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審決分類 審判 査定不服 特29条の2 取り消して特許、登録 C02F
管理番号 1335020
審判番号 不服2017-8123  
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-06 
確定日 2017-12-19 
事件の表示 特願2013-204793「水処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月13日出願公開、特開2015- 66524、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願の出願より審判請求に至る経緯の概要は以下のようである。

平成25年 9月30日 特許願
平成28年 5月25日 刊行物等提出書
同年 7月19日 手続補正書(特許請求の範囲及び明細書の補正)
同年11月29日 拒絶理由通知書
平成29年 1月10日 意見書及び手続補正書(明細書の補正)
同年 2月27日 拒絶査定
同年 6月 6日 審判請求書
同年 7月14日 手続補正書(審判請求理由の補充)
同年 7月18日 手続補足書(実験報告書)

第2 本願発明について
本願の請求項1-3に係る発明は、平成28年7月19日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載される事項によって特定される以下のとおりのものである。
(各請求項に係る発明を請求項の順に「本願発明1」「本願発明2」「本願発明3」と記載し、それらを総称して「本願発明」と記載する。)

【請求項1】
製鉄所の連続鋳造工程または圧延工程において直接冷却水として使用した水にカチオン系高分子凝集剤を添加した後、該処理水を循環使用する直接冷却水循環系の水処理方法であり、前記カチオン系高分子凝集剤を、前記連続鋳造工程または圧延工程の直接冷却水の回収部であるスケールスルースに添加することからなり、
前記カチオン系高分子凝集剤が、ジアリルジメチルアンモニウム塩をモノマー成分として含む重合体であることを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
前記直接冷却水循環系が、前記スケールスルース、スケールピット、凝集槽および冷却塔をこの順序で備えた設備である請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記カチオン系高分子凝集剤の添加量が、0.05?5mg/Lである請求項1または2に記載の水処理方法。

第3 原査定の理由について
<原査定の理由の要旨>
本願発明1ないし3は、その出願前の優先日を有する特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記先願1の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の優先日を有する特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願前の優先日において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない、とするものである。

<証拠>
先願1:特願2012-269533号(特開2014-133229号)
引例2:特開昭60-102993号公報(周知技術として)
引例3:特開平09-075950号公報(周知技術として)

第4 当審の判断
1.先願1の記載事項
以下にア)ないしカ)について記載事項を摘示する。
ア)ないしウ及びカ)は、先願1の願書に最初に添付された明細書又は図面(以下、「優先基礎明細書」という。)に記載された技術内容であって公開公報にも記載されているものであり(記載箇所は公開公報のもの)、エ)は公開公報に記載されているものであり、オ)はエ)に対応する優先基礎明細書の記載である。
ア)「【請求項1】
凝集剤を用い、廃水中から懸濁物質を凝集沈降させて取り除くための廃水中の懸濁物質の除去処理方法であって、
上記凝集剤として少なくとも1種の有機凝集剤を用い、
少なくとも、粗大な懸濁物質と微細な懸濁物質とが併存し、且つ、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態の水の中に、前記有機凝集剤が共存する状態を生じさせることで、前記粗大な懸濁物質と前記微細な懸濁物質とを同一の処理で凝集沈降させ、これらを同時に除去できるようにしたことを特徴とする廃水中の懸濁物質の除去処理方法。」
イ)「【0001】
本発明は、廃水中の懸濁物質の除去処理方法に関し、より詳しくは、製鐵所において大量に発生する、粒径が50μm以上の金属粉や油分等の粗大な懸濁物質を含む廃水中から、有機凝集剤を利用して、これらの粗大な懸濁物質を含んだままの状態で懸濁物質を一挙に、速やかに、しかも極めて効率よく凝集沈降させ、これらを同時に除去することができるようにした廃水中の懸濁物質の除去処理技術に関する。
【0002】
例えば、製鐵所において発生する廃水としては、連続鋳造工程における直接冷却廃水、圧延工程における直接冷却廃水、高炉、転炉、電炉工程における集塵廃水、屋外原料貯蔵ヤードから発生する雨水廃水などがあるが、その量は大量である。また、これらの廃水中には、下記に述べるように、いずれも、微細な懸濁物質のみならず、鉄等の金属粉や、水砕スラグ、石炭粉・コークス粉等の粒径が50μm以上の粗大な懸濁物質(以下、粗大SSとも呼ぶ)が含まれている。・・・
【0003】
図5は、廃水中に含有されている上記したような粗大SSと微細SSとを含む懸濁物質(SS)を除去処理する従来の方法の一例であり、鋼材圧延ラインの圧延工程における直接冷却廃水の処理の概要を模式的に示したものである。図5に示したように、直接冷却廃水は、SSを除去処理されて処理水となった後、再び直接冷却水として循環使用されている。したがって、その処理水は、懸濁物質の少ない、より清澄なものであることが望まれる。・・・」
ウ)「【0036】
・・・少なくとも1種類の有機凝集剤を用い、特に、該有機凝集剤が、粗大なSSと微細SSとが併存し、水と共に激しく流動している状態の中に共存する状態を生じさせると、高い効果が得られることがわかった。より具体的には、有機凝集剤を、粗大SS及び微細SSと激しい混合状態で共存させた場合に、有機凝集剤の凝結・凝集・沈降効果がより顕著に発揮され、粗大SSと微細SSが同一の処理で、従来技術では達成できていなかった速度で速やかに凝集沈降して、その上澄み液が従来にない清澄なものとなることを見出した。更に、これらが共存した状態で、激しく流動している時間がある程度確保された方がより高い効果が得られることと、添加作業の容易性から、例えば、図1中に2で示したように、スケールスルースのスケールピット3からできるだけ遠い地点で有機凝集剤を添加することが好ましいこともわかった。このように構成すれば、例えば、直接冷却廃水がスケールスルースを流れていくいずれの地点でも、有機凝集剤と粗大SSと微細SSとが激しい混合状態となる。その結果、驚くべきことに、スケールピット3に排出された時点で、直接冷却廃水中の粗大SSと微細SSとを含む懸濁物質は、凝結・凝集中である、または既に凝結・凝集しているため、沈殿物と清澄な処理水とに速やかに分離する。」
エ)「【0038】
本発明で使用する有機凝集剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系、ポリアミン系、およびジアリルアンモニウム系の化合物から選ばれる有機凝集剤を用いることができる。本発明者らの検討によれば、下記に挙げる有機凝集剤を用いれば、より顕著な効果が得られる。具体的には、下記一般式(1)及び(2)を必須成分としてそれぞれ5モル%以上を含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなり、該共重合体の重量平均分子量が100万?1,300万であり、且つ、pH7におけるカチオンコロイド当量値が0.1meq/g以上であるものを用いることが有効である。


オ)「【0026】
本発明で使用する有機凝集剤としては、特に限定されず、アクリル系、ポリアミン系、ポリジシアンジアミド系およびジアクリルアンモニウム系の化合物から選ばれる少なくともいずれかの高分子凝集剤を用いることができる。本発明者らの検討によれば、下記に挙げる高分子凝集剤を用いれば、より顕著な効果が得られる。具体的には、下記一般式(1)及び(2)を必須成分としてそれぞれ5モル%以上を含む原料モノマーから誘導されるカチオン性又は両性の共重合体を主成分としてなり、該共重合体の重量平均分子量が200万?1,300万であり、且つ、pH7におけるカチオンコロイド当量値が0.4meq/g以上であるものを用いることが有効である。


カ)「【0028】上記式(1)で示されるモノマーの代表的なもとしては、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチルアクリレートの塩酸塩等が挙げられる。また、式(2)で示されるモノマーの代表例としては、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。」

2.先願1に記載された発明
i)上記の記載事項ア)から、優先基礎明細書に記載され公開された発明は、
「凝集剤を用い、廃水中から懸濁物質を凝集沈降させて取り除くための廃水中の懸濁物質の除去処理方法であって、
上記凝集剤として少なくとも1種の有機凝集剤を用い、
少なくとも、粗大な懸濁物質と微細な懸濁物質とが併存し、且つ、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態の水の中に、前記有機凝集剤が共存する状態を生じさせることで、前記粗大な懸濁物質と前記微細な懸濁物質とを同一の処理で凝集沈降させ、これらを同時に除去できるようにしたことを特徴とする廃水中の懸濁物質の除去処理方法。」についてのものである。
ii)上記「懸濁物質の除去処理方法」における「廃水」は、同イ)ウ)から、「製鐵所」において「連続鋳造工程」や「圧延工程」における「直接冷却廃水」に「有機凝集剤」を添加して「SSを除去処理されて処理水となった後、再び直接冷却水として循環使用され」るものであるといえる。
iii)さらに、同「懸濁物質の除去処理方法」において、「有機凝集剤」は「少なくとも、粗大な懸濁物質と微細な懸濁物質とが併存し、且つ、流速が0.5m/秒以上で、乱流状態の水の中に、前記有機凝集剤が共存する状態を生じさせる」ものであり、これは、同イ)から、「スケールスルースのスケールピット3からできるだけ遠い地点で有機凝集剤を添加する」ことにあたるものといえる。
iv)すると、上記「懸濁物質の除去処理方法」は、「製鐵所」の「連続鋳造工程」や「圧延工程」における「直接冷却廃水」に「有機凝集剤」を添加して、「廃水中から懸濁物質を凝集沈降させて取り除」き「直接冷却水として循環使用」するための「廃水中の懸濁物質の除去処理方法」であって、「スケールスルースのスケールピット3からできるだけ遠い地点で有機凝集剤を添加」して「前記粗大な懸濁物質と前記微細な懸濁物質とを同一の処理で凝集沈降させ、これらを同時に除去できるようにしたことを特徴とする廃水中の懸濁物質の除去処理方法。」であるといえる。
v)そして、上記の記載事項エ)と記載事項オ)は少なくとも下線を付した部分において記載が異なるところ、優先権主張の利益を享受できるのは、優先基礎明細書に記載された内容である記載事項オ)の内の公開された内容であり、これはすなわち記載事項エ)と公開された部分であるオ)の共通部分であるので、それは、「本発明で使用する有機凝集剤としては、特に限定されず、アクリル系、ポリアミン系の化合物から選ばれる少なくともいずれかの高分子凝集剤を用いることができる。」という文言になるものであり、同文言に記載された高分子凝集剤はカチオン系高分子凝集剤であるとはいえるが、同文言の文意や同カ)に記載される具体例からみて、あらゆるカチオン系高分子凝集剤を含むものではなく、「アクリル系、ポリアミン系の化合物から選ばれる少なくともいずれか」であれば「特に限定」されない「カチオン系高分子凝集剤」であると解される。
なお、同エ)、オ)には、「有機凝集剤」についてより具体的に、それぞれ一般式(1)(2)であらわされる二成分のモノマーを必須として誘導される「カチオン性又は両性の共重合体を主成分」とするものが示されているが、二成分共に「ジアリルジメチルアンモニウム塩」とは相違するものである。
vi)以上から、本願の請求項1の記載に則して整理すると、先願1には、
「製鐵所の連続鋳造工程や圧延工程における直接冷却廃水に、カチオン系高分子凝集剤を添加して、廃水中から懸濁物質を凝集沈降させて取り除き直接冷却水として循環使用するための廃水中の懸濁物質の除去処理方法であって、スケールスルースのスケールピットからできるだけ遠い地点で同高分子凝集剤を添加して、粗大な懸濁物質と前記微細な懸濁物質とを同一の処理で凝集沈降させ、これらを同時に除去できるようにすることからなり、前記カチオン系高分子凝集剤が、アクリル系、ポリアミン系の化合物から選ばれる少なくともいずれかであれば特に限定されないものである、廃水中の懸濁物質の除去処理方法。」の発明(以下、「先願1発明」という。)が記載されていると認められる。

3.本願発明1と先願1発明との対比
i)本願発明1は、「直接冷却水は、鉄製品や中間製品に直接スプレーされた後、またはこれらを浸漬した後、循環させて再び冷却に使用される水であり、油分や鉄分などの懸濁物質などの水不溶性物により汚染されるため、水不溶性物質を凝集処理により除去する必要がある」(本願明細書【0004】)ところ、「スケールピットでの鉄分などの凝集沈殿効果が向上し、スケールピットでのスラッジ回収が促進され、沈殿槽や濾過機での処理負荷が軽減され、処理水の水質向上が達成される」(【0010】)ものであるから、「カチオン系高分子凝集剤」の添加により「懸濁物質」を「凝集沈殿」させるものといえる。
したがって、先願1発明の「製鐵所の連続鋳造工程や圧延工程における直接冷却廃水に、カチオン系高分子凝集剤を添加して、廃水中から懸濁物質を凝集沈降させて取り除き直接冷却水として循環使用する」ことは、本願発明1の「製鉄所の連続鋳造工程または圧延工程において直接冷却水として使用した水にカチオン系高分子凝集剤を添加した後、該処理水を循環使用する」ことに相当する。
ii)また、本願発明1の「水処理方法」は、廃水である「直接冷却水」の「懸濁物質」を除去処理して循環できるようにするものである。
したがって、先願1発明の「廃水中の懸濁物質の除去処理方法」は、本願発明1の「水処理方法」に相当する。
iii)先願1発明の「スケールスルースのスケールピットからできるだけ遠い地点で同高分子凝集剤を添加して、粗大な懸濁物質と前記微細な懸濁物質とを同一の処理で凝集沈降させ、これらを同時に除去できるようにすること」は、「スケールスルース」が「連続鋳造工程や圧延工程における直接冷却廃水」の回収される箇所であることは明らかだから、本願発明1の「前記カチオン系高分子凝集剤を、前記連続鋳造工程または圧延工程の直接冷却水の回収部であるスケールスルースに添加すること」に相当する。
iv)以上から、本願発明1と先願1発明とは
「製鉄所の連続鋳造工程または圧延工程において直接冷却水として使用した水にカチオン系高分子凝集剤を添加した後、該処理水を循環使用する直接冷却水循環系の水処理方法であり、前記カチオン系高分子凝集剤を、前記連続鋳造工程または圧延工程の直接冷却水の回収部であるスケールスルースに添加することからなる、水処理方法。」の点で一致し、次の点で一応相違する。

<相違点>
「カチオン系高分子凝集剤」について、本願発明1では「ジアリルジチルアンモニウム塩をモノマー成分として含む重合体」であるのに対して、先願1発明では「アクリル系、ポリアミン系の化合物から選ばれる少なくともいずれかであれば特に限定されないもの」である点。

4.相違点の判断
本願発明1で用いられる「カチオン系高分子凝集剤」は「ジアリルジメチルアンモニウム塩をモノマー成分として含む重合体」であって、これは、アリル基(-CH_(2)CH=CH_(2))を含むが、アクリル基(アクリロイル基 -COCH=CH_(2))を含まないからアクリル系でなく、第一級アミノ基が3つ以上結合した直鎖脂肪族炭化水素でないのでポリアミンでもないから、「アクリル系、ポリアミン系の化合物から選ばれる少なくともいずれかであれば特に限定されないもの」にあたるものとはいえない。
したがって、上記相違点は実質的なものであって、本願発明1は先願1発明とはいえない。

次に、引用例2、3について以下に検討する。
引用例2には、「鉄鋼の熱間圧延工程や連鋳工程」での「冷却水」の「工程廃水」を「凝集処理」して「循環再利用」する凝集処理方法において、「リン酸もしくはその塩」と「カチオン性高分子凝集剤」として「ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド」を併用することで高い凝集効果を得られるという技術手段が記載されているといえる。
引用例3には、「製鉄所の圧延工程の成形過程における鋼材や鋼板等の鋼鉄製品や圧延ロール等に直接スプレーしたり、浸漬等して、これらの冷却又はスケール落とし等に用」いた「直接冷却水」を「循環使用する」ための処理剤として、「カチオン系有機凝集剤」としての「ジアリルジメチルアンモニウム塩」と、「分子内にカルボキシル基を含有しないホスホン酸系スケール防止剤」を併用すると、「凝集」に優れ、「機器等の洗浄や交換の頻度を低減させ、より経済的に直接冷却水を再利用する」ことができるという技術手段が記載されているといえる。
すると、引用例2及び3に記載の技術手段は、いずれも「ジアリルジメチルアンモニウム塩」をリン酸やホスホン酸と併用することで凝集等の効果を向上させるものといえる。
しかし、先願1発明は高分子凝集剤として「アクリル系、ポリアミン系の化合物から選ばれる少なくともいずれかであれば特に限定されないもの」を用いるものであり、リン酸やホスホン酸を用いるものでもないから、先願1発明において、「ジアリルジメチルアンモニウム塩」を用いることが周知技術とはいえない。

以上から、本願発明1は、引用例2及び3に記載の技術手段を参酌しても、先願1発明との差違が周知技術の付加であって課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえない。
したがって、本願発明1は、先願1の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一の発明ではなく、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものとはいえない。
本願発明1を引用する本願発明2及び3についても同様である

また、本願明細書の【0010】【0011】【0016】には、「カチオン系高分子凝集剤」として「ジアリルジメチルアンモニウム塩をモノマー成分として含む重合体」を用いることで、「凝集沈殿効果が向上し、スケールピットでのスラッジ回収が促進され、沈殿槽や濾過機での処理負荷が軽減され、処理水の水質向上が達成される」という効果をさらに発揮することが記載されており、このことは、平成29年7月18日手続補足書(実験報告書)において、製鉄所のスケールピット水の凝集のために高分子凝集剤をスケールスルースに添加した場合に、添加した高分子凝集剤が、本願発明1の「ジアリルジメチルアンモニウム塩をモノマー成分として含む重合体」であれば、周知のポリアミン系高分子凝集剤(上記記載事項エ)オ)を参照)に対して、凝集効果が高いことが示されていることから裏付けられているといえる。

そして、刊行物等提出書では、先願1と出願人が一部共通する先願4(特願2012-264357号(特開2014-108394号))を引用しているので、先願4の願書に最初に添付された明細書又は図面の記載をみてみると、先願1の願書に最初に添付された明細書又は図面の記載を越えるものではなく、本願発明1は、先願1についての上記判断と同様に、先願4の願書に最初に添付された明細書又は図面の記載の発明と同一発明であるとはいえない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本願については、原査定の拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-12-05 
出願番号 特願2013-204793(P2013-204793)
審決分類 P 1 8・ 16- WY (C02F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 金 公彦  
特許庁審判長 大橋 賢一
特許庁審判官 中澤 登
山崎 直也
発明の名称 水処理方法  
代理人 甲斐 伸二  
代理人 甲斐 伸二  
代理人 金子 裕輔  
代理人 野河 信太郎  
代理人 稲本 潔  
代理人 稲本 潔  
代理人 金子 裕輔  
代理人 野河 信太郎  
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