for the enhanced dedicated channel (E-DCH). The E-TFC restriction and the transport format selection collectively describe the overall WRTU behavior for selecting the format and the information to transmit.
[0027] These rules have been designed for single stream operations, where at any TTI the WRTU only transmits data stream from its antenna(s). It is desirable to change the existing rules in order to support multi-stream operations in E-DCH (also referred here as to dual-stream or UL MIMO). At a high level, the problem to resolve consists of designing rules and procedures for the WRTU to determine the amount of data, the power and transport format/code rate for each streams in dual-stream transmissions.
[0028] Many varieties of dual-streams operations can be devised, for example any combination of the following options may be considered, including, but not limited to, 1 or 2 codewords transmitted simultaneously, 1 or 2 inner loop power control (ILPC), single or dual grants, etc. 」(4ページ)
([当審仮訳]:
[0024] 現在,DL-MIMOのみが3GPP規格において規定され,WCDMA-HSPAシステムで実装されている。HSPAの進化に伴って,ますます多くの適用例に,スループット向上およびカバレッジ拡大など,より優れたアップリンク性能が必要とされている。
[0025] 本開示の実施形態によれば,WRTU送信パラメータを制御し,サポートされる拡張トランスポートフォーマットコンビネーション(E-TFC)のセットを算出し,送信ランクを判定し,E-TFC選択を判定し,およびトランスポートフォーマットを選択する,システムおよび方法が提供される。本明細書において開示されるシステムおよび方法の実施形態は,個別に,または任意の適切な組合せで使用されてもよい。
[0026] 背景として,HSUPAは当初,シングルストリーム動作のために設計されていた。従来のHSUPAにおいて,無線受信/送信ユニット(WRTU)は,パラメータの数に基づいて,送信に使用するトランスポートブロックサイズ(TBS)を判定する。それらのパラメータは,ネットワークによって動的にシグナリングされるものもあり,半静的または静的なものもあり,また動的であってWRTUにしか認識されないものもある。3GPP仕様におけるプロシージャのセットは,正確なWRTUの動作および拡張個別チャネル(E-DCH)のTBS選択ルールを表す。E-TFC制約およびトランスポートフォーマット選択は,総称的に,送信するためのフォーマットおよび情報を選択するための全体的なWRTUの動作を表す。
[0027] これらのルールは,シングルストリーム動作のために設計されてきており,任意のTTIにおいて,WRTUはそのアンテナからデータストリームを送信するだけである。E-DCHにおいてマルチストリーム動作(本明細書において,デュアルストリームまたはUL-MIMOとも称される)をサポートするため,既存のルールを変更することが望ましい。高いレベルにおいて,解決すべき問題は,WRTUが,デュアルストリーム送信における各ストリームについてのデータの量,電力,およびトランスポートフォーマット/コードレートを判定するためのルールおよびプロシージャを設計することから成る。
[0028] 多様なデュアルストリーム動作が考案されてもよく,たとえば,これらに限定されないが,同時に送信される1つまたは2つのコードワード,1つまたは2つのインナーループ電力制御(ILPC),シングルまたはデュアルグラントなどを含むオプションの任意の組合せが考慮されてもよい。)

(2)「[0040] When a WRTU is configured in MIMO mode for uplink transmission, to minimize the WRTU transmit power and also the interference experienced at Node B, it is beneficial to give the WRTU the flexibility to decide for the next TTI whether single stream or dual stream transmission is appropriate. In one approach to support this feature, the E-DCH transmission in the next TTI may run the E-TFC restriction procedure twice, one by assuming single stream transmission, the other by assuming dual stream transmission. It is noted that since additional physical channels may be required to support MIMO operation, the conventional E-TFC restriction procedures needs to be modified; this is addressed herein below. In short, one example E-TFC restriction procedure for uplink MIMO operation may be as follows. Execute the E-TFC restriction procedure described below with reference to E-TFC Restriction Procedure for Rank-One Transmission with the assumption that the next transmission is rank-one or single-stream transmission. Execute the E-TFC restriction procedure defined below with reference to treating both streams simultaneously (e.g., for dependent stream) or the procedure defined below with reference to calculating the set of supported E-TFC 's independently for each with the assumption that the next transmission is rank-two or dual-stream transmission.
[0041] In an another method when the WTRU is configured in MIMO mode for uplink transmission, the WTRU is configured with a primary stream E-TFCI rank-l/rank-2 threshold value (E-TFCIthresl-2), or a set of primary stream E-TFCI rank-l/rank-2 threshold values (one for each HARQ offset 1: E-TFCIthreshl-2,1). The WTRU then calculates the set of supported E-TFCIs for rank-1 transmission only for the E-TFCI that are below the threshold for the primary stream and the set of supported E-TFCIs for rank-2 transmission only for the E-TFCIs that are above (or equal to) the threshold. This approach may allow reducing the computations for the E-TFC restriction procedure as the set of candidate E-TFCIs under consideration is reduced. The threshold values may be configured via RRC signaling or alternatively may be fixed in the specifications.
[0042] In one example, the WTRU determines the threshold based on a minimum transport block size for the secondary stream. For example the threshold may be determined by the WTRU as the minimum E-TFCI combination supporting dual stream transmission; that is the minimum E-TFCI combination for a specific secondary stream power offset for which the supported TB on the secondary stream is larger than or equal to the minimum allowed TB on the secondary stream. Optionally, the WTRU may carry out this calculation based on the HARQ offset associated to the highest priority non-empty logical channel. In the following, the methods for calculating the set of supported and blocked E-TFCs are disclosed for rank one and rank-two transmission, respectively. These methods (or part of these methods) may be used individually or in any suitable combination. 」(7?8ページ)
([当審仮訳]:
[0040] WRTUが,アップリンク送信に対してMIMOモードにおいて構成されるとき,WRTU送信電力およびNodeBにおいて経験される干渉を最小化するため,次のTTIに対してシングルストリームまたはデュアルストリーム送信のいずれが適切であるかを決定する順応性をWRTUに与えることが有利である。この特徴をサポートするための一手法において,次のTTIにおけるE-DCH送信は,シングルストリーム送信を仮定することによって1回,デュアルストリーム送信を仮定することによってもう1回,とE-TFC制約プロシージャを2回実行してもよい。MIMO動作をサポートするために追加の物理チャネルが必要とされる場合があるので,従来のE-TFC制約プロシージャは変更される必要があるが,これについては以下において対処される。要するに,アップリンクMIMO動作に対する1つの例示的なE-TFC制約プロシージャは,以下のとおりであってもよい。次の送信がランク1,すなわちシングルストリーム送信であるという仮定のもとに,ランク1送信に対するE-TFC制約プロシージャに関して,以下に説明されるE-TFC制約プロシージャを実行する。両方のストリームを同時に処理することに関して(たとえば,従属ストリームに対して),以下に定義されるE-TFC制約プロシージャ,または次の送信がランク2,すなわちデュアルストリーム送信であるという仮定のもとに,サポートされるE-TFCのセットを各々独立して計算することに関して,以下に定義されるプロシージャを実行する。
[0041] WTRUがアップリンク送信に対するMIMOモードにおいて構成される別の方法では,WTRUは,プライマリストリームE-TFCIランク1/ランク2のしきい値(E-TFCIthres1および2),またはプライマリストリームE-TFCIランク1/ランク2のしきい値のセット(各HARQオフセット1について1つ,すなわちE-TFCIthresh1および2,1)によって構成される。次いで,WTRUは,プライマリストリームのしきい値を下回るE-TFCIの場合に限り,ランク1送信に対してサポートされるE-TFCIのセットを計算し,しきい値を超える(またはしきい値と等しい)E-TFCIの場合に限り,ランク2送信に対してサポートされるE-TFCIのセットを計算する。この手法は,考慮される候補のE-TFCIのセットが低減されるので,E-TFC制約プロシージャの計算を低減することを可能にする。しきい値は,RRCシグナリングを介して構成されてもよく,または仕様において固定されてもよい。
[0042] 1つの例において,WTRUは,セカンダリストリームに対する最小トランスポートブロックサイズに基づいてしきい値を判定する。たとえば,しきい値は,WTRUによって,デュアルストリーム送信をサポートする最小E-TFCIの組合せとして判定されてもよく,すなわち,セカンダリストリーム上でサポートされるTBが,セカンダリストリーム上で許容される最小TBよりも大きいかまたは等しい特定のセカンダリストリーム電力オフセットの最小E-TFCIの組合せである。オプションとして,WTRUは,最優先の空でない論理チャネルに関連付けられたHARQオフセットに基づいて,この計算を実行してもよい。以下において,サポートおよびブロックされるE-TFCのセットを計算する方法は,それぞれ,ランク1およびランク2送信について開示される。これらの方法(またはこれらの方法の一部)は,個別に使用されてもよく,または任意の適切な組合せで使用されてもよい。)

(3)「4. Example Methods for WRTU to Determine the Transmission Rank
[00133] In an embodiment, a NodeB may signal two grants, one for each stream to the WRTU explicitly. The grant associated to the secondary stream may control the rank. A 0 grant may indicate a rank-1 transmission. Non-zero grants may indicate rank-2 transmission.
[00134] If the Node B signals two grants on two different downlink physical channels, the WRTU may determine the transmission rank based on blind detection of the presence of both physical channels carrying grants. For example, if both physical channels carrying grants are detected by the WRTU, then WRTU determines it is rank 2 transmission. If only one such physical channel is detected, the WRTU determines it is rank 1 transmission.
[00135] Alternatively, the WRTU may be configured semi-statically with a given transmission rank. For example this could be done via HS-SCCH order or E-AGCH signaling (or similar channel). The WRTU may keep its rank configuration until a new signal is received.
[00136] The WRTU may be configured to use the rank indication (1 or 2) as a maximum rank indication; that is when the WRTU is configured with rank-2 it may also use rank-1 transmission (e.g. if it has small amount of data in its buffer). Alternatively, the WRTU may be configured to use the rank indication (1 or 2) as an absolute rank indication, that is when the WRTU is configured with rank-2, it may only use rank-2 transmission (and likewise for rank-1 transmission).
[00137] It is noted that the absolute rank control may not be appropriate in all cases, as the WRTU may possess instantaneous information that the NodeB does not, for instance the WRTU has accurate knowledge of its available resources such as power and buffer status. Thus, it can be that the WRTU decides on how many streams (rank) to transmit. For example, when allowed to transmit with rank-2 (maximum rank control).
[00138] When configured for a maximum rank-2 transmission, the WRTU may determine the actual transmission rank (or the number of stream to transmit) using one or more of the following inputs, individually or in any combinations: maximum support payload obtained after running E-TFC restriction assuming rank-1 transmission; maximum support payload obtained after running E-TFC restriction assuming rank-2 transmission (aggregated across both streams); serving grant for the primary stream transmission; serving grant for the secondary stream transmission; UPH; downlink measurements; and /or buffer information. The following describes criteria by which the WTRU may determine its rank for transmission. These criteria may be used in any order or combination. 」(32?33ページ)
([当審仮訳]:
4.WRTUが送信ランクを判定するための例示的な方法
[00133] 一実施形態において,NodeBは,各ストリームに対して1つ,2つのグラントをWRTUに明示的にシグナリングしてもよい。セカンダリストリームに関連するグラントは,ランクを制御してもよい。0グラントは,ランク1送信を示してもよい。非ゼログラントは,ランク2送信を示してもよい。
[00134] NodeBが2つの異なるダウンリンク物理チャネル上で2つのグラントをシグナリングする場合,WRTUは,グラントを搬送する両方の物理チャネルの存在のブラインド(blind)検出に基づいて,送信ランクを判定してもよい。たとえば,グラントを搬送する両方の物理チャネルがWRTUによって検出される場合,WRTUは,それがランク2送信であると判定する。そのような物理チャネルが1つだけ検出される場合,WRTUは,それがランク1送信であると判定する。
[00135] あるいは,WRTUは,所与の送信ランクにより半静的に構成されてもよい。たとえば,このことは,HS-SCCH順序またはE-AGCHシグナリング(または同様のチャネル)を介して行なわれてもよい。WRTUは,新たな信号が受信されるまで,そのランク構成を保持してもよい。
[00136] WRTUは,ランクインジケーション(1または2)を最大ランクインジケーションとして使用するように構成されてもよく,すなわち,WRTUは,ランク2によって構成されるときに,ランク1送信も使用してもよい(たとえば,そのバッファ内に少ないデータ量をもつ場合)。あるいは,WRTUは,ランクインジケーション(1または2)を絶対ランクインジケーションとして使用するように構成されてもよく,すなわち,WRTUは,ランク2で構成されるときに,ランク2送信のみを使用してもよい(ランク1送信についても同様である)。
[00137] たとえばWRTUが,電力およびバッファ状態などのその使用可能なリソースの正確な認識を有するように,NodeBが保持しない瞬時情報を保有することができるので,絶対ランク制御がすべての事例において適切とは限らないことに留意されたい。したがって,WRTUが,送信するストリームの数(ランク)を決定してもよい。たとえば,ランク2により送信することが許容されるときである(最大ランク制御)。
[00138] 最大ランク2送信に対して構成されるときに,WRTUは,ランク1送信を仮定するE-TFC制約を実行した後に取得された最大サポートペイロード,ランク2送信を仮定するE-TFC制約を実行した後に取得された(両ストリームにわたり集約された)最大サポートペイロード,プライマリストリーム送信に対するサービンググラント,セカンダリストリーム送信に対するサービンググラント,UPH,ダウンリンク測定,および/またはバッファ情報,などの入力の1つまたは複数を,個別に,または任意の組合せで使用して,実際の送信ランク(または送信するストリームの数)を判定してもよい。以下において,WTRUが送信に対するそのランクを判定することができる基準を説明する。それらの基準は,任意の順序または組合せで使用されてもよい。)

(4)「[00142] In another example, the WRTU determines if single-stream transmission is sufficient to empty its buffer (according to the WTRU power headroom and serving grant), for example in a configured amount of time. In one particular example, this amount of time corresponds to a single TTI. If the WRTU estimates that it can empty its buffer using single- stream transmission with the current headroom and serving grant during that configured amount of time, the WRTU execute E-TFC selection assuming single-stream transmission. Otherwise, the WRTU execute E-TFC selection assuming dual stream transmission.
(中略)
[00147] In another example, the WTRU is configured to use rank-2 transmission based on the data in its buffer. The amount of data available may be determined by the WTRU for instance based on the total data in the buffer, or based on the total data that can be multiplexed with the highest-priority non-empty logical channel (or MAC-d flow) in that HARQ process. The WTRU then compares the amount of data available for the next transmission to a threshold and determines whether to use rank-1 or rank-2 transmission based on the result of that comparison. The threshold may be an absolute threshold value, for example signaled by the network. This threshold value may also depend on the HARQ profile; for example the WTRU may be configured with one threshold value for each HARQ profile configured. Alternatively, the WTRU may determine the threshold value for each HARQ profile configured based on the known HARQ offset and a pre-defined threshold reference point (e.g. number of bits and HARQ offset pair). In another example, the threshold may be calculated for each HARQ profile as the sum of the bits across both streams for the smallest supported E-TFC combination or dual- stream operations. In one option the WTRU calculates the aggregated number of bits for the smallest supported E-TFC combination taking into account the current MIMO offset (i.e. the quality of the secondary stream as signaled by the NodeB). In another example, the WTRU calculates the threshold as being twice the number of bits on the primary stream for the minimum E-TFC combination supporting dual-stream transmission.
(中略)
[00152] In another example, the WTRU may be configured to use rank-2 transmission based on the number of bits that can be transmitted on the secondary stream according to the serving grant, and optionally a secondary power offset. The WTRU may calculate the number of bits that can be transmitted on the secondary stream for example using the HARQ offset associated to the highest priority non-empty logical channel. The WTRU may be configured to compare the number of bits that can be transmitted on the secondary stream according to the serving grant and secondary power offset to a threshold; if calculated number of bits is above the threshold then the WTRU uses rank-2 transmission otherwise the WTRU uses rank-1 transmission. In one example, the WTRU is configured with a fixed threshold for example via RRC signaling. In another example, the WTRU may be configured to use rank-2 transmission if the number of bits that can be transmitted on the secondary stream according to the serving grant and secondary power offset is above the minimum configured transport block size for the secondary stream; otherwise the WTRU uses rank-1 transmission.
(中略)
[00154] In one practical example, the WTRU is configured to use rank-2 transmission when the WTRU determines that it has sufficient power for rank-2 transmission (e.g. according to one of the above embodiment), and that it has a sufficiently large serving grant for rank-2 transmission (e.g. according to one of the above embodiment), and that it has sufficient data for rank-2 transmission (e.g. according to one of the above embodiment). If one or more of these criteria is not met the WTRU may be configured to use rank-1 transmission. If the WTRU according to this criteria, determines to use rank-2 transmission, it may perform E-TFC selection and E-TFC reselection according to the dual stream (rank-2) transmission formulas.
(中略)
[00158] In another example, the WTRU may be configured to transmit a request to the network for single-stream operations. This request may be carried for example on new field of the MAC header, or on the SI (e.g. L2 message); alternatively this request may also be carried on a physical channel. The WTRU may be configured to transmit requests to operate in single- stream or rank-1 when it is already configured to operate with up to rank-2 transmissions and it determines that it should be operating in single-stream mode (e.g. using one of the above conditions). The WTRU may also be configured to transmit request to operate in dual-stream or rank-2 operations when it is configured for rank-1 operations and determines (e.g. using one of the above condition) that it should operate in dual-stream mode.
(中略)
[00164] To minimize the WRTU transmission power and UL interference, whenever the WRTU's actual payload determined by buffer occupancy is less than the minimum of the Max Supported Payload and Total Granted Payload which both are evaluated based on an assumption of rank-2 transmission, the WRTU may first verify if its actual payload can be transmitted with rank-1 transmission by comparing it with the minimum of the Max supported Payload and Total granted Payload which both are evaluated based on an assumption of rank-1 transmission. If it cannot, rank-2 transmission is used.
(中略)
[00166] In another example, the actually payload determined as described above is compare against a threshold (e.g. minimum payload for considering a rank 2 transmission). If the payload is below this threshold then the UE proceeds to perform E-TFC selection and restriction assuming a single rank transmission. Otherwise, the UE may consider a rank 2 transmission. The rank 2 transmission may be further dependent on the grant and power. 6. Example Methods to Determine the Maximum Supported Payload (e.g.. Based on Grant) 」(33?38ページ)
([当審仮訳]:
[00142] 別の例において,WRTUは,シングルストリーム送信が,たとえば構成された時間量で,そのバッファを空にするのに十分であるかどうかを判定してもよい(WTRU電力ヘッドルームおよびサービンググラントに従って)。1つの特定の例において,この時間は,単一のTTIに相当する。WRTUが,その構成された時間中に現在のヘッドルームおよびサービンググラントによるシングルストリーム送信を使用して,そのバッファを空にすることができると推定する場合,WRTUはシングルストリーム送信を仮定してE-TFC選択を実行する。それ以外の場合,WRTUは,デュアルストリーム送信を仮定してE-TFC選択を実行する。
(中略)
[00147] 別の例において,WTRUは,そのバッファにおけるデータに基づいて,ランク2送信を使用するように構成される。使用可能なデータの量は,たとえば,バッファにおける合計データに基づいて,またはそのHARQプロセスにおける最高優先度の空でない論理チャネル(またはMAC-dフロー)により多重化することができる合計データに基づいて,WTRUによって判定されてもよい。次いで,WTRUは,次の送信に使用可能なデータの量をしきい値と比較し,およびその比較の結果に基づいてランク1またはランク2送信のいずれを使用するかを判定する。しきい値は,たとえばネットワークによってシグナリングされた,絶対しきい値であってもよい。このしきい値はまた,HARQプロファイルに依存してもよく,たとえば,WTRUは構成された各HARQプロファイルに対して1つのしきい値により構成されてもよい。あるいは,WTRUは,既知のHARQオフセットおよび事前に定義されたしきい値基準点(たとえば,ビット数およびHARQオフセットペア)に基づいて構成された各HARQプロファイルに対して,しきい値を判定してもよい。別の例において,しきい値は,最小のサポートされるE-TFC組合せまたはデュアルストリーム動作に対する両ストリームにわたるビットの合計として,各HARQプロファイルについて計算されてもよい。1つのオプションにおいて,WTRUは,現在のMIMOオフセット(すなわち,NodeBによってシグナリングされるセカンダリストリームの品質)を考慮に入れて,最小のサポートされるE-TFC組合せに対する集約されたビット数を計算する。別の例において,WTRUは,デュアルストリーム送信をサポートする最小E-TFC組合せに対するプライマリストリームの2倍のビット数としてしきい値を計算する。
(中略)
[00152] 別の例において,WTRUは,サービンググラント,およびオプションでセカンダリ電力オフセットに従ってセカンダリストリーム上で送信することができるビット数に基づいて,ランク2送信を使用するように構成されてもよい。WTRUは,たとえば最高優先度の空でない論理チャネルに関連するHARQオフセットを使用して,セカンダリストリーム上で送信することができるビット数を計算してもよい。WTRUは,サービンググラントおよびセカンダリ電力オフセットに従ってセカンダリストリーム上で送信することができる合計ビット数をしきい値と比較するように構成されてもよく,計算されたビットの数がしきい値を超える場合,WTRUはランク2送信を使用し,それ以外の場合,WTRUはランク1送信を使用する。1つの例において,WTRUは,たとえばRRCシグナリングを介して,固定のしきい値で構成される。別の例において,WTRUは,サービンググラントおよびセカンダリ電力オフセットに従ってセカンダリストリーム上で送信することができるビット数が,セカンダリストリームに対する最小構成トランスポートブロックサイズを超える場合,ランク2送信を使用するように構成されてもよく,それ以外の場合,WTRUはランク1送信を使用する。
(中略)
[00154] 1つの実用的な例において,WTRUは,ランク2送信に十分な電力を有すること(たとえば,上記の実施形態の1つに従って),およびランク2送信に十分な大きさのサービンググラントを有すること(たとえば,上記の実施形態の1つに従って),およびランク2送信に十分なデータを有すること(たとえば,上記の実施形態の1つに従って)をWTRUが判定するときに,ランク2送信を使用するように構成される。それらの基準の1つまたは複数が満たされない場合,WTRUは,ランク1送信を使用するように構成されてもよい。この基準に従ってWTRUがランク2送信を使用することを判定する場合,デュアルストリーム(ランク2)送信式に従って,E-TFC選択およびE-TFC再選択を実行してもよい。
(中略)
[00158] 別の例において,WTRUは,シングルストリーム動作に対するリクエストをネットワークに送信するように構成されてもよい。このリクエストは,たとえば,MACヘッダの新たなフィールド上で,またはSI(たとえば,L2メッセージ)上で行なわれてもよく,あるいはこのリクエストはまた,物理チャネル上で行なわれてもよい。WTRUは,最大ランク2送信により動作するようにすでに構成されており,およびシングルストリームモードにおいて動作するべきである判定するときに(たとえば,上記の条件の1つを使用して),シングルストリームまたはランク1において動作するリクエストを送信するように構成されてもよい。WTRUはまた,ランク1動作に対して構成されており,デュアルストリームモードで動作すべきであると判定するときに(たとえば,上記の条件の1つを使用して),デュアルルストリームまたはランク2動作において動作するリクエストを送信するように構成されてもよい。
(中略)
[00164] WRTU送信電力およびUL干渉を最小にするため,バッファ占有により判定されるWRTUの実際のペイロードが,いずれもランク2送信の前提に基づいて評価される最大サポートペイロードおよび合計グラントペイロードの最小限よりも小さくなると,WRTUは最初に,その実際のペイロードを,いずれもランク1送信の前提に基づいて評価される最大サポートペイロードおよび合計グラントペイロードの最小限と比較することにより,それがランク1送信で送信されうるかどうかを照合してもよい。確認できない場合,ランク2送信が使用される。
(中略)
[00166] 別の例において,上記で説明したように判定された実際のペイロードは,しきい値(たとえば,ランク2送信を検討するための最小ペイロード)と比較される。ペイロードがこのしきい値を下回る場合,UEは,シングルランクの送信を仮定してE-TFC選択および制約の実行を進める。それ以外の場合,UEは,ランク2送信を検討してもよい。ランク2送信はさらに,グラントおよび電力に依存してもよい。)

(5)「 [00240] As shown in FIG. 11A, the communications system 100 may include wireless transmit/receive units (WTRUs) 102a, 102b, 102c, 102d, a radio access network (RAN) 104, a core network 106, a public switched telephone network (PSTN) 108, the Internet 110, and other networks 112, though it will be appreciated that the disclosed embodiments contemplate any number of WTRUs, base stations, networks, and/or network elements. Each of the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d may be any type of device configured to operate and/or communicate in a wireless environment. By way of example, the WTRUs 102a, 102b, 102c, 102d may be configured to transmit and/or receive wireless signals and may include user equipment (WRTU), a mobile station, a fixed or mobile subscriber unit, a pager, a cellular telephone, a personal digital assistant (PDA), a smartphone, a laptop, a netbook, a personal computer, a wireless sensor, consumer electronics, and the like. 」(60ページ)
([当審仮訳]:
[00240] 図11Aにおいて示されるように,通信システム100は,無線送信/受信ユニット(WTRU)102a,102b,102cおよび102d,無線アクセスネットワーク(RAN)104,コアネットワーク106,公衆交換電話網(PSTN)108,インターネット110,ならびにその他のネットワーク112を含んでもよいが,開示される実施形態は,任意の数のWTRU,基地局,ネットワーク,および/またはネットワーク要素を考慮していることが理解されるであろう。WTRU102a,102b,102cおよび102dの各々は,無線環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであってもよい。一例として,WTRU102a,102b,102cおよび102dは,無線信号を送信および/または受信するように構成されてもよく,ユーザ機器(UE),移動局,固定または移動加入者ユニット,ページャ,携帯電話,携帯情報端末(PDA),スマートフォン,ラップトップ,ネットブック,パーソナルコンピュータ,無線センサーおよび家庭用電化製品などを含んでもよい。)

上記(1)?(5)の記載及び図面並びに当業者の技術常識を考慮すると,
a 上記(1),(2)の[0040],及び(5)の記載によれば,引用例には,「無線通信ネットワークのユーザ機器と基地局との間のUL-MIMOを制御する方法」について記載されていると認められる。

b 上記(2)の[0040],(3),(4)の[00158]の記載によれば,WRTU(ユーザ機器)がアップリンク送信に対してMIMOモードにおいて構成されるとき,最大ランク2送信が前提とされる場合であっても,送信NodeBにおいて経験される干渉を最小化するため,次のTTIに対してシングルストリームまたはデュアルストリーム送信のいずれが適切であるかを決定する順応性がWRTUに与えられているといえる。
そして,上記(2)及び(4)には,送信ランクを判定するための種々のしきい値処理が例示されており,上記(3)の[00138]の記載によれば,種々のしきい値処理の任意の組合せで送信ランクを決定され得るものである。
したがって,引用例には,「最大ランク2送信が前提とされる場合に,種々のしきい値処理の組合せに基づいてランク1送信(シングルストリーム送信)又はランク2送信(デュアルストリーム送信)を決定する」ことが記載されていると認められる。

c 上記(2)の[0040]の記載によれば,上記の判定により,WRTU(ユーザ機器)送信電力及びNodeB(基地局)におけるUL干渉を最小化できるとの作用効果が認められる。

以上を総合すると,引用例には以下の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「無線通信ネットワークのユーザ機器と基地局との間のUL-MIMOを制御する方法であって,
最大ランク2送信が前提とされる場合に,種々のしきい値処理の組合せに基づいてランク1送信(シングルストリーム送信)又はランク2送信(デュアルストリーム送信)を決定する方法。」


4 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると,
a 本願発明の「アップリンク多入力多出力伝送」と引用発明の「UL-MIMO」とは表記が異なるのみであって,差異は無い。
引用例の[0041],[0042],[00138](上記3(2),(3)参照。)等によれば,引用発明の「ランク1送信(シングルストリーム送信)」において,アップリンクのプライマリストリームが存在することは自明であり,当該プライマリストリームを「1次アップリンク・ストリーム」と称することは任意である。また,引用発明の「ランク2送信(デュアルストリーム送信)」において,上記プライマリストリームの他にセカンダリストリームが存在することは自明であり,当該セカンダリストリームを「2次アップリンク・ストリーム」と称することは任意である。

b 本願明細書の【0053】?【0056】,図1を参酌すれば,本願発明の「1次アップリンク・ストリーム上に伝送保留中のすべてのアップリンク・データ・パケットを伝送時間間隔内に搬送するには不十分な容量が存在するかどうかを識別するステップと,不十分な容量が存在する場合,前記1次アップリンク・ストリームによって搬送されないであろう保留アップリンク・データ・パケットが前記伝送時間間隔内に2次アップリンク・ストリームによって提供される容量を十分に利用しないであろうことが決定されるのであれば,前記2次アップリンク・ストリームの確立を回避するステップ」は,最大ランク2送信が前提とされる場合に実行することを意図している(或いは含んでいる)ことは明らかである。

c 本願明細書の【0053】?【0056】によれば,本願発明の「1次アップリンク・ストリーム上に伝送保留中のすべてのアップリンク・データ・パケットを伝送時間間隔内に搬送するには不十分な容量が存在するかどうかを識別」,「前記1次アップリンク・ストリームによって搬送されないであろう保留アップリンク・データ・パケットが前記伝送時間間隔内に2次アップリンク・ストリームによって提供される容量を十分に利用しないであろうことが決定」は,いずれもしきい値処理といえるから,本願発明は,「しきい値処理の組合せに基づいて2次アップリンク・ストリームの確立を回避する」ものといえる。
また,引用発明の「しきい値に基づいてランク1送信(シングルストリーム送信)又はランク2送信(デュアルストリーム送信)を判定する」は,ランク1送信(シングルストリーム送信)と判定された場合は,ランク2送信はなされず,ランク1送信が行われるのであるから,当該場合は「2次アップリンク・ストリームの確立を回避」しているといえる。
したがって,両者は,「最大ランク2送信が前提とされる場合に,しきい値処理の組合せに基づいて2次アップリンク・ストリームの確立を回避する」点で共通している。

したがって,本願発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,相違している。
(一致点)
「無線通信ネットワークのユーザ機器と基地局との間のアップリンク多入力多出力伝送を制御する方法であって,
最大ランク2送信が前提とされる場合に,しきい値処理の組合せに基づいて2次アップリンク・ストリームの確立を回避する方法。」

(相違点)
一致点の「最大ランク2送信が前提とされる場合に,しきい値処理の組合せに基づいて2次アップリンク・ストリームの確立を回避する」に関し,当該しきい値処理の組合せが,本願発明は「1次アップリンク・ストリーム上に伝送保留中のすべてのアップリンク・データ・パケットを伝送時間間隔内に搬送するには不十分な容量が存在するかどうかを識別するステップと,不十分な容量が存在する場合,前記1次アップリンク・ストリームによって搬送されないであろう保留アップリンク・データ・パケットが前記伝送時間間隔内に2次アップリンク・ストリームによって提供される容量を十分に利用しないであろうことが決定されるのであれば,前記2次アップリンク・ストリームの確立を回避するステップ」であるのに対し,引用発明は,具体的な組合せを明らかにしていない点。

上記相違点について検討する。
引用例の[00142](上記3(4)参照。)には,送信ランクを判定するための処理の例示として,シングルストリーム送信が,単一のTTIで,そのバッファを空にするのに十分であるかどうかを判定し,そのバッファを空にすることができると推定する場合,WRTUはシングルストリーム送信を仮定し,それ以外の場合,WRTUは,デュアルストリーム送信を仮定することが示されているから,しきい値処理の組合せの1つとして,「1次アップリンク・ストリーム上に伝送保留中のすべてのアップリンク・データ・パケットを伝送時間間隔内に搬送するには不十分な容量が存在するかどうかを識別するステップ」を備えることは,適宜なし得ることである。
また,引用例の[0042](上記3(2)参照。)には,セカンダリストリームに対する最小トランスポートブロックサイズに基づいてしきい値を判定することが示されており,同[00147](上記3(4)参照。)には,次の送信に使用可能なデータの量をしきい値と比較することが示されており,同[00152](上記3(4)参照。)には,セカンダリストリーム上で送信することができるビット数に基づいてしきい値処理をすることが示されており,同[00164](上記3(4)参照。)には,実際のペイロードが,ランク2送信の前提に基づいて評価される最大サポートペイロードおよび合計グラントペイロードの最小限(すなわち,最大サポートペイロードと合計グラントペイロードのうち,小さい方。)よりも小さくなると,ランク1送信の前提に基づいて判断をすることが示されている。してみると,しきい値処理の組合せのもう1つとして,「2次アップリンク・ストリームによって提供される容量を十分に利用するかどうか」を採用することは,格別困難なことではない。
そして,「不十分な容量が存在する場合,前記1次アップリンク・ストリームによって搬送されないであろう保留アップリンク・データ・パケットが・・・」の点は,しきい値処理の組合せとして上記の2つを採用することに伴い,自ずと導出されることに過ぎない。
したがって,引用発明において,しきい値処理の組合せとして,「1次アップリンク・ストリーム上に伝送保留中のすべてのアップリンク・データ・パケットを伝送時間間隔内に搬送するには不十分な容量が存在するかどうかを識別するステップと,不十分な容量が存在する場合,前記1次アップリンク・ストリームによって搬送されないであろう保留アップリンク・データ・パケットが前記伝送時間間隔内に2次アップリンク・ストリームによって提供される容量を十分に利用しないであろうことが決定されるのであれば,前記2次アップリンク・ストリームの確立を回避するステップ」とを備えるようにすることは,当業者が容易になし得ることである。


5 むすび
以上のとおり,本願発明は,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2017-05-08 
結審通知日 2017-05-09 
審決日 2017-05-24 
出願番号 特願2015-500790(P2015-500790)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 速水 雄太  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 山中 実
菅原 道晴
発明の名称 多入力多出力(MIMO)通信  
代理人 岡部 讓  
代理人 吉澤 弘司  
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