• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01N
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01N
管理番号 1335562
審判番号 不服2016-13391  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-09-07 
確定日 2018-01-09 
事件の表示 特願2015- 95649「橋梁点検支援装置、橋梁点検支援方法、橋梁点検支援システム、およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月15日出願公開、特開2016-211955、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年5月8日の出願であって、平成28年1月29日付けで拒絶理由が通知され、同年3月24日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月27日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)されたところ、同年9月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。その後当審において平成29年6月22日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由1」という。)が通知され、同年8月21日に意見書及び手続補正書が提出され、当審において同年9月21日付けで最後の拒絶理由(以下、「当審拒絶理由2」という。)が通知され、同年10月20日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。


第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
1 本願請求項1-2、6-11に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。
2 本願請求項1-2、6-11に係る発明は、引用文献Aに基づいて、請求項3-5に係る発明は、引用文献A-Dに基づいて、それぞれ、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2013-167494号公報
B.特開2013-140441号公報
C.特開2012-70936号公報
D.特開2012-242932号公報


第3 当審拒絶理由の概要
1 当審拒絶理由1の概要
当審拒絶理由1の概要は、次のとおりである。
本願請求項1-2、6-9に係る発明は、以下の引用文献1-2に基づいて、本願請求項3に係る発明は、引用文献1-3に基づいて、本願請求項4に係る発明は、引用文献1-4に基づいて、本願請求項5に係る発明は、引用文献1-5に基づいて、本願請求項10-11に係る発明は、引用文献1-7に基づいて、それぞれ、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.川田 卓嗣 他、”AR技術を用いた社会インフラ施設維持管理の効率化”、三菱電機技報、日本、2015.02.20発行、89巻2号、11-14頁
2.福嶋 秀樹 他、”社会インフラを支えるシステム技術”、三菱電機技報、日本、 2015.02.20発行、89巻2号、2-6頁
3.特開2013-140441号公報(原査定における引用文献B)
4.特開2012-70936号公報(原査定における引用文献C)
5.特開2012-242932号公報(原査定における引用文献D)
6.特開2002-73608号公報
7.特開2006-58164号公報

2 当審拒絶理由2の概要
当審拒絶理由2の概要は、次のとおりである。
請求項2、及び請求項2を直接的又は間接的に引用する請求項3-8の記載が、下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
すなわち、請求項2には「少なくとも」との限定があるため、請求項2に係る発明には、「当該点検箇所を指示する図形の上下を反転して表示する」かどうかを決定するために、「橋上、橋下のいずれに存在するか」以外の条件も考慮するものが含まれている。
しかしながら、発明の詳細な説明及び図面には、「当該点検箇所を指示する図形の上下を反転して表示する」場合に、「橋上、橋下のいずれに存在するか」以外の条件も考慮することは、記載も示唆もされていない。

第4 本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、平成29年10月20日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は当審にて分説し、以下のとおりA)-G)の見出しを付した。

「 【請求項1】
A)橋梁の点検を支援する橋梁点検支援装置であって、
B)橋梁の点検箇所の位置を特定する点検位置情報を記憶する記憶手段と、
C)前記橋梁の実映像を取得する映像取得手段と、
D)前記橋梁点検支援装置の位置および向きを特定する自己位置情報を取得する自己位置取得手段と、
E)前記自己位置情報と前記橋梁に係る点検位置情報との位置関係に基づいて前記橋梁の前記点検箇所の位置をリアルタイムに直接指示するガイド情報を生成し、前記橋梁の実映像に重ねて表示する表示手段と、を具備し、
F)前記表示手段は、前記点検箇所が少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて前記ガイド情報の表示態様を変えて表示する、
G)ことを特徴とする橋梁点検支援装置。」


第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
当審拒絶理由1に引用された引用文献1(川田 卓嗣 他、”AR技術を用いた社会インフラ施設維持管理の効率化”、三菱電機技報、日本、2015.02.20発行、89巻2号、11(105)-14(108)頁)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同様。)。

(引1a)「2.社会インフラ向けARシステム
ARとは、”現実環境に情報を付加してユーザーが見ているものや場所を理解しやすくすること”を意味する。ARは現実環境に情報を付加するものであるため、ユーザーが常に持ち歩けるモバイル機器は、ARの表示デバイスとして最適である。モバイル機器には、カメラと複数センサが標準で搭載されている上に性能も十分に向上しており、また、汎用化が進んだことで、各種センサの利用も容易となっている。
・・・
当社の社会インフラ向けARシステムの全体構成を図1に示す。
このシステムは、施設や維持管理履歴の情報を管理する既存の施設情報管理システムサーバと、インターネット等の回線を通して接続されたタブレットから構成される。
タブレット上の機能構成を図2に示す。
ARシステムは、自己位置推定機能でタブレットの正確な自己位置を推定し、その自己位置を基にAR表示機能でタブレットのカメラ映像に各種情報をARとして重畳表示する。
正しく重畳表示を行う上で、利用者の現在地の正確さが必要になるため、表2に示す複数の手段を組み合わせて自己位置推定を行っている。
推定した自己位置に基づいて、緯度・経度・高度の情報を持つ管路や道路の情報を、タブレットのカメラで撮影した画像に重ね合わせ、ディスプレイに表示する。」(第12(106)頁左欄20行目-同頁右欄17行目)

(引1b)「3.2施設の点検・状態監視保全(CBM)へのARの適用
社会インフラを構成する施設等の維持管理に、CBM(Condition Based Maintenance)の考え方に基づく長寿命化が導入され始めている。
・・・
例えば、施設の点検を実施する中で、コンクリートのひび割れが見つかった場合、CBMでは、補修が必要な状態になるまで、ひび割れの状態を継続的に監視していく必要が生じる。
従来、図面上の位置や、写真等、又は、チョークなどを使った現場でのマーキングを使ってひび割れの位置を管理してきたが(図5)、施設の老朽化が進み、管理が必要な不具合箇所の数が膨大になるにつれて、不具合を過去の履歴と照合するために必要な作業が負担になってきている。
そこで道路・トンネル・擁壁・河川の護岸等の土木構造物の維持管理の現場に対しては、AR技術を用いて、不具合箇所を継続的に監視するための手段を実現している。
図6に道路・トンネルの維持管理状況に関するAR表示の例を示す。この例では、路面やトンネルの壁面に、過去に登録された不具合報告書の説明写真の画枠を、AR技術を用いて赤枠表示している。したがって、タブレットのカメラを通して表示された現場の画面を見れば、過去、現場で報告された不具合箇所が一望できる。
また、AR表示された赤枠に合わせて、写真を撮影することで、前回とほぼ同じ画角で写真を撮影できる。同一の不具合の継続的な監視が容易になるため、CBMによるトンネルの長寿命化が容易になる。
また、撮影した写真と合わせて、撮影時の写真のスケールを保管しておき、後から、写真上で、距離や面積を計測することも可能である(表4)。」(第13(107)頁右欄9行目-第14(108)頁右欄2行目)

(引1c)図2は、以下のようなものである。


図2から、引用文献1のARシステムにおけるタブレットは、GPSや9軸センサといった自己位置推定機能と、カメラと、図形生成及びテクスチャマッピングを行いカメラ画像への重畳表示をするAR表示機能とを具備していることが読み取れる。

(引1d)表4は、以下のようなものである。


表4から、引用文献1のARシステムは、不具合の箇所や内容、作業指示等を、マーキングやアノーテーションで表示する注記表示機能を備えていることが読み取れる。

(2)引用文献1に記載された発明
上記(引1a)-(引1d)の下線部の事項を整理すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
なお、引用発明の認定の根拠となった対応する摘記箇所を付記した。

「社会インフラ向けARシステムであって(引1a)、
施設や維持管理履歴の情報を管理する既存の施設情報管理システムサーバと、インターネット等の回線を通して接続されたタブレットから構成され(引1a)、
タブレットは、GPSや9軸センサといった自己位置推定機能と、カメラと、図形生成及びテクスチャマッピングを行いカメラ画像への重畳表示をするAR表示機能とを具備しており(引1c)、
自己位置推定機能でタブレットの正確な自己位置を推定し、その自己位置を基にAR表示機能でタブレットのカメラ映像に各種情報をARとして重畳表示するものであって(引1b)、
不具合の箇所や内容、作業指示等を、マーキングやアノーテーションで表示する注記表示機能を備え(引1d)、
道路・トンネル・擁壁・河川の護岸等の土木構造物の維持管理の現場に対して、AR技術を用いて、不具合箇所を継続的に監視するための手段を実現する(引1b)、
社会インフラ向けARシステム」

2 引用文献2について
当審拒絶理由1に引用された引用文献2(福嶋 秀樹 他、”社会インフラを支えるシステム技術”、三菱電機技報、日本、 2015.02.20発行、89巻2号、2(96)-6(100)頁)には、その「2.1 社会インフラ維持管理の課題」(第2(96)頁左欄13-20行目)の記載からみて、「定期的に点検を行なって維持管理すべき土木構造物として、トンネル以外に、橋梁がある」という技術的事項が記載されている。

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Bである、当審拒絶理由1に引用された引用文献3(特開2013-140441号公報)には、その【0073】-【0080】段落及び図9-11の記載からみて、「点検対象の過去の点検データを検索して表示する」という技術的事項が記載されている。

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Cである、当審拒絶理由1に引用された引用文献4(特開2012-70936号公報)には、その【0011】段落の記載からみて、「検査終了までの間に撮像した静止画像の枚数を確認して、不足した場合にアラートを発生させて、内視鏡の術者に撮り直しを促す機能を有する内視鏡システム」という技術的事項が記載されている。

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Dである、当審拒絶理由1に引用された引用文献5(特開2012-242932号公報)には、その図11-13及びその説明の記載からみて、「点検者の現在位置及び点検対象設備の位置をマップに一覧表示させる」という技術的事項が記載されている。

6 引用文献6について
当審拒絶理由1に引用された引用文献6(特開2002-73608号公報)には、その【0031】段落の記載からみて、「超音波又は電波を通じて自端末の位置を特定する測位方法」という技術的事項が記載されている。

7 引用文献7について
当審拒絶理由1に引用された引用文献7(特開2006-58164号公報)には、その【0003】段落記載からみて、「超音波を利用した局地測位システム」という技術的事項が記載されている。

8 引用文献Aについて
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献A(特開2013-167494号公報)には、その【0082】-【0083】段落及び図17-19の記載からみて、「点検用端末50の点検用画面に、橋梁の奥行き図を表示させ、該奥行き図に、マーク画像位置、点検画像位置、現在位置情報を埋め込み、カメラで取得したスナップショット、マーク画像を点検用画面の所定位置にはめ込んで点検用画面を生成し、スナップショット及びマーク画像は、予め橋梁を撮影した撮影方向と橋梁の路面を点検する点検方向が同一であるか逆であるかに応じて異なるものを用いる」という技術的事項が記載されている。

9 その他の文献について
(1)引用文献8(国際公開第2013/054839号)には、その【0193】-【0199】段落及び図4、29の記載からみて、「写真に重畳された様々な情報が視点を変えることで変化する」という技術的事項が記載されている。

(2)引用文献9(特開2013-69177号公報)には、その【0021】-【0025】、【0058】段落の記載からみて、「端末側装置のモニタに常時表示されるいわゆるライブビューの画像である実写画像に、橋梁や建築物の構造物計画から作成された仮想空間画像を合成して表示する表示装置、及び記憶手段を、表示手段や位置・姿勢計測手段、画像取得手段と同じ一つの装置に具備させることでサーバ側送受信手段及び端末側送受信手段を省略できる」という技術的事項が記載されている。


第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア A)、G)について
引用発明における「維持管理の現場」が「点検」作業の現場を含むことは明らかであるから、引用発明の「道路・トンネル・擁壁・河川の護岸等の土木構造物の維持管理の現場に対して、AR技術を用いて、不具合箇所を継続的に監視するための手段を実現する社会インフラ向けARシステム」と、本願発明1の「橋梁の点検を支援する橋梁点検支援装置」とは、「土木構造物の点検を支援する点検支援装置」である点で共通する。

イ B)について
引用発明の「施設や維持管理履歴の情報を管理する既存の施設情報管理システムサーバ」と、本願発明1の「橋梁の点検箇所の位置を特定する点検位置情報を記憶する記憶手段」とは、「点検箇所の位置を特定する点検位置情報を記憶する記憶手段」である点で共通する。

ウ C)について
引用発明の「カメラ」と、本願発明1の「前記橋梁の実映像を取得する映像取得手段」とは、「点検対象物の実映像を取得する映像取得手段」である点で共通する。

エ D)について
引用発明の「GPSや9軸センサといった自己位置推定機能」は、本願発明1の「点検支援装置の位置および向きを特定する自己位置情報を取得する自己位置取得手段」に相当する。

オ E)について
引用発明において「ARとして重畳表示」される「各種情報」が、本願発明1の「ガイド情報」に相当し、引用発明における「タブレットのカメラ映像」は、本願発明1の「実映像」に相当するから、引用発明の「自己位置推定機能でタブレットの正確な自己位置を推定し、その自己位置を基にAR表示機能でタブレットのカメラ映像に各種情報をARとして重畳表示する」「AR表示機能」と、本願発明1の「前記自己位置情報と前記橋梁に係る点検位置情報との位置関係に基づいて前記橋梁の前記点検箇所の位置をリアルタイムに直接指示するガイド情報を生成し、前記橋梁の実映像に重ねて表示する表示手段」とは、「前記自己位置情報と点検位置情報との位置関係に基づいて前記点検箇所の位置をリアルタイムに直接指示するガイド情報を生成し、実映像に重ねて表示する表示手段」である点で共通する。

カ F)について
引用発明の「不具合の箇所や内容、作業指示等を、マーキングやアノーテーションで表示する注記表示機能」は、「不具合の箇所や内容、作業指示等」に応じて、「マーキングやアノーテーション」といった「ARとして重畳表示」される「各種情報」の表示態様を変える機能であることは明らかであるから、引用発明の「不具合の箇所や内容、作業指示等を、マーキングやアノーテーションで表示する注記表示機能」と、本願発明1の「表示手段は、前記点検箇所が少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて前記ガイド情報の表示態様を変えて表示する」こととは、「表示手段は、点検箇所や内容に応じて、ガイド情報の表示態様を変えて表示する」点で共通する。

キ ア-カから、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点がある。

(一致点)
「土木構造物の点検を支援する点検支援装置であって、
点検箇所の位置を特定する点検位置情報を記憶する記憶手段と、
点検対象物の実映像を取得する映像取得手段と、
前記点検支援装置の位置および向きを特定する自己位置情報を取得する自己位置取得手段と、
前記自己位置情報と前記点検位置情報との位置関係に基づいて前記点検箇所の位置をリアルタイムに直接指示するガイド情報を生成し、前記実映像に重ねて表示する表示手段と、を具備し、
表示手段は、点検箇所や内容に応じて、ガイド情報の表示態様を変えて表示する、
ことを特徴とする橋梁点検支援装置。」

(相違点)
(相違点1)点検対象物が、本願発明1は「橋梁」であるのに対し、引用発明は、「道路・トンネル・擁壁・河川の護岸等の土木構造物」である点。

(相違点2)本願発明1は「点検箇所が少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて前記ガイド情報の表示態様を変えて表示する」のに対し、引用発明の「注記表示機能」が、「点検箇所が少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するか」に応じてマーキングやアノーテーションを表示することは特定されていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み、上記相違点2について検討すると、相違点2に係る本願発明1の「点検箇所が少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて前記ガイド情報の表示態様を変えて表示する」という構成は、上記引用文献2-9、Aには記載も示唆もされておらず、また、本願出願時において周知の技術的事項でもない。

したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び引用文献2-9、Aに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2-12について
本願発明2-12も、本願発明1の「点検箇所が少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて前記ガイド情報の表示態様を変えて表示する」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-9、Aに記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第7 原査定について
上記「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」に示したとおり、本願発明1-12は、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献A-Dに基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。


第8 当審拒絶理由について
1 当審拒絶理由1について
上記「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」に示したとおり、本願発明1-12は、当業者であっても、当審拒絶理由1において引用された引用文献1-7に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 当審拒絶理由2について
平成29年10月20日付けの手続補正により、請求項2の「少なくとも橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて」が「橋上、橋下のいずれに存在するかに応じて」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。


第9 むすび
以上のとおり、本願発明1-12は、当業者が引用発明及び引用文献2-9、Aに記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由及び当審による拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2017-12-18 
出願番号 特願2015-95649(P2015-95649)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01N)
P 1 8・ 537- WY (G01N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 深田 高義松谷 洋平  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
松岡 智也
発明の名称 橋梁点検支援装置、橋梁点検支援方法、橋梁点検支援システム、およびプログラム  
代理人 井上 誠一  
代理人 井上 誠一  
代理人 井上 誠一  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ