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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01R
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1336006
審判番号 不服2016-18164  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-12-02 
確定日 2018-01-23 
事件の表示 特願2015-535590「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置および方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月12日国際公開、WO2015/034144、平成27年11月19日国内公表、特表2015-533214、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年2月5日(パリ条約による優先権主張 2013年9月5日(以下、「優先日」という。) 韓国)を国際出願日とする出願であって、平成27年10月29日付けの拒絶理由通知に対して、平成28年2月4日付けで手続補正がなされたが、平成28年7月26日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という)がなされ、これに対し、平成28年12月2日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。
その後、当審において平成29年8月24日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成29年11月28日付けで手続補正がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1-13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明13」という。)は、平成29年11月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-13に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
バッテリーパックのフリーチャージ抵抗に直列に連結する負荷抵抗、
前記バッテリーパックに前記負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧および前記負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定する電圧測定部、および
前記バッテリーパックの前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出するフリーチャージ抵抗算出部を含み、
前記バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するフリーチャージリレースイッチと、前記フリーチャージリレースイッチを制御するスイッチ制御部をさらに含み、
前記算出部は、
前記負荷状態で前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御し、
前記スイッチ制御部は、前記無負荷状態または前記負荷状態であるとき、前記無負荷電圧または前記負荷電圧を測定するように前記フリーチャージリレースイッチを閉鎖する動作を実行することを特徴とする、バッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置。
【請求項2】
前記無負荷電圧は、前記バッテリーパックの開放回路電圧(Open Circuit Voltage;OCV)であることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置。
【請求項3】
前記負荷抵抗は、
前記負荷抵抗に流れる電流の電流値を調整するために、抵抗値を制御することができる可変抵抗であることを特徴とする、請求項1または2に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置。
【請求項4】
前記所定の電流値は1Aであることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置。
【請求項5】
前記バッテリーパックおよび前記負荷抵抗の間または前記負荷抵抗および前記フリーチャージ抵抗の間に位置して電流を測定する電流測定部をさらに含むことを特徴とする、請求項1から4の何れか1項に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置。
【請求項6】
前記電流測定部は電流センサであることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置。
【請求項7】
前記算出部は、
下記の数式に基づいて、前記フリーチャージ抵抗の抵抗値を算出することを特徴とする、請求項1から6の何れか1項に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置
:
[数1]
Rp=(V_1-V_2)/A
ここで、Rpはフリーチャージ抵抗、V_1は前記無負荷電圧、V_2は前記負荷電圧
、Aは前記所定の電流値。
【請求項8】
バッテリーパックのフリーチャージ抵抗に直列に負荷抵抗を連結するステップ、
バッテリーパックに負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧および負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定するステップ、および
前記バッテリーパックの前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出するステップを含み、
前記バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するフリーチャージリレースイッチを制御するステップをさらに含み、
前記算出するステップは、
前記負荷状態で前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御し、
前記フリーチャージリレースイッチを制御するステップは、前記バッテリーパックの前記無負荷状態または前記負荷状態であるとき、前記無負荷電圧または前記負荷電圧を測定するように前記フリーチャージリレースイッチを閉鎖する動作を実行することを特徴とする、バッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出方法。
【請求項9】
前記無負荷電圧は、前記バッテリーパックの開放回路電圧(Open Circuit Voltage;OCV)であることを特徴とする、請求項8に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出方法。
【請求項10】
前記負荷抵抗に流れる電流の電流値を調整するために、抵抗値を制御するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8または9に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出方法。
【請求項11】
前記所定の電流値は1Aであることを特徴とする、請求項8から10の何れか1項に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出方法。
【請求項12】
前記バッテリーパックおよび前記負荷抵抗の間または前記負荷抵抗および前記フリーチャージ抵抗の間の電流を測定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8から11の何れか1項に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出方法。
【請求項13】
前記算出するステップは、
下記の数式に基づいて、フリーチャージ抵抗を算出することを特徴とする、請求項8から12の何れか1項に記載のバッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出方法:
[数2]
Rp=(V_1-V_2)/1A
ここで、Rpはフリーチャージ抵抗、V_1は前記無負荷電圧、V_2は前記負荷電圧、Aは前記所定の電流値。」

第3 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2012-501620号公報)には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与したものである。以下同様。)。

a 「【0027】
図2に示されたように、本発明によるバッテリーパックと負荷との間のスイッチ部制御装置50は、負荷40と負荷40に電源を供給するバッテリーパック10との伝送線路上に配置された第1スイッチ部20、フリーチャージスイッチ部22、及び第2スイッチ部30の動作を全般的に制御する。
【0028】
前記第1スイッチ部20は、バッテリーパック10の正極と負荷40とを連結した高電位線路Pack+上に設けられる。また、前記第2スイッチ部30はバッテリーパック10の負極と負荷40とを連結した低電位線路Pack-上に設けられる。また、前記フリーチャージスイッチ部22は高電位線路のバイパス線路1上に設けられ、電流制限抵抗Rと直列で接続される。」

b 「【0031】
前記負荷40は、バッテリーパック10から電源の供給を受けて動力を生産するモーター、バッテリーパック10から印加される放電電圧を他の電圧レベルに変換するDC-DCコンバータなどである。しかし、本発明は負荷40の種類によって限定されない。したがって、負荷40はバッテリーパック10から動作電源が印加される如何なる装置やシステムも含むと理解しなければならない。」

c 図2


図2より、バッテリーパック10、電流制限抵抗R、フリーチャージスイッチ部22及びスイッチ部制御装置50を備えた装置において、バッテリーパック10とフリーチャージスイッチ部22が直列に連結され、電流制限抵抗Rと負荷40が直列に連結されていることが見て取れる。

上記a及びcより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(括弧内は、認定に用いた引用文献1の記載箇所を示す。)。
「電流制限抵抗Rと負荷40が直列に連結されており(図2)、
バッテリーパック10と直列に連結し、高電位線路のバイパス線路1上に設けられ、電流制限抵抗Rと直列で接続されたフリーチャージスイッチ部22と(【0028】、図2)、フリーチャージスイッチ部22を制御するスイッチ部制御装置50とを含む(【0027】)、
バッテリーパック10、電流制限抵抗R、フリーチャージスイッチ部22及びスイッチ部制御装置50を備える装置(図2)。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(実願昭58-189925号(実開昭60-98072号)のマイクロフィルム)には、図面とともに、次の事項が記載されている。

a 「この考案は電気回路の電気的特性の一つである内部抵抗を測定する装置を提供するものである。」(第2頁第1-2行)

b 「被測定物が通電状態にあるとき,本考案による装置を,リード線(9)で被測定物の測定点に接続する。可変抵抗器(10)をまず無限大にし,被測定物の電圧形態に合せて電圧計(6)により電圧を測定し,測定値をデータ処理回路(11)にV1として記憶する。次に電流計(5)によって流れる電流を被測定物の回路上の制約範囲内であることを監視しながら可変抵抗器(10)の抵抗値を測定精度の十分得られる値まで低下させる。そのときの抵抗値及び電圧計(6)による電圧測定値をデータ処理回路(11)にR,V2として記憶する。」(第5頁第5-15行)

上記a及びbより、引用文献2には、次の技術が記載されている。
「電気回路の内部抵抗を測定する装置において、
装置を、被測定物の測定点に接続し、可変抵抗器(10)をまず無限大にし,電圧計(6)により電圧を測定し,
次に電流計(5)によって電流を監視しながら可変抵抗器(10)の抵抗値を低下させ、そのときの抵抗値及び電圧計(6)による電圧測定値を得る技術。」

第4 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「電流制限抵抗R」、「バッテリーパック10」、「フリーチャージスイッチ部22」は、それぞれ、本願発明1の「フリーチャージ抵抗」、「バッテリー」、「フリーチャージリレースイッチ」に相当する。

イ 本願発明1の「フリーチャージ抵抗」が、「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗」であり、「バッテリー」が、「バッテリーパックに含まれるバッテリー」であり、「フリーチャージリレースイッチ」が、「バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し」たものであり、かつ、図2を参酌すると、「バッテリーパック10」内に、「バッテリ-11」、「フリーチャージ抵抗12」及び「フリーチャージリレースイッチ13」が含まれており、
上記アを踏まえると、引用発明の「バッテリーパック10」、「電流制限抵抗R」及び「フリーチャージスイッチ部22」をまとめたものが、本願発明1の「バッテリーパック」に相当する。

ウ 上記ア及びイを踏まえると、引用発明の「電流制限抵抗Rと」「直列に連結され」た「負荷40」と、本願発明1の「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗に直列に連結する負荷抵抗」とは、「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗に直列に連結する負荷」である点で共通する。

エ 引用発明の「フリーチャージスイッチ部22」は、「高電位線路のバイパス線路1上に設けられ、電流制限抵抗Rと直列で接続され」ているので、「電流制限抵抗R」が備えられた「高電位線路のバイパス線路1」の開閉動作を実行しているといえる。
そして、上記ア及びイを踏まえると、引用発明の「バッテリーパック10と直列に連結し、高電位線路のバイパス線路1上に設けられ、電流制限抵抗Rと直列で接続されたフリーチャージスイッチ部22」は、本願発明の「前記バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するフリーチャージリレースイッチ」に相当する。

オ 引用発明の「フリーチャージスイッチ部22を制御するスイッチ部制御装置50」は、本願発明1の「前記フリーチャージリレースイッチを制御するスイッチ制御部」に相当する。

カ 上記イを踏まえると、引用発明の「バッテリーパック10、電流制限抵抗R、フリーチャージスイッチ部22及びスイッチ部制御装置50を備える装置」と、本願発明1の「スイッチ制御部をさらに含」む「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置」とは、「スイッチ制御部をさらに含む、バッテリーパックの装置」である点で共通する。

すると、本願発明1と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗に直列に連結する負荷、
前記バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するフリーチャージリレースイッチと、前記フリーチャージリレースイッチを制御するスイッチ制御部をさらに含む、
バッテリーパックの装置。」

(相違点1)
バッテリーパックの装置が、本願発明1は、「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置」であるのに対して、引用発明は、そのような特定がない点。
(相違点2)
フリーチャージ抵抗に連結する「負荷」が、本願発明1は、「負荷抵抗」であるのに対して、引用発明は、「負荷40」であり、具体的には、「モーター」「DC-DCコンバータ」等(上記「第3 1 b 【0031】」)である点。
(相違点3)
本願発明1は、「前記バッテリーパックに前記負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧および前記負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定する電圧測定部」を含むの対して、引用発明は、そのような特定がない点。
(相違点4)
本願発明1は、「前記バッテリーパックの前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出するフリーチャージ抵抗算出部を含み」「前記算出部は、前記負荷状態で前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御」するのに対して、引用発明は、そのような特定がない点。
(相違点5)
本願発明1は、「前記スイッチ制御部は、前記無負荷状態または前記負荷状態であるとき、前記無負荷電圧または前記負荷電圧を測定するように前記フリーチャージリレースイッチを閉鎖する動作を実行する」のに対して、引用発明は、そのような特定がない点。

(2)判断
事案に鑑み、上記相違点4について検討する。
引用文献2には、「電気回路の内部抵抗を測定する装置」が記載されているが、当該装置は、電流計(5)によって電流を監視しながら可変抵抗器(10)の抵抗値を、無限大から低下させるものであり(上記「第3 2」)、
たとえ、引用発明に、引用文献2記載の「電気回路の内部抵抗を測定する装置」を適用したとしても、上記相違点4に係る「前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御」することを導き出すことはできない。
また、電気回路の内部抵抗を測定する装置において、可変抵抗器の抵抗値を0オームから増加させて測定を行うことが、周知であるともいえない。

したがって、上記相違点4に係る本願発明1の構成は、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に想到し得えたことであるとはいえない。

よって、本願発明1は、上記相違点1-3、5について検討するまでもなく、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

2 本願発明2-7について
本願発明1を直接又は間接に引用する本願発明2-7は、本願発明1をさらに限定した発明であるから、本願発明1と同じ理由によって、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

3 本願発明8について
本願発明8は、本願発明1に対応する方法の発明であり、上記相違点4に係る本願発明1の「前記バッテリーパックの前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出するフリーチャージ抵抗算出部を含み」「前記算出部は、前記負荷状態で前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御し」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由によって、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

4 本願発明9-13について
本願発明8を直接又は間接に引用する本願発明9-13は、本願発明8をさらに限定した発明であるから、本願発明8と同じ理由によって、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

第5 原査定の拒絶の理由の概要及び原査定の理由についての判断
原査定の拒絶の理由は、請求項1-18について上記引用文献1、2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、平成29年11月28日付け手続補正により補正された請求項1、8は、それぞれ「前記バッテリーパックの前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出するフリーチャージ抵抗算出部を含み」「前記算出部は、前記負荷状態で前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御し」という事項、「前記バッテリーパックの前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出するフリーチャージ抵抗算出部を含み」「前記算出部は、前記負荷状態で前記負荷抵抗の抵抗値を0オームから漸進的に増加させ、前記負荷抵抗に流れる前記電流が所定の電流値をもつように制御し」に対応する構成を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-13は、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
特許法第36条第6項第1号及び第2号について
1 当審では、請求項1について、
(1)請求項1に記載された「前記バッテリーパックに前記負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧または前記負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定する電圧測定部」は、請求項1の「前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出する」の記載と対応していないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「前記バッテリーパックに前記負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧および前記負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定する電圧測定部」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(2)請求項1に記載された「前記バッテリーパックと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するスイッチを制御するスイッチ制御部」は、曖昧な記載であり、また、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「前記バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するフリーチャージリレースイッチと、前記フリーチャージリレースイッチを制御するスイッチ制御部」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(3)請求項1に記載された「前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するスイッチ」は、開閉動作を実行する「スイッチ」が、「フリーチャージリレースイッチ」又は「メインネガティブリレースイッチ」のどちらであるのか特定できないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「フリーチャージリレースイッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(4)請求項1に記載された「前記スイッチ制御部は、前記無負荷状態または前記負荷状態であるとき、前記無負荷電圧または前記負荷電圧を測定するように前記スイッチを閉鎖する動作を実行する」は、閉鎖する動作を実行する「スイッチ」が、「フリーチャージリレースイッチ」又は「メインネガティブリレースイッチ」のどちらであるのか特定できないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「フリーチャージリレースイッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

2 当審では、請求項9について、
(1)請求項9に記載された「バッテリーパックに」「負荷抵抗が設置された負荷状態」は、「負荷抵抗」と「フリーチャージ抵抗」の接続関係が特定されておらず不明であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「バッテリーパックのフリーチャージ抵抗に直列に負荷抵抗を連結するステップ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(2)請求項9に記載された「バッテリーパックに負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧または負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定するステップ」は、請求項9の「前記無負荷電圧、前記負荷電圧、および前記所定の電流値を利用して前記バッテリーパックのフリーチャージ抵抗の抵抗値を算出する」の記載と対応していないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「バッテリーパックに負荷抵抗が設置されない無負荷状態の無負荷電圧および負荷抵抗が設置された負荷状態で負荷抵抗に所定の電流値をもつ電流が流れるとき、前記負荷抵抗に印加される負荷電圧を測定するステップ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(3)請求項9に記載された「前記バッテリーパックと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するスイッチ」は、発明の詳細な説明に記載されていないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「前記バッテリーパックに含まれるバッテリーと直列に連結し、前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するフリーチャージリレースイッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(4)請求項9に記載された「前記フリーチャージ抵抗が備えられた線路の開閉動作を実行するスイッチ」は、開閉動作を実行する「スイッチ」が、「フリーチャージリレースイッチ」又は「メインネガティブリレースイッチ」のどちらであるのか特定できないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「フリーチャージリレースイッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消し、
(5)請求項9に記載された「前記スイッチを制御するステップは、前記バッテリーパックの前記無負荷状態または前記負荷状態であるとき、前記無負荷電圧または前記負荷電圧を測定するように前記スイッチを閉鎖する動作を実行する」は、閉鎖する動作を実行する「スイッチ」が、「フリーチャージリレースイッチ」又は「メインネガティブリレースイッチ」のどちらであるのか特定できないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「フリーチャージリレースイッチ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

3 当審では、請求項13について、請求項13に記載された「前記バッテリーパックおよび前記負荷抵抗の間または前記負荷抵抗および前記フリーチャージ抵抗の間に位置して電流を測定するステップ」は、不明確な表現であるとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年11月28日付けの補正において、「前記バッテリーパックおよび前記負荷抵抗の間または前記負荷抵抗および前記フリーチャージ抵抗の間の電流を測定するステップ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-13は、引用発明、引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、原査定の拒絶の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-01-10 
出願番号 特願2015-535590(P2015-535590)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
P 1 8・ 537- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 居島 一仁小林 俊久  
特許庁審判長 中塚 直樹
特許庁審判官 小林 紀史
須原 宏光
発明の名称 バッテリーパックのフリーチャージ抵抗算出装置および方法  
代理人 龍華国際特許業務法人  
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