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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1337370 |
審判番号 | 不服2016-18779 |
総通号数 | 220 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-12-14 |
確定日 | 2018-02-07 |
事件の表示 | 特願2014- 65438「分散型ユーザ間で価値を電子的に交換するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月10日出願公開、特開2014-130641〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成12年4月28日(パリ条約による優先権主張日:平成11年4月30日,米国他2国)を国際出願日とする特許出願(特願2000-615945号)の一部を平成22年12月24日に新たな特許出願(特願2010-288920号)とし,さらにこの新たな特許出願の一部を平成26年2月10日にさらなる新たな特許出願(特願2014-22972号)とし,そしてこのさらなる新たな特許出願の一部を平成26年3月27日に新たな特許出願(特願2014-65438号)としたものであって,平成27年9月10日付けの拒絶理由通知に対して平成28年3月11日に意見書が提出されたが,同年8月10日付けで拒絶査定がなされ,これに対して同年12月14日に審判請求がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,次のとおりのものである。 「【請求項1】 本願明細書に記載の発明。」 第3 原査定について 上記平成28年8月10日付けの拒絶査定の概要は以下のとおりである。 「理由1(特許法第36条第6項第2号)について ・請求項 1 出願人は,平成28年3月11日付け意見書において,「1.本願の特許請求の範囲は,平成26年3月27日付けて提出した特許願に添付した特許請求の範囲に示されるとおりです。2.出願人は,本願の請求項1に係る発明が明確である思慮しています」と主張している。 出願人の主張について検討する。 平成26年3月27日付けて提出した特許願に添付した特許請求の範囲に記載されている請求項1の記載は,「本願明細書に記載の発明。」と記載されているのみであるので,発明を特定するための技術的事項が記載されていないから,先に通知した拒絶理由通知で通知したとおり,依然として,請求項1の記載から発明を明確に把握することができない。 したがって,出願人の主張は,採用できない。 よって,この出願の請求項1に係る発明は,依然として,明確でない。」 第4 当審の判断 特許請求の範囲の記載について,特許法第36条第6項第2号には「特許を受けようとする発明が明確であること。」と規定されている。 また,審査基準の「第II部 第2章 第3節 明確性要件(特許法第36条第6項2号)」には, 「1. 概要 特許法第36条第6項第2号は,特許請求の範囲の記載について,特許を受けようとする発明が明確でなければならないこと(明確性要件)を規定する。 特許請求の範囲の記載は,これに基づいて新規性,進歩性等が判断され,これに基づいて特許発明の技術的範囲が定められるという点において,重要な意義を有するものであり,一の請求項から発明が明確に把握されることが必要である。 同号は,こうした特許請求の範囲の機能を担保する上で重要な規定であり,特許を受けようとする発明(請求項に係る発明)が明確に把握できるように,特許請求の範囲が記載されなければならない旨を規定している。 2. 明確性要件についての判断 2.1 明確性要件についての判断に係る基本的な考え方 (1)請求項に係る発明が明確に把握されるためには,請求項に係る発明の範囲が明確であること,すなわち,ある具体的な物や方法が請求項に係る発明の範囲に入るか否かを当業者が理解できるように記載されていることが必要である。また,その前提として,発明特定事項の記載が明確である必要がある。 特許を受けようとする発明が請求項ごとに記載されるという,請求項の制度の趣旨に照らせば,一の請求項に記載された事項に基づいて,一の発明が把握されることも必要である(2.2.(4)参照)。」と記載されている。 また,「2.2 明確性要件違反の類型」には例えば, 「(3)請求項に係る発明の属するカテゴリーが不明確であるため,又は,いずれのカテゴリーともいえないため,発明が不明確となる場合」,また, 「(5)範囲を曖昧にし得る表現がある結果,発明の範囲が不明確となる場合 ・・・ g 請求項の記載が,発明の詳細な説明又は図面の記載で代用されている結果,発明の範囲が不明確となる場合」等が記載されている。 そこで,本願発明について検討する。 本願発明は,請求項1に記載のとおり「本願明細書に記載の発明。」であるが,この「本願明細書」には様々な技術的事項が記載されており,特許を受けようとする発明が,これら様々な技術的事項のどの事項により特定される発明であるのかが,上記請求項1の記載からは全く不明であるため発明の範囲を明確に特定できず,その結果発明を明確に把握することができないし,また,そもそも発明の属するカテゴリーすら不明である。 したがって,本願発明は,特許を受けようとする発明の範囲が明確でなく,発明を明確に把握できないから,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないことは明らかである。 第5 むすび 以上のとおり,本願の特許請求の範囲の請求項1の記載は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2017-09-06 |
結審通知日 | 2017-09-12 |
審決日 | 2017-09-25 |
出願番号 | 特願2014-65438(P2014-65438) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(G06Q)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山本 雅士 |
特許庁審判長 |
佐藤 智康 |
特許庁審判官 |
金子 幸一 貝塚 涼 |
発明の名称 | 分散型ユーザ間で価値を電子的に交換するためのシステムおよび方法 |
代理人 | 大菅内外国特許事務所特許業務法人 |
代理人 | 大菅 義之 |