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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
管理番号 1333502
審判番号 訂正2017-390071  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-07-25 
確定日 2017-09-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6137388号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6137388号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2-5〕について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6137388号(以下、「本件特許」という。)は、平成27年7月31日に出願した特願2015-151400号の一部を平成28年6月14日に新たな特許出願(特願2016-118395号)としたものであって、平成29年5月12日にその特許権の設定登録がなされ、平成29年7月25日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2?5について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

第3 訂正の内容
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。

4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

5 訂正事項5
本件特許明細書の段落【0007】を削除する。

6 訂正事項6
本件特許明細書の段落【0008】を削除する。

7 訂正事項7
本件特許明細書の段落【0009】を削除する。

8 訂正事項8
本件特許明細書の段落【0010】を削除する。

9 訂正事項9
本件特許明細書の段落【0013】を削除する。

10 訂正事項10
本件特許明細書の段落【0014】を削除する。

11 訂正事項11
本件特許明細書の段落【0015】を削除する。

12 訂正事項12
本件特許明細書の段落【0016】を削除する。

13 訂正事項13
本件特許明細書の段落【0017】を削除する。

14 訂正事項14
本件特許明細書の段落【0018】を削除する。

15 訂正事項15
本件特許明細書の段落【0019】を削除する。

16 訂正事項16
本件特許明細書の段落【0020】を削除する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1?4について
(1)訂正の目的について
本件特許の特許請求の範囲には請求項1?5があるところ、訂正事項1?4は、訂正前の請求項2?5を削除する訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1?4は、訂正前の請求項2?5を削除する訂正であるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
よって、訂正事項1?4は、特許法第126条第1項ただし書第1号に該当し、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

2 訂正事項5?16について
(1)訂正の目的について
訂正事項5?16は、本件特許明細書の段落【0007】、【0008】、【0009】、【0010】、【0013】、【0014】、【0015】、【0016】、【0017】、【0018】、【0019】、【0020】の記載を、上記第3「1 訂正事項1」?「4 訂正事項4」による請求項2?5を削除する訂正に伴い、整合性を図るために削除する訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項5?16は、請求項2?5を削除する訂正に伴い、整合性を図るために削除する訂正であるから、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
よって、訂正事項5?16は、特許法第126条第1項ただし書第3号に該当し、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

3 独立特許要件について
訂正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
よって、訂正事項1?4は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件審判請求に係る訂正事項1?16は、特許法第126条第1項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5?7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機には、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果であると特典遊技(例えば、小当り遊技)が実行され、その特典遊技中に特定領域を球が通過することにより、所定の特典(例えば、当たり遊技)が付与される遊技機が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-301008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の遊技機では、特典遊技が実行されたとしても特定領域に球が必ず通過するものでは無いため、特定領域に球が通過しない特典遊技が複数回実行された場合に、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという虞があった。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記判別手段による判別結果に基づく識別情報で停止表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果に基づく識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、球が入球困難な閉状態から球が入球可能な開状態へと可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段内に設けられた特定領域と、その特定領域を球が通過したことに基づいて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有し、前記特定領域へ球が通過可能な有利状態とその有利状態よりも球の通過が困難となる不利状態とを交互に可変可能な可変手段と、その可変手段が、前記有利状態または前記不利状態のうち何れか一方の状態に可変してから次に前記一方の状態に可変されるまでの期間を1回の動作期間として、前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、所定条件が成立したことに基づいて、前記1回の動作期間内に前記可変手段へ球が複数回到達するように前記特典遊技を複数回実行可能な特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段と、を有するものである。
【0007】(削除)
【0008】(削除)
【0009】(削除)
【0010】(削除)
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の遊技機によれば、判別条件の成立に基づき判別手段により判別が実行される。識別情報を動的表示手段によって所定時間動的表示した後、動的表示手段により判別手段による判別結果に基づいた識別情報が表示手段に停止表示される。停止表示された識別情報が特定の判別結果に基づいた識別情報の場合に、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特定領域を球が通過容易な有利状態または、球が通過困難な不利状態とに交互に可変可能な可変手段が、可変制御手段により有利状態または不利状態のうち何れか一方の状態に可変してから、次にその一方の状態に可変するまでを1回の動作期間として可変制御される。所定条件が成立したことに基づいて、特定遊技状態設定手段により1回の動作期間内に可変手段へ球が複数回到達するように特典遊技を複数回実行可能な特定遊技状態が設定される。
【0012】
これにより、可変手段の1回の動作期間内に可変手段へ球が複数回到達するように特典遊技を複数回実行させることが可能となるため、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができるという効果がある。
【0013】(削除)
【0014】(削除)
【0015】(削除)
【0016】(削除)
【0017】(削除)
【0018】(削除)
【0019】(削除)
【0020】(削除)
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】 パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】 パチンコ機の遊技盤の一部領域を拡大した正面図である。
【図4】 第2可変入賞装置の内部を示す正面図である。
【図5】 第1入球装置の内部を示す正面図である。
【図6】 パチンコ機の背面図である。
【図7】 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】 各種カウンタの概要を示す図である。
【図9】 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】 (a)は第1当たり乱数テーブルを模式的に示した模式図であり、(b)は、第1大当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は第1小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図11】 (a)は、特図1用種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、特図2用種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図12】 (a)は、大当たり用変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、外れ用変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図13】 小当たり用変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図14】 (a)は、大当たりシナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、大当たりシナリオaの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、大当たりシナリオbの内容を模式的に示した模式図である。
【図15】 (a)は、小当たりシナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、小当たりシナリオaの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、小当たりシナリオbの内容を模式的に示した模式図である。
【図16】 (a)は、音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示したブロック図であり、(b)は、音声ランプ制御装置内のROMの電気的構成を示したブロック図である。
【図17】 (a)は、遊技仕様記憶エリアの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、Vゲートシナリオの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、前兆演出選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図18】 (a)は、連続演出種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)連続演出変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)の内容を模式的に示した模式図である。
【図19】 (a)は、小当たり中演出パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、前兆演出変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図20】 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図21】 (a)は、背面Aを説明する説明図であり、(b)は、背面Bを説明する説明図である。
【図22】 表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図23】 転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。
【図24】 描画リストの一例を模式的に示した模式図である。
【図25】 (a)は、小当たり遊技を経由して大当たり遊技が実行される流れを示したタイミングチャートであり、(b)は、特別図柄の抽選に基づいて大当たり遊技が実行される流れを示したタイミングチャートである。
【図26】 (a)及び(b)は、第3図柄表示装置における表示画面の一例を示した図である。
【図27】 連続演出の流れと各種装置の動作制御について示したタイミングチャートである。
【図28】 (a)?(c)は、第3図柄表示装置における表示画面の一例を示した図である。
【図29】 (a)?(c)は、第3図柄表示装置における表示画面の一例を示した図である。
【図30】 (a)及び(b)は、第3図柄表示装置における表示画面の一例を示した図である。
【図31】 連続大当たり演出の流れと各種装置の動作制御について示したタイミングチャートである。
【図32】 (a)及び(b)は、第3図柄表示装置における表示画面の一例を示した図である。
【図33】 (a)?(c)は、第3図柄表示装置における表示画面の一例を示した図である。
【図34】 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図35】 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図36】 主制御装置内のMPUにより実行される変動実行判定処理を示すフローチャートである。
【図37】 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図38】 主制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始設定処理を示すフローチャートである。
【図39】 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図40】 主制御装置内のMPUにより実行される特図1始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図41】 主制御装置内のMPUにより実行される特図2始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図42】 主制御装置内のMPUにより実行される先読み処理を示したフローチャートである。
【図43】 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示したフローチャートである。
【図44】 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示したフローチャートである。
【図45】 主制御装置内のMPUにより実行される扉通過時処理を示したフローチャートである。
【図46】 主制御装置内のMPUにより実行されるV通過時処理を示したフローチャートである。
【図47】 主制御装置内のMPUにより実行されるVゲート駆動制御処理を示したフローチャートである。
【図48】 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。
【図49】 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【図50】 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図51】 主制御装置内のMPUにより実行される大当たり制御処理を示したフローチャートである。
【図52】 主制御装置内のMPUにより実行される大当たりエンディング制御処理を示したフローチャートである。
【図53】 主制御装置内のMPUにより実行される小当たり制御処理を示すフローチャートである。
【図54】 主制御装置内のMPUにより実行される小当たりエンディング制御処理を示したフローチャートである。
【図55】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。
【図56】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図57】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【図58】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるVゲートコマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図59】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される入賞コマンド受信処理を示したフローチャートである。
【図60】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される当たり関連処理を示したフローチャートである。
【図61】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり開始演出処理を示したフローチャートである。
【図62】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される大当たり終了演出処理を示したフローチャートである。
【図63】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり関連処理を示したフローチャートである。
【図64】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される小当たり開始演出処理を示したフローチャートである。
【図65】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。
【図66】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【図67】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される前兆変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【図68】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連続演出変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
【図69】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される連続演出種別選択処理を示したフローチャートである。
【図70】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるV通過可能変動判定処理を示したフローチャートである。
【図71】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される枠ボタン入力監視・演出処理を示したフローチャートである。
【図72】 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるVカウンタ更新処理を示したフローチャートである。
【図73】 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
【図74】 表示制御装置内のMPUにより実行されるブート処理を示したフローチャートである。
【図75】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。
【図76】 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。
【図77】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される停止種別コマンド処理を示したフローチャートである。
【図78】 表示制御装置内のMPUにより実行される当たり関連コマンド処理を示したフローチャートである。
【図79】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される大当たりオープニングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるラウンド数コマンド処理を示したフローチャートである。
【図80】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される最終ラウンドコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される大当たりインターバルコマンド処理を示したフローチャートである。
【図81】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される大当たりエンディング関連コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される小当たりオープニングコマンド処理を示したフローチャートである。
【図82】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される小当たりエンディングコマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される扉通過コマンド処理を示したフローチャートである。
【図83】 表示制御装置内のMPUにより実行されるV通過コマンド処理を示したフローチャートである。
【図84】 表示制御装置内のMPUにより実行されるSW関連コマンド処理を示したフローチャートである。
【図85】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される背面画像変更コマンド処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。
【図86】 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。
【図87】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される警告画像設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。
【図88】 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行される転送設定処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行される常駐画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【図89】 表示制御装置内のMPUにより実行される通常画像転送設定処理を示したフローチャートである。
【図90】 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。
【図91】 (a)は、第2実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第2実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図92】 (a)は、第2実施形態における第1小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における特図1用種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2実施形態における特図2用種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図93】 (a)は、第2実施形態における変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における大当たり用変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2実施形態における外れ用変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図94】 第2実施形態における小当たり用変動パターン選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図95】 (a)は、第2実施形態における小当たりシナリオテーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2実施形態における小当たりシナリオaの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2実施形態における小当たりシナリオbの内容を模式的に示した模式図である。
【図96】 (a)は、第2実施形態における通常の変動パターンが選択された場合の特別図柄遊技と、Vゲート650dの動作とのタイミングを模式的に示したタイミングチャートであり、(b)は、第2実施形態におけるおける特殊変動パターンが選択された場合の特別図柄遊技と、Vゲート650dの動作とのタイミングを模式的に示したタイミングチャートである。
【図97】 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理2を示すフローチャートである。
【図98】 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるカウンタ減算処理を示すフローチャートである。
【図99】 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理2を示すフローチャートである。
【図100】 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される小当たりエンディング制御処理2を示すフローチャートである。
【図101】 第2実施形態における主制御装置内のMPUにより実行されるV通過時処理2を示すフローチャートである。
【図102】 第3実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図103】 (a)は、第3実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第3実施形態における主制御装置内のRAMの電気的構成を示すブロック図である。
【図104】 第3実施形態における第1当たり乱数テーブル3を模式的に示した模式図である。
【図105】 (a)は、第3実施形態における第1小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(b)は、第3実施形態における特図1用種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図であり、(c)は、第3実施形態における特図2用種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
【図106】 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図107】 第3実施形態における主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図108】 第3実施形態の変形例1におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図109】 第3実施形態の変形例2におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図110】 第3実施形態の変形例2におけるパチンコ機の入賞ユニットの内部構造を模式的に示した正面図である。
【図111】 (a)は、第3実施形態の変形例2において第2開閉部材が閉鎖している状態の入賞ユニットを模式的に示した平面図であり、(b)は、第3実施形態の変形例2において第2開閉部材が開放している状態の入賞ユニットを模式的に示した平面図である。
【図112】 第3実施形態の変形例2における第3可変入賞装置の開閉駆動と球流れの関係を説明した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3は、パチンコ機10の遊技盤13の右下領域を拡大した正面図であり、図4は、第2可変入賞装置650の内部の正面図であり、図5は第1入球装置64内部の正面図であり、図6はパチンコ機10の背面図である。
【0023】
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
【0024】
内枠12には、多数の釘や入賞口63や、第1入球口64aおよび第2入球口A64b(図5参照)を有する第1入球装置64や、第2入球口B640bを有する第2入球装置640や、第1可変入賞装置65や、第2可変入賞装置650等を有する遊技盤13(図2参照)が前面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図7参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
【0025】
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
【0026】
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13(図2参照)の前面がパチンコ機10の正面側から視認可能となっている。
【0027】
前面枠14には、球を貯留するための上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。
【0028】
また、前面枠14には正面視(図1参照)左側に設けられる枠左ボタン22aと、前面枠14の正面視(図1参照)右側に設けられる枠右ボタン22bとを有している。枠左ボタン22aと枠右ボタン22b(以下、枠ボタン22と称す)は、片手で操作することが困難な間隔(約500ミリメートル)を開けて配置されており、両方のボタンを操作する際には、操作ハンドル51から手を離し、両手を使用する必要がある。
【0029】
この枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。また、詳細については後述するが、両方の枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)を同時に操作する演出も実行される。
【0030】
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64aや第2入球口A64bや第2入球口B640bといった、所謂、始動入賞口への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に、例えば「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして、例えば「街中ステージ」が設定される。
【0031】
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
【0032】
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29?33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29?33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29?33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
【0033】
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29?33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
【0034】
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
【0035】
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
【0036】
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」、又は「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
【0037】
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(一部のみ図示)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64aと第2入球口A64bを有する第1入球装置64、第2入球口B640bを有する第2入球装置640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64aと第2入球口A64bを有する第1入球装置64、第2入球口B640bを有する第2入球装置640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
【0038】
なお、ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成されている。よって、例えば、ベース板60の後面側に遊技に応じて可動する装飾用の可動役物を設けることで、その可動役物の動きを遊技者に視認させることが可能となるため、範囲が限られている遊技領域を立体的に使用することができ、遊技者に対して多彩な演出を提供することができるという効果がある。
【0039】
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
【0040】
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
【0041】
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図7参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
【0042】
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示機を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図7参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、球が第1入球口64aへ入球した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口(第2入球口A64bまたは第2入球口B640b)へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
【0043】
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が大当たりに対応した図柄か、小当たりに対応した図柄か、外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、大当たりの種別や小当たりの種別を点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成されており、その発光色の組合せにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を報知するに構成されている。
【0044】
なお、本実施形態においては、第1入球口64a、第2入球口(第2入球口A64bまたは第2入球口B640b)への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、または、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
【0045】
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入球した場合に、第1特別図柄(第1図柄の一つ)の抽選が行われ、球が第2入球口A64bまたは第2入球口B640b(以下、第2入球口64b,640bと称す)へ入球した場合に、第2特別図柄(第1図柄の一つ)の抽選が行われる。また、球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。
【0046】
第1入球口64aまたは第2入球口64b,640bへの入球に対して行われる第1特別図柄または第2特別図柄(以下、特別図柄と称す)の抽選では、特別図柄が大当たり或いは小当たりに当選しているかの当否判別が行われると共に、特別図柄が大当たりであると判別された場合にはその大当たり種別の判別も行われる。
【0047】
特別図柄の当否判別結果が大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態(大当たり遊技)へ移行する。ここで、大当たり遊技が実行されると、所定期間(例えば、5秒間)の経過後(オープニング期間経過後)に、通常時は閉鎖されている第1可変入賞装置65の特定扉65fが所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数(例えば、10回)繰り返される。そして、第1可変入賞装置65の特定扉65fの開放を所定回数繰り返した後に、所定期間(例えば、5秒間)が経過(エンディング期間経過)することで大当たり遊技が終了する。
【0048】
なお、第1可変入賞装置に球が1個入賞することで、賞球として15個の球が遊技者に払い出されるよう構成されている。また、大当たり遊技が実行されてから第1可変入賞装置65の特定扉65fが開放されるまでの期間(オープニング期間)や、第1可変入賞装置65の特定扉65fが所定回数(例えば、10回)繰り返されてから大当たり遊技が終了するまでの期間(エンディング期間)、また、繰り返し実行される特定扉65fの開放動作間の特定扉65fが閉鎖されている期間(インターバル期間)については、適宜設定すればよい。
【0049】
大当たり遊技中は、第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに多量の球(約100個(1ラウンド10個×10ラウンド))が入賞するので、通常時より多量の賞球(約1000個(100個×10発))の払い出しが行われる。
【0050】
詳細には、後述するが、特別図柄の大当たりでは、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類からいずれかの大当たり種別が決定され(図10(b)参照)、大当たり種別に応じた回数だけ特定扉65fが開放される。また、特別遊技状態の終了後には時短遊技状態が遊技者に所定回数(例えば8回)付与される。
【0051】
ここで、時短遊技状態(時短中)とは、第1図柄(特別図柄)および第2図柄(普通図柄)の当たり確率は通常の状態と変わらないが、第1図柄(特別図柄)および第2図柄(普通図柄)の変動時間が短縮されるとともに、第2図柄(普通図柄)が当たりとなった場合に開放される第2入球装置640の電動役物640aが開放する時間が延長される(例えば、1秒(0.5秒開放を2回))。つまり、時短遊技状態では通常の遊技状態と比して、第2入球口B640bに遊技球が入賞し易い状態となる。
【0052】
また、特別図柄が小当たりであると判別された場合にはその小当たり種別の判別も行われる。つまり、特別図柄が小当たりになると、パチンコ機10が特定の遊技状態(小当たり遊技)へと移行し、通常時は閉鎖されている第2可変入賞装置650の扉650fが所定期間(例えば、1.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0053】
その結果、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aに球が入賞可能な状態となる。なお、詳細は後述するが、上述した第2可変入賞装置650の内部には、V排出流路650e3が設けられており(図4参照)、球がV排出流路650e3を通過したことを検出スイッチ650e5(図4参照)が検出(以下、特定領域を通過と称す)すると、大当たり遊技が付与されるよう構成されている。
【0054】
詳細は後述するが、特別図柄の小当たりに当選すると、第1小当たり種別選択テーブル202cを参照して「小当たりA」、「小当たりB」、「小当たりC」の3種類からいずれかの小当たり種別が選択される(図11(a)参照)。そして、選択された小当たり種別に基づいて小当たり遊技が実行される。また、それぞれの小当たり種別には、小当たり遊技の結果として付与可能な大当たりの種別として、「大当たりC」または「大当たりD」が設定されている。
【0055】
上述したように、本パチンコ機10は、特別図柄の抽選によって大当たりを目指す遊技(所謂、1種遊技)と、特別図柄の抽選によって小当たりに当選し、小当たり遊技によって第2可変入賞装置650へ入賞した球を特定領域へ通過させることで大当たりを目指す遊技(所謂、2種遊技)とを備えた遊技性(所謂、1種2種混合機)を有している。
【0056】
このような遊技性を有することで、遊技者は複数の契機で大当たりを目指すことができるため、遊技への飽きの緩和を図ることが可能となる。
【0057】
一方、スルーゲート(普通図柄始動口)67への球の通過に対して実行される普通図柄の抽選では、普通図柄の当否判別が行われる。普通図柄(第2図柄)の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球装置640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口B640bへ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口B640bへ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
【0058】
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置(図示せず)において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、1秒や180秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37A,37Bにより表示される。
【0059】
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、特別図柄の抽選によって付与される「大当たりA」、「大当たりB」と、V排出流路650e3内に設けられた検出スイッチ(特定領域)650e5が球を検出することによって付与される「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられている。図10(b)に示すように、各大当たり種別は、大当たり遊技における特定扉(アタッカ)65fの動作内容、および、大当たり遊技終了後の時短遊技状態が異なるよう設定されている。具体的には、「大当たりA」は、第1可変入賞装置65の特定扉(アタッカ)65fが2回開放される大当たり(2R(ラウンド)大当たり)であり、大当たり遊技終了後に時短遊技状態(特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、電動役物640aの開放時間を長くした状態)が、特別図柄が8回変動するまでの期間設定される(時短回数8回)。「大当たりB」は、第1可変入賞装置65の特定扉(アタッカ)65fが5回開放される大当たり(5R(ラウンド)大当たり)であり、大当たり遊技終了後に時短遊技状態が、特別図柄が8回変動するまでの期間設定される(時短回数8回)。なお、何れの大当たりにおいても、第1入賞装置65に球が10球入賞した場合、または、第1入賞装置65の開放時間が30秒を経過した場合を1ラウンドの終了条件として設定しており、1ラウンドの終了条件を満たした場合に特定扉65fを閉鎖し1ラウンドを終了する。
【0060】
以上、説明をしたように、本実施形態における大当たり遊技では、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数や、大当たり遊技後の時短遊技状態の有無を変えている。これに対して、大当たりの種別によらず、ラウンド数を固定としても良い。
【0061】
また、大当たりの種別に応じて「時短遊技状態」となる期間を変えてもよく、例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、「大当たりA」終了後から特別図柄が3回変動するまでの期間を時短遊技状態とし、「大当たりB」になると、「大当たりB」終了後から特別図柄が6回変動するまでの期間を時短遊技状態としても良い。
【0062】
さらに、大当たりに当選した時点における遊技状態に応じて大当たり終了後に付与される「時短遊技状態」の期間を変えてもよく、例えば、「通常遊技状態」において「大当たりA」に当選すると、「大当たりA」終了後から特別図柄が3回変動するまでの期間を時短遊技状態とし、「時短遊技状態」において「大当たりA」に当選すると、「大当たりA」終了後から特別図柄が8回変動するまでの期間を時短遊技状態としてもよい。これにより、同じ種別の大当たり(例えば、大当たりA)に当選したとしても、当選した時点における遊技状態(通常遊技状態または、時短遊技状態)に応じて遊技者に有利となる特典(時短遊技状態)の内容を異ならせることが可能となる。
【0063】
以上、説明をしたように、当選した大当たり種別および大当たりに当選した時点における遊技状態の夫々に対応して多種の特典を遊技者に提供可能とすることで、遊技者に対して特典が付与されることへの期待感に加え、付与される特典の内容に対しても期待感を持たせることが可能となる。よって、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【0064】
また、本実施形態における大当たり遊技では、1ラウンドの間はラウンドの終了条件が成立するまで第1可変入賞装置65の特定扉65fが開放し続けるが、1ラウンド内に第1可変入賞装置65の特定扉65fが複数回開閉するように構成してもよく、例えば、「大当たりA」において、2R(ラウンド)大当たりのうち、最初の1ラウンド目に第1可変入賞装置65の特定扉65fをまず1.5秒開放(第1開放)させ、特定扉65fを一度閉鎖した後に、28.5秒開放(第2開放)するようにしてもよい。
【0065】
このように構成することにより、特別図柄で大当たりに当選したにも関わらず、出球を確保できない大当たりと思わせた後、長期間の開放をすることが可能となり、遊技の興趣を向上することができる。また、例えば、特別図柄の抽選で大当たりと判別されない場合(外れと判別された場合)に、第1可変入賞装置65の特定扉65fが短期間(例えば、1.5秒)だけ開放する小当たりを新たに設けることで、特別図柄による抽選の結果、第1可変入賞装置65の特定扉65fが1.5秒開放(第1開放)したタイミングにおいて、遊技者は大当たりAに当選したのか、小当たりに当選したのかを把握することができず、その後の第1可変入賞装置65の特定扉65fの動作に注目させ、遊技を楽しませることができるという効果がある。
【0066】
なお、1ラウンド内で第1可変入賞装置65の特定扉65fを複数回開放させる構成を用いる場合においても、そのラウンドの終了条件については、1ラウンド内で第1可変入賞装置65の特定扉65fが1回だけ開放する大当たりと同様にすればよく、例えば、1ラウンド内で開放状態となった合計の秒数が30秒に到達したタイミングと、1ラウンド間で入賞した遊技球の合計が10個となったタイミングをラウンドの終了条件とするとよい、このように構成することで、ラウンド終了条件を統一させることができるため、大当たり中の制御処理の一部を共通化することが可能となる。
【0067】
また、上述したように本実施形態では、大当たり遊技後の特典として、大当たり種別に応じて時短遊技状態を付与する構成としているが、大当たり遊技後に付与される特典として別の特典を付与してもよく、例えば、特別図柄の大当たり確率または小当たり確率を通常遊技状態よりも高く設定した高確率状態を所定期間付与してもよい。この場合における所定期間としては、次回の大当たりに当選するまでの期間や、特別図柄が所定回数(例えば10回)変動するまでの期間や、所定確率(例えば1/5)で通常遊技状態へ移行する抽選を行い、その抽選に当選するまでの期間等が考えられる。また、その他の特典として、普通図柄の当たり確率を通常遊技状態より高める特典や、大当たり遊技や小当たり遊技にて実行される各入賞装置の開放パターンを遊技者に有利な開放パターンへと変更する特典等が考えられる。
【0068】
更に、本実施形態では、特別図柄の抽選結果として小当たりが所定の確率(397/399)で設定されている(図10(a)参照)。上述したように小当たりの種別は「小当たりA」、「小当たりB」、「小当たりC」の3種類が設けられており、特別図柄の抽選の結果、小当たりになると各小当たり種別に基づいて特定の遊技状態(小当たり遊技)が実行される。
【0069】
図11(a)に示すように、具体的には、「小当たりA」は、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを開放する動作を1回(1.5秒)実行する小当たりであり、小当たり遊技中に球がV排出流路650e3を通過したことを検出スイッチ650e5が検出する(特定領域を通過する)ことで、小当たり遊技終了後に付与される大当たり種別(V通過時の大当たり)として大当たりDが設定される。「小当たりB」は、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを開放する動作を3回(0.1秒×3回)実行する小当たりであり、V通過時の大当たりとして大当たりDが設定される。「小当たりC」は、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを開放する動作を3回(0.1秒×3回)実行する小当たりであり、V通過時の大当たりとして大当たりCが設定される。
【0070】
つまり、「小当たりA」は他の小当たりに比して長い期間、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを開放することから、他の小当たりに比べて第2可変入賞装置650に設けられる第2特定入賞口650aに遊技球が入球し易い小当たりとなる。
【0071】
ここで、図3を参照して、遊技盤13の右下領域の構成について説明する。図3は、パチンコ機10の遊技盤13の右下領域IIIを拡大し、第2可変入賞装置650の前面を覆うカバー体を外した正面図である。第2可変入賞装置650の前面を覆うカバー体は、内部が視認可能な透過部材で構成されている。
【0072】
なお、そのカバー体のうち、少なくとも第2可変入賞装置650内の球経路を覆う箇所をハーフミラーで構成してもよい。このように構成することにより、後述する装飾部650gに設けられる装飾ランプ(発光手段)が発光した場合には、第2可変入賞装置650内の球経路を遊技者が視認可能な態様となり、装飾ランプが発光していない(消灯している)場合には、第2可変入賞装置650内の球経路を遊技者が視認困難となる態様とすることができる。
【0073】
よって、例えば、遊技状態が遊技球を第2可変入賞装置650へ入賞させる遊技状態(小当たり遊技状態)の場合に、装飾部650gに設けられた装飾ランプを点灯させることで、遊技者に対して、第2可変入賞装置650を狙う遊技状態であることを容易に気付かせることができるとともに、遊技をしていない状態や小当たり遊技状態以外の遊技状態において、遊技者が第2可変入賞装置650内の球経路を視認できない(困難)ようにすることができるため、不正行為(例えば、第2可変入賞装置650に入賞した球を特定領域であるV排出流路650e3へと誘導する誘導部材(Vゲート)650dを変形させることで、遊技球をV排出流路650e3へ通過させる行為や誘導部材(Vゲート)650dの動作タイミングを把握して、変則的なタイミングで特別図柄を変動させる行為)が行われ難くすることができるという効果がある。なお、第2可変入賞装置650の内部構成については、図4を参照して詳細を後述する。
【0074】
図3に戻り説明を続ける。本パチンコ機10に用いた第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aは、遊技盤側より出没可能なシャッター機構で構成された扉650fにより遊技球が入球可能な開放状態と入球困難な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、第2特定入賞口650aの開口が完全に扉650fによって覆われ、その扉650fの上面を遊技球が遊技盤13の正面視左下方向に向けて転動するよう構成されている。
【0075】
また、開放状態では、扉650fが遊技盤13の内部方向に退避することにより第2特定入賞口650aが開放されるように構成されている。また、第2可変入賞装置650の上面のうち、扉650fよりも上流側(遊技盤13の正面視右側)には、遊技球を扉650fに向けて転動させる傾斜面が形成されている。
【0076】
ここで、図3を参照して、遊技盤13の右側領域を流下する球の主な流れを説明する。遊技盤13の右側領域を流下する球は、可変表示装置ユニット80(図2参照)の右側に形成される遊技球1個分の通路幅を有する通過経路を通過し、遊技盤13の右下領域へと到達する。右下領域に到達した球は、大当たり遊技中に開放される第1可変入賞装置65へ向けて流下し、第1可変入賞装置65が閉鎖している場合は、その後、上述した第2可変入賞装置650へと流下する。
【0077】
第2可変入賞装置650の上面を遊技盤正面視左下方向へ転動した球は、小当たり遊技中に開放される第2可変入賞装置650の扉650fへ向けて流下する。扉650fが閉鎖している場合は、閉鎖状態の扉650f上を転動し、普通図柄の変動を開始させるスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過し、第2入球装置640へと流下する。そして、遊技盤13の最下部まで到達した球はアウト口71を通過し、図示しない球排出路へと案内される。
【0078】
このように構成することで、遊技者にとって有利な状態である小当たり遊技状態、時短遊技状態、および、大当たり遊技状態をすべて遊技盤13の右側領域を狙う遊技(右打ち遊技)で実行することができ、遊技者に対して遊技状態の変更に伴う遊技方法の変更報知(左打ち報知)を行う制御を軽減できるとともに、遊技者が遊技状態の変更に伴い操作ハンドル51を操作する手間を軽減することができ、楽に遊技を行わせることができる。
【0079】
また、右下領域のうち、最上流側に第1可変入賞装置65を設けたことにより、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球を効率よく入賞させることが可能となる。さらに、第2入球装置640を普通図柄始動口67よりも下流側に設けたことにより、普通図柄始動口67を通過した遊技球を第2入球装置640の第2入球口B640bへ入球させることが可能となり、発射された球を効率よく遊技に用いることが可能となる。また、第2入球装置640を右下領域の再下流側に設けたことにより、第2入球装置640に入球するよりも遊技者に対して大きな特典を付与可能な第1可変入賞装置65や第2可変入球装置650への遊技球の入賞を、第2入球装置640の電動役物640aの駆動が阻害することがなく、遊技者が遊技中に不快感を与えることを防止することができる。
【0080】
次に、図4を参照して第2可変入賞装置650の内部構成について説明する。図4(a)は、遊技盤13に配設される第2可変入賞装置650の内部構成を示した背面図であって、扉650fが球を入球可能に開放されている開放状態を示している。
【0081】
まず、第2可変入賞装置650の構成について概要の説明をする。第2可変入賞装置650は小当たり遊技が開始されると扉650fが球を入賞可能な開放状態へと可変制御される。
【0082】
ここで、小当たり遊技について説明をする。小当たり遊技は特別図柄の当否判別結果が小当たりに対応する判別結果である場合に、特別図柄の変動が停止した(図柄が確定した)後に移行する遊技状態であり、所定期間(オープニング期間)経過後に第2可変入賞装置650の扉650fを開放させ、第2可変入賞装置650内に球が入球可能な状態とする遊技である。なお、詳細な説明は後述するが、本パチンコ機10は、小当たりの種別が複数設定されており(小当たりA?小当たりC)、第2可変入賞装置650の扉650fを開放させる態様(開放パターン)や、小当たり遊技終了後に付与可能な大当たり種別が異なるよう設定されている。
【0083】
図4に戻り説明を続ける。第2可変入賞装置650に入賞した球は、後述するV排出流路650e3または通常排出経路650e4の何れかの経路を通過し、遊技機外へと排出されるよう構成されている。そして、球がV排出流路650e3内の特定領域である検出スイッチ650e5を通過することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技の実行が開始されるよう構成されている。
【0084】
よって、遊技者は小当たり遊技が開始されると、第2可変入賞装置650を狙うように球を発射させ、第2可変入賞装置650に入賞させた球が特定領域(検出スイッチ650e5)を通過するよう球の流れに注目をしながら遊技を行うことが可能となり、遊技意欲を高めることができるという効果がある。
【0085】
図4(a)に戻り各構成について説明をする。第2可変入賞装置650には、その上面略中央部に横長短形状の第2特定入賞口650aが設けられており、その第2特定入賞口650aを球が入賞可能(容易)な開放状態と、球が入賞不可能(困難)な閉鎖状態とに可変させるための扉650fが設けられている。
【0086】
扉650fは、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成されており、図4(a)で示す第2特定入賞口650aの開放状態では、扉650fが遊技盤13の内側に退避し、第2特定入賞口650aの閉鎖状態では、球が同時に複数入賞可能な開口幅(50ミリメートル)を有する第2特定入賞口650aを完全に覆うように構成されている。なお、扉650fは、第2特定入賞口650aを完全に覆うように突出させた状態でその上面を球が一列で転動可能に構成されている。つまり、第2特定入賞口650aが閉鎖状態から開放状態へと可変するタイミングにおいて扉650f上を転動している複数の球が同時に第2可変入賞装置650へ入賞可能に構成されている。
【0087】
第2可変入賞装置650に入賞した球は、図示しない整列路によって一列に整列された後に、第2可変入賞装置650への入賞を検出する通過検出スイッチ650a1を通過する。具体的には、第2特定入賞口650aの幅方向(図4(a)の視点で左右方向)が流下方向となる整列路を第2特定入賞口650aから入賞した球を受け止める下方位置に配置する。その整列路は球が1個通過可能な通路幅(約15ミリメートル)で構成されており、右下方向(図4(a)の視点で右下方向)に向けて球を流下させるよう構成されている。
【0088】
このように構成することで、扉650f上に複数の球が転動している状態において、第2特定入賞口650aが開放状態になると、扉650f上を転動していた複数の球が整列路の流下方向に沿って落下することになり、効率よく入賞した球を整列させることが可能となる。
【0089】
第2可変入賞装置650内には、中間区画部材650f3が設けられており、球が中間区画部材650f3の上側を流下する第1流路650e1と、中間区画部材650f3の下側を流下する第2流路650e2とが形成されている。第1流路650e1は、通常排出流路650e4と連通する流路であり、第1流路650e1を流下した球は通常排出流路650e4を流下して図示しない回収口に回収され遊技機外へと排出される。通常排出流路650e4には、その流路を流下した球を検出する通過検出スイッチ650e6が設けられており、通常排出流路650e4を流下した球数を算出可能に構成されている。
【0090】
一方、第2流路650e2は、後述するストッパ(球止部材)650cおよびVゲート650dが設けられる流路であり、球が通常排出流路650e4またはV排出流路650e3のいずれにも流下可能な流路として形成されている。V排出流路650e3には、その流路を流下した球を検出する通過検出スイッチ650e5が設けられており、その通過検出スイッチ650e5が球を検出することに基づいて小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるよう構成されている。なお、V排出流路650e3を流下した球は図示しない回収口に回収され遊技機外へと排出される。
【0091】
上述した第1流路650e1または第2流路650e2への球の流下は、流路切替部材650bによって切替えられる。この流路切替部材650bは、その一端に設けられた軸支部650b1によって回動自在に軸支されており、落下した球によって下方に押し下げられることで規制片650b2と当接する当接位置まで回転するように構成されている。流路切替部材650bが当接位置まで回転することで、流路切替部材650bを押し下げた球が第2流路650e2へと流下するように流路が切替わる。
【0092】
また、流路切替部材650bは、その軸支部650b1に、上向き方向へ付勢する付勢部材としての板バネ(図示せず)が設けられており、球によって押し下げられた状態から初期位置(図4(a)にて実線で示した位置)へと復帰可能に構成されている。
【0093】
更に、流路切替部材650bはその先端部650b3が屈折部650b4によって、1方向に屈折可能に構成されている。具体的には、流路切替部材650bの下面側を軸に屈折可能に構成されており、先端部650b3が流路切替部材650bに対して下方向に折れ曲がるよう構成されている。これにより、流路切替部材650bが当接位置から初期位置へと回転(復帰)する際に、先端部650b3が回転する範囲に障害物があった場合でも先端部650e3を屈折させることで初期位置へと回転(復帰)可能に構成されている。
【0094】
次に、第2流路650e2に設けられるストッパ(球止部材)650cについて説明をする。第2流路650e2に設けられるストッパ(球止部材)650cは、球の流下を止める球止位置と、球の流下を許容する解除位置とに可動するよう構成されている。このストッパ(球止部材)650cを可動させる制御については、図25を参照して詳細は後述するが、小当たり遊技が実行されると球止め位置に可動し、その後、所定時間(本実施形態では4.5秒)が経過すると解除位置へと可動するよう制御されている。
【0095】
上述するストッパ(球止部材)650cが球止位置に位置している状態では、図4(a)に示すように、ストッパ(球止部材)650cによって球が滞留する。その滞留している球が初期位置に復帰した流路切替部材650bの先端部650b3と当接し、流路切替部材650bが当接位置へ回転(下方向へ回転)することを規制する状態となる。この状態において第2可変入賞装置650に入賞した球が、通過検出スイッチ650a1を通過し、流路切替部材650b上に落下すると、その球は上述した第1流路を流下する。
【0096】
なお、ストッパ650cによって球を滞留させている状態において、流路切替部材650bが上方向へと移動する際には、その先端部650b3が、滞留している球と緩衝することとなるが、上述したように流路切替部材650bは先端部650b3が屈折可能に構成されているため、先端部650b3を下方向に屈折させた状態で初期位置へと回転(復帰)する。
【0097】
そして、初期位置まで回転(復帰)した流路切替部材650bは、入賞した後続の球により、再度、下方へ押し下げられることになるが、先端部650b3は滞留位置に滞留している球と当接しているため、下方への移動が規制されるとともに、屈折部650b4にて屈折されていた先端部650b3が通常の状態(図4(a)にて実線で示した状態)に戻る。
【0098】
次に、第2可変入賞装置650内に設けられVゲート(誘導部材)650dについて説明する。このVゲート650dは、球がV排出流路650e3内の通過検出スイッチ(特定領域)650e5を通過可能な状態(位置)である誘導状態(誘導位置)と、球がV排出流路650e3内の通過検出スイッチ(特定領域)650e5を通過困難な状態(位置)である規制状態(規制位置)とに交互に変更されるよう構成されており、パチンコ機10に電源が投入されている間、常時一定の動作が繰り返し実行されている。本パチンコ機10におけるVゲート650dは、遊技盤13に取り付けた際に、その上面を球が左下側(図4(a)の視点で左下側)に流下させるための傾斜が設けられているとともに、ストッパ650cより下流側の転動面650f1を覆うよう構成されている。これは、Vゲート650dが規制状態のタイミングで球が流下してきた場合に、球を第2流路650e2へとスムーズに流下させるとともに、Vゲート650dが誘導状態のタイミングで球が流下してきた場合に、その球を確実にV排出流路650e3へと誘導するためである。なお、詳細な説明については後述する。
【0099】
次に、図4(b)を参照して、第2可変入賞装置650に設けられる各構成の位置関係について詳細な説明をする。中間区画部材650f3の上流端側は、初期位置に位置する流路切替部材650bの下流端側と連通するような位置に設けられ、その下流端側は、流下する球が通常排出流路650e4へ確実に流下するように、V排出流路650e3と通常排出流路650e4とを区画するために設けられた区画壁650f2よりも左側まで突出された位置まで設けられている。
【0100】
詳細に説明すると、中間区画部材650f3の上流端部と初期位置に位置する流路切替部材650bとの間には、流路切替部材650bの回動動作に支障を来さない程度の隙間(例えば、球半個分未満の隙間)が設けられており、さらに、中間区画部材650f3の上流端部は、初期位置に位置する流路切替部材650bの上面下流端部に対して、所定の段差(例えば、球半個分未満の段差)が発生するように設けられている。これは、第2入賞装置650に入賞した後続の球が流路切替部材650b上に落下した際に、流路切替部材650bが上下方向に若干移動したとしても、円滑に球を第2流路へと流下させるためである。このように構成することで、ストッパ650cや流路切替部材650bの取付位置に若干の誤差が生じたとしても球流れに影響を及ぼすことを防止することができる。また、パチンコ機10の設置状態が水平に対して多少の誤差が生じたとしても球流れに影響を及ぼすことを防止することができる。
【0101】
次に、中間区画部材650f3の下流側の構成について説明する。中間区画部材650f3の下流端部は下方向に向かって円弧状に形成されており、その下方向に向いた下流端の高さ位置(図4(b)のa4)と、区画壁650f2の上端の高さ位置(図4(b)のa2)との間隔を球1個分未満としている。このように構成することにより、第1流路650e1を流下する球がV排出流路650e3へと流下する事態を未然に防ぐことができるという効果がある。
【0102】
尚、望ましくは区画壁650f2の上端の高さ位置(図4(b)のa2)と、中間区画部材650f3の下流端の高さ位置(図4(b)のa4)との間隔を球半個分未満とするとよい。このように構成することで、第1流路650e1を流下した球と第2流路650e2を流下した球とが合流する際に、第2流路650e2を流下した球の方が高い位置となるため、第2流路650e2を流下した球を優先的に流下させることが可能となる。したがって、第1流路650e1を流下した球と衝突することにより、第2流路650e2を流下した球が滞留してしまい、その状態でVゲート650dが誘導状態となり、V排出流路650e3を球が流下するといった予期しない遊技が行われてしまう事態を未然に防止することができるという効果がある。
【0103】
次に、Vゲート650dの詳細な構成について説明をする。Vゲート650dは上面一端側の高さ位置(図4(b)のa1)が区画壁650f2と当接する他端側の高さ位置(図4(b)のa2)よりも高くなるよう構成され、その他端側を区画壁650f2の上端部とほぼ同じ高さ位置となるよう構成している。このように構成することにより、Vゲート650dの上面を転動する球を円滑に通常排出流路650e4へと流下させることが可能となる。
【0104】
尚、Vゲート650dの上面は左下方向の下り傾斜が形成されていればよく、他端側の高さは区画壁650f2の上端部よりも高くしてもよい。また、本実施形態では、区画壁650f2の上面を平坦な形状にしているが、Vゲート650dの上面と同一方向の傾斜形状にしてもよい。このように形成することで、より円滑に球を通常排出流路650e4へと流下させることが可能となる。さらに、Vゲート650dと区画壁650f2との間に球の転動に支障を来さない程度の隙間を設けてもよい。
【0105】
次に、転動面650f1はV排出流路650e3に向けて円弧状に形成されており、その転動面650f1の上流端側の高さ位置(図4(b)のa3)は区画壁650f2よりも低くなるよう構成されている。このように構成することにより、Vゲート650dが誘導状態(V排出流路650e3が開放している状態)である場合に流下してきた球が区画壁650f2を飛び越えて通常排出流路650e4を流下してしまう不具合を防止することができる。
【0106】
尚、本実施形態では、転動面650f1を円弧状に形成しているが、転動面650fを転動する球をV排出流路650e3へ流下させる形状であればよく、例えば、左下方向へ傾斜させた直線的な形状でもよい。
【0107】
また、本実施形態では、Vゲート650dと転動面650f1とが略当接するように構成されているが、Vゲート650dと転動面650f1との間に空間を設けてもよい。このように構成することにより、Vゲート650dの形状を単純な形状にすることができ、製造コストの削減を図ることができる。
【0108】
次に、図4(a)?(b)を参照して、第2可変入賞装置650に入賞した球の流れについて説明をする。図4(a)は、遊技盤13に配設される第2可変入賞装置650の内部構成を示した背面図であって、扉650fが球を入球可能に開放されている開放状態を示す図である。図4(b)は、遊技盤13に配設される第2可変入賞装置650の内部構成を示した背面図であって、扉650fが球を入球不可能(困難)に閉鎖されている閉鎖状態を示す図である。
【0109】
小当たり遊技が開始され、第2可変入賞装置650に入賞した球は、まず、図示しない整列路を流下し、通過検出スイッチ650a1により通過を検出される。その後、最初に入賞した球は流路切替部材650bを押し下げ、第2流路650e2へと流下し、球止位置に位置するストッパ650cによって滞留する(図4(a)参照)。小当たり遊技が開始されてから所定時間(4.5秒)経過するとストッパ650cが解除位置へと可動し、ストッパ650cにより滞留していた球が第2流路650e2をVゲート650dに向けて流下する(図4(b)参照)。球がVゲート650dを流下するタイミングが、Vゲート650dが誘導状態であればV排出流路650e3を流下し、Vゲート650dが規制状態であればVゲート650d上を転動し通常排出流路650e4を流下する。
【0110】
次に、第2可変入賞装置650に入賞した後続の球の流れについて説明する。上述したように後続の球が第2可変入賞装置650内を流下する際には、すでに滞留位置に球が滞留しており、流路切替部材650bが初期位置に移動(復帰)している状態である。この状態において、入賞した球は流路切替部材650b上を転動し、中間区画部材650f3の上面を流下しながら通常排出流路650e4を通過する(図4(a)参照)。
【0111】
また、第2可変入賞装置650に入賞した球は、通過検出スイッチ650a1にて検出され、V排出流路650e3を流下した球は通過検出スイッチ650e5にて検出され、通常排出領域650e4を流下した球は通過検出スイッチ650e6にて検出される。このように、入賞した球の総数(通過検出スイッチ650a1が検出した球の総数)と、排出された球の総数(通過検出スイッチ650e5,650e6が検出した球の総数)を検出可能とすることにより、入賞した球が所定時間内に排出されているかを監視することができるため、例えば、第2可変入賞装置650内にて発生した球詰まりや、第2可変入賞装置650内に意図的に球を残留させる不正行為を容易に発見することが可能となる。
【0112】
なお、第2可変入賞装置650内に以下の検出センサを設けてもよい。例えば、流路切替部材650bが初期位置または当接位置に位置していることを検知可能なスイッチを設けてもよい。このようなスイッチを設けることで、流路切替部材650bの不具合を容易に検出することが可能となる。また、流路切替部材650bが所定時間連続して当接位置に位置していることを検出可能なスイッチを設けてもよい。このようなスイッチを設けることにより、流路切替部材650bが何らかの理由で初期位置に移動(復帰)出来ていない状態を容易に把握することが可能となる。
【0113】
以上、説明をしたように本実施形態では、特別図柄遊技の結果、小当たりに当選した場合に付与される小当たり遊技が開始されると、第2可変入賞装置650の扉650fが開状態となり、第2特定入賞口650aが開放状態となる。開放状態となった第2可変入賞装置650に球が入賞すると、Vゲート650d上を通過可能な球として、ストッパ650cによって球を1個滞留させる。第2可変入賞装置650に入賞した後続の球は第1流路650e1を流下して通常排出経路650e4を通過する。所定時間が経過すると、扉650fが閉じて第2特定入賞口が閉鎖されるため、第2可変入賞装置650に新たな入賞が発生しなくなる。そして、その後所定時間が経過するとストッパ650cが解除位置に移動し、滞留していた球がVゲート650dに向かって流下する。その球がVゲート650dに到達した際に、Vゲート650dが誘導状態(開いている状態)であれば、V排出流路650e3内の通過検出スイッチ(特定領域)650e5を通過して大当たりが付与される。一方、Vゲート650dが規制状態(閉じている状態)であれば、Vゲート650d上を転動し、第2流路650e2を流下しながら通常排出流路650e4を通過する。
【0114】
第1流路650e1を流下した球と第2流路650e2を流下した球は合流位置650e7で合流することになるが、合流位置650e7は第2流路650e2を流下する球が優先的に流下するように構成されている。よって、第2可変入賞装置650に複数個の球が入賞したとしても、全ての球を円滑に処理することが可能となる。
【0115】
なお、第2可変入賞装置650の扉650fの開放タイミングとストッパ650cの動作タイミングおよびVゲート650dの動作タイミングについては、図25を用いて詳細を後述する。
【0116】
つぎに、図5を参照して、第1入球装置64の構成について説明する。図5(a)?(b)は、第1入球装置64の内部の構造を模式的に示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
【0117】
第1入球装置64の上部には、遊技球が入球可能な通過口が設けられており、その通過口を遊技球が通過したことを検知可能にする透過型の入球センサ64cが配置されている。通過口を通過した遊技球は、振分部材900によって、その下方に配置された第1入球口64aと第2入球口A64bとに交互に振り分けられる。
【0118】
振分部材900は、入球した遊技球を振分部材900の収容部900aまたは900cで受ける。収容部900aで遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振分部材900は、正面視(図5(a)参照)左回りに回転して、遊技球を第1入球口64aへと誘導する。ここで、振分部材900は、それぞれ左右周りに約30度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900cとの境界壁には磁石900bが設けられている。
【0119】
第1入球装置64の背面側に設けられるベース体には、振分部材900の磁石900bが、通過口の中央線上の位置にベース側磁石901が配置されている。振分部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部を振分部材900側に向くように配置されて固定されている。
【0120】
磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振分部材900に固定されている。振分部材900が回動し、収容部900aと収容部900cの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振分部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振分部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
【0121】
これにより、振分部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振分部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900cとのどちらかが、第1入球装置64に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球を収容部900aと収容部900cとの何れかの収容部で受け入れることで、遊技球を第1入球口64aまたは第2入球口A64bの何れかに適切に振り分けることができる。
【0122】
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが遊技球を受けて左に約15度回転して、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後に、振分部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後には、収容部900bが上方を向いた状態となり、次に第1入球装置64に入球した遊技球は、収容部900bが受けて、遊技球の重さにより振分部材900が右に約30度回転して、遊技球を第2入球口A64bへ誘導する。このように、振分部材900は、第1入球装置64に入球する遊技球を第1入球口64aと第2入球口A64bとに交互に誘導することができる。よって、均等に第1入球口64aと第2入球口A64bとに遊技球を振り分けて入賞させることができ、後述する、第1入球口64aへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第1抽選遊技)と第2入球口A64bへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
【0123】
第2入球装置640に設けられる第2入球口B640bは、第2入球口A64bと同様に遊技球が入球すると第2特別図柄の抽選が開始されることとなる入球口である。第2入球装置640は、可変手段である電動役物640aを有しており(図2参照)、電動役物640aの動作に応じて球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態となるよう構成されている。この、電動役物640aは、普通図柄の抽選によって当たり遊技が付与された場合に所定期間の間開状態となるよう構成されている。なお、第2特別図柄は、第2入球口A64bと第2入球口B640bとを合わせて保留球は4個となっている。
【0124】
また、第1入球装置64の通過口(遊技球が1球通過可能な大きさ)には、可変表示ユニット80の左側を通過した遊技球のみが入球可能となっており、第2入球口B640bには、右側を通過した遊技球のみが入球可能に構成されている。
【0125】
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
【0126】
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64aへ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
【0127】
センターフレーム86には、第3図柄表示装置81にて実行される第3図柄の変動表示や、当たり遊技中の演出表示等に対応して可動する装飾可動役物400,500,600が配設されている。装飾可動役物400,500,600は、が可動したり、内蔵されているLEDを発光させたりすることで、遊技者に賑やかな演出を提供することが可能となっている。
【0128】
なお、各装飾可動役物400,500,600は、それぞれ第3図柄表示装置81の表示領域P(図2参照)を覆うように可動する。
【0129】
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
【0130】
ここで、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。第3図柄表示装置81に表示される第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成されている。
【0131】
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図7参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。また、特別図柄の抽選結果が小当たりであった場合には、複数の主図柄が特定の組合せ(例えば、「341」等)で停止表示されるよう変動表示が行われる。
【0132】
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなった場合において、付与される大当たり種別(大当たりA、大当たりB)によらずに、「0」から「9」までの全ての数字が揃う可能性がある。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中のラウンド間に行われるインターバル演出と同様の演出(疑似インターバル演出)を、大当たり終了後の所定の期間(特殊変動期間)で実行するように構成されている。この疑似インターバル演出を効果的に行うために、大当たりとなる場合に表示される主図柄の種別によって大当たり種別を予測することが困難となるように構成している。また、特別図柄の抽選の結果が小当たりとなった場合には、「341」のばらけ目で構成されたチャンス目が表示される。なお、本実施形態では、チャンス目は「341」の1種類としたがそれに限らず、その他のばらけ目で構成してもよい。
【0133】
第1特別図柄と第2特別図柄との抽選遊技の抽選結果を示す特別図柄の変動表示は同時には行われず、どちらか一方のみが行われる。第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する保留球がそれぞれ記憶されている場合には、入賞した順で特別図柄の変動が設定される。なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶(最大4個)と第2特別図柄の保留記憶(最大4個)とを、保留記憶された順番(入賞順)に変動させる構成にしているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第2特別図柄を優先変動させるように設定しておき、第2特別図柄に保留記憶がある場合は、第1特別図柄の保留記憶状況に関わらず、第2特別図柄を優先的に変動してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄と同時に変動表示させる構成にしてもよい。
【0134】
本実施形態では、図11(a)?(b)にて詳細は後述するが、第1特別図柄(特図1)よりも第2特別図柄(特図2)のほうが、遊技者に有利な小当たり種別である小当たりAが選択される割合が高く設定されている。ここで、第1入球装置64により第1入球口64aと第2入球口A64bとに交互に入賞するようになっているため、第1特別図柄と第2特別図柄との抽選が交互に実行される。
【0135】
このように構成することで、一方の入賞口に偏って入賞することを防止し、遊技者の損害が過大になってしまうことを抑制でき、遊技店側の損害が過大になりすぎたり、射幸性が著しく高くなってしまったりする不具合を抑制できるように構成している。また、一方の入賞口に偏って入賞することによる保留球数の上限を超えて入賞する、所謂オーバー入賞の発生頻度を減らすことができるので、入球口に球が入球したにも関わらず入賞とならないことによる遊技者の不満を低減できると共に、遊技者が保留球数の上限となる度に球の射出を止めてしまい遊技の回転率が悪くなることで遊技店側の売上が上がらなくなることを防止できる。
【0136】
さらに、時短遊技状態が付与されることにより、第2入球口B640bに球を入球させるために遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が行われると、遊技者に有利となる第2特別図柄(特図2)を主とした特別図柄変動遊技へと移行されるため、時短遊技状態を遊技者にとってより有利な遊技状態として提供することができる。
【0137】
詳細な説明は図26を参照して後述するが、第3図柄表示装置81の表示画面(P)は、大きくは上下に2分割され、上側が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側が保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
【0138】
主表示領域Dmには、3つの図柄列が表示され、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列及び右図柄列においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
【0139】
また、主表示領域Dmには、図柄列毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインとして設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に、有効ライン上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。また、有効ライン上に小当たり図柄の組合せ(本実施形態では、主図柄が「341」の組合せ)で揃えば小当たりとして小当たり動画が表示される。
【0140】
なお、詳細は後述するが、本パチンコ機10には小当たりの種別が複数(小当たりA?小当たりC)設けられている。これら、小当たり種別の中には小当たり遊技中に遊技盤13の右側領域を狙う遊技(右打ち遊技)を実行することで遊技者が有利となる小当たり(例えば、小当たりA)と右打ち遊技を実行しても遊技者が有利とならない小当たり(例えば、小当たりC)が設定されている。上述した小当たり動画には、小当たり種別に応じて、遊技者に有利となる遊技方法を案内する案内表示(例えば、小当たりAに対応する小当たり動画には右打ち遊技を案内する表示)が含まれている。
【0141】
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1?Ds3に区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64aまたは第2入球口64b,640bに入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域である。具体的には、小領域Ds1には、特別図柄の保留球数を示す保留図柄が特図1と特図2とが識別可能な態様で表示される。
【0142】
小領域Ds2には、変動表示中の特別図柄に対応した保留図柄の態様と同様の態様である変動中図柄が表示される。このように構成することで、現在変動表示されている特別図柄が特図1なのか特図2なのかを変動中図柄を見ることで容易に把握することができる。また、保留図柄に対応する特別図柄が大当たりである可能性を示唆する演出として、保留図柄の態様を変化させる演出(所謂、保留予告演出)を採用した場合においても、現在変動中の特別図柄に対する保留予告演出の有無を容易に把握することができる。
【0143】
よって、事前に行われた保留予告演出と、特別図柄の変動表示との対応づけを容易にすることができ、遊技者が演出に興味を持つ遊技機を提供することができるという効果がある。なお、上述した保留予告演出としては、例えば、保留図柄の色を変化(白→青→赤)させる演出や、保留図柄の背景エフェクトを変化(炎の大きさで示唆)させる演出や、保留図柄に文字を浮かび上がらせる演出等、遊技者が大当たりの可能性の高低を判別できる演出であればよい。
【0144】
小領域Ds3には、変動表示が行われている特別図柄遊技に対する遊技説明(「ボタンを押すことを示す説明」)や、現在の遊技状態を報知する内容が表示される。なお、主表示領域Dmにて表示される小当たり動画にて表示される小当たり遊技中における遊技方法の案内表示を、副表示領域Dsを構成する各種表示領域(Ds1?Ds3)の何れかで表示するようにしてもよい。このようにすることで、主表示領域Dmにて小当たり遊技に対応した迫力のある演出表示や小当たり遊技に当選したことを祝福する装飾表示を実行し、主表示領域Dmとは異なる領域である副表示領域Dsにて遊技方法を案内する案内表示を実行させることができるため、案内表示が邪魔で演出表示が見難くなったり、装飾表示が目立ちすぎて案内表示を見落としたりしてしまうといった不具合が発生することを抑制することができるという効果がある。
【0145】
なお、本実施形態では、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とをそれぞれ識別できるように構成したが、保留図柄の態様を第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが識別できない(困難な)態様にしてもよい。
【0146】
また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。
【0147】
次に、図6を参照してパチンコ機10の背面側の構成について説明する。図6に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
【0148】
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
【0149】
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100?104に収納されている。基板ボックス100?104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
【0150】
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとしたりすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
【0151】
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
【0152】
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
【0153】
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0154】
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。一方、払出制御装置111に対しては、双方向でデータを送受信可能に構成されている。
【0155】
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、球の検出や、不正遊技を検知するためのセンサ(磁石センサ、電波センサ)等からなる各種スイッチ208、第2可変入賞装置650の扉650fを開閉駆動するための扉ソレノイド650f2や、第2可変入賞装置650内のストッパ650cを駆動するための球止ソレノイド650c2や、第2可変入賞装置650内のVゲートを駆動されるためのVゲートソレノイド650d2や、第1可変入賞装置65の特定扉65fを開閉駆動するための特定扉ソレノイド65f2等からなる各種ソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
【0156】
また、入出力ポート205には、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
【0157】
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
【0158】
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図48参照)が即座に実行される。
【0159】
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
【0160】
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(100個)の賞球は所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(100個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15操作やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
【0161】
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
【0162】
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29?33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動パターン演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
【0163】
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
【0164】
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
【0165】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
【0166】
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、公知のものであるので、詳細な説明については省略する。
【0167】
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図6参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源回路を通じて、各制御装置110?114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110?114等に対して必要な電圧を供給する。
【0168】
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図48参照)を正常に実行し完了することができる。
【0169】
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図6参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
【0170】
つぎに、図8を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
【0171】
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、特別図柄の小当たり種別を選択するために使用する小当たり種別カウンタC5と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
【0172】
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図34参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図50参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203iに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)とからなる特別図柄1保留球格納エリア203aと特別図柄2保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64aまたは第2入球口64b,640bへの入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、および小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1?第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
【0173】
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0?399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0?399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
【0174】
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0?399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0?399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図34参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図50参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0175】
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口64b,640bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
【0176】
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0?99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0?99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口64b,640bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
【0177】
ここで、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
【0178】
一方で、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
【0179】
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0?399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個あり、その乱数値である「0」は、第1当たり乱数テーブル202a(図10(a)参照)に格納されている。このように、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/400」となる。
【0180】
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0?99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1大当たり種別選択テーブル202b(図10(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図10(b)に示すように、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0?49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「50?99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
【0181】
また、本実施形態では、特別図柄の外れ(大当たり以外)の一種として、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aが開放状態となる小当たりが設けられている。第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の小当たりとなる乱数は398個あり、その乱数値である「1?398」は、第1当たり乱数テーブル202a(図10(a)参照)に格納されている。このように乱数の総数が400ある中で、小当たりとなる乱数値の総数が398なので、特別図柄の小当たりとなる確率は「398/400」となる。
【0182】
また、本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC4の値は、0?398の範囲のループカウンタとして構成されており、この小当たり種別カウンタC4の値と、ROM202内に設けられている第1小当たり種別選択テーブル202c(図10(c)参照)とに基づいて小当たり種別が決定される。なお、本実施形態ではこのテーブルを、第1特別図柄(特図1)用の特図1用種別選択テーブル202c1と、第2特別図柄(特図2)用の特図2用種別選択テーブル202c2とに分けている(図10(c)参照)。そして各テーブルに応じて、各小当たり種別が設定される乱数値の範囲を変えている(図11(a)?(b)参照)。これは、上述したように第1特別図柄(特図1)よりも第2特別図柄(特図2)のほうが遊技者に有利な小当たりとなる小当たりAが選択される比率を高めるためである。なお、各小当たり種別に応じた小当たり遊技の内容については、図11(a)?(b)を参照して後述する。
【0183】
つぎに、停止種別選択カウンタC3は、例えば0?99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98?99の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90?97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0?89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64aに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄1保留球格納エリア203aに格納され、球が第2入球口64b,640bに入賞したタイミングでRAM203の特別図柄2保留球格納エリア203bに格納される。
【0184】
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、通常遊技状態用と、時短遊技状態用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が通常遊技状態であるか、時短遊技状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
【0185】
例えば、時短遊技状態では、必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0?89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90?97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、通常遊技であれば、第1入球口64aまたは第2入球口64b,640bへの球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0?79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、通常遊技状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80?97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、通常遊技状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64aまたは第2入球口64b,640bへの球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98?99に設定される。
【0186】
変動種別カウンタCS1は、例えば0?198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.5秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.5秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.5秒+0.5秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図50参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202e(図11(c)、図12(a)?(b)、図13参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている(図9(a)参照)。
【0187】
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0?398の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり398)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
【0188】
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。
【0189】
普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「0?199」となっている。これら乱数値は、普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄には、乱数値の総数が399ある中で、普通図柄の当たりとなる乱数値の総数が200なので、普通図柄の当たりとなる確率は、おおよそ「1/2」となる。
【0190】
本パチンコ機10では、球が普通図柄始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、普通図柄の変動表示が180秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「0?199」の範囲であれば当たりと判別されて、変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)が点灯表示されると共に、第2入球口B640bが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2入球口B640bが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
【0191】
なお、本パチンコ機10が時短遊技状態(時短中)である場合には、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/2」と通常遊技状態と同じであるが、普通図柄が変動表示される時間が1秒に設定される。また、普通図柄が当たりとなった場合に、第2入球口B640bが「0.5秒間×2回」開放されるよう開放パターンが設定される。このように、時短遊技状態においては、通常遊技状態よりも第2入球口B640bに遊技球が入球しやすくなるよう構成されている。
【0192】
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0?398)、タイマ割込処理(図34参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図50照)の残余時間内で繰り返し更新される。
【0193】
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて特別図柄の抽選や変動パターンの設定および普通図柄の抽選や変動パターンの設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
【0194】
RAM203は、図8に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
【0195】
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
【0196】
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図50参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図49参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図48参照)が即座に実行される。
【0197】
つぎに、図9?図11を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202について説明する。図9(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図9(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1大当たり種別選択テーブル202bと、第1小当たり種別選択テーブル202cと、第2当たり乱数テーブル202dと、変動パターン選択テーブル202eと、大当たりシナリオテーブル202fと小当たりシナリオテーブル202gとが少なくとも設けられている。
【0198】
第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。なお、第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の小当たりとなる乱数の値も設定されている。なお、第1当たり乱数テーブル202aの詳細な内容については、図10(a)を参照して後述する。
【0199】
第1大当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。なお、第1大当たり種別選択テーブル202bの詳細な内容については、図10(b)を参照して後述する。
【0200】
第1小当たり種別選択テーブル202cは、小当たり種別を決定するための小当たり種別カウンタC5の判定値が、小当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。この第1小当たり種別選択テーブル202cは、第1特別図柄(特図1)で小当たりに当選した場合と、第2特別図柄(特図2)で小当たりに当選した場合とで、異なるデータテーブルを参照して小当種別を決定するよう構成されており、特図1で小当たりした場合は、特図1用種別選択テーブル202c1を、特図2で小当たりした場合は、特図2用種別選択テーブル202c2が参照される(図10(c))参照。なお、第1小当たり種別選択テーブル202cの詳細な内容については、図11(a)を参照して後述する。
【0201】
第2当たり乱数テーブル202dは、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルであり、例えば、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC3の値が0?199の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、通常遊技状態において普通図柄の当たりと判定された場合は、所定時間(180秒)の変動表示が終了した後に、停止図柄が点灯表示されると共に、第2入球口B640bに付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。
【0202】
一方、時短遊技状態(時短中)では、普通図柄の当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC3の値は変わらないが、普通図柄の当たりと判定された場合の変動時間が1秒に設定され、その変動表示が終了した後に、停止図柄が点灯表示されると共に、第2入球口B640bに付随する電動役物640aが「0.5秒間×2回」開放される。
【0203】
なお、通常遊技状態と時短遊技状態(時短中)とで、普通図柄の当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC3の値を変更してもよい。
【0204】
変動パターン選択テーブル202eは、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202eには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図11(c)に示すように、変動パターン選択テーブル202eは、当否判定結果が大当たりである場合専用の大当たり用変動パターン選択テーブル202e1(図12(a)参照)と、当否判定結果が外れであり、通常遊技状態である場合専用の外れ用変動パターン選択テーブル202e2(図12(b)参照)と、当否判定結果が小当たりである場合専用の小当たり変動パターン選択テーブル202e3(図13参照)によりそれぞれ少なくとも構成されている。
【0205】
大当たりシナリオテーブル202fは、大当たり遊技中に第1可変入賞装置65の特定扉65fを開放させる開放シナリオを決定するために用いられるデータテーブルであり、当選した大当たり種別に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には図14(a)に示すように、大当たりシナリオテーブル202fは、大当たり種別が大当たりAである場合専用の大当たりシナリオa202f1(図14(b)参照)と、大当たり種別が大当たりBである場合専用の大当たりシナリオb202f2(図14(c)参照)と、大当たり種別が大当たりC又はDである場合専用の大当たりシナリオc(図示せず)とにより構成されている。
【0206】
この大当たりシナリオには、大当たりシナリオが設定されるとカウントが実行される大当たりシナリオカウンタ203p(図9(b)参照)のカウンタ値に基づいて各種イベント(シナリオ内容)が規定されており、シナリオの内容に基づいて特定扉65fの開閉制御が実行される。
【0207】
小当たりシナリオテーブル202gは、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650の扉650fを開放させる開放シナリオを決定するために用いられるデータテーブルであり、当選した小当たり種別に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には図15(a)に示すように、小当たりシナリオテーブル202gは、小当たり種別が小当たりAである場合専用の小当たりシナリオa202g1(図15(d))と、小当たり種別が小当たりB又Cである場合専用の小当たりシナリオb202g2(図15(c)参照)とにより構成されている。
【0208】
この小当たりシナリオには、小当たりシナリオが設定されるとカウントが実行される小当たりシナリオカウンタ203q(図9(b)参照)のカウンタ値に基づいて各種イベント(シナリオ内容)が規定されており、シナリオの内容に基づいて扉650fの開閉制御が実行されるとともに、第2可変入賞装置650内に設けられたストッパ650cの動作制御が実行される。また、第2特定入賞口650aおよびV排出流路650e3内への球の通過が正常であるかを判別する処理において、球の通過を許容する範囲も小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値に基づいて規定されている。
【0209】
つぎに、図9(b)を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているRAM203について説明する。図9(b)は、主制御装置110に設けられているRAM203の内容を模式的に示した図である。図9(b)に示した通り、RAM203は、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bと、普通図柄保留球格納エリア203cと、特別図柄1保留球数カウンタ203dと、特別図柄2保留球数カウンタ203eと、普通図柄保留球数カウンタ203fと、時短中カウンタ203hと、カウンタ用バッファ203iと、変動実行フラグ203jと、変動順格納エリア203kと、Vフラグ203mと、開放カウンタ203nと、閉鎖カウンタ203oと、大当たりシナリオカウンタ203pと、小当たりシナリオカウンタ203qと、特図2B有効期間フラグ203rと、有効期間計測カウンタ203sと、その他メモリエリア203zを有している。
【0210】
特別図柄1保留球格納エリア203aは、第1入球口64a(第1特別図柄)専用の記憶エリアであり、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1大当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び第1小当たり種別カウンタC5の各値がそれぞれ格納される。
【0211】
より具体的には、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1?C3およびC5の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
【0212】
その後、主制御装置110において、特別図柄1の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1?C3およびC5の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1?C3およびC5の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
【0213】
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア?保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア?保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア?第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
【0214】
本パチンコ機10では、球が第1入球口64aへ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1?C3およびC5の各値が取得されると直ちに、それらの値を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、各カウンタC1?C3およびC5の各値を抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
【0215】
特別図柄2保留球格納エリア203bは、第2特別図柄(第2入球口A64b、第2入球口B640b)専用の記憶エリアであり、上述した特別図柄1保留球格納エリア203aに対して、第1特別図柄(第1入球口64a)が第2特別図柄(第2入球口A64b、第2入球口B640b)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
【0216】
普通図柄保留球格納エリア203cは、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
【0217】
より具体的には、球が普通図柄始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
【0218】
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
【0219】
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
【0220】
特別図柄1保留球数カウンタ203dは、第1入球口64aへの入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64aへ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図40のS704参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄1の変動表示が実行される毎に、1減算される(図35のS207参照)。
【0221】
特別図柄2保留球数カウンタ203eは、上述した特別図柄1保留球数カウンタ203dに対して、第1特別図柄(第1入球口64a)が第2特別図柄(第2入球口A64b、第2入球口B640b)に変更される点で相違するのみであるので、その詳細な説明は省略する。
【0222】
この特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)または、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図35のS208,S211、図40のS705、図41のS808参照)。保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
【0223】
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
【0224】
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
【0225】
普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通図柄始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図44のS1104参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図43のS1009参照)。
【0226】
球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図44のS1106)。一方、球がスルーゲート(普通図柄始動口)67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図44のS1103:No)。
【0227】
時短中カウンタ203hは、パチンコ機10が時短遊技状態(時短中)であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203hの値が1以上であれば、パチンコ機10が時短遊技状態であることを示し、時短中カウンタ203hの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態(通常遊技状態)であることを示す。この時短中カウンタ203hは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりのエンディング終了時(即ち、大当たりの終了タイミング)に大当たり種別に応じた値が設定される。具体的には、大当たり種別が「大当たりA」、「大当たりB」および「大当たりD」の場合は8が設定され、「大当たりC」の場合は0が設定される。その後、時短中カウンタ203hの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図35のS222)。
【0228】
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、その抽選結果が当りであると、時短中カウンタ203hの値が参照され、その値が1以上であれば、電動役物640aの開放パターンとして0.5秒×2回の開放パターンが設定され(図43のS1017)、普通図柄の変動時間を1秒に設定する(図43のS1018)。一方、時短中カウンタ203hの値が0であれば、普通図柄の抽選結果が当り以外の場合と同様に、普通図柄の変動時間を180秒に設定する(図43のS1017)。
【0229】
カウンタ用バッファ203iは、上述したように、各カウンタ値がカウントされる為に用いられるバッファエリアである。
【0230】
変動実行フラグ203jは、第1特別図柄が変動されるか、第2特別図柄が変動されるかを示すフラグである。この変動実行フラグ203jは、後述する変動順序格納エリア203kの記憶エリアのうち最初の記憶エリアに記憶されている保留データが第1特別図柄に基づく保留データであれば第1特別図柄を、第2特別図柄に基づく保留データであれば第2特別図柄を変動実行が行われる特別図柄として設定する。なお、このフラグは、電断時にもバックアップされる領域であり、RAMクリア等された初期状態では、第1特別図柄が優先に設定されている。
【0231】
変動順序格納エリア203kは、特別図柄1保留球格納エリア203aと、特別図柄2保留球格納エリア203bとに記憶されている各保留データについて入賞順序を記憶するエリアである。この変動順序格納エリア203kには、8個の記憶エリアが設定されており入賞した順に先の記憶エリアに順序が記憶される。なお、特別図柄の変動開始に基づいて、記憶エリアもシフトされる。
【0232】
Vフラグ203mは、第2可変入賞装置650の特定領域である通過検出スイッチ640e5に球が通過したことを検出したことを記憶するためのフラグであり、小当たり終了時にこのVフラグ203mの値に基づいて、大当たりを付与するものである。このVフラグ203mは、V通過時処理において、小当たり種別に基づく大当たりの種別が設定され(図46のS1306、S1309)、小当たりエンディング制御処理において参照され(図54のS2107)、その後にオフに設定される(図54のS2108)。
【0233】
開放カウンタ203nは、第2可変入賞装置650内に設けられた誘導部材であるVゲート650dの駆動制御に用いるカウンタであり、Vゲートソレノイド650e2がオンにする(Vゲート650dを誘導位置に移動させる)ことにより、カウントが開始され、開放カウンタ203nのカウンタの値が所定値を超えた場合にVゲートソレノイド650e2をオフにする(Vゲート650dを規制位置に移動させる)。この開放カウンタ203nは、Vゲート駆動制御処理において、カウンタ値の加算(図47のS1404)と、カウンタ値の判別(図47のS1405、S1406)と、カウンタのリセット(図47のS1407)とが行われる。
【0234】
閉鎖カウンタ203oは、第2可変入賞装置650内に設けられた誘導部材であるVゲート650dの駆動制御に用いるカウンタであり、上述した開放カウンタ203nのカウンタ値に基づいてVゲートソレノイド650e2をオフにすることにより、カウントが開始され、閉鎖カウンタ203oのカウンタの値が所定値を超えた場合にVゲートソレノイド650e2をオンにする(Vゲート650eを誘導位置に移動させる)。この閉鎖カウンタ203oは、Vゲート制御処理において、カウンタ値の加算(図47のS1410)と、カウンタ値の判別(図47のS1411)と、カウンタのリセット(図47のS1407)とが行われる。
【0235】
上述した開放カウンタ203nおよび閉鎖カウンタ203oは、2ミリ秒毎に処理が実行されるタイマ割込処理内で値を1加算する構成である。よって、Vゲートの開放時間を1.5秒とする場合には、開放カウンタ203nの値が750を超えているかを判別し、Vゲート650dの閉鎖時間を3.5秒とする場合には、閉鎖カウンタ203oの値が1750を超えているかを判別するようにすればよい。
【0236】
なお、本実施形態においては、各種カウンタ値の値をタイマ割込処理にて加算する構成を示したが、正確な期間を計測できる構成であればよく、例えば、RTC(リアルタイムクロック)によって計時される期間を用いて計測してもよい。また、本実施形態では、開放カウンタ203nと閉鎖カウンタ203oとを別の構成にしているが、1つのカウンタによって開放期間と閉鎖期間とを計測する構成にしてもよい。
【0237】
大当たりシナリオカウンタ203pは、特定扉65fの開閉タイミング等が規定されている大当たりシナリオを更新させるためのカウンタであり、この大当たりシナリオカウンタ203pによって更新される大当たりシナリオに基づいて大当たり中に特定扉65fの開放制御が実行される。この大当たりシナリオカウンタ203pは、大当たり制御処理において、大当たりシナリオの設定があると判別された場合に1加算され(図51のS1802)、大当たりエンディング制御処理において、大当たりシナリオに基づく制御が終了し大当たりシナリオの設定がクリアされた後にリセットされる(図52のS1905)。
【0238】
小当たりシナリオカウンタ203qは、各種装置(球止部材650c、扉650f)の動作タイミング等が規定されている小当たりシナリオを更新させるためのカウンタであり、この小当たりシナリオカウンタ203qによって更新される小当たりシナリオに基づいて小当たり中に各種装置の動作制御が実行される。この小当たりシナリオカウンタ203qは、小当たり制御処理において、小当たりシナリオの設定があると判別された場合に1加算され(図53のS2002)、小当たりエンディング制御処理において、小当たりシナリオに基づく制御が終了し、小当たりシナリオの設定がクリアされた後にリセットされる(図54のS2111)。
【0239】
特図2B有効期間フラグ203rは、第2特別図柄(特図2)のうち、第2入球口B(特図2B)640bへの入賞を有効とする期間を記憶するためのフラグであり、この特図2B有効期間フラグ203rがオンに設定される期間(第2入球口B(特図2B)640bへの入賞を有効とする期間)以外に第2入球口B(特図2B)640bへの入賞を検知したことをエラーと判別する処理に用いられる(図41のS803)。
【0240】
この特図2B有効期間フラグ203rは、第2入球装置640の電動役物640aの開閉制御が開始されてから、後述する有効期間計測カウンタ203sが所定期間を計測するまでの間オンに設定される。この特図2B有効期間フラグ203rは、普通図柄変動処理においてオンに設定され(図43のS1025)、所定期間経過後に普通図柄変動処理においてオフに設定される(図43のS1004)。
【0241】
有効期間計測カウンタ203sは、上述した特図2B有効期間フラグ203rがオンに設定される期間(第2入球口B(特図2B)640bへの入賞を有効とする期間)を計測するためのカウンタであり、この有効期間計測カウンタ203sの値が減算されている間(カウンタの値として1000が設定されてから、カウンタの値が0になるまで減算される間)、特図2B有効期間フラグ203rがオンに設定される。
【0242】
この有効期間計測カウンタ203sは、普通図柄変動処理において、オンに設定され(図43のS1026)、カウンタの値として1000が設定される。そして、タイマ割込処理として2ミリ秒毎に実行される普通図柄変動処理にて1減算され(図43のS1002)、カウンタの値が0になるまで(2秒経過するまで)繰り返される。
【0243】
つぎに、図10から図15を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202が有する各種テーブルの詳細について説明する。
【0244】
まず、図10(a)を参照して第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図10(a)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。図10(a)に示すように、第1当たり乱数テーブル202aは、大当たりの判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「0」が、小当たりの判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「1?398」が、大当たりと小当たり以外(外れ)の判定値として第1当たり乱数カウンタC1の値「399」が設定されている。
【0245】
つまり、本実施形態におけるパチンコ機10は特別図柄の抽選が、「1/400」の確率で大当たりに、「398/400」の確率で小当たりに、「1/400」の確率で外れとなるよう構成されており、特別図柄の抽選結果が殆ど小当たりとなる。
【0246】
次に、図10(b)を参照して第1大当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図10(b)は、第1当たり乱数テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。図10(b)に示すように、第1大当たり種別選択テーブル202bは、大当たりAの判定値として第1当たり種別カウンタC2の値「0?49」が、大当たりBの判定値として「50?99」が設定されている。なお、大当たりCと大当たりDについては、第1当たり種別カウンタC2の値が設定されておらず。第2可変入賞装置650内の特定領域であるV排出流路650e3を通過することにより設定される大当たり種別となっている。
【0247】
ここで、本パチンコ機10では大当たり遊技が開始されると第1可変入賞装置65の特定扉65fが開状態となり、特定入賞口65aへ遊技球を入球させることで多量の賞球を獲得する遊技が実行される。また、大当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に遊技者に有利な時短遊技状態が付与される。
【0248】
次に、各大当たり種別の内容について説明する。大当たりAが選択された場合、第1可変入賞装置65が2ラウンド(2R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)が8回付与される。大当たりBが選択された場合、第1可変入賞装置65が5ラウンド(5R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)が8回付与される。
【0249】
大当たりCが選択された場合、第1可変入賞装置65が10ラウンド(10R)開放する大当たり遊技が開始されるが、その大当たり遊技の終了後に時短遊技状態(時短)が付与されない。大当たりDが選択された場合、第1可変入賞装置65が10ラウンド(10R)開放する大当たり遊技が開始され、その大当たり遊技の終了後、時短遊技状態(時短)が8回付与される。
【0250】
以上、説明をしたように、本パチンコ機10においては、特別図柄の大当たり(大当たりAまたは大当たりB)に当選することで、大当たり遊技終了後に必ず時短遊技状態へと移行するが、大当たり遊技のラウンド数が大当たりCまたは大当たりDよりも少なく設定されている。これは、小当たり遊技中に遊技球が特定領域を追加することで実行される大当たり(大当たりCまたは大当たりD)のほうが、遊技者に自力で大当たりを獲得したと思わせることができるため、大当たりCまたは大当たりDによる特典を遊技者にとってより有利な特典とするためである。
【0251】
図10(c)は、第1小当たり種別選択テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。図10(c)に示すように、第1小当たり種別選択テーブル202cは、特図1用種別選択テーブル202c1と、特図2用種別選択テーブル202c2とが設定されており、特図1による小当たりと特図2による小当たりとで、小当たり種別の選択比率を変更している。ここで、図11(a)を参照して、特図1用種別選択テーブル202c1を説明する。
【0252】
図11(a)は、特図1用種別選択テーブル202c1の内容を模式的に示した模式図である。図11(a)に示すように、第1特別図柄(特図1)の小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5において、乱数値が「0?34」であった場合の小当たり種別は、「小当たりA」となる。また、乱数値が「35?40」であった場合の小当たり種別は、「小当たりB」となる。また、乱数値が「41?398」であった場合の小当たり種別は、「小当たりC」となる。
【0253】
ここで、小当たり種別について図11(a)を参照して説明する。まず、「小当たりA」が選択された場合は、遊技球が第2可変入賞装置650に入賞しやすい開放パターンとして、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを小当たり遊技中に1.5秒開放させる開放シナリオが設定されるとともに、V排出流路650e3内に設けられた特定領域を通過した際(V通過時)に付与される大当たり種別として「大当たりD」が設定される。また、「小当たりB」が選択された場合は、球が第2可変入賞装置650に入賞困難な開放パターンとして、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを小当たり遊技中に0.1秒開放させる動作が3回行われる開放シナリオが設定されるとともに、V排出流路650e3内に設けられた特定領域を通過した際(V通過時)に付与される大当たり種別として「大当たりD」が設定される。また、「小当たりC」が選択された場合も、「小当たりD」と同様の開放シナリオが設定されるとともに、V排出流路650e3内に設けられた特定領域を通過した際(V通過時)に付与される大当たり種別として「大当たりC」が設定される。
【0254】
このように各小当たり種別によって、小当たり遊技中の扉(アタッカ)650fの開放パターンと、V通過時に付与される大当たり種別を異ならせることにより、第2可変入賞装置650を開放させる小当たり遊技に遊技者に有利な小当たりと不利な小当たりとを設定することができ、多様な遊技性を提供することができる。
【0255】
次に、図11(b)を参照して、特図2用種別選択テーブル202c2を説明する。図11(b)は特図2用種別選択テーブル202c2の内容を模式的に示した模式図である。図11(b)に示すように、第2特別図柄(特図2)の小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5において、乱数値が「0?85」であった場合の小当たり種別は、「小当たりA」となる。また、乱数値が「86?90」であった場合の小当たり種別は、「小当たりB」となる。また、乱数値が「91?398」であった場合の小当たり種別は、「小当たりC」となる。
【0256】
本実施形態は、遊技状態(通常遊技状態または時短遊技状態)に応じて各特別図柄(第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2))の入賞比率を異ならせるように構成されている。具体的には、通常の遊技状態では第1入球装置64を狙う遊技が行われることから、特図1と特図2とが交互に入賞するため、特図1と特図2との入賞比率は1:1に構成されているが、時短遊技状態においては、第2入球装置640を狙う遊技(右打ち遊技)が行われることから、特図1に入賞することが無い。
【0257】
よって、上述したように特図1と特図2とで、選択される小当たり種別の選択比率を変更することにより、遊技状態に応じて遊技者に有利な遊技を提供することができる。また、詳細については後述するが、本パチンコ機10は、「小当たりA」が連続することで遊技者により有利な(V通過しやすい)状態を提供可能に構成されているため、特図1と特図2とが交互に入賞する通常遊技状態において、「小当たりA」に当選した次の入賞が特図1なのか特図2なのかによって「小当たりA」が連続して当選する期待度が変わるため、遊技者に対して、連続して「小当たりA」に当選させるという新たな遊技性を提供することが可能となり、興趣の向上を図ることが出来るという効果がある。
【0258】
次に、図11(c)を参照して変動パターン選択テーブル202eについて説明する。図11(c)は、変動パターン選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターン選択テーブル202eには、図11(c)に示すように、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1(図12(a)参照)と、外れ用変動パターン選択テーブル202e2(図12(b)参照)と、小当たり用変動パターン選択テーブル202e3(図13参照)とが少なくとも設定されている。
【0259】
まず、図12(a)を参照して、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1について説明する。図12(a)は、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターン選択テーブル202e1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に選択される変動パターンの表示態様(変動時間)が規定されたデータテーブルであり、大当たり終了後の変動回数と、現在の保留球数と、時短遊技状態(時短)の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種大当たりの変動パターンが選択される。
【0260】
大当たり終了後変動回数とは、今回変動パターンが選択される特別図柄の抽選が大当たり遊技終了後何回目の抽選であるのかを示すものであり、大当たり遊技終了後、1回転目の特別図柄の抽選結果を示す変動パターンを選択する場合に、大当たり終了後変動回数「1」が参照され、それ以外は大当たり終了後変動回数「2?」が選択される。このように、特別図柄の変動パターン選択において、特定の変動タイミングのみ異なる変動パターンを設定することで、遊技者に対して、特定の変動タイミングでしか出現しない変動パターンを提供することができ、遊技の内容に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
【0261】
ここで、詳細は後述するが、本パチンコ機10では、大当たり終了後の1回転目が「小当たりA」の場合において、所定の条件を満たしていると特殊な演出が実行されるよう構成されている(図32?図33参照)。そのため、大当たり終了後の1回転目のみ他の場合とは異なる変動パターンの表示態様が選択されるよう大当たり用変動パターン選択テーブル202eが規定されている。
【0262】
また、詳細は後述するが、本パチンコ機10では、変動パターンを選択するタイミングで保留球数が所定個数以上(7個)の場合において、所定の条件を満たしていると小当たり遊技においてV排出流路650e3内に設けられた特定領域を通過しやすい状況が提供されるよう構成されている。そのため、保留球数に応じて変動パターンの表示態様(変動時間)が異なるよう大当たり用変動パターン選択テーブル202eが設定されている。
【0263】
図12(a)に戻り、説明を続ける。大当たり用変動パターン選択テーブル202e1は、時短遊技状態(時短あり)に選択される変動パターンとして時短変動A?時短変動Dが設定されており、通常遊技状態に選択される変動パターンとして大当たり変動A?Cが設定されている。まず、時短遊技状態にて選択される時短変動A?時短変動Dについて説明する。時短変動Aは大当たり終了後変動回数が1回で保留球数が0?2の場合において、変動種別カウンタCS1の値が「0?98」の場合に設定される変動時間が20秒の変動パターンである。時短変動Bは時短変動Aと同じ状態において、変動種別カウンタCS1の値が「99?198」に場合に設定される変動時間が30秒の変動パターンである。
【0264】
時短変動Cと時短変動Dは、上述した時短変動Aまたは時短変動Bが設定される遊技状態以外の遊技状態において、変動種別カウンタCS1の値が「0?98」の場合に時短変動C(変動時間4秒)が、「99?198」の場合に時短変動D(変動時間6.5秒)がそれぞれ設定される。
【0265】
つぎに、通常遊技状態にて選択される大当たり変動A?Cについて説明する。通常遊技状態においては、遊技状態(大当たり終了後の変動回数と保留球数)に関わらず、変動種別カウンタCS1の値のみによって変動パターンが設定される。大当たり変動Aは、変動種別カウンタCS1の値が「0?98」の場合に設定される変動時間が5秒の変動パターンであり、大当たり変動Bは、変動種別カウンタCS1の値が「99?149」の場合に設定される変動時間が25秒の変動パターンであり、大当たり変動Cは、変動種別カウンタCS1の値が「150?198」の場合に設定される変動時間が60秒の変動パターンである。
【0266】
つぎに、図12(b)を参照して、外れ用変動パターン選択テーブル202e2について説明する。図12(b)は、外れ用変動パターン選択テーブル202e2の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用変動パターン選択テーブル202e2も上述した大当たり用変動パターン選択テーブル同様に、大当たり終了後の変動回数と、現在の保留球数と時短遊技状態(時短)の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種外れ用の変動パターンが選択され、大当たり用変動パターンに対して選択される変動パターン(変動時間)が異なる点で相違するのみであるため、説明を省略する。
【0267】
つぎに、図13を参照して小当たり用変動パターン選択テーブル202e3について説明をする。図13は、小当たり用変動パターン選択テーブル202e3の内容を模式的に示した模式図である。この小当たり用変動パターン選択テーブル202e3も、上述した大当たり用変動パターンの選択と同様に、大当たり終了後の変動回数と、現在の保留球数と時短遊技状態(時短)の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種小当たり用の変動パターンが選択される。
【0268】
小当たり用変動パターン選択テーブル202e3は、大当たり終了後変動回数が1回で、且つ時短遊技状態(時短)である場合に特殊変動Aが、また、特別図柄の抽選結果が小当たりAであり、且つ大当たり終了後変動回数が2回以上で保留球数が5?7の場合に特殊変動B?Cがそれぞれ選択されるよう構成されている。
【0269】
ここで、特殊変動Aについて説明する。特殊変動Aとは、後述する連続大当たり演出(図31?図34参照)を実行する際に選択される特殊変動である。特殊変動Aは、連続大当たり演出を実行するために、大当たり終了後1回転目の特別図柄変動の変動パターン(変動時間)として特定の変動時間(30秒)が規定されている。
【0270】
なお、詳細な説明は図32および図33を参照して後述するが、連続大当たり演出とは、大当たり終了後1回転目の特別図柄の変動において小当たりAに当選している場合に、その小当たりA遊技にて第2可変入賞装置650の扉650fが開放されるタイミングと、第2可変入賞装置650内に設けられたVゲート650dが誘導状態となるタイミングとを予め算出し、大当たり終了後1回転目の特別図柄の変動が開始されるタイミング、即ち、大当たり遊技が終了するタイミングが大当たり終了後1回転目の小当たりA遊技がV排出流路650e3を通過可能なタイミングであるかを判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中の演出(最終ラウンドおよびエンディング期間中の演出)を決定するものである。
【0271】
次に、特殊変動Bについて説明する。特殊変動Bは、後述する小当たり連続演出(図27?図30)を実行する際に選択される特殊変動である。これは、特別図柄の抽選の結果、小当たりAが連続で実行される場合において、その小当たりAが連続して実行される場合の各変動パターンとして特殊変動Bが選択されることで、連続する小当たりA遊技における第2可変入賞装置650の扉650fが開放するタイミングを、Vゲート650dの動作周期に対して異なるタイミングとするための変動パターンである。
【0272】
ここで、特殊変動Bが選択される場合に設定される変動パターン(変動時間)について説明をする。本実施形態では、特別図柄の抽選結果が小当たりAであり、変動パターン選択時における保留球数が5または6の場合に特殊変動Bが選択される。この特殊変動Bは変動時間が5.5秒の変動パターンとして規定されている。なお、詳細な説明については、図27を参照して説明をするが、小当たりAに連続して当選し特殊変動Bが選択されると、その連続する小当たりAの実行タイミングをVゲート650dの実行周期に対して異なるタイミング(本実施形態では、1.5秒異ならせたタイミング)で、小当たりAが実行される。
【0273】
このように、小当たりAに当選した次の特別図柄抽選において、所定条件(保留球数が5?6)が成立している状態で、小当たりAに当選すると(連続して小当たりAに当選すると)、Vゲート650dの動作周期に対して異なるタイミングで小当たりAが実行されるよう変動パターン(変動時間)が規定されているため、小当たりAに連続して当選した場合において、誘導状態のVゲート650dに球を通過させることが可能なタイミングで小当たりAを実行させやすくすることができる(有利な小当たり遊技を実行させやすくなる)。
【0274】
次に、特殊変動Cについて説明する。特殊変動Cは、後述する小当たり連続演出(図27?図30)を実行する際に選択される特殊変動であり、小当たりAが連続される場合において、1回目の小当たり遊技が実行されるタイミングを一定のタイミングとするための変動パターンである。
【0275】
小当たり用変動パターン選択テーブル202e3は、上述した特殊変動A?Cが設けられている点以外は、上述した大当たり用変動パターン選択テーブル同様に、大当たり終了後の変動回数と、現在の保留球数と時短遊技状態(時短)の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種小当たり用の変動パターンが選択され、大当たり用変動パターンに対して選択される変動パターン(変動時間)が異なる点で相違するのみであるため、説明を省略する。
【0276】
なお、上述した各種変動パターンテーブルでは、遊技状態(大当たり終了後の変動回数、保留球数、時短の有無)や変動種別カウンタCS1の値に応じて様々な変動パターン(変動時間)が選択されるよう構成されているが、本パチンコ機10では保留球数を数多く貯めるほうが、小当たり遊技を経由した大当たり、即ち、第2可変入賞装置650内の特定領域(V排出流路650e3内の通過検出スイッチ650e5)を通過する期待度を高めることが可能に構成されているため、保留球数を複数貯める機会としての長い変動時間(例えば、60秒)が選択されるよう構成されている。
【0277】
次に、図14を参照して、大当たりシナリオテーブル202fについて説明をする。図14(a)は、大当たりシナリオテーブル202fの内容を模式的に示す模式図である。この大当たりシナリオテーブル202fは、第1大当たり種別選択テーブル202bによって選択された大当たり種別にそれぞれ対応した大当たりシナリオが選択可能に規定されており、選択された大当たりシナリオに基づいて大当たり遊技が実行される。
【0278】
大当たりシナリオテーブル202fは、選択される大当たりシナリオとして、大当たりA専用の大当たりシナリオa202f1と、大当たりB専用の大当たりシナリオb202f2と、大当たりCまたはD専用の大当たりシナリオc202f3とを有する。
【0279】
つぎに、図14(b)を参照して、大当たりシナリオa202f1について説明をする。図14(b)は、大当たりシナリオa202f1の内容を模式的に示す模式図である。大当たりシナリオが設定されると、大当たりシナリオカウンタ203pがカウントを開始し(図51のS1802)、その大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値に対応して設定されている各種制御が実行される。なお、カウンタ値は4ミリ秒周期で実行される主制御装置110のメイン処理にて加算されており、カウンタ値の値が1加算されると4ミリ秒経過したことになる。
【0280】
大当たりシナリオaが設定され、カウンタ値が1250(5秒経過)になると、大当たりのオープニング期間が終了し、カウンタ値が1251に更新されると、第1可変入球装置65の特定扉65fを開放するために特定扉ソレノイド65a2をオンに設定する(1ラウンド開始)。その後、カウンタ値が8750(35秒経過)に到達すると、つまり特定扉65fが開放されてから30秒経過すると特定扉65fを閉鎖するために特定扉ソレノイド65a2をオフに設定する(1ラウンド終了)。
【0281】
なお、本パチンコ機の1ラウンドにおける特定扉65fの閉鎖条件(終了条件)は、特定扉65fが開放してから30秒経過した場合と、特定入賞口65aに10個の球が入賞した場合である。詳細は後述するが、特定扉65fが開放してから30秒経過するまでに、特定入賞口65aに10個の球が入賞した場合は、大当たりシナリオカウンタ203pの値を8749(1ラウンド終了の1個前)まで更新する処理を実行するよう構成している。
【0282】
このように構成することで、その後カウンタ値が1加算されることで、カウンタ値が8750となり特定扉65fを閉鎖させる動作制御が実行されるため、複数のラウンド終了条件毎に扉閉鎖制御を実行させる必要がなくなり、処理負担を軽減できるとともに、それぞれのラウンド終了条件が略同時タイミングで発生した場合において、特定扉ソレノイドの動作制御に不具合が生じてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0283】
その後、カウンタ値が9250になるまで、つまり、1ラウンド目が終了してから2秒経過するまで、ラウンド間インターバル期間として、特定扉65fが閉鎖している状態を維持し、カウンタ値が9251になると次のラウンドを開始させるため動作制御が実行され、特定扉65fを開放するために特定扉ソレノイドがオンに設定される(2ラウンド目)。カウンタ値が16750になると1ラウンド目同様に特定扉ソレノイドがオフに設定される(2ラウンド目終了)。
【0284】
この大当たりシナリオa202f1は2ラウンド大当たりである大当たりAに対応した大当たりシナリオであるため、2ラウンド目が終了すると、カウンタ値が18000になるまで(2ラウンド目終了から5秒経過するまで)大当たりエンディング期間が実行される。このように、大当たりシナリオaが設定される大当たりAは、最長でカウンタ値が18000(72秒)となるまで実行される大当たり遊技が提供される。
【0285】
次に、図14(c)を参照して大当たりシナリオb202f2について説明をする。図14(c)は、大当たりシナリオb202f2の内容を模式的に示した模式図である。この大当たりシナリオb202f2は、大当たり種別が大当たりB(5ラウンド大当たり)に対して設定される大当たりシナリオであり、上述した大当たりシナリオa202f1に対して、実行されるラウンド数が異なるだけであるため説明を省略する。
【0286】
なお、本実施形態では、大当たりシナリオに基づいて実行される制御として特定扉65fの動作制御のみを示したが、他の制御を大当たりシナリオに基づいて実行してもよい。たとえば、特定扉65fが開放する期間に所定時間を加えた期間を第1特定入賞口65aへの入賞有効期間として設定し、第1特定入賞口65aへの球の入賞が正常か否かを判別できるようにしてもよい。
【0287】
次に、図15を参照して、小当たりシナリオテーブル202gについて説明をする。図15(a)は、小当たりシナリオテーブル202gの内容を模式的に示す模式図である。この小当たりシナリオテーブル202gは、第1小当たり種別選択テーブル202cによって選択された小当たり種別にそれぞれ対応した小当たりシナリオが選択可能に格納されており、選択された小当たりシナリオに基づいて小当たり遊技が実行される。
【0288】
小当たりシナリオテーブル202gは、選択される小当たりシナリオとして、小当たりA専用の小当たりシナリオa202g1と、小当たりBまたはC専用の小当たりシナリオb202g2とを有する。
【0289】
次に、図15(b)を参照して、小当たりシナリオa202g1について説明をする。図15(b)は、小当たりシナリオa202g1の内容を模式的に示す模式図である。小当たりシナリオが設定されると、小当たりシナリオカウンタ203qがカウントを開始し(図53のS2002)、その小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値に対応して設定されている各種制御が実行される。なお、カウンタ値は4ミリ秒周期で実行される主制御装置110のメイン処理にて加算されており、カウンタ値の値が1加算されると4ミリ秒経過したことになる。
【0290】
小当たりシナリオaが設定され、カウンタ値が1になると、小当たりのオープニング期間が開始されストッパ650cを球止位置に突出させるために球止ソレノイド650c2がオンに設定される。ついで、カウンタ値が625になると(小当たり開始から2.5秒経過)、小当たりのオープニング期間が終了し、カウンタ値が626になると、第2可変入賞装置650の扉650fを開放するために扉ソレノイド650f2をオンに設定する(ラウンド開始)。その後、カウンタ値が1000(4秒経過)に到達すると、つまり、扉650fが開放されてから1.5秒経過すると扉650fを閉鎖するために扉ソレノイド650f2をオフに設定する(ラウンド終了)。
【0291】
そしてカウンタ値が1001になると小当たりのエンディング期間が開始される。この小当たりのエンディング期間中であって、カウンタ値が1125になると、つまり、扉650fが閉鎖されてから0.5秒が経過すると、ストッパ650cを球止解除位置に退避させるために球止ソレノイド650c2がオフに設定される。これは、扉650fを閉鎖させた状態で第2可変入賞装置650内に滞在している球(球止位置で滞留している球を除く)を、第2可変入賞装置650外へと排出するための猶予時間(0.5秒)を設けるために、扉ソレノイド650f2をオフに設定してから、0.5秒後にストッパ球止ソレノイド650c2をオフに設定するよう小当たりシナリオが構成されているものである。
【0292】
このように構成することで、ストッパ650cが解除された場合に、球止め位置にて滞留させていた球以外の球がVゲート650dに向かって流下してしまう事態を防ぎ、予想外の遊技(1回の小当たり遊技で複数の球がVゲートに向かって流下してしまう遊技)が実行されてしまうことを防止することができるという効果がある。
【0293】
図15(b)に戻り説明を続ける。カウンタ値が1250になると、つまり、球止ソレノイド650c2をオフに設定してから0.5秒経過すると、球がV排出流路650e3内の通過検出スイッチ(特定領域)650e5を通過(V通過)したことを有効とする期間(カウンタ値1250?1500)が設定される。この、球止めソレノイド650c2をオフに設定してから、V通過を有効とするまでの間の期間は、球止位置で滞留していた球がストッパ650cを解除してから特定領域を通過するまでに必要な最短時間(0.5秒)が設定されている。よって、ストッパ650cで滞留されていた球が特定領域を通過することを有効に取り扱うことができるとともに、小当たり遊技中においてもV通過を有効とする期間以外で特定領域を通過した球を無効にすることができるため、例えば、第2可変入賞装置650内に意図的に球を滞留させ、小当たり遊技中に特定領域を通過させる不正遊技を防止することができるという効果がある。
【0294】
そして、カウンタ値が1500になると、小当たりのエンディング期間が終了し、V通過有効期間を終了させ、小当たり遊技が終了する。なお、小当たりシナリオa202g1には、第2特定入賞口650aへの球の入賞を有効にする期間として扉通過可能期間がカウンタ値626から1125までの間で設定されている。このように有効期間を設定することで、球の入賞や通過が正常か否かを容易に判別することが可能となる。
【0295】
次に図15(c)を参照して、小当たりシナリオb202g2について説明をする。図15(c)は、小当たりシナリオb202g2の内容を模式的に示した模式図である。小当たりシナリオb202g2は、小当たりBまたは小当たりCに対応する小当たりシナリオであって、第2可変入賞装置650の扉650fを高速で開閉することで球が第2可変入賞装置650に入賞困難な小当たり遊技を提供するシナリオである。
【0296】
小当たり遊技中におけるオープニング期間は、小当たりシナリオa202g1に対して1秒短く設定されている点が相違するのみであるため、その説明を省略する。また、小当たり遊技中におけるエンディング期間は、小当たりシナリオa202g1と同一であるため、その説明を省略する。以下、小当たり遊技中におけるラウンド期間のシナリオ内容について説明をする。
【0297】
小当たり遊技が開始され、カウンタ値が376になると、扉650fを開放させるために扉ソレノイド650f2がオンに設定され、その後カウンタ値が401になると扉650fを閉鎖させるために扉ソレノイド650f2がオフに設定される。つまり、小当たりシナリオ202g2においては、扉650fの1回の開放時間が0.1秒に設定されている。この開放動作を3回繰り返し、カウンタ値が901に到達すると、ラウンドを終了する。
【0298】
このように、小当たりシナリオbでは1回の扉650f開放時間を0.1秒という球が入球困難な時間に設定している。さらに、小当たりシナリオbにて扉650fが開放される合計開放時間(0.3秒(0.1秒×3回))が、小当たりシナリオaにおける扉650f開放時間(1.5秒)に対し、5分の1の時間に設定されているため、球が第2可変入賞装置650に入賞し難い小当たり遊技を提供することとなる。
【0299】
次に、図16を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。図16(a)は、音声ランプ制御装置113のROM222の内容を模式的に示す模式図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aと、遊技仕様記憶エリア222bと、Vゲートシナリオ222cと、前兆演出選択テーブル222dと、連続演出種別選択テーブル222eと、連続演出変動パターン選択テーブル222fと、連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gと、小当たり中演出パターン選択テーブル222hと、前兆演出変動パターン選択テーブル222iとが少なくとも格納されている。変動パターンテーブル222aについては、既に公知のものであるため簡単に説明するが、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定する。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。
【0300】
遊技仕様記憶エリア222bは、主制御装置110にて設定されている各種仕様が記憶されているエリアであって、少なくとも、各種変動パターン選択テーブル202eおよび主制御装置110のROM202に格納されている大当たりシナリオテーブル202fと小当たりシナリオテーブル202gの情報が記憶されている。
【0301】
遊技仕様記憶エリア222bに記憶されている情報は、V通過可能変動判定処理において、次回または次々回の変動に基づく扉の開放タイミングを取得する際に参照されたり(図70のS3702,S3703)、大当たり開始処理において、大当たり遊技終了後1回転目の小当たり遊技における扉開放タイミングを取得する際に参照される(図61のS2804)。
【0302】
Vゲートシナリオ222cは、主制御装置110にて駆動制御されるVゲート650dの動作タイミング、つまり、Vゲートソレノイド650dをオンに設定するタイミングとオフに設定するタイミングとが設定されているシナリオであり、Vゲートコマンド受信処理において、Vゲートシナリオ222cが設定され(図58のS2506)、後述するVカウンタ223tのカウンタ値に基づいて、音声ランプ制御装置222側でVゲート650dの動作タイミングを把握するために用いられる。また、主制御装置側110側から受信したVゲート状態コマンドと、Vカウンタ223tのカウンタ値に対応するVゲートシナリオ222cの内容が合致するかを判別する際にも用いられる(図58のS2504)。
【0303】
前兆演出選択テーブル222dは、後述する前兆演出カウンタ223pが3以上の場合に保留個数および演出カウンタ223gの値に基づいて実行される前兆演出の演出内容を規定したテーブルである。詳細な説明については図17(c)を参照して後述する。この前兆演出選択テーブル222dは、前兆変動パターン選択処理において、前兆演出を選択する際に参照される(図67のS3403)。
【0304】
ここで、前兆演出とは、特別図柄の保留記憶の中に特別図柄の抽選の結果が小当たりAである保留記憶が連続して変動表示される状態(以下、小当たりA連続実行可能状態と称す)で記憶されている場合に実行される演出であって、その変動表示が実行される際に特別図柄の保留記憶数を所定個数以上(例えば8個)にするよう遊技者に対して報知を行う演出である。
【0305】
連続演出種別選択テーブル222eは、所定条件を満たすと実行される連続演出の種別を規定したテーブルである。詳細な説明については図18(a)を参照して後述するが、この連続演出種別選択テーブル222eでは、連続演出を実行する回数(本実施形態では2回または3回)およびV通過可能変動が実行される順番(今回、次回または次々回)に基づいて連続演出種別が選択される。この連続演出種別選択テーブル222eは、連続演出種別選択処理において、連続演出種別を選択する際に参照される(図69のS3606,S3607,S3610,S3612,S3613)。
【0306】
ここで、連続演出とは、小当たりA連続実行可能状態における最初の小当たりAに対応する変動パターンを選択する際に、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上(7個以上)であった場合に実行される演出であって、連続する小当たりAに対応する変動表示および小当たり遊技中の表示を関連付けた演出として実行するものである。
【0307】
連続演出変動パターン選択テーブル222fは、連続演出中の各変動に対応した変動パターンを規定したテーブルである。詳細な説明については図18(b)を参照して後述する。この連続演出変動パターン選択テーブル222fは、連続演出変動パターン選択処理において、変動パターンを選択する際に参照される(図68のS3505)。
【0308】
連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gは、連続演出中において新たな入賞(追加入賞)が発生した場合に、各変動に対応した変動パターンを規定したテーブルである。詳細な説明については図18(c)を参照して後述する。この連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gは、連続演出変動パターン選択処理において、変動パターンを選択する際に参照される(図68のS3504)。
【0309】
小当たり中演出パターン選択テーブル222hは、小当たり遊技中に実行される演出表示内容を規定したテーブルである。詳細な説明については図19(a)を参照して後述する。この小当たり中演出パターン選択テーブル222hは、小当たり開始演出処理において、小当たり演出パターンを選択する際に参照される(図64のS3101)。
【0310】
前兆演出変動パターン選択テーブル222iは、前兆演出を実行可能な条件が成立している場合に、前兆演出としてのSW演出を実行するか否かを規定したテーブルである。詳細な説明については図19(b)を参照して後述する。この前兆演出変動パターン選択テーブル222iは、前兆変動パターン選択処理において変動パターンを選択する際に参照される(図67のS3401)。
【0311】
次に、図16(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のRAM223について説明をする。図16(b)は、音声ランプ制御装置113のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄1保留球数カウンタ223bと、特別図柄2保留球数カウンタ223cと、普通図柄保留球数カウンタ223dと、変動開始フラグ223eと、停止種別選択フラグ223fと、演出カウンタ223gと、ラウンド数累積カウンタ223hと、Vゲート初回フラグ223iと、Vゲート状態格納エリア223jと、開放タイミング格納エリア223kと、V通過可能変動記憶エリア223mと、特定小当たり連続カウンタ223nと、小当たり連続回数格納エリア223oと、前兆演出カウンタ223pと、継続フラグ223qと、終了情報格納エリア223rと、連続大当たり演出フラグ223sと、Vカウンタ223tと、連続演出中フラグ223uと、連続演出中カウンタ223vと、連続演出種別選択済フラグ223wと、追加入賞フラグ223xと、SW有効時間1カウンタ223yと、SW有効時間2カウンタ223αとが少なくとも設けられている。
【0312】
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、8つのエリア(第1エリア?第8エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報である各カウンタC1?C3およびC5の各値がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1大当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び小当たり種別カウンタC5の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
【0313】
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、8つのエリア(第1エリア?第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1?第8)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
【0314】
特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
【0315】
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
【0316】
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64aへの入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
【0317】
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する(図57のS2410)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
【0318】
特別図柄1保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
【0319】
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203dの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
【0320】
特別図柄2保留球数カウンタ223cは、特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
【0321】
普通図柄保留球数カウンタ223dは、上述した特別図柄1保留球数カウンタ223bに対して普通図柄に対応する保留球数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
【0322】
変動開始フラグ223eは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図57のS2402)、変動表示設定処理において、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフに設定される(図65のS3202)。変動開始フラグ223eがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
【0323】
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理のコマンド出力処理(図56のS2302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
【0324】
停止種別選択フラグ223fは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図57のS2405)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図65のS3208)。停止種別選択フラグ223fがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
【0325】
演出カウンタ223gは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0?198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理が実行される毎に1ずつ更新される(図56のS2312)。
【0326】
ラウンド数累積カウンタ223hは、大当たり遊技中のラウンド数をカウントするカウンタである。主制御装置110から送信されるラウンド数コマンドを受信する毎に1加算され(図60のS2704)、大当たりエンディング演出処理においてカウンタの値が0にリセットされる(図62のS2906)。音声ランプ制御装置113において、このラウンド数累積カウンタ223hに基づいて、表示用ラウンド数コマンドが設定される(図60のS2708)とともに、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値が大当たり遊技の最終ラウンドを示す値になった場合に、表示用最終ラウンドコマンドが設定されることで(図60のS2707)、ラウンド数累積カウンタ223hの値に基づいた演出が第3図柄表示装置81に表示されることとなる。
【0327】
Vゲート初回フラグ223iは、音声ランプ制御装置113側でVゲートの開放タイミングを把握するために用いるフラグであって、立ち上げ処理においてオンに設定され(図55のS2212)、Vゲートコマンド受信処理において、Vゲートシナリオ222cが設定された後にオフに設定される(図58のS2507)。このVゲート初回フラグ223iは、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドに基づくVゲートの動作状態と、後述するVカウンタ223tのカウンタ値更新によるVゲートシナリオ222cのシナリオ内容とを同期させるために電源立ち上げ後のみオンに設定されるものである。
【0328】
このように構成することで、主制御装置110から4ミリ秒ごとに送信されるVゲート状態コマンドのうち、電源立ち上げ後の最初に送信される開放を示すVゲート状態コマンド(図47のS1403)を基準としてVゲートシナリオ222cを設定することが可能となる。また、音声ランプ制御装置113側でVゲートシナリオ222cを設定することで、Vゲートが開放するタイミングを未来的に予測することが可能となる。
【0329】
Vゲート状態格納エリア223jは、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドに基づいてVゲート状態情報(Vゲートが開放状態なのか閉鎖状態なのかを示す情報)を格納するエリアである。このVゲート状態格納エリア223jは、Vゲートコマンド受信処理においてVゲート状態情報を格納し(図58のS2501)、Vゲートシナリオ222cの内容と合致しているかを判別する際に参照される(図58のS2504)。
【0330】
開放タイミング格納エリア223kは、設定されたVゲートシナリオ222cに基づいて算出したVゲートが開放されるVゲート開放タイミングを格納するエリアである。この開放タイミング格納エリア223kは、Vゲートコマンド受信処理においてVゲート開放タイミングを格納し(図58のS2508)、V通過可能変動判定処理において、V通過可能な変動を判定する際に参照される(図70のS3704)。
【0331】
V通過可能変動記憶エリア223mは、V通過可能変動判定処理においてV通過可能と判定された変動を記憶するエリアである。このV通過可能変動記憶エリア223mは、V通過可能変動判定処理において、V通過可能と判定された変動が今回の変動なのか、次回の変動なのか、或いは次々回の変動なのかを記憶し(図70のS3706,S3708,S3709)、その記憶された情報は連続演出種別選択処理において参照され(図69のS3605,S3609,S3611)、小当たり開始演出処理において、後述する連続演出中カウンタ223vの値が0の場合にクリアされる(図64のS3109)。
【0332】
特定小当たり連続カウンタ223nは、主制御装置110から特別図柄の抽選の結果が小当たりAであることを示す入賞情報を含む入賞コマンドを受信した連続回数をカウントするカウンタである。この特定小当たり連続カウンタ223nは、入賞コマンド受信処理において小当たりAであることを示す入賞情報を含む入賞コマンドを受信したと判別された場合に1加算され(図59のS2610)、入賞コマンド受信処理において小当たりA以外を示す入賞情報を含む入賞コマンドを受信したと判別された場合に参照され(図59のS2605)、その後0にリセットされる(図59の2608)。
【0333】
本パチンコ機10では、特定小当たり連続カウンタ223nの値が2以上になった場合、つまり、小当たりAが連続して実行されるように入賞コマンドを受信した場合を、小当たりA連続実行可能状態としている。
【0334】
小当たり連続回数格納エリア223oは、入賞コマンド受信処理において小当たりA以外を示す入賞情報を含む入賞コマンドを受信したと判別された場合に、上述した特定小当たり連続カウンタ223nの値が所定数(本実施形態では2)以上であった場合に、特定小当たり連続カウンタ223nの値を一時的に格納するエリアである。この小当たり連続回数格納エリア223oに一時的に格納された値は、連続演出種別選択処理において連続演出中カウンタ223vに設定され(図69のS3601)、その後、格納された値がクリアされる(図69のS3602)。
【0335】
この小当たり連続回数格納エリア223oは、主制御装置110から受信した入賞コマンドに基づいて加算される特定小当たり連続カウンタ223nの値を、その入賞コマンドに基づく変動パターンを選択するタイミングまで格納するための格納エリアである。
【0336】
前兆演出カウンタ223pは、小当たりA連続実行可能状態となった際に、現在の保留球数が設定されるカウンタである。この前兆演出カウンタ223pは、入賞コマンド受信処理において、特定小当たり連続カウンタ223nの値が2であると判別された場合に、現在の保留球数がセットされ(図59のS2612)、前兆変動パターン選択処理において減算される(図67のS3405)。
【0337】
そして、変動パターン選択処理において参照され(図66のS3302)、小当たり開始演出処理において、連続演出中カウンタ223vの値が0と判別された場合に、0にリセットされる(図64のS3108)。この前兆演出カウンタ223pの値が所定値(本実施形態では2)より大きい場合が、前兆演出が実行可能な状態となる。
【0338】
継続フラグ223qは、大当たり遊技中に実行される連続大当たり演出を実行するためにオンに設定されるフラグである。この継続フラグ223qは、V通過可能変動処理においてV通過可能変動と判定された変動が、連続演出が設定されている最終変動ではない場合、つまり、V通過可能変動での小当たり遊技の結果、大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に開始される1回目の特別図柄の変動が小当たりAに当選している変動となる場合にオンに設定され(図69のS3608)、大当たり開始演出処理において、連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定された後にオフに設定される(図61のS2811)。
【0339】
この継続フラグ223qがオンに設定されることにより、大当たり遊技の最終ラウンドにて連続大当たり演出が実行される。
【0340】
終了情報格納エリア223rは、大当たり終了後1回転目の変動の結果が小当たりAの場合に、その小当たり遊技における扉650fの開放タイミングと、Vゲート開放タイミング格納エリア223kに格納されているVゲート開放タイミングとに基づいて、大当たり終了後1回転目の小当たり遊技がV通過可能な小当たり遊技となる大当たり終了タイミング(大当たり遊技における最終ラウンドの終了タイミング)を格納する格納エリアである。
【0341】
この終了情報格納エリア223rは、大当たり開始演出処理において、継続フラグ223qがオンに設定されていると判別された場合に算出される大当たり終了タイミングが格納され(図61のS2809)、大当たり終了演出処理において参照され(図62のS2903)、その後クリアされる(図62のS2907)。
【0342】
本実施形態においては、大当たり遊技における最終ラウンドの終了タイミングが、終了情報格納エリア223rに格納された終了タイミングと合致するかを判別し、合致しない場合は表示用大当たり失敗エンディングコマンドを、合致する場合は表示用大当たり成功エンディングコマンドを設定する。
【0343】
連続大当たり演出フラグ223sは、大当たり遊技における最終ラウンドの演出を連続大当たり演出とするためにオンに設定されるフラグである。この連続大当たり演出フラグ223sは、大当たり開始演出処理において終了情報格納エリア223rに最終ラウンド終了タイミングが格納された後にオンに設定され(図61のS2810)、大当たり終了演出処理において参照され(図62のS2901)、最終ラウンドの終了タイミングに基づく表示用エンディングコマンドが設定された後にオフに設定される(図62のS2905)。
【0344】
Vカウンタ223tは、Vゲートシナリオ222cを更新するためのカウンタである。このVカウンタ223tは、Vカウンタ更新処理において、Vカウンタ223tの値が5000ではない場合(5000より小さい場合)に1加算され(図72のS3903)、Vカウンタ223tの値が5000である場合に、Vカウンタ223tの値を1に設定する(図72のS3904)。
【0345】
このVカウンタ223tは、5000までカウントが更新されると、その値が1に設定されるよう構成されている。これは、Vゲートシナリオ222cにて規定されているシナリオに基づく制御内容が5秒の制御を繰り返し実行する内容であることから、Vカウンタ223tの値も同様に5秒分(カウンタ値5000)のカウントの後、再度1に設定されるよう構成した。このように構成することにより、Vカウンタ223tの値を記憶する領域を減少させることができる。
【0346】
連続演出中フラグ223uは、連続演出中にオンに設定されるフラグである。この連続演出中フラグ223uは、前兆変動パターン選択処理において、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2であり且つ保留球数が6より大きい場合にオンに設定され(図67のS3408)、小当たり開始演出処理において演出パターンを選択する際に参照され(図64のS3101)、後述する連続演出中カウンタ223vが0になるとオフに設定される(図64のS3106)。
【0347】
ここで、連続演出とは、小当たりA連続実行可能状態となった保留記憶のうち最初の保留記憶に対応する変動パターンを選択する際に、保留記憶数が所定個数より多い(本実施形態では6個より多い)場合に実行される演出であり、複数の変動表示演出および小当たり遊技中の演出を関連付けて連続的に実行する演出である。なお、詳細な内容については、図27?図30を参照して後述する。
【0348】
連続演出中カウンタ223vは、連続演出の実行回数(残り回数)をカウントするカウンタである。この連続演出中カウンタ223vは、連続演出種別選択処理において、小当たり連続回数格納エリア223oに格納されている値が設定され(図69のS3601)、小当たり開始演出処理において1減算される(図64のS3104)。また、連続演出変動パターン選択処理において変動パターンを選択する際に参照される(図68のS3504,S3505)。なお、小当たり開始演出処理における減算は、カウンタ値が0になるまで実行される。
【0349】
この連続演出中カウンタ223vの値を基に、今回変動パターンを選択する変動が連続演出の何回目かを識別することで、連続演出変動パターン選択テーブル222fや連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gにおいて、適切な変動パターンが選択される。
【0350】
連続演出種別選択済フラグ223wは、連続演出種別の再設定が行われないようにするためにオンに設定するフラグである。この連続演出種別選択済フラグ223wは、連続演出種別選択処理において連続演出種別が選択されるとオンに設定され(図69のS3614)、連続演出変動パターン選択処理において参照され(図68のS3501)、小当たり開始演出処理において、連続演出中カウンタ223vの値が0と判別された場合にオフに設定される(図64のS3110)。
【0351】
追加入賞フラグ223xは、連続演出が実行されている間に新たな入賞(追加入賞)が発生した場合にオンに設定されるフラグである。この追加入賞フラグ223xは、入賞コマンド受信処理において連続演出中フラグ223uがオンに設定されている場合に、オンに設定され(図59のS2603)、連続演出変動パターン選択処理において参照される(図68のS3503)。そして、小当たり開始演出処理において連続演出中カウンタ223vの値が0であるとオフに設定される(図64の3107)。
【0352】
この追加入賞フラグ223xは、連続演出実行中に追加入賞が発生することで、連続演出が開始される変動パターン選択時に実行される次変動または次々変動の変動パターン(変動時間)を想定する処理に用いた保留球数と、実際に実行される変動パターン(変動時間)を選択する際に用いられる保留球数とが相違し、事前に想定した変動パターンと異なる変動パターンが選択されることを示すものである。
【0353】
よって、連続演出実行中に追加入賞が発生し、追加入賞フラグ223xがオンに設定された場合は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンを連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gから選択することとなる。
【0354】
SW有効時間1カウンタ223yは、SW演出中において枠ボタン22(枠左ボタン22aまたは枠右ボタン22b)の操作を有効にする時間をカウントするカウンタである。このSW有効時間1カウンタ223yは、連続演出中に実行されるSW演出(図28?図29参照)の有効時間をカウントするものであり、連続演出変動パターン選択処理において所定時間が設定され(図68の3506)、枠ボタン入力監視・演出処理にて減算され(図71のS3802)、枠ボタン22が操作された場合にカウンタの値が0にリセットされる(図71のS3805)。
【0355】
SW有効時間2カウンタ223αは、SW演出中において枠ボタン22(枠左ボタン22aまたは枠右ボタン22b)の操作を有効にする時間をカウントするカウンタである。このSW有効時間2カウンタ223αは、前兆演出にて実行されるSW演出(図26参照)の有効時間をカウントするものであり、前兆変動パターン選択処理においてSW演出を有する変動パターンが選択された場合に、5000の値(5秒相当)が設定され、枠ボタン入力監視・演出処理にて減算される(図71のS3807)。そして、枠ボタン22の操作が為された場合にカウンタの値が0にリセットされる(図71のS3810)。
【0356】
このように、各SW演出において予めSW有効時間を設定しておくことにより、例えば、第3図柄表示装置81にて枠ボタン22を操作することを案内する表示が実行されている間のみ枠ボタン22の操作を有効にすることができるため、遊技者が意図せずに枠ボタン22を操作してしまい、その結果、第3図柄表示装置81にて表示される演出が枠ボタン22の操作に基づいて切替わるといった事態を無くすことができ、遊技機におけるSW演出の質を高めることができる。
【0357】
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【0358】
次に、図17?図19を参照して、本実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222が有する各種テーブル等について説明をする。まず、図17(a)を参照して、遊技仕様記憶エリア222bについて説明をする。図17(a)は遊技仕様記憶エリア222bの内容を模式的に示した模式図である。この遊技仕様記憶エリア222bには、主制御装置110にて設定されている各種遊技仕様(遊技情報)が記憶されており、音声ランプ制御装置113で用いる情報として少なくとも小当たりシナリオ情報および変動パターン情報が記憶されている。小当たりシナリオ情報は、各小当たりシナリオの時間、小当たりAおよび小当たりB?Cにおける第2可変入賞装置650の扉650fの開放タイミングおよび開放期間がそれぞれ情報として記憶されており、変動パターン情報として、変動パターン選択テーブル202eで選択される各変動パターンとその変動時間が情報として記憶されている。また、特殊変動A?Cが選択される場合の選択条件や大当たりシナリオに基づく情報も記憶されている(図示せず)。
【0359】
このように音声ランプ制御装置113側に、主制御装置110のROM202に記憶されている各種遊技仕様を記憶させることで、主制御装置110から受信する入賞コマンドおよび保留球数コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113側で未来的な遊技タイミングを想定することが可能となる。例えば、入賞コマンド受信処理により、特別図柄の抽選結果が小当たりとなる入賞情報を含む入賞コマンドを連続して受信し、そのうちの最初の入賞情報に基づく変動パターン選択時に、保留球数が7個であると、その最初の入賞情報に基づく変動パターンは主制御装置110から受信した変動パターンコマンドによって、特殊変動C(変動時間4秒)に対応した変動パターンが選択される。そして、次回変動が開始されるまでに、新たな入賞(追加入賞)に基づく入賞コマンドが来なければ、次回変動は、抽選結果が小当たりAであり、且つ変動パターン選択時の保留球数が6個となるため、特殊変動B(変動時間5.5秒)に対応した変動パターンが主制御装置110から送信されることが想定可能となる。
【0360】
また、遊技仕様記憶エリア222bには小当たり遊技中に第2可変入賞装置650の扉650fが開放するタイミングおよび開放期間を示す情報も記憶されているため、今回の変動は、特殊変動B(変動時間4秒)経過後に小当たりAの小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技が開始されてから2.5?4秒の間、扉650fが開放することを把握することが可能となる。
【0361】
さらに、次回変動は特殊変動Bが実行されると想定しているため、今回の変動による小当たりA遊技によって大当たり遊技が実行されない場合であれば、今回の小当たり遊技終了後に、次回変動として特殊変動B(変動時間5.5秒)が実行され、その後小当たりAの小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技が開始されてから2.5?4秒の間、扉650fが開放することを把握することが可能となる。
【0362】
つまり、今回の変動パターンを選択する段階で、今回の変動が開始されてから、6.5秒?8秒後および16秒?18.5秒後に第2可変入賞装置650の扉650fが開放されることを想定することができる。
【0363】
また、上述した開放タイミング格納エリア223kに格納されているVゲートの開放タイミング情報と比較することにより、今回の変動に基づく扉650fの開放タイミングと、次回の変動に基づく扉650fの開放タイミングが、V通過可能となる開放タイミングになるかを判別することも可能となり、その判別結果に基づいた事前演出を第3図柄表示装置にて表示することも可能となる。よって、入賞コマンドのみに基づく事前報知よりも多様な事前演出を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0364】
なお、本実施形態の遊技仕様記憶エリア222bは、音声ランプ制御装置113の制御にて参照する遊技仕様のみを記憶することで、記憶容量を削減しているが、主制御装置110のROM202に記憶されている全ての情報を遊技仕様記憶エリア222bに記憶させてもよい。このようにすることで、音声ランプ制御装置113用に別途データを作成する作業を削減することができる。
【0365】
次いで、図17(b)を参照してVゲートシナリオ222cについて説明する。図17(b)はVゲートシナリオ222cの内容を模式的に示した模式図である。このVゲートシナリオ222cは、1ミリ秒毎に更新される音声ランプ制御装置113のメイン処理にて実行されるVカウンタ更新処理(図53参照)が実行されるたびに1加算されるVカウンタ223tのカウンタ値によって更新されるシナリオであり、Vカウンタ223tのカウント値1?5000に対応するシナリオが設定されている。
【0366】
Vゲートシナリオ222cのシナリオ内容は、Vカウンタ223tのカウンタ値が1?1500になるまで(1.5秒間)、Vゲート650dが開放している状態を表しており、カウンタ値が1501?5000になるまで(3.5秒間)、Vゲート650dが閉鎖している状態を表している。
【0367】
そして、カウンタ値が5000になると、再度1に設定されカウンタ値が更新される処理が行われる(図72のS3904)。このVゲートシナリオ222cを音声ランプ制御装置113が有することにより、音声ランプ制御装置113側でVゲート650dの状態(開放しているか閉鎖しているか)を把握できるとともに、今後の開放タイミングを想定することが可能となる。
【0368】
また、主制御装置110から受信するVゲート状態コマンドとVゲートシナリオ222cの更新状況とを比較することが可能となるため、Vゲート650dの動作制御に不具合が生じたことを早期に発見することが可能となる。なお、Vゲート650dの実際の動作状況を、センサ等を用いて検出し、実際の動作状況とVゲートシナリオ222cの更新状況とを比較する構成にしてもよい。このように構成することで、不正な信号をV開放ソレノイド650d2に出力し、Vゲート650dを不正に動作させるといった不正行為を早期に発見することができるという効果がある。
【0369】
つぎに、図17(c)を参照して前兆演出選択テーブル222dについて説明する。図17(c)は、前兆演出選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。この前兆選択テーブル222dは、前兆演出カウンタ223pが3以上の場合に保留球数(保留個数)および演出カウンタ223gの値に基づいて実行される前兆演出の演出内容を規定したテーブルであり、前兆変動パターン選択処理において、前兆演出を選択する際に参照される(図67のS3403)。
【0370】
具体的には、前兆演出カウンタ223pの値が3?4の場合、つまり、連続演出の対象となる保留記憶に基づく変動が実行される順番が近い場合と、前兆演出カウンタ223pの値が5?8の場合、つまり、連続演出の対象となる保留記憶に基づく変動が実行される順番が遠い場合とで、前兆演出にて選択される内容が変わる。たとえば、前兆演出カウンタ223pの値が3?4の場合で保留個数が7の場合は、連続演出の対象となる保留記憶に基づく変動が実行されるタイミングにおいて、特別図柄の保留個数が所定数以上である可能性が高いことから、遊技者に期待を持たせる演出(例えば、大チャンス!)が選択される。
【0371】
一方で、前兆演出カウンタ223pの値が5?8の場合で保留個数が0?3の場合は、連続演出の対象となる保留記憶に基づく変動が実行されるまでに時間があるため、保留球個数を増加させることを示唆する演出(例えば、全力発射!)が選択される。
【0372】
本実施形態では、小当たりAに連続して当選し、且つその変動が実行される場合に保留個数が所定数以上(7個以上)であることが、連続演出を実行させるための条件として設定されており、上述した前兆演出は、小当たりAに当選した保留記憶が連続で記憶されている状況で、その保留記憶に基づく変動表示が実行されるまでに、保留個数を所定個数以上(7個以上)にさせるための示唆を行う演出である。
【0373】
このように構成することにより、遊技者に対して保留個数を所定数以上まで記憶させるよう促すことが可能となり、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【0374】
なお、本実施形態では、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値と保留個数に基づいて前兆演出の表示態様が変更するよう構成しているが、これ以外にも例えば、変動パターン(変動時間)に基づいて前兆演出の表示態様を変更させてもよい、例えば、変動時間が長い場合は、複数の保留記憶を獲得するチャンスであることから、その旨を示す内容を表示するとよい。このようにすることで、遊技者が、変動時間が長い変動が実行されている間に遊技球の打ち出しを止めてしまう事態を防ぐことが可能となる。
【0375】
また、本実施形態では、小当たりAに当選した保留記憶が連続で記憶されている状態でのみ前兆演出を実行可能としているが、小当たりAに当選した保留記憶が連続して記憶されていない場合であっても、前兆演出を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、小当たりAに当選した保留記憶が連続して記憶されていない場合においても、前兆演出による演出表示を見た遊技者が保留個数を上限値まで記憶させようとするため、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【0376】
次に、図18(a)を参照して、連続演出種別選択テーブル222eについて説明をする。図18(a)は連続演出種別選択テーブル222eの内容を模式的に示した模式図である。この連続演出種別選択テーブル222eは、連続演出中カウンタ223vの値(本実施形態では2又は3)とV通過可能判定処理にてV通過可能と判定された変動の順番(本実施形態では、今回、次回、又は次々回)とに基づいて連続演出の種別を選択するものである。
【0377】
具体的には、連続演出中カウンタ223vの値が2の場合は2連続演出(2変動に跨って実行される連続演出)が実行される連続演出種別が選択され、連続演出中カウンタ223vの値が3の場合は3連続演出(3変動に跨って実行される連続演出)が実行される連続演出種別が選択される。
【0378】
さらに、V通過可能な変動の順番が今回の場合は、それぞれ2連続演出Aまたは3連続演出Aの種別が、次回の場合は2連続演出Bまたは3連続演出Bの種別が、次々回の場合は3連続演出Cの種別が選択される。なお、連続演出中カウンタ223vの値が2の場合は、連続演出の対象が2変動であるため、3変動目(次々回)が選択されることが無い。
【0379】
なお、本実施形態では、連続演出中カウンタ223vの値の上限を3に設定しているが、これに限ることなく、例えば連続演出中カウンタ223vの値の上限を、記憶可能な保留球数の上限(本実施形態では8)までの範囲で設定してもよい。このようにすることで、連続演出が実行される期間を長くすることが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【0380】
図18(b)は、連続演出変動パターン選択テーブル222fの内容を模式的に示した模式図である。この連続演出変動パターン選択テーブル222fは、連続演出変動パターン選択処理にて参照されるものであり(図68のS3505)、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドと、連続演出種別選択処理にて選択された連続演出種別(図69のS3606、S3607,S3610,S3612)および連続演出種別選択処理にて連続演出中カウンタ223vのカウンタ値に設定された値(図69のS3601)に基づいて変動パターンが選択される。
【0381】
ここで選択される変動パターンの演出表示態様としては、次回以降の変動においてV通過可能な小当たりが実行されることを示す演出であるチャンス演出(図28の(b),(c)参照)、今回の変動がV通過可能な小当たりが実行されることを示す演出である超チャンス演出(図29の(a),(b)参照)、V通過可能な小当たりが実行された後の変動にて実行される演出であるドキドキ演出(図29の(c)参照)の3種類がある。
【0382】
また、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値に基づいて、各チャンス演出に対応した異なる変動時間が設定される変動パターンが選択される。具体的には、連続演出種別として2連続演出Aが選択された状態において、連続演出中カウンタ223vの値が2である場合は、変動時間が4秒の超チャンス演出Aが変動パターンとして選択される。
【0383】
これは、連続演出種別として2連続演出Aが選択され、連続演出中カウンタ223vの値が2である場合とは、特別図柄の抽選結果が小当たりAであって、且つ保留球数が7個の状態である場合の変動パターンの設定となるため、特殊変動C(変動時間4秒)に対応する変動パターンが設定されるからである。
【0384】
なお、上述したドキドキ演出とは、V通過可能な小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されなかった場合、つまり、V通過可能な小当たり遊技において第2可変入賞装置650に球を入賞させることが出来ず、小当たり遊技中に球が特定領域を通過しなかった場合において、そのV通過可能な小当たり遊技が終了した後に実行される特別図柄の変動に対応した演出である。このドキドキ演出は、対応する特別図柄の変動に基づく小当たり遊技がV通過可能か否かの期待度を示唆しない演出が実行される。
【0385】
なお、連続演出中に新たな入賞(追加入賞)が発生した場合は、実際に主制御装置110から受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン(変動時間)と、V通過可能変動判定処理にて想定した変動パターン(変動時間)とが相違してしまい、V通過可能か否かの判定結果も正しい判定結果とならない可能性がある。したがって、追加入賞が発生した場合は、専用の変動パターン選択テーブル(連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222g)を用いて変動パターンが選択されるよう構成している。
【0386】
次に、図18(c)を参照して、追加入賞が発生した場合における変動パターン選択について説明をする。図18(c)は、連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gの内容を模式的に示す模式図である。この連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gは、追加入賞が発生した場合に参照されるテーブルであり、主制御装置110から受信した変動パターン(変動時間)に基づいてドキドキ演出が実行されるよう構成されている。このように構成することで、追加入賞が発生し、主制御装置110にて選択された変動パターンと、音声ランプ制御装置113にて想定した変動パターンとが相違したとしても、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドの内容に対応した演出を第3図柄表示装置81にて実行することが可能となる。
【0387】
上述したように、本実施形態においては、追加入賞が発生した時点で連続演出の演出内容を変更するように構成したが、追加入賞が発生した時点で再度V通過可能変動判定処理を実行し、その判定結果に基づいて連続演出の演出内容を補正する処理を行ってもよい。このように構成することで、小当たり遊技を経由して大当たり遊技が実行可能となる場合に、連続演出を実行しやすくなり、遊技者が期待する演出を提供することができるという効果がある。
【0388】
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が小当たりAであり、且つ保留球数が5?6の場合に選択される変動パターン(特殊変動B)と、特別図柄の抽選結果が小当たりAであり、且つ保留球数が7の場合に選択される変動パターン(特殊変動C)とを異ならせているが、同一の変動パターンが選択されるよう構成し、追加入賞が発生したとしてもV通過可能変動判定処理の判定結果に影響を与えないようにしてもよい。例えば、保留球数が7の場合も特殊変動Bが選択されるように設定すればよい。
【0389】
このように構成することで、連続演出中に追加入賞が発生したとしても、予め算出したV通過可能変動判定処理の判定結果と、実際に行われる遊技の結果とが相違することが無くなるため、適正な演出を提供することができるという効果がある。
【0390】
次に、図19(a)を参照して、小当たり中演出パターン選択テーブル222hについて説明をする。図19(a)は、小当たり中演出パターン選択テーブル222hの内容を模式的に示した模式図である。ここで、小当たり中演出パターン選択テーブル222hとは、小当たり遊技中に第3図柄表示装置81にて表示される演出内容を選択するテーブルであり、小当たりAによる小当たり遊技において、追加入賞フラグ223xまたは連続演出中フラグ223uの有無や、今回の小当たり遊技がV通過可能(V可能)な小当たりか否かに応じて小当たり遊技中の演出パターン(小当たり演出パターン)を選択するよう規定されている。
【0391】
つぎに、図19(b)を参照して、前兆演出変動パターン選択テーブル222iについて説明をする。図19(b)は、前兆演出変動パターン選択テーブル222iの内容を模式的に示した模式図である。この前兆演出変動パターン選択テーブル222iとは、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2よりも大きいと判別された場合に参照されるテーブルであって、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドおよび演出カウンタ223gの値に基づいて、SW演出(前兆演出)を行う変動パターンまたはSW演出を行わない変動パターンが選択される。
【0392】
主制御装置110から受信した変動パターン種別が所定時間(5000ミリ秒)以下の場合は、その変動中にSW演出を実行することができない(困難)であるため、演出カウンタ223gの値に基づいてSW演出の有無が選択される変動パターンは、変動時間が所定時間(5000ミリ秒)よりも長い変動パターンに限り予め規定されている。
【0393】
次に、図20?図24を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
【0394】
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
【0395】
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
【0396】
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
【0397】
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
【0398】
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
【0399】
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0400】
一方で、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリ234aは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
【0401】
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0402】
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
【0403】
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
【0404】
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
【0405】
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
【0406】
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【0407】
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
【0408】
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
【0409】
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
【0410】
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
【0411】
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
【0412】
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理を、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
【0413】
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
【0414】
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
【0415】
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
【0416】
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
【0417】
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
【0418】
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
【0419】
これに対し、NOR型ROM234dは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【0420】
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
【0421】
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
【0422】
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
【0423】
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
【0424】
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
【0425】
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
【0426】
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図73のS4001)の終了後に実行される初期化処理(図73のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
【0427】
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
【0428】
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0429】
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
【0430】
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図24参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
【0431】
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図75(b))を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
【0432】
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【0433】
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
【0434】
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
【0435】
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
【0436】
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0437】
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【0438】
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【0439】
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
【0440】
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
【0441】
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
【0442】
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
【0443】
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
【0444】
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
【0445】
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
【0446】
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64aへの入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
【0447】
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図73のS4003,S4004参照)。
【0448】
電源投入時変動画像について説明する。表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる(第3図柄表示装置81に「○」と「×」の表示)。
【0449】
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は、画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
【0450】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
【0451】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【0452】
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64aに入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【0453】
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64aに入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
【0454】
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図21を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図21は、2種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図21(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図21(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
【0455】
各背面A,Bに対応する背面画像は、図21に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
【0456】
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
【0457】
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a?位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
【0458】
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図21(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
【0459】
一方、空ステージに対応する背面Bは、図21(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。
【0460】
ここで、ステージを変更するために遊技者によって行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
【0461】
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
【0462】
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0463】
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図20参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
【0464】
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
【0465】
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a?位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
【0466】
図20に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入賞口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
【0467】
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
【0468】
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
【0469】
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
【0470】
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
【0471】
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
【0472】
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
【0473】
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
【0474】
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
【0475】
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
【0476】
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
【0477】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0478】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0479】
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
【0480】
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0481】
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
【0482】
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【0483】
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
【0484】
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。尚、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
【0485】
エンディング演出において普通図柄の時短期間を報知することによって、遊技者は、普通図柄の時短期間を容易に認識することができる。この普通図柄の時短期間が長ければ長い程、球が第2入球口B640bを通過する機会が多くなるので、普通図柄の抽選が行われる機会が多くなり、普通図柄の当たりになる機会も多くなる。よって、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放される機会も多くなるので、球が第2入球口B640bへ入球し易くなり、特別図柄の抽選が行われ易くなる。従って、表示される普通図柄の時短期間が長いほど、特別図柄の大当たりになるという期待感を強く、遊技者に対して持たせることができるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。故に、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0486】
また、第1入球口64aは、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口であるので、普通図柄の大当たりとなって電動役物が開放され、球が第2入賞口640へ入り易くなると賞球が多くなる。これにより、パチンコ機10は、遊技を行っても、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態になるので、遊技者は、持ち玉が減りにくい状態、又は、持ち玉が減らない状態で特別図柄の大当たりを得られるという期待感を得ることができる。従って、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0487】
また、エンディング演出において、保留されている特別図柄の抽選のうち何れかの抽選結果が特別図柄の大当たりになることを報知することによって、遊技者は、保留されている特別図柄の抽選において特別図柄の大当たりになることを認識できるので、確実に特別図柄の大当たりになるという期待感を、遊技者に対して持たせることができる。よって、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができるので、遊技者に遊技への参加意欲を継続して持たせることができる。
【0488】
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
【0489】
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
【0490】
ここで、図22を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図22は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
【0491】
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
【0492】
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
【0493】
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
【0494】
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
【0495】
ここで、背面画像は、表示位置が第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A?Cのいずれかを表示させるか、背面A?Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A?Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
【0496】
MPU231は、この背面種別によって、背面A?Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A?Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A?Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
【0497】
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
【0498】
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
【0499】
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
【0500】
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【0501】
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
【0502】
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
【0503】
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
【0504】
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図22の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
【0505】
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図24)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
【0506】
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
【0507】
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
【0508】
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファ233dを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファ233dを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
【0509】
次いで、図58を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図58は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
【0510】
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
【0511】
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図23のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
【0512】
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される。
【0513】
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
【0514】
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図23の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
【0515】
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図24)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0516】
例えば、図23の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
【0517】
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
【0518】
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
【0519】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0520】
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0521】
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【0522】
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【0523】
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図73参照)の中でオンに設定される(図73のS4005)。そして、転送設定処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図88(b)のS6405)。
【0524】
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図75(b)のS4301)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS4309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図76?図85)および表示設定処理(図86)が実行される。
【0525】
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図88(a)のS6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図88(b))を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図89)を実行する。
【0526】
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
【0527】
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
【0528】
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
【0529】
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図24)に、その転送データ情報を追加する。
【0530】
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【0531】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0532】
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図86のS4303)の中で、ポインタ更新処理(図86のS6005)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
【0533】
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図24参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
【0534】
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
【0535】
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【0536】
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
【0537】
ここで、図24を参照して、描画リストの詳細について説明する。図24は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図24に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
【0538】
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
【0539】
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
【0540】
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【0541】
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
【0542】
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
【0543】
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
【0544】
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
【0545】
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
【0546】
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図86のS6007)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
【0547】
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
【0548】
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図73のS1902)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
【0549】
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図89)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
【0550】
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図89のS6513)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図89のS6514)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【0551】
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図90のS6602)。
【0552】
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
【0553】
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b))の描画処理が実行される度に、行われる(図90のS6603)。
【0554】
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【0555】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【0556】
次に、図25を参照して、球が入球口(第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640b)を通過してから大当たり遊技が実行されるまでの遊技の流れについて説明をする。図25(a)は、小当たり遊技を経由して大当たり遊技が実行される流れを示したタイミングチャートである。図25(a)では、特別図柄の抽選結果が小当たり種別Aとなり、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるパターンを示している。
【0557】
まず、入球口(第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640b)に球が入球することに基づいて、主制御装置110にて特別図柄の変動(特図変動)が実行されるとともに、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114によって第3図柄表示装置81上で特別図柄の変動に対応する特図変動演出が実行される(例えば、変動時間10秒)。
【0558】
また、第2可変入賞装置650内に設けられるVゲート650dを開放状態または閉鎖状態へと動作させるVゲートソレノイド(V開放ソレノイド)650d2は、電源投入後から常時一定のタイミングでオンとオフが繰り返されるよう主制御装置110によって制御されている。ここで、Vゲートソレノイド(V開放ソレノイド)650d2は、オンに設定されることでVゲートを誘導位置(V排出流路650e3を球が通過可能となるようにVゲート650dを開放した位置)に位置させ、オフに設定されることでVゲートを規制位置(V排出流路650e3を球が通過することを困難とするようにVゲート650dを閉鎖した位置)に位置さるよう構成されている。
【0559】
このVゲートソレノイド(V開放ソレノイド)650d2はパチンコ機10に電源が投入されてから、期間t5(1.5秒)の間Vゲート650dを誘導位置に位置させ、その後期間t6(3.5秒)の間Vゲート650dを規制位置に位置させる動作、つまり、Vゲート650dを誘導位置または規制位置の何れか一方に位置させてから、次にその一方に位置させるまで期間を一回の動作周期とし、その動作周期が繰り返し実行されるよう制御されている。
【0560】
上述した特図変動の結果、小当たりAを示す図柄(識別情報)が停止するとその後小当たりA遊技が実行されるとともに表示制御装置114によって第3図柄表示装置81に小当たりAの演出が表示される。小当たり遊技中に実行される各種装置の制御内容は主制御装置110のMPU201のROM202に格納されている小当たりシナリオテーブル202gを参照して選択された小当たりシナリオに基づいて決定されており、小当たりAに対応する小当たりシナリオaでは小当たり遊技が実行されると、球止ソレノイド650c2が期間t4(4.5秒)の間オンに設定される。そして、小当たり遊技開始から期間t1(2.5秒)経過すると、第2可変入賞装置650の扉650fを開放させる扉ソレノイド(開放ソレノイド)650f2を期間t2(1.5秒)の間オンに設定する。
【0561】
このタイミングにおいて、第2可変入賞装置650は球を入賞可能な状態になっており、最初に入賞した球は流路切替部材650bを押し下げ、ストッパ650cによって滞留する。そして、後続の入賞球は、初期位置に復帰した流路切替部材650bの上面を転動し、第1流路650e1を流下して通常排出流路650e4を通過していく(図4参照)。
【0562】
期間t2(扉ソレノイド(開放ソレノイド)650f2がオンに設定される期間)が経過すると、期間t3(2秒)の間、扉ソレノイド(開放ソレノイド)650f2をオフに設定し、第2可変入賞装置650に球が入賞不可能(困難)な状態にする。また、期間t4が経過したタイミング、つまり期間t2が終了してから0.5秒経過したタイミングにて、球止ソレノイド650c2がオフに設定され、ストッパ650cを球止位置から球止解除位置(解除位置)へと移動させる。
【0563】
なお、扉ソレノイド650f2をオフに設定してから、球止ソレノイド650c2をオフに設定するまでに設けられる時間(0.5秒)は、第2可変入賞装置650内に滞在している球を第2可変入賞装置650外へ排出させるための猶予期間として設定しているものである。
【0564】
ストッパ650cが解除位置に移動することで、球止位置にて滞留していた球(最初に入球した球)がVゲート650dに向けて流下し、その流下タイミングが、Vゲート650dが誘導状態(誘導位置)のタイミングであれば球はV排出流路650e3内に設けられた通過検出スイッチ(特定領域)650e5(図25ではV検出SWと記載)を通過し、一方、Vゲート650dが規制状態(規制位置)のタイミングであれば、Vゲート650d上面を転動し第2流路を流下し、通常排出流路650e4を通過する(図4参照)。
【0565】
そしてV排出流路650e3内の通過検出スイッチ(特定領域)650e5が球を検出することにより(球が特定領域を通過することにより)、その小当たり遊技終了後に主制御装置110にて大当たり遊技が実行され、大当たり遊技が開始されてから所定期間経過後に第1可変入賞装置65の特定扉65fが開放状態なるとともに、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81にて大当たりの演出が表示される。
【0566】
上述したように、小当たり遊技中に各種装置(扉650fと、ストッパ650c)を所定のタイミングで動作させることにより、所定のタイミングで球を1個だけVゲートに向けて流下させることが可能となり、適正な遊技を確実に実行することができる。また、各種装置の動作制御を1つの小当たりシナリオに基づいて実行しているため、装置毎に独立して動作制御を行うよりも、装置間での動作制御タイミングに誤差が生じる虞が低くなり、より確実に適正な遊技を実行することができる。
【0567】
また、上述した構成を用いることで、小当たり遊技が開始されてから球がVゲート650d上を流下するタイミングを一定(本実施形態では小当たり遊技が開始してから約5秒)にしているが、Vゲート650dは遊技状態に関わらず常時一定の周期で動作制御されているため、小当たり遊技で第2可変入賞装置650に入賞した球が特定領域を通過するか否かをランダムにすることができる。
【0568】
また、Vゲート650dの動作タイミングを音声ランプ制御装置113にて把握可能に構成することで、今回の小当たり遊技がV通過可能な小当たり遊技かを判別することが可能となる。
【0569】
図25(b)は、特別図柄の抽選に基づいて大当たり遊技が実行される流れを示したタイミングチャートである。まず、入球口(第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640b)に球が入球することに基づいて、主制御装置110にて特別図柄の変動(特図変動)が実行されるとともに、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114によって第3図柄表示装置81上で特別図柄の変動に対応する特図変動演出が実行される。
【0570】
そして、特図変動が終了し、大当たりを示す特別図柄が停止表示されると、主制御装置110にて大当たり遊技が実行され、大当たり遊技が開始されてから所定期間経過後に第1可変入賞装置65の特定扉65fが開放状態になるとともに、表示制御装置114によって第3図柄表示装置81にて大当たりの演出が表示される。
【0571】
なお、図25(a)で示す特図変動の開始から大当たり遊技が実行されるまでの時間と、図25(b)で示す特図変動の開始から大当たり遊技が実行されるまでの時間とが同一となるようにそれぞれの特図変動の変動時間または小当たり遊技の遊技時間を設定するとよい。このように構成することで、遊技者に対し特別図柄の抽選で大当たりに当選したのか、小当たり遊技の結果大当たりが付与されたのかを把握し難くすることが可能となり、第3図柄表示装置81に表示される演出を最後まで楽しませることができるという効果がある。
【0572】
また上述した構成を採用する場合には、第2可変入賞装置650を遊技盤13の中央下部に配置すると良い。このようにすることで、小当たり遊技中に第3図柄表示装置81にて遊技球を発射する箇所の報知(所謂、右打ち表示)を行う必要が無くなり、より、遊技者に対し特別図柄の抽選で大当たりに当選したのか、小当たり遊技の結果大当たりが付与されたのかを把握し難くすることが可能となる。
【0573】
さらに、図25(a)で示す特図変動の開始から大当たり遊技が実行されるまでの時間と、図25(b)で示す特図変動の開始から大当たり遊技が実行されるまでの時間とを同一にし、第3図柄表示装置81で同一の演出表示を実行してもよい。このようにすることで、より遊技者に対し特別図柄の抽選で大当たりに当選したのか、小当たり遊技の結果大当たりが付与されたのかを把握し難くすることが可能となる。
【0574】
また、V通過可能小当たりが実行された場合であっても、第2可変入賞装置650に球を入賞させることが出来なかった場合は大当たりが付与されないため、例えば、第3図柄表示装置81で表示される演出表示のうち、小当たり遊技中におけるV排出流路650e3内の特定領域に球が通過したかを判別するV通過時処理が実行されるまでは、第3図柄表示装置81にて実行される演出表示を同一にし、V通過時処理の判別の結果、V排出流路650e3内の特定領域に球が通過したと判別した場合は、継続して同一の演出表示を実行し、V排出流路650e3内の特定領域に球が通過していないと判別した場合のみ、その判別結果に基づいて第3図柄表示装置81にて表示される演出表示の内容を切り替える処理を実行するとよい。
【0575】
このように構成することで、V通過可能小当たりの実行中に特定領域に球を通過させ、その小当たり遊技終了後に大当たりが実行されるという通常の遊技の流れにおいては、第3図柄表示装置81にて表示される演出表示の内容を切り替える必要が無くなるため、演出表示の処理負荷を軽減できるという効果がある。
【0576】
次に、図26を参照して、本パチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される表示態様のうち、前兆演出について説明をする。図26(a)?(b)は、前兆演出の表示態様の一例を示した図である。前兆演出とは、記憶されている保留球の中に特別図柄の抽選の結果が小当たりAである保留球が連続して記憶されている場合に実行される演出であって、その特別図柄の抽選の結果が小当たりAである保留球に基づく変動が実行されるまでに、遊技者に対して保留図柄を上限まで貯めさせようと促すための演出である。
【0577】
ここで、図26を用いて第3図柄表示装置81の表示画面(P)について説明をする。第3図柄表示装置81の表示画面(P)は、大きくは上下に2分割され、上側が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側が保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
【0578】
主表示領域Dmには、3つの図柄列が表示され、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの表示領域Ds1?Ds3に区分されている。このうち、小領域Ds1は、各入球口(第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640b)に入球した球のうち、変動が未実行である保留球の数を示す保留図柄が表示される。
【0579】
なお、本実施形態では特図1の保留図柄と、特図2の保留図柄とが識別不可能(困難)な態様で表示されているが、特図1の保留図柄と特図2の保留図柄とを遊技者が識別できるよう保留図柄の表示態様を変えてもよい。また、保留図柄の表示態様を変えることなく、保留図柄の近傍に特図1と特図2とを識別可能な別の表示体(マーク)を表示させてもよい。このようにすることで、遊技者は次の変動が特図1なのか特図2なのかを容易に把握することができる。
【0580】
小領域Ds2には、変動表示中の特別図柄に対応した保留図柄の態様と同様の態様である変動中図柄が表示される。このように構成することで、保留図柄に対応する特別図柄が大当たりである可能性を示唆する演出として、保留図柄の態様を変化させる演出(所謂、保留予告演出)を採用した場合においても、現在変動中の特別図柄に対する保留予告演出の有無を容易に把握することができる。
【0581】
よって、事前に行われた保留予告演出と、特別図柄の変動表示との対応づけを容易にすることができ、遊技者が演出に興味を持つ遊技機を提供することができるという効果がある。なお、上述した保留予告演出としては、例えば、保留図柄の色を変化(白→青→赤)させる演出や、保留図柄の背景エフェクトを変化(炎の大きさで示唆)させる演出や、保留図柄に文字を浮かび上がらせる演出等、遊技者が大当たりの可能性の高低を判別できる演出であればよい。
【0582】
小領域Ds3には、変動表示が行われている特別図柄遊技に対する遊技説明(「ボタンを押すことを示す説明」)や、現在の遊技状態を報知する内容が表示される。
【0583】
図26(a)に戻り説明を続ける。図26(a)は、小領域Ds1にて、保留図柄が6つ表示されており、その保留図柄の中に特別図柄の抽選の結果が小当たりAとなる保留図柄(図26(a)では星図柄として示す)が連続して記憶されている状態である。
【0584】
この状態、つまり、保留球の中に特別図柄の抽選結果が小当たりAである保留球が連続して記憶されている状態では、前兆演出が実行可能となっており、小領域Ds3にて遊技者に枠ボタン22の操作を促す内容が表示される。
【0585】
ここで、遊技者が枠ボタン22を操作することで、図26(b)に示すように、小領域Ds3に、「もうちょっと!!」という文字が表示される。この文字は、前兆変動パターン選択処理において前兆演出選択テーブル222dを参照して選択される(図67のS3403)。
【0586】
なお、図26(a)?(b)で示した一例では、説明を容易にするために特別図柄の抽選結果が小当たりAである保留球に対応した保留図柄を星印で示しているが、実際はその他の保留図柄と識別できない(困難)な表示態様の保留図柄として表示されるものである。このように構成することで、どの保留図柄に対して前兆演出が実行されているのか遊技者は事前に把握することが困難となり、前兆演出が実行されると常に保留球数を上限まで貯めようと意欲的に遊技を行うこととなり、遊技機の稼働を上げることができる。
【0587】
また、小領域Ds1に表示される保留図柄の態様を、小当たりAに当選している保留球が連続して記憶されていることを示唆する表示態様に変更してもよい。この場合、連続する2つの保留図柄の表示態様を変更し、表示態様が変更された保留図柄が小当たりAに当選している可能性を示唆するようにしてもよいし、いずれか一方の保留図柄の表示態様を変更し、その表示態様が変更された保留図柄に加え、その保留図柄の前に変動する保留図柄あるいは後に変動する保留図柄の何れか一方が小当たりAに当選している保留球に対応する保留図柄であることを示唆するよう構成してもよい。
【0588】
このように構成することで、遊技者に対し特定の保留図柄(表示態様が変更された保留図柄)に基づく変動が開始される前に、保留球を上限まで貯めようと意欲的に遊技を行わせることが可能となると共に、特定の保留図柄に基づく変動が開始されるタイミングで保留球を上限まで貯めることに成功した場合は、優越感をもってその保留図柄に基づく変動演出を見ることができるという効果がある。
【0589】
なお、この前兆演出は、特別図柄の抽選結果が小当たりAである保留球に基づく変動が開始される前の変動まで実行可能に構成されている。
【0590】
つぎに、図27?図30を参照して、本パチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される表示態様のうち、連続演出について説明をする。図27は、連続演出の流れと各種装置の動作制御について示したタイミングチャートである。
【0591】
ここで、連続演出について説明をする。連続演出とは、特別図柄の抽選結果が連続して小当たりAであり、且つ、その連続する小当たりAのうち、最初の小当たりAに対応する変動パターンが選択される際に、保留球が所定個数(本実施形態では7個)記憶されている場合に実行される演出であって、連続する小当たりA遊技において、第2可変入賞装置650内に設けられたV排出流路650e3内の特定領域(通過検出スイッチ650e5)を球が通過可能な小当たりA遊技(以下、V通過可能小当たり)を強調表示するための演出である。
【0592】
この連続演出は、少なくとも、連続する小当たりAのうち最初の小当たりAに対応する特別図柄の変動表示(以下、1回目の特図変動表示と称す)と、1回目の特図変動表示の結果として実行される小当たりA遊技(以下、1回目の小当たりA遊技と称す)と、連続する小当たりAのうち2回目の小当たりAに対応する特別図柄の変動表示(以下、2回目の特図変動表示と称す)と、2回目の特図変動表示の結果として実行される小当たりA遊技(以下、2回目の小当たりA遊技と称す)を対象として実行される演出表示である。
【0593】
図27に示すように、連続演出が実行される条件が成立した場合において、主制御装置110では、1回目の特図変動は、特殊変動C(変動時間4秒)が選択され、その特殊変動Cの変動が停止した後に、1回目の小当たりA遊技が実行される(6秒)。ついで、2回目の特図変動として、特殊変動B(変動時間5.5秒)が実行され、その特殊変動Bの変動が停止した後に、2回目の小当たりA遊技が実行される。
【0594】
また、第3図柄表示装置81では、主制御装置110にて設定された各種コマンドに基づいて、1回目の特図変動に対応した特図変動表示1、1回目の小当たりA遊技に対応した小当たり中表示1、2回目の特図変動に対応した特図変動表示2、2回目の小当たりA遊技に対応した小当たり中表示2が表示される。
【0595】
一方、Vゲート650dは、その動作として1.5秒の間、誘導状態(V排出流路650e3に球が通過可能な状態)に可変し、次いで3.5秒の間、規制状態(V排出流路650e3に球が通過不可能(困難)な状態)に可変する動作を1周期(5秒)とし、その周期が繰り返し実行される。
【0596】
ここで、連続演出が実行される状態では、1回目の小当たりA遊技において第2可変入賞装置650に入賞した球がVゲート650dに到達するタイミングである入賞球Vゲート到達タイミング(図27参照)と、2回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングの間隔は11.5秒となる。
【0597】
これは、1回目の小当たりA遊技のうち、入賞球Vゲート到達タイミングから小当たりA遊技終了までの時間(1秒)と、2回目の特図変動の変動時間(5.5秒)と、2回目の小当たりA遊技のうち、小当たり遊技が実行されてから入賞球Vゲート到達タイミングまでの時間(5秒)とを合算した時間である。
【0598】
このように、入賞球Vゲート到達タイミングの間隔を設定することにより、5秒周期で動作制御されているVゲート650dに対して、異なるタイミングで球を流下させることが可能となる。
【0599】
詳細に説明をすると、Vゲート650dは1周期が5秒に設定されているため、1回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングに対応するVゲート650dの動作状態と同一の動作状態が、1回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングから、5秒後、10秒後と5秒間隔で訪れる。本実施形態では、1回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングと2回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングとの間隔が11.5秒であるため、2回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングは、1回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングに対し、1.5秒遅れた(異ならせた)タイミングとなる。
【0600】
ここで、連続して小当たりAに当選した場合に、遊技者により有利な遊技状態を提供することが可能な入賞球Vゲート到達タイミングについて説明をする。本実施形態ではVゲート650dが誘導状態となる期間を1.5秒に設定してある。つまり、1回目と2回目の入賞球Vゲート到達タイミングがVゲート650dの動作周期に対して、1.5秒未満(例えば0.5秒)しか相違しない場合では、1回目と2回目の入賞球Vゲート到達タイミングがともにVゲート650dが規制状態(3.5秒間)である可能性が高くなる。
【0601】
逆に、1回目と2回目の入賞球Vゲート到達タイミングがVゲート650dの動作周期に対して、1.5秒より多く(例えば2秒)相違する場合では、Vゲート650dが誘導状態となる期間を跨いでしまう可能性がある。
【0602】
そこで、1回目と2回目の入賞球Vゲート到達タイミングがVゲート650dの動作周期に対して、Vゲート650dが誘導状態となる期間分(1.5秒)相違させるように設定することで、Vゲート650dが誘導状態となる期間を跨いでしまうことが無く、且つ、1回目と2回目の入賞球Vゲート到達タイミングがともにVゲート650dが規制状態である可能性を低くすることができる。
【0603】
以上、説明をしたように、本実施形態では、Vゲート650dを1.5秒の間、誘導状態(V排出流路650e3に球が通過可能な状態)に可変し、次いで3.5秒の間、規制状態(V排出流路650e3に球が通過不可能(困難)な状態)に可変する動作を1周期(5秒)とし、その周期が繰り返し実行されるよう構成されている。つまり、Vゲート650dは3.5秒の間隔を空けて1.5秒間誘導状態となるよう構成されている。言い換えれば、Vゲート650dは1.5秒の間隔を空けて3.5秒間規制状態となるよう構成されている。
【0604】
また、小当たりA遊技においては、小当たり遊技の遊技時間が6秒に設定されており、そのうち、小当たり遊技が開始されてから約5.5秒が経過したタイミングで球がVゲート650dに到達するよう設計されている。
【0605】
よって、特別図柄の保留記憶の中に特別図柄の抽選の結果が小当たりAである保留記憶が連続して変動表示される状態(小当たりA連続実行可能状態)で記憶されている場合において、連続する小当たりAのうち、1回目の小当たり遊技中に入賞した球がVゲート650dに到達するタイミング(小当たり遊技が開始されてから5.5秒経過したタイミング)から、2回目の特図変動表示を経て、2回目の小当たり遊技中に入賞した球がVゲート650dに到達するまでの時間がVゲート650dの動作周期(5秒)の整数倍であると、連続する小当たりAに基づく小当たり遊技が何れもVゲート650dが同じ動作をしているタイミングで球をVゲート650dに到達させてしまうことになる。
【0606】
即ち、小当たりA遊技の遊技時間と、特別図柄の変動時間とを合計した時間がVゲート650dの動作周期の整数倍であると、所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して同一のタイミングで球を流下させてしまうことになる。このような構成では、遊技者が小当たりAに連続して当選したとしても遊技者に対してなんらメリットが無く、遊技意欲を低下させてしまう。
【0607】
これに対して、本実施形態では、小当たり遊技(小当たりA遊技)の遊技時間(6秒)と、連続する小当たりAのうち、2回目の特図変動表示の変動時間(特殊変動B:5.5秒)との合計時間(11.5秒)がVゲート650dの動作周期(5秒)の整数倍にならないように構成している。
【0608】
これにより、連続して小当たり遊技が発生する場合において、その連続した小当たり遊技が、所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して同一のタイミングで球を流下させることが無くなる。即ち、連続して小当たり遊技を発生させることで所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して異なるタイミングで球を流下させることを可能とすることができる。よって、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【0609】
なお、本実施形態では、小当たりA遊技の遊技時間(6秒)と、連続する小当たりAのうち、2回目の特図変動表示の変動時間(特殊変動C:5.5秒)との合計時間(11.5秒)をVゲート650dの動作周期(5秒)の整数倍に該当する時間に対し、Vゲート650dが誘導状態となる期間分(1.5秒分)相違するように特別図柄の変動時間を設定している。
【0610】
これは、連続する小当たり遊技において、何れかの小当たり遊技でVゲート650dが誘導状態となるタイミングで球をVゲートに流下させる確率を高めるために設定されたものである。つまり、Vゲート650dの動作周期のうち誘導状態となる時間は1.5秒であり、規制状態となる時間は3.5秒であることから、小当たりA遊技の遊技時間と、連続する小当たりAの後者に対応する特別図柄の変動時間との合計時間が、Vゲート650dの動作周期の整数倍に該当する時間に対して、1.5秒未満の相違であると、前者(1回目)の小当たり遊技も後者(2回目)の小当たり遊技もV通過可能な小当たり遊技となる可能性がある。このように、連続する小当たり遊技においてV通過可能な小当たり遊技が重複するということは、前者(1回目)の小当たり遊技も後者(2回目)の小当たり遊技もV通過不可能(困難)な小当たり遊技となる可能性がその分高くなるためである。
【0611】
したがって、本実施形態では、小当たりA遊技の遊技時間(6秒)と、連続する小当たりAのうち、2回目の特図変動表示の変動時間(特殊変動B:5.5秒)との合計時間(11.5秒)をVゲート650dの動作周期(5秒)の整数倍に該当する時間に対し、1.5秒相違するように特別図柄の変動時間を設定し、連続する小当たり遊技のうち、1回目の小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングが、Vゲート650dが規制状態である場合に、2回目の小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングが、Vゲート650dが誘導状態となる確率を高めることができ、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【0612】
なお、相違させる時間としては、Vゲート650dの動作周期の整数倍に対して1.5秒以上相違させることが望ましいが、それ未満でもよい。例えば、Vゲート650dの動作周期(5秒)に対して、Vゲート650dが誘導状態となる時間(1.5秒)よりも短い時間(例えば1秒)相違させる場合は、小当たり連続回数を2回よりも多くし(例えば5回)、Vゲート650dの動作周期1周分(5秒)相違させるよう構成するとよい。
【0613】
このように構成することにより、例えば小当たり遊技が5回連続した場合は、連続して実行される小当たり遊技のうち、少なくとも1回はV通過可能な小当たり遊技が実行されるため、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
【0614】
また、本実施形態では、Vゲート650dが誘導状態となる期間(1.5秒)の整数倍とならない期間を動作周期として設定している。このようにすることで、例えば、小当たり連続回数を2回よりも多くし(例えば5回)、合計でVゲート650dの動作周期1周分以上(7.5秒)相違させるよう構成する場合において、1周期目と2周期目とで小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対してより有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
【0615】
また、本実施形態では、連続した小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングの間隔を、特別図柄の変動時間を特定の変動時間に設定することで特定の間隔となるようにしているが、それ以外にも、例えば、1回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングと2回目の小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングとを異ならせてもよい。さらに、小当たりA遊技が連続することに基づいてVゲート650dの動作周期を変更してもよい。このように構成したとしても、本実施形態同様に、連続した小当たりA遊技における入賞球Vゲート到達タイミングの間隔を特定の間隔にすることが可能となる。
【0616】
次に図28?図30を参照して、本パチンコ機10の第3図柄表示装置81にて表示される連続演出表示について説明をする。図28(a)は、連続演出が実行される1回目の特別図柄変動に対応した特図変動表示1(図27参照)の前半を示す一例であり、図28(b)は、特図変動表示1(図27参照)の後半を示す一例であり、図28(c)は、連続演出が実行される1回目の小当たりA遊技に対応する小当たり中表示1(図27参照)の前半を示す一例である。
【0617】
図29(a)は、連続演出が実行される2回目の特別図柄変動に対応した特図変動表示2(図27参照)の前半を示す一例であり、図29(b)は、特図変動表示2(図27参照)の後半を示す一例であり、図29(c)は、特図変動表示2(図27参照)の後半を示す別例である。
【0618】
図30(a)は、連続演出が実行される2回目の小当たりA遊技に対応した小当たり中表示2(図27参照)の前半を示す一例であり、図30(b)は、小当たり中表示2(図27参照)の後半を示す一例である。
【0619】
まず、図28の(a)では、連続演出が実行された直後の第3図柄表示装置81が示されている。連続演出が開始されると、主表示領域Dmの左上側に設けられた変動表示領域Dm1にて第3図柄の変動表示が実行され、主表示領域Dmの空いた領域(主表示領域Dmのうち変動表示領域Dm1以外の領域)にて連続演出が開始したことを示す態様(図18(b)のチャンス演出に該当)が表示されている。
【0620】
小領域Ds1では保留図柄が7つ表示されており、一番左の保留図柄(次回変動に対応する保留図柄)に抽選の結果が小当たりAである保留球に対応する保留図柄(2回目の特図変動に対応する保留図柄)が表示されており(星図柄)、小領域Ds2には、変動中図柄が表示されている(星図柄)。なお、説明の便宜上、抽選の結果が小当たりAである保留球に対応する保留図柄を星図柄で表示しているが、実際は、他の保留図柄と識別が出来ない(困難)な表示態様で表示されている。
【0621】
その後、1回目の特図変動に対応する特図変動演出の後半になると、主表示領域Dmに枠左ボタン22aおよび枠右ボタン22bの両方を押す旨を示す表示がされるとともに、枠左ボタン22aおよび枠右ボタン22bの場所を示す案内表示が主表示領域Dmの右下側の案内表示領域Dm2に表示される。また、小領域Ds3には連続演出中であることを示す態様(図18(b)のチャンス演出に該当)が表示される(図28(b)参照)。
【0622】
本パチンコ機10に設けられる枠左ボタン22aと枠右ボタン22bとは、片手で操作することが困難な間隔(500ミリメートル)に配置されており、両方のボタンを操作する際には、操作ハンドル51から手を離す必要がある。これは連続演出中に新たな入賞(追加入賞)が発生してしまうと、主制御装置110から受信する2回目の特図変動の変動パターン(変動時間)が、音声ランプ制御装置113のV通過可能変動判定処理にて参照した2回目の特図変動の変動時間と異なってしまうため、追加入賞を発生させないようにするための演出である。
【0623】
左右の枠ボタン22(枠左ボタン22aと枠右ボタン22b)を同時に操作した後、1回目の小当たりA遊技が開始されると、小当たり中演出にて主表示領域Dmに連続演出が継続することを示す継続表示として「もう1回!!」(図19(a)のチャンス演出に該当)と表示される(図28(c))。この状態では、変動表示領域Dm1にて特別図柄の抽選の結果が小当たりであることを示す図柄「757」が停止表示される。また、小領域Ds3には第2可変入賞装置650を狙う遊技状態であることを示す「右打ち」が表示される。
【0624】
図28(c)に示すように、連続演出中であって、V通過可能と判定されなかった小当たりは、連続演出が継続することを遊技者に報知するための演出を強調して表示するため、遊技者に対して小当たり遊技が発生したことを気付かせ難くすることができる。
【0625】
また、連続演出が継続することを遊技者に報知することで、今回の小当たり遊技がV通過不可能(困難)な小当たり遊技であったとしても、遊技者は次回以降の小当たり遊技に注目することとなるため、V通過不可能(困難)な小当たり遊技が発生することによる不満を低減することができるという効果がある。
【0626】
そして、2回目の特図変動が開始される。まずは2回目の特図変動が、V通過可能変動判定処理においてV通過可能変動と判定されている特図変動である場合について説明をする。2回目の特図変動が開始されると、図29(a)に示すように、枠左ボタン22aまたは枠右ボタン22bの何れかのボタンを押す旨を示す表示(図18(b)の超チャンス演出に該当)がされるとともに、案内表示領域Dm2に枠ボタンの位置を案内する案内表示が表示される。この状態では変動表示領域Dm1では特別図柄の変動に対応する第3図柄が変動しており、小領域Ds1には保留図柄が6個表示されている。そして、小領域Ds2には2回目の特図変動を示す変動中図柄が表示され、小領域Ds3には連続演出中であることを示す「連続演出中」が表示される。
【0627】
この小領域Ds3に表示される連続演出中であることを示す表示は、今回の変動がV通過可能変動であることを示唆できるように表示態様が変化するよう構成されており、コメントの内容やコメントの色、コメントが表示される背面の色などを変化させることで今回の変動がV通過可能変動であることを遊技者に示唆することが可能となる。このように構成することにより、遊技者はV通過可能変動に該当する変動がいつ来るのかを予想しながら遊技を行うことが可能となり、パチンコ機10の演出に早期に飽きてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
【0628】
また、V通過可能変動と判定された変動表示が開始した後(V通過可能変動に対応した変動表示の変動パターン(変動時間)が決定した後)は、新たな入賞(追加入賞)が発生したとしても、変動パターンが変更されることが無いため、両手を用いた枠ボタン22の操作演出以外の通常の態様が実行される。
【0629】
遊技者が何れかの枠ボタン22を操作した後、特別図柄が停止表示されると主表示領域Dmに今回提供される小当たりがV通過可能な小当たりであることを示唆する「超チャンス演出突入」(図18(b)の超チャンス演出に該当)と表示される(図29(b))。この状態では、変動表示領域Dm1にて特別図柄の抽選の結果が小当たりであることを示す図柄「757」が停止表示される。
【0630】
なお、図29(c)に表示される表示画面は、1回目の特図変動中に追加入賞が発生した場合における2回目の特図変動が停止表示された際の表示画面である。このように追加入賞が発生したことにより、予め想定した変動パターン(変動時間)と、実際に主制御装置110から受信した変動パターン(変動時間)とが異なる場合には、今回の変動がV通過可能変動であるか否かを示す期待度を不明した本表示(図18(b)のドキドキ演出に該当)が用いられる。なお、本表示画面は、追加入賞が発生した場合以外でも、たとえば、遊技者が枠ボタン22を操作しなかった場合や、連続演出の最終変動以外の変動がV通過可能変動であり、そのV通過可能変動にて当選した小当たり遊技にて大当たりが付与されず残りの変動が開始された場合等でも表示されるよう構成している。
【0631】
このような表示画面を用いることで、追加入賞が発生した場合においても、複数の変動に関連性を持たせた一連の演出を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して違和感を与えることが無い演出表示を提供することができるという効果がある。
【0632】
次に図29(b)の画面が表示された後に、V通過可能小当たりが実行されると、図30(a)に示すように、主表示領域DmにはV通過可能であることを強調するV通過強調表示である「Vを狙え!!」と表示される(図19(a)の超チャンス演出に該当)とともに、案内表示領域Dm2にて第2可変入賞装置650の位置を案内する案内表示が表示される。
【0633】
また、小領域Ds3では連続演出中であることを示す「超チャンス中」が表示されるとともに、第2可変入賞装置650を狙う遊技状態であることを示す「右打ち」が表示される。なお、本パチンコ機10では、連続演出中であることを示す表示として「連続演出中」(図28(b))、「チャンス中」(図29(a))、「超チャンス中」(図30(a))といったの3つのコメントを表示しているが、これは、今回の特別図柄の変動がV通過可能変動であるか否かを、または特別図柄の変動が停止した後に実行される小当たりA遊技がV通過可能小当たりであるか否かを示す期待度をそれぞれ示唆するように設定されるものである。よって、連続演出中において1回目の特図変動がV通過可能変動であれば、いきなり「超チャンス中」と表示される場合もある。
【0634】
最後に、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650内の特定領域であるV排出流路650e3を球が通過し、大当たりが付与されると図30(b)に示すように、主表示領域Dmにて大当たりが発生したことを示す表示がなされ、案内表示領域Dm2では、大当たり遊技中に開放される第1可変入賞装置65の位置を案内する案内表示が表示される。
【0635】
上述したように本パチンコ機10における連続演出では、1回目の特図変動の開始(特図変動表示1(図27(a)参照))から2回目の特図変動に対応した小当たり遊技(小当たり中表示2(図28(a)参照))に基づく小当たり遊技の実行までを関連付けた一連の演出として実行しているため、1回目の小当たりと2回目の小当たりとで同じ演出表示が実行されるのではなく、1回目の小当たりは連続演出が継続することを強調する継続強調表示が実行され、2回目の小当たりはV通過可能な小当たりであることを強調するV強調表示が実行されるため、遊技者に対して連続する2回の小当たり遊技を1回の連続した遊技と認識させることができ、V通過不可能(困難)な小当たり遊技が実行されることによる遊技者の遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
【0636】
なお、1回目の特図変動が開始されてから、2回目の特図変動が開始されるまでの間に追加入賞が発生してしまうと、2回目の特図変動の変動パターン(変動時間)が、予め想定していた変動パターン(変動時間)と相異することから、予め想定していた2回目の特図変動に対応した小当たり遊技における入賞球Vゲート到達タイミングと、実際の2回目の特図変動に対応した小当たり遊技における入賞球Vゲート到達タイミングとが異なってしまい、満足な連続演出を実行することができないという課題があった。
【0637】
これに対し、本実施形態では所定期間(1回目の特図変動が開始されてから、2回目の特図変動が開始されるまでの期間)において、球の追加入賞を発生し難くするための追加入賞防止演出として、両手を用いた枠ボタン22(枠左ボタン22aおよび枠右ボタン22b)の操作演出(図29(b)参照)を実行する。このような演出を実行することにより、遊技者は操作ハンドル51から手を離すため、その期間中に発射される球数を低減させることが可能となり、結果として所定期間における追加入賞の発生を抑制することが可能となる。
【0638】
なお、本実施形態では上述した追加入賞が発生することを抑制するために、遊技者に遊技を一端中断させるための枠ボタン22を用いた演出が実行されるが、遊技者に遊技を中断させる演出であればその他の演出を用いても、第3図柄表示装置81に球の発射を停止させる旨の表示を行っても良い。
【0639】
また、本実施形態では、追加入賞が発生した場合に連続演出の表示内容を異ならせているが、例えば、追加入賞が発生したことに基づいて、2回目の特図変動に対応した小当たり遊技における入賞球Vゲート到達タイミングを改めて算出し、その算出結果に基づいて2回目の特図変動に対応した演出表示(特図変動表示2(図27参照))および2回目の特図変動に基づく小当たり遊技に対応した演出表示(小当たり中表示2(図27参照))の内容を再設定してもよい。このようにすることで追加入賞が発生した場合でも、連続演出を実行することができる。
【0640】
さらに、本実施形態では、連続演出中に用いられる特別図柄の変動パターン(変動時間)として、特殊変動B?特殊変動Cが保留球数毎に規定されているが(図13参照)、保留球数が異なる場合であっても、同一の変動パターンが選択されるよう規定してもよい。このように構成することで、例えば、保留球数が7のときに選択される変動パターンと保留球数が6のときに選択される変動パターンとを同一の変動パターン(例えば特殊変動B)にすることで、連続演出中に追加入賞が発生し、2回目の特図変動が保留7で実行されたとしても、変動パターンが相違することがない。よって、予め設定しておいた連続演出を実行し易くすることが可能となる。
【0641】
なお、本実施形態では、連続演出中の特図変動(小当たり遊技)がチャンス演出(当該変動に基づいて大当たりとなる可能性が低い旨を示唆する演出)を実行しているのか、超チャンス演出(当該変動に基づいて大当たりとなる確率が高い旨を示唆する演出)を実行しているのかを、遊技者に対して報知可能に構成しているが、例えば、遊技者に対して連続演出が実行されている旨を報知する表示態様であって、今回の特図変動(小当たり遊技)が、チャンス演出を実行しているのか、それとも超チャンス演出を実行しているのかを把握困難な表示態様を用いてもよい。このようにすることで、遊技者は連続演出が終了するまでの間に実行される複数回の特図変動に対して期待を持つことができるため、遊技に早期に飽きてしまうという事態を抑制することができるという効果がある。
【0642】
また、本実施形態では、V通過可能変動判定処理にてV通過可能変動が判定された場合に連続演出を実行するように構成しているが、それに限らず、V通過可能変動と判定されなくても、小当たりAが連続したことを条件に連続演出を実行するようにしてもよい。また、小当たりAと他の小当たり(小当たりBまたは小当たりC)が連続した場合に連続演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで、連続演出を実行する頻度を上げることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
【0643】
また、本第1実施形態では、小当たりAが連続して実行されるように特別図柄の入賞情報が保留記憶されている場合に上述した連続演出が実行されるものであるが、それ以外の場合において、連続演出が実行されるようにしてもよい。例えば、保留記憶されている入賞情報(最大8個)の中に、小当たりAが連続して実行されない順序で複数記憶されている場合であっても連続演出が実行されるようにしてもよい。このように構成する場合は、特別図柄の当否判別の結果が小当たりAでは無い場合(当否判別結果が外れや、小当たりA以外の小当たりの場合)における特別図柄の変動時間及び、当たり遊技時間(小当たり遊技時間)を予め算出可能に構成し、保留記憶されている小当たりAがV通過可能小当たりであると判別された場合に連続演出を実行すればよい。
【0644】
さらに、上述したように特別図柄の当否判別結果が小当たりAではない場合も含めて連続演出を実行する場合には、特別図柄の当否判別結果が小当たりAの場合に規定される変動時間と小当たりAの遊技時間とを合算した時間と、特別図柄の当否判別結果が外れの場合に規定される変動時間が同一となるように設定し、さらに、特別図柄の当否判別結果が小当たりAの場合に規定される変動時間と小当たりAの遊技時間とを合算した時間と、特別図柄の当否判別結果が小当たりA以外の小当たりの場合に規定される変動時間と小当たりA以外の遊技時間とを合算した時間とが同一となるように設定するとよい。
【0645】
このようにすることで、特別図柄の当否判別結果に関わらず、特別図柄の変動が開始されてから次の特別図柄の変動が開始されるまでの期間、つまり、特別図柄の当否判別結果が外れの場合は、特別図柄の変動が開始されてから特別図柄の判別結果が外れであることを示す図柄が停止表示されるまでの期間、また、特別図柄の当否判別結果が小当たりA以外の小当たりの場合は、特別図柄の変動が開始されてから特別図柄の判別結果が小当たりA以外の小当たりであることを示す図柄が停止表示された後に実行される小当たり遊技が終了するまでの期間を統一することができるため、連続演出を実行する条件を満たしているか否かの判別処理を軽減させることが可能となる。
【0646】
また、本第1実施形態ではV通過可能小当たりと判別される小当たりの種別が1つ(小当たりA)であるが、V通過可能小当たりと判別される小当たりの種別を複数設けた場合において上述した連続演出を実行してもよい。例えば、V通過可能小当たりと判別される小当たりの種別として小当たりA1(V通過時に設定される大当たりとして、8R時短無し)と、小当たりA2(V通過時に設定される大当たりとして、10R時短8回)を規定する。
【0647】
そして、保留記憶されている入賞情報の中に、先に実行される入賞情報としてV通過可能な小当たりA1が記憶され、後に実行される入賞情報に、小当たりA1に対応する小当たり遊技中にV通過させなければV通過可能なタイミングで実行される小当たりA2が記憶されている場合は、小当たりA1に対応する小当たり遊技中に球をV通過させないよう遊技者に報知する演出を実行する。
【0648】
このように構成することで、小当たり遊技中に球をV通過させることで付与される特典(大当たり種別)が異なる小当たりの種別を複数設けたパチンコ機10において、遊技者により有利となる小当たりにてV通過させるよう案内することが可能となる。なお、上述した例では、複数の小当たり種別のうち遊技者により有利となる小当たりにてV通過させる案内演出を表示する例を示したが、それ以外にも例えば、保留記憶されている入賞情報の中にV通過可能な小当たりが複数あることのみを報知する構成にしてもよい。これにより、遊技者はどの小当たり遊技で球をV通過させるかを自分で判断して遊技することになるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
【0649】
次に、図31を参照して、本パチンコ機10における第3図柄表示装置81にて表示される表示態様のうち、連続大当たり演出について説明をする。図31は、連続大当たり演出の流れと各種装置の動作制御について示したタイミングチャートである。
【0650】
ここで、連続大当たり演出について説明をする。連続大当たり演出とは、大当たり終了後1回転目の特別図柄の変動において小当たりAに当選している場合に、その小当たりA遊技にて第2可変入賞装置650の扉650fが開放されるタイミングと、第2可変入賞装置650内に設けられたVゲート650dが誘導状態となるタイミングとを予め算出し、大当たり終了後1回転目の特別図柄の変動が開始されるタイミング、即ち、大当たり遊技が終了するタイミングが大当たり終了後1回転目の小当たりA遊技が特定領域であるV排出流路650e3内の通過検出スイッチ650e5を通過可能なタイミングであるかを判別し、その判別結果に基づいて演出を決定するものである。
【0651】
図31に示すように、連続大当たり演出が実行される条件が成立した場合において、主制御装置110では、大当たり終了後1回転目の特図変動の変動パターンとして特殊変動Aを実行し(図13参照)、次いで小当たりA遊技が実行される。
【0652】
また、連続大当たり演出が実行される条件が成立した場合において、第3図柄表示装置81では、大当たり終了後1回転目の小当たりA遊技が特定領域であるV排出流路650e3内の通過検出スイッチ650e5に球が通過可能となるタイミングに基づいた演出表示(最終ラウンド演出表示)を、大当たり遊技の最終ラウンドにて実行する。そして、最終ラウンドの遊技結果に基づいて大当たり遊技のエンディング演出表示を実行する。ついで、主制御装置110にて設定された各種コマンドに基づいて特図変動表示および小当たり中演出表示を実行する。
【0653】
一方、Vゲート650dは、大当たり遊技中もその動作として1.5秒の間、誘導状態(V排出流路650e3に球が通過可能な状態)に可変し、次いで3.5秒の間、規制状態(V排出流路650e3に球が通過不可能(困難)な状態)に可変する動作を1周期(5秒)とし、その周期が繰り返し実行される。
【0654】
ここで、大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たり遊技をV通過可能な小当たりとするための大当たり終了タイミングについて説明をする。本実施形態では図31に示すように、連続大当たり演出が実行される条件が成立した場合においては、大当たり終了後1回転目の特図変動が実行されてから、その特図変動に基づく小当たり遊技において第2可変入賞装置650に入賞した球がVゲート650dに到達するタイミングである入賞球Vゲート到達タイミングまでの時間が35秒と設定されている(特殊変動A:30秒+小当たり遊技が実行されてから入賞球がVゲートに到達するまでの時間5秒)。
【0655】
また、大当たり遊技のエンディング期間は5秒に固定されている(図14参照)。つまり、大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから40秒後に入賞球Vゲート到達タイミングとなる。よって、大当たり遊技の最終ラウンドが終了したタイミングにおけるVゲート650dの動作状況が、40秒後にVゲート650dが誘導状態となるタイミングであれば、大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たり遊技をV通過可能な小当たりにすることができる。
【0656】
即ち、本実施形態では、Vゲート650dが5秒周期で一定の動作制御を繰り返し実行することから、図31に示すように、大当たり遊技の最終ラウンド終了タイミングにおいてVゲート650dが誘導状態であれば、大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たり遊技をV通過可能な小当たり遊技とすることができる。
【0657】
この大当たり遊技の最終ラウンド終了タイミングとは、最終ラウンドがタイムオーバー(30秒経過)となった場合、又は最終ラウンドにおいて第1可変入賞装置65に球が所定個数(本実施形態では10個)入賞した場合のタイミングの事である。具体的には、通常に遊技を行っている場合であれば、タイムオーバーとなる前に、第1可変入賞装置65に球が所定個数(本実施形態では10個)入賞するよう設計されていることから、本実施形態では、大当たり遊技の最終ラウンドにて10個目の入賞があったタイミングが大当たり遊技の最終ラウンド終了タイミングとなる。
【0658】
尚、詳細は図32を参照して後述するが、第3図柄表示装置81にて表示される演出表示のうち、大当たり遊技の最終ラウンドに対応して表示される最終ラウンド演出表示では、複数の選択対象物(例えば、おみくじ)を表示し、所定の間隔(例えば、1.5秒間隔)で選択対象を切り替える選択部(例えば、カーソル)を表示し、大当たり遊技の最終ラウンド終了タイミングが、大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たり遊技をV通過可能な小当たりにすることができるタイミングであれば、大当たり遊技のエンディング時間を用いてその旨を表示するように構成している。
【0659】
なお、本実施形態では、Vゲート650dの動作周期が5秒であり、大当たり遊技の最終ラウンドが最長で30秒と設定してあるため、最終ラウンドの遊技中において、最終ラウンド終了タイミングが大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たりがV通過可能な小当たりとなるタイミングを複数回設定することが可能となる。よって、大当たり遊技中に発射された球が第1可変入賞装置65に入賞する割合が相違したとしても(第1可変入賞装置65に球が入り易くても、入り難くても)、連続大当たり演出を楽しむことが出来るという効果がある。
【0660】
さらに、遊技者が発射した球が第1可変入賞装置65に所定個数入賞することで最終ラウンド終了タイミングが決定されることから、例えば、連続大当たり演出として大当たり遊技のエンディング期間にて、大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たり遊技がV通過可能な小当たりであることを示す表示がされた場合に、遊技者に対して自力で有利な遊技状態(V通過可能な小当たり)を獲得したことを把握させることが可能となる。よって、遊技者に対して、自力で遊技の結果を変えることが可能な遊技機を提供することが可能となるため、遊技に対して意欲的に参加させることができるという効果がある。
【0661】
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81にて連続大当たり演出の結果を表示しているが、例えば、最終ラウンド終了タイミングとなる球が第1可変入賞装置65に入賞した際の入賞音を変化させることで遊技者に報知する構成にしてもよい。このように構成することにより、遊技者は気付くが周りの人には気付かない演出を行うことを可能とすることができる。
【0662】
また、本実施形態ではVゲート650dがパチンコ機10に電源を投入してから常時駆動しているため、大当たり遊技の最終ラウンド期間において、大当たり終了後1回転目の特図変動に基づく小当たり遊技をV通過可能な小当たりとするタイミングが、いつ訪れるのかを不定にすることができるため、遊技者に攻略されることを防止することができ、遊技者に対して公平な遊技性を提供することができるという効果がある。
【0663】
なお、第1可変入賞装置65が開放される大当たり遊技状態中は、第2可変入賞装置650の内部構造を遊技者が視認できない(困難)ようにするとよい。このように構成することで、上述した連続大当たり演出が実行されている大当たり遊技中に、遊技者が第2可変入賞装置650内のVゲート650dの動作状況を把握しながら大当たり遊技が行われることを防ぐことができ、遊技者に対して公平な遊技性を提供することができるという効果がある。
【0664】
次に、図32?図33を参照して、本パチンコ機10における連続大当たり演出について説明をする。図32(a)は、大当たり遊技における最終ラウンド(10ラウンド)の1つ前のラウンド(9ラウンド)、または、その後のインターバル期間にて実行される最終ラウンド前演出(図31参照)の表示画面を示す一例であり、図32(b)は、大当たり遊技における最終ラウンド中に実行される最終ラウンド演出(図31参照)の前半の表示画面を示す一例である。
【0665】
図33(a)は、大当たり遊技における最終ラウンド中に実行される最終ラウンド演出(図31参照)の後半の表示画面を示す一例であり、図33(b)?図33(c)は、大当たり遊技におけるエンディング期間に実行されるエンディング演出表示(図31参照)の表示画面を示す一例である。
【0666】
まず、図32(a)では、最終ラウンド(10ラウンド)にて、連続大当たり演出であるおみくじゲームが始まることを報知する事前報知表示が主表示領域Dmに表示される。また、副表示領域Dsでは、小領域Ds2に連続大当たり演出であるおみくじゲームの内容を説明するコメントが表示される。小領域Ds3には第1可変入賞装置65を狙う遊技状態であることを示す「右打ち」が表示される。この表示は9ラウンド目の途中から9ラウンドと10ラウンド(最終ラウンド)との間のインターバル期間とで表示される。
【0667】
そして、図32(b)が示すように最終ラウンド(10ラウンド)になると、主表示領域に3つのおみくじDm4が表示され、そのおみくじのそれぞれを順番に指し示す選択カーソルDm3が所定の間隔(1.5秒)で右方向へと移動する移動表示が行われる。また、小領域Ds1ではアタッカ(第1可変入賞装置65の特定扉65f)が閉鎖する条件である入賞数(10)と、入賞球数(7)とが表示され、小領域Ds2には、入賞球が10になるとアタッカが閉鎖する、つまり、おみくじが決定される旨の説明と、小領域Ds1にて入賞球がカウント表示されている旨を説明するコメントが表示されている。
【0668】
なお、主表示領域Dmに表示される複数のおみくじDm4はそれぞれ表示態様が異なっており、選択されたおみくじによって、異なる内容のコメントが表示されるよう構成されている。そして、第1可変入賞装置65の特定扉65fが閉鎖される終了条件(入賞球数が10個を超えた場合、または、所定時間(30秒)に到達した場合)を満たしたタイミングで選択カーソルDm3が停止し、停止した選択カーソルDm3が指し示すおみくじが拡大表示される(図33(a))。その状態では、小領域Ds1で入賞球数が10と表示され、小領域Ds2ではおみくじDm4が決定されたことを示す説明コメントが表示される。
【0669】
そして、大当たり遊技のエンディング期間になると、図33(b)または図33(c)に示すように、選択したおみくじDm4の中身が表示され、小領域Ds1および小領域Ds2を用いて当日に行われた過去のおみくじゲームの結果が表示されている。図33(b)はおみくじゲームの結果として「超吉」が、図33(c)はおみくじゲームの結果として「大吉」が表示されている。
【0670】
おみくじゲームの結果としては、「超吉」と「大吉」と「中吉」と「小吉」とがあり、「超吉」とは、大当たり終了後1変動目の小当たり遊技がV通過可能となるタイミングで大当たり遊技を終了し、且つ、以降の保留球の中に特別図柄の大当たりがある場合に選択され、「大吉」とは、大当たり終了後1変動目の小当たり遊技がV通過可能となるタイミングで大当たり遊技を終了した場合に選択され、「中吉」と「小吉」とは、大当たり終了後1変動目の小当たり遊技がV通過不可能(困難)なタイミングで大当たり遊技を終了した場合に選択され、「中吉」が選択された場合には、遊技に直接影響を与えない特典(楽曲や画像のプレゼント)が付与される。
【0671】
このように、過去履歴を表示することにより、たとえ今回の連続大当たり演出の結果、連続大当たりが提供されなかったとしても、過去履歴に「超吉」や「大吉」があれば次回の連続大当たり演出に期待を持つことができるとともに、過去履歴に「超吉」や「大吉」がなかったとしても、大当たり遊技の終了タイミングを意図的にすこしずらせば「超吉」や「大吉」になるのではといった分析をしながら遊技を行うこととなり、遊技者が意欲的に遊技を行うことができるという効果がある。
【0672】
なお、このような連続大当たり演出を実行する場合は、大当たり中、つまり第1可変入賞装置65に球を入賞させる遊技を行っている間は、第2可変入賞装置650の内部を遊技者が視認できないようにするとよい。このように構成することで、ゲートの開閉状況を把握しながら最終ラウンドを消化し、タイミングを徐々に合わせていくといった攻略をされ難くすることが可能となる。このような場合は、第2可変入賞装置650のカバー部材をハーフミラーで形成し、第2可変入賞装置650を狙う遊技が行われる状態のときのみ、第2可変入賞装置650内に設けたランプ(発光手段)を発光させ、内部が視認可能な状態にする構成を用いると良い。
【0673】
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図34から図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
【0674】
図34は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
【0675】
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では398)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0676】
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4および小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4および小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,398,398)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1?C5の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域(カウンタ用バッファ203i)に格納する。
【0677】
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81にて変動表示される第3図柄の変動パターン(変動時間)などを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへの入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図35?図38および図39?図42を参照して後述する。
【0678】
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83(図7参照)において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図43および図44を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、扉通過時処理(S109)、V通過時処理(S110)およびVゲート駆動制御処理(S111)を実行する。この扉通過時処理(S109)、V通過時処理(S110)およびVゲート駆動制御処理(S111)の詳細は、図45?図47を参照して後述する。
【0679】
S111の処理を終えると、次いで、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
【0680】
次に、図35を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図35は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
【0681】
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0682】
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)および特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、S203の処理において取得した特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0、かつ、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であるかを判別する。
【0683】
S204の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0、かつ、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合は(S204:Yes)変動表示を開始する保留球が無い場合であるので、そのまま本処理を終了する。
【0684】
一方、S204の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値または特別図柄2保留球数カウンタ203eの値のいずれか一方が0より大きいと判別された場合は(S204:No)、次いで、どちらの特別図柄に基づく変動を開始するかを判定するために変動実行判定処理を実行する(S205)。変動実行判定処理(S205)が実行されることにより、変動を開始する特別図柄を示す変動実行フラグ203jが設定される。この変動実行判定処理(S205)の詳細については、図36を参照して後述する。
【0685】
S205の処理を終えると、次いで、特図1で変動を実行するか否かを判別する(S206)。S206の処理では、変動実行判定処理(S205)によって設定された、変動実行フラグ203jが、特図1で変動実行を示すものであるか否かを判定する(S206)。S206の処理において、変動実行フラグ203jが特図1で変動実行を示すものであると判別された場合は、(S206:Yes)、特図1で変動を実行するためにS207の処理へ移行する。
【0686】
S207の処理では、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S207)、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S208)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
【0687】
S208の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S209)。S209の処理では、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリア?保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、本実施形態では特別図柄1(特図1)に基づく特別図柄の変動と、特別図柄2(特図2)に基づく特別図柄の変動とで同一の特別図柄変動開始処理が実行される。特別図柄変動開始処理については、図37を参照して後述する。
【0688】
一方、S206の処理において、変動実行フラグ203jが特図1で変動実行でないと判別された場合は(S206:No)、変動実行フラグ203jが特図2で変動実行である場合であるので、特図2の変動を実行するためにS210の処理へ移行する。S210?S212の処理では、特別図柄2の保留球について、上述した特別図柄1の保留球についての処理(S207?S209の処理)と同様の処理を行う。
【0689】
具体的には、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S210)、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドにより、RAM223の特別図柄2保留球数カウンタ223cが更新される。S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトし(S212)、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S213)。なお、特別図柄変動開始処理については、図37を参照して後述する。
【0690】
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(図示せず)、本処理を終了する。
【0691】
一方、S214の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S214:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S215)。停止図柄の設定は、図37を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bに記憶されている各種カウンタの値のうち、変動実行判定処理(図36のS205)により実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄1または特別図柄2の停止図柄が設定される。より具体的には、特別図柄1の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAまたは大当たりBのいずれの大当たりとなるかが決定される。特別図柄2の大当たりである場合も同様に、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAまたは大当たりBのいずれの大当たりとなるかとなるかが決定される。
【0692】
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
【0693】
S215の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理(図37参照)によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S216)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S216:Yes)、大当たりシナリオテーブル202f(図14(a)参照)を用いて、大当たり種別に対応した大当たりシナリオを設定する(S217)。
【0694】
具体的には、今回の抽選結果が、大当たりAである場合には大当たりシナリオa202f1(図14(b)参照)が設定され、大当たりBである場合には大当たりシナリオb202f2(図14(c)参照)が設定される。
【0695】
S217の処理を終えると、時短中カウンタ203hを0に設定(初期化)して(S218)、S223の処理へ移行する。
【0696】
一方、S216の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S216:No)、次いで、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであるか否かを判別する(S219)。S219の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりであると判別された場合は、小当たりを開始するために小当たり開始設定処理を実行して(S220)、S221の処理へ移行する。小当たり開始設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
【0697】
S219の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の小当たりでないと判別された場合は(S219:No)、今回の抽選結果は特別図柄の外れであるので、そのままS221の処理へ移行する。
【0698】
S221の処理では、時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否かを判別し(S221)、時短中カウンタ203hの値が1以上(0より大きい)と判別した場合は(S221:Yes)、時短中カウンタ203hの値を1減算して(S222)、S223の処理へと移行する。一方、時短中カウンタ203hの値が1以上ではない(0である)と判別した場合は(S220:No)、S222の処理をスキップして、S223の処理へ移行する。
【0699】
S218、S221、またはS222の処理後に実行されるS223の処理では、S215の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S223)。
【0700】
次に、図36を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動実行判定処理(S205)について説明する。図36は、変動実行判定処理(S205)を示したフローチャートである。この変動実行判定処理(S205)は、タイマ割込処理(図34参照)の特別図柄変動処理(図35参照)の中で実行される処理であり、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を、特別図柄1保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの、どちらのエリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを変動順格納エリア203kに格納されている変動順に基づいて判定するための処理である。
【0701】
変動実行判定処理では、まず、変動実行フラグ203jに0を設定することで、初期化を行い(S301)、次に、変動順格納エリア203kのデータを取得する(S302)。そして、変動順格納エリア203kのデータをシフトする(S303)。S303の処理では、変動順格納エリア203kの第1エリア?第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリア、第5エリア→第4エリア、第6エリア→第5エリア、第7エリア→第6エリア、第8エリア→第7エリア、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、変動順格納エリア203kの実行エリアのデータが特図1(1)であるか否かを判定する(S304)。
【0702】
S304の処理にて、実行エリアのデータが特図1(1)であると判定された場合(S304:Yes)、変動実行フラグ203jを特図1で変動実行(1)に設定して(S305)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
【0703】
一方、実行エリアのデータが特図1(1)でないと判定された場合は(S304:No)、実行エリアのデータが特図2(2)である場合なので、変動実行フラグ203jを特図2で変動実行に設定して(S306)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
【0704】
次に、図37を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図37は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図34参照)の特別図柄変動処理(図35参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
【0705】
特別図柄変動開始処理では、まず、変動種別カウンタCS1の値を取得し、特別図柄保留球格納エリアにおける実行エリアに格納する(S401)。次いで、S401の処理で変動種別カウンタCS1の値を格納した特別図柄保留格納エリアにおける実行エリアに格納されているデータを取得する(S402)。具体的には、特別図柄の第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び小当たり種別カウンタC5の各値を取得する。
【0706】
S402の処理を終えると、S402の処理で取得した特別図柄の種別に対応した第1当たり乱数テーブル202aに基づいて抽選結果を取得する(S403)。より具体的には、S402の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、第1当たり乱数テーブル202aに格納されている大当たり判定値とを比較し、抽選結果を取得する。上述したように、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」の場合には大当たりの抽選結果となり、「1?398」の場合には大当たり以外(外れ)の抽選結果として、小当たりが選択される抽選結果となり、「399」の場合には外れの抽選結果となる(図10(a)参照)。
【0707】
次に、S403の処理において取得された抽選結果が大当たりであるか否かを判別する(S404)。S404の処理において、抽選結果が大当たりであると判別された場合は(S404:Yes)、特別図柄と大当たり種別とに対応した表示態様を設定する(S405)。
【0708】
より具体的には、S402の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値を参照し、第1大当たり種別選択テーブル202bにて規定されている乱数値と比較し、4種類ある特別図柄の大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0?49」の範囲にあれば、大当たりA(2R時短あり大当たり)を設定し、「50?99」の範囲にあれば、大当たりB(5R時短あり大当たり)を設定する(図10(b)参照)。なお、4種類の大当たり種別のうち、大当たりCおよび大当たりDは、小当たり遊技において第2可変入賞装置650内に設けられた特定領域(通過検出スイッチ650e5)を遊技球が通過した場合に設定される大当たり種別であり、後述する各小当たり種別に対して何れかの大当たり種別が付与されている(図11(a)参照)。
【0709】
S405の処理では、設定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
【0710】
S405の処理を終えると、現在の遊技状態(時短の有無)、保留球数、および、S401の処理において取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて、大当たり用変動パターン選択テーブル202e1(図12(a)参照)を参照して大当たり変動パターンを決定し(S406)、S412の処理へ移行する。
【0711】
S406の処理で変動パターンが決定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が決定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
【0712】
一方、S404の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別された場合は(S404:No)、次いで、抽選結果が小当たりであるかを判別する(S407)。S407の処理において、抽選結果が小当たりであると判別された場合には(S407:Yes)、特別図柄と小当たり種別とに対応した表示態様を設定し(S408)、現在の遊技状態、保留球数、および、S401の処理において取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて小当たり変動パターンを決定し(S409)、S412の処理へ移行する。
【0713】
S407の処理において、抽選結果が小当たりでないと判別された場合には(S407:No)、抽選結果が外れの場合なので、特別図柄に対応した外れの表示態様を設定する(S410)。
【0714】
S410の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。
【0715】
S410の処理を終えると、現在の遊技状態、保留球数、および、S401の処理において取得した変動種別カウンタCS1の値に基づいて外れ変動パターンを決定し(S411)、S412の処理へ移行する。
【0716】
S411の処理では、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S406の処理と同様に、S401の処理で取得した変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
【0717】
なお、各抽選結果と、変動種別カウンタCS1の数値と図柄変動の種別との関係は、変動パターン選択テーブル202e(図12(a)?(b)および図13参照)に規定されている。
【0718】
S406,S409またはS411の処理を終えると、S406,S409またはS411の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S412)。次いで、S405,S408またはS410の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S413)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図50)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。S413の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
【0719】
次に、図38を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理(S220)について説明する。図38は、この小当たり開始設定処理(S220)を示すフローチャートである。この小当たり開始設定処理(S220)は、特別図柄変動処理(図35参照)の中で実行され、小当たり遊技の開始を設定するための処理である。
【0720】
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されると第2可変入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、その第2可変入賞装置650に入賞した球が特定領域(通過検出スイッチ650e5)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるよう構成されている。
【0721】
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、第2可変入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。
【0722】
図38に戻り説明を続ける。小当たり開始設定処理(S220)では、まず、今回の抽選結果が小当たりAであるか否かを判別する(S501)。S501の処理において、小当たりAであると判別された場合は(S501:Yes)、小当たりシナリオテーブル202gを用いて、小当たり種別(小当たりA)に対応する小当たりシナリオaを設定する(S502)。
【0723】
一方、S501の処理において、小当たりAでないと判別された場合は(S501:No)、小当たりシナリオテーブル202gを用いて、小当たり種別(小当たりB、C)に対応する小当たりシナリオbを設定する(S503)。
【0724】
S502またはS503の処理を終えると、次いで、今回の抽選結果が小当たりCであるか否かを判別する(S504)。S504の処理において、小当たりCであると判別された場合は(S504:Yes)、V通過時の大当たり種別として大当たりCを設定して(S505)、本処理を終了する。
【0725】
一方。S504の処理において、小当たりCでないと判別された場合は、(S504:No)、V通過時の大当たり種別として大当たりDを設定して(S506)、本処理を終了する。
【0726】
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図39は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへの入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、各特別図柄の抽選結果の先読みを実行するための処理である。
【0727】
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bに入球(始動入賞)したか否かを判定する(S601)。ここでは、第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへの入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bに入球していないと判別された場合は(S601:No)、始動入賞に係る処理を実行する必要がないため、そのまま本処理を終了する。
【0728】
一方、S601の処理において、球が第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bに入球したと判別された場合は(S601:Yes)、始動入賞に係る処理を実行するためにS602の処理へ移行する。
【0729】
S602の処理では、第1入球口64aへの入球に基づく処理を行うために特図1始動入賞処理を実行する(S602)。この特図1始動入賞処理の詳細については、図40を参照して後述する。
【0730】
S602の処理を終えると、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへの入球に基づく処理を行うために特図2始動入賞処理を実行する(S603)。この特図2始動入賞処理の詳細については、図41を参照して後述する。
【0731】
S603の処理を終えると、各特別図柄の抽選結果の先読みを実行するために先読み処理を実行し(S604)、本処理を終了する。先読み処理(S604)の詳細については、図42を参照して後述する。
【0732】
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図1始動入賞処理(S602)を説明する。図40は、この特図1始動入賞処理(S602)を示すフローチャートである。この特図1始動入賞処理(S602)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第1入球口64aへの入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留を実行するための処理である。
【0733】
特図1始動入賞処理(S602)では、まず、第1入球口64aへ遊技球が入球したか否かを判別する(S701)。S701の処理において、第1入球口64aへ遊技球が入球していないと判別された場合は(S701:No)、第1特別図柄の始動入賞に係る処理を実行する必要がないため、そのまま本処理を終了する。
【0734】
一方、S701の処理において、第1入球口64aへ遊技球が入球したと判別された場合は(S701:Yes)、次いで、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S702)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるかを判別する(S703)。
【0735】
S703の処理において、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値であると判別された場合は(S703:No)、第1入球口64aへの入球はあったが、保留球数が上限である場合である。この場合は、第1特別図柄の始動入賞に係る処理を実行しないで、そのまま本処理を終了する。
【0736】
一方、第1入球口64aへの入球があり(S701:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S703:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S704)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を示す特図1保留球数コマンドを設定する(S705)。
【0737】
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。
【0738】
S705の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3および小当たり種別カウンタC5の値を特別図柄1保留球格納エリア203aに格納し(S706)、変動順格納エリア203kの最初のエリアへ特図1を設定し(S707)、本処理を終了する。
【0739】
なお、S707の処理では、特別図柄1保留球カウンタ203dまたは特別図柄2保留球カウンタ203eの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、その値が5であれば第5エリアを、その値が6であれば第6エリアを、その値が7であれば第7エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203kに設定された値を上述した変動実行判定処理(S205)にて判別することにより、本実施形態のように入球口(始動口)が特別図柄1を変動させるものと、特別図柄2を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、入球口(始動口)に入賞した順序で変動を開始させることができる。
【0740】
次に、図41を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図2始動入賞処理(S603)を説明する。図41は、この特図2始動入賞処理(S603)を示すフローチャートである。この特図2始動入賞処理(S603)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへの入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留を実行するための処理である。
【0741】
特図2始動入賞処理(S603)では、まず、球が第2入球口A64bに入球(始動入賞)したか否かを判別する(S801)。球が第2入球口A64bに入球したと判別されると(S801:Yes)、第2特別図柄に対して、第1特別図柄と同様の処理を行うためにS805の処理へ移行する。
【0742】
一方、S801の処理において、球が第2入球口A64bに入球していないと判別された場合は(S801:No)、次いで、球が第2入球口B640bに入球(始動入賞)したか否かを判別する(S802)。球が第2入球口B640bに入球したと判別されると(S802:Yes)、正常な第2入球口B640bへの入球であるか否かを判別するため、S803の処理へ移行する。
【0743】
S803の処理では、特図2B有効期間フラグ203rがオンであるか否かを判別する(S803)。特図2B有効期間フラグ203rがオンであると判別された場合は(S803:Yes)、第2入球口B640bへの入球が有効(正常)と設定されている期間内での入球であるので、第2特別図柄について、第1特別図柄と同様の処理を行うためにS805の処理へ移行する。
【0744】
一方、S803の処理において、特図2B有効期間フラグ203rがオフであると判別された場合は(S803:No)、第2入球口B640bへの入球が有効ではない(異常)と設定される期間内であるので、エラーコマンドを設定した後(S804)、S805の処理へ移行する。
【0745】
ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113や、外部出力端子板(図示せず)を介してパチンコ機10の外部に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信すると、そのエラーコマンドからエラーの内容を抽出し、抽出した内容に基づいた報知を第3図柄表示装置81と、音声出力装置226と、ランプ表示装置227とを用いて実行する。
【0746】
S805の処理では、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S805)。次いで、その値が上限値(本実施形態では4)未満であれば(S806:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を1加算し(S807)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値を示す特図2保留球数コマンドを設定する(S808)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3および小当たり種別カウンタC5の値および入賞口種別を特別図柄2保留球格納エリア203bに格納し(S809)、変動順格納エリア203kの最初のエリアへ特図2を格納(設定)し(S810)、本処理を終了する。なお、S810での最初のエリアの判定はS707の処理と同様にして行う。
【0747】
第2入球口A64bおよび第2入球口B640bへの入球がないか(S802:No)、或いは、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへの入球があっても特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でなければ(S806:No)、そのまま本処理を終了する。
【0748】
次に、図42を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される先読み処理(S604)について説明する。図42は、この先読み処理(S604)を示すフローチャートである。この先読み処理(S604)は、始動入賞処理(図39参照)の中で実行され、各特別図柄の抽選結果を予め判定し、その事前判定結果に基づく入賞情報コマンドを設定するための処理である。
【0749】
先読み処理(S604)では、まず、球が第1入球口64aに入球(始動入賞)したか否かを判別する(S901)。S901の処理において、球が第1入球口64aに入球(始動入賞)したと判別された場合は(S901:Yes)、第1当たり乱数テーブル202a、第1大当たり種別選択テーブル202b、特図1用種別選択テーブル202c1とに基づいて事前判定結果(当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別)を取得する(S902)。
【0750】
一方、S901の処理において、第1入球口64aに入球していない(球が第2入球口A64bまたは第2入球口B640bに入球(始動入賞)した)と判別された場合は(S901:No)、第1当たり乱数テーブル202a、第1大当たり種別選択テーブル202b、特図2用種別選択テーブル202c2とに基づいて事前判定結果(当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別)を取得する(S903)。
【0751】
S902またはS903の処理を終えると、S902またはS903の処理で取得した事前判定結果(当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別)に基づいて、入賞情報コマンドを設定する(S904)。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから事前判定結果(当たり判定結果、大当たり種別、小当たり種別)を抽出し、抽出した値をRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。これにより、音声ランプ制御装置113において事前判定結果に基づく演出を実行することができる。
【0752】
次に、図43を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図43は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83(図7参照)において行う第2図柄の変動表示や、第2入球装置640の第2入球口B640bに付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
【0753】
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、有効期間計測カウンタ203sの値が1以上であるか否かを判別する(S1001)。S1001の処理において、有効期間計測カウンタ203sの値が1以上であると判別された場合は、第2入球口B640bへの入球可能期間を計測するために、有効期間計測カウンタ203sの値を1減算し(S1002)、S1003の処理へ移行する。
【0754】
S1003の処理では、有効期間計測カウンタ203sの値が0であるか否かを判別する(S1003)。S1003の処理において、有効期間計測カウンタ203sの値が0であると判別された場合は(S1003:Yes)、第2入球口B640bへの球の入球を正常と判別する期間が経過した場合であるので、特図2B有効期間フラグ203rをオフに設定して(S1004)、S1005の処理へ移行する。
【0755】
S1001の処理において、有効期間計測カウンタ203sの値が0であると判別された場合は(S1001:No)、S1002からS1004の処理をスキップして、S1005の処理へ移行する。また、S1003の処理において有効期間計測カウンタ203sの値が0より大きいと判別された場合(S1003:No)は、S1004の処理をスキップして、S1005の処理へ移行する。
【0756】
S1005の処理では、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S1005)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口B640bに付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S1005:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0757】
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S1005:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるかを判別し(S1006)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S1006:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1007)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいかを判別し(S1008)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きくない(0でない)と判別された場合(S1008:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きい場合は(S1008:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S1009)。
【0758】
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1010)。S1010の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア?保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1011)。
【0759】
S1011の処理を終えると、第2当たり乱数テーブル202dに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S1012)。具体的には、取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202dに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0?199」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判別し、「200?398」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判別する。
【0760】
次に、S1012の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判別し(S1013)、普通図柄の当たりであると判別された場合には(S1013:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S1014)。このS1014の処理では、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
【0761】
そして、時短中であるか(時短中カウンタ203hの値が0より大きいか否か)を判別し(S1015)、時短中ではない(時短中カウンタ203hの値が0である)と判別した場合は(S1015:No)、遊技状態が時短中ではないので、電動役物640aの開放時間を0.2秒、開放回数を1回に設定し(S1016)、普通図柄の変動時間を180秒に設定して(S1017)、本処理を終了する。
【0762】
一方、S1015の処理において、時短中である(時短中カウンタ203hの値が0より大きいと)判別した場合は(S1015:Yes)、遊技状態が時短中であるので、電動役物640aの開放時間を0.5秒、開放回数を2回に設定し(S1018)、普通図柄の変動時間を1秒に設定して(S1019)、本処理を終了する。
【0763】
このように、普通図柄の遊技状態が時短遊技状態(時短中)の場合には、普通図柄の遊技状態が通常遊技状態(非時短中)と比較して、変動表示の時間が「180秒→1秒」と非常に短くなり、更に、第2入球口B640bに付随する電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→0.5秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口B640bへ球が入球し易い状態となる。
【0764】
S1013の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S1013:No)、外れ時の表示態様を設定する(S1020)。このS1020の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、普通図柄の変動時間を180秒に設定して(S1017)、本処理を終了する。
【0765】
S1006の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S1006:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S1021)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S1017の処理またはS1019の処理によって予め設定された時間である。
【0766】
S1021の処理において、変動時間が経過していなければ(S1021:No)、本処理を終了する。一方、S1021の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S1021:Yes)、第2図柄表示装置の停止表示を設定する(S1022)。S1022の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1014の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1020の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1022の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図50参照)の第2図柄表示更新処理(S1708参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1014の処理またはS1020の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)される。
【0767】
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S1023)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S1023:Yes)、第2入球口B640bに付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定する(S1024)。S1024の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図50参照)の電動役物開閉処理(S1706参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S1016の処理またはS1018の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。
【0768】
S1024の処理を終えると、S1024の処理において設定された電動役物640aの開放期間を測定するために、特図2B有効期間フラグ203rをオンに設定し(S1025)、有効期間計測カウンタ203sに1000(2秒)をセットして(S1026)、本処理を終了する。S1025およびS1026の処理により、第2入球口B640bへ遊技球が入球したタイミングが、電動役物640aの開放期間であるかを判別することができる。即ち、電動役物640aの開放期間でないにも関わらず、不正行為などによって遊技球が第2入球口B640bに入球されたことを検出することができる。
【0769】
なお、本実施形態では、時短遊技状態において電動役物650aに対して0.5秒×2回の開放動作を実行するため、その開放動作される時間に電動役物650aの開放動作が終了してから球が第2入球口B640aを通過するまでの許容時間を加えた2秒分を特図2Bの有効期間とし、2ミリ秒周期で実行される主制御装置110のタイマ割込処理にて減算される有効期間計測カウンタ203sに1000をセットしているが、例えば、電動役物650aの1回の開放動作毎に有効期間を設定してもよい。
【0770】
一方、S1023の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S1023:No)、電動役物640aの開放制御を行う必要がないので、S1024?S1026の処理をスキップして、本処理を終了する。
【0771】
次に、図44のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図44は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
【0772】
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判別する(S1101)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判別されると(S1101:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1102)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1103)。
【0773】
球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していないか(S1101:No)、或いは、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1103:No)、本処理を終了する。一方、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し(S1101:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1103:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1104)。そして、S1104の処理において加算された普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に基づいて、普図保留球数コマンドを設定する(S1105)。
【0774】
ここで設定された普図保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図保留球数コマンドを受信すると、その普図保留球数コマンドから普通図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の普図保留球数カウンタ223dに格納する。
【0775】
S1105の処理を終えると、上述したタイマ割込処理(図34参照)のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア?保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S1106)。尚、S1106の処理では、普通図柄保留球カウンタ203fの値を参照し、その値が1であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
【0776】
次いで、S1106の処理において格納した第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202dとに基づいて普図事前判定結果を取得し(S1107)、普図事前判定結果に基づいて普図入賞情報コマンドを設定して(S1108)、本処理を終了する。
【0777】
ここで設定された普図入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、普図入賞情報コマンドを受信すると、その普図入賞情報コマンドから普図事前判定結果を抽出し、抽出した値をRAM223の入賞情報格納エリア223aに格納する。これにより、音声ランプ制御装置113において普図事前判定結果に基づく演出を実行することができる。
【0778】
詳細については後述するが、本実施形態では第1特別図柄に基づく抽選よりも第2特別図柄に基づく抽選のほうが遊技者に有利となるよう設定されており、且つ、保留球数が多い程遊技者に有利となるように設定されている。よって、普通図柄(第2図柄)の抽選結果が当たりとなることで提供される第2入球口B640bに球が入球可能な状態は、通常の遊技状態に比べ有利な遊技状態となる。
【0779】
このような遊技状態が提供されるタイミングを普図の事前判定結果に基づいて示すことにより、遊技者は通常の遊技状態よりも有利な遊技状態を見逃すことなく遊技を行うことができる。なお、このような普図の事前判定結果を用いて演出を行う場合は普図の当否判定結果に基づく演出だけではなく、普図が当たりと判定された場合における電動役物640aが開放動作されるタイミングを示唆する演出を行うと良い。このようにすることで、通常の遊技状態は遊技盤13の左側の遊技領域を狙った遊技を行い、第2入球装置640(電動役物640aが付随する装置)が遊技盤13の右側に配設されていたとしても、電動役物640aが開放動作を行う前に、遊技盤13の右側を狙う遊技(所謂、右打ち)に切り替えることが可能となり、通常の遊技状態であっても第2入球口B640bへの球が入球する可能性を高めることができるという効果がある。
【0780】
次に、図45を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される扉通過時処理(S109)について説明する。図45は、この扉通過時処理(S109)を示すフローチャートである。この扉通過時処理(S109)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第2可変入賞装置650の扉650fへの球の入賞が正常かを判別する処理である。
【0781】
この扉通過時処理(S109)では、まず、第2可変入賞装置650に設けられた通過検出スイッチ(通過検出スイッチ)650a1が球を検出したかを判別する(S1201)。S1201の処理において、通過検出スイッチ(通過検出スイッチ)650a1が球を検出していないと判別した場合、つまり、通過検出スイッチ(通過検出スイッチ)650a1がオンに設定されていないと判別した場合は(S1201:No)、本処理を終了する。
【0782】
一方、S1201の処理において、通過検出スイッチ(通過検出スイッチ)650a1が球を検出したと判別された場合、つまり、通過検出スイッチ(通過検出スイッチ)650a1がオンに設定されたと判別した場合は(S1201:Yes)、今現在、第2可変入賞装置650を球が通過可能な期間内(通過可能期間内)であるかを、実行されている小当たりシナリオを参照して判別する(S1202)。
【0783】
なお、各小当たりシナリオには、小当たり遊技中に実行する動作制御のシナリオ以外に、小当たり遊技中の異常を判別するために、第2可変入賞装置650(扉650f)に入賞した球を有効(正常)に取り扱う期間や、第2可変入賞装置650内の特定領域を通過した球を有効(正常)に取り扱う期間が設定されている(図15参照)。
【0784】
S1202の処理において、通過可能期間内であると判別された場合は(S1202:Yes)、扉通過コマンドを設定し(S1203)、本処理を終了する。一方、S1202の処理において、通過可能期間内ではないと判別された場合は(S1202:No)、エラーコマンドを設定し(S1204)、本処理を終了する。
【0785】
ここで設定されたエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113や、外部出力端子板(図示せず)を介してパチンコ機10の外部に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信すると、そのエラーコマンドからエラーの内容を抽出し、抽出した内容に基づいた報知を第3図柄表示装置81と、音声出力装置226と、ランプ表示装置227とを用いて実行する。
【0786】
このように、第2可変入賞装置650への入賞に対して、小当たり遊技中であっても、その入賞を有効にする(正常)期間と有効にしない(異常)期間とを設けることにより、小当たり遊技中に不正に球を第2可変入賞装置650へ入賞させる行為を防止させることが可能となる。
【0787】
また、扉650fの通過を有効にする期間(通過可能期間)を小当たりシナリオにて設定しているため、小当たりの種別によって小当たり遊技中に動作制御される扉650fの開放パターンを変更する場合(異なる小当たりシナリオが選択される場合)において、扉650fの開放パターンと通過可能期間とを関連付けて設定することが可能となり、扉650fの開放パターンに適した通過可能期間を容易に設定することができるという効果がある。
【0788】
なお、本実施形態では、球の通過が通過可能期間外の場合(S1202:No)、扉通過コマンドを設定せずにエラーコマンドのみを設定するよう構成しているが、扉通過コマンドを設定した上でエラーコマンドを設定するようにしてもよい。
【0789】
次に、図46を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過時処理(S110)について説明する。図46は、このV通過時処理(S110)を示すフローチャートである。このV通過時処理(S110)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、第2可変入賞装置650内の特定領域(通過検出スイッチ650e5)への球の通過が正常かを判別する処理である。
【0790】
このV通過時処理(S110)では、まず、第2可変入賞装置650のV排出流路650e3内に設けられた通過検出スイッチ650e5が球を検出したかを判別する(S1301)。S1301の処理において、通過検出スイッチ650e5が球を検出していないと判別された場合、つまり、通過検出スイッチ650e5がオンに設定されていないと判別された場合は(S1301:No)、本処理を終了する。一方、S1301の処理において、通過検出スイッチ650e5が球を検出したと判別された場合は(S1301:Yes)、次いで、今現在が小当たりシナリオに設定されているV通過可能期間内であるかを判別する(S1302)。
【0791】
S1302の処理において、小当たりシナリオに設定されているV通過可能期間内ではないと判別された場合は(S1302:No)、エラーコマンドを設定し(S1303)、本処理を終了する。
【0792】
一方、S1302の処理において、小当たりシナリオに設定されているV通過可能期間内であると判別された場合には(S1302:Yes)、次いで、実行中の小当たり遊技の小当たり種別に設定されている大当たり種別値を読み込む(S1304)。つまり、実行中の小当たり遊技が小当たりCの場合は大当たり種別値として大当たりCを、実行中の小当たり遊技が小当たりC以外の場合は大当たり種別値として大当たりDを読み込む(図11(a)参照)。
【0793】
次に、S1304にて読み込まれた大当たり種別値が大当たりCであるかを判別し(S1305)、S1305の処理において、大当たりCであると判別された場合は(S1305:Yes)、大当たりCを示すVフラグ203mをオン(例えば、Vフラグ203mを「1」)に設定し(S1306)、S1307へと移行する。一方、S1305の処理において、大当たりC以外(大当たりD)であると判別された場合は(S1305:No)、大当たりDを示すVフラグ203mをオン(例えば、Vフラグ203mを「2」)に設定し(S1309)、S1307へ移行する。
【0794】
そして、S1306またはS1309の処理が実行された後に、V通過コマンドを設定し(S1307)、その後、時短中カウンタ203hを0にリセットする(S1308)。
【0795】
このように、第2可変入賞装置650への入賞に対して小当たり遊技中であっても、その入賞を有効にする(正常)期間と有効にしない(異常)期間とを設けることにより、小当たり遊技中に不正に球を特定領域(通過検出スイッチ650e5)へ通過させる行為を防止させることが可能となる。
【0796】
また、本実施形態では、通過可能期間外に通過検出スイッチ650e5が球を検出した場合に、Vフラグ203mをオンに設定することなくエラーコマンドを設定し本処理を終了するよう構成しているため、通過可能期間外に球が特定領域を通過したとしてもVフラグ203mがオンに設定されないことから、小当たり遊技中に不正に球を特定領域へ通過させたとしても、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されることがない。よって、不正遊技を防止することができるという効果がある。
【0797】
なお、本実施形態では球が特定領域を通過するタイミングが正常であるかを判別し、異常(エラー)の有無を判別する構成を用いたが、異常判別が出来る構成であれば、これ以外の構成を用いてもよい。
【0798】
例えば、通過検出スイッチ650e5が1回の小当たり遊技で2個以上の球を検出した場合を異常と判別してもよい。これは、本実施形態では第2可変入賞装置650が有する各構成の動作制御により、1回の小当たり遊技中に特定領域(通過検出スイッチ650e5)を通過可能な球を1個にする構成を採用している。よって、通過検出スイッチ650e5が1回の小当たり遊技で2個以上の球を検出した場合を異常と判別してもよい。
【0799】
また、本実施形態では、通過検出スイッチ650e5が球を検出したと判別されてから、その球の検出(特定領域の通過)が通過可能期間内かを判別する構成にしているため、通過可能期間外の球の検出(特定領域の通過)を異常として処理できるようにしているが、例えば、今現在が通過可能期間内かを先に判別し、通過可能期間内であれば、通過検出スイッチ650e5が球を検出したかを判別するように構成してもよい。
【0800】
さらに、上述した扉650fへの入賞を検出する通過検出スイッチ650a1と、特定領域である通過検出スイッチ650e5との検出結果に基づいて、1回の小当たり遊技中に通過検出スイッチ650a1が球を検出していないにも関わらず、通過検出スイッチ650e5が球を検出した場合を異常と判別するようにしてもよい。
【0801】
このようにすることで、例えば、V排出流路650e3内に球を滞留させ、通過可能期間内に滞留させた球を特定領域へ通過させるといった不正遊技を監視することが可能となる。
【0802】
また、今回の小当たり遊技がV通過可能な小当たりか否かの判別を行う手段を設け、その判別結果を用いて、V通過不可能(困難)な小当たりの場合にも関わらず、通過検出スイッチ650e5が球を検出した場合を異常と判別してもよい。
【0803】
尚、上述した複数の異常監視処理を、本実施形態のように小当たり遊技が実行されてから第2可変入賞装置650に最初に入賞した球がV排出流路650e3に入賞可能とする構成に用いることで、より確実に不正遊技を監視することが可能となる。
【0804】
つまり、不正に特定領域である通過検出スイッチ650e5に球を通過させようとした場合、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に1球も入賞させていないにも関わらず、通過検出スイッチ650e5が球を検出すると異常と判別することが可能となり、さらに、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に1球でも入賞させると通過検出スイッチ650e5が球を2個検出することになり異常と判別することが可能となる。
【0805】
また、今回の小当たり遊技がV通過不可能な小当たり遊技の場合は、第2可変入賞装置650に入賞させた球が通過検出スイッチ650e5を通過することが無いため、通過検出スイッチ650e5を通過する球が1個となるがV通過不可能な小当たり遊技中に通過検出スイッチ650e5が球を検出したことになるため異常と判別することができる。
【0806】
なお、上述した各異常判別処理の判別結果が異常と判別された場合はエラーコマンドを設定し、外部に出力可能に構成すればよい。この場合、エラーコマンドには異常の原因を識別可能な識別情報や、発生した異常の優先度を示す優先度情報が含まれるよう構成するとよい。
【0807】
ここで、優先度情報とは、発生した異常が不正遊技によって発生した異常であるか否かを簡易的に判別するための情報であり、例えば、第2可変入賞装置650に入賞した球数(通過検出スイッチ650a1が検出した球数)よりも特定領域を通過した球数(通過検出スイッチ650e5)のほうが多いと判別された異常は、不正遊技の可能性が高いため優先度が高い優先度情報が設定され、小当たり遊技中における通過可能期間外に球が特定領域を通過したと判別された異常は、球遊びが原因の可能性もあることから優先度が低い優先度情報が設定される。
【0808】
このように、どの異常も適正な遊技では起き得ない事態ではあるが、その中で優先度を設けることにより、1つのパチンコ機10で複数の異常が同時に発生した場合に、優先度の高い異常を優先的に報知させることができ、異常発生後の処理を円滑に行うことができるという効果がある。
【0809】
なお、特定領域への球の通過に対する各異常判別処理は、その全てを組み合わせてもよいし、その一部を適宜組み合わせてもよい。
【0810】
ここで上述した各異常判別処理の結果、異常と判別した場合に設定されるエラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113や、外部出力端子板(図示せず)を介してパチンコ機10の外部に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信すると、そのエラーコマンドからエラーの内容を抽出し、抽出した内容に基づいた報知を第3図柄表示装置81と、音声出力装置226と、ランプ表示装置227とを用いて実行する。
【0811】
次に、図47を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるVゲート駆動制御処理(S111)について説明する。図47は、このVゲート駆動制御処理(S111)を示すフローチャートである。このVゲート駆動制御処理(S111)は、タイマ割込処理(図34参照)の中で実行され、主制御装置110によって制御されるVゲート650dの駆動を制御するための処理である。なお、Vゲート駆動制御処理で用いられる開放カウンタ203nおよび閉鎖カウンタ203oは共に、2ミリ秒ごとに実行されるタイマ割込処理にてカウンタの値が加算されることから、カウンタの値が1加算されると2ミリ秒経過したことになる。
【0812】
Vゲート駆動制御処理(S111)では、まず、電源投入後最初の割り込み処理であるかを判別する(S1401)。S1401の処理において、電源投入後最初の割り込み処理であると判別した場合は(S1401:Yes)、Vゲートソレノイド650d2をオンに設定し(S1402)、Vゲート650dを誘導状態(開放)にする。
【0813】
そして、Vゲート650dの状態が誘導状態(開放)であることを示すVゲート状態コマンドを設定し(S1403)、開放カウンタ203nの値を1加算して(S1404)、本処理を終了する。
【0814】
一方、S1401の処理において、電源投入後最初の割り込み処理ではないと判別された場合は(S1401:No)、開放カウンタ203nの値が0であるかを判別する(S1405)。S1405の処理において、開放カウンタ203nの値が0ではないと判別されると(S1405:No)、次いで、開放カウンタ203nの値が750より大きいか(1.5秒を経過したか)を判別する(S1406)。
【0815】
S1406の処理において、開放カウンタ203nの値が750より大きくない(750以下)と判別された場合は(S1406:No)、S1404にて開放カウンタ203nを1加算し、本処理を終了する。一方S1406の処理において、開放カウンタ203nの値が750より大きいと判別された場合は(S1406:Yes)、開放カウンタ203nの値を0にリセットし(S1407)、Vゲートソレノイド650d2をオフに設定し(S1408)、Vゲート650dを規制状態(閉鎖)にする。
【0816】
そして、Vゲート650dの状態が規制状態(閉鎖)であることを示すVゲート状態コマンドを設定し(S1409)、閉鎖カウンタ203oの値を1加算し(S1410)、本処理を終了する。
【0817】
また、S1405の処理において、開放カウンタ203nの値が0であると判別された場合(S1405:Yes)、つまり、一度開放カウンタ203nの値が750よりも大きくなりS1407にて開放カウンタ203nのが値が0にリセットされた場合は、つぎに、閉鎖カウンタ203oの値が1750より大きいか(3.5秒を経過したか)を判別する(S1411)。
【0818】
S1411の処理において、閉鎖カウンタ203oの値が1750より大きくない(1750以下)の場合は(S1411:No)、閉鎖カウンタ203oの値を1加算し(S1410)、本処理を終了する。一方、S1411の処理において閉鎖カウンタ203oの値が1750より大きいと判別された場合は(S1411:Yes)、閉鎖カウンタ203oの値を0にリセットし(S1412)、Vゲートソレノイド650d2をオンに設定し(S1413)、開放を示すVゲート状態コマンドを設定し(S1414)、開放カウンタ203nの値を1加算し(S1415)、本処理を終了する。
【0819】
ここで設定されたVゲート状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、Vゲート状態コマンドを受信すると、そのVゲート状態コマンドからVゲート650dの状態を抽出し、Vゲート650dの動作状況を把握することができる。特に、S1403にて設定されたVゲート状態コマンドは、音声ランプ制御装置113がVゲートシナリオ222cを設定する際に用いられる(図58参照)。
【0820】
以上、説明をしたように本実施形態におけるVゲート650dは電源が投入されてから常時一定の動作(1.5秒の開放と3.5秒の閉鎖とを繰り返す動作)が行われるよう制御されている。
【0821】
なお、常時一定の動作が行われる制御として、本実施形態では誘導(開放)状態と規制(閉鎖)状態とを、それぞれカウンタ(開放カウンタ203nと閉鎖カウンタ203o)でカウントされた値が、予め設定されたカウンタ値に到達したときにVゲート650dの動作状態を切り替える制御を行っているが、それ以外の構成を用いてもよい。
【0822】
例えば、Vゲート650dの動作内容を規定した動作シナリオ(役物動作シナリオ)を設け、主制御装置110にて定期的(2ミリ秒周期)に実行されるタイマ割込が実行される毎にカウントされるカウンタ(役物動作カウンタ)の値を用いてVゲート650dの動作内容を規定した動作シナリオを更新し、その更新された動作シナリオ内容に基づいてVゲート650dを動作させるように構成してもよい。この場合、Vゲート650dは一定の動作を繰り返し実行するだけであるため、1つの動作シナリオをループするように構成するとよい。
【0823】
また、上述したようにVゲート650dの動作シナリオ(役物動作シナリオ)を更新するためのカウンタ(役物動作カウンタ)を用いる場合には、役物動作カウンタの値を変動種別カウンタCS1の値として用いてもよい。このように構成することで、Vゲート650d(役物)の動作と対応付けた変動種別を選択することが可能となる。また、主制御装置110にて実行される複数の制御処理を共通のカウンタ値に基づいて実行することが可能となる。
【0824】
例えば、Vゲート650dが開放状態であることを示すカウンタの値と、Vゲート650dが閉鎖状態であることを示すカウンタの値とで、選択される特別図柄の変動種別(変動時間)が異なるように特別図柄の変動パターン選択テーブルを構成するとよい。具体的には、変動パターン選択テーブル202(図11参照)に設定されている各変動パターン選択テーブル202e1?202e3(図12、図13参照)にて参照されるカウンタを変動種別カウンタCS1から役物動作カウンタの値に変更する。そして、特別図柄変動開始処理(図37参照)の変動種別カウンタCS1の値を取得する処理(図37のS401)にて、変動種別カウンタCS1の代わりに役物動作カウンタの値を取得し、取得した役物動作カウンタの値を参照して変動パターンを選択する。
【0825】
役物動作カウンタを参照して選択される変動パターンとしては、例えば、特別図柄の抽選結果が小当たりの場合に参照される小当たり用変動パターン選択テーブル202e3(図13参照)のうち、小当たりAに対応して設定されている変動パターンを、Vゲート650dが開放状態であることを示す役物動作カウンタの値と、Vゲート650dが閉鎖状態であることを示す役物動作カウンタの値とで選択される変動パターンが異なるように設定し、そのうち、Vゲート650dが開放状態であることを示す役物動作カウンタの値に対応して設定される変動パターン(変動時間)を、その変動パターンが実行される小当たりがV通過可能小当たりとなるように設定するとよい。
【0826】
つまり、特別図柄の抽選結果が小当たりAとして確定表示されるまでの期間(変動時間)と、小当たりA遊技が開始されてから特定領域650e5に球が通過可能となるまでの期間(小当たり遊技開始?入賞球Vゲート到達タイミングまでの期間(図27参照)、本第1実施形態では5秒)とを合計した期間の経過後に、Vゲート650dが開放状態となるように変動パターン(変動時間)を設定する。具体的には、変動時間が5秒の変動パターンが設定される。これにより、Vゲート650dが開放しているタイミングで小当たりAに当選した特別図柄の変動が開始された場合に、V通過可能小当たりを提供することができる。
【0827】
このように、役物(Vゲート650d)の動作状況と、特別図柄の抽選結果に基づく当たり遊技(小当たりA遊技)とが特定のタイミングで実行される場合(Vゲート650d開放中に、入賞球Vゲート到達タイミングが到来するよう小当たりAが実行される場合)に、遊技者に有利な特典(大当たり遊技)が付与される遊技機において、役物(Vゲート650d)の動作制御に用いるカウンタ(役物動作カウンタ)の値を用いて特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択可能に構成することで、役物が所定の動作態様(Vゲート650dが開放状態)である場合に実行される特別図柄の変動を、遊技者に有利となる特別図柄の変動とすることが可能となる。
【0828】
これにより、役物の動作制御と特別図柄の抽選という従来独立していた制御を関連付けた制御を実行することが可能となり、遊技者は役物の動作状況と特別図柄の変動が実行されるタイミングとを意識しながら遊技を行うことになる。よって、例えば、特別図柄の抽選結果が外れであったとしても、その特別図柄の変動が停止するタイミングによって次以降の特別図柄変動の結果に影響を与えることになる。即ち、従来、遊技者が興味を示さない特別図柄変動(外れである特別図柄変動、または、大当たりとなる可能性が低い演出が実行された特別図柄変動)であっても、遊技者は特別図柄変動の抽選結果ではなく特別図柄変動が停止するタイミングを注視することになるため、特別図柄変動に興味を持たせることが可能となり、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【0829】
さらに、パチンコ機10の遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態等)毎に変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを設け、遊技者が有利な遊技状態(時短遊技状態)に対応する変動パターン選択テーブルにおいて、上述した役物の動作を制御するためのカウンタ(役物動作カウンタ)の値を参照して変動パターン(変動時間)を選択するようにするとよい。このように構成することで、例えば、役物動作カウンタの値が、役物(Vゲート650d)が開放している状態を示す値であっても、役物(Vゲート650d)が閉鎖している状態を示す値であっても、選択された変動パターンの実行後に開始される小当たりA遊技がV通過可能小当たりとなるように変動パターン(変動時間)を設定することで、遊技者が有利な遊技状態では、小当たりA遊技が必ずV通過可能小当たりとなるようにすることが可能となる。これにより、所定条件を満たした状態(時短遊技状態)遊技者に有利となる遊技状態をより遊技者に有利な遊技状態として提供することが可能となるため、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
【0830】
なお、本第1実施形態では、特別図柄の変動が開始されるタイミング(特別図柄変動開始処理(図37参照))で特別図柄の変動パターンを選択する際に参照されるカウンタ(変動種別カウンタCS1)の値を取得しているが、これ以外の構成を用いてもよく、例えば、始動入賞処理(図39参照)が実行されるタイミング、つまり、始動入賞口(第1入球口64a、第2入球口A64b、第2入球口B640b)に球が入球した際に実行される処理にて特別図柄の変動パターンを選択する際に参照されるカウンタ(変動種別カウンタCS1)の値を取得するように構成してもよい。
【0831】
また、Vゲート650dの動作制御を行う場合に用いられるカウンタ(役物動作カウンタ)の値を他の制御で用いる技術として、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照されるカウンタ(本実施形態では変動種別カウンタCS1)の代わりに用いる例を示したが、それ以外に、第1当たり乱数カウンタC1の代わりとして用いてもよい。この場合、役物(Vゲート650d)の動作シナリオを更新するためのカウンタ(役物動作カウンタ)の値をそのまま流用しても良いし、役物動作カウンタの当たりを利用した乱数を生成し、その乱数を第1当たり乱数カウンタC1の代わりとしてもよい。
【0832】
具体的には、2ミリ秒毎に実行される主制御装置110のタイマ割込処理にて加算される役物動作カウンタの値(例えば、0?2500)と、主制御装置110のメイン処理にて残余時間を用いて更新される初期値乱数カウンタの値(例えば、0?2500)とを組み合わせた値を第1当たり乱数カウンタC1の代わりに用いても良い。これにより、特別図柄の当たり判定に用いるカウンタの値を複雑に設定することができるため、不正され難くすることができる。また、1つのカウンタ(役物動作カウンタ)の値を複数の制御に用いることで、主制御装置110が搭載するカウンタの数を削減することができ、処理負担を軽減させることができる。
【0833】
また、本実施形態ではVゲート650dの動作が常時一定の制御を用いているが、例えば、所定期間(例えば、10時間)が経過した場合に、誘導(開放)状態となる期間を延ばしたり、大当たり遊技終了後の所定回数(例えば、5回)は誘導(開放)状態となる期間を延ばしたりするなど、所定条件が成立した場合には必ず実行されるような動作制御を追加してもよい。
【0834】
このようにすることで、所定条件の成立の有無に基づいて小当たり遊技を経由した大当たり遊技が実行される確率を実質的に変更することが可能となり、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することが可能となるという効果がある。
【0835】
また、例えば小当たり遊技を経由した大当たり遊技の発生が所定回数(例えば、10回)に到達したことを条件として、Vゲート650dが誘導(開放)状態となるタイミングを切り替えたり、誘導(開放)状態となる期間を短くしたりしてもよい。このように構成することで、小当たり遊技における特定領域を通過可能なタイミングをより一層複雑にすることが可能となり、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【0836】
図48は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
【0837】
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
【0838】
次に、図49を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図49は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
【0839】
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図6参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1612へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1612へ移行する。
【0840】
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1612へ移行する。なお、図50のS1715の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
【0841】
S1612の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1612)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1613,S1614)を実行する。
【0842】
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1613,S1614)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1613,S1614)を実行する。RAMの初期化処理(S1613,S1614)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1613)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1614)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
【0843】
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
【0844】
S1610の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1611)、後述するメイン処理に移行する。
【0845】
次に、図50を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図50は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ミリ秒周期の定期処理としてS1701?S1708の各処理が実行され、その残余時間でS1711,S1712のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
【0846】
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図34参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図34参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図35参照)や始動入賞処理(図39参照)で設定された保留球数コマンドや、先読み処理(図42参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図51参照)で設定されたオープニングコマンド等、小当たり制御処理(図53参照)で設定された小当たりオープニングコマンド等を音声ランプ制御装置113へ送信する。更に、扉通過時処理(図45参照)やV通過時処理(図46参照)にて設定されたエラーコマンドや、Vゲート駆動制御処理(図47参照)で設定されたVゲート状態コマンド等を音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
【0847】
なお、本パチンコ機10における外部出力処理は、図示しない外部端子板によってパチンコ機10の外部に各種コマンドを出力可能に構成されており、例えば、各種エラーコマンドをパチンコ機10の外部に出力可能としている。
【0848】
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にリセットする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
【0849】
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1704)。大当たり制御処理の詳細については、図51を参照して後述する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1704)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
【0850】
S1704の処理を終えると、小当たり制御処理を実行する(S1705)。小当たり制御処理の詳細については、図53を参照して後述する。なお、本実施形態では、小当たり制御処理(S1705)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
【0851】
次に、第2入球装置640の第2入球口B640bに付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1706)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図43参照)のS1024の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS1016の処理またはS1018の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
【0852】
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1707)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図37参照)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
【0853】
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
【0854】
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図37参照)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
【0855】
次に、第2図柄表示装置(図示せず)の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1708)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図43参照)のS1017の処理またはS1019の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図43参照)のS1022の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図43参照)のS1014の処理またはS1020の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
【0856】
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1709)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1709:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1710)、既に所定時間が経過していれば(S1710:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
【0857】
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1710:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1711,S1712)。
【0858】
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1711)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399、398)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1712)。
【0859】
ここで、S1701?S1708の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
【0860】
また、S1709の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1709:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図48のNMI割込処理が実行されたということなので、S1713以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1713)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1714)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1715)、RAM203のアクセスを禁止して(S1716)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
【0861】
なお、S1709の処理は、S1701?S1708で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1711とS1712の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
【0862】
次に、図51のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1704)を説明する。図51は、この大当たり制御処理(S1704)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1704)は、メイン処理(図50参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、第1特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
【0863】
大当たり制御処理では、まず、大当たりシナリオが設定されているかを判別する(S1801)。具体的には、特別図柄変動処理(図35参照)のS217の処理、または、後述する小当たりエンディング制御処理(図54参照)のS2107の処理を実行し、大当たりシナリオが設定されているかを判別する。つまり、特別図柄の抽選の結果が大当たりとなり、その抽選結果に基づいて大当たりシナリオが設定されたか、或いは、小当たり遊技中に特定領域(通過検出スイッチ650e5)を通過したことに基づいて大当たりシナリオが設定されたかを判別する。S1801の処理において、大当たりシナリオが設定されていないと判別された場合は(S1801:No)、そのまま本処理を終了する。
【0864】
一方、S1801の処理において、大当たりシナリオが設定されていると判別された場合は(S1801:Yes)、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値に1を加算し(S1802)、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値が大当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S1803)。例えば、大当たりシナリオaが設定されている場合(図14参照)、オープニング開始(オープニングスタート)に該当する大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値は1であるため、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値が1であるかを判別する。
【0865】
S1803の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がオープニング開始に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1)であると判別された場合は(S1803:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1804)、本処理を終了する。一方、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がオープニング開始に対応しない値であると判別した場合は(S1803:No)、次いで、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がラウンド開始に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1251)であるかを判別する(S1805)。
【0866】
S1805の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がラウンド開始に対応する値であると判別した場合は(S1805:Yes)、S1806の処理にて特定入賞口(第1特定入賞口)65aが開放されるよう設定し(第1特定入賞口65aの特定扉65fが開状態となるよう特定扉ソレノイド65f2をオンに設定し)、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1807)、本処理を終了する。
【0867】
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図50参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
【0868】
一方、S1805の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がラウンド開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1805:No)、次に、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1808)。ここで、本実施形態における特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件としては、特定入賞口(第1特定入賞口)65aが開放されてから30秒が経過した場合、または、特定入賞口(第1特定入賞口)65aが開放されてから、球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
【0869】
S1808の処理において、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件が成立していると判別した場合は(S1808:Yes)、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値を、現在実行されているラウンドのラウンド終了に対応するカウンタ値から1減算した値まで更新し(S1809)、本処理を終了する。なお、S1808の処理で閉鎖条件が成立していると判別された場合は、その閉鎖条件はクリアされ、次回以降の大当たり制御処理において再度閉鎖条件が成立していると判別されないよう構成されている。
【0870】
ここで、大当たりシナリオは、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値を更新(加算)し、その更新(加算)されたカウンタ値に対応する動作を実行させるように構成されている。よって、特定入賞口(第1特定入賞口)65aに球が所定数(例えば、10個)入賞したことで閉鎖条件が成立する場合、つまり、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で特定入賞口(第1特定入賞口)65aを閉鎖する場合には、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値を対応する動作制御が実行されるカウンタ値の1つ前の値まで更新するよう構成している(次回の大当たり制御処理にて動作制御が実行されるよう構成している)。
【0871】
このようにすることで、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で実行される動作制御(例えば、球が所定数入賞したことにより特定入賞口を閉鎖させる動作制御)を大当たりシナリオに基づいて実行することが可能となる。よって、特定入賞口(第1特定入賞口)65aの閉鎖条件として、所定時間が経過した場合は大当たりシナリオに基づいて動作制御を行い、所定数の入賞があった場合は大当たりシナリオに基づくことなく動作制御を実行するといった複雑な制御を行う必要がなくなり、設計を容易にすることができるとともに両方の動作制御が混在してしまうという事態を防ぐことができるという効果がある。
【0872】
図51に戻り説明を続ける。S1808の処理において、特定入賞口(第1特定入賞口)65の閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1808:Yes)、つぎに、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がラウンド終了に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が8750)であるかを判別する(S1810)。
【0873】
S1810の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がラウンド終了に対応する値であると判別した場合は(S1810:Yes)、S1811の処理にて特定入賞口(第1特定入賞口)65aが閉鎖されるよう設定し(第1特定入賞口65aの特定扉65fが閉状態となるよう特定扉ソレノイド65f2をオフに設定し)、本処理を終了する。なお、上述したS1805?S1810までの判別処理は、大当たりシナリオに設定されている大当たりのラウンド数分繰り返し実行される。
【0874】
一方、S1810の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がラウンド終了に対応する値ではないと判別した場合は(S1810:No)、次いで、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がインターバル開始(に対応する値大当たりシナリオaであればカウンタ値が8751)であるかを判別する(S1812)。S1812の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がインターバル開始に対応する値であると判別した場合は(S1812:Yes)、インターバルコマンドを設定し(S1813)、本処理を終了する。
【0875】
一方、S1812の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がインターバル開始に対応する値ではないと判別した場合には(S1812:No)、次に、大当たりエンディング制御処理(S1814)を実行する。この大当たりエンディング制御処理は、大当たり遊技におけるエンディング期間、つまり大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから特別図柄の変動が開始されるまでの所定期間(例えば5秒)の間に実行される処理である。
【0876】
次に、図52のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たりエンディング制御処理(S1814)を説明する。図52は、この大当たりエンディング制御処理(S1814)を示すフローチャートである。この大当たりエンディング制御処理(S1814)は、大当たり制御処理(図51参照)の中で実行される処理である。
【0877】
大当たりエンディング制御処理では、まず、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(大当たりシナリオaであればカウンタ値が40751)であるかを判別する(S1901)。S1901の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S1901:Yes)、大当たりエンディングコマンドを設定し(S1902)、本処理を終了する。
【0878】
一方、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S1901:No)、次いで、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がエンディング終了に対応する値(大当たりシナリオaであれば、カウンタ値が42000)であるかを判別する(S1903)。S1903の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がエンディング終了に対応する値ではないと判別した場合には(S1903:No)、本処理を終了する。
【0879】
一方、S1903の処理において、大当たりシナリオカウンタ203pのカウンタ値がエンディング終了に対応する値であると判別した場合には(S1903:Yes)、次に、大当たりシナリオの設定をクリアし(S1904)、大当たりシナリオカウンタ203pを0にリセットする(S1905)。つまり、大当たりシナリオに基づく大当たり遊技の動作制御を終了する。
【0880】
そして、今回実行された大当たりの大当たり種別が大当たりCであるかを判別する(S1906)。S1906の処理において、大当たり種別が大当たりCではない(大当たりA,B,Dである)と判別した場合には(S1906:No)、時短中カウンタ203hのカウンタ値を8に設定し(S1907)、本処理を終了する。一方、大当たり種別が大当たりCであると判別された場合は(S1906:Yes)、そのまま本処理を終了する。
【0881】
つまり、大当たり種別が大当たりC以外(大当たりA,B,D)の場合は、時短中カウンタ203hのカウンタ値を8に設定することにより、大当たり遊技の終了から特別図柄が8回変動されるまで(特別図柄の抽選が8回実行され、その8回目の抽選結果が停止表示されるまで)遊技状態が時短遊技状態(時短状態)となるように設定する。
【0882】
次に、図53のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理(S1705)を説明する。図53は、この小当たり制御処理(S1705)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1705)は、メイン処理(図50参照)の中で実行され、小当たりに応じた各種演出を音声ランプ制御装置113にて実行させるためのコマンドの設定や、第2特定入賞口650aを開閉するための扉ソレノイド650f2やストッパ(球止部材)650cの位置を可変させるストッパソレノイド650c2の動作を制御する処理である。
【0883】
小当たり制御処理では、まず、小当たりシナリオが設定されているかを判別する(S2001)。具体的には、小当たり開始設定処理(図38参照)のS502,S503の処理が実行され、小当たりシナリオが設定されているかを判別する。S2001の処理において、小当たりシナリオが設定されていなければ(S2001:No)、そのまま本処理を終了する。
【0884】
一方、S2001の処理において、小当たりシナリオが設定されていれば(S2001:Yes)、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値に1を加算し(S2002)、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値が小当たりシナリオのオープニング開始のタイミングであるかを判別する(S2003)。例えば、小当たりシナリオaが設定されている場合(図15(b)参照)、オープニング開始(オープニングスタート)に該当する小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値が1であるため、小当たりシナリオカウンタ203qの値が1であるかを判別する。
【0885】
S2003の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がオープニング開始に対応する値(小当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1)である場合は(S2003:Yes)、S2004の処理によって、ストッパ(球止部材)650cを球止位置に設定する(ストッパ650cが球止位置に可変するようにストッパソレノイド650c2をオンに設定する)。そして、小当たり用オープニングコマンドを設定し(S2005)、本処理を終了する。一方、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がオープニング開始に対応しない値である場合は(S2003:No)、次いで、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がラウンド開始に対応する値(小当たりシナリオaであれば、カウンタ値が626)であるかを判別する(S2006)。
【0886】
S2006の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がラウンド開始に対応する値である場合は(S2006:Yes)、S2007の処理にて小当たりシナリオに基づいて第2特定入賞口650aが開閉されるよう設定し(第2特定入賞口650aの扉650fが開状態または閉状態となるよう扉ソレノイド650f2のオン、オフを設定し)、本処理を終了する。
【0887】
なお、本実施形態では、小当たりシナリオに基づいて実行される動作制御として、小当たり遊技の1回のラウンド中に第2特定入賞口650aが複数回開閉するよう動作制御される場合がある。例えば、小当たりシナリオが小当たりシナリオbの場合は、1回のラウンド中に、第2特定入賞口650aの開放期間が0.1秒、閉鎖期間が0.9秒となる開閉動作が繰り返されるように設定されている。このような動作制御はS2007の処理において実行される。
【0888】
図53に戻り説明を続ける。S2006の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がラウンド開始に対応する値ではない場合は(S2006:No)、次に、ラウンド終了条件が成立したかを判別する(S2008)。ここで、本実施形態では、第2特定入賞口650aが開放されている間に、合計で球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、ラウンド終了条件が成立したと判別する。
【0889】
S2008の処理において、第2特定入賞口650aのラウンド終了条件が成立していると判定した場合は(S2008:Yes)、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値を、ラウンド終了に対応するカウンタ値から1減算した値まで更新し(S2009)、本処理を終了する。なお、S2008の処理でラウンド終了条件が成立していると判別された場合は、そのラウンド終了条件はクリアされ、次回以降の制御において再度ラウンド終了条件が成立していると判別されないよう構成されている。
【0890】
ここで、小当たりシナリオは上述した大当たりシナリオと同様に、小当たりカウンタ203qのカウンタ値を更新(加算)し、その更新(加算)されたカウンタ値に対応する動作を実行させるように構成されている。よって、第2特定入賞口650aに球が所定数(例えば、10個)入賞したことでラウンド終了条件が成立する場合、つまり、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因でラウンドが終了する(第2特定入賞口650aを閉鎖する)場合には、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値を対応する動作制御が実行されるカウンタ値の1つ前の値まで更新するよう構成している(次回の小当たり制御処理にて動作制御が実行されるよう構成している)。
【0891】
このようにすることで、時間の経過(カウンタ値の更新)に伴わない要因で実行される動作制御(例えば、球が所定数入賞したことによりラウンドを終了させる動作制御)を小当たりシナリオに基づいて実行することが可能となる。よって、第2特定入賞口650aのラウンド終了条件として、所定時間が経過した場合は小当たりシナリオに基づいて動作制御を行い、所定数の入賞があった場合は小当たりシナリオに基づくことなく動作制御を実行するといった複雑な制御を行う必要がなくなり、設計を容易にすることができるとともに両方の動作制御が混在してしまうという事態を防ぐことができるという効果がある。
【0892】
図53に戻り説明を続ける。S2008の処理において、第2特定入賞口650aのラウンド終了条件が成立していないと判別した場合は(S2008:Yes)、つぎに小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がラウンド終了に対応する値(小当たりシナリオaであればカウンタ値が1000)であるかを判別する(S2010)。
【0893】
S2010の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がラウンド終了に対応する値であると判別した場合は(S2010:Yes)、S2011の処理にて第2特定入賞口650aが閉鎖されるよう設定し(第2特定入賞口650aの扉650fが閉状態となるよう扉ソレノイド650f2をオフに設定し)、本処理を終了する。
【0894】
一方、S2010の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がラウンド終了に対応する値ではないと判別した場合には(S2010:No)、次に、小当たりエンディング制御処理(S2013)を実行する。この小当たりエンディング制御処理は、小当たり遊技におけるエンディング期間、つまり小当たり遊技のラウンドが終了してから特別図柄の変動が開始されるまでの所定期間(例えば5秒)の間に実行される処理である。
【0895】
次に、図54のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たりエンディング制御処理(S2012)を説明する。図54は、この小当たりエンディング制御処理(S2012)を示すフローチャートである。この小当たりエンディング制御処理(S2012)は、小当たり制御処理(図53参照)の中で実行される処理である。
【0896】
小当たりエンディング制御処理では、まず、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がエンディング開始に対応する値(小当たりシナリオaであればカウンタ値が1001)であるかを判別する(S2101)。S2101の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がエンディング開始に対応する値であると判別した場合は(S2101:Yes)、小当たりエンディングコマンドを設定し(S2102)、本処理を終了する。
【0897】
一方、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がエンディング開始に対応する値ではないと判別した場合は(S2101:No)、次いで、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値が、ストッパ(球止部材)650cを解除位置に可変させる球止解除に対応する値(小当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1125)であるかを判別する(S2103)。S2103の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値が球止解除に対応する値であると判別した場合は(S2103:Yes)、ストッパ(球止部材)650cを解除位置に設定(ストッパ650cが球止位置から解除位置に可変するようストッパソレノイド650c2をオフに設定)し(S2104)、本処理を終了する。
【0898】
なお、本実施形態では、第2特定入賞口650aが閉鎖されてから、ストッパ(球止部材)650cが解除位置に可変されるまでに0.5秒の間隔を空けている。これは、第2特定入賞口650aに入賞した球のうち、ストッパ(球止部)650cによって滞留される球以外の球を第2可変入賞装置650の外へ排出させるために設けた時間である。よって、ストッパ(球止部材)650cが解除位置に可変したタイミングにおいて、第2可変入賞装置650内に球が1個(球止部材650cによって滞留された球)のみが存在することとなり、その球の流下をそれ以外の球が阻害することを無くすことができ、適正な遊技を提供することができるよう構成している。
【0899】
図54に戻り説明を続ける。S2103の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値が球止解除に対応する値ではないと判別した場合には(S2103:No)、次に、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がV通過判定に対応する値(小当たりシナリオaであれば、カウンタ値が1500)であるかを判別する(S2105)。
【0900】
ここで、V通過判定とは、主制御装置110のタイマ割り込み処理の中で実行されるV通過時処理(図46参照)の結果を判定するタイミングを示すものである。このV通過時処理は、小当たりシナリオに設定されているV通過有効期間(小当たりシナリオaであれば、カウンタ値1250?1500)内に球が特定領域(第2可変入賞装置650のV排出流路650e3内に設けられた通過検出スイッチ650e5)を通過した場合にVフラグ203mをオンに設定する。即ち、V通過時に処理によってVフラグ203mがオンに設定されたかを、V通過有効期間が経過したタイミングで判別するために設けられたものである。
【0901】
このようにすることで、V通過有効期間内に球が特定領域を通過したことに基づいて確実に処理を行うことが可能となる。なお、それ以外の構成でもよく例えば、Vフラグ203mがオンに設定されたら即座に次の処理に移行してもよい。
【0902】
S2105の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がV通過判定に対応する値ではないと判別した場合は(S2105:No)、本処理を終了する。一方、S2105の処理において、小当たりシナリオカウンタ203qのカウンタ値がV通過判定に対応する値であると判別した場合は(S2105:Yes)、次にVフラグ203mがオンに設定されているかを判別する(S2106)。
【0903】
S2106の処理において、Vフラグ203mがオンに設定されていないと判別された場合は(S2106:No)、本処理を終了する。一方、Vフラグ203mがオンに設定されていると判別された場合は(S2106:Yes)、次いで、実行されている小当たりに付与されている大当たり種別(小当たりAであれば、大当たり種別D(図11(a)参照))に対応する大当たりシナリオを設定する(S2107)。そして、Vフラグ203mをオフに設定し(S2108)、V通過時大当たり種別値をクリアし(S2109)、本処理を終了する。
【0904】
なお、本実施形態では小当たり遊技をすべて1ラウンドの遊技として設定しているため、大当たり遊技の動作制御を実行する大当たりシナリオと異なり、ラウンド数に関するコマンドを設定する処理、及び、インターバル期間(ラウンド間インターバル期間)に対応したシナリオを有していないが、複数ラウンドを有する小当たり遊技を設ける場合には、上述した大当たり遊技にて用いた大当たりシナリオと同様なシナリオを設定すればよい。
【0905】
また、本実施形態では小当たり遊技が実行される期間を対象に小当たりシナリオが設定されるよう構成しているが、例えば、小当たり遊技終了後、所定期間(例えば1秒)が経過するまでの間を対象に小当たりシナリオを設定してもよい。このように構成することにより、例えば、小当たり遊技終了後1秒経過するまでをV通過有効期間と設定することが可能となる。よって、異なる遊技状態を跨って設定される期間を1つのシナリオによって設定することが可能となり、制御処理の容量を削減することができるという効果がある。
【0906】
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図55から図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
【0907】
まず、図55を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図55は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
【0908】
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、メイン処理の電源断処理(図56のS2318参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2202)。図56を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図56のS2315参照)、S2318の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2318の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
【0909】
電源断処理中フラグがオフであれば(S2202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2203)。
【0910】
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2203:Yes)、S2204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2203:No)、S2208へ移行する。
【0911】
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2203:Yes)、S2204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2318の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2203:No)、S2208へ移行する。
【0912】
電源断処理中フラグがオンであれば(S2202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2318の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
【0913】
S2204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S2204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
【0914】
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S2205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2205:No)、RAM223の異常を報知して(S2207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0915】
S2208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S2208)。電源断フラグはS2318の電源断処理の実行時にオンされる(図56のS2317参照)。つまり、電源断フラグは、S2318の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2318の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2209)、RAM223の初期値を設定した後(S2210)、割込み許可を設定して(S2211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
【0916】
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2204からS2206の処理を経由してS2208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2209をスキップして、処理をS2210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2210)、割込み許可を設定する(S2211)。そして、Vゲート初回フラグ223iをオンに設定して(S2212)、メイン処理へ移行する。
【0917】
なお、S2209のクリア処理をスキップするのは、S2204からS2206の処理を経由してS2208の処理へ至った場合には、S2204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
【0918】
次に、図56を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図56は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS2301の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S2301)、1ミリ秒以上経過していなければ(S2301:No)、S2302?S2311の処理を行わずにS2312の処理へ移行する。S2301の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S2302?S2311が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2313のコマンド判定処理や、S2314の変動表示設定処理は短い周期で実行する方が好ましいからである。S2313の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2314の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
【0919】
S2301の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S2301:Yes)、まず、S2303?S2314の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS2308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2303)、その後電源投入報知処理を実行する(S2304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2305の処理へ移行する。
【0920】
S2305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留球数表示更新処理が実行される(S2306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間(例えば、60秒)経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留球数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223bおよび特別図柄2保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプ(Ds1)を点灯させる処理が行われる。
【0921】
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22(枠左ボタン22a、枠右ボタン22b)が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。なお、この枠ボタン入力監視・演出処理については図71を参照して詳細な説明を後述する。
【0922】
また、例えば、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定するよう構成してもよい。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S2307の処理は省略される。
【0923】
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2308)、その後、音編集・出力処理を実行する(S2309)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29?33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
【0924】
S2309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2310)、S2311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2308のランプ編集処理が実行される。なお、S2309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
【0925】
S2310の処理を終えると、Vカウンタ223tの値を更新するためのVカウンタ更新処理を実行する(S2311)。このVカウンタ更新処理の詳細については、図72を参照して後述する。
【0926】
S2311の処理を終えると、演出カウンタ223gを更新し(S2312)、S2313の処理へ移行する。
【0927】
S2313の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2313)。このコマンド判定処理の詳細については、図57を参照して後述する。
【0928】
そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S2314)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図65を参照して後述する。
【0929】
S2314の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2315)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S2315の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2315:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2317)、電源断処理を実行する(S2318)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2319)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
【0930】
一方、S2315の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2315:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2316)、RAM223が破壊されていなければ(S2316:No)、S2301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2316:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
【0931】
次に、図57を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2313)について説明する。図57は、このコマンド判定処理(S2313)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2313)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
【0932】
コマンド判定処理(S2313)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2401:Yes)、変動開始フラグ223eをオンにし(S2402)、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し(S2403)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図65参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
【0933】
変動パターンコマンドを受信していない場合には(S2401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2404)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2404:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223fをオンに設定し(S2405)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2406)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図65参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
【0934】
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2404:No)、次いで、主制御装置110より停止コマンドを受信したか否かを判定する(S2407)。そして、停止コマンドを受信した場合には(S2407:Yes)、受信した停止コマンドに基づいて表示用停止コマンドを設定する(S2408)。一方、停止コマンドを受信していない場合には(S2408:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2409)。
【0935】
S2409の処理において、保留球数コマンドを受信した場合には(S2409:Yes)、受信した保留球数コマンドに対応する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の保留球数カウンタに、受信した保留球数コマンドに含まれている値を格納する(S2410)。具体的には、今回受信した保留球数コマンドが第1特別図柄(特図1)に対応する保留球数コマンドである場合は、受信した保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bに格納する。その後、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2411)。
【0936】
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bに入球(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S2410の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bまたは特別図柄2保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dまたは特別図柄2保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、例えば、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203dの値に合わせることができる。また、例えば、S2411の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
【0937】
なお、表示制御装置114は受信した表示用保留球数コマンドを受信した順番に基づいて、図26(a)に示すように、第1特別図柄の保留球数図柄と第2特別図柄の保留球数図柄とを小領域Ds1に並べて表示するよう構成しているが、例えば、主制御装置110の変動順格納エリア203kに格納されている情報を変動順コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113に送信するように構成し、音声ランプ制御装置113にて主制御装置110から受信した保留球数コマンドおよび変動順コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示する保留数図柄の表示順に対応した情報を表示用保留球数コマンドに含めて表示制御装置114に送信するよう構成してもよい。このようにすることで、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信した表示用保留球数コマンドに基づいて保留球数図柄を表示すればよいため、表示制御装置114の処理負担を軽減させることが可能となる。また、特別図柄の変動順が始動入賞した順番ではない場合においても、第1特別図柄の保留球数図柄と第2特別図柄の保留球数図柄とを並べて表示することが可能となる。
【0938】
図57に戻り、説明を続ける。S2409の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2409:No)、次いで、主制御装置110よりVゲート状態コマンドを受信したか否かを判定する(S2412)。そして、Vゲート状態コマンドを受信した場合には(S2412:Yes)、Vゲートコマンド受信処理を実行し(2413)、本処理を終了する。
【0939】
ここで、図58を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるVゲートコマンド受信処理(S2413)について説明をする。図58は、このVゲートコマンド受信処理(S2413)を示したフローチャートである。このVゲートコマンド受信処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、Vゲート650dの動作状況を把握するために、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドに基づいて実行される処理である。Vゲートコマンド受信処理が実行されることにより、音声ランプ制御装置113側でVゲート650dの動作を把握することが可能となる。また、Vゲート650dが正常に動作しているかを判別することが可能となる。
【0940】
Vゲートコマンド受信処理では、まず、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドに基づいたVゲート状態情報をVゲート状態格納エリア223jに格納する(S2501)。ここで、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドとは、主制御装置110にて実行されるVゲート駆動制御処理(図47参照)によって、Vゲート650dの状態を可変した場合に設定されるコマンドであり、Vゲート650dが開放状態(球がV排出流路650e3を流下可能な誘導状態)、または、閉鎖状態(球がV排出流路650e3を流下不可能(困難)な規制状態)の何れの状態であるかを示すコマンドが設定される。
【0941】
次に、Vゲート初回フラグ223iがオンに設定されているかを判別する(S2502)。このVゲート初回フラグ223iは、上述した音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理(図55参照)においてオンに設定されるフラグである。S2502の処理において、Vゲート初回フラグ223iがオンに設定されていると判別した場合は(S2502:Yes)、今回格納したVゲート状態情報が、Vゲート650dが開放(誘導)状態であることを示す情報であるかを判別する(S2503)。
【0942】
S2503の処理において、今回格納した情報(Vゲート状態情報)が、Vゲート650dが開放(誘導)状態であることを示す情報であると判別した場合には(S2503:Yes)、Vゲートシナリオ222cを設定し(S2506)、Vゲート初回フラグ223iをオフに設定する(S2507)。次いで、設定されたVゲートシナリオ222cに基づいて、Vゲート開放タイミングを開放タイミング格納エリア223kに格納する(S2508)。
【0943】
即ち、S2502?S2508までの一連の処理は、Vゲート初回フラグ223iがオンに設定されている場合、つまり、音声ランプ制御装置113の電源が立ち上がった場合にのみ実行される処理であり、音声ランプ制御装置113の電源が立ち上がると、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンド(Vゲート駆動制御処理のS1403にて設定されるVゲート状態コマンド(図47参照))に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221内のROM222に設けられたVゲートシナリオ222cが設定される。Vゲートシナリオ222cには、主制御装置110のVゲート駆動制御処理に対応した動作シナリオが規定されており、Vゲートシナリオ222cが設定されることにより、後述するVカウンタ更新処理(図72参照)によってVカウンタ223tが更新される。
【0944】
そして、Vゲートシナリオ222cに規定されている動作シナリオのうち、Vカウンタ223tの値に対応した内容が現在のVゲート650dの動作状況となる。このように、音声ランプ制御装置113にてVゲートシナリオ222cを設けることにより、Vゲート650dの動作状況を容易に把握することが可能となる。さらに、Vゲートシナリオ222cを参照することで、今後のVゲート650dの動作状況を想定することができ(例えば、3秒後?4.5秒後の間、Vゲート650dが誘導状態となると想定することができ)、その想定した情報に基づいた演出を実行することが可能となる。よって、遊技の結果に影響を与える可動物(Vゲート650d)の未来的な動作状況を想定し、その想定情報を用いた遊技状況(未来的に遊技者に対して有利な遊技状態が実行されるか否か)を報知する演出(遊技状況想定演出)を実行することが可能となるため、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【0945】
図58に戻り、説明を続ける。S2502の処理において、Vゲート初回フラグ223iがオンに設定されない場合(S2502:No)、又は、S2503の処理において、今回格納した情報(Vゲート状態情報)が、Vゲート650dが開放状態であることを示す情報であると判別した場合には(S2503:No)、今回格納した情報とVゲートシナリオ222cの内容が合致しているかを判別する(S2504)。
【0946】
S2504の処理において、今回格納した情報とVゲートシナリオ222cの内容が合致していると判別した場合は(S2504:Yes)、本処理を終了する。一方、今回格納した情報とVゲートシナリオ222cの内容が合致していないと判別した場合には(S2504:No)、エラーコマンドを設定し(S2505)、本処理を終了する。
【0947】
S2504の処理では、S2506にて設定されたVゲートシナリオ222cの更新内容と、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドが示すVゲート650dの動作状況とを比較することで、正常にVゲート650dが動作制御しているかを判別可能に構成している。このようにすることで、Vゲート650dが正常に動作制御されていないことを適正に判別することが可能となる。
【0948】
なお、S2504の処理において、S2506にて設定されたVゲートシナリオ222cの更新内容と、主制御装置110から受信したVゲート状態コマンドが示すVゲート650dの動作状況とが合致しているかを判別しているが、例えば所定範囲の誤差を許容するように構成してもよい。
【0949】
また、本実施形態では、主制御装置110の動作制御内容と、音声ランプ表示装置113のVシナリオ更新状況とを比較してVゲート650dの動作状況を把握する構成を用いたが、例えば、Vゲート650dの動作を検出するセンサを設け、そのセンサが検出したVゲート650dの動作情報を加えてVゲート650dの動作状況を把握する構成にしてもよい。このような構成にすることで、正常な動作制御が行われているかを判別し、更に、動作制御内容に対して実際に動作しているのかを判別することが可能となる、よって、Vゲート650dが正常に動作していないことをより適正に判別することができるという効果がある。
【0950】
なお、本実施形態ではVゲート650dが常時一定の動作で制御されるよう構成しているが、それ以外の構成として、予め定められている所定条件を満たした場合にVゲート650dの動作内容を変更するよう構成した場合、例えば、1日の大当たり回数が10回を超えた場合や、パチンコ機10に電源が投入されてから10時間が経過した場合に、Vゲート650dの1回の動作周期における誘導状態(Vゲート650dが開放される状態)の占める割合が低くなるように(例えば、誘導状態1秒、規制状態4秒)制御内容を切り替え可能な構成にした場合は、それぞれの制御内容に対応するVゲートシナリオ222cを格納し、制御内容が切替わるタイミングで、Vゲートシナリオ222c及びVカウンタ223tを再設定するように構成すればよい。このように構成することで、遊技の途中でVゲート650dの動作制御内容が切替わったとしても、即座にVゲートの動作状況を把握することが可能となる。
【0951】
図57に戻り、説明を続ける。S2412の処理において、Vゲートコマンドを受信していない場合には(S2412:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S2414)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S2414:Yes)、入賞コマンド受信処理を実行し(S2415)、その後、本処理を終了する。
【0952】
ここで、図59を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される入賞コマンド受信処理(S2415)について説明をする。図59は、この入賞コマンド受信処理(S2415)を示したフローチャートである。この入賞コマンド受信処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、主制御装置110から入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。
【0953】
本実施形態では、主制御装置110から受信した入賞コマンドに基づく入賞情報が連続して小当たりAを示す入賞情報である場合に、前兆演出、連続演出、および連続大当たり演出が実行可能に構成されている。入賞コマンド受信処理では上述した各種演出を実行するために参照される各種フラグの設定や各種カウンタの設定が行われる。
【0954】
入賞コマンド受信処理では、まず、主制御装置110から受信した入賞コマンドに基づく入賞情報を入賞情報格納エリア223aに格納する(S2601)。ここで、入賞情報には各カウンタC1?C3およびC5の各値に基づく情報が含まれている。
【0955】
次に、今現在、連続演出中フラグ223uがオンに設定されているかを判別し(S2602)、連続演出中フラグ223uがオンに設定されていると判別した場合は(S2602:Yes)、追加入賞フラグ223xをオンに設定し、S2604の処理に移行する。一方、連続演出中フラグ223uがオンに設定されていないと判別した場合は(S2602:No)、S2603の処理をスキップし、S2604へと移行する。
【0956】
S2604の処理に移行すると、今回格納した入賞情報が小当たりAを示す入賞情報であるかを判別する(S2604)。ここで、小当たりAは、図11(a)または図15(a)に示すように、小当たり遊技中に第2可変入賞装置650に球を入賞させ易い小当たりシナリオaが設定される小当たり種別であり、上述した連続演出を行う対象となる小当たり種別である。
【0957】
S2604の処理において、格納した入賞情報に小当たりAを示す情報が含まれていると判別した場合は(S2604:Yes)、次いで、小当たり連続回数格納エリア223oに既に値が格納されているかを判別する(S2608)。小当たり連続回数格納エリア223oに値が格納されていると判別した場合は(S2608:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、小当たり連続回数格納エリア223oに値が格納されていないと判別した場合は(S2608:No)、次いで、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が3であるかを判別する(S2609)。S2609の処理において、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が3であると判別した場合は(S2609:Yes)、本処理を終了する。
【0958】
本実施形態では、小当たりAを示す情報が含まれている入賞情報を連続して受信した場合(小当たりAに連続して当選した場合)において、その連続回数が2回の場合と、3回の場合とで連続演出の内容を異ならせている。特定小当たり連続カウンタ223nはその連続回数をカウントするカウンタである。
【0959】
また、本実施形態では、連続演出の上限を3回に設定しているため、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が3の状態で新たに小当たりAを示す情報を含む入賞コマンドを受信したとしても特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値を加算する処理は行われない(S2609)が、例えば、連続演出の上限を3回より多く設定する場合には、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値を更に加算させ、そのカウンタ値に対応した連続演出を実行するよう構成すればよい。
【0960】
一方、S2609の処理において、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が3ではない、即ち、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が0?2であると判別された場合は(S2609:No)、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値に1を加算し(S2610)、次に、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2であるかを判別する(S2611)。
【0961】
S2611の処理において、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2であると判別された場合は(S2611:Yes)、前兆演出カウンタ223pに現在の保留球数をセットし(S2612)、本処理を終了する。一方、S2611の処理において、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2ではない、即ち、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が1または3であると判別された場合は(S2611:No)、そのまま本処理を終了する。
【0962】
S2611の処理は、小当たりAを示す情報が含まれている入賞情報を連続して受信した(小当たりAに連続して当選した)ことを判別するための処理であり、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2となる場合に、小当たりAに連続して当選したと判別する。なお、S2612にてセットされる前兆演出カウンタ223pは、小当たりAに連続して当選したと判別された入賞コマンド(連続した小当たりAのうち、2回目の小当たりAを示す情報を含む入賞コマンド)に対応する保留球が変動する順番をカウントするカウンタである。この前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が所定値(本実施形態では2)となるまで前兆演出が実行される。
【0963】
一方、S2604の処理において、今回格納した入賞情報が小当たりAを示す情報が含まれる入賞情報ではない(大当たり、外れ、または小当たりA以外の小当たり種別に対応する小当たりを示す情報が含まれる入賞情報)と判別された場合は(S2604:No)、次いで、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2以上であるかを判別する(S2605)。
【0964】
S2605の処理において、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2以上であると判別された場合は(S2605:Yes)、次に、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値を小当たり連続回数格納エリア223oに格納し(S2606)、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値を0にリセットし(S2607)、本処理を終了する。
【0965】
一方、S2605の処理において、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値が2以上ではないと判別された場合は(S2605:No)、S2606の処理をスキップして、上述したS2607の処理が実行される。
【0966】
本実施形態では記憶される保留球数の上限が8個に設定してあるため、保留内に小当たりAに連続して当選している保留球が独立して複数存在する可能性がある。そこで、S2608の処理を実行することで、初めに小当たりAに連続して当選した入賞コマンドに基づく変動が実行され、小当たり連続回数格納エリア223oの値が0にリセットされるまでは、それ以降の小当たりAを示す情報を含む入賞情報を受信したとしてもその入賞情報を演出に反映させないようにしている。このようにすることで、例えば、初めに小当たりAに連続して当選した入賞コマンドに基づいて前兆演出を実行している場合に、次に小当たりAに連続して当選した入賞コマンドが発生したとしても、演出の内容が切替わることなく、遊技者を戸惑わせることを無くすことができるという効果がある。
【0967】
なお、本実施形態では上述したように、初めに小当たりAに連続して当選した入賞コマンドに基づく変動が実行されるまでは、次に小当たりAに連続して当選した際の値を演出に反映させないように構成しているが、これ以外の構成を採用してもよく、例えば、初めに小当たりAに連続して当選した入賞コマンドに基づく変動が実行された後に、次に小当たりAに連続して当選した入賞コマンドに基づく演出が実行されるよう、特定小当たり連続カウンタ223nのカウンタ値を複数記憶可能に構成してもよい。このようにすることで、連続演出を実行する機会が増え、遊技者に対して遊技結果に対応した適切な演出を多く提供することができ、遊技の興趣を向上させることが可能となるという効果がある。
【0968】
図57に戻り、説明を続ける。S2414の処理において、入賞コマンドを受信していない場合には(S2414:No)、次いで、主制御装置110より当たり関連コマンドを受信したか否かを判定する(S2416)。そして、当たり関連コマンドを受信した場合には(S2416:Yes)、当たり関連処理を実行し(S2417)、その後、本処理を終了する。
【0969】
ここで、図60を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S2417)について説明をする。図60は、この当たり関連処理(S2417)を示したフローチャートである。この当たり関連処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、主制御装置110から当たり関連コマンドを受信した場合に実行される処理である。
【0970】
当たり関連処理が実行されると、まず大当たりオープニングコマンドを受信したかを判別する(S2701)。大当たりオープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S2701:Yes)、次いで、大当たり開始演出処理を実行し(S2702)、本処理を終了する。大当たり開始演出処理は、表示用大当たりオープニングコマンドを設定するとともに、遊技状態に応じて最終ラウンドの演出表示として用いられる各種表示用エンディングコマンドを設定する際に参照される情報を抽出する処理が実行される。
【0971】
ここで、図61を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり開始演出処理(S2702)について説明をする。図61は、この大当たり開始演出処理(S2702)を示したフローチャートである。この大当たり開始演出処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり主制御装置110から大当たりオープニングコマンドを受信した場合に実行される処理である。
【0972】
大当たり開始演出処理が実行されると、まず継続フラグ223qがオンに設定されているかを判別する(S2801)。この継続フラグ223qは、大当たり終了後1変動目の特別図柄の抽選結果が小当たりAである場合にオンに設定されるものであり、この継続フラグ223qがオンに設定されていることに基づいて、上述した大当たり連続演出が実行される。
【0973】
S2801の処理において、継続フラグ223qがオンに設定されていると判別された場合は(S2801:Yes)、Vゲート状態格納エリア223jに格納されているVゲート開放タイミングを取得し(S2807)、そして、遊技仕様記憶エリア222bより大当たり終了後1回転目(1変動目)の小当たり遊技における扉開放タイミングを取得する(S2808)。そして、大当たり終了後1回転目(1変動目)の変動を、V通過可能変動(V通過可能な小当たり遊技が実行される特別図柄の変動)とするためのタイミングとして、大当たりの最終ラウンド終了タイミングを終了情報格納エリア223rに格納する(S2809)。
【0974】
その後、連続大当たり演出フラグ223sをオンに設定し(S2810)、継続フラグ223qをオフに設定し(S2811)、S2802の処理に移行する。一方、S2801の処理において、継続フラグ223qがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S2801:No)、S2807?S2811の処理をスキップして、S2802の処理へ移行する。
【0975】
S2802では、主制御装置110から受信した大当たりオープニングコマンドに基づいて表示用大当たりオープニングコマンドを設定し(S2802)、次いで、連続演出中フラグ223uをオフに設定し(S2803)、追加入賞フラグ223xをオフに設定し(S2804)、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値をリセットした後に、V通過可能変動記憶エリア223mに記憶されていた情報をクリアする(S2806)。そして、本処理を終了する。
【0976】
図60に戻って、説明を続ける。S2701の処理において、大当たりオープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別する(S2703)。S2703の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S2703:No)、次いで、大当たりエンディングコマンドを受信したかを判別する(S2709)。
【0977】
一方、S2703の処理において、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S2703:Yes)、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値に1を加算し(S2704)、そのラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値が最終ラウンドに対応した値(大当たりCであれば10)であるかを判別する(S2705)。
【0978】
S2705の処理において、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値が最終ラウンドに対応した値であると判別した場合には(S2705:Yes)、次に、連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されているかを判別する(S2706)。連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されていると判別した場合には、遊技タイミング情報に基づいて表示用最終ラウンド演出コマンドを設定する。この表示用最終ラウンド演出コマンドが表示制御装置114に送信されることで、第3図柄表示装置81にて図32?図33で示すおみくじ演出が表示される。
【0979】
一方、S2705の処理において、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値が最終ラウンドに対応した値ではなない場合、また、S2706の処理において、連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されていないと判別した場合には(S2706:No)、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S2708)、本処理を終了する。なお、図60では省略をしたが、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値が最終ラウンドの1つ前(大当たりCであれば9)であると判別された場合においても、連続大当たりフラグ演出フラグ223sがオンに設定されているかを判別し、連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されている場合は、最終ラウンドにておみくじ演出が実行される旨を示す演出(図32(a)参照)が第3図柄表示装置81に表示されるよう専用の表示用ラウンド数コマンドを設定している。
【0980】
以上、説明をしたように、ここで設定された各種表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図56参照)のコマンド出力処理(S2302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、各種表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
【0981】
このように、本実施形態では、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値によって現在のラウンド数を判別し、連続大当たり演出フラグ223sの設定の有無によって第3図柄装置81に表示される演出の内容を変更するよう構成しているが、それ以外の構成でもよく、例えば、ラウンド数コマンドに現在のラウンド数を示す情報を含めることで、ラウンド数累積カウンタ223hのカウンタ値を加算する処理を無くしてもよい。
【0982】
図60に戻り、説明を続ける。S2709の処理において、大当たりエンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S2709:Yes)、次いで大当たり終了演出処理を実行する(S2710)。大当たり終了演出処理は、大当たりのエンディング期間中に表示する表示内容を設定するための処理であり、例えば、最終ラウンドにておみくじ演出(大当たり連続演出)が実行された場合において、そのおみくじ演出の結果を示す演出表示を設定する処理が実行される。
【0983】
ここで、図62を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり終了演出処理(S2710)について説明をする。図62は、この大当たり終了演出処理(S2710)を示したフローチャートである。この大当たり終了演出処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、主制御装置110から大当たりエンディングコマンドを受信した場合に実行される処理である。
【0984】
大当たり終了演出処理が実行されると、まず連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されているかを判別する(S2901)、連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されていないと判別した場合は(S2901:No)、表示用大当たり通常エンディングコマンドを設定し(S2902)、本処理を終了する。
【0985】
一方、S2901の処理において、連続大当たり演出フラグ223sがオンに設定されていると判別した場合には(S2901:Yes)、最終ラウンドの終了タイミングが終了情報格納エリア223rに格納されているタイミング(大当たり終了後1回転目(1変動目)がV通過可能変動となるタイミング)であるかを判別する(S2903)。この最終ラウンドの終了タイミングとは、大当たりエンディングコマンドを受信したタイミングのことである。つまり、S2903の処理が実行されるタイミングが、終了情報格納エリア223rに格納されているタイミングに合致するかを判別する。
【0986】
S2903の処理において、終了情報格納エリア223rに格納されているタイミングと合致しないと判別した場合は(S2903:No)、表示用大当たり失敗エンディングコマンドを設定し、S2905へ移行する、一方、終了情報格納エリア223rに格納されているタイミングと合致したと判別した場合は(S2903:Yes)、表示用大当たり成功エンディングコマンドを設定し、S2905へ移行する。
【0987】
なお、表示用大当たり失敗エンディングコマンドが表示制御装置114に送信されると、第3図柄表示装置81において、おみくじ演出の結果として、小吉または中吉が表示される。一方、表示用大当たり成功エンディングコマンドが表示制御装置114に送信されると、第3図柄表示装置81において、おみくじ演出の結果として、超吉または大吉が表示される。
【0988】
以上、説明をしたように、本実施形態では、遊技者の遊技操作によって任意に結果を変えることが可能(容易)な大当たりにおける最終ラウンドの終了タイミングが所定の条件(終了情報格納エリア223rに格納されているタイミングと合致する)を満たすか否かによって、大当たり連続演出の結果を決定することができるようになる。よって、遊技者は、意図的に最終ラウンドの終了タイミングをずらすといった遊技操作を行う等、意欲的に遊技に参加することが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【0989】
なお、図62では省略したが、大当たり連続演出の結果として大当たりのエンディング期間に表示される表示内容は上述した最終ラウンドの終了タイミングの判別結果以外に、保留球に対応した特別図柄の抽選結果にも基づいて決定される。例えば、S2903の処理が実行されるタイミングが終了情報格納エリア223rに格納されているタイミングと合致し、且つ、保留球に特別図柄の大当たりが含まれている場合に、超吉が選択されるよう構成されている。
【0990】
このように構成することで、遊技者の遊技操作によって任意に結果を変えることが可能(容易)な大当たりにおける最終ラウンドの終了タイミング(第1条件)と、遊技者の遊技操作によって任意に変えることが不可能(困難)な保留球内の特別図柄の抽選結果(第2条件)と、がそれぞれ満たされているか否かによって大当たり連続演出の結果を決定することができるようになる。よって、遊技者を意欲的に遊技に参加させることが可能となるとともに、大当たり連続演出の演出結果として多種多様な結果表示することができ、遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【0991】
図60に戻り、説明を続ける。S2709の処理において、大当たりエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S2709:No)、次いで小当たり関連処理を実行する(S2711)。この小当たり関連処理は、特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選し、その小当たり遊技が実行される場合に実行される。
【0992】
ここで、図63を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり関連処理(S2711)について説明をする。図63は、この小当たり関連処理(S2711)を示したフローチャートである。この小当たり関連処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、主制御装置110から小当たりに関連するコマンド(小当たりオープニングコマンド、小当たりエンディングコマンド、扉通過コマンド、V通過コマンド)を受信した場合に実行される処理である。
【0993】
小当たり関連処理が実行されると、まず、小当たりオープニングコマンドを受信したかを判別する(S3001)。ここで、小当たりオープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S3001:Yes)、小当たり開始演出処理が実行され(S3002)、その後、本処理を終了する。
【0994】
ここで、図64を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される小当たり開始演出処理(S3002)について説明をする。図64は、小当たり開始演出処理(S3002)を示したフローチャートである。この小当たり開始演出処理は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、小当たり中に第3図柄表示装置81で表示される演出表示に対応した表示用小当たりオープニングコマンドを設定するとともに、連続演出を実行する際に参照される各種フラグまたは各種カウンタを設定、更新する処理が実行される。
【0995】
小当たり開始演出処理が実行されると、まず、受信した小当たりオープニングコマンドに基づいて、小当たり演出パターン選択テーブルから小当たり演出パターンを選択する(S3101)。具体的には、受信した小当たりオープニングコマンドに基づいて、今回実行される小当たり種別を判別し、小当たり演出パターン選択テーブル222hより小当たり演出パターンを選択する。小当たり演出パターン選択テーブル222hでは、図19(a)に示すように、小当たり種別のほか、追加入賞フラグ223x、連続演出中フラグ223u、及び今回の小当たりがV通過可能な小当たりであるかの判別結果に基づいて小当たり演出パターンが選択される。
【0996】
次に、選択された演出パターンに対応する表示用小当たりオープニングコマンドを設定し(S3102)、次いで、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が1以上かを判別する(S3103)。ここで、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が1よりも小さいと判別された場合は(S3103:No)、そのまま本処理を終了する。
【0997】
一方、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が1以上であると判別された場合は(S3103:Yes)、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値を1減算し(S3104)、次いで、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が0であるかを判別する(S3105)。ここで、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が0ではないと判別した場合は(S3105:No)、本処理を終了する。
【0998】
一方、S3105の処理において、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が0であると判別した場合は(S3105:Yes)、つまり、今回の小当たりをもって連続演出が終了すると判別した場合は、連続演出中フラグ223uをオフに設定し(S3106)、追加入賞フラグ223xをオフに設定し(S3107)、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値を0にリセットし(S3108)、V通過可能変動記憶エリア223mに記憶されている値をクリアし(S3109)、本処理を終了する。
【0999】
図63に戻り、説明を続ける。S3001の処理において、小当たりオープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S3001:No)、次に、小当たりエンディングコマンドを受信したかを判別する(S3003)。ここで、小当たりエンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S3003:Yes)、受信した小当たりエンディングコマンドに基づいて、表示用小当たりエンディングコマンドを設定し(S3004)、本処理を終了する。
【1000】
一方、S3003の処理において、小当たりエンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S3003:No)、次いで、扉通過コマンドを受信したかを判別する(S3005)。ここで、扉通過コマンドを受信したと判別した場合は(S3005:Yes)、受信した扉通過コマンドに基づいて表示用扉通過コマンドを設定し(S3006)、本処理を終了する。
【1001】
ここで、表示用扉通過コマンドが設定され、表示制御装置114に送信されると、第3図柄表示装置81では、小当たり中の入賞数が表示され、また、音声出力装置226によって球が第2可変入賞装置650に入賞したことを報知する報知音が出力される。なお、今回の小当たりがV通過可能小当たりであるとの判別結果に基づいて、上述した第3図柄表示装置81での表示または音声出力装置226による報知の態様を変更してもよい。このようにすることで、遊技者を小当たり中の演出(表示、報知)に注目させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
【1002】
一方、S3005の処理において、扉通過コマンドを受信していないと判別した場合(S3005:No)、次に、V通過コマンドを受信したかを判別する(S3007)。ここで、V通過コマンドを受信したと判別した場合は(S3007:Yes)、受信したV通過コマンドに基づいて表示用V通過コマンドを設定し(S3008)、本処理を終了する。一方、V通過コマンドを受信していないと判別した場合は(S3007:No)、本処理を終了する。
【1003】
ここで、表示用V通過コマンドが設定され、表示制御装置114に送信されると、第3図柄表示装置81では、小当たり終了後に大当たりが実行されることを示す演出表示が実行されるとともに、音声出力装置226によって遊技者を祝福する音が出力される。なお、表示用V通過コマンドが設定されたとしても、遊技者に対して意図的にその旨を示す演出を実行せずに、小当たり終了後、突如大当たりが実行されるよう構成してもよい。このようにすることで、遊技者に対して意外性のある演出を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
【1004】
次に、図65を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2314)について説明する。図65は、この変動表示設定処理(S2314)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2314)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
【1005】
変動表示設定処理(S2314)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223eがオンに設定されているかを判別する(S3201)。そして、変動開始フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S3201:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S3207の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223eがオンであると判別された場合(S3201:Yes)、変動開始フラグ223eをオフし(S3202)、次いで、コマンド判定処理(図57参照)のS2403の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S3203)。
【1006】
そして、入賞情報格納エリア223aのデータをシフトする(S3204)。S3204の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア?第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、変動パターン選択処理を実行する(S3205)。この変動パターン選択処理(S3205)の詳細については、図66から図70を参照して後述する。
【1007】
S3205の処理を終えると、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S3206)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
【1008】
次に、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223fがオンに設定されているかを判別する(S3207)。そして、停止種別選択フラグ223fがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S3207:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223fがオンであると判別された場合(S3207:Yes)、停止種別選択フラグ223fをオフし(S3208)、次いで、コマンド判定処理(図57参照)のS2406の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S3209)。
【1009】
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別に基づいて、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別を設定し(S3210)、S3211の処理へ移行する。
【1010】
S3210の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S3211)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
【1011】
次に、図66を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S3205)について説明する。図66は、この変動パターン選択処理(S3205)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S3205)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(図65参照)の中で実行される処理である。
【1012】
変動パターン選択処理が実行されると、まず、連続演出中フラグ223uがオンに設定されているかを判別する(S3301)。ここで、連続演出中フラグ223uがオンに設定されていると判別した場合は(S3301:Yes)、次に連続演出変動パターン選択処理が実行され(S3305)、その後、本処理を終了する。なお、連続演出変動パターン選択処理については、図68を参照して詳細な説明を後述する。
【1013】
一方、S3301の処理において、連続演出中フラグ223uがオンに設定されていないと判別した場合は(S3301:No)、次に、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2よりも大きいかを判別する(S3302)。
【1014】
S3302の処理において、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2よりも大きくない(2以下である)と判別された場合は(S3302:No)、S3203の処理で取得した変動パターン種別に基づいて変動パターン選択テーブル222aから変動パターンが選択される(S3303)。なお、S3303の処理は連続演出中フラグ223uがオンに設定されておらず、且つ前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2以下の場合、つまり、保留記憶されている入賞情報の中に、小当たりAに連続して当選している入賞情報が無い場合に実行される処理である。
【1015】
一方、S3302の処理において、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2よりも大きいと判別された場合は(S3302:Yes)、前兆変動パターン選択処理を実行し(S3304)、その後、本処理を終了する。
【1016】
ここで、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値は、小当たりAに対応した情報が含まれる入賞コマンドを2回連続して受信した場合に、その時点における保留球数が設定されるものである(図59のS2612参照)。よって、変動パターン選択処理が実行されるタイミングにおいて、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2であると判別される場合というのは、連続した小当たりAのうち、最初(1回目)の小当たりAに基づく変動パターンを選択するタイミング、つまり、連続演出が実行可能となるタイミングを示している。
【1017】
また、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2より大きい場合は、連続した小当たりAに対応した変動が実行される前の状態、つまり、保留記憶されている入賞情報の中に、連続して小当たりAに当選している入賞情報が含まれている状態を示しており、変動パターンとして前兆演出を実行可能な変動パターンを選択する前兆変動パターン選択処理が実行される。
【1018】
なお、本実施形態では前兆演出カウンタ223pのカウンタ値に、小当たりAに対応した情報が含まれる入賞コマンドを2回連続して受信した場合に、その時点における保留球数を設定する構成を用いたが、それ以外の構成を用いてもよい。例えば、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値を設定する条件を満たした時点における保留球数に基づいて、連続演出が実行可能となるまで(連続する小当たりAのうち最初の小当たりAに対応する変動パターンを選択する処理が実行されるまで)の変動回数を前兆演出カウンタ223pのカウンタ値に設定し、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が0になるまで前兆演出を実行可能とする構成にしてもよい。
【1019】
次に、図67を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される前兆変動パターン選択処理(S3304)について説明する。図67は、この前兆変動パターン選択処理(S3304)を示したフローチャートである。この前兆変動パターン選択処理(S3304)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(図66参照)の中で実行される処理であり、前兆演出を実行可能な状態(前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2よりも大きい状態)において、実行される前兆演出を設定するための処理が実行される。
【1020】
前兆変動パターン選択処理が実行されると、まず、図65のS3203の処理によって取得した変動パターン種別に基づいて、前兆演出用変動パターン選択テーブル222iから変動パターンを選択する(S3401)。次いで、S3401の処理にて選択された変動パターンがSW演出ありかであるかを判別する(S3402)。
【1021】
ここで、選択された変動パターンがSW演出ありと判別した場合は(S3402:Yes)、前兆演出選択テーブル222dに基づいて前兆演出を選択し(S3403)、SW有効時間2を設定し(S3404)、S3405へ移行する。前兆演出選択テーブル222dには第3図柄表示装置81の小領域Ds3に表示する様々な表示態様が規定されており、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値と、現在の保留球数と、演出カウンタ223gのカウンタ値とに基づいて、表示態様が適宜設定される(図17(c)参照)。
【1022】
一方、S3402の処理において、選択された変動パターンがSW演出ありではないと判別した場合は(S3402:No)、S3403?S3404の処理をスキップしてS3405へ移行し、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値を1減算する(S3405)。
【1023】
次に、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2であるかを判別し(S3406)、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2であると判別した場合は(S3406:Yes)、次いで現在の保留球数が6よりも大きいかを判別する(S3407)。S3407の処理において、現在の保留球数が6よりも大きいと判別した場合は(S3407:Yes)、連続演出中フラグ223uをオンに設定し(S3408)、本処理を終了する。
【1024】
一方、S3406の処理において、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値が2ではないと判別した場合(S3406:No)、または、S3407の処理において、現在の保留球数が6よりも大きくない(6以下)と判別した場合は(S3407:No)、そのまま本処理を終了する。
【1025】
以上、説明をしたように、本実施形態では、今回の変動パターンを選択した後に、前兆演出カウンタ223pのカウンタ値を減算し(S3405)、その減算されたカウンタ値が2となる場合(S3406:Yes)、つまり、次回の変動が、連続した小当たりAのうち最初の小当たりAの変動となる場合に、現在の保留球数に基づいて連続演出中フラグ223uをオンにするか否かを決定している。
【1026】
次に、図68を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される連続演出変動パターン選択処理(S3305)について説明する。図68は、この連続演出変動パターン選択処理(S3305)を示したフローチャートである。この連続演出変動パターン選択処理(S3305)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(図66参照)の中で実行される処理であり、連続演出を実行可能な状態(連続演出中フラグ223uがオンに設定されている状態)において、実行される連続演出を設定するための処理である。
【1027】
ここで、本実施形態で実行される連続演出に関する処理の概略を説明する。まず、主制御装置110から受信した入賞コマンドに基づいて、連続演出の対象となる範囲(特別図柄の変動回数と小当たり遊技回数)および対象となる期間(特別図柄の変動時間と小当たり遊技時間)とを予め算出(想定)する。次に、連続演出の対象となる範囲内でV通過が可能となる小当たり遊技およびその変動を判定(V通過可能変動判定)する。
【1028】
そして、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターン種別(特別図柄の変動時間)と、連続演出の対象となる範囲と、V通過可能変動判定の判定結果とに基づいて連続演出の演出内容(変動パターン)を選択し、さらに、主制御装置110から受信した小当たりオープニングコマンドと、連続演出の対象となる範囲と、V通過可能変動判定の判定結果とに基づいて、連続演出中における小当たり遊技中の演出内容を選択する。
【1029】
このようにすることで、複数回の特別図柄変動および小当たり遊技に対して、関連性を持たせた一連の演出を実行することが可能となる。
【1030】
なお、本実施形態では、保留球数に応じて、特別図柄の変動パターン(変動時間)が異なる用に構成されているため、連続演出実行中に保留球数が変化した場合(追加入賞が発生した場合)に、予め算出(想定)していた内容(特別図柄の変動時間)とは相違した内容を示す変動パターンコマンドが主制御装置110から送信される可能性がある。
【1031】
そこで、予め算出(想定)していた内容(特別図柄の変動時間)と、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターン種別(特別図柄の変動時間)とが異なる場合は、連続演出の演出内容と実際の遊技内容(V通過可能変動判定)とが異なる可能性があるため、連続演出の内容を差し替える処理を実行する。
【1032】
このようにすることで、予め算出(想定)していた内容(特別図柄の変動時間)と、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる情報(特別図柄の変動時間)とが異なったとしても、連続演出の内容を差し替えることで違和感が無い連続演出を提供することができるという効果がある。
【1033】
なお、保留球数に応じて特別図柄の変動パターン(変動時間)が変わらない構成を用いることで、上述した予め算出(想定)していた内容(特別図柄の変動時間)と、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる変動パターン種別(特別図柄の変動時間)とが異なる事態が発生することを抑制することが出来る。
【1034】
図68に戻り、連続演出変動パターン選択処理(S3305)について説明する。連続演出変動パターン選択処理が実行されると、まず、連続演出種別選択済フラグ223wがオンに設定されているかを判別する(S3501)、この連続演出種別選択済フラグ223wは、今回の連続演出で参照される連続演出種別が選択されるとオンに設定されるフラグであり、1回の連続演出中に連続演出種別が再選択されないようにするためのものである。
【1035】
S3501の処理において、連続演出種別選択済フラグ223wがオンに設定されていないと判別した場合(S3501:No)、つまり、今回の連続演出で参照される連続演出種別が選択されていない場合は、連続演出種別選択処理が実行され(S3502)、その後、S3503へ移行する。一方、連続演出種別選択済フラグ223wがオンに設定さていると判別した場合は(S3501:Yes)、S3502の処理をスキップし、S3503へ移行する。
【1036】
ここで、図69を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される連続演出種別選択処理(S3502)について説明する。図69は、この連続演出種別選択処理(S3502)を示したフローチャートである。この連続演出種別選択処理(S3502)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される連続演出変動パターン選択処理(図68参照)の中で実行される処理であり、連続演出中の各変動に対応する変動パターンを選択する際に参照される連続演出種別を設定するための処理である。
【1037】
連続演出種別選択処理が実行されると、まず、小当たり連続回数格納エリア223oに格納されている値を連続演出中カウンタ223vに設定し(S3601)、小当たり連続回数格納エリア223oの値をクリアする(S3602)。その後、V通過可能変動判定処理を実行し(S3603)、S3604へと移行する。V通過可能変動判定処理とは、連続演出が実行される各変動において、V通過が可能となる小当たりが実行される変動を判定する処理である。
【1038】
ここで、図70を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるV通過可能変動判定処理(S3603)について説明する。図70は、このV通過可能変動判定処理(S3603)を示したフローチャートである。このV通過可能変動判定処理(S3603)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される連続演出種別選択処理(図69参照)の中で実行される処理である。
【1039】
V通過可能変動判定処理が実行されると、まず、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2であるかを判別する(S3701)。ここで、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2であると判別した場合は(S3701:Yes)、遊技仕様記憶エリア222bに記憶されている情報に基づき、今回と次回(2変動分)の変動に基づく扉650fの開放タイミングを取得し(S3702)、次にS3704へ移行する。
【1040】
ここで、S3702にて実行される処理について詳細な説明をする。図67のS3408にて連続演出中フラグ223uがオンに設定されると、連続演出変動パターン選択処理が実行される(図66のS3301:Yes)。そして、連続演出変動パターン選択処理の中で連続演出種別選択処理が実行され(図68のS3502)、その処理の中でV通過可能変動判定処理が実行される(図69のS3603)。このV通過可変変動判定処理は、連続演出変動パターン選択処理が最初に実行される場合のみ実行される処理である(連続演出種別選択済フラグ223wがオンに設定されるとスキップされる連続演出種別選択処理の中で実行される処理である)。
【1041】
よって、S3701の処理において、判別される連続演出中カウンタ223vのカウンタ値は、図69のS3601にて設定された値、つまり、今回の連続演出が何変動に跨って行われるのかを示す値となる。即ち、S3701の処理において、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2であると判別した場合は、今回の連続演出が2変動に跨って実行される演出となり、一方、S3701の処理において、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2ではない(3である)と判別した場合は、今回の連続演出が3変動に跨って実行される演出となる。
【1042】
従って、S3701の処理において連続演出中カウンタ223vの値が2であると判別された場合に実行されるS3702の処理では、2変動分(今回、次回)の変動に対してV通過可能変動を判定する情報を取得する。ここで、S3702の処理において遊技仕様記憶エリア222bから、小当たりAにおける扉650fが開放するタイミングと、次回の変動パターン(変動時間)とを取得する。なお、今回の変動パターン(変動時間)は、図65のS3203により取得した変動パターン種別より抽出する。
【1043】
また、本実施形態では次回の変動パターン(変動時間)として、次回の変動パターンが選択されるまでの間に新たな入賞コマンドを受信しない(保留球数の追加が無い)ことを想定した場合における変動パターンを取得するように構成しているが、それ以外の構成を採用してもよい。例えば、本実施形態の構成に加え、保留球数が追加された場合も想定した変動パターンも取得するようにしてもよい。
【1044】
図70に戻り説明を続ける。S3701の処理において、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2ではない(3である)と判別した場合には(S3701:No)、遊技仕様記憶エリア222bに記憶されている情報に基づき、今回と次回と次々回(3変動分)の変動に基づく扉650fの開放タイミングを取得し(S3703)、次にS3704へ移行する。つまり、上述したS3702の処理に加え、次々回(3変動目)の変動パターン(変動時間)を遊技仕様記憶エリア222bから取得する。
【1045】
次に、S3704では、開放タイミング格納エリア223kに格納されているVゲート開放タイミングを取得し(S3704)、V通過可能変動が今回の変動であるかを判別する(S3705)。ここで、S3705において実行される処理について詳細な説明をする。
【1046】
S3705の処理では、上述したS3702またはS3703にて取得した情報と、S3704で取得した情報とに基づいて、V通過可能変動が今回の変動であるかを判別する。具体的には、今回の変動パターン(例えば、特殊変動C:変動時間4秒)と、小当たりAの扉650f開放タイミング(小当たりA開始から2.5秒?4秒)より(図17(a)参照)、今回の変動では、変動が開始されてから6.5秒後?8秒後に扉650fが開放されると算出する。そして、次回の変動パターン(例えば、特殊変動B:変動時間5.5秒)と、小当たりAの扉650f開放タイミング(小当たりA開始から2.5秒?4秒)より(図17(a)参照)、次回の変動では、今回の変動が開始されてから18秒後?19.5秒後に扉650fが開放されると算出する。
【1047】
そして、上述した今回の変動と次回の変動とで扉650fが開放する期間と、開放タイミング格納エリア223kに格納されているVゲート650dが開放する期間とを比較し、それぞれの期間が所定条件を満たした場合にV通過可能変動と判定する。なお、所定条件とは、扉650fに入賞した球がVゲート650dを通過するまでの時間を考慮したうえで、Vゲート650dを通過可能なタイミングで扉650fが開放する条件を示しており、具体的には、扉650fに入賞した球は、ストッパ(球止部材)650cによって滞留し、そのストッパ(球止部材)650cの動作制御により、扉650fが閉鎖状態となってから1秒後にVゲート650dへ到達するよう構成されている。詳しくは、扉650fが閉鎖状態となってから0.5秒後にストッパ(球止部材)650cが解除位置に可変することで、ストッパ(球止部材)650cにより滞留していた球が流下を開始し、その後、0.5秒後にVゲート650dに到達するよう構成されている。
【1048】
従って、扉650fが開放する期間の終了時から1秒後にVゲート650dが開放している状態(誘導状態)である場合に、その変動がV通過可能変動として判定される。なお、本実施形態では、小当たりAによって扉650fに入賞した球を、ストッパ(球止部材)650cにより滞留させる構成としているため、どのタイミングで扉650fに入賞したとしても、小当たりAが開始されてから一定期間経過後(小当たり開始から5秒後)にVゲート650dへ到達させることが可能となり、V通過可能変動の判定精度を高めることができる。よって、連続演出の内容を実際の遊技結果に適した内容とすることで、遊技者に不信感を与える演出を防止することができるという効果がある。
【1049】
なお、上述したように本実施形態ではストッパ650cを設けた構成としているが、このストッパ650cを設けない構成にしてもよい。このような構成を採用する場合は、V通過可能変動を判定する際に、扉650fの開放期間とVゲート650dの開放期間(誘導状態となる期間)とを比較し、扉650fの開放期間のうち、Vゲート650dを球が通過可能となる期間が占める割合(扉650fの開放期間中に入賞した球が、Vゲート650dを通過可能となる期間が占める割合)を示唆する演出を実行するとよい。このようにすることで、遊技者は演出の内容からVゲート650dを通過する可能性(期待度)を把握し、遊技の結果に対して一喜一憂することが可能となり、遊技者に意欲的に遊技を行わせる演出を提供することができるという効果がある。
【1050】
また、そのような構成を用いることで、扉650fに入賞した球の球遊びによってVゲート650dに到達するタイミングがランダムになることから、Vゲート650dを通過するように意図的に球を発射させることを困難にすることができ、遊技者に対して公平な遊技を提供することができるという効果がある。
【1051】
図70に戻り説明を続ける。S3705の処理において、V通過可能変動が今回の変動であると判別した場合には(S3705:Yes)、V通過可能変動記憶エリア223mに「今回」を設定し(S3706)、本処理を終了する。一方、S3705の処理において、V通過可能変動が今回の変動ではないと判別した場合には(S3705:No)、次いで、V通過可能変動が次回変動であるかを判別する(S3707)。
【1052】
S3707の処理において、V通過可能変動が次回の変動であると判別した場合には(S3707:Yes)、V通過可能変動記憶エリア223mに「次回」を設定し(S3708)、本処理を終了する。一方、S3707の処理において、V通過可能変動が次回の変動ではないと判別した場合には(S3707:No)、V通過可能変動記憶エリア223mに「次々回」を設定し、本処理を終了する(S3709)。なお、S3701の処理において、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2であると判別した場合は、S3707の処理において、V通過可能変動は次回変動ではないと判別された場合に、S3709の処理を実行することなく本処理を終了する。
【1053】
なお、図示はしないが、連続演出が実行される変動において、V通過可能変動と判別される変動が無い場合は、V通過可能変動記憶エリア223mへの設定を行わず本処理を終了する。
【1054】
以上、説明をしたように、本実施形態では特別図柄の変動パターン選択処理内において実行されるV通過可能変動判定処理により、V通過可能な小当たりとなる特別図柄変動を判別する構成を用いている。即ち、本実施形態に記載されているV通過可能変動判定処理は、今回実行される特図変動に対応する小当たりがV通過可能であるかを判別する機能と、保留記憶されている入賞情報(入球情報)の中にV通過可能な小当たりがあるかを判別する機能と、V通過可能な小当たりがある場合はその小当たりに対応する特別図柄変動が何時(何回転後)に実行されるかを判別する機能を有している。
【1055】
上述した機能については、1つの処理が全てを有する必要はなく、それぞれの機能を別々の処理が有していてもよい。
【1056】
図69に戻り説明を続ける。S3603にてV通過可能変動判定処理が実行されたら、次に、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2であるか(今回の連続演出が2変動を跨ぐ連続演出であるか)を判別する(S3604)。ここで、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2であると判別した場合には(S3604:Yes)、上述したV通過可能変動判定処理によってV通過可能変動記憶エリア223mに格納された内容に基づいて、V通過可能変動が「今回」であるかを判別する(S3605)。
【1057】
S3605の処理において、V通過可能変動が「今回」ではないと判別した場合には(S3605:No)、連続演出種別として、連続演出種別選択テーブル222eより2連続演出Bを選択し(S3606)、次いでS3614へ移行する。一方、S3605の処理において、V通過可能変動が「今回」であると判別した場合には(S3605:Yes)、連続演出種別として、連続演出種別選択テーブル222eより2連続演出Aを選択し(S3607)、継続フラグ223qをオンに設定する(S3608)。そして、S3614へ移行する。
【1058】
一方、S3604の処理において、連続演出中カウンタ223vのカウンタ値が2ではない(3である)と判別した場合は(S3604:No)、次に、V通過可能変動が「今回」であるかを判別する(S3609)。ここで、S3609の処理においてV通過可能変動が「今回」であると判別した場合には(S3609:Yes)、連続演出種別として、連続演出種別選択テーブル222eより3連続演出Aを選択し(S3610)、継続フラグ223qをオンに設定し(S3608)、S3614に移行する。
【1059】
一方、S3609の処理において、V通過可能変動が「今回」ではないと判別した場合には(S3609:No)、次に、V通過可能変動が「次回」であるかを判別する(S3611)。ここで、V通過可能変動が「次回」であると判別した場合には(S3611:Yes)、連続演出種別として、連続演出種別選択テーブル222eより3連続演出Bを選択し(S3612)、継続フラグ223qをオンに設定し(S3608)、S3614に移行する。一方、V通過可能変動が「次回」ではないと判別した場合には(S3611:No)、連続演出種別として、連続演出種別選択テーブル222eより3連続演出Cを選択し(S3612)、S3614に移行する。つぎに、S3606またはS3608の処理を実行した後に、連続演出種別選択済フラグ223wをオンに設定し、本処理を終了する。
【1060】
なお、図示はしないが、連続演出が実行される変動において、V通過可能と判別される変動が無い場合は、V通過可能変動記憶エリア223mに何も格納されていないため、連続演出種別を選択することなく、本処理を終了する。
【1061】
図68に戻り説明を続ける。S3503の処理では、追加入賞フラグ223xがオンに設定されているかを判別する(S3503)。ここで、追加入賞フラグ223xがオンに設定されていると判別した場合は(S3503:Yes)、S3203にて取得した変動パターンに基づいて、連続演出変動パターン選択テーブル(追加入賞)222gから、変動パターンを選択し(S3504)、SW有効時間1を設定し(S3506)、本処理を終了する。
【1062】
一方、S3503の処理において、追加入賞フラグ223xがオンに設定されていないと判別した場合には(S3503:No)、S3203にて取得した変動パターンに基づいて、連続演出変動パターン選択テーブル222fから、変動パターンを選択し(S3505)、SW有効時間1を設定し(S3506)、本処理を終了する。
【1063】
なお、図示はしないが、連続演出種別が選択されていない場合、つまり、連続演出が実行される変動において、V通過可能と判別される変動が無い場合は、図66のS3303と同一の処理が実行される。
【1064】
以上、説明をしたように本実施形態では、特別図柄の抽選結果が連続して特定の抽選結果(小当たり)である場合において、特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりを判定し、その判定結果に基づいて、連続した小当たり期間およびその小当たりに対応した特別図柄の変動表示期間を用いて一連の演出(連続)を実行可能に構成している。このように構成することで、例えば、1回目の小当たりが特定領域に球を通過させることが不可能(困難)な小当たりで、2回目の小当たりが特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりである場合に、1回目の小当たりに対応する演出として、今回の小当たりが特定領域に球を通過させることが不可能(困難)な小当たりであることに基づく演出ではなく、次回の小当たりが特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりであることに基づく演出(例えば、チャンス継続演出)を実行することが可能となる。よって、遊技者に有利な遊技状態を提供できない(し辛い)小当たりに基づいた演出を実行する頻度を抑えることが可能となるため、遊技者が不満に感じる演出を抑制することができ、遊技者が遊技に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
【1065】
次に、図71を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S2307)について説明する。図71は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S2307)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S2307)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、枠ボタン22(枠左ボタン22aまたは枠右ボタン22b)の操作を有効にする時間の管理、および、有効時間内に枠ボタン22を操作した場合における表示用コマンドを設定する処理である。
【1066】
枠ボタン入力監視・演出処理が実行されると、まず、スイッチ有効時間1が0よりも大きいかを判別する(S3801)。ここで、S3801の処理において、SW有効時間1が0よりも大きくない(0である)と判別した場合には、(S3801:No)、次に、SW有効時間2が0よりも大きいかを判別する(S3806)。
【1067】
一方、S3801の処理において、SW有効時間1が0よりも大きいと判別した場合は(S3801:Yes)、SW有効時間1を1減算し(S3802)、両SW(枠左ボタン22aおよび枠右ボタン22bの両方)が押下されているかを判別する(S3803)。ここで、両SWが押下されていると判別した場合は(S3803:Yes)、表示切替用予告SW押下コマンドを設定し(S3804)、SW有効時間1を0にリセットし(S3805)、本処理を終了する。一方、S3803の処理において、両SWが押下されていないと判別した場合には(S3803:No)、そのまま本処理を終了する。
【1068】
次に、S3806の処理において、SW有効時間2が0よりも大きいと判別した場合は(S3806:Yes)、SW有効時間2を1減算し(S3807)、どちらかのSW(枠左ボタン22aまたは枠右ボタン22bの何れか)が押下されているかを判別する(S3808)。ここで、どちらかのSWが押下されていると判別した場合は(S3808:Yes)、表示追加用予告SW押下コマンドを設定し(S3809)、SW有効時間2を0にリセットし(S3810)、本処理を終了する。一方、S3808の処理において、どちらのSWも押下されていないと判別した場合には(S3808:No)、そのまま本処理を終了する。また、S3806の処理において、SW有効時間が0よりも大きくない(0である)と判別した場合も(S3806:No)、本処理を終了する。
【1069】
なお、本実施形態では、SW有効時間1は、連続演出を実行している間に設定されるよう構成されており、一方、SW有効時間2は、前兆演出を実行している間に設定されるよう構成されている。よって、両方のSW有効時間が重複することがないため、一方のSW有効時間が設定されている場合には、他方の有効時間に関する処理をスキップしているが、複数のSW有効時間が重複して設定される可能性がある場合は、それぞれのSW有効時間の処理が実行されるようにすればよい。
【1070】
次に、図72を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるVカウンタ更新処理(S2311)について説明する。図72は、このVカウンタ更新処理(S2311)を示したフローチャートである。このVカウンタ更新処理(S2311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図56参照)の中で実行される処理であり、Vゲートシナリオ222cを参照してVゲート650dの動作状況を把握するために用いられるVカウンタ223tを更新する処理である。
【1071】
Vカウンタ223tが実行されると、まず、Vゲートシナリオ222cの設定があるかを判別する(S3901)。ここで、Vゲートシナリオ222cの設定がないと判別した場合は(S3901:No)、本処理を終了する。一方、Vゲートシナリオ222cが設定されていると判別した場合は(S3901:Yes)、次に、Vカウンタ223tのカウンタ値が5000であるかを判別する(S3902)。
【1072】
S3902の処理において、Vカウンタ223tのカウンタ値が5000であると判別した場合には(S3902:Yes)、Vカウンタ223tのカウンタ値を1に設定し(S3904)、本処理を終了する。一方、S3902の処理において、Vカウンタ223tのカウンタ値が5000ではないと判別した場合は(S3902:No)、Vカウンタ223のカウンタ値に1を加算し(S3903)、本処理を終了する。
【1073】
以上、説明をしたように、本実施形態におけるVカウンタ更新処理にでは、一定の動作を5秒間隔で繰り返し実行されるVゲート650dに合わせて規定されたVゲートシナリオ222cを参照してVゲート650dの動作状況を把握できるように、Vカウンタ223tのカウンタ値が5000(5秒)に到達すると、再度1からカウンタ値が加算されるように構成している。このようにすることで、Vゲートシナリオ222cにて規定する情報量を削減することが可能となる。
【1074】
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図73?図90を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
【1075】
まず、図73を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図73は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
【1076】
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
【1077】
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
【1078】
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
【1079】
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S4001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
【1080】
ここで、図74を参照して、ブート処理(S4001)について説明する。図74は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S4001)を示すフローチャートである。
【1081】
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
【1082】
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
【1083】
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S4101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
【1084】
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S4102)。これにより、MPU231は、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
【1085】
また、S4102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
【1086】
S4102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S4103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
【1087】
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S4104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図73のS4001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図73のS4002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S4105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
【1088】
このように、ブート処理(S4001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
【1089】
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化または複雑化させた演出を容易に実行することができる。
【1090】
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
【1091】
尚、図74に示すブート処理では、S4101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S4101の処理によってプログラム格納エリア233.aに転送される所定量の制御プログラムは、S4102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S4103?S4105の処理を実行するようにしてもよい。
【1092】
また、S4101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S4101及びS4102の処理を含めて複数回繰り返した後、S4103?S4105の処理を実行するようにしてもよい。
【1093】
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
【1094】
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S4101及びS4102の処理を行わずに、S4103?S4105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
【1095】
ここで、図73の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S4002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
【1096】
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
【1097】
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S4003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
【1098】
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
【1099】
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S4003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S4004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
【1100】
S4004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S4005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図88(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図88(a)のS6302参照)。
【1101】
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図75(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS4309参照)が実行される。
【1102】
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
【1103】
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
【1104】
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64a、第2入球口A64bまたは第2入球口B640bへ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
【1105】
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
【1106】
S4005の処理の後、割込許可を設定し(S4006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S4006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
【1107】
次いで、図75(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図75(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
【1108】
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S4201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
【1109】
次いで、図75(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図75(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図24参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
【1110】
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
【1111】
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図75(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S4301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S4301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S4302)を実行し、次いで、表示設定処理(S4303)を実行する。
【1112】
コマンド判定処理(S4302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
【1113】
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図76?図85を参照して後述する。
【1114】
表示設定処理(S4303)では、コマンド判定処理(S4302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図86および図87を参照して後述する。
【1115】
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S4304)。このタスク処理では、表示設定処理(S4303)もしくは簡易表示設定処理(S4309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1116】
次に、転送設定処理を実行する(S4305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図88および図89を参照して後述する。
【1117】
次いで、描画処理を実行する(S4306)。この描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示とから、図24に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図90を参照して後述する。
【1118】
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S4307)。そして、V割込処理を終了する。S4307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別に対応する停止種別テーブルと停止図柄カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
【1119】
一方、S4301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S4301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S4308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S4309)を実行して、S4304の処理へ移行する。
【1120】
次いで、図76?図85を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S4302)の詳細について説明する。まず、図76は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
【1121】
このコマンド判定処理では、図76に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S4401)、未処理の新規コマンドがなければ(S4401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S4303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S4402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S4403)。
【1122】
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S4404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S4404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S4405)、S4401の処理へ戻る。
【1123】
ここで、図77(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S4405)の詳細について説明する。図77(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1124】
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4501)。
【1125】
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
【1126】
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
【1127】
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
【1128】
次いで、S4501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S4502)。
【1129】
次いで、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S4503)、ポインタ233fを0に初期化して(S4504)、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4505))、本処理を終了する。
【1130】
変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)が実行されることにより、表示設定処理では、S4504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S4501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S4502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
【1131】
また、表示設定処理では、S4503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
【1132】
ここで、図76の説明に戻る。S4404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S4404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S4406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S4406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S4407)、S4401の処理へ戻る。
【1133】
ここで、図77(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S4407)の詳細について説明する。図77(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1134】
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(に対応する停止種別テーブルを決定し(S4601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図75(b)参照)が実行されるたびに更新される停止図柄カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S4602)。
【1135】
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S4602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S4603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【1136】
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S4602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S4603によって設定された停止図柄判別フラグからS4602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
【1137】
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S4601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS4602の処理によって設定される。
【1138】
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
【1139】
図76に戻り、説明を続ける。S4406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S4406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用予告演出コマンドがあるか否かを判別し(S4408)、当たり関連コマンドがあれば(S4408:Yes)、当たり関連コマンド処理を実行して(S4409)、S4401の処理へ戻る。
【1140】
ここで、図78を参照して、当たり関連コマンド処理(S4409)の詳細について説明する。図78は、当たり関連コマンド処理を示すフローチャートである。この当たり関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した当たり関連コマンド(表示用大当たりオープニングコマンド、表示用ラウンド数コマンド、表示用最終ラウンドコマンド、表示用大当たりインターバルコマンド、表示用大当たりエンディングコマンド、表示用小当たりオープニングコマンド、表示用小当たりエンディングコマンド、表示用扉通過コマンド、表示用V通過コマンド)に対応する処理を実行するための処理である。
【1141】
当たり関連コマンド処理(S4409)では、まず、未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりオープニングコマンドがあるか否かを判別し(S4701)、表示用大当たりオープニングコマンドがあれば(S4701:Yes)、大当たりオープニングコマンド処理を実行して(S4702)、S4703の処理へ移行する。
【1142】
ここで、図79(a)を参照して、大当たりオープニングコマンド処理(S4702)の詳細について説明する。図79(a)は、大当たりオープニングコマンド処理(S4702)を示すフローチャートである。この大当たりオープニングコマンド処理(S4702)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりオープニングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1143】
大当たりオープニングコマンド処理では、まず、大当たりオープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。その後、大当たりオープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S3002)、設定した大当たりオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3003)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S3004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3005)、大当たりオープニングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1144】
図78に戻り、説明を続ける。S4701の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりオープニングコマンドがないと判別された場合は(S4701:No)、S4702の処理をスキップしてS4703の処理へ移行する。S4703の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S4703)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S4703:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S4704)、S4705の処理へ移行する。
【1145】
ここで、図79(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S4704)の詳細について説明する。図79(b)は、ラウンド数コマンド処理(S4704)を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理(S4704)は、音声ランプ制御装置113より受信したラウンド数コマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1146】
ラウンド数コマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応したラウンド数表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S4901)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S4902)。そして、設定したラウンド数表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S4903)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S4904)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S4905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1147】
図78に戻り、説明を続ける。S4703の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがないと判別された場合は(S4703:No)、S4704の処理をスキップしてS4705の処理へ移行する。S4705の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用最終ラウンドコマンドがあるか否かを判別し(S4705)、表示用最終ラウンドコマンドがあれば(S4705:Yes)、最終ラウンドコマンド処理を実行して(S4706)、S4707の処理へ移行する。
【1148】
ここで、図80(a)を参照して、最終ラウンドコマンド処理(S4706)の詳細について説明する。図80(a)は、最終ラウンドコマンド処理(S4706)を示すフローチャートである。この最終ラウンドコマンド処理(S4706)は、音声ランプ制御装置113より受信した最終ラウンドコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1149】
最終ラウンドコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した最終ラウンド表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5001)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5002)。そして、設定した最終ラウンド表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5003)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5004)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5005)、最終ラウンドコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1150】
図78に戻り、説明を続ける。S4705の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用最終ラウンドコマンドがないと判別された場合は(S4705:No)、S4706の処理をスキップしてS4707の処理へ移行する。S4707の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用大当たりインターバルコマンドがあるか否かを判別し(S4707)、表示用大当たりインターバルコマンドがあれば(S4707:Yes)、大当たりインターバルコマンド処理を実行して(S4708)、S4709の処理へ移行する。
【1151】
ここで、図80(b)を参照して、大当たりインターバルコマンド処理(S4708)の詳細について説明する。図80(b)は、大当たりインターバルコマンド処理(S4708)を示すフローチャートである。この大当たりインターバルコマンド処理(S4708)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりインターバルコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1152】
大当たりインターバルコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した大当たりインターバル表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5101)。その後、大当たりインターバル表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S5102)、設定した大当たりインターバル表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5103)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5104)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5105)、大当たりインターバルコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1153】
図78に戻り、説明を続ける。S4707の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりインターバルコマンドがないと判別された場合は(S4707:No)、S4708の処理をスキップしてS4709の処理へ移行する。S4709の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用大当たりエンディングコマンドがあるか否かを判別し(S4709)、表示用大当たりエンディングコマンドがあれば(S4709:Yes)、大当たりエンディングコマンド処理を実行して(S4710)、S4711の処理へ移行する。
【1154】
ここで、図81(a)を参照して、大当たりエンディングコマンド処理(S4710)の詳細について説明する。図81(a)は、大当たりエンディングコマンド処理(S4710)を示すフローチャートである。この大当たりエンディングコマンド処理(S4710)は、音声ランプ制御装置113より受信した大当たりエンディングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1155】
大当たりエンディングコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した大当たりエンディング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5201)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5202)。そして、設定した大当たりエンディング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5203)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5204)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5205)、大当たりエンディングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1156】
図78に戻り、説明を続ける。S4709の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用大当たりエンディングコマンドがないと判別された場合は(S4709:No)、S4710の処理をスキップしてS4711の処理へ移行する。S4711の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用小当たりオープニングコマンドがあるか否かを判別し(S4711)、表示用小当たりオープニングコマンドがあれば(S4711:Yes)、小当たりオープニングコマンド処理を実行して(S4712)、S4713の処理へ移行する。
【1157】
ここで、図81(b)を参照して、小当たりオープニングコマンド処理(S4712)の詳細について説明する。図81(b)は、小当たりオープニングコマンド処理(S4712)を示すフローチャートである。この小当たりオープニングコマンド処理(S4712)は、音声ランプ制御装置113より受信した小当たりオープニングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1158】
小当たりオープニングコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した小当たりオープニング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5301)。その後、小当たりオープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S5302)、設定した小当たりオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5303)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5304)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5305)、小当たりオープニングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1159】
図78に戻り、説明を続ける。S4711の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用小当たりオープニングコマンドがないと判別された場合は(S4711:No)、S4712の処理をスキップしてS4713の処理へ移行する。S4713の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用小当たりエンディングコマンドがあるか否かを判別し(S4713)、表示用小当たりエンディングコマンドがあれば(S4713:Yes)、小当たりエンディングコマンド処理を実行して(S4714)、S4715の処理へ移行する。
【1160】
ここで、図82(a)を参照して、小当たりエンディングコマンド処理(S4714)の詳細について説明する。図82(a)は、小当たりエンディングコマンド処理(S4714)を示すフローチャートである。この小当たりエンディングコマンド処理(S4714)は、音声ランプ制御装置113より受信した小当たりエンディングコマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1161】
小当たりエンディングコマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した小当たりエンディング表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5401)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5402)。そして、設定した小当たりエンディング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5403)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5404)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5405)、小当たりエンディングコマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1162】
図78に戻り、説明を続ける。S4713の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用小当たりエンディングコマンドがないと判別された場合は(S4713:No)、S4714の処理をスキップしてS4715の処理へ移行する。S4715の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用扉通過コマンドがあるか否かを判別し(S4715)、表示用扉通過コマンドがあれば(S4715:Yes)、扉通過コマンド処理を実行して(S4716)、S4717の処理へ移行する。
【1163】
ここで、図82(b)を参照して、扉通過コマンド処理(S4716)の詳細について説明する。図82(b)は、扉通過コマンド処理(S4716)を示すフローチャートである。この扉通過コマンド処理(S4716)は、音声ランプ制御装置113より受信した扉通過コマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1164】
扉通過コマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応した扉通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5501)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5502)。そして、設定した扉通過表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5503)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5505)、扉通過コマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1165】
図78に戻り、説明を続ける。S4715の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用扉通過コマンドがないと判別された場合は(S4715:No)、S4716の処理をスキップしてS4717の処理へ移行する。S4717の処理では、未処理のコマンドの中に、表示用V通過コマンドがあるか否かを判別し(S4717)、表示用V通過コマンドがあれば(S4717:Yes)、V通過コマンド処理を実行して(S4718)、本処理を終了する。
【1166】
ここで、図83を参照して、V通過コマンド処理(S4718)の詳細について説明する。図83は、V通過コマンド処理(S4718)を示すフローチャートである。このV通過コマンド処理(S4718)は、音声ランプ制御装置113より受信したV通過コマンドに対応する処理を実行するためのものである。
【1167】
V通過コマンド処理では、まず、受信したコマンドに対応したV通過表示データテーブルを決定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S5601)。その後、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S5602)。そして、設定したV通過表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S5603)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S5604)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S5605)、V通過コマンド処理を終了し、当たり関連コマンド処理に戻る。
【1168】
図78に戻り、説明を続ける。S4717の処理において未処理の新規コマンドの中に、表示用V通過コマンドがないと判別された場合は(S4717:No)、本処理を終了し、コマンド判定処理へ戻る。
【1169】
図76に戻り、説明を続ける。S4408の処理において、当たり関連コマンドがないと判別されると(S4408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、SW関連コマンドがあるか否かを判別し(S4410)、SW関連コマンドがあれば(S4410:Yes)、SW関連コマンド処理を実行して(S4411)、S4401の処理へ戻る。
【1170】
ここで、図84を参照して、SW関連コマンド処理(S4411)の詳細について説明する。図84は、SW関連コマンド処理を示すフローチャートである。このSW関連コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したSW関連コマンド(切替表示用両SW押下コマンド、追加表示用予告SW押下コマンド)に対応する処理を実行するための処理である。
【1171】
SW関連コマンド処理では、まず、未処理のコマンドの中に切替表示用両SW押下コマンドがあるか否かを判別し(S5701)、切替表示用両SW押下コマンドがあれば(S5701:Yes)、両SW押下表示演出を実行(表示)するために、S5702の処理へ移行する。
【1172】
S5702の処理では、切替表示用両SW押下コマンドに対応する両SW押下表示データテーブルを決定して、切替タイミングのポインタ値から表示データテーブルバッファ233dに切替設定する(S5702)。そして、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5703)、S5704の処理へ移行する。
【1173】
S5702の処理により、切替表示用両SW押下コマンドに対応する両SW押下表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定されている変動表示データテーブルに合成することで、容易に予告演出を設定することができる。なお、合成を行う際には、切替タイミングに対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して、両SW押下表示データテーブルに規定された表示内容を追加するように構成されている。即ち、両SW押下表示データテーブルには、切替タイミング以降における表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、両SW押下表示データテーブルに全ての変動時間分のアドレスを用意しておく場合に比較して、表示データテーブル格納エリア233bをより効率よく使用することができる。
【1174】
S5701の処理において、未処理のコマンドの中に切替表示用量SW押下コマンドが無いと判別された場合は(S5701:No)、S5704の処理へ移行する。
【1175】
S5704の処理では、未処理のコマンドの中に追加表示用予告SW押下コマンドがあるか否かを判別する(S5704)。S5704の処理において、追加表示用予告SW押下コマンドがあれば(S5704:Yes)、予告SW押下演出を実行(表示)するために、S5705の処理へ移行する。
【1176】
S5705の処理では、追加表示用予告SW押下コマンドに対応する予告SW押下表示データテーブルを決定して、現在のポインタ値から表示データテーブルバッファ233dに追加設定する(S5705)。そして、デモ表示フラグと確定表示フラグとをオフに設定して(S5706)、本処理を終了する。
【1177】
S5705の処理により、追加表示用予告SW押下コマンドに対応する予告SW押下表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定されている変動表示データテーブルに合成することで、容易に予告SW押下演出を設定することができる。なお、合成を行う際には、現在実行(表示)されている演出に対応するアドレス(ポインタ233fの値)以降の各アドレスに対して予告SW押下表示データテーブルに規定された表示内容を追加するように構成されている。即ち、予告SW押下表示データテーブルには、表示内容が経過時間毎に規定されている。このように構成することで、追加幼児用予告SW押下コマンドが通知された時点から予告SW押下演出を容易に追加して表示させることができる。
【1178】
図76に戻り、説明を続ける。S4410の処理において、SW関連コマンドがないと判別されると(S4410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S4412)、背面画像変更コマンドがあれば(S4412:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S4413)、S4401の処理へ戻る。
【1179】
ここで、図85(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S4413)の詳細について説明する。図85(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
【1180】
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S6303)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S5801)。そして、背面画像種別(背面A、背面B)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S5802)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【1181】
通常画像転送設定処理では、S5801の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S5802の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面Bである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
【1182】
また、タスク処理(S4304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A、背面Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S5802によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
【1183】
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S5802の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
【1184】
ここで、図76の説明に戻る。S4412の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S4412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S4414)、エラーコマンドがあれば(S4414:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S4415)、S4401の処理へ戻る。
【1185】
ここで、図85(b)を参照して、エラーコマンド処理(S4415)の詳細について説明する。図85(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
【1186】
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S5901)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S5902)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
【1187】
表示設定処理では、S5901の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S5902の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
【1188】
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S5902に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
【1189】
ここで、図76の説明に戻る。S4414の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S4414:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S4416)、S4401の処理へ戻る。
【1190】
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS4401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S4401:Yes)、再びS4402?S4416の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S4401?S4416の処理が繰り返し実行され、S4401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると(S4401:No)、このコマンド判定処理を終了する。
【1191】
尚、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S4308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)および停止種別コマンド処理(図77(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
【1192】
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図77(a)参照)では、S4501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S4502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
【1193】
次いで、図86および図87を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S4303)の詳細について説明する。図86は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
【1194】
この表示設定処理では、図86に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S6001)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S6001:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S6002?S6004の処理をスキップし、S6005の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S6001:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S6002)、S6003?S6004の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
【1195】
S6003の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S6003)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S6003:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S6004)。
【1196】
ここで、図87(a)を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図87(a)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S6101)。
【1197】
タスク処理(S4304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1198】
そして、警告画像設定処理では、S6101の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S6102)、表示設定処理に戻る。
【1199】
ここで、図86の説明に戻る。警告画像設定処理(S6004)の後、又は、S6003の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S6003:No)、次いで、S6005の処理へ移行する。
【1200】
S6005では、ポインタ更新処理を実行する(S6005)。ここで、図87(b)を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図87(b)は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
【1201】
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S6201)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
【1202】
S6201の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S6202)。その結果、End情報であれば(S6202:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
【1203】
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S6203)、デモ用表示データテーブルであれば(S6203:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6204)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S6205)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
【1204】
一方、S6203の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S6203:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S6206)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3202の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S6202:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
【1205】
ここで、図86に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S6006)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S6006の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
【1206】
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S6007)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S6008)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S6008:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S6008:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S6009)。
【1207】
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S6009:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6010)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6011)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6012)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S6013)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S6014)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S6015)、V割込処理に戻る。
【1208】
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
【1209】
尚、S6015の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S4304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S6015によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
【1210】
一方、S6009の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S6009:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S6016)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S6016:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S6017)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6018)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6019)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S6020)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S6021)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
【1211】
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、オープニングコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、描画内容を設定することができる。
【1212】
S6016の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S6016:No)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
【1213】
尚、V割込処理(図75(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S4309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
【1214】
次いで、図88及び図89を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S4305)の詳細について説明する。まず、図88(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
【1215】
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S6301)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S6302)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図88(b)を参照して後述する。
【1216】
一方、S6301の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S6303)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図89を参照して後述する。
【1217】
次いで、図88(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S6302)について説明する。図88(b)は、この常駐画像転送設定処理(S6302)を示すフローチャートである。
【1218】
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S6401)、転送指示を送信していれば(S6401:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S6402)。このS6402の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6402の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6402:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6402:Yes)、S6403の処理へ移行する。また、S6401の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S6401:No)、S6403の処理へ移行する。
【1219】
S6403の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S6403)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S6403:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S6404)、常駐画像転送設定処理を終了する。
【1220】
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【1221】
S6403の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S6403:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S6405)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図75(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図75(b)のS4308参照)および簡易表示設定処理(図75(b)のS4309参照)ではなく、コマンド判定処理(図76?図85参照)および表示設定処理(図86および図87参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図89参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図88(a)のS6301:No参照)。
【1222】
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
【1223】
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
【1224】
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
【1225】
次いで、図89を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S4305)の一処理である通常画像転送設定処理(S6303)について説明する。図89は、この通常画像転送設定処理(S6303)を示すフローチャートである。
【1226】
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S4303)のポインタ更新処理(S6005)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S6501)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S6502)、転送データ情報であれば(S6502:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S6503)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S6504)、S6505の処理へ移行する。
【1227】
また、S6502の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S6502:No)、S6503及びS6504の処理をスキップして、S6505の処理へ移行する。S6505の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S6505)、転送指示を設定していれば(S6505:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S6506)。
【1228】
このS6506の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S6506の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S6506:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S6506:Yes)、S6507の処理へ移行する。また、S6505の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S6505:No)、S6507の処理へ移行する。
【1229】
S6507の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S6507)、転送開始フラグがオンであれば(S6507:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S6508)、S6503の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S6513の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S6507:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S6509)。
【1230】
そして、背面画像変更フラグがオンであれば(S6509:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S6510)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S6511)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S6512)、S6513の処理へ移行する。
【1231】
S6509の処理において、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S6509:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
【1232】
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S6509の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
【1233】
S6513の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S6513)。このS6513の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
【1234】
そして、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S6513:No)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
【1235】
一方、S6513の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S6513:Yes)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S6514)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
【1236】
S6514の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S6515)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
【1237】
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
【1238】
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【1239】
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
【1240】
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
【1241】
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
【1242】
次いで、図90を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S4306)の詳細について説明する。図90は、この描画処理を示すフローチャートである。
【1243】
描画処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S4305)により設定された転送指示から、図24に示す描画リストを生成する(S6601)。即ち、S6601の処理では、タスク処理(S4304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S4305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
【1244】
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
【1245】
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラ237へ送信する(S6602)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
【1246】
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
【1247】
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
【1248】
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
【1249】
描画処理は、S6602の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S6603)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
【1250】
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図75(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
【1251】
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
【1252】
以上、説明をしたように本実施形態は、特別図柄の抽選の結果が特定の抽選結果(小当たり)となった場合に、球が入賞可能となる可変入球手段(第2可変入賞装置650)を有し、その可変入球手段内に、球が通過することにより遊技者に特典を付与する特定領域(通過検出スイッチ650e5)と、その特定領域へ球が通過可能な誘導状態と通過困難な規制状態とに所定間隔で可変可能な誘導手段(Vゲート650d)とが設けられている。そして、特定の抽選結果に連続して当選した場合に、その連続して当選した特定の抽選結果のうち、少なくとも何れかにおいて、球が特定領域を通過しやすい遊技状態となるように構成している。
【1253】
これにより、遊技者に対して、連続して特定の抽選結果に当選した場合に、単独で特定の抽選結果に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して特定の抽選結果に当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1254】
なお、上述した本実施形態では特定の抽選結果である小当たり(小当たりA)に連続して当選した場合に、つまり、特定の抽選結果に連続して当選した場合に、球が特定領域を通過しやすい小当たり遊技(有利特典遊技)が実行されやすくなる構成を示したが、特定の抽選結果に複数回当選することで有利特典遊技が実行されやすくなる構成であれば、本実施形態で用いた構成以外の構成を用いても良い。
【1255】
例えば、特定の抽選結果に所定の順序で複数回当選した場合に、有利特典遊技が実行されやすくなる構成を用いても良い。なお、所定の順序としては、本実施形態にて用いた特定の抽選結果に複数回連続して当選する場合や、特定の抽選結果と外れとを交互に繰り返す場合など、予め定められている順序で特定の抽選結果に複数回当選するものが含まれる。特に、特別図柄の抽選結果が外れの場合を含む順序を、所定の順序として予め設定することで、特別図柄の抽選結果が外れであったとしても、遊技者に有利な有利特典遊技が実行されやすくなる可能性があるため、遊技者に対して常に期待を持たせることができるという効果がある。
【1256】
さらに、連続して小当たりに当選した場合において、小当たり遊技の遊技時間と、連続する小当たりのうち、2回目の小当たりに対応する特別図柄の変動時間との合計時間がVゲート650dの動作周期の整数倍にならないように構成している。
【1257】
これにより、連続して小当たりが発生する場合において、その連続した小当たりが、所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して同一のタイミングで球を流下させることが無くなる。即ち、連続して小当たり遊技を発生させることで所定の動作周期で動作しているVゲート650dに対して異なるタイミングで球を流下させることを可能とすることができる。よって、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1258】
また、本実施形態では、小当たり遊技の遊技時間と、連続する小当たりのうち、2回目の特図変動表示の変動時間との合計時間をVゲート650dの動作周期の整数倍に該当する時間に対し、Vゲート650dが誘導状態となる時間分(1.5秒分)以上相違するように構成している。
【1259】
これにより、連続する小当たり遊技のうち、1回目の小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングが、Vゲート650dが規制状態である場合に、2回目の小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングが、Vゲート650dが誘導状態となる確率を高めることができ、遊技者に対して、連続して小当たり遊技に当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1260】
なお、相違させる時間としては、Vゲート650dの動作周期の整数倍に対して、Vゲート650dが誘導状態となる時間分(1.5秒分)以上相違させることが望ましいが、それ未満でもよい。このような構成として、例えば、Vゲート650dの動作周期(5秒)に対して、Vゲート650dが誘導状態となる時間(1.5秒)よりも短い時間(例えば1秒)相違させる場合は、所定回数(例えば5回)連続して小当たりに当選することで、Vゲート650dの動作周期1周分(5秒)相違させるよう構成するとよい。
【1261】
このように構成することにより、例えば小当たり遊技が5回連続した場合は、連続して実行される小当たり遊技のうち、少なくとも1回はV通過可能な小当たり遊技が実行されるため、遊技者に対して、連続して小当たりに当選した場合に、単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
【1262】
また、本実施形態では、Vゲート650dが誘導状態となる期間(1.5秒)の整数倍とならない期間をVゲート650dの動作周期として設定している。このようにすることで、例えば、連続する小当たり遊技において、前回の小当たり遊技に対して、Vゲート650dに球を流下させるタイミングをVゲート650dが誘導状態となる時間分(1.5秒分)相違させる小当たり遊技が複数回(例えば5回)連続した場合に(合計でVゲート650dの動作周期の1周期分以上相違させる場合に)、Vゲート650dの異なる動作周期に対しても小当たり遊技にてVゲート650dに球を流下させるタイミングを異ならせることができる。よって、遊技者に対してより有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
【1263】
また、本実施形態では、連続当選した小当たりに対応する特別図柄の変動が実行されるタイミングにおいて、所定条件(保留球が7個)を満たしている場合に、連続当選した小当たりが遊技者に対して有利な遊技状態を提供するように構成している。これにより、遊技者に対して、常に所定条件を満たそうと意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができるという効果がある。
【1264】
なお、所定条件として、本実施形態では保留球が7個であることを示したが、それ以外の条件を設定してもよく、所定条件を満たす保留球の数を変更してもよい。また、保留球数以外の要件を所定条件としてもよく、例えば、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果となり、遊技状態が通常とは異なる遊技状態となっていることを所定条件として定めてもよいし、大当たり遊技といった特定遊技状態が終了してから所定期間(例えば、特別図柄の変動が50回実行されるまでの期間)の間であることを所定条件として定めてもい。
【1265】
このように構成したとしても、遊技者は所定条件を満たすよう意欲的に遊技を行うことになり、遊技の稼働を向上させることができるという効果がある。
【1266】
さらに、本実施形態では、小当たりに連続して当選した場合において、特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりを判定し、その判定結果に基づいて、連続した小当たり期間およびその小当たりに対応した特別図柄の変動表示期間を用いて一連の演出(連続)を実行可能に構成している。このように構成することで、例えば、1回目の小当たりが特定領域に球を通過させることが不可能(困難)な小当たりで、2回目の小当たりが特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりである場合に、1回目の小当たりに対応する演出として、今回の小当たりが特定領域に球を通過させることが不可能(困難)な小当たりであることに基づく演出ではなく、次回の小当たりが特定領域に球を通過させることが可能(容易)な小当たりであることに基づく演出(例えば、チャンス継続演出)を実行することが可能となる。よって、遊技者に有利な遊技状態を提供できない(し辛い)小当たりに基づいた演出を実行する頻度を抑えることが可能となるため、遊技者が不満に感じる演出を抑制することができ、遊技者が遊技に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
【1267】
なお、本実施形態では特定の抽選結果となった場合に実行される小当たりが連続する場合において、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成しているが、小当たりが複数回実行されることに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成する構成であればよい。
【1268】
例えば、所定期間(例えば、保留記憶される上限数である8回)内に、小当たりが複数回実行されたことに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成してもよい。このようにすることで、頻繁に小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1269】
また、予め定められた順序に沿って小当たりが複数回実行(例えば、小当たりと外れが交互となるように実行)されたことに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成してもよい。このようにすることで、頻繁に小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。さらに、予め定められた順序を小当たりと外れとを組み合わせて規定することにより、複数回の特別図柄の抽選結果として外れとなった場合でも遊技者に有利な遊技状態を提供可能とすることができるという効果がある。
【1270】
なお、予め定められた順序に沿って小当たりが複数回実行(例えば、小当たりと外れが交互となるように実行)されたことに基づいて、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成する場合には、本実施形態に記載した小当たりに対応する特別図柄の特殊変動時間(特殊変動B?C)と同様に、外れに対応する特別図柄の変動時間に特殊変動時間を設定し、複数回の小当たりが実行されるタイミングと誘導手段の開放タイミングとを異ならせるように構成すればよい。これにより、特別図柄の抽選結果が外れであったとしても遊技者に有利な遊技状態が提供される可能性が残ることになる。よって、遊技者は特別図柄の抽選結果とは別に、有利な遊技状態が提供されるかを期待しながら遊技を行うことができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1271】
この場合、小当たりに対応する特別図柄の特殊変動時間と、外れに対応する特別図柄の特殊変動とを統一(少なくとも、一部を統一)させるとよい。これにより、小当たりが連続した場合と予め定められた順序に沿って小当たりが複数回実行(例えば、小当たりと外れが交互となるように実行)された場合とで、連続演出中における特別図柄の変動演出として同一の演出を実行可能にすることができ、第3図柄表示装置81にて表示される表示データの容量を削減できるという効果がある。
【1272】
具体的には、特別図柄の抽選結果が外れの場合に参照される外れ用変動パターン選択テーブル202cに、保留記憶されている入球数が5から6の場合に変動時間が5.5秒となる特殊変動パターン(外れ用特殊変動パターン)を規定する。このように構成することにより、例えば、保留記憶されている入球数が7→6→5と減少しながら、小当たりA(1回目)→外れ→小当たりA(2回目)の順序で特別図柄の抽選が実行された場合には、1回目の小当たりAが終了してから、外れの変動表示(5.5秒)が実行され、その後、小当たりAの変動表示(5.5秒)後に小当たりAが実行される。よって、1回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングと、2回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングとの間隔は、17秒となる。Vゲート650dの動作周期は5秒であることから、1回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングに対して、2回目の小当たりAの入賞球Vゲート到達タイミングは、Vゲート650dの動作周期に対して2秒異なる(2秒遅らせる)タイミングとなる。
【1273】
なお、上述した例では、特別図柄の変動パターン(変動時間)を特別図柄の抽選結果が外れの場合と小当たりの場合とで統一する構成を示したが、外れの場合における特別図柄の変動パターン(変動時間)として、特殊変動B(5.5秒)と小当たりAの遊技時間(6秒)とを合計した時間となる変動時間を有する変動パターンにしてもよい。このようにすることで、上述した例のように小当たり間に外れ変動が実行される場合であっても、その外れ変動を小当たり変動に要する時間(特別図柄の変動時間と小当たり遊技時間)と統一することができる。よって、特別図柄の抽選結果が小当たりA→外れ→小当たりAという順序になる場合と、3回連続して小当たりAに当選した場合とで同一の連続演出時間を確保することができる。したがって、連続演出の共通化を図ることにより、第3図柄表示装置81にて表示される表示データの容量を削減できるという効果がある。
【1274】
また、連続演出中における特別図柄の抽選結果が小当たりであるか外れであるかを認識し難い演出にすることで、連続演出の最後まで遊技者に対して期待を持たせることができるという効果がある。
【1275】
以上、例示した構成は、小当たり以外の特別図柄の抽選結果として外れの場合を示したものであるが、それに限定されるものではなく、例えば、特別図柄の抽選結果が外れではなく、特殊変動Bが設定されない小当たり(小当たりB?C)であってもよい。この場合は、小当たりB?Cの小当たり遊技時間を小当たりAと統一させ、連続演出の共通化を図るとよい。
【1276】
また、本実施形態では、特別図柄の変動時間として特殊変動時間を設定することにより、連続して小当たりが実行された場合(複数回小当たりが実行された場合)に、単独で小当たりが実行される場合よりも有利な遊技状態を提供可能に構成しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、小当たりが実行された場合に開放される扉650f(可変手段)が開放される期間や開放されるタイミングを変更したり、Vゲート650d(誘導手段)の動作周期を変更したり、ストッパ650cの動作タイミングを変更したりしてもよい。
【1277】
さらに、本第1実施形態では、小当たりが複数回実行された場合にそのうちの1の小当たりがV通過可能な小当たりとなるように特別図柄の変動パターン(変動時間)を予め設定しているが、それ以外の構成として、小当たりが複数回実行された場合にそのうちの1の小当たりがV通過可能となるように、Vゲート650dの動作パターンを設定するように構成しいてもよい。このような構成を用いたとしても本第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【1278】
<第2実施形態>
次いで、図91?図101を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、特別図柄の抽選の結果が小当たりAであった場合の変動パターンとして特殊変動B?Cを設けることで、小当たりAに連続して当選した場合に、小当たりによって開放される第2可変入賞装置650の扉650fの開放タイミングが、第2可変入賞装置650内に設けられたVゲート650dの状態が球を特定領域であるV排出流路650e3に通過可能な誘導状態となるタイミングに対してズレるようにし、小当たりAに連続して当選した場合に、小当たり遊技を経由した大当たりが付与され易くする構成を有している。
【1279】
これに対して第2実施形態では、特別図柄の抽選の結果、小当たりとなった場合において選択される小当たり種別として、小当たり遊技終了後に特別図柄の変動パターンを8回転だけ特殊な変動パターンを選択可能とする小当たりDと、小当たり終了後に普通図柄の変動パターンを3回だけ特殊な変動パターンを選択可能とする小当たりEとを有し、その小当たりDに当選することにより選択可能となる特殊変動パターンとして、変動時間が短い(1秒)変動パターンが選択されるように構成した。また、Vゲート650dの動作周期を5秒から10秒に変更するよう構成した。
【1280】
このような構成を用いることで、小当たり遊技による第2可変入賞装置650の扉650fが開放する動作をVゲート650dの動作周期(10秒)内で複数回実行することが可能となる。よって、Vゲート650dの動作周期に対して第2可変入賞装置650の扉650fを意図的に異なるタイミングで開放させることができ、小当たりが頻発した場合に、小当たり遊技を経由した大当たりが付与され易くし、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できるという効果がある。
【1281】
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のMPU201のROMに記憶されている各種テーブル内の内容を一部変更した点、および主制御装置110のMPU201のR第34AMに新たなカウンタが追加された点が、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なっている点である。その他の構成については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
【1282】
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図91?図96を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202およびRAM203について説明する。図91(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。図91(a)に示した通り、本第2実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成に対し、第1小当たり種別選択テーブル202cと変動パターン選択テーブル202eとの内容が変更されている。また、大当たりシナリオテーブル2202fと小当たりシナリオテーブル2202gに設定されている数値が変更されている。
【1283】
図91(b)は、主制御装置110に設けられているRAM203の内容を模式的に示した図である。図91(b)に示した通り、本第2実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に対し、特図特殊変動カウンタ203tと、普図特殊変動カウンタ203uとが追加されている。
【1284】
次に、図92(a)を参照して、第2実施形態における第1小当たり種別選択テーブル202cについて説明する。図92(a)は第2実施形態における第1小当たり種別選択テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。第1小当たり種別選択テーブル202cは、上述した第1実施形態とは異なる小当たり種別が規定されている特図1用種別選択テーブル2202c1と、特図2用種別選択テーブル2202c2を有している。
【1285】
図92(b)は、本第2実施形態の特図1用種別選択テーブル2202c1の内容を模式的に示した模式図である。特図1用種別選択テーブル2202c1は、上述した第1実施形態の特図1用種別選択テーブル202c1に対して、小当たり種別として小当たりDおよび小当たりEを追加した点と、各種小当たり種別が設定される小当たり種別カウンタ値の値を変更した点で相違し、その他の構成は上述した第1実施形態の特図1用種別選択テーブル202c1と同一であり、その詳細な説明を省略する。
【1286】
図92(a)に示すように、第1特別図柄(特図1)の小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5において、乱数値が「0?34」であった場合の小当たり種別は、「小当たりA」となる。また、乱数値が「35?40」であった場合の小当たり種別は、「小当たりB」となる。また、乱数値が「41?390」であった場合の小当たり種別は、「小当たりC」となる。また、乱数値が「391?395」であった場合の小当たり種別は「小当たりD」となる。また、乱数値が「396?398」であった場合の小当たり種別は「小当たりE」となる。
【1287】
ここで、小当たり種別のうち、本第2実施形態で追加された「小当たりD」および「小当たりE」について図92(b)を参照して説明する。まず、「小当たりD」が選択された場合は、球が第2可変入賞装置に入賞困難な開放パターンとして、第2可変入賞装置650の扉(アタッカ)650fを小当たり遊技中に0.1秒開放させる動作が2回行われる開放シナリオが設定されると共に、特定領域であるV排出流路650e3を通過した際(V通過時)に付与される大当たり種別として「大当たりD」が設定される。さらに、小当たりDの小当たり遊技終了後に、特別図柄の変動表示が8回実行されるまでの間、特別図柄の変動パターンとして後述する特殊変動パターンが設定される遊技状態が付与される。
【1288】
詳細は図96を参照して後述するが、特別図柄の変動パターンとして特殊変動パターンが設定されると、特別図柄の変動パターン(変動時間)として変動時間が1秒の変動パターンが選択されるため、特別図柄の変動表示を短時間で複数回実行することが可能となる。これにより、Vゲート650dが動作する動作周期(10秒)内で小当たり遊技を複数回実行することが可能となり、小当たり遊技による第2可変入賞装置650の扉650が開放するそれぞれのタイミングをVゲート650dが動作する動作周期に対して異ならせることができる。言い換えれば、複数回発生した小当たり遊技がVゲート650dの動作周期に対して同じタイミング(例えば、Vゲート650dが規制状態であるタイミング)で第2可変入賞装置650の扉650fを開放させることを防止することが可能となる。
【1289】
このように構成することで、V通過不可能(困難)なタイミングで小当たり遊技が頻発してしまい遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することが可能となるという効果がある。
【1290】
また、「小当たりE」が選択された場合は、上述した「小当たりD」と同様の開放パターンおよびV通過時に付与される大当たり種別として「大当たりD」が設定される。さらに、小当たりEの小当たり遊技終了後に、普通図柄の変動表示が3回実行されるまでの間、普通図柄の変動パターンとして後述する特殊変動パターンが設定される遊技状態が付与される。
【1291】
普通図柄の変動パターン(変動時間)は、通常遊技状態においては180秒が設定されているが(図99のS1017)、特殊変動パターンが設定されると、0.5秒が設定される。これにより、通常遊技状態において普通図柄が当たり易くなることで、第2入球装置640の電動役物640aが開放しやすい状態となり、第2入球口B640bに遊技球を入球させることが可能となる。
【1292】
これにより、通常であれば、第1入球装置64によって、特別図柄1と特別図柄2とが交互に保留記憶される通常遊技状態において、第2入球口B640bに遊技球を入球させることにより、特別図柄2を連続して保留記憶させることが可能となる。特別図柄2は、特別図柄1に対して第2可変入賞装置に球を入球させ易い小当たりである小当たりAが選択される割合が高く設定してあるため(図92(b)、(c))、遊技者にとって小当たり経由で大当たりを付与させやすい状態を提供することが可能となる。
【1293】
なお、本第2実施形態では小当たりA?小当たりCの動作シナリオ(小当たりシナリオ)の内容が上述した第1実施形態と相違している。動作シナリオの詳細な説明については、図93を参照して後述するが、小当たりAに対応する小当たりシナリオa2は上述した第1実施形態で用いた小当たりシナリオaよりも小当たり遊技に要する時間が短くなるよう規定されており、小当たりBまたは小当たりCに対応する小当たりシナリオb2は上述した第1実施形態で用いた小当たりシナリオbよりも小当たり遊技に要する時間が短くなるよう規定されている。
【1294】
図92(c)は、本第2実施形態の特図2用種別選択テーブル2202c2の内容を模式的に示した模式図である。特図2用種別選択テーブル2202c2は、上述した第1実施形態の特図2用種別選択テーブル202c2に対して、小当たり種別として小当たりDおよび小当たりEを追加した点と、各種小当たり種別が設定される小当たり種別カウンタ値の値を変更した点で相違し、その他の構成は上述した第1実施形態の特図2用種別選択テーブル202c2と同一であり、その詳細な説明を省略する。
【1295】
図92(c)に示すように、第2特別図柄(特図2)の小当たりである場合には、小当たり種別カウンタC5において、乱数値が「0?85」であった場合の小当たり種別は、「小当たりA」となる。また、乱数値が「86?90」であった場合の小当たり種別は、「小当たりB」となる。また、乱数値が「91?390」であった場合の小当たり種別は、「小当たりC」となる。また、乱数値が「391?395」であった場合の小当たり種別は「小当たりD」となる。また、乱数値が「396?398」であった場合の小当たり種別は「小当たりE」となる。
【1296】
上述したように、本第2実施形態においても、第2可変入賞装置650に球が入賞し易い小当たりである小当たりAが選択される割合は特図1よりも特図2の方が高く設定されている。
【1297】
次に、図93(a)を参照して、第2実施形態における変動パターン選択テーブル202eについて説明する。図93(a)は第2実施形態における変動パターン選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。変動パターン選択テーブル202eは、上述した第1実施形態とは異なる変動パターンが規定されている大当たり用変動パターン選択テーブル2202e1と、外れ用変動パターン選択テーブル2202e2と、小当たり用変動パターン選択テーブル2202e3とを有している。
【1298】
各変動パターンテーブルの詳細な説明は後述するが、本第2実施形態で用いられる変動パターンテーブルは、上述した第1実施形態で用いられた変動パターンテーブルに対し、特殊変動パターンの設定がある場合に選択される特殊変動Dが追加された点と、特殊変動A?Dが選択できない点相違している。
【1299】
図93(b)は、大当たり用変動パターン選択テーブル2202e1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターン選択テーブル2202e1は、特殊変動パターンの設定の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種大当たり変動パターンが選択される。特殊変動パターン設定とは、特別図柄の抽選の結果、小当たりDが選択された場合に、その小当たり終了後に付与されるものであり、特殊変動パターンが設定されると変動種別カウンタCS1の値に関わらず、特殊変動D(1秒)が選択される。
【1300】
図93(c)は、外れ用変動パターン選択テーブル2202e2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用変動パターン選択テーブル2202e2は、上述した大当たり用変動パターン選択テーブル2202e1と同様に、特殊変動パターンの設定の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種大当たり変動パターンが選択されるよう構成されている。よって、詳細な説明は省略する。
【1301】
図94は、小当たり用変動パターン選択テーブル2202e3の内容を模式的に示した模式図である。小当たり用変動パターン選択テーブル2202e3は、上述した大当たり用変動パターン選択テーブル2202e1と同様に、特殊変動パターンの設定の有無および変動種別カウンタCS1の値に基づいて各種大当たり変動パターンが選択されるよう構成されている。よって、詳細な説明は省略する。
【1302】
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、小当たりDに当選すると、その小当たり遊技終了後の所定期間(本第2実施形態では、特別図柄が8回変動するまで)特殊変動パターンが設定され、短期間(Vゲートの動作周期1回の期間)に、特別図柄の変動を複数回実行可能となるように構成されている。
【1303】
よって、短期間内で複数回小当たり遊技を実行可能となり、Vゲートの動作周期に対して、異なるタイミングで小当たり遊技における特定領域への球の流下させることが可能となる。
【1304】
つぎに、図95(a)を参照して本第2実施形態における小当たりシナリオテーブル2202gについて説明をする。図95(a)は、本第2実施形態における小当たりシナリオテーブル2202gの内容を模式的に示す模式図である。小当たりシナリオテーブル2202gは、上述した第1実施形態の小当たりシナリオテーブル202gに対して、小当たりシナリオa202g1を小当たりシナリオa2202g1に変更した点、小当たりシナリオb202g2を小当たりシナリオb2202g2に変更した点、および、小当たりDおよび小当たりEに対応する選択シナリオとして小当たりシナリオb2202g2を規定した点において相違し、その他の構成は同一であるためその説明を省略する。
【1305】
小当たりシナリオa2202g1は、上述した第1実施形態の小当たりシナリオa202g1に対して、各シナリオの間隔を短くした点で相違し、各シナリオの内容は同一である。各シナリオの間隔について図95(b)を参照して説明をする。
【1306】
図95(b)は、小当たりシナリオa2202g1の内容を模式的に示した模式図である。小当たりシナリオa2202g1は、小当たりシナリオa202g1に対してオープニングの期間を0.1秒に短縮し、エンディング期間のうち、V通過判定が実行されてからエンディングが終了するまでの期間を0.1秒に短縮しており、シナリオ全体の期間が2.7秒となるように規定されている。なお、扉ソレノイド650f2がオンに設定される期間は上述した第1実施形態の小当たりシナリオa202g1と同一であるため、その説明を省略する。
【1307】
このように規定することで、小当たりシナリオa2202g1が選択される小当たり遊技では、2.7秒の小当たり遊技を実行することになる。
【1308】
図95(c)は、小当たりシナリオb2202g2の内容を模式的に示した模式図である。小当たりシナリオb2202g2は、上述した第1実施形態の小当たりシナリオb202g2に対して、扉が開閉する回数を1回減らし2回とし、オープニング期間を0.1秒に短縮し、エンディング期間のうち、V通過判定が実行されてからエンディングが終了するまでの期間を0.1秒に短縮している。その他の構成は上述した第1実施形態の小当たりシナリオb202g2と同一であるため、その説明を省略する。
【1309】
以上、説明をしたように、本第2実施形態においては、小当たり遊技中の遊技時間を小当たりAであれば2.7秒、小当たりB?Eであれば2.5秒の小当たり遊技を実行する。このように構成することにより、短期間でより多くの特別図柄の変動を実行できるように構成している。
【1310】
なお、本第2実施形態では、小当たり遊技時間を予め設定しているが、遊技状態に応じて小当たり遊技の遊技時間が変更されるように構成してもよい。例えば、遊技状態が通常遊技状態の場合と時短遊技状態の場合とで小当たり遊技中のオープニング期間やエンディング期間の長さを変更してもよい。
【1311】
次に、図96を用いて、本第2実施形態におけるVゲート650dの動作周期と、主制御装置110により実行される特別図柄遊技のタイミングについて説明する。図96(a)は、本第2実施形態における通常の変動パターンが選択された場合における特別図柄遊技と、Vゲート650dの動作とのタイミングを模式的に示したタイミングチャートである。
【1312】
図96(a)に示すように、本第2実施形態では、Vゲート650dが10秒を1回の動作周期となるように可変制御されている。一方、特別図柄の抽選の結果、小当たりAに当選した場合に選択される変動パターンは最短で10秒となっている(図94参照)。そして、小当たりAに当選した場合は、遊技時間が2.7秒に規定されている小当たりシナリオa2が設定されている(図95(b)参照)。
【1313】
このように構成される本第2実施形態では、通常遊技状態においてVゲート650dが可変制御される1回の動作周期(10秒)内に、複数回の小当たりA遊技が実行されない、つまり、Vゲート650dが可変制御される1回の動作周期(10秒)内に、Vゲート650dへ球が複数回到達することが無いように構成されている。
【1314】
図96(b)は、本第2実施形態における特殊変動パターンが選択された場合、即ち、特別図柄の抽選の結果、小当たりDに当選し、特図特殊変動が実行される場合における特別図柄遊技と、Vゲート650dの動作とのタイミングを模式的に示したタイミングチャートである。
【1315】
図96(b)に示すように、主制御装置110による特別図柄(特図)抽選の結果、小当たりDに当選した場合、2.5秒の小当たりD遊技が実行された後に、特図特殊変動が実行される。この特図特殊変動は、特別図柄の抽選結果に関わらず変動時間が1秒の特殊変動Dが選択される(図93(a)?(b)および図94参照)。よって、Vゲート650dが可変制御される1回の動作周期(10秒)内に複数回の特図変動を実行可能としている。
【1316】
さらに、本第2実施形態では、小当たりAに当選した場合は、遊技時間が2.7秒に規定されている小当たりシナリオa2が設定されている(図95(b)参照)ため、Vゲート650dが可変制御される1回の動作周期(10秒)内に、複数回の小当たりA遊技が実行可能に構成されている。
【1317】
これにより、特図特殊変動が実行される所定期間(本実施形態では、特図が8回変動する期間)内に複数回小当たりA遊技が実行されることで、Vゲート650dの動作周期に対して異なるタイミングで小当たり遊技を実行することが可能となる。よって、小当たりA遊技中に第2可変入賞装置650に入賞した球が特定領域(通過検出スイッチ650e5)を通過する可能性を高めることができるという効果がある。
【1318】
なお、本第2実施形態では、Vゲート650dの動作周期(10秒)内に複数回の小当たり遊技を実行可能とすることで、Vゲート650dが可変制御される1回の動作周期(10秒)内に、Vゲート650dへ球が到達するタイミングを複数設けるようにしているが、それ以外の構成であっても、Vゲート650dが可変制御される1回の動作周期(10秒)内に、Vゲート650dへ球が到達するタイミングを複数回設けることができればよい。例えば、Vゲート650dへ球が到達するタイミングが異なる複数の小当たりを有している場合では、Vゲート650dの動作周期(10秒)内に複数回の小当たりが実行されなかったとしても、Vゲート650dの動作周期(10秒)内にVゲート650dへ球が到達するタイミングが複数回設けられるように小当たりが設定されればよい。
【1319】
以上、説明をしたように、本第2実施形態では、特別図柄の抽選結果に基づいて、複数の小当たりが有利に実行される期間(特図特殊変動が実行される期間)を設けているため、遊技者に対して、小当たり遊技に複数回当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1320】
なお、本第2実施形態では、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(小当たりD)となった場合に、特定遊技状態(特図特殊変動)が設定されるように構成しているが、それ以外の特定条件が成立した場合に、特定遊技状態が設定されるように構成してもよい。例えば、特別図柄の記憶保留数が上限値に到達することを条件に特定遊技状態が設定されるようにしてもよい。また、球が遊技領域に設けられる所定領域を通過することを条件に特定遊技状態が設定されるようにしてもよい。
【1321】
また、本第2実施形態では、特図特殊変動が所定期間(8回)設定されるように構成しているが、所定期間を特別図柄の変動回数で設定するのではなく、次回の大当たりが実行されるまでの間、特図特殊変動が設定されるように構成してもよい。これにより、特図特殊変動が実行されることにより、遊技者に大当たり遊技を提供しやすくすることができる。
【1322】
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図97?図101のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図97のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理2について説明する。この第2実施形態におけるタイマ割込処理2は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図34参照)と同様に、主制御装置110内のMPU201により実行されるもので、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
【1323】
この第2実施形態におけるタイマ割込処理2のうち、S101,S106,S108、およびS109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図34参照)のS101,S104,S106,S108、およびS109の各処理と同一の処理が実行される。
【1324】
以上、説明をしたように本第2実施形態においては、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(小当たりD)となったことに基づいて、通常の遊技状態で選択される特別図柄の変動パターン(変動時間)とは異なる変動パターン(変動時間)が選択される特定の遊技状態へと移行可能に構成し、その特定の遊技状態においては、Vゲート650dの1回の動作周期(10秒)の中で、抽選結果が小当たりとなる特別図柄の抽選が複数回実行されるよう特別図柄の変動パターンが設定されるように構成されている。
【1325】
これにより、Vゲート650dの1回の動作周期の中で、複数回の小当たり遊技が実行可能となるため、所定期間(Vゲート650dの動作周期)内で、複数の小当たりに当選した場合に、小当たり遊技における扉650fの開放タイミングを、Vゲート650dの動作周期に対して異ならせることが可能となる。よって、所定期間内に小当たりが頻発することにより、遊技者に有利となる遊技状態(特典)を付与しやすくすることができるという効果がある。
【1326】
なお、本第2実施形態では、特別図柄の抽選結果に基づいて、選択される特別図柄の変動パターン(変動時間)を変更する構成を用いたが、同一の作用効果を奏する構成であれば、それ以外の構成を用いてもよい。例えば、特別図柄の抽選結果が所定の抽選結果である場合に、Vゲート650dの動作周期を通常の動作周期よりも長くなるように設定可能に構成してもよい。このように構成することで、選択される特別図柄の変動パターンを変更する構成を用いなくても、所定期間(Vゲート650dの動作周期)内で、複数回の小当たり遊技を実行可能とすることができる。
【1327】
さらに、Vゲート650dの動作周期を長くする場合には、Vゲート650dが誘導状態(開状態)となる期間を延長するようにするとよい。これにより、Vゲート650dの1回の動作周期における誘導状態(開状態)が占める割合を増加させることができ、1回の動作周期内で複数回の小当たり遊技が実行された場合に、V通過可能な小当たりとなる可能性を高めることができるという効果がある。
【1328】
また、同様に小当たり遊技の遊技時間を短くすることで、所定期間(Vゲート650dの動作周期)内で、複数回の小当たり遊技が実行可能となるように構成してもよい。この場合、小当たり遊技のうち、特定扉650fが閉鎖されている期間、即ち小当たりオープニング期間や小当たりエンディング期間が短くなるよう小当たり遊技を設定するとよい。このようにすることで、小当たり遊技全体の時間は短縮されるが、特定扉650fが開放される期間(第2特定入賞口650aに球が入賞可能な期間)の時間は変更されない。即ち、小当たり遊技全体の時間における第2特定入賞口650aに球が入賞可能な時間が占める割合を増加させることが可能となり、1回の動作周期内で複数回の小当たり遊技が実行された場合に、V通過可能な小当たり遊技が実行される可能性を高めることができるという効果がある。
【1329】
さらに、本第2実施形態は、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(小当たりD)となる割合が異なる2つの遊技状態(通常遊技状態と時短遊技状態)を有しており、通常遊技状態において特別図柄の抽選結果が所定の条件を満たすことにより(時短あり大当たりが実行されることにより)、通常遊技状態よりも特定の抽選結果となる確率が高い時短遊技状態へと移行するよう構成されている。
【1330】
このように構成することで、遊技者は特別図柄の抽選を行う遊技と、特定領域へ球の通過させる遊技との2つの遊技性をもって遊技を行うことが可能となるため、遊技者が遊技に飽きてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
【1331】
さらに、本第2実施形態では、通常遊技状態において、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(小当たりD)となる割合が異なる2つの入球口(第1入球口64aと第2入球口A64b)に交互に球を入球させる構成(第1入球装置64)を有しているため、通常遊技状態において、「小当たりA」に当選した次の入賞が特図1なのか特図2なのかによって「小当たりA」が連続して当選する期待度が変わるため、遊技者に対して、連続して「小当たりA」に当選させるという新たな遊技性を提供することが可能となり、興趣の向上を図ることが出来るという効果がある。
【1332】
また、本第2実施形態におけるパチンコ機10においても、音声ランプ制御装置114は上述した第1実施形態と同様の制御が実行されるが、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果(小当たりD)となり、特別図柄の変動パターンとして特殊変動パターンが実行されている間は、特別図柄の抽選結果を問わず、特殊変動パターンとして特殊変動D(変動時間1秒)が設定される。よって、上述した第1実施形態では小当たりが連続した場合に連続演出を実行するよう構成していたが、本第2実施形態では、特殊変動パターンが設定されている期間において、常に連続演出を実行するよう構成してもよい。
【1333】
<第3実施形態>
次いで、図102?図108を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態または第2実施形態では、第1特別図柄への入球に基づく入賞情報(入球情報)と第2特別図柄への入球に基づく入賞情報(入球情報)とを、その入球した順(保留記憶された順)に変動させる構成(所謂、入球順消化)としている。これに対し、本第3実施形態では、第1特別図柄への入球に基づく入賞情報(入球情報)よりも、第2特別図柄への入球に基づく入賞情報(入球情報)を優先的に変動させる構成(所謂、特図2優先消化)を用いている点で相違する。
【1334】
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成を変動した点、主制御装置110のMPU201のROMに記憶されている各種テーブル内の内容を変更した点、および主制御装置110のMPU201のRAMの内容を変更した点である。その他の構成については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
【1335】
まず、図102を参照して、本第3実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図102は、第3実施形態における遊技盤13の正面図である。図102に示した通り、本第3実施形態の遊技盤13は、第1入球口1064を第1入球装置64に変えて配置した点で相違する。その他の構成については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
【1336】
第1入球口1064は、球が入球することで第1特別図柄の入球情報を取得する入球口である。
【1337】
<第3実施形態における電気的構成について>
まず、図103?図105を参照して、主制御装置110のMPU201に設けられているROM202およびRAM203について説明する。図103(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の内容を模式的に示した図である。本第3実施形態のROM202は、第1実施形態におけるROM202の構成に対し、第1当たり乱数テーブル202aおよび第1小当たり種別選択テーブル202cの値が変更されている。
【1338】
図103(b)は、主制御装置110に設けられているRAM203の内容を模式的に示した図である。図103(b)に示した通り、本第3実施形態のRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に対し、変動実行フラグ203jと、変動順格納エリア203kと、特図2B有効期間フラグ203rと、有効期間計測カウンタ203sとが削除されている。
【1339】
つぎに、図104を参照して本第3実施形態における第1当たり乱数テーブル3202aについて説明をする。図104は第1当たり乱数テーブル3202aの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり乱数テーブル3202aは、上述した第1実施形態の第1当たり乱数テーブル202aに対し、小当たり判定値の値が異なっており、上述した第1当たり乱数テーブル202aでは、特図1と特図2とで同一の小当たり判定値を規定していたが、第1当たり乱数テーブル3202aでは、それぞれが異なる判定値を有している。
【1340】
まず、特図1用の小当たり判定値は「1」である。よって、特図1に基づく特別図柄の抽選の結果、小当たりとなる確率が「1/400」となるよう設定されている。次に、特図2用の小当たり判定値は「1?398」である。よって、特図2に基づく特別図柄の抽選の結果、小当たりとなる確率が「398/400」となるよう設定されている。
【1341】
このように構成することで、特図1の抽選では小当たりに当選し難く、特図2の抽選では小当たりに当選しやすくすることができ、特図2を変動させる遊技状態を、特図1を変動させる遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態とすることが可能となる。
【1342】
次に、図105を参照して、本第3実施形態における第1小当たり種別選択テーブル202cについて説明をする。図105(a)は、第3実施形態における第1小当たり種別選択テーブル202cの内容を模式的に示した模式図であり、図105(b)は特図1用種別選択テーブル3202c1の内容を模式的に示した模式図であり、図105(c)は特図2用種別選択テーブル3202c2の内容を模式的に示した模式図である。
【1343】
図105(a)および図105(b)に示すように、本第3実施形態にでは、上述した第1実施形態に対して、遊技者が有利となる小当たりAが選択される割合を、特図1用種別選択テーブル3202c1で低くしている。
【1344】
以上、説明をしたように、本第3実施形態では、特図1の変動に基づく抽選では、小当たりとなる確率、および小当たりに当選した場合における小当たりAの選択割合を共に、特図2の変動に基づく抽選よりも低くしたため、特図2を変動させる遊技状態を、特図1を変動させる遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となるよう構成している。
【1345】
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図106?図107のフローチャートを参照して、本第3実施形態における主制御装置の制御処理について説明をする。本第3実施形態では、上述した第1実施形態に対して、特別図柄変動処理(図35参照)が特別図柄変動処理3(図106参照)に変更されている点、および、始動入賞処理(図39参照)が始動入賞処理2(図107参照)に変更されている点で相違する。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
【1346】
図106は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する特別図柄変動処理3の内容を示したフローチャートである。第3実施形態における特別図柄変動処理3は、第1実施形態における特別図柄変動処理に対して、S271?S274までの処理が追加されている。その他の処理については、第1制御例と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1347】
S202の処理において、現在が変動中ではないと判別された場合に(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S271)。そして、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S272)。
【1348】
S272の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいと判別した場合は(S272:Yes)、S211へ移行する。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きくないと判別した場合には(S272:No)、次に、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得する(S273)。
【1349】
そして、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S274)。ここで、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいと判別した場合は(S274:Yes)、S207へ移行する。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きくないと判別した場合は(S274:No)、そのまま本処理を終了する。
【1350】
以上、説明をした特別図柄変動処理3では、特別図柄2保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きい場合は(S272:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203dの値(N1)に関わらず、特別図柄2に基づく変動が実行される(所謂、特図2優先)。
【1351】
次に、図107を参照して、始動入賞処理2について説明をする。図107は、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する始動入賞処理2の内容を示すフローチャートである。第3実施形態における始動入賞処理2は、第1実施形態における始動入賞処理に対して、変動順格納エリア203kに関する処理および第2特別図柄に関する始動入賞の処理が変更されている。その他の処理については、第1制御例と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
【1352】
始動入賞処理が実行されると、まず、S651?S657の処理が実行される。これらの処理は上述した第1実施形態における始動入賞処理(図39参照)のS601および特図1始動入賞処理(図40参照)のS701?S706と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。
【1353】
次に、球が第2入球口へ入球したかを判別する(S658)。本第3実施形態では、球が入球することで第2特別図柄の入賞情報(入球情報)を取得する入球口(第2入球口)が1つであるため、上述した第1実施形態とは異なる。このS658の処理において、球が第2入球口に入球(始動入賞)したと判別された場合は(S658:Yes)、次いで、S659?S663の処理を実行する。なお、本第3実施形態にて実行されるS659?S663の処理は、上述した第1実施形態における特図2始動入賞処理(図41参照)のS805?S809の処理と同一の処理であるため、その詳細な説明を省略する。そして、S663の処理を実行した後に、上述した第1実施形態における始動入賞処理(図39参照)にて実行される先読み処理(S604)と同一の先読み処理が実行され(S664)、本処理を終了する。
【1354】
以上、説明をしたように、本第3実施形態では第2特別図柄(特図2)の入賞情報を優先的に変動させる構成を用いているため、特図2の入賞情報に基づく変動を連続して実行することが可能となる。特図2に基づく抽選は、特図1に基づく抽選に対して小当たりAに当選する割合が高く設定してあるため、第2特別図柄への入球が困難な遊技状態(通常遊技状態)と第2特別図柄への入球が容易となる遊技状態(所謂、時短遊技状態)とを設定することができる。よって、小当たりAに当選し難い遊技状態と小当たりAに当選し易い遊技状態とを設定することが可能となる。
【1355】
なお、本第3実施形態のように、第2特別図柄が優先して変動する構成を用いた場合において、上述した第1実施形態の連続演出を実行するには、第2特別図柄の保留球のみを対象として連続演出に関する処理を実行するように構成すればよい。つまり、上述した第1実施形態では第1特別図柄と第2特別図柄とが、入球した順番に変動される構成(所謂、入賞順消化)を用いており、主制御装置110から受信した入賞コマンドの処理順に特別図柄の変動が実行されるため、入賞コマンド受信処理において、全ての入賞コマンド(特別図柄1に基づく入賞コマンドまたは特別図柄2に基づく入賞コマンド)を対象に連続演出に関わる処理を実行していた(図59参照)。
【1356】
しかし、本第3実施形態においては、第2特別図柄を優先的に変動させる構成を用いているため、主制御装置110から受信した入賞コマンドの処理順とは異なる順番で特別図柄の変動が実行される可能性がある。そこで、本第3実施形態のように複数の特別図柄のうち、一方の特別図柄に基づく変動を優先的に実行させる構成を採用している場合は、優先的に実行させる側の特別図柄に対応する入賞コマンドのみを対象に連続演出に関わる処理を実行すればよい。このように構成することで、上述した第1実施形態と同様の連続演出を実行することができる。
【1357】
また、本第3実施形態では、第1特別図柄(特図1)の抽選が主に実行される小当たりに当選し難い通常遊技状態(図104参照)と、第2特別図柄(特図2)の抽選が主に実行される小当たりに当選し易い時短遊技状態(図104参照)とを有しており、更に、小当たりに連続して当選することで、特定領域(第2可変入賞装置650内に設けられた通過検出スイッチ650e5)に球が通過しやすい小当たり遊技を提供可能に構成している。
【1358】
これにより、通常遊技状態では、小当たり遊技が頻発して実行されることを抑制し、小当たり遊技が頻発して実行される時短遊技状態では、小当たり遊技が複数回実行されることで、遊技者に有利な遊技状態を提供することが可能となる。よって、遊技者に対して、小当たり遊技に複数回当選した場合に、単独で小当たり遊技に当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となり、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。なお、本第3実施形態に、上述した第2実施形態で用いた特図特殊変動の構成を用いてもよい。
【1359】
<第3実施形態における変形例1について>
次に、図108を参照して、第3実施形態における変形例1を説明する。本変形例1では、遊技盤13の盤面構成を上述した第3実施形態に対して変更している。本変形例1では、第1入球口1064の下方に第2入球装置1640を配置し、その第2入球装置640の下方に第2可変入賞装置650を配置した点で、及び、遊技盤13の左右にそれぞれスルーゲート67を配置した点で第3実施形態の遊技盤13の盤面構成と相異する。その他の構成については第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
【1360】
なお、本変形例1にて用いた第2入球装置1640には、電動役物1640a(図示せず)が付随する第2入球口1640b(図示せず)が設けられている。電動役物1640aは開放動作が実行されるときに駆動する可動片を2つ(右側可動片と左側可動片)有している点で上述した電動役物640aと相違し、その他の構成については、上述した第1実施形態にて用いた第2入球装置640と同一であるため、その説明を省略する。
【1361】
本変形例1の遊技盤13の盤面構成によれば、遊技盤13の左側領域を狙う遊技(通常遊技)を行っている場合でも、スルーゲート67に球を通過させることが可能となり、且つ、通常遊技を実行している場合でも、第2入球装置640へ球を入球させることが可能となるよう構成されている。
【1362】
このように構成することにより、例えば、通常遊技状態においてスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄の抽選を実行する。そして、普通図柄の抽選で当たりに当選すると、第2入球装置640に付随する電動役物1640aを開放し、第2入球装置1640の第2入球口1640bに球を入球(始動入賞)させることが可能となる。
【1363】
そして、本変形例1では上述した第3実施形態と同様に第2特別図柄を優先して変動させる構成であるため、通常遊技状態において第2特別図柄の変動が連続して実行される遊技状態を提供することが可能となる。さらに、第2特別図柄の抽選は、第1特別図柄の抽選に対し、小当たりAに当選する割合が高く設定されているため、第2特別図柄の変動が連続して実行されると、小当たりAに連続して当選する可能性を高くすることが可能となる。
【1364】
これにより、遊技状態が通常遊技の状態であったとしても、普通図柄の抽選で当たりに当選することで、遊技者に対して小当たりAに連続して当選する可能性を高くする遊技を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
【1365】
さらに、本変形例1に用いた遊技盤13の盤面構成では、小当たりに当選すると球が入賞可能な開放状態なる第2可変入賞装置650を遊技盤13の中央下部に配置しているため、遊技盤13の左側領域を狙う遊技(通常遊技)を行うことで、球を第2可変入賞装置650へと到達させることが可能に構成されている。
【1366】
これにより、小当たりに当選したとしても遊技者は右打ち遊技を行う必要がなくなる。また、小当たり遊技が実行される場合に、遊技者に対して右打ち遊技を促す報知を第3図柄表示装置81等で行う必要もなくなる。これにより、遊技者に小当たりに当選したことを気付かれ難くすることが可能となり、複数の小当たりに当選することによる遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
【1367】
なお、本変形例1に用いた遊技盤13の盤面構成を、上述した第1実施形態または第2実施形態に適用してもよいし、第3実施形態にて実行される各種制御に変えて上述した第1実施形態または第2実施形態にて実行される各種制御を適用してもよい。
【1368】
<第3実施形態における変形例2について>
次に、図109を参照して、第3実施形態における変形例2を説明する。図109は本変形例2における遊技盤13を示した正面図である。本変形例2では、遊技盤13の盤面構成を上述した第3実施形態に対して変更している。本変形例2では、第3可変入賞装置700を有する入賞ユニット710(図110参照)を遊技盤13の右側領域に配設し、入賞ユニット710の下方に、第1可変入賞装置65を配設し、その下流側に第2入球装置640を配設した点で第3実施形態の遊技盤13の盤面構成と相異する。その他の構成については第3実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3実施形態のパチンコ機10と同一の構成には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
【1369】
次に、図109?図110を参照して、入賞ユニット710の概要について説明する。図110は入賞ユニット710の内部構造を模式的に示した正面図である。この図110は、入賞ユニット710の内部構造を説明するために、カバー部材を取り外し、主要な構造のみを模式的に示したものである。
【1370】
まず、図109に示すように、遊技盤13の右側領域に侵入した遊技球は、その殆どが入賞ユニット710の開口部710aを通過する。この入賞ユニット710は、図110に示すように開口部710aを通過した球を遊技盤13上に排出する第1排出口711を有する第1流下経路711aと、開口部710aを通過した球を遊技盤13上に排出する第2排出口712を有する第2流下経路712aと、第2流下経路712aを流下する球が入賞可能に構成された第3可変入賞装置700と、を有しており、第3可変入賞装置700の開閉部材700b(図110参照)の動作に基づいて開口部710aを通過した球がそれぞれの経路を流下するよう構成されている。
【1371】
第3可変入賞装置700は、特別図柄の抽選の結果が小当たりである場合に球が入球可能となるように構成されており、小当たり遊技が実行されると開閉部材700bを動作させ第3可変入賞装置700の第1開口部700a1と第2開口部700a2とがそれぞれ球が入賞可能な状態へ可変する。第3可変入賞装置700に入賞した球は、第3可変入賞装置700内に設けられた特定領域(通過検出スイッチ700c2)、または、通常排出経路703を通過するよう構成されている。
【1372】
また、本変形例2では、特別図柄の抽選結果が小当たりである場合における特別図柄の変動パターンとして1秒の変動時間が設定される点で上述した第3実施形態と相異する(図示せず)。
【1373】
次に、図110を参照して、入賞ユニット710について説明をする。入賞ユニット710の開口部710aは、球1個分の開口幅を有する開口部であり、遊技盤13の右側領域に発射された球の殆どが通過する位置に形成されている。この開口部710aの下方位置(開口部710aを通過した球が到達する位置)には第2開閉部材700b3が設けられている。この第2開閉部材700b3は、第1流下経路711aを球が通過可能な状態(開放状態)または球が通過困難な状態(閉鎖状態)と、第1流下経路711aの経路の状態が切替わるように可変可能に構成されている。
【1374】
第2開閉部材700b3は、後述する開閉部材700bの開閉動作に従動するよう構成されており、開閉ソレノイド700gにより開閉される開閉部材700bの動作を伝達部700b4が伝達することにより、第2開閉部材700b3が前後に可動可能に構成されている。この第2開閉部材700b3は、遊技盤側より出没可能なシャッター機構で構成されており、閉鎖状態においては、第1流下経路711aが第2開閉部材700b3によって完全に覆われる。第2開閉部材700b3の上面は、閉鎖状態において球が第2流下経路712a側(図110正面視左側)へ流下する傾斜面を有している。
【1375】
ここで、図111を参照して、第2開閉部材700b3が開閉する仕組みについて説明をする。図111(a)は、第2開閉部材700b3が閉鎖している状態(小当たり遊技未実行時の状態)における入賞ユニット710を模式的に示した平面図であり、図111(b)は、第2開閉部材700b3が開放している状態(小当たり遊技実行時の状態)における入賞ユニット710を模式的に示した平面図である。
【1376】
図111(a)に示すように、第3可変入賞装置700の開閉部材700bは、開閉部材ソレノイド700gによって、遊技盤13の前後方向に可動可能に構成されており、開閉部材ソレノイド700gがオフの状態では、開閉部材700bが遊技盤13の前方向に突出した状態(図111(a)に示す状態)に位置し、開閉部材駆動ソレノイド700gがオンに設定されると、開閉部材700bが遊技盤13の後方向に退避した状態(図111(b)に示す状態)に位置するよう構成されている。
【1377】
この開閉部材700bのうち、第1開閉部材700b2の一端側(第2開閉部材に対面する側)には複数の突起が設けられている。そして、その複数の突起が係合可能な係合部を有した伝達部材700b4が設けられている。この伝達部材700b4は、入賞ユニット710に対して回転可能に軸支されている。また、第2開閉部材700b3は、その一端側(開閉部材と対面する側)に複数の突起が設けられており、その突起と上述した伝達部材700b4とが係合する位置に設けられている。
【1378】
ここで、開閉部材700bの動作に伴い第2開閉部材700b3が可変する作用について図111を参照して説明をする。例えば、開閉部材700bが突出した状態(図111(a)に示す状態)から退避した状態(図111(b)に示す状態)へと可変する場合には、開閉部材700bの移動に伴い、伝達部材700b4が回転(図111の視点から見て右回転)する。伝達部材700b4が回転することにより、伝達部材700b4と係合する第2開閉部材700b3が遊技盤13の前面側に突出する方向に移動する。つまり、開閉部材700bと第2開閉部材700b3とは、1つの駆動源である開閉部材駆動ソレノイド700gの駆動により、相反する位置、つまり、開閉部材700bが突出するときは第2開閉部材700b3が退避し、開閉部材700bが退避するときは第2開閉部材700b3が突出する位置となるよう、伝達部材700b4によって機械的に構成されている。
【1379】
図110に戻り説明を続ける。第2開閉部材700b3の上面を流下した球が誘導される第2流下経路712aは、その流路の入口部と出口部とが開閉部材700bの上面によって構成されており、その間が迂回路710bによって構成されている。
【1380】
この迂回路710bは、第2流下経路712aを流下する球の流下時間を延長させる(流下速度を低下させる)ために設けられた通路であり、第2流下経路712aを球が通過する時間が2秒となるよう設計されている。この時間は、連続して小当たりに当選した場合において、先に実行された小当たり中に第2流下経路712aを通過した球が後に実行される小当たり中に第2開口部700a2へと入球可能となる時間である。
【1381】
つまり、本変形例2では、抽選結果が小当たりとなる特別図柄の変動時間が1秒であるため、連続した小当たりに当選した場合において、先に実行された小当たり中に第2流下経路712aを通過した(小当たりにおけるエンディング期間(図15(b)参照)中に第2流下経路712aに侵入した)球が、小当たりに対応する特別図柄の変動時間(1秒)および小当たり中のオープニング期間(0.1秒)を経て第2開口部700a2へと入球可能となる。
【1382】
なお、小当たりに対応する特別図柄の変動時間および第2流下経路712aの球通過時間については、本変形例にて設定した時間に限られるものではなく、連続して小当たりに当選した場合において、先の小当たり中に第2流下経路712aに侵入した球(小当たり中において開閉部材700bが閉鎖状態となるタイミング(小当たりエンディング中)に第3可変入賞装置700へ到達した球)が、後の小当たりで第3可変入賞装置700に入賞できる時間が設定されていればよい。例えば、小当たりに対応する特別図柄の変動時間が4秒に設定され、小当たり中のオープニング期間が1秒に設定される場合であれば、第2流下経路712aの球通過時間を5.5秒(変動時間4秒と、オープニング期間1秒と、先の小当たり中のエンディング時間の一部(0.5秒)を加えた時間)と設定すればよい。
【1383】
ここで、図111(a)を参照して第2流下経路712aについて説明をする。上述したように第2流下経路712aの入口部および出口部は、開閉部材700bにより形成され、図111(a)に示すように、開閉部材700bが突出位置に位置している場合に、球が流下可能な経路として構成される。この状態において、開閉部材700bの第1開閉部700b1の上面を流下した球は、迂回路710bへ流下する。
【1384】
迂回路710bは第1側壁710b1と、第2側壁710b2と、第3側壁710b3と底面部材とにより、球が蛇行状に流下する経路として構成される。以下、迂回路710bの具体的な構成について説明をする。なお、具体的な説明において用いる方向を示す語句は、原則、パチンコ機10を正面視した場合における方向を示すものである。第2流下経路712aに侵入した球はまず、第1側壁710b1の右側面(図111の視点で右側)に衝突する。その第1側壁710b1の右側面が配置されている底面部は遊技盤13の奥方向(図111の視点で上方向)に傾斜しており、第1側壁710b1の右側面に衝突した球は、遊技盤13の奥方向へと流下し、第2側壁710b2の右端側に衝突する。第2側壁710b2の右端側が配置されている底面部は遊技盤13の左方向(図111の視点で左方向)に傾斜しており、第2側壁710b2の右端側に衝突した球は、遊技盤奥側の流路を遊技盤13の左側に向けて流下する。このように、本実施形態にて用いられる迂回路710bは、底面部の傾斜と各側壁とによって球の流下方向がほぼ直角に変更するように構成されているため、球の流下(転動)距離を長く設定することが可能となる。
【1385】
なお、上述した迂回路710bの構成以外の構成を用いて迂回路710bを構成してもよく、例えば、迂回路710bの底面部を左方向(図111の視点で左方向)に下り傾斜した1つの部材で構成し、各側壁を球の流下方向に対して鈍角となるように構成してもよい。このように構成することにより、本実施形態にて用いた迂回路710bの構成ほど球の流下(転動距離)を長く設定することは出来ないが、迂回路710bの構成を簡素化することが可能となる。
【1386】
上述した迂回路710bの構成については、迂回路710bを配設するスペースおよび必要とされる球の流下(転動)距離に応じて適宜選択すればよい。
【1387】
迂回路710bを流下した球は、第2流下経路712aの出口部を構成する開閉部材700bの第2開閉部材700b3の上面を流下し、第2排出口712(図110参照)を通過して遊技盤13へと排出される。
【1388】
図110に戻り説明を続ける。第2流下経路712aの入口部を形成する第1開閉部700b1は、出口部を形成する第2開閉部700b2よりもその開口幅(球が流下する距離)が短く設計されており、本実施形態では、第1開閉部700b1は、開口幅が15ミリメートルで、第2開閉部700b2は、開口幅が45ミリメートルに設計されている。
【1389】
このように構成することで、開閉部材700bの第1開閉部700b1の上面を転動する球の数よりも、開閉部材700bの第2開閉部700b2の上面を転動する球の数を多くすることができる。よって、開閉部材700bが高速(例えば0.2秒)で開放した場合において、第1開閉部700b1に覆われる第1開口部700a1よりも、第2開閉部700b2に覆われる第2開口部700a2のほうが球を入賞させやすい開口部としている。
【1390】
つぎに、図110を参照して、入賞ユニット710内に設けられる第3可変入賞装置700の構造について説明をする。第3可変入賞装置700は、上述したように2つの開口部(第1開口部700a1と、第2開口部700a2)を有しており、開閉部材駆動ソレノイド700g(図111参照)により遊技盤13の前後方向に可変可能な開閉部材700bがその2つの開口部を球が通過可能な開放状態と球が通過不可能(困難)な閉鎖状態とに可変可能に構成されている。
【1391】
第1開口部700a1と第2開口部700a2は1つの開閉部材700bによって開放状態と閉鎖状態とに可変される構成を用いており、2つの開口部は同じタイミングで開放状態と閉鎖状態とに可変される。なお、開閉部材700bのうち、それぞれの開口部を覆う箇所(第1開閉部700b1と第2開閉部700b2)を、遊技盤13の前後方向に異なる長さとなるように構成し、開閉部材700bの動作によって各開口部が開放状態と閉鎖状態とに可変するタイミングを異ならせてもよい。
【1392】
例えば、第2開口部700a2を覆う開閉部材700bの第2開閉部700b2よりも、第1開口部700a1を覆う開閉部材700bの第1開閉部700b1を長く(遊技盤13の前後方向に突出するように)設計し、第2開口部700a2よりも第1開口部700a1が閉鎖状態から開放状態(開口部が開閉部材に覆われていない状態)へと可変するタイミングを遅らせ、且つ、開放状態から閉鎖状態へと可変するタイミングを早めるようにしてもよい。
【1393】
このように構成することで、第2開口部700a2に対して第1開口部700a1が開放状態である期間を短くなるため、各開口部の入賞のし易さをより異ならせることができるという効果がある。
【1394】
図110に戻り説明を続ける。第3可変入賞装置700の第1開口部700a1から入賞した球は、検出スイッチ700f1により検出され、第1入賞経路700d1を流下しVゲート700c1へと到達するよう構成されている。この第1入賞経路700d1は、球の通過時間が約1秒となるよう構成されている。
【1395】
次に、第3可変入賞装置700の第2開口部700a2から入賞した球は、検出スイッチ700f2により検出され、第2入賞経路700d2を流下したのち、Vゲート700c1へと到達するよう構成されている。また、第2開口部700a2から入賞した球を確実に検出スイッチ700f2で検出するために、第2開口部700a2から検出スイッチ700f2に向けて球の球通路幅が狭くなるよう、具体的には、第2開口部700a2の開口幅(約45ミリメートル)を検出スイッチ700f2の球通過幅(13ミリメートル)となるよう構成されている。また、第2入賞経路700d2は、球の通過時間が約0.3秒となるよう構成されている。
【1396】
また、上述した第1入賞経路700d1と第2入賞経路700d2とは第3可変入賞装置700内のVゲート700c1上で合流するように構成されている。
【1397】
Vゲート700c1は、上述した第1実施形態のVゲート650dと同じく、パチンコ機10に電源が投入されてから常に一定の周期で誘導状態と規制状態とに可変可能に構成されている。なお、詳細な構成については上述した第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【1398】
Vゲート700c1上に到達した球は、Vゲート700c1が誘導状態(V排出経路の特定領域を通過可能な状態)であれば、V排出経路704内の特定領域(検出スイッチ700c2)を通過し、回収口に回収される。また、Vゲート700c1が規制状態(V排出経路の特定領域を通過不可能(困難))であれば、Vゲート700c1上を転動し、通常排出経路703を通過し、回収口に回収される。
【1399】
このように構成された第3可変入賞装置700では、連続して小当たりに当選した場合において、その連続する小当たりのうち後に実行される小当たりでは、第1開口部700a1と第2開口部700a2との両方から球が入球可能となる。更に、第1開口部700a1から入球した球と第2開口部700a2から入球した球とで、Vゲート700c1に到達する時間を異ならせているため、何れか一方の開口部から入球した球がVゲート700c1を通過する可能性を高めることが可能となる。よって、遊技者に対して、小当たりに連続して当選した場合に、単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となる。従って、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1400】
以上、図110と図111とを参照して入賞ユニット710の構成を説明したが、つぎに、入賞ユニット710内の球流れについて図110?図112を参照して説明をする。図112は、入賞ユニット710が有する第3可変入賞装置700の開閉部材(扉)700bの動作状態(閉鎖状態または開放状態)に応じた球流れを説明した説明図である。
【1401】
図112に示すように、第3可変入賞装置700の開閉部材(扉)700bが閉鎖している状態(閉鎖状態)では、第2開閉部材700b3は第1流下経路(排出路)711aが球を通過可能な開放状態となり、入賞ユニット710に侵入した球が第1流下経路(排出路)711aを通過し、遊技盤13へと排出される。
【1402】
また、第3可変入賞装置700の開閉部材(扉)700bが閉鎖している状態(閉鎖状態)において、第1開閉部(前扉)700b1上を流下する球は、迂回路710bへと流下する。そして、迂回路710bを通過した球は第2開閉部700b2の上面を流下し第2排出口712より遊技盤13へと排出される。
【1403】
つぎに、第3可変入賞装置700の開閉部材(扉)700bが開放している状態(開放状態)では、第2開閉部材(誘導板)700b3は第1流下経路(排出路)711aが球を通過不能な閉鎖状態となり、入賞ユニット710に侵入した球は第2開閉部材(誘導板)700b3上を第3可変入賞装置700の第1開口部700a1側へと流下する。
【1404】
第1開口部700a1側へと流下した球は開閉部材(扉)700bが開放状態であるため、第1開口部700a1に入賞する。また、迂回路710bを通過した球も第2開口部700a2に入賞する。
【1405】
以上、説明をしたように、本変形例2で用いた第3可変入賞装置700は、第1開口部700a1から入賞できなかった球が迂回路710bを流下する間に、次の小当たりによって第3可変入賞装置700が再度開放状態となるため、迂回路710bを流下した球が第2開口部700a2から入賞可能となる。このように構成することにより、連続して第3可変入賞装置700が開放状態となるように小当たりが頻発すると、第1開口部700a1および第2開口部700a2の何れに対しても球が流下するため、高速開放する小当たりであっても、第3可変入賞装置700に球が入賞する可能性を高めることが可能となる。
【1406】
なお、上述した第1入賞経路700d1の球通過時間(約1秒)と第2入賞経路700d2の球通過時間(約0.3秒)との差を、Vゲート700c1が誘導状態となる期間以内の差とするとよい。このように構成することで、第1入賞経路700d1または第2入賞経路700d2の何れかを通過した球が、Vゲート700c1が誘導状態となる間にVゲート700c1を通過する可能性を高くすることができ、より遊技者に有利な遊技状態を提供することができるという効果がある。
【1407】
また、第1開口部の開口幅よりも第2開口部の開口幅が長くなるように構成しているため、第1開口部よりも第2開口部のほうが、第3可変入賞装置700へ球が入賞しやすい構造となる。よって、小当たりが連続した場合を第3可変入賞装置700へ球が入賞し易い状態とすることが可能となる。
【1408】
さらに、第3可変入賞装置700が動作しない通常遊技状態においては、開閉部材700bが閉鎖状態となり、第2開閉部材700b3が開放状態となっているため、遊技盤13の右側領域に向けて発射された遊技球は第1流下経路711aを流下し、第1排出口711から遊技盤13の右下領域側へと排出される。
【1409】
よって、小当たり遊技以外の遊技状態において、遊技者が遊技盤13の右側領域へと発射した球が、入賞ユニット710の第2流下経路712aを流下することが抑制(禁止)される。したがって、小当たり遊技以外の遊技状態(例えば大当たり遊技状態)にて右打遊技を行う場合に、球が第2流下経路712aを流下してしまい、流下時間を遅延させてしまうという事態を抑制(禁止)することができるという効果がある。
【1410】
また、小当たり遊技が実行される前に予め右打ち遊技を行ったとしても、球が第2流下経路712aを流下することが無いため、1回目の小当たり遊技にて第2開口部700a2を通過させるといった遊技が実行されることを防ぐことができるという効果がある。
【1411】
更に、本変形例2では、第1開口部700a1から入賞した球がVゲート700c1まで流下する第1入賞経路700d1よりも、第2開口部700a2から入賞した球がVゲート700c1まで流下する第2入賞経路700d2の通過時間が短くなるよう構成されている。よって、第3可変入賞装置700に入賞した球を、入賞した開口部に応じて異なるタイミングでVゲート700c1へと流下させることができ、遊技者に対して小当たり遊技で大当たりが付与されるか否かを楽しませることができる。
【1412】
なお、例えばVゲート700c1が開放状態となる期間を、小当たり遊技が実行されてから0.5秒の間となるよう構成することで、第2開口部700a2から入賞した球のみが特定領域(通過検出スイッチ700c2)を通過できるように構成してもよい。このように構成することで、連続して小当たりが実行され、第2開口部700a2に球が通過可能な状態とすることで、Vゲート700c1に球が通過可能となる。
【1413】
また、本変形例2に用いた第3可変入賞装置700は、装置のコンパクト化を図るため、図110または図111に示すように、開閉部材700bの第1開閉部700b1と、第2開閉部材700b3との間隔を球1個分無い間隔で構成しているが、例えば、開閉部材700bの第1開閉部700b1と第2開閉部材700b3との間隔を球数個分の間隔で構成し、その間隔を、第2開閉部材700b3から開閉部材700bに向けて球が転動可能な誘導板で覆うように構成してもよい。
【1414】
このようにすることで、小当たり遊技中において、開閉部材700bが開放している状態(第2開閉部材が閉鎖している状態)で、第2開閉部材上を転動する複数の球を、開閉部材700bが閉鎖している状態(第2開閉部材が開放している状態)で開閉部材700b上を流下させることが可能となる。
【1415】
また、本変形例2では第3可変入賞装置700へ球を入球させる入球手段として2つの開口部(第1開口部700a1と第2開口部700a2)を設けた構成にしているが、開口部を1つに構成してもよい。この場合、連続する小当たりのうち先に実行される小当たりで開口部に入球しなかった球が、後に実行される小当たりで開口部に入球するよう第2流下経路712aを構成すればよい。なお、この場合は第2流下経路712aが球の流下を次の小当たりが実行されるまでの所定時間(本変形例2では、1秒)、球を滞留させる滞留手段(ストッパや磁石等)を有する構成にするとよい。
【1416】
以上、説明をしたように本変形例2では、連続して小当たりが実行される場合において、後に実行される小当たりを単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となる。従って、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1417】
また、連続した小当たりに当選した場合において、先に実行された小当たり中に第2流下経路712aを通過した(小当たりにおけるエンディング期間(図15(b)参照)中に第2流下経路712aに侵入した)球が、小当たりに対応する特別図柄の変動時間(1秒)を経て実行される小当たり中に第2開口部700a2へと入球可能とする迂回路(誘導手段)を設けているため、より確実に後に実行される小当たりを単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となる。従って、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1418】
さらに、本変形例2では、誘導手段であるVゲート700c1の動作周期よりも短い間隔で小当たりが複数回実行可能に構成されている。よって、例えば3回連続して小当たりに当選した場合に、後に実行される小当たり(2回目と3回目)において球が入球しやすい遊技状態を提供することで、何れかの小当たりにおいてVゲート700c1が誘導状態である場合に球を第3可変入賞装置に入球させることが可能となり、より確実に後に実行される小当たりを、単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することができ、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1419】
なお、本変形例2では、Vゲート700c1を常時一定の周期で動作制御する構成を用いているが、例えば、Vゲート700c1の開放動作を、小当たりが実行されてから(第3可変入賞装置700の開閉部材700bが開放されてから)所定期間(例えば1秒)実行するような構成としてもよい。このようにすることで、第2流下経路712aを流下した球を、連続して小当たりに当選した場合における後の小当たりが実行された直後に第3可変入賞装置700へと入賞させることが可能となる。よって、連続して小当たりが実行される場合において、後に実行される小当たりを単独で小当たりに当選した場合よりも有利な遊技状態を提供することが可能となる。従って、連続して小当たりに当選したことによる遊技意欲の低下を抑制することができるという効果がある。
【1420】
以上、説明をした本変形例2では、第2流下経路712aに球の流下期間を延長する流下期間延長手段として蛇行状の迂回路710bを用いることで球の流下距離を延長させることで第2流下経路712aの流下期間を延長する構成としていたが、球の流下距離を延長させるためのその他の構成として、球を周回させながら流下させるクルーン構造を用いても良い。
【1421】
また、球の流下期間を延長させる手法として球の流下距離を延長する手法以外の手法として球の流下速度を低減させる構成を用いても良い。このような構成としては、例えば、物体間に生じる摩擦によって球の流下速度を低減させることが可能な部材として、高摩擦係数を有する材質(ウレタンゴム等)により第2流下経路712aの少なくとも1部を形成することで、球の流下速度を低減させる構成を用いてもよい、さらに、第2流下経路712aの球転動面を粗く成形したり、突起を設けたりすることで、物体間(第2流下経路712aと球との間)の摩擦力を高め、球の流下速度を低減させてもよい。
【1422】
このような構成を用いても同様の効果を奏する。なお、球が第2流下経路712aを流下する流下期間を延長するために、上述した流下距離を延長する流下距離延長手段と、球の流下速度を低減させる流下速度低減手段の両者を用いてもよい。
【1423】
なお、本変形例1に用いた遊技盤13の盤面構成を、上述した第1実施形態または第2実施形態に適用してもよいし、第3実施形態にて実行される各種制御に変えて上述した第1実施形態または第2実施形態にて実行される各種制御を適用してもよい。
【1424】
なお、上述した各実施形態及び変形例にて主制御装置110にて様々な判定処理に基づく出力処理を行っているが、出力された情報は全て、音声ランプ制御装置113又は外部出力端子板261に出力可能に構成されているものであり、また、主制御装置110以外にて判定処理を行う場合も、その判定結果に基づく情報は全て、音声ランプ制御装置113又は外部出力端子板261に出力可能に構成されているものである。また、出力された情報を識別可能に外部に報知可能であり、報知を行う手段としては、音声ランプ制御装置113に接続されている各種装置(LCD、スピーカ等)や、主制御装置110に直接接続されている表示部等がある。
【1425】
なお、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、大当たり確率が通常よりも高確率になる高確率遊技状態へと移行するようなパチンコ機(通称、確変機と称される)として実施してもよい。この場合、大当たり後に移行する高確率遊技状態を次回の大当たりまで継続する方式や、特別図柄の変動回数が所定回数(例えば100回)に到達するまで継続する方式や、特別図柄が変動する度に高確率遊技状態から通常遊技状態へと移行する抽選が行われ抽選に当選すると通常遊技状態へと移行する方式が考えられるが、その何れのパチンコ機として実施してもよい。なお、高確率遊技状態に移行した場合に、大当たり確率が高確率になる以外に、特別図柄の変動時間が短縮されたり、普通図柄の当たり確率が高確率になったり、普通図柄の変動時間が短縮されたり、普通図柄の抽選で当たり当選した場合に可変する可変入球手段の可変パターンを変更したりするパチンコ機に実施してもよい。また、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機や、2つの特別図柄(特図1および特図2)を同時に変動させ、何れか一方の特別図柄の抽選結果に基づいて、他方の特別図柄の抽選を無効にしたり、中断したりするパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【1426】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【1427】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
【1428】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【1429】
上記各実施形態、変形例の全部または一部をそれぞれ組み合わせて構成してもよい。また、主制御装置110、音声ランプ制御装置113等のサブ制御装置で構成したが、それに限らず、全ての機能を主制御装置110に集約して構成しても良い。
【1430】
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
【1431】
<特徴A群>(複数回小当たりの何れかを有利にする)
判別条件の成立に基づき判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記判別手段による判別結果に基づく識別情報を停止表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により特定の判別結果に基づく識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に所定条件が成立することで球が通過可能となる特定領域と、その特定領域に球が通過した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、予め定められた特定条件を満たした状態で前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記複数回実行される前記特典遊技のうち少なくとも1の前記特典遊技が、前記特定領域を球が通過可能に実行されるよう設定する設定手段と、を有することを特徴とする遊技機A1。
【1432】
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(小当たり遊技等)によって開放される変動入賞装置と、変動入賞装置内に設けられ、球が通過することによって大当たり遊技が実行される特定領域と、その特定領域へ球を誘導する誘導部材と、その誘導部材を特定領域に球が通過し易い態様と、特定領域に球が通過し難い態様とに一定周期で繰り返し制御する手段を備え、小当たり遊技に基づく変動入賞装置の開放動作と、誘導部材の制御動作とを独立させることにより、特定の小当たり遊技における大当たり遊技の発生をランダムにするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2011-206309号公報)。この場合、小当たり遊技によって変動入賞装置が開放するタイミングと、誘導部材の態様が変化するタイミングとが何ら関係性を持たず独立しているため、球がどのタイミングで変動入賞装置内に入賞したとしても大当たり遊技が実行される可能性を提供することができるが、小当たり遊技に複数回当選した場合において、遊技者に対して利点が無いことから遊技が単調となり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
【1433】
遊技機A1によれば、予め定められた特定条件を満たした状態で前記特典遊技が複数回実行される場合に、設定手段により前記複数回実行される前記特典遊技のうち少なくとも1の前記特典遊技が、前記特定領域を球が通過可能に実行されるよう設定される。これにより、特典遊技に複数回当選することにより、遊技者に有利な状態を提供することができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1434】
遊技機A1において、前記特典遊技が実行されたことに基づいて、球が入球困難な閉鎖状態から球が入球可能な開放状態へと可変する可変入球手段を有し、その可変入球手段内に前記特定領域が設けられることを特徴とする遊技機A2。
【1435】
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されたことに基づいて開放状態に可変する可変入球の内部に特定領域が設けられる。これにより、特典遊技が実行された場合にのみ特定領域を狙う遊技を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して特典遊技に対する遊技価値を提供することができ、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1436】
遊技機A2において、前記可変入球手段内に設けられ、前記特定領域を球が通過容易な有利状態と、前記特定領域を球が通過困難な不利状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を前記有利状態と前記不利状態とに交互に可変させる可変制御手段と、を有し、前記所定条件は、前記可変制御手段により前記可変手段が前記有利状態に可変されている場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A3。
【1437】
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段により球が特定領域を通過容易な有利状態と通過困難な不利状態とに可変手段が可変制御され、その可変手段が有利状態となった場合に、特定領域に球が通過可能な所定条件が成立する。これにより、可変手段が有利状態である場合に、特典遊技が実行され可変入球手段に入球した球が、特定領域を通過可能となるため、球が特定領域を通過する難易度を高めることが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
【1438】
遊技機A3において、前記可変制御手段は、前記可変手段が前記有利状態と前記不利状態とに所定の周期で繰り返し可変されるように可変制御するものであることを特徴とする遊技機A4。
【1439】
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段により可変手段が有利状態と不利状態とに所定の周期で繰り返し可変されるため、特典遊技が実行されるタイミングに対して、可変手段が有利状態になるタイミングをランダムにすることが可能となる。よって、どのタイミングで可変入球手段に球が入球したとしても特定領域を通過する可能性があるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
【1440】
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記特定条件は、複数回の前記特典遊技が所定の順序で実行される場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A5。
【1441】
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数回の特典遊技が所定の順序で実行される場合に特定条件が成立するため、判別手段による複数の判別結果に基づいて遊技者に有利な状態を提供するという新しい遊技性を提供することができる。よって遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
【1442】
なお、複数回の特典遊技が所定の順序で実行される場合とは、複数回の特典遊技が連続して実行される順序のほか、前記特典遊技が実行される間に判別手段による判別の結果が外れとなる組み合わせを所定の順序としてもよい。このようにすることで、判別手段による判別の結果が外れであったとしても、遊技者に有利な状態が提供される可能性があるため、遊技者に対して常に期待を持たせることができるという効果がある。
【1443】
遊技機A5において、前記所定の順序とは、前記特典遊技が連続して実行されるものであることを特徴とする遊技機A6。
【1444】
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が連続して実行されることで、前記特定条件が成立するため、特典遊技に当選した場合に特定領域を球が通過しなかったとしても、その次に再度特典遊技に当選すれば、特定領域に球が通過しやすくすることができる。特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1445】
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて、入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報が少なくとも前記判別条件が成立するまで複数記憶される記憶手段と、を有し、前記特定条件として第2特定条件をさらに有し、前記第2特定条件は、前記記憶手段に所定数以上の前記入球情報が記憶される場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A7。
【1446】
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段に球が入球したことに基づいて入球情報取得手段により取得される入球情報を判別条件が成立するまで記憶手段に複数記憶する。記憶手段に所定数以上の入球情報が記憶されることで第2特定条件が成立する。これにより、遊技者に対して、記憶手段に入球情報を複数記憶させようと遊技を促すことが可能になる。よって、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【1447】
遊技機A4からA7のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、前記有利状態となる第1期間と前記不利状態となる第2期間とを合わせた第3期間を1回の動作期間として、前記可変手段を可変制御するものであり、前記設定手段は、前記特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を有し、前記動的表示期間設定手段は、前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記1の特典遊技と、他の何れかの前記特典遊技とが、前記1回の動作期間に対して異なるタイミングで実行されるように前記1の特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間として特殊動的表示期間を設定する特殊動的表示期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機A8。
【1448】
遊技機A8によれば、遊技機A4からA7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態となる第1期間と不利状態となる第2期間とを合わせた第3期間を1回の動作期間として可変制御手段が可変手段を可変制御する。そして、動的表示期間設定手段により、特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間を設定する。さらに、特殊動的表示期間設定手段により、特典遊技が複数回実行される場合に、1回の動作期間に対して異なるタイミングで1の前記特典遊技と、他の何れかの前記特典遊技とが実行されるように、特殊動的表示期間が設定される。このようにすることで、特定領域を通過可能な特典遊技と特定領域を通過困難な特典遊技とを、実行される動的表示期間によって設定可能となる。よって、可変手段や可変入球手段の動作制御を行うことで特定領域を通過可能な特典遊技と特定領域を通過困難な特典遊技とを設定する場合に比べ、遊技に関する処理の負担を軽減することができるという効果がある。
【1449】
ここで、遊技機A6を備えた構成においては、連続して実行される特典遊技のうち、最初に実行される特典遊技(1回目の特典遊技(他の何れかの特典遊技に該当))に対して、次に実行される特典遊技(2回目の特典遊技(1の特典遊技に該当))の実行タイミングが異なるように、特殊動的表示期間を設定する。つまり、2回目の特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間を特殊動的表示期間に設定することで、連続して実行される特典遊技の実行タイミングを可変手段の1回の動作期間に対して異ならせることができる。これにより、特殊動的表示期間を設定する対象が特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間のみとなるため、遊技処理を実行するためのプログラム容量を削減することができるという効果がある。
【1450】
なお、遊技機A6を備えない構成においては、複数の特典遊技が実行される間に実行される動的表示(例えば、外れに対応した動的表示)の動的表示期間も特殊動的表示期間が設定されるように構成される。これにより、特殊動的表示期間を設定する対象となる動的表示が遊技機A6を備えた構成よりは増加するが、特典遊技が複数回実行される場合に遊技者に有利な状態を提供するパターンを増加させることができるという効果がある。
【1451】
遊技機A8において、前記特殊動的表示期間設定手段は、前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記他の何れかの特典遊技の実行タイミングに対して、前記1の特典遊技の実行タイミングを前記第1期間以下の所定期間分異ならせるように前記特殊動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機A9。
【1452】
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特殊動的表示期間を設定することで1の特典遊技の実行タイミングを、他の何れかの特典遊技の実行タイミングに対して可変手段が有利状態となる第1期間以下の所定期間分異ならせることが可能となる。これにより、1の特典遊技と他の何れかの特典遊技の実行タイミングとを異ならせた場合に、それぞれの特典遊技の実行タイミングが、可変手段が有利状態である第1期間を跨いで設定される事態を防ぐことができる。よって、特典遊技に複数回当選することにより、遊技者に有利な状態を提供しやすくなるため、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1453】
さらに、第1期間以下の所定期間分として、第1期間と同等の期間分異ならせることが望ましい。このようにすることで、可変手段が有利状態である第1期間を跨ぐことなく、且つ、幅広いタイミングで複数の特典遊技を実行することが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態が提供される確率を高めることが可能となる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1454】
なお、前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記他の何れかの特典遊技の実行タイミングに対して、前記1の何れかの特典遊技の実行タイミングを少なくとも前記第1期間以上の所定期間分異ならせるように前記特殊動的表示期間を設定可能にしてもよい。このようにすることで、複数回実行される特典遊技の実行タイミングを大きく異ならせることが可能となる。
【1455】
遊技機A9において、前記特殊動的表示期間設定手段は、所定回数を上限に前記特殊動的表示期間を設定可能に構成され、前記特殊動的表示期間が前記所定回数設定された場合に、前記複数回実行される特典遊技の実行タイミングのうち、前記1回の動作期間に対して最も離れた前記特典遊技の実行タイミングの間隔が、前記第2期間よりも広くなるように前記所定回数を設定するものであることを特徴とする遊技機A10。
【1456】
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数回実行される特典遊技のそれぞれに対して所定回数を上限に特殊動的表示期間を設定可能にし、複数回実行される特典遊技の実行タイミングのうち、その最も離れた間隔が、可変手段が不利状態である第2期間よりも広くなるように、特殊動的表示期間が設定される所定回数を設定する。これにより、特殊動的表示期間が所定回数設定された場合に、特殊動的表示期間が設定された何れかの特典遊技において、第2期間以外のタイミングで特典遊技を実行することができる。即ち、遊技者に有利な状態を確実に提供することができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1457】
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果である場合に、少なくとも、前記特定の判別結果に対応する前記特典遊技が実行されるまでの間に、前記特典遊技が、前記特定領域を球が通過可能な有利特典遊技であるかを判別する有利特典遊技判別手段と、その有利特典遊技判別手段の判別結果を反映した判別情報を報知する情報報知手段とを有することを特徴とする遊技機A11。
【1458】
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されるまでの間に、今回実行される特典遊技が遊技者に有利な特典遊技であるかの判別結果を反映した判別情報を報知することが可能となる。よって、特典遊技に複数回当選した場合であっても、報知される情報の内容を異ならせることができるため、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1459】
なお、有利特典遊技判別手段の判別結果を反映した情報を報知する情報報知手段としては、遊技者が認識可能な報知態様であればよく、例えば液晶表示装置(第3図柄表示装置81)にて有利特典遊技判別手段の判別結果を反映した事前判別情報を演出として報知してもよいし、スピーカーから出力される音を用いて報知してもよい。また、遊技機に設けられる発光手段(LED等)を用いて報知してもよい。
【1460】
遊技機A7からA11のいずれかにおいて、前記記憶手段に記憶された前記入球情報を前記判別条件の成立前に判別する事前判別手段と、その事前判別手段により判別された事前判別情報が、前記特典遊技を示す情報であると判別された場合に、前記特典遊技が特定領域を球が通過可能な有利特典遊技または前記特典遊技が前記特定領域を球が通過困難な不利特典遊技であるかを事前判別する第2事前判別手段と、その第2事前判別手段により事前判別された前記入球情報が、前記判別手段により判別されるまでに、前記第2事前判別手段により判別された第2事前判別情報を報知する第2事前判別情報報知手段とを有することを特徴とする遊技機A12。
【1461】
遊技機A12によれば、遊技機A7からA11のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている入球情報に対して第2事前判別を実行することにより、その入球情報の判別条件が成立するまでに、第2事前判別情報を報知することができる。よって、間もなく実行される特典遊技が遊技者に有利な有利特典遊技であるかを、予め遊技者に報知可能となり、実行される演出の多様化を図ることができる。
【1462】
遊技機A12において、前記記憶手段に記憶されたいずれかの入球情報を対象として、連続する動的表示に伴う連続演出を実行可能な連続演出実行手段を有し、前記連続演出実行手段は、前記第2事前判別情報を反映した演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A13。
【1463】
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続する動的表示に対して、第2事前判別情報を反映した連続演出が実行可能となる。これにより、記憶手段に記憶されている入球情報の中に特典遊技に対応する情報があるか否かだけではなく、遊技者に有利な有利特典遊技に対応する入球情報があるか否かの判別結果を、複数の動的表示に伴う連続表示で報知することが可能となり、実行される演出の多様化を図ることができる。
【1464】
遊技機A13において、前記特典遊技の実行に伴う特典遊技演出を設定する特典遊技演出設定手段と、その特典遊技演出設定手段により設定された前記特典遊技演出を実行する特典遊技演出実行手段と、前記特典遊技演出設定手段により前記特典遊技演出が設定される場合に、前記連続演出中であるかを判別する連続演出中判別手段と、を有し、前記特典遊技演出設定手段は、前記連続演出中判別手段により前記連続演出中であると判別された場合に、特定の特典遊技演出を設定するものであることを特徴とする遊技A14。
【1465】
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出が実行される期間中に特典遊技が実行されたとしても、その特典遊技演出として連続演出用の特定の特典遊技演出を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して違和感なく連続演出を提供することができるという効果がある。
【1466】
遊技機A14において、前記特典遊技演出設定手段は、前記特定の特典遊技演出として、前記不利特典遊技に対応する前記特典遊技の場合は、連続演出が継続することを示唆する継続示唆演出を設定するものであることを特徴とする遊技機A15。
【1467】
遊技機A15によれば、遊技機A14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出が実行される期間中に不利特典遊技に対応する特典遊技が実行された場合に、連続演出が継続することを示唆する演出が実行される。よって、連続演出中に、特典遊技に複数回当選した場合において、不利特典遊技に対応する特典遊技が実行されたとしても継続示唆演出が実行されることから、遊技者に対して複数回の特典遊技が実行されたことを認識され難くすることができる。したがって、複数回の特典遊技が実行されたことにより、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1468】
遊技機A14またはA15において、前記特典遊技演出設定手段は、前記特定の特典遊技演出として、前記有利特典遊技に対応する前記特典遊技の場合は、今回の特典遊技が有利特典遊技であることを示唆する示唆演出が設定されるものであることを特徴とする遊技機A16。
【1469】
遊技機A16によれば、遊技機A14またはA15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出が実行されている間に有利特典遊技に対応する特典遊技が実行された場合に、今回の特典遊技が有利特典遊技であることを示唆する示唆演出が実行される。よって、連続演出中に、特典遊技に複数回当選した場合において、有利特典遊技に対応する特典遊技が実行されると示唆演出が実行されることから、遊技者に対して有利な状態が提供されることを認識させることができる。したがって、複数回の特典遊技が実行されたことにより、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1470】
ここで、前記遊技機A15を備えた構成においては、連続演出中に特典遊技に複数回当選した場合において、不利特典遊技が実行されると継続示唆演出が実行され、有利特典遊技が実行されると示唆演出が実行される。よって、連続演出中に複数回特典遊技が実行されたとしても有利特典遊技に対応する特典遊技が実行されるまでは、連続演出が継続する演出が実行されるため、複数回の特典遊技を一連の連続演出として実行することができる。したがって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1471】
<特徴B群>(複数の小当たりが有利に実行される期間がある)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記判別手段による判別結果に基づく識別情報で停止表示させる動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果に基づく識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、球が入球困難な閉状態から球が入球可能な開状態へと可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段内に設けられた特定領域と、その特定領域を球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特定領域へ球が通過可能な有利状態とその有利状態よりも球の通過が困難となる不利状態とを交互に可変可能な可変手段と、その可変手段が、前記有利状態または前記不利状態のうち何れか一方の状態に可変してから次に前記一方の状態に可変されるまでの期間を1回の動作期間として、前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、所定条件が成立したことに基づいて、前記1回の動作期間内に前記可変手段へ球が複数回到達するように前記特典遊技を複数回実行可能な特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段と、を有することを特徴とする遊技機B1。
【1472】
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(小当たり遊技等)によって開放される変動入賞装置と、変動入賞装置内に設けられ、球が通過することによって大当たり遊技が実行される特定領域と、その特定領域へ球を誘導する誘導部材と、その誘導部材を特定領域に球が通過し易い態様と、特定領域に球が通過し難い態様とを一定周期で繰り返し実行するように制御する手段を設け、小当たり遊技に基づく変動入賞装置の開放動作と、誘導部材の制御動作とを独立させることにより、特定の小当たり遊技における大当たり遊技の発生をランダムにするパチンコ機が提案されている(例えば、特開2011-206309号公報)。この場合、小当たり遊技によって変動入賞装置が開放するタイミングと、誘導部材の態様が変化するタイミングとが何ら関係性を持たず独立しているため、小当たり遊技を何回繰り返しても特定領域を通過することができず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという可能性があるという問題点があった。本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
【1473】
遊技機B1によれば、所定条件が成立することにより、可変手段が有利状態と不利状態とに可変制御される1回の動作期間内に可変手段へ球が複数回到達するように特典遊技を複数回実行可能としている。よって、1回の動作期間内に球が複数回可変手段へ到達することにより、可変手段が有利状態となる期間で特典遊技が実行される可能性を高くすることが可能になる。したがって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1474】
遊技機B1において、球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて、入球情報を取得する入球情報取得手段と、その入球情報取得手段により取得された入球情報が少なくとも前記判別条件が成立するまで複数記憶される記憶手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B2。
【1475】
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段により入球情報を複数記憶することにより、複数の動的表示を順次実行することが可能となる。よって、1回の動作期間内に動的表示が途切れてしまう事態を抑制することができるため、特典遊技を複数回実行させる可能性を高めることができるという効果がある。
【1476】
遊技機B1またはB2において、前記所定条件は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果以外の所定の判別結果である場合に成立するものであることを特徴とする遊技機B3。
【1477】
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、判別手段による判別結果として、特典遊技を実行させる判別結果以外に、特定遊技状態を設定する判別結果を有しているため、判別手段の判別結果に基づいて遊技者に多彩な遊技を提供することができるという効果がある。
【1478】
遊技機B2またはB3において、前記所定条件は、前記記憶手段に前記入球情報が所定数以上記憶される場合に成立するものであることを特徴とする遊技機B4。
【1479】
遊技機B4によれば、遊技機B2またはB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される入球情報の数が所定数以上記憶されている場合に特定遊技状態が設定される。これにより、遊技者に対して常に記憶手段に所定数以上の球を記憶させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となるため、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【1480】
遊技機B1またはB4において、前記特定遊技状態設定手段は、前記動的表示手段により識別情報が動的表示される動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を有し、前記動的表示期間設定手段は、前記所定条件が成立した場合に、通常よりも短い動的表示期間である特殊動的表示期間を設定可能な特殊動的表示期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B5。
【1481】
遊技機B5によれば、遊技機B1またはB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定条件が成立した場合に、特殊動的表示期間設定手段により通常よりも短い動的表示期間である特殊動的表示期間が設定される。これにより、1回の動作期間内に複数回の動的表示を実行可能にすることができる。よって、1回の動作期間内に可変手段へ球が複数回到達するように特典遊技を複数回実行可能としているため、特典遊技に複数回当選することにより、可変手段が有利状態となる期間内に可変手段へ球が到達可能な特典遊技が実行される可能性を高くすることができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1482】
遊技機B2を備えた構成においては、記憶手段に入球情報を複数記憶させることができるため、特殊動的表示期間が設定された場合に、動的表示が途切れてしまう事態が発生してしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1483】
遊技機B5において、前記所定条件が成立した場合に、少なくとも、前記特殊動的表示期間が設定される前に、前記記憶手段に前記入球情報が記憶されやすい入球補助状態を設定する入球補助状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機B6。
【1484】
遊技機B6によれば、特殊動的表示期間が設定される前に、記憶手段に入球情報が記憶されやすい入球補助状態を設定することができる。よって、記憶手段に複数の入球情報が記憶された状態で特殊動的表示期間が設定しやすくなるため、特定遊技状態が途中で途切れてしまう事態を抑制することができるという効果がある。
【1485】
なお、入球補助状態設定手段としては、例えば、長い動的表示時間を設定することにより記憶手段に入球情報が記憶されやすい状態を設定したり、入球手段への球の入球を規制する規制手段が球の入球を規制しない状態に可変したりする構成が考えられる。
【1486】
遊技機B6において、前記入球補助状態設定手段は、前記動的表示が行われる動的表示期間として所定の動的表示期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機B7。
【1487】
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、所定の動的表示期間を設定するという構成を用いるだけで、記憶手段に入球情報を記憶させやすい状態を設定することができるため、特定遊技状態が途中で途切れてしまう事態を容易に抑制することができるという効果がある。
【1488】
なお、所定の動的表示期間としては、入球手段に複数の球を入球させることが可能な期間が設定されていればよく、例えば30秒程度の動的表示期間が設定されればよい。また、入球手段に複数の球を入球させることを目的として意図的に動的表示の期間を設定しているものであれば、通常よりも長い動的表示期間に含まれるものとする。
【1489】
さらに、所定の動的表示期間が設定される対象としては、判別手段の判別結果が所定の判別結果となる識別情報の動的表示や、特定遊技状態が設定されてから最初に実行される動的表示等が考えられる。
【1490】
ここで、本遊技機B7と同様の効果を奏する手段として、次の構成を用いてもよい。即ち、特定遊技状態中において、記憶されている入球情報が所定数以下となったことが判別された場合に、所定の動的表示期間が設定されるような構成にしてもよい。この場合、所定数としては少なくとも1以上が望ましい。これは、所定の動的表示期間が設定された後に、実行される残りの特定遊技状態において、少なくとも複数回は判別手段による判別を実行させるためである。これにより、特定遊技状態中に記憶手段に記憶される入球情報が所定数以下となり、所定の動的表示期間が設定された後にも、特定遊技状態中に複数回の特典遊技を実行することが可能となる。
【1491】
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記特定遊技状態設定手段は、前記可変制御手段により可変制御される前記1回の動作期間を延長する可変制御期間延長手段を有するものであることを特徴とする遊技機B8。
【1492】
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定遊技状態が設定されると、可変制御期間延長手段によって可変手段が可変制御される1回の動作期間が延長される。よって、可変制御手段の1回の動作期間内に可変手段へ球が複数回到達するように特典遊技を複数回実行可能としているため、特典遊技に複数回当選することにより、可変手段が有利状態となる期間内に可変手段へ球が到達するように特典遊技が実行される可能性を高くすることができる。したがって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1493】
遊技機B8において、前記可変制御期間延長手段は、前記1回の動作期間のうち前記第1期間を延長するものであることを特徴とする遊技機B9。
【1494】
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、可変制御手段の1回の動作期間のうち第1期間を延長するため、可変手段が有利状態となる期間内に可変手段へ球が到達するように特典遊技が実行される可能性を高くすることができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1495】
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記特定遊技状態設定手段は、前記特典遊技が実行される期間を短縮する特典遊技期間短縮手段を有するものであることを特徴とする遊技機B10。
【1496】
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技が実行される期間を短縮することができるため、可変制御手段の1回の動作期間内に可変手段へ球が複数回到達するように特典遊技を複数回実行可能とすることができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1497】
遊技機B10において、前記特典遊技期間短縮手段は、前記特典遊技が実行される期間のうち、前記可変入球手段が閉鎖状態である期間を短縮するものであることを特徴とする遊技機B11。
【1498】
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、特典遊技が実行される期間のうち、可変入球手段が閉鎖状態である期間を短縮することができる。よって、可変手段が有利状態となる期間内に可変手段へ球が到達するように特典遊技が実行される可能性を高くすることができ、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1499】
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記特定遊技状態設定手段は、前記判別手段による判別が所定回数実行されるまで前記特定遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機B12。
【1500】
遊技機B12によれば、遊技機B1からB11のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別が所定回数実行されるまで特定遊技状態を設定することができる。よって、限られた範囲内で遊技者に有利となる遊技状態を提供することになるため、遊技者に対して期待感を持たせる期間を提供することができるという効果がある。
【1501】
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果である場合に、少なくとも、前記特定の判別結果に基づく前記特典遊技が実行されるまでの間に、前記特典遊技が、特定領域を球が通過可能な有利特典遊技であるかを判別する有利特典遊技判別手段と、その有利特典遊技判別手段の判別結果に基づく情報を報知する情報報知手段とを有することを特徴とする遊技機B13。
【1502】
遊技機B13によれば、遊技機B1からB12のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報報知手段により特典遊技が実行されるまでの間に、今回実行される特典遊技が遊技者に有利な特典遊技であるかの判別結果に基づく情報が報知される。よって、連続して特典遊技に当選した場合であっても、報知される情報の内容を異ならせることができるため、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1503】
遊技機B2からB13のいずれかにおいて、前記記憶手段に記憶された前記入球情報を前記判別条件の成立前に判別する事前判別手段と、その事前判別手段により判別された事前判別情報が、前記特典遊技を示す情報であると判別された場合に、前記特典遊技が特定領域を球が通過可能な有利特典遊技また前記有利特典遊技よりも前記特定領域を球が通過困難な不利特典遊技であるかを事前判別する第2事前判別手段と、その第2事前判別手段により事前判別された前記入球情報が、前記判別手段により判別されるまでの期間に、前記第2事前判別手段により判別された第2事前判別情報を報知する第2事前判別情報報知手段とを有することを特徴とする遊技機B14。
【1504】
遊技機B14によれば、遊技機B2からB13のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている入球情報に対して第2事前判別を実行することにより、その入球情報の判別が判別手段により実行されるまでの期間に、第2事前判別情報を報知することができる。よって、間もなく実行される特典遊技が遊技者に有利な有利特典遊技であるかを、予め遊技者に報知可能となり、実行される演出の多様化を図ることができる。
【1505】
遊技機B14において、前記記憶手段に記憶された何れかの入球情報を対象として、連続する動的表示に伴う連続演出を実行可能な連続演出実行手段を有し、前記連続演出実行手段は、前記第2事前判別情報に基づいた演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B15。
【1506】
遊技機B15によれば、遊技機B14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続する動的表示に対して、第2事前判別情報を反映した連続演出が実行可能となる。これにより、記憶手段に記憶されている入球情報の中に特典遊技に対応する情報があるか否かだけではなく、遊技者に有利な有利特典遊技に対応する入球情報があるか否かの判別結果を、複数の動的表示に伴う連続表示で報知することが可能となり、実行される演出の多様化を図ることができる。
【1507】
遊技機B15において、前記特典遊技の実行に伴う特典遊技演出を設定する特典遊技演出設定手段と、その特典遊技演出設定手段により設定された前記特典遊技演出を実行する特典遊技演出実行手段と、前記特典遊技演出設定手段により前記特典遊技演出が設定される場合に、前記連続演出中であるかを判別する連続演出中判別手段と、を有し、前記特典遊技演出設定手段は、前記連続演出中判別手段により前記連続演出中であると判別された場合に、特定の特典遊技演出を設定するものであることを特徴とする遊技B16。
【1508】
遊技機B16によれば、遊技機B15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出が実行される期間中に特典遊技が実行されたとしても、その特典遊技演出として連続演出用の特典遊技演出を実行することが可能となる。よって、遊技者に対して違和感なく連続演出を提供することができるという効果がある。
【1509】
遊技機B16において、前記特典遊技演出設定手段は、前記特定の特典遊技演出として、前記不利特典遊技に対応する前記特典遊技の場合は、連続演出が継続することを示唆する継続示唆演出を設定するものであることを特徴とする遊技機B17。
【1510】
遊技機B17によれば、遊技機B15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出が実行されている間に不利特典遊技に対応する特典遊技が実行された場合に、連続演出が継続することを示唆する演出が実行される。よって、連続演出中に、特典遊技に複数回当選した場合において、不利特典遊技に対応する特典遊技が実行されたとしても継続示唆演出が実行されることから、遊技者に対して複数回の特典遊技が実行されたことを認識され難くすることができる。したがって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1511】
遊技機B16またはB17において、前記特典遊技演出設定手段は、前記特定の特典遊技演出として、前記有利特典遊技に対応する前記特典遊技の場合は、今回の特典遊技が有利特典遊技であることを示唆する示唆演出が設定されるものであることを特徴とする遊技機B18。
【1512】
遊技機B18によれば、遊技機B16またはB17の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連続演出が実行されている間に有利特典遊技に対応する特典遊技が実行された場合に、今回の特典遊技が有利特典遊技であることを示唆する示唆演出が実行される。よって、連続演出中に、特典遊技に複数回当選した場合において、有利特典遊技に対応する特典遊技が実行されると示唆演出が実行されることから、遊技者に対して有利な状態が提供されることを認識させることができる。したがって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1513】
ここで、前記遊技機B17を備えた構成においては、連続演出中に特典遊技に複数回当選した場合において、不利特典遊技が実行されると継続示唆演出が実行され、有利特典遊技が実行されると示唆演出が実行される。よって、連続演出中に複数回特典遊技が実行されたとしても有利特典遊技に対応する特典遊技が実行されるまでは、連続演出が継続する演出が実行されるため、複数回の特典遊技を一連の連続演出として実行することができる。したがって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1514】
<特徴C群>(複数の小当たりが実行されやすい期間がある)
球が入球可能な入球手段と、その入球手段に球が入球したことに基づいて、入球情報を取得する入球情報取得手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記判別手段による判別結果に基づく識別情報を停止表示させる動的表示手段と、前記判別手段により前記入球情報が特定入球情報であると判別された特定判別結果に基づく識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に所定条件が成立することで球が通過可能となる特定領域と、その特定領域に球が通過した場合に、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、特定条件が成立することに基づいて、前記特定入球情報を取得し易くなる特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段と、その特定遊技状態設定手段により設定される特定遊技状態において成立可能な特別条件が成立した状態で前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記所定条件が成立している間に、前記複数回実行される前記特典遊技のうち、少なくとも1の特典遊技が実行されるように設定する設定手段と、を有することを特徴とする遊技機C1。
【1515】
ここでパチンコ機等の遊技機には、特典遊技(小当たり遊技等)によって開放される変動入賞装置と、変動入賞装置内に設けられ、球が通過することによって大当たり遊技が実行される特定領域と、その特定領域へ球を誘導する誘導部材と、その誘導部材を特定領域に球が通過し易い態様と、特定領域に球が通過し難い態様とに制御する制御手段を設けることで、小当たり遊技に当選後、特定領域を通過した場合に大当たり遊技を提供可能なパチンコ機が提案されている(例えば、特開2011-206309号公報)。この場合、大当たり遊技を所定の確率で提供するために、所定の確率以上の確率で小当たり遊技を実行する必要があることから、小当たり遊技が頻発してしまう虞があり、遊技者が不快感を持ってしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
【1516】
遊技機C1によれば、特定入球情報を取得し易い特定遊技状態を有しているため、特定遊技状態以外の通常状態において特典遊技が頻発することを抑制することが可能となる。よって、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1517】
また、特定遊技状態は特典遊技が頻発し易い状態となるが、この特定遊技状態中に複数回の特典遊技が実行されると特定領域に球が通過し易い遊技状態とすることが可能となるため、特典遊技が頻発することにより、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1518】
遊技機C1において、前記特定条件は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果以外の所定の判別結果である場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C2。
【1519】
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、判別手段による判別結果として、特典遊技を実行させる判別結果以外に、特定遊技状態を設定する判別結果を有しているため、判別手段の判別結果に基づいて遊技者に多彩な遊技を提供することができるという効果がある。
【1520】
遊技機C1またはC2において、前記入球情報取得手段により取得された前記入球情報が少なくとも前記判別条件が成立するまで複数記憶される記憶手段と、を有し、前記特別条件は、前記記憶手段に所定数以上の入球情報が記憶されることで成立するものであることを特徴とする遊技機C3。
【1521】
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に所定数以上の入球情報が記憶されることにより、特別条件が成立する。よって、遊技者に対して、特別条件を成立させるために、記憶手段に多くの入球情報を記憶させようと遊技を促すことが可能となる。よって、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【1522】
遊技機C1またはC2において、前記入球情報取得手段により取得された入球情報が少なくとも前記判別条件が成立するまで複数記憶される記憶手段と、を有し、前記特別条件は、前記記憶手段に記憶されている複数の前記入球情報のそれぞれに対応して、複数回の前記特典遊技が所定の順序で実行される場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C4。
【1523】
遊技機C4によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される複数の入球情報のそれぞれに対応して、複数回の特典遊技が所定の順序で実行される場合に特別条件が成立する。よって、遊技者に対して、特別条件を成立させるために、記憶手段に多くの入球情報を記憶させようと遊技を促すことが可能となる。よって、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【1524】
遊技機C4において、前記所定の順序とは、前記特典遊技が所定回数連続して実行されるものであることを特徴とする遊技機C5。
【1525】
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が連続して実行されることで、複数回の特典遊技が所定の順序で実行される場合に、その複数回実行される特典遊技のうち少なくとも何れかの特典遊技が、特定領域に球が通過可能となる状態で実行されるように設定される。よって、遊技者に対して、特典遊技が連続して実行されるよう記憶手段に多くの入球情報を記憶させようと遊技を促すことが可能となる。よって、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【1526】
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、前記入球手段は、球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは別に設けられ開放条件が成立することに基づいて球が入球可能となる第2入球手段とを有し、前記第1入球手段への入球に基づいて取得される第1入球情報よりも前記第2入球手段への球の入球に基づいて取得される第2入球情報のほうが、前記特定入球情報が高く設定されるものであることを特徴とする遊技機C6。
【1527】
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段として、球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは別に設けられ開放条件が成立することに基づいて球が入球可能となる第2入球手段を設け、そのうち、第2入球手段への入球に基づいて取得される第2入球情報を第1入球手段への入球に基づいて取得される第1入球情報よりも特定入球情報が高く設定される。これにより、開放条件が成立するまでは特典遊技が実行される頻度を低くすることができるという効果がある。
【1528】
遊技機C6において、第2判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、その第2判別手段により判別結果に基づく識別情報が表示される第2表示手段と、その第2表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記第2判別手段による判別結果に基づく識別情報で停止表示させる第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される識別情報の第2動的表示期間を設定する第2動的表示期間設定手段と、前記第2動的表示手段により特定の第2判別結果に基づく識別情報が前記第2表示手段に停止表示された場合に、前記第2入球手段の開放条件を成立させる第2特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を有し、前記判別手段による判別結果が前記所定の判別結果である場合に、前記第2動的表示期間設定手段により設定される第2動的表示期間として、通常より短い第2動的表示期間である第2特殊動的表示期間を設定する第2特殊動的表示期間設定手段を有することを特徴とする遊技機C7。
【1529】
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別手段による判別の結果が特定の第2判別結果であり、その特定の第2判別結果に基づく識別情報が第2動的表示手段により第2表示手段に停止表示されると、第2特典遊技実行手段により第2入球手段の開放条件を成立させる構成を有し、判別手段による判別の結果が所定の判別結果である場合に、第2動的表示期間設定手段により設定される第2動的表示期間として、通常より短い第2動的表示期間を設定する。これにより、判別手段の判別結果が所定の判別結果である場合に、第2入球手段へ球の入球がしやすい遊技状態を提供することができる。
【1530】
ここで、遊技機C5を備えた構成においては、第2入球手段は第1入球手段よりも特定入球情報が取得されやすいため、判別手段の判別結果が所定の判別結果となった場合に、複数の特定入球情報を取得しやすい、つまり、複数回の特典遊技が実行されやすい遊技状態を提供することができる。
【1531】
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記記憶手段は、前記第1入球情報を複数記憶可能な第1記憶部と、前記第2入球情報を複数記憶可能な第2記憶部とを有し、前記特別条件として第2特別条件をさらに有し、前記第2特別条件は、前記記憶手段が前記第1記憶部に記憶可能な上限数よりも多い所定数の入球情報を記憶した場合に成立可能とするものであることを特徴とする遊技機C8。
【1532】
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶される入球情報の数が第1記憶部に記憶可能な上限数よりも多い場合、つまり、少なくとも第2記憶部に入球情報が記憶されている場合に、特別条件が成立する。これにより、特典遊技が実行されやすい遊技状態において、複数回特典遊技が実行されると遊技者に有利な状態とすることができる。よって、遊技者に対して、特別条件を成立させるために、記憶手段に多くの入球情報を記憶させようと遊技を促すことが可能となる。したがって、遊技の稼働を高めることができるという効果がある。
【1533】
遊技機C8において、前記第2特別条件は、前記記憶手段が前記第1記憶部に記憶可能な上限数よりも多い所定数の入球情報を記憶した状態で、前記特定入球情報を所定数以上記憶した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C9。
【1534】
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段が第1記憶部に記憶可能な上限数よりも多い所定数の入球情報を記憶した状態で、特定入球情報を所定数以上記憶している場合に第2特別条件が成立する。よって、第2特別条件が成立するための条件を複雑化させることができる。したがって、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1535】
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記特典遊技が実行されたことに基づいて、球が入球困難な閉鎖状態から球が入球可能な開放状態へと可変する可変入球手段を有し、その可変入球手段内に前記特定領域が設けられることを特徴とする遊技機C10。
【1536】
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されたことに基づいて開放状態へと可変する可変入球手段内に特定領域を設けたため、特典遊技が実行された場合にのみ特定領域を狙う遊技を実行することが可能となる。これにより、遊技者に対して特典遊技に対する遊技価値を提供することができ、よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1537】
遊技機C10において、前記可変入球手段内に設けられ、前記特定領域を球が通過容易な有利状態と、前記特定領域を球が通過困難な不利状態とに可変可能な可変手段と、その可変手段を前記有利状態と前記不利状態とに交互に可変させる可変制御手段と、を有し、前記所定条件は、前記可変制御手段により前記可変手段が前記有利状態に可変されている場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C11。
【1538】
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段により特定領域を球が通過容易な有利状態と通過困難な不利状態とに可変手段を可変制御可能に構成し、可変手段が有利状態となった場合に、特定領域に球が通過可能な所定条件が成立する。これにより、可変手段が有利状態である場合に、特典遊技が実行され可変入球手段に入球した球が、特定領域を通過可能となるため、球が特定領域を通過する難易度を高めることが可能となり、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
【1539】
遊技機C11において、前記可変制御手段は、前記有利状態と前記不利状態とに所定の周期で繰り返し可変されるよう前記可変手段を可変制御するものであることを特徴とする遊技機C12。
【1540】
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御手段により可変手段が有利状態と不利状態とに所定の周期で繰り返し可変されるため、特典遊技が実行されるタイミングに対して、可変手段が有利状態になるタイミングをランダムにすることが可能となる。よって、可変入球手段に様々なタイミングで入球した球が特定領域を通過する可能性があるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができるという効果がある。
【1541】
遊技機C10からC12のいずれかにおいて、前記可変制御手段は、前記有利状態となる第1期間と前記不利状態となる第2期間とを合わせた第3期間を1回の動作期間として、前記可変手段を可変制御するものであり、前記設定手段は、前記特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段を有し、前記動的表示期間設定手段は、前記特典遊技が複数回実行される場合に、1の前記特典遊技と、他の何れかの前記特典遊技とが、前記1回の動作期間に対して異なるタイミングで実行されるように前記1の特典遊技に対応する識別情報の前記動的表示期間として特殊動的表示期間を設定する特殊動的表示期間設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機C13。
【1542】
遊技機C13によれば、遊技機C10からC12のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態となる第1期間と不利状態となる第2期間とを合わせた第3期間を1回の動作期間として可変制御手段が可変手段を可変制御し、設定手段が有する動的表示期間設定手段により、特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間を設定する。そして、動的表示期間設定手段が有する特殊動的表示期間設定手段により、特典遊技が複数回実行される場合に、1回の動作期間に対して異なるタイミングで1の前記特典遊技と、他の何れかの前記特典遊技とが実行されるように、特殊動的表示期間が設定される。このようにすることで、特定領域を通過可能な特典遊技と特定領域を通過困難な特典遊技とを、動的表示期間を変更することによって設定することが可能となる。よって、特定領域を通過可能な特典遊技と特定領域を通過困難な特典遊技とを設定する場合に比べ、遊技に関する処理の負担を軽減することができるという効果がある。
【1543】
ここで、遊技機C5を備えた構成においては、連続して実行される特典遊技のうち、最初に実行される特典遊技(1回目の特典遊技(他の何れかの特典遊技に該当))に対して、次に実行される特典遊技(2回目の特典遊技(1の特典遊技に該当))の実行タイミングが異なるように、特殊動的表示期間を設定する。つまり、2回目の特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間が特殊動的表示期間として設定されることで、連続して実行される特典遊技の実行タイミングを可変手段の1回の動作期間に対して異ならせることができる。これにより、特殊動的表示期間を設定する対象が特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間のみとなるため、遊技処理を実行するためのプログラム容量を削減することができるという効果がある。
【1544】
なお、遊技機C5を備えない構成においては、複数の特典遊技が実行される間にて実行される動的表示(例えば、外れに対応した動的表示)の動的表示期間も特殊動的表示期間を設定するように構成される。これにより、特殊動的表示期間を設定する対象となる動的表示が遊技機C5を備えた構成より、特典遊技が複数回実行される場合に遊技者に有利な状態を提供するパターンを増加させることができるという効果がある。
【1545】
遊技機C13において、前記特殊動的表示期間設定手段は、前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記他の何れかの特典遊技の実行タイミングに対して、前記1の特典遊技の実行タイミングを前記第1期間以下の所定期間分異ならせるように前記特殊動的表示期間を設定するものであることを特徴とする遊技機C14。
【1546】
遊技機C14によれば、遊技機C13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特殊動的表示期間を設定することで1の特典遊技の実行タイミングを、他の何れかの特典遊技の実行タイミングに対して可変手段が有利状態となる第1期間以下の所定期間分異ならせることが可能となる。これにより、1の特典遊技と他の何れかの特典遊技の実行タイミングとを異ならせた場合に、それぞれの特典遊技の実行タイミングが、可変手段が有利状態である第1期間を跨いで設定される事態を防ぐことができる。よって、特典遊技に複数回当選することにより、遊技者に有利な状態を提供しやすくなるため、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1547】
さらに、第1期間以下の所定期間分として、第1期間と同等の期間分異ならせることが望ましい。このようにすることで、可変手段が有利状態である第1期間を跨ぐことなく、且つ、幅広いタイミングで複数の特典遊技を実行することが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態が提供される確率を高めることが可能となる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1548】
なお、前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記他の何れかの特典遊技の実行タイミングに対して、前記1の特典遊技の実行タイミングを少なくとも前記第1期間以上の所定期間分異ならせるように前記特殊動的表示期間を設定可能にしてもよい。このようにすることで、複数回実行される特典遊技の実行タイミングを大きく異ならせることが可能となる。
【1549】
遊技機C14において、前記特殊動的表示期間設定手段は、所定回数を上限に前記特殊動的表示期間を設定可能に構成され、前記特殊動的表示期間が前記所定回数設定された場合に、前記複数回実行される特典遊技の実行タイミングのうち、前記1回の動作期間に対して最も離れた前記特典遊技の実行タイミングの間隔が、前記第2期間よりも広くなるように前記所定回数を設定するものであることを特徴とする遊技機C15。
【1550】
遊技機C15によれば、遊技機C14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数回実行される特典遊技のそれぞれに対して所定回数を上限に特殊動的表示期間を設定可能にし、複数回実行される特典遊技の実行タイミングのうち、その最も離れた間隔が、可変手段が不利状態である第2期間よりも広くなるように、特殊動的表示期間が設定される所定回数を設定する。これにより、特殊動的表示期間が所定回数設定された場合に、特殊動的表示期間が設定された何れかの特典遊技において、第2期間以外のタイミングで特典遊技を実行することができる。即ち、遊技者に有利な状態を確実に提供することができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1551】
<特徴D群>(小当たり連続当選でV入賞しやすい構造)
特定条件が成立したことに基づいて、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に入球可能となる入球手段と、その入球手段への球の入球を許容する許容位置と、球の入球を規制する規制位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段内に設けられ、所定条件の成立により球が通過可能となる特定領域と、その特定領域を球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技が複数回実行される場合に、前記特典遊技中に前記規制位置に位置する前記可変手段により前記入球手段への入球が規制された球を、次以降の前記特典遊技中に前記入球手段へと誘導することが可能な誘導手段と、前記所定条件が成立している期間に前記次以降の特典遊技のうち少なくとも1の特典遊技が実行されるように設定する設定手段と、を有することを特徴とする遊技機D1。
【1552】
ここで、パチンコ機等の遊技機には、入賞口を開放させる小当たり遊技において、球が入球し易い態様で可変入球手段を開閉させる第1小当たり遊技と、球が入賞し難い態様で可変入球手段を開閉させる第2小当たり遊技とを有する遊技機が提案されている(例えば、特開2013-233195号公報)。このような遊技機では、第2小当たり遊技に当選しても球を入賞口に入球させることが難しく、また、第2小当たり遊技に連続して当選した場合において、遊技者に対して利点が無いことから第2小当たり遊技に複数当選した場合に遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題点があった。本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
【1553】
遊技機D1によれば、特典遊技が複数回実行される場合において、特典遊技中に入球手段への入球が規制された球を、次以降の特典遊技中に入球手段へと誘導することが可能な構成を有している。また、次以降の特典遊技のうち少なくとも1の特典遊技を、特定領域に球が通過可能となる状態で実行されるように設定する構成を有している。よって、特典遊技に複数回当選した場合に、遊技者に有利な状態となるため、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1554】
遊技機D1において、前記誘導手段は、球が流下可能な流下通路と、その流下通路を球が流下する期間を延長させるための流下期間延長手段とを有するものであることを特徴とする遊技機D2。
【1555】
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、流下期間延長手段により、流下通路を球が流下する期間を延長することで、その流下通路を流下する球が次以降の特典遊技中に入球手段に入球可能な位置へ流下させることができる。よって、より確実に次以降の前記特典遊技中に前記入球手段へと誘導することできるという効果がある。
【1556】
遊技機D2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果に基づく識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記判別手段による判別結果に基づく識別情報を停止表示させる動的表示手段と、その動的表示手段により識別情報が動的表示される動的表示期間を設定する動的表示期間設定手段と、を有し、前記特定条件は、前記動的表示手段により特定の判別結果に基づく識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に成立するものであり、前記流下期間延長手段は、前記次以降の特典遊技のうち少なくとも1の特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間よりも、前記流下通路を球が流下する期間が長くなるように延長するものであることを特徴とする遊技機D3。
【1557】
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記流下通路を球が流下する期間が次以降の特典遊技のうち少なくとも1の特典遊技に対応する識別情報の動的表示期間よりも長くなるように設定されている。よって、より確実に次以降の前記特典遊技中に前記入球手段へと誘導することができるという効果がある。
【1558】
遊技機D1から3のいずれかにおいて、前記入球手段は、球が入球可能な第1開口部と、その第1開口部とは別に設けられる第2開口部とを有し、前記誘導手段は、前記規制位置に位置する前記可変手段により前記第1開口部への入球を規制された球を、前記第2開口部へと誘導するものであることを特徴とする遊技機D4。
【1559】
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段が第1開口部と第2開口部を有し、第1開口部への入球規制された球が誘導手段により第2開口部へと誘導される。このように構成することにより、より確実に次以降の前記特典遊技中に前記入球手段へと誘導することできるという効果がある。
【1560】
遊技機D4において、前記可変手段は、前記規制位置に位置する場合に、前記第1開口部および前記第2開口部を覆う被覆部材を有し、前記被覆部材はその上面を球が転動可能に構成されており、前記第2開口部は前記第1開口部よりも、前記被覆部材に覆われる領域が広く形成されているものであることを特徴とする遊技機D5。
【1561】
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1開口部と第2開口部とを被覆可能な被覆部材を有し、第2開口部が被覆部材に覆われる領域を第1開口部よりも広くしている。このように構成することにより、第1開口部よりも第2開口部を入球しやすくすることが可能となり、特典遊技に複数回当選した場合に、遊技者に有利な状態とすることができ、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1562】
遊技機D4またはD5において、前記入球手段は、前記第2開口部から入球した球が、前記第1開口部から入球した球よりも前記特定領域に入球し易くする第2誘導手段を有するものであることを特徴とする遊技機D6。
【1563】
遊技機D6によれば、遊技機D4またはD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2開口部から入球した球は、第2誘導手段を流下することで、第1開口部から入球した球よりも特定領域に入球しやすく構成されている。これにより、特典遊技に複数回当選した場合に、遊技者に有利な状態とすることができ、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1564】
遊技機D6において、前記入球手段内に設けられ、前記特定領域への球の通過を許容する許容位置または前記特定領域への球の通過を規制する規制位置に可変可能な第2可変手段と、その第2可変手段を、前記特典遊技が実行されてから所定期間の間、前記許容位置に可変させる第2可変制御手段と、を備え、前記第2誘導手段は、前記第1開口部から入球した球が前記特定領域を通過するまでの通路である第1通路の通過期間よりも、前記第2開口部から入球した球が前記特定領域を通過するまでの通路である第2通路の通過期間が、短くなるよう構成されるものであることを特徴とする遊技機D7。
【1565】
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定領域への球の通過を許容する許容位置または前記特定領域への球の通過を規制する規制位置に可変可能な第2可変手段を入球手段内に設け、第2可変制御手段により第2可変手段を特典遊技が実行されてから所定期間の間許容位置へと可変させる。そして、第2誘導手段として、第1開口部から入球した球が前記特定領域を通過するまでの通路である第1通路と第2開口部から入球した球が特定領域を通過するまでの通路である第2通路とを設け、その第1通路を球が通過する通過期間よりも、第2通路を球が通過する通過期間が短くなるように構成する。これにより、第2開口部から入球した球のほうが、第1開口部から入球した球よりも特定領域を通過しやすくすることができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合に、遊技者に有利な状態とすることができ、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1566】
なお、第2可変制御手段により可変手段が許容位置となる期間を、球が第1通路を通過する通過期間よりも長く、かつ、球が第2通路を通過する通過期間よりも短く設定してもよい。このようにすることで、第2通路以外の通路を通過する球が特定領域を通過することを制限することができる。よって、特典遊技に複数回当選した場合に、遊技者に有利な状態とすることができ、特典遊技に複数回当選した場合において、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制できるという効果がある。
【1567】
遊技機D7において、前記第2通路は、前記第1通路よりも、下り勾配の傾斜が急となるよう形成されるものであることを特徴とする遊技機D8。
【1568】
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1通路よりも急傾斜で形成される第2通路では球が流下する速度を第1通路よりも高めることが可能となる。
【1569】
よって、第1開口部よりも第2開口部に入賞した球のほうが遊技者に有利な状態を確立に提供することができるという効果がある。
【1570】
遊技機D7またはD8において、前記第2通路は、前記第1通路よりも、短い距離で形成されるものであることを特徴とする遊技機D9。
【1571】
遊技機D9によれば、遊技機D7またはD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1通路よりも第2通路を短かい距離で設定することができる。
【1572】
よって、第1開口部よりも第2開口部に入賞した球のほうが遊技者に有利な状態を確実に提供することができるという効果がある。
【1573】
遊技機D1からD9のいずれかにおいて、球が入球可能に構成され、前記入球手段と、前記可変手段と、前記誘導手段とを有する入球装置を有し、前記入球装置は、入球した球を前記入球手段へ誘導可能な第3誘導手段と、その第3誘導手段により誘導される球を前記入球装置の外部へ排出可能な排出口と、その排出口への球の通過を許容する許容位置と前記排出口への球の通過を規制する規制位置とに可変可能な第3可変手段と、を有し、前記第3可変手段は、前記特典遊技が実行されることに基づいて、前記第3可変手段を前記規制位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機D10。
【1574】
遊技機D10によれば、遊技機D1からD9のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段と、可変手段と、誘導手段とを有する入球装置に入球した球を入球手段へと誘導する第3誘導手段を設ける。第3誘導手段には球を入球装置の外部に排出可能な排出口が設けられ、第3可変手段を可変させることで、第3誘導手段により誘導される球を入球装置の外部に排出させるか、入球手段へと誘導させるかを切り替える。そして、第3可変手段は、特典遊技が実行されると第3誘導手段により誘導される球を入球手段へと誘導するように第3可変手段が可変される。このように構成することで、特典遊技が実行されるまでは、球が入球手段に誘導されることを防止することができる。よって、単独で特典遊技が実行された場合に、第2開口部から球が入球してしまうことを抑制することができるという効果がある。
【1575】
遊技機D10において、前記第3可変手段は、前記第1可変手段の可変動作に連動して可変するものであることを特徴とする遊技機D11。
【1576】
遊技機D11によれば、遊技機D10の奏する効果に加え、第1可変手段の可変動作に連動して第3可変手段が可変するため、可変手段を可変させるための駆動源を削減することができるという効果がある。また、第3可変手段の可変動作を特典遊技が実行されることにより可変制御される第1可変手段と連動させることで、特典遊技に沿った可変動作を行うことができるという効果がある。
【1577】
遊技機D2からD11のいずれかにおいて、前記流下期間延長手段は、前記流下通路の流下距離を延長させることにより流下期間を延長する流下距離延長手段を有するものであることを特徴とする遊技機D12。
【1578】
遊技機D12によれば、遊技機D2からD11のいずれかの奏する効果に加え、流下期間延長手段は、流下距離延長手段により、流下通路の流下距離を延長させているため、より確実に次以降の前記特典遊技中に前記入球手段へと誘導することできるという効果がある。
【1579】
遊技機D12において、流下距離延長手段は、前記流下通路を蛇行状に形成した蛇行状流下通路であることを特徴とする遊技機D13。
【1580】
遊技機D13によれば、遊技機D12の奏する効果に加え、流下距離を延長させるために蛇行状流下通路を用いているため、流下通路を設置するスペースを削減することができるという効果がある。
【1581】
遊技機D2からD13のいずれかにおいて、前記流下期間延長手段は、前記流下通路を流下する球の速度を低減させる流下速度低減手段を有するものであることを特徴とする遊技機D14。
【1582】
遊技機D14によれば、遊技機D2からD13のいずれかの奏する効果に加え、流下期間延長手段は、流下速度低減手段により、流下通路を流下する球の速度を低減させているため、より確実に次以降の前記特典遊技中に前記入球手段へと誘導することできるという効果がある。
【1583】
遊技機D14において、前記流下速度低減手段は、球の流下速度を低減させる速度低減部材であることを特徴とする遊技機D15。
【1584】
遊技機D15によれば、遊技機D14の奏する効果に加え、流下速度を低減させるために速度低減部材を用いているため、流下通路を設置するスペースを削減することができるという効果がある。
【1585】
なお、速度低減部材としては、物体間に生じる摩擦によって球の流下速度を低減させることが可能な部材が考えられる。例えば、球が転動する際に発生する摩擦力により球の流下速度を低減させる高摩擦係数を示す部材(ウレタンゴム等)を用いるとよい。また、その他流下経路に用いる材質よりも転がり摩擦が大きい材質を用いていれば、その材質が速度低減部材となる。例えば、その他球の流下経路の上面がフッ素系樹脂(PTFE等)でコーティングされていれば、その流下経路の上面よりも転がり摩擦が大きいABS樹脂等の合成樹脂で形成すればよい。また、流下通路の球転動面を粗くしたり、突起を設けたりすることで、物体間の摩擦力を高め、球の流下速度を低減させる場合も含まれる。
【1586】
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【1587】
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【1588】
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【符号の説明】
【1589】
10 パチンコ機(遊技機)
650 第2可変入賞装置(可変入球手段)
650d Vゲート(可変手段)
650e5 通過検出スイッチ(特定領域)
S111 可変制御手段
S220 特典遊技実行手段
S407 判別手段
S409 設定手段、入球補助状態設定手段
S1306 特典付与手段の一部
S1309 特典付与手段の一部
S1707 動的表示手段
S2152 特定遊技状態設定手段
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、
その判別手段による判別結果に基づく識別情報が表示される表示手段と、
その表示手段に識別情報を所定期間動的表示した後、前記判別手段による判別結果に基づく識別情報で停止表示させる動的表示手段と、
前記表示手段に特定の判別結果に基づく識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、
その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行される場合に、球が入球困難な閉状態から球が入球可能な開状態へと可変可能な可変入球手段と、
その可変入球手段内に設けられた特定領域と、
その特定領域を球が通過したことに基づいて遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段と、を有した遊技機において、
前記特定領域へ球が通過可能な有利状態とその有利状態よりも球の通過が困難となる不利状態とを交互に可変可能な可変手段と、
その可変手段が、前記有利状態または前記不利状態のうち何れか一方の状態に可変してから次に前記一方の状態に可変されるまでの期間を1回の動作期間として、前記可変手段を可変制御する可変制御手段と、
所定条件が成立したことに基づいて、前記1回の動作期間内に前記可変手段へ球が複数回到達するように前記特典遊技を複数回実行可能な特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】(削除)
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2017-09-05 
結審通知日 2017-09-07 
審決日 2017-09-20 
出願番号 特願2016-118395(P2016-118395)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上田 正樹  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 鹿戸 俊介
服部 和男
登録日 2017-05-12 
登録番号 特許第6137388号(P6137388)
発明の名称 遊技機  
代理人 工藤 洋平  
代理人 工藤 洋平  

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