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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H01M
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01M
管理番号 1333241
異議申立番号 異議2017-700696  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-14 
確定日 2017-10-02 
異議申立件数
事件の表示 特許第6060996号発明「リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6060996号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6060996号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?4に係る特許についての出願は、平成14年7月16日に出願した特願2002-206582号の一部を、数次の分割を経て、新たな特許出願とした特願2014-140282号の一部を、平成27年5月11日に新たな特許出願としたものであって、平成28年12月22日に特許の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人中川賢治(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。


第2 本件特許発明

本件特許の請求項1?4に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、それぞれ「本件特許発明1」?「本件特許発明4」ということもあり、これらの発明を、まとめて、本件発明ということがある。)。

「【請求項1】
黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とが加圧、一体化されてなるリチウム二次電池用負極において、該負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であり、前記黒鉛粒子の比表面積が8m^(2)/g以下であるリチウム二次電池用負極。
【請求項2】
黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物の密度が1.45?1.95g/cm^(3)である請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
【請求項3】
黒鉛粒子の平均粒径が1?100μm、結晶のC軸方向の結晶子サイズLc(002)が500オングストローム以上である請求項1または2記載のリチウム二次電池用負極。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか記載のリチウム二次電池用負極とリチウム化合物を含む正極を有してなるリチウム二次電池。」


第3 申立て理由の概要

1.申立理由1(進歩性)
特許異議申立人は、主たる証拠として下記の甲第1号証、従たる証拠として下記の甲第2?6号証を提示し、本件特許発明1?4は、甲第1号証に記載された発明と甲第2?6号証に記載された発明とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、取り消すべきものである旨主張している(以下、「申立理由1」という。)。

2.申立理由2(新規性)
特許異議申立人は、証拠として下記の甲第5号証を提示し、本件特許発明1?4は、甲第5号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、同項の規定に違反して特許されたものであり、取り消すべきものである旨主張している。

[証拠方法]
甲第1号証:特開2001-283844号公報
甲第2号証:特開平6-295725号公報
甲第3号証:特開2000-182617号公報
甲第4号証:特開平7-134988号公報
甲第5号証:特開平10-158005号公報
甲第6号証:特開平11-263612号公報


第4 甲号証の記載事項

1. 甲第1号証(特開2001-283844号公報)には、「非水電解質電池」の発明について、以下の事項が記載されている(当審注:「…」は記載の省略を表す。以下同じ。)。

1ア. 「【請求項1】 銅箔から成る負極芯体の表面に、黒鉛(Lc値は150Å以上、d_((002)) 値は3.38Å以下)から成る負極活物質を主体とする負極活物質層が形成された負極と、リチウムを吸蔵、放出しうる正極活物質層を備えた正極と、非水電解質とを有する非水電解質電池において、
上記黒鉛は、Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面と(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)) )が1000以下に規制されることを特徴とする非水電解質電池。
【請求項2】 前記銅箔から成る負極芯体の厚みが、5μm以上10μm以下に規制される、請求項1記載の非水電解質電池。
【請求項3】 前記負極板における負極活物質の充填密度が、1.5g/cc以上1.8g/cc以下に規制される、請求項1又は2記載の非水電解質電池。
【請求項4】 前記負極活物質は、ジェットミルにて高圧ガスを噴出させることにより球状化する、請求項1、2又は3記載の非水電解質電池。」(【特許請求の範囲】)

1イ. 「【従来の技術】近年、LiCoO_(2)等のリチウム含有遷移金属酸化物等を正極活物質とする一方、金属リチウム又はリチウムイオンを吸蔵、放出し得る合金、酸化物又は黒鉛、コークス等の炭素材料を負極活物質とする非水電解質電池が、高容量化が可能な電池として注目されている。
上記負極活物質のうちリチウム又はリチウムを主体とする材料を用いた場合には、充放電により樹枝状のリチウムが析出(デンドライトが発生)し、電池内で短絡するおそれがあるのに対して、炭素材料を負極材料として用いると、このような欠点を解消することができるという利点がある。その中でも、黒鉛を用いた場合には、放電容量が増大し、且つ、初期の充放電効率が向上すると共に、電位の平坦性が確保されるという利点がある。
ここで、上記黒鉛を用いて負極を作製する場合には、先ず、黒鉛と結着剤等とを混合してスラリーを調製した後、このスラリーを銅箔から成る負極芯体に塗着し、更に、これを乾燥する。最後に、負極活物質の充填密度を上げるべく、上記のようにして作製した極板を、ローラープレスによって圧延するというものである。
しかしながら、従来の黒鉛はリン片状〔Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面とこの(002)面と垂直な(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)) )が1000より大きい黒鉛〕で、配向度が高いため、極板の面方向と平行にベイサル面が配向される割合が高くなる。この結果、極板をローラープレスによって圧延する際、ベイサル面同士が滑って、黒鉛同士或いは黒鉛と芯体との密着性が低下し、電池の歩留りが低くなるという課題を有していた。」(【0002】?【0005】)

1ウ. 「【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の課題を考慮したものであって、負極活物質の充填密度を上げるべく極板をローラープレスによって圧延した場合であっても、ベイサル面同士が滑るのを抑制することにより、黒鉛同士或いは黒鉛と芯体との密着性が低下するのを抑えて、電池の歩留りを向上させることができる非水電解質電池を提供することを目的としている。」(【0006】)

1エ. 「【発明の実施の形態】(正極の作製)先ず、正極活物質としてのLiCoO_(2) 粉末(平均粒径:5μm)と、導電剤としての人造黒鉛粉末とを、重量比で9:1の割合で混合して正極合剤を作製した。次に、この正極合剤と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンが5重量%溶解されたN-メチル-2-ピロリドン(NMP)溶液とを、固形分重量比が95:5となるように混合してスラリーを調製した後、このスラリーを正極芯体としてのアルミニウム箔の両面にドクターブレード法により塗布した(厚みは各面100μmである)。その後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定の厚みにまで圧縮した後、150℃で2時間真空乾燥させて、正極(活物質の充填密度:3.0g/cc)を作製した。
(負極の作製)先ず、リン片状の天然黒鉛〔Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面と(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)) )(以下、ピーク強度比と略する)が500、Lc値:780Å、d_((002)) 値:3.358Å、平均粒径:40μm〕をカウンタージェットミルに500g装填し、空気圧4kg/cm^(2) 、噴出ノズル径5mmφに設定して、カウンタージェットミルを20分間運転することにより、ピーク強度比が500の球状黒鉛〔Lc値:780Å、d_((002)) 値:3.358Å、平均粒径:20μm〕を作製した。
次に、上記球状黒鉛と、結着剤としてのスチレン-ブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン(固形分:48%)とを水に分散させ、更に、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加して、スラリーを調製した。尚、上記球状黒鉛と、SBRと、CMCとの混合割合は、負極乾燥後の重量比が、球状黒鉛:SBR:CMC=100:3:2となるように混合した。この後、上記スラリーを負極芯体としての銅箔(厚み:8μm)の両面にドクターブレード法により塗布した(厚みは各面100μmである)。しかる後、溶剤を乾燥し、ローラーで所定の厚みにまで圧縮した後、110℃で2時間真空乾燥させて、負極(活物質の充填密度:1.5g/cc)を作製した。
(電解液の調製)電解液としては、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とが体積比で50:50の割合で混合された混合溶媒に、LiPF_(6) が1M(モル/リットル)の割合で溶解された非水電解液を用いた。
(電池の作製)上記正極と負極とをポリプロピレン製の微多孔膜から成るセパレータを介して巻回して発電要素を作製した後、この発電要素を有底筒状の外装缶内に挿入した。最後に、上記電解液を外装缶内に注入した後、封口板を外装缶の開口部に取り付けることにより、円筒形の電池(AAサイズ、理論容量:600mA)を作製した。」(【0015】?【0016】)

1オ. 「(第1実施例)
〔実施例1〕実施例1としては、上記発明の実施の形態に示す方法と同様の方法にて作製した電池を用いた。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A1と称する。
〔実施例2?4〕負極活物質の充填密度を、各々1.4g/cc、1.8g/cc、1.9g/ccとする他は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、それぞれ本発明電池A2?A4と称する。
〔実施例5?8〕ピーク強度比を300とする他は、各々上記実施例1?実施例4と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、それぞれ本発明電池A11?A14と称する。

〔比較例1?4〕ピーク強度比を1500とする他は、各々上記実施例1?実施例4と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、それぞれ比較電池X1?X4と称する。
〔比較例5?8〕ピーク強度比を2000とする他は、各々上記実施例1?実施例4と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、それぞれ比較電池X11?X14と称する。
〔実験〕本発明電池A1?A4、A11?A14…及び比較電池X1?X4、X11?X14における負極を用いて、負極の密着強度を調べたので、その結果を表1に示す。尚、負極の密着強度の測定方法は、1cm^(2)の両面テープを各負極に貼り付け、負極平面に対して垂直方向に引き上げるときの荷重を調べることにより行い、また、表1においては、負極活物質の充填密度が1.4g/ccでピーク強度比が300のときの荷重を100%として示している。
【表1】

上記表1から明らかなように、本発明電池A1?A4、A11?A14…は比較電池X1?X4、X11?X14に比べて、負極の密着強度が大きくなっていることが認められる。したがって、負極の密着強度という面からは、ピーク強度比が1000以下の球状黒鉛を負極活物質として用いることが望ましいことがわかる。
また、本発明電池A1?A3、A11?A13…は、本発明電池A4、A14…にに比べて、負極の密着強度が更に大きくなっていることが認められる。その一方、上記表1には示していないが、負極活物質の充填密度が1.5g/cc未満になると、単位体積当たりの負極容量が低下することが認められた。したがって、負極の密着強度を更に向上させつつ、負極容量の低下を防止するには、ピーク強度比が1000以下の球状黒鉛を負極活物質として用い、しかも負極活物質の充填密度を1.5g/cc?1.8g/ccに規制することが望ましいことがわかる。」(【0022】?【0031】)


2. 甲第2号証(特開平6-295725号公報)には、「非水系二次電池」の発明について、以下の事項が記載されている。

2ア. 「【請求項1】BET法による比表面積が1?10m^(2)/gであり、平均粒径が10?30μmであり、且つ、粒径10μm以下の粉末の含有率が10%以下である黒鉛粉末が負極材料として使用されていることを特徴とする非水系二次電池。
【請求項2】BET法による比表面積が1?10m^(2)/gであり、平均粒径が10?30μmであり、且つ、粒径30μm以上の粉末の含有率が10%以下である黒鉛粉末が負極材料として使用されていることを特徴とする非水系二次電池。
【請求項3】BET法による比表面積が1?10m^(2)/gであり、平均粒径が10?30μmであり、且つ、粒径10μm以下の粉末の含有率及び粒径30μm以上の粉末の含有率がいずれも10%以下である黒鉛粉末が負極材料として使用されていることを特徴とする非水系二次電池。」(【特許請求の範囲】)

2イ. 「本発明電池では、いずれもBET法による比表面積(以下、「BET比表面積」と称する。)が1?10m^(2)/gであり、平均粒径が10?30μmである黒鉛粉末が使用される。これは、BET比表面積が1m^(2)/g未満の場合は、電解液との接触面積が過小なため急速充電特性及び高率放電特性が低下し、一方BET比表面積が10m^(2)/gを越えた場合は、電解液との接触面積が過大なため保存特性及び初期充放電効率が低下するとともに、活物質と銅箔等の芯体(負極集電体)との密着性が低下して充放電容量が低下するからであり、また平均粒径が10μm未満の場合は、初期充放電効率が著しく低下し、一方平均粒径が30μmを越えた場合は、高率放電特性が著しく低下するからである。」(【0010】)


3. 甲第3号証(特開2000-182617号公報)には、「リチウム二次電池電極用炭素材料」の発明について、以下の事項が記載されている。

3ア. 「【請求項1】 天然黒鉛またはキッシュグラファイトまたはこれらの混合物と、ピッチ、樹脂またはこれらの混合物またはこれらの熱処理物とを、炭化し黒鉛化した炭素粉末であって、X線回折の結晶データで、d(002)≦0.337nm、Lc≧30nm、La≧30nmであり、アスペクト比が2以下であって、且つ、N_(2)-BET比表面積が5m^(2)/g以下であることを特徴とする、リチウム二次電池電極用炭素材料。
【請求項2】 前記天然黒鉛またはキッシュグラファイトは、X線回折の結晶データで、d(002)≦0.337nm、Lc≧30nm、La≧30nmであって、高結晶の鱗状黒鉛である、請求項1に記載のリチウム二次電池電極用炭素材料。
…」(【特許請求の範囲】)

3イ. 「上述した本発明および比較用の炭素材料を負極として使用し、下記のようにしてリチウム二次電極を調製した。炭素負極材料20mgを厚さ0.5mmのステンレス板に100メッシュのステンレスメッシュを溶接した集電体上に均一に広げる。50μlのポリビニリデンフルオライド(PVDF)のN?メチルピロリドン溶液を炭素試料上に滴下する。スパーテルで炭素粉末とバインダ溶液とをよく混合し、メッシュ内に塗り込むようにして均一に広げる(直径:13mm)。溶剤が蒸発した後、3.8T/cm^(2)で圧着し、150℃の温度で5時間真空乾燥することにより電極とする。」(【0046】)


4. 甲第4号証(特開平7-134988号公報)には、「非水電解質二次電池」の発明について、以下の事項が記載されている。

4ア. 「【請求項1】 リチウム含有酸化物を活物質とする正極、黒鉛粉末を主とする再充電可能な負極および非水電解質を具備し、前記黒鉛粉末がリチウムをインターカレートし得る球状の物質であり、光学的に異方性で、単一の相からなるラメラ構造を持った粒状物であって、かつこの粒状物は、ピッチの低温での熱処理過程で生じるメソフェーズ小球体を黒鉛化したもので、広角X線回折法による002面の面間隔(d_(002 ))が3.36オングストローム以上3.40オングストローム以下であり、BET法による比表面積が0.7?5.0m^(2)/gであることを特徴とする非水電解質二次電池。
【請求項2】 前記黒鉛粉末が、直径3μm以下のものが体積比で30%以下であり、かつ15μm以上のものが体積比で20%以下である請求項1記載の非水電解質二次電池。」(【特許請求の範囲】)

4イ. 「…負極は次のようにして作製する。まず、ピッチの低温における熱処理過程で生成するメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズ(以下MCMBと略す)を2800℃で熱処理を施し黒鉛化したもので、d_(002 )が3.37オングストロームの粉末を分級して粒度を表1に示すように調整したものに、スチレン-ブタジエンゴムの水性ディスパージョンを混合し、これをカルボキシメチルセルロースの水溶液に懸濁させてペースト状にする。なお、粒度分布の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津(株)製SALD-2000)を用い、0.01%の界面活性剤水溶液を分散媒として使用した。次に、上記のペーストを厚さ0.02mmの銅箔の両面に塗着し、乾燥後、圧延して厚さ0.20?0.22mm、幅42mm、長さ285mmの極板とする。表2に各粒度に調整したMCMBを用いた場合の負極の充填密度を示す。
【表1】

【表2】

表2の極板の充填密度の結果より、直径が15μm以上の粉末を25%含む負極を用いた電池Cは、極板への充填密度が低くなっている。これは粒子間に隙間ができているためと考えられる。また、圧延によりこれ以上に密度を上げようとしたところ、合剤と集電体である銅箔との間で圧延による歪みから滑りが生じ、合剤が剥離してしまい、電池を構成することができなくなってしまった。…」(【0016】?【0020】)


5. 甲第5号証(特開平10-158005号公報)には、「黒鉛粒子、黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池」の発明について、以下の事項が記載されている。

5ア. 「【請求項1】 扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなる黒鉛粒子。
【請求項2】 黒鉛粒子のアスペクト比が5以下である請求項1記載の黒鉛粒子。
【請求項3】 アスペクト比が5以下である黒鉛粒子。
【請求項4】 アスペクト比が1.2?5である請求項3記載の黒鉛粒子。
【請求項5】 黒鉛粒子の集合体からなる請求項3又は4記載の黒鉛粒子。
【請求項6】 比表面積が8m^(2)/g以下である黒鉛粒子。
【請求項7】 比表面積が2?5m^(2)/gである請求項6記載の黒鉛粒子。
【請求項8】 黒鉛粒子が扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなるものである請求項6又は7記載の黒鉛粒子。
【請求項9】 黒鉛粒子のアスペクト比が5以下である請求項6、7又は8記載の黒鉛粒子。
【請求項10】 黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能なバインダに黒鉛化触媒を1?50重量%添加して混合し、焼成した後粉砕することを特徴とする請求項1?9のいずれかに記載の黒鉛粒子の製造法。
【請求項11】 請求項1?9のいずれかに記載の黒鉛粒子又は請求項10の方法で製造された黒鉛粒子に有機系結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペースト。
【請求項12】 請求項11記載の黒鉛ペーストを集電体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極。
【請求項13】 請求項12記載のリチウム二次電池用負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、かつその周辺に電解液が注入されたリチウム二次電池。」([【特許請求の範囲】)

5イ. 「…本発明で用いる各黒鉛粒子のX線広角回折における結晶の層間距離d(002)は3.38Å以下が好ましく、3.37Å以下であることがより好ましい。c軸方向の結晶子の大きさLc(002)は500Å以上が好ましく、1000Å以上であることがより好ましい。結晶の層間距離d(002)が小さくなるかc軸方向の結晶子の大きさLc(002)が大きくなると、放電容量が大きくなる傾向があり、好ましい。」(【0015】)

5ウ. 「本発明の上記各黒鉛粒子の製造法に特に制限はないが、黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能なバインダに黒鉛化触媒を1?50重量%添加して混合し、焼成した後粉砕することにより得ることができる。これにより、黒鉛化触媒の抜けた後に細孔が生成され、本発明の黒鉛粒子の良好な特性を与える。また、上記各黒鉛粒子は、黒鉛又は骨材とバインダとの混合方法、バインダ量等の混合割合の調整、焼成後の粉砕条件等を適宜選択することにより調整することもできる。
…黒鉛化可能な骨材又は黒鉛とバインダの混合方法は、特に制限はなく、ニーダー等を用いて行われるが、バインダの軟化点以上の温度で混合することが好ましい。具体的にはバインダがピッチ、タール等の際には、50?300℃が好ましく、熱硬化性樹脂の場合には、20?100℃が好ましい。
次に上記の混合物を焼成し、黒鉛化処理を行う。なお、この処理の前に上記混合物を所定形状に成形しても良い。さらに、成形後、黒鉛化前に粉砕し、粒径を調整した後、黒鉛化を行っても良い。焼成は前記混合物が酸化し難い条件で焼成することが好ましく、例えば窒素雰囲気中、アルゴンガス雰囲気中、真空中で焼成する方法が挙げられる。黒鉛化の温度は、2000℃以上が好ましく、2500℃以上であることがより好ましく、2800℃?3200℃であることがさらに好ましい。黒鉛化の温度が低いと、黒鉛の結晶の発達が悪く、放電容量が低くなる傾向があると共に添加した黒鉛化触媒が作製する黒鉛粒子に残存し易くなる傾向がある。黒鉛化触媒が、作製する黒鉛粒子中に残存すると、放電容量が低下する。…
次に、得られた黒鉛化物を粉砕することが好ましい。黒鉛化物の粉砕方法は、特に制限はないが、例えばジェットミル、振動ミル、ピンミル、ハンマーミル等の既知の方法をとることができる。粉砕後の粒径は、平均粒径が1?100μmが好ましく、10?50μmであることがより好ましい。平均粒径が大きくなりすぎる場合は作製する電極の表面に凹凸ができ易くなる傾向がある。なお、本発明において平均粒径は、レーザー回折粒度分布計により測定することができる。
本発明は、上記に示す工程を経ることにより、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させることができ、またアスペクト比が5以下の黒鉛粒子を得ることができ、さらに比表面積が8m^(2)/g以下の黒鉛粒子を得ることができる。」(【0016】?【0022】)

5エ. 「…
実施例1
(1)黒鉛粒子の調整
平均粒径が10μmのコークス粉末70重量部、タールピッチ20重量部、酸化鉄10重量部及びコールタール20重量部を混合し、100℃で1時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気中で2800℃で焼成したのち粉砕し、平均粒径が20μmの黒鉛粒子を得た。得られた黒鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)によれば、この黒鉛粒子は、扁平状の粒子が多数、配向面が非平行となるように集合又は結合した構造をしていた。得られた黒鉛粒子を100個任意に選び出し、アスペクト比の平均値を測定した結果、1.8であった。また得られた黒鉛粒子のX線広角回折による結晶の層間距離d(002)は3.360Å及び結晶子の大きさLc(002)1000Å以上であった。さらにBET法による比表面積は3.5m^(2)/gであった。
(2)リチウム二次電池の作製
…負極活物質として(1)で得た黒鉛粉末90重量%及び結着剤としてPVDFを10重量%添加して、これにN-メチル-2-ピロリドン(ペーストの50重量%、以下の例でも同様の割合を添加)を加え混合して負極合剤のペーストを得た。

…負極合剤のペーストを厚みが10μmの銅箔の両面に塗布し、その後120℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ローラープレスによって電極を加圧成形して厚みを175μmとした。単位面積当りの負極合剤塗布量は20mg/cm^(2)であり、幅が40mmで長さが290mmの大きさに切り出して負極2を作製した。これを正極1と同様に、負極2の両端の長さ10mmの部分は負極合剤が塗布されておらず銅箔が露出しており、この一方に負極タブ5を超音波接合によって圧着した。」(【0028】?【0031】)

5オ. 「実施例2
平均粒径が10μmのコークス粉末70重量部、タールピッチ10重量部、酸化鉄2重量部及びコールタール20重量部を混合し、100℃で1時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気中で2800℃で焼成したのち粉砕し、平均粒径が20μmの黒鉛粒子を得た。電子顕微鏡で得られた黒鉛粒子を観察した結果、扁平状の粒子が多数、配向面が非平行となるように集合又は結合して形成された黒鉛粒子であることが確認された。得られた黒鉛粒子を100個任意に選び出し、アスペクト比の平均値を測定した結果、4.8であった。また得られた黒鉛粒子のX線広角回折による結晶の層間距離d(002)は3.363Å及び結晶子の大きさLc(002)は1000Å以上であった。さらにBET法による比表面積は4.3m^(2)/gであった。得られた黒鉛粒子を実施例1と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を行った。」(【0033】)

5カ. 「実施例3
平均粒径が10μmのコークス粉末50重量部、タールピッチ20重量部、炭化ケイ素10重量部及びコールタール20重量部を混合し、100℃で1時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気中で2800℃で焼成した後粉砕し、平均粒径が20μmの黒鉛粒子を作製した。得られた黒鉛粒子を100個任意に選び出し、アスペクト比の平均値を測定した結果、1.5であった。また得られた黒鉛粒子のBET法による比表面積は、2.9m^(2)/gであり、黒鉛粒子のX線広角回折による結晶の層間距離d(002)は3.360Å及び結晶子の大きさLc(002)は1000Å以上であった。さらに得られた黒鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)によれば、この黒鉛粒子は、扁平状の粒子が複数配向面が非平行となるように集合又は結合した構造をしていた。
次いで得られた黒鉛粒子90重量%にN-メチル-2-ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分で10重量%加えて混練し、黒鉛ペーストを得た。この黒鉛ペーストを厚さが10μmの圧延銅箔に塗布し、さらに乾燥して、面圧490MPa(0.5トン/cm^(2))の圧力で圧縮成形し、試料電極とした。黒鉛粒子層の厚さは75μm及び密度は1.5g/cm^(3)とした。」(【0038】?【0039】)

5キ. 「実施例4
平均粒径が10μmのコークス粉末50重量部、タールピッチ10重量部、炭化ケイ素5重量部及びコールタール10重量部を混合し、100℃で1時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気中で2800℃で焼成した後粉砕し、平均粒径が20μmの黒鉛粒子を作製した。得られた黒鉛粒子を100個任意に選び出し、アスペクト比の平均値を測定した結果、4.5であった。また得られた黒鉛粒子のBET法による比表面積は、4.9m^(2)/gであり、黒鉛粒子のX線広角回折による結晶の層間距離d(002)は3.362Å及び結晶子の大きさLc(002)は1000Å以上であった。さらに得られた黒鉛粒子は、扁平状の粒子が複数配向面が非平行となるように集合又は結合した構造をしていた。
以下実施例3と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製し、実施例3と同様の試験を行った。…」(【0041】?【0042】)

5ク. 「実施例5
平均粒径が10μmのコークス粉末50重量部、タールピッチ5重量部及びコールタール5重量部を混合し、100℃で1時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気中で2800℃で焼成した後粉砕し、平均粒径が20μmの黒鉛粒子を作製した。得られた黒鉛粒子を100個任意に選び出し、アスペクト比の平均値を測定した結果、5であった。また得られた黒鉛粒子のBET法による比表面積は、6.3m^(2)/gであり、黒鉛粒子のX線広角回折による結晶の層間距離d(002)は3.368Å及び結晶子の大きさLc(002)は700Åであった。さらに得られた黒鉛粒子は、扁平状の粒子が複数、配向面が非平行となるように集合又は結合した構造をしていた。
【0044】以下実施例3と同様の工程を経てリチウム二次電池を作製し、実施例3と同様の試験を行った。…」(【0043】?【0044】)


6. 甲第6号証(特開平11-263612号公報)には、「鱗片状天然黒鉛改質粒子」の発明について、以下の事項が記載されている。

6ア. 「【請求項1】鱗片状天然黒鉛粒子を球形に近づくように改質した球形化粒子であって、該球形化粒子が、(a) 円形度が0.86以上であること、(b) 破断面の顕微鏡観察では、黒鉛切片が種々の方向に向かうキャベツ状の外観を有していること、および、(c) 配向のランダム性の指標となるX線回折法による 002面(黒鉛層と水平な面)と 110面(黒鉛層に垂直な面)のピーク強度比Ih_(110)/Ih_(002)が0.0050以上であること、の要件を全て満たしているものであることを特徴とする鱗片状天然黒鉛改質粒子。」

6イ. 「〈改質操作〉中国産の鱗片状天然黒鉛(粒度:100メッシュ90%以上通過、純度:99%以上)をカウンター式ジェットミルにて平均粒子径が20μm または50μmになるまで粉砕し、原料として用いた。」(【0038】)

6ウ. 「…実施例1?2は比較例1の原料粒子を用いて改質操作を行ったもの、実施例3?5は比較例2の原料粒子を用いて改質操作を行ったものである。…
〈スラリーの評価〉リチウム二次電池用の負極材料としての適性を見るため、比較例の原料粒子および実施例の改質粒子を用いて、次の実験を行った。
上述の比較例1?2の原料粒子または実施例1?5で得た改質粒子100重量部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン3重量部と、溶媒としてのN-メチルピロリドンの適量とを混合撹拌することにより、スラリーを作ったところ、塗工操作に好適な流動性のよい粘度である600cps/20℃の粘度(スパイラル回転粘度計を用いて測定)が得られるときのスラリー濃度は次の通りであり、実施例の改質粒子を用いた場合にはスラリーの固形分濃度を高くすることができることがわかった。
・比較例1の原料粒子…26重量%
・比較例2の原料粒子…30重量%
・実施例1の改質粒子…35重量%
・実施例2の改質粒子…35重量%
・実施例3の改質粒子…40重量%
・実施例4の改質粒子…38重量%
・実施例5の改質粒子…38重量%
このようにして調製したスラリーを室温下に1週間静置したときは、いずれの場合も粒子が沈降して層分離していたが、比較例の原料粒子を用いた場合に比し、実施例の改質粒子を用いた場合には簡単な撹拌で容易に再スラリー化することができた。
〈電池試験、充放電性能〉比較例1、2の原料粒子および実施例2、5で得た改質粒子を用いて調製した上述のスラリーを銅箔に塗布し、乾燥後、プレスを行って粒子密度を 1.4g/ccに調整し、試験極を作製した。リチウム箔をステンレス板に圧着したものを対極とし、2極式セルとした。組み立ては、水分値20ppm 以下に調整したドライボックス内で行い、電解液としては 1M-LiPF_(6)/(EC+DEC(1:1)) 、すなわちエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの容積比で1:1の混合溶媒にLiPF_(6 )を1Mの割合で溶解したものを用いた。」(【0047】?【0053】)


第5 当審の判断

1. 申立理由1について
(1) 甲1発明
ア. 甲第1号証には、上記第4の1ア.によれば、銅箔から成る負極芯体の表面に、黒鉛(Lc値は150Å以上、d_((002)) 値は3.38Å以下)から成る負極活物質を主体とする負極活物質層が形成された負極と、リチウムを吸蔵、放出しうる正極活物質層を備えた正極と、非水電解質とを有する非水電解質電池において、上記黒鉛は、Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面と(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)))が1000以下に規制され、前記銅箔から成る負極芯体の厚みが、5μm以上10μm以下に規制され、前記負極板における負極活物質の充填密度が、1.5g/cc以上1.8g/cc以下に規制され、前記負極活物質はジェットミルにて高圧ガスを噴出させることにより球状化するという、非水電解質電池が記載されていると認められる。

イ. 上記ア.に示した非水電解質電池は、上記第4の1イ.?ウ.によれば、放電容量が増大し、初期の充放電効率向上し、電位の平坦性が確保されるとの利点のある、黒鉛から成る負極活物質を主体とする負極活物質層が芯体表面に形成された負極板を、前記負極活物質の充填密度を上げるべく、ローラープレスによって圧延すると、従来の黒鉛では、黒鉛同士或いは黒鉛と芯体との密着性が低下し、電池の歩留まりが低くなるということを課題としており、その課題を解決しようとするものであるとされている。

ウ. そして、上記イ.に示した課題は、上記第4の1エ.?オ.に記載されるように、カウンタージェットミルでの高圧ガスによって作製された、Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面と(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)))が500又は300である黒鉛(Lc値は780Å、d_((002)) 値は3.358Å、平均粒径は20μm)を負極活物質として用いて、前記黒鉛と、結着剤としてのSBRと、CMCである増粘剤とを負極乾燥後の重量比が、黒鉛:SBR:CMC=100:3:2となるように混合したスラリーを負極芯体としての銅箔(厚み:8μm)の両面にドクターブレード法により塗布し、乾燥した後、ローラーで所定の厚みにまで圧縮して負極活物質層を形成する際に、負極活物質の充填密度を1.5g/cc?1.8g/ccに規制することによって、解決できるとされている。

エ. 上記ア.?ウ.の検討を踏まえ、非水電解質電池用の負極に注目すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。

「銅箔から成る負極芯体の厚みが5μm以上10μm以下に規制された、前記負極芯体の表面に、黒鉛から成る負極活物質を主体とし、当該黒鉛と結着剤としてのSBRと増粘剤とが混合された負極活物質層が形成された非水電解質電池用の負極であって、前記黒鉛から成る負極活物質として、Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面と(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)))が500又は300である黒鉛(Lc値は780Å、d_((002)) 値は3.358Å、平均粒径は20μm)を用い、前記負極活物質の充填密度を1.5g/cc以上1.8g/cc以下に規制した、非水電解質電池用の負極。」

オ. また、上記ア.?エ.の検討を踏まえ、非水電解質電池に注目すると、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。

「甲1発明1の負極と、リチウムを吸蔵、放出しうる正極活物質を備えた正極と、非水電解質とを有する非水電解質電池。」


(2)本件発明と甲1発明との対比・判断
ア. 本件特許発明1と甲1発明1との対比
まず、本件特許発明1と、上記(1)エ.に示した、甲1発明1とを対比するに、甲1発明1における「黒鉛から成る負極活物質」、「結着剤としてのSBR」は、それぞれ、本件特許発明1における「黒鉛粒子」、「有機系結着剤」に相当し、また、甲1発明1における「黒鉛から成る負極活物質を主体とし、結着剤としてのSBRと増粘剤とが混合された」ものは、本件特許発明1における「黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物」に相当し、そして、甲1発明1における「負極芯体の表面に、黒鉛から成る負極活物質を主体とし、結着剤としてのSBRと増粘剤とが混合された負極活物質層が形成された非水電解質電池用の負極であって、」「前記負極活物質の充填密度を1.5g/cc以上1.8g/cc以下に規制した、非水電解質電池用の負極。」は、技術常識からして、本件特許発明1における「黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とが加圧、一体化されてなるリチウム二次電池用負極」に相当し、また、甲1発明1における「Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による(002)面と(110)面とのピーク強度比(I_((002)) /I_((110)))が500又は300である」ことは、本件特許発明1における「X線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であ」ることを満たしている。
してみると、両者の一致点、相違点は、以下のとおりであると認められる。

<一致点>
黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とが加圧、一体化されてなるリチウム二次電池用負極において、X線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であること。

<相違点>
相違点1: 「X線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であ」るのは、本件特許発明1では、「リチウム二次電池用負極」であるのに対し、甲1発明1では、黒鉛(Lc値は780Å、d_((002)) 値は3.358Å、平均粒径は20μm)である点。

相違点2: 「黒鉛粒子の比表面積」は、本件特許発明1では「8m^(2)/g以下である」のに対し、甲1発明1では不明である点。


イ. 上記相違点についての当審の判断
(ア) 上記相違点1?2に係る本件特許発明1の発明特定事項に関して、本件特許の明細書によれば、従来の黒鉛粒子は、バインダと混練して集電体に塗布して電極を作製すると、集電体の面方向に配向するため、充放電容量や急速充放電特性が低下しやすいばかりでなく、リチウムの吸蔵・放出の繰り返しによって発生するC軸方向の膨張・収縮により電極内部の破壊が生じ、サイクル特性が低下する問題があったところ、本件特許発明1は、サイクル特性、急速放電特性に優れた高容量のリチウム二次電池用負極を提供するためになされたものであって、加圧、一体化されたリチウム二次電池用負極のX線で測定される回折強度比(002)/(110)(以下、「X線で測定される回折強度比(002)/(110)」を、単に、「回折強度比」ということもある。)が500以下であることを特徴としており、その回折強度比が500を超えると、作製するリチウム二次電池の急速充電放電特性及びサイクル特性が低下し、さらに、比表面積が8m^(2)/g以下である黒鉛粒子を負極に使用すると、得られるリチウム二次電池の急速充放電特性及びサイクル特性を向上させることができ、また、第一サイクル目の不可逆容量を小さくすることができるとされている(【0002】?【0007】、【0014】?【0015】、【0027】、【0049】?【0065】)。

(イ) また、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を備えることに関し、本件特許の明細書には、黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とを加圧、一体化する際の圧力(以下、「加圧一体化圧力」ということもある。)は1?200MPaとすることが好ましいされているものの、実施例1?7においては、加圧一体化圧力を2?143MPaとすることにより、リチウム二次電池用負極の回折強度比を98?205、前記負極の電極密度(以下、「負極の密度」ということもある。)を1.00?1.83g/cm^(3)にできたのに対し、比較例1?2においては、加圧一体化圧力を27?42MPaとしたが、リチウム二次電池用負極の回折強度比は680?835、前記負極の密度は1.50?1.65g/cm^(3)であったことが記載されている(【0041】、【0050】?【0065】)。
さらに、本件特許の明細書には、黒鉛粒子を同じくする場合の加圧一体化圧力の影響について、平均粒径が25μmで、比表面積が2.9m^(2)/gで、アスペクト比が1.3で、d(002)の層間距離が3.359Åで、C軸方向の結晶子の大きさLc(002)が1000Å以上である黒鉛粒子を用いた、黒鉛粒子を同じくする、実施例1?6においては、加圧一体化圧力を10?143MPaの間で増大することにより、リチウム二次電池用負極の回折強度比は98?198の間で増大し、前記負極の密度も1.20?1.83g/cm^(3)の間で増大するという傾向がみられたこと、及び、平均粒径が26μmで、比表面積が8.6m^(2)/gで、アスペクト比が15で、d(002)の層間距離が3.355Åで、C軸方向の結晶子の大きさLc(002)が1000Å以上である黒鉛粒子を用いた、黒鉛粒子を同じくする、実施例7と比較例1?2とにおいては、加圧一体化圧力を2?42MPaの間で増大することにより、リチウム二次電池用負極の回折強度比は205?835の間で増大し、前記負極の密度も1.00?1.65g/cm^(3)の間で増大するという傾向がみられたことが記載されている(【0050】?【0064】)。

(ウ) 上記(ア)?(イ)のような本件特許発明1に対し、甲第1号証の記載を精査してみると、甲1発明1のリチウム二次電池用負極において、回折強度比が測定される対象となっている、黒鉛は、上記第4の1ア.?1オ.に示されているように、結着剤としてのSBRと増粘剤と混合される前の時点での黒鉛(Lc値は780Å、d_((002)) 値は3.358Å、平均粒径は20μm)であって、負極活物質の充填密度を1.5g/cc以上1.8g/cc以下に規制した時点での回折強度比ではない。
すなわち、甲1発明1のリチウム二次電池用負極においては、黒鉛の回折強度比が300又は500に特定されているものの、リチウム二次電池用負極のX線で測定される回折強度比(002)/(110)が特定されているわけではない。
そして、上記(イ)の検討のとおり、本件特許の明細書によれば、リチウム二次電池用負極のX線で測定される回折強度比(002)/(110)は、黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とを加圧、一体化する際の圧力とともに増大し、加圧一体化圧力は1?200MPaとすることが好ましいとされているものの、黒鉛粒子によっては、加圧一体化圧力を27?42MPaとしても、負極の回折強度比は680?835に増大してしまう場合があるとされているところ、甲第1号証の記載を精査してみても、回折強度比が300又は500である黒鉛及び有機系結着剤の混合物と集電体とを加圧、一体化することについては、「ローラーで所定の厚みにまで圧縮した後、110℃で2時間真空乾燥させて、負極(活物質の充填密度:1.5g/cc、1.4g/cc、1.8g/cc、1.9g/cc)を作製した」旨の記載(上記第4の1エ.?1オ.)にとどまり、負極活物質の充填密度を規制した時点でのリチウム二次電池用負極の回折強度比は不明であるし、前記の黒鉛の比表面積も不明であるし、加圧一体化圧力も不明であるから、甲1発明1のリチウム二次電池用負極において、リチウム二次電池用負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であることを裏付け得る合理的な根拠は見当たらない。
してみると、上記相違点1は実質的な相違点であるといえる。

(エ) 次に、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項の容易性につき検討してみるに、甲1発明1のリチウム二次電池用負極において、Cu-Kα線源を用いた粉末X線回折法による回折強度比が300又は500に特定された黒鉛を用いることは、上記第4の1ア.?1オ.に示されているように、負極活物質の充填密度を上げるべく極板をローラープレスによって圧延した場合であっても、ベイサル面同士が滑るのを抑制することにより、黒鉛同士或いは黒鉛と芯体との密着性が低下するのを抑えて、電池の歩留りを向上させるという技術的意義を有しているところ、上記(イ)の検討のとおり、リチウム二次電池用負極の回折強度比は、黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とを加圧、一体化する際の圧力とともに増大することを考慮すると、本件特許の明細書に記載される、リチウム二次電池用負極の回折強度比が205?835である、実施例7と比較例1?2で用いられている黒鉛粒子は、結着剤等と混合される前の時点では、回折強度比が205?835よりも低かったことは明らかであることから、それらの例で作製された電池は、上記第4の1ア.によれば、甲第1号証の請求項1に係る発明に包含されるものである。
ここで、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項は、上記(ア)の検討によれば、サイクル特性、急速放電特性に優れたリチウム二次電池用負極を提供するという技術的意義を有しており、本件特許の明細書に記載される、実施例7を包含し、比較例1?2を包含しない特定事項である。
そうすると、上記相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項は、甲第1号証の請求項1に係る発明のうちから、サイクル特性、急速放電特性に優れたリチウム二次電池を提供するための指針の一つとなる事項であるといえる。
そして、上記第4の2ア.?6ウ.を参照しても、甲第2?6号証には、サイクル特性、急速放電特性に優れたリチウム二次電池用負極を提供するために、前記負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)を500以下とする技術事項が記載も示唆もされていないし、当該技術事項を周知の技術事項や技術常識とする合理的根拠も見当たらない。

(オ) してみると、上記相違点2について検討するまでもなく、上記相違点1に係る発明特定事項を備えた本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明と甲第2?6号証に記載された発明とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。


ウ. 本件特許発明2?3と甲1発明との対比・判断
本件特許発明2?3は、本件特許発明1を引用するものであり、本件特許発明1が備える全ての発明特性事項を備えるものであるから、上記ア.?イ.の検討と同様にして、甲第1号証に記載された発明と甲第2?6号証に記載された発明とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


エ. 本件特許発明4と甲1発明との対比・判断
本件特許発明4と、上記(1)オ.に示した、甲1発明2とを対比するに、本件特許発明4も、本件特許発明1を引用するものであり、本件特許発明1が備える全ての発明特性事項を備えるものであるから、上記ア.の検討と同様の検討により、両者は、上記相違点1?2の点で相違し、その余の点で一致していると認められる。
そして、上記相違点1?2の点については、上記イ.の検討と同様にして、甲第1号証に記載された発明と甲第2?6号証に記載された発明とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


(3) 小括
以上のとおりであるから、申立理由1及び証拠によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。


2. 申立理由2について
(1) 甲5発明
ア. 甲第5号証には、上記第4の5ア.によれば、アスペクト比が5以下である黒鉛粒子が扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなるものであり、比表面積が8m^(2)/g以下である黒鉛粒子に有機系結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペーストを集電体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極が記載されており、また、前記のリチウム二次電池用負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、かつその周辺に電解液が注入されたリチウム二次電池も記載されていると認められる。

イ. 上記ア.に示したリチウム二次電池用負極について、上記第4の5イ.?ウ.によれば、各黒鉛粒子のc軸方向の結晶子の大きさLc(002)は500Å以上が好ましく、レーザー回折粒度分布計により測定することができる平均粒径は1?100μmが好ましいとされている。

ウ. 上記ア.?イ.の検討を踏まえ、リチウム二次電池用負極に注目すると、甲第5号証には、次の発明(以下、「甲5発明1」という。)が記載されていると認められる。

「アスペクト比が5以下であり、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなり、比表面積が8m^(2)/g以下である黒鉛粒子に有機系結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペーストを集電体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極であって、前記黒鉛粒子のc軸方向の結晶子の大きさLc(002)は500Å以上であり、平均粒径は1?100μmである、リチウム二次電池用負極。」

エ. また、上記ア.?ウ.の検討を踏まえ、リチウム二次電池に注目すると、甲第5号証には、次の発明(以下、「甲5発明2」という。)が記載されていると認められる。

「甲5発明1の負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、かつその周辺に電解液が注入されたリチウム二次電池。」


(2)本件発明と甲5発明との対比・判断
ア. 本件特許発明1と甲5発明1との対比
まず、本件特許発明1と、上記(1)ウ.に示した、甲5発明1とを対比するに、甲5発明1における「黒鉛粒子に有機系結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペースト」、「比表面積が8m^(2)/g以下である黒鉛粒子」は、それぞれ、本件特許発明1における「黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物」、「比表面積が8m^(2)/g以下である」黒鉛粒子に相当し、そして、甲5発明1における「黒鉛ペーストを集電体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極」は、「一体化」する際には「加圧」を行うとの技術常識を考慮すると、本件特許発明1における「混合物と集電体とが加圧、一体化されてなるリチウム二次電池用負極」に相当するといえる。
してみると、両者の一致点、相違点は、以下のとおりであると認められる。

<一致点>
黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とが加圧、一体化されてなるリチウム二次電池用負極において、前記黒鉛粒子の比表面積が8m^(2)/g以下であるリチウム二次電池用負極。

<相違点>
相違点A: 本件特許発明1は、「リチウム電池用負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であ」るとの発明特定事項を備えているのに対し、甲5発明1は、「リチウム電池用負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であ」るとの発明特定事項を備えているのか否かが明らかでない点。


イ. 上記相違点についての当審の判断
(ア) 本件特許発明1が上記相違点Aに係る発明特定事項を備えることに関し、上記1.(2)イ.(イ)に示したように、本件特許の明細書には、黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とを加圧、一体化する際の圧力は1?200MPaとすることが好ましいとされているものの、実施例1?7においては、加圧一体化圧力を2?143MPaとすることにより、リチウム二次電池用負極の回折強度比を98?205、前記負極の電極密度を1.00?1.83g/cm^(3)にできたのに対し、比較例1?2においては、加圧一体化圧力を27?42MPaとしたが、リチウム二次電池用負極の回折強度比は680?835、前記負極の電極密度は1.50?1.65g/cm^(3)であったことが記載されている(【0041】、【0050】?【0065】)。
さらに、本件特許の明細書には、黒鉛粒子を同じくする場合の加圧一体化圧力の影響について、平均粒径が25μmで、比表面積が2.9m^(2)/gで、アスペクト比が1.3で、d(002)の層間距離が3.359Åで、C軸方向の結晶子の大きさLc(002)が1000Å以上である黒鉛粒子を用いた、黒鉛粒子を同じくする、実施例1?6においては、一体化圧力を10?143MPaの間で増大することにより、リチウム二次電池用負極の回折強度比は98?198の間で増大し、前記負極の密度も1.20?1.83g/cm^(3)の間で増大するという傾向がみられたことが記載されている(【0050】?【0061】、【0064】)。

(イ) 一方、甲5発明1では、アスペクト比が5以下であり、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させてなり、比表面積が8m^(2)/g以下である黒鉛粒子を用いることを考慮して、甲第5号証の記載を精査してみても、上記(ア)に示した本件特許の明細書に記載の、平均粒径が25μmで、比表面積が2.9m^(2)/gで、アスペクト比が1.3で、d(002)の層間距離が3.359Åで、C軸方向の結晶子の大きさLc(002)が1000Å以上である黒鉛粒子を用いたことまでの記載は見当たらない(上記第4の5エ.?5ク.)し、黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とを加圧、一体化することについては、「負極合剤のペーストを厚みが10μmの銅箔の両面に塗布し、120℃で1時間真空乾燥した後、ローラープレスによって電極を加圧成形して厚みを175μmとし」た旨、又は、「黒鉛ペーストを厚さが10μmの圧延銅箔に塗布し、さらに乾燥して、面圧490MPa(0.5トン/cm^(2))の圧力で圧縮成形して、黒鉛粒子層の厚さ75μm及び密度1.5g/cm^(3)である試料電極とし」た旨の記載(上記第4の5エ.?5ク.)にとどまる、すなわち、リチウム二次電池用負極のX線で測定される回折強度比(002)/(110)を合理的に導出し得る記載は見当たらないし、加圧一体化圧力も不明で負極の密度も不明であるか、又は、490MPaという過大な加圧一体化圧力で負極の密度を1.5g/cm^(3)としたことが記載されているにとどまる。
してみると、甲第5号証記載のリチウム二次電池用負極の場合に、当該負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であることを裏付け得る合理的な根拠は見当たらないことからして、上記相違点1は実質的な相違点であるといえる。

(ウ) なお、特許異議申立人は、特許異議申立書において、上記相違点Aに係る発明特定事項について、本件特許の明細書の記載から、扁平状の一次粒子を複数、配向面が非平衡となるように集合又は結合させた二次粒子の黒鉛粒子を用いること、黒鉛のアスペクト比が大きくなると、加圧、一体化後の負極のX線で測定される回折強度比(002)/110)が大きくなる傾向があること、粉砕物の粒径が1μm未満では得られる負極の(002)/110)比が大きくなる傾向があること、が把握できるところ、甲5発明1のリチウム二次電池用負極は、これらのことをすべて備えているのであるから、当然のこととして、上記相違点Aに係る発明特定事項を備えている旨主張している(第21頁第11行?第22頁第20行)。
しかしながら、上記(ア)?(イ)の検討によれば、甲第5号証記載のリチウム二次電池用負極の場合に、当該負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)が500以下であることを裏付け得る合理的な根拠は見当たらないことからして、特許異議申立人の前記主張に合理性はなく、採用し得ない。

(エ) よって、本件特許発明1は、甲第5号証に記載された発明とはいえない。


ウ. 本件特許発明2?3と甲5発明との対比・判断
本件特許発明2?3は、本件特許発明1を引用するものであり、本件特許発明1が備える全ての発明特性事項を備えるものであるから、上記ア.?イ.の検討と同様にして、甲第5号証に記載された発明とはいえない。


エ. 本件特許発明4と甲5発明との対比・判断
本件特許発明4と、上記(1)エ.に示した、甲5発明2とを対比するに、本件特許発明4も、本件特許発明1を引用するものであり、本件特許発明1が備える全ての発明特性事項を備えるものであるから、上記ア.の検討と同様の検討により、両者は、上記相違点Aの点で相違し、その余の点で一致していると認められる。
そして、上記相違点Aの点については、上記イ.の検討と同様にして、実質的な相違点であるから、本件特許発明4も甲第5号証に記載された発明とはいえない。


(3) 小括
以上のとおりであるから、申立理由2及び証拠によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。


第6 むすび

したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?4に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に請求項1?4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-09-20 
出願番号 特願2015-96331(P2015-96331)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (H01M)
P 1 651・ 113- Y (H01M)
最終処分 維持  
前審関与審査官 冨士 美香  
特許庁審判長 千葉 輝久
特許庁審判官 小川 進
土屋 知久
登録日 2016-12-22 
登録番号 特許第6060996号(P6060996)
権利者 日立化成株式会社
発明の名称 リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池  
代理人 岩▲崎▼ 幸邦  
代理人 高松 俊雄  
代理人 伊藤 正和  
代理人 高橋 俊一  
代理人 三好 秀和  
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