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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G01N
審判 全部申し立て 特174条1項  G01N
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G01N
審判 全部申し立て 2項進歩性  G01N
管理番号 1336145
異議申立番号 異議2016-700972  
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-10-06 
確定日 2017-11-27 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5946109号発明「空気浄化装置およびその試験システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5946109号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?3〕、4、〔5?7〕、〔8、9〕、10について訂正することを認める。 特許第5946109号の請求項4及び8?10に係る特許を維持する。 特許第5946109号の請求項1?3及び5?7に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第5946109号の請求項1?9に係る特許についての出願は、平成23年6月15日に出願された特願2011-133549号の一部が、平成27年3月20日に新たな特許出願(特願2015-57691号)とされたものであって、平成28年6月10日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人 ジュネスプロパティーズ株式会社 より請求項1?9に対して、特許異議申立人 千原 正 より請求項1?7及び9に対して、それぞれ特許異議の申立てがされ、平成29年3月10日付けで取消理由通知がされ、同年4月28日に意見書の提出及び訂正請求がされ、同年6月7日に特許異議申立人 ジュネスプロパティーズ株式会社 から意見書が提出され、同年6月13日に特許異議申立人 千原 正 から意見書が提出され、さらに、同年6月28日付けで取消理由通知(決定の予告)がされ、同年8月30日に意見書の提出及び訂正請求がされ、同年10月12日に特許異議申立人 千原 正 から意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否

1.訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は次のとおりである(下線は、訂正箇所を示す)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の空気浄化装置。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、を有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであり、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする空気浄化装置。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項4に「前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の空気浄化装置。」とあるうち、請求項3を引用するものについて、「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、を有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、試験用粒子供給部から供給された試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする空気浄化装置。」と記載し、新たに請求項10とする。

(6)訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0011】の記載を「本発明の空気浄化装置は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記ケーシンク内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、を有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであり、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている、ことを特徴とする。上記構成によれば、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。また、上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することでフィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。また、上記構成によれば、フィルタの少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、フィルタの上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、フィルタの水洗作業やフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。」に訂正する。

(7)訂正事項7
願書に添付した明細書の段落【0012】の記載を「好ましくは、前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする。上記構成によれば、空気浄化部は、交換の際に上流側のケーシング下部から取り外すことができるので、下流側のケーシング上部を気密状態に維持することができ、従来必要であったビニールバッグの交換作業を行う必要が無い。」に訂正する。

(8)訂正事項8
願書に添付した明細書の段落【0014】の記載を「また、本発明の空気浄化装置は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルクよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、を有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、試験用粒子供給部から供給された試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、フィルタの少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、フィルタの上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、フィルタの水洗作業やフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。」に訂正する。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項6を削除する。

(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項7を削除する。

(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項8に「前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の試験システム。」とあるうち、請求項6を引用するものについて、「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化するフィルタとを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部とを有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィル夕取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、前記試験用粒子供給部から供給される前記試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする試験システム。」に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9も同様に訂正する)。

(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項9に「前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の試験システム。」と記載されているものを、「前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の試験システム。」に訂正する。

(14)訂正事項14
願書に添付した明細書の段落【0015】の記載を「本発明の試験システムは、試験装置のことであり、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化するフィルタとを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、前記ケーシンク内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部とを有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成とした、ことを特徴とする。上記構成によれば、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。また、上記構成によれば、試験用粒子は、試験用粒子供給部からの試験用粒子を均一に分散した状態にして、上流側のケーシング下部内に導入することができるので、リーク試験の精度を保つことができる。また、上記構成によれば、上流側検出部が、チャンバーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。」に訂正する。

(15)訂正事項15
願書に添付した明細書の段落【0016】の記載を「好ましくは、試験システムは、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする。上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することで空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。」に訂正する。

(16)訂正事項16
願書に添付した明細書の段落【0017】の記載を「好ましくは、試験システムは、前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする。上記構成によれば、空気浄化部は、交換の際に上流側のケーシング下部から取り外すことができるので、下流側のケーシング上部を気密状態に維持することができ、従来必要であったビニールバッグの交換作業を行う必要が無い。」に訂正する。

(17)訂正事項17
願書に添付した明細書の段落【0018】の記載を「好ましくは、試験システムは、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする。上記構成によれば、フィルタの少なくと上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、フィルタの上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、フィルタの水洗作業やフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。」に訂正する。

2.訂正の適否についての判断

(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1?4について、請求項2?4はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1?4に対応する訂正後の請求項1?4及び10は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。そして、訂正後の請求項4、10については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。
また、訂正前の請求項5?9について、請求項6?9はそれぞれ請求項5を引用しているものであって、訂正事項9によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項5?9に対応する訂正後の請求項5?9は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。そして、訂正後の請求項8と、訂正後の請求項8の記載を引用する訂正後の請求項9については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。

(2)訂正事項1、2、3、9、10及び11について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項1、2、3、9、10及び11は、それぞれ、請求項1、2、3、5、6及び7を削除するというものであるから、当該訂正事項1、2、3、9、10及び11は、いずれも、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項1、2、3、9、10及び11は、それぞれ、請求項1、2、3、5、6及び7を削除するというものであるから、いずれも、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項1、2、3、9、10及び11は、それぞれ、請求項1、2、3、5、6及び7を削除するというものであるから、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

(3)訂正事項4について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項4は、訂正前の請求項4が訂正前の請求項2又は3の記載を引用する記載であるところ、請求項3を引用しないものとした上で、請求項2を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
さらに前記目的に加え、この訂正は、訂正前の引用関係にある請求項1に記載されていたフィルタ取付枠について、「下流側の面が平坦な形状とされ」に「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」を追加するものであり、「下流側の面」はサンプルリングプローブを走査する面であることを明らかにし、かつ、「平坦な形状」とは平面的な走査が可能である形状であることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。したがって、当該訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
さらに前記目的に加え、この訂正は、訂正前の引用関係にある請求項1の誤記であった「下流側の面が平坦な形状とされ」を「前記下流側の面が平坦な形状とされ」に訂正するものである。したがって、当該訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項4は、請求項2を引用する請求項4について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正である。
また、訂正事項4の「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」を追加する訂正は、段落【0064】に「フィルタ取付枠103の上部には突出物がなくフラットな形状であるために、図1に示すサンプリングプローブ8は平面的な2次元な走査をするだけでよい。」との記載があることを根拠に訂正するものである。
また、訂正事項4の「前記下流側の面が平坦な形状とされ」とする訂正は、何ら実質的な変更を伴うものではない。
したがって、当該訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項4は、前記アのとおり、訂正前の請求項4を独立形式請求項にしつつ、減縮し、また、誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

(4)訂正事項5について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項5は、訂正前の請求項4が訂正前の請求項2又は3の記載を引用する記載であるところ、請求項2を引用しないものとした上で、請求項3を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
さらに前記目的に加え、この訂正は、訂正前の引用関係にある請求項1に記載されていたフィルタ取付枠について、「下流側の面が平坦な形状とされ」に「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」を追加するものであり、「下流側の面」はサンプルリングプローブを走査する面であることを明らかにし、かつ、「平坦な形状」とは平面的な走査が可能である形状であることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。したがって、当該訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
さらに前記目的に加え、この訂正は、訂正前の引用関係にある請求項1の誤記であった「下流側の面が平坦な形状とされ」を「前記下流側の面が平坦な形状とされ」に訂正し、かつ、訂正前の引用関係にある請求項3の誤記であった「前記試験用粒子」を「試験用粒子」に訂正するものである。したがって、当該訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項5は、請求項3を引用する請求項4について請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正である。
また、訂正事項5の「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」を追加する訂正は、段落【0064】に「フィルタ取付枠103の上部には突出物がなくフラットな形状であるために、図1に示すサンプリングプローブ8は平面的な2次元な走査をするだけでよい。」との記載があることを根拠に訂正するものである。
また、訂正事項5の「前記下流側の面が平坦な形状とされ」とする訂正は、何ら実質的な変更を伴うものではない。
したがって、当該訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項5は、前記アのとおり、訂正前の請求項4を独立形式請求項にしつつ、減縮し、また、誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

(5)訂正事項6について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項6は、上記訂正事項4に係る訂正に伴い訂正後の特許請求の範囲の請求項4の記載と明細書の段落【0011】の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項6は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項6は、前記アのとおり、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であって、訂正後の段落【0011】の第1段落は、訂正後の請求項4(即ち、訂正前の請求項2を引用する請求項4)に記載にされている。
また、訂正後の段落【0011】の第2段落について、「空気浄化部」を「フィルタ」に訂正するが、「空気浄化部」が「フィルタ」であることは、訂正前の請求項1の「空気浄化部としてのフィルタ」との記載を根拠にするものである。
また、訂正後の段落【0011】の第3段落の記載は、訂正前の段落【0012】の「上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することで空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。」との記載を根拠にするものである。
また、訂正後の段落【0011】の第4段落の記載は、訂正前の段落【0014】の「上記構成によれば、空気浄化部の少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、空気浄化部の上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、空気浄化部の水洗作業や空気浄化部の交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。」との記載を根拠にするものである。
したがって、当該訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項6は、前記アのとおり、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
明細書の段落【0011】には請求項4に対応する課題を解決するための手段が記載されているから、訂正事項6による明細書の訂正に係る請求項は請求項4である。したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。

(6)訂正事項7について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項7は、明細書の段落【0012】の第1及び第2段落の「好ましくは、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする。上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することで空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。」の記載を段落【0011】に記載する上記訂正事項6に伴って、該第1及び第2段落を削除する訂正であり、訂正後の特許請求の範囲と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項7は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項7は、前記アのとおり、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るために、明細書の段落【0012】の第1及び第2段落を削除するものである。したがって、当該訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項7は、前記アのとおり、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
訂正事項7は、前記アのとおり、明細書の段落【0012】の第1及び第2段落の記載を段落【0011】に記載する上記訂正事項6に伴って、該第1段落を削除する訂正である。そして、上記訂正事項6は特許請求の範囲の請求項4の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項7による明細書の訂正に係る請求項は請求項4である。したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第44項に適合するものである。

(7)訂正事項8について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項8は、上記訂正事項5に係る訂正に伴い訂正後の特許請求の範囲の請求項10の記載と明細書の段落【0014】の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項8は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項8の訂正後の段落【0014】は、前記アのとおり、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であって、訂正後の請求項10(即ち、訂正前の請求項3を引用する請求項4)に記載にされている。
また、訂正後の段落【0014】の第2段落について、「空気浄化部」を「フィルタ」に訂正するが、「空気浄化部」が「フィルタ」であることは、訂正前の請求項1の「空気浄化部としてのフィルタ」との記載を根拠にするものである。
したがって、当該訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項8は、前記アのとおり、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
明細書の段落【0014】には請求項10に対応する課題を解決するための手段が記載されているから、訂正事項8による明細書の訂正に係る請求項は請求項10である。したがって、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。

(8)訂正事項12について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項12は、訂正前の請求項8が訂正前の請求項5ないし7の記載を引用する記載であるところ、請求項5及び7を引用しないものとした上で、請求項6を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
さらに前記目的に加え、この訂正は、訂正前の引用関係にある請求項5に記載されていたフィルタ取付枠について、「下流側の面が平坦な形状とされ」に「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」を追加するものであり、「下流側の面」はサンプリングプローブを走査する面であることを明らかにし、かつ、「平坦な形状」とは平面的な走査が可能である形状であることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。したがって、当該訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
さらに前記目的に加え、この訂正は、訂正前の引用関係にある請求項5の誤記であった「下流側の面が平坦な形状とされ」を「前記下流側の面が平坦な形状とされ」に訂正し、また、訂正前の請求項8の誤記であった「試験用粒子」を「前記試験用粒子」に訂正するものである。したがって、当該訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項12は、請求項6を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正である。
また、訂正事項12の「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」を追加する訂正は、段落【0064】に「フィルタ取付枠103の上部には突出物がなくフラットな形状であるために、図1に示すサンブリングプローブ8は平面的な2次元な走査をするだけでよい。」との記載があることを根拠に訂正するものである。
また、訂正事項12の「前記下流側の面が平坦な形状とされ」とする訂正、及び「前記試験用粒子」とする訂正は、何ら実質的な変更を伴うものではない。
したがって、当該訂正事項12は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項12は、前記アのとおり、訂正前の請求項8を独立形式請求項にしつつ、減縮し、また、誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

(9)訂正事項13について

ア 訂正の目的の適否
訂正前の請求項9が訂正前の請求項7または8の記載を引用する記載であるところ、訂正前の請求項7を引用しないものとし、請求項8のみを引用するための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。

イ 新規事項の有無
訂正事項13は、何ら実質的な変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項13は、何ら実質的な変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

(10)訂正事項14について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項14は、上記訂正事項12に係る訂正に伴い訂正後の特許請求の範囲の請求項8の記載と明細書の段落【0015】の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項14は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項14は、前記アのとおり、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であって、訂正後の段落【0015】の第1段落は、訂正後の請求項8(訂正前の請求項6を引用する請求項8)に記載にされている。
また、訂正後の段落【0015】の第2段落について、「空気浄化部」を「フィルタ」に訂正するが、「空気浄化部」が「フィルタ」であることは、訂正前の請求項1の「空気浄化部としてのフィルタ」、及び、訂正前の請求項5の「空気を浄化するフィルタ」との記載を根拠にするものである。
また、訂正後の段落【0015】の第3段落の記載は、訂正前の段落【0016】の「上記構成によれば、試験用粒子は、試験用粒子供給部からの試験用粒子を均一に分散した状態にして、上流側のケーシング下部内に導入することができるので、リーク試験の精度を保つことができる。」との記載を根拠にするものである。
また、訂正後の段落【0015】の第4段落の記載は、訂正前の段落【0017】の「上記構成によれば、上流側検出部が、チャンパーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。」との記載を根拠にするものである。
したがって、当該訂正事項14は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項14は、前記アのとおり、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
明細書の段落【0015】には請求項8に対応する課題を解決するための手段が記載されているから、訂正事項14による明細書の訂正に係る請求項は請求項8である。よって、これを含む一群の請求項、すなわち請求項8及び9が訂正事項14の対象となり、それ以外の請求項については対象とならない。したがって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。

(11)訂正事項15について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項15は、明細書の段落【0016】の第1及び第2段落の「好ましくは、試験システムは、前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有することを特徴とする。上記構成によれば、試験用粒子は、試験用粒子供給部からの試験用粒子を均一に分散した状態にして、上流側のケーシング下部内に導入することができるので、リーク試験の精度を保つことができる。」の記載を段落【0015】に記載する上記訂正事項14に伴って、該第1及び第2段落を削除する訂正であり、訂正後の特許請求の範囲と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項15は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項15は、前記アのとおり、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るために、明細書の段落【0016】の第1及び第2段落を削除するものである。したがって、当該訂正事項15は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項15は、前記アのとおり、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
訂正事項15は、前記アのとおり、明細書の段落【0016】の第1及び第2段落の記載を段落【0015】に記載する上記訂正事項14に伴って、該第1及び第2段落を削除する訂正である。そして、上記訂正事項14は特許請求の範囲の請求項8の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項15による明細書の訂正に係る請求項は請求項8である。したがって、訂正事項15は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。

(12)訂正事項16について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項16は、明細書の段落【0017】の第3及び第4段落の「好ましくは、試験システムは、前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子がチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする。上記構成によれば、上流側検出部が、チャンバーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。」の記載を段落【0015】に記載する上記訂正事項14に伴って、該第3及び第4段落を削除する訂正であり、訂正後の特許請求の範囲と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項16は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項16は、前記アのとおり、訂正後の特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るために、明細書の段落【0017】の第3及び第4段落を削除するものである。したがって、当該訂正事項16は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項16は、前記アのとおり、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
訂正事項16は、前記アのとおり、明細書の段落【0017】の第3及び第4段落の記載を段落【0015】に記載する上記訂正事項14に伴って、該第3及び第4段落を削除する訂正である。そして、上記訂正事項14は特許請求の範囲の請求項8の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、訂正事項16による明細書の訂正に係る請求項は請求項8である。したがって、訂正事項16は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。

(13)訂正事項17について

ア 訂正の目的の適否
訂正事項17は、特許請求の範囲の請求項9の記載と明細書の段落【0018】の記載との整合を図るため、「空気浄化部」を「フィルタ」に訂正するものである。よって、訂正事項17は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
訂正事項17は、前記アのとおり、請求項9の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 特許請求の範囲を拡張・変更の存否
訂正事項17は、前記アのとおり、請求項9の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

エ 願書に添付した明細書の訂正に係る請求項
明細書の段落【0018】には請求項9に対応する課題を解決するための手段が記載されているから、訂正事項17による明細書の訂正に係る請求項は請求項9である。したがって、訂正事項17は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。

3.訂正の適否についてのまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号?4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項〔1?3〕、4、〔5?7〕、〔8、9〕、10について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて

1.本件訂正発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項4、8、9及び10に係る発明(以下、それぞれ「本件訂正発明4」、「本件訂正発明8」、「本件訂正発明9」及び「本件訂正発明10」という。)は、その請求項4、8、9及び10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(請求項1?3、5?7は削除されている)。

本件訂正発明4
「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、
前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであり、
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている
ことを特徴とする空気浄化装置。」

本件訂正発明8
「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化するフィルタとを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィル夕取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、
前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、
前記試験用粒子供給部から供給される前記試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成とした
ことを特徴とする試験システム。」

本件訂正発明9
「前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の試験システム。」

本件訂正発明10
「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、
試験用粒子供給部から供給された試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている
ことを特徴とする空気浄化装置。」

2.取消理由(決定の予告)の概要
請求項1?9(平成29年4月28日付け訂正請求によるもの)に係る特許に対して平成29年6月28日付けで通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。

(1)取消理由1(明確性)
請求項1の「前記サンプリングプローブが平面的な走査となるように下流側の面が平坦な形状とされている」という記載では、「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」面と、「下流側の面」との位置関係が不明であるから、請求項1の上記記載は明確でない。請求項5も同様である。
よって、請求項1?9の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(2)取消理由2(進歩性)
引用文献1:特開2010-51852号公報
引用文献2:特開昭63-232816号公報
引用文献3:特開2002-214115号公報
引用文献4:特表2009-505061号公報
引用文献5:実願昭62-138262号(実開昭64-44017号)のマイクロフィルム
引用文献6:特開2003-254574号公報

本件訂正発明1?3及び5?7は、引用発明(引用文献1に記載された発明)及び周知技術(引用文献2?6に記載された技術的事項)に基づいて、又は、引用発明、周知技術及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.特許異議申立理由の概要
請求項1?9に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」?「本件特許発明9」という。)に対して、特許異議申立人 ジュネスプロパティーズ株式会社及び特許異議申立人 千原 正が申立てた理由の要旨は、それぞれ次のとおりである。

(1)特許異議申立人 ジュネスプロパティーズ株式会社の申立理由

ア 申立理由1(進歩性)
甲第1号証:特開昭63-232816号公報(引用文献2)
甲第2号証:特開2002-214115号公報(引用文献3)
甲第3号証:特表2009-505061号公報(引用文献4)
甲第4号証:実願昭62-138262号(実開昭64-044017号)のマイクロフイルム(引用文献5)
甲第5号証:特開2010-51852号公報(引用文献1)

本件特許発明1?7及び9は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?5号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

イ 申立理由2(新規性)
甲第6号証:特開2013-2922号公報

本件特許発明1及び5において、上流側検出部の配置範囲がケーシング下部の外側以外を含むようになっている点、及び観察窓の配置範囲が操作部の上の位置以外を含むようになっている点は、もとの特許出願(特願2011-133549号)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものではないため、新たな特許出願である本件特許出願は特許出願の分割の効果が認められず、また、本件特許出願の出願日には、もとの特許出願は出願公開(甲第6号証)されていたものである。
よって、本件特許発明1?9は、甲第6号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定する発明に該当し、特許を受けることができない。

ウ 申立理由3(新規事項)
当初明細書等には、上流側検出部がケーシング下部の外側以外で空気を捕捉する形態、及び観察窓が操作部の上の位置以外に設けられる形態は記載されていない。そのため、請求項1及び5において、平成27年4月20日付けの補正によって、観察窓の配置範囲の限定を削除し、当該観察窓の配置範囲を上位概念化した点、及び平成28年4月18日付けの補正によって、上流側検出部の配置範囲の限定を削除し、当該上流側検出部の配置範囲を上位概念化した点は、当初明細書等から導かれる技術的事項に対して新たな技術的事項を導入するものである。
よって、平成27年4月20日及び平成28年4月18日付け手続補正書でした補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

エ 申立理由4(サポート要件)
本件特許発明1及び5において、上流側検出部の配置範囲がケーシング下部の外側以外を含むようになっている点、及び観察窓の配置範囲が操作部の上の位置以外を含むようになっている点は、発明の詳細な説明に記載したものでない。
よって、請求項1?9の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

オ 申立理由5(明確性)
本件特許発明8は、請求項5ないし7のいずれかを引用しているのにも関わらず、請求項8に記載の「前記粒子分散部」に対応する「粒子拡散部」は、選択的に引用される請求項6にしか存在しない。そのため、請求項8が請求項6を引用しない場合について、「前記粒子拡散部」の指し示すものが不明確である。
よって、請求項8の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(2)特許異議申立人 千原 正の申立理由

ア 申立理由6(進歩性)
甲第1号証:特開2002-214115号公報(引用文献3)
甲第2号証:特開2003-254574号公報(引用文献6)
甲第3号証:実願昭62-138262号(実開昭64-44017号)のマイクロフイルム(引用文献5)
甲第4号証:特開2010-51852号公報(引用文献1)
甲第5号証:特表2009-505061号公報(引用文献4)

本件特許発明1?7及び9は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2?6号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

イ 申立理由7(新規事項)
平成28年4月18日付け手続補正書において、請求項1及び5に係る発明の「フィルタよりも上流側のケーシング下部の外側で空気を捕捉する上流側検出部」を「フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部」とする補正は、当初明細書等に対して新規事項を追加したものである。
よって、請求項1及び5に係る発明に対し、平成28年4月18日付け手続補正書でした補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

ウ 申立理由8(サポート要件)
請求項1及び5に係る発明には、「フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部」と特定されているが、「上流側検出部」の配置を「フィルタよりも上流側」とすることは、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化するものである。
よって、請求項1及び5の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

4.引用文献の記載等

(1)引用文献1の記載及び引用発明の認定
引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。以下、同様。)

ア 「【0014】
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本形態に係る空気浄化装置を示す。この空気浄化装置1は、製薬工場等において有害粉塵を含む空気を浄化して排出するために、工場等のクリーンルーム2の床面3に架台4を介して床置式で設置され、排気部10と、フィルタ部20とが上下に積層されて概略構成されている。フィルタ部20の左側面には吸気ダクト40が連通され、排気部10の右側面には排気ダクト50が連通されている。
【0015】
フィルタ部20は、筐体21と、傾斜床22と扉23と取付フレーム24と、HEPAフィルタ25とを備える。筐体21は直方体状を呈し、その左側壁21cに設けた吸気口26には吸気ダクト40が連通され、上部には前後左右の各壁21a,21b,21c,21dから内側に突出してなる方形状の取付フレーム24が取り付けられている。詳細には、この取付フレーム24は断面矩形状の中空部材により形成され、平面視で筐体21の内周面にほぼ沿う矩形状を呈する。扉23は、前壁21aに固着されたナット27に螺合する六角ボルト28によって、前壁21aに着脱可能に締結され、扉開口29を塞いでいる。扉23と前壁21aとの間にはガスケット30が設けられ、筐体21の内部のクリーンルーム2に対する密封状態が保たれている。傾斜床22は筐体21の内部下方において左側面から右側面に向かうにつれて下降するように設置され、傾斜床22の前部22aは水抜きバルブ31とほぼ同じ高さになっている。
【0016】
HEPAフィルタ25は、その外周がガスケット32を介して取付フレーム24に当接されて取り付けられている。このHEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(HEPAフィルタ25から下方に突出した部分)にワッシャー等からなる環状の押さえ部材34を填めた後にナット35を螺着させて行われる。ナット35としては、通常のナットよりも大口径で工具を使用せずに手で締付け等を行うことができるノブナットを使用することが望ましい。
尚、フィルタ部20の矩体21内の下方には洗浄水供給管36に連通させた放水管37が配置され、この放水管37は筐体の中央部を前後方向に延び、等間隔に4個の放水口37aを備えている。このように、前記HEPAフィルタ25は、密封化された状態で前記放水口37aからフィルタ部の内部に洗浄水Wを放水したときに、その下面(空気流の上流側の面)25aが水洗されるようにフィルタ部20の内部に設置されている。
尚、図中38は筐体22の右側壁21dに設けられた水位確認計を示し、筐体21内の洗浄水Wの水位を確認できるようになっている。
【0017】
排気部10は、筐体11を備える。筐体11は直方体状を呈し、その右側壁11dには排気口12が形成され、この排気口12は排気ダクト50に連通されている。
前記排気部10にはリーク・差圧測定装置13と風量計14と、風量調整装置15が設けられている。」

イ 「【0023】
本形態では、特に、取付フレーム24に付着した水を滴下させてその残留を防止するように、取付フレーム24の各部の断面形状が一様に矩形状を呈して下方又は側方に向かって凹となる部分を有しないようにしたので、HEPAフィルタ25の水洗時に取付フレーム24に水が付着しても短時間で乾燥し、錆の発生等を防止することができる。また、取付フレーム24が断面矩形状の中空枠体であることは、取付フレームに有害粉塵が溜まりにくいことにも寄与する。」

ウ 第1図及び第2図には、以下の図面が示されている。


エ 第3図及び第4図には、以下の図面が示されている。


以上の記載によれば、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「製薬工場等において有害粉塵を含む空気を浄化して排出するために、工場等のクリーンルーム2の床面3に架台4を介して床置式で設置され、排気部10と、フィルタ部20とが上下に積層されて概略構成されている、空気浄化装置1であって、
フィルタ部20の左側面には吸気ダクト40が連通され、排気部10の右側面には排気ダクト50が連通されており、
フィルタ部20は、筐体21と、傾斜床22と扉23と取付フレーム24と、HEPAフィルタ25とを備え、筐体21は直方体状を呈し、その左側壁21cに設けた吸気口26には吸気ダクト40が連通され、上部には前後左右の各壁21a,21b,21c,21dから内側に突出してなる方形状の取付フレーム24が取り付けられており、詳細には、この取付フレーム24は断面矩形状の中空部材により形成され、平面視で筐体21の内周面にほぼ沿う矩形状を呈しており、
HEPAフィルタ25は、その外周がガスケット32を介して取付フレーム24に当接されて取り付けられ、このHEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(HEPAフィルタ25から下方に突出した部分)にワッシャー等からなる環状の押さえ部材34を填めた後にナット35を螺着させて行われ、
フィルタ部20の矩体21内の下方には洗浄水供給管36に連通させた放水管37が配置され、この放水管37は筐体の中央部を前後方向に延び、等間隔に4個の放水口37aを備えており、このように、前記HEPAフィルタ25は、密封化された状態で前記放水口37aからフィルタ部の内部に洗浄水Wを放水したときに、その下面(空気流の上流側の面)25aが水洗されるようにフィルタ部20の内部に設置されており、
排気部10は、筐体11を備え、筐体11は直方体状を呈し、その右側壁11dには排気口12が形成され、この排気口12は排気ダクト50に連通されており、
前記排気部10にはリーク・差圧測定装置13と風量計14と、風量調整装置15が設けられている、
空気浄化装置1。」

(2)引用文献2の記載
引用文献2には、図面とともに、次の事項が記載されている。

ア 第3頁左上欄第16行?左下欄第8行
「本発明の第1実施例を第1図、第2図により説明する。
本実施例において、フィルタケース2は、その下方に内部で汚染物を扱う空間である作業室1が形成され、作業室1の上方には作業室1とフィルタ50の保守空間24とを隔離する隔壁1aが設けられ、隔壁1aに設けられた吸込口1bの上部にはフィルタ50が載置される。フィルタ50は隔壁1aに対してパッキング(図示せず)や固定金具(図示せず)等により気密に固定される。フィルタ50の下流側50aに設けられた保守空間24は、その前面側のフィルタ交換用開口部24aにねじ40により気密に締着されたフィルタ点検カバー20が設けられ、天井面には、保守空間の内外を連通する連通部26が設けられる。フィルタ点検カバー20は本実施例ではガラス板、又はアクリル板等の透明な材質で形成されるとともに、保守空間24の内部に突出するよう設けられた気密性を有する手袋22が取付けられている。保守空間24内には粒子検知手段である管状の検出口10が設けられ、検出口10は連通部26を介して保守空間外に設けられた粒子測定器12に接続される。また、保守空間24の天井面には排気ダクト32が接続され、排気ダクト内には排気ファン30が設けられて、保守空間24、フィルタ50を介して作業室1内の空気を吸引する。
本実施例において、フィルタ50の性能測定を行う場合には、排気ファン30を通常の使用状態と同様に運転し、フィルタ点検カバー20に設けられたグローブ22に測定者が手を入れて保守空間24内の検出口10をつかみ、フィルタ50の下流面11を走査して粒子測定器12により粒子数を測定し、リークの有無を点検する。」

イ 第1図及び第2図には、以下の図面が示されている。


(3)引用文献3の記載
引用文献3には、図面とともに、次の事項が記載されている。

ア 「【0036】本実施の形態における空気浄化装置は、図2及び図3に示すように、通気路を形成するケーシング1と、このケーシング1内に設けられてケーシング1を通る空気を浄化する空気浄化手段であるHEPAフィルタ2とを有する。吸い込み口3の背面には、空気とともに吸い込まれた比較的大きな塵埃を捕集するためのプレフィルタ4が設けられている。また、ケーシング1にはHEPAフィルタ2の上流側及び下流側のケーシング1の内圧差を検出する差圧計22が設けられている。
【0037】ケーシング1は、床清掃時の洗浄水の排出を考慮し、HEPAフィルタ2上流側において床面が吸い込み口3に向けて下がり傾斜するように形成されている。なお、本実施の形態で用いられるHEPAフィルタ2は、処理風量が19.6m3/min、圧力損失が250Pa、0.3μmの粒子に対するろ過効率が99.99%以上のフィルタである。HEPAフィルタ2は、スポンジパッキン等のシール部材を介して、長尺ボルト及びナット等の締め付け部材によって気密にケーシング1に取り付けられている。
【0038】HEPAフィルタ2よりも上流側(下方)のケーシング1には空気浄化時に密閉自在な上流側検出口5が設けられ、HEPAフィルタ2よりも下流側(上方)のケーシング1には空気浄化時に密閉自在な下流側検出口6が設けられている。上流側検出口5及び下流側検出口6は共にプラグ封入によって密閉自在なソケットであり、これらのソケットはそれぞれ溶接によりケーシング1に取り付けられている。ケーシング1内側の下流側検出口6には変形自在な樹脂チューブ7が接続され、樹脂チューブ7の先端にはサンプリングプローブ8が接続されている。樹脂チューブ7は、サンプリングプローブ8をHEPAフィルタ2の下流側端面上及びその周辺で移動させるのに十分な長さとされている。」

イ 「【0049】HEPAフィルタ2上流側でのDOP粒子濃度が上記範囲であることが確認されたら、作業者はグローブ14に手を入れてサンプリングプローブ8を持ち、ビニルバッグ13を介してHEPAフィルタ2の下流側端面及びその周辺を見ながらサンプリングプローブ8をフィルタ面及びシール部に沿ってスキャンする。フィルタ下流側のケーシング1内の空気は、その一部がスキャン中のサンプリングプローブ8に捕捉され、樹脂チューブ7に案内され、下流側検出口6及び下流側検出チューブ18を通ってパーティクルカウンタ19に送られる。パーティクルカウンタ19は下流側空気に含まれるDOP粒子を検出し、フィルタ下流側のDOP粒子濃度を測定する。」

ウ 「【0054】本実施の形態の空気浄化装置は、ケーシング1の下部に吸い込み口3を有し、吸い込み口3よりも上方にHEPAフィルタ2が取り付けられることから、水洗時にはHEPAフィルタ2に水がかかりにくく、HEPAフィルタ2をほとんど濡らすことなくフィルタ上流側のケーシング1内を水洗することができる。また、ケーシング1の床面が吸い込み口3に向けて下がり傾斜していることから、水洗時における水はけが良い。」

エ 図10には、以下の図面が示されている。


(4)引用文献4の記載
引用文献4には、図面とともに、次の事項が記載されている。

ア 「【0017】
図4に示す封じ込めシステム100の部分上面図をさらに参照すると、エアロゾル噴射リング302が、ダンパ118の上流でカラー116内に配置される。エアロゾル噴射リング302は、リップ112を密閉通過する管304によって、ハウジング102に形成されたエアロゾル噴射ポート180に連結される。エアロゾル噴射リング302は、カラー116によって画定される領域の高速流内に位置決めされる。エアロゾル噴射リング302の半径方向内側(又は他の部分)に位置決めされた孔を通して空気流に供給されるエアロゾルは、空気流がハウジング102に入るとダンパ118の面に衝突することにより、フィルタ試験のためにエアロゾルの良好な混合及び均一な分布を確保するのに必要な乱流をもたらす。」

イ 「【0020】
図5及び図6は、図2の封じ込めシステムの断面図及び部分断面図である。主に図5を参照すると、自動走査機構130をハウジング102内に配置して、ハウジング102を開かずにフィルタ104を走査することを容易にすることができる。ハウジング102のこの領域には、(図1の従来のシステムのような)試験を容易にするためのドアが必要なくなるため、ハウジング102の長さをさらに短くすることができる。さらに、ドアが必要ないため、従来のシステムにある別の生じ得る漏洩点がなくなり、本発明の安全率がさらに高くなる。一実施形態では、自動走査用に構成されたハウジング102の全長は、約55インチ未満である。効率試験用に構成された封じ込めシステムでは、ハウジング102の下流でサンプリングが行われ得るため、下流のダンパ118とフィルタ104との間の距離をさらに縮めることができることが意図される。本発明から利益が得られるようになっている1つの自動走査機構は、Morse他により2005年4月25日に出願された米国特許仮出願第60/675,678号に記載されている。
【0021】
自動走査機構130は、少なくとも1つのプローブ142とアクチュエータ144等の運動機構とを含む。プローブ142は、微粒子走査試験に適した任意の様々な設計を有し得る。一実施形態では、プローブ142は、IEST-RP-CC034.1推奨粒子に適合する。プローブ142は、概して、管516によって、ハウジング102に画定された下流試料ポート508に連結される。ポート508には、光度計又は粒子計数器等のテスタ510が連結される。テスタ510は、上流試料ポート540にも連結され得る。プローブ142は、概して、所定のフィルタ試験速度で等速サンプリングを行うように構成される。複数のプローブ、又は複数のサンプリングポート(したがって、複数のサンプリングポート508に連結された複数のサンプリング管516)を有する1つのプローブを利用することができることが意図される。
【0022】
アクチュエータ144は、1つ又は複数のリニアアクチュエータ、x/yアクチュエータ、又はフィルタ要素104に対してプローブ142を位置決めすることにより漏れ試験を容易にするのに適した他の機構であり得る。アクチュエータ144のための制御部及び/又はユーティリティが、ハウジング102に画定されたポート502を通してコントローラ506につながれ得る。ポート502は、ハウジング102からの漏れを防止するように構成され、クイックディスコネクト又は他の適当な継手を嵌めることができる。このようなポートは、Camfil Farr, Inc.から入手可能な封じ込めシステムで現在利用可能である。
【0023】
図8は、ハウジング102を開かずにシステム100内に設置されたフィルタの漏れ試験を行うために本明細書に記載のハウジング102で用いられ得る、自動走査機構800の一実施形態を示す。自動走査機構800は、漏れの有無についてフィルタの全面を走査することができるようにハウジング内にプローブ142を位置決めするのに用いられる、運動機構844を含む。プローブ142は、フィルタとシール面との間のシールでの漏れの有無についての漏れ試験を行うようにも位置決め可能であり得る。運動機構844は、任意の適当なアクチュエータ、ロボット、x-yアクチュエータ、リニアアクチュエータ、ステッピングモータ若しくはサーボモータ、流体動力シリンダ、ロッドレスシリンダ、チェーンドライブ若しくはベルトドライブ、ラックピニオンギア装置、ボール、リード、アクメねじ若しくは他の動力ねじ、又はハウジング102の内部体積内でプローブ142を移動させるのに適した他の適当な運動制御、運動発生、及び/又は運動促進機構であり得る。図8に示す実施形態では、運動機構844は、2つのロッドレスシリンダ846、848である。
【0024】
第1のシリンダ846は、ハウジング102に連結され、第1のキャリッジ810が摺動可能に連結されている。第2のシリンダ848は、第1のキャリッジ810に連結されてこれとともに移動する。第2のキャリッジ812は、第2のシリンダ848に沿って進む。プローブ142は、第2のキャリッジ812に連結される。第1のキャリッジ810の位置は、第1のシリンダ846の少なくとも片側に空気又は他の流体を選択的に加えることによって制御される。同様に、第2のキャリッジ812の位置は、第2のシリンダ848の少なくとも片側に空気又は他の流体を選択的に加えることによって制御される。したがって、キャリッジ810、812の運動を制御することにより、フィルタの面を走査するようにプローブ142を選択的に位置決めすることができる。図示の実施形態では、流体制御ライン822、824がシリンダ846、848とポート502との間に設けられて、システム100の外部から走査方向のプローブ142の横方向位置を制御する。」

ウ 「【0029】
フィルタ104は、概して、ハウジング102内に配置されたシール面550に対してシールされる。シール面550は、ハウジングを通って流れる空気をフィルタ104に通過させるようにハウジング102に連結される。一実施形態では、シール面550は、フィルタ104のフレームに形成された流体シールと係合するナイフエッジである。シール面550は、フィルタ104をハウジング102にシールするのに適した構成の中でも特に、ガスケットをシールするためのフランジであり得ることが意図される。
【0030】
ハウジング102は、付勢機構552も含む。付勢機構552は通常、動作中に脇道ができないことを確実にするためにフィルタ104をシール面550に対して付勢する。一実施形態では、付勢機構552は、フィルタ104を解放する位置とフィルタをシール面550に対して付勢する位置との間で移動させることができる結合部締め付け機構である。フィルタ104をシール面550に対して保持するのに適した付勢機構552の他の構成を利用してもよいことが意図される。付勢機構、バッグリング、及びフィルタアクセスポートの全てを有する、本発明から利益が得られるようになっている1つの汚染ハウジングは、ノースカロライナ州ワシントン所在のCamfil Farr, Inc.から入手可能なFB HOUSING(商標)である。
【0031】
図7は、一体型ダンパ118を有する封じ込めシステム700の別の実施形態を示す。封じ込めシステム700は概して、図2?図6のシステムとほぼ同様であるが、システム700が、図5に示すバッグ532等のグローブ付きバッグを用いる従来の走査慣行を利用したフィルタ104の手動試験に対応するように、バッグリング704を有する第2のアクセスポート702を含む点が異なる。」

エ 図5には、以下の図面が示されている。


(5)引用文献5の記載
引用文献5には、図面とともに、次の事項が記載されている。

「2.実用新案登録請求の範囲
1.中空状のハウジング内に複数個のフィルタを設置し、そのハウジングの上流側と下流側とに入口ダクトと出口ダクトをそれぞれ設けてなるフィルタユニットにおいて、前記ハウジング内に検出器の検出端を、前記複数個のフィルタに対応してそれぞれ設けたことを特徴とするフィルタユニット。
2.ハウジングは点検窓およびグローブを有し、検出端は手動でスキャニングされることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項記載のフィルタユニット。」(第1頁第4?15行)

(6)引用文献6の記載
引用文献6には、図面とともに、次の事項が記載されている。

「【請求項1】 バイオセーフティ施設からの排気を処理するバイオセーフティ排気処理装置において、
気密構造に構成されたケーシング内に設置されたフィルタの下流側のスペースにグローブ及びサンプリングチューブをケーシングの外部と連通する構造で設け、
さらに、前記ケーシングの一面に覗き窓を設けたことを特徴とするバイオセーフティ排気処理装置。」

(7)特開2009-50831号公報の記載
特許異議申立人 千原 正により提出された平成29年10月12日付け意見書に添付された特開2009-50831号公報(以下、「参考文献」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。

ア 「【0024】
この空気浄化装置1のHEPAフィルタ25(及びプレフィルタ14)の交換方法について説明すると、まず、使用済のプレフィルタ14をホース42からの放水により水洗した(図2(A)、ステップ1(図3において「S.1」と記載。以下同様。))後に水洗ユニット5の前壁15から取り外し(図2(B)、ステップ2)、開口16からホース42を水洗ユニット5の内部に挿入し、傾斜床13、水洗ユニット5の内壁43、取付フレーム24及び使用済のHEPAフィルタ25(の少なくとも下面41)を洗浄して付着した粉塵を洗い流す(図2(C)、ステップ3)。
【0025】
つぎに、六角ボルト29を緩めて扉23を開け (図2(D)、ステップ4)、開口27を通じてナット40を緩めてナット40及び押さえ部材39をスタッドボルト38から外し、HEPAフィルタ25をガスケット37ごと取付フレーム24から取り外して開口27から取り出す(図2(E)、ステップ5)。
【0026】
続いて、新しい(一般的には未使用の)HEPAフィルタ25をガスケット37とともに開口27からフィルタユニット4の内部に入れ、HEPAフィルタ25の図示を略す挿通孔にスタッドボルト38を挿通させて押さえ部材39及びナット40を取り付け(図2(F)、ステップ6)、扉23を閉じるとともに額縁20付きの新しいプレフィルタ14で開口16を塞ぐことにより、フィルタ交換作業が完了する(図2(G)、ステップ7)。
【0027】
本形態に係る空気浄化装置1では、プレフィルタ14を取り外した状態で開口16から水洗ユニット5の内部に放水したときにHEPAフィルタ25の下面41が水洗されるように、HEPAフィルタ25が水洗ユニット5の内部に臨んで設けられているので、HEPAフィルタ25をビニルバッグを用いることなく直接的に交換しようとするときに(空気浄化装置1はそもそもビニルバッグを有しない。)、上述したようにまずプレフィルタ14を取り外し、開口16から水洗ユニット5の内部に放水し、使用済みのHEPAフィルタ25の下面41を水洗して湿潤させた上で、このHEPAフィルタ25を新しいものに交換してプレフィルタ14を取り付けることにすれば、使用済みのHEPAフィルタ25において主に下面41に捕集されている有害粉塵の飛散が湿潤により抑制されることになって、装置構造やフィルタ交換方法を簡易なものとしつつ有害粉塵のフィルタ交換時における飛散を有効に防止することができる。」

イ 図2には、以下の図面が示されている。


5.判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について

ア 取消理由1(明確性)について
本件訂正により、「前記サンプリングプローブが平面的な走査となるように下流側の面が平坦な形状とされている」という記載が、「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ」と訂正された結果、「平坦な形状とされ」ている「前記下流側の面が」、「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」面であることが明確となった。
よって、本件訂正発明4及び8?10では、上記「第3 2.(1)」の取消理由1が解消されたといえる。

イ 取消理由2(進歩性)について

(ア)本件訂正発明4
a 対比
本件訂正発明4と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「フィルタ部20」の「筐体21」と、「排気部10」の「筐体11」を併せたものが、本件訂正発明4の「ケーシング」に相当する。また、引用発明の「HEPAフィルタ25」及び「空気浄化装置1」が、それぞれ、本件訂正発明4の「フィルタ」及び「空気浄化装置」に相当する。

(b)引用発明の「リーク・差圧測定装置13」は、「HEPAフィルタ25」のリークを検出するリーク試験装置であることは技術的に明らかであるから、引用発明の「リーク・差圧測定装置13」と、本件訂正発明4の走査リーク試験に用いる構成の「前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
を有し、
・・・
前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであ」ることとは、
「ケーシング内の前記フィルタにおけるリーク試験装置」である点で共通する。

(c)引用発明では、「HEPAフィルタ25は、その外周がガスケット32を介して取付フレーム24に当接されて取り付けられ、このHEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(HEPAフィルタ25から下方に突出した部分)にワッシャー等からなる環状の押さえ部材34を填めた後にナット35を螺着させて行われ」ていることから、引用発明における、ここでの「HEPAフィルタ25の取付け」構造一式が、本件訂正発明4の「フィルタを着脱可能な着脱部」に相当する。

(d)引用発明では、「フィルタ部20は、・・・取付フレーム24と、HEPAフィルタ25とを備え、筐体21は直方体状を呈し、・・・上部には前後左右の各壁21a,21b,21c,21dから内側に突出してなる方形状の取付フレーム24が取り付けられており、・・・この取付フレーム24は・・・平面視で筐体21の内周面にほぼ沿う矩形状を呈して」いることから、引用発明の「取付フレーム24」は、本件訂正発明4の「枠状のフィルタ取付枠」に相当する。

(e)引用発明の「ガスケット32」は、本件訂正発明4の「シール部材」に相当する。

(f)引用発明では、「HEPAフィルタ25は、その外周がガスケット32を介して取付フレーム24に当接されて取り付けられ、このHEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(HEPAフィルタ25から下方に突出した部分)にワッシャー等からなる環状の押さえ部材34を填めた後にナット35を螺着させて行われ」ており、図3及び4(上記「第3 4.(1)エ」参照。)を踏まえると、引用発明の「取付フレーム24」は、本件訂正発明4の「前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ」ているものに相当する。

(g)引用発明では、「取付フレーム24は断面矩形状の中空部材により形成され」ており、そして、上記「第3 4.(1)イ」に「取付フレーム24が断面矩形状の中空枠体であることは、取付フレームに有害粉塵が溜まりにくいことにも寄与する。」と記載されていることを踏まえると、引用発明の「取付フレーム24」は、下流側の面が平坦な形状とされているいるものといえるから、引用発明の「取付フレーム24」と、本件訂正発明4の「さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ」とは、「さらに、前記下流側の面が平坦な形状とされ」ている点で共通する。

(h)引用発明の「フィルタ部20は、筐体21と、・・・取付フレーム24と、HEPAフィルタ25とを備え、筐体21・・・に設けた吸気口26には吸気ダクト40が連通され、・・・HEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(・・・)に・・・ナット35を螺着させて行われ、フィルタ部20の矩体21内の下方には洗浄水供給管36に連通させた放水管37が配置され、この放水管37は筐体の中央部を前後方向に延び、等間隔に4個の放水口37aを備えており、このように、前記HEPAフィルタ25は、密封化された状態で前記放水口37aからフィルタ部の内部に洗浄水Wを放水したときに、その下面(空気流の上流側の面)25aが水洗されるようにフィルタ部20の内部に設置されており、排気部10は、筐体11を備え、筐体11は・・・排気口12が形成され、この排気口12は排気ダクト50に連通されて」ていることと、本件訂正発明4の「前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている」とは、「前記ケーシングの開口から吸入された空気が前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている」点で共通する。

してみると、本件訂正発明4と引用発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。

(一致点)
「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおけるリーク試験装置と、
前記ケーシング内の上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記下流側の面が平坦な形状とされ、
前記ケーシングの開口から吸入された空気が前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている
空気浄化装置。」

(相違点1)
リーク試験装置が、本件訂正発明4では、「前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、」を有し、
「前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであ」るのに対し、引用発明では、この点につき特定されていない点。

(相違点2)
フィルタ取付枠の下流側の面が、本件訂正発明4では、「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」のに対し、引用発明では、この点につき特定されていない点。

(相違点3)
本件訂正発明4では、ケーシングの開口から吸入された空気が「プレフィルタ」およびフィルタを通過して排気口から排出され、前記フィルタは、「前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から」前記ケーシングの内部に放水したときに、前記フィルタの空気流の上流側の面を水洗可能なように、前記ケーシングの内部に取り付けられているのに対し、引用発明では、「筐体11」の「吸気口26」から吸入された空気が「HEPAフィルタ25」を通過して「排気口12」から排出されるまでに、「プレフィルタ」を通過させるかは不明であり、「HEPAフィルタ25は、密封化された状態で」「洗浄水供給管36に連通させた放水管37」の「放水口37aからフィルタ部の内部に洗浄水Wを放水したときに、その下面(空気流の上流側の面)25aが水洗されるようにフィルタ部20の内部に設置されて」いる点。

b 相違点についての判断
事案に鑑み、相違点3について検討する。

上記相違点3に係る本件訂正発明4の構成、とりわけ、フィルタを、プレフィルタを取り外した状態でケーシングの開口から前記ケーシングの内部に放水したときに、前記フィルタの空気流の上流側の面を水洗可能なように、前記ケーシングの内部に取り付けることは、引用文献2?6のいずれにも記載も示唆もされていない。
よって、引用発明において、上記相違点3に係る本件訂正発明4の構成にすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。

c 小括
以上のとおり、本件訂正発明4は、他の相違点について判断するまでもなく、引用発明及び上記引用文献2?6に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(イ)本件訂正発明8
a 対比
本件訂正発明8と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「フィルタ部20」の「筐体21」と、「排気部10」の「筐体11」を併せたものが、本件訂正発明8の「ケーシング」に相当する。また、引用発明の「HEPAフィルタ25」及び「空気浄化装置1」が、それぞれ、本件訂正発明8の「フィルタ」及び「空気浄化装置」に相当する。また、引用発明の「空気浄化装置1」は、「リーク・差圧測定装置13」を備え、リーク・差圧を測定する測定システムといえるから、本件訂正発明8の「空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システム」に相当するといえる。

(b)引用発明の「リーク・差圧測定装置13」は、「HEPAフィルタ25」のリークを検出するリーク試験装置であることは技術的に明らかであるから、引用発明の「リーク・差圧測定装置13」と、本件訂正発明8の走査リーク試験に用いる構成の「前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、
有し、
・・・
前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、
前記試験用粒子供給部から供給される前記試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成とした」こととは、
「ケーシング内の前記フィルタにおけるリーク試験装置」である点で共通する。

(c)引用発明では、「HEPAフィルタ25は、その外周がガスケット32を介して取付フレーム24に当接されて取り付けられ、このHEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(HEPAフィルタ25から下方に突出した部分)にワッシャー等からなる環状の押さえ部材34を填めた後にナット35を螺着させて行われ」ていることから、引用発明における、ここでの「HEPAフィルタ25の取付け」構造一式が、本件訂正発明8の「フィルタを着脱可能な着脱部」に相当する。

(d)引用発明では、「フィルタ部20は、・・・取付フレーム24と、HEPAフィルタ25とを備え、筐体21は直方体状を呈し、・・・上部には前後左右の各壁21a,21b,21c,21dから内側に突出してなる方形状の取付フレーム24が取り付けられており、・・・この取付フレーム24は・・・平面視で筐体21の内周面にほぼ沿う矩形状を呈して」いることから、引用発明の「取付フレーム24」は、本件訂正発明8の「枠状のフィルタ取付枠」に相当する。

(e)引用発明の「ガスケット32」は、本件訂正発明8の「シール部材」に相当する。

(f)引用発明では、「HEPAフィルタ25は、その外周がガスケット32を介して取付フレーム24に当接されて取り付けられ、このHEPAフィルタ25の取付けは、取付フレーム24の側に固定されたスタッドボルト33の先端部(HEPAフィルタ25から下方に突出した部分)にワッシャー等からなる環状の押さえ部材34を填めた後にナット35を螺着させて行われ」ており、図3及び4(上記「第3 4.(1)エ」参照。)を踏まえると、引用発明の「取付フレーム24」は、本件訂正発明4の「前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ」ているものに相当する。

(g)引用発明では、「取付フレーム24は断面矩形状の中空部材により形成され」ており、そして、上記「第3 4.(1)イ」に「取付フレーム24が断面矩形状の中空枠体であることは、取付フレームに有害粉塵が溜まりにくいことにも寄与する。」と記載されていることを踏まえると、引用発明の「取付フレーム24」は、下流側の面が平坦な形状とされているいるものといえるから、引用発明の「取付フレーム24」と、本件訂正発明4の「さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ」とは、「さらに、前記下流側の面が平坦な形状とされ」ている点で共通する。

してみると、本件訂正発明8と引用発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。

(一致点)
「浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化するフィルタとを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおけるリーク試験装置と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィル夕取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記下流側の面が、平坦な形状とされた、
試験システム。」

(相違点1)
リーク試験装置が、本件訂正発明8では、「前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、」を有し、
「前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、
前記試験用粒子供給部から供給される前記試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ」るのに対し、引用発明では、この点につき特定されていない点。

(相違点2)
フィルタ取付枠の下流側の面が、本件訂正発明8では、「前記サンプリングプローブが平面的な走査となる」のに対し、引用発明では、この点につき特定されていない点。

(相違点3)
上流側検出部が、本件訂正発明8では、「前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成とした」のに対し、引用発明では、この点につき特定されていない点。

b 相違点についての判断
事案に鑑み、相違点3について検討する。

上記相違点3に係る本件訂正発明8の構成、すなわち、上流側検出部を、粒子分散部としてのチャンバーの出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成にしたことは、引用文献2?6のいずれにも記載も示唆もされていない。
よって、引用発明において、上記相違点3に係る本件訂正発明8の構成にすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。

c 小括
以上のとおり、本件訂正発明8は、他の相違点について判断するまでもなく、引用発明及び上記引用文献2?6に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(ウ)本件訂正発明9
本件訂正発明9は、本件訂正発明8の構成の全てを含むことから、上記(イ)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(エ)本件訂正発明10
本件訂正発明10は、上記相違点3に係る本件訂正発明4の構成を具備することから、上記(ア)と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人 千原 正は、平成29年10月12日付け意見書において、上記相違点3に係る本件訂正発明4及び10の構成(上記「イ(ア)」及び「イ(エ)」を参照)は、上記参考文献(上記「4.(6)」を参照)に記載されているから、引用発明及び参考文献に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到し得た事項であると主張している。
しかしながら、引用発明において、HEPAフィルタ25へ放水する際、「洗浄水供給管36に連通させた放水管37」を使用することに代えて、参考文献に記載された技術的事項を適用しようすると、少なくとも「吸気ダクト40」を「筐体11」から取り外す作業が必要となることから、たとえ参考文献に上記相違点3に係る本件訂正発明4及び10の構成が記載されていたとしても、引用発明において、HEPAフィルタ25への放水のため、参考文献に記載された技術的事項を適用することは想定できない。
よって、上記主張は採用できない。

(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について

ア 申立理由1及び6について
特許異議申立人は、上記「3.(1)ア」及び「3.(2)ア」に示したように、本件特許発明1?7及び9は、特開昭63-232816号公報(引用文献2)又は特開2002-214115号公報(引用文献3)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであると主張しているが、上記「イ(ア)」及び「イ(エ)」で検討したとおり、上記相違点3に係る本件訂正発明4及び10の構成は、引用文献1?6のいずれにも記載も示唆もされていないことから、たとえ引用文献2または3を出発点としても、本件訂正発明4及び10は、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
よって、上記申立理由1及び6は採用できない。

イ 申立理由2?4、7及び8について
申立理由2?4、7及び8は、いずれも、本件訂正発明4及び8?10から、観察窓の配置範囲の限定を削除し、当該観察窓の配置範囲を上位概念化した点、及び/又は、上流側検出部の配置範囲の限定を削除し、当該上流側検出部の配置範囲を上位概念化した点に着目した申立理由であるので、併せて検討する。
特許請求の範囲に発明として記載して特許を受けるためには、明細書の発明の詳細な説明に、当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載しなければならない(知財高判平17.11.11平成17年(行ケ)10042号大合議判決)。そして、当該発明の課題は、必ずしも明細書の特定の欄に記載されていなければならないということではなく(平成20(行ケ)10237)、本件訂正発明4及び8?10において、「前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、」という構成は、明細書の段落【0064】に「従来例では、下流側のケーシング上部においてフィルタ取付枠の上部にHEPAフィルタを載置しているために、サンプリングプローブは、フィルタ取付枠の取付け用のボルト等の突出物を避けながら水平方向だけではなく垂直方向にも動く必要、すなわち3次元的に複雑に動く必要がある。
これに対して、図1の本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、図6に示すように、HEPAフィルタ2は、T方向に沿って上流側から、すなわち下側からフィルタ取付枠103に取り付ける構造を採用している。このため、フィルタ取付枠103の上部には突出物がなくフラットな形状であるために、図1に示すサンプリングプローブ8は平面的な2次元な走査をするだけでよい。このように、平面上をサンプリングプローブ8が走査するので、サンプリングプルーブ8は、HEPAフィルタ2の吹出面側に沿うようにして試験粒子のサンプリングが確実に行えるので、リーク試験の信頼性が高まるメリットがある。」と記載されているように、サンプリングプローブの平面的な2次元走査をすることを課題とし、当該課題を解決するための課題解決手段であることが理解できる。
してみると、本件訂正発明4及び8?10において、「前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部」、及び/又は「前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓」という構成は、上記課題との関係において任意の付加的な事項であるといえる。
よって、本件特許出願は特許出願の分割の効果が認められるところ、本件訂正発明4及び8?10は、甲第6号証に記載された発明であるとはいえず、また、平成27年4月20日及び平成28年4月18日付け手続補正書でした補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものといえ、さらに、本件訂正発明4及び8?10は、発明の詳細な説明に記載したものといえることから、上記申立理由2?4、7及び8は採用できない。

ウ 申立理由5について
本件訂正により、本件訂正発明8は、独立形式請求項となったことから明確となり、上記申立理由5は採用できない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項4及び8?10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項4及び8?10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項1?3及び5?7に係る発明は、本件訂正により削除されたので、本件特許の請求項1?3及び5?7に対してなされた特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
空気浄化装置およびその試験システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルハザード物質を使用している事業所、例えば抗生物質の製造室等の排気系に使用される空気浄化装置およびその試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、抗生物質の製造室等のケミカルハザード物質を使用する製造現場では、ケミカルハザード物質は、製造現場の雰囲気を空気浄化装置に通すことによって、製造現場の外部への流出を防止している。空気浄化装置には、0.3μmのDOP(フタル酸ジオクチル)粒子に対して99.97%以上のろ過効率を有するHEPAフィルタや、0.1μmの粒子に対して99.999%以上のろ過効率を有するULPAフィルタ等が用いられる。
このような空気浄化装置は、例えば特許文献1と特許文献2に開示されている。この空気浄化ユニットは、鋼またはSUSからなるケーシング内にHEPAフィルタを取り付けたもので、空気浄化装置に流入したハザード物質を含む空気をろ過して、清浄な空気のみを室外に排出する。
【0003】
空気浄化装置のHEPAフィルタには、空気のろ過に伴いハザード物質のみならず粉塵も堆積する。このためHEPAフィルタは、目詰まりにより圧力損失が増加することから、定期的に交換が必要である。
HEPAフィルタとケーシングのシール部は、一般にスポンジパッキンによって気密性が保たれているが、パッキンの経時劣化によりシール部からリークが生じる可能性がある。
このため、HEPAフィルタの交換時や一定期間運転後等では、HEPAフィルタやシール部からのリークがないことを、定期的にリーク試験して確認する必要がある。
【0004】
このリーク試験について説明すると、空気浄化装置のリーク試験は、HEPAフィルタの上流側におけるケーシング内に試験用粒子を供給し、HEPAフィルタの上流側および下流側における試験用粒子濃度を検出することにより行われる(特許文献1の図13参照)。リーク試験は、以下の通りに行われる。
(1)空気浄化装置に送風する。
(2)空気浄化装置の上流側のケーシングに試験用粒子(例えば粒径0.3μmのDOP粒子)を投入する。
(3)粒子検出器(例えばパーティクルカウンタ)により、HEPAフィルタの上流側の試験用粒子濃度を測定する。
(4)HEPAフィルタの下流側の試験用粒子濃度を同様に測定する
(5)HEPAフィルタ上流と下流の試験用粒子濃度の比より、HEPAフィルタからのリークが規定のレベル以下であることを確認する。
【0005】
また、近年、作業者によるプローブの走査作業を伴うリーク試験が、HEPAフィルタ取り付け状態でおこなえるような構造とした空気浄化装置の出現を望むユーザが増えている。HEPAフィルタのリーク試験を行うために、例えば特許文献3に記載の高性能フィルタ検査装置が知られている。特許文献3に記載の検査装置では、フィルタの上流側の粒子供給部と、フィルタの下流側のサンプリングプローブとを、フィルタを間に挟んで少ない間隔で相互に対向させるとともに、粒子供給部とサンプリングプローブの対向位置関係を保ったまま粒子供給部とサンプリングプローブとをフィルタ全面にわたってスキャンニングさせる同期スキャンニング機構を有する。特許文献3の検査装置は、試験用粒子の供給および検出が効率よく行われることから、より少ない粒子供給量でより精度よくフィルタのリークを検出することができる点で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-214115号公報
【特許文献2】特開2009-50831号公報
【特許文献3】特開平8-110294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1と特許文献2に開示されている空気浄化装置では、HEPAフィルタは排気系に用いられるために、HEPAフィルタの下流側では空気浄化装置外の圧力に比べて負圧となっている。このためリーク試験においては、空気浄化装置外の粒子がHEPAフィルタの下流側に吸引されて、リークしてきた粒子の検出の障害とならないように、HEPAフィルタの下流側は空気浄化装置の外部からは気密性よく遮断されていなければならない。このため、空気浄化装置のリーク試験では、HEPAフィルタの下流側を空気浄化装置外の雰囲気に開放できないことから、作業者がHEPAフィルタ下流側に清浄空間が形成される通常のクリーンルームのように、吹き出し口にプローブを手で持ってリーク試験を行うことができない。
【0008】
通常は、空気浄化装置のケーシングの利用や固定配管の設置等により、空気浄化装置の外部に対して気密な通気路をフィルタ下流側に形成し、リークした粒子を検出する手法が用いられる。しかし、このリークした粒子を検出する手法を用いる場合には、次のような問題点がある。
(1)HEPAフィルタの下流側の試験用粒子サンプリング位置がHEPAフィルタに近いと、サンプリング位置から離れた場所にリークがあった場合に、そのリークから漏れてくる試験用粒子をサンプリングできず、リークを見落としてしまうことがある。
(2)リークから漏れてきた試験用粒子を確実に検出するため、HEPAフィルタの下流側のサンプリング位置をHEPAフィルタから十分に離れた位置とすると、漏れてきた試験用粒子がHEPAフィルタの正常部を通過した清浄空気により希釈されてしまうため、比較的小さなリークを見落としてしまうことがある。
【0009】
また、特許文献3に記載の高性能フィルタ検査装置は、HEPAフィルタのリークを検出するための装置であることから、例えばHEPAフィルタが空気浄化装置に取り付けられた際に、取り付けの不具合やパッキンの劣化等、取り付けによって生じるリークについては検出することができない。従って、特許文献3に記載の高性能フィルタ検査装置は、実際にHEPAフィルタが空気浄化ユニットに設置された状況でのリークの有無を検査するには必ずしも適当でない場合がある。
【0010】
そこで、特許文献1に開示された空気浄化装置は、空気を浄化する状態においてリーク試験を実施することができるようにするために、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、このケーシング内に設けられてケーシングを通る空気を浄化するHEPAフィルタとを有し、さらにリーク試験時にHEPAフィルタよりも上流側のケーシング内の空気を捕捉して案内する上流側検出口と、HEPAフィルタよりも下流側のケーシング内を移動自在であり、リーク試験時にHEPAフィルタよりも下流側のケーシング内の空気を捕捉して案内するサンプリングプローブを有している。
ところが、特許文献1の空気浄化装置では、作業者がケーシングの内部を観察するために観察窓が設けられているが、この観察窓は、ケーシングの前面の中央部の位置に形成されている。従って、作業者がプローブ走査によりHEPAフィルタ上の試験用粒子をサンプリングする際に、作業者はプローブをほぼ水平方向に沿って、しかもグローブを通して目視で観察することになり、作業者の観察視野が狭くなりプローブ走査状況が観察しづらいので、試験用粒子のサンプリング作業が容易に行えない。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる空気浄化装置およびその試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の空気浄化装置は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、を有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであり、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている、ことを特徴とする。
上記構成によれば、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
また、上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することでフィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
また、上記構成によれば、フィルタの少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、フィルタの上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、フィルタの水洗作業やフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。
【0012】
好ましくは、前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、空気浄化部は、交換の際に上流側のケーシング下部から取り外すことができるので、下流側のケーシング上部を気密状態に維持することができ、従来必要であったビニールバッグの交換作業を行う必要が無い。
【0013】
好ましくは、前記試験用粒子供給部から供給される試験用粒子がチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、上流側検出部が、チャンバーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。
【0014】
また、本発明の空気浄化装置は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、を有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、試験用粒子供給部から供給された試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、フィルタの少なくとも上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、フィルタの上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、フィルタの水洗作業やフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。
【0015】
本発明の試験システムは、試験装置のことであり、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化するフィルタとを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部とを有し、前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、前記試験用粒子供給部から供給される前記試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成とした、ことを特徴とする。
上記構成によれば、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、フィルタの試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
また、上記構成によれば、試験用粒子は、試験用粒子供給部からの試験用粒子を均一に分散した状態にして、上流側のケーシング下部内に導入することができるので、リーク試験の精度を保つことができる。
また、上記構成によれば、上流側検出部が、チャンバーのチャンバー出口とケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できる。
【0016】
好ましくは、試験システムは、前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであることを特徴とする。
上記構成によれば、作業者は、手を操作部であるグローブに挿入するだけで、作業者はサンプリングプローブを走査することで空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
【0017】
好ましくは、試験システムは、前記上流側のケーシング下部から前記空気浄化部を着脱可能に取り付け可能な着脱部を有することを特徴とする。
上記構成によれば、空気浄化部は、交換の際に上流側のケーシング下部から取り外すことができるので、下流側のケーシング上部を気密状態に維持することができ、従来必要であったビニールバッグの交換作業を行う必要が無い。
【0018】
好ましくは、試験システムは、前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、フィルタの少なくと上流側の表面を洗浄水により濡らすことができるので、フィルタの上流側の表面において捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、フィルタの水洗作業やフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがない。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる空気浄化装置およびその試験システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の空気浄化装置の実施形態とこの空気浄化装置の試験システムの実施形態を示す概略側面図。
【図2】図1に示す本発明の空気浄化装置およびその試験システムの実施形態の概略正面図。
【図3】図1に示す本発明の空気浄化装置の試験システムの実施形態の使用状態を示す概略正面図。
【図4】図3の使用状態の概略平面図。
【図5】図2に示すプレフィルタにおけるD-D線の断面構造例を示す図。
【図6】HEPAフィルタをケーシング内に着脱可能に取り付けるための着脱部の構造例を示す図。
【図7】下流側検出口の付近を示す図。
【図8】グローブの取り付け構造例を示す図。
【図9】HEPAフィルタの交換作業の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の空気浄化装置とこの空気浄化装置の試験システムの各実施形態を示す図であり、図2は図1の空気浄化装置だけを示す正面図であり、図3は、図1に示す空気浄化装置の試験システム(試験装置)の使用状態を示す正面図、図4は図3の使用状態を示す概略平面図である。
図1では、空気浄化装置に試験システム(試験装置)を設けた状態を示している。
【0022】
図1と図2に示す空気浄化装置100は、ケミカルハザード物質を使用している事業所、例えば抗生物質の製造室等における排気系に使用される。この空気浄化装置100は、部屋Rの床面Fに設定され、部屋Rの側壁Wに対して面一になるように設けられており、部屋Rの壁面Wの一部を形成している。空気浄化装置100に粒子発生器20やチャンバー109等を配置して試験システム(試験装置)を形成している。
図1と図2に示す空気浄化装置100は、ケーシング1を有しており、ケーシング1は上流側のケーシング下部1Aと下流側のケーシング上部1Bを有している。上流側のケーシング下部1Aから部屋R内の空気を取り入れて、部屋R内の空気を、空気浄化部である例えばHEPAフィルタ2を通して浄化した後に、浄化した空気を下流側のケーシング上部1Bの上部の排気口15から、矢印Cで示すように部屋Rの外部に排気するようになっている。
【0023】
図1に示すケーシング1の上流側のケーシング下部1Aと下流側のケーシング上部1Bは、上述したように空気の通気路を形成しており、HEPAフィルタ2がこのケーシング1内の途中の位置において、着脱部300を用いて着脱可能に設けられている。ケーシング1の上流側のケーシング下部1Aは、HEPAフィルタ2の下側に位置し、下流側のケーシング上部1Bは、は、HEPAフィルタ2の上側に位置している。すなわち、上流側のケーシング下部1Aは、HEPAフィルタ2に対して空気の上流側に位置しており、下流側のケーシング上部1Bは、HEPAフィルタ2に対して空気の下流側に位置している。
上流側のケーシング下部1Aには、空気の吸気口3が設けられている。
図5は、図2に示すプレフィルタ4におけるD-D線の断面構造例を示している。図5に示すように、この吸気口3の開口110には、プレフィルタ4が着脱可能に設けられている。このプレフィルタ4は、HEPAフィルタ2に対して上流側に配置されており、HEPAフィルタ2に比べて、比較的大きな塵埃を捕集することができる。
図1に示すように、上流側のケーシング下部1A内には、傾斜床CFが形成されている。この傾斜床CFは、上流側のケーシング下部1Aの背面側から吸気口3に向けて下がるように湾曲して形成されている。これにより、HEPAフィルタ2の下面側を洗浄水で洗浄して清掃した場合に、上流側のケーシング下部1A内からの洗浄水の排出を容易にしている。
【0024】
図1に示すHEPAフィルタ2は、例えば処理風量が19.6m3/min、圧力損失が250Pa、そして0.3μmの粒子に対するろ過効率が99.99%以上のフィルタである。
図6は、HEPAフィルタ2をケーシング1内に着脱可能に取り付けるための着脱部300の構造例を示している。図6に示すように、着脱部300は、フィルタ取付枠103を有しており、フィルタ取付枠103は、図1のケーシング1の中間位置において水平に固定されている。図6に示す4本の長尺ボルト104が、フィルタ取付枠103に対して下向きに固定されている。各長尺ボルト104は、HEPAフィルタ2の各辺の中間位置に位置されている。HEPAフィルタ2は、スポンジパッキン等のシール部材(ガスケット)102を介して、フィルタ取付枠103に対して押し付けて、長尺ボルト104に対してフィルタ押さえ板105を用いてナット106を締め付けることで、HEPAフィルタ2は、気密状態でフィルタ取付枠103に取り付けられている。
【0025】
これにより、図6に示すように、作業者は、HEPAフィルタ2を交換する際に、HEPAフィルタ2を上流側のケーシング下部1A側からフィルタ取付枠103に対してT方向に沿って上向きに取り付けることができ、T方向とは反対方向に取り外すことができる。すなわち、作業者は、HEPAフィルタ2を空気の上流側(下側)から交換することができる。なお、図6に示すように、ラス網107が、HEPAフィルタ2を保護するために、フィルタ取付枠103のケーシング下部1A側に設けられている。
【0026】
図1に示すように、上流側のケーシング下部1Aの空気の吸気口3には、上流側検出チューブ端子111が設けられている。
上流側検出チューブ端子111は、ケーシング1の外側であって、チャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間において、上流側空気を捕捉して上流側検出チューブ17を通じて、パーティカルカウンタ19内に案内することができる空気浄化部よりも上流側のケーシング下部の外側で空気を捕捉する上流側検出部の一例である。
【0027】
図1に示すように、HEPAフィルタ2よりも上側に位置される下流側のケーシング上部1Bには、空気浄化時に密閉自在な下流側検出口6が設けられている。
図7は、この下流側検出口6の付近を示しており、下流側検出口6には、複数の樹脂チューブ接続治具112が配置されている。樹脂チューブ接続治具112は、下流側検出チューブ18とサンプリングプローブ8の樹脂チューブ7を、下流側検出口プラグ113と下流側検出口ソケット114を介してそれぞれ接続する。
各樹脂チューブ接続治具112は、溶接によりケーシング1の下流側検出口6の受け部6aに取り付けられている。リーク試験時にケーシング1の下流側検出口6のカバー6bを外して変形自在な樹脂チューブ18が接続される。樹脂チューブ7の先端には常時サンプリングプローブ8が接続されている。
【0028】
樹脂チューブ7は、自由に変形可能なチューブであり、サンプリングプローブ8をHEPAフィルタ2の下流側端面上およびその周辺で、2次元的(平面的)に移動させるのに十分な長さを有している。
【0029】
図1に示すサンプリングプローブ8の基端はソケットを有し、この基端から先端に向けて断面積が徐々に拡大し、先端が矩形に開口する形状に形成されている。サンプリングプローブ8は、樹脂チューブ7の先端に接続された継手を介して樹脂チューブ7に接続されている。
図1に示すように、下流側のケーシング上部1Bの上部には、後述する作業者Mが下流側のケーシング上部1Bの内部を、目視で直接観察することができるようにするための観察窓115が設けられている。すなわち、図1と図2に示す観察窓115は、グローブ14とサンプリンググローブ8を作業者が目で直接目視するための覗き窓であるが、観察窓115は、下流側のケーシング上部1Bにおいてグローブ14の上の位置に配置されており、作業者Mがサンプリングプローブ8を直接的に視認することができる。この観察窓115は、例えば透明なガラス板をはめ込むことで構成されている。
【0030】
下流側検出口6と同じ水平高さの位置には、グローブ14が設けられている。図8は、グローブ14の取り付け構造例を示している。図8に示すグローブ14は、例えば透明の合成樹脂製の手袋であり、グローブポート116に対して、Oリング117を用いて気密状態になるように固定されている。グローブ14は、HEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング上部1B内の任意の位置で、サンプリングプローブ8を2次元的に走査する作業を行うために十分な大きさを有している。グローブ14は、作業者Mが手を入れるようになっており、グローブ14は、下流側のケーシング上部1Bの前面側において、観察窓115と別体的(別々の位置)に設けられて、作業者Mの手を入れるために変形自在で気密な構造を有する。このグローブ14は、下流側のケーシング上部1Bに配置されてサンプリングプローブ8を手動で移動操作させることができる操作部の一例である。
【0031】
図1に示すように、下流側のケーシング上部1Bの最下流には、排気口15が設けられている。また、排気口15は断面形状が矩形に形成されている。排気口15内には、ケーシング1から排出される浄化空気の風量(ケーシング1に吸い込まれる空気の吸い込み量)を調整自在なダンパを設けることもできる。
この排気口15は、不図示の排気ダクトに接続されており、浄化空気は排気ダクトを通って室外に排出される。なお、排気ダクトの通気路中には送風機が設けられており、この送風機によって室内の空気を空気浄化装置内に吸引する構成となっている。空気浄化装置100では、図1に示すHEPAフィルタ2、プレフィルタ4、樹脂チューブ7と図8に示すグローブ14、O-リング117等を除いて、そのほとんどの部分がSUSで構成されている。
【0032】
次に、図1を参照して、空気浄化装置100による空気の浄化動作について説明する。
図1に示す部屋Rの空気を浄化する時には、上流側検出部である上流側検出チューブ端子111は、プレフィルタ4により封止され、下流側検出口6は樹脂チューブ接続治具112によって封止されている。また、グローブ14は、下流側のケーシング上部1Bの中において使用できる状態となっている。
ケーシング1の図示しない送風機が駆動すると、部屋Rの空気は、吸気口3から上流側のケーシング下部1A内に吸い込まれて、プレフィルタ4を通過する。この時には比較的大きな粒子や塵埃等がプレフィルタ4で捕集される。プレフィルタ4を通過した空気は、HEPAフィルタ2を通過する。この時には、ケミカルハザード物質等の室内空気に含まれる粒子状の汚染物質は、このHEPAフィルタ2によって捕集され、室内から吸い込まれた空気は浄化される。浄化された空気は、下流側のケーシング上部1B、排気口15、そして排気ダクトを通って室外に排出される。
なお、この空気浄化装置100ではプレフィルタ4により封止される部分の開口は従来よりも大きくされ、多くの空気を取り込むことができるようになっており、このため、プレフィルタ4の通気開口側断面積も従来より大きくすることで、チャンバー109で分散均一化された試験用粒子を不均一化することなくケーシング下部1Aへ導入することができる。
【0033】
次に、図1を参照して、空気浄化装置の試験システムすなわち、試験装置101を説明する。
図1に示すように、空気浄化装置の試験システム101は、空気浄化装置100と、粒子発生器20と、チャンバー109と、パーティクルカウンタ19等を有している。
このチャンバー109は、粒子発生器20が発生する多数の粒子を均一に分散させて、上流側のケーシング下部1A側に供給する機能を有する。粒子発生器20は、空気浄化装置100のリーク試験時に、空気浄化装置100のケーシング1の上流側に試験用粒子を供給するための試験用粒子供給部の一例である。パーティクルカウンタ19は、試験用粒子を検出する試験用粒子検出部の一例である。
リーク試験時には、試験用粒子供給部であるPAO(ポリアルファオレフィン)粒子発生器20は、導入管108によりチャンバー109に接続される。チャンバー109は、プレフィルタ4を介して取り込んだ空気に混入されるPAO粒子(後述)の均一化部または均一化装置の一例である。
上述した浄化装置100では、プレフィルタ4を大きくし、多くの空気を導入できるようにしたことに伴い、開口110を大きくしたため、診断システム101を使用する際に、試験、診断時に混入されるPAO粒子の拡散均一度を向上させる必要があり、そのため、粒子を分散して均一化する粒子分散部(粒子分散手段)を設けている。
チャンバー109は、粒子発生器20から導入される試験用粒子を拡散均一化するのに十分な空間を内部に備える装置である。図1,図2,図3に示されているように、作業者Mと空気浄化装置100との間に位置するように、架台5の上に配置されて、ケーシング下部1Aの開口110に位置合わせされている。
このチャンバー109には、粒子発生器20から延びる導入管108が接続されている。すなわち、試験用粒子供給部としての粒子発生器20は、空気浄化装置100のリーク試験時だけに多数の試験用粒子を上流側のケーシング下部1A内に供給することができる。粒子発生器20が発生する多数の試験用粒子は、導入管108を通じてチャンバー109に導き、チャンバー109はこの多数の試験用粒子を均一に分散する。このチャンバー109は、粒子発生器20から供給された多数の試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部であり、リーク試験の際に試験システム(試験装置)を構成する際にだけ取付けられる。
このチャンバー109は図1及び図3を参照して理解されるように、試験作業の作業者Mと、ケーシング1との間において、架台5の上に配置される。
チャンバー109は例えば、内部に空間を有するようにしたほぼ矩形の箱状の形態であり、外部からの空気を取り入れることができるように、空気の吸込口が形成されている。吸込口は、例えば、図3に示されているように、チャンバー109の正面の略中央付近に四角形に設けた開口である正面の吸込口25と、図1に示すように、側面に長方形の開口として設けた側面吸込口23を有しており、この実施形態は側面吸込口23は、図1に現れていない反対の側面にも設けられている。チャンバー109とケーシング1との間の隙間には、図1に平行斜線で示すように、リーク防止のため例えばガスケットなどの目止め21が施され、この目止め21は、チャンバー109とケーシング1との間の隙間を全て埋めるように、チャンバー109の全周にわたって設けられることにより、気密状態を維持するようにされている。
ここで、導入管108は、好ましくは、チャンバー109の略中央まで引き回されて、該チャンバー109の中央部の吸込口25に試験用粒子をチャンバー109内に導くようになっている。これにより、吸込口23と吸込口25,25の三方から吸い込まれた空気でチャンバー109内で該試験用微粒子がミキシングされて均一に拡散し易いようにされている。
これに対応して、上流側検出チューブ端子111は、ケーシング1の外側であって、チャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間で、しかもチャンバー出口109aの中央部に配置されており、当該箇所において、適切に拡散されてチャンバー109から出される粒子を代表して検出するようにされている。これにより精密な計測が可能となるようになっている。
【0034】
チャンバー109のチャンバー出口109aと上流側のケーシング下部1Aの開口110とは対峙させ、開口110に設けたプレフィルタ4を取り外す。これにより、チャンバー109のチャンバー出口109aと上流側のケーシング下部1Aの開口110とは接続する。また、リーク試験時には、図7に示す下流側検出口6のカバー6bとプラグ113が外される。図1に示すように、上流側検出部である上流側検出チューブ端子111は、チャンバー109と上流側のケーシング下部1Aの開口110との間に設置される。この上流側検出チューブ17が、上流側検出部である上流側検出チューブ端子111とパーティクルカウンタ19の間に設けられている。
図7に示すように、下流側検出口6の樹脂チューブ接続治具112には、下流側検出チューブ18が接続される。このように、上流側検出チューブ17と下流側検出チューブ18は、試験用粒子検出部であるパーティクルカウンタ(LASAIR、PMS社製)19に接続される。
【0035】
次に、図1を参照して、空気浄化装置の試験システム101による空気浄化装置100のリーク試験について説明する。
リーク試験では、まず図1に示すPAO粒子発生器20から試験用粒子としてPAO粒子が供給される。このときPAO粒子は、粒子濃度がHEPAフィルタ2の上流側で106?107個/ft3(3.5×107?3.5×108個/m3)となるように供給される。PAO粒子の粒子濃度は、ダンパの開度やコンプレッサからの圧縮空気の供給によって調整される。HEPAフィルタ2の上流側のチャンバー109と上流側のケーシング下部1Aの開口110との間の空気の一部は、上流側検出チューブ端子111により捕捉されて上流側検出チューブ17に案内され、上流側検出チューブ17を通ってパーティクルカウンタ19に送られる。これにより、パーティクルカウンタ19は、上流側空気に含まれるPAO粒子を検出して、HEPAフィルタ2の上流側のPAO粒子濃度を測定することができる。
【0036】
図1に示すHEPAフィルタ2の上流側でのPAO粒子濃度が予め定めた範囲内であることが確認されたら、作業者はグローブ14に手を入れてサンプリングプローブ8を持ち、観察窓113を通じて、HEPAフィルタ2の下流側端面およびその周辺を直接見ながら、サンプリングプローブ8をHEPAフィルタ2のフィルタ面およびシール部に沿ってスキャン(走査)する。
HEPAフィルタ2の下流側のケーシング上部1B内の空気の一部は、スキャン中のサンプリングプローブ8により捕捉されて、樹脂チューブ7に案内され、下流側検出口6および下流側検出チューブ18を通ってパーティクルカウンタ19に送られる。これにより、パーティクルカウンタ19は、下流側空気に含まれるPAO粒子を検出し、HEPAフィルタ2の下流側のPAO粒子濃度を測定することができる。
FDAの無菌操作ガイドラインにあるHEPAフィルタの局所的な許容基準リーク率は、0.01%(102?103個/ft3又は約3.5×103?3.5×104個/m3)以下である。試験システム101では、装置の運転状態、HEPAフィルタ2の大きさ、およびサンプリングプローブ8の開口面積等の条件によって異なるが、サンプリングプローブ8を5cm/s程度の速度にて移動して走査させることにより、上記基準によるリーク試験を実施することができる。
【0037】
次に、図1と図2に示す空気浄化装置100のメンテナンスについて説明する。
図9は、HEPAフィルタ2の交換作業の例を示しており、図9を参照してHEPAフィルタ2の交換作業について説明する。
リーク試験で試験用粒子の数を検出したことにより上記基準値を上回る結果が検出された場合や、HEPAフィルタ2の浄化能力が低下(例えば差圧計によって目詰まりを検出)した場合、またはHEPAフィルタ2の耐久期限を迎えた場合等には、使用したHEPAフィルタ2を新たなHEPAフィルタ2に交換することがある。
【0038】
HEPAフィルタ2の交換作業は、図9(a)?図9(e)に示すとおりである。
図9(a)に示すように、外部ホース114がプレフィルタ4へ散水することで、プレフィルタ4に付着した粉塵が飛散するのを防止し、図9(b)に示すように、プレフィルタ4は粉塵の飛散を防止してから取り外す。
図9(c)に示すように、外部ホース114が上流側のケーシング下部1Aの内部へ散水して、HEPAフィルタ2の空気流の上流側の面2Fに付着した粉塵を洗い流すと共に、HEPAフィルタ2の少なくも上流側の面2Fが水洗される。
【0039】
次に、図9(d)に示すように、使用済のHEPAフィルタ2(区別のために2Aと示す)と新規のHEPAフィルタ2(区別のために2Bと示す)を、図1と図6に示す着脱部300において交換するために、図6に示す使用済HEPAフィルタ2Aのナット106を緩めて押さえ板105をずらして、フィルタ取付枠103に固定された使用済HEPAフィルタ2Aを取り外す。そして、新規HEPAフィルタ2Bをスタッドボルト104に挿通した押さえ板105で留めてナット106で締め付けてフィルタ取付枠103に固定する。最後に、図9(e)に示すように、洗浄したプレフィルタ4を取り付ける。
なお、図9に示す水洗によるフィルタ交換は一例であり、粉塵が飛散しない場合、粉塵の有害性がない場合には、水洗することなくHEPAフィルタ2の交換をする場合もある。
【0040】
新たにHEPAフィルタ2が取り付けられた際のリーク試験は、前述したリーク試験と同様に行われる。このようなHEPAフィルタ2の交換作業により、HEPAフィルタ2に捕集されたケミカルハザード物質等の汚染物質が、フィルタ交換作業に伴い空気浄化装置から飛散することを防止することが可能となる。
HEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内には、浄化される前の空気が通ることから、HEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内は比較的汚れやすい。また、リーク試験を行った場合では、上流側のケーシング下部1A内にはPAO粒子が付着する。このような場合には通常水洗いが行われる。
図1に示す空気浄化装置100では、上流側のケーシング下部1A側からHEPAフィルタ2を取り付けるようになっていることから、水洗時には図9(c)に示すようにHEPAフィルタ2の上流側の面2F側を濡らすことができ、上流側の面2Fに付着した粉塵が飛散することを防止できる。上流側のケーシング下部1Aの床面が、吸気口3に向けて傾斜した傾斜床CFをしていることから、上流側のケーシング下部1Aにおける水洗時における水はけが良い。
【0041】
なお、図1の空気浄化装置100では、通常の空気浄化時には、樹脂チューブ7の基端がサンプリングプローブ8の開口部に挿入された状態(すなわち樹脂チューブ7およびサンプリングプローブ8の内部空間が外部から閉塞された状態)で、両者を上流側のケーシング下部1A内に空気の流れの抵抗とならぬようにケーシング内壁に固定するなどして収納することができる。
【0042】
図1に示す空気浄化装置100は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシング1と、このケーシング1内に設けられて空気の上流側のケーシング下部1A側から(下側から)交換可能であり、ケーシング1を通る空気を浄化するHEPAフィルタ2と、リーク試験時にHEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内の空気を捕捉して案内するチャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間に設けた上流側検出チューブ端子111(上流側検出部)と、HEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング上部1B内を移動自在であり、リーク試験時にHEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング1B内の空気を捕捉して案内するサンプリングプローブ8と、を有する。
このことから、空気浄化装置100は、空気を浄化することができ、かつ空気を浄化する状態について精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
【0043】
そして、空気浄化装置100の下流側のケーシング上部1Bには、HEPAフィルタ2よりも下流側のケーシング上部1B内を外部から観察するための覗きガラス窓である観察窓115が設けられていることから、作業者は、リーク試験時にサンプリングプローブ8の位置を目視で直接視認することができ、サンプリング作業をより容易に行うことができる。図1の作業者Mが、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内を、外部から観察するための観察窓115を有することが、リーク試験時におけるより正確なスキャンニングやリーク箇所の特定をする上で好ましい。このような観察窓115としては、例えば、下流側のケーシング上部1Bに設けられた開口部位を透明樹脂フィルムやガラス等の光透過性物質で気密に塞いだ構成等を例示することができる。
【0044】
空気浄化装置100は、サンプリングプローブ8を自在に走査するためのグローブ14を有することから、作業者はリーク試験時において手動でサンプリングプローブ8を任意にスキャンニングすることができ、リーク箇所の特定がより容易である。グローブ14は、例えば透明ビニール等の合成樹脂等で成形されていることから、グローブ14内に挿入した作業者の手を観察窓115から直接視認することができ、リーク試験時のスキャンニングやメンテナンス作業をより容易に行うことができる。
図1の空気浄化装置100では、上流側のケーシング下部1Aの床面が、吸気3に向けて傾斜した傾斜床CFになっていることから、リーク試験後等にHEPAフィルタ2の上流側の面を洗浄した場合に、上流側のケーシング下部1A内の水洗における水はけが良く、水洗後の上流側のケーシング下部1A内をより清潔な状態に容易にすることができ、ケーシング1のメンテナンス性により優れている。
【0045】
試験システム101は、HEPAフィルタ2よりも上流側のケーシング下部1A内にPAO粒子を供給するPAO粒子発生器20と、チャンバー出口109aとケーシング1の開口110の間に設けた上流側検出チューブ端子111により案内される上流側空気に含まれるPAO粒子(試験用粒子)と、サンプリングプローブ8から案内される下流側空気に含まれるPAO粒子を検出するパーティクルカウンタ19とを有する。このことから、微少なリークの検出およびリーク箇所の特定が容易にでき、空気を浄化する状態の空気浄化装置について、精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
試験システム101は、断面形状が矩形のケーシング1に対して、矩形の開口端を有するサンプリングプローブ8が用いられることから、下流側のケーシング上部1Bの角部やHEPAフィルタ2の取り付け部(シール部)周辺においても、HEPAフィルタ2の下流側のケーシング上部1B内をもれなくスキャンして、角部周辺の空気も捕捉、案内できることから、より精密なリーク試験を実施することができる。
【0046】
図1に示すケーシング1は、浄化されるべき空気の通気路を形成するものであれば特に限定されないが、SUS製または鋼製であることが、装置の耐圧性や気密性を維持する上で好ましい。
図1と図6に示すに示す空気浄化部としてのHEPAフィルタ2は、粒子状の汚染物質を捕集するものであれば特に限定されない。この空気浄化部としては、例えば、準HEPAフィルタ、HEPAフィルタやULPAフィルタ、超ULPAフィルタ等の高性能フィルタを例示することができ、排気系の空気浄化装置としては、HEPAフィルタが好ましくは用いられる。空気浄化部のケーシング1への取り付けは気密に行われるが、空気浄化部の取り付けには、図6に例示したように長尺ボルトとナットまたはカム等の締め付け部材を用いることが、取り付けの気密性を確保する上で好ましい。
【0047】
図1に示す上流側検出部としての上流側検出チューブ端子111は、リーク試験時に空気浄化部よりも上流側でかつケーシング1の外側で空気を捕捉して案内でき、試験用粒子検出部であるパーティクルカウンタ19と接続できるものであれば、特に限定されない。上流側検出部は、リーク試験時に開放でき、空気浄化時には密閉自在なものであることが好ましい。このような上流側検出部は、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部としての粒子発生器20から試験用粒子を導入管108によりチャンバー109に導き、チャンバー出口109aとケーシング1の開口(プレフィルタがあれば吸気口でなければ開口)との間で、ケーシング1の上流側空気を捕捉して案内することができる。
【0048】
図1のサンプリングプローブ8は、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内、特に空気浄化部2の下流側端面およびその近傍を移動自在であり、リーク試験時に空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内の空気を捕捉して案内するものであれば良い。図1のサンプリングプローブ8を自在に操作するための操作部としてのグローブ14を有することが、リーク試験時におけるより正確なスキャンニングやリーク箇所の特定をする上で好ましい。操作部は、空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内(特に空気浄化部下流側端面およびその近傍)でサンプリングプローブ8を自在に操作できるものであれば特に限定されないが、空気浄化部の交換等のメンテナンス作業にも活用できるものであることがより好ましい。このような操作部としては、樹脂製のグローブ等の変形自在かつ気密なグローブを例示することができる。さらに操作部は透明グローブであると操作時における手の形状を視認することができより一層好ましい。
【0049】
サンプリングプローブ8を移動自在にする構成としては、作業者Mが手動でサンプリングプローブ8を移動させる構成であっても良いし、サンプリングプローブ8が自動的に空気浄化部2の下流側端面近傍を移動する構成であっても良い。サンプリングプローブ8を手動により移動自在な構成とすると、簡易な構成で移動自在とすることができ、空気浄化時の汚染源となるおそれも少なく、かつ微少なリーク箇所の特定にも有利であり好ましい。
サンプリングプローブ8を手動で移動自在とする構成としては、例えば変形自在かつ気密な管状体の先端にサンプリングプローブを接続する構成を例示できる。
【0050】
図1のサンプリングプローブ8としては、基端に比して先端が広く開口しているものを好ましくは例示することができ、先端の開口面積が適度なものを用いると、精度の良いリーク試験を実施する上で好ましい。サンプリングプローブ8の先端の開口面積は、空気浄化部2の浄化能力や断面積、空気浄化装置の運転条件等に応じて適切に決定することができる。
サンプリングプローブ8の先端の開口形状は、ケーシング1の断面形状、空気浄化部2の下流側端面の形状、空気浄化部2とケーシング1との取り付け部の形状等によって決めることが好ましい。例えばケーシング1の断面形状が矩形である場合では、サンプリングプローブ8の開口形状も矩形とすると、リーク試験時においてケーシングの角部でも隙間無く空気の捕捉ができ、より正確にスキャンニングすることができる。また、断面形状が円形、楕円形等も使用できる。
【0051】
図1のサンプリングプローブ8は、リーク試験時に開放でき、空気浄化時には密閉自在な下流側検出口を浄化部下流側のケーシング1に設け、ケーシング1内において下流側検出口6に接続する構成とすると、個々の空気浄化装置のリーク試験を行うのにより便利であり好ましい。このような下流側検出口6としては、空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内に開口し、かつ密閉自在な管状体、例えばバルブを備える通気管やプラグ封入が可能なソケット等を例示できる。
図1に示す試験用粒子供給部としての粒子発生器20は、空気浄化部2よりも上流側のケーシング下部1A内に試験用粒子を供給するが特に限定されず、当該技術分野において従来知られている粒子発生装置等を用いることができる。試験用粒子供給部は、リーク試験に用いられる試験用粒子の種類によって適当なものが用いられる。試験用粒子供給部は、リーク試験時に空気浄化部2よりも上流側のケーシング下部1Aに直接接続されていなくても良く、例えば適当なダクト等を介して上流側のケーシング下部1Aと接続されて試験用粒子を供給するものであっても良い。
【0052】
リーク試験の規格は、空気浄化部の種類や浄化すべき空気の性状等によって異なることから、試験用粒子供給部は、試験用粒子の粒径や供給量を自在に調整できることが好ましい。例えば空気浄化部としてHEPAフィルタ2が用いられる場合では、HEPAフィルタ2の上流側のケーシング下部1A内に、粒径0.3μmの試験用粒子の粒子濃度が106?107個/ft3(3.5×107?3.5×108個/m3)となるように試験用粒子を供給することが好ましい。試験用粒子の粒径および供給量は、例えば試験用粒子を発生させるノズルの種類や試験用粒子の発生条件(例えば圧力や風量等)などによって調整することができる。
試験用粒子としては、従来DOPが使用されてきたがフィルタ汚染問題、発がん性、内分泌かく乱物質の人体有害問題の疑いからJISZ8901の試験用粒子2の1種として規定されるポリアルファオレフィン(PAO)粒子が代替粒子として用いられる。このPAO粒子を試験用粒子とする場合の試験用粒子供給部には、例えばJISB9927に示されるように、ラスキンノズルと呼ばれるノズルをPAO液中に浸漬し、ノズルの穴より噴出する圧縮空気流により粒径1μm以下のPAO粒子を発生させるものを用いることができる。
【0053】
PAO等の液体ミストの揮発が汚染源となりうる環境では、試験用粒子として個体粒子を用いることが好ましい。このような試験用粒子としては、例えば特開平8-136437号公報に記載されているシリカ粒子を例示することができる。このシリカ粒子を試験用粒子とする場合では、試験用粒子供給部には、例えば、コロイダルシリカ懸濁液が投入され、またコリソン型アトマイザが収容されている粒子発生器と、この発生器に圧縮空気を送り込むための送気管と、この送気管に接続されるフィルタ、レギュレータ、流量計、および圧力計と、粒子発生器で発生した含シリカ液滴粒子を乾燥する乾燥筒とを有する装置を用いることができる。
【0054】
図1の上流側検出チューブ端子(上流側検出部)111およびサンプリングプローブ8は、それぞれ空気を取り入れて、例えばケーシング1外に設けられた計測器等の試験用粒子検出部としてのパーティカルカウンタ19に案内する。試験用粒子検出部は、上流側検出チューブ端子111およびサンプリングプローブ8から案内される上流側空気および下流側空気のそれぞれに含まれる試験用粒子を検出する部であれば特に限定されず、当該技術分野で知られている装置を用いることができる。
試験用粒子検出部は、用いられる試験用粒子の種類によって適当なものが用いられる。試験用粒子検出部としては、例えば、PMS社製パーティクルカウンタ(LASAIR)や、JISZ4812にある光散乱式相対濃度計(例えばATI社製、TDA-2E)等を例示することができる。
【0055】
図1のグローブ14は交換することなく常にケーシング1内にあるので空気浄化中は気流の抵抗になるため、例えばケーシング1に面ファスナーの凹部を設け、グローブ14に面ファスナーの凸部を設けて、浄化中は気流の抵抗にならないようにグローブ14をケーシング1の内壁に固定しておくことができる。
空気浄化装置100は、SUSや鋼等の金属で形成された部材等を必要に応じて用い、着脱自在部位を除き全溶接構造とすることが、耐圧性や気密性等を維持する上で好ましい。空気浄化装置100は、好ましくは排気系に用いられるが、例えばチャンバー等により閉鎖された空間に浄化された空気を供給するなど、清浄空間を形成するために用いられても良いし、清浄空間や製造室等の壁面や通気路等の一部を構成するユニットとして利用することもできる。試験システム101は、空気浄化装置100のリーク試験を行うためのシステムであるが、空気浄化部2のリーク試験に用いても良い。
【0056】
空気浄化装置100は、HEPAフィルタ2を、上流側のケーシング下部1Aの着脱部300のフィルタ取付枠103に対して,上流側(下側)から着脱自在に取り付けているために、作業者Mは、従来のビニールバッグを使用する必要がなくフィルタを安全に交換することができ、作業者Mは、フィルタ交換が簡単で、短時間に、特段の熟練技術を要することなくできる。
従来では上流側検出口を装置前面に設ける必要があり、前面のプレフィルタの設置面積が制約を受けたが、上流側濃度は空気浄化装置の外で行なうので、プレフィルタの設置に制約されることなく前面に寸法いっぱいに設置できる。
【0057】
従来は観察窓とビニールバッグとグローブを一体化していたために、観察窓とビニールバッグとグローブがケーシングの前面の中央部に集中して配置されていることから、作業者Mがケーシング内のサンプリングプローブを目視で観察するための視野が狭く、プローブ走査が直接確認できずに確認動作がしづらいという問題があった。
しかし、本発明の実施形態では、下流側のケーシング上部1Bにおいて、グローブ14の上部の位置に別体として離して観察窓115を設けたため、ケーシング1の下流側のケーシング上部1Bの内部全体およびサンプリングプローブを目視で直接見渡すことができる。このため、作業者Mは、精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
従来は観察窓とビニールバッグとグローブを一体化した構造とする必要があるために、HEPAフィルタの交換のたびにグローブを新しく交換して取り付ける必要があり、廃棄物が生じていた。これに対して、本発明の実施形態では、グローブは交換の必要が無いために廃棄物の発生を防ぐことができる。
【0058】
空気浄化装置100は、浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシング1と、このケーシング1内に設けられてケーシング1を通る空気を浄化する空気浄化部2とを有し、リーク試験時に空気浄化部2よりも上流側の空気を捕捉して案内するチャンバー出口とケーシング下部の開口の間に設けた上流側検出チューブ端子111と空気浄化部2よりも下流側のケーシング1内を移動自在であり、リーク試験時に空気浄化部2よりも下流側のケーシング上部1B内の空気を捕捉して案内するサンプリングプローブ8とを有することから、空気を浄化することができ、かつ空気を浄化する状態について精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
【0059】
図1に示す本発明の実施形態の試験システム101は、空気浄化部2が実際に設けられた状態での空気浄化装置100について、空気浄化部2のみならず空気浄化部2とケーシング1との取り付け部分のリークの有無についても検出することができ、空気浄化装置100について精度および信頼性の高いリーク試験を実施することができる。
空気浄化装置およびその試験システムでは、空気浄化部がHEPAフィルタであると、ケミカルハザード物質の捕集、除去など高度な浄化を要する空気の浄化にも使用することができ、また高度な浄化を要する空気浄化装置100のリーク試験を実施することができる。
【0060】
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100およびその試験システム101は、空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内を外部から観察するための観察窓115を有すると、作業者Mはリーク試験時において空気浄化部よりも下流側のケーシング上部1B内の様子を視認することができ、リーク試験においてより精密な作業を容易に行うことができる。
空気浄化装置100およびその試験システム101は、サンプリングプローブ8を自在に操作するための操作部(グローブ14)を有するので、作業者はリーク試験時におけるスキャンニングを任意に行うことができ、より容易かつ正確にリーク箇所を特定することができる。
空気浄化装置100およびその試験システム101では、操作部(グローブ14)が変形自在かつ気密なグローブであると、イニシャルコストをより低くすることができ、空気浄化時には操作部を容易に収納することができ、空気の浄化に影響を及ぼしにくく、かつ作業性の向上により一層効果的である。
【0061】
図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、HEPAフィルタ2(空気浄化部)を、上流側のケーシング下部1Aのフィルタ取付枠に対して,上流側(下側)から着脱自在に取り付けることができるので、HEPAフィルタ2は上流側のケーシング下部1A側に突出している。
このため、HEPAフィルタ2が上流側のケーシング下部1A内で空気を捕捉すると、上流側の濃度を代表できないおそれがある。しかし、上流側検出チューブ端子(上流側検出部)111は、HEPAフィルタ2からのリーク試験時にHEPAフィルタ2よりも上流側であってケーシング1の外側で空気を捕捉して案内することができる。すなわち、上流側検出チューブ端子(上流側検出部)111は、ケーシング外で試験粒子を充満したチャンバー出口109a(ケーシング1の開口110)において試験粒子を検出できるので、試験粒子の上流側濃度を代表できるというメリットがある。
【0062】
従来例では、HEPAフィルタが下流側のケーシング上部側から着脱自在に交換するようになっているので、必ず下流側のケーシング上部を気密状態に維持しながらビニールバッグの交換作業を行う必要がある。
これに対して、図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、HEPAフィルタ(空気浄化部2)を、上流側のケーシング下部1Aのフィルタ取付枠103に対して,上流側(下側)から着脱自在に交換することができる。このため、図9に例示したように、上流側のケーシング下部1Bを水洗するだけで、HEPAフィルタをビニールバッグの交換をすることなく簡単に交換することができる。特に、HEPAフィルタの少なくとも上流側の面2Fを洗浄水により濡らすことができるので、HEPAフィルタの上流側の面2Fにおいて捕集した有害粉塵が飛散してすることが無い。従って、HEPAフィルタの水洗作業やHEPAフィルタの交換作業において、作業者が有害粉塵を吸引することがないというメリットがある。
【0063】
従来例では、HEPAフィルタが下流側のケーシング上部1B側から着脱自在に交換するようになっているので、下流側のケーシング上部1Bは気密構造でなければならない。このためHEPAフィルタを交換するために透明なビニールバッグを予め下流側のケーシング上部カバー内に設定準備する必要がある。そして、従来例では、作業者は、この透明なビニールバッグを観察窓として利用しており、ビニールバッグとグローブが同じ高さ位置になっている。このため、従来例では、作業者は、ケーシング内全体を目視で見渡し難いという問題がある。
これに対して、図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、観察窓115の配置位置が、グローブ14の取り付け位置よりも上になっている。従って、三角形の破線で示すように、作業者Mの目の位置P1と、気密構造になっているグローブ14の取付け位置P2と、下流側のケーシング上部1B内におけるサンプリングプローブ8の走査面の先端(最奥)位置P3とが、例えばほぼ二等辺三角形を形成することができる。このため、図1に示す本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、作業者Mの目の位置P1は、サンプリングプローブ8とグローブ14の位置よりも高い位置にあるので、作業者Mはケーシング1内の全体の様子を容易に見渡すことができ、サンプリングプローブ8の走査状況を確実に視認できる
また、HEPAフィルタ(空気浄化部2)を、上流側のケーシング下部1Aのフィルタ取付枠に対して,上流側(下側)から着脱自在に交換することができるので、下流側のケーシング上部1Bを気密化した構造を採用する必要がなく、しかも従来必要であったビニールバッグを使用する必要も無い。上流側のケーシング下部1Aを上流側のケーシング下部1A側から水洗することが容易にできるメリットがある。
【0064】
従来例では、下流側のケーシング上部においてフィルタ取付枠の上部にHEPAフィルタを載置しているために、サンプリングプローブは、フィルタ取付枠の取付け用のボルト等の突出物を避けながら水平方向だけではなく垂直方向にも動く必要、すなわち3次元的に複雑に動く必要がある。
これに対して、図1の本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、図6に示すように、HEPAフィルタ2は、T方向に沿って上流側から、すなわち下側からフィルタ取付枠103に取り付ける構造を採用している。このため、フィルタ取付枠103の上部には突出物がなくフラットな形状であるために、図1に示すサンプリングプローブ8は平面的な2次元な走査をするだけでよい。このように、平面上をサンプリングプローブ8が走査するので、サンプリングプルーブ8は、HEPAフィルタ2の吹出面側に沿うようにして試験粒子のサンプリングが確実に行えるので、リーク試験の信頼性が高まるメリットがある。
【0065】
図1の本発明の実施形態の空気浄化装置100と試験システム101では、作業者がサンプリングプローブを目視で直接観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。すなわち、観察窓は、サンプリングプローブと操作部の位置よりも高い位置にあるので、作業者は観察窓を通してケーシング内の全体の様子を容易に見渡すことができ、作業者が目視で直接サンプリングプローブを観察しながら、空気浄化部の試験用粒子を容易にサンプリングすることができる。
ところで、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明は様々な修正と変更が可能であり、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1・・・ケーシング、1A・・・上流側のケーシング下部、1B・・・下流側のケーシング上部、2・・・HEPAフィルタ(空気浄化部)、3・・・吸気口、4・・・プレフィルタ、6・・・下流側検出口、6a・・・受け部、6b・・・カバー、7・・・樹脂チューブ、8・・・サンプリングプローブ、14・・・グローブ(操作部の一例)、15・・・排気口、17・・・上流側検出チューブ、18・・・下流側検出チューブ(下流側検出部)、19・・・パーティクルカウンタ(試験用粒子検出部)、20・・・PAO粒子発生器(試験用粒子供給部)、100・・・空気浄化装置、101・・・空気浄化装置の試験システム、102・・・ガスケット、103・・・フィルタ取付枠、104・・・スタッドボルト、105・・・押さえ板、106・・・ナット、107・・・ラス網、108・・・導入管、109・・・チャンバー、109a・・・チャンバー出口、110・・・開口、111・・・上流側検出チューブ端子(上流側検出部)、112・・・樹脂チューブ接続治具、113・・・下流側検出口プラグ、114・・・下流側検出口ソケット、115・・・観察窓、116・・・グローブポート、117・・・Oリング、300・・・着脱部、CF・・・傾斜床、
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 (削除)
【請求項2】 (削除)
【請求項3】 (削除)
【請求項4】
浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、
前記操作部は、前記観察窓と別体的に設けられ、作業者の手を入れるための変形自在で気密な構造を有するグローブであり、
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている
ことを特徴とする空気浄化装置。
【請求項5】 (削除)
【請求項6】 (削除)
【請求項7】 (削除)
【請求項8】
浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化するフィルタとを有する空気浄化装置におけるリークを検出するための試験システムであって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記フィルタよりも前記上流側のケーシング下部内に、試験用粒子を供給する試験用粒子供給部と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、
前記試験用粒子供給部から供給された前記試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、
前記試験用粒子供給部から供給される前記試験用粒子が前記粒子分散部としてのチャンバーに導かれ、前記上流側検出部が、前記チャンバーの前記チャンバー出口と前記ケーシングの開口との間で上流側の空気を捕捉して案内する構成とした
ことを特徴とする試験システム。
【請求項9】
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部に着脱可能に前記着脱部に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の試験システム。
【請求項10】
浄化されるべき空気の通気路を形成するケーシングと、前記ケーシング内に設けられて前記ケーシングを通る空気を浄化する空気浄化部としてのフィルタとを有する空気浄化装置であって、
前記ケーシング内の前記フィルタにおける走査リーク試験時に、外側のパーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも上流側で空気を捕捉する上流側検出部と、
前記フィルタよりも下流側のケーシング上部内を移動自在であり、前記走査リーク試験時に、前記パーティクルカウンタと接続され、前記フィルタよりも前記下流側のケーシング上部内の空気を捕捉するサンプリングプローブと、
前記下流側のケーシング上部に配置されて前記サンプリングプローブを移動操作させる操作部と、
前記ケーシングの前記下流側である前記ケーシング上部に配置されて作業者が前記サンプリングプローブを観察するための観察窓と、
前記ケーシング内の前記上流側と下流側の境界位置に設けられ、前記フィルタを着脱可能な着脱部と、
を有し、
前記着脱部は、前記フィルタが取り付けられる枠状のフィルタ取付枠を有し、
前記フィルタ取付枠は、前記フィルタが下流側に突出しないように前記ケーシング下部からシール部材を介して押し付けられていると共に、前記フィルタの前記下流側に向いた露出面側に着脱構造の一部等が突出しないようにされ、さらに、前記サンプリングプローブが平面的な走査となる前記下流側の面が、平坦な形状とされ、
試験用粒子供給部から供給された試験用粒子を分散して均一化する粒子分散部を有し、
前記ケーシングの開口から吸入された空気がプレフィルタおよび前記フィルタを通過して排気口から排出されるように前記ケーシングの内部が連通しており、前記プレフィルタを取り外した状態で前記開口から前記ケーシングの内部に放水したときに前記フィルタの少なくとも空気流の上流側の面が水洗可能なように、前記フィルタが前記ケーシングの内部において着脱可能に前記着脱部に取り付けられている
ことを特徴とする空気浄化装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2017-11-08 
出願番号 特願2015-57691(P2015-57691)
審決分類 P 1 651・ 55- YAA (G01N)
P 1 651・ 113- YAA (G01N)
P 1 651・ 537- YAA (G01N)
P 1 651・ 121- YAA (G01N)
最終処分 維持  
前審関与審査官 福田 裕司  
特許庁審判長 福島 浩司
特許庁審判官 信田 昌男
▲高▼見 重雄
登録日 2016-06-10 
登録番号 特許第5946109号(P5946109)
権利者 日本無機株式会社 鹿島建設株式会社
発明の名称 空気浄化装置およびその試験システム  
代理人 野口 和孝  
代理人 野口 和孝  
代理人 岡▲崎▼ 信太郎  
代理人 新井 全  
代理人 新井 全  
代理人 岡▲崎▼ 信太郎  
代理人 野口 和孝  
代理人 新井 全  
代理人 岡▲崎▼ 信太郎  
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