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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  D06M
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  D06M
管理番号 1333225
異議申立番号 異議2017-700123  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-09 
確定日 2017-09-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5967334号発明「サイジング剤塗布炭素繊維束およびその製造方法、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5967334号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?16〕について訂正することを認める。 特許第5967334号の請求項1?8、11?16に係る特許を維持する。 特許第5967334号の請求項9、10に係る特許についての申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第5967334号の請求項1?16に係る特許についての出願は、平成28年1月13日(優先権主張 2015年1月21日 日本、2015年3月9日 日本)を国際出願日とする出願であって、平成28年7月15日にその特許権の設定登録がされ、その後、その請求項1?16に係る特許について、特許異議申立人植松愛(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされ、平成29年5月16日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年6月21日付けで意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」といい、訂正自体を「本件訂正」という。)がなされ、平成29年7月27日付けで申立人から意見書が提出されたものである。


2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正の内容は、以下の訂正事項1?6からなる。
ア.訂正事項1
請求項1に「1.05以上1.5以下」とあるのを「1.2以上1.5以下」に訂正する。

イ.訂正事項2
請求項9を削除する。

ウ.訂正事項3
請求項10を削除する。

エ.訂正事項4
請求項11に「前記サイジング剤が脂肪族エポキシ化合物(A)を含むものであって、炭素繊維束をサイジング剤溶液に含浸させた後、ローラーに接触するまでの時間が60秒以下である請求項9または10に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。」とあるうち、請求項10を引用するものについて、請求項10を引用しないものとし、
「下記サイジング剤塗布炭素繊維束を製造する方法であって、サイジング剤を含むサイジング剤溶液に炭素繊維束を含浸させた後、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触するまでの時間が60秒以下であって、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤塗布炭素繊維束:
(A)分子内にエポキシ基を2以上有するポリエーテル型脂肪族エポキシ化合物および/またはポリオール型脂肪族エポキシ化合物を含むサイジング剤が塗布されてなり、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下であることを特徴とする。」に訂正する。

オ.訂正事項5
請求項12に「前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、炭素繊維束をサイジング剤溶液に含浸させた後、ローラーに接触させるまでの時間が3秒以上30秒以下である請求項9または10に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。」とあるうち、請求項10を引用するものについて、請求項10を引用しないものとし、
「下記サイジング剤塗布炭素繊維束を製造する方法であって、サイジング剤を含むサイジング剤溶液に炭素繊維束を含浸させた後、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触するまでの時間が3秒以上30秒以下であって、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤塗布炭素繊維束:
(B)ガラス転移温度が-100℃以上50℃以下の非水溶性化合物を含むサイジング剤が塗布されてなり、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下であることを特徴とする。」に訂正する。

カ.訂正事項6
請求項13に「前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、炭素繊維束をローラーに接触させる工程の後、180℃以上240℃以下の温度範囲で30秒以上300秒以下の時間熱処理を行う請求項9、10、12のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。」とあるのを
「炭素繊維束をローラーに接触させる工程の後、180℃以上240℃以下の温度範囲で30秒以上300秒以下の時間熱処理を行う請求項12に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項
ア.訂正事項1
訂正事項1は、付着量比の範囲をより狭い範囲に限定したものといえるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項1に関連する記載として、本件訂正前の本件特許の明細書の発明の詳細な説明の段落【0050】には「さらに本発明のサイジング剤塗布炭素繊維束は、その繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下である。ここで、両端部/中央部のサイジング剤付着量比は1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがさらに好ましい。」と記載されているから、繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比(以下、「付着量比」という。)を1.2以上と訂正することは明細書に記載した事項の範囲内においてしたものと認められる。
また、訂正事項1は、付着量比の範囲をより狭い範囲に限定したものといえるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

イ.訂正事項2、3
訂正事項2は訂正前の請求項9を、訂正事項3は訂正前の請求項10を、それぞれ削除する訂正である。したがって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

ウ.訂正事項4、5
訂正事項4は、訂正前の請求項11のうち、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項9を引用する訂正前の請求項10を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消し、独立形式の請求項とする訂正である。また、訂正事項5は、訂正前の請求項12のうち、訂正前の請求項1を引用する訂正前の請求項9を引用する訂正前の請求項10を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消し、独立形式の請求項とする訂正である。したがって、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

エ.訂正事項6
訂正事項6は、訂正前の請求項13が、請求項9、10、12のいずれかを引用していたのを、請求項12のみを引用するものに訂正するものである。したがって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

オ.一群の請求項
本件訂正前の請求項2?16は請求項1を引用するものであるから、請求項1?16は一群の請求項である。よって、本件訂正請求は、一群の請求項に対して請求されたものである。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?16〕について訂正を認める。


3.特許異議の申立てについて
(1)本件発明
本件訂正請求が認められることにより、本件特許の請求項1?16に係る発明(以下「本件発明1?16」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?16に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
【請求項1】
(A)分子内にエポキシ基を2以上有するポリエーテル型脂肪族エポキシ化合物および/またはポリオール型脂肪族エポキシ化合物を含むサイジング剤、または、
(B)ガラス転移温度が-100℃以上50℃以下の非水溶性化合物を含むサイジング剤が塗布された炭素繊維束であって、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.2以上1.5以下であることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項2】
前記サイジング剤が脂肪族エポキシ化合物(A)を含むものであって、脂肪族エポキシ化合物(A)が、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびアラビトールからなる群から選択される1種と、エピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ化合物である、請求項1に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項3】
前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、非水溶性化合物(B)が芳香族化合物である請求項1に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項4】
前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、非水溶性化合物(B)がラテックス化合物である請求項1または3のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項5】
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が90を超え150以下である請求項1?4のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項6】
前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、ドレープ値が100mm以上200mm以下である請求項1、3?5のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項7】
サイジング剤の平均付着量が0.2質量%以上1.5質量%未満である請求項1?6のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項8】
炭素繊維束のストランド引張強度が3.5GPa以上、ストランド引張弾性率が220GPa以上である請求項1?7のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項9】(削除)
【請求項10】(削除)
【請求項11】
下記サイジング剤塗布炭素繊維束を製造する方法であって、サイジング剤を含むサイジング剤溶液に炭素繊維束を含浸させた後、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触するまでの時間が60秒以下であって、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤塗布炭素繊維束:
(A)分子内にエポキシ基を2以上有するポリエーテル型脂肪族エポキシ化合物および/またはポリオール型脂肪族エポキシ化合物を含むサイジング剤が塗布されてなり、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下であることを特徴とする。
【請求項12】
下記サイジング剤塗布炭素繊維束を製造する方法であって、サイジング剤を含むサイジング剤溶液に炭素繊維束を含浸させた後、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触するまでの時間が3秒以上30秒以下であって、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤塗布炭素繊維束:
(B)ガラス転移温度が-100℃以上50℃以下の非水溶性化合物を含むサイジング剤が塗布されてなり、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下であることを特徴とする。
【請求項13】
炭素繊維束をローラーに接触させる工程の後、180℃以上240℃以下の温度範囲で30秒以上300秒以下の時間熱処理を行う請求項12に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
【請求項14】
請求項1?8のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束と、熱硬化性樹脂とを含むプリプレグ。
【請求項15】
請求項14に記載のプリプレグを硬化させてなる炭素繊維強化複合材料。
【請求項16】
請求項1?8のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束と、熱可塑性樹脂とを含む炭素繊維強化複合材料。

(2)取消理由の概要
本件訂正前の請求項1?16に係る特許に対する、平成29年5月16日付け取消理由通知の概要は、以下のとおりである。

理由1)本件特許の請求項1?3、6?9に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2)本件特許の請求項1?16に係る発明は、その優先日前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


〔刊行物〕
1.特開2002-294568号公報
2.特開2006-144168号公報
3.特開2008-95222号公報
4.特開2013-23785号公報
5.特開2004-149981号公報
6.特開2014-145038号公報
7.特開2002-317382号公報
8.三菱化学株式会社スペシャリティケミカルズ事業部、製品案内、2016年12月
9.特開2001-271230号公報
10.特開2009-242964号公報
11.ZEON CORPORATION、Nipol(当審注:登録商標を示す”R”を○で囲んだものが原文に記載されている) LATEX ラテックス一覧表、2015年6月
(刊行物1?11は、それぞれ申立書添付の甲第1?11号証と同じ)

<理由1:特許法第29条第1項第3号
ア.請求項1、3、6、9に係る発明は、刊行物1記載の発明である。
イ.請求項1?2、7?8に係る発明は、刊行物2記載の発明である。

<理由2:特許法第29条第2項
ア.請求項1、3?10、12?16に係る発明は、刊行物1記載の発明、刊行物2?4記載の事項及び刊行物2?3、5?7に例示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明し得たものである。
イ.請求項1?2、5、7?11、14?16に係る発明は、刊行物2記載の発明、刊行物1、3?4記載の事項及び刊行物3、6?7に例示される周知技術に基づいて、当業者が容易に発明し得たものである。

(3)引用発明
ア.刊行物1の【請求項1】、【0040】?【0042】、【0047】には、以下の甲1発明1、甲1発明2が記載されている。
「エピコートEP828を含むサイズ剤が含浸された炭素繊維束であって、
炭素繊維束断面の偏平率(幅/厚さ)が40?90であり、
未サイジングの炭素繊維束を、連続的にサイジング浴(4質量%水エマルジョン)に浸漬した後、ローラーにより余分の水分を除去し、次いで、表面温度120?140℃のヒートローラーに前記水分を除去した炭素繊維束を15?30秒間接触させて乾燥し、連続的にサイジング処理して断面形状が楕円形の偏平な炭素繊維束を得る、炭素繊維束」(甲1発明1)
「下記サイジング処理した炭素繊維束を製造する方法であって、
サイジング浴(4質量%水エマルジョン)に、未サイジングの炭素繊維束を、連続的に浸漬させた後、ローラーにより余分の水分を除去し、次いで、表面温度120?140℃のヒートローラーに前記水分を除去した炭素繊維束を15?30秒間接触させて乾燥し、連続的にサイジング処理して断面形状が楕円形の偏平な炭素繊維束を得る、サイジング処理した炭素繊維束を製造する方法。
サイジング処理した炭素繊維束:
エピコートEP828を含むサイズ剤が含浸されてなり、
炭素繊維束断面の偏平率(幅/厚さ)が40?90である。」(甲1発明2)

イ.刊行物2の【請求項1】、【0038】、【0041】には、以下の甲2発明1、甲2発明2が記載されている。
「脂肪族エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX512)を含むサイジング剤が付着した炭素繊維束であって、
束断面の扁平率(幅/厚み)が10?60であり、
実質的に無撚りの未サイジングの炭素繊維束を、反応性ウレタン樹脂エマルジョン(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス-R5000)と脂肪族エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX512)との混合化合物(樹脂成分混合比:70/30)を精製水で希釈したサイジング剤母液に連続的に浸漬させて炭素繊維にサイジング剤を付与し、150℃のホットローラと200℃の乾燥炉で乾燥し水分を除去した炭素繊維束」(甲2発明1)
「下記サイジング剤が付着した炭素繊維束を製造する方法であって、
反応性ウレタン樹脂エマルジョン(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックス-R5000)と脂肪族エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX512)との混合化合物(樹脂成分混合比:70/30)を精製水で希釈したサイジング剤母液に炭素繊維束を連続的に浸漬させた後、
150℃のホットローラと200℃の乾燥炉で乾燥し水分を除去するサイジング剤が付着した炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤が付着した炭素繊維束:
脂肪族エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製、デナコールEX512)が付着されてなり、
束断面の扁平率(幅/厚み)が10?60である。」(甲2発明2)

(4)判断
ア.理由1(新規性)について
(ア)刊行物1に基づく新規性
本件発明1と甲1発明1とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。
相違点1.本件発明1は付着量比が1.2以上1.5以下であるのに対して、甲1発明1はそのような特定がない点
そして、本件発明1は、相違点1に係る事項を有することにより、良好な耐擦過性を得るという作用効果を奏するものである。したがって、この相違点1は形式的な相違点ではなく、サイジング剤の付着量に関する実質的な相違点であることは明らかであるから、本件発明1は、甲1発明1ではない。
また、本件発明1の発明特定事項をすべて包含する本件発明3、6も甲1発明1ではない。

なお、申立人は特許異議申立書で、甲1発明1の炭素繊維束は、訂正前の請求項1に係る炭素繊維束を製造する際と同様に、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させるという条件で製造されるから、その付着量比も、訂正前の請求項1に係る炭素繊維束と同じ1.05以上1.5以下になる蓋然性が高いと主張する。しかし、本件訂正により、付着量比は1.2以上1.5以下に減縮された。そして、本件特許の明細書の段落【0132】、【0167】に記載された実施例4?5、9?10、14?15、18?19、22、24?25は、上記条件を満たすものの、付着量比は1.1であるから、上記条件で製造したことをもってただちに付着量比が1.2以上になるとはいえない。したがって、甲1発明1の付着量比が本件発明1と同じ1.2以上1.5以下であるとはいえない。
また、申立人は平成29年7月27日付け意見書で、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触させるまでの時間が3秒以上30秒以下であることは「通常ありふれた製造条件」であり、これを採用する限り甲1発明1の付着量比が1.2以上1.5以下である蓋然性が高いと主張する(意見書2頁7行?4頁12行)。しかし、「通常ありふれた製造条件」なるものの証拠の提示はなく、「通常ありふれた製造条件」なるものが周知であったとも認められず、甲1発明1の炭素繊維束が「通常ありふれた製造条件」なるもので製造されたとの記載も示唆もないから、採用できない。また、本件特許の明細書の段落【0132】、【0167】に記載された実施例9?10、14?15、22、24?25は、「通常ありふれた製造条件」ではあるが付着量比が1.1である。

(イ)刊行物2に基づく新規性
本件発明1と甲2発明1とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。
相違点2.本件発明1は、付着量比が1.2以上1.5以下であるのに対して、甲2発明1はそのような特定がない点
そして、相違点2は、相違点1と同じ相違点であるから、同様の理由により、本件発明1は、甲2発明1ではない。
また、本件発明1の発明特定事項をすべて包含する本件発明2、7?8も甲2発明1ではない。

イ.理由2(進歩性)について
(ア)刊行物1に基づく進歩性
a.本件発明1、3?8、14?16
刊行物2?11には、上記相違点1に係る事項について、記載も示唆もされていない。そして、本件発明1は、相違点1に係る事項を有することにより、良好な耐擦過性を得るという作用効果を奏するものである。したがって、相違点1に係る本件発明1の構成は、当業者が容易になし得たものとはいえず、本件発明1は、甲1発明1及び刊行物2?11の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明1の発明特定事項をすべて包含する本件発明3?8、14?16も同様の理由により、当業者が容易に発明できたものではない。

なお、申立人は平成29年7月27日付け意見書で、甲1発明1も、両端部に中央部より多くサイジング剤が付着している蓋然性が高いこと、両端部に中央部より多くサイジング剤が付着することは自明であることを主張する(意見書4頁13行?5頁11行)。しかし、そうだとしても、甲1発明1における具体的な付着量比は記載されていない。そして、甲1発明1には、耐擦過性の向上という課題を解決するために付着量比を制御するとの技術思想は記載されておらず、示唆する記載もない。したがって、甲1発明1には、付着量比に着目し、その具体的な数値範囲を最適化して、良好な耐擦過性を得ようとする動機はない。
また、申立人は、本件特許の実施例を参照しても、高い界面接着性を有し擦過による毛羽の発生を抑制する上で、付着量比が1.2以上であることを閾値とする技術的根拠が不明確であると主張する(意見書5頁12?24行)。しかしながら、本件特許の明細書の段落【0050】「…両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下である。ここで、両端部/中央部の両端部/中央部のサイジング剤付着量比は1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがさらに好ましい。」との記載、同【0052】「ここで、繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際の両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上であると、この擦過毛羽の抑制効果が十分に発現する。」との記載から、付着量比が1.2以上だと擦過毛羽の抑制効果を発現する上でさらに好ましいことは明らかである(1.2以上という特定は、高い界面接着性を得るための特定ではない)。このことは、付着量比が1.1である実施例4?5、9?10、14?15、18?19、22、24?25の耐擦過性が△?○で◎がないのに対して、付着量比が1.2以上である実施例1?3、6?8、11?13、16?17、20?21、23、26?27の耐擦過性は○?◎で△がないことからも裏付けられている。ゆえに、上記申立人の主張は失当である。

b.本件発明12?13
本件発明12と甲1発明2とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。
相違点3.本件発明12では、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触させるまでの時間が3秒以上30秒以下であるのに対して、甲1発明2はそのような特定がない点
相違点4.本件発明12で製造されるサイジング剤塗布炭素繊維束は、付着量比が1.05以上1.5以下であるのに対して、甲1発明2はそのような特定がない点
相違点3について検討する。
相違点3に係る事項は、刊行物2?11にも記載されていない。そして、本件特許の明細書の段落【0085】「サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角の角度が70度以下になると、炭素繊維束が液面より持ち出すサイジング剤溶液の液量が十分多くなり、加熱したローラーに接触させることで炭素繊維束の幅方向の両端部に中央部よりサイジング剤を多く付着させることができ、特に優れた毛羽抑制効果が得られる。」との記載、同【0087】「炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出した後加熱したローラーに接触させるまでの時間が30秒以下であれば、湿潤状態の炭素繊維束から溶媒が蒸発することを抑制でき、加熱したローラーに接触させた際に炭素繊維束の幅方向の両端部に中央部よりサイジング剤を多く付着させる効果が高まり、特に優れた毛羽抑制効果が得られるため好ましい。」との記載、実施例1、4、5の比較から明らかなように、付着量比は、サイジング剤の種類、ローラー接触温度及びローラー接触時間のほか、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角や、ローラーに接触するまでの時間によっても制御し得るのであって、本件発明12はこれらの製造条件を総合的に特定することで、付着量比を制御し、良好な耐擦過性の炭素繊維束を製造するという作用効果を奏する。したがって、相違点3に係る本件発明12の構成は、当業者が容易になし得たものとはいえず、相違点4について検討するまでもなく、本件発明12は、甲1発明2及び刊行物2?11の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明12の発明特定事項をすべて包含する本件発明13も同様の理由により、当業者が容易に発明できたものではない。

なお、申立人は、特許異議申立書及び平成29年7月27日付け意見書で、刊行物4の図4を測定して、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角を33度とすることや、ローラーに接触するまでの時間を10.5秒とすることが記載されていると主張する(意見書6頁9?21行)。しかし、そうだとしても、本件発明12は、良好な耐擦過性を得られるよう付着量比を制御するという技術思想のもと、サイジング剤の種類、ローラー接触温度及びローラー接触時間、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角、ローラーに接触させるまでの時間といった製造条件をそれぞれ具体的に特定したものであるから、それら製造条件のうちのいくつかが一致しているだけの甲1発明2と刊行物4の記載事項とを単に寄せ集めることが当業者にとって容易であるということはできない。また、甲1発明2には、良好な耐擦過性を得るとの課題を解決するために付着量比を制御する技術思想はないから、甲1発明2には、付着量比に着目し、これを制御するための製造条件を総合的に特定して、良好な耐擦過性を得ようとする動機はない。加えて、概略図である上記図4は設計図と異なり、寸法や角度などを正確に表示したものとはいえないから、刊行物4にサイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角を33度とすることや、ローラーに接触するまでの時間を10.5秒とすることが記載されていたとも言い難い。

(イ)刊行物2に基づく進歩性
a.本件発明1?2、5、7?8、14?16
相違点2は、上記相違点1と同じ相違点であるから、同様の理由により、本件発明1は、甲2発明1及び刊行物1、3?11の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明1の発明特定事項をすべて包含する本件発明2、5、7?8、14?16も同様の理由により、当業者が容易に発明できたものではない。

b.本件発明11
本件発明11と甲2発明2とは、以下の点で相違し、その他の点で一致する。
相違点5.本件発明11では、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触させるまでの時間が60秒以下であるのに対して、甲2発明2はそのような特定がない点
相違点6.本件発明11で製造されるサイジング剤塗布炭素繊維束は、付着量比が1.05以上1.5以下であるのに対して、甲2発明2はそのような特定がない点
そして、相違点5は、ローラーに接触させるまでの時間の具体的数値を除いて相違点3と同じ相違点であるから、同様の理由により、相違点5に係る本件発明11の構成は、当業者が容易になし得たものとはいえない。したがって、相違点6について検討するまでもなく、本件発明11は、甲2発明2及び刊行物1、3?11の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4.むすび
以上のとおりであるから、上記取消理由によっては、本件発明1?8、11?16に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?8、11?16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、本件訂正が認められることにより、請求項9及び10は削除され、本件特許の請求項9及び10に対して、申立人がした特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。よって、本件特許の請求項9及び10に対しての特許異議の申立ては不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)分子内にエポキシ基を2以上有するポリエーテル型脂肪族エポキシ化合物および/またはポリオール型脂肪族エポキシ化合物を含むサイジング剤、または、
(B)ガラス転移温度が-100℃以上50℃以下の非水溶性化合物を含むサイジング剤
が塗布された炭素繊維束であって、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.2以上1.5以下であることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項2】
前記サイジング剤が脂肪族エポキシ化合物(A)を含むものであって、脂肪族エポキシ化合物(A)が、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、およびアラビトールからなる群から選択される1種と、エピクロロヒドリンとの反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ化合物である、請求項1に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項3】
前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、非水溶性化合物(B)が芳香族化合物である請求項1に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項4】
前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、非水溶性化合物(B)がラテックス化合物である請求項1または3のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項5】
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が90を超え150以下である請求項1?4のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項6】
前記サイジング剤が非水溶性化合物(B)を含むものであって、ドレープ値が100mm以上200mm以下である請求項1、3?5のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項7】
サイジング剤の平均付着量が0.2質量%以上1.5質量%未満である請求項1?6のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項8】
炭素繊維束のストランド引張強度が3.5GPa以上、ストランド引張弾性率が220GPa以上である請求項1?7のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束。
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
下記サイジング剤塗布炭素繊維束を製造する方法であって、サイジング剤を含むサイジング剤溶液に炭素繊維束を含浸させた後、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触するまでの時間が60秒以下であって、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤塗布炭素繊維束:
(A)分子内にエポキシ基を2以上有するポリエーテル型脂肪族エポキシ化合物および/またはポリオール型脂肪族エポキシ化合物を含むサイジング剤が塗布されてなり、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下であることを特徴とする。
【請求項12】
下記サイジング剤塗布炭素繊維束を製造する方法であって、サイジング剤を含むサイジング剤溶液に炭素繊維束を含浸させた後、炭素繊維束をサイジング剤溶液から取り出す過程において、サイジング剤溶液の液面と炭素繊維束の成す角が20度以上70度以下であり、ローラーに接触させるまでの時間が3秒以上30秒以下であって、サイジング剤溶液の溶媒の沸点より10℃以上80℃以下高い温度範囲で加熱したローラーに1秒以上60秒以下の時間接触させることを特徴とするサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
サイジング剤塗布炭素繊維束:
(B)ガラス転移温度が-100℃以上50℃以下の非水溶性化合物を含むサイジング剤が塗布されてなり、
炭素繊維束断面の扁平率(幅/厚さ)が10以上150以下であり、
炭素繊維束を繊維方向に沿って幅方向に質量で3等分した際に、両端部の各々における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比の平均値と、中央部における炭素繊維束の質量に対するサイジング剤の質量の比から算出される両端部/中央部のサイジング剤付着量比が1.05以上1.5以下であることを特徴とする。
【請求項13】
炭素繊維束をローラーに接触させる工程の後、180℃以上240℃以下の温度範囲で30秒以上300秒以下の時間熱処理を行う請求項12に記載のサイジング剤塗布炭素繊維束の製造方法。
【請求項14】
請求項1?8のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束と、熱硬化性樹脂とを含むプリプレグ。
【請求項15】
請求項14に記載のプリプレグを硬化させてなる炭素繊維強化複合材料。
【請求項16】
請求項1?8のいずれかに記載のサイジング剤塗布炭素繊維束と、熱可塑性樹脂とを含む炭素繊維強化複合材料。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-08-31 
出願番号 特願2016-512144(P2016-512144)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (D06M)
P 1 651・ 113- YAA (D06M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 平井 裕彰  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 渡邊 豊英
小野田 達志
登録日 2016-07-15 
登録番号 特許第5967334号(P5967334)
権利者 東レ株式会社
発明の名称 サイジング剤塗布炭素繊維束およびその製造方法、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料  

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