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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01M
管理番号 1335997
審判番号 不服2017-1779  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-07 
確定日 2018-01-23 
事件の表示 特願2013-152297「タイヤ試験機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月 2日出願公開、特開2015- 21917、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年7月23日の出願であって、平成28年6月16日付けで拒絶理由が通知され、同年10月13日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年10月31日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)されたのに対し、平成29年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正書が提出され、そして、当審において同年9月14日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)を通知し、同年11月16日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
平成28年10月31日付けの手続補正書により補正された請求項1?3に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明又は引用文献1に記載された発明と引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
特に、引用文献1に記載された発明を、主に図7及び図8の記載から認定したものである。
引用文献等一覧
1.特開平08-122220号公報
2.特開2011-048702号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
平成29年2月7日付けの手続補正書により補正された請求項1?3に係る発明は、上記引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
当審においては、原査定と異なり、引用文献1に記載された発明を、主に図9の記載から認定したものである。

第4 本願発明
本願の請求項1?5に係る発明(以下「本願発明1」?「本願発明5」という。)は、平成29年11月16日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されたとおりのものであり、そのうち独立項である請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
タイヤの試験を行うタイヤ試験機での複数の試験の内容とその順番を記述したレシピを、その試験の内容である基本構成が変更されないように予め記憶するレシピ記憶手段と、
前記レシピに記述された試験の内容に従って前記タイヤ試験機によるタイヤの試験を行うタイヤ試験手段と、
前記レシピの基本構成を変更することなく、前記レシピに記述された各試験に対応して、前記レシピに記述された当該試験以降の順番を変更するかどうかの判定基準と試験の順番変更の内容とを記述したプログラムを、変更試験仕様として入力手段により入力されて記憶する変更試験仕様記憶手段と、
前記タイヤ試験手段によりタイヤに対して前記レシピに記述された内容に従って行われた各試験が終わる毎に、試験の結果及び前記変更試験仕様に記述された前記判定基準に基づいて、前記レシピに記述された試験の順番を変更するかどうかの判断を行い、試験の結果が前記判定基準を満たすと判断した場合に、前記変更試験仕様に記述された試験の順番変更の内容に従って、当該試験以降の順番を変更する変更判断手段と、を備え、
前記タイヤ試験手段は、前記変更判断手段で試験の結果が前記判定基準を満たすと判断しない場合には前記レシピに記述された順番で、前記変更判断手段で試験の結果が前記判定基準を満たすと判断した場合には前記変更試験仕様に記述された順番で、試験を行うことを特徴とするタイヤ試験機。」

第5 引用文献及びその記載事項
1 引用文献1について
(1)引用文献1の記載事項
引用文献1(特開平8-122220号公報)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は以下の引用発明の認定に関連する箇所に当審にて引いたものである。
(1ア)「【0002】
【従来の技術】
例えば,乗用車用タイヤ,軽トラック用タイヤ,小型トラック用タイヤ,モータサイクル用タイヤ及びトラック・バス用タイヤのユニフォーミテイ試験装置は,図2(a)に示すように測定するタイヤを取り付けるための回転軸,これと軸が平行で表面が平たんな代用路面としての回転ドラム,このドラムをタイヤに(又はタイヤをドラムに)押しつけて両軸間隔を一定に保つことのできるタイヤ負荷装置(不図示),並びにタイヤが回転するときに発生する3軸方向の力の成分を測定するための装置(不図示)からなる測定部1を備えている。この従来の試験装置における動作・測定は所定のシーケンスに基づいて実行される。以下,そのシーケンスフローを示した図9を参照して,ステップS1,S2,…の順に説明する。試験装置は,各種動作・測定に関する設定値(図9中の符号△,○等)を取り込み,それら設定に従って,次のように各種装置を動作させ,測定を行う。まず測定用リムにタイヤを装着し,空気を充填する(S1)。次にタイヤに所定の荷重をかけてならし走行(ウォーミングアップ)を行う(S2?S6)。次に空気圧及びタイヤ回転数の調整を行う(S6)。次にタイヤ軸とドラム軸との距離を一定に保持する(荷重を調整する)(S6)。次にタイヤを回転させて発生する力とその変動及び幾何学的形状の変動を読み込む(S7?S11)。ここで,ユニフォーミテイとは,荷重をかけているタイヤが,一定の半径で一回転する間に発生する力及びその変動の大きさと,幾何学的形状の変動のことをいう。発生する力およびその変動は図2(a)(b)に示す3軸方向の成分RFV(半径方向),LFV(横方向),TFV(前後方向)やLFD,コニシティで表され,幾何学的形状の変動は,図3(a)(b)に示すRRO:ラジアルランナウト(半径方向の幾何学的形状の変動)や図4(a)(b)に示すLRO:ラテラルランナウト(幅方向の幾何学的形状の変動),バンピィで表される。RFV,LFV,TFVは各測定方向における力の変動の大きさで表されるものである。また,LFDはタイヤ一回転での横方向の力の平均値であり,LFDのうち,タイヤの回転方向に関係なく常に一定に発生する横方向の力をコニシティという。RROはタイヤの半径方向の長さの変動の大きさで(外径状の変位)表されるもので,これは図3(a)に示すようにタイヤ1回転させた時の基準点からタイヤ表面までの距離の変動により得られる。その波形図を図3(b)に示す。またLROはタイヤ横方向の長さの変動の大きさで(幅の変位)表されるもので,これは図4(a)に示すようにタイヤを一回転させた時の基準点からタイヤ表面までの距離の変動により得られる。通常,基準点は2点とり,タイヤの上部(タイヤの表)と下部(タイヤの裏)とを測定する。その波形例を図4(b)に示す。さらに,幾何学的形状の変動であるバンピイがある。これはタイヤサイドウォール部にある局部的な凹凸の大きさであるが,ラテラルランナウト測定と同様の方法によって測定される(図4(a)参照)。ただし,ラテラルランナウト測定ではタイヤ一回転当りの変動の大きさを測定するのに対し,バンピイ測定では局部(タイヤ15°幅分,20°幅分など)のような顕著な凹凸(距離の変動)の大きさを測定する。その後,トータルランクの分級,個別ランクの分級が行われる(S12)。ここで,トータル,個別ランクの分級について述べる。ユニフォーミテイ試験装置は,測定結果と,予め設定しておくしきい値との比較により,各測定項目毎に個別ランク分けすることができる。例えば,図5に示すようにRFVのしきい値の設定を,Aランク=10,Bランク=20,Cランク=30と設定した場合の各測定結果に対する個別ランクは以下のようになる。
測定結果 RFV=8…Aランク
測定結果 RFV=12…Bランク
測定結果 RFV=25…Cランク
そして各測定項目毎に分級された個別ランク結果の組み合わせによりトータルランクの分級を行う。例えば,RFV=A AND LFV=A ならばトータルAランクというように,各測定項目毎のランクの組み合わせによってトータルランクの分級を行う。また,グラインダの処理判定もトータルランクと同様に,各測定項目毎のランクの組み合わせにより行う。例えば,RFV=B AND LFV=C ならばグラインダ実行というように行う。グラインダ処理はRFVもしくはRFV一次成分(1Hzの信号成分)の大きさにより,RFVの大きな部分をグラインドし,RFVもしくはRFV一次成分の改善を行う(S13?S15)。図6では,斜線部をグラインドし,RFVもしくはRFV一次成分の改善を行っている。そして,再テスト及びコニシテイ判定結果がよければ(S16?S19),タイヤを逆転させて,力系の測定を行った後(S20,S21),最終的にマーク判定及びマークを行う(S22?S24)。」

(1イ)上記摘記(1ア)に記載されているタイヤのユニフォーミテイ試験装置におけるシーケンスフローを示す図として、以下の図9が記載されている。
【図9】


(1ウ)そして、上記再テスト及びコニシティについて、【0007】?【0011】には以下の記載がある。
「(6)測定:TEST
指定された条件,項目の測定および演算を行う。
書式)TEST ウォーミングアップ時間 タイヤ回転方向 タイヤ回転数 荷重 力測定 コニシティ測定 ラジアルランナウト測定 ラテラルランナウト測定 バンピイ測定
・・・
(8)動作の実行判定:JUDGE
あらかじめ設定されている各動作条件に対する実行判定をおこない,判定結果と判定子とが一致すれば,指定したラベルに制御を移す。
書式)JUDGE 判定番号(変数) 判定子 飛び先番号(変数)
判定番号 1:コニシティ実行判定
・・・
4:再テスト実行判定
判定子 TRUE:真
FALSE:偽
(9)条件:IF
指定した条件が真であるならば指定したラベルに制御を移す。
・・・
(10)制御移動:JUMP
指定したラベルに制御を移す。」

(2)引用発明について
ア 上記(1イ)と(1ウ)から、再テスト判定において、力測定、ラジアルランナウト測定、ラテラルランナウト測定、バンピイ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移すこと、コニシティ判定において、コニシティ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移すことが記載されているといえる。

イ 引用発明
上記アを踏まえれば、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。
「タイヤのユニフォーミテイ試験装置であり、その試験装置における動作・測定は、
測定用リムにタイヤを装着し、空気を充填し(S1)、タイヤに所定の荷重をかけてならし走行(ウォーミングアップ)を行い(S2?S6)、タイヤを回転させて発生する力とその変動及び幾何学的形状の変動を読み込み(S7?S11)、トータルランクの分級、個別ランクの分級が行われ(S12)、グラインダの処理判定もトータルランクと同様に、各測定項目毎のランクの組み合わせにより行い(S13?S15)、再テスト及びコニシテイ判定結果がよければ(S16?S19)、タイヤを逆転させて、力系の測定を行った後(S20、S21)、最終的にマーク判定及びマークを行う(S22?S24)シーケンスに基づいて実行されるものであって、
再テスト判定において、力測定、ラジアルランナウト測定、ラテラルランナウト測定、バンピイ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移すこと、
コニシティ判定において、コニシティ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す、
タイヤのユニフォーミテイ試験装置。」(以下「引用発明」という。)

2 引用文献2について
引用文献2(特開2011-048702号公報)には、以下の事項が記載されている。
(2ア)「【0019】
スクリプト実行プログラム144bは、所定のスクリプト言語(本実施形態では、Lua)で記述された命令群であるスクリプトを実行するスクリプト実行処理を制御部100に実行させるためのプログラムである。」
(2イ)「【0021】
・・・。また、本実施形態にて機能拡張用スクリプトを記述するスクリプト言語としてLuaを採用したのは、perlなどの他のスクリプト言語に比較してスクリプト実行処理の処理負荷が低い(スクリプト実行プログラム144bの実行に要するメモリ量が少ないなど)といった特徴を有しており、電子機器への組み込みに好適だからである。」

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア レシピ記憶手段について
引用発明の「測定用リムにタイヤを装着し、空気を充填し(S1)、タイヤに所定の荷重をかけてならし走行(ウォーミングアップ)を行い(S2?S6)、タイヤを回転させて発生する力とその変動及び幾何学的形状の変動を読み込み(S7?S11)、トータルランクの分級、個別ランクの分級が行われ(S12)、グラインダの処理判定もトータルランクと同様に、各測定項目毎のランクの組み合わせにより行い(S13?S15)、再テスト及びコニシテイ判定結果がよければ(S16?S19)、タイヤを逆転させて、力系の測定を行った後(S20、S21)、最終的にマーク判定及びマークを行う(S22?S24)シーケンス」は、本願発明1の「タイヤの試験を行うタイヤ試験機での複数の試験の内容とその順番を記述したレシピ」に相当する。
そして、引用発明は、その「シーケンスに基づいて」「タイヤのユニフォーミテイ試験装置」「における動作・測定」が「実行されるもの」であるから、そのシーケンスに基づいて実行される試験の内容の基本構成が変更されないように予め記憶されていなければならないことから、本願発明1の「試験の内容である基本構成が変更されないように予め記憶するレシピ記憶手段」を有しているといえる。

イ タイヤ試験手段について
引用発明の「試験装置における動作・測定」が「シーケンスに基づいて実行される」「タイヤのユニフォーミテイ試験装置」は、本願発明1の「レシピに記述された試験の内容に従って前記タイヤ試験機によるタイヤの試験を行うタイヤ試験手段」を備えた「タイヤ試験機」に相当する。

ウ 変更試験仕様記憶手段について
引用発明の「力測定、ラジアルランナウト測定、ラテラルランナウト測定、バンピイ測定」及び「コニシティ測定」は、本願発明の「レシピに記述された各試験」に相当し、引用発明の「力測定、ラジアルランナウト測定、ラテラルランナウト測定、バンピイ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」こと及び「コニシティ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」ことは、本願発明1の「レシピの基本構成を変更することなく、前記レシピに記述された各試験に対応して、前記レシピに記述された当該試験以降の順番を変更するかどうかの判定基準と試験の順番変更」に相当していることから、引用発明も「レシピの基本構成を変更することなく、前記レシピに記述された各試験に対応して、前記レシピに記述された当該試験以降の順番を変更するかどうかの判定基準と試験の順番変更の内容とを記述したプログラム」を有しているといえる。

エ 変更判断手段について
また、引用発明の「力測定、ラジアルランナウト測定、ラテラルランナウト測定、バンピイ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」「再テスト判定」手段及び「コニシティ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」「コニシテイ判定」手段と、本願発明1の「タイヤ試験手段によりタイヤに対して前記レシピに記述された内容に従って行われた各試験が終わる毎に、試験の結果及び前記変更試験仕様に記述された前記判定基準に基づいて、前記レシピに記述された試験の順番を変更するかどうかの判断を行い、試験の結果が前記判定基準を満たすと判断した場合に、前記変更試験仕様に記述された試験の順番変更の内容に従って、当該試験以降の順番を変更する変更判断手段」とは、「タイヤ試験手段によりタイヤに対して前記レシピに記述された内容に従って行われた各試験が終わる毎に、試験の結果及び前記判定基準に基づいて、前記レシピに記述された試験の順番を変更するかどうかの判断を行い、当該試験以降の順番を変更する変更判断手段」の点で共通する。

オ してみれば、本願発明1と引用発明とは、
(一致点)
「タイヤの試験を行うタイヤ試験機での複数の試験の内容とその順番を記述したレシピを、その試験の内容である基本構成が変更されないように予め記憶するレシピ記憶手段と、
前記レシピに記述された試験の内容に従って前記タイヤ試験機によるタイヤの試験を行うタイヤ試験手段と、
前記レシピの基本構成を変更することなく、前記レシピに記述された各試験に対応して、前記レシピに記述された当該試験以降の順番を変更するかどうかの判定基準と試験の順番変更の内容とを記述したプログラムと、
前記タイヤ試験手段によりタイヤに対して前記レシピに記述された内容に従って行われた各試験が終わる毎に、試験の結果及び前記判定基準に基づいて、前記レシピに記述された試験の順番を変更するかどうかの判断を行い、当該試験以降の順番を変更する変更判断手段と、を備えた、タイヤ試験機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
判定基準と試験の順番変更の内容とを記述したプログラムについて、本願発明1では、「変更試験仕様記憶手段」があり、「変更試験仕様として入力手段により入力されて記憶」されるものであり、判定基準が「前記変更試験仕様に記述された」ものであるのに対し、引用発明では、それらが変更試験仕様として入力手段により入力されるものではない点。

(相違点2)
本願発明1は、試験以降の順番の変更が「試験の結果が前記判定基準を満たすと判断した場合に、前記変更試験仕様に記述された試験の順番変更の内容に従って」行われ、タイヤ試験手段が「前記変更判断手段で試験の結果が前記判定基準を満たすと判断しない場合には前記レシピに記述された順番で、前記変更判断手段で試験の結果が前記判定基準を満たすと判断した場合には前記変更試験仕様に記述された順番で、試験を行う」ものであると特定されているのに対し、引用発明では、「判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」ものとされ、具体的な場合で記載されていない点。

(2)相違点の判断
まず、相違点1について検討するに、
引用発明では、「力測定、ラジアルランナウト測定、ラテラルランナウト測定、バンピイ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」「再テスト判定」及び「コニシティ判定において、コニシティ測定を行い、あらかじめ設定されている動作条件に対する実行判定をおこない、判定結果と判定子とが一致すれば指定したラベルに制御を移す」「ニシティ判定」は、上記(1イ)の図9から、予め「シーケンス」の一環として(記憶され)行われるものであり、これらについて、あえて、別途「変更試験仕様記憶手段」を設け、各試験が終わる毎に「変更試験仕様として入力手段により入力されて記憶」されるものとすることが、当業者が容易なし得たこととはいえない。
また、上記第5の2で摘記したとおり、引用文献2は、ルアスクリプト言語について示したものにすぎないから、引用文献2の記載事項を鑑みても、上記相違点は、当業者が容易なし得たこととはいえない。

(3)まとめ
したがって、本願発明1は、相違点2について検討するまでもなく、当業者が引用発明に基づいて、容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2?5について
本願発明2?5は、本願発明1を引用し、さらに限定した発明であり、引用文献2は上記第5の2の摘記(2ア)に記載されているとおりルアスクリプト言語について示したものにすぎないから、本願発明1と同じ理由により、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
原査定は、上記第2に記載したとおり、引用文献1に記載された発明を主に図7及び図8の記載から認定したものであり、図7及び図8から認定される発明は、タイヤAの時には図7のシーケンスフローとし、タイヤBの時には図8のシーケンスフローとするように、そもそもタイヤ種類毎に異なるシーケンスフローが用意されるという発明である。
そして、図7及び図8から認定される発明においても、少なくとも上記第6の1(1)オで述べた相違点1の点で本願発明1と相違し、当該相違点1は、図7及び図8から認定される発明においても、当業者が容易になし得た
こととはいえない。
よって、本願発明1?5は、引用文献1に記載された発明又は引用文献1に記載された発明と引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるとはいえないことから、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-01-10 
出願番号 特願2013-152297(P2013-152297)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 北川 創  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 三崎 仁
松岡 智也
発明の名称 タイヤ試験機  
代理人 特許業務法人梶・須原特許事務所  
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