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審決分類 審判 全部申し立て 特39条先願  H04N
審判 全部申し立て 発明同一  H04N
審判 全部申し立て 2項進歩性  H04N
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H04N
管理番号 1335162
異議申立番号 異議2017-700475  
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-05-15 
確定日 2017-12-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第6027650号発明「画像形成装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6027650号の請求項1ないし12に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6027650号の請求項1?12に係る特許についての出願は、平成22年10月25日の出願である特願2010-238889号の一部を、特許法第44条第1項の規定により、平成27年6月24日に新たな特許出願(特願2015-126225号)としたものであって、平成28年10月21日にその特許権の設定登録がされ、その後、平成29年5月15日付けで特許異議申立人キヤノン株式会社より、請求項1?12に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、当審において平成29年7月31日付けで取消理由を通知し、平成29年9月29日付けで意見書が提出されたものである。

2.本件特許発明
本件特許の請求項1?12に係る発明(以下、「本件特許発明1?12」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?12に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(請求項1における(A)?(I)の符号は、当審において付与した。以下、「構成A」等という。)

〔本件特許発明1〕
【請求項1】
(A)画像データを入力する入力手段と、
(B)前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
(C)前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
(D)前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
(E)前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
(F)前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、を具備する
(G)画像表示操作装置
を備える
(H)画像形成装置において、
(I)前記表示手段は、プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能を備えることを特徴とする
(H)画像形成装置。

〔本件特許発明2〕
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記画像データの入力が停止されたことを報知すること機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明3〕
【請求項3】
前記表示手段は、一端側に前記機能選択領域を備えるとともに、他端側に操作に関する情報を表示する情報表示領域を備え、
前記プレビュー領域は、前記表示手段の前記機能選択領域と前記情報表示領域との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明4〕
【請求項4】
前記表示手段には、機能選択メニューが表示され、
前記機能選択メニューは、複数の表示モードを備え、
前記表示手段は、前記表示モードに応じて、ユーザの選択により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明5〕
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記画像データに基づく表示画像を前記プレビュー領域の一方端から出現させて、中央位置に向かって移動するように表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明6〕
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画像データに基づく表示画像を前記プレビュー領域に表示するときは、操作についての情報が表示されるアクションパネル領域の背後から出現するように表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明7〕
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記プレビュー領域に2枚目の表示画像を表示するときは、1枚目の表示画像を徐々に小さくしながら消去する機能を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明8〕
【請求項8】
前記表示制御手段は、画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、前記画像データの入力状況を案内する前記画像データに基づく表示画像のプレビュー表示を展開することを停止する機能と、画像データの入力停止前に入力が完了した最終の画像データの表示画像を表示する機能を備え、
画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、画像データの入力停止前に入力が完了した最終の画像データの表示画像を表示することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明9〕
【請求項9】
前記表示制御手段は、画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、前記画像データの入力状況を案内する前記画像データに基づく表示画像のプレビュー表示を展開することを停止する機能と、画像データの入力停止状態を解除するための案内画面を表示する機能を備え、
画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、画像データの入力停止状態を解除するための案内画面を表示することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明10〕
【請求項10】
前記表示制御手段は、入力処理を再開する指示画面を表示する機能と、画像データの入力処理を再開する機能とを備え、
画像データの入力停止状態が解除された後に、入力処理を再開する指示画面を表示して、入力処理を再開する指示があったときに、画像データの入力処理を再開することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明11〕
【請求項11】
前記表示制御手段は、どの画像から入力再開が必要かを報知する機能を備え、
画像データの入力停止状態が解除された後に、どの画像から入力再開が必要かを報知することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

〔本件特許発明12〕
【請求項12】
前記表示制御手段は、最初に入力された画像データの表示画像を表示する機能を備え、
画像データの入力停止状態が解除された後に、画像データの入力処理を再開した場合には、最終画像データの入力状況が表示された後に、最初に入力された画像データの表示画像を表示することを特徴とする請求項8から11のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

3.取消理由通知に記載した取消理由の概要
当審において、請求項1-12に係る特許について通知した取消理由の要旨は次のとおりである。

本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

請求項1の「前記表示手段は、プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能を備え」との事項については、発明の詳細な説明には、何ら記載されておらず、また、示唆もされていない。
よって、請求項1及びこれを直接又は間接的に引用する同請求項2-12に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

4.取消理由通知に記載した取消理由についての判断
請求項1に記載した「プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」に関して、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。

【0073】
機能選択領域2000には、各機能の設定、表示の切り換え、設定の確認のためにユーザにより操作される機能選択メニュー(アイコン、ボタン等)が、アイコンモード、レギュラーモードおよびエキスプレスモードで表示態様を変更して、表示される。アイコンモードにおいては、プレビュー領域3000が最も広くなるように機能選択領域2000には機能設定用のアイコンのみが表示される。エキスプレスモードにおいては、プレビュー領域3000が最も狭くなっても機能選択領域2000には機能を一度に設定できる画面が大きく表示される。レギュラーモードにおいては、プレビュー領域3000の大きさはアイコンモードとエキスプレスモードとの中間の大きさであって、機能選択領域2000には機能設定のアイコンとともに機能名称がテキスト表示される。
【0074】
これらのアイコンモード、レギュラーモードおよびエキスプレスモードの切り換えはユーザの操作に基づく。すなわち、プレビュー領域3000の大きさが、ユーザの操作に応じて変更して表示される。このように、アイコンは、小さい領域でユーザへの情報を伝達することができるので、全ての機能に対して準備しておいて、プレビュー領域3000が大きく表示できることが好ましい。
【0075】
この機能選択領域2000には、その下部に機能選択領域2000の表示スタイルを変更する変更ボタン群2010を備える。変更ボタン群2010には、アイコンモードで機能選択領域2000を表示するアイコンモード移行ボタン2012、「お気に入り」登録した機能を表示させるお気に入りボタン2014、設定が変更された機能を表示させるチェックボタン2016、選択されている動作モードにおいて設定可能な全ての機能の一覧を表示するリストボタン2018、レギュラーモードで機能選択領域2000を表示するレギュラーモード移行ボタン2020、および、エキスプレスモードで機能選択領域2000を表示するエキスプレスモード移行ボタン2022が配置されている。

【0095】
コピーモード初期画面7100の機能選択領域2000には、コピーモードにおいてユーザが選択できる機能選択メニュー2100および上述した変更ボタン群2010が表示されている。図5に示す画面では、レギュラーモードで機能選択メニューが表示されている。

【0099】
コピーモード初期画面7100のプレビュー領域3000には、原稿の出力(仕上がり)イメージ3100および上述したプレビュー変更ボタン群3010が配置されている。このとき、ダミーデータまたはスキャンデータを用いてイメージ3100が表示され、ユーザが機能選択領域2000の機能設定メニューを変更する毎に、イメージ3100が変更されてプレビュー領域3000に表示される(プレビューの表示が変更)。

【0104】
次に、機能選択領域2000をアイコンモードで表示してプレビュー領域3000を広げた場合の、プレビューページの変更動作について説明する。
【0105】
図6に示すように、プレビューのイメージ3118が表示されている場合において、ユーザが、プレビュー表示された画面をユーザが左へフリックすると、入力軌跡が分析される。このとき、このユーザによるジェスチャー操作はページをめくる要求であると分析されて、フリックした方向に応じた表示されていない別のページを含むプレビューイメージが表示される。
【0106】
また、このようにプレビューイメージが表示されるページを移動させるには、ページ送りボタン3118G、ページ早送りボタン3118H、ページ戻しボタン3118E、ページ早戻しボタン3118Dをタッチ操作しでも可能である。さらに、ページ直接指定ボタン3118Fをタッチして直接移動させたいページを入力することにより、プレビューイメージが表示されるページを移動させることも可能である。
【0107】
このように、機能選択領域2000がアイコンモードで表示されると、プレビュー領域3000が広がり、図6に示すように、ユーザの視認性およびユーザの操作性が高まるように、プレビューイメージを表示することができる。特に、タッチ操作またはジェスチャー操作により、表示させたいプレビューイメージまで移動して、所望のプレビューを表示させることができる。

これらの記載によれば、本件特許の発明の詳細な説明に記載の実施形態(以下、「本件実施形態」という。)は、「変更ボタンにより、アイコンモード、レギュラーモード、エキスプレスモードをユーザが切り換えることにより、プレビュー領域の大きさが変更されて表示される」ものであるといえる。
また、レギュラーモードの表示例である図5と、アイコンモードの表示例である図6とを見比べると、「プレビュー領域中に表示される原稿の出力(仕上がり)イメージのサイズが、モードによって異なっていること」が把握されるから、本件実施形態におけるユーザによるモードの切り換えは、「プレビュー領域の大きさ」を変更するとともに、「プレビュー領域に表示される出力イメージのサイズ」も変更するものであるといえる。
してみれば、本件実施形態は、ユーザが変更ボタンを操作してモードを切り替えると、プレビュー表示される出力イメージのサイズと、プレビュー領域の大きさが変更されて表示されるものであるといえる。
ここで、モードの切り換え操作に係る「変更ボタン」は、請求項1でいう「選択手段」に、「出力イメージ」は、請求項1でいう「表示画像」に対応するものであるから、請求項1の「前記表示手段は、プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能を備えること」は、発明の詳細な説明に記載されているといえる。
よって、本件特許の特許請求の範囲の記載は、取消理由通知にて指摘した点においては、特許法36条6項1号の規定に違反するものとはいえない。

5.取消理由通知において採用しなかった取消理由の概要
特許異議申立人キヤノン株式会社は、以下の証拠を提出し、次の理由1?5により、本件特許は取り消すべきものである旨主張する。

甲1号証:特開2009-4970号公報
甲2号証:特開2010-109844号公報
甲3号証:特開2001-52191号公報
甲4号証:特開平11-250237号公報
甲5号証:特開2009-175935号公報
甲6号証:特開2009-282827号公報
甲7号証:特開2009-207023号公報
甲8号証:特開2010-109896号公報
甲9号証:特開2010-62755号公報
甲10号証:特開2008-219735号公報
甲11号証:特開2009-78372号公報
甲12号証:特開2010-171780号公報
甲13号証:特開2004-104675号公報
甲14号証:特開2011-121230号公報
甲15号証:特許6091694号公報

(理由1)請求項1-12は、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することとなっているから、請求項1-12に係る特許は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してなされたものである(異議申立書における理由1(II)、なお、理由1(I)は、取消理由通知として採用した。)。
(理由2)請求項1に係る特許は、甲1?5号証に記載された発明であるから、特許法第29条1項3号に違反してなされたものである。
(理由3)請求項1-12に係る特許は、甲1?13号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
(理由4)請求項1に係る特許は、甲14号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである。
(理由5)請求項1-12に係る特許は、同日出願に係る甲15号証に記載された発明と同一であり、同出願は既に特許され協議を行うことができないから、特許法第39条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

6.取消理由通知において採用しなかった取消理由についての判断
(1)理由1(特許法36条6項1号)について
本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0009】には、「入力された原稿の画像をリアルタイムにプレビュー表示することで、原稿の読取り処理が途中で中断した場合でも、入力の進捗状態を確認することができ、停止状態の解除後に停止以降分から入力処理を再開する際に、ユーザに対して無駄な手間を与えず、利便性の向上を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。」との記載があり、本件発明の課題は、入力の進捗状態を確認することができるようにし、画像形成装置の利便性の向上を図ることであると認められる。
また、上記課題を解決するための手段として、発明の詳細な説明の【0137】及び図10には、読み込まれた原稿の画像データを蓄積手段に記憶し、その記憶された画像データに基づき表示画像生成手段によりプレビュー表示される表示画像を生成し、プレビュー領域に表示画像をプレビュー表示する、という一連の処理を行うことが開示されている。
これに対し、本件特許発明1は、入力手段で入力した画像データを蓄積する蓄積手段、蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段、表示画像生成手段により生成された表示画像を表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段等を有するものであるから、上記した課題を解決するための手段が反映されているといえる。
よって、本件特許発明1は、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することとなっているとはいえない。
また、本件特許発明2-12は、請求項1を引用するから、本件特許発明1と同様に、発明の課題を解決するための手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求することとなっているとはいえない。

(2)理由2(特許法29条1項3号)について
(2-1)甲1号証について
(2-1-1)甲1号証の記載事項
甲1号証には、「画像表示機能付きデバイス、画像表示付デバイスの表示方法、及びコンピュータ読み取り可能なプログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0010】
図1は本発明における、画像表示機能付きデバイスの構成例を示す。ここでは具体的なデバイスとしてコピー機能、印刷機能を有するMuulti Function Printer(多機能プリンタ、MFPと略す)の例を記載する。なお、ここではMuulti Function Printer(多機能プリンタ、MFPと略す)について説明するが、これに限らない。単機能のプリンタ装置や、スキャナ装置、ファクシミリなどデータ送受信装置、携帯電話端末、ビデオデータの表示装置などであってもよい。図への付与番号順に従い、説明する。

【0013】
105は、外部インターフェース108を介して、デバイスに入力される画像データを示す。この場合の画像データは、静止画、動画、TV映像データを示し、特にその画像の種類を限定するものではない。
【0014】
108は、当該デバイスと外部の装置と通信するための外部インターフェースを示す。この外部インターフェースは、無線インターフェース、有線インターフェースのいずれであってもよい。詳述すると外部インターフェース108は、外部の装置との間で操作指示、装置のステータス情報、画像を含むデータの送受信をするためのインターフェースである。また、外部インターフェース108はデバイスが画像データ等の入力を受け付ける為のメディアスロット等としての機能を含んでもよい。

【0017】
111は、当該デバイスにおける、画像データ制御部を示す。当該デバイスが入力を受け付けた画像データの画素情報、形式等を検出し、且つ表示に関する制御(動画像、TV画像の受信画像のデコード等)を行う。具体的には、画像解析モジュール、動画像でコードモジュール、TV画像チューナー、等を備える。

【0023】
117は、外部インターフェース108、スキャナ部118から入力される画像データやプリンタ部120に出力される画像データを蓄積する画像データ蓄積部である。

【0026】
119は、原稿を読み取るためのスキャナ部、120は、画像データを印刷するためのプリンタ部である。
【0027】
図2について説明する。図2は本発明において想定される代表的な実施例を示す。
【0028】
201は、操作入力部102に表示される操作画面を示す。操作画面201は、タッチパネル式の液晶ディスプレイで構成され、複数の表示オブジェクトが表示されている。MFP制御部113は、デバイスを制御するか、デバイスの状態を示す各種のオブジェクトを表示させ、ユーザが表示されているボタンを操作でき、表示されている項目を確認できるように構成されている。ここでは、操作画面201が、タッチパネル式の液晶ディスプレイで構成されている例に説明するが、これに限らない。タッチパネル式でない液晶ディスプレイ、CRTなどのディスプレイであってもよい。その場合、マウス、などのポインティングデバイスが、表示されているオブジェクトを指定する。202は、デバイスに画像データが入力された際に形成される画像表示領域を示す。

【0031】
デバイス本体102が画像データ105を受信し、受信した画像データ105の縦横のサイズに基づいて、画像データ105を画像データ105操作入力部102に表示する。図中の矢印は、メッセージ表示部203を表示している状態から、画像表示領域202を形成した状態に表示形態が遷移したことを示している。具体的には、画像表示領域202を形成する際に、MFP制御部113は、操作入力部102は、幾つかのボタンを示す表示オブジェクトを非表示とし、画像表示領域202を確保する。このように、いくつかのボタンを示す表示オブジェクトは非表示となる。しかしながら、受信した画像データを表示している場合でも、コピーボタン211や、FAXボタン212、SENDボタン213等の表示オブジェクトは表示されている。これによって、あるユーザが受信した画像/動画を視聴している場合であっても、画像データの視聴を邪魔されることがない。しかも、別のユーザがコピー、FAX、SENDなどのデバイスの機能を使用することができるという顕著な効果を有する。さらに、あまり使われないボタン(または項目)については非表示とするため、受信した画像データを表示する領域を大きくすることができるという顕著なメリットを有する。

【0048】
図4は本発明における、メインフローチャートを示す。このメインフローチャートは、プログラム格納部117に格納されている。MFP制御部113はプログラム格納部117に格納されているプログラムに従っての図4に示すフローチャートを実行する。図4に従ってMFP制御部113の動作を説明する。
【0049】
S401は、デバイス101が、外部インターフェース108を通じて、画像データ105を受信したことを示す。画像データを受信すると、MFP制御部113はS402に進む。S402では、画像データ制御部111が、当該デバイスに入力された画像データの縦横それぞれの解像度、縦横それぞれの画素数に基づいて縦横比率を算出する。これによって、画像表示領域202のサイズを決定する。

【0055】
S406は、MFP制御部113は、画像表示領域202を、S405において表示されている各種表示するオブジェクト(ボタンまたは表示項目)に重ならない範囲において、拡大し、表示するオブジェクト(ボタンまたは表示項目)を再配置する。この際、MFP制御部113は、画像表示領域202の縦横比は変らないようにする。これによってI、変倍する場合でも、画像の歪の少ない画像を鑑賞できるという顕著なメリットを有する。ここでは、画像表示領域202を拡大しているが、表示する画像データサイズが大きい場合は、等倍や、縮小処理を施してもよい。これによって、画像表示領域202は、MFPデバイスの各種設定、状態の確認を行うためのメッセージ表示部203の領域よりも広い領域を確保することができるという顕著なメリットを有する。また、画像の横と縦の比率が16対9であるハイビジョン放送などの横の長い画像に適した位置にオブジェクト(操作ボタンまたは表示オブジェクト)を配置することができるようになるという顕著なメリットを有す。

(2-1-2)甲1号証に記載された発明
甲1号証に記載された発明について検討する。
(2-1-2-1)【0010】には、画像表示機能付きデバイスとしての「MFP」が記載されている。

(2-1-2-2)【0013】、【0014】には、デバイスが、画像データを入力する外部インターフェイスを備えることが、【0023】には、デバイスが、画像データを蓄積する画像データ蓄積部を備えることが、【0026】には、デバイスが、画像データを印刷するためのプリンタ部を備えることが、それぞれ記載されている。

(2-1-2-3)【0017】には、デバイスが、入力された画像データの画素情報、形式等の検出と、表示に関する制御を行う画像データ制御部を備えることが記載され、表示に関する制御として、画像データの動画像のデコード処理等を行うことが記載されている。

(2-1-2-4)【0027】、【0028】及び図2には、デバイスが、操作画面としてタッチパネル式の液晶ディスプレイを備え、操作画面には、画像データが入力された際に画像表示領域が形成されることが記載され、【0031】には、画像表示領域を形成する際に、幾つかのボタンを示す表示オブジェクトを非表示として、画像表示領域を確保することが記載されている。ここで、画像表示領域には、画像データをデコード処理等した画像が表示されることは明らかである。

(2-1-2-5)【0049】には、画像データ制御部が、外部インターフェイスを通じて入力された画像データの解像度、画素数に応じて、画像表示領域のサイズを決定することが記載され、【0055】には、画像表示領域を、表示されている表示オブジェクトと重ならない範囲において拡大し、表示オブジェクトを再配置することが記載されている。

してみれば、甲1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成1a、構成1bなどと称する。

(甲1発明)
(1a)画像データを入力する外部インターフェイスと、
(1b)画像データを印刷するためのプリンタ部と、
(1c)画像データを蓄積する画像データ蓄積部と、
(1d)画像データのデコード処理を含む、表示に関する制御を行う画像データ制御部と、
(1e)画像データをデコード処理した画像が表示される画像表示領域を備える操作画面と、
を備え、
(1f)画像データ制御部は、入力された画像データの解像度、画素数、表示されている表示オブジェクトに応じて、画像表示領域のサイズを決定して表示する機能を有する、
(1g)MFP。

(2-1-3)対比、判断
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
(2-1-3-1)本件特許発明1の構成A?Cと、甲1発明の構成1a?1cとの対比
甲1発明の「外部インターフェイス」、「プリンタ部」、「画像データ蓄積部」は、本件特許発明1の「入力手段」、「出力手段」、「蓄積手段」に相当するから、甲1発明の構成1a?1cと本件特許発明1の構成A?Cとは一致する。

(2-1-3-2)本件特許発明1の構成D?Gと、甲1発明の構成1d?1eとの対比
甲1発明の「画像データ制御部」が行う「デコード処理を含む、表示に関する制御」には、本件特許発明1の「表示画像生成手段」が行う「表示画像を生成する」処理に加えて、本件特許発明1の「表示制御手段」が行う「表示手段上に表示する」処理が含まれることは、表示制御に関する分野の技術常識から明らかであり、甲1発明の「画像データ制御部」は、これらの処理を行う点で、本件特許発明1の「表示画像生成手段」及び「表示制御手段」の両方に対応するといえる。
そして、甲1発明のデコード処理された「画像」は、本件特許発明1の「表示画像」に対応し、甲1発明の「操作画面」は、画像を表示する機能を備えているから、本件特許発明1の「表示手段」及びこれを備えた「画像表示操作装置」に対応するといえる。
そうすると、甲1発明の構成1d?1eと本件特許発明1の構成D?Gとは、
「画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上に表示する表示制御手段と、を具備する画像表示操作装置」
である点で共通し、以下の2点で相違する。
ア)表示画像の生成に係る「画像データ」が、本件特許発明1では、「蓄積手段に蓄積された」ものであるのに対し、甲1発明では、「蓄積手段に蓄積された」と特定されていない点。
イ)本件特許発明1では、表示手段に備わる、表示画像を表示する領域が、「プレビュー領域」であり、表示手段上に表示画像が「プレビュー表示」されるのに対し、甲1発明では、「プレビュー領域」や「プレビュー表示」についての特定がない点。

(2-1-3-3)本件特許発明1の構成Iと、甲1発明の構成1fとの対比
甲1発明の構成1fは、「表示画像を表示する領域の大きさを制御して表示する機能」である点では、本件特許発明1の構成Iと共通する。
しかしながら、甲1発明における上記機能は、入力された画像データの解像度、画素数、表示されている表示オブジェクトに応じて、画像表示領域のサイズを決定して表示する機能であり、本件特許発明1のように、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により表示領域の大きさを変更して表示する機能」ではない点で相違する。

(2-1-3-4)本件特許発明1の構成Hと、甲1発明の構成1gとの対比
甲1発明の「MFP」は、「画像形成装置」といえるから、甲1発明の構成1gは、本件特許発明1の構成Hと一致する。

(2-1-3-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲1発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データを入力する入力手段と、
前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上に表示する表示制御手段と、を具備する画像表示操作装置
を備える画像形成装置において、
表示画像を表示する領域の大きさを制御して表示する機能を有する、
画像形成装置」

(相違点1-1)
表示画像の生成に係る「画像データ」が、本件特許発明1では、「蓄積手段に蓄積された」ものであるのに対し、甲1発明では、「蓄積手段に蓄積された」と特定されていない点。

(相違点1-2)
本件特許発明1では、表示手段に備わる表示画像を表示する領域が、「プレビュー領域」であり、表示画像が表示手段上に「プレビュー表示」されるのに対し、甲1発明は、「プレビュー領域」及び「プレビュー表示」についての特定がない点。

(相違点1-3)
「表示画像を表示する領域の大きさを制御して表示する機能」が、本件特許発明1では、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲1発明では、画像データ制御部が備える、入力された画像データの解像度、画素数、表示されている表示オブジェクトに応じて、画像表示領域のサイズを決定して表示する機能である点。

(2-1-3-6)判断
本件特許発明1と甲1号証に記載された発明とは、上記のとおりの相違点を有するから、両者は同一であるとはいえない。

(2-2)甲2号証について
(2-2-1)甲2号証の記載事項
甲2号証には、「画像形成装置及びプレビュー表示方法」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、原稿画像を読み取った画像データを画像形成前にプレビューする機能を備えた画像形成装置及びプレビュー表示方法に関する。

【0018】
<デジタル複合機を用いた画像処理システムの構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置の一例としてのデジタル複合機を用いて構築される画像処理システムの構成例を示す模式図である。図4において、1はデジタル複合機、2,3は外部コンピュータ、4はインターネットファクシミリ装置(インターネットFAX装置)、5はファクシミリ装置である。
【0019】
デジタル複合機1は、プリント機能、コピー機能の他に、画像データをファックスで送受信する機能(ファクシミリ機能)及び/または画像データをインターネットFAXで送受信する機能(インターネットFAX機能)を有する。このデジタル複合機1には、通信網を介して各種の外部機器が接続されている。例えば、ローカルな通信網として敷設されている通信ネットワークLNには、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部コンピュータ2が接続されおり、図に示していないゲートウェイ等を介して接続されているインターネット網INには外部コンピュータ3及びインターネットFAX装置4が接続されている。

【0047】
以下、このデジタル複合機1の機能とその構成及び動作について説明する。図5は、図1のデジタル複合機の構成例を示す概略ブロック図である。
また、図6は、図5のデジタル複合機におけるタッチパネル及びキー操作部の一例を示す外観図である。
【0048】
図5で例示するデジタル複合機1は、タッチパネル10、パネル制御部11、記録部12、読取部13、フォーマット変換部14、画像記憶部15、画像処理部16、符号化/復号部17、メイン制御部18、制御用メモリ19、キー操作部20、LAN(Local Area Network)制御部21、制御用バッファ22、網制御部(NCU:Network Control Unit)23、モデム24及びUSB(Universal Serial Bus)インターフェース(I/F)25を備えている。
なお、図5では示していないが、デジタル複合機1は、先述した穴あけ(パンチ)やステープル処理などを行う後処理装置を備えている。

【0051】
読取部13は、CCD(Charge Coupled Device)を利用したスキャナで、原稿を所定の解像度のRGB(R:赤、G:緑、B:青)のビットマップ画像として読み取り、読み取ったRGBの画像データ(ドットイメージデータ)を画像処理部16に出力する。画像処理部16は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成され、対象となる画像データに対して様々な画像処理を施す。上述のASICには符号化/復号部17等の他の部位も組み込んでよい。
【0052】
画像記憶部15は、ハードディスク等で構成され、読取部13で読み取り画像処理部16を経た画像データや、LAN制御部21やNCU23等を介して外部から受信した画像データなどを記憶する。画像記憶部15に画像データを記憶する際には、符号化/復号部17で符号化したデータを記憶することもできる。また、画像記憶部15は、画像処理部16での画像処理中に発生する中間データの一時的な保存も行ってもよい。

【0055】
記録部12は、電子写真方式やインクジェット方式などの印刷方式を採用したプリンタ装置を備え、画像記憶部15に記憶された画像データなどを、記録紙に記録(つまり印刷)する画像形成手段として機能する。
また、USB I/F25は、USBメモリ等のUSB機器に接続するためのI/Fであり、画像記憶装置15に記憶された原稿読み取り後の画像データ等をUSB機器に出力したり、USB機器からファイルを読み込んだりする。

【0059】
キー操作部20は、操作するために必要なキー群を備えている。タッチパネル10は、表示部とタッチセンサ等の操作受付部とを有する。タッチパネル10は、パネル制御部11によってその表示制御及び操作受け付けの制御がなされる。つまり、パネル制御部11は、タッチパネル10における表示部の表示制御や操作受付部の操作受付制御を行う。

【0062】
タッチパネル10及びキー操作部20は、図6で例示するような操作パネル30として構成される。この例では、操作パネル30は、各種ハードウェアキーを備えるキー操作部31(キー操作部20に相当する)と、液晶ディスプレイ及びタッチセンサにより構成されるタッチパネル32(タッチパネル10に相当)とにより構成される。以下、図1の構成においてタッチパネル10及びキー操作部20の代わりにタッチパネル32及びキー操作部31を当てはめて、本発明の詳細について説明する。

【0079】
<印刷する画像データのプレビュー表示動作>
次に、原稿読み取りの結果として画像記憶部15に記憶された画像データを、印刷前にタッチパネル32でプレビュー表示する動作(プレビュー表示動作)について説明する。
プレビュー表示動作は、プレビュー表示を必要とするような処理を行うユーザ操作が操作パネル30で受け付けられたときに行われる。例えば、原稿読み取り後の画像データに対して印刷実行前にまずプレビュー表示を行う設定になっているときなどにも、プレビュー表示動作がなされる。
本発明に係る実施形態では、印刷対象となる画像データをタッチパネル32にプレビュー表示するときに、さらに画像形成する用紙の仕上げ情報を表示させるための操作入力を受け付け可能とし、画像データをプレビュー表示している画面にて、仕上がり状態を表示させる操作入力が行われたときに、デジタル複合機に設定されている仕上がり条件に従って、画像データのプレビュー画像に仕上がり状態を示す情報を表示させる。

【0084】
画像処理部16に設けたプレビュー画像生成部16aは、主にこのようなプレビュー表示用の変倍処理によりプレビュー表示用の画像(プレビュー画像)を生成するためのものであり、本発明のプレビュー画像を表示部に表示するための表示制御部に相当する。
そして、後処理装置においてステープル処理を施す場合には、印刷対象となる画像データから生成したプレビュー画像に、ステープルの仕上げ情報の画像を合成して出力表示している。また、ステープル処理を行った仕上げ情報を画像データのプレビュー画像内に表示する際には、ステープル処理を行った2枚目以降のプレビュー表示は、後述するように、ページ数に応じてステープル処理によってプレビュー画像の見えなくなる領域を変化させている。

【0098】
図11は、図7の標準画面においてプレビュー確認キーを操作したときに表示されるプレビュー画面の一例を示す図である。ユーザが標準画面40においてプレビュー確認キー46を操作すると、図11に示すようなプレビュー画面70が表示される。このプレビュー画面70には、印刷対象となっている画像データのプレビュー画像71が表示される。このプレビュー画像71は、画像データに対して上述のようなプレビュー用の画像処理を行って表示したもので、縮小した画像データをページ毎に示すものである。プレビュー画像71は、このようにページ毎に表示され、ユーザは、ページ切換キー72を適宜操作することによって、任意のページのプレビュー画像を表示させることができる。また、現在表示されている画像データのページはページ表示79によっても確認することができる。
【0099】
また、11図に示すプレビュー画面70には、設定確認キー73、拡大/縮小キー74、表示の回転キー75などが表示されていて、ユーザはこれらを適宜操作することによって、プレビュー画像71の設定を確認したり、プレビュー画像71を拡大もしくは縮小、あるいは回転させて確認したりすることができる。また、プレビュー画像71を確認することで印刷条件を再設定する必要が生じた場合など、ユーザは再設定キー76を操作することにより、印刷条件を再設定するための画面を開くことができる。そして再設定画面を使用して印刷条件を再設定し、再設定した印刷条件に基づくプレビュー画像71を表示させることができる。
さらに、図11に示すプレビュー画面70には、コピー開始キー77が表示されていて、ユーザがこのコピー開始キー77を操作することによって、プレビュー表示された画像データを画像形成(印刷)する処理が開始される。
【0100】
例えば、図11のプレビュー画面70において拡大/縮小キー74を操作することによって、図12に示すように、タッチパネル上に拡大されたプレビュー画像71Aを表示させることが可能となっている。
なお、拡大/縮小キー74は、4段階の拡大/縮小が選択可能となっており、最も縮小した際には、コピー原稿の全体が表示されるようになっている。また、拡大されたプレビュー画像71Aは、原稿の一部のみが表示されているが、スクロールバー71Bを操作することによって、他の部分を表示することが可能である。

(2-2-2)甲2号証に記載された発明
甲2号証に記載された発明について検討する。
(2-2-2-1)【0018】には、「デジタル複合機」である画像処理装置について記載されている。

(2-2-2-2)【0048】及び図5には、デジタル複合機が、タッチパネル、パネル制御部、記録部、読取部、画像記憶部、画像処理部を備えることが記載されている。

(2-2-2-3)【0051】には、読取部が、原稿をビットマップ画像として読み取って出力することが、【0052】には、画像記憶部が、読み取り部で読み取った画像データを記憶することが、【0055】には、記録部が、画像記憶部に記憶された画像データを印刷することが、【0059】には、パネル制御部が、タッチパネルにおける表示部の表示制御や操作受付部の操作受付制御を行うことが、【0062】には、タッチパネルが液晶ディスプレイとタッチセンサとにより構成されることが、それぞれ記載されている。

(2-2-2-4)【0079】には、画像記憶部に記憶された画像データを、印刷前にタッチパネルでプレビュー表示動作を行うことが、【0084】には、画像処理部に設けたプレビュー画像生成部により、プレビュー画像を生成することが記載されている。

(2-2-2-5)【0098】?【0100】及び図11、12には、表示された拡大/縮小キーにより、プレビュー画像の拡大/縮小が選択可能であることが記載されている。また、図11等の記載からは、液晶ディスプレイ上にプレビュー表示のための領域が設けられることが認められる。

してみれば、甲2号証には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成2a、構成2bなどと称する。

(甲2発明)
(2a)原稿を読み取って画像データを出力する読取部と、
(2b)読取部により読み取った画像データを記憶する画像記憶部と、
(2c)画像記憶部に記憶された画像データを印刷する記録部と、
(2d)画像記憶部に記憶された画像データに基づいて、プレビュー画像を生成する画像処理部と、
(2e)プレビュー画像を表示する領域を備える液晶ディスプレイを有するタッチパネルと、
(2f)タッチパネルの表示制御を行うパネル制御部と
を備え、
(2g)表示された拡大/縮小キーの操作により、プレビュー画像を拡大/縮小する機能を有する、
(2h)デジタル複合機。

(2-2-3)対比、判断
本件特許発明1と甲2発明とを対比する。
(2-2-3-1)本件特許発明1の構成A?Cと、甲2発明の構成2a?2cとの対比
甲2発明の「読取部」、「記録部」、「画像記憶部」は、本件特許発明1の「入力手段」、「出力手段」、「蓄積手段」に相当するから、甲2発明の構成2a、2c、2bと本件特許発明1の構成A、B、Cとは一致する。

(2-2-3-2)本件特許発明1の構成D?Gと、甲2発明の構成2d?2fとの対比
甲2発明の「画像処理部」、「液晶ディスプレイ」、「パネル制御部」、「タッチパネル」は、本件特許発明1の「表示画像生成手段」、「表示手段」、「表示制御手段」、「画像表示操作装置」に相当するから、甲2発明の構成2d?2fと本件特許発明1の構成D?Gとは一致する。

(2-2-3-3)本件特許発明1の構成Iと、甲2発明の構成2gとの対比
甲2発明の構成2gは、「表示手段」が備える、「プレビュー表示される表示画像のサイズを変更する機能」である点で、本件特許発明1の構成Iと共通する。
しかしながら、「プレビュー表示される表示画像のサイズを変更する機能」として、本件特許発明1は、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を備えるのに対し、甲2発明では、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を有していない点で相違する。

(2-2-3-4)本件特許発明1の構成Hと、甲2発明の構成2hとの対比
甲2発明の「デジタル複合機」は、「画像形成装置」であるといえるから、甲2発明の構成2hは、本件特許発明1の構成Hと一致する。

(2-2-3-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲2発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データを入力する入力手段と、
前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、を具備する
画像表示操作装置
を備える画像形成装置において、
前記表示手段は、プレビュー表示される表示画像のサイズを変更する機能を備える、
画像形成装置。」

(相違点2-1)
「プレビュー表示される表示画像のサイズを変更する機能」として、本件特許発明1は、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を備えるのに対し、甲2発明では、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を有していない点。

(2-2-3-6)判断
本件特許発明1と甲2号証に記載された発明とは、上記のとおりの相違点を有するから、両者は同一であるとはいえない。

(2-3)甲3号証について
(2-3-1)甲3号証の記載事項
甲3号証には、「情報処理装置および情報処理プログラムを記憶した記憶媒体」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置および情報処理プログラムを記憶した記憶媒体に関し、さらに詳しくは、一つのウインドウ内に複数の表示領域を設け、その表示領域中にサムネイル画像や詳細グラフィック画像などを表示可能な情報処理装置および情報処理プログラムを記憶した記憶媒体に関する。

【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置に電子カメラが接続されている様子を示す。コンピュータ4にはディスプレイ6、キーボード8、マウス10が接続されている。図1において、コンピュータ4およびディスプレイ6によって本発明の実施の形態に係る情報処理装置が構成される。コンピュータ4で、後述する情報処理プログラムを実行させることにより、電子カメラ2からコンピュータ4に転送される画像データ、あるいはコンピュータ4のハードディスクドライブ等に記録されている画像データに基づく画像がディスプレイ6に表示される。
【0009】操作者は、ディスプレイ6に表示される画像を確認しながら、色調整やアンシャープマスクフィルタの調整等の処理を行う。処理後の画像データは、フロッピーディスクドライブやハードディスクドライブ、あるいはMO(光磁気記録媒体)ドライブなどの補助記憶装置に出力されて記録される。また、不要な画像があればこれを削除することもできる。
【0010】図2は、電子カメラ2およびコンピュータ4の内部構成を概略的に説明する図である。電子カメラ2にはコネクタ37が、コンピュータ4にはコネクタ38がそれぞれ設けられている。ケーブル2Aの一端はコネクタ37に、他端はコネクタ38に、それぞれ着脱自在に接続されている。

【0018】電子カメラ2にコンピュータ4がケーブル2Aを介して接続されている場合、レリーズ操作にともなって生成された画像データは、フラッシュメモリ36に記録されることなく、直接コンピュータ4上のRAM42へケーブル2Aを介して記録される。
【0019】コンピュータ4の構成について説明する。CPU40にはRAM42およびROM44が接続されている。CPU40にはまた、インターフェイス(I/F)46を介してCD-ROMドライブ53、ハードディスクドライブ(HDD)52、フロッピーディスクドライブ(FDD)50、MOドライブ48などが接続されている。
【0020】CPU40は、電子カメラ2のCPU28から出力される画像信号を入力してRAM42やHDD52のテンポラリ領域に一時的に記録し、後述するようにディスプレイ6にサムネイル画像や詳細画像、さらにはこの詳細画像に関連する付属情報などを表示する。操作者は、マウス10やキーボード8を操作することにより、画像データの色調やコントラストの調節、あるいはアンシャープマスクフィルタ等の処理を施す。処理を終えて最終的に得られる画像データ(以下、本明細書中ではこれを「処理後画像データ」と称する)はHDD52や、FDD50、あるいはMOドライブ48などの補助記憶装置に出力されて記録される。
【0021】図3は、後述する情報処理プログラムがコンピュータ4で実行されるのにともない、ディスプレイ6に表示される画面の一例を示す。この情報処理プログラムの実行開始に伴い、ウインドウ83が表示される。このとき、ウインドウ83内の表示領域83Wには何も表示されない。メニューバー84には使用可能な機能が並べて表示されている。ツールバー86にはマウス10で選択可能なオブジェクト(ボタン)が複数並べられて表示されている。マウス10を操作して、上記オブジェクトのうちのカメライメージボタン60上にカーソルを移動し、マウス10に設けられるスイッチを操作することにより、表示領域83W上にカメライメージウインドウ62が表示される。以下、本明細書中ではマウス10を操作してカーソルを所望のオブジェクト上に移動させ、マウス10に設けられるスイッチを操作することを単に「クリックする」と称する。また、同じオブジェクトを比較的短時間のうちに2回続けてクリックすることを「ダブルクリックする」と称する。さらに、所望のオブジェクト上にカーソルを移動した後、上記スイッチを押したままマウス10を移動させる動作を「ドラッグする」と称する。
【0022】カメライメージウインドウ62について説明する。カメライメージウインドウ62には大きく分けて三つのカテゴリの表示領域、すなわちサムネイル画像表示領域64、付属情報表示領域66、および詳細画像表示領域68が設けられる。なお、図3において詳細画像表示領域68に詳細画像69が表示され、これとともに付属情報が付属情報表示領域66に表示されている様子が描かれているが、カメラウインドウ62の起動直後には、詳細画像表示領域68および付属情報表示領域66に上述した付属情報の表示はなされない。

【0026】詳細画像69は、図3のツールバー86に設けられている拡大縮小ツール93により、その表示倍率を変更することができる。拡大縮小ツール93をクリックすると、マウスカーソルは”+”マーク付きの虫めがねの形になる。詳細画像69の任意のポイントをクリックすると、詳細画像はそのポイントを中心として拡大表示される。表示倍率を下げたい場合には、キーボード8の「コントロール」キーを押しながら上述した操作を行えばよい。すなわち、「コントロール」キーを押し下げている間、虫めがね形状のマウスカーソルに”-”マークが表示される。この状態で詳細画像69の任意のポイントをクリックすると、詳細画像69は縮小表示される。上述した操作を一度行うたびに変化する表示倍率は、たとえば1/3倍、1/2倍、2/3倍、等倍、5/3倍、2倍、そして4倍と、予め定められた値となっている。たとえば、詳細画像69が等倍で表示されているときに、この詳細画像69上の任意のポイントをクリックすれば表示倍率は5/3倍に拡大される一方、「コントロール」キーを押した状態でクリックすると表示倍率は2/3倍に縮小される。以下、同様の操作を1回するごとに、表示倍率は1ステップづつ変化する。

【0030】以上に説明したサムネイル画像表示領域64および付属情報表示領域66は、必要に応じて簡略表示化し、表示領域の大きさを縮小したり、あるいは元の大きさに復元することができる。以下、この表示領域の縮小方法および復元方法について説明する。図3に示されるように、サムネイル画像表示領域64および付属情報表示領域66それぞれの左上部分にはオブジェクト70、78がそれぞれ表示されている。オブジェクト70をクリックするとサムネイル画像表示領域64の大きさが縮小され、オブジェクト78をクリックすると付属情報表示領域66が縮小される。
【0031】図4は、サムネイル画像表示領域64および付属情報表示領域66が縮小されて表示されている様子を示している。図4に示すように、両表示領域64および66が縮小されることにより、詳細画像表示領域68の表示エリアを増すことができる。このように詳細画像表示領域68の表示エリアを増すことにより、詳細画像の表示倍率を落とすことなく、画像のほぼ全体を見渡すようなことも可能となる。また、詳細画像の表示倍率を上げた場合にも、一度に見渡せる領域の大きさが大きくなるので、構図の確認や不要物の写り込みの有無、あるいはカラーバランス等を容易に確認することができる。
【0032】また、縮小されたサムネイル画像表示領域64中にはオブジェクト70L、72A、88Aおよび88Bが、そして縮小された付属情報表示領域66中にはオブジェクト78Lが表示される。操作者は、これらのオブジェクト70L、72A、88A、88B、または78Lをクリックすることにより、以下に説明する操作を行うことができる。すなわち、オブジェクト70Lをクリックすると、縮小されていたサムネイル画像表示領域64は図3に示される状態に復帰する。オブジェクト72Aをクリックすると、図3に示されるオブジェクト72をクリックした場合と同様、詳細画像表示領域68に表示されている画像の画像データが消去される。オブジェクト88Aまたは88Bをクリックすると、現在選択されている(詳細画像が表示されている)サムネイル画像に隣接する右側または左側のサムネイル画像が選択され、これに対応する詳細画像が詳細画像表示領域68に表示される(このとき、選択されているサムネイル画像は表示されない)。具体例を示すと、図3に示される画面表示の状態でオブジェクト70および78を順次クリックすると、図4に示されるようにサムネイル画像表示領域64および付属画像表示領域68は縮小される。この状態でオブジェクト88Bを2回クリックすると、図3で選択状態にあるサムネイル画像(駒番号31が付されている画像)の二つ隣のサムネイル画像(駒番号29が付されている画像)が選択され、詳細画像表示領域68には駒番号29が付されている画像の詳細画像69Aが表示される。また、オブジェクト78Lをクリックすると、縮小されていた付属情報表示領域66は図3に示される状態に復帰する。
【0033】連続して撮影された画像を順次加工する場合などのように、特にサムネイル画像を見ることなく修正を加えることが可能な場合や、別の理由で付属情報を見る必要のない場合などには、上記表示領域64および66を縮小することで詳細画像表示領域68を大きくすることができ、操作性が向上する。これらの表示領域に関し、サムネイル表示領域64のみ、あるいは付属情報表示領域66のみを縮小することも可能である。また、付属情報表示領域66が縮小されているときに、撮影レンズ、絞り、シャッタ、測光パターン等のアイコンを表示したオブジェクトを表示してもよい。そして、操作者がこれらのオブジェクトのうちのいずれかをクリックするのに応じて撮影レンズの情報、設定絞り、シャッタ速度、測光モード等の情報を表示するものであってもよい。また、詳細画像表示領域68を縮小可能とし、詳細画像表示領域68が縮小された場合にはサムネイル画像表示領域64を通常よりも大きくして一覧可能なサムネイル画像の数を増すようにしてもよい。さらに、以上では縮小された表示領域にはサムネイル画像や付属情報を表示しない例について説明したが、縮小された表示領域にサムネイル画像や付属情報を縮小表示したり、一部を省いて表示するものであってもよい。

【0055】以上では情報処理装置としてコンピュータ4を用いる例について説明したが、上述した情報処理のために専用化された情報処理装置を用いるものであってもよい。また、情報処理装置に接続されるものとしては電子カメラ2のみならず、イメージスキャナ等の他の画像入力装置、あるいは測定機器等であってもよい。また、表示される画像としては、撮像素子から出力される画像信号に基づいて生成される画像データのみならず、コンピュータグラフィクス等で生成される画像データ、あるいは計測データや音声データ等を目視化するために生成された画像データを表示するものであってもよい。このとき、付属情報は情報処理装置の側で生成されるものであってもよい。さらに、指示装置としてキーボード8やマウス10を用いる例について説明したが、ライトペン、タッチパネル、タッチパッド、トラックボールやジョイスティック等の他のポインティングディバイス、あるいは操作者の視線を検知したり、操作者が発する音声を認識する装置を用いてもよい。

(2-3-2)甲3号証に記載された発明
甲3号証に記載された発明について検討する。
(2-3-2-1)【0008】?【0010】には、画像データを転送する電子カメラをケーブルで接続可能なコネクタを有するコンピュータと、画像データに基づく画像を表示するディスプレイとからなる「情報処理装置」が記載されている。

(2-3-2-2)【0018】、【0019】には、コンピュータが、CPU、RAM、HDD等を備えており、接続された電子カメラからRAMに画像データが記録されることが記載されている。

(2-3-2-3)【0020】には、CPUが、RAMに一時的に記録した、電子カメラから出力される画像信号に基づいて、サムネイル画像、詳細画像、付属情報をディスプレイに表示することが記載されている。また、表示した画像に対して処理を行い、処理後の画像データをHDD等に記録することが記載されている。

(2-3-2-4)【0021】、【0022】及び図3には、ディスプレイ上に、サムネイル画像表示領域、付属情報表示領域、および詳細画像表示領域を設けることが記載されている。

(2-3-2-5)【0026】には、ディスプレイ上の拡大縮小ツールを操作することにより、詳細画像の表示倍率を変更することが記載されている。

(2-3-2-6)【0030】?【0033】及び図3、4には、ディスプレイ上のオブジェクトを操作することにより、サムネイル画像表示領域および付属情報表示領域を縮小して詳細画像表示領域を拡大すること、及び、詳細画像表示領域を縮小してサムネイル画像表示領域を大きくすることが記載されている。

(2-3-2-7)【0055】には、コンピュータの指示装置としてタッチパネルを用いることが記載されている。ここで、タッチパネルがディスプレイと組み合わせて用いられることは技術常識である。

してみれば、甲3号証には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成3a、構成3bなどと称する。

(甲3発明)
(3a)画像データを転送する電子カメラを接続するコネクタと、
(3b)電子カメラから転送される画像データを記録するRAMと、
(3c)画像データを処理した処理後の画像データを記録する記憶装置と、
(3d)タッチパネルを備えたディスプレイと、
(3e)ディスプレイ上に、サムネイル画像、詳細画像、付属情報を表示するための表示領域を形成し、RAMに記録した画像データに基づいて、サムネイル画像、詳細画像、付属情報を、各表示領域に表示させる処理を行うCPUとを備え、
(3f)ディスプレイ上の拡大縮小ツールにより、詳細画像の表示倍率を変更する機能と、ディスプレイ上のオブジェクトにより、サムネイル表示領域、付属情報表示領域、詳細画像表示領域の大きさを変更する機能を有する、
(3g)情報処理装置。

(2-3-3)対比、判断
本件特許発明1と甲3発明とを対比する。
(2-3-3-1)本件特許発明1の構成A、Cと、甲3発明の構成3a、3bとの対比
甲3発明の「電子カメラを接続するコネクタ」、「RAM」は、本件特許発明1の「入力手段」、「蓄積手段」に相当するから、甲3発明の構成3a、3bと本件特許発明1の構成A、Cとは一致する。

(2-3-3-2)本件特許発明1の構成D?Gと、甲3発明の構成3d、3eとの対比
甲3発明の「詳細画像」、は、本件特許発明1の「表示画像」に相当するから、甲3発明の「CPU」が行う「ディスプレイ上に、サムネイル画像、詳細画像、付属情報を表示するための表示領域を形成し、RAMに記録した画像データに基づいて、サムネイル画像、詳細画像、付属情報を、各表示領域に表示させる処理」には、本件特許発明1の「表示画像生成手段」が行う「蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する」処理と、「表示制御手段」が行う「表示手段上に表示する」処理とが含まれるといえる。
そうすると、甲3発明の「CPU」は、蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する点で、本件特許発明1の「表示画像生成手段」に対応し、表示手段上に表示する処理を行う点で、本件特許発明1の「表示制御手段」に対応するといえる。
また、甲3発明の「タッチパネルを備えたディスプレイ」は、前記CPUにより画像を表示する「表示領域」が形成される点で、本件特許発明1の「表示手段」と共通し、また、タッチパネルにより操作が可能であるから、前記CPUによる表示制御と併せると、本件特許発明1の「画像表示操作装置」に対応するといえる。
してみれば、甲3発明の構成3d、3eと本件特許発明1の構成D?Gとは、
「蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上に表示する表示制御手段と、を具備する
画像表示操作装置」
である点で共通し、以下の点で相違する。
本件特許発明1では、表示手段に備わる表示画像を表示する領域が、「プレビュー領域」であり、表示画像が表示手段上に「プレビュー表示」されるのに対し、甲3発明では、「プレビュー領域」や「プレビュー表示」についての特定がない点。

(2-3-3-3)本件特許発明1の構成Iと、甲3発明の構成3fとの対比
甲3発明の構成3fは、「表示手段」が備える、「表示される表示画像のサイズと表示画像を表示する領域の大きさを変更する機能」である点で、本件特許発明1の構成Iと共通する。
しかしながら、「表示される表示画像のサイズと表示画像を表示する領域の大きさを変更する機能」が、本件特許発明1は、「表示画像のサイズに応じて、選択手段により領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲3発明では、「拡大縮小ツール」により表示画像のサイズを、「オブジェクト」により表示する領域の大きさを、それぞれ変更する機能である点で相違する。

(2-3-3-4)本件特許発明1の構成B、Hと、甲3発明の構成3c、3gとの対比
甲3発明の構成3cの「記憶手段」と、本件特許発明1の構成Bの「出力手段」とは、入力された画像データに基づく処理を行う手段である点では共通するものの、本件特許発明1の構成Bが、「形成された画像を出力する出力手段」であるのに対し、甲3発明の構成3cは、「処理後の画像データを記録する記憶手段」である点で相違する。
また、この相違に起因して、甲3発明は、形成した画像を出力する出力手段を有していないから、甲3発明の構成3gと本件特許発明1の構成Hとは、「装置」である点においては一致するものの、本件特許発明1が「画像形成装置」であるのに対し、甲3発明は「情報処理装置」である点で相違する。

(2-3-3-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲3発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データを入力する入力手段と、
前記画像データに基づく処理を行う手段と、
前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上に表示する表示制御手段と、を具備する
画像表示操作装置
を備える装置において、
前記表示手段は、表示される表示画像のサイズと表示画像を表示する領域の大きさを変更する機能を備える
装置。」

(相違点3-1)
本件特許発明1が、「画像形成装置」であり、「前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段」を備えるのに対し、甲3発明は、「情報処理装置」であって、「出力手段」を備えていない点。

(相違点3-2)
本件特許発明1では、表示手段に備わる表示画像を表示する領域が、「プレビュー領域」であり、表示画像が表示手段上に「プレビュー表示」されるのに対し、甲3発明は、「プレビュー領域」及び「プレビュー表示」についての特定がない点。

(相違点3-3)
「表示される表示画像のサイズと表示画像を表示する領域の大きさを変更する機能」が、本件特許発明1では、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲3発明では、「拡大縮小ツール」により表示画像のサイズを、「オブジェクト」により表示する領域の大きさを、それぞれ変更する機能である点。

(2-3-3-6)判断
本件特許発明1と甲3号証に記載された発明とは、上記のとおりの相違点を有するから、両者は同一であるとはいえない。

(2-4)甲4号証について
(2-4-1)甲4号証の記載事項
甲4号証には、「画像読み取り装置、画像読み取り及び画像表示を行うためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルム上の画像をディジタルデータとしてパーソナルコンピュータ等に取り込むための画像読み取り装置(フィルムスキャナ)に関する。

【0013】また、本発明の画像読み取り及び画像表示を行うためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、読み取られた画像データを記憶するための複数の画像データファイルを記憶領域に形成させる記憶領域形成処理、撮像手段を駆動して複数の被撮像物を順次スキャンさせ、被撮像物の画像データを読み取らせる画像読み取り処理、読み取った画像データを前記画像データファイルに順次記憶させる処理、表示画面上に複数の画像を一覧表示する際の画像配列数及び画像配列方向の少なくとも一方をユーザーに任意に選択させるためのインデックス画面選択処理、画像データファイルに記憶されている画像データを順次読み出し、選択された画像配列数及び/又は画像配列方向に従って表示画面上に配列表示させる処理を含む。
【0014】また、表示画面上に表示されている複数の画像の中から、拡大表示するためのいずれか1つの画像をユーザーに選択させるためのプレビュー画面選択処理及び選択された画像に対応する画像データを該当する画像データファイルから読み出し、又は選択された画像のデータを撮像手段により新たに読み取らせ、所定の大きさに拡大し、表示するプレビュー表示処理をさらに含むように構成しても良い。
【0015】このようなプログラムを実行することにより、画像読み取り装置によりフィルム画像等の複数の画像が連続的に読み取られ、パーソナルコンピュータのメモリ上に各画像ごとの画像データファイルが形成され、表示画面上にユーザーが選択した形態に従って一覧表示(インデックス表示)される。また、インデックス表示されている画像のうちいずれかの画像が選択された場合、当該画像が拡大されプレビュー表示される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は画像読み取り装置本体をパーソナルコンピュータに接続した状態を示す図であり、図2は画像読み取り装置本体の外観を示す図である。本実施形態の画像読み取り装置は、画像読み取り装置本体1とパーソナルコンピュータ6のハードディスク等の記憶装置にインストールされた画像読み取りプログラムからなる。画像読み取りプログラムを起動することにより、パーソナルコンピュータ6も本実施形態の画像読み取り装置の一部をなす。周知のように、一般的なパーソナルコンピュータ6は、CPU及びメモリ等を含む回路基板、ハードディスク装置、CD-ROMドライブ装置等が内蔵された本体61、CRT等の表示装置62、キーボード63、マウス64等で構成されている。画像読み取り装置本体1とパーソナルコンピュータ6の本体61とはSCSI等のインターフェース7を介して接続されている。

【0036】次に、画像読み取りプログラムを起動した場合にパーソナルコンピュータ6の表示装置62の画面上に表示される各画面の一例について説明する。
【0037】図7は環境設定画面又はウインドウを表す。図7において、「インデックス画面のスクロール方向」とは、図10及び図11に示すように、インデックス表示とプレビュー表示とを同時に行う際のインデックス画像の配列方向のことであり、ユーザーの任意により画面の縦方向(上下)及び横方向(左右)のいずれかを選択することが可能である。「インデックススキャン方式」とは、インデックス画像を読み取る際の画像処理の方法であり、前述の高速モードと高画質モードのいずれかを選択可能である。

【0040】「プレビューサイズ」とは、図9?図11に示すプレビュー表示サイズをいい、ユーザー設定による任意サイズ及びコンピュータによる自動サイズのいずれかを選択することが可能である。「最大取込コマ数」とは、画像読み取りを行う際の読み取りコマ数をいい、ユーザーが例えば100コマ以下の任意のコマ数を指定することが可能である。

【0047】図9はインデックス表示とプレビュー表示とを同時に行う場合の標準画面であり、プレビューウインドウは図8におけるプレビューアイコン516をクリックした場合に現れる。図9では、インデックスウインドウ500Aのインデックス画像表示領域501の配列数は3×5=15に減縮した様子を示す。インデックスウインドウ500Aに表示しきれない画像は、スクロールバーの「▼」ボタンをクリックするか、スライダをドラッグすることにより、順次入れ替えて表示される。

【0049】図10はインデックス表示とプレビュー表示とを同時に行う場合であってインデックス表示を縦一列に配列した画面であり、スクロールバーがインデックスウインドウ500Bの右側に出現しているのは、図7に示す環境設定画面において、「インデックス画面のスクロール方向」を上下に指定したためである。スクロールバーにてスクロールすると、インデックスウインドウ500Bに表示されていないコマの画像が順次入れ替えて表示される。図9と図10を比較して、インデックスウインドウ500Bは縮小され、インデックス画像表示領域501は縦方向に5つ配列されるだけである。また、インデックスウインドウ500Bをインデックスウインドウ500Aよりも縮小すると、インデックスウインドウ500Bとプレビューウインドウ540Bが重なることなく表示することが可能となる。また、プレビューウインドウ540Bをプレビューウインドウ540Aよりも拡大可能である。プレビューウインドウ540Bにおける「プレビュー2/6」とは、セットされているフィルムのコマ数6コマの内2番目の画像を表示していることを表している。

(2-4-2)甲4号証に記載された発明
(2-4-2-1)【0016】には、「画像読み取り装置本体」と「パーソナルコンピュータ」とからなる「画像読み取り装置」について記載されている。また、パーソナルコンピュータは、CPUやメモリ等を有する本体、表示装置、キーボード等から構成され、画像読み取り装置本体とはインターフェースを介して接続されることが記載されている。ここで、画像読み取り処理は、画像読み取り装置本体により行われることは技術常識である。

(2-4-2-2)【0015】には、画像データファイルがパーソナルコンピュータのメモリ上に形成されることが記載され、【0013】には、画像読み取り処理により読み取った画像データを画像データファイルに記憶させる処理を行うことが記載され、【0014】には、選択された一つの画像を画像データファイルから読み出して拡大して表示するプレビュー表示処理を行うことが記載されている。ここで、これらの処理は、画像読み取りプログラムに基づいて、パーソナルコンピュータのCPUにより実行される処理であることは技術常識である。

(2-4-2-3)【0036】、【0047】、【0049】及び図9、10には、表示装置に表示される画面について記載され、プレビュー表示のためのプレビューウインドウが設けられること、また、プレビューウインドウが拡大可能であることが記載されている。

(2-4-2-4)【0037】、【0040】、図7には、環境設定画面において、プレビュー表示サイズをユーザー設定による任意サイズ及びコンピュータによる自動サイズのいずれかを選択可能であることが記載されている。ここで、「任意サイズ」を選択することで、プレビュー表示サイズをユーザが任意に設定可能となることは明らかである。

してみれば、甲4号証には、次の発明(以下、「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成4a、構成4bなどと称する。

(甲4発明)
(4a)画像の読み取りを行う画像読み取り装置本体と、
(4b)読み取った画像データを記憶するパーソナルコンピュータのメモリと、
(4c)表示装置と、
(4d)メモリに記憶した画像データを拡大してプレビュー表示画像を生成し、表示装置に設けたプレビューウインドウにプレビュー表示する処理を行う、パーソナルコンピュータのCPUと、を備え、
(4e)環境設定画面において、プレビュー表示サイズを任意に設定でき、
(4f)プレビューウインドウを拡大する機能を有する、
(4g)画像読み取り装置。

(2-4-3)対比、判断
(2-4-3-1)本件特許発明1の構成A、Cと、甲4発明の構成4a、4bとの対比
甲4発明の構成4aの「画像読み取り装置本体」は、画像データを入力する入力手段であるといえ、構成4bの「メモリ」は、入力される画像データを蓄積する蓄積手段であるといえるから、甲4発明の構成4a、4bと本件特許発明1の構成A、Cとは一致する。

(2-4-3-2)本件特許発明1の構成D?Gと、甲4発明の構成4c、4dとの対比
甲4発明の「プレビュー表示画像」、「プレビューウインドウ」は、本件特許発明1の「表示画像」、「プレビュー領域」に相当するから、甲4発明の「パーソナルコンピュータのCPU」が行う「メモリに記憶した画像データを拡大してプレビュー表示画像を生成し、表示装置に設けたプレビューウインドウにプレビュー表示する処理」には、本件特許発明1の「表示画像生成手段」が行う「表示画像を生成する」処理と、「表示制御手段」が行う「表示手段上に表示する」処理とが含まれるといえる。
そうすると、甲4発明の「パーソナルコンピュータのCPU」は、蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する点で、本件特許発明1の「表示画像生成手段」に対応し、表示画像を表示手段上にプレビュー表示する処理を行う点で、本件特許発明1の「表示制御手段」に対応するといえる。
また、甲4発明の「表示装置」は、前記CPUによりプレビュー表示を行う「プレビューウインドウ」が形成される点で、本件特許発明1の「表示手段」と共通する。
してみれば、甲4発明の構成4c、4dと本件特許発明1の構成D?Gとは、
「前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段」である点で共通し、本件特許発明1では、「表示画像生成手段」、「表示手段」及び「表示制御手段」を具備する「画像表示操作装置」を備えるのに対し、甲4発明は、当該「画像表示操作装置」を備えていない点で相違する。

(2-4-3-3)本件特許発明1の構成Iと、甲4発明の構成4e、4fとの対比
甲4発明の構成4eの「環境設定画面において、プレビュー表示サイズを任意に設定でき」ることと、構成4fの「プレビューウインドウを拡大する機能」は、プレビュー表示のサイズと、プレビュー領域の大きさを変更する機能である点で、本件特許発明1の構成Iと共通する。
しかしながら、甲4発明においては、プレビューウインドウの拡大を、いかなる手段や機能により行うのかは特定されておらず、また、環境設定画面で行うプレビュー表示サイズの設定と、プレビューウインドウの拡大との関係も特定されていないから、甲4発明は、本件特許発明1において「表示手段」が備える、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段によりプレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を備えているとはいえない点で相違する。

(2-4-3-4)本件特許発明1の構成B、Hと、甲4発明の構成4gとの対比
甲4号証には、甲4発明に係る「画像読み取り装置」に対して、読み取った画像データに基づいて画像を形成して出力する手段を設けることは記載されていないから、甲4発明は、本件特許発明1の構成Bに相当する構成を有していない点で、本件特許発明1と相違する。
また、この相違に起因して、甲4発明の構成4gと、本件特許発明1の構成Hとは、「画像に関する処理を行う装置」では共通するものの、本件特許発明1が「画像形成装置」であるのに対し、甲4発明が「画像読み取り装置」である点で相違する。

(2-4-3-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲4発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データを入力する入力手段と、
前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、
を備え、
プレビュー表示される表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能を備える、
画像に関する処理を行う装置。」

(相違点4-1)
「画像に関する処理を行う装置」が、本件特許発明1は「画像形成装置」であり、「前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段」を備えるのに対し、甲4発明は「画像読み取り装置」であって、当該「出力手段」を備えていない点。

(相違点4-2)
本件特許発明1が、「表示画像生成手段」、「表示手段」及び「表示制御手段」を具備する「画像表示操作装置」を備えるのに対し、甲4発明は、当該「画像表示操作装置」を備えていない点。

(相違点4-3)
「プレビュー表示される表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能」が、本件特許発明1では、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲4発明では、プレビュー表示サイズは「環境設定画面」により設定し、プレビューウインドウの拡大は、いかなる手段や機能により行うのかが特定されていない点。

(2-4-3-6)判断
本件特許発明1と甲4号証に記載された発明とは、上記のとおりの相違点を有するから、両者は同一であるとはいえない。

(2-5)甲5号証について
(2-5-1)甲5号証の記載事項
甲5号証には、「画像表示装置及びその制御方法、並びにプログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、コンピュータやデジタルカメラなどの画像表示装置及びその制御方法、並びに前記制御方法を実現するためのプログラムに関する。

【0011】
[第1の実施の形態]
<コンピュータの構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置であるコンピュータの構成を示すブロック図である。
【0012】
このコンピュータ(PC:PersonalComputer)は、システムバス120を介して、CPU101、RAM102、HDD103、リムーバブルドライブ104、及びネットワークI/F105が接続されている。
【0013】
CPU(Central Processing Unit)101は、画像表示装置であるPC100を制御する。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101のワークエリアとして機能し、プログラムや画像データはRAM102上に展開される。プログラムは、画像表示及び画像処理制御を行うプログラムコードであり、CPU101を介して実行される。その他、CPU101のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域などとして使用される。
【0014】
HDD(Hard Disk Drive)103は、CPU101で実行される各制御プログラムや、画像ファイル、テキストファイルなどのコンテンツファイルなどを格納することができる。リムーバブルディスク・ドライブ104は、外部記憶媒体を読込み及び書込みを行う装置である。プログラムや画像データが外部記憶媒体に記録されている場合は、リムーバブルディスク・ドライブ104を介してRAM102へとロードされる。これらは、例えばDVD-RWドライブ、CD-ROM、CD-R、DVD-RAMなどの光ディスクや、フレキシブルディスク、MOなどの磁気ディスク、またフラッシュメモリなどの不揮発性メモリも含まれる。
【0015】
ネットワークI/F105は、ネットワークに接続するためのインターフェイスである。ネットワークI/F105を介してLAN(Local Area)やWWW(World Wide Web)などに接続することで、アクセス可能な記録装置に記録されているプログラムや画像データをロードする。
【0016】
さらに、システムバス120には、VRAM(Video RAM)106、サウンドデバイス108、キーボード109、ポインティングデバイス110、プリントデバイス111、及び通信インターフェイス112が接続されている。VRAM(Video RAM)106は、画像データや実行されたプログラムのUI(User Interface)などの映像信号を出力する。ディスプレイ107は、VRAM106によって入力された映像信号を表示処理する。これは、例えば、CRTやLCD、SED、ELなどのディスプレイである。CRTはCathode Ray Tubeの略語であり、LCDはLiquid Crystal Displayの略語である。SEDは、Surface-conduction Electron-emitter Displayの略語であり、ELはElectro Luminescentの略語である。
【0017】
サウンドデバイス108は、例えば、画像データに添付されている音声データを処理し、スピーカーなどに転送する。キーボード109は、文字などを入力するための各種キーが配置されている。ポインティングデバイス110は、例えばマウスパッドが挙げられる。これは、ディスプレイ107の表示画面上に表示されたマウスポインタを制御し、プログラムのメニューやその他のオブジェクトを操作するために使用される。
【0018】
プリントデバイス111は、例えばインクジェットプリンタや昇華型プリンタが挙げられる。プリントデバイス111は、HDD103に保存された画像、またリムーバブルドライブ104から読み込まれた画像やテキストなどのコンテンツデータを紙媒体に印刷するために使用される。

【0021】
<ユーザインターフェイスの表示>
次に、図2、図3及び図4を用いて、本画像表示装置のユーザインターフェイス(以下「UI」)の表示処理の詳細について説明する。
【0022】
なお、本実施の形態では、デジタルカメラで撮影を行うことで生成されるJPEG画像や、RAW画像、音声データと関連付けされたJPEG画像などが再生可能な画像表示装置を想定している。また、これらの画像はHDD103に複数格納されているものとする。
【0023】
図2は、本実施の形態に係る画像表示装置であるPC100のUIがディスプレイ107上に表示された状態を示す画面図である。
【0024】
図中の200は、PC100のUIの全体像である。UI200は、矩形状のプレビュー領域202とサムネイル領域201という、第1の表示領域と第2の表示領域を有している。そして、プレビュー領域202とサムネイル領域201にはそれぞれ第1の画像と第2の画像が表示される。第2の画像は第1の画像より表示もサイズの小さな画像であり、本実施形態ではサムネイル画像を用いることとする。画像サムネイル画像203とは、表示対象となった画像を小さなサイズで表示した表示形態のことを指し、再生対象となった複数の画像を同時に表示する場合に用いられる。なお、選択状態にあるサムネイル画像は他のサムネイル画像と識別可能に表示される。本実施の形態では、「Thm1」が選択状態にあり、サムネイル画像が太枠で囲まれて強調表示されている。

【0028】
207は、プレビュー画像である。プレビュー画像とは、表示対象となった画像群の中から1画像を、プレビュー領域202の中に収まる最大サイズで表示された画像のことを指す。
【0029】
本実施の形態では、サムネイル画像群の中から選択状態にある1画像がプレビュー画像として表示される。選択されたサムネイル画像は、例えばサムネイル画像203のように、画像の外枠が強調されて表示される。
【0030】
208は、マウスポインタであり、画面上の特定の領域を指定するためのものである。これは、操作者によりポインティングデバイス110が操作されることに応じて、プレビュー表示する画像をサムネイル画像群の中から選択したり、スクローラー206の移動などを行ったりすることが可能である。
【0031】
なお、本実施の形態における画像表示装置は、第1の表示モードまたは第2の表示モードという2つの表示モードが設定可能であり、UIはそれぞれのモードに応じた表示形態で表示される。第1の表示モードと第2の表示モードとでは、サムネイル領域201及びプレビュー領域202の大きさが異なる。第2の表示モードにおけるサムネイル領域201は第1の表示モードでのサムネイル領域よりも小さく、第2の表示モードにおけるプレビュー領域は第1での表示モードのプレビュー領域よりも大きい。以下、表示モードの変化に応じた表示形態の遷移について説明する。
【0032】
<表示形態の遷移>
次に、図3及び図4を参照して、本実施の形態におけるUIの表示形態の遷移を説明する。
【0033】
図3は、画像表示装置であるPC100の表示処理を示すフローチャートであり、図4(a),(b)は、第1の実施の形態に係る画像表示装置であるPC100のUIの第1の表示形態の遷移を表した画面図である。この表示処理は、そのプログラムが例えばHDD103に格納され、CPU101が表示制御を行うことで実行される。なお、ここでは「Thm1」が選択状態にあるものとする。
【0034】
PC100の表示処理が開始されると、CPU101は、図3のステップS301において、マウスポインタ208の移動を検出する処理を行う。マウスポインタ208の移動を検出する処理の一例としては、ポインティングデバイス110からの入力値とディスプレイ107上におけるマウスポインタ208の座標値とを例えばRAM102に記録しておく。そしてS302においてマウスポインタ208の移動検出の判定を行う。
【0035】
もし、移動が検出されなければS301に戻り、移動が検出されるまでループ処理が行われる。
【0036】
次のS302においてマウスポインタ208の移動が検出された場合、CPU101は、続くS303において、マウスポインタ208が現在位置している場所がプレビュー領域202であるか否かを判定する。例えば、図4(a)に示すように、マウスポインタ208が403の位置から404の位置へ移動した場合、マウスポインタ208はプレビュー領域202上にあると判断される。
【0037】
そして、マウスポインタがプレビュー領域上にあると判断された場合、S304において、CPU101は領域変更処理Aを行う。この領域変更処理Aでは、プレビュー領域を拡大し、それに合わせサムネイル領域を縮小する処理を行う。即ち、プレビュー領域は、例えば図4(a)のプレビュー領域202から図4(b)のプレビュー領域410のように幅が広げられる。そして、プレビュー領域の幅が広がった分、サムネイル領域は、図4(a)のサムネイル領域201から図4(b)のサムネイル領域409のように幅が狭められる。
【0038】
次にCPU101は、S305において、表示画像の表示サイズを変更する処理を行う。ここでは、プレビュー領域とサムネイル領域の幅が変更されたことに伴い、表示しているプレビュー画像及びサムネイル画像の表示方法を変更する処理を行う。
【0039】
例えば、プレビュー画像は、図4(a)のプレビュー画像207から図4(b)のプレビュー画像411のように拡大表示される。また、プレビュー画像411には、プレビュー画像207では非表示であった回転ボタン412や印刷ボタン413が表示される。回転ボタン412については、閲覧したプレビュー画像411に対して、操作者が回転処理を所望した場合に押下すると、プレビュー画像411が回転して表示される。なお、プレビュー画像411が回転処理されると、それに合わせてサムネイル領域409に表示されたサムネイル画像も回転処理されて表示される。また、印刷ボタン413については、閲覧したプレビュー画像に対して、操作者が印刷処理を所望した場合に押下すると、プリントデバイス111から印刷物が出力される。
【0040】
また、サムネイル画像の表示形態も変更される。例えば、図4(a)に示すサムネイル画像406、407、408のような、画像が4×3の行列で配置された形態から、例えば図4(b)のサムネイル画像414、415、416に示すように、画像が重なる形態へ表示方法が変更される。このとき、サムネイル画像のサイズは変更されない。画像は、半透明処理が施されて表示される。この際、奥側に重なっている画像ほど透明度が高く表示される。また、サムネイル画像の407と415を比較して判るように、画像に関する情報表示アイコンは非表示となる。
【0041】
以上の処理が行われた後はS301に戻り、マウスポインタ208の移動検出処理を行うといった流れで処理される。

【0045】
図3に説明を戻す。一方、S303においてマウスポインタ208がプレビュー領域にない場合は、CPU101は、S306において、マウスポインタ208が現在位置している場所がサムネイル領域であるかを判定する。例えば、図4(b)に示すように、マウスポインタ208が417の位置から418の位置へ移動した場合、マウスポインタ208はサムネイル領域409上にあると判断される。
【0046】
そして、CPU101は、次のS307において、領域変更処理Bを行う。ここでは、サムネイル領域の幅を広げ、それに合わせプレビュー領域の幅を狭める処理を行う。即ち、サムネイル領域は、例えば図4(b)のサムネイル領域409から図4(a)のサムネイル領域201のように幅が広げられる。それに合わせてプレビュー領域は、図4(b)のプレビュー領域410から図4(a)のプレビュー領域202のように幅が狭められる。
【0047】
続くS308において、CPU101は、表示画像の表示サイズを変更する処理を行う。ここでは、プレビュー領域とサムネイル領域の幅が変更されたことに伴い、表示しているプレビュー画像及びサムネイル画像の表示方法を変更する処理を行う。
【0048】
即ち、プレビュー画像は、例えば図4(b)のプレビュー画像411から図4(a)のプレビュー画像405へ縮小表示される。このとき、プレビュー画像411に表示されていた回転ボタン412や印刷ボタン413が非表示となる。また、サムネイル画像群は、例えば図4(b)のサムネイル画像414、415、416に示すように画像が重なる形態から、図4(a)のサムネイル画像406、407、408に示すような行列の形態へ表示方法が変更される。このとき、サムネイル画像のサイズは変更されない。また、サムネイル画像415と407を比較して判るように、画像に関する情報表示アイコンが表示される。
【0049】
以上の処理が行われた後はS301に戻り、マウスポインタ208の移動検出処理を行うといった流れで処理される。
【0050】
もし、S306において、マウスポインタ208がサムネイル領域上にないと判断された場合は、CPU101は、S301に戻り、マウスポインタ208の移動検出処理を行う。

(2-5-2)甲5号証に記載された発明
(2-5-2-1)【0011】?【0018】には、コンピュータである「画像表示装置」について記載され、コンピュータは、CPU、画像データを格納するHDD、画像を紙媒体に印刷するプリントデバイス、画像データをロードするネットワークI/F、UIを表示するディスプレイ、及び、ディスプレイに表示されたマウスポインタを制御するポインティングデバイス等を備えることが記載されている。

(2-5-2-2)【0021】?【0024】、【0028】?【0030】及び図2には、画像表示装置においてディスプレイに表示されるUI画面について記載され、UI画面には、プレビュー画像を表示するプレビュー領域と、サムネイル画像を表示するサムネイル領域とを設けることが記載されている。ここで、UI画面は、CPUの制御により構築されていることは技術常識である。

(2-5-2-3)【0031】?【0041】、【0045】?【0050】及び図3、4には、ポインティングデバイスによるマウスポインタの移動操作により、マウスポインタがプレビュー領域にある場合は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示を拡大するとともに、サムネイル領域にある場合は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示を縮小する、表示形態の遷移を、CPUによる表示制御により行うことが記載されている。

してみれば、甲5号証には、次の発明(以下、「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成5a、構成5bなどと称する。

(甲5発明)
(5a)画像データをロードするネットワークI/Fと、
(5b)画像を紙媒体に印刷するプリントデバイスと、
(5c)画像データを格納するHDDと、
(5d)プレビュー領域とサムネイル領域とを有するUI画面を表示するディスプレイと、
(5e)HDDに格納された画像データに基づいて、プレビュー画像を生成し、プレビュー領域に表示する表示制御を行うCPUと、
(5f)ポインティングデバイスによるマウスポインタの移動操作により、マウスポインタがプレビュー領域にある場合は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示を拡大するとともに、サムネイル領域にある場合は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示を縮小する機能を有する、
(5g)画像表示装置。

(2-5-3)対比、判断
(2-5-3-1)本件特許発明1の構成A?Cと、甲5発明の構成5a?5cとの対比
甲5発明の構成5aの「ネットワークI/F」は、画像データを入力する入力手段であるといえ、構成5bの「プリントデバイス」は、画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段であるといえる。また、構成5cの「HDD」は、画像データを蓄積する蓄積手段であるといえる。
してみれば、甲5発明の構成5a?5cと本件特許発明1の構成A?Cとは一致する。

(2-5-3-2)本件特許発明1の構成D?Gと、甲5発明の構成5d、5eとの対比
甲5発明の「プレビュー画像」、「プレビュー領域」は、本件特許発明1の「表示画像」、「プレビュー領域」に相当するから、甲5発明の「CPU」が行う「HDDに格納された画像データに基づいて、プレビュー画像を生成し、プレビュー領域に表示する表示制御」には、本件特許発明1の「表示画像生成手段」が行う「蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する」処理と、「表示制御手段」が行う「表示画像を表示手段上にプレビュー表示する」処理とが含まれるといえる。
そうすると、甲5発明の「CPU」は、蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する点で、本件特許発明1の「表示画像生成手段」に対応し、表示画像を表示手段上にプレビュー表示する処理を行う点で、本件特許発明1の「表示制御手段」に対応するといえる。
また、甲5発明の「ディスプレイ」は、「プレビュー領域」を有するから、本件特許発明1の「表示手段」と共通する。
してみれば、甲5発明の構成5d、5eと本件特許発明1の構成D?Gとは、
「前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段」である点で共通し、本件特許発明1では、「表示画像生成手段」、「表示手段」及び「表示制御手段」を具備する「画像表示操作装置」を備えるのに対し、甲5発明は、当該「画像表示操作装置」を備えていない点で相違する。

(2-5-3-3)本件特許発明1の構成Iと、甲5発明の構成5fとの対比
甲5発明の構成5fは、プレビュー表示のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能を有する点では、本件特許発明1の構成Iと共通する。
しかしながら、甲5発明における上記機能は、ポインティングデバイスによるマウスポインタの移動操作により、マウスポインタをプレビュー領域上に移動させるか、サムネイル領域上に移動させるかにより、プレビュー表示のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能であり、本件特許発明1のように、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段によりプレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」ではない点で相違する。

(2-5-3-4)本件特許発明1の構成Hと、甲5発明の構成5g、5bとの対比
甲5発明は、「画像表示装置」であるが、構成5bの「プリントデバイス」により画像を形成して出力する手段も備えているから、「画像形成装置」としても機能するといえる。
よって、構成5bを考慮すれば、甲5発明の構成5gと本件特許発明1の構成Hとは相違しない。

(2-5-3-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲5発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データを入力する入力手段と、
前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、
を備え、
プレビュー表示される表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能を備える、
画像形成装置。」

(相違点5-1)
本件特許発明1が、「表示画像生成手段」、「表示手段」及び「表示制御手段」を具備する「画像表示操作装置」を備えるのに対し、甲5発明は、当該「画像表示操作装置」を備えていない点。

(相違点5-2)
「プレビュー表示される表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能」が、本件特許発明1では、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲5発明では、ポインティングデバイスによるマウスポインタの移動操作により、マウスポインタがプレビュー領域にある場合は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示を拡大するとともに、サムネイル領域にある場合は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示を縮小する機能である点。

(2-5-3-6)判断
本件特許発明1と甲5号証に記載された発明とは、上記のとおりの相違点を有するから、両者は同一であるとはいえない。

(2-6)小括
以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲1号証?甲5号証に記載された発明のいずれとも同一ではない。

(3)理由3(特許法29条2項)について

(3-1)甲1?13号証について
(3-1-1)甲1号証の記載、及び、甲1号証に記載された発明について
甲1号証の記載及び甲1発明は、上記(2-1-1)、(2-1-2)のとおりである。

(3-1-2)甲2号証の記載、及び、甲2号証に記載された発明について
甲2号証の記載及び甲2発明は、上記(2-2-1)、(2-2-2)のとおりである。

(3-1-3)甲3号証の記載、及び、甲3号証に記載された発明について
甲3号証の記載及び甲3発明は、上記(2-3-1)、(2-3-2)のとおりである。

(3-1-4)甲4号証の記載、及び、甲4号証に記載された発明について
甲4号証の記載及び甲4発明は、上記(2-4-1)、(2-4-2)のとおりである。

(3-1-5)甲5号証の記載、及び、甲5号証に記載された発明について
甲5号証の記載及び甲5発明は、上記(2-5-1)、(2-5-2)のとおりである。

(3-1-6)甲6号証について
(3-1-6-1)甲6号証の記載
甲6号証には、「表示装置」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
表示装置において、画面上に表示する表示オブジェクト(例えば文字列)の大きさがあらかじめ設定された表示領域内に収まらず、表示オブジェクトの全てが表示しきれないときに、該表示領域を拡大して全ての文字列の表示を可能とする技術に関する。

【0021】
[構成]
図2は、本発明の実施例に係わる画像形成装置A201の機能ブロック図である。
【0022】
画像形成装置A201は、操作部211、画像表示部213、印刷部215、インタフェース部217、ソフトウェア機能部221、文字長さ判断部223、テンプレート選択部225、表示領域調整部229、画像処理部233の各機能部を有する。
【0023】
操作部211は、画像形成装置201の操作を入力する機能部である。
【0024】
画像表示部213は、液晶パネル等により構成され、画像形成装置の装置状態の表示と、操作部211からの操作入力の際の表示、及びプレビュー画面を表示する。上記の表示を行う際に、表示の図形及び文字があらかじめ指定された領域内に入りきらない場合は、より大きな表示領域に切り替えて図形及び文字が全て表示できるようにする。
【0025】
印刷部215は、印刷を行う機能部である。
【0026】
インタフェース部217は、画像形成装置A201とホストコンピュータなどの外部装置との接続を行うための機能部である。
【0027】
ソフトウェア機能部221は、画像形成装置A201の各機能をソフトウェアによって実現する機能部である。
【0028】
文字長さ判断部223は、画像表示部213に表示される文字長さを判断する機能部である。文字の長さが、あらかじめ設定された表示領域(オリジナルテンプレートデータ227o;後述)内に表示可能な長さより長いかどうかを判断し、その結果をテンプレート選択部225に伝える。
【0029】
テンプレート選択部225(テンプレートデータ選択部)は、画像表示部213上に表示する表示画面ごとに、通常の表示を行う画面の表示領域や表示オブジェクトの配置を示したオリジナルテンプレートデータ227o(表示テンプレートデータ)と文字列等の表示オブジェクトがオリジナルテンプレートデータ227oによる表示領域では、全ての文字列等を表示できない場合に、表示領域を拡大し、拡大された表示領域と他の表示オブジェクトが重ならないように表示領域の配置を示した文字領域拡大テンプレートデータ227t(表示テンプレートデータ)を有し、文字長さ判断部223がオリジナルテンプレートデータ227oに文字列が入りきらないと判断したときに、最適な文字領域拡大テンプレートデータ227tを選択する。

【0032】
表示領域調整部229は、テンプレート選択部225が選択した表示領域とその表示領域に表示する表示オブジェクトの大きさが異なる場合に、その表示領域の大きさを表示オブジェクトに合わせて可変する機能を有する。より、具体的には、文字列表示のための表示オブジェクトの表示領域が文字列の長さより大きい場合には、その表示領域を文字列の長さに合わせて縮小する。
【0033】
画像処理部233は、印刷部で処理可能なデータ形式に画像データを変換する機能部である。

【0040】
図5に各表示オブジェクト、及びテンプレートデータについてより詳細に述べる。
【0041】
図5(A)に示すように表示オブジェクトは、(1)に示すファイル名等のような文字列オブジェクト、(2)のような選択ボタンによる入力フォームオブジェクト(図3,4,5に示す選択ボタン以外の入力テキストボックスや、入力リストボックス等の通常のグラフィックユーザインタフェースで用いられる様々な入力フォームを含む。)、(3)図形オブジェクト(図3,4,5では横線、縦線の図形オブジェクトが表示されているが、その他の例えばアイコンやイメージデータ等であってもよい。)がある。これらの表示オブジェクトは、それぞれその表示するための大きさ(サイズ)の属性を有しており、文字列オブジェクトでは、文字列の長さとフォントにより、そのサイズが定まる。文字列等の長さは、データによって変化する。

【0044】
図5(B)にオリジナルのテンプレートデータ227oを示す。オリジナルテンプレートデータは、ファイル名の文字列表示のための比較的短い表示領域11aから17a、機能ボタンA,B,C表示のための表示領域21aから25a、スクロールボタン表示のための表示領域31aから37a、図形表示のための表示領域41aと43aとが配置されている。
【0045】
又、ファイル名の文字列が長くなった場合のための文字領域拡大テンプレートデータ227tを図5(C)に示す。ここでは、ファイル名の文字列表示のための拡大された表示領域11bから17b、機能ボタンA,B,C表示のための表示領域21bから25b、スクロールボタン表示のための表示領域31bから37b、図形表示のための表示領域41bと43bとが配置されている。

(3-1-6-2)甲6号証に記載された発明
(3-1-6-2-1)【0021】には、「画像形成装置」が記載されており、【0022】?【0027】には、「画像形成装置」が、操作を入力する「操作部」、画像形成装置の装置状態、操作部からの操作入力、プレビュー画面を表示する「画像表示部」、印刷を行う「印刷部」、「ソフトウェア機能部」等を有し、図2には、「ソフトウェア機能部」が、ソフトウェア機能として、文字長さ判断部、テンプレート選択部、表示領域調整部、画像処理部を有することが記載されている。また、【0033】には、画像処理部が、画像データを印刷部で処理可能なデータ形式に変換することが記載されているから、「印刷部」は、「画像処理部により変換された画像データ」を印刷するものである。

(3-1-6-2-2)【0024】には、画像表示部が表示を行う際に、表示の図形及び文字があらかじめ指定された領域内に入りきらない場合は、より大きな表示領域に切り替えて図形及び文字が全て表示できるようにすることが記載されている。
画像表示部の領域の切り替えに際して、【0028】、【0029】には、文字長さ判断部が、画像表示部に表示される文字長さを判断し、文字の長さが、あらかじめ設定された表示領域内に表示可能な長さより長いかどうかを判断し、その結果をテンプレート選択部に伝え、テンプレート選択部が、通常の表示を行う画面の表示領域や表示オブジェクトの配置を示したオリジナルテンプレートデータと、表示領域を拡大し、拡大された表示領域と他の表示オブジェクトが重ならないように表示領域の配置を示した文字領域拡大テンプレートデータを有し、文字長さ判断部がオリジナルテンプレートデータに文字列が入りきらないと判断したときに、最適な文字領域拡大テンプレートデータを選択することが記載されている。
ここで、「表示オブジェクト」とは、【0041】及び図5(A)によれば、文字列オブジェクト、入力フォームオブジェクト、図形オブジェクトであり、「テンプレートデータ」とは、【0044】、【0045】及び図5(B)(C)によれば、各表示オブジェクトを表示するための表示領域を配置したものである。
これらの記載から、甲6号証には、「画像表示部の表示画面は、ソフトウェア機能部により、文字列オブジェクト、入力フォームオブジェクト、または、図形オブジェクトである表示オブジェクトの表示領域を配置したテンプレートデータによって表示されること」及び「テンプレートデータの表示領域の大きさより表示オブジェクトが大きい場合に、表示領域を拡大したテンプレートデータを用いること」が記載されているといえる。

(3-1-6-2-3)【0032】には、表示領域調整部が、テンプレート選択部が選択した表示領域とその表示領域に表示する表示オブジェクトの大きさが異なる場合に、文字列表示のための表示オブジェクトの表示領域が文字列の長さより大きい場合には、その表示領域を文字列の長さに合わせて縮小することが記載されている。
よって、甲6号証には、「表示オブジェクトのサイズよりテンプレートデータの表示領域の大きさが大きい場合には、表示領域を縮小すること」が記載されているといえる。

してみれば、甲6号証には、次の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成6a、構成6bなどと称する。

(甲6発明)
(6a)画像処理部により変換された画像データを印刷する印刷部と、
(6b)装置状態、操作入力、プレビュー画面を表示する画像表示部と、
(6c)画像表示部の表示画面は、ソフトウェア機能部により、文字列オブジェクト、入力フォームオブジェクト、または、図形オブジェクトである表示オブジェクトの表示領域を配置したテンプレートデータによって表示され、
(6d)テンプレートデータの表示領域の大きさより表示オブジェクトのサイズが大きい場合に、表示領域を拡大したテンプレートデータを用い、表示オブジェクトのサイズよりテンプレートデータの表示領域の大きさが大きい場合には、表示領域を縮小する機能を有する、
(6e)画像形成装置。

(3-1-7)甲7号証について
(3-1-7-1)甲7号証の記載
甲7号証には、「画像形成装置」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、コピー機能を有するデジタル複写機、ファクシミリ又は複合装置等の画像形成装置に関する。

【0042】
(S6)給紙された原稿を読み取り中に、自動原稿搬送装置42でジャム又は給紙トレイがオープンされる等、搬送を中断する原因が発生したか否かを判断する。肯定した場合にはステップS11に進み、否定した場合にはステップS7に進む。

【0046】
(S11)上記中断原因がジャムである場合には、表示部31を制御して、自動原稿搬送装置42内でジャムした原稿を取り除くべき旨の表示をする。他にも、給紙トレイがオープンされた場合には、給紙トレイをクローズすべき旨の表示をする。
【0047】
(S12)中断原因が解除されたか否かを判断する。肯定した場合にはステップS20に進み、否定した場合にはステップS11に戻る。

【0049】
(S21)カウントした読み取り済みページ数を取得する。
【0050】
(S22)取得した読み取り済みページ数に基づき、ジャム等の中断原因が発生する直前に読み取りを完了し、画像メモリ26に格納された原稿の画像データを、CODEC25によって復号化してDRAM23Dに展開する。次に、展開されたビットマップデータの画像を表示部31に表示するためにサイズを調整して、表示用データを生成し、これをDRAM23Dに格納する。
【0051】
(S23)表示部31を制御して、図4に示すような原稿再セット要求画面を表示する。この原稿再セット要求画面100には、読み取り済みページ数及びカレントページ番号101と、上記ステップS22で生成した表示用データに基づいた最終読み取り原稿のイメージ画像102と、再セットすべき先頭原稿のページ番号を示して原稿を再セットするように促すコメント103と、コピーを再開する再開ボタン104と、ページ戻しボタン105と、ページ送りボタン106と、が含まれる。ユーザは、この画面100に従ってコピー対象である一連の原稿Pのうち残りの原稿を、表示されているイメージ画像102に対応するページ番号の次のページ番号の原稿を先頭として原稿積載トレイ41にセットすることができる。なお、表示部31がタッチパネル式でない場合には、再開ボタン104、ページ戻しボタン105及びページ送りボタン106に対応するハードウェアキーの押下を促すガイド(アイコン等)を表示する。

(3-1-7-2)甲7号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲7号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲7号証に記載の技術事項1)
「画像形成装置において、原稿の読み取り中にジャムが発生した場合、表示部に、ジャムした原稿を取り除くべき旨の表示を行う技術。」

(甲7号証に記載の技術事項2)
「画像形成装置において、原稿の読み取り中に発生したジャムによる中断が解除された場合、表示部に、ジャムが発生する直前に読み取りを完了した原稿の画像と、原稿の再セットを促すコメントを表示する技術。」

(3-1-8)甲8号証について
(3-1-8-1)甲8号証の記載
甲8号証には、「画像読取装置」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、原稿を一枚ずつ搬送して画像を読み取り、その読み取りにより得られた原稿複数枚分の画像の読取データを、所定形式の一つのファイルに変換して出力する画像読取装置に関する。

【0038】
次に、S120にて、エラー検出部12にてジャム等のエラーが検出されたと判断された場合には、スキャナ部10による画像の読み取りを継続することができないので、制御部30は、S200の処理に移行し、取り込みが完了している原稿1ページ分のスキャンデータの末尾に付与した識別情報に基づき、RAMに記憶されているスキャンデータの中から、1ページ分の読み取りが未完了で再スキャンの対象となるページのスキャンデータを識別する。

【0041】
次に、制御部30は、S200で識別した再スキャン対象となるページのスキャンデータをRAMから削除し(S210)、表示部16に所定のメッセージを表示することで、使用者にエラーの発生及びエラーの回復方法を通知する(S220)。

【0043】
また、S220での通知は、例えば、「スキャン中にエラーが発生しました。原稿が詰まっていますので取り除いてください。」といった文字列や、エラー内容を表す画像を表示部16に表示することにより行われる。

【0047】
そして、スキャナ部10が正常状態に回復すると(S230-YES)、制御部30は、表示部16に、RAMに記憶されたスキャンデータの中から、末尾に識別情報が付与された最後の1ページ分のスキャンデータ、すなわち、最後に読み取りが完了された1ページ分のスキャンデータを識別し、その識別したスキャンデータに基づき最後の1ページの縮小画像(所謂サムネイル)を作成し、表示部16に表示することで、再スキャン対象となるページの原稿を使用者に通知する(S240)。

(3-1-8-2)甲8号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲8号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲8号証に記載された技術事項1)
「画像読取装置において、ジャム等のエラーが検出されたと判断された場合には、表示部に所定のメッセージを表示することで、使用者にエラーの発生及びエラーの回復方法を通知する技術。」

(甲8号証に記載された技術事項2)
「画像読取装置において、スキャナ部が正常状態に回復すると、表示部に、最後に読み取りが完了された1ページ縮小画像を表示することで、再スキャン対象となるページの原稿を使用者に通知する技術。」

(3-1-9)甲9号証について
(3-1-9-1)甲9号証の記載
甲9号証には、「画像処理装置、画像処理方法及びプログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、多様な画像の入出力手段と、入力画像の再利用を可能にする画像蓄積手段を有した複合機(MFP)のような画像処理装置に関し、より詳しくは、出力画像に施した処理内容を画像に対応付けて管理する利用履歴情報をもとに、出力処理を指示するユーザーに利用可能な処理内容を提示する機能を有する画像処理装置、画像処理方法及び該画像処理方法をコンピュータに行わせるためのプログラムに関する。

【0056】
図7は、本実施形態における文書編集の設定プロセスを実行する処理フローを示す図である。
図7の処理フローによると、まず、図6の「文書選択」画面で蓄積文書の中から処理の対象になる文書が選択され、その後、「文書編集」ボタン1014が操作されると、文書編集の画面に切り替わる(ステップS101)。
図8は、このときに表示される文書編集の画面を示す図である。図8の文書編集の画面には、選択された文書を表示すると共に編集加工に必要なメニューが提示される。
また、選択された文書に加え、異なる編集加工内容が設定された文書を候補として提示する。この候補として提示する文書は、ユーザーが設定操作を行う際に参照するもので、選択された文書に利用頻度の高い編集加工内容を設定して編集された文書を提示する。利用頻度の高い編集加工内容は、上記の利用履歴管理情報から取得する。

【0059】
上記のように、設定操作を行う際に参照する候補を表示可能とした文書編集画面の実施形態として図8に示すLCDタッチパネル101の画面では、画面左上に選択された文書のサムネイル1022とその下に当該文書の簡単な書誌情報が示され、画面中央の画像表示領域1031には選択された文書のプレビューが表示される。
プレビュー表示画面の下には、プレビュー表示の拡大縮小などの操作を行うためのメニューを選択するボタン群1032と、編集加工に用いるメニューを選択する「画質調整」「色加工」「画像編集」「画像集約」及び「変倍」よりなるボタン群1028が示されている。
なお、編集加工メニューは階層化されており、ここではトップメニューのみが表示されている。
【0060】
図8に示す文書編集画面の左側には、良く使われるメニューである出力のカラーを選択するカラーモード選択ボタン1024が配置されている。カラーモードとしては、カラーモノクロを自動で判別する「自動カラー」を含め、「フルカラー」「モノクロ」「二色カラー」「シングルカラー」の各モードが用意され、それぞれに対応する操作ボタンを設けているが、出力先が変更になった場合には、出力可能なカラーモードだけが表示される。例えば、FAX送信(カラーFAXは除く)の場合には、モノクロしか選択できない。図8の表示例では、フルカラーモードが選択された場合を示している。
「濃度ノッチ」ボタンと「自動濃度」ボタンがカラーモード選択ボタンの下に配置されており、よく使われる濃度調整機能を使いやすくしている。
図8に示す文書編集画面の左下には、ユーザーの設定した編集加工内容を適用する範囲を設定する「適用範囲」のプルダウンメニューボタン1026と出力先を選択できる「出力先設定」のプルダウンメニューボタン1027が用意されている。
「適用範囲」のプルダウンメニューボタン1026を操作すると、「このページのみ」「ページ指定」「すべてのページ」のメニューがプルダウンされて、メニュー表示される。この中の1つの選択操作を可能とする。ここでは表示されているページのみを選択している。
また、「出力先設定」のプルダウンメニューボタン1027を操作すると、出力可能な項目がプルダウンされて、メニュー表示される。この実施形態では「紙へ印刷」「PCへ配信」「FAXへ送信」「ドキュメントボックスへ蓄積」の中の1つの選択操作を可能とする。ここでは「紙へ印刷」を選択している。
【0061】
図8に示す文書編集画面の画面右側には、選択された文書(画面中央の画像表示領域1031にプレビュー表示された画像)への設定例として、利用頻度の高い編集加工内容の編集加工を施したものを利用頻度の高い順に三つ提示している。
ここでは、上から順に、編集加工設定例(1)1036-1として、色を一部変えて2in1に集約し、プロッタ出力用の設定をしたもの、編集加工設定例(2)1036-2として、2値化を行ったFAX送信用の設定をしたもの、編集加工設定例(3)1036-3として、文書の下部を切り取り、スキャナ配信用の設定をしたもの、が提示されている。
画面に表示できる編集加工内容は数に制限があるが、これ以外の編集加工内容を参照したい場合には画面右下にある「もっと見る」ボタン1040を選択すると、他の頻度の高い編集加工内容が提示される。

(3-1-9-2)甲9号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲9号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲9号証に記載された技術事項)
「複合機における、蓄積文書の編集画面において、選択された文書のプレビューを画面の中央に表示し、画面の左側によく使われるメニューを表示し、画面の右側に利用頻度の高い編集加工を施した画像を表示する技術。」

(3-1-10)甲10号証について
(3-1-10-1)甲10号証の記載
甲10号証には、「画像処理装置、プログラムおよびプレビュー画像表示方法」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、画像処理装置、プログラムおよびプレビュー画像表示方法に関する。

【0039】
図2は、複合機10が画像データを入力して生成した仕上がり情報(プレビュー画像)の一例を示す模式図である。操作表示部15の表示パネル15bには、仕上がり情報(プレビュー画像)401および設定処理項目402が表示される。設定処理項目402としては、ステープル、パンチ、とじしろ調整、わく消去、スタンプおよびページ番号などの仕上がり情報(プレビュー画像)401上の場所や原稿方向に依存したメニュー402aが画面の右側に表示されている。また、出力カラー、出力濃度、用紙、拡大/縮小、ソート/スタックおよび地肌などのコンテンツに依存しないメニュー402bが画面の左側に表示されている。

(3-1-10-2)甲10号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲10号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲10号証に記載された技術事項)
「複合機における、操作表示部の表示パネルにおいて、プレビュー画像を表示し、ステープル、パンチ、とじしろ調整、わく消去、スタンプおよびページ番号などのプレビュー画像上の場所や原稿方向に依存したメニューを画面の右側に表示し、出力カラー、出力濃度、用紙、拡大/縮小、ソート/スタックおよび地肌などのコンテンツに依存しないメニューを画面の左側に表示する技術。」

(3-1-11)甲11号証について
(3-1-11-1)甲11号証の記載
甲11号証には、「プリンタおよびその制御方法」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、画像を表示するための表示手段を備えるプリンタに関するものである。

【0010】
2はプリンタ1に装着されるメモリカードで、画像データが記録されている。メモリカード等の記録媒体をプリンタのカードスロットに装着して、メモリカードに記録されている画像データを印刷することができる。

【0018】
本実施形態のプリンタは、ユーザインターフェースのとして、図2のような複数の操作部材および、LCD表示部を有している。

【0023】
206はLCD表示部で、メモリカード2似記録されている画像を表示したり、プリンタ本体の設定画面、印刷条件の設定画面を表示したりする。
【0024】
207はTELE釦、208はWIDE釦で、LCD表示部206に表示されている画像の拡大や縮小の指示を行うための釦である。また、シングル表示、マルチ表示の切替えにもこの釦が用いられる。さらに、トリミング領域の設定の際には、トリミング領域の枠の拡大縮小の指示が可能である。

【0035】
メモリカードに記録されている画像をLCD表示部206に表示する際の表示形態について図5?図10を用いて説明する。
【0036】
図5はシングル表示・情報表示無しの表示形態の一例である。図6はシングル表示・画像情報表示の表示形態の一例である。図7はシングル表示・印刷設定情報表示の表示形態の一例である。図8はマルチ表示・情報表示無しの表示形態の一例である。図9はマルチ表示・画像情報表示の表示形態の一例である。図10はマルチ表示・印刷設定情報表示の表示形態の一例である。なお、図5?図10に表示されるもののうち、同じものについては同じ符号を付202して説明する。
【0037】
シングル表示は、LCD表示部206に1つの画像を表示させる表示形態で、マルチ表示は、複数枚の画像を同時に表示させる表示形態である。図5,6,7はシングル表示、図8,9,10はマルチ表示である。このシングル表示とマルチ表示は、TELE釦、WIDE釦を操作することにより切り替えることができる。シングル表示中にWIDE釦を押すとマルチ表示に、マルチ表示中にTELE釦を押すとシングル表示に切り替わる。

【0047】
図7、図10は印刷設定表示の表示画面である。
印刷設定表示では、印刷設定画面でユーザが設定した印刷条件を表示する。設定された印刷条件はROMに記録されており、ROMから設定されている印刷条件を読み出し、印刷条件設定合致したアイコンを表示させる。
701は印刷設定表示領域で、印刷条件のアイコンはこの表示領域内に表示される。
プリンタ1では、印刷条件として、日付印刷のON/OFF、画像番号印刷のON/OFF、フチありフチなし印刷の設定、印刷レイアウトの設定、赤目補正のON/OFF、色補正の設定が可能である。図7、10は、日付印刷OFF、画像番号印刷OFF、フチ有り印刷、一面配置レイアウト(1up)、赤目補正ON、くっきりカラーの色補正が印刷条件として設定されている場合の表示である。
702は、日付印刷OFFの印刷条件アイコンである。
703は、画像番号印刷OFFの印刷条件アイコンである。
704は、フチありの印刷条件アイコンである。
705は、一面配置の印刷条件アイコンである。
706は、赤目補正ONの印刷条件アイコンである。
707は、くっきりカラー色補正の印刷条件アイコンである。
設定されている印刷条件に対応したこれら702?707のアイコンが印刷設定表示領域701に表示される。
【0048】
これらの印刷条件アイコンはシングル表示(図7)からマルチ表示(図10)に切替えても同様に表示される。
【0049】
アイコンのみでは印刷条件が分かりにくいため、シングル表示画面では、印刷条件アイコンとともに、アイコンが示す印刷条件を文字で表示している。
【0050】
画像と共に印刷条件の表示を行うことにより、印刷設定画面を表示させなくでも、印刷対象の画像の選択中に、画像の選択を行いながら現在プリンタに設定されている印刷条件を確認することができる。

(3-1-11-2)甲11号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲11号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲11号証に記載された技術事項)
「メモリカードに記録された画像を印刷するプリンタの表示部において、一つの画像と印刷設定情報を示すアイコンと文字とを表示する表示形態と、複数枚の画像と印刷設定情報を示すアイコンとを表示する表示形態とを、プリンタに設けた釦で切り替える技術。」

(3-1-12)甲12号証について
(3-1-12-1)甲12号証の記載
甲12号証には、「画像処理装置及び画像処理装置のプログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
この発明は、画像処理装置とそのプログラムとに関し、特に読み取った画像をLCD(Liquid Crystal Display)などのモニタに表示することに関する。

【0020】
図3に、実施例の複合機2で画像データを読み取り中の、LCD35の表示画面69を示す。LCD35の表示画面69は、読み取り画像をプレビュー表示するためのプレビュー表示領域70と、読み取り画像のサムネイル画像を表示するためのサムネイル表示領域72とを備える。なお実施例では、プレビュー表示領域70は、XGA(eXtended Graphics Array)規格やVGA(Video Graphics Array)規格の表示装置の縦サイズに合わせた正方形の表示領域とし、サムネイル表示領域72はプレビュー表示領域70の縦サイズに合わせて縦長の表示領域とする。サムネイル表示領域72の表示は、例えばサムネイル画像を横方向に並べたり、プレビュー表示領域70を取り巻くように配置するなどしても良い。
【0021】
図において、1ページ目は読み取りが終了しており、1ページ目の読み取り画像の縮小画像をサムネイル表示領域72に表示する。そして2ページ目の原稿の読み取りを開始して読み取った画像データをプレビュー画像74として生成し、1ページ目のサムネイル画像76と共に表示する。読み取り画像はプレビュー表示領域70の上部から下部へと移動するように動的にプレビュー表示して、読み取り動作を表現する。そして読み取りが終了しプレビュー画像の1ページ分78を表示した後に、2ページ目のサムネイル画像80をサムネイル表示領域72に表示する。次に画像78を表示画面から消去して、次ページの読み取り時のプレビュー表示に備える。そして最終ページである9ページ目の読み取りを終了して、全てのページのサムネイル画像を表示する。
【0022】
実施例では、原稿を読み取る状態を画像を上から下へ移動して表示するが、下から上へ移動させるようにしても良く、さらに左から右、あるいは右から左への移動でなどで表現しも良い。なお図において、82,84はタッチパネル34上に表示するボタンで、これにタッチしてサムネイル画像を上下にスクロールする。

(3-1-12-2)甲12号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲12号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲12号証に記載された技術事項)
「複合機の表示画面において、画像データを読み取り中に、読み取り画像を、プレビュー表示領域の一端から他端へ移動するように動的にプレビュー表示して、読み取り動作を表現する技術。」

(3-1-13)甲13号証について
(3-1-13-1)甲13号証の記載
甲13号証には、「情報記録媒体及び画像データの記録方法並びに画像データ記録プログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン等のコンピュータ端末及びデジタルカメラ等の画像表示装置で画像データを再生させるための情報記録媒体及び画像データの記録方法並びに画像データ記録プログラムに関する。

【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係るコンピュータ端末用の情報記録媒体(第1の情報記録媒体)は、その好ましい一実施の形態において、ネガフィルムから読み取った画像データと、画像データをスライド表示するスライドショープログラム及び画像データをデジタルカメラ用に変換してデジタルカメラ用の第2の情報記録媒体に記録するデータ記録プログラムとを含むアプリケーションと、必要に応じてスライド表示に際して再生される楽曲音声データとが記録されているものであり、第1の情報記録媒体を受け取った顧客は、コンピュータ端末が設置されている場所では、第1の情報記録媒体を用いて画像データをBGM付きスライドショーとして閲覧することができ、コンピュータ端末が設置されていない場所では、データ記録プログラムを用いて第2の情報記録媒体を作成し、デジタルカメラを用いて画像データを閲覧することができる。従って、場所や時間に拘束されずに顧客の使用形態に合わせて写真画像を楽しむことができる。

【0055】
次に、ステップS208で、顧客2は、スライド効果設定領域16aを操作してスライド間隔やスライド切り替え効果等のスライド効果を設定する。例えば、スライド表示間隔として一枚一枚のスライドを表示する時間をプルダウンメニューの中から選択したり直接入力し、また、スライド切り替え効果として、プルダウンメニューを用いて、画像データを徐々に表示/消去するフェードイン/フェードアウトや画像データを徐々に拡大/縮小する効果や画面の上下左右から画像データを移動させる効果等の中から所望の効果を選択する。

(3-1-13-2)甲13号証に記載された技術事項
以上の記載から、甲13号証には、以下の技術事項が記載されていると認められる。

(甲13号証に記載された技術事項)
「画像表示装置において、スライド切り替え時に、画像データを徐々に拡大/縮小するスライドショー表示を行う技術。」

(3-2)対比、判断

(3-2-1)甲1号証に基づく本件特許発明1の進歩性について
(3-2-1-1)本件特許発明1と甲1発明との一致点、相違点
本件特許発明1と甲1発明とは、(2-1-3-5)に記載したとおりの一致点、及び、相違点1-1、1-2、1-3を有する。

(3-2-1-2)判断
事案に鑑みて相違点1-3について検討する。
甲1発明の「画像表示領域のサイズ」は、受信した画像データの解像度や画素数、表示すべき表示オブジェクトに応じて決定されるものであり、そのサイズを変更するための選択手段を、操作画面に設けることは、甲1号証には記載も示唆もされていない。
また、上記した相違点1-3に係る本件特許発明1の構成Iは、先に検討したとおり、甲2号証?甲13号証のいずれにも記載されておらず、当該構成が、当業者にとって自明のものであるともいえない。
したがって、甲1発明において、上記した相違点1-3に係る本件特許発明1の構成Iを得ることは、当業者であっても容易に想到し得ることとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2号証?甲13号証に記載された技術事項から、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2-2)甲2号証に基づく本件特許発明1の進歩性について
(3-2-2-1)本件特許発明1と甲2発明との一致点、相違点
本件特許発明1と甲2発明とは、(2-2-3-5)に記載したとおりの一致点、及び、相違点2-1を有する。

(3-2-2-2)判断
相違点2-1について検討する。
甲2号証の図11、図12の記載から明らかなように、甲2発明において、プレビュー画像の拡大/縮小を行っても、液晶ディスプレイにおける、プレビュー画像を表示させるための領域の大きさは不変であり、甲2号証には、プレビュー画像を表示させるための領域の大きさを変更する手段を設けることについて、記載も示唆もなされていない。
また、相違点2-1に係る本件特許発明1の構成Iは、先に検討したとおり、甲1号証、甲3号証?甲13号証のいずれにも記載されておらず、当該構成が、当業者にとって自明のものであるともいえない。
したがって、甲2発明において、上記した相違点2-1に係る本件特許発明1の構成Iを得ることは、当業者であっても容易に想到し得ることとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明1は、甲2発明、及び、甲1号証並びに甲3号証?甲13号証に記載された技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2-3)甲3号証に基づく本件特許発明1の進歩性について
(3-2-3-1)本件特許発明1と甲3発明との一致点、相違点
本件特許発明1と甲3発明とは、(2-3-3-5)に記載したとおりの一致点、及び、相違点3-1、3-2、3-3を有する。

(3-2-3-2)判断
事案に鑑みて相違点3-3について検討する。
甲3発明における、詳細画像表示領域の大きさを変更するオブジェクトについては、甲3号証の【0033】において、「詳細画像表示領域68を縮小可能とし、詳細画像表示領域68が縮小された場合にはサムネイル画像表示領域64を通常よりも大きくして一覧可能なサムネイル画像の数を増すようにしてもよい。」と記載されるのみであり、甲3発明において、詳細画像表示領域を縮小した場合に、詳細画像がどのような表示倍率で表示されるかについては、甲3号証には開示がない。
甲3発明には、詳細画像の表示倍率を変更するための拡大縮小ツールが、領域の大きさを変更するオブジェクトとは別に設けられていることも考慮すれば、甲3号証の記載から、詳細画像表示領域の大きさを変更することにより、詳細画像の表示倍率を変更する構成を導出することは、当業者であっても容易であるとはいえない。
また、上記した相違点3-3に係る本件特許発明1の構成Iは、先に検討したとおり、甲1号証、甲2号証、甲4号証?甲13号証のいずれにも記載されておらず、当該構成が、当業者にとって自明のものであるともいえない。
したがって、甲3発明において、上記した相違点3-3に係る本件特許発明1の構成Iを得ることは、当業者であっても、容易に想到し得ることとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明1は、甲3発明、及び、甲1号証、甲2号証並びに甲4号証?甲13号証に記載された技術事項から、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2-4)甲4号証に基づく本件特許発明1の進歩性について
(3-2-4-1)本件特許発明1と甲4発明との一致点、相違点
本件特許発明1と甲4発明とは、(2-4-3-5)に記載したとおりの一致点、及び、相違点4-1、4-2、4-3を有する。

(3-2-4-2)判断
事案に鑑みて相違点4-3について検討する。
甲4発明における、プレビューウインドウの拡大について、甲4号証には、【0049】において、「また、プレビューウインドウ540Bをプレビューウインドウ540Aよりも拡大可能である。」と記載されるのみであり、甲4発明において、プレビューウインドウを拡大した場合に、プレビュー表示サイズがどのようになるかについては、甲4号証には開示がない。
甲4発明には、プレビュー表示サイズを設定する環境設定画面が設けられていることも考慮すれば、甲4号証の記載から、プレビューウインドウの大きさを変更することにより、プレビュー表示サイズを変更する構成を導出することは、当業者であっても容易であるとはいえない。
また、上記した相違点4-3に係る本件特許発明1の構成Iは、先に検討したとおり、甲1号証?甲3号証並びに甲5号証?甲13号証のいずれにも記載されておらず、当該構成が、当業者にとって自明のものであるともいえない。
したがって、甲4発明において、上記した相違点4-3に係る本件特許発明1の構成Iを得ることは、当業者であっても容易に想到し得ることとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明1は、甲4発明、及び、甲1号証?甲3号証並びに甲5号証?甲13号証に記載された技術事項から、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2-5)甲5号証に基づく本件特許発明1の進歩性について
(3-2-5-1)本件特許発明1と甲5発明との一致点、相違点
本件特許発明1と甲5発明とは、(2-5-3-5)に記載したとおりの一致点、及び、相違点5-1、5-2を有する。

(3-2-5-2)判断
事案に鑑みて、相違点5-2について検討する。
甲5発明は、プレビュー領域とプレビュー画像の表示の拡大/縮小を、マウスポインタを所定領域に移動させる操作のみで行うものであり、拡大/縮小操作のための特定のオブジェクトをUI画面に設けることは、甲5号証には記載も示唆もされていないから、上記相違点5-2に係る本件特許発明1の構成Iは、当業者であっても、甲5号証の記載に基づいて、容易に想到し得るとはいえない。
また、上記した相違点5-2に係る本件特許発明1の構成Iは、先に検討したとおり、甲1号証?甲4号証並びに甲6号証?甲13号証のいずれにも記載されておらず、当該構成が、当業者にとって自明のものであるともいえない。
したがって、甲5発明において、上記した相違点5-2に係る本件特許発明1の構成Iを得ることは、当業者であっても容易に想到し得ることとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明1は、甲5発明、及び、甲1号証?甲4号証並びに甲6号証?甲13号証に記載された技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2-6)甲6号証に基づく本件特許発明1の進歩性について

(3-2-6-1)対比
本件特許発明1と甲6発明とを対比する。
(3-2-6-1-1)本件特許発明1の構成B、Hと、甲6発明の構成6a、6eとの対比
甲6発明の構成6aの「印刷部」は、画像データに基づき変換されたデータを印刷するから、画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段であるといえる。
また、構成6eと構成Hとは「画像形成装置」である点で一致する。
してみれば、甲6発明の構成6a、6eと本件特許発明1の構成B、Hとは一致する。

(3-2-6-1-2)本件特許発明1の構成A、Cについて
甲6発明において、画像データがどのように入力され、また、蓄積されるのかについては、特定されていない。

(3-2-6-1-3)本件特許発明1の構成D?Gと、甲6発明の構成6b、6cとの対比
甲6発明の構成bの「画像表示部」は、プレビュー画面を表示する点で、本件特許発明1の「表示手段」と共通する。
また、甲6発明の構成cによれば、甲6発明の表示画面は、図形を含む「表示オブジェクト」について、その「表示領域」を配置したテンプレートデータを用いて表示する旨記載されており、プレビュー画像を含む表示画面を表示する際に用いるテンプレートデータには、「表示オブジェクト」の一つである「プレビュー画像」に対する「表示領域」、すなわち、本件特許発明1の「プレビュー領域」に対応する領域が設けられるものと解される。
そして、甲6発明の「画像表示部の表示画面」は、「ソフトウェア機能部」により表示されるから、甲6発明の「ソフトウェア機能部」が行う処理には、画像データをどのように得るかは別にして、本件特許発明1の「表示画像生成手段」が行う「表示画像を生成する」処理が含まれ、また、「表示制御手段」が行う「表示手段上にプレビュー表示する」処理が含まれるといえる。
そうすると、甲6発明の構成6b、6cと本件特許発明1の構成D?Gとは、
「画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段」である点で共通し、以下の2点で相違する。
ア)本件特許発明1では、「表示画像生成手段」は、「蓄積手段に蓄積された画像データ」に基づいて表示画像を生成するのに対し、甲6発明の「ソフトウェア機能部」は、プレビュー表示のための画像データをどのようにして得るのかが特定されていない点。
イ)本件特許発明1では、「表示画像生成手段」、「表示手段」及び「表示制御手段」を具備する「画像表示操作装置」を備えるのに対し、甲6発明は、当該「画像表示操作装置」を備えるかどうか特定されていない点。

(3-2-6-1-4)本件特許発明1の構成Iと、甲6発明の構成6dとの対比
甲6発明の構成6dにおける「表示オブジェクトのサイズ」、「表示領域の大きさ」は、本件特許発明1の構成Iの「プレビュー表示される表示画像のサイズ」、「プレビュー領域の大きさ」に対応するから、甲6発明の構成6dと、本件特許発明1の構成Iとは、「プレビュー表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能」である点では共通する。
しかしながら、甲6発明は、画像表示部に、表示領域の大きさを変更するための選択手段を備えておらず、本件特許発明1のように、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段によりプレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を備えていない点で相違する。

(3-2-6-1-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲6発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段とを備える
画像形成装置において、
プレビュー表示される表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能を備える、
画像形成装置。」

(相違点6-1)
本件特許発明1が、「画像データを入力する入力手段」と、「前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段」とを備えるのに対し、甲6発明は、当該「入力手段」と、当該「蓄積手段」とを備えることを特定しておらず、本件特許発明1の「表示画像生成手段」は、「蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する」のに対し、甲6発明の「ソフトウェア機能部」は、「蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する」と特定されていない点。

(相違点6-2)
本件特許発明1は、「表示画像生成手段」、「表示手段」及び「表示制御手段」を具備する「画像表示操作装置」を備えるのに対し、甲6発明は、当該「画像表示操作装置」を備えていると特定されていない点。

(相違点6-3)
「プレビュー表示される表示画像のサイズとプレビュー領域の大きさを変更する機能」が、本件特許発明1では、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲6発明は、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」ではない点。

(3-2-6-2)判断
事案に鑑みて上記相違点6-3について検討する。
甲6発明の画像形成装置は、表示領域を拡大したテンプレートデータの選択、及び、表示領域の縮小が、ソフトウェア機能部により行われるものであり、画像形成装置のユーザが、表示オブジェクトのサイズや表示領域の大きさを選択することについては、甲6号証には記載も示唆もされていないから、上記相違点6-3に係る本件特許発明1の構成Iは、当業者であっても、甲6号証の記載に基づいて、容易に想到し得るとはいえない。
また、上記した相違点6-3に係る本件特許発明1の構成Iは、先に検討したとおり、甲1号証?甲5号証並びに甲7号証?甲13号証のいずれにも記載されておらず、当該構成が、当業者にとって自明のものであるともいえない。
したがって、甲6発明において、上記した相違点6-3に係る本件特許発明1の構成Iを得ることは、当業者であっても容易に想到し得ることとはいえない。

以上のとおり、本件特許発明1は、甲6発明、及び、甲1号証?甲5号証並びに甲7号証?甲13号証に記載された技術事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2-7)甲1号証?甲6号証に基づく本件特許発明1の進歩性について
上記(3-2-1)?(3-2-6)のとおり、甲1号証?甲6号証に記載された発明又は技術事項、並びに、甲7号証?甲13号証に記載された技術事項からは、当業者であっても、本件特許発明1の構成Iを導出することができない。
よって、本件特許発明1は、甲1号証?甲6号証に記載された発明又は技術事項、並びに、甲7号証?甲13号証に記載された技術事項から、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-3)本件特許発明2?12について
本件の特許請求の範囲の請求項2?12は、直接又は間接的に請求項1を引用しているから、本件特許発明2?12は、甲1号証?甲13号証に記載された発明又は技術事項との相違点に係る、本件特許発明1の構成Iを備えている。
よって、本件特許発明2?12も、本件特許発明1と同様に、甲1号証?甲13号証に記載された発明又は技術事項に基づいて、当業者が容易に発明し得たものではない。

(3-4)小括
以上のとおりであるから、本件特許発明1?12は、甲1号証?甲13号証に記載された発明又は技術事項に基づいて、当業者が容易に発明し得たものではない。

(4)理由4(特許法29条の2)について
(4-1)甲14号証の記載事項
甲14号証には、「画像表示装置、画像表示装置の制御方法、及びプログラム」(発明の名称)として、図面とともに以下の記載がなされている(下線は強調のため当審で付与した。)。

【0001】
本発明は、プレビュー画像を表示する表示部を有する画像表示装置、画像表示装置の制御方法、及びプログラムに関する。

【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の画像表示装置の第1の実施形態である画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示す画像形成装置1は、印刷装置11、画像処理装置12、及び仕上げ装置13を備える。画像処理装置12には、CPU121、直接記憶部122、間接記憶部123、ユーザインタフェース124、外部インタフェース125、及びGPU(Graphics Processing Unit)126が設けられている。
【0015】
直接記憶部122は、RAM等で構成され、CPU121と直接データをやり取りする記憶部である。また、直接記憶部122は、CPU121がコントローラプログラムを実行した際に得られる情報を一時的に記憶し、当該情報にはプレビュー画像が含まれる。間接記憶部123は、HDD等で構成され、直接記憶部122を介してCPU121とデータをやり取りする。間接記憶部123には、画像形成装置1を制御するためのコントローラプログラムが記憶されている。
【0016】
ユーザインタフェース124は、タッチパネルやキーボード、マウス等の入力部及び表示部等を備え、ユーザからの指示の受け付け、受け付けた指示に応じたデータ(表示データ)を表示部に表示する。また、ユーザインタフェース124は、スピーカを含み、CPU121の指示に応じてスピーカから音声を出力する。

【0019】
印刷装置11は、画像処理装置12が生成した画像を用紙に印刷して出力する。仕上げ装置13は、印刷装置11が出力した用紙に、ステイプルや折り等の仕上げ処理を実行する。

【0021】
CPU121は、間接記憶部123に記憶されたコントローラプログラムを直接記憶部122に移動(記憶)させることができる。この移動が完了すると、CPU121は、コントローラプログラムを実行することができる状態になる。
【0022】
コントローラ部20は、CPU121、GPU126、直接記憶部122のうちのコントローラプログラムの記憶領域、直接記憶部122及び間接記憶部123のうちのCPU121がコントローラプログラムを処理した際に得られる情報の記憶領域を備える。コントローラ部20は、ユーザインタフェース124に各種画面を表示するための表示制御を行う。
【0023】
次に、プレビュー画像の生成について説明する。
【0024】
ユーザインタフェース124は、ユーザからのプレビュー表示指示を受け付けると、コントローラ部20へ通知する。コントローラ部20は、画像処理装置12が読み取った画像(原稿画像)や、外部インタフェース125が外部装置より受信した画像(受信画像)からプレビュー画像を生成する。画像形成装置1が扱う画像は、ユーザインタフェース124の表示部に表示する画像に比べて相当に高い解像度を有すため、プレビュー画像は、画像形成装置1が扱う画像より低い解像度で生成する。
【0025】
そして、コントローラ部20は、生成したプレビュー画像から表示データを生成する。また、コントローラ部20は、プレビュー表示の拡大率/縮小率に応じて、生成したプレビュー画像を縮小・変形して表示データを生成する。
【0026】
ユーザインタフェース124は、ユーザによるプレビュー画像の表示倍率の変更を受け付ける。本実施形態では、当該表示倍率は、200[%]から20[%]の範囲で指定できるものとする。

【0104】
次に、図9?図11を参照して、ユーザインタフェース124の表示部に表示される画面例について説明する。
【0105】
コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の入力部でのユーザ操作によりプレビュー表示の指示が成されると、表示部に図9(b)に示す画面800(d)を表示する。画面800(d)は、プレビュー出力定義データ200におけるレコード213に応じた表示内容である。具体的には、プレビュー画像は、図5(b)に示す表示データ400(b)の態様で表示する。補足情報は、ページ情報を図3(a)に示す表示データ300(a)の内容で表示し、機器状態情報を図4(c)に示す表示データ300(e)に示した内容で表示する。800(d)に示すプレビュー表示では、5ページあるデータのうちの2ページ目が中央に表示されている。なお、図9?図11に示されるプレビュー表示において、表示される各用紙ごとに、実際にその用紙に印刷される画像が重ねて表示される。それによって、印刷結果がプレビュー表示として表示部に表示される。
【0106】
スライダ801は、プレビュー表示の拡大率/縮小率を指示するためのものである。ツマミ802を画面上方向に移動させることで、プレビュー表示を小さく表示(縮小)し、ツマミ802を画面下方向に移動させることで、プレビュー表示を大きく表示(拡大)する。ここで、ツマミ802を画面上方向に移動することを「縮小指示」、ツマミ802を画面下方向に移動することを「拡大指示」とする。閉じるボタン803は、プレビュー表示の終了を指示するためのものである。この閉じるボタン803を操作すると、コントローラ部20は、プレビュー表示を終了して、それ以前の画面(不図示)へ遷移させる。
【0107】
なお、スライダ801、ツマミ802、及び閉じるボタン803は、以降説明する各画面800(a)、800(b)、800(c)、800(e)、800(f)においても同様であるので、以降での説明は省略する。コントローラ部20は、これらの画面を、図2に示すプレビュー出力定義データに従って表示する。
【0108】
画面800(d)の表示状態から縮小指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図10(b)に示す画面800(b)を表示する。画面800(b)は、プレビュー出力定義データ200におけるレコード212に応じた表示内容である。具体的には、プレビュー画像は、画面800(d)と同様の態様の表示データ400(b)で表示する。補足情報は、画面800(d)で表示した内容に加えて、用紙情報を図3(b)に示す表示データ300(b)に示した内容で表示する。なお、画面800(b)の表示状態から拡大指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に、図9(b)に示す画面800(d)を表示する。
【0109】
画面800(b)の表示状態から縮小指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図10(a)に示す画面800(a)を表示する。画面800(a)は、プレビュー出力定義データ200におけるレコード211に応じた表示内容である。具体的には、プレビュー画像は、画面800(b)と同様の態様の表示データ400(b)で表示する。補足情報は、画面800(b)で表示した内容に加えて、ジョブ設定情報(入力)の図4(a)に示す表示データ300(c)及びジョブ設定情報(出力)の図4(b)に示す表示データ300(d)に示した内容で表示する。なお、 画面800(a)の表示状態から拡大指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に画面800(b)を表示する。
【0110】
画面800(d)の表示状態から拡大指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図9(a)に示す画面800(c)を表示する。画面800(c)は、プレビュー出力定義データ200におけるレコード214に応じた表示内容である。具体的には、プレビュー画像は、図5(a)に示す表示データ400(a)の態様(現在ページ)で表示する。なお、この画面800(c)では、補足情報は表示しない。また、画面800(c)の表示状態から縮小指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図9(b)に示す画面800(d)を表示する。
【0111】
画面800(c)の表示状態から拡大指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図11(a)に示す画面800(e)を表示する。画面800(e)は、プレビュー出力定義データ200におけるレコード215に応じた表示内容である。具体的には、プレビュー画像を、図5(c)に示す表示データ400(c)の態様(地紋印字の様子を表示)で表示する。なお、画面800(e)の表示状態から縮小指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図9(a)に示す画面800(c)を表示する。
【0112】
画面800(e)の表示状態から拡大指示(最大倍率以上を指示)すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図11(b)に示す画面800(f)を表示する。画面800(f)は、プレビュー出力定義データ200におけるレコード216に応じた表示内容である。具体的には、プレビュー画像を、図5(d)に示す表示データ400(d)の態様(クリアトナー載りの様子を表示)で表示する。なお、画面800(f)の表示状態から縮小指示すると、コントローラ部20は、ユーザインタフェース124の表示部に図11(a)に示す画面800(e)を表示する。
【0113】
以上説明したように、本実施形態では、プレビュー表示の拡大率/縮小率に応じて、プレビュー画像以外の補足情報の表示やプレビュー画像自体の表示態様を制御して、プレビュー画像と共に表示する情報の種類とプレビュー画像の表示態様を変えている。これにより、ユーザが、プレビュー画像を拡大/縮小して確認しようとしている内容に適合した情報を表示部に表示することができ、利便性が向上する。

(4-2)甲14号証に記載された発明

(4-2-1)【0014】には、「印刷装置」と「画像処理装置」を備えた「画像形成装置」が記載され、「画像処理装置」は、CPU、直接記憶部、間接記憶部、GPU、ユーザインタフェースを備えることが記載されている。
また、【0015】には、「直接記憶部」及び「間接記憶部」は、CPUとデータをやり取りすることが、【0016】には、「ユーザインタフェース」は、「入力部」と「表示部」を備えることが、【0019】には、「印刷装置」は、「画像処理装置」が生成した画像を印刷することが、それぞれ記載されている。

(4-2-2)【0021】?【0022】には、CPU、GPU、直接記憶部及び間接記憶部の一部とコントローラプログラムとからなる「コントローラ部」により、ユーザインタフェースに各種画面を表示するための表示制御を行うことが記載されている。
また、【0024】には、コントローラ部が、画像処理装置が読み取った画像(原稿画像)からプレビュー画像を生成することが、【0025】、【0026】には、ユーザインタフェースにて受け付けたプレビュー表示の拡大率/縮小率に応じて、コントローラ部が、生成したプレビュー画像を縮小・変形して表示データを生成することが記載されている。

(4-2-3)【0104】?【0113】及び図9?11には、ユーザインタフェースにプレビュー表示の拡大率/縮小率を指示するスライダを設け、スライダの操作により、プレビュー表示が拡大/縮小され、プレビュー表示の拡大率/縮小率に応じて、プレビュー画像以外の補足情報の表示やプレビュー画像自体の表示態様が制御されることが記載されている。

してみれば、甲14号証には、次の発明(以下、「甲14発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成14a、構成14bなどと称する。

(甲14発明)
(14a)原稿画像を読み取る画像処理装置と、
(14b)画像処理装置が生成した画像を印刷する印刷装置と、
(14c)CPUとデータをやり取りする直接記憶部及び間接記憶部と、
(14d)原稿画像からプレビュー画像を生成するコントローラ部と、
(14e)プレビュー画像を表示する表示部と入力部とを有し、コントローラ部が表示制御を行うユーザーインタフェースを備え、
(14f)ユーザインターフェイスの入力部の操作により、プレビュー表示の拡大率/縮小率、プレビュー画像以外の補足情報の表示を制御する機能を有する、
(14g)画像形成装置。

(4-3)対比、判断
(4-3-1)本件特許発明1の構成A、B、Hと、甲14発明の構成14a、14b、14gとの対比
甲14発明の構成14aの「画像処理装置」は、原稿画像を読み取る点で、画像データを入力する入力手段として機能するといえ、構成14bの「印刷装置」は、原稿画像に基づき形成された画像を出力する出力手段であるといえる。
また、甲14発明の構成14gと本件特許発明1の構成Hとは、「画像形成装置」である点で共通する。
してみれば、甲14発明の構成14a、14b、14gと本件特許発明1の構成A、B、Hとは一致する。

(4-3-2)本件特許発明1の構成Cと、甲14発明の構成14cとの対比
甲14発明の構成14cは、データを蓄積する蓄積手段として機能する点で、本件特許発明1の構成Cと共通するものの、本件特許発明1の「蓄積手段」が、「入力手段から入力される画像データを蓄積する」のに対し、甲14発明の直接記憶部及び間接記憶部は、画像処理装置が読み取った原稿画像を蓄積すると特定されていない点で相違する。

(4-3-3)本件特許発明1の構成D?Gと、甲14発明の構成14d、14eとの対比
甲14発明の「プレビュー画像」は、本件特許発明1の「表示画像」に相当するから、甲14発明の「コントローラ部」は、原稿画像をどのように得るかは別にして、表示画像を生成する処理を行う点で、本件特許発明1の構成Dの「表示画像生成手段」と共通し、ユーザインターフェイスの表示制御を行う点で、本件特許発明1の構成Fの「表示制御手段」と共通する。
また、甲14発明の構成14eの「表示部」は、コントローラ部で生成したプレビュー画像を表示する点で、本件特許発明1の構成Eの「表示手段」と共通する。
そして、甲14発明の「ユーザインタフェース」は、表示部と入力部とを有するから、本件特許発明1の構成Gの「画像表示操作装置」に対応する。
そうすると、甲14発明の構成14d、14eと本件特許発明1の構成D?Gとは、
「画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、を具備する
画像表示操作装置」である点で共通し、以下の2点で相違する。
ア)本件特許発明1では、「表示画像生成手段」は、「蓄積手段」に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成するのに対し、甲14発明の「コントローラ部」は、「直接記憶部及び間接記憶部」に蓄積されたデータに基づいてプレビュー画像を生成すると特定されていない点。
イ)本件特許発明1では、「表示手段」が「プレビュー領域」を備えるのに対し、甲14発明の表示部では、プレビュー画像を表示するための「領域」が特定されていない点。

(4-3-4)本件特許発明1の構成Iと、甲14発明の構成14fとの対比
甲14発明の構成14fは、入力部の操作により、プレビュー表示の拡大率/縮小率を変更する機能であるから、プレビュー表示される表示画像のサイズを変更して表示する機能である点では、本件特許発明1の構成Iと共通する。
しかしながら、甲14発明は、表示部において、本件特許発明1の「プレビュー領域」に対応する「領域」が特定されておらず、本件特許発明1の「選択手段により、プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を有していない。

(4-3-5)一致点、相違点
したがって、本件特許発明1と甲14発明とは、以下の点で一致ないし相違している。

(一致点)
「画像データを入力する入力手段と、
前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
データを蓄積する蓄積手段と、
を備えるとともに、
画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示手段と、
前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、を具備する
画像表示操作装置
を備える
画像形成装置において、
プレビュー表示される表示画像のサイズを変更して表示する機能を有する、
画像形成装置。」

(相違点14-1)
本件特許発明1は、「入力手段から入力される画像データ」を「蓄積手段」に蓄積し、「表示画像生成手段」が、「蓄積手段に蓄積された画像データ」に基づいて表示画像を生成するのに対し、甲14発明では、画像処理装置が読み取った原稿画像を蓄積手段に蓄積すると特定されておらず、「コントローラ部」が、「蓄積手段」に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成すると特定されていない点。

(相違点14-2)
「プレビュー表示される表示画像のサイズを変更して表示する機能」が、本件特許発明1では、「表示手段」が備える「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲14発明では、入力部の操作により、プレビュー表示の拡大率/縮小率を変更する機能であり、本件特許発明1の「選択手段により、プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」を有していない点。

(4-3-6)判断
本件特許発明1と甲14号証に記載された発明とは、上記のとおりの相違点を有し、特に相違点14-2は、課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえないから、両者は実質同一であるともいえない。
よって、本件特許発明1と甲14号証に記載された発明とは同一ではない。

(5)理由5(特許法39条2項)について
(5-1)甲15号証に記載された発明
甲15号証には、特許請求の範囲の請求項1?12に記載されたとおりの、以下の発明(以下、それぞれ甲15発明1?甲15発明12という。)が記載されている(請求項1における(a)?(i)の符号は、当審において付与した。以下、「構成a」等という。)

〔甲15発明1〕
【請求項1】
(a)画像データを入力する入力手段と、
(b)前記画像データに基づき形成された画像を出力する出力手段と、
(c)前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と
を備えるとともに、
(d)前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、
(e)前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示するプレビュー領域を備える表示手段と、
(f)前記表示画像生成手段により生成された表示画像を前記表示手段上にプレビュー表示する表示制御手段と、を具備する
(g)画像表示操作装置
を備える
(h)画像形成装置において、
(i)前記表示手段は、プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能を備えることを特徴とする
(h)画像形成装置。

〔甲15発明2〕
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記画像データの入力が停止されたことを報知すること機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔甲15発明3〕
【請求項3】
前記表示手段は、一端側に機能選択領域を備えるとともに、他端側に操作に関する情報を表示する情報表示領域を備え、
前記プレビュー領域は、前記表示手段の前記機能選択領域と前記情報表示領域との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔甲15発明4〕
【請求項4】
前記表示手段には、機能選択メニューが表示され、
前記機能選択メニューは、複数の表示モードを備え、
前記表示手段は、前記表示モードに応じて、ユーザの選択により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔甲15発明5〕
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記画像データに基づく表示画像を前記プレビュー領域の一方端から出現させて、中央位置に向かって移動するように表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔甲15発明6〕
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画像データに基づく表示画像を前記プレビュー領域に表示するときは、操作についての情報が表示されるアクションパネル領域の背後から出現するように表示する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

〔甲15発明7〕
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記プレビュー領域に2枚目の表示画像を表示するときは、1枚目の表示画像を徐々に小さくしながら消去する機能を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

〔甲15発明8〕
【請求項8】
前記表示制御手段は、画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、前記画像データの入力状況を案内する前記画像データに基づく表示画像のプレビュー表示を展開することを停止する機能と、画像データの入力停止前に入力が完了した最終の画像データの表示画像を表示する機能を備え、
画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、画像データの入力停止前に入力が完了した最終の画像データの表示画像を表示することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

〔甲15発明9〕
【請求項9】
前記表示制御手段は、画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、前記画像データの入力状況を案内する前記画像データに基づく表示画像のプレビュー表示を展開することを停止する機能と、画像データの入力停止状態を解除するための案内画面を表示する機能を備え、
画像データの入力中に画像データの入力が途中停止した場合に、画像データの入力停止状態を解除するための案内画面を表示することを特徴とする請求項1から7のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

〔甲15発明10〕
【請求項10】
前記表示制御手段は、入力処理を再開する指示画面を表示する機能と、画像データの入力処理を再開する機能とを備え、
画像データの入力停止状態が解除された後に、入力処理を再開する指示画面を表示して、入力処理を再開する指示があったときに、画像データの入力処理を再開することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。

〔甲15発明11〕
【請求項11】
前記表示制御手段は、どの画像から入力再開が必要かを報知する機能を備え、
画像データの入力停止状態が解除された後に、どの画像から入力再開が必要かを報知することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

〔甲15発明12〕
【請求項12】
前記表示制御手段は、最初に入力された画像データの表示画像を表示する機能を備え、
画像データの入力停止状態が解除された後に、画像データの入力処理を再開した場合には、最終画像データの入力状況が表示された後に、最初に入力された画像データの表示画像を表示することを特徴とする請求項8から11のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

(5-2)本件特許発明1と甲15発明1との対比
本件特許発明1と甲15発明1とを対比すると、本件特許発明1の構成A?Hは、甲15発明1の構成a?hと一致する。
本件特許発明1の構成Iと甲15発明1の構成iとは、表示手段が備える機能に関し、本件特許発明1が、「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、選択手段により前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」であるのに対し、甲15発明1では「プレビュー表示される表示画像のサイズに応じて、前記プレビュー領域の大きさを変更して表示する機能」である点で相違する。
したがって、本件特許発明1と甲15発明1とは、本件特許発明1が、プレビュー領域の大きさを変更して表示するための「選択手段」を備えるのに対し、甲15発明1は備えていない点(以下、「相違点」という。)で相違し、他は一致する。

(5-3)判断
同日出願である本件特許発明1と甲15発明1とが同一であるかどうかを検討する。
本件特許発明1を先願とし、甲15発明1を後願と仮定したときには、本件特許発明1は、甲15発明1の発明特定事項の全てを備えているから、両者は同一であるといえる。
一方、甲15発明1を先願とし、本件特許発明1を後願と仮定したときには、本件特許発明1が、上記相違点に係る構成を備えており、当該相違点は、課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえないから、両者は実質同一であるともいえない。
よって、本件特許発明1と甲15発明1とは同一ではない。

(5-4)本件特許発明2?12について
本件特許発明2?12は請求項1を引用し、甲15発明2?12も請求項1を引用するから、本件特許発明2?12と甲15発明2?12とは、甲15発明2?12を先願とし、本件特許発明2?12を後願と仮定した時には、両者は、本件特許発明1と甲15発明との相違点である上記相違点において相違し、当該相違点は、課題解決のための具体化手段における微差であるとはいえないから、本件特許発明2?12と甲15発明2?12とは、実質同一であるともいえない。
よって、本件特許発明2?12と甲15発明2?12とは同一ではない。

7.むすび
以上のとおりであるから、本件特許発明1?12に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件特許発明1?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-11-22 
出願番号 特願2015-126225(P2015-126225)
審決分類 P 1 651・ 161- Y (H04N)
P 1 651・ 121- Y (H04N)
P 1 651・ 113- Y (H04N)
P 1 651・ 4- Y (H04N)
P 1 651・ 537- Y (H04N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 橋爪 正樹  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 篠原 功一
小池 正彦
登録日 2016-10-21 
登録番号 特許第6027650号(P6027650)
権利者 シャープ株式会社
発明の名称 画像形成装置  
代理人 神田 正義  
代理人 阿部 琢磨  
代理人 黒岩 創吾  
代理人 宮尾 明茂  
代理人 馬場 信幸  
代理人 藤本 英介  
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