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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B32B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B32B
管理番号 1333247
異議申立番号 異議2017-700657  
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-11-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-06-27 
確定日 2017-10-05 
異議申立件数
事件の表示 特許第6054528号発明「積層構造および積層構造を製造する方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6054528号の請求項1?8に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6054528号(以下、「本件特許」という。)の請求項1?8に係る特許についての出願は、平成25年6月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 平成24年7月12日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成28年12月9日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人渡辺広基(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

2.本件発明
本件特許の請求項1?8に係る発明(以下、「本件発明1?8」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
所定の形状を有する金属板、
300μm未満の厚さT1を有するとともに前記金属板の形状に合致するガラス板、および
前記ガラス板を前記金属板に付着させる接着剤層であって、300μm以下の厚さT2を有する接着剤層、
を備えた積層構造。
【請求項2】
前記ガラス板の厚さT1が50μmから100μmである、請求項1記載の積層構造。
【請求項3】
前記ガラス板が、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスおよびアルカリ土類ボロアルミノシリケートガラスからなる群より選択されるガラスを含む、請求項1または2記載の積層構造。
【請求項3】
前記接着剤層の厚さT2が25μmから50μmである、請求項1から3いずれか1項記載の積層構造。
【請求項5】
前記接着剤層が実質的に透明である、請求項1から4いずれか1項記載の積層構造。
【請求項6】
前記金属板が0.5mmから2mmの厚さT3を有する、請求項1から5いずれか1項記載の積層構造。
【請求項7】
積層構造を製造する方法において、
(a)所定の形状を有する金属板を提供する工程、
(b)300μm未満の厚さT1を有する薄いガラス板を提供する工程、
(c)前記ガラス板を接着剤層で前記所定の形状を有する金属板に付着させるとともに前記ガラス板を前記所定の形状を有する金属板に合致させて、前記積層構造を形成する工程であって、前記ガラス板が前記金属板に付着した後、前記接着剤層が300μm以下の厚さT2を有している、工程、
を有してなる方法。
【請求項8】
前記金属板の所定の形状が非平坦であり、前記ガラス板を前記金属板に冷間形成する、請求項7記載の方法。」

3.申立理由の概要
申立人は、甲第1号証?甲第7号証(以下、「甲1」?「甲7」という。)を提出し、以下の取消理由により、請求項1?8に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。

(1)特許法第29条第1項第3号及び第2項の規定に係る取消理由
・本件発明1?7は、甲1に記載された発明、あるいは、甲1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明8は、甲1に記載された発明及び甲3?5に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
・本件発明1?7は、甲2に記載された発明及び甲6、7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明8は、甲2に記載された発明及び甲3?7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

甲1:再公表特許WO2011/090004号
甲2:実願昭63-32519号(実開平1-136886号)のマイクロフィルム
甲3:国際公開第03/022578号
甲4:「マグローヒル 科学技術用語大辞典 第3版」、株式会社日刊工業新聞社、1997年3月18日第3版3刷発行、1954頁
甲5:「岩波 理化学辞典 第4版」、株式会社岩波書店、1993年6月10日第4版第8刷発行、1393頁
甲6:英国特許出願公開第2074089号明細書
甲7:特開2011-219352号公報

(2)特許法第36条第6項第2号の規定に係る取消理由
請求項1及び請求項7の「所定の形状」との記載、請求項8の「非平坦」との記載によって、それぞれ、請求項の記載自体が不明確となる結果、発明が不明確である。

4.当審の判断
(1)まず、特許法第36条第6項第2号の規定に係る取消理由について検討する。
ア.請求項1には「所定の形状を有する金属板」と、請求項7には「所定の形状を有する金属板を提供する工程」と、請求項8には「前記金属板の所定の形状が非平坦であり、前記ガラス板を前記金属板に冷間形成する」と記載されているが、確かにそれらの記載から、直ちに具体的な物の形状が把握できるとはいえないので、本件特許の明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の記載を参照する。
本件発明1?8は、「積層構造および積層構造を製造する方法に関し、より詳しくは、接着剤層で金属板に接着された薄いまたは極薄のガラス板を含む積層構造およびガラス板を接着剤層で金属板に付着させる工程を含む、積層構造を製造する方法に関する。」(段落【0002】。なお、下線は当審で付したもの。以下同じ。)ところ、
その金属板は、「第1の実質的に平らな外面301および実質的に平らな内面302を含む実質的に平面の金属板形態」(段落【0015】)、あるいは、「金属板の少なくとも一部分に沿って平らでなくてもよい代わりの形態」(段落【0016】)をとるものであり、
金属板とガラス板を積層するにあたり、「ガラス板209を金属板503に付着させる工程は、ガラス板209の内面511に接着剤層211を提供する工程を含むことができ」、「その接着剤層は、金属板503の外面505に施してもよい」とされ、「次いで、ガラス板209および金属板503を、例えば、積層用ローラ601または他の装置により、互いに重ね合わせることができ」、「ガラス板209を金属板503に付着させる工程は、先に提供されたガラス板209の形状が(例えば、図5参照)、金属板の形状に実質的に一致するように変えられるように行うことができる(例えば、図6参照)。実際に、図解された例に示されるように、図6に示された付着させる工程は、ガラス板209を金属板503の形状に一致するように曲げる工程を含むことができる。一致したガラス板209の外面603は、金属板503の外面606の曲面507に従う曲面602を含むことができ」(段落【0024】)、「金属板は、金属板503の外面505の輪郭の周りに曲げられ、接着剤層211により適所に保持される柔軟なガラス板の成形型としての機能を果たすことができる。」(段落【0029】)ものである。
そして、金属板に積層するガラス板について、図8、9に示される実験結果から、比較的薄い厚さのガラス板(図9参照)を積層した方が、比較的厚い厚さを有する(図8参照)ガラス/鋼積層構造のものと比べて、破壊パターンが、破片の大半が適所に留まり、著しく鋭い表面特徴を有する破片をもたらさず(段落【0033】、【0034】)、
また、金属板に積層する接着剤層について、「減少した厚さを有する接着剤層211は、積層構造の強度を向上させることができ」(段落【0020】)、図10に示される実験結果によれば、「25μmの厚さの接着剤層を有する積層構造は、完全に強化された4mm厚のソーダ石灰のもの(プロット1001参照)または50μmの厚さの接着剤層を有する積層構造(プロット1003参照)よりも良好な耐衝撃性を有する。」(段落【0035】)ことが確認され、
このような構造をとることにより、「金属板の非平坦表面トポグラフィーに冷間成形されることがあるガラス板を提供し、それによって、形成された形状のガラス板を、推定同一形状の金属板に付着させる前に、ガラス板をその形状に予備熱成形することに関連する欠点、時間および出費を避けることができる。実際に、製造プロセスには、ガラス板を予備成形するための熱による曲げの関与は必要ない。むしろ、例えば、十分にガラス板の弾性領域内にある室温条件下で、ガラス板を曲げる単一工程を、積層手順の最中にガラス板が金属板に付着されている間に行うことができる。」(段落【0037】)という効果を奏する。
上記の記載からすれば、本件発明1?8は、「300μm未満の厚さT1」の薄いまたは極薄のガラス板と、「300μm以下の厚さT2」の減少した厚さの接着剤層とにより、ガラス板を金属板の形状に予備熱成形することなく冷間成形して金属板に付着させることができ、良好な耐衝撃性を得ることができるようにしたものであって、金属板は「実質的に平面」でも「少なくとも一部分に沿って平らでなくてもよい」ものであり、ガラス板を冷間成形するときの成形型として機能する際には、ガラス板が付着できる形状であればよく、本件発明1?8においては、金属板の具体的形状を特定することを要しないものと解される。
イ.申立人は、請求項1の
「所定の形状を有する金属板、
300μm未満の厚さT1を有するとともに前記金属板の形状に合致するガラス板、および
前記ガラス板を前記金属板に付着させる接着剤層であって、300μm以下の厚さT2を有する接着剤層、
を備えた積層構造。」との記載のうち、「所定の形状」との記載が不明確であると主張する。
しかし、請求項1に係る本件発明1において、上記ア.で述べたように、積層構造における金属板の具体的形状を特定することを要しないものであり、「所定の形状」との記載が具体的形状を意味しないとしても、その記載があることをもって、本件発明1が不明確であるとはいえない。
ウ.また、申立人は、請求項7の
「積層構造を製造する方法において、
(a)所定の形状を有する金属板を提供する工程、
(b)300μm未満の厚さT1を有する薄いガラス板を提供する工程、
(c)前記ガラス板を接着剤層で前記所定の形状を有する金属板に付着させるとともに前記ガラス板を前記所定の形状を有する金属板に合致させて、前記積層構造を形成する工程であって、前記ガラス板が前記金属板に付着した後、前記接着剤層が300μm以下の厚さT2を有している、工程、
を有してなる方法。」との記載についても、「所定の形状」との記載が不明確であると主張するが、上記イ.で述べたのと同様に、「所定の形状」が具体的な形状を意味しないことをもって、本件発明7が不明確であるとはいえない。
エ.また、申立人は、請求項8の
「前記金属板の所定の形状が非平坦であり、前記ガラス板を前記金属板に冷間形成する、請求項7記載の方法。」との記載のうち、金属板の所定の形状が「非平坦」との記載は、具体的にどの程度の平坦度を意味するのか不明であり、「非平坦」との記載は不明確であるとも主張する。
しかし、請求項8は請求項7を引用する請求項であるところ、その請求項7に係る本件発明7においては、上記ア.で述べたように、「所定の形状」である金属板は、ガラス板を冷間成形する成形型として機能し付着できる形状であれば、「実質的に平面」でも「金属板の少なくとも一部分に沿って平らでなくてもよい」ものであり、その請求項7を引用する請求項8に係る本件発明8において「非平坦」とは、本件発明7の「実質的に平面」でも「金属板の少なくとも一部分に沿って平らでなくてもよい」ものである「所定の形状」のうち、非「平坦」、すなわち「平坦」ではない形状を意味するものと理解でき、本件発明7及び本件発明8がそれぞれ意味するものは明確である。
そして、「非平坦」がどの程度の平坦度を意味するかは、その意味の解釈に係ることであって、明細書の記載及び技術常識に基づいて解釈されるべきものであり、それによって、請求項に係る発明が直ちに不明確となるものでもない。
オ.よって、申立人が主張する特許法第36条第6項第2号の規定に係る取消理由には、理由がない。

(2)甲1に基づく特許法第29条第1項第3号及び第2項の規定に係る取消理由について検討する。
ア.甲1は、本件特許の優先権主張の日(平成24年7月12日)前に頒布された刊行物である国際公開第2011/090004号の再公表公報であり、その国際公開第2011/090004号(特に、請求項1、[0023]、[0028]、[0032]、[0037]の記載参照。なお、甲1の参照箇所も同じ段落。)には、以下の発明が記載されている。
「デバイス基板と支持板との間に樹脂層が介装され、該樹脂層が前記デバイス基板の第1主面に剥離可能に密着されると共に前記支持板上に固定された積層体ブロックであって、
支持板は金属板であってよく、デバイス基板は、厚さ0.03mm以上0.8mm未満のガラス基板であり、樹脂層の厚さは5?50μmである、積層体ブロック。」(以下、「甲1発明」という。)
イ.本件発明1と甲1発明を対比すると、
本件発明1の「接着剤層」が、「ガラス板を金属板に付着させる」ものであるのに対し、甲1発明の「樹脂層」は、デバイス基板の第1主面に剥離可能に密着されると共に支持板上に固定されたものである点で、少なくとも相違する。
ここで、本件発明1の「接着剤層」と、甲1発明の「樹脂層」の技術的意義についてみると、上述のとおり、本件発明1の「接着剤層」は、ガラス板と金属板とを付着させ、形成した積層構造の耐衝撃性を向上することを目的とするものであって、得られた積層構造は、電化製品の外側筐体として用いることをも想定される(本件特許明細書の段落【0003】)ものであるから、本件発明1の「接着剤層」によるガラス板と金属板の付着は、後に取り外すことを意図しない固定を意味するものと解される。
一方、甲1発明の「樹脂層」は、太陽電池(PV)、液晶パネル(LCD)等の基板を薄板化する加工を施す際、薄板化の後の基板のハンドリング性が低下するため、基板の一方の面と支持板上に固定した樹脂層とを剥離可能に密着させて基板を支持板で支持し、加工後に基板から樹脂層付き支持板を剥離できるようにしたもの(甲1の段落【0002】?【0005】)であって、甲1発明の「樹脂層」によるデバイス基板と支持板の密着は、後に剥離することを意図するものである。
すると、本件発明1の「接着剤層」と、甲1発明の「樹脂層」とは、ともにガラス板と金属板の間に配置される層ではあるものの、本件発明1の「接着剤層」は取り外すことを意図しないものであるのに対し、甲1発明の「樹脂層」は剥離可能として取り外すことを意図するものであるから、甲1発明の「樹脂層」は、本件発明1の「接着剤層」に相当するものではなく、上記相違点は実質的なものといえる。
したがって、本件発明1は甲1発明ではない。
ウ.そして、甲1発明の「樹脂層」は、上述のとおりデバイス基板と剥離可能とすることにより、甲1記載の課題を解決しようとするものであるから、そのような「樹脂層」を、本件発明1の「接着剤層」のように剥離可能でないものとする動機付けはなく、また、剥離可能でなくすることによる阻害事由も存在する。
よって、本件発明1は、甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
エ.本件発明2?6は、いずれも本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるところ、本件発明1は、上記のように、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、本件発明2?6も、甲1発明ではなく、また、甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
オ.本件発明7について、甲1に係る国際公開第2011/090004号に記載された製造方法の発明と対比すると、上記ア.?ウ.で述べたものと同様に、本件発明7は、甲1に係る国際公開第2011/090004号に記載された製造方法の発明ではなく、また、甲1に係る国際公開第2011/090004号に記載された製造方法の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
また、本件発明8は、本件発明7の発明特定事項を全て含むものであり、本件発明8も、甲1に係る国際公開第2011/090004号に記載された製造方法の発明及び甲3?5に記載された技術的事項に基いて、当業者容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)甲2に基づく特許法第29条第2項の規定に係る取消理由について検討する。
ア.甲2(特に、実用新案登録請求の範囲の請求項1、6頁14行?7頁14行の記載参照。)には、以下の発明が記載されている。
「金属板の表面に接着層を設け、模様、図柄、文字、色の付与層を持つ硬質透明合成樹脂板を、その模様、図柄、文字、色の付与層側を前記接着層に圧着して形成した、化粧板。」(以下、「甲2発明」という。)
イ.本件発明1と甲2発明を対比すると、金属板に接着剤層を介して積層される板材について、本件発明1が「ガラス板」であるのに対し、甲2発明は「模様、図柄、文字、色の付与層を持つ硬質透明合成樹脂板」である点で、少なくとも相違する。
ここで、甲2の記載を参照すると、「模様、図柄、文字は、シルク印刷工法、ホットスタンプ工法、真空蒸着工法、スパッタリング工法を用いれば、容易にできるし、色の付与も印刷工法、シルク印刷工法、塗装工法、ホットスタンプ工法を所望に応じて施工すれば容易に可能」(甲2の7頁5?10行)であり、金属板に接着層を介して「模様、図柄、文字、色の付与層を持つ硬質透明合成樹脂板」を接着することにより、「高光沢な深みと光輝感のある冷蔵庫ドアー用化粧板およびその化粧板を用いた冷蔵庫ドアーを得ることが容易にできる」(甲2の9頁1?3行)のであるから、甲2発明の「模様、図柄、文字、色の付与層を持つ硬質透明合成樹脂板」を、敢えて本件発明1のようにガラス板とする動機付けはなく、また、ガラス板とすることにより、甲2記載の上記効果を奏することができなくなる阻害事由も存在する。
したがって、甲6及び甲7に金属板とガラス板を積層した構造が記載されているとしても、甲2発明の「模様、図柄、文字、色の付与層を持つ硬質透明合成樹脂板」を「ガラス板」に換える動機付けはなく、阻害事由も存在する以上、本件発明1は、甲2発明及び甲6、7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
ウ.本件発明2?6は、いずれも本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるところ、本件発明1は、上記のように、甲2発明及び甲6、7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないから、本件発明2?6も、甲2発明及び甲6、7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
エ.本件発明7について、甲2に記載された製造方法の発明と対比すると、上記ア.及びイ.で述べたのと同様に、本件発明7は、甲2に記載された製造方法の発明及び甲6、7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明8は、本件発明7の発明特定事項を全て含むものであり、本件発明8も、甲2に記載された製造方法の発明及び甲3?7に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)よって、申立人が主張する、甲1に基づく特許法第29条第1項第3号及び第2項の規定に係る取消理由、及び甲2に基づく特許法第29条第2項の規定に係る取消理由は、いずれも理由がない。

5.むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-09-27 
出願番号 特願2015-521620(P2015-521620)
審決分類 P 1 651・ 537- Y (B32B)
P 1 651・ 113- Y (B32B)
P 1 651・ 121- Y (B32B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 横島 隆裕  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 千壽 哲郎
井上 茂夫
登録日 2016-12-09 
登録番号 特許第6054528号(P6054528)
権利者 コーニング インコーポレイテッド
発明の名称 積層構造および積層構造を製造する方法  
代理人 佐久間 剛  
代理人 柳田 征史  

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