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審決分類 審判 全部申し立て 特174条1項  G06Q
審判 全部申し立て 2項進歩性  G06Q
管理番号 1335163
異議申立番号 異議2017-700878  
総通号数 217 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-01-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-15 
確定日 2017-12-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第6097539号発明「情報処理システム、情報処理方法、および、情報処理プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6097539号の請求項に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6097539号の請求項1?13に係る特許についての出願は、平成24年12月7日に特許出願され、平成29年2月24日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人久門享(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明

特許第6097539号の請求項1?13の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
予め設定された訪問先に関する位置情報と移動情報と時刻とを含む団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報を記憶する旅行商品情報記憶手段と、
入力部を介して入力された検索条件に基づいて、上記旅行商品情報記憶手段に記憶された上記旅行商品情報を検索する旅行商品情報検索手段と、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報に含まれる上記団体行動時間以外の自由行動時間を特定する特定手段と、
上記特定手段により特定された上記自由行動時間における追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付ける受付手段と、
上記受付手段により受け付けられた上記追加検索条件に基づいて、上記追加旅行情報を取得する追加旅行情報取得手段と、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報、および、上記追加旅行情報取得手段により取得された上記追加旅行情報を含む出力情報を生成し、出力する出力情報出力手段と、
を備えたことを特徴とする、情報処理システム。

【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
上記追加旅行情報取得手段は、
上記追加検索条件に基づいて、上記自由行動時間における案内経路である自由行動時間経路を探索し、当該自由行動時間経路に関する経路情報である自由行動時間経路情報を含む上記追加旅行情報を取得することを特徴とする、情報処理システム。

【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
上記旅行商品情報は、
予め上記自由行動時間が定義され、または、制御部により上記自由行動時間が判定されることを特徴とする、情報処理システム。

【請求項4】
請求項1または2に記載の情報処理システムであって、
上記出力情報は、
更に、上記自由行動時間を含み、
上記出力情報出力手段は、
上記出力情報に含まれる上記自由行動時間、または、上記追加旅行情報を、区別可能な表示態様で表示部に表示させることを特徴とする、情報処理システム。

【請求項5】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
上記情報処理システムは、
上記追加旅行情報を記憶する追加旅行情報記憶手段、
を更に備え、
上記追加旅行情報取得手段は、
更に、取得した上記追加旅行情報に基づく上記自由行動時間経路の終点から、当該追加旅行情報に基づく上記自由行動時間直後の上記団体行動時間において、上記位置情報に基づく最初の上記訪問先への移動が、間に合うか否か判定し、間に合う場合、当該追加旅行情報を上記追加旅行情報記憶手段に格納することを特徴とする、情報処理システム。

【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の情報処理システムであって、
上記出力情報は、
更に、上記旅行商品情報、または、上記追加旅行情報に関連するクーポン、提携施設、および/もしくは、割引に関するおすすめ情報を含むことを特徴とする、情報処理システム。

【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の情報処理システムであって、
上記追加旅行情報取得手段は、
更に、取得した上記追加旅行情報を旅行商品提供元に送信することを特徴とする、情報処理システム。

【請求項8】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
上記情報処理システムは、
上記追加旅行情報を記憶する追加旅行情報記憶手段、
を更に備え、
上記追加旅行情報取得手段は、
更に、旅行商品提供元から、上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報に基づく旅行商品の購入確定情報を受信した場合、当該購入確定情報に基づく購入者IDと当該旅行商品情報と上記追加旅行情報とを対応付けて上記追加旅行情報記憶手段に格納することを特徴とする、情報処理システム。

【請求項9】
端末装置に通信可能に接続されたサーバを、
予め設定された訪問先に関する位置情報と移動情報と時刻とを含む団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報を記憶する旅行商品
情報記憶手段、
上記端末装置の入力部を介して入力された検索条件に基づいて、上記旅行商品情報記憶手段に記憶された上記旅行商品情報を検索する旅行商品情報検索手段、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報に含まれる上記団体行動時間以外の自由行動時間を特定する特定手段、
上記端末装置にて、上記特定手段により特定された上記自由行動時間における追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力が受け付けられた場合、受け付けられた上記追加検索条件に基づいて、上記追加旅行情報を取得する追加旅行情報取得手段、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報、および、上記追加旅行情報取得手段により取得された上記追加旅行情報を含む出力情報を生成する出力情報生成手段、
上記出力情報を送信する出力情報送信手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。

【請求項10】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって構成される情報処理システムを、
予め設定された訪問先に関する位置情報と移動情報と時刻とを含む団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報を記憶する旅行商品情報記憶手段と、
入力部を介して入力された検索条件に基づいて、上記旅行商品情報記憶手段に記憶された上記旅行商品情報を検索する旅行商品情報検索手段と、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報に含まれる上記団体行動時間以外の自由行動時間を特定する特定手段と、
上記特定手段により特定された上記自由行動時間における追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付ける受付手段と、
上記受付手段により受け付けられた上記追加検索条件に基づいて、上記追加旅行情報を取得する追加旅行情報取得手段と、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報、および、上記追加旅行情報取得手段により取得された上記追加旅行情報を含む出力情報を生成し、出力する出力情報出力手段と、
として機能させるための情報処理プログラムであって、
上記複数の情報処理装置のうち1つの情報処理装置を、
上記手段のうち1つまたは複数の手段として機能させるための情報処理プログラム。

【請求項11】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって構成される、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の情報処理システムを機能させるための情報処理プログラムであって、
上記複数の情報処理装置のうち1つの情報処理装置を、
上記手段のうち1つまたは複数の手段として機能させるための情報処理プログラム。

【請求項12】
コンピュータを、
予め設定された訪問先に関する位置情報と移動情報と時刻とを含む団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報を記憶する旅行商品情報記憶手段、
入力部を介して入力された検索条件に基づいて、上記旅行商品情報記憶手段に記憶された上記旅行商品情報を検索する旅行商品情報検索手段、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報に含まれる上記団体行動時間以外の自由行動時間を特定する特定手段、
上記特定手段により特定された上記自由行動時間における追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付ける受付手段、
上記受付手段により受け付けられた上記追加検索条件に基づいて、上記追加旅行情報を取得する追加旅行情報取得手段、
上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報、および、上記追加旅行情報取得手段により取得された上記追加旅行情報を含む出力情報を生成し、出力する出力情報出力手段、
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。

【請求項13】
旅行商品情報検索手段が、入力部を介して入力された検索条件に基づいて、記憶部に記憶された予め設定された訪問先に関する位置情報と移動情報と時刻とを含む団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報を検索するステップと、
特定手段が、上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報に含まれる上記団体行動時間以外の自由行動時間を特定するステップと、
受付手段が、上記特定手段により特定された上記自由行動時間における追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付けるステップと、
追加旅行情報取得手段が、上記受付手段により受け付けられた上記追加検索条件に基づいて、上記追加旅行情報を取得するステップと、
出力情報出力手段が、上記旅行商品情報検索手段により検索された上記旅行商品情報、および、上記追加旅行情報取得手段により取得された上記追加旅行情報を含む出力情報を生成し、出力するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。」

第3 申立理由の概要

特許異議申立人は、次の1、2の申立理由を主張している。

1 請求項1?13に係る特許は、主たる証拠として特開2002-132877号公報(以下「甲1」という。)、従たる証拠として特開2003-30287号公報(以下「甲2」という。)、従たる証拠として特開2002-197150号公報(以下「甲3」という。)、従たる証拠として特開平9-198439号公報(以下「甲4」という。)に基づき、同法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?13に係る特許を取り消すべきものである。(以下、「申立理由1」という)

2 請求項1?13に係る特許は、同法第17条の2第3項の要件を満たしていないものであるから、請求項1?13に係る特許を取り消すべきものである。(以下、「申立理由2」という)

第4 刊行物の記載について

1 甲1(特開2002-132877号公報)について

甲1には、以下の発明が記載されている。(以下「甲1発明」という。)

「初期入力画面には、出発地,出発日,旅行期間,予算,及び目的地を入力する欄が設けられ、
必要事項を入力し、検索実行ボタン51がクリックされると、初期入力画面への入力事項に応じて予め設定されている基本旅程表が表示され、
基本旅程表には、各日にちにおける旅行を構成するパーツ部分と、そのパーツ部分に使用する素材業者11(例えば使用する飛行機の便やホテル)とが予め選択されており、
一日観光に対応するパーツ番号4や一日自由行動に対応する「-」等をクリックすると、そのパーツ部分を一日自由行動に変更したり他のオプショナルツアーに変更したりすることができる
旅行手配システム」

2 甲2(特開2003-30287号公報)について

甲2には、以下の技術事項が記載されている。

「【0069】「オプションツアーデータベース」は、国,都市毎に区分して記録されており、「オプションツアー名」,「予算」,「実施日」,「所要時間」,「集合時間」,「実施人数」,「食事」,「主催」,「注意事項」,「ツアー説明」,「イメージ画像」,「リンク情報」等の項目が記録されている。
【0070】図10はオプションツアー表示画面の一例を示した図であり、データベース登録作業者が登録内容の確認に用いると共に、支店において担当者や顧客の閲覧に供して、オプションツアーの詳しい内容を調べる際にも用いられる。
【0071】(41)は都市指定欄であり、オプションツアーが行われる都市を選択可能となっている。(42)はオプションツアーリスト欄であり、都市指定欄(41)で指定した都市で利用可能なオプションツアーが一覧表示される。
【0072】オプションツアー説明欄(43)には、選択されたオプションツアー名,予算,実施日,所要時間,実施人数,食事,主催,注意事項,ツアー説明が表示される。イメージ表示欄(44)には選択されたオプションツアーのイメージ画像や音声付き動画等が表示される。」

3 甲3(特開2002-197150号公報)について

甲3には、以下の技術事項が記載されている。

「【0027】旅行スケジュールの作成を開始する前に、ステップ68で、スケジューリングの方法が選択される。本例では、最短コースを巡る方法aと、ユーザが選択した順に巡る方法(嗜好に沿ったコース)bのいずれかが選択できるようになっており、ユーザがいずれかを選択するとスケジュール作成をスタートする。最短コースを巡る方法aが選択されると、まず、ステップ69で、スケジュール作成部14が移動時間取得部13を介して出発地と訪問候補地が経路探索エンジン24に提供され、出発地から最も早く到達できる訪問候補地が次の移動先としてセットされる。次に、その訪問候補地から最も早く到達できる訪問候補地が次の移動先としてセットされ、最終的には、出発地から訪問候補地を巡って到着地に最短で到達できるようにように経路が決定される。
【0028】そして、ステップ71で、スケジュール作成部14が、ステップ66で取得された各訪問候補地の予想所要時間Sと、ステップ69で取得された最短経路の予想移動時間Tとが組み合わされて旅行スケジュール(旅行プラン)30を作成し、その旅行プランをユーザの端末3または2に出力する。ステップ72で、出力された旅行スケジュール30の内容で良いとユーザが判断すると、ステップ73で、作成した旅行スケジュール30をスケジュールDB22に保管する。」

4 甲4(特開平9-198439号公報)について

甲4には、以下の技術事項が記載されている。

「【0051】また、本実施形態では旅行計画を図7に示すように、具体的な立寄り場所を明示した状態でユーザに提示したが、旅行計画の立寄り場所を『映画』、『夕食』、『ショッピング』等の施設種別で表示し、別途、各施設種別に対応する詳細な情報を表示するようにしてもよい。このような表示を行うことによって、旅行計画が簡潔に表示されるので該旅行計画の全体像がより容易に把握できる。また、立寄り場所の詳細(例えば、具体的な施設やそのサービス内容、広告等)が表示されることによって、具体的に旅行計画を取得することができる。」

第5 判断

1 申立理由1について

(1) 請求項1に係る発明について

請求項1に係る発明と、甲1発明を対比すると、以下の点で相違する。

相違点1
請求項1に係る発明の『旅行商品情報』は、『団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報』であるのに対し、甲1発明の「基本旅程表」は、『団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報』であるのか特定されていない点。

相違点2
請求項1に係る発明では、『自由行動時間における追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付ける受付手段』を備えているのに対し、甲1発明では、一日自由行動を他のオプショナルツアーに変更するものの、その手段については特定されていない点。

以下、上記相違点について検討する。

相違点1について
甲1発明は、甲1の【0048】に記載されるように「先ず目的地等に応じて既定の基本旅程表を表示し(S3)、その旅程表を構成するパーツ部分の内、顧客21の希望にそぐわないもの、または、上記パーツ部分の満席のないものを個々に変更することにより(S4?S7)、顧客21の希望通りの旅行予定を容易に作成することができる。」というものである。
そして、変更されるパーツ部分には、甲1の【0040】や【0043】を参照すれば、旅行の移動手段や一日観光も含まれている。
ここで、甲1発明の「基本旅程表」を『団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報』にし得るか否かについて検討すると、先ず一般的な団体ツアーであれば、団体行動すべき団体行動部分は、顧客が自由に変更可能なものとは認められない。
また、甲1の【0056】に「旅行予定表示手段が最初に表示する旅行予定は、全てのパーツ部分が白紙状態のものであってもよい」と記載されているように、甲1発明の「基本旅程表」は、最終的に全てのパーツを変更可能なものであるから、元の「基本旅程表」とは、もはや別物の「基本旅程表」を作成することも可能である。このように甲1発明の「基本旅程表」は、顧客の希望通りに旅行予定を変更できなければならず、一般的な団体ツアーのように団体行動すべき団体行動時間が定義されたものとするには阻害要因があるといえる。
そうすると、甲1発明の「基本旅程表」を、『団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報』にすることは、当業者といえども容易に想到し得るものではない。

相違点2について
甲2には、「オプションツアーデータベース」の内容や、「オプションツアーが行われる都市を選択可能」である技術事項が記載されているが、請求項1に係る発明における「追加旅行情報」と、甲2の「オプションツアー」が対応するとしても、甲2には、「オプションツアー」を検索することは記載されていない。
そうすると、甲1発明に甲2に記載された技術事項を適用しても、相違点2に係る『追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付ける受付手段』を備える構成には至らない。
また、甲3、甲4にも、相違点2に係る『追加旅行情報を検索するための追加検索条件の入力を受け付ける受付手段』について記載されていない。

したがって、請求項1に係る発明は、当業者であっても、甲1発明、及び甲2?甲4に記載された技術事項から当業者が容易になし得るものではない。

(2) 請求項2?13に係る発明について

請求項2?8に係る発明も、請求項1に係る発明が備える上記相違点1及び相違点2に係る構成と同一の構成を備えるものであり、請求項1に係る発明と同じ理由により、当業者であっても、甲1発明、及び甲2?甲4に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

請求項9?12に係る発明は、請求項1の情報処理システムをプログラムとして請求するものであって、上記相違点1及び相違点2と同一の構成に相当する構成を備えるものであるから、当業者であっても、甲1発明、及び甲2?甲4に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

請求項13に係る発明は、請求項1の情報処理システムを方法として請求するものであって、上記相違点1及び相違点2と同一の構成に相当する構成を備えるものであるから、当業者であっても、甲1発明、及び甲2?甲4に記載された技術事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 申立理由2について

申立理由2の具体的な内容は、請求項1?13には、『団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報』が規定されているが、願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲、又は、図面(以下、「当初明細書等」という。)には、旅行商品情報に団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義されていることは記載されていないというものである。
ここで、当初明細書等を参照すると、【0084】には「図3は、本実施形態における旅行商品情報(旅行商品データ)の一例を表しており、旅行商品データは、ツアー商品名と、出発地/目的地と、宿泊施設と、日程情報(出発日、宿泊数、および、出発時刻等を含む日程詳細)とに関する情報で構成されている。また、図4および図5は、旅行商品データを時刻軸にあわせて1つに表示した一例であり、図4に示すように、旅行商品データは、同行者が同じ行動をするために決められた移動または位置および時刻を伴う固定行動時間(ツアースケジュールに組み込まれたバス移動、昼食、夕食、または、朝食等の時間)が定義されている。」と記載されている。
そして、「同行者が同じ行動をするために決められた移動または位置および時刻を伴う固定行動時間」は、『団体行動すべき団体行動時間』であることは明らかであるから、請求項1?13において規定された『団体行動に関する情報であって、団体行動すべき団体行動時間が定義された旅行商品情報』は、当初明細書等に記載された範囲内のものである。

第6 むすび

したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?13に係る特許を取り消すことはできない。

また、他に請求項1?13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2017-11-24 
出願番号 特願2012-268523(P2012-268523)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G06Q)
P 1 651・ 55- Y (G06Q)
最終処分 維持  
前審関与審査官 宮地 匡人  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 相崎 裕恒
宇多川 勉
登録日 2017-02-24 
登録番号 特許第6097539号(P6097539)
権利者 株式会社ナビタイムジャパン
発明の名称 情報処理システム、情報処理方法、および、情報処理プログラム  
代理人 酒井 宏明  

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