• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  C04B
審判 全部申し立て 2項進歩性  C04B
審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  C04B
管理番号 1336119
異議申立番号 異議2016-700942  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-30 
確定日 2017-10-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5900808号発明「セメントクリンカ及びセメント組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5900808号の特許請求の範囲を、平成29年 2月 7日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?6〕について訂正することを認める。 特許第5900808号の請求項1ないし6に係る特許を取り消す。 
理由 第1 手続の経緯

特許第5900808号の請求項1?6に係る特許についての出願は、平成26年11月13日に特許出願され、平成28年 3月18日にその特許権の設定登録がされたものであって、登録後の経緯は以下のとおりである。

平成28年 9月30日付け:特許異議申立人「中嶋 美奈子」による特許異議の申立て
平成28年10月 6日付け:特許異議申立人「浜 俊彦」による特許異議の申立て
平成28年12月 6日付け:取消理由の通知(1回目)
平成29年 2月 7日付け:訂正の請求、意見書の提出
平成29年 3月15日付け:特許異議申立人「中嶋 美奈子」による意見書の提出
平成29年 3月21日付け:特許異議申立人「浜 俊彦」による意見書の提出
平成29年 5月30日付け:取消理由の通知(2回目)

そして、平成29年 5月30日付けの取消理由において、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からの応答はなかった。

第2 平成29年 2月 7日付け訂正請求
1.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下のア?ウのとおりである。

ア.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「Al_(2)O_(3)を6.0質量%以上8.0質量%以下、SO_(3)を0.7質量%以上2.2質量%以下、P_(2)O_(5)を0.2質量%以上0.5質量%以下含み、C_(3)Sを40質量%以上70質量%以下、C_(2)Sを5質量%以上35質量%以下、C_(3)Aを11質量%以上16質量%以下、C_(4)AFを7質量%以上11質量%以下含むセメントクリンカであって、
前記Al_(2)O_(3)の含有量(質量%)と、前記SO_(3)の含有量(質量%)と、前記P_(2)O_(5)の含有量(質量%)とが下記式1を満たす関係であるセメントクリンカ。
Al_(2)O_(3)≦αSO_(3)+εP_(2)O_(5)+θ・・・(1)
(但し、α=1.4、ε=3.5、θ=4.4)」と記載されているのを、
「Al_(2)O_(3)を6.5質量%以上8.0質量%以下、SO_(3)を0.7質量%以上2.2質量%以下、P_(2)O_(5)を0.3質量%以上0.5質量%以下含み、C_(3)Sを40質量%以上70質量%以下、C_(2)Sを5質量%以上35質量%以下、C_(3)Aを11質量%以上16質量%以下、C_(4)AFを7質量%以上11質量%以下含むセメントクリンカであって、
前記Al_(2)O_(3)の含有量(質量%)と、前記SO_(3)の含有量(質量%)と、前記P_(2)O_(5)の含有量(質量%)とが下記式1を満たす関係であるセメントクリンカ。
Al_(2)O_(3)≦αSO_(3)+εP_(2)O_(5)+θ・・・(1)
(但し、α=1.4、ε=3.5、θ=4.4)」に訂正する。

イ.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に、
「原料原単位は、石灰石が1000kg/トン以上1200kg/トン以下、石炭灰、建設発生土、鉱滓、焼却灰及び汚泥からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の廃棄物が200kg/トン以上500kg/トン以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカ。」と記載されているのを、
「請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法であって、
前記セメントクリンカの原料原単位は、石灰石が1000kg/トン以上1200kg/トン以下、石炭灰、建設発生土、鉱滓、焼却灰及び汚泥からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の廃棄物が200kg/トン以上500kg/トン以下であるセメントクリンカの製造方法。」に訂正する。

ウ.訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に、
「請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセメントクリンカと石膏とを含むセメント組成物。」と記載されているのを、
「請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカと石膏とを含むセメント組成物。」に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.訂正事項1について
訂正事項1は、「セメントクリンカ」の発明において、その化学組成のうちAl_(2)O_(3)及びP_(2)O_(5)の含有量をより狭い範囲に限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものといえる。
そして、設定登録時の本件明細書【0027】、【0029】には、訂正後のAl_(2)O_(3)及びP_(2)O_(5)の含有量が記載されていたから、この訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

イ.訂正事項2について
「物の発明についての特許に係る特許請求の範囲にその物の製造方法が記載されている場合において、当該特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号にいう『発明が明確であること』という要件に適合するといえるのは、出願時において当該物をその構造又は特性により直接特定することが不可能であるか、又はおよそ実際的でないという事情が存在するときに限られると解するのが相当である。」(最高裁第二小法廷判決平成27年6月5日(平成24年(受)第1204号))とされている。
したがって、「原料原単位」や「廃棄物」というセメントクリンカの製造方法に関する発明特定事項を有する請求項4に記載された物(セメントクリンカ)の発明を、当該物の製造方法の発明とする本訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものといえる。
そして、設定登録時の本件明細書【0043】?【0048】には、「原料原単位」や「廃棄物」が本発明のセメントクリンカの製造方法に関して記載されていたから、この訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてしたものである。
また、本件明細書【0046】?【0048】の記載から、請求項4に係る発明の技術的意義は、訂正前も訂正後も、原料原単位における石灰石及び廃棄物の量を所定の範囲とすることで流動性の低下を十分に抑制することと認められるから、訂正後の請求項4に係る発明の技術的意義は、訂正前の請求項4に係る発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではない。さらに、物を生産する方法の発明の「実施」は、物の発明の「実施」に包含される(特許法第2条第3項第1号及び第3号参照)から、訂正後の請求項4に係る発明の「実施」に該当する行為は、訂正前の請求項4に係る発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものではなく、本訂正が、第三者にとって不測の不利益を生じるおそれもない。
したがって、この訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

なお、特許異議申立人「浜 俊彦」は、平成29年3月21日付け意見書において、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を変更するものであると主張しているが、上述のとおりであるから、該主張は採用できない。

ウ.訂正事項3について
訂正事項3は、引用する請求項を減少するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものといえる。
そして、新規事項を追加するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。

(3)一群の請求項について
訂正前の請求項1を請求項2?6が直接的又は間接的に引用しているから、本訂正を含む本件訂正請求は、一群の請求項〔1?6〕ごとに請求をしたものと認められ、特許法第120条の5第4項に規定に適合する。

(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?6〕について訂正を認める。

2.本件発明
上記1.のとおり訂正を認めたので、訂正後の請求項1?6に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明6」という。)は、次の事項により特定されるとおりのものである(下線は訂正箇所である。)。

【請求項1】
Al_(2)O_(3)を6.5質量%以上8.0質量%以下、SO_(3)を0.7質量%以上2.2質量%以下、P_(2)O_(5)を0.3質量%以上0.5質量%以下含み、C_(3)Sを40質量%以上70質量%以下、C_(2)Sを5質量%以上35質量%以下、C_(3)Aを11質量%以上16質量%以下、C_(4)AFを7質量%以上11質量%以下含むセメントクリンカであって、
前記Al_(2)O_(3)の含有量(質量%)と、前記SO_(3)の含有量(質量%)と、前記P_(2)O_(5)の含有量(質量%)とが下記式1を満たす関係であるセメントクリンカ。
Al_(2)O_(3)≦αSO_(3)+εP_(2)O_(5)+θ・・・(1)
(但し、α=1.4、ε=3.5、θ=4.4)
【請求項2】
前記SO_(3)の含有量(質量%)と前記P_(2)O_(5)の含有量(質量%)とが下記式2を満たす関係である請求項1に記載のセメントクリンカ。
SO_(3)≦βP_(2)O_(5)+γ・・・(2)
(但し、β=4.4、γ=0.3)
【請求項3】
Srを0.01質量%以上0.5質量%以下含む請求項1又は2に記載のセメントクリンカ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法であって、
前記セメントクリンカの原料原単位は、石灰石が1000kg/トン以上1200kg/トン以下、石炭灰、建設発生土、鉱滓、焼却灰及び汚泥からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の廃棄物が200kg/トン以上500kg/トン以下であるセメントクリンカの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカと石膏とを含むセメント組成物。
【請求項6】
さらに、高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュ及び石灰石微粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の混合材を含む請求項5に記載のセメント組成物。

第3.当審の判断
1.平成29年 5月30日付けの取消理由の通知(2回目)について
(1)特許法第29条第2項について

ア.証拠
特許異議申立人「中嶋 美奈子」は、特許異議申立書(平成28年 9月30日付け。以下、「特許異議申立書1」という。)において、証拠として甲第1号証?甲第8号証(以下、「刊行物1?8」という。)を提出した。
特許異議申立人「浜 俊彦」は、特許異議申立書(平成28年10月 6日付け。以下、「特許異議申立書2」という。)において、証拠として甲第1号証?甲第6号証を提出した。このうち、甲第2号証は刊行物8と同一であり、甲第4号証は刊行物4と同一であるので、以下、特許異議申立書2の甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証?甲第6号証をそれぞれ刊行物9?12という。
そして、特許異議申立人「中嶋 美奈子」は、平成29年3月15日付け意見書(以下、「意見書1」という。)において、甲第9号証?甲第10号証を提出した。このうち、甲第10号証は刊行物8と同一であるので、以下、意見書1の甲第9号証を刊行物13という。
さらに、特許異議申立人「浜 俊彦」は、平成29年3月21日付け意見書(以下、「意見書2」という。)において、甲第7号証?甲第9号証を提出した。このうち、甲第7号証は刊行物13と同一であり、甲第9号証は刊行物8と同一であるので、以下、意見書2の甲第8号証を刊行物14という。

・刊行物1(特許異議申立書1甲第1号証):
中西陽一郎 他4名、高アルミネート型ポルトランドセメントの基礎的物性、宇部三菱セメント研究報告、2007.01.04発行、No.8、pp.11-19
・刊行物2(特許異議申立書1甲第2号証):
後藤貴弘 他4名、高アルミネート型ポルトランドセメントを用いたコンクリートの物性(その2)、セメント研究所 研究報告、2010.01.04発行、No.11、pp.13-21
・刊行物3(特許異議申立書1甲第3号証):
特開2010-222171号公報
・刊行物4(特許異議申立書1甲第4号証、特許異議申立書2甲第4号証):
特開2012-12285号公報
・刊行物5(特許異議申立書1甲第5号証):
セメント化学専門委員会、蛍光X線分析によるセメント中の微量成分分析の検討、セメント化学専門委員会報告、2004.01.30発行、C-7、pp.1-4
・刊行物6(特許異議申立書1甲第6号証):
平井昭司 他2名、含有元素による各種セメントの特質、セメント・コンクリート論文集、1991.12.発行、No.45、pp.80-85
・刊行物7(特許異議申立書1甲第7号証):
社団法人セメント協会、セメントの常識、2009.12.発行、pp.1-4,19-20,61-62
・刊行物8(特許異議申立書1甲第8号証、特許異議申立書2甲第2号証、意見書1甲第10号証、意見書2甲第9号証):
下坂建一、クリンカーへの添加成分とセメントの諸物性に関する研究、埼玉大学博士論文、2005.09.発行、pp.i-ii,27-29,42-86
・刊行物9(特許異議申立書2甲第1号証):
中西陽一郎 他3名、高SO_(3)高C_(3)Aクリンカーから作製したセメントの基礎的物性、セメント・コンクリート論文集、2008.02.20発行、No.61、pp.79-85
・刊行物10(特許異議申立書2甲第3号証):
Sayed Horkoss, Roger Lteif, Toufic Rizk、Calculation of the C_(3)A Percentage in High Sulfur Clinker、International Journal of Analytical Chemistry、2010.発行、pp.1-5
・刊行物11(特許異議申立書2甲第5号証):
特開2012-246190号公報
・刊行物12(特許異議申立書2甲第6号証):
青柳祐司 他3名、無水セッコウと石灰石微粉末を添加したアルミネート相高含有セメントの流動性と初期水和、セメント・コンクリート論文集、2010.02.25発行、No.63、pp.9-15
・刊行物13(意見書1甲第9号証、意見書2甲第7号証):
特開2007-91506号公報
・刊行物14(意見書2甲第8号証):
荒井康夫、セメントの材料化学、2006.09.20発行、改訂2版 第6刷、p.5

イ.本件発明1?6には、以下の取消理由がある。

本件発明1?6は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消すべきものである。

ウ.刊行物の記載事項
(ア)刊行物1の記載事項
a.「1 緒言
セメント工場は他産業から発生する種々の廃棄物・副産物を原燃料として活用し,資源の有効活用・環境負荷の軽減に大きく貢献している。セメント工場で活用が期待される廃棄物・副産物には,石油コークス,各種焼却灰および管理土壌などがある。石油コークスは硫黄分を,各種焼却灰および管理土壌は酸化アルミニウム(Al_(2)O_(3))を多量に含有しているので,これらの活用を拡大するとクリンカー中の酸化硫黄(SO_(3))量およびアルミネート(C_(3)A)量は増大する。」(第11頁左欄第1行?第11行)

b.「2.2 クリンカーの作製
クリンカーの作製には,原料ミル精粉(三菱マテリアル株式会社横瀬工場製)および市販の純薬(炭酸カルシウムCaCO_(3),酸化けい素SiO_(2),酸化アルミニウムAl_(2)O_(3),酸化第二鉄Fe_(2)O_(3),II型無水せっこうII・CaSO_(4))を用いた。・・・そこで本研究では,クリンカーベースでの工場原料ミル精粉の使用量が一定となるようにした。
十分に混合した原料調合物を成型・乾燥後,1000℃で60min仮焼成,1450℃で60min本焼成し,空冷してクリンカーを得た。
表1および表2に作製したクリンカーの化学成分およびBogue式による鉱物組成等を示す。」(第12頁左欄第1行?下から第3行)

c.「2.3 セメントの作製
ジョークラッシャーで呼び寸法3.4mmのふるいを全通するまで粗砕したクリンカー2.5kgをボールミル(外径500mm,幅460mm)に投入し,60mmφのボール30kgで1000回転粗粉砕した。次いで,60mmφのボールを取り除き,所定量のせっこう(半水化率70%に調整)を投入し,25mmφのボール30kgを用いてブレーン空気透過法による比表面積が3200±50cm^(2)/gとなるまで微粉砕し,セメントとした。」(第12頁右欄第6行?下から第5行)

d.「




(第13頁表1?表2)

e.「3.5 強さ
・・・材齢3dおよび材齢7dではクリンカー中のSO_(3)量の増加(●→▲→■)とともに、強さは増加する傾向であったが,材齢28dでは減少した。
材齢3dおよび材齢7dではクリンカー中のC_(3)A量の増加(△→▲→▲)とともに強さは増加したが,材齢28dでは減少する傾向であった。
材齢3dではセメント中の添加せっこう量の増加(横軸)とともに強さは増加し,材齢7dおよび材齢28dでは減少した。(第16頁右欄第7行?第18行)

f.「


(第16頁図7)

(イ)刊行物4の記載事項
g.「【請求項1】
Sr含有量が0.065?1.0質量%、且つMgO含有量が1.0質量%を超え3.0質量%以下であることを特徴とするセメント組成物。」

h.「【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、石炭灰や建設発生土等の廃棄物を比較的多く使用し、セメントクリンカー中のAl、C_(3)A含有量が増加した場合であっても、セメントペーストやモルタル、コンクリートの流動性を向上することができるセメント組成物、及びセメント組成物の製造方法を提供することを目的とする。」

i.「【0013】
本発明によれば、セメント組成物のSr含有量、MgO含有量を適正範囲となるようにすることにより、凝結水量やコンクリートの単位水量が低減され、セメントペースト、モルタル及びコンクリートの流動性を向上することができる。」

j.「【0019】
セメント組成物のSr含有量は、0.065?1.0質量%であり、好ましくは0.067?0.5質量%、より好ましくは0.068?0.3質量%であり、更に好ましくは0.070?0.20質量%であり、特に好ましくは0.070?0.15質量%である。」

(ウ)刊行物5の記載事項
k.「


(第2頁表2.2)

(エ)刊行物6の記載事項
l.「


(第84頁 Table 4)

(オ)刊行物7の記載事項
m.「


(第3頁表1-4)

n.「


(第62頁表3-8)

(カ)刊行物8の記載事項
o.「ここで,高炉スラグ,石炭灰および副産セッコウの一部または全部は,化学的処理のともなわない混合材料・添加材として使用されており,残りがクリンカー製造用の原料として使用されている。」(第28頁第1行?第3行)

(キ)刊行物9の記載事項
p.「1.序論
セメント工場は、産業廃棄物・副産物を原燃料代替物として有用活用している。一般に、原料代替物として使用される産業廃棄物・副産物はAl_(2)O_(3)成分に富む場合が多く、これらの使用量を増やすとクリンカーのC_(3)A量が増加する。」(第79頁左欄第1?6行)

q.「2.2 クリンカーの作製
クリンカーの作製には、原料ミル精粉(三菱マテリアル社)および市販の純薬(炭酸カルシウム、酸化けい素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄、II型無水せっこう)を用いた。・・・そこで本研究では、クリンカーベースでの原料ミル精粉の使用量を一定とした。
十分に混合した原料調合物を成型・乾燥後、1000℃で60min仮焼成、1450℃で60min本焼成し、空冷してクリンカーを得た。Table 2およびTable 3に作製したクリンカーの化学成分、モジュラスおよびBogue式による鉱物組成を示す。」(第80頁左欄第7?21行)

r.「



(第80頁 Table2?3)

s.「2.3 セメントの作製
呼び寸法3.4mmのふるいを全通するまで粗砕したクリンカーをボールミル(外径500mm、幅460mm)に投入し、60mmφのボール30kgで1000回転し粗粉砕した。60mmφのボールを取り除いた後、せっこう(二水せっこうと半水せっこうを3対7の質量比で混合したもの;半水化率70%)を所定量投入し、25mmφのボール30kgを用いてブレーン比表面積が3200±50cm^(2)/gとなるまで微粉砕して、セメントを得た。」(第80頁左欄第26?34行)

t.「3.3 強さ
・・・
クリンカー中のSO_(3)量およびC_(3)A量の増加とともに、強さは材齢3dおよび材齢7dで増加し、材齢28dでは減少した。」(第82頁左欄第2?6行)

u.「


(第82頁図4)

(ク)刊行物13の記載事項
v.「【請求項2】
(1)式により求められたアルミン酸三カルシウムが10?14質量%、リンがP_(2)O_(5)換算で0.2?2.0質量%それぞれ含有された高アルミネートセメントクリンカ。
[アルミン酸三カルシウム含有量]=
2.65×[Al_(2)O_(3)含有量]-1.69×[Fe_(2)O_(3)含有量](1)
ここで、
(1)式中の[Al_(2)O_(3)含有量]は、セメントクリンカ中のAl_(2)O_(3)換算のアルミニウム含有量(単位:質量%)、
(1)式中の[Fe_(2)O_(3)含有量]は、セメントクリンカ中のFe_(2)O_(3)換算の鉄含有量(単位:質量%)である。」

w.「【0002】
セメントの製造工程では、かねてより廃棄物問題の解決を目指して、セメント原料に都市ごみ焼却灰や下水汚泥を投入したり、セメントクリンカの焼成用の燃料の一部として廃タイヤなどを利用することが行われてきた。近年、資源循環型社会を構築するという国家的プロジェクトの実現の気運が高まっており、産業廃棄物・副産物の使用量のさらなる増加が望まれている。セメント原料として使用可能な廃棄物の大半は、アルミニウムの含有量が多い。そのため、廃棄物は粘土原料の代替物として利用されている。したがって、廃棄物原料の使用量を増加させるほど、セメントクリンカの化学組成はアルミニウムに富んだものとなる。
【0003】
こうしてセメントクリンカが高アルミネート化すると、セメントクリンカの化合物組成も変化して行く。すなわち、アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al_(2)O_(3))およびカルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al_(2)O_(3)・Fe_(2)O_(3))の含有量が増加する。アルミン酸三カルシウムは水和活性が著しく高い。そのため、得られたセメントに水などを加えて練り混ぜてコンクリートとしたとき、その流動性が低下する。」

x.「【0035】【表1】



y.「【0036】
比較例1に対して実施例1?4、比較例2に対して実施例4?8、および、比較例3に対して実施例9?11ではP_(2)O_(5)の増加によって流動性が改善されるとともに、強さも同程度以上となった。」

エ.引用発明
(ア)引用発明1-1?1-3
摘記b?dから、刊行物1には、表1に記載の化学成分及び表2に記載の鉱物組成を有するクリンカーが記載されている。
そして、摘記dの「1.2-14」に注目して整理すると、刊行物1には、「Al_(2)O_(3)を7.11%、SO_(3)を1.20%、P_(2)O_(5)を0.23%含み、C_(3)Sを57.3%、C_(2)Sを15.5%、C_(3)Aを13.8%、C_(4)AFを9.1%含むクリンカー」の発明(以下、「引用発明1-1」という。)が記載されている。
また、摘記aから、刊行物1には、廃棄物・副産物を原燃料とする、引用発明1のクリンカーの製造方法の発明(以下、「引用発明1-2」という。)が記載されているといえる。
更に、摘記cから、刊行物1には、引用発明1-1のクリンカーとせっこうとを混合し、微粉砕したセメントが記載されている。
したがって、刊行物1には、「引用発明1-1とせっこうとを混合し、微粉砕したセメント」の発明(以下、「引用発明1-3」という。)が記載されているといえる。

(イ)引用発明9-1?9-3
上記摘記q、rから、刊行物9には、Table 2に記載の化学成分及びTable 3に記載の鉱物組成を有するクリンカーが記載されている。
そして、摘記rの「1.2-14」に注目して整理すると、刊行物9には、「Al_(2)O_(3)を7.11%、SO_(3)を1.20%、P_(2)O_(5)を0.23%含み、C_(3)Sを57.3%、C_(2)Sを15.5%、C_(3)Aを13.8%、C_(4)AFを9.1%含むクリンカー」の発明(以下、「引用発明9-1」という。)が記載されている。
また、摘記pから、刊行物9には、産業廃棄物・副産物を原燃料代替物とする、引用発明1のクリンカーの製造方法の発明(以下、「引用発明9-2」という。)が記載されているといえる。
更に、摘記sから、刊行物9には、引用発明9-1のクリンカーとせっこうとを混合し、微粉砕したセメントが記載されている。
したがって、刊行物9には、「引用発明9-1とせっこうとを混合し、微粉砕したセメント」の発明(以下、「引用発明9-3」という。)が記載されているといえる。

オ.対比・判断
(ア)本件発明1について(引用発明1-1を主引用発明とする場合)

本件発明1と引用発明1-1とを対比すると、以下の点で相違する。

相違点1:本件発明1は、P_(2)O_(5)を0.3質量%以上0.5質量%以下含むのに対し、引用発明1-1のP_(2)O_(5)含有量は0.23%である点。
相違点2:本件発明1は、Al_(2)O_(3)、SO_(3)及びP_(2)O_(5)の含有量の関係が、下記式(1)を満たすのに対し、引用発明1-1は下記式(1)を満たさない点。
Al_(2)O_(3)≦αSO_(3)+εP_(2)O_(5)+θ・・・(1)
(但し、α=1.4、ε=3.5、θ=4.4)

上記相違点について検討する。

・相違点1?2について
摘記v?yから、刊行物13には、廃棄物原料の使用量が増加し、アルミン酸三カルシウムの含有量が10?14質量%となった高アルミネートセメントクリンカに、P_(2)O_(5)換算で0.2?2.0質量%となるようにリンを添加することにより、流動性が改善されるとともに、強さも同程度以上となることが記載されている。
また、摘記xから、P_(2)O_(5)換算でのリンの含有量が0.5質量%のとき、材齢28日圧縮強さが極大値を示すことが理解できる。
してみれば、原料代替物として廃棄物・副産物を用いたセメントクリンカであり、C_(3)A量の増加により材齢28dの強度が減少している引用発明において(摘記a、e)、該セメントクリンカから製造されるセメントの流動性及び強度を向上させる観点から、上記刊行物13の記載に基づいて、リンの含有量を0.5質量%とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
そしてその結果、式(1)の右辺は7.83(=1.4×1.20+3.5×0.5+4.4)になり、左辺のAl_(2)O_(3)=7.11よりも大きくなるから、相違点2についても同時に解消するものである。

上記のとおりであるから、本件発明1は、引用発明1-1と、刊行物13に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項1に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(イ)本件発明1について(引用発明9-1を主引用発明とする場合)
本件発明1と引用発明9-1とを対比すると、以下の点で相違する。

相違点3:本件発明1は、P_(2)O_(5)を0.3質量%以上0.5質量%以下含むのに対し、引用発明9-1のP_(2)O_(5)含有量は0.23%である点。
相違点4:本件発明1は、Al_(2)O_(3)、SO_(3)及びP_(2)O_(5)の含有量の関係が、下記式(1)を満たすのに対し、引用発明9-1は下記式(1)を満たさない点。
Al_(2)O_(3)≦αSO_(3)+εP_(2)O_(5)+θ・・・(1)
(但し、α=1.4、ε=3.5、θ=4.4)

上記相違点3?4は、上記(ア)と同様の相違点であり、上記(ア)と同様に、本件発明1は、引用発明9-1と、刊行物13に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項1に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(ウ)本件発明2について
上記(ア)・(イ)で検討したように、引用発明1-1、引用発明9-1において、上記刊行物13の記載に基づいて、リンの含有量を0.5質量%とすることは、当業者が容易に想到し得ることであり、その際、式(2)の右辺は、引用発明1-1と引用発明9-1はともに、2.5(=4.4×0.5+0.3)になり、左辺のSO_(3)=1.20よりも大きくなるから、式(2)の関係を満たすものである。

したがって、本件発明2も、引用発明1-1又は引用発明9-1と、刊行物13に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項2に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(エ)本件発明3について
本件発明3と引用発明1-1とを対比すると、以下の点で相違する。

相違点5:本件発明3は、Srを0.01質量%以上0.5質量%以下含むのに対し、引用発明1-1はSrの含有量が不明である点。

刊行物4の摘記g?j(0.067質量%?0.5質量%)、刊行物5の摘記k(195、6mg/kg?573.5mg/kg(0.01956?0.05735質量%に相当))、又は、刊行物6のl(200mg/kg?660mg/kg(0.02?0.066質量%に相当))に記載のとおり、一般的なセメントが0.01質量%以上0.5質量%以下程度のSrを含有することは当業者の技術常識である。
また、セメントは、セメントクリンカに少量のせっこうを混合し、粉砕して製造されるものであり、その化学成分は、大部分がセメントクリンカ由来のものであることも当業者の技術常識である。
してみれば、一般的なセメントクリンカは0.01質量%以上0.5質量%以下程度のSrを含有しているといえる。
よって、相違点5は、実質的な相違点ではない。
引用発明9-1を主引用発明とする場合も同様である。

したがって、本件発明3は、引用発明1-1又は引用発明9-1と、刊行物13に記載された技術事項及び当業者の技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項3に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(オ)本件発明4について
本件発明4と引用発明1-2とを対比すると、「請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカ」と、「引用発明1-1のクリンカー」について、上記(ア)で指摘した相違点1?2に加え、下記の点で相違する。

相違点6:本件発明4は、セメントクリンカの原料原単位について、石灰石を1000kg/トン以上1200kg/トン以下、廃棄物を200kg/トン以上500kg/トン以下とするのに対し、引用発明1-2はクリンカーの原料原単位が不明である点。
相違点7:本件発明4は、廃棄物が、石炭灰、建設発生土、鉱滓、焼却灰及び汚泥からなる群より選ばれる少なくとも1種以上であるのに対し、引用発明1-2は、廃棄物・副産物を原燃料とするものであるが、その種類が不明である点。

上記相違点について検討するに、相違点1?2については、上記(ア)で検討したとおりである。
そして、相違点6?7について、例えば、刊行物7の摘記m?nに記載のとおり、セメントの原料原単位として、石灰石を1000kg/トン以上1200kg/トン以下で用いることや、石炭灰、建設発生土、鉱滓(スラグ)、焼却灰(燃えがら、ばいじん、ダスト)、汚泥といった廃棄物を200kg/トン以上500kg/トン以下で用いることは、本件特許の出願時において既に当業者により慣用される技術事項である。
してみれば、相違点6?7は実質的な相違点ではないか、少なくとも当業者であれば適宜設定し得る設計事項にすぎない。
引用発明9-2を主引用発明とした場合も同様である。

したがって、本件発明4は、引用発明1-2又は引用発明9-2と、刊行物13に記載された技術事項及び当業者の技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項4に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(カ)本件発明5について
本件発明5と引用発明1-3とを対比すると、「請求項1又は2に記載のセメントクリンカ」と、「引用発明3のクリンカー」について、上記(ア)で指摘した相違点1?2を有するが、上記(ア)で検討したのとおりの理由により、該相違点1?2は刊行物13に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
引用発明9-3を主引用発明とした場合も同様である。

したがって、本件発明5は、引用発明1-3又は引用発明9-3と、刊行物13に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項5に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

(キ)本件発明6について
本件発明6は、さらに、高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュ及び石灰石微粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の混合材を含むことを特定事項とするものである。
この点について、刊行物7の摘記nや、刊行物8の摘記oには、高炉スラグや石炭灰を混合材として用い得ることが記載されている。
また、高炉スラグ、シリカ質混和材及びフライアッシュは、JISにも混合セメントとして規定される混合材である。
更に、石灰石微粉末を混合材として用い得ることも、当業者の技術常識である。

したがって、本件発明6は、引用発明1-3又は引用発明9-3と、刊行物13に記載された技術事項及び当業者の技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正後の請求項6に係る本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

第4 むすび
当審は、平成29年 5月30日付けで上記取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは応答がなかった。
そして、上記の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件特許発明1?6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、その特許は、特許法第113条第2項に該当するから、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Al_(2)O_(3)を6.5質量%以上8.0質量%以下、SO_(3)を0.7質量%以上2.2質量%以下、P_(2)O_(5)を0.3質量%以上0.5質量%以下含み、C_(3)Sを40質量%以上70質量%以下、C_(2)Sを5質量%以上35質量%以下、C_(3)Aを11質量%以上16質量%以下、C_(4)AFを7質量%以上11質量%以下含むセメントクリンカであって、
前記Al_(2)O_(3)の含有量(質量%)と、前記SO_(3)の含有量(質量%)と、前記P_(2)O_(5)の含有量(質量%)とが下記式1を満たす関係であるセメントクリンカ。
Al_(2)O_(3)≦αSO_(3)+εP_(2)O_(5)+θ・・・(1)
(但し、α=1.4、ε=3.5、θ=4.4)
【請求項2】
前記SO_(3)の含有量(質量%)と前記P_(2)O_(5)の含有量(質量%)とが下記式2を満たす関係である請求項1に記載のセメントクリンカ。
SO_(3)≦βP_(2)O_(5)+γ・・・(2)
(但し、β=4.4、γ=0.3)
【請求項3】
Srを0.01質量%以上0.5質量%以下含む請求項1又は2に記載のセメントクリンカ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカの製造方法であって、
前記セメントクリンカの原料原単位は、石灰石が1000kg/トン以上1200kg/トン以下、石炭灰、建設発生土、鉱滓、焼却灰及び汚泥からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の廃棄物が200kg/トン以上500kg/トン以下であるセメントクリンカの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメントクリンカと石膏とを含むセメント組成物。
【請求項6】
さらに、高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュ及び石灰石微粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の混合材を含む請求項5に記載のセメント組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-09-12 
出願番号 特願2014-230662(P2014-230662)
審決分類 P 1 651・ 121- ZAA (C04B)
P 1 651・ 853- ZAA (C04B)
P 1 651・ 851- ZAA (C04B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 小川 武  
特許庁審判長 新居田 知生
特許庁審判官 後藤 政博
山本 雄一
登録日 2016-03-18 
登録番号 特許第5900808号(P5900808)
権利者 住友大阪セメント株式会社
発明の名称 セメントクリンカ及びセメント組成物  
代理人 中谷 寛昭  
代理人 山本 裕  
代理人 日東 伸二  
代理人 中谷 寛昭  
代理人 藤本 昇  
代理人 山本 裕  
代理人 藤本 昇  
代理人 日東 伸二  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ