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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A24D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A24D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  A24D
審判 全部申し立て 2項進歩性  A24D
管理番号 1334321
異議申立番号 異議2016-700940  
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2017-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-30 
確定日 2017-09-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5897545号発明「換気特性が可変のフィルタ付きタバコ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5897545号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。 特許第5897545号の請求項1?13に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許は、2011年3月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理:2010年3月26日 欧州特許庁)を国際出願日として出願され、平成28年3月11日に特許権の設定の登録がなされたところ、平成28年9月30日に特許異議申立人ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドより特許異議の申立てがなされた。そして、平成28年11月29日付けで取消理由が通知され、それに対し、特許権者より平成29年3月1日付けで意見書が提出された。その後、平成29年3月13日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、それに対し、特許権者より、平成29年7月3日付けで訂正請求書(以下「本件訂正請求書」といい、これに係る訂正を「本件訂正」という。)及び意見書が提出され、特許異議申立人より平成29年8月25日付けで意見書が提出された。

第2 本件訂正の適否について
1 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲に記載されたとおり、請求項1?13について訂正を求めるものであって、その訂正内容は次のとおりである。
(訂正事項1)
特許請求の範囲の請求項1に「前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルは、前記位置表示マーカー(7)と、長手方向に並んだ前記目盛り(9)の先端との間の長手方向の距離によって示される」とあるのを、「前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されており、前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルは、前記位置表示マーカー(7)と、長手方向に並んだ前記目盛り(9)の先端との間の長手方向の距離によって示される」と訂正する(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)。

2 判断
(1) 前記訂正事項1に係る本件訂正は、請求項1における「前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の前記長手方向軸の周りに対称であ(る)」という「換気インジケータ(5)」の構成に関し「前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されて」いると限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件特許明細書には、「目盛り9は、フィルタ付きタバコ10の長手方向軸の周りで対称である。図示の実施形態において、目盛り9の中央のバーは最も短く、目盛りの末端のバーは最も長い。このことは、消費者がマウスピース3の回転要素、同時に三角形の位置表示マーカー7を時計回り又は反時計周りのいずれに回転させても同じ換気レベルを得ることができることを示す。消費者は、三角形の位置表示マーカー7が目盛り9の特定のバーと長手方向に並ぶように、マウスピース3の回転要素をフィルタ付きタバコ10の残余部に対して回転させることで、所望の換気レベルを選択できる。」(【0031】)と記載されているから、本件訂正は、新規事項の追加に該当しない。
また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2) さらに、本件訂正は一群の請求項ごとに請求されたものである。

(3) 以上のとおりであるから、本件訂正は特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであって、同条4項、並びに同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
前記第2のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1?13に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定される次のとおりである。以下、本件特許に係る発明を請求項の番号に従って「本件発明1」などといい、総称して「本件発明」という。
【請求項1】
換気特性が可変のフィルタ付きタバコ(10、20、30)であって、
喫煙可能材料のロッド(1)と、
前記タバコのロッド(1)に隣接して当接するフィルタセグメント(31)と、前記フィルタ付きタバコの前記フィルタセグメント(31)に許容される空気のレベルを変更するように前記フィルタセグメント(31)に対して長手方向軸の周りで回転可能である要素(34)とを含む、前記喫煙可能材料のロッドに取り付けられるマウスピース(3)と、
前記フィルタ付きタバコの外周の周りを円周方向に延びる目盛り(9)と位置表示マーカー(7)とを含む換気インジケータ(5)と、
を備え、
前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の前記長手方向軸の周りに対称であり、前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の長手方向軸の周りを互いに相対回転可能であり、前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されており、前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルは、前記位置表示マーカー(7)と、長手方向に並んだ前記目盛り(9)の先端との間の長手方向の距離によって示される、フィルタ付きタバコ。
【請求項2】
前記目盛りは、前記フィルタ付きタバコの長手方向軸に対して鋭角のラインを備える、請求項1に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項3】
前記ラインは実線である、請求項2に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項4】
前記目盛りは、複数の円周方向に離間した別個のマーカーを含む、請求項1に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項5】
前記マーカーは、相互に長手方向にオフセットする、請求項4に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項6】
前記マーカーは、前記フィルタ付きタバコの長手方向において長さが異なる、請求項4又は5に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項7】
前記マーカーは、長手方向に延びるバーラインである、請求項6に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項8】
前記換気インジケータは、触知可能な位置表示マーカー及び触知可能な目盛りを含む、請求項1から7のいずれかに記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項9】
前記マウスピースは、フィルタ包装紙で囲まれたフィルタプラグを有するフィルタを含む、請求項1から8のいずれかに記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項10】
前記フィルタ包装紙は、口側端帯体、中央帯体、及びロッド端帯体を備え、前記ロッド端帯体及び前記口側端帯体は前記フィルタに付着され、前記中央帯体は前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りに回転可能であり、
前記フィルタ付きタバコは、前記フィルタ及び前記ロッドの隣接部分を囲むチップペーパー帯体を更に備え、チップペーパー帯体は、前記フィルタ前記口側端部から前記フィルタ包装紙のロッド端帯体を覆う位置まで延びる第1の帯体と、前記第1の帯体から前記ロッドを覆う位置まで延びる第2の帯体とを備え、前記第1の帯体は前記中央帯体にだけ付着されて一緒に回転するようになっており、
前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの一方は、前記チップペーパーの第1の帯体の外面に設けられ、前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの他方は、前記チップペーパーの第2の帯体に設けられる、請求項9に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項11】
前記フィルタ包装紙及び前記チップペーパーの少なくとも一方は実質的に空気不透過性であり、前記フィルタ包装紙の前記ロッド端帯体は、少なくとも1つの開口を有し、前記チップペーパーの第1の帯体は、少なくとも1つの開口を有して配置されることにより、前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りの前記チップペーパーの第1の帯体の回転は、前記チップペーパーの第1の帯体の前記少なくとも1つの開口を前記フィルタ包装紙のロッド端帯体の少なくとも1つの開口に対して種々の位置合わせ度合いにして、喫煙時に得られる換気レベルを変える、請求項10に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項12】
前記フィルタロッドに取り付くチップペーパーのロッド端帯体(37)と、
チップペーパーの口側端帯体(32)と、
前記チップペーパーのロッド端部と口側端帯体との間に配置されるスリーブ(34)と、
を更に備え、
前記スリーブは、前記フィルタ包装紙(33)の一部を覆うと共に前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りで前記フィルタ包装紙に対して回転可能であり、前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの一方は、前記スリーブの外面に設けられ、前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの他方は、前記チップペーパーのロッド端帯体又は前記チップペーパー の口側端帯体に設けられる、請求項9に記載のフィルタ付きタバコ(30)。
【請求項13】
前記スリーブ及び前記フィルタ包装紙の少なくとも一方は実質的に空気不透過性であり、前記スリーブは、少なくとも1つの開口(39)を含み、前記スリーブの下部の前記フィルタ包装紙の一部は、少なくとも1つの開口(35)を含み、前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りの前記スリーブの回転は、前記チップペーパーの第1の帯体の前記少なくとも1つの開口を前記フィルタ包装紙のロッド端帯体の少なくとも1つの開口に対して種々の位置合わせ度合いにして、喫煙時に得られる換気レベルを変える、請求項9に記載のフィルタ付きタバコ。

2 取消理由の概要
本件訂正前の本件特許に対し通知した取消理由は、概ね、次のとおりである。
(1) 本件発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された、後記3(1)の甲号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許は取り消されるべきものである。

(2) 本件特許は、換気インジケータの目盛りに関する記載が不備のため、特許法36条4項1号36条6項1号36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、取り消されるべきものである。

3 29条2項について
(1) 甲号証
甲1号証:欧州特許出願公開第2033531号明細書
甲2号証:米国特許第3519000号明細書
甲3号証:仏国特許発明第2273443号明細書
甲4号証:米国特許第4570649号明細書
甲5号証:米国特許第4699158号明細書
甲6号証:米国特許第4700725号明細書
甲7号証:インターネットアドレス<URL:http://web.archive.org/web/20100130144248/http:/graphicriver.net/item/vector-volume-balance-knobs/83785>に係るウェブページの印刷物
(以下、証拠番号に従って、「甲1」などという。)

(2) 甲1に記載された事項
甲1には、以下の事項が記載されている(なお、訳は、添付抄訳による。以下同様。)。
・「[0010] Preferably, the smoking article includes markings to identify the first and second positions of the sleeve. For example, markers such as arrows, chevrons, '-' and '+' symbols, '0' and '1', or 'min' and 'max' may be printed onto the smoking article to indicate the positions in which high and low ventilation are obtained. Alternatively, regions of different colours may be printed to convey to the consumer the level of ventilation obtained in different positions. If a continuous scale is preferred, the cigarette may be printed with a numbered scale, or a scale of bands of varying widths to indicate the level of ventilation obtained.」
([0010] 好ましくは、喫煙物品はスリーブの第1の位置と第2の位置を識別するためのマーカーを含む。たとえば、矢印、山形の印、「-」及び「十」記号、「0」及び「1」、または「最小」及び「最大」といったマーカーを、喫煙物品上に印刷することにより、高い通気度が得られる位置と低い通気度が得られる位置を示してもよい。これに代えて、色が異なる領域を印刷することにより、それぞれの位置で得られる通気レベルを消費者に知らせてもよい。連続的な目盛りが好ましい場合は、シガレットに数字付の目盛りを印刷するか、または異なる幅を有する複数のバンドの目盛りを印刷することにより、得られる通気レベルを示してもよい。)
・「[0022] In a second preferred embodiment, the sleeve is rotatable about the longitudinal axis of the filter. The axial position of the sleeve relative to the filter wrapper may be fixed by the rod end and mouth end bands. Therefore, unlike in the filter cigarette of the prior art (described above), the sleeve need not be glued or otherwise connected to the underlying filter wrapper and the filter wrapper need not be separable into bands, since no rotation of the filter wrapper is necessary.
[0023] Preferably, the sleeve comprises at least one opening therein, the position of which may be altered through rotation of the sleeve. Preferably, the wrapper incorporating the at least one opening is substantially impermeable.
[0024] Particularly preferably, the filter wrapper includes at least one opening in the region underlying the sleeve such that in the first position the openings in the filter wrapper and sleeve are substantially in registry with each other whereby a high level of ventilation is provided, and in the second position the opening in the filter wrapper is substantially covered by the sleeve whereby a low level of ventilation is provided. Preferably, the size, shape and orientation of the at least one opening in the sleeve are substantially the same as the size, shape and orientation of the at least one opening in the filter wrapper. Preferably, the sleeve and filter wrapper each include at least one circumferential, elongate opening. More preferably, each opening extends up to 90 degrees, or one quarter of the way around the circumference of the smoking article.
[0025] Particularly preferably, the sleeve and filter wrapper each comprise two opposed elongate openings extending 90 degrees circumferentially around the smoking article. During use, the consumer may select a high ventilation position by rotating the sleeve until the openings therein are fully aligned with the underlying openings in the filter wrapper. Alternatively, the consumer may select a low ventilation position by rotating the sleeve until the openings in the filter wrapper are closed by the sleeve. An intermediate ventilation position may also be selected by rotating the sleeve to a position in which the openings in the sleeve are partially aligned with the openings in the filter wrapper.」
([0022] 第2の好ましい実施形態において、スリーブはフィルタの長手方向軸を中心として回転可能である。フィルタ巻取紙に対するスリーブの軸方向位置は、ロッド側端部のバンドと吸い口側端部のバンドで固定してもよい。したがって、(上述の)先行技術のフィルタ付シガレットとは違って、スリーブを、下にあるフィルタ巻取紙に接着するかそうでなければ接続する必要はなく、また、フィルタ巻取紙はバンドに分割できなくてもよい。なぜなら、フィルタ巻取紙は回転させる必要がないからである。
[0023] 好ましくは、スリーブは少なくとも1つの開口部を含み、この開口部の位置をスリーブの回転によって変えることができる。好ましくは、少なくとも1つの開口部を含む巻取紙は実質的に不透過性である。
[0024] 特に好ましくは、フィルタ巻取紙は、スリーブの下の領域において少なくとも1つの開口部を含む。そうすることで、第1の位置ではフィルタ巻取紙の開口部とスリーブの開口部が実質的に重なり合って高レベルの通気をもたらし、第2の位置ではフィルタ巻取紙の開口部がスリーブによって覆われて低レベルの通気をもたらす。好ましくは、スリーブの少なくとも1つの開口部の大きさ、形状、及び向きは、フィルタ巻取紙の少なくとも1つの開口部の大きさ、形状、及び向きと実質的に同一である。好ましくは、スリーブ及びフィルタ巻取紙は各々、少なくとも1つの周方向の細長い開口部を含む。より好ましくは、各開口部の広がりは、喫煙物品の全周のうちの最大で90度、すなわち四分の一である。
[0025] 特に好ましくは、スリーブとフィルタ巻取紙は各々、喫煙物品の周方向において90度にわたって延びている対向する細長い2つの開口部を含む。使用中、消費者は、スリーブの開口部の位置と下にあるフィルタ巻取紙の開口部の位置が完全に一致するまでスリーブを回転させることにより、高通気度位置を選択してもよい。これに代えて、消費者は、フィルタ巻取紙の開口部がスリーブによって閉じられるまでスリーブを回転させることにより、低通気度位置を選択してもよい。また、スリーブの開口部の位置がフィルタ巻取紙の開口部の位置と部分的に一致する位置までスリーブを回転させることにより、中間の通気度の位置を選択してもよい。)
・「[0043] In the filter cigarette 50 according to the second embodiment of the invention shown in Figure 5 , the filter 4 includes a single segment 52 adjacent to and abutting the wrapped tobacco rod 2. The filter segment 52 is 27 mm in length and composed of a high efficiency cellulose acetate plug, which is circumscribed along its entire length by an air impermeable filter wrapper 56. The wrapper 56 includes a pair of opposed, elongate openings 58 which are positioned approximately 15 mm from the mouth end of the filter and each extend approximately 90 degrees circumferentially around the filter.
[0044] The wrapped tobacco rod 2 and the filter 4 are joined by a rod end band of tipping paper 20, which is 10 mm in length and circumscribes a portion of the filter segment 52 and an adjacent portion of the wrapped tobacco rod 2. A mouth end band of tipping paper 22 circumscribes the filter segment 52 at the mouth end thereof and has a length of 12 mm. Both the rod end 20 and mouth end 22 bands are fixed in place by means of an adhesive.
[0045] Between the rod end 20 and mouth end 22 bands of tipping paper is a sleeve 24 of tipping paper which circumscribes the filter 4 and abuts both the rod end 20 and mouth end 22 bands. The sleeve 24 is not adhered to the filter wrapper and is freely rotatable about the longitudinal axis of the filter 4. The rod end 20 and mouth end 22 bands act as stops to prevent any axial movement of the sleeve 24. The sleeve 24 is 12 mm in length and includes a pair of opposed, elongate openings 60 which are positioned approximately 15 mm from the mouth end of the filter and each extend approximately 90 degrees circumferentially around the filter.
[0046] As shown in Figures 6 and 7 , the annular position of the sleeve 24 relative to the underlying filter wrapper 56 may be altered in order to change the level of ventilation and therefore the level of air dilution to the mainstream smoke which is obtained during smoking of the cigarette 50. This is achieved by selecting the degree of alignment of the openings 58 in the filter wrapper and the openings 60 in the sleeve 24. Figure 6 shows the cigarette 10 in a high ventilation open position, in which the sleeve 24 is rotated to a position in which the openings 60 therein are fully aligned with the openings 58 in the underlying filter wrapper 58. In this open position, the openings in the filter wrapper 58 are fully uncovered. During smoking of the cigarette 50 in the open position, a high level of air dilution of the mainstream smoke is therefore obtained.
[0047] Figure 7 shows the cigarette 50 in a low ventilation closed position, in which the sleeve 24 is rotated to a position in which the openings 58 in the filter wrapper 56 are completely covered by the sleeve 24. In this closed position, the openings in the air impermeable filter wrapper 56 are substantially sealed by the sleeve. During smoking of the cigarette 50 in the closed position, a low level of air dilution of the mainstream smoke is therefore obtained.
[0048] Table 2 shows the levels of particulate and gaseous components in the mainstream smoke during smoking of the cigarette according to the second embodiment of the present invention described above in the open position (as shown in Figure 6 ) and the closed position (as shown in Figure 7 ).
Table 2
・・・
[0049] As can be seen from Table 2, the levels of particulate matter, tar, nicotine and carbon monoxide in the mainstream smoke during smoking of the cigarette in the open position are significantly lower than in the closed position. This illustrates that in the open position, the level of air dilution of the mainstream smoke is high as a result of a high level of ventilation and conversely, in the closed position, the level of air dilution of the mainstream smoke is low as a result of a low level of ventilation. Thus, the ventilation obtained is effectively varied through rotation of the sleeve.
[0050] To form the variable ventilation filter cigarette 50 according to the second embodiment of the invention, the wrapped filter 4 and wrapped tobacco rod 2 may be produced in a conventional manner. A pre-perforated sheet of tipping paper is used to provide the rod end 20 and mouth end 22 bands and the sleeve 24. The layer of tipping paper includes a first row of perforations 10 mm from one end, which must be broken to form the mouth end band, and a second row of perforations 12 mm from the first row, which must be broken to separate the central and rod end bands. A double length of tipping paper may be used if preferred, as in conventional manufacturing processes. One or more specially shaped guides are incorporated into the conventional cigarette making equipment in order to break the lines of perforation in the tipping paper and ensure that they are glued in the correct position on the cigarette. Additional cutting knives may also be incorporated to cut one or more of the lines of perforation. All of the lines of perforation are broken during the manufacturing process, at the same or different stages, to ensure that the cigarette is provided to the consumer ready for use, with the sleeve already able to rotate freely and easily around the filter. The openings in the filter wrapper and the sleeve are made simultaneously using a laser, once the cigarette has been assembled.」
([0043] 図5に示される本発明の第2の実施形態に従うフィルタ付シガレット50において、フィルタ4は、巻かれたタバコロッド2に隣接し接している1つのセグメント52を含む。フィルタセグメント52は、長さが27mmであり、高効率酢酸セルロースプラグで構成され、全長にわたって空気不透過性フィルタ巻取紙56が外接している。巻取紙56は、一対の対向する細長い開口部58を含む。これらの開口部は、フィルタの吸い口側端部から約15mmの位置にあり、各々が、フィルタの周方向において約90度にわたって延びている。
[0044] 巻かれたタバコロッド2とフィルタ4は、チップペーパーのロッド側端部20のバンドによって接合されている。ロッド側端部のバンドは、長さが10mmであり、フィルタセグメント52の一部と、隣接する巻かれたタバコロッド2の一部に外接している。チップペーパーの吸い口側端部22のバンドは、フィルタセグメント52の吸い口側端部に外接しており、長さが12mmである。ロッド側端部20も吸い口側端部22も接着剤で適所に固定されている。
[0045] チップペーパーのロッド側端部20と吸い口側端部22との間には、チップペーパーのスリーブ24があり、スリーブ24は、フィルタ4に外接し、ロッド側端部20のバンドと吸い口側端部22のバンド双方に接する。スリーブ24は、フィルタ巻取紙に接着されていないので、フィルタ4の長手方向軸を中心として回転自在である。ロッド側端部20のバンドと吸い口側端部22のバンドは、スリーブ24の軸方向の動きを防止する停止部として機能する。スリーブ24は、長さが12mmであり、一対の対向する細長い開口部60を含む。これらの開口部は、フィルタの吸い口側端部から約15mmの位置にあり、各々が、フィルタの周方向において約90度にわたって延びている。
[0046] 図6及び図7に示されるように、通気レベルを変更しそれによってシガレット50の喫煙中に得られる主流煙に対する空気の希釈レベルを変更するために、下にあるフィルタ巻取紙56に対するスリーブ24の環状位置を変更してもよい。これは、フィルタ巻取紙の開口部58とスリーブ24の開口部60との位置合わせの程度を選択することによって行なうことができる。図6は、高通気度「開放」位置のシガレット10を示している。スリーブ24の開口部60の位置が下にあるフィルタ巻取紙の開口部58の位置と完全に一致する場所までスリーブ24を回転させると、この開放位置になる。開放位置では、フィルタ巻取紙の開口部58は全く覆われていない。したがって、開放位置のシガレット50の喫煙中は、主流煙の空気希釈レベルが高い。
[0047] 図7は、低通気度「閉鎖」位置のシガレット50を示す。フィルタ巻取紙56の開口部58がスリーブ24によって完全に覆われるまでスリーブ24を回転させると、この閉鎖位置になる。閉鎖位置では、空気不透過性のフィルタ巻取紙56の開口部がスリーブによって実質的に封止されている。したがって、閉鎖位置のシガレット50の喫煙中は、主流煙の空気希釈レベルが低い。
[0048]表2は、上記(図6に示される)開放位置と(図7に示される)閉鎖位置における本発明の第2の実施形態に従うシガレットの喫煙中の主流煙内の粒状成分と気体成分のレベルを示す。
表2
・・・
[0049] 表2からわかるように、開放位置のシガレットの喫煙中の主流煙における粒状物質、タール、ニコチン、及び一酸化炭素のレベルは、閉鎖位置の場合よりも大幅に低い。このことは、開放位置では通気度が高いので主流煙の空気希釈レベルも高く、逆に、閉鎖位置では通気度が低いので主流煙の空気希釈レベルも低いことを示している。このように、得られる通気度を、スリーブの回転によって有効に変化させる。
[0050] 本発明の第2の実施形態に従う通気度可変フィルタ付シガレット50を形成するには、巻かれたフィルタ4と巻かれたタバコロット2を従来のやり方で製造すればよい。予め孔が開けられているチップペーパーのシートを用いて、ロット側端部20のバンドと吸い口側端部22のバンドとスリーブ24を提供する。チップペーパーの層は、一端から10mmの位置にある孔の第1の列を含む。ここで切離すことによって吸い口側端部のバンドを形成しなければならない。チップペーパーの層はまた、孔の第1の列から12mmの位置にある孔の第2の列を含む。ここで切離すことによって中央のバンドとロット側端部のバンドに分けなければならない。従来の製造プロセスと同様、好ましいのであれば二種類の長さのチップペーパーを用いてもよい。チップペーパーの孔の列で切離し正しい位置でシガレットに確実に接着するために、従来のシガレット製造機器に特殊形状の1つ以上のガイドを取入れてもよい。その他の切削ナイフも取入れて1列以上の孔を開けてもよい。孔の列はすべて、製造プロセス中に同一のまたは異なる段階で切離すことにより、スリーブが既に自在にかつ容易にフィルタの周りで回転可能である状態で、使用できる状態のシガレットを確実に消費者に提供する。フィルタ巻取紙の開口部とスリーブの開口部は、シガレットを組立てた後に、レーザを用いて同時に作製する。)

(3) 甲1に記載された発明
甲1に記載された事項(前記(2))及び図面の記載からすると、甲1には以下の発明が記載されているといえる(以下「甲1発明」という。)。
(甲1発明)
「換気特性が可変のフィルタ付きシガレット50であって、
喫煙可能材料のタバコロッド2と、
前記タバコロッド2に隣接して当接するフィルタセグメント52と、前記フィルタ付きシガレットの前記フィルタセグメント52に許容される空気のレベルを変更するように前記フィルタセグメント52に対して長手方向軸の周りで回転可能であるスリーブ24とを含む、前記喫煙可能材料のタバコロッド2に取り付けられるフィルタ4と、
異なる幅を有する複数のバンドの目盛りと、
を備え、
前記フィルタセグメント52に許容される空気のレベルは、前記目盛りによって示され、
前記フィルタ4は、フィルタ巻取紙56で囲まれた高効率酢酸セルロースプラグを有するセグメント51を含み、
前記タバコロッドに取り付くチップペーパーのロッド側端部20と、
チップペーパーの吸い口側端部22と、
前記チップペーパーのロッド側端部20と吸い口側端部22との間に配置されるスリーブ24と、
を更に備え、
前記スリーブ24は、前記フィルタ巻取紙56の一部を覆うと共に前記フィルタ付きシガレット50の長手方向軸の周りで前記フィルタ巻取紙56に対して回転可能であり、
前記フィルタ巻取紙56は空気不透過性であり、前記スリーブ24は、少なくとも1つの開口部60を含み、前記スリーブ24の下部の前記フィルタ巻取紙56の一部は、少なくとも1つの開口部58を含み、前記フィルタ付きシガレット50の長手方向軸の周りの前記スリーブ24の回転は、前記スリーブ24の前記少なくとも1つの開口部60を前記フィルタ巻取紙56の少なくとも1つの開口部58に対して種々の位置合わせ度合いにして、喫煙時に得られる換気レベルを変える、
フィルタ付きシガレット50。」

(4) 甲2に記載された事項
甲2には、以下の事項が記載されている。
・「Referring to FIG. 1 of the drawing, the cigarette holder10, comprises a generally cylindrical, elongate structure consisting of four sections. The foremost section is called the cup 12 and its function is to retain the end of a cigarette or other tobacco package the other end of which is to be ignited, and the smoke from which is to enter the cup end of the holder, traverse the length of the holder and emerge at the bit 14 at the rearward end of the holder in response to inhalation suction. The bit 14 is formed at the rearward end of the holder stem 16. Two sections designated 18 and 20, respectively, are interposed between the cup end and the stem 16 and together comprise the air-to-smoke ratio control valve 22 of the cigarette holder. Section 18 is the valve body. Section 20 is the stem of the valve and it is attached to a valve head not visible in FIG. 1. The body 18 of the valve is rotatable relative to the valve stem 20 to alter the degree in which smoke from the cigarette 24 and ambient air are mixed in a mixing chamber within the valve 22. An index mark 26 on the outer surface of the valve stem 20 serves as a reference mark for use with graduation marks 28 formed on the surface of the valve body to indicate the magnitude of the air-to-smoke ratio experience at the different relative rotational positions of these two valve elements.」(2欄23?47行)
(図面の図1を参照して、シガレットホルダ10は、4つの部分で構成された概ね円筒形で細長い構造を含む。前端部分は「カップ」12と呼ばれ、その役割はシガレットまたはその他のタバコのパッケージの端部を保持することである。その他方の端部は点火される部分である。この他方の端部からの煙は、吸入による吸引力に応じて、ホルダのカップ端部に入り、ホルダの長さを通り抜けてホルダの後端にあるビット14から出る。ビット14は、ホルダ軸16の後端に形成されている。それぞれ18と20で示されている2つの部分は、カップ端部と軸16の間に挟まれており、一体となってシガレットホルダの空気対煙比制御バルブ22を構成する。部分18はバルブ本体である。部分20はバルブの軸であり、図1では見えていないバルブヘッドに装着されている。バルブの本体18は、バルブの軸20に対して回転することにより、バルブ22内の混合チャンバでシガレット24からの煙と周囲空気が混合される程度を変化させる。バルブ軸20の外面上の表示マーク26は、バルブ本体の表面上に形成された目盛り線28とともに用いる基準マークとして機能して、これら2つのバルブ構成要素の相対的な回転位置それぞれで得られる空気と煙の比率の大きさを示す。)

(5) 甲3に記載された事項
甲3には、以下の事項が記載されている(アクセント記号は省略した。)。
・「De la sorte, le positionnement de 1'index 10 en face d'un repere ou graduation 9 choisie a l'avance sur le cadran 8 permet au fumeur de maitriser une station active susceptible de lui procurer son regime de filtration preferentiel etant compris que ledit regime peut etre a tout moment reajuste par le fumeur, ceci en operant une legere rotation du curseur 11 soit dans le sens des aiguilles d'une montre soit dans le sens inverse conformement aux resultats recherches. 」(8頁29行?9頁5行)
(その分類の中で、目盛り版8の中で事前に選択された目盛り9に対向する指標マーク10の位置付けは、喫煙者に、濾過の好ましい形態を制御することを可能とし、喫煙者によって絶えず終始調整することができる。カーソル11を時計回り、または反時計回りに回転させることにより、所望の結果を得ることができる。)

(6) 甲4に記載された事項
甲4には、以下の事項が記載されている。
・「A filter cigarette is provided which comprises a substantially cylindrical tobacco rod, that is, a charge of tobacco wrapped in cigarette paper, an integral, axially aligned, substantially cylindrical wrapped filter plug at the mouth end of the tobacco rod, and tipping paper surrounding the filter plug. The tobacco rod and the wrapped filter plug have substantially the same cross-sectional area and shape, which may be either a circular or an ovoid shape. The filter plug has first and second ends, which are open to permit the passage of air and smoke. The plug wrap is divided into a mouth-end band, a central band, and a rod-end band having a first opening. The first and third bands are attached to the filter. The tipping paper circumscribes the filter plug and extends from the mouth end of the filter plug to a position on the tobacco rod adjacent the rod end of the filter plug. The tipping paper is divided into first and second bands, the first band extending from the mouth end of the filter plug to a position adjacent the tobacco rod overlying the rod-end band of the plug wrap. The second band of the tipping paper abuts the first band of the tipping paper and overlaps and attaches the rod end of the filter plug to the abutting end of the tobacco rod. The first band of the tipping paper has a second opening. The first band of the tipping paper is attached to the plug wrap only at the central band for rotation therewith about the longitudinal axis of the filter plug, whereby the second opening is rotated into varying degrees of registry with the first opening to permit varying amounts of air to combine with the smoke, thereby varying the air dilution value of the cigarette. The air dilution value is the ratio of the volume of air to the volume of smoke exiting the mouth end of the filter plug and is expressed as a percentage.」(1欄57行?2欄22行)
(実質的に円筒形のタバコロッド、すなわちシガレットペーパーで包まれたタバコの充填物と、タバコロッドの吸いロ側端部の、一体化され軸方向に整列し実質的に円筒形の巻かれたフィルタプラグと、フィルタプラグを囲んでいるチップペーパーとを含む、フィルタ付シガレットが提供される。タバコロッドと巻かれたフィルタプラグは、断面積と形状が実質的に同一である。この形状は円形であっても卵形であってもよい。フィルタプラグは第1の端部と第2の端部とを有する。これらの端部は開いており空気と煙を通す。プラグラップは、吸いロ側端部のバンドと、中央バンドと、第1の開口部を有するロッド側端部のバンドに分割される。第1のバンドと第3のバンドはフィルタに装着されている。チップペーパーは、フィルタプラグに外接し、フィルタプラグの吸い口側端部から、フィルタプラグのロッド側端部に隣接するタバコロッド上の位置まで延びている。チップペーパーは、第1のバンドと第2のバンドに分割され、第1のバンドは、フィルタプラグの吸いロ側端部から、プラグラップのロッド側端部のバンドに重なっているタバコロッドに隣接する位置まで延びている。チップペーパーの第2のバンドは、チップペーパーの第1のバンドに接しており、かつ、フィルタプラグのロッド側端部に重なるとともに、このロッド側端部を、接しているタバコロッドの端部に装着する。チップペーパーの第1のバンドは第2の開口部を有する。チップペーパーの第1のバンドを、プラグラップの中央バンドのみに装着することにより、第1のバンドが中央バンドとともにフィルタプラグの長手方向軸を中心として回転できるようにしている。この回転によって第2の開口部を回転させて第1の開口部との位置合わせの程度をさまざまに変化させることにより、煙と混合される空気の量を変化させ、それによって、シガレットの空気希釈値を変化させることができる。空気希釈値は、フィルタプラグの吸い口側端部から出る煙の体積に対する空気の体積の比率であり、百分率で表わされる。)
・「The filter plug is wrapped in a substantially air-impermeable plug wrap 5 which comprises a mouth-end band 6, a central band 7, and a rod-end band 8, defined by circumferentially extending parallel rows 9 and 10 of spaced perforations. The tobacco rod 1 and the wrapped filter plug have substantially the same cross-sectional area and shape. In the embodiment shown in FIGS. 1, 2, 3 and 4, the cigarette has a conventional, circular cross section. The wrapped filter plug is joined to the tobacco rod 1 by substantially air-impermeable tipping paper 11. The rod-end band 8 has an opening 16 therein. Mouth-end band 6 and rod-end band 8 are attached to the filter plug and central band 7 is freely rotatable about the longitudinal axis of the cigarette.
Tipping paper 11 is divided into a first band 12 and a second band 13 by a circumferentially extending row of closely spaced perforations 14. The inner surface of the first band 12 is attached to the outer surface of central band 7, preferably by a ribbon of adhesive material 17, for rotation with central band 7 about the longitudinal axis of the cigarette when the rows of perforations 9, 10 and 14 are broken. The inner surface of the second band 13 is attached to the outer surfaces of tobacco rod 1 and the rod-end band, preferably by a ribbon of adhesive material 18. An opening 15 is formed in the first band 12 at a position which overlies the rod-end band 18.
As the first band 12 is rotated, the rows of perforations 9, 10 and 14 are broken and the opening 15 is rotated into varying degrees of registry with the opening 16 in the underlying plug wrap. Thus the amount of air entering the filter, where it is mixed with the smoke produced by the burning tobacco 2, can be selected by adjusting the degree to which the openings 15 and 16 are in registry. Central band 7 and thus the first band 12 are retained against axial movement by bands 6 and 8 and this, in conjunction with the frictional resistance to rotation, insures that the degree of dilution, once selected, is maintained.」(2欄64行?3欄33行)
(フィルタプラグは、実質的に空気不透過性のプラグラップ5によって巻かれ、ラップ5は、間隔を置いて並んでいる孔の、周方向に延びる平行な列9及び10によって境界が定められた、吸いロ側端部のバンド6と、中央バンド7と、ロッド側端部のバンド8とを含む。タバコロッド1と巻かれたフィルタプラグは、断面積と形状が実質的に同一である。図1、図2、図3、及び図4に示される実施形態において、シガレットは従来の円形断面を有する。巻かれたフィルタプラグは、実質的に空気不透過性のチップペーパー11によってタバコロッド1に接合される。ロッド側端部のバンド8は開口部16を有する。吸い口側端部のバンド6とロッド側端部のバンド8はフィルタプラグに装着され、中央バンド7はシガレットの長手方向軸を中心として回転自在である。
チップペーパー11は、密な間隔で並んでいる孔の、周方向に延びる列14によって、第1のバンド12と第2のバンド13に分割される。第1のバンド12の内側表面は、孔の列9、10、及び14で切離されたときにシガレットの長手方向軸を中心として中央バンド7とともに回転するために、好ましくは接着材料のリボン17によって、中央バンド7の外側表面に装着される。第2のバンド13の内側表面は、好ましくは接着材料のリボン18によって、タバコロッド1及びロッド側端部のバンドの外側表面に装着される。開口部15は、第1のバンド12の、ロッド側端部のバンド8に重なる位置に形成される。
第1のバンド12が回転させられるにつれて、孔の列9、10、及び14は破壊されて、開口部15は下側のプラグラップにおける開口部16とのレジストリーの変化する程度で回転させられる。したがって、フィルタに入る空気の量は、燃焼するタバコ2によって作り出された煙と混合される場合に、開口部15、16がレジストリーにある程度に調整されることによって選択され得る。中央バンド7及びしたがって第1のバンド12はバンド6及び8による軸方向の移動に対して保持され、これは、回転に対する摩擦抵抗と関連して、一旦選択された希釈の程度が保持されることを確実にする。)
・「A means for permitting the smoker to select the specific smoke to air dilution ratio desired may be provided through indicia which are printed on the tipping paper during the passage of the cigarette through the tipping apparatus. Such indicia are made readily visible and are designed to show the degree of registry of the openings.」(3欄50?56行)
(喫煙者に空気希釈に対する煙の特定の比率を選択することを許容する手段は、チップ装置を通るタバコの通路中にチップペーパーに印刷された印を通して提供されるかも知れない。そのような印は、容易に視覚化することができ、開口部のレジストリーの程度を示すように設計される。)

(7) 甲5に記載された事項
甲5には、以下の事項が記載されている。
・「One embodiment of the detent means of this invention includes protuberance 26 on filter segment 15 and receiving sites, such as cutouts 27, in overextending tipping paper portion 25. Protuberance 26 is preferably formed by depositing a thermoplastic material on the surface of filter segment 15, although any type of substance that hardens into a non-tacky mass can be used. Other means for providing protuberance 26 may also be devised. A plurality of cutouts 27 is provided, corresponding in axial position to protuberance 26, so that protuberance 26 moves from cutout to cutout during relative rotation of filter segments 14, 15. Detent action is provided as protuberance 26 successively encounters the resistance of tipping paper areas 28 between the cutouts 27.
Although only one protuberance 26 is shown, a plurality of protuberances 26 can be provided. However, if more than one protuberance is provided, and the cutouts do not extend completely around the cigarette, the number of cutouts should exceed the number of protuberances by at least one, so that there are at least two positions of adjustment of cigarette 10. The width of a protuberance 26, and of a cutout 27, is preferably from about 0.5 mm to about 2 mm. The number of cutouts 27 in a given range, whether or not that range encompasses the entire circumference of the cigarette as discussed above, is limited by the size of the range and by the need to have a minimum amount of material in areas 28 so that they do not tear on the passing of protuberance 26.」(3欄38?66行)
(本発明の移動止め手段の一実施形態は、フィルタセグメント15上の突起26と、その上に延在するチップペーパー部25の切抜き部27等の受け部位とを含む。突起26は、好ましくはフィルタセグメント15の表面上に熱可塑性材料を堆積させることによって形成するが、硬化して非粘着性の塊になるのであればどの種類の物質でも使用できる。突起26を設けるための他の手段も考えられるであろう。軸方向位置が突起26に対応する複数の切抜き部27が設けられているので、突起26は、フィルタセグメント14、15が相対的に回転する間に切抜き部から切抜き部へと移動する。切抜き部27間のチップペーパー領域28の抵抗を突起26が連続的に受けることによって、移動止め作用が発揮される。
示されている突起26は1つだけであるが、複数の突起26を設けてもよい。しかしながら、2つ以上の突起が設けられかつ切抜き部がシガレットの全周にわたって設けられていない場合は、切抜き部の数を突起の数よりも1つ以上多くして、シガレット10の調整用に少なくとも2つの位置が存在するようにしなければならない。突起26の幅と切抜き部27の幅は、好ましくは約0.5mm?約2mmである。上記のように、所与の範囲の切抜き部27の数は、この範囲がシガレットの全周を包含するか否かとは関係なく、その範囲の大きさと、突起26が通った際に裂けないようにするために必要な最低限の材料の量によって限定される。)
・「The detent means of cigarette 30 includes protuberance 26 on the inner surface of second band 302 and a corresponding plurality of depressions 38 in the surface of filter plug 12. Protuberance 26 moves from depression to depression during sliding of filter plug 12. Detent action is provided as protuberance 26 successively encounters the resistance of filter material in areas 39 between depressions 38. As in cigarette 10, more than one protuberance 26 can be provided, as long as the number of depressions 38 exceeds the number of protuberances by at least one. Also, as in cigarette 10, protuberance 26 is preferably formed by depositing a substance which hardens into a non-tacky mass. Depressions 38 can be formed by embossing filter plug 12, either with or without heat, or by cutting the depressions into filter 12. Again the preferred size of protuberances 26 and depressions 38 is from about 0.5 mm to about 2 mm, and depressions 38 should be spaced far enough apart that the intervening area 39 of filter material will not be broken by protuberance 26.」(4欄23?42行)
(シガレット30の移動止め手段は、第2のバンド302の内側表面上の突起26と、フィルタプラグ12の表面にある、対応する複数の凹部38とを含む。突起26は、フィルタプラグ12をスライドさせている間、凹部から凹部へと移動する。移動止め作用は、凹部38間の領域39のフィルタ材料の抵抗を突起26が連続して受けたときに発揮される。シガレット10と同様、凹部38の数が突起の数よりも1つ以上多い限り、2つ以上の突起26を設けることができる。また、シガレット10と同様、好ましくは突起26は硬化して非粘着性の塊になる物質を堆積させることによって形成される。凹部38は、熱を用いてもしくは用いずにフィルタプラグ12をエンボス加工することにより、または切削によってフィルタ12に凹部を形成することにより、形成できる。ここでも、突起26および凹部38の好ましい大きさは約0.5mm?約2mmであり、フィルタ材料の中間領域39が突起26によって破れないよう、凹部38の間隔を十分に開けておく必要がある。)

(8) 甲6に記載された事項
甲6には、以下の事項が記載されている。
・「A first embodiment 40 of a cigarette according to the present invention is shown in FIG. 4. Stop elements 41, 42 are affixed to tipping paper section 25, such as by adhesive. Engagement element 43 is a tongue affixed to section 24 and extending over, but not affixed to, segment 25 between stop elements 41, 42. When segment 14 is rotated, edges 431, 432 of engagement element 43 butt up against edges 410, 420 of stop elements 41, 42, preventing the rotation of segment 14 beyond a selected range determined by edges 410, 420.
Stop elements 41, 42 should be placed so that edges 410, 420 are separated by a distance equal to the desired rotational range plus the width of engagement element 43. More than one set of stop elements 41, 42 and engagement element 43 can be spaced around the circumference of the filter, with the number of sets limited only by the size of the elements and the spacing between them, as discussed below.
In a preferred embodiment, slits 18, 19, 20, 21 are each one quarter of the circumference of cigarette 40 in length. Therefore, for rotation between full registry and full deregistry, segment 14 must rotate 90.degree. relative to segment 15. Therefore, the distance between each set of stop elements 41, 42 must be equal to one quarter of the cigarette circumference plus the width of engagement element 43. Two sets of elements 41, 42, 43 would thus occupy one-half of the cigarette circumference plus twice the sum of the widths of elements 41, 42, 43. As a practical matter, the maximum number of sets of elements 41, 42, 43 in a cigarette in which a 90.degree. rotational range is desired is two. If three sets were used, elements 41, 42, 43 would have to be so narrow as to have little effectiveness. It is preferred that two sets of elements 41, 42, 43 be used rather than one, to provide a balanced stopping force, although a second set is not shown in FIG. 4 because it is on the far side of cigarette 40.
Elements 41, 42, 43 must be relatively stiff to have effect, otherwise element 43 would ride over elements 41, 42. Elements 41, 42, 43 are preferably made of a sheet material, most preferably cigarette tipping paper. The tipping paper should have a density of from about 30 g/m^(2) to about 100 g/m^(2), preferably from about 40 g/m^(2) to about 60 g/m^(2).
Elements 41, 42 could be the ends of a single band of sheet material wrapped around filter plug 12 outside tipping paper 13. The single band (not shown) could extend only partially around the circumference of the cigarette, its edges serving as edges 410, 420. Alternatively, the band could extend for a sufficient distance along the axial direction of cigarette 40 to allow it to have a first portion that extends completely around the circumference of the cigarette, and a second portion axially adjacent the first portion that extends only partially around the circumference of the cigarette, leaving a cutout adjacent tipping paper section 24, the edges of the cutout serving as edges 410, 420. Similarly, element 43 can project from a band that completely encircles cigarette 40. Other constructions may occur to one skilled in the art.
If desired, another layer of tipping paper (not shown) can cover elements 41, 42, 43. If such a layer is present, it may not be necessary for elements 41, 42, 43 to be made of anything heavier than standard tipping paper, having a density of from about 20 g/m^(2) to about 40 g/m^(2), as explained below in connection with the embodiment of FIG. 5.」(3欄47行?4欄44行)
(本発明に従うシガレットの第1の実施形態40は図4に示される。停止要素41、42は、たとえば接着剤によってチップペーパー部分25に貼付けられる。係合要素43は、チップペーパー部分24に貼付けられ停止要素41、42間の部分25の上に延在しているがこの部分25には貼付けられていない突出部である。セグメント14を回転させると、係合要素43の端部431、432が停止要素41、42の端部410、420に当たり、端部410、420によって定められる選択範囲を超えてセグメント14が回転することを防止する。
停止要素41、42は、端部410と420の間隔が、所望の回転範囲プラス係合要素43の幅に等しい距離になるように、配置する必要がある。フィルタの周囲に沿って間隔を置いて停止要素41、42と係合要素43を二組以上設けることができるが、以下で説明するように、この組の数は上記要素の大きさとこれらの間隔のみによって制限される。
好ましい実施形態において、スリット18、19、20、21は各々、長さがシガレット40の周長の四分の一である。したがって、完全に位置合わせされた状態と全く位置合わせされていない状態の間で回転するためには、セグメント14はセグメント15に対して90度回転しなければならない。よって、各組の停止要素41、42間の距離は、シガレットの周長の四分の一プラス係合要素43の幅に等しくなければならない。このため、二組の要素41、42、43は、シガレットの周長の二分の一プラス要素41、42、43の幅の合計の二倍を占めるであろう。実際問題として、90度の回転範囲が望ましいシガレットの要素41、42、43の組の最大数は、2である。3組を用いる場合は、要素41、42、43を効力がほぼ失われる幅まで狭くする必要がある。一組よりも二組の要素41、42、43を使用してバランスの取れた停止力を生じさせるのが好ましいが、二組目の要素は図4ではシガレット40の向こう側にあるので示されていない。
有効であるためには要素41、42、43は比較的堅くなければならない。そうでなければ要素43が要素41、42の上に乗り上げてしまう。要素41、42、43は好ましくはシート材料からなり、最も好ましくはシガレットチップペーパーからなる。チップペーパーは、密度が約30g/m^(2)?約100g/m^(2)、好ましくは約40g/m^(2)?約60g/m^(2)である必要がある。
要素41、42は、チップペーパー13の外側においてフィルタプラグ12に巻付けられたシート材料の1つのバンドの両端であってもよい。この1つのバンド(図示せず)は、シガレットの周長の一部のみに延在してその端部が端部410、420の役割を果たしてもよい。これに代えて、バンドは、シガレット40の軸方向に沿って十分な距離にわたって延在することによって、シガレットの全周にわたって延在する第1の部分と、第1の部分に軸方向に隣接しシガレットの周長の一部のみに延在してチップペーパー部24に隣接する切抜き部を残しこの切抜き部の端部が端部410、420の役割を果たす第2の部分とを有していてもよい。同様に、要素43はシガレット40の全周を囲むバンドから突出していてもよい。当業者であればこれ以外の構成に想到し得る。
所望であれば、もう1つのチップペーパーの層(図示せず)で要素41、42、43を覆うことができる。図5の実施形態との関連で以下で説明するように、このような層が存在する場合は、要素41、42、43を、密度が約20g/m^(2)?約40g/m^(2)である標準的なチップペーパーよりも重いもので作る必要はないであろう。)

(9) 甲7に記載された事項
甲7には、以下の事項が記載されている。


(10) 本件発明1について
ア 本件発明1と甲1発明とを、その有する機能に照らして対比すると、甲1発明の「フィルタ付きシガレット50」、「タバコロッド2」、「フィルタセグメント52」、「スリーブ24」、「フィルタ4」は、それぞれ、本件発明1の「フィルタ付きタバコ(10、20、30)」、「ロッド(1)」、「フィルタセグメント(31)」、「要素(34)」、「マウスピース(3)」に相当する。
そして、甲1発明の「目盛り」は、本件発明1の「換気インジケータ(5)」の「目盛り」と同様に、フィルタセグメントに許容される空気のレベルを示すために設けられているものであるから、甲1発明は換気インジケータを有するということができる。
そうすると、両者は以下の点で一致し、相違する。
(一致点)
「換気特性が可変のフィルタ付きタバコであって、
喫煙可能材料のロッドと、
前記タバコのロッドに隣接して当接するフィルタセグメントと、前記フィルタ付きタバコの前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルを変更するように前記フィルタセグメントに対して長手方向軸の周りで回転可能である要素とを含む、前記喫煙可能材料のロッドに取り付けられるマウスピースと、
換気インジケータと、
を備え、
前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルは、前記換気インジケータによって示される、フィルタ付きタバコ。」
(相違点)
換気インジケータに関し、本件発明1は、「前記フィルタ付きタバコの外周の周りを円周方向に延びる目盛り(9)と位置表示マーカー(7)とを含む換気インジケータ(5)」を備え、「前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の前記長手方向軸の周りに対称であり、前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の長手方向軸の周りを互いに相対回転可能であり、前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されており、前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルは、前記位置表示マーカー(7)と、長手方向に並んだ前記目盛り(9)の先端との間の長手方向の距離によって示される」のに対し、甲1発明は、異なる幅を有する複数のバンドの目盛りを有する点。
イ 上記相違点について検討するに、甲1には、スリーブとフィルタ巻取紙の各々に、周方向において90度にわたって延びている対向する細長い2つの開口部を設ける点が記載されており(前記(2)([0025]、[0043]?[0045]))、甲1発明をそのような構造とすることは格別困難なことではなく、その場合、消費者が、高通気度位置(又は低通気度位置)から、スリーブ34を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させてもフィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるような構造であるといえる。
しかしながら、甲1には、その点に関し、「目盛り」との関係も含めて特段記載はなく、甲1発明において、目盛りに関し、スリーブ34を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させてもフィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成することの動機付けは、格別認められない。
甲2及び3には、円周方向に延びる目盛りと、それに対し相対回転可能な位置表示マーカーとよりなる、換気インジケータによって、タバコに許容される空気のレベルを示す点が記載されているが(前記(4)、(5))、消費者が回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても同じレベルを得ることができるように構成されていない。
また、甲7には、消費者が回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても同じレベルを得ることができるように構成された目盛り及びマーカーが記載されているものとは認められず、その他の証拠を見ても、換気インジケータに関し、消費者が回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させてもフィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成する点について記載や示唆は認められない。
そして、本件発明1は、上記相違点に係る構成を備えることにより、「消費者がマウスピース3の回転要素、同時に三角形の位置表示マーカー7を時計回り又は反時計周りのいずれに回転させても同じ換気レベルを得ることができることを示す。消費者は、・・・マウスピース3の回転要素をフィルタ付きタバコ10の残余部に対して回転させることで、所望の換気レベルを選択できる。」(【0031】)といった、所定の効果を奏するものであるから、この点を単なる設計的事項とすることは妥当ではない。
そうすると、甲1発明において、上記相違点に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到できた事項であるとは認められない。
ウ この点に関し、特許異議申立人は、甲1の実施形態2のフィルタ付シガレットは、消費者がスリーブ24を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させてもフィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されている、すなわち、フィルタ巻取紙56の一対の開口部58及びスリーブ24の一対の開口部60の配置に基づき、結果として生じるフィルタ付シガレットの換気レベルは、フィルタ付シガレットの長手方向軸の周りに回転対称性を有する、甲1の実施形態2から知られるように、それ自体が対称的に変化する換気レベルを示すために、対称的な目盛りを用いることは容易である旨主張している(平成29年8月25日付け意見書3?5頁)。
しかしながら、既に述べたように、甲1には、換気レベルが、フィルタ付シガレットの長手方向軸の周りに回転対称性を有する点に関し、「目盛り」との関係も含めて、特段記載はないから、甲2?7に記載された事項を踏まえても、甲1発明において、目盛りに関し、スリーブ34を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させてもフィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成することの動機付けは、格別認められない。
エ 以上のとおり、本件発明1は、甲1発明及び甲2?7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められない。

(11) 本件発明2?13について
本件発明2?13は、発明を特定するための事項として、請求項1に記載された事項をすべて含むものであるから、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明2?13は、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2?7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認められない。

(12) まとめ
以上のとおり、本件発明1?13は、甲1発明及び甲2?7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。

4 36条4項1号36条6項1号36条6項2号について
(1) 36条6項2号について
本件訂正により、請求項1において「前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の前記長手方向軸の周りに対称であ(る)」という「換気インジケータ(5)」の構成に関し「前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されて」いると特定されたことにより、請求項1において、「目盛り(9)」の構成が明確になった。
よって、請求項1?13において、本件発明が明確でないとは認められない。

(2) 36条6項1号及び36条4項1号について
本件発明は、「前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の前記長手方向軸の周りに対称であ(る)」という「換気インジケータ(5)」の構成に関し「前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されて」いるものであるところ、発明の詳細な説明には、このような換気インジケータを備えたものが具体的に開示されている(【0028】?【0035】、図1、2)。
また、発明の詳細な説明を総合的にみると、本件発明は、位置表示マーカーを時計周り又は反時計周りのいずれに回転させても同じ換気レベルを得ることを課題とするものと認められるが、本件発明は、このような課題を解決することができるものと認められるから、本件発明は、発明の詳細な説明に記載されたものと認められる。その意味において、発明の詳細な説明の記載は、当業者が実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであると認められる。

(3) まとめ
以上のとおり、本件特許は、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載に関し、特段不備は認められない。

第4 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立ての理由について
特許異議申立人は、本件発明1、4、6、7、9、12及び13に関し、甲1発明に対して新規性を有しないから、特許法29条1項3号に該当する旨主張している(特許異議申立書18頁?22頁)。
しかしながら、既に述べたように、本件発明1と甲1発明とは、前記相違点(第3・3(10)ア)に関し相違するものであり、本件発明1は、前記相違点に係る構成を備えることにより所定の効果を奏するものであるから(第3・3(10)イ)、この点は実質的なものであると認められる。
そして、この点は、本件発明4、6、7、9、12及び13についても同様である。
よって、本件発明1、4、6、7、9、12及び13は、甲1発明であるとは認められないから、特許法29条1項3号に該当するものとは認められない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、前記取消理由及び特許異議申立ての理由によっては、本件特許(請求項1?13に係る特許)を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気特性が可変のフィルタ付きタバコ(10、20、30)であって、
喫煙可能材料のロッド(1)と、
前記タバコのロッド(1)に隣接して当接するフィルタセグメント(31)と、前記フィルタ付きタバコの前記フィルタセグメント(31)に許容される空気のレベルを変更するように前記フィルタセグメント(31)に対して長手方向軸の周りで回転可能である要素(34)とを含む、前記喫煙可能材料のロッドに取り付けられるマウスピース(3)と、
前記フィルタ付きタバコの外周の周りを円周方向に延びる目盛り(9)と位置表示マーカー(7)とを含む換気インジケータ(5)と、
を備え、
前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の前記長手方向軸の周りに対称であり、前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)は、前記フィルタ付きタバコ(10、20、30)の長手方向軸の周りを互いに相対回転可能であり、前記位置表示マーカー(7)及び前記目盛り(9)の一方は前記回転要素(34)と一緒に回転し、消費者が前記回転要素を時計回り又は反時計回りのいずれに回転させても前記フィルタセグメントが同じ通気レベルを得ることができるように構成されており、前記フィルタセグメントに許容される空気のレベルは、前記位置表示マーカー(7)と、長手方向に並んだ前記目盛り(9)の先端との間の長手方向の距離によって示される、フィルタ付きタバコ。
【請求項2】
前記目盛りは、前記フィルタ付きタバコの長手方向軸に対して鋭角のラインを備える、請求項1に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項3】
前記ラインは実線である、請求項2に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項4】
前記目盛りは、複数の円周方向に離間した別個のマーカーを含む、請求項1に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項5】
前記マーカーは、相互に長手方向にオフセットする、請求項4に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項6】
前記マーカーは、前記フィルタ付きタバコの長手方向において長さが異なる、請求項4又は5に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項7】
前記マーカーは、長手方向に延びるバーラインである、請求項6に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項8】
前記換気インジケータは、触知可能な位置表示マーカー及び触知可能な目盛りを含む、請求項1から7のいずれかに記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項9】
前記マウスピースは、フィルタ包装紙で囲まれたフィルタプラグを有するフィルタを含む、請求項1から8のいずれかに記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項10】
前記フィルタ包装紙は、口側端帯体、中央帯体、及びロッド端帯体を備え、前記ロッド端帯体及び前記口側端帯体は前記フィルタに付着され、前記中央帯体は前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りに回転可能であり、
前記フィルタ付きタバコは、前記フィルタ及び前記ロッドの隣接部分を囲むチップペーパー帯体を更に備え、チップペーパー帯体は、前記フィルタ前記口側端部から前記フィルタ包装紙のロッド端帯体を覆う位置まで延びる第1の帯体と、前記第1の帯体から前記ロッドを覆う位置まで延びる第2の帯体とを備え、前記第1の帯体は前記中央帯体にだけ付着されて一緒に回転するようになっており、
前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの一方は、前記チップペーパーの第1の帯体の外面に設けられ、前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの他方は、前記チップペーパーの第2の帯体に設けられる、請求項9に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項11】
前記フィルタ包装紙及び前記チップペーパーの少なくとも一方は実質的に空気不透過性であり、前記フィルタ包装紙の前記ロッド端帯体は、少なくとも1つの開口を有し、前記チップペーパーの第1の帯体は、少なくとも1つの開口を有して配置されることにより、前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りの前記チップペーパーの第1の帯体の回転は、前記チップペーパーの第1の帯体の前記少なくとも1つの開口を前記フィルタ包装紙のロッド端帯体の少なくとも1つの開口に対して種々の位置合わせ度合いにして、喫煙時に得られる換気レベルを変える、請求項10に記載のフィルタ付きタバコ。
【請求項12】
前記フィルタロッドに取り付くチップペーパーのロッド端帯体(37)と、
チップペーパーの口側端帯体(32)と、
前記チップペーパーのロッド端部と口側端帯体との間に配置されるスリーブ(34)と、
を更に備え、
前記スリーブは、前記フィルタ包装紙(33)の一部を覆うと共に前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りで前記フィルタ包装紙に対して回転可能であり、前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの一方は、前記スリーブの外面に設けられ、前記換気インジケータの前記位置表示マーカー及び前記目盛りの他方は、前記チップペーパーのロッド端帯体又は前記チップペーパー の口側端帯体に設けられる、請求項9に記載のフィルタ付きタバコ(30)。
【請求項13】
前記スリーブ及び前記フィルタ包装紙の少なくとも一方は実質的に空気不透過性であり、前記スリーブは、少なくとも1つの開口(39)を含み、前記スリーブの下部の前記フィルタ包装紙の一部は、少なくとも1つの開口(35)を含み、前記フィルタ付きタバコの長手方向軸の周りの前記スリーブの回転は、前記チップペーパーの第1の帯体の前記少なくとも1つの開口を前記フィルタ包装紙のロッド端帯体の少なくとも1つの開口に対して種々の位置合わせ度合いにして、喫煙時に得られる換気レベルを変える、請求項9に記載のフィルタ付きタバコ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-09-12 
出願番号 特願2013-501674(P2013-501674)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A24D)
P 1 651・ 113- YAA (A24D)
P 1 651・ 536- YAA (A24D)
P 1 651・ 537- YAA (A24D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大山 広人  
特許庁審判長 田村 嘉章
特許庁審判官 莊司 英史
窪田 治彦
登録日 2016-03-11 
登録番号 特許第5897545号(P5897545)
権利者 フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
発明の名称 換気特性が可変のフィルタ付きタバコ  
代理人 大塚 文昭  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
代理人 鈴木 信彦  
代理人 鈴木 信彦  
代理人 須田 洋之  
代理人 上杉 浩  
代理人 大塚 文昭  
代理人 近藤 直樹  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 弟子丸 健  
代理人 須田 洋之  
代理人 近藤 直樹  
代理人 西島 孝喜  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 上杉 浩  
代理人 西島 孝喜  
代理人 弟子丸 健  
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