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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  A63F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 全部申し立て その他  A63F
管理番号 1338118
異議申立番号 異議2017-700674  
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-04-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-07-10 
確定日 2018-02-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6058189号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6058189号の明細書、特許請求の範囲及び図面を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。 特許第6058189号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6058189号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は,平成19年6月15日に出願した特願2007-158696号の一部を平成24年5月24日に新たな特許出願である特願2012-118770号として出願され,そのまた一部を平成26年7月1日に新たな特許出願である特願2014-135851号として出願され,そのまた一部を平成28年4月28日に新たな特許出願である特願2016-90214号として出願され,平成28年12月16日に特許権の設定登録がされ,平成29年7月10日にその特許に対し,特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされ,同年9月12日付けで取消理由が通知され,特許権者である株式会社三共より同年11月14日付けで意見書及び訂正請求書が提出され,これに対して,特許異議申立人より同年12月27日付けで意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件特許の訂正の内容は,次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させる終了入賞と,前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,」とあるのを,
「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,」に訂正する(下線部は訂正箇所を意味する。以下同様。)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に
「前記終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,」とあるのを,
「前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に
「前記事前決定手段は,
前記一の遊技状態において前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,を決定可能であり,」とあるのを,
「前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に
「前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」とあるのを,
「前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」に訂正する。

(5)訂正事項5
上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」の後に,
「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,」を加える。

(6)訂正事項6
願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の【0005】に
「上記課題を解決するために,本発明の請求項1に記載のスロットマシンは,
前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させる終了入賞と,前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
前記終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
前記事前決定手段は,
前記一の遊技状態において前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,を決定可能であり,
前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴としている。」とあるのを,
「上記課題を解決するために,本発明の請求項1に記載のスロットマシンは,
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,
前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴としている。」に訂正する。

(7)訂正事項7
本件特許明細書の【0006】に
「本発明の手段1の遊技システムは,」とあるのを,
「手段1の遊技システムは,」に訂正する。

(8)訂正事項8
本件特許明細書の【0007】に
「本発明の手段2の管理装置は,」とあるのを,
「手段2の管理装置は,」に訂正する。

(9)訂正事項9
本件特許明細書の【0008】に
「本発明の手段3のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段3のスロットマシンは,」に訂正する。

(10)訂正事項10
本件特許明細書の【0011】に
「本発明の手段4のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段4のスロットマシンは,」に訂正する。

(11)訂正事項11
本件特許明細書の【0013】に
「本発明の手段5のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段5のスロットマシンは,」に訂正する。

(12)訂正事項12
本件特許明細書の【0014】に
「本発明の手段6のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段6のスロットマシンは,」に訂正する。

(13)訂正事項13
本件特許明細書の【0015】に
「本発明の手段7のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段7のスロットマシンは,」に訂正する。

(14)訂正事項14
本件特許明細書の【0016】に
「本発明の手段8のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段8のスロットマシンは,」に訂正する。

(15)訂正事項15
本件特許明細書の【0017】に
「本発明の手段9のスロットマシンは,」とあるのを,
「手段9のスロットマシンは,」に訂正する。

(16)訂正事項16
本件特許明細書の【0117】に
「図6は,当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは,メイン制御部41のROM41bに予め格納されており,内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して,抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(0?19)が登録されている。」とあるのを,
「図6は,当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは,メイン制御部41のROM41bに予め格納されており,内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して,抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(0?20)が登録されている。」に訂正する。

(17)訂正事項17
本件特許明細書の【0118】に
「このスロットマシン1における役としては,特別役としてビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナスが,小役としてスイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベルが,再遊技役としてリプレイ(1),リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が定められている。また,スロットマシン1における役の組み合わせとしては,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4)が定められている。ただしリプレイ(2)?(4)は単独で抽選の対象となることはなく,必ずリプレイ(1)との組み合わせが抽選の対象となるため,役及び役の組み合わせの合計は20となっている。」とあるのを,
「このスロットマシン1における役としては,特別役としてビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナスが,小役としてスイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベルが,再遊技役としてリプレイ(1),リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が定められている。また,スロットマシン1における役の組み合わせとしては,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4)が定められている。ただしリプレイ(2)?(4)は単独で抽選の対象となることはなく,必ずリプレイ(1)との組み合わせが抽選の対象となるため,役及び役の組み合わせの合計は21となっている。」に訂正する。

(18)訂正事項18
本件特許明細書の【0120】に
「図6に示すように,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,「2」のいずれかが設定されている場合には,ビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナス,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれかの特別役が持ち越されている状態,すなわち状態番号として「3」,「4」,[5]のいずれかが設定されている場合には,リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号11以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号14以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。」とあるのを,
「図6に示すように,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,「2」のいずれかが設定されている場合には,ビッグボーナス(1),ビッグボーナス(2),レギュラーボーナス,ビッグボーナス(1)+チェリー,ビッグボーナス(2)+チェリー,ビッグボーナス(1)+1枚(1),ビッグボーナス(2)+1枚(1),ビッグボーナス(1)+1枚(2),ビッグボーナス(2)+1枚(2),ビッグボーナス(1)+1枚(3),ビッグボーナス(2)+1枚(3),リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれかの特別役が持ち越されている状態,すなわち状態番号として「3」,「4」,[5]のいずれかが設定されている場合には,リプレイ(1),リプレイ(1)+リプレイ(2),リプレイ(1)+リプレイ(3),リプレイ(1)+リプレイ(4),スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号11以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また,遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,スイカ,チェリー,1枚(1),1枚(2),1枚(3),ベル,すなわち役番号15以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。」に訂正する。

(19)訂正事項19
図面の図6に[役番号11]としてリプレイ(1)を加え,図6の[役番号11]?[役番号19]を[役番号12]?[役番号20]に訂正すると共に,リプレイ(2)の「赤7-ベル-ANY」を「赤7-リプレイ-リプレイ」に訂正し,リプレイ(3)の「白7-ベル-ANY」を「白7-リプレイ-リプレイ」に訂正する。

2 訂正の適否の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は,「事前決定手段」が決定する「終了入賞」が「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,」であることを明らかにすることで特許請求の範囲を減縮し,「事前決定手段」が決定する機能として,新たに「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮し,「事前決定手段」が決定する「継続入賞」が「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞」であることを明らかにすることで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0196】には「また,初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上にリプレイ(2)?(4)の役が揃ったとき)に,特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが,リプレイ(1)?(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり,かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1を超えるリプレイタイム(2)(RT(2))に制御する。」と記載され,本件特許明細書の【0198】には「RT(2)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は,図9の抽選確率によれば1.13であり,1ゲームあたり約0.39枚ずつメダルが増加することとなる。」と記載され,初期遊技状態においてリプレイ(2)?(3)(第1終了入賞)のいずれかが入賞したとき,1ゲームあたり約0.39枚ずつメダルが増加するリプレイタイム(2)(遊技者にとって有利な有利状態)に制御する事項が導き出せることから,上記訂正事項1の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,」なる訂正事項が導き出せる。
また,本件特許明細書の【0195】には「本実施例では,初期遊技状態において1枚(1)?(3)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上に1枚(1)?(3)の役が揃ったとき)に,特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが,リプレイ(1)?(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり,かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1以下となるリプレイタイム(1)(RT(1))に制御する。」と記載され,本件特許明細書の【0198】には「RT(1)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は,図8の抽選確率によれば0.41であり,1ゲームあたり約1.78枚ずつメダルが減少することとなる」と記載され,初期遊技状態において1枚(1)?(2)(第2終了入賞)のいずれかが入賞したとき,1ゲームあたり約1.78枚のメダルが減少するリプレイタイム(1)(遊技者にとって不利な不利状態)へ移行する事項が導き出せることから,上記訂正事項1の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,」なる訂正事項が導き出せる。
そして,本件特許明細書の【0118】には「このスロットマシン1における役としては,・・・再遊技役としてリプレイ(1),リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が定められている。」と記載され,本件特許明細書の【0196】には「また,初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上にリプレイ(2)?(4)の役が揃ったとき)に,・・・リプレイタイム(2)(RT(2))に制御する。」と記載されていることから,リプレイ(1)が入賞したときには,通常遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく通常遊技状態を継続させる事項が導き出せることから,上記訂正事項1の「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,」なる訂正事項が導き出せる。

したがって,上記訂正事項1は,本件特許の願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,「本件特許明細書等」という。)に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項1は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項1は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は,上記訂正事項1に係る訂正により,訂正前の請求項1の「終了入賞」を「第1終了入賞」に訂正したことで,記載表現が一致しなくなった請求項1の記載を整合させるための訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項2は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項2は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項2は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する「終了入賞」を「第1終了入賞」にする訂正は,上記訂正事項1に係る訂正により,訂正前の請求項1の「終了入賞」を「第1終了入賞」に訂正したことで,記載表現が一致しなくなった請求項1の記載を整合させるための訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正事項3のうち,「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正は,「前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,」であることを明らかにすることで特許請求の範囲を減縮する訂正と,「前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,」なる発明特定事項を加えることで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項3のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する「終了入賞」を「第1終了入賞」にする訂正については,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
また,訂正事項3のうち,「第3決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0129】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,[2]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号0?20の役及び役の組み合わせ,すなわちビッグボーナス(1)[役番号0],ビッグボーナス(2)[役番号1],レギュラーボーナス[役番号2],ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3],ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4],ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5],ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6],ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7],ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8],ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9],ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10],リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されていることから,内部抽選の対象役として,リプレイ(1)(継続入賞:第3決定),リプレイ(1)+リプレイ(2)(第1終了入賞),リプレイ(1)+リプレイ(3)(第1終了入賞),1枚(1)(第2終了入賞),1枚(2)(第2終了入賞)が順に導き出せることから,上記訂正事項3の「前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,」なる訂正事項が導き出せる。
そして,訂正事項3のうち,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0188】には「初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0195】には「本実施例では,初期遊技状態において1枚(1)?(3)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上に1枚(1)?(3)の役が揃ったとき)に,特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが,リプレイ(1)?(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり,かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1以下となるリプレイタイム(1)(RT(1))に制御する。」と記載され,本件特許明細書の【0198】には「RT(1)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は,図8の抽選確率によれば0.41であり,1ゲームあたり約1.78枚ずつメダルが減少することとなる」と記載されていることから,1枚(1)(第2終了入賞)の発生を許容する旨を決定する1枚(1)の当選(第4決定)と,1枚(2)(第2終了入賞)の発生を許容するものであり1枚(1)の当選とは異なる1枚(2)の当選(第5決定)なる事項が導き出せることから,上記訂正事項3の「前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,」なる訂正事項が導き出せる。

したがって,訂正事項3は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項3は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項3は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する訂正は,上記訂正事項1に係る訂正により,訂正前の請求項1の「終了入賞」を「第1終了入賞」に訂正したことで,記載表現が一致しなくなった請求項1の記載を整合させ,加えて「前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる事項は「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり」のときであることを明瞭にすると共に,「前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる事項は「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり」のときであることを明瞭にするための訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正事項4のうち,「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正は,導出制御手段の機能として新たに「前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」,「前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項4のうち,「第1決定」及び「第2決定」に関する「終了入賞」を「第1終了入賞」にする訂正については,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
また,訂正事項4のうち,「第1決定」に関する「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ」を追加する訂正については,本件特許明細書の【0174】には「リプレイ(2)の当選時には,領域番号3?9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4?8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1?3,9?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。・・・ただし,本実施例では,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が必ずリプレイ(1)と同時に当選することとなるため,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)を取りこぼした場合でも,リプレイ(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞することとなる。」と記載されていることから,リプレイ(2)の当選時(第1決定)には,リプレイ(2)の組合せが揃うタイミング以外で停止操作がなされた場合にはリプレイ(2)を取りこぼすこととなるが,その場合でもリプレイ(1)の組合せが入賞ラインに揃って入賞する事項が導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる訂正事項が導き出せる。
そして,訂正事項4のうち,「第2決定」に関する「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ」を追加する訂正については,本件特許明細書の【0174】には「このため,リプレイ(2)の当選時には,領域番号3?9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4?8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1?3,9?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。・・・ただし,本実施例では,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)が必ずリプレイ(1)と同時に当選することとなるため,リプレイ(2),リプレイ(3),リプレイ(4)を取りこぼした場合でも,リプレイ(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞することとなる。」と記載されていることから,リプレイ(3)の当選時(第2決定)には,リプレイ(3)の組合せが揃うタイミング以外(リプレイ(2)の組合せがいずれかの入賞ラインに揃うタイミングである領域番号3?9)で停止操作がなされた場合にはリプレイ(3)を取りこぼすこととなるが,その場合でもリプレイ(1)の組合せが入賞ラインに揃って入賞する事項が導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,」なる訂正事項が導き出せる。
次に,訂正事項4のうち,「第4決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0188】には「初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0173】には「ビッグボーナス(1),1枚(1)の当選時には,領域番号3?9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,ビッグボーナス(2),1枚(2)の当選時には,領域番号10?16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1?9,17?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載されているから,1枚(1)が当選(第4決定)しているときに,領域番号3?9のタイミング(第3手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「赤7・スイカ・白BAR」(第2終了入賞)を表示結果として導出し,1枚(1)が当選(第4決定)しているときに,領域番号10?16のタイミング(第3手順と異なる第4手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「赤7・スイカ・白BAR」(第2終了入賞)を表示結果として導出しないことが導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」なる訂正事項が導き出せる。
加えて,訂正事項4のうち,「第5決定」に関する訂正については,本件特許明細書の【0188】には「初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0173】には「ビッグボーナス(1),1枚(1)の当選時には,領域番号3?9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,ビッグボーナス(2),1枚(2)の当選時には,領域番号10?16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1?9,17?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載されているから,1枚(2)が当選(第5決定)しているときに,領域番号10?16のタイミング(第4手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「白7・オレンジ・リプレイ」(第2終了入賞)を表示結果として導出し,1枚(2)が当選(第5決定)しているときに,領域番号3?9のタイミング(第3手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「白7・オレンジ・リプレイ」(第2終了入賞)を表示結果として導出されないことが導き出せることから,上記訂正事項4の「前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,」なる訂正事項が導き出せる。

したがって,訂正事項4は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項4は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項4は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は,特許請求の範囲の請求項1に新たに「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,」なる発明特定事項を付加することで特許請求の範囲を減縮する訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0174】には「このため,リプレイ(2)の当選時には,領域番号3?9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4?8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1?3,9?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,リプレイ(3)の当選時には,領域番号10?16(左リール第1停止以外の場合は領域番号11?15)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1?9,17?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1?10,16?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載され,本件特許明細書の【0188】には「特に,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには,1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,初期遊技状態,RT(1),またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには,1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に,3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」,17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり,」と記載され,本件特許明細書の【0173】には「ビッグボーナス(1),1枚(1)の当選時には,領域番号3?9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1,2,10?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1),1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。また,ビッグボーナス(2),1枚(2)の当選時には,領域番号10?16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり,それ以外のタイミング,すなわち領域番号1?9,17?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2),1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく,取りこぼすこととなる。」と記載されている。これらのことから,リプレイ(2)の当選時には,領域番号3?9が通過するタイミング(第1手順)で左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,1枚(1)のみが当選しているときには,領域番号3?9が通過するタイミング(第3手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「赤7・スイカ・白BAR」(第2終了入賞)を表示結果として導出することから,第1手順と第3手順とは,領域番号3?9が通過するタイミングで左リールの停止操作がなされた場合という点で共通しているので,上記訂正事項5の「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,」なる訂正事項は導き出せる。
同様に,リプレイ(3)の当選時には,領域番号10?16が通過するタイミング(第2手順)で左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し,1枚(2)のみが当選しているときには,領域番号10?16が通過するタイミング(第4手順)で左リールの停止操作がなされた場合には,「白7・オレンジ・リプレイ」(第2終了入賞)を表示結果として導出することから,第2手順と第4手順とは領域番号10?16が通過するタイミングで左リールの停止操作がなされた場合という点で共通しているので,上記訂正事項5の「前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,」なる訂正事項は導き出せる。

したがって,上記訂正事項5は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項5は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項5は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は,上記「(1)訂正事項1」?「(5)訂正事項5」の訂正に伴い,訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正を行った結果,記載表現が一致しなくなった本件特許明細書の【0005】の不明瞭な記載を,訂正後の請求項1の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項6は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項6は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(7)訂正事項7?15
ア 訂正の目的について
訂正事項7?15は,本件特許明細書の【0006】?【0008】,【0011】,【0013】?【0017】の「本発明の手段」なる記載から「本発明の」なる記載を削除して,請求項に記載された発明と手段との関係を明確にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項7?15は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから,訂正事項7?15は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項7?15は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(8)訂正事項16
ア 訂正の目的について
訂正事項16は,本件特許明細書の【0129】?【0131】の記載と一致しない不明瞭な記載である,本件特許明細書の【0117】の「役番号(0?19)」という記載を,【0129】?【0131】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0129】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,[2]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号0?20の役及び役の組み合わせ,すなわちビッグボーナス(1)[役番号0],ビッグボーナス(2)[役番号1],レギュラーボーナス[役番号2],ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3],ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4],ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5],ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6],ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7],ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8],ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9],ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10],リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と,本件特許明細書の【0130】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれかの特別役が持ち越されている状態,すなわち状態番号として「3」,「4」,[5]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号11?20の役及び役の組み合わせ,すなわちリプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と,本件特許明細書の【0131】には「遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号15?20の役及び役の組み合わせ,すなわちスイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,0?20の役番号のいずれかが内部抽選の対象役となることが記載されているから,訂正事項16は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項16は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項16は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(9)訂正事項17
ア 訂正の目的について
訂正事項17は,本件特許明細書の【0129】の記載と一致しない不明瞭な記載である,本件特許明細書の【0118】の「役及び役の組み合わせの合計は20」という記載を,【0129】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0129】には「遊技状態が初期遊技状態,RT(1)またはRT(2)であり,いずれの特別役も持ち越されていない状態,すなわち状態番号として「0」,「1」,[2]のいずれかが設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号0?20の役及び役の組み合わせ,すなわちビッグボーナス(1)[役番号0],ビッグボーナス(2)[役番号1],レギュラーボーナス[役番号2],ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3],ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4],ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5],ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6],ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7],ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8],ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9],ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10],リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,役及び役の組み合わせの合計は21であることが記載されているから,訂正事項17は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項17は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項17は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(10)訂正事項18
ア 訂正の目的について
訂正事項18は,本件特許明細書の【0131】の記載と一致しない不明瞭な記載である,本件特許明細書の【0120】の「状態番号として「6」が設定されている場合には・・・役番号14以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象」という記載を,【0131】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0131】には「遊技状態がレギュラーボーナス,すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には,当選役テーブルを参照し,役番号15?20の役及び役の組み合わせ,すなわちスイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,状態番号として「6」が設定されている場合には,役番号15以降の役及び役の組み合わせが内部当選の対象となることが記載されているから,訂正事項18は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項18は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項18は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

(11)訂正事項19
ア 訂正の目的について
訂正事項19は,本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載と一致しない不明瞭な記載である,願書に添付した図面である図6の記載を,【0122】,【0129】の記載に整合させることにより明瞭にする訂正であるから,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
本件特許明細書の【0122】には「リプレイ(2)は,初期遊技状態,RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は,初期遊技状態,RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(4)は,初期遊技状態,RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「黒BAR-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。」と,本件特許明細書の【0129】には「リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。」と記載されており,役と役番号11?20との対応関係が,リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13],リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14],スイカ[役番号15],チェリー[役番号16],1枚(1)[役番号17],1枚(2)[役番号18],1枚(3)[役番号19],ベル[役番号20],であり,リプレイ(2)は「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせ,リプレイ(3)は「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせ,リプレイ(4)は「黒BAR-リプレイ-リプレイ」の組み合わせであることが導き出せるから,訂正事項19は,本件特許明細書等に記載した事項又は記載した事項から自明な事項であり,本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。このことから,訂正事項19は,本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
また,訂正事項19は,訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更をするものではないから,特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。

3 むすび
以上のとおりであるから,本件訂正請求に係る訂正事項1,訂正事項3の「第1決定」及び「第2決定」に関する訂正,訂正事項4の「第1決定」及び「第2決定」に関する訂正,訂正事項5は,特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合し,訂正事項2,訂正事項3の「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正,訂正事項4の「第3決定」,「第4決定」及び「第5決定」に関する訂正,訂正事項6?19は,特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり,かつ,同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので,本件訂正請求に係る訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下,「本件発明」という。)は,その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,次のとおりのものである(A?Kは,特許権者及び特許異議申立人の主張を考慮して,当審で付与した。)。
「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
B 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
C 遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
E 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
F 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
G 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
G1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
G2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
G3 前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
G4 前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
G5 前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
H 前記導出制御手段は,
H1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H6 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H7 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
H8 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H9 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
I 前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
J 前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,
K 前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い,スロットマシン。」

2 特許異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は,特許異議申立書において,証拠方法として甲第1?17号証を提出し,訂正前の請求項1に係る発明は,甲第17号証に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり,仮に相違点があったとしても,甲第17号証に記載された発明及び甲第1?16号証に記載された周知技術に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである旨主張すると共に,訂正前の請求項1に係る発明は,特許法第36条第6項第2号の規定に違反してなされたものであり,特許法第113条第4号に該当し,取り消されるべきものである旨主張し,更に,訂正前の請求項1に係る発明は,甲第18号証に記載された発明と同一であるから,特許法第39条第2項の規定に違反してされたものであり,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第17号証:特開2006-346473号公報
甲第1号証:特開平5-177041号公報
甲第2号証:特開平5-154248号公報
甲第3号証:特開2007-130176号公報
甲第4号証:特開2006-68443号公報
甲第5号証:特開2006-51267号公報
甲第6号証:特開2006-15000号公報
甲第7号証:特開平11-178982号公報
甲第8号証:特開2001-145723号公報
甲第9号証:特開2002-239088号公報
甲第10号証:特開2007-7344号公報
甲第11号証:特開2004-236888号公報
甲第12号証:特開2005-65862号公報
甲第13号証:特開2005-65863号公報
甲第14号証:特開2001-161895号公報
甲第15号証:特開2006-175121号公報
甲第16号証:特開2006-212113号公報
甲第18号証:特許第5932895号公報

3 平成29年9月12日付け取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して平成29年9月12日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は,次のとおりである。

【理由1】(29条1項3号)
訂正前の請求項1に係る発明は,本件特許の原出願(特願2007-158696号)の出願時より前に,日本国内において頒布された甲第17号証に記載された発明であり,特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである。

【理由2】(29条2項)
訂正前の請求項1に係る発明は,本件特許の原出願(特願2007-158696号)の出願時より前に,日本国内において頒布された甲第17号証に記載された発明及び甲第3?4号証に記載された周知技術に基づいてその出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである。

【理由3】(36条6項2号)
訂正前の請求項1に係る発明は,特許を受けようとする発明が下記の点で明確でないため,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから,特許法第113条第4号に該当し,取り消されるべきである。

【理由3-1】(36条6項2号)
【課題を解決するための手段】の欄の記載である本件特許明細書の【0006】(「本発明の手段1の遊技システムは,」の記載以降)?【0018】には,【特許請求の範囲】に記載された発明との関係が不明な「コード情報」,「コード情報生成手段」等が記載されており,これらの記載が本件発明の解釈を不明確にしているから,本件発明は不明確である。
したがって,本件発明に係る特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものである。

【理由3-2】(36条6項2号)
本件特許明細書の【0122】には「リプレイ(2)は,・・・「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は,・・・「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。」と記載され,【0129】には「リプレイ(1)[役番号11],リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12],リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13]」と記載されているが,図6には,「リプレイ(1)[役番号11]」(本件発明の「第3の決定」に相当)が記載されておらず,「リプレイ(2)」(本件発明の「終了入賞」に相当)の図柄組合せとして「赤7-ベル-ANY」が,「リプレイ(3)」(本件発明の「終了入賞」に相当)の図柄組合せとして「白7-ベル-ANY」が記載されているから,本件発明の構成が不明確である。
したがって,本件発明に係る特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものである。

4 平成29年11月14日付け意見書(特許権者)の概要
特許権者は,理由1及び2に関しては,甲第17号証に記載された発明,甲第3?4号証には,構成C,G,G1,G2,G4,G5,H,H1?H4,H6?H9,I,Jは存在せず,周知でもないから,本件発明は甲第17号証に記載された発明と同一でなく,甲第17号証に記載された発明に甲第3?4号証の記載事項及び周知技術を適用しても本件発明を想到し得るものではない旨主張している。
また,理由3-1に関しては,本件特許明細書の【0006】?【0008】,【0011】?【0017】の「本発明の」なる記載を削除する訂正をし,本件発明がより明確になるようにした旨主張し,理由3-2に関しては,図6を本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載に整合させて訂正し,本件発明の構成は明確である旨主張している。
なお,「本発明の」なる記載を削除する訂正をしたのは,上記第2 1(7)?(15),及び上記第2 2(7)にも記載されているが,本件特許明細書の【0006】?【0008】,【0011】,【0013】?【0017】である。

5 平成29年12月27日付け意見書(特許異議申立人)の概要
特許異議申立人は,平成29年12月27日付け意見書において,今回の訂正請求は,訂正要件違反の訂正を含んでいるので,訂正は認められない旨主張している。

6 刊行物の記載
特許異議申立人が特許異議申立書で主張するように,甲第17号証が主たる証拠であるが,甲第1号証から順番に,甲第1?18号証について記載する。

(1)甲第1号証(特開平5-177041号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し,詳しくは,複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を有する可変表示装置を含み,前記可変表示部の可変停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値が付与可能となる遊技機に関する。」

(イ)「【0007】
【作用】
本発明によれば,複数種類の識別情報を表示可能な表示部の表示結果が所定の識別情報となった場合に,確率変動手段の働きにより,前記可変表示部の表示結果が特定の識別情報となる確率が変動される。」

(ウ)「【0096】
(1) 電源投入後普通可変表示装置4または特別可変表示装置14により所定回数の可変表示が行なわれた場合に確率向上させてもよい。また,特別可変表示装置14の表示結果が大当り図柄と異なる確率向上図柄の組合せあるいは大当り図柄のうちの或る図柄と同じ確率向上図柄の組合せになった場合に確率を向上させてもよい。また,前述したリーチ状態が発生した場合に確率を向上させてもよい。さらに,普通可変表示装置の表示結果が所定の識別情報となった場合に確率を向上させてもよい。この所定の識別情報とは当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示,さらには普通可変表示装置4の当りとなるすべての表示等が考えられる。なお,特別可変表示装置14が大当りとなる識別情報の組合せとなった場合に確率を向上させる際においては,大当りの発生とともに確率を向上させてもよい。
・・・
【0102】
次に,確率向上状態を終了させる条件として,以下のものを終了条件にしてもよい。
【0103】
(1) 特別可変表示装置14や普通可変表示装置4の表示結果が所定の識別情報となった場合に終了させてもよい。この所定の識別情報とは,当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示が考えられる。また,前述したリーチ状態の発生により終了されるようにしてもよい。」

(2)甲第2号証(特開平5-154248号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,パチンコ遊技機やコイン遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機に関し,詳しくは,複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の可変停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値が付与可能な遊技機に関する。」

(イ)「【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は,複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し,該可変表示装置の可変停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値が付与可能な遊技機であって,前記可変表示装置の停止時の表示結果が前記特定の識別情報になる確率を予め手動により設定する設定操作手段を含み,該設定操作手段は,設定操作状態が機械的に保持されることを特徴とする。」

(ウ)「【0090】
(1) 電源投入後普通可変表示装置4または特別可変表示装置14により所定回数の可変表示が行なわれた場合に確率向上させてもよい。また,特別可変表示装置14の表示結果が大当り図柄と異なる確率向上図柄の組合せになった場合のみ確率を向上させてもよい。また,前述したリーチ状態が発生した場合に確率を向上させてもよい。さらに,普通可変表示装置の表示結果が所定の識別情報となった場合に確率を向上させてもよい。この所定の識別情報とは当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示,さらには普通可変表示装置4の当りとなるすべての表示等が考えられる。なお,特別可変表示装置14が大当りとなる識別情報の組合せとなった場合に確率を向上させる際においては,大当りの発生とともに確率を向上させてもよい。
・・・
【0096】
次に,S111に示した確率向上状態を終了させる条件として,以下のものを終了条件にしてもよい。
【0097】
(1) 特別可変表示装置14や普通可変表示装置4の表示結果が所定の識別情報となった場合に終了させてもよい。この所定の識別情報とは,当りとなる表示のうち予め定められた表示や当りとなる表示以外の予め定められた表示が考えられる。また,前述したリーチ状態の発生により終了されるようにしてもよい。」

(3)甲第3号証(特開2007-130176号公報)には,以下のように記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関し,特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。
・・・
【0003】
特許文献1で提案されたスロットマシンでは,所定の当たり遊技が終了したタイミングで,抽選で再遊技役が当選する確率が高くなるように設定されている。また,再遊技役の当選確率を高くするか否かを抽選で定めて,遊技の進行に変化を持たせることも提案されている。しかし,再遊技役の当選確率が高い状態に遊技の態様を変更した後,再び,元の遊技の態様に戻すタイミングについては,再遊技役の当選確率が高い状態に変更後,所定回数の遊技を消化したときに,元の遊技の態様に戻す設定になっている。従って,長く遊技を続けると遊技としては単調になりがちで,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることは困難である。
【0004】
従って,本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に遊技性のある内容を含ませ,更に,遊技者の判断により遊技の進行に変化を与えることができて,遊技者の遊技に対する関心を高めることができるスロットマシンを提供することにある。
・・・
【0012】
再遊技選択高状態に変更するための「所定の開始要件」については,例えば,所定回数の遊技を消化したことを開始要件にすることも可能であるし,所定の役に当選し,かつその役に応じた図柄が停止して入賞することを開始要件にすることも可能である。また,後述するように,当たり遊技のような特定の遊技状態が終了したことを開始要件にすることも可能であるし,その他の様々な事象を,開始要件に設定することが可能である。」

(イ)「【0104】
図柄番号1?3の一般役1?3は,入賞図柄として何れもチェリーが設定されている。まず,図柄番号1の一般役1は,役抽選における当選確率が1/240であって,左リールの図柄が白チェリーであれば,残り2つのリールの図柄については,何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号2の一般役2は,役抽選における当選確率が1/240であって,左リールの図柄が赤チェリーであれば,残り2つのリールの図柄については,何れの図柄であっても入賞するように設定されている。図柄番号3の一般役3は,役抽選における当選確率が1/240であって,左リールの図柄が青チェリーであれば,残り2つのリールの図柄については,何れの図柄であっても入賞するように設定されている。
・・・
【0108】
NRTは,初期状態では0に設定されており,RT作動状態の開始要件が満たされたとき,具体的には,BB遊技が終了したときにNRTの値に1をインプットする(図10のステップS107,図11のステップS134参照)ようになっている。また,RT作動状態において,RT作動状態の解除要件が満たされたとき,具体的には,RT作動状態における遊技数が所定回数に達したとき(図6のステップS41),BB役に当選したとき(図7のステップS54参照),及び一般役1?3が入賞したとき(図14のステップS183参照)に,NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除する。」

(ウ)「【0198】
そして,ステップS227の判断で,もし,全停止信号を受信した(YES)と判別したときには,次に,点灯している一般役ランプを全て消灯して(ステップS228),本サブルーチンを終了する。
なお,本実施形態では,役抽選で一般役1?3に入賞したときには,左リール40Lで図柄チェリーが停止すれば,他のリールの停止図柄に関わらず入賞する設定になっている。また,RT作動状態において一般役1?3が入賞したときには,RT作動状態を解除する設定になっておいる。従って,RT作動状態では,リールの停止順として,左リール40Lが最後に停止するような停止操作を行なうことによって,この演出の最も絞り込まれた情報を利用しながら停止操作が行なうことができるので,RT作動状態が継続する可能性がより高い遊技の進行を期待することができる。
【0199】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では,RT作動時に一般役1?3が入賞したときに,RT作動状態を解除するように設定しているが,解除要件となる役は,一般役1?3(図柄チェリー)には限られず,その他の一般役や当たり役等あらゆる役を設定することができる。」

(4)甲第4号証(特開2006-68443号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。」

(イ)「【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に変化を与え,更に遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」

(ウ)「【0015】
再遊技選択高状態に変更するための「所定の開始要件」については,例えば,当たり遊技のような特定の遊技状態が終了したことを開始要件にすることも可能であるし,当たり遊技のような所定の遊技が終了した後,所定回数の遊技を消化したことを開始要件にすることも可能である。また,所定の役に当選し,かつその役に応じた図柄が停止して入賞することを開始要件にして,遊技性のある設定を行なうことも可能である。また,その他の様々な事象を,開始要件に設定することが可能である。
【0016】
「所定の図柄が停止する」とは,再遊技高状態の解除条件として定めれば,全てのリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれるし,一部のリールで予め定められた図柄が停止する設定も含まれる。また,予め定められた図柄は,全てのリールで同一の図柄に設定することもできるし,リールによって異なる図柄を設定することもできる。
【0017】
所定の図柄が停止するのを「回避する」とは,上記の「所定の図柄が停止する」に該当するための要件を,満たさないようにすることを意味する。従って,例えば,要件とされているリールのうち,一部のリールで所定の図柄が停止しないときでも,「回避する」ことになる。もちろん,要件とされた全てのールで所定の図柄が停止しないときも,「回避する」ことになる。
【0018】
この実施態様によれば,遊技者は,例えばリールの停止操作によって,所定の図柄が停止することを意図的に回避することもできる。従って,遊技者は,遊技的な面白さを感じながら,有利な遊技状態を継続させることができるので,遊技者の遊技に対する関心を高め継続させることが期待できる。」

(エ)「【0117】
ここで,はずれ制御抽選表の実施例を,図22に示す。このはずれ制御抽選表には,リールの停止制御の態様が異なる「はずれ1」,「はずれ2」,及び「はずれ3」の3つの態様が含まれる。はずれ1は,左リール40Lに図柄赤7が停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なうものである。また,他の中央リール40C,右リール40Rについても,同様に,図柄ベルが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なう。
【0118】
はずれ2は,左リール40Lに図柄青7が停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なうものである。また,他の中央リール40C,右リール40Rについても,同様に,図柄ベルが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なう。
【0119】
はずれ3は,左リール40Lに図柄BARが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なうものである。また,他の中央リール40C,右リール40Rについても,同様に,図柄ベルが停止するように,リール停止信号を受信したタイミングから,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらすことのできる停止制御を行なう。
【0120】
後述するように,RT作動状態において,左リール40Lに,赤7,青7,またはBARが停止し,中央,右リール40C,Rにベルが停止したときには,NRTの値を0にして(図16のステップS204参照),RT作動状態を解除するように設定されている。なお,図22に示すように,本実施形態では,ステップS164の制御抽選処理でハズレ1,ハズレ2,ハズレ3が選択される確率は,各々1/3に設定されており,RT作動状態において,役抽選処理の結果がハズレの場合には,制御抽選処理によって,はずれ1,はずれ2,はずれ3のうちの何れか1つが選択されるようになっている。
【0121】
また,本実施形態のリールの図柄配置を図24に示す。図24では,左リール以外のリールの図柄は記載されておらず,また,左リールについても,図柄赤7,青7,BAR以外の図柄については記載されていない。図24から明らかなように,この図柄配置では,左リールにおいて,最大4つ分の図柄まで停止位置をずらす停止制御を行えば,赤7,青7,BARのうちの何れか1つの図柄を表示枠内に停止させることが可能である。」

(5)甲第5号証(特開2006-51267号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。
・・・
【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に変化を与え,更に遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」

(イ)「【0182】
以上のように,本サブルーチンでは,RT作動状態において制御抽選処理ではずれ1が当選したときに,この報知画像をリールの回転中に表示するので,遊技者は,この報知画像の情報に基づいてリ-ルの停止操作を行い,図柄Aを揃えることも可能であるし,逆に,図柄Aを揃えないにようにすることも可能である。従って,遊技者は,RT作動状態の継続,解除について自由にコントロールすることができるので,遊技的な面白さ感じて遊技に関する関心を高めることが期待できる。
【0183】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では,RT作動状態を解除する実施形態として,逆押しでリールを停止させて図柄Aを揃えることが示されているが,リールを停止させる順番としては,その他のあらゆる順番が考えられ,また,所定の図柄を停止させる方法についても,リールの停止順だけでなく,停止操作のタイミングを含めて,その他あらゆる停止方法が考えられる。
【0184】
また,他に,RT作動状態を解除する実施形態として,役抽選処理でRB,BB役等の当たり役に当選したときに,RT作動状態を解除することが示されているが,本発明はそれだけに限られず,一般役を含むその他のあらゆる役が当選したときに,RT作動状態を解除する制御を行なうことができる。」

(6)甲第6号証(特開2006-15000号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。
・・・
【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に,遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」

(イ)「【0158】
そして,全てのリールが停止した(YES)と判別したときに,画像消去信号を表示駆動装置220へ送信して,表示装置70に表示されている報知画像を消去して(ステップS207),本サブルーチンを終了する。
以上のように,本サブルーチンでは,RT作動状態開始後,遊技がX回(X=NRTMAX-SHURYO)行なわれる間だけ,図柄3に当選した時に,報知画像をリールの回転中に表示する。従って,遊技者はこの報知画像によって図柄3の当選を知り,図柄3を停止させたり,停止させなかったりする操作を行なって,RT作動状態を継続させるか解除するかについて,遊技を行なうことができる。
【0159】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では,役抽選処理でRB,BB役等の当たり役に当選したときに,RT作動状態を解除する制御が行なわれているが,本発明はそれだけに限られず,一般役を含むその他のあらゆる役が当選したときに,RT作動状態を解除する制御を行なうことができる。」

(7)甲第7号証(特開平11-178982号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,集中役モードを当選したときはコインの出玉率を高めるスロットマシンに関する。」

(イ)「【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので,その目的は,集中役モードを当選したときはコインの出玉率を高める構成において,集中役モードの終了を遊技性を確保しながら遊技客に確実に報知することができるスロットマシンを提供することにある。
・・・
【0010】このような構成によれば,集中役モードを当選したときは,コインの出玉率が高くなるので,遊技客の手持ちコインは増加傾向となる。ここで,制御手段は,集中役モードの終了を当選したときは特定図柄の引込み停止動作を実行し,特定図柄を表示できたときは集中役モードを終了する。これにより,遊技客は,特定図柄が表示されることにより集中役モードの終了を確認することができるので,集中役モードの終了にまごつくことはなくなり,遊技に熱中することができる。」

(8)甲第8号証(特開2001-145723号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,スロットマシンに関し,特に入賞判定の内容を特定の場合に外部に報知しようとするものである。」

(イ)「【0043】前記択一的入賞判定結果報知決定手段171による前記判定結果報知は,特定の報知条件が成就することにより報知するようにしてもよく,報知条件には,特定の図柄で入賞したこと,特定の図柄が表示窓10に停止表示されたこと,遊技回数(特別遊技中の一般遊技の回数を含む)が所定回数に達したこと,メダルの獲得枚数(純贈枚数を含む)が所定枚数に達したこと,特定の外部表示が行われたこと,などがある。また,上記報知条件は,開始条件としてだけではなく,報知の終了条件としてもよい。」

(9)甲第9号証(特開2002-239088号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,遊技台に関し,特に,スロットマシンやパチンコといった遊技台に関する。」

(イ)「【0009】
また,前述のその他の従来例によれば,特定遊技の開始タイミングは,遊技者の思うがままにならず,ゲーム性が少ないため,遊技者が特定遊技を獲得しても喜びが少なかった。
【0010】
このような問題点に鑑み,本発明の目的は,初心者から熟練者に至るまでよりゲーム性を楽しめる遊技台を提供することにある。」

(ウ)「【0018】
停止時の絵柄組合せが所定の絵柄組合せである場合に,前記蓄積モードに入るか又は前記蓄積モードを終了することも好適である。
・・・
【0029】
停止時の絵柄組合せが所定の絵柄組合せである場合に,前記放出モードに入るか又は前記放出モードを終了する特徴とする。」

(エ)「【0118】
1.蓄積・放出期間の開始条件
A.所定の蓄積開始絵柄をリール上に設け,この絵柄が揃ったら開始するものとしてもよい。入賞判定処理で,蓄積開始絵柄が揃ったか否かを判断し,そろえば,蓄積モードに入るようにすればよい。これは,蓄積フラグというものを新たに設け,ステップS110の前に,蓄積フラグを確認し,蓄積フラグがONの時に蓄積モードであると判断して蓄積処理が行なわれるようにすればよい。
B.毎ゲーム抽選を行い,当選時に開始してもよい。S5の抽選処理の後,蓄積又は放出期間の開始抽選を行い,当選時に,前述の蓄積フラグ又は放出フラグをONするようにすればよい。
C.BB内部あたり後,無条件で開始してもよい。S5の抽選処理で,BBに当選したと判定したら,前述の蓄積フラグ又は放出フラグをONするようにすればよい。
D.BB終了後,無条件で開始してもよい。ステップS207の後,前述の蓄積フラグ又は放出フラグをONするようにすればよい。
E.BB終了後,所定ゲーム数が消化された場合に開始してもよい。BB終了後,所定ゲーム数(例1000ゲーム)はまった場合などの救済措置として使用できる。この場合,専用のカウンタを設けてカウントすればよい。
F.前回の蓄積期間又は放出期間から所定ゲーム数が消化された場合に開始してもよい。この場合も専用のカウンタを設けてカウントすればよい。
G.専用のボタンを設け,その専用のボタンが押下された場合に,開始してもよい。
【0119】
2.蓄積又は放出期間の終了条件
A.所定の蓄積終了絵柄をリール上に設け,この絵柄が揃った場合に終了してもよい。この絵柄は,上記した蓄積開始絵柄と同じでもかまわない。終了時には,前述の蓄積フラグをOFFにすればよい。
B.毎ゲーム抽選を行い,当選時に終了してもよい。
C.BB内部あたり後,終了してもよい。蓄積又は放出期間中であることをLCD上等で常時表示しておけば,BB内部あたりの報知としても利用できる。
D.BB入賞時,終了してもよい。
E.BB終了後,所定ゲーム数が消化された場合に終了してもよい。
F.前回の蓄積又は放出期間から所定ゲーム数が消化された場合に終了してもよい。
G.専用のボタンを設け,その専用のボタンが押下された場合に,終了してもよい。」

(10)甲第10号証(特開2007-7344号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,スロットマシンに関し,特に入賞表示結果の導出の許容に関する決定(いわゆる内部抽選)と,該決定に基づく入賞表示結果の導出に対して遊技者に付与する配当との関係に関する。」

(イ)「【0007】
しかしながら,特許文献1のスロットマシンでは,小役の取りこぼし(特に取りこぼしたメダル枚数)を何ゲームにも亘ってカウントするカウンタ(逸失枚数記憶手段160)が必要となり,制御負担が大きくなるという問題があった。また,遊技者にとっては,遊技内容が変更されるタイミングが分かりにくいという問題があった。遊技内容が変更されるタイミングが分かったとしても,変更前との遊技内容の違いが遊技者に分かりにくいという問題もあった。このため,小役の取りこぼしによる損失の補填が本当にされているのかどうか遊技者に不信感を感じさせてしまう虞もあった。」

(ウ)「【0243】
上記の実施の形態では,演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATとなってグループ1?グループ9に当選した場合において組み合わせ小役に入賞させるための手順が報知されるのは,遊技制御基板101の側で制御する遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供された場合を含む)かRTにある場合であった。これに対して,演出制御基板102の側で制御する遊技状態をATとする条件は,これに限るものではなく,例えば,可変表示装置2の表示結果として所定の結果が導出されたことを条件として,演出制御基板102の側で制御する遊技状態がATになるものとしてもよい。ATの終了条件も,上記の実施の形態に限られるものではなく,例えば,AT開始からの経過時間が所定時間となったことや,可変表示装置2の表示結果として所定の結果が導出されたこととしてもよい。遊技制御基板101の側の制御とは完全に独立して,演出制御基板102のCPU121が決定するものとしてもよい。」

(11)「甲第11号証(特開2004-236888号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,機械式の抽選手段を備えた遊技機およびその制御方法に関する。」

(イ)「【0016】
なお,サブ処理では,所定の移行条件が充足されると,第1の状態から第2の状態へ移行させる場合だけでなく,第2の状態から第1の状態に移行させる場合もありえる。例えば,機械抽選の結果に基づいて,ATゲーム等の特別ゲーム(第2の状態)を終了するか,あるいは継続するかを決定してもよい。」

(ウ)「【0172】
(7)また,サブ処理では,所定の移行条件が充足されると,通常ゲーム(第1の状態)からATゲーム等の特別ゲーム(第2の状態)へ移行させる場合だけでなく,ATゲーム(第2の状態)から通常ゲーム(第1の状態)に移行させる場合に,上述したルーレット等による機械抽選の結果に基づいて,ATゲーム等の特別ゲーム(第2の状態)を終了するか,あるいは継続するかを決定してもよい。
【0173】
例えば,ATゲーム中(第2の状態)に,特定の役(例えば,チェリー役)に当選すると,ルーレット抽選を実行し,これに当選した場合にATゲームを終了させて通常ゲーム(第1の状態)に戻してもよい。あるいは,第1?第4の穴のうち,第1の穴にATゲームの終了を,第2の穴にATゲーム数の変化なしを,第3の穴にATゲーム数の10ゲーム加算を,第4の穴にATゲーム数の20ゲーム加算を割り当てて,抽選結果に応じてゲーム状態を変化させてもよい。
【0174】
さらに,ゲーム状態として,ATゲームへの突入確率が高確率である状態(第2の状態)と低確率である状態(第1の状態)とを有する場合には,高確率状態(第2の状態)で,特定の役(例えば,チェリー役)に当選すると,ルーレット抽選を実行し,これに当選した場合に低確率状態(第1の状態)に移行させてもよい。あるいは,第1?第4の穴のうち,第1の穴に高確率状態の終了を,第2の穴に高確率状態のゲーム数の変化なしを,第3の穴に高確率状態のゲーム数の10ゲーム加算を,第4の穴に高確率状態のゲーム数の20ゲーム加算を割り当てて,抽選結果に応じてゲーム状態を変化させてもよい。」

(12)甲第12号証(特開2005-65862号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
この発明は,遊技者に付与可能な利益の大きさが異なる複数種類の特殊遊技を行わせることができる遊技機に関するものである。」

(イ)「【0003】
しかし,上記した従来の遊技機では,特殊遊技の内容やその後の遊技の内容を変化させることにより,遊技者の期待感を段階的に高めていく遊技形態を作り出すことはできなかった。
【0004】
そこで,各請求項にそれぞれ記載された各発明は,上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,次の点にある。」

(ウ)「【0021】
そして,前記特殊遊技制御手段(120)は,遊技者に付与可能な利益の大きさがそれぞれ異なる複数の特殊遊技を行わせることができるとともに,遊技中の特定条件該当により,通常遊技から特殊遊技に昇格させるか否かの昇格抽選を行い,特殊遊技中の特定条件該当により,その特殊遊技からさらに大きな利益を付与可能な特殊遊技に昇格させるか否かの昇格抽選を実行可能な変更抽選手段(122)を有し,前記変更抽選手段(122)の決定に基づいて,特殊遊技を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0022】
前記特殊遊技制御手段(120)が実行可能な複数の特殊遊技は,同種の特殊遊技であって遊技者に付与可能な利益の大きさがそれぞれ異なるものである。例えば,アシストタイム遊技について,報知確率,報知頻度,報知当選役,報知方法などが異なる遊技を実行可能とすることができる。
・・・
【0024】
ここで,「昇格」とは,遊技状態が,遊技者に付与可能な利益の大きさが大きくなる遊技状態に変更されることを意味し,特殊遊技からより多くの利益を付与可能な特殊遊技への変更だけでなく,通常遊技から特殊遊技への変更も「昇格」に含まれる。アシストタイム遊技を例にすれば,通常遊技から当選報知付きの遊技への変更,当選報知付き遊技から,より報知確率の高い遊技,より報知頻度の高い遊技,入賞によりより多くの払い出しがされる当選役を報知する遊技への変更が「昇格」にあたる。なお,特殊遊技間の「昇格」は,複数段階設けてもよい。
【0025】
また,「遊技中の特定条件」とは,特定の当選又は不当選,特定の入賞,特定の抽選(当選抽選手段(110)以外の手段が行う抽選)に当選,などが挙げられる。「遊技中」には,通常遊技及び特殊遊技が含まれる。」

(エ)「【0040】
すなわち,請求項5記載の発明は,前記変更抽選手段(122)は,特殊遊技中に特定条件に該当した場合には,その特殊遊技を当該遊技よりも付与可能利益の少ない遊技に降格させるか否かの降格抽選を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0041】
ここで,降格抽選には,ある特殊遊技をその一つ下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技をその一つ以上下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技を通常遊技に降格させるか否かの抽選が含まれる。また,降格抽選の契機となる「特定条件」は,昇格抽選の抽選契機と同一であってもよいし,異なるものであってもよい。」

(13)甲第13号証(特開2005-65863号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
この発明は,遊技者に付与可能な利益の大きさが異なる複数種類の特殊遊技を行わせることができる遊技機に関するものである。」

(イ)「【0003】
しかし,上記した従来の遊技機では,特殊遊技の内容やその後の遊技の内容を変化させることにより,遊技者の期待感を段階的に高めていく遊技形態を作り出すことはできなかった。
【0004】
そこで,各請求項にそれぞれ記載された各発明は,上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,次の点にある。」

(ウ)「【0026】
ここで,「昇格」とは,遊技状態が,遊技者に付与可能な利益の大きさが大きくなる遊技状態に変更されることを意味し,特殊遊技からより多くの利益を付与可能な特殊遊技への変更だけでなく,通常遊技から特殊遊技への変更も「昇格」に含まれる。上記した例による具体例を述べると,通常遊技からグループ図柄Aについて優先的に当選報知する当選報知遊技への変更や,グループ図柄Aの当選報知付き遊技から,グループ図柄Bについて優先的に当選報知する当選報知遊技への変更が「昇格」にあたる。なお,「昇格」は,遊技ランク順に一段階ずつ昇格させることもできるし,ある遊技ランクを飛び越して昇格させるようにしてもよい。
【0027】
「遊技中の特定条件」とは,特定の当選又は不当選,特定の入賞,特定の抽選(当選抽選手段(110)以外の手段が行う抽選)に当選,などが挙げられる。「遊技中」には,通常遊技及び特殊遊技が含まれる。」

(エ)「【0053】
すなわち,請求項6記載の発明は,前記変更抽選手段(122)は,特殊遊技中に特定条件に該当した場合には,その特殊遊技を当該遊技よりも付与可能利益の少ない遊技に降格させるか否かの降格抽選を実行可能に形成されていることを特徴とする。
【0054】
ここで,降格抽選には,ある特殊遊技をその一つ下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技をその一つ以上下のランクの特殊遊技に降格させるか否かの抽選,ある特殊遊技を通常遊技に降格させるか否かの抽選が含まれる。また,降格抽選の契機となる「特定条件」は,昇格抽選の抽選契機と同一であってもよいし,異なるものであってもよい。」

(14)甲第14号証(特開2001-161895号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,特定小役の当選可能性を報知するようにしたスロットマシンに関するものである。」

(イ)「【0085】
(6)報知遊技態様が選択された場合において特定小役が当選したときは,第1実施形態ではBBゲームの一般遊技中に一律に報知するようにし,また,第2実施形態ではBBゲームの終了後の規定回数の通常遊技で一律に報知するようにした。しかし,これに限られることなく,例えば第1の方法として,1遊技ごと,あるいは複数回の遊技ごとに,遊技態様選択手段62により報知遊技態様とするか非報知遊技態様とするかの抽選を行い,報知遊技態様と非報知遊技態様とを切り替えるようにしても良い。また,第2の方法として,特殊な図柄の組合せが停止表示されたときに,報知遊技態様と非報知遊技態様とを切り替えるようにしても良い。」

(15)甲第15号証(特開2006-175121号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,遊技者が遊技媒体を投入して,図柄が表示されたリールを回転させて停止させ,停止時における図柄の組合せによって遊技結果を定めるスロットマシンに関する。特に,遊技媒体を投入せずに再遊技が可能な機能を有するスロットマシンに関する。」

(イ)「【0004】
本発明の目的は上記の問題を解決し,抽選で再遊技役が当選する確率を高くした状態を解除する条件に変化を与え,更に遊技性のある内容を含ませることにより,遊技者の遊技に対する関心や新鮮味を長く継続させることのできるスロットマシンを提供することにある。」

(ウ)「【0014】
再遊技選択高状態に変更するための「所定の開始要件」については,例えば,当たり遊技のような特定の遊技状態が終了したことを開始要件にすることも可能であるし,当たり遊技のような所定の遊技が終了した後,所定回数の遊技を消化したことを開始要件にすることも可能である。また,所定の役に当選し,かつその役に応じた図柄が停止して入賞することを開始要件にして,遊技性のある設定を行なうことも可能である。また,その他の様々な事象を,開始要件に設定することが可能である。
「対応する図柄が停止する(停止させる)」とは,例えば,各リールについて役に対応して定められた図柄が,所定の有効ライン上に停止して,予め定められた図柄が揃うことを意味する。この場合,全てのリールで所定の図柄が停止する設定も含まれるし,一部のリールで所定の図柄が停止する設定も含まれる。また,所定の図柄は,全てのリールで同一の図柄に設定することもできるし,リールによって異なる図柄を設定することもできる。」

(エ)「【0113】
NRTは,初期状態では0に設定されており,RT作動状態の開始要件が満たされたとき,具体的には,BB1遊技が終了したときにNRTの値に1をインプットし(図10のステップS108,図11のステップS135参照),BB2遊技が終了したときにNBBの値に2をインプットする(図10のステップS109,図11のステップS136参照)ようになっている。また,RT作動状態において,RT作動状態の解除要件が満たされたとき,具体的には,RT作動状態における遊技数が所定回数に達したとき(図6のステップS45),BB役に当選したとき(図7のステップS55参照),及び一般役2が入賞したとき(図14のステップS183参照)に,NRTの値に0をインプットしてRT作動状態を解除する。」

(オ)「【0219】
また,上述の実施形態では,RT作動時に一般役2に対応する図柄が停止して入賞すると,RT作動状態を解除するように設定されているが,解除要件となる役は,一般役2(図柄ベル)には限られず,その他の一般役(例えば図柄チェリー)や当たり役等あらゆる役を設定することができる。
【0220】
また,上述の実施形態では,RT作動状態の解除要件として,BB役に当選した場合や,所定回数の遊技を行なった場合が設定されているが,必ずしも,これらの要件を設定する必要はなく,また,その他の要件を設定することも可能である。」

(16)甲第16号証(特開2006-212113号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は,1遊技で,複数の役に重複当選する機会を持たせたスロットマシンに関するものである。」

(イ)「【0048】
そして,役抽選テーブル62aが用いられている遊技中に,小役4(特定小役)に当選し,かつ小役4に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(小役4の入賞時)は,次遊技以降,RT遊技を開始するように制御するとともに,役抽選テーブル切替え手段63は,役抽選テーブル62aから役抽選テーブル62bに切り替える。
【0049】
すなわち,RT遊技の最初は,役抽選テーブル62bが用いられる。そして,役抽選テーブル62bが用いられている遊技で,特別役に当選したとき(特別役とリプレイとに重複当選したとき)は,次遊技以降のRT遊技では,役抽選テーブル切替え手段63は,(役抽選テーブル62bから)役抽選テーブル62dに切り替える。
【0050】
そして,そのRT遊技は,所定遊技回数(本実施形態では200遊技)を終了するまで継続される。RT遊技を開始してから遊技回数が200回に到達したときは,次遊技以降は,非RT遊技が実行される。RT遊技の最後の遊技で役抽選テーブル62bが用いられていたとき,すなわちRT遊技中に特別役に当選しなかったときは,次遊技以降の非RT遊技では,非内部中の非RT遊技が実行され,役抽選テーブル62bから役抽選テーブル62aに切り替えられる。」

(ウ)「【0108】
さらにまた,役抽選テーブル62aが用いられている遊技で小役4が入賞し,RT遊技に移行すると,遊技回数が200回に到達するまでRT遊技が実行される。RT遊技では,先ず,役抽選テーブル62bが用いられるが,このときに特別役に当選し,当該遊技で特別役が入賞しなければ,次遊技以降,役抽選テーブル62dが用いられる。
そして,役抽選テーブル62bが用いられている遊技で特別役に当選することなく,200遊技を消化した後は,RT遊技が終了し,次遊技からは,役抽選テーブル62aが用いられる。」

(エ)「【0115】
(3)本実施形態では,小役4が入賞したことを条件としてRT遊技を実行し,遊技回数が200回に到達するまでRT遊技を継続することとした。
しかし,これに限らず,どのような契機でRT遊技に移行するか,及びどのような契機でRT遊技を終了するかは,種々の条件を任意に設定することが可能であり,本実施形態で示したものに限定されるものではない。例えば,特別遊技の終了後の所定回数の遊技で,RT遊技を実行するようにしても良い。」

(17)甲第17号証(特開2006-346473号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【0011】
かかる目的を達成するために,第1発明は,各々に複数種類の図柄を有し,複数種類の図柄を可変表示可能な複数の表示列(R1?R3)と,複数の表示列の可変表示の開始の指示を受け付ける開始受付手段(12)と,複数の表示列(R1?R3)の各々に対応して設けられ,可変表示の各々の停止の指示を受け付ける複数の停止受付手段(13a?13c)と,停止した状態の表示列(R1?R3)の各々が有する図柄の複数の表示列(R1?R3)に亘っての並びからなる入賞ライン(L1?L5)が所定の表示位置(U1?3,M1?3,D1?3)に設定され,入賞ライン(L1?L5)上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞し,入賞した賞に応じて予め定められた遊技価値を付与し,通常ゲーム,第1確率変動ゲーム,第2確率変動ゲーム及び特別ゲームを含む複数の種類のゲームを管理するゲーム管理手段(101,S110?S111)を備え,特別ゲーム終了後に第2確率変動ゲームを開始し,有体(メダル)又は電気的若しくは磁気的に記憶した無体(クレジット)の遊技媒体の受け付けでゲームを開始する遊技機(1)であって,賞が,入賞態様が,第1役であった場合に付与する遊技価値が遊技媒体の受け付けなしにゲームを開始させる第1再遊技賞及び第2役であった場合に付与する遊技価値が遊技媒体の受け付けなしにゲームを開始させる第2再遊技賞を含む複数の再遊技賞と,入賞態様が特別役であった場合に付与する遊技価値が通常ゲームから特別ゲームへ移行させることである特別開始賞とを含み,抽選を実行して抽選結果を示す抽選情報を生成し,通常ゲーム,第1確率変動ゲーム及び第2確率変動ゲームの抽選対象に第1再遊技賞,第2再遊技賞及び特別開始賞を含ませ,第1確率変動ゲームにおける第1再遊技賞を抽選で選択する当選確率を,通常ゲームにおける第1再遊技賞を抽選で選択する当選確率及び第2再遊技賞を抽選で選択する当選確率より高く設定し,第2確率変動ゲームにおける第2再遊技賞を抽選で選択する当選確率を,通常ゲームにおける第2再遊技賞を抽選で選択する当選確率より高く設定する抽選手段(101,S103?S105)と,表示列(R1?R3)に対応する停止受付手段(13a?13c)が停止の指示を受け付けたタイミングで,表示列(R1?R3)上の図柄位置を示す図柄情報(PN)を取得する図柄情報取得手段(101,S109c,S109j,S109p)と,取得した図柄情報が示す図柄位置から所定範囲(4コマ)内で移動させて表示列(R1?R3)を所定の表示位置に停止させる停止制御手段(101,S109)とを有し,停止制御手段(101,S109)が,抽選情報が第2再遊技賞の当選結果を示す抽選情報が生成されたゲームで,取得した図柄情報が示す図柄位置から所定範囲(4コマ)内で移動させた場合に,表示列(R1?R3)で第2役を構成する図柄を入賞ライン(L1?L5)上に表示できるとき,図柄を入賞ライン(L1?L5)上に表示するように表示列(R1?R3)を移動させて停止させ,ゲーム管理手段(101,S110?S111)が,抽選情報が第2再遊技賞の当選結果を示す抽選情報が生成された第2確率変動ゲームで,入賞態様が第2役を示す場合,遊技媒体の受け付けなしに次のゲームを開始するとともに,ゲームの種類を第1確率変動ゲームとする。」

(イ)「【0050】
左ストップボタン13aは,遊技者から見て左側に配置された左リールR1の回転を停止させるための指示を遊技者が入力するための構成であり,操作部OPにおける左リールR1の下方であってスタートレバー12の右方に配置される。右ストップボタン13cは,遊技者から見て右側に配置された右リールR3の回転を停止させるための指示を遊技者が入力するための構成であり,操作部OPにおける右リールR3の下方であってスタートレバー12の右方に配置される。中ストップボタン13bは,上記した左リールR1と右リールR3との間に配置された中リールR2の回転を停止させるための構成であり,操作部OPにおける中リールR2の下方であって左ストップボタン13aと右ストップボタン13cとの間に一列に配置される。」

(ウ)「【0108】
(4-2)スロットマシン1の賞と役
次に,本実施例においてスロットマシン1に設定されている賞と役とについて,以下に図面と共に詳細に説明する。図6は,スロットマシン1に設定されている賞の種類と,各賞に対応づけられた役とを説明するための図である。図6に示すような予め定められた図柄の組み合わせ(役)が,そのゲームで有効化されている入賞ライン上に揃うと入賞となる。入賞した場合,役ごとに定められた配当数に基づいて,15枚の遊技メダルを最大とした配当が付与される小役賞や,特定種類のゲームが実行される期間を開始させる開始賞や,ベット操作なしに次ゲームを開始する権利を付与する再遊技賞などが遊技価値として遊技者に付与される。」

(エ)「【0111】
(4-2-3)再遊技賞
本実施例による再遊技賞には,再遊技1賞(第1再遊技賞)と再遊技2A賞(個別第2再遊技賞)と再遊技2B賞(個別第2再遊技賞)とが含まれる。再遊技1賞は,遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり,例えば「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役(第1役)」ともいう)が対応づけられている。再遊技2A賞(個別第2再遊技賞)は,遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり,例えば「プラム-プラム-赤7」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム赤7役(個別第2役)」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役」(第1役)ともいう)との2つが対応づけられている。再遊技2B賞(個別第2再遊技賞)は,遊技メダル又はクレジットの投入なしに次ゲームを開始する権利を遊技者に付与する再遊技賞であり,例えば「プラム-プラム-白7」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム白7役(個別第2役)」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」の図柄の組み合わせで構成される役(これを「プラム役」(第1役)ともいう)との2つが対応づけられている。
・・・
【0113】
また,スロットマシン1は,再遊技賞にかかる役のうち,「プラム赤7役」及び「プラム白7役」が入賞ライン上に表示された場合,次のゲームから所定ゲーム回数(例えば100ゲーム)の間,再遊技1賞の内部抽選の当選確率を変動させたRT1ゲーム(第1確率変動ゲーム)を実行する。すなわち,「プラム赤7役」及び「プラム白7役」はRT1ゲームの開始契機となるRT開始出目として機能する。
【0114】
(4-2-4)100%引き込み可能図柄
本実施例において,「プラム」図柄及び「ベル」図柄は,図3の図柄の配列に示すように,どのリールにおいても,同一リール上で,ある「プラム」図柄から次の「プラム」図柄までの図柄の間隔と,ある「ベル」図柄から次の「ベル」図柄までの図柄の間隔とが,どちらも4図柄(4コマ)以内に配置されている。また,本実施例によるスロットマシン1は,後述するリールの停止制御により,賞を構成する図柄を入賞ライン上に停止させる際,最大4コマまで図柄を引き込むことが可能である。したがって,「プラム」図柄及び「ベル」図柄それぞれを,各同一図柄間が4コマ間隔以内になるようにリール帯58a?58cに配置させることによって,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン(13a,13b,13c)を操作したとしても,入賞ライン上に「プラム」図柄又は「ベル」図柄を引き込んで停止させることが可能となる。このような「プラム」図柄及び「ベル」図柄を,本実施例では100%引き込み可能図柄という。なお,賞を構成する図柄の組み合わせが,全てこの100%引き込み可能図柄で構成された「ベル役」や「プラム役」は,それらの賞のみが当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン(13a,13b,13c)を操作したとしても必ず入賞する。このような役で構成される賞を,本実施例では100%入賞可能賞という。」

(オ)「【0120】
(4-3-5)RT2ゲーム
図7(a)に示すように,スロットマシン1は,BBゲームが終了した場合,最後のBBゲームの次ゲームから3ゲームを上限としたRT2ゲーム(第2確率変動ゲーム)を開始する。RT2ゲームは,再遊技2賞の内部抽選での当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。このため,RT開始出目となる「プラム赤7役」及び「プラム白7役」を表示する確率も高くなる。すなわち,このRT2ゲームは,RT1ゲームを開始する契機となるゲームとして機能する。
【0121】
(4-3-6)RT1ゲーム
図7(b)に示すように,再遊技2賞が当選したゲームでRT開始出目が入賞ライン上に揃った場合,スロットマシン1は,次ゲームから100ゲームのRT1ゲーム(第1確率変動ゲーム)を開始する。RT1ゲームは,再遊技1賞の内部抽選での当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。したがって,通常ゲームと比較して内部抽選でハズレとなることが減る。これにより,遊技者に要するベット操作が減少するので,遊技者が所有する遊技メダルの消費を抑えることができる。そのため,遊技者が,多くの遊技メダルを獲得できたBBゲームの終了を契機として,遊技を止めてしまうことを防止することができる。すなわち,BBゲームやRBゲームなどの特別ゲーム終了後にも,高い遊技性を継続的に提供することが可能となる。」

(カ)「【0129】
・ステップS103?S105:内部抽選処理
次に,CPU101は,内部抽選処理を実行することで,当選させる賞を決定する。この内部抽選処理では,CPU101は,まず,乱数抽選を行うことで,0000Hから3FFFH(0?16383)の範囲に含まれる数値を1つ取得する(S103)。この乱数抽選では,図示しないカウンタ回路が用いられる。カウンタ回路は,カウンタ値を0000Hから3FFFH(0?16383)の範囲で10ナノ秒毎に1つずつインクリメントすると共に,約1.6ミリ秒で0000Hから3FFFH(0?16383)の範囲を1巡回する動作を継続的に繰り返す。また,CPU101は,例えばスタートレバー12が操作された際に生成される開始操作指示信号112を検出したタイミングでカウンタ回路を参照し,このときのカウンタ値を入出力ポート107を介して取得する。このように,乱数抽選を行うことで乱数値を取得すると,次にCPU101は,各ゲーム種別フラグを参照して当選したゲームの種類に応じた賞抽選テーブルを選択する(S104)。その後,CPU101は,選択した賞抽選テーブルを使用して,ステップS103で取得した乱数値が賞抽選テーブル上の賞ごとに設定されたどの数値の範囲に属するかの判定を行い,該当する賞の当選フラグをセットする(S105)。」

(キ)「【0133】
・ステップS108:リール回転開始
次に,CPU101は,3つのリールを駆動するためリール駆動信号154a?154cにパルスを供給して,ステッピングモータを順次又は同時に回転させる(S108)。具体的には,CPU101は,複数の巻線相を励磁するための複数本の駆動信号ラインを介して,リール駆動信号154a?154cを,所定の位相パターンで各リール駆動モータ(54a?54c)に供給する。各リール駆動モータ(54a?54c)は,このパルス信号であるリール駆動信号154a?154cを受けることで各リール(R1?R3)を回転させる。その後,CPU1V01は,10ステップの加速期間を経て3つのリール(R1?R3)を全て一定回転速度に移行させる。次に,CPU101は,3つのリール(R1?R3)が一定回転速度に到達したことを検出した時点を基準時点とし,この基準時点から予め定めた自動停止時間が経過するまでの残り時間の計測を開始するとともに,各ストップボタン(13a?13c)に内蔵したLEDを点灯させることで,各ストップボタン(13a?13c)の受け付けができることを遊技者に知らせる。具体的には,CPU101は,ステッピングモータである各リール駆動モータ(54a?54c)の駆動信号ラインに供給するリール駆動信号154a?154cのパルス幅が一定となったことを検出し,この検出時点を基準時点とし,2ミリ秒毎に0までカウントダウンするタイマ値の初期値として30秒の自動停止時間を示す値を設定する。また,このとき各リールに対応するストップボタンに内蔵されているLEDを点灯させる。
・・・
【0135】
・ステップS109:リール停止処理
次に,CPU101は,3つのリール(R1?R3)を停止させるリール停止処理を行う(S109)。詳しくは後述するが,リール停止処理では,CPU101は,停止操作指示信号113a?113cを検出し,遊技者による各ストップボタン(13a?13c)の操作があった場合には,ステップS106で選択した停止リンクテーブルに基づき,各ストップボタン(13a?13c)の操作タイミングで得られたリール上の図柄位置と停止データテーブル群の停止データから停止させる図柄番号PNを決定し,全ての巻線相を同時に励磁する全相励磁によってブレーキ力を与えて,全相励磁を開始してから15ステップ相当分の惰性で回転して停止させるリール停止処理をそれぞれのリールに対して行う一方,基準時点から自動停止時間が経過すると,停止操作が行われなかったリール(R1?R3)を自動的に停止する。」

(ク)「【0139】
(5-2)賞抽選テーブル決定処理
次に,本実施例による賞抽選テーブルを図面と共に詳細に説明する。図9(a)は,ステップS104の賞抽選テーブル決定処理で選択される賞抽選テーブルの一例を示す説明図である。図9(a)に示す例では,通常ゲーム中,小役C賞,小役B賞,小役A賞,RB賞,BB2賞,BB1賞,再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞又はハズレのいずれかを内部抽選で決定するための当選確率は,それぞれ「120/16384」,「510/16384」,「64/16384」,「30/16384」,「25/16384」,「25/16384」,「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」,「13364/16384」と設定されている。CPU101は,図9(a)に示すように当選確率を示すデータが記憶された賞抽選テーブルTBL11を使用して内部抽選を行うことで,当選した賞の当選フラグをセットする。
【0140】
・賞抽選テーブルTBL11
図9(a)に示す賞抽選テーブルTBL11をより詳細に説明する。賞抽選テーブルTBL11において,テーブル格納アドレスADR11が示す賞抽選テーブルの先頭記憶領域には小役C賞の抽選区分データ「120」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が0?119の範囲に属している場合は小役C賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から02Hオフセットした記憶領域には小役B賞の抽選区分データ「510」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が120?629の範囲に属している場合は小役B賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から04Hオフセットした記憶領域には小役A賞の抽選区分データ「64」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が630?693の範囲に属している場合は小役A賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から06Hオフセットした記憶領域にはRB賞の抽選区分データ「30」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が694?723の範囲に属している場合はRB賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から08Hオフセットした記憶領域にはBB2賞の抽選区分データ「25」が記憶されている。したがって,724?748の範囲に属している場合はBB2賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から0AHオフセットした記憶領域にはBB1賞の抽選区分データ「25」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が749?773の範囲に属している場合はBB1賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から0CHオフセットした記憶領域には再遊技1賞の抽選区分データ「2244」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が774?3017の範囲に属している場合は再遊技1賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から0EHオフセットした記憶領域には再遊技2B賞の抽選区分データ「1」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が3018と一致している場合は再遊技2B賞に当選したことを示す。賞抽選テーブルの先頭から10Hオフセットした記憶領域には再遊技2A賞の抽選区分データ「1」が記憶されている。したがって,取得した乱数値が3019と一致している場合は再遊技2A賞に当選したことを示す。ただし,図9に示す賞抽選テーブルTBL11は,ハズレに属する数値の幅のデータを記憶していない。したがって,CPU101は,取得した乱数値を小役C賞から再遊技2A賞まで順次抽選区分データと比較判定し,いずれの範囲にも属していないと判定した場合にハズレと判定する。なお,後述する賞抽選テーブルTBL12?17も抽選する対象とする賞や数値の幅が異なる以外は賞抽選テーブルTBL11と同じであるため,ここでは詳細な説明を省略する。」

(ケ)「【0211】
以上のように,再遊技2A賞停止リンクテーブルTBL22Aが参照する停止データテーブルは,停止操作タイミングで取得した停止操作図柄番号に応じて,再遊技2A賞が入賞すると共にRT開始出目となる「プラム-プラム-赤7」(「プラム赤7役」)か,再遊技2A賞の入賞のみとなる「プラム-プラム-プラム」(「プラム役」)のどちらかを表示させるデータとなっている。
【0212】
・再遊技2A賞又は再遊技2B賞の停止態様
図20は,再遊技2A賞又は再遊技2B賞が当選したゲームにおける停止態様を説明するための説明図である。上記に説明したとおり,スロットマシン1では,第2再遊技賞として,再遊技2A賞と再遊技2B賞の2つが設けられ,右リールR3のリール上の図柄位置に応じて,再遊技2A賞と再遊技2B賞とで入賞ライン上に表示する停止態様が切り替えられる。すなわち,停止操作図柄番号が「1」?「7」(図柄位置1)の場合には,図20(A)に示す再遊技2A賞の当選ゲームにおいて再遊技2A賞の役及びRT開始出目である「プラム-プラム-赤7」が表示され,図20(B)に示す再遊技2B賞の当選ゲームでは再遊技2A賞の役である「プラム-プラム-プラム」が表示される。また,停止操作図柄番号が「8」?「14」(図柄位置2)の場合には,図20(C)に示す再遊技2A賞の当選ゲームでは再遊技2B賞の役である「プラム-プラム-プラム」が表示され,図20(D)に示す再遊技2B賞の当選ゲームでは再遊技2B賞の役及びRT開始出目である「プラム-プラム-白7」が表示される。なお,図柄位置1が停止操作図柄番号「1」?「7」となり,図柄位置2が停止操作図柄番号「8」?「14」となるのは,右リールR3が最初に停止操作された場合である。これに対し,右リールR3が最後に停止操作された場合は,入賞する図柄位置の範囲が7コマから5コマに減り,RT開始出目が表示されないこととなる図柄位置が増えることになるが,再遊技2A賞と再遊技2B賞の双方でRT開始出目を表示する共通の図柄位置がないことには変わりないので制御上不都合が生じない。このように,本実施例では,再遊技2A賞が当選した場合と再遊技2B賞が当選した場合との双方でRT開始出目を表示する共通のリール上の図柄位置がない。」

(コ) 図6には「賞の種類」,「付与される遊技価値」,「再遊技賞」,「再遊技1 プラム-プラム-プラム 再ゲームの開始」,「再遊技2A プラム-プラム-赤7 再ゲームの開始 RT開始出目」,「再遊技2B プラム-プラム-白7 再ゲームの開始 RT開始出目」と記載されている。このことから,図6には,「プラム-プラム-赤7」,「プラム-プラム-白7」,及び「プラム-プラム-プラム」は,賞の種類としていずれも再ゲームの開始という遊技価値の付与が含まれる再遊技賞である点が図示されているといえる。

(サ) 図8には「リール回転開始S108」後に,「リール停止処理S109」を実行する点が図示されている。

(シ) 図8には「リール回転開始S108」の前に,S103?S105を実行する点が図示されている。また,【0133】の「各リール(R1?R3)を回転」という記載,【0129】の「ステップS103?S105:内部抽選処理」という記載を参照すると,図8には,リールR1?R3回転開始(S108)前に,内部抽選処理(S103?S105)を実行する点が図示されているといえる。

(ス) 図9(a)には「TBL11 ・・・ RB賞 BB2賞 BB1賞 再遊技1賞 再遊技2B賞 再遊技2A賞」と記載されている。また,【0139】の「図9(a)に示すように・・・賞抽選テーブルTBL11を使用して内部抽選を行う」という記載を参照すると,図9(a)には,賞抽選テーブルTBL11が,再遊技1賞,再遊技2A賞及び再遊技2B賞を含む点が図示されているといえる。

上記(ア)?(ケ)の記載事項及び上記(コ)?(ス)の図示された内容から,以下のことがいえる(認定)。
なお,(a)?(k)は,本願補正発明の構成A?Kに対応した事項を示している。

(a) 上記【0011】には「複数種類の図柄を可変表示可能な複数の表示列(R1?R3)と,・・・を備え」と記載され,上記【0133】には「3つのリール(R1?R3)」と記載されている。
これらのことから,上記【0011】及び【0133】には,複数種類の図柄を可変表示可能な3つのリールR1?R3を備えた点が記載されているといえる。

(b) 上記【0011】には「複数の表示列の可変表示の開始・・・可変表示の各々の停止・・・停止した・・・表示列(R1?R3)の・・・入賞ライン(L1?L5)上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞・・・する遊技機(1)」と記載され,上記【0133】には「3つのリール(R1?R3)」と記載され,上記【0108】には「スロットマシン1」と記載され,上記(サ)に示したように,図8には,リール回転開始S108後に,リール停止処理S109を実行する点が図示されている。
これらのことから,上記【0011】,【0108】,【0133】及び図8には,リールR1?R3の可変表示を開始した後,可変表示を停止し,停止したリールR1?R3の入賞ラインL1?L5上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞するスロットマシン1が記載されているといえる。

(c) 上記【0121】には「RT1ゲームは,再遊技1賞の・・・当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。・・・通常ゲーム」と記載され,上記【0120】には「RT2ゲームは,再遊技2賞の・・・当選確率が極めて高確率に設定されたゲームである。」と記載されている。
これらのことから,上記【0120】?【0121】には,通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームがある点が記載されているといえる。

また,上記【0139】には「図9(a)に示す例では,通常ゲーム中,・・・再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞,・・・のいずれかを内部抽選で決定する・・・。CPU101は,図9(a)に示すように・・・賞抽選テーブルTBL11を使用して内部抽選を行う」と記載されている。しかしながら,上記【0140】には「賞抽選テーブルTBL11において,・・・再遊技1賞の抽選区分データ「2244」が記憶され・・・取得した乱数値が774?3017の範囲に属している場合は再遊技1賞に当選し・・・再遊技2B賞の抽選区分データ「1」が記憶され・・・取得した乱数値が3018と一致している場合は再遊技2B賞に当選し・・・再遊技2A賞の抽選区分データ「1」が記憶され・・・取得した乱数値が3019と一致している場合は再遊技2A賞に当選し」と記載され,上記(ス)に示したように,図9(a)には,賞抽選テーブルTBL11が,再遊技1賞,再遊技2A賞及び再遊技2B賞を含む点が図示されているから,上記【0139】の「再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞」は「再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞」の誤記であるといえる。
加えて,上記(シ)に示したように,図8には,リールR1?R3回転開始(S108)前に,内部抽選処理(S103?S105)を実行する点が図示されている。
これらのことから,上記【0139】?【0140】及び図8,9(a)には,通常ゲームにおいて,リールR1?R3回転開始(S108)前に,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101が記載されているといえる。

そして,上記【0111】には「再遊技1賞は,・・・「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役(・・・「プラム役・・・」ともいう)が対応づけられている。再遊技2A賞・・・は,・・・「プラム-プラム-赤7」・・・で構成される役(・・・「プラム赤7役・・・」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役・・・が対応づけられている。再遊技2B賞・・・は,・・・「プラム-プラム-白7」・・・で構成される役(・・・「プラム白7役・・・」ともいう)と「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役・・・が対応づけられている。」と記載され,上記【0113】には「「プラム赤7役」及び「プラム白7役」はRT1ゲームの開始契機となる」と記載されている。
これらのことから,上記【0111】及び【0113】には,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞が記載されているといえる。

以上のことから,上記【0111】,【0113】,【0120】?【0121】,【0139】?【0140】及び図8,9(a)には,通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームのうちの通常ゲームにおいて,リールR1?R3回転開始(S108)前に,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101が記載されているといえる。

(g,g1?3,5) 上記(c)において検討したように,上記【0139】?【0140】及び図8,9(a)には,通常ゲームにおいて,リールR1?R3回転開始(S108)前に,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101が記載されているといえると共に,上記【0111】及び【0113】には,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞が記載されているといえる。
これらのことから,【0111】,【0113】,【0139】?【0140】及び図8,9(a)には,内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101は,通常ゲームにおいて,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞と,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞と,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞とを含むいずれかに決定する点が記載されているといえる。

(h1?2) 上記【0211】には「停止操作タイミングで取得した停止操作図柄番号に応じて・・・表示させる」と記載され,上記【0212】には「右リールR3の・・・停止操作図柄番号が「1」?「7」(図柄位置1)の場合には,・・・再遊技2A賞の当選ゲームにおいて・・・「プラム-プラム-赤7」が表示され・・・停止操作図柄番号が「8」?「14」(図柄位置2)の場合には,・・・再遊技2A賞の当選ゲームでは・・・「プラム-プラム-プラム」が表示され・・・図柄位置1が停止操作図柄番号「1」?「7」となり,図柄位置2が停止操作図柄番号「8」?「14」となるのは,右リールR3が最初に停止操作された場合である」と記載されている。
これらのことから,上記【0211】?【0212】には,再遊技2A賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」?「7」の場合には,「プラム-プラム-赤7」が表示され,停止操作図柄番号が「8」?「14」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示される点が記載されているといえる。

(h3?4) 上記【0211】には「停止操作タイミングで取得した停止操作図柄番号に応じて・・・表示させる」と記載され,上記【0212】には「右リールR3の・・・停止操作図柄番号が「1」?「7」(図柄位置1)の場合には,・・・再遊技2B賞の当選ゲームでは・・・「プラム-プラム-プラム」が表示され・・・停止操作図柄番号が「8」?「14」(図柄位置2)の場合には,・・・再遊技2B賞の当選ゲームでは・・・「プラム-プラム-白7」が表示され・・・図柄位置1が停止操作図柄番号「1」?「7」となり,図柄位置2が停止操作図柄番号「8」?「14」となるのは,右リールR3が最初に停止操作された場合である」と記載されている。
これらのことから,上記【0211】?【0212】には,再遊技2B賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「8」?「14」の場合には,「プラム-プラム-白7」が表示され,停止操作図柄番号が「1」?「7」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示される点が記載されているといえる。

(h5) 上記【0114】には「入賞ライン上に「プラム」図柄・・・停止させることが可能・・・「プラム役」・・・の賞のみが当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン(13a,13b,13c)を操作したとしても必ず入賞する」と記載され,上記【0111】には「再遊技1賞は,・・・「プラム-プラム-プラム」・・・で構成される役(・・・「プラム役・・・」ともいう)が対応づけられている」と記載されている。
これらのことから,上記【0111】及び【0114】には,再遊技1賞が当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても必ず「プラム-プラム-プラム」を停止させ入賞した点が記載されているといえる。

(k) 上記(c)で検討したように,上記【0139】の「再遊技賞,再遊技2A賞,再遊技2A賞」は「再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞」の誤記であるから,上記【0139】には「通常ゲーム中,・・・再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞・・・の当選確率は,それぞれ・・・「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」,・・・と設定されている」ことが記載されているといえる。
また,上記【0108】には「スロットマシン1」と記載されている。
これらのことから,上記【0108】及び【0139】には,通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されているスロットマシン1が記載されているといえる。

上記(イ)【0050】,(キ)【0135】の記載事項,(コ)の図示内容,及び上記(a)?(c),(g),(h1)?(h4)の認定事項から,甲第17号証には,次の発明(以下,「甲17発明」という。a?h4は,本件発明の分説(A?H4)に対応させて,当審にて付与。)が開示されていると認められる。
「a 複数種類の図柄を可変表示可能な3つのリールR1?R3を備え(認定事項(a)),
b リールR1?R3の可変表示を開始した後,可変表示を停止し,停止したリールR1?R3の入賞ラインL1?L5上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞するスロットマシン1において(認定事項(b)),
c 通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームのうちの通常ゲームにおいて,リールR1?R3回転開始(S108)前に,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101と(認定事項(c)),
d 遊技者がリールR1?R3の回転を停止させるためのストップボタン13a,13b,13cと(【0050】),
e 3つのリールR1?R3を停止させるリール停止処理を行うCPU101と(【0135】),
f 「プラム-プラム-赤7」,「プラム-プラム-白7」,及び「プラム-プラム-プラム」は,賞の種類としていずれも再ゲームの開始という遊技価値の付与が含まれる再遊技賞であり(図示内容(コ)),
g 内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101は,通常ゲームにおいて,
g1 「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞と,
g2 「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞と,
g3 「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞と,
g5 を含むいずれかに決定し(認定事項(g,g1?3,5)),
h リール停止処理を行うCPU101は(【0135】),
h1 再遊技2A賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」?「7」の場合には,「プラム-プラム-赤7」が表示され,
h2 停止操作図柄番号が「8」?「14」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され(認定事項(h1?2)),
h3 再遊技2B賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「8」?「14」の場合には,「プラム-プラム-白7」が表示され,
h4 停止操作図柄番号が「1」?「7」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され(認定事項(h3?4)),
h5 再遊技1賞が当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても必ず「プラム-プラム-プラム」を停止させ入賞し(認定事項(h5)),
k 通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されているスロットマシン1(認定事項(k))」

(18)甲第18号証(特許第5932895号公報)には,以下のように記載されている。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させる終了入賞と,前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
前記終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
前記事前決定手段は,
前記一の遊技状態において前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,を決定可能であり,
前記導出制御手段は,
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,
前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴とするスロットマシン。」

(イ)また,甲第18号証の特許である特許第5932895号は,平成28年12月7日に特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立て(異議2016-701121)がなされ,平成29年7月28日付けの異議決定で,訂正が認められると共に特許が維持されており,維持された特許は,平成29年7月28日付けの異議決定の第3 1に記載された,次の発明(以下,「甲18発明」という。)である(異議決定に記載されたA?Kは,当審でa?kに修正すると共に,kは本件発明の構成Kと構成が異なるので,k’した。)。
「【請求項1】
a 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
b 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
c 遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
d 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
e 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
f 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
g 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
g1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
g2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
g3 前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
g4 前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
g5 前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
h 前記導出制御手段は,
h1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
h3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
h5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
h6 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h7 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
h8 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
h9 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
i 前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
j 前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり,
k’前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴とするスロットマシン。」

第3 当審の判断
1 【理由1】(29条1項3号)及び【理由2】(29条2項)
本件発明は,甲17発明と同一であるか,又は甲17発明及び甲第3?4号証に記載された周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるか検討する。

本件発明と甲17発明を対比する。
(a)甲17発明の「図柄」,「可変表示可能」及び「リールR1?R3」は,それぞれ,本件発明の「識別情報」,「変動表示可能」及び「可変表示部」に相当する。
甲17発明の「複数種類の図柄」は,遊技者がどの図柄か把握できるように,各々が識別可能であることは明らかである。
これらのことから,甲17発明の「複数種類の図柄を可変表示可能な3つのリールR1?R3を備え」は,本件発明の「各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え」に相当する。

(b)甲17発明の「停止したリールR1?R3の入賞ラインL1?L5上の図柄の組合せ」及び「スロットマシン1」は,それぞれ,本件発明の「表示結果」及び「スロットマシン」に相当する。
このことから,甲17発明の「リールR1?R3の可変表示を開始した後,可変表示を停止し,停止したリールR1?R3の入賞ラインL1?L5上の図柄の組合せが,所定の入賞態様となる役を示す場合に賞に入賞するスロットマシン1」は,
本件発明の「前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン」に相当する。

(c)甲17発明の「通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲーム」,「通常ゲーム」,「リールR1?R3回転開始(S108)前」及び「内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101」は,それぞれ,本件発明の「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態」,「一の遊技状態」,「表示結果が導出される前」,及び「事前決定手段」に相当する。
また,甲17発明の「RT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」」,及び「RT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」」は,RT1ゲームの開始契機であり,通常ゲーム中に入賞することによりRT1ゲームに移行し,RT1ゲームに移行することにより通常ゲームは終了することになると共に,「RT1ゲーム」は「再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定され」ており,「通常ゲーム」より遊技者にとって有利な状態であることは明らかであるから,本件発明の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞」に相当する。
そして,甲17発明の「プラム-プラム-プラム」は,RT1ゲームの開始契機ではなく,通常ゲーム中に入賞しても他の遊技状態に移行せず通常ゲームを継続することになるから,本件発明の「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞」に相当する。
これらのことから,甲17発明の「通常ゲーム,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム,及び再遊技2賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT2ゲームのうちの通常ゲームにおいて,リールR1?R3回転開始(S108)前に,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞を含むいずれかに決定する内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101」は,
本件発明と「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と」,「前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段」である点で共通している。

(d)甲17発明の「ストップボタン13a,13b,13c」は,本件発明の「導出操作手段」に相当する。
甲17発明の「リールR1?R3の回転を停止させるため」の「ストップボタン13a,13b,13c」は,「リールR1?R3の回転」が停止することにより,甲17発明の構成bのように「停止したリールR1?R3の入賞ラインL1?L5上の図柄の組合せ」が表示されるから,表示結果を導出させるために操作するものであるといえる。
これらのことから,甲17発明の「遊技者がリールR1?R3の回転を停止させるためのストップボタン13a,13b,13c」は,本件発明の「遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段」に相当する。

(e)甲17発明の「リール停止処理を行うCPU101」は,本件発明の「導出制御手段」に相当する。
このことから,甲17発明の「3つのリールR1?R3を停止させるリール停止処理を行うCPU101」は,本件発明の「表示結果を導出する制御を行う導出制御手段」に相当する。

(f)甲17発明の「再ゲーム」及び「再遊技賞」は,それぞれ,本件発明の「再遊技」及び「再遊技入賞」に相当する。
このことから,甲17発明の「「プラム-プラム-赤7」,「プラム-プラム-白7」,及び「プラム-プラム-プラム」は,いずれも再ゲームの開始という遊技価値の付与が含まれる再遊技賞であり」は,
本件発明の「前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり」に相当する。

(g,g1?3,5)甲17発明の「再遊技2A賞」,「再遊技2B賞」及び「再遊技1賞」は,それぞれ,本件発明の「第1決定」,「第2決定」及び「第3決定」に相当する。
また,「再遊技1賞」は,RT1ゲームの開始契機となる図柄の組合せが対応付けられていないから,第1終了入賞の発生を許容するものではない。
これらのことから,甲17発明の「内部抽選処理(S103?105)を実行するCPU101は,通常ゲームにおいて,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-赤7」が対応づけられている再遊技2A賞と,「プラム-プラム-プラム」とRT1ゲームの開始契機となる「プラム-プラム-白7」が対応づけられている再遊技2B賞と,「プラム-プラム-プラム」が対応づけられている再遊技1賞とを含むいずれかに決定し」は,
本件発明と「前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,前記第1終了入賞の発生を許容する旨」を「許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と」,「を決定可能であ」る点で共通している。

(h,h1?2)甲17発明の「右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」?「7」の場合」は,本件発明の「第1手順」に相当し,甲17発明の「右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが」「停止操作図柄番号が「8」?「14」の場合」は,本件発明の「第2手順」に相当する。
このことから,甲17発明の「リール停止処理を行うCPU101は,再遊技2A賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「1」?「7」の場合には,「プラム-プラム-赤7」が表示され,停止操作図柄番号が「8」?「14」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され」は,
本件発明の「前記導出制御手段は,前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し」に相当する。

(h3?4)甲17発明の「再遊技2B賞の当選ゲームにおいて,右リールR3が最初に停止操作された場合の右リールR3の停止操作タイミングが停止操作図柄番号「8」?「14」の場合には,「プラム-プラム-白7」が表示され,停止操作図柄番号が「1」?「7」の場合には,「プラム-プラム-プラム」が表示され」は,
本件発明の「前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し」に相当する。

(h5)甲17発明の「遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても」は,本件発明の「前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても」に相当する。
このことから,甲17発明の「再遊技1賞が当選しているゲームでは,遊技者がどのようなタイミングでストップボタン13a,13b,13cを操作したとしても必ず「プラム-プラム-プラム」を停止させ入賞し」は,
本件発明の「前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し」に相当する。

(k)甲17発明の「当選確率」は,本件発明の「確率」に相当する。
また,甲17発明では,「通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されて」いるから,通常ゲーム中において,再遊技2A賞「当選確率:1/16384」が当選する確率よりも,再遊技1賞「当選確率:2244/16384」が当選する確率の方が高く,再遊技2B賞「当選確率:1/16384」が当選する確率よりも,再遊技1賞「当選確率:2244/16384」が当選する確率の方が高いといえる。
これらのことから,甲17発明の「通常ゲーム中,再遊技1賞,再遊技2B賞,再遊技2A賞の当選確率が,それぞれ「2244/16384」,「1/16384」,「1/16384」と設定されているスロットマシン1」は,
本件発明の「前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い,スロットマシン。」に相当する。

上記(a)?(k)から,本件発明と甲17発明とは,
[一致点]
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
B 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
C’遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
E 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
F 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
G 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
G1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
G2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
G3’前記第1終了入賞の発生を許容する旨を許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
G5’を決定可能であり,
H 前記導出制御手段は,
H1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
K 前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い,スロットマシン。」
である点で一致し,以下の点で相違している。

[相違点1](構成Cに関して)
「事前決定手段」が「遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において」,「発生を許容するか否かを決定する」,「複数種類の入賞」に関して,
本件発明は,「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞」を含むのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。

[相違点2](構成G3?5[構成G]に関して)
「前記事前決定手段」が「前記一の遊技状態において」「決定可能」な決定に関して,
本件発明は,「前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と」を含むのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。

[相違点3](構成H6?9[構成H,H1?5]に関して)
「前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出」する「前記導出制御手段」に関して,
本件発明は,「前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出」しないのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。

[相違点4](構成I?Jに関して)
本件発明は,「前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であ」るのに対して,
甲17発明は,そのような構成でない点。

イ 判断
上記相違点について検討する。
(ア)相違点1について
甲17発明には,通常ゲーム(一の遊技状態)において,再遊技1賞の当選確率が極めて高確率に設定されたRT1ゲーム(遊技者にとって有利な有利状態)の開始契機となる再遊技2A賞(第1終了入賞)と再遊技2B賞(第1終了入賞)と,再遊技1賞(継続入賞)と,を含むいずれかに決定する内部抽選処理を実行する点は記載されているが,一の遊技状態において,遊技者にとって不利な不利状態に移行させる点が記載されていない。
また,甲第3?4号証には,一の遊技状態において,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,を含むいずれかに決定する点は,記載も示唆もされておらず,周知であるともいえない。
それに,甲第1?2,5?16号証にも,一の遊技状態において,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,を含むいずれかに決定する点は,記載も示唆もされておらず,周知であるともいえない。
そして,本件発明は,上記相違点1に係る構成を備えることにより,一の遊技状態では,遊技者にとって有利な有利状態,または遊技者にとって不利な不利状態のどちらか一方にのみ移行するのではなく,第1終了入賞及び第2終了入賞のうちどちらの終了入賞が先に発生するかにより,有利状態にも不利状態にも移行し得るため,一の遊技状態における興趣を高めることができるという効果を奏するものである。
したがって,本件発明の上記相違点1に係る構成は,甲17発明及び周知技術(甲第3?4号証,及び甲第1?2,5?16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。

(イ)相違点2について
相違点2に係る本件発明の構成には,「第2終了入賞の発生を許容する」構成が含まれ,上記構成は上記相違点1に係る構成を有することを前提とした構成である。
上記「(ア)相違点1について」において既に検討したように,上記相違点1に係る本件発明の構成は,甲17発明及び周知技術(甲第3?4号証,及び甲第1?2,5?16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえないから,上記相違点1に係る本件発明の構成を有することを前提とした,上記相違点2に係る本件発明の構成とすることも,当業者が容易になし得たものであるとはいえない。

ウ 小括
以上のことから,上記相違点1?2に係る本件発明の構成とすることは,甲17発明及び周知技術(甲第3?4号証,及び甲第1?2,5?16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものではない。
したがって,上記相違点3?4について検討するまでもなく,本件発明は甲17発明と同一ではなく,甲17発明及び周知技術(甲第3?4号証,及び甲第1?2,5?16号証に記載された記載事項)に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。

2 【理由3】(36条6項2号)
(1)【理由3-1】(36条6項2号)
【課題を解決するための手段】の欄の記載である本件特許明細書の【0006】?【0018】の記載が,不明確であるかについて検討する。

平成29年11月14日付け訂正請求書の訂正事項7?15において,本件特許明細書の【0006】?【0008】,【0011】,【0013】?【0017】の「本発明の」なる記載を削除する訂正を行うことにより,本件特許明細書の【0005】の「本発明の請求項1に記載のスロットマシン」の記載は,本件特許明細書の【0006】?【0018】の本発明と関係のない記載と区別して記載されていることが明確になったから,本件発明は明確であるといえる。

(2)【理由3-2】(36条6項2号)
本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載と,図6の記載とが一致しないため,本件発明の構成が不明確であるかについて検討する。

平成29年11月14日付け訂正請求書の訂正事項19において,図6の記載を,本件特許明細書の【0122】,【0129】の記載に整合させる訂正を行うことにより,本件発明は明確になったといえる。

したがって,本件特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

3 特許異議申立理由について
特許異議申立書(第81頁第6行?第83頁第6行[【理由3-3】],第115頁第24行?第118頁第15行[【理由4】])では,当審による平成29年9月12日付け取消理由通知で言及したこと以外で,以下の【理由3-3】及び【理由4】の取消理由がある旨主張している。

(1)【理由3-3】(36条6項2号)
特許請求の範囲の発明特定事項である「終了入賞」「継続入賞」「事前決定手段」「導出操作手段」「導出制御手段」「第1決定」「第2決定」「第3決定」「第1手順」「第2手順」なる語句が,【発明を実施するための形態】に記載されていないため,これらの発明特定事項の意味が不明であり,本願発明が不明確である旨主張している。

しかしながら,本件出願の原出願である特願2014-135851号の平成26年11月20日提出上申書,平成27年11月5日提出意見書にも説明があり,これらの発明特定事項は理解できるから,本件発明は明確であるといえる。

したがって,本件特許は,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

(2)【理由4】(39条2項)
訂正前の請求項1に係る発明は,特許第5932895号(甲第18号証)に記載された発明と同一であり,特許法第39条第2項の規定に違反してされたものであるから,特許法第113条第2号に該当し,取り消されるべきものである旨主張している。

訂正後の上記第3 1に記載された本件発明と,上記第3 6 (18)(イ)に記載した,特許異議の申立て(異議2016-701121)の平成29年7月28日付けの異議決定に記載された発明である甲18発明とが同一であるか検討する。

本件発明と甲18発明とを比較するすると,本件発明と甲18発明とは,
[一致点]
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え,
B 前記可変表示部を変動表示した後,前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し,該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて,
C 遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において,表示結果が導出される前に,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と,前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と,前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と,を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と,
D 遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と,
E 表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と,
を備え,
F 前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり,
G 前記事前決定手段は,前記一の遊技状態において,
G1 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と,
G2 前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と,
G3 前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と,
G4 前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と,
G5 前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と,
を決定可能であり,
H 前記導出制御手段は,
H1 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ第1手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H2 前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり,かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H3 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第2手順で操作されたときには,前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H4 前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり,かつ前記第1手順で操作されたときには,前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H5 前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには,前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し,
H6 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H7 前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり,かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
H8 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第4手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し,
H9 前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり,かつ前記第3手順で操作されたときには,前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず,
I 前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり,
J 前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順である,
K’スロットマシン。」
である点で一致し,以下の点で相違している。

[相違点](構成Kに関して)
本件発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」のに対して,
甲18発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」点。

[判断]
上記相違点について検討する。
本件発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く,かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」発明であり,「前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が」低い場合を含む。
しかしながら,甲18発明は,「前記一の遊技状態において,前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い」発明であり,「前記第1決定または前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が」低い場合を含まないから,本件発明は,甲18発明と同一であるとはいえない。

したがって,本件発明は,甲18発明と同一であるとはいえず,特許法第39条第2項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。

4 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は,平成29年12月27日付け意見書において,今回の訂正請求は,訂正要件違反の訂正を含んでいるので,訂正は認められない旨主張している。
具体的には,概ね以下のように主張している。
(1)訂正事項1において「不利状態」を追加したが,本件特許明細書等(【0195】,【0198】,図7?8)の記載から,「初期遊技状態」(一の遊技状態)よりも「リプレイタイム(1)(RT(1))」(不利状態)の方が不利な状態であるか不明確であるから,訂正は認められない。
(2)訂正事項1において「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる」の記載を追加するためには,「リプレイタイム(1)(RT(1))」(不利状態)が,「初期遊技状態」(一の遊技状態)よりも,(a)特別役の当選確率を低下させる,(b)小役の抽選確率を低下させる,(c)再遊技役の抽選確率を低下させる,のいずれかの条件を満たす必要があるが,(a)?(c)のいずれかの条件を満たす点は記載されていないので,訂正事項1は本件特許明細書等の範囲内の訂正でないから,訂正は認められない。

しかしながら,訂正事項1の「前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞」という記載における「遊技者にとって不利な不利状態」とは,「一の遊技状態」と比較して不利な状態ではなく,ゲームを続けるとメダルが減少するという「遊技者にとって不利な不利状態」のことであり,上記第2 2 (1)イにおいて既に検討したように,「遊技者にとって不利な不利状態」と訂正した点は,本件特許明細書の【0195】,【0198】の記載から導き出せるから,特許異議申立人の平成29年12月27日付け意見書における主張(上記(1)?(2)の主張)を採用することはできない。

第4 むすび
以上のことから,上記取消理由,並びに,特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては,訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。

よって,結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スロットマシン
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンとしては、特許文献1のようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-15000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一の遊技状態を終了させる終了役を取りこぼした場合でも、他の役を入賞させることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において、表示結果が導出される前に、前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と、前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と、前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
を備え、
前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり、
前記事前決定手段は、前記一の遊技状態において、
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と、
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と、
前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と、
前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と、
前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と、
を決定可能であり、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり、かつ第1手順で操作されたときには、前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり、かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには、前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり、かつ前記第2手順で操作されたときには、前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり、かつ前記第1手順で操作されたときには、前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには、前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり、かつ第3手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり、かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず、
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり、かつ前記第4手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり、かつ前記第3手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず、
前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり、
前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり、
前記一の遊技状態において、前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く、かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い
ことを特徴としている。
【0006】
手段1の遊技システムは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)と、特典を付与する管理装置と、を有する遊技システムであって、
前記スロットマシンは、
画像を表示可能な画像表示装置と、
前記ゲームの結果に基づく遊技履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記特典を入手するための情報を表示するか否かを判定する情報表示判定手段と、
前記情報表示判定手段が、前記情報を表示すると判定した場合に、該情報をコード化したコード情報を生成するコード情報生成手段と、
前記コード情報生成手段が生成したコード情報(2次元コード)を、外部から読み取り可能な態様で前記画像表示装置に表示させる(CPU91aは、ビッグボーナス終了時に、ビッグボーナスの回数に応じた確率で特典付与抽選を行い、当選した場合に特典を取得するための特典入手情報がコード化された2次元コードを液晶表示器51に表示する)コード情報表示手段と、
を備え、
前記コード情報生成手段は、前記情報として、前記履歴記憶手段に記憶された遊技履歴を特定する遊技履歴情報と、前記特典が入手されたか否かを識別するためのランダムに変化する乱数情報と、を特定可能にコード化したコード情報を生成し、
前記管理装置は、
前記コード情報から前記遊技履歴情報と前記乱数情報とを特定する特定手段と、
前記特典が付与済みのコード情報から特定される前記乱数情報を記憶する乱数情報記憶手段と、
前記特定手段により特定された前記乱数情報が、前記乱数情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記特定手段により特定された前記乱数情報が、前記乱数情報記憶手段に記憶されていないと判断されたことを条件に、前記特定手段により特定された前記遊技履歴情報に基づいて特典を付与する付与手段と、
を備える
ことを特徴としている。
【0007】
また、手段2の管理装置は、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされ、画像を表示可能な画像表示装置と、前記ゲームの結果に基づく遊技履歴を記憶する履歴記憶手段と、特典を入手するための情報を表示するか否かを判定する情報表示判定手段と、前記情報表示判定手段が、前記情報を表示すると判定した場合に、該情報をコード化したコード情報を生成するコード情報生成手段と、前記コード情報生成手段が生成したコード情報を、外部から読み取り可能な態様で前記画像表示装置に表示させるコード情報表示手段と、を備え、前記コード情報生成手段が、前記情報として、前記履歴記憶手段に記憶された遊技履歴を特定する遊技履歴情報と、前記特典が入手されたか否かを識別するためのランダムに変化する乱数情報と、を特定可能にコード化したコード情報を生成するスロットマシンにて表示されるコード情報に基づいて特典を付与する管理装置であって、
前記コード情報から前記遊技履歴情報と前記乱数情報とを特定する特定手段と、
前記特典が付与済みのコード情報から特定される前記乱数情報を記憶する乱数情報記憶手段と、
前記特定手段により特定された前記乱数情報が、前記乱数情報記憶手段に記憶されているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記特定手段により特定された前記乱数情報が、前記乱数情報記憶手段に記憶されていないと判断されたことを条件に、前記特定手段により特定された前記遊技履歴情報に基づいて特典を付与する付与手段と、
を備える
ことを特徴としている。
【0008】
さらに、手段3のスロットマシンは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
画像を表示可能な画像表示装置と、
前記ゲームの結果に基づく遊技履歴を記憶する履歴記憶手段と、
特典を付与する管理装置にて該特典を入手するための情報を表示するか否かを判定する情報表示判定手段と、
前記情報表示判定手段が、前記情報を表示すると判定した場合に、該情報をコード化したコード情報を生成するコード情報生成手段と、
前記コード情報生成手段が生成したコード情報(2次元コード)を、外部から読み取り可能な態様で前記画像表示装置に表示させる(CPU91aは、ビッグボーナス終了時に、ビッグボーナスの回数に応じた確率で特典付与抽選を行い、当選した場合に特典を取得するための特典入手情報がコード化された2次元コードを液晶表示器51に表示する)コード情報表示手段と、
を備え、
前記コード情報生成手段は、前記情報として、前記履歴記憶手段に記憶された遊技履歴を特定する遊技履歴情報と、前記管理装置にて前記特典が入手されたか否かを識別するためのランダムに変化する乱数情報と、を特定可能にコード化したコード情報を生成する
ことを特徴としている。
【0009】
これらの特徴によれば、複数のスロットマシンを一括して管理できないために、個々の特典を入手するための情報を識別可能な識別情報を付与することができない場合でも、特典を入手するための情報にランダムに変化する値を特定する情報が含まれることにより、乱数情報が一致する可能性は極めて低くなるため、乱数情報によって、特典を入手するための情報を実質的に識別することが可能となる。
【0010】
尚、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。また、複数の遊技状態に応じて定められた賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、ゲームの結果とは、例えば、ボーナスの入賞、当選、ボーナスの終了、特定小役の入賞、当選などである。また、開店時からのゲーム数、ボーナス回数、ボーナス確率、ボーナス間のゲーム数、小役確率、小役の入賞回数などの遊技履歴、特定の期間(例えば、ボーナス中など)における遊技履歴などが予め決められた条件を満たすことでも良い。
また、ゲームの結果に基づく遊技履歴とは、例えば、開店時からのゲーム数、ボーナス回数、ボーナス確率、ボーナス間のゲーム数、小役確率、小役の入賞回数などが該当するとともに、さらに特定の期間(例えば、ボーナス中など)における遊技履歴であっても良い。
また、特典を入手するための情報とは、遊技機によって直接付与される利益以外の特典をネットワークや郵送などを介して入手する際に必要となるデータであり、サービスを提供する側が付与する特典を決定するのに必要となるデータである。
特典を入手するための情報をコード化したコード情報とは、特典を入手可能なネットワーク上のURL、特典を入手する際に必要となる遊技履歴や入手時刻などを予め定められたルールで変換した文字列、またはこれらURLや文字列を1次元コードまたは2次元コード化したもの、さらには、特典を入手するために付与されるパスワード、パスワードを1次元コードまたは2次元コード化したものなどが該当する。また、特典を入手可能なネットワーク上のURLと、文字列、パスワードを組み合わせたもの、これらの組み合わせを1次元コードまたは2次元コード化したものなどであっても良い。
また、特典とは、遊技者にとって利益となる情報や物品、権利などであれば良く、例えば、携帯電話の待ち受け画面や着信音、PCに用いる壁紙やゲームに用いられているBGMなどのデータコンテンツ、現実の賞品、賞品を獲得可能となる権利(抽選権)、次回ゲームを行う際に、特殊な演出モードでゲームを行ったり、通常(後述するパスワードが入力されない場合)よりも有利な状態でゲームを行うためのパスワード、設定値を示す情報や設定値を推測するための情報などである。
また、コード情報表示手段が、コード情報を、外部から読み取り可能な態様で表示させるとは、人間が視覚的に読み取り可能な態様(文字列の表示など)で表示させるものであっても良いし、1次元コードや2次元コードなどのように特殊な読み取り装置を用いることによって読み取り可能な態様で表示させるものであっても良い。
【0011】
手段4のスロットマシンは、手段1?3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
ゲームの進行に関わる信号を出力する第1の電子部品と遊技の進行に関わる信号が入力される第2の電子部品とのうち少なくとも一方を含む遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と、
コネクタ同士(基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610a/基板側コネクタ621aとケーブル側コネクタ611a/基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612g)での接続により着脱可能に前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)との間に設けられ、前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)とを電気的に接続するための配線(ケーブル600a、601g)と、
前記配線とコネクタ(基板側コネクタ621aとケーブル側コネクタ611a/基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612g)同士で接続され、前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)との間での信号の入出力を中継する中継基板(操作部中継基板110)と、
前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)との間における前記配線上のコネクタ同士での接続を、該コネクタ同士での接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能とする接続解除規制状態を形成する電子部品接続解除規制手段(コネクタ規制部材500a、650)と、
を備え、
前記電子部品接続解除規制手段は、
前記遊技制御基板(遊技制御基板40)と前記中継基板(操作部中継基板110)との間における前記配線(ケーブル600a)のコネクタ(基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610a/基板側コネクタ621aとケーブル側コネクタ611a)同士での接続を解除不能とする第1の電子部品接続解除規制手段(コネクタ規制部材500、650)と、
前記中継基板(操作部中継基板110)と前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)との間における前記配線(ケーブル601g)のコネクタ(基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612g)同士での接続を解除不能とする第2の電子部品接続解除規制手段(コネクタ規制部材660)と、
有する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技制御基板と中継基板との間における配線のコネクタだけでなく、中継基板と遊技用電子部品との間における配線のコネクタ同士での接続の解除が規制されることで、遊技用電子部品と遊技制御基板との間に設けられる配線の全てのコネクタ同士での接続の解除が規制される。これによりいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板に遊技の進行に関わる不正な信号を入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正な打ち込み器具を使用して特典を得るためのコード情報を容易に取得できる状態に設定したスロットマシンや、特別入賞が当選した状態に設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業の実施等を効果的に防止できる。
つまり、上記した特許文献1に示されるスロットマシンには、ゲームの制御を行う遊技制御手段が設けられた遊技制御基板などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電子部品がケーブルを介して接続されている。これら電子部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、一般的にコネクタでの接続を解除することで分離可能とされている。また、電子部品は、機種変更の際等においても交換せずに継続使用する共通部品であることから遊技機の本体に固設され、例えば遊技制御基板は、故障や機種変更の際に交換されるものであるため、例えば遊技制御基板に設けられる基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱して接続を解除することで、遊技制御基板を本体から容易に取り出して交換できるようになっている。しかしながら、遊技制御基板と電子部品との配線接続をコネクタの抜脱により容易に解除できる状態のままスロットマシンをメーカーから遊技店に出荷すると、例えば遊技店において、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱し、これに替えていわゆる打ち込み器具等の不正な器具に接続されたケーブル側コネクタを基板側コネクタに容易に接続することが可能となる。この打ち込み器具とは、例えば上記各種電子部品から遊技制御基板に入出力される信号を擬似的に再現した信号を遊技制御基板に入出力させることで、スロットマシンに設けられた各種スイッチ等を操作することなく、ゲームを自動的に進行させることができるものである。従って、例えば、特許文献1のように、ゲームの進行状況に応じて特典を取得するためのコード情報が表示されるスロットマシンにおいては、遊技店等が遊技制御基板に設けられた基板側コネクタに接続されている正規なコネクタを抜脱し、これに替えて打ち込み器具に接続された不正なコネクタを接続して、各種信号を適宜タイミングで遊技制御基板に入出力して遊技を自動的に進行させることで、コード情報、すなわち特典を得るための情報を容易に取得できる状態に設定しておくことが可能となる。よって、このような不正な打ち込み器具を使用して特典を得るための情報を容易に取得できる状態に設定したスロットマシンを、例えば遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業が実施された場合、遊技の公平性が損なわれる虞があったが、該虞れを上記手段1の構成によれば解決することができる。
また、電子部品接続解除規制手段により接続解除規制状態が形成されることで、コネクタ同士での接続を解除するためには解除規制部位を破壊しなければならず、これにより接続を解除した後に再度接続解除規制状態を形成することが極めて困難となり、かつ、手間がかかるため、上記不正行為をより効果的に抑制することができる。
また、前記中継基板は、一の遊技用電子部品と遊技制御基板との間に1つ、または複数接続されていても良く、複数の中継基板が接続される場合において、前記電子部品接続解除規制手段は、一の中継基板と他の中継基板との間における前記配線のコネクタ同士での接続を解除不能とする第3の電子部品接続解除規制手段を備えることが好ましく、このようにすることで、遊技用電子部品と遊技制御基板との間に設けられる配線の全てのコネクタ同士での接続の解除が規制される。
【0012】
尚、本手段4のスロットマシンについて、
前記遊技制御基板(遊技制御基板40)は、該遊技制御基板に形成された配線パターンに電気的に接続する基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)を有し、
前記スロットマシンは、
前記基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)に接続されるケーブル側コネクタ(ケーブル側コネクタ610a)を有し、前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)との間における配線を構成する接続ケーブル(ケーブル600a)と、
前記遊技制御基板(遊技制御基板40)を収容する基板ケース(基板ケース200)と、
前記基板ケース(基板ケース200)と別体に設けられ、該基板ケースに取り付けられた状態において当該基板ケースに収容された遊技制御基板の前記基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)と前記ケーブル側コネクタ(ケーブル側コネクタ610a)との接続を解除不能とする規制部材(コネクタ規制部材500)と、
所定の取り外し規制部位(封止片232)を破壊しない限り、前記スロットマシンの本体(取付ベース250)に対する前記基板ケース(基板ケース200)の取り外しが不能となるように該スロットマシンの本体(取付ベース250)と該基板ケース(基板ケース200)とを連結する連結手段(ワンウェイネジ)と、
を備え、
前記連結手段(ワンウェイネジ)による前記基板ケース(基板ケース200)と前記遊技機の本体(取付ベース250)との連結により、前記基板ケース(基板ケース200)からの前記規制部材(コネクタ規制部材500)の取り外しを規制することにより前記第1の電子部品接続解除規制手段が構成されるようにしても良い。
このようにすれば、規制部材を基板ケースに取り付けることで、当該基板ケースに収容された遊技制御基板の基板側コネクタとケーブル側コネクタとの接続が解除不能とされるとともに、この状態で連結手段により基板ケースとスロットマシンの本体とを連結することで基板ケースからの規制部材の取り外しが規制されることになり、取り外し規制部位を破壊して基板ケースとスロットマシンの本体との連結を解除しなければ、基板側コネクタからケーブル側コネクタとの接続を解除できない状態となる。すなわち取り外し規制部位の破壊という痕跡を残さなければケーブル側コネクタを基板ケースから分離することができない状態となり、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなる。また、故障などにより遊技制御基板を収容した基板ケースごと基板を交換する場合には、取り外し規制部位を破壊して基板ケースとスロットマシンの本体との連結を解除すれば、規制部材を基板ケースから取り外してケーブル側コネクタと基板側コネクタとの接続が解除可能となるため、無駄に規制部材を破壊することなく、基板側コネクタからケーブル側コネクタを分離させて基板ケースごとスロットマシンの本体から取り外すことが可能となる。一方、ケーブルのみを交換する場合には、規制部材を破壊して基板側コネクタとケーブル側コネクタとの接続が解除可能となるため、無駄に基板ケースを破壊することなく、基板側コネクタからケーブル側コネクタを分離させてケーブルを基板ケースから取り外すことが可能となる。
尚、規制部材は、部材そのものが基板側コネクタとケーブル側コネクタとの接続を解除不能とするものであっても良いし、第1の部材に対して結束バンドなどの第2の部材を装着することで基板側コネクタとケーブル側コネクタとの接続を解除不能とするものであっても良い。
【0013】
手段5のスロットマシンは、手段1?4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記遊技制御基板(遊技制御基板40)は、該遊技制御基板に形成された配線パターンに電気的に接続する基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)を有し、
前記スロットマシンは、
前記基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)に接続されるケーブル側コネクタ(ケーブル側コネクタ610a)を有し、前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)との間における配線を構成する接続ケーブル(ケーブル600a)と、
前記基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)の周辺位置に設けられた取付部(係止孔部513)と、
前記取付部(係止孔部513)に取り付けると、所定の分離規制部位(接続片522a)を破壊しない限り、該取付部(係止孔部513)からの分離が不能となる特殊部材(コネクタカバー520)と、
を備え、
前記ケーブル側コネクタ(ケーブル側コネクタ610a)を前記基板側コネクタ(基板側コネクタ620a)に接続した状態で前記特殊部材(コネクタカバー520)を前記取付部(係止孔部513)に取り付けることで、該特殊部材(コネクタカバー520)の一部が前記ケーブル側コネクタの抜き方向に重なる位置に配置され、該ケーブル側コネクタ(ケーブル側コネクタ610a)の抜き方向への移動を規制することにより前記第1の電子部品接続解除規制手段が構成される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続した後、基板側コネクタ周辺に設けられた取付部に対して特殊部材を取り付けるのみで、特殊部材の一部がケーブル側コネクタの抜き方向に重なり、ケーブル側コネクタの抜き方向への移動が規制されるので、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの接続の解除を規制するにあたり、その組み付け作業を軽減できる。また、例えば、遊技制御基板が基板ケースに収容された状態であっても、そのままの状態でケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続し、その後取付部に対して特殊部材を取り付けるのみで良く、このような場合には、ケーブル側コネクタと基板側コネクタとの接続の解除を規制するにあたり、その組み付け作業を一層効果的に軽減できる。また、特殊部材は一度取付部に対して取り付けられると、分離規制部位を破壊しない限り取り外すことができなくなるため、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなる。
尚、取付部は、前記基板側コネクタの周辺位置に設けられているものであれば良く、基板自体に設けられているものであっても良いし、遊技制御基板を収容する基板ケースに設けられているものであっても良いし、遊技制御基板または基板ケースに取り付けられる部材に設けられるものであっても良い。
【0014】
手段6のスロットマシンは、手段1?5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、
前記遊技制御手段を構成するマイクロコンピュータ(CPU41a)が動作を行うためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶する記憶領域を有し、前記スロットマシンへの電力供給が停止しても該記憶領域に記憶されているデータを保持することが可能なデータ記憶手段(RAM41c)と、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)の起動時に、前記データ記憶手段(RAM41c)に記憶されているデータに基づいて該遊技制御手段(メイン制御部41)の制御状態を復帰させる遊技制御状態復帰処理を実行する遊技制御状態復帰処理手段と、
を含み、
前記スロットマシンは、前記電力供給が停止している状態で前記遊技用電子部品(投入メダルセンサ31)と前記遊技制御基板(遊技制御基板40)との間における配線上のコネクタ同士での接続が解除された場合に、前記データ記憶手段(RAM41c)に保持されているデータを初期化させる(CPU41aは、起動時に断線監視用IC50に断線フラグが記憶されている場合にデータを初期化する)停電時データ初期化手段を更に備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間における配線上のコネクタ同士の接続の解除が必要となるが、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に大当たりの当選を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することでデータ記憶手段のデータが初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別入賞が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に防止することができる。
尚、前記スロットマシンへの電力供給が停止している状態で前記遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間における配線上のコネクタ同士での接続が解除された場合に、前記データ記憶手段に保持されているデータを初期化させる停電時データ初期化手段は、回路構造上、前記スロットマシンへの電力供給が停止している状態で前記遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間における配線上のコネクタ同士での接続が解除された場合に前記データ記憶手段に保持されているデータが失われるものであっても良いし、前記スロットマシンへの電力供給が停止している状態で前記遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間における配線上のコネクタ同士での接続が解除されたか否かを監視する監視手段を設けるとともに、接続が解除された場合にはその旨を記憶しておき、起動時に接続が解除された旨が記憶されている場合にデータ記憶手段に保持されているデータを制御的に初期化するものであっても良い。
また、前記遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間における配線上のコネクタ同士での接続が解除された場合とは、前記遊技用電子部品と前記遊技制御基板との間における配線上のコネクタ同士での接続が機械的に解除された場合及び電気的に解除された場合のどちらでも良い。
【0015】
手段7のスロットマシンは、手段1?6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
ゲームの進行上で使用する報知手段(液晶表示器51など)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナス)への移行を伴う特別入賞(特別役)を含む入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定され、該特別入賞(特別役)が発生しなかったときに、当該特別入賞の発生を許容する旨の決定(特別役の当選フラグ)を次ゲーム以降に持ち越す持越手段と、
前記特別入賞(特別役)の発生を許容する旨が決定されている旨を示す特別決定情報(特別役の当選フラグ)を含む、前記遊技制御手段(メイン制御部41)を構成するマイクロコンピュータ(CPU41a)が動作を行うためのデータを読み出し及び書き込み可能に記憶する記憶領域を有し、前記スロットマシンへの電力供給が停止しても該記憶領域に記憶されているデータを保持することが可能なデータ記憶手段(RAM41c)と、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)の起動時に、前記データ記憶手段(RAM41c)に記憶されているデータに基づいて該遊技制御手段(メイン制御部41)の制御状態を復帰させる遊技制御状態復帰処理を実行する遊技制御状態復帰処理手段と、
前記遊技制御状態復帰処理手段によって前記遊技制御手段(メイン制御部41)の制御状態を復帰させる際に、前記特別決定情報(特別役の当選フラグ)が記憶されているか否かを判定する特別決定情報判定手段と、
前記特別決定情報判定手段が前記特別決定情報(特別役の当選フラグ)が記憶されていると判定した場合に、前記特別入賞(特別役)の発生が許容されている旨を前記報知手段(液晶表示器51など)にて報知させる報知制御を行う起動時報知制御手段と、
を含む
ことを特徴としている。
この特徴によれば、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別入賞の当選を設定しても、遊技制御手段を再起動させた際に、特別入賞に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別入賞が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に防止することができる。
また、起動時に特別入賞の発生を許容する旨が決定されている状態で復帰する場合には、ゲームの進行上で使用する報知手段で特別入賞の発生が許容されている旨が報知されるので、報知手段がない状態で営業を開始することは困難であり、報知手段を取り外して報知させないようにするといった細工をすることを防止できるので、遊技店による不正営業を一層確実に防止することができる。
尚、遊技制御手段の起動時とは、電源投入に伴う起動時や、遊技制御手段の不具合に伴う再起動時などが該当する。
また、ゲームの進行上で使用する報知手段とは、ゲームの状況やクレジットの記憶数などを報知する表示器や告知用のランプ、演出用の表示装置、ランプなどが該当する。
また、前記起動時報知制御手段が、前記特別入賞の発生が許容されている旨を前記放置手段にて報知させる報知制御を行うとは、遊技制御手段が報知手段を直接制御して前記特別入賞の発生が許容されている旨を報知させるものであっても良いし、例えば遊技制御手段とは別個に演出の制御を行う演出制御手段を設け、遊技制御手段が演出制御手段に対して前記特別入賞の発生が許容されている旨の報知を指示し、報知手段を間接的に制御して前記特別入賞の発生が許容されている旨を報知させるものであっても良い。
【0016】
手段8のスロットマシンは、手段1?7のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、
遊技者所有の遊技用価値(クレジット:遊技者所有のメダル数)を記憶する遊技用価値記憶手段(RAM41cに割り当てられたクレジットカウンタ)と、
少なくとも前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値(クレジット)を用いて賭数を設定する賭数設定手段と、
所定の遊技用価値返却操作手段(精算スイッチ10)の操作に応じて前記遊技用価値記憶手段に記憶されている遊技用価値(クレジット)を返却させる遊技用価値返却制御(クレジットの精算処理)を行う遊技用価値返却制御手段と、
を含み、
前記スロットマシンは、
所定条件(特別役の入賞、連続演出の開始)の成立に基づいて、1ゲームを超えて連続遊技効果音(BGM)を継続して出音する制御を行う出音制御手段(サブ制御部91による出音制御)と、
前記出音制御手段が通常音量にて連続遊技効果音(BGM)を出音している状態において、前記ゲームが終了した後、前記賭数設定手段による賭数の設定がなされずに所定時間(30秒)が経過したときに、該スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御を行う音量低減制御手段(サブ制御部91による消音制御)と、
を備え、
前記音量低減制御手段は、前記出音制御手段が前記通常音量にて連続遊技効果音(BGM)を出音している状態で、前記遊技用価値返却制御手段による遊技用価値返却制御(クレジットの精算処理)が実行されたときにも、前記スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、連続遊技効果音が通常音量で出音されている状態で、前回のゲームが終了してから賭数の設定がなされないまま所定時間が経過した場合、すなわち、前回のゲームが終了してからゲームの進行に関わる操作がなされない状態が所定時間継続した場合だけでなく、遊技者による遊技用価値返却操作手段の操作に応じて遊技用価値返却制御が行われることでもスロットマシンから出力される効果音の音量が下がる。すなわち、連続遊技効果音が通常音量で出音されている状態では、前回のゲームが終了してから所定時間が経過する前であっても、遊技者の意思によりスロットマシンから出力される効果音の音量を下げることができるため、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
【0017】
手段9のスロットマシンは、手段1?8のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、
遊技者による賭数の設定操作(メダルの投入、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6によるクレジットのベット操作)に応じて賭数を設定する賭数設定手段と、
前記賭数設定手段により設定された賭数を記憶する賭数記憶手段(RAM41cに割り当てられたBETカウンタ)と、
所定の賭数返却操作手段(精算スイッチ10)の操作に応じて前記賭数記憶手段に記憶されている賭数に相当する遊技用価値を返却させる賭数返却制御(賭数の精算処理)を行う賭数返却制御手段と、
を含み、
前記スロットマシンは、
所定条件(特別役の入賞、連続演出の開始)の成立に基づいて、1ゲームを超えて連続遊技効果音(BGM)を継続して出音する制御を行う出音制御手段(サブ制御部91による出音制御)と、
前記出音制御手段が通常音量にて連続遊技効果音(BGM)を出音している状態において、前記ゲームが終了した後、前記賭数設定手段による賭数の設定がなされずに所定時間(30秒)が経過したときに、該スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御を行う音量低減制御手段(サブ制御部91による消音制御)と、
を備え、
前記音量低減制御手段は、前記出音制御手段が前記通常音量にて連続遊技効果音(BGM)を出音している状態で、で前記賭数返却制御手段による賭数返却制御(賭数の精算処理)が実行されたときにも、前記スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、連続遊技効果音が通常音量で出音されている状態で、前回のゲームが終了してから賭数の設定がなされないまま所定時間が経過した場合、すなわち、前回のゲームが終了してからゲームの進行に関わる操作がなされない状態が所定時間継続した場合だけでなく、遊技者による賭数返却操作手段の操作に応じて賭数返却制御が行われることでもスロットマシンから出力される効果音の音量が下がる。すなわち、連続遊技効果音が通常音量で出音されている状態では、前回のゲームが終了してから所定時間が経過する前であっても、遊技者の意思によりスロットマシンから出力される効果音の音量を下げることができるため、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
【0018】
尚、手段8、手段9において、前記ゲームが終了したことに基づいて計時を開始するとは、前記可変表示装置の表示結果が導出されたとき、あるいは遊技用価値の付与を伴う入賞が発生した場合には該入賞に応じた遊技用価値の付与が終了したとき等、ゲームの終了に起因したタイミングから計時を開始するものを含む。
また、手段8、手段9において、1ゲームを超えて連続遊技効果音を継続して出音するとは、例えばゲーム中に出音を開始してから、当該ゲームが終了した後も継続して連続遊技効果音を出音することであり、1ゲームが終了した後、次以降のゲームが開始されるまでの間継続して出音するもの、つまり複数ゲームにわたり継続して出音するもののみに限定されるものではなく、1ゲームが終了した後、少なくとも次ゲームが開始可能な状態となるまでの間(所定数の賭数が設定されるまでの間)継続して出音するもの等も含まれる。
また、手段8、手段9において、スロットマシンから出力される効果音の音量を下げる制御とは、スロットマシンから出力される効果音の音量のレベルを通常のレベルよりも下げる制御であっても良いし、完全に消音する制御であっても良い。さらに現在出力されている効果音を停止し、それよりも出力音量の低い効果音を出力する制御であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
【図2】リールの図柄配列を示す図である。
【図3】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【図4】遊技制御基板と該遊技制御基板に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。
【図5】遊技制御基板における断線監視ICの周辺の構成を示す回路図である。
【図6】当選役テーブルを示す図である。
【図7】各遊技状態における内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例をそれぞれ示す図である。
【図8】各遊技状態における内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例をそれぞれ示す図である。
【図9】各遊技状態における内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例をそれぞれ示す図である。
【図10】各遊技状態における内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例をそれぞれ示す図である。
【図11】報知モード別の特徴を示す図である
【図12】BB演出モード別の特徴を示す図である。
【図13】(a)?(c)は、連続演出及び追加演出のパターンを選択するための連続演出選択テーブルを示す図である。
【図14】デモ演出と2次元コードの表示との関係を示すタイミングチャートである。
【図15】特典入手情報の作成手順を示す図である。
【図16】音量調整とゲームの進行状況との関係を示すタイミングチャートである。
【図17】音量調整とゲームの進行状況との関係を示すタイミングチャートである。
【図18】デモ演出、履歴閲覧とゲームの進行状況との関係を示すタイミングチャートである。
【図19】サブ制御部に搭載された表示制御回路の構成を示す図である。
【図20】VRAM領域の構成を示す図である。
【図21】描画領域に対して描画を行う際にVRAM領域に必要なキャラクタが配置された状態の一例を示す図である。
【図22】描画領域へのキャラクタなどの描画の状況の一例を示す図である。
【図23】デモ演出、履歴閲覧と連続演出との関係を示すタイミングチャートである。
【図24】メイン制御部のCPUが起動時に実行する起動処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図25】メイン制御部のCPUがエラー発生時に実行するエラー処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図26】メイン制御部のCPUが起動処理において実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図27】メイン制御部のCPUが起動処理後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図28】メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図29】メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図30】メイン制御部のCPUが入賞判定処理において実行する入賞時処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図31】メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行するゲーム終了時処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図32】メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行するゲーム終了時処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図33】メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行するゲーム終了時処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図34】メイン制御部のCPUが定期的に実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【図35】メイン制御部のCPUが定期的に実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【図36】メイン制御部のCPUがタイマ割込処理(メイン)において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図37】メイン制御部のCPUが、電断検出回路から電圧低下信号の入力されることによって実行する電断割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【図38】サブ制御部のCPUが起動時に実行する起動処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
【図39】サブ制御部のCPUがタイマ割込処理(サブ)において実行する表示制御確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【図40】サブ制御部のCPUが、電断検出回路から電圧低下信号の入力されることによって実行する電断割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
【図41】基板ケース及び基板ケースをスロットマシンの本体をなす筐体に取り付けるための取付ベース、コネクタ規制部材を示す分解斜視図である。
【図42】基板ケース及び基板ケースをスロットマシンの本体をなす筐体に取り付けるための取付ベース、コネクタ規制部材を示す分解斜視図である。
【図43】基板ケースを取付ベースに組み付けた状態を示す斜視図である。
【図44】コネクタ規制部材を構成する取付側部材及びコネクタカバーの要部拡大斜視図である。
【図45】(a)は、図44のA-A断面図であり、(b)(c)は、図44のB-B断面図である。
【図46】基板ケースを取付ベースに組み付け、更に取付側部材に対してコネクタカバーを装着した状態を示す斜視図である。
【図47】(a)は、図46のC-C断面図であり、(b)は、図46のD-D断面図である。
【図48】コネクタ規制部材を構成する載置台及びカバー部材を示す分解斜視図である。
【図49】載置台に対してカバー部材を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図50】(a)は、図49のE-E断面図であり、(b)は、図49のF-F断面図である。
【図51】変形例1における基板ケース、コネクタカバーの構造を示す斜視図である。
【図52】変形例1におけるコネクタカバーの取付状況を示す斜視図である。
【図53】変形例1におけるコネクタカバーの解除状況を示す斜視図である。
【図54】変形例1におけるコネクタカバーの解除状況を示す斜視図である。
【図55】変形例2における基板ケース、コネクタカバーの構造を示す斜視図である。
【図56】変形例2におけるコネクタカバーの解除状況を示す斜視図である。
【図57】変形例2におけるコネクタカバーの解除状況を示す斜視図である。
【図58】変形例2におけるコネクタカバーの解除状況を示す斜視図である。
【図59】変形例3における基板ケース、コネクタカバーの構造を示す斜視図である。
【図60】(a)(b)は、変形例3におけるコネクタカバーの取付状況を示す斜視図である。
【図61】変形例4における基板ケース、コネクタカバーの構造を示す斜視図である。
【図62】変形例4におけるコネクタカバーの取付状況を示す斜視図である。
【図63】変形例4におけるコネクタカバーの取付状況を示す斜視図である。
【図64】変形例4におけるコネクタカバーの解除状況を示す斜視図である。
【図65】遊技制御基板におけるメイン制御部の電源まわりの構成の変形例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例1を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
【0022】
本実施例のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0023】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「プラム」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0024】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0025】
前面扉の各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図3参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施例では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
【0026】
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では後述の初期遊技状態、RT(1)(リプレイタイム(1))及びRT(2)(リプレイタイム(2))においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、既に行われた遊技の結果に関する遊技履歴データの閲覧や初期化、演出モードを選択する際に操作される選択スイッチ56及び決定スイッチ57、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0027】
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
【0028】
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0029】
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
【0030】
前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
【0031】
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
【0032】
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0033】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1?L4(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、本実施例では、規定数の賭数として後述する初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0034】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインある。本実施例では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4の4種類が入賞ラインとして定められている。
【0035】
尚、本実施例では、入賞ラインとして上述したL1?L4を適用しているが、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定される入賞ラインを加えて適用しても良い。
【0036】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0037】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1?L4上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、後述の初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては10枚、後述のレギュラーボーナスにおいては15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1?L4上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0038】
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0039】
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0040】
特に、本実施例のスロットマシンにおいては、電源基板100で生成された電圧を各部に供給する電源ラインのうち、少なくとも後述するサブ制御部91(CPU91a)及び後述する表示制御回路92に電圧を供給する電源ラインと、液晶表示器51に搭載された後述する液晶駆動回路1215に電圧を供給する電源ラインと、後述するLED駆動回路93に電圧を供給する電源ラインと、後述するリールLED55に電圧を供給する電源ラインと、がそれぞれ電気的に独立して配線されている。
【0041】
尚、電気的に独立して配線するとは、同一ケーブルもしくは同一基板上に配線されている場合でも、これらの配線ラインが電気的に非接触状態で設けられていることである。
【0042】
また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0043】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0044】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1?3BETLED14?16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0045】
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0?16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路42から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0046】
CPU41aには、処理を実行するのに必要なデータの読み出し及び書き込みが行われる複数のレジスタ(記憶領域)が設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるA、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用データが格納されるB、C、D、E、H、Lレジスタ、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ、スタックポインタ(後述するスタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ、後述するリフレッシュ動作を行うRAM41cのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ、RAM41cの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタが設けられている。
【0047】
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0048】
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
【0049】
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1?4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
【0050】
本実施例では、割込1?4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理(メイン)を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
【0051】
また、CPU41aは、割込1?4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
【0052】
また、CPU41aは、割込1?4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
【0053】
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うための前述したR(リフレッシュ)レジスタが設けられている。Rレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
【0054】
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0055】
CPU41aは、起動時において、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効、自動精算機能の有効/無効を設定するようになっている。打止スイッチ36及び自動精算スイッチ29の状態は起動時においてのみ取得し、取得した状態に基づいて打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されるため、その後に打止スイッチ36や自動精算スイッチ29が操作されても、新たに打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されることはない。
【0056】
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0?16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
【0057】
断線監視IC50は、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視し、これらの接続状態の一方でも解除された場合には、これらの接続状態が解除された旨を示す断線フラグを断線監視IC50の内部に設けられたEEPROM(図示略)等の記憶部に記憶するようになっている。断線監視IC50は、CPU41aからの断線フラグの確認要求に応じて断線フラグが記憶されているか否かを返信し、この時点で断線フラグが記憶部に記憶されていればクリアする。
【0058】
また、断線監視IC50にも停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、例えば2?3日間停電状態が継続しない限り、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態の監視を継続できるようになっている。
【0059】
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
【0060】
演出制御基板90には、前述した選択スイッチ56、決定スイッチ57が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0061】
また、演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0062】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報(西暦/月/日/時/分/秒)を含む日時情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、演出制御基板90に接続されたスイッチ類の検出を受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0063】
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
【0064】
また、CPU91aの割込端子(図示略)は、表示制御回路92の後述するグラフィックコントローラ1200に接続されており、CPU91aは、グラフィックコントローラ1200から定期的(本実施例では、33.3ms毎)に出力されるVブランク割込信号の入力に基づいて割込を発生させてVブランク割込処理を実行する。
【0065】
CPU91aは、グラフィックコントローラ1200から後述する転送処理、読込処理、描画処理などの終了時にそれぞれ出力される、転送終了割込信号、読込終了割込信号、描画終了割込信号の入力に基づいて割込を発生させて転送終了割込処理、読込終了割込処理、描画終了割込処理をそれぞれ実行する。尚、転送終了割込信号は、CPU91aの割込端子に加えて通常の信号入力端子にも接続されており、割込端子以外にも入力ポートを介して転送終了割込信号をCPU91aが検出できるようになっている。
【0066】
また、CPU91aの割込端子(図示略)は、前述した電断検出回路98と接続されており、CPU91aは電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込を発生させて後述する電断割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
【0067】
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、電断割込処理(サブ)を除く他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、電断割込処理(サブ)を除く他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。尚、電断割込処理(サブ)を除く割込処理の実行中は、ストローブ信号(INT)の入力に基づく割込以外の割込が禁止されるようになっている。これに対して電断割込処理(サブ)においては、コマンド受信割込処理を含む他の割込処理が一切禁止されており、更に他の割込が同時に発生しても電断割込処理(サブ)を最優先で実行するようになっている。
【0068】
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0069】
また、時計装置97にも停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、例えば2?3日間停電状態が継続しない限り、日時情報がリセットされることがないようになっている。
【0070】
次に、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される各種遊技用電子部品との配線接続状態の詳細について、図4に基づいて説明する。尚、図4は、遊技制御基板40と該遊技制御基板40に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。
【0071】
遊技制御基板40には、前述したように、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33L、33C、33R、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、演出制御基板90が接続されている。
【0072】
図4には、遊技制御基板40と接続される各種スイッチ、センサ等の電子部品のうち、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、ゲームを開始させる際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31、リール2L、2C、2Rの回転を検出するためのリールセンサ33L、33C、33R、入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ35及び演出制御基板90が示されており、他のスイッチ、センサ等の図示は省略されている。
【0073】
演出制御基板90を除く上記遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
【0074】
そして、これら遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
【0075】
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板40にBET信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6及び投入メダルセンサ31はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0076】
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ7は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にスタート信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ7はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0077】
リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ8L、8C、8Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板40にストップ信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール2L、2C、2Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール2L、2C、2Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ8L、8C、8Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0078】
リール2L、2C、2Rの回転を検出するリールセンサ33L、33C、33Rは、リールの基準位置の検出信号を遊技制御基板40に出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該リールの基準位置の検出信号の受信に基づいて該当するリール2L、2C、2Rの図柄の位置を把握して回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール2L、2C、2Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ33L、33C、33Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0079】
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ35は、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板40にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。メイン制御部41は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ35はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0080】
また、リール2L、2C、2Rを回転させるリールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ32L、32C、32Rは、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてリール2L、2C、2Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール2L、2C、2Rを回転しなかったとしても、メイン制御部41は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ33L、33C、33Rからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ33L、33C、33Rから信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ32L、32C、32Rは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0081】
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ34は、入賞の発生に応じて遊技制御基板40から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ34は、遊技制御基板40から出力される駆動信号の入力に基づいてホッパータンクを駆動させてメダルを払い出すものであるが、該信号入力に基づいて実際にホッパータンクを駆動しなかったとしても、メイン制御部41は、ホッパータンクの駆動信号を出力した後に上記払出センサ35からの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ35から信号が遊技制御基板40に入力されるタイミングは、ホッパータンクの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、前述した打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパータンクの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ34は、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
【0082】
また、これら遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板40や演出制御基板90等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。つまり、遊技制御基板40を取り外す際には遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35との接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35と遊技制御基板40とは中継基板を経由して接続されているとともに、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品とはケーブルを介して接続されている。またケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されている。
【0083】
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31は、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続され、リールモータ32L、32C、32R及びリールセンサ33L、33C、33Rは、リール中継基板120を経由して遊技制御基板40と配線接続され、ホッパーモータ34及び払出センサ35は、電源基板100を経由して遊技制御基板40と配線接続され、演出制御基板90は、演出中継基板80を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
【0084】
操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板100、演出制御基板90には、遊技制御基板40と各電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
【0085】
また、このように各種電子部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体所定箇所に取り付けた各中継基板110、120、100、80を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
【0086】
遊技制御基板40と操作部中継基板110とは、ケーブル600aを介して接続され、遊技制御基板40とリール中継基板120とは、ケーブル600bを介して接続され、遊技制御基板40と電源基板100とは、ケーブル600cを介して接続されており、また、演出制御基板90と演出中継基板80とは、ケーブル600dを介して接続されている。
【0087】
操作部中継基板110と1枚BETスイッチ5とはケーブル601aを介して接続され、操作部中継基板110とMAXBETスイッチ6とはケーブル601bを介して接続され、操作部中継基板110とスタートスイッチ7とはケーブル601cを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Lとはケーブル601dを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Cとはケーブル601eを介して接続され、操作部中継基板110とストップスイッチ8Rとはケーブル601fを介して接続され、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31とはケーブル601gを介して接続されている。
【0088】
また、リール中継基板120とリールモータ32Lとはケーブル601hを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Cとはケーブル601jを介して接続され、リール中継基板120とリールモータ32Rとはケーブル601lを介して接続されている。また、リール中継基板120とリールセンサ33Lとはケーブル601iを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Cとはケーブル601kを介して接続され、リール中継基板120とリールセンサ33Lとはケーブル601mを介して接続されている。また、電源基板100とホッパーモータ34とはケーブル601nを介して接続され、電源基板100と払出センサ35とはケーブル601oを介して接続され、演出中継基板80と演出制御基板90とはケーブル601pを介して接続されている。
【0089】
これら各ケーブル600a?600c、601a?601oは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、ケーブル600aの両端には、ケーブル側コネクタ610a、611aが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610aは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611aは、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。ケーブル600bの両端には、ケーブル側コネクタ610b、611bが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610bは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611bは、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。ケーブル600cの両端には、ケーブル側コネクタ610c、611cが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610cは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611cは、電源基板100に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。ケーブル600dの両端には、ケーブル側コネクタ610d、611dが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610dは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611dは、演出中継基板80に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
【0090】
また、一端が1枚BETスイッチ5に接続されたケーブル601aの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622aに接続可能なケーブル側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ6に接続されたケーブル601bの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622bに接続可能なケーブル側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ7に接続されたケーブル601cの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622cに接続可能なケーブル側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ8Lに接続されたケーブル601dの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622dに接続可能なケーブル側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ8Cに接続されたケーブル601eの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622eに接続可能なケーブル側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ8Rに接続されたケーブル601fの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622fに接続可能なケーブル側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ31に接続されたケーブル601gの他端には、操作部中継基板110に固設された基板側コネクタ622gに接続可能なケーブル側コネクタ612gが設けられている。
【0091】
また、一端がリールモータ32Lに接続されたケーブル601hの他端及び一端がリールセンサ33Lに接続されたケーブル601iの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622hに接続可能なケーブル側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ32Cに接続されたケーブル601jの他端及び一端がリールセンサ33Cに接続されたケーブル601kの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622iに接続可能なケーブル側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ32Rに接続されたケーブル601lの他端及び一端がリールセンサ33Rに接続されたケーブル601mの他端には、リール中継基板120に固設された基板側コネクタ622jに接続可能なケーブル側コネクタ612jが設けられている。
【0092】
また、一端がホッパーモータ34に接続されたケーブル601nの他端及び一端が払出センサ35に接続されたケーブル601oの他端には、電源基板100に固設された基板側コネクタ622kに接続可能なケーブル側コネクタ612kが設けられている。
【0093】
また、ケーブル601pの両端には、ケーブル側コネクタ612p、613pが設けられており、一方のケーブル側コネクタ612pは、遊技制御基板40に固設された基板側コネクタ622pに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ613pは、演出制御基板90に固設された基板側コネクタ623pに接続可能なコネクタである。
【0094】
尚、本実施例では、各電子部品5、6、7、8、31、32L、32C、32R、33L、33C、33R、34、35からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていても良い。
【0095】
上述のように、各基板と各ケーブルとは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a?620d、621a?621d、622a?622k、622p、623pと、ケーブル側に設けられるケーブル側コネクタ610a?610d、611a?611d、612a?612k、612p、613pとからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板40、操作部中継基板110、リール中継基板120、電源基板100、演出制御基板90は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板40や演出制御基板90の交換が容易に行うことができる。
【0096】
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6または投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作が行われていないのに賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ8L、8C、8Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。リールセンサ33L、33C、33Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール2L、2C、2Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ35と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板40にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
【0097】
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ32L、32C、32Rと遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ33L、33C、33Rから遊技制御基板40に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。また、ホッパーモータ34と遊技制御基板40との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板40から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板40から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ35から遊技制御基板40に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
【0098】
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品5、6、7、8L、8C、8R、31、33L、33C、33R、35から出力され、本来であれば遊技制御基板40に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるとともに、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力され、本来であれば第2の電子部品32L、32C、32R、34に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、メイン制御部41がリールモータやホッパーモータの駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号が遊技制御基板40に入力された場合には、メイン制御部41は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。よって、本実施例では、打ち込み器具の接続による不正行為を防止する種々の対策が施されている。尚、これらの対策については後に詳述する。
【0099】
次に、遊技制御基板40における断線監視IC50の周辺の構成を説明する。
【0100】
遊技制御基板40には、電源基板100の電圧生成回路により生成された+5Vの直流電圧が供給される。電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、断線監視IC50の駆動電源として電源端子(VDD)に供給されるとともに、図5に示すように、遊技制御基板40上で分岐して遊技制御基板40と操作部中継基板110を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板110、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ31で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板110、ケーブル600aを経由して遊技制御基板40に戻り、更に、遊技制御基板40と演出中継基板80を配線接続するケーブル600d、演出中継基板80、演出中継基板80と演出制御基板90を配線接続するケーブル601p、を経由し、更に、演出制御基板90で折り返して、ケーブル601p、演出中継基板80、ケーブル600dを経由して再度遊技制御基板40に戻り、断線監視IC50の入力端子(IN)に接続信号として入力されるようになっている。
【0101】
このため、本実施例では、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、遊技制御基板40の基板側コネクタ620dとケーブル600dのケーブル側コネクタ610dとの接続、ケーブル600dのケーブル側コネクタ611dと演出中継基板80の基板側コネクタ621dとの接続、演出中継基板80の基板側コネクタ622pとケーブル601pのケーブル側コネクタ612pとの接続、ケーブル601pのケーブル側コネクタ613pと演出制御基板90の基板側コネクタ623pとの接続、のいずれかの接続を解除することで、断線監視IC50の入力端子(IN)へ入力されている接続信号が遮断され、これにより断線監視IC50が遊技制御基板40と投入メダルセンサ31間及び遊技制御基板40と演出制御基板90間の断線を検出するようになっている。すなわち遊技制御基板40と投入メダルセンサ31の間のコネクタ同士の接続及び遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、断線監視IC50により断線が検出されるようになっている。
【0102】
また、図5に示すように、電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、遊技制御基板40上で分岐して電源基板100側でグラウンドレベルに接続されるとともに、その間には大容量のコンデンサC1が設けられている。D1は逆流防止用のダイオードである。これにより+5Vの直流電圧をコンデンサC1に蓄積可能とされ、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサC1に蓄積された電圧を、断線監視IC50を駆動するためのバックアップ電源として供給できるようになっており、通電時であるか停電時であるかに関わらず断線監視IC50が遊技制御基板40と投入メダルセンサ31間及び遊技制御基板40と演出制御基板90間の断線を検出できるようになっている。
【0103】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
【0104】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0105】
本実施例のスロットマシン1において、CPU41aは、その起動時において断線監視IC50に断線フラグの確認要求を行い、これに伴う断線監視IC50からの返信に基づき断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーコードをレジスタにセットして断線異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、断線異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されることがないうえに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0106】
また、CPU41aは、定期的に実行されるタイマ割込処理においても断線監視IC50の断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合には、起動時と同様に断線異常と判定し、断線異常エラーコードをレジスタにセットして断線異常エラー状態に制御し、この場合にも元の状態には復帰不可能となり、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0107】
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
【0108】
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0109】
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定するとともに、内部抽選に用いる設定値が適正な値であるか否かを判定する。
【0110】
そして、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合、または内部抽選に用いる設定値が適正な値でない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、前述のようにRAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
【0111】
また、CPU41aは、起動時にRAM41cに記憶されているデータに基づいて処理状態を電断前の状態に復帰させる場合に、いずれかの特別役の当選フラグが設定されているか否か、すなわち電断前にいずれかの特別役が当選していたか否かを判定し、いずれかの特別役の当選フラグが設定されている場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、サブ制御部91に対して特別役が当選している旨の報知を指示する。一方、いずれの特別役の当選フラグも設定されていない場合には、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを送信する。サブ制御部91のCPU91aは、起動時にメイン制御部41から電源投入コマンドを受信したときに、特別役の当選を示す電源投入コマンドであれば液晶表示器51などによって特別役の当選を示す告知演出を実行し、その後その特別役が入賞するまで継続するのに対して、特別役の非当選を示す電源投入コマンドであれば、バックアップされている演出状態に復帰する。
【0112】
また、サブ制御部91のCPU91aは、電源投入コマンドか、後述するようにメイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示す初期化コマンドを受信するまでは、バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行わないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、CPU91aは、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行われることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能である。
【0113】
すなわち、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であるため、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
【0114】
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)があり、このうちレギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)に対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)にあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1?L4が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1?L4が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1?L4が有効化されることとなる。
【0115】
また、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0116】
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0117】
図6は、当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納されており、内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して、抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(0?20)が登録されている。
【0118】
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスが、小役としてスイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルが、再遊技役としてリプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)が定められている。また、スロットマシン1における役の組み合わせとしては、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)が定められている。ただしリプレイ(2)?(4)は単独で抽選の対象となることはなく、必ずリプレイ(1)との組み合わせが抽選の対象となるため、役及び役の組み合わせの合計は21となっている。
【0119】
本実施例では、図6に示すように、遊技状態が、初期遊技状態(初期遊技状態とは後述するボーナス中、RT(1)及びRT(2)以外の遊技状態であり、いずれかのボーナスの終了後、設定変更後、RT(1)の終了後、またはRT(2)の終了後の遊技状態が該当する)、RT(1)またはRT(2)であるか、レギュラーボーナスであるか、によって抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。更に遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)である場合には、いずれかの特別役の持ち越し中か否か(特別役の当選フラグにいずれかの特別役が当選した旨が既に設定されているか否か)によっても抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。また、初期遊技状態であるか、RT(1)であるか、RT(2)であるか、によって抽選の対象となる役及び役の組み合わせは同じであるが当選確率が異なる。本実施例では、遊技状態に応じた状態番号が割り当てられており、内部抽選を行う際に、現在の遊技状態に応じた状態番号を設定し、この状態番号に応じて抽選対象となる役を特定することが可能となる。具体的には、初期遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「0」が設定され、RT(1)においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「1」が設定され、RT(2)においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「2」が設定され、初期遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「3」が設定され、RT(1)においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「4」が設定され、RT(2)においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「5」が設定され、レギュラーボーナスである場合には、状態番号として「6」が設定されるようになっている。
【0120】
図6に示すように、遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」、「1」、「2」のいずれかが設定されている場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベル、すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「3」、「4」、[5]のいずれかが設定されている場合には、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベル、すなわち役番号11以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベル、すなわち役番号15以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。
【0121】
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては5枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては2枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL1、L3または入賞ラインL2、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組み合わせが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては4枚のメダルが払い出されることとなるが、レギュラーボーナスでは、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞しても、1ゲームにおいて払い出されるメダル枚数の上限が15枚に設定されているため、15枚のみメダルが払い出されることとなる。1枚(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「赤7-ベル-any(anyはいずれの図柄でも可)」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては1枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。1枚(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7-ベル-any」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては1枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。1枚(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒BAR-ベル-any」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては1枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル-ベル-ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては10枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。
【0122】
リプレイ(1)は、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「リプレイ-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「赤7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「白7-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(4)は、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「黒BAR-リプレイ-リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)?(4)が入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0123】
レギュラーボーナスは、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「黒BAR-黒BAR-赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスが入賞すると、遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
【0124】
ビッグボーナスは、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)において入賞ラインのいずれかに「赤7-赤7-赤7」の組み合わせ、または「白7-白7-赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。また、これらの組み合わせのうち「赤7-赤7-赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となるビッグボーナスはビッグボーナス(1)であり、「白7-白7-赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となるビッグボーナスはビッグボーナス(2)である。ビッグボーナス(1)が入賞すると、遊技状態がビッグボーナス(1)に移行する。ビッグボーナス(1)に移行すると、ビッグボーナス(1)への移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナス(1)が終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナス(1)が終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス(1)中は、常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナス(1)は、当該ビッグボーナス(1)中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナス(1)にある間は、ビッグボーナス(1)中フラグがRAM41cに設定される。
【0125】
ビッグボーナス(2)が入賞すると、遊技状態がビッグボーナス(2)に移行する。ビッグボーナス(2)に移行すると、ビッグボーナス(2)への移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナス(2)が終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナス(2)が終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス(2)中は、ビッグボーナス(1)と同様に常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナス(2)は、当該ビッグボーナス(2)中において遊技者に払い出したメダルの総数が300枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナス(2)にある間は、ビッグボーナス(2)中フラグがRAM41cに設定される。
【0126】
尚、「赤7-赤7-赤7」によるビッグボーナス及び「白7-白7-赤7」によるビッグボーナスを区別する必要がある場合には、それぞれビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)と呼ぶものとする。また、前述したレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)をまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
【0127】
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0?16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態及び設定値に応じて定められた各役及び役の組み合わせの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組み合わせの判定値数から、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
【0128】
遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせの参照は、図6に示した当選役テーブルに登録された役番号の順番で行われる。
【0129】
遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」、「1」、[2]のいずれかが設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号0?20の役及び役の組み合わせ、すなわちビッグボーナス(1)[役番号0]、ビッグボーナス(2)[役番号1]、レギュラーボーナス[役番号2]、ビッグボーナス(1)+チェリー[役番号3]、ビッグボーナス(2)+チェリー[役番号4]、ビッグボーナス(1)+1枚(1)[役番号5]、ビッグボーナス(2)+1枚(1)[役番号6]、ビッグボーナス(1)+1枚(2)[役番号7]、ビッグボーナス(2)+1枚(2)[役番号8]、ビッグボーナス(1)+1枚(3)[役番号9]、ビッグボーナス(2)+1枚(3)[役番号10]、リプレイ(1)[役番号11]、リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12]、リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13]、リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14]、スイカ[役番号15]、チェリー[役番号16]、1枚(1)[役番号17]、1枚(2)[役番号18]、1枚(3)[役番号19]、ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0130】
遊技状態が初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「3」、「4」、[5]のいずれかが設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号11?20の役及び役の組み合わせ、すなわちリプレイ(1)[役番号11]、リプレイ(1)+リプレイ(2)[役番号12]、リプレイ(1)+リプレイ(3)[役番号13]、リプレイ(1)+リプレイ(4)[役番号14]、スイカ[役番号15]、チェリー[役番号16]、1枚(1)[役番号17]、1枚(2)[役番号18]、1枚(3)[役番号19]、ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0131】
遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「6」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号15?20の役及び役の組み合わせ、すなわちスイカ[役番号15]、チェリー[役番号16]、1枚(1)[役番号17]、1枚(2)[役番号18]、1枚(3)[役番号19]、ベル[役番号20]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
【0132】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組み合わせ及び現在の遊技状態を示す状態番号について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組み合わせに当選したものと判定される。
【0133】
そして、いずれかの役または役の組み合わせの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組み合わせに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)に設定する。内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)は、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、役番号0?2のいずれかの役(特別役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、役番号3?10のいずれかの役(特別役+一般役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、役番号11?20のいずれかの役(一般役)が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
【0134】
各役及び役の組み合わせの判定値数は、メイン制御部41のROM41bに予め格納された役別テーブル(図示略)に登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。
【0135】
判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1バイト分では記憶できないので、判定値数毎に2バイト分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。また、判定値数は、前述した遊技状態を特定可能な状態番号に対応して登録されている。同一の役または同一の役の組み合わせであっても、遊技状態に応じて当選確率が異なっている場合があるからである。また、それぞれの判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
【0136】
役別テーブルには、各役に入賞したときに払い出されるメダルの払出枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるスイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルだけである。
【0137】
また、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲーム(必ず初期遊技状態、RT(1)またはRT(2))で賭数の設定に用いるメダルの投入が不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。
【0138】
役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域は、メイン制御部41のROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
【0139】
図7?図9、図10(a)?(d)は、内部抽選用の乱数の値と各役及び役の組み合わせの判定値数と、当選との関係の一例を示す図である。図7では初期遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていないときの、図8ではRT(1)においていずれの特別役も持ち越されていないときの、図9ではRT(2)においていずれかの特別役が持ち越されていないときの、図10(a)では初期遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されているときの、図10(b)ではRT(1)においていずれかの特別役が持ち越されているときの、図10(c)ではRT(2)においていずれかの特別役が持ち越されているときの、図10(d)ではレギュラーボーナスにあるときの例をそれぞれ示している。図7?図9、図10(a)?(d)のいずれも、設定値が6の場合の例を示している。
【0140】
例えば、図7に示すように、初期遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)が内部抽選の対象となる。また、本実施例では、設定値6において、初期遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合の各役の判定値数として、10、15、30、6、6、3、3、3、5、5、5、1636、300、200、100、64、312、100、200、300、1662がそれぞれ登録されており、最初に内部抽選の対象となるビッグボーナス(1)は、判定値数の10を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16374?16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
【0141】
次に内部抽選の対象役となるビッグボーナス(2)は、ビッグボーナス(1)の判定値数10とビッグボーナス(2)の判定値数15とを合計した25を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16359?16373が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、レギュラーボーナスは、16329?16358が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+チェリーは、16323?16328が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+チェリーは、16317?16322が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(1)は、16314?16316が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+1枚(1)は、16311?16313が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(2)は、16308?16310が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+1枚(2)は、16303?16307が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)+1枚(3)は、16298?16302が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)+1枚(3)は、16293?16297が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイ(1)は、14657?16292が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイ(1)+リプレイ(2)は、14357?14656が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイ(1)+リプレイ(3)は、14157?14356が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイ(1)+リプレイ(4)は、14057?14156が内部抽選用の乱数として取得されたときに、スイカは、13993?14056が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーは、13681?13992が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(1)は、13581?13680が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(2)は、13381?13580が内部抽選用の乱数として取得されたときに、1枚(3)は、13081?13380が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルは、11419?13080が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。尚、0?11361が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
【0142】
これらの判定値数に基づいて算出される各役及び役の組み合わせのおおよその当選確率は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルのそれぞれについて、1/1638.4、1/1092.3、1/546.1、1/2730.7、1/2730.7、1/5461.3、1/5461.3、1/5461.3、1/3276.8、1/3276.8、1/3276.8、1/10.01、1/54.61、1/81.92、1/163.84、1/256、1/52.5、1/163.84、1/81.92、1/54.61、1/9.86となる。
【0143】
図8に示すように、RT(1)においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルが内部抽選の対象となり、本実施例では、設定値6において、RT(1)においていずれの特別役も持ち越されていない場合の各役の判定値数として、10、15、30、6、6、3、3、3、5、5、5、2136、50、50、50、64、312、100、200、300、1102がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1638.4、1/102.3、1/546.1、1/2730.7、1/2730.7、1/5461.3、1/5461.3、1/5461.3、1/3276.8、1/3276.8、1/3276.8、1/7.67、1/327.68、1/327.68、1/327.68、1/256、1/52.5、1/163.84、1/81.92、1/54.61、1/14.87となる。
【0144】
図9に示すように、RT(2)においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルが内部抽選の対象となり、本実施例では、設定値6において、RT(2)においていずれの特別役も持ち越されていない場合の各役の判定値数として、10、15、30、6、6、3、3、3、5、5、5、14140、1、1、1、64、312、100、200、300、1102がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1638.4、1/1092.3、1/546.1、1/2730.7、1/2730.7、1/5461.3、1/5461.3、1/5461.3、1/3276.8、1/3276.8、1/3276.8、1/1.16、1/16384、1/16384、1/16384、1/256、1/52.5、1/163.84、1/81.92、1/54.61、1/14.87となる。
【0145】
図10(a)に示すように、初期遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルのみが内部抽選の対象となり、本実施例では、設定値6において、初期遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合の各役の判定値数として、1636、300、200、100、64、324、108、208、308、1102がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/10.01、1/54.61、1/81.92、1/163.84、1/256、1/50.6、1/151.7、1/78.77、1/53.19、1/14.87となる。
【0146】
図10(b)に示すように、RT(1)においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルのみが内部抽選の対象となり、本実施例では、設定値6において、初期遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合の各役の判定値数として、2136、50、50、50、64、324、108、208、308、1102がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/7.67、1/327.68、1/327.68、1/327.68、1/256、1/50.6、1/151.7、1/78.77、1/53.19、1/14.87となる。
【0147】
図10(c)に示すように、RT(2)においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルのみが内部抽選の対象となり、本実施例では、設定値6において、初期遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合の各役の判定値数として、14140、1、1、1、64、324、108、208、308、1102がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/1.16、1/16384、1/16384、1、1/16384、1/256、1/50.6、1/151.7、1/78.77、1/53.19、1/14.87となる。
【0148】
図10(d)に示すように、レギュラーボーナスでは、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベルのみが内部抽選の対象となり、レギュラーボーナスでの各役の判定値数として、64、324、108、208、308、15208がそれぞれ登録されており、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/256、1/50.6、1/151.7、1/78.77、1/53.19、1/1.08となる。
【0149】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
【0150】
CPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
【0151】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレス(table_index)から、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレス(table_index)に対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。
【0152】
具体的には、ハズレ、スイカ、チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、ベル、リプレイ(1)、リプレイ(1)+リプレイ(2)、リプレイ(1)+リプレイ(3)、リプレイ(1)+リプレイ(4)、ビッグボーナス(1)(+ハズレ)、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+1枚(1)、ビッグボーナス(1)+1枚(2)、ビッグボーナス(1)+1枚(3)、ビッグボーナス(1)+ベル、ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)、ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)+リプレイ(2)、ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)+リプレイ(3)、ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)+リプレイ(4)、ビッグボーナス(2)(+ハズレ)、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(2)+1枚(1)、ビッグボーナス(2)+1枚(2)、ビッグボーナス(2)+1枚(3)、ビッグボーナス(2)+ベル、ビッグボーナス(2)+リプレイ(1)、ビッグボーナス(2)+リプレイ(1)+リプレイ(2)、ビッグボーナス(2)+リプレイ(1)+リプレイ(3)、ビッグボーナス(2)+リプレイ(1)+リプレイ(4)、レギュラーボーナス(+ハズレ)、レギュラーボーナス+スイカ、レギュラーボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+1枚(1)、レギュラーボーナス+1枚(2)、レギュラーボーナス+1枚(3)、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイ(1)、レギュラーボーナス+リプレイ(1)+リプレイ(2)、レギュラーボーナス+リプレイ(1)+リプレイ(3)、レギュラーボーナス+リプレイ(1)+リプレイ(4)、のそれぞれについて、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されている。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(例えば、ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)当選時と、ビッグボーナス(2)+リプレイ(1)当選時と、レギュラーボーナス+リプレイ(1)当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0153】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0154】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0155】
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0?167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1?21の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1?21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1?21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
【0156】
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0157】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0158】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0159】
次に、CPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0160】
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0161】
また、本実施例では、滑りコマ数として0?4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0162】
テーブルインデックスにおいて、いずれかの役に当選している場合に対応するアドレスには、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、ハズレに当選している場合に対応するアドレスには、いずれの役も揃わないように引き込む滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
【0163】
また、テーブルインデックスにおいて、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ベルなど)に対応するアドレスには、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、特別役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0164】
また、テーブルインデックスにおいて、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)など)に対応するアドレスには、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、後に説明するように、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0165】
また、テーブルインデックスにおいて、複数の再遊技役が当選した場合及び特別役と複数の再遊技役が当選した場合(リプレイ(1)+リプレイ(2)、ビッグボーナス(1)+リプレイ(1)+リプレイ(2)など)に対応するアドレスには、当選した再遊技役のうち優先再遊技役として定められた再遊技役(本実施例ではリプレイ(2)?(4))を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した優先再遊技役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した他方の再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められたテーブル作成用データを特定するインデックスデータが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している優先再遊技役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している優先再遊技役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している他の再遊技役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、複数の再遊技役のうち優先再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、優先再遊技役を引き込めない場合に他の再遊技役を入賞させることが可能となる。尚、優先再遊技役と他の再遊技役を同時に引き込める場合には、優先再遊技役を引き込み、これら当選している優先再遊技役と他の再遊技役が同時に入賞ライン上に揃わないようになっている。また、前述のように、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と複数の再遊技役が当選した場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずいずれかの再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0166】
本実施例では、ベルの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リール及び右リールの停止制御テーブルとして、必ず「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1上に引き込む停止制御テーブルが作成されるとともに、中リールまたは右リールの少なくとも一方の入賞ラインL1上に「ベル」図柄が停止した状態では、左リールの停止制御テーブルとして、「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1上に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールや右リールを左リールよりも先に停止させた場合には、入賞ラインL1上に「ベル」図柄を引き込み、その後左リールを停止させた際にも、必ず入賞ラインL1上に当選図柄を引き込む制御が行われる。また、左リールでは、「ベル」図柄の1図柄下、及び2図柄下の位置に「チェリー」図柄が配置されていないため、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、ベルとチェリーが同時に入賞してしまうことがない。尚、ベルの当選フラグが設定されているときに、全てのリールが未だ回転中の状態で左リールの停止操作が行われた場合には、ベルとチェリーが同時に入賞してしまう場合以外、「ベル」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1?L4のいずれかに引き込む停止制御テーブルが作成される。すなわち左リールを最初に停止させた場合には、入賞ラインL1?L4のどの入賞ラインにもベルの組み合わせが揃いうる制御が行われる。
【0167】
また、リプレイ(1)?(4)のいずれかの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リール及び右リールの停止制御テーブルとして、必ず「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込む停止制御テーブルが作成されるとともに、中リールまたは右リールの少なくとも一方の入賞ラインL3上に「リプレイ」図柄が停止した状態では、左リールの停止制御テーブルとして、リプレイ(1)?(4)に対応する当選図柄(リプレイ(1)当選時であれば「リプレイ」図柄、リプレイ(2)当選時であれば「赤7」図柄、リプレイ(3)当選時であれば「白7」図柄、リプレイ(3)当選時であれば「黒BAR」図柄)を4コマの引込範囲で入賞ラインL2上に引き込むとともに、リプレイ(2)?(4)の当選時にこれらに対応する当選図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込めない場合には、リプレイ(1)に対応する「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールや右リールを左リールよりも先に停止させた場合には、入賞ラインL3上に「リプレイ」図柄を引き込み、その後左リールを停止させた際には、4コマの引込範囲で入賞ラインL3上にリプレイ(1)?(4)に対応する当選図柄を引き込む制御が行われ、リプレイ(2)?(4)の当選時に4コマの引込範囲でリプレイ(2)?(4)に対応する当選図柄を入賞ラインL3上にも引き込むことができなければ、リプレイ(1)に対応する「リプレイ」図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込む制御が行われる。この際、リプレイ(2)?(4)に対応する当選図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込むことができれば、リプレイ(2)?(4)に対応する当選図柄を入賞ラインL3上に引き込む制御が行われ、リプレイ(2)?(4)に対応する当選図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込むことができなければ、リプレイ(1)に対応する「リプレイ」を4コマの引込範囲で入賞ラインL3上に引き込む制御が行われる。また、左リールでは、「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「白7」図柄または「黒BAR」図柄の2図柄下の位置に「チェリー」図柄が配置されていないため、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、リプレイ(1)?(4)とチェリーが同時に入賞してしまうことがない。
【0168】
また、中リールでは「リプレイ」図柄の1図柄下に「ベル」図柄が配置されている(領域番号8の「リプレイ」図柄)ものがあるが、4図柄の引込範囲内に、1図柄下の位置に「ベル」図柄が配置されていない「リプレイ」図柄(領域番号4の「リプレイ」図柄)が存在するため、中リールの中段に「リプレイ」図柄が停止し、左リールで「リプレイ」図柄が上段に停止するとともに、下段に「黒BAR」図柄が停止した場合に、入賞ラインL1上に1枚(3)の組み合わせが揃うことがなく、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、リプレイと1枚(3)が同時に入賞してしまうことがない。また、中リールでは「リプレイ」図柄の1図柄上に「ベル」図柄が配置されていないため、中リールの中段に「リプレイ」図柄が停止し、左リールで「リプレイ」図柄が下段に停止した場合に、入賞ラインL1上に1枚(1)?(3)の組み合わせが揃うことがなく、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、リプレイと1枚(1)?(3)が同時に入賞してしまうことがない。尚、リプレイ(1)?(4)のいずれかの当選フラグが設定されているときに、全てのリールが未だ回転中の状態で左リールの停止操作が行われた場合には、リプレイ(1)とチェリーが同時に入賞してしまう場合以外、当選図柄を4コマの引込範囲で入賞ラインL1?L4のいずれかに引き込む停止制御テーブルが作成される。すなわち左リールを最初に停止させた場合には、入賞ラインL1?L4のどの入賞ラインにもリプレイ(1)?(4)の組み合わせが揃いうる制御が行われる。
【0169】
また、1枚(1)?(3)のいずれかの当選フラグが設定されているときに、左リールが未だ回転している状態では、中リールの停止制御テーブルとして、必ず「ベル」図柄を4コマの引込範囲で中段に引き込む停止制御テーブルが作成され、中リールを左リールよりも先に停止させた場合には、中段に「ベル」図柄を引き込む制御が行われる。また、左リールでは、1枚(1)?(3)を構成する「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄の2図柄上、及び2図柄下に「チェリー」図柄が配置されておらず、これら「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を上段または下段に停止してもチェリーが入賞してしまうことがないので、1枚(1)?(3)のいずれかの当選フラグが設定されている状態で、左リールよりも先に中リールが停止した場合でも、1枚(1)?(3)の組み合わせが揃いうる入賞ラインが制限されてしまうことがない。
【0170】
ここで、図2に示すように、「ベル」、「リプレイ」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。つまり、ベル、リプレイ(1)の当選フラグがそれぞれ設定されているときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず当該役を入賞させることができる。
【0171】
また、図2に示すように、「スイカ」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以上の間隔、すなわち4コマを超える間隔で配置された箇所があり、スイカの組み合わせが揃いうる入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければスイカの組み合わせを揃えることができない。このため、スイカ当選時には、4コマの引込範囲以外のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にスイカの組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。
【0172】
また、「チェリー」については、左リールについて5図柄以上の間隔、すなわち4コマを超える間隔で配置された箇所があり、チェリーの組み合わせが揃いうる入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければチェリーの組み合わせを揃えることができない。このため、チェリーの当選時には、領域番号1?6、13?19、21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にチェリーの組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し、それ以外のタイミング、すなわち領域番号7?12、20のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にチェリーの組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。
【0173】
また、「赤7」、「白7」及び「黒BAR」についてはそれぞれ左リールに1個ずつしか配置されていないため、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせが揃いうる入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせを揃えることができない。このため、ビッグボーナス(1)、1枚(1)の当選時には、領域番号3?9のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(1)、1枚(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり、それ以外のタイミング、すなわち領域番号1、2、10?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(1)、1枚(1)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。また、ビッグボーナス(2)、1枚(2)の当選時には、領域番号10?16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみビッグボーナス(2)、1枚(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり、それ以外のタイミング、すなわち領域番号1?9、17?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にビッグボーナス(2)、1枚(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。また、レギュラーボーナス、1枚(3)の当選時には、領域番号1、2、18?21のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にのみレギュラーボーナス、1枚(3)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞させることが可能であり、それ以外のタイミング、すなわち領域番号3?16のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にレギュラーボーナス、1枚(3)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。
【0174】
また、前述のように「赤7」、「白7」及び「黒BAR」についてはそれぞれ左リールに1個ずつしか配置されていないため、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)の組み合わせが揃いうる入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければリプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)の組み合わせを揃えることができない。このため、リプレイ(2)の当選時には、領域番号3?9(左リール第1停止以外の場合は領域番号4?8)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し、それ以外のタイミング、すなわち領域番号1、2、10?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1?3、9?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(2)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。また、リプレイ(3)の当選時には、領域番号10?16(左リール第1停止以外の場合は領域番号11?15)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し、それ以外のタイミング、すなわち領域番号1?9、17?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1?10、16?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(3)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。また、リプレイ(4)の当選時には、領域番号1、2、18?21(左リール第1停止以外の場合は領域番号1、19?21)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(4)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞し、それ以外のタイミング、すなわち領域番号3?16(左リール第1停止以外の場合は領域番号2?17)のタイミングで左リールの停止操作がなされた場合にリプレイ(4)の組み合わせはいずれの入賞ラインにも揃うことがなく、取りこぼすこととなる。ただし、本実施例では、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)が必ずリプレイ(1)と同時に当選することとなるため、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)を取りこぼした場合でも、リプレイ(1)の組み合わせがいずれかの入賞ラインに揃って入賞することとなる。
【0175】
本実施例では、「赤7」図柄が左リールの上段、下段のいずれかに停止する表示態様(領域番号1?3、3?5)と、「白7」図柄が左リールの上段、下段のいずれかに停止する表示態様(領域番号8?10、10?12)と、「黒BAR」図柄が左リールの上段、下段のいずれかに停止する表示態様(領域番号15?17、17?19)と、がそれぞれ最大引込範囲である4コマを超えて配置されている。
【0176】
このため、「赤7」図柄を最大4コマ引き込んでいずれかの入賞ライン上に停止させることが可能な停止操作位置(領域番号3?9)で停止操作が行われた場合に、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を最大4コマ引き込んでいずれかの入賞ライン上に停止させることも、「白7」図柄を最大4コマ引き込んでいずれかの入賞ライン上に停止させることが可能な停止操作位置(領域番号10?16)で停止操作が行われた場合に、「赤7」図柄及び「黒BAR」図柄を最大4コマ引き込んでいずれかの入賞ライン上に停止させることも、「黒BAR」図柄を最大4コマ引き込んでいずれかの入賞ライン上に停止させることが可能な停止操作位置(領域番号1?9、17?21)で停止操作が行われた場合に、「赤7」図柄及び「白7」図柄を最大4コマ引き込んでいずれかの入賞ライン上に停止させることも、できないようになっている。すなわち「赤7」図柄を入賞ライン上に引込可能な範囲のうちどのタイミングで停止操作を行っても「白7」図柄及び「黒BAR」図柄が入賞ライン上に停止することがなく、「白7」図柄を入賞ライン上に引込可能な範囲のうちどのタイミングで停止操作を行っても「赤7」図柄及び「黒BAR」図柄が入賞ライン上に停止することがなく、「黒BAR」図柄を入賞ライン上に引込可能な範囲のうちどのタイミングで停止操作を行っても「赤7」図柄及び「白7」図柄が入賞ライン上に停止することのない位置に「赤7」図柄と「白7」図柄と「黒BAR」図柄とがそれぞれ配列されているので、「赤7」図柄と「白7」図柄と「黒BAR」図柄を同時に狙える停止操作位置が存在しないこととなる。
【0177】
また、左リールの領域のうちどの領域についても「赤7」図柄、「白7」図柄または「黒BAR」図柄をいずれかの入賞ライン上に引き込む領域が存在しており、「赤7」図柄、「白7」図柄または「黒BAR」図柄を入賞ライン上に引き込むことを回避可能な領域が存在しないようになっている。すなわち「赤7」図柄、「白7」図柄または「黒BAR」図柄のいずれの図柄も入賞ライン上に停止させない停止操作位置が存在しないこととなり、意図的に「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を入賞ライン上に停止させないことができないようになっている。
【0178】
また、前述のように1枚(1)?(3)のいずれかの当選フラグが設定されているときに、中リールを左リールよりも先に停止させた場合には、必ず中段に「ベル」図柄を引き込む制御が行われるようになっており、1枚(1)?(3)の組み合わせが揃いうる入賞ラインが制限されることがないため、このような場合であっても「赤7」図柄、「白7」図柄または「黒BAR」図柄のいずれの図柄も入賞ライン上に停止させない停止操作位置が存在しないこととなり、意図的に「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を入賞ライン上に停止させないことができないようになっている。
【0179】
次に、チャンス目及びリーチ目について説明する。本実施例におけるチャンス目とは、初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)においていずれかのボーナスが当選しているとき、またはチェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)のいずれかが当選しているときに導出されうる表示態様であり、本実施例では、左リールを第1停止としたこと、または右リールを第1停止とし、かつ左リールを第2停止としたことを条件に、左リールの表示結果として、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」または17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をチャンス目として適用している。
【0180】
また、リーチ目とは、初期遊技状態、RT(1)、またRT(2)においていずれかのボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)が当選しているときのみ導出されうる表示態様であり、本実施例では、左リールを第1停止としたこと、または右リールを第1停止とし、かつ左リールを第2停止としたことを条件に、左リールの表示結果として、12?14番図柄の「リプレイ・チェリー・ベル」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様(左リールの中段にチェリーが停止しても入賞ライン上ではないため、入賞とはならない)をビッグボーナス(1)、レギュラーボーナスのリーチ目として適用し、16?18番図柄の「スイカ・黒BAR・ベル」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のリーチ目として適用し、20、21、1番図柄の「リプレイ・チェリー・ベル」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様(左リールの中段にチェリーが停止しても入賞ライン上ではないため、入賞とはならない)をビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のリーチ目として適用している。
【0181】
尚、本実施例では、左リールを第1停止として停止操作がなされること、すなわち各リール2L、2C、2Rの停止操作が、左、中、右の順番、左、右、中の順番で行われたこと、または右リールを第1停止とし、かつ左リールを第2停止としたこと、すなわち各リール2L、2C、2Rの停止操作が、右、左、中の順番で行われたことを条件にチャンス目やリーチ目が成立するようになっている(中リールを第1停止とした場合には、ボーナスが当選していない場合にリーチ目と同じ表示態様が導出されたり、ボーナスや1枚(1)?(3)が当選していない場合にもチャンス目と同じ表示態様が導出されたりすることがあり得るため。)が、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われた順番に関わらず、チャンス目やリーチ目が成立するようにしても良い。
【0182】
特に、本実施例では、1枚(1)?(3)を取りこぼす可能性のあるリールが左リールのみであり、1枚(1)?(3)のいずれかが当選している状態で、左リールを第1停止とするか、右リールを第1停止とし、かつ左リールを第1停止とし、かつ取りこぼしたときにチャンス目を構成する特定の表示結果が導出されるようになっているが、中リールを第1停止とし、かつ左リールにおいて取りこぼしたときにチャンス目を構成する特定の表示結果が導出されるようにしても良い。
【0183】
また、1枚(1)?(3)を取りこぼす可能性のあるリールとして複数のリールを適用し、1枚(1)?(3)のいずれかが当選している状態で、これらのリールの停止時に1枚(1)?(3)を取りこぼしたときにチャンス目を構成する特定の表示結果が導出されるようにしても良い。また、この場合でも特定の停止順で停止操作がなされたことを条件にチャンス目が成立するようにしても良いし、停止順に関わらずチャンス目が成立するようにしても良い。
【0184】
ここで、チャンス目及びリーチ目を導出させる際のリールの停止制御の一例について説明すると、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)においていずれかのボーナスが当選し、かつ他のいずれの役も当選していない場合には、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として特定可能な停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。
【0185】
初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(1)のみが当選している場合には、チャンス目を構成する表示結果のうち、1枚(1)を入賞させることのできないタイミングで停止操作が行われたときに、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として特定可能な停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。
【0186】
また、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(2)のみが当選している場合には、チャンス目を構成する表示結果のうち、1枚(2)を入賞させることのできないタイミングで停止操作が行われたときに、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として特定可能な停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。
【0187】
また、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(3)のみが当選している場合には、チャンス目を構成する表示結果のうち、1枚(3)を入賞させることのできないタイミングで停止操作が行われたときに、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」を表示結果として特定可能な停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。
【0188】
これにより、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)においていずれかのボーナスが当選し、かつ他のいずれの役も当選していないとき、または初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているとき、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているとき、または初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(3)のみが当選しているときに、チャンス目を導出可能な停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。特に、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(1)のみが当選しているときには、1枚(1)の組み合わせを構成する「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(2)のみが当選しているときには、1枚(2)の組み合わせを構成する「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」を表示結果として導出させることが可能となり、1枚(3)の組み合わせを構成する「黒BAR」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」を表示結果として導出させることが可能となる。
【0189】
また、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)においていずれの役も当選していない場合には、チャンス目を構成する3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」以外の表示結果を特定可能な停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。これにより、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)においていずれかの役も当選していないときに、チャンス目を導出しない停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0190】
また、リール回転開始時には、内部当選状態に対応する上述の停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっており、中リールまたは右リールのいずれか1つのリールが停止している場合、または中リール及び右リールの双方が停止している場合においても、当選しているボーナスの組み合わせを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合や、当選していない役が入賞してしまう可能性がある場合を除いて、内部当選状態に対応する上述の停止制御テーブルが左リールの停止制御テーブルとして作成されるようになっている。すなわち左リールを最初に停止させた場合でも、2番目、3番目に停止させた場合でも、当選しているボーナスを構成する図柄の組み合わせが既に停止済みのリールの入賞ライン上に揃っている場合や、既に停止済みのリールの表示結果から当選していない役が入賞してしまう可能性がある場合を除いて、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(1)、1枚(2)、または1枚(3)が当選するか、いずれかのボーナスが当選していれば、チャンス目を導出可能な停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行われることとなり、いずれの役も当選していない場合には、チャンス目が導出されない停止制御テーブルに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
【0191】
本実施例においては、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(1)のみが当選している場合、及び初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(2)のみが当選している場合、及び初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(3)のみが当選している状態で、中リールを左リールより先に停止させた場合には、上述したように必ず中リールの中段に「ベル」図柄が停止する。このため、1枚(1)のみが当選している場合に「赤7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合に、他の小役の入賞が発生しないように、リールの停止制御が行われ、必ず左リールにおいて「白7」図柄及び「黒BAR」図柄がいずれの入賞ラインにも停止することはなく、1枚(2)のみが当選している状態で、「白7」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合には、他の小役が入賞しないように、リールの停止制御が行われ、必ず左リールにおいて「赤7」図柄及び「黒BAR」図柄がいずれの入賞ラインにも停止することはなく、1枚(3)のみが当選している状態で、「黒BAR」図柄を入賞ライン上に停止させることができない場合には、他の小役が入賞しないように、リールの停止制御が行われ、必ず左リールにおいて「赤7」図柄及び「白7」図柄がいずれの入賞ラインにも停止することはなく、チャンス目が導出されることはない。
【0192】
一方、初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(1)のみが当選している場合、及び初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(2)のみが当選している場合、及び初期遊技状態、RT(1)、またはRT(2)において1枚(3)のみが当選している状態で、右リールを最初に停止し、中リールを停止する前に左リールを停止する場合においては、3?5番図柄の「赤7・スイカ・白BAR」、10?12番図柄の「白7・オレンジ・リプレイ」、17?19番図柄の「黒BAR・ベル・オレンジ」が表示結果として導出されても、中リールの停止位置に応じて1枚(1)?(3)のうち当選していない組み合わせが揃うことを回避できるので、このような停止順であれば、チャンス目が導出されることがある。
【0193】
本実施例においてCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
【0194】
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
【0195】
本実施例では、初期遊技状態において1枚(1)?(3)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上に1枚(1)?(3)の役が揃ったとき)に、特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが、リプレイ(1)?(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり、かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1以下となるリプレイタイム(1)(RT(1))に制御する。遊技状態がRT(1)にある間は、RT(1)中フラグがRAM41cに設定される。そして、RT(1)は、いずれのボーナスもいずれの転落役(本実施例では、リプレイ(2)?(4))も入賞せずに規定ゲーム数(本実施例では、1枚(1)入賞時であれば200ゲーム、1枚(2)入賞時であれば250ゲーム、1枚(3)の入賞時であれば300ゲーム)に到達するか、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのボーナスに入賞することで終了するようになっている。尚、RT(1)中にいずれかのボーナスが当選した場合には、以後、規定ゲーム数に到達するか、当選したボーナスが入賞するまでは、転落役が入賞してもRT(1)は終了することがない。
【0196】
また、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが入賞したとき(いずれかの入賞ライン上にリプレイ(2)?(4)の役が揃ったとき)に、特別役(特別役が持ち越されていない場合のみ)及び小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが、リプレイ(1)?(4)の合成確率が初期遊技状態よりも高確率となり、かつ1ゲームあたりのメダルの期待増減率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1を超えるリプレイタイム(2)(RT(2))に制御する。遊技状態がRT(2)にある間は、RT(2)中フラグがRAM41cに設定される。そして、RT(2)は、いずれのボーナスもいずれの転落役(本実施例では、1枚(1)?(3))も入賞せずに規定ゲーム数(本実施例では、リプレイ(2)の入賞時であれば50ゲーム、リプレイ(3)の入賞時であれば100ゲーム、リプレイ(4)の入賞時であれば150ゲーム)に到達するか、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのボーナスに入賞するかいずれかの転落役に入賞することで終了するようになっている。尚、RT(2)中にいずれかのボーナスが当選した場合には、以後、規定ゲーム数に到達するか、当選したボーナスが入賞するまでは、転落役が入賞してもRTは終了することがない。
【0197】
尚、RT(2)は、初期遊技状態からのみ移行させることが可能であり、RT(1)中においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが入賞してもRT(1)が終了するのみであり、一度RT(1)に制御されると、RT(1)が終了し、その後初期状態においてリプレイ(2)?(4)に入賞するまでは、RT(2)に移行することがない。
【0198】
本実施例において初期遊技状態の1ゲームあたりのメダルの期待増加率は、図7の抽選確率によれば0.52であり、1ゲームあたり約1.44枚ずつメダルが減少し、RT(1)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は、図8の抽選確率によれば0.41であり、1ゲームあたり約1.78枚ずつメダルが減少することとなるのに対して、RT(2)中の1ゲームあたりのメダルの期待増減率は、図9の抽選確率によれば1.13であり、1ゲームあたり約0.39枚ずつメダルが増加することとなる。
【0199】
このように本実施例では、初期遊技状態、すなわちボーナス終了後、設定変更後、RT(1)の終了後、またはRT(2)の終了後の遊技状態においては、メダルの増加が期待できないRT(1)、メダルの増加が期待できるRT(2)の双方に移行する可能性がある。このため、初期遊技状態からRT(2)へ一度移行すると、RT(2)が終了しても再びRT(2)へ移行する機会が提供されることとなり、RT(2)に周期的に制御することが可能となる。一方、初期遊技状態からRT(1)へ移行すると、当該RT(1)が終了するまでRT(2)へ移行することがないが、RT(1)が終了すると再び初期遊技状態となるため、このような場合でも周期的にRT(2)へ移行する機会が訪れることとなる。すなわち初期遊技状態は、メダルの増加が期待できるRT(2)へ移行する可能性のあるチャンスゾーンとして機能し、このようなチャンスゾーンがRT(1)へ移行した場合でもRT(2)へ移行した場合でも周期的に訪れることとなる。
【0200】
また、初期遊技状態においては、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)の順に当選確率が高く設定されており、リプレイ(4)を契機に移行したRT(2)、リプレイ(3)を契機に移行したRT(2)、リプレイ(2)を契機に移行したRT(2)の順で規定ゲーム数が多く設定されている。このため、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイ(4)の順で入賞する確率は低いが、入賞する確率が低い種類のリプレイほど、入賞した際に規定ゲーム数の多いRT(2)に制御されることとなる。
【0201】
一方、初期遊技状態において、操作手順がリプレイ(4)と共通となる1枚(3)、操作手順がリプレイ(3)と共通となる1枚(2)、操作手順がリプレイ(2)と共通となる1枚(1)の順に当選確率が高く設定されており、1枚(3)を契機に移行したRT(1)、1枚(2)を契機に移行したRT(1)、1枚(1)を契機に移行したRT(1)の順で規定ゲーム数が多く設定されている。このため、初期遊技状態においては、リプレイ(4)の操作手順で停止操作を行うことで、規定ゲーム数の多いRT(2)、すなわち比較的有利度の高いRT(2)へ移行する確率が高くなるが、一方でRT(1)へ移行する確率も高く、RT(1)へ移行した際の規定ゲーム数も多くなる。また、リプレイ(2)の操作手順で停止操作を行うことで、規定ゲーム数の少ないRT(2)、すなわち比較的有利度の低いRT(2)へ移行する確率が高くなるが、一方でRT(1)へ移行する確率は低く、RT(1)へ移行した際の規定ゲーム数も少なくなる。
【0202】
このように本実施例では、遊技者が操作手順を選択することによってハイリスクハイリターンの遊技性を選択することもできるし、ローリスクローリターンの遊技性を選択することもできる。
【0203】
本実施例では、初期遊技状態において1枚(1)?(3)のいずれかが入賞すると遊技者にとって不利なRT(1)へ移行することとなるが、本実施例の転落役である1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄についてはそれぞれ左リールに1個ずつしか配置されていないため、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせが揃いうる入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければ1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせが揃うことを回避できる。この結果、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせが揃うことを回避する操作手順で停止操作を行うことにより、遊技者にとって不利なRT(1)に移行してしまうことを回避することができる。
【0204】
しかしながら、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を意図的に入賞ライン上に停止させないことができないうえに、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する中リール及び右リールの「ベル」図柄も必ず入賞ライン上に停止することとなるので、初期遊技状態において1枚(1)?(3)が当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に外すことは不可能であり、2/3の確率で当選した1枚(1)?(3)を取りこぼすこととなるが、1/3の確率で当選した1枚(1)?(3)が入賞し、遊技者にとって不利なRT(1)へ移行してしまうこととなる。
【0205】
また、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが入賞するとメダルの増加が期待できるRT(2)へ移行することとなるが、本実施例のリプレイ(2)?(4)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を同時に狙って停止操作を行うことができないので、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ確実に当選したリプレイ(2)?(4)を入賞させることは不可能であり、1/3の確率で当選したリプレイ(2)?(4)を入賞させてRT(2)へ移行させることはできるが、2/3の確率で当選したリプレイ(2)?(4)を取りこぼすので、この場合にはRT(2)へ移行させることができない。
【0206】
また、RT(2)中に転落役が入賞すると当該RT(2)の開始から規定ゲーム数に到達する前であってもRT(2)が終了することとなるが、本実施例の転落役である1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄についてはそれぞれ左リールに1個ずつしか配置されていないため、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせが揃いうる入賞ラインに対して4コマの引込範囲で停止操作を行わなければ1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の組み合わせが揃うことを回避できるうえに、例え左リールに特別役の組み合わせを構成する図柄がいずれかの入賞ライン上に停止した場合でも、中リール、右リールにおいて特別役の組み合わせを構成する図柄が4つ以上の間隔を空けて配置されており、当該構成図柄を引き込めない停止操作位置が存在するため、特別役の組み合わせが揃うことも回避できる。この結果、転落役または特別役の組み合わせが揃うことを回避する操作手順で停止操作を行うことにより、転落役や特別役が当選している場合でもこれら転落役や特別役が入賞してRT(2)が終了してしまうことを回避することができる。
【0207】
しかしながら、本実施例の転落役である1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を意図的に入賞ライン上に停止させないことができないうえに、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する中リール及び右リールの「ベル」図柄も必ず入賞ライン上に停止することとなるので、RT(2)中に転落役が当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に転落役を外すことは不可能であり、2/3の確率で当選した転落役を取りこぼすこととなるが、1/3の確率で当選した転落役が入賞し、いずれのボーナスも当選していない場合には、RT(2)が終了することとなる。
【0208】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0209】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0210】
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、設定開始前(設定変更モードへの移行前)及び復帰不可能なエラー(断線異常エラー、RAM異常エラー、異常入賞エラー)の発生時、ビッグボーナス終了時、起動時にRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の4つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
【0211】
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、及び復帰不可能なエラー(断線異常エラー、RAM異常エラー、異常入賞エラー)の発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
【0212】
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
【0213】
本実施例では、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
【0214】
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
【0215】
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
【0216】
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
【0217】
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行われる毎に送信される。
【0218】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
【0219】
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
【0220】
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
【0221】
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
【0222】
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
【0223】
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
【0224】
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨及び設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
【0225】
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
【0226】
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰する前の時点で送信される。
【0227】
これら各コマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)において送信される。
【0228】
次に、メイン制御部41のCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
【0229】
サブ制御部91のCPU91aは、メイン制御部41のCPU41aが送信したコマンドを受信した際に、ROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う。
【0230】
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、CPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
【0231】
尚、CPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
【0232】
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、CPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっている。
【0233】
制御パターンテーブルには、特定のコマンド(入賞の発生を示す入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了、ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、特別役の当選を示す電源投入コマンド等)を受信した際に参照される特定の制御パターンが格納されており、CPU91aは、これら特定のコマンドを受信した場合には、当該ゲームにおいて設定されている演出パターンに関わらず、当該コマンドに対応する特定の制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行う。
【0234】
入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、入賞の種類に応じた入賞時演出を実行するための入賞時演出パターンが制御パターンとして参照される。特に、ビッグボーナス入賞の発生を示す入賞判定コマンドを受信した場合には、ビッグボーナス入賞時に特有のBB入賞時演出を実行するためのBB入賞時パターンが制御パターンとして参照される。
【0235】
払出開始コマンドを受信した場合には、払出効果音を出力するための払出パターンが制御パターンとして参照される。また、払出効果音の出力中に払出終了コマンドを受信すると、払出効果音の出力を停止する。尚、払出開始コマンドを受信した場合には、他のコマンドと異なり、実行中の演出を中止して受信したコマンドに対応する演出を実行するのではなく、実行中の演出は継続したまま、払出効果音の出力が行われるようになっている。すなわち他の演出と払出に伴う演出が並行して実行されることとなる。
【0236】
ビッグボーナス終了を示す遊技状態コマンドを受信した場合には、ビッグボーナスの終了を示すエンディング演出を実行するためのエンディングパターンが制御パターンとして参照される。
【0237】
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。尚、後述する連続演出及び追加演出が実行されている場合、これらの演出の結果がボーナスの当選を示す結果であり、次ゲームの賭数の設定操作で後述する確定演出が実行される場合、確定演出が実行されている場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに伴うボーナス中演出が実行されている場合、後述する特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。
【0238】
打止状態の発生を示す打止コマンド受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。
【0239】
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨及びその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
【0240】
初期化コマンドを受信した場合には、設定変更中である旨を報知するための設定中報知パターンが参照される。また、設定終了コマンドを受信した場合には、前述したデモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち初期化コマンドを受信すると設定変更中報知が実行され、その後、設定終了コマンドを受信するとデモ演出が実行されることとなる。
【0241】
特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を報知するための特別役告知パターンが参照される。すなわち、特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信すると特別役の当選を報知する告知演出が実行されることとなる。尚、特別役の当選を報知する告知演出は、一度実行されると、当該特別役が入賞した旨を示す入賞判定コマンドを受信するまで継続するようになっている。
【0242】
サブ制御部91のCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号を検出したとき、及び後述する表示制御回路92からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、表示制御回路92に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合に、電断割込処理(メイン)と同様の電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、サブ制御部91のRAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。その後、CPU91aは何らの処理も行わないループ処理に移行するが、後述する表示制御回路92からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合や、表示制御回路92に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合に行われた電断割込処理である場合には、駆動電圧が低下しているわけではないので、その後、リセット回路95からリセット信号が出力されることでCPU91aが再起動するようになっている。
【0243】
そして、CPU91aは、起動時(再起動時)においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態(詳しくは電断前に最後にコマンドを受信した時点の状態)に復帰させるようになっている。具体的には、最後に実行していた制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づく制御を実行する。これにより電断前に実行していた制御パターンに基づく演出が最初から実行されることとなる。また、起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいて計算したRAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
【0244】
このように本実施例では、CPU91aが電圧低下信号を検出したときのみならず、後述する表示制御回路92からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、表示制御回路92に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合、すなわち何らかの原因で表示制御回路92がハングアップした場合にも、電断割込処理(サブ)が実行され、その後CPU91aの再起動が行われるようになっている。そして、CPU91aの再起動に伴って、表示制御回路92を初期化することにより表示制御回路92がハングアップする前の状態からCPU91aの制御が再開されるようになっている。
【0245】
また、CPU91aは、起動時にRAM91cに記憶されているデータに基づいて電断前の演出状態に復帰可能な否かに関わらず、実際に演出を開始する前に、初期化コマンドまたは電源投入コマンドのいずれかを受信するまで待機する。そしてこの状態で初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cのデータをクリアする。また、この状態で特別役の当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、特別役の当選を示す告知演出を実行し、特別役の非当選を示す電源投入コマンドを受信した場合には、電断前の演出状態に復帰可能であれば復帰し、復帰不能であればデモ演出を実行する。また、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信待ちの状態では、コマンドの受信に基づき演出を実行するタイマ割込処理の実行は許可されないようになっており、他のコマンドを受信した場合でも、受信したコマンドに基づく演出が行われることはなく、起動後、初期化コマンドまたは電源投入コマンドを受信して、タイマ割込処理の実行が許可されるまでは、何らの演出も行われることはない。
【0246】
一方、CPU91aは、後述する表示制御回路92からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、表示制御回路92に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合、すなわち何らかの原因で表示制御回路92がハングアップした場合において、電断割込処理(サブ)を実行する前にRAM91cに再起動フラグを設定し、その後起動したCPU91aが、再起動フラグの有無を判定することにより、電源投入による起動であるか、表示制御回路92のハングアップによる再起動であるか、を区別できるようになっている。
【0247】
そして、CPU91aは、表示制御回路92のハングアップによる再起動であると判定した場合において、再起動前の演出状態に復帰可能であれば、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信を待たず、再起動前の演出状態に復帰させるようになっている。このため、CPU91aが、電源投入による起動ではなく、表示制御回路92のハングアップによって再起動する場合であるにも関わらず、初期化コマンドも電源投入コマンドも受信できずに、演出が行われなくなってしまうことを防止できる。
【0248】
また、CPU91aは、起動時において、時計装置97により日時情報が設定されていないとき、つまり日時情報がリセットされているときに、所定の日時設定操作を可能とする日時設定操作画面(図示略)を液晶表示器51に表示させる制御を行うとともに、日時設定操作画面が表示されている状態で、選択スイッチ56、決定スイッチ57の操作がなされることにより、時計装置97の日時を設定する制御を行う。
【0249】
尚、時計装置97の日時(日付、時刻)の設定は、例えば遊技制御基板40(演出中継基板80)から延設される配線のコネクタが差し込まれる演出制御基板90上のコネクタに外部時計装置(図示略)を接続し、CPU91aにおいて、該外部時計装置から出力される日時情報を示す日時設定コマンドの取得を監視するようにするとともに、該外部時計装置から出力された日時設定コマンドを取得したことに基づいて、演出制御基板90に搭載された時計装置97の日時設定を行うようにしても良い。このようにすることで、例えば演出制御基板90に日時合わせ用の操作スイッチ等を設け、作業者が外部時計を見ながら該操作スイッチを操作して日時設定を行わなくても、日時設定を簡単に行うことができる。
【0250】
また、CPU91aは、起動時において、前述した日時設定操作画面や設定変更履歴情報等を閲覧可能とする所定のメニュー画面を液晶表示器51に表示させる制御を行うとともに、このメニュー画面に表示される各種メニュー項目のうちいずれかの項目が選択されたときに、選択された項目に該当する処理を実施する。
【0251】
つまり、メニュー画面に表示された各種メニュー項目のうち日時設定の項目を選択した場合には日時設定操作画面が表示され、日時情報の設定が可能となり、設定変更履歴の項目を選択した場合には設定変更履歴情報閲覧画面が表示され、設定変更履歴情報の閲覧が可能となる。
【0252】
尚、本実施例では、前述のようにCPU91aの起動時において、時計装置97の日時情報が設定されていないとき、つまり日時情報が初期化されているときは、メニュー画面において日時設定の項目が選択されて日時情報の設定操作が行われるまで、メニュー画面をクリアできないようになっており、時計装置97の日時情報が設定されていない状態で営業が開始してしまうことを防止できる。
【0253】
サブ制御部91のCPU91aは、内部当選コマンドを受信したときに、内部当選コマンドから特定される内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグを種類をRAM91cに保存し、次に内部当選コマンドを受信して更新されるまで保持する。リール停止コマンドを受信したときには、リール停止コマンドから特定される停止リール、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号をRAM91cに保存し、次にリール回転開始コマンドを受信したとき、すなわち次のゲームにおけるリールの回転開始まで保持し、回転開始に伴い消去する。入賞判定コマンドを受信したときには、入賞判定コマンドから特定される入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数をRAM91cに保存し、次に入賞判定コマンドを受信して更新されるまで保持する。遊技状態コマンドを受信したときには、遊技状態コマンドから特定される次ゲームの遊技状態(初期遊技状態であるか、RT(1)中であるか、RT(2)中であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)及びRTの残りゲーム数をRAM91cに保存し、次に遊技状態コマンドを受信して更新されるまで保持する。
【0254】
サブ制御部91のCPU91aは、遊技者により複数の演出モードから選択された演出モードに従って演出を行う。ここで、演出モードには、例えば、モード1?3の3種類がある。モード1?3では、演出(連続演出を含む)に登場するキャラクタの種類、演出の背景に用いられる画像の種類、演出の実行確率、実行態様などが異なっている。もっとも、モード1?3のそれぞれに対して同じ演出パターンの演出があることもある。
【0255】
演出モードは、遊技者の選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作によって切り替えることが可能となる。具体的には、選択スイッチ56が操作されることにより、液晶表示器51の表示領域の一部に、複数のメニュー項目が配置されたメニュー画面が表示され、その状態で、更に選択スイッチ56を操作することにより、メニュー画面のカーソルを移動させ、カーソルが演出モード選択メニューの項目を選択した状態で決定スイッチ57を操作することにより、演出モード1、2の項目が配置された演出モード選択画面が表示される。更に演出モード選択画面が表示されている状態で、選択スイッチを操作することにより、演出モード選択画面のカーソルを移動させ、好みの演出モードの項目を選択した状態で決定スイッチ57を操作することにより、選択された演出モードが設定されるようになっている。尚、賭数の設定がなされてからスタートスイッチ7の操作、または精算スイッチ10の操作がなされるまで(遊技状態コマンドまたは待機コマンドを受信した後、最初にBETコマンドを受信してから内部当選コマンド、または賭数の精算に伴う待機コマンドを受信するまで)の賭数設定状態の場合と、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rへの表示結果の導出までのゲーム中(内部当選コマンドを受信した後、遊技状態コマンドを受信するまでの期間)の場合と、賭数設定状態やゲーム中でなくても後述する連続演出または追加演出等が実行されている場合、後述するレギュラーボーナス演出、ビッグボーナス演出が実行されている場合、後述する確定演出が実行されている場合、後述する特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されている場合には、選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作が無効にされるので、メニュー画面を表示することができない状態となり、これらの場合には演出モードが切り替えられないようになっている。
【0256】
演出モード選択画面で選択された演出モードは、RAM91cに設定されるとともに、各ゲームにおいて演出パターンを決定する際に参照され、RAM91cに設定された演出パターンに基づいて演出パターンが決定されるようになっており、これにより、モード1とモード2とでは、演出に登場するキャラクタの種類、演出の背景に用いられる画像の種類、演出の実行確率、実行態様などが異なるようになっている。
【0257】
サブ制御部91のRAM41cには、遊技履歴格納領域が割り当てられており、CPU91aは、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて遊技履歴格納領域にスロットマシンにおける遊技の履歴を記憶するようになっている。遊技履歴格納領域には、ビッグボーナス(1)の回数、ビッグボーナス(2)の回数、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中のものは除く)の回数、前回のボーナス終了時からのゲーム数(ボーナス間ゲーム数)、当日の総ゲーム数、当日の差枚数(払出枚数-投入枚数)からなる遊技履歴の格納領域がそれぞれ割り当てられており、これらの各領域は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいてCPU91aが更新する。
【0258】
そして、CPU91aは、遊技者の選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作に基づいて遊技履歴格納領域に記憶された遊技履歴を液晶表示器51に表示させる履歴表示演出を行うようになっている。具体的には、選択スイッチ56が操作されることにより、液晶表示器51の表示領域の一部に前述のメニュー画面が表示され、その状態で、更に選択スイッチ56を操作することにより、メニュー画面のカーソルを移動させ、カーソルが遊技履歴の項目を選択した状態で決定スイッチ57を操作することにより、遊技履歴画面が表示されるようになっている。尚、賭数の設定がなされてからスタートスイッチ7の操作、または精算スイッチ10の操作がなされるまでの賭数設定状態の場合と、スタートスイッチ7の操作からリール2L、2C、2Rへの表示結果の導出までのゲーム中の場合と、賭数設定状態やゲーム中でなくても後述する連続演出または追加演出等が実行されている場合、後述するレギュラーボーナス演出、ビッグボーナス演出が実行されている場合、後述する確定演出が実行されている場合、後述する特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されている場合には、選択スイッチ56及び決定スイッチ57の操作が無効にされるので、メニュー画面を表示することができない状態となり、これらの場合には遊技履歴を閲覧できないようになっている。
【0259】
サブ制御部91のCPU91aは、メイン制御部41から待機コマンドを受信したとき、すなわち1ゲームの終了後、一定時間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行われていないとき、及びクレジットまたは賭数の精算操作がなされたときに、液晶表示器51に所定のデモンストレーション画像を表示して前述したデモ演出を行うようになっている。尚、後述する連続演出または追加演出等が実行されている場合、賭数の設定により確定演出が実行される場合、既に確定演出が実行されている場合、レギュラーボーナス演出、ビッグボーナス演出が実行されている場合、後述する特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されている場合には、一定時間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行われずメイン制御部41から待機コマンドを受信した場合やクレジットまたは賭数の精算操作がなされてメイン制御部41から待機コマンドを受信した場合でもデモ演出を行わないようになっている。尚、後述する連続演出または追加演出、レギュラーボーナス演出、ビッグボーナス演出が行われている状態では、演出が継続している間は、ゲーム終了後も遊技効果音(BGM)が出力されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信した場合には、デモ演出は行わないが、音量を最小(消音)とする制御を行い、その後、ゲームの進行に伴って賭数の設定操作がなされ、BETコマンドを受信すると消音中の音量を元のレベルまで戻すようになっている。
【0260】
サブ制御部91のCPU91aは、メイン制御部41からエラーの発生を示すエラーコマンドを受信したとき、すなわちメイン制御部41側で何らかのエラーが発生したときに、液晶表示器51にエラーの発生を示すエラー報知画面を表示して外部にエラーの発生を報知するようになっている。エラー報知演出は、メイン制御部41からエラーの解消を示すエラーコマンドを受信するまで継続して実行され、エラーの解消を示すエラーコマンドを受信することでエラー報知を終了し、エラー発生時に実行していた演出状態に復帰するようになっている。
【0261】
サブ制御部91のCPU91aは、リールの回転が開始した後、所定時間(本実施例では60秒)が経過したとき、つまりリール回転開始コマンドを取得した後、全てのリールについてリール停止コマンドを取得しないまま所定時間(本実施例では60秒)が経過したときに、リールの停止操作を促す促進報知を行うようになっている。また、特に連続演出または追加演出、レギュラーボーナス演出、ビッグボーナス演出が行われている状態においては、リールの回転が開始した後、所定時間(本実施例では60秒)が経過したときに促進報知に加えて、遊技効果音の音量を最小(消音)とする制御を行い、その後、全てのリールについてのリール停止コマンドを受信すると消音中の音量を元のレベルまで戻すようになっている。
【0262】
本実施例のCPU91aが実行する演出として、特に液晶表示器51において行われる演出としては、遊技状態が初期遊技状態、RT(2)、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあるときにそれぞれ実行されるチャンスゾーン演出、RT(2)演出、レギュラーボーナス演出またはビッグボーナス演出、複数ゲームにわたり継続して実行するとともに、最終的にボーナスに当選しているか否かを示す演出結果を導く連続演出及び追加演出、RT(2)が転落役の入賞によって終了した際に、そのゲームの終了後、または次のゲームにおいてボーナスに当選しているか否かを示す演出結果を導く転落終了時演出がある。更に、初期遊技状態またはRT(1)、RT(2)において一般役または特別役のいずれか一方が当選している場合に、一般役が当選している旨を示す演出(小役告知演出)を含む単発演出もある。これら演出の実行態様は、前述した演出モードによって異なるものとなる。
【0263】
また、CPU91aは、前述のRT(2)演出中を除き、いずれかのボーナスの当選を示す演出を行った場合、またはRT(2)演出中にいずれかのボーナスの当選を示す演出を行った後、当該RT(2)演出が終了した場合に、次のゲームの賭数が最初に設定された時点(メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作された時点、すなわち最初にBETコマンドを受信した時点)で、ボーナスの確定を示す確定画面を液晶表示器51に表示させてボーナスの当選が確定した旨を遊技者に対して告知する確定演出を実行する。確定演出は、当選したボーナスが入賞するまで(当選したボーナスの入賞を示す入賞コマンドを受信するまで)継続して行われるようになっており、当選したボーナスが入賞すること(当選したボーナスの入賞を示す入賞コマンドを受信すること)で終了する。
【0264】
次に、チャンスゾーン演出及びRT(2)演出について説明する。
【0265】
CPU91aは、ボーナスの終了後、設定変更後、RT(1)の終了後またはRT(2)の終了後、次のゲームの賭数設定操作がなされた際(ボーナスの終了を示す遊技状態コマンド、初期化コマンド、RT(1)の終了を示す遊技状態コマンドまたはRT(2)の終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、最初にBETコマンドを受信したとき)に、チャンスゾーン演出を開始する。チャンスゾーン演出は、初期遊技状態に固有の演出であり、初期遊技状態の終了(初期遊技状態の終了を示す遊技状態コマンドの受信)とともに終了する。
【0266】
チャンスゾーン演出は、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した場合(リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかの当選を示す内部当選フラグを受信した場合)に、リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した旨を報知する移行役当選報知、当選した移行役の種類(内部当選フラグから特定されるリプレイまたは10枚の種類)を報知する移行役種類報知を含む。
【0267】
移行役種類報知は、当選した移行役の種類を遊技者が認識可能なものであれば良く、当選した移行役の種類そのもの、或いは図柄組み合わせ、移行役の種類によって異なる図柄、これら移行役の種類を示唆する画像などを液晶表示器51に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであっても良い。更には、移行役の種類に応じて異なる図柄の指標となる図柄(移行役の構成図柄の近くに位置し、移行役の構成図柄よりも目立つ図柄など)、当該指標図柄を示唆する画像などを報知するようにしても良い。
【0268】
CPU91aは、ビッグボーナス中に、当該ビッグボーナスの終了後、次のボーナスが入賞するまでの初期遊技状態において移行役種類報知を実行するか否か、及びRT(2)において後述する転落役種類報知を実行するか否かを決定する移行役及び転落役種類報知抽選を実行し、移行役及び転落役種類報知抽選に当選すると報知当選フラグをRAM91cに設定する。そして、その後、次のボーナスが入賞するまでの初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した際(リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかの当選を示す内部当選フラグを受信したとき)に、報知当選フラグが設定されているか否かを判定し、報知当選フラグが設定されている場合には、実際に移行役種類報知を実行するか否かを決定する報知実行抽選を実行し、報知実行抽選に当選した場合に移行役種類報知を実行する。尚、CPU91aは、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した際に、報知当選フラグが設定されていない場合、すなわち当該初期状態の直近のビッグボーナス中の移行役及び転落役種類報知抽選に当選しなかった場合、報知当選フラグは設定されているが、報知実行抽選に当選しなかった場合に移行役当選報知を実行する。
【0269】
本実施例では、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかが入賞するとメダルの増加が期待できるRT(2)へ移行することとなるが、前述のように本実施例のリプレイ(2)?(4)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を同時に狙って停止操作を行うことができないので、RT(1)中にリプレイ(2)?(4)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ確実に当選したリプレイ(2)?(4)を入賞させることは不可能であり、1/3の確率で当選したリプレイ(2)?(4)を入賞させてRT(2)へ移行させることはできるが、2/3の確率で当選したリプレイ(2)?(4)を取りこぼすので、この場合にはRT(2)へ移行させることができない。
【0270】
また、初期遊技状態において1枚(1)?(3)が入賞するとメダルの増加が期待できないうえにRT(2)へ移行することのないRT(1)に移行することとなるが、前述のように1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を意図的に入賞ライン上に停止させないことができないうえに、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する中リール及び右リールの「ベル」図柄も必ず入賞ライン上に停止することとなるので、初期遊技状態において1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に当選した1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を外すことは不可能であり、2/3の確率で当選した1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を取りこぼすこととなるが、1/3の確率で当選した1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)が入賞し、RT(1)へ移行してしまうこととなってしまう。
【0271】
これに対して移行役種類報知が実行されると、遊技者はリプレイ(2)?(4)のいずれかが当選した際に、その種類を特定することが可能となり、リプレイ(2)?(4)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を引込可能な停止操作位置を特定することが可能となるため、遊技者は報知された種類のリプレイの構成図柄を狙って停止操作を行うことによって、リプレイ(2)?(4)を入賞させてRT(2)へ移行させることが可能となるとともに、遊技者は1枚(1)?(3)が当選した際に、その種類を特定することが可能となり、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を意図的に入賞ライン上に停止させない停止操作位置を特定することが可能となるため、遊技者は意図的に1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を取りこぼすことによって、RT(1)への移行を回避することが可能となる。
【0272】
また、CPU91aは、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)のいずれかの入賞後、次のゲームの賭数設定操作がなされた際(次のゲームからRT(2)が開始する旨を示す遊技状態コマンドを受信した後、最初にBETコマンドを受信したとき)に、RT(2)演出を開始する。RT(2)演出は、RT(2)に固有の演出であり、RT(2)の終了(RT(2)の終了を示す遊技状態コマンドの受信)とともに終了する。
【0273】
RT(2)演出は、RT(2)中において転落役が当選した場合(転落役の当選を示す内部当選フラグを受信した場合)に、転落役が当選した旨を報知する転落役当選報知、当選した転落役の種類(内部当選フラグから特定される転落役の種類)を報知する転落役種類報知を含む。
【0274】
転落役種類報知は、当選した転落役の種類を遊技者が認識可能なものであれば良く、当選した転落役の種類そのもの、或いは図柄組み合わせ、転落役の種類によって異なる図柄、これら転落役の種類を示唆する画像などを液晶表示器51に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであっても良い。更には、転落役の種類に応じて異なる図柄の指標となる図柄(転落役の構成図柄の近くに位置し、転落役の構成図柄よりも目立つ図柄など)、当該指標図柄を示唆する画像などを報知するようにしても良い。
【0275】
また、CPU91aは、ビッグボーナス中に、当該ビッグボーナスの終了後、次のボーナスが入賞するまでの初期遊技状態において移行役種類報知を実行するか否か、及びRT(2)において後述する転落役種類報知を実行するか否かを決定する移行役及び転落役種類報知抽選を実行し、移行役及び転落役種類報知抽選に当選すると報知当選フラグをRAM91cに設定する。そして、その後移行したRT(2)において転落役が当選した際(転落役の当選を示す内部当選フラグを受信したとき)に、報知当選フラグが設定されているか否かを判定し、報知当選フラグが設定されている場合には、実際に転落役種類報知を実行するか否かを決定する報知実行抽選を実行し、報知実行抽選に当選した場合に転落役種類報知を実行する。尚、CPU91aは、RT(2)において転落役が当選した際に、報知当選フラグが設定されていない場合、すなわち当該RT(2)に移行する前の直近のビッグボーナス中の転落役種類報知抽選に当選しなかった場合、報知当選フラグは設定されているが、報知実行抽選に当選しなかった場合に転落役当選報知を実行する。
【0276】
本実施例では、RT(2)中に転落役が入賞すると当該RT(2)の開始から規定ゲーム数に到達する前であってもいずれかの特別役が当選していなければRT(2)が終了することとなるが、前述のように本実施例の転落役である1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を意図的に入賞ライン上に停止させないことができないうえに、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する中リール及び右リールの「ベル」図柄も必ず入賞ライン上に停止することとなるので、RT(2)中に転落役が当選した場合に、その種類が分からなければ意図的に転落役を外すことは不可能であり、2/3の確率で当選した転落役を取りこぼすこととなるが、1/3の確率で当選した転落役が入賞し、いずれのボーナスも当選していない場合には、RT(2)が終了することとなってしまう。
【0277】
これに対して転落役種類報知が実行されると、遊技者は転落役が当選した際に、その種類を特定することが可能となり、転落役である1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)を構成する左リールの「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を意図的に入賞ライン上に停止させない停止操作位置を特定することが可能となるため、遊技者は意図的に転落役を取りこぼすことによって、転落役の入賞に伴うRT(2)の終了を回避することが可能となる。
【0278】
また、CPU91aは、ビッグボーナス中の移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合に、報知実行抽選の当選確率の異なる複数の報知モードからいずれかの報知モードを選択する報知モード抽選を実行し、当選した報知モードをRAM91cに設定する。そして、その後移行した初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した際(リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかの当選を示す内部当選フラグを受信したとき)に実行される報知実行抽選、及びその後移行したRT(2)において転落役が当選した際(転落役の当選を示す内部当選フラグを受信したとき)に実行される報知実行抽選では、RAM91cに設定されている報知モードを参照し、設定されている報知モードに対応する当選確率で移行役種類報知及び転落役種類報知を実行するか否かを決定するようになっている。
【0279】
報知モードは、図11(a)に示すように、リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)の当選時または転落役当選時に移行役種類報知または転落役種類報知が50%の確率で実行される報知モードA、70%の割合で実行される報知モードB、90%の割合で実行される報知モードC、100%の割合で実行される報知モードDからなり、報知モードA、B、C、Dの順番で確率が高くなるため、初期遊技状態では、AよりB、BよりC、CよりDの方がRT(2)へ移行する確率が高く、かつRT(1)へ移行する確率が低くなり、RT(2)では、AよりB、BよりC、CよりDの方がRT(2)を規定ゲーム数まで継続させる確率が高くなる。すなわちA、B、C、Dの順番で遊技者にとっての有利度も高くなる。
【0280】
図11(a)に示すように、報知モード抽選において報知モードA?Dが選択される割合が、当該報知モード抽選が実行されるビッグボーナスがビッグボーナス(1)(「赤7-赤7-赤7」の組み合わせで移行したビッグボーナス)であるか、ビッグボーナス(2)(「白7-白7-赤7」の組み合わせで移行したビッグボーナス)であるか、によって異なり、ビッグボーナス(1)において実行される報知モード抽選では、報知確率が90%以上となる報知モードC、D、すなわち報知確率が相対的に高い報知モードが、ビッグボーナス(2)において実行される報知モード抽選よりも高い割合で選択され、ビッグボーナス(2)において実行される報知モード抽選では、報知確率が90%未満となる報知モードA、B、すなわち報知確率が相対的に低い報知モードが、ビッグボーナス(1)において実行される報知モード抽選よりも高い割合で選択されるようになっている。このため、ビッグボーナス(1)で移行役及び転落役種類報知抽選に当選した方が、ビッグボーナス(2)で移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合よりも報知確率が相対的に高い報知モードが選択されやすいようになっている。
【0281】
また、CPU91aは、ビッグボーナス演出として、BB演出モードA?Cのいずれかの演出モードのうちビッグボーナス入賞時(ビッグボーナス入賞を示す入賞判定コマンドを受信したとき)に遊技者が選択した演出モードのビッグボーナス演出を実行する。詳しくは、ビッグボーナス入賞時に液晶表示器51にBB演出モードA?Cを定期的に順番に表示し、所望のBB演出モードが表示されているタイミングで賭数設定操作を行うこと(BETコマンドを受信すること)によってその時点で表示されているBB演出モードが設定されるようになっている。尚、BB演出モードはこれに限らず、遊技者がビッグボーナスが入賞する前に選択した演出タイプによって決めるようにしたり、すなわち演出タイプを選択することでBB演出モードを遊技者が選択できるようにしたり、選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作でBB演出モードを遊技者が選択できるようにしても良い。
【0282】
また、CPU91aは、図11(b)に示すように、BB演出モードに応じて異なる契機で移行役及び転落役種類報知抽選を実行するとともに、その際の当選確率もBB演出モードに応じて異なる確率を適用し、更に移行役及び転落役種類報知抽選に当選した旨の告知もBB演出モードに応じて異なる契機で行うようになっている。
【0283】
詳しくは、BB演出モードAが選択されている場合には、ビッグボーナス中にベルが入賞したとき(ベル入賞を示す入賞判定コマンドを受信したとき)に移行役及び転落役種類報知抽選を実行し、その際の当選確率は約7.7%となる。また移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合には、当選したゲーム以降、ベル入賞時(ベル入賞を示す入賞判定コマンドを受信したとき)の1/2の確率で移行役及び転落役種類報知抽選に当選した旨を告知し、ビッグボーナスの終了までに告知されなければ当該ビッグボーナスの終了時(ビッグボーナスの終了を示す遊技状態コマンドを受信したとき)に移行役及び転落役種類抽選に当選した旨を告知する。
【0284】
BB演出モードBが選択されている場合には、ビッグボーナス中にベルが当選しなかったとき、すなわちベル以外の役が当選したとき、またはハズレのとき(ベル以外の役の当選、またはハズレを示す内部当選フラグを受信したとき)に移行役及び転落役種類報知抽選を実行し、その際の当選確率は100%となる。また、移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合には、その時点ですぐに移行役及び転落役種類報知抽選に当選した旨を告知する。
【0285】
BB演出モードCが選択されている場合には、ビッグボーナス中にベルが当選したとき(ベルの当選を示す内部当選フラグを受信したとき)に、第1停止リールを左、中、右のうちから均等な確率でランダムに決定し、遊技者が最初に停止させたリール(リール回転開始コマンドを受信した後、最初に受信したリール停止コマンドが示す停止リール)と事前に決定した第1停止リールが一致したときに移行役及び転落役種類報知抽選を実行し、その際の当選確率は約23.2%となる。また、移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合には、当該ビッグボーナスの終了時(ビッグボーナスの終了を示す遊技状態コマンドを受信したとき)に移行役及び転落役種類報知抽選に当選した旨を告知する。
【0286】
尚、BB演出モードA?Cに関わらず、ビッグボーナス中の各ゲームにおいて移行役及び転落役種類報知抽選に当選する実質的な確率(BB演出モードA:ベルの入賞確率(当選確率)×移行役及び転落役種類報知抽選の当選確率、BB演出モードB:ベル以外の役の当選確率+ハズレ確率、BB演出モードC:ベルの当選確率/3)はほぼ同じ確率(約7.2%)となる。
【0287】
また、CPU91aは、RT(2)の残りゲーム数(規定ゲーム数に到達するまでのゲーム数であり、遊技状態コマンドが示すRT(2)の残りゲーム数)が3ゲームとなったときに、RT(2)の終了までの3ゲームにわたり連続演出を必ず実行するとともに、RT(2)の残りゲーム数(遊技状態コマンドが示すRT(2)の残りゲーム数)が6ゲームとなるまでの期間において、ボーナスと同時当選する可能性のあるチェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)が入賞したとき(チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の当選を示す内部当選コマンドを受信したとき)、またはチェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、またはいずれかのボーナスに当選していることを条件に導出されるチャンス目が導出されたこと(リール停止コマンドが示す各リールの停止位置の組み合わせがチャンス目となったこと)を契機に連続演出を実行するか否かを決定する連続演出抽選を実行し、連続演出抽選に当選した場合にも3ゲームにわたり連続演出を実行する。
【0288】
連続演出には、最終的にボーナスの当選を報知する当たりパターンと、最終的にボーナスに当選していない旨を報知するハズレパターンと、が定められており、CPU91aは、RT(2)の残りゲーム数が3ゲームとなったときには、その時点でいずれかのボーナスに当選している場合には、必ず当たりパターンに基づく連続演出を実行し、いずれのボーナスも当選していない場合には、必ずハズレパターンに基づく連続演出を実行する。
【0289】
これに対して連続演出抽選では、図12に示すように、いずれかのボーナスに当選している場合にも、ハズレパターンを決定する場合があり、いずれかのボーナスに当選している場合に連続演出抽選でハズレパターンが決定された場合には、最終的にハズレを報知するハズレパターンに基づいて連続演出を実行するようになっている。
【0290】
詳しくは、連続演出抽選において、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスが当選している場合には、5%の確率で当たりパターンを決定し、20%の確率でハズレパターンを決定する。また、いずれのボーナスも当選していない場合には10%の確率でハズレパターンを決定し、当たりパターンを決定することはない。
【0291】
そして、CPU91aは、いずれかのボーナスに当選している場合に連続演出抽選で当たりパターンが決定され、決定された当たりパターンに基づく連続演出が実行され、ボーナスの当選が報知されることで、RT演出における表示画面の背景を選択する背景選択抽選を行うようになっており、RT演出における表示画面の背景を背景選択抽選で選択された背景に変更するようになっている。
【0292】
RT演出における表示画面の背景は、昼、夕方、夜の3種類からなり、RT演出の背景は常に昼から始まるようになっている。そして背景選択抽選では、ビッグボーナス(1)が当選している場合には、昼:50%、夕方:30%、夜:20%の割合で背景を選択し、ビッグボーナス(2)が当選している場合には、昼:70%、夕方:20%、夜:10%の割合で背景を選択し、レギュラーボーナスが当選している場合には、昼:85%、夕方:10%、夜:5%の割合で背景を選択する。
【0293】
このように背景選択抽選では、レギュラーボーナスに当選しているときよりもビッグボーナス(2)に当選しているときの方が夕方、夜が高い割合で選択され、ビッグボーナス(2)に当選しているときの方が更に夕方、夜が高い割合で選択されるようになっている。このため、背景が夕方や夜に変更されることで、より遊技者にとって有利度の高いビッグボーナス(1)の当選が期待できるようになっている。一方、ビッグボーナス(1)が当選している場合でも、50%は昼が選択され、背景が変更されないことがあるため、背景が変更しない場合でもビッグボーナス(1)の当選に期待が持てるようになっている。
【0294】
また、CPU91aは、RT(2)中に転落役が入賞し、当該RT(2)が終了した際に、そのゲームの終了時、または次のゲームにおいてボーナスに当選しているか否かを示す演出結果を導く転落終了時演出を実行する。CPU91aは、まず、RT(2)中に転落入賞が入賞した際(転落役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信したとき)に、いずれかのボーナスに当選しているか否か(そのゲームでいずれかのボーナスの当選を示す内部当選コマンドを受信しているか否か)に基づいて転落終了時演出のパターンを決定する。転落終了時演出のパターンとしては、当たりパターンとハズレパターンとがあり、さらに当たりパターンとハズレパターンのそれぞれに当該ゲームの終了時に実行するパターンと、次のゲームにおいて実行するパターンとがあり、いずれかのボーナスに当選している場合には、当たりパターンからいずれかのパターンを決定し、いずれのボーナスにも当選していない場合には、ハズレパターンからいずれかのパターンを決定する。そして決定されたパターンに従って、当該ゲームの終了時(遊技状態コマンドを受信したとき)、または次のゲーム(次のゲームのBETコマンドの受信以降)において転落終了時演出を実行し、最終的にボーナスに当選しているか否かを報知するようになっている。
【0295】
次に、連続演出について説明する。
【0296】
連続演出は、いずれも液晶表示器51に所定の画像を表示することにより行われる。また、連続演出における個々のゲーム毎の演出は、いずれもスタートスイッチ7の操作時(内部当選コマンドを受信したとき)に開始し、リール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したとき(全てのリールについてリール停止コマンドを受信したとき)に終了するものである。最終ゲーム以外の個々のゲーム毎の演出の結果は、遊技者側の攻撃、遊技者側のダメージの2通りであり、最終ゲームの演出の結果は、遊技者の勝ち、負けの2通りであるが、演出の過程としてはこれよりも多くの種類のものがある。
【0297】
連続演出は、前述のようにRT(2)の残りゲーム数(遊技状態コマンドが示すRT(2)の残りゲーム数)が3ゲームとなったとき、または続演出を実行するか否かを決定する連続演出抽選に当選したときに開始される。そして当たりパターンの連続演出では、連続演出が終了することとなるゲーム(最終ゲーム)においてリール2L、2C、2Rの全ての回転が停止したとき(全てのリールについてリール停止コマンドを受信したとき)に、ボーナスに当選している旨(遊技者の勝ち)が確定的に報知される。
【0298】
また、ハズレパターンの連続演出では、連続演出の結果としてハズレの結果(遊技者の負け)、すなわちいずれのボーナスにも当選していない旨が報知される。また、連続演出抽選で、いずれかのボーナスに当選しているにも関わらず、ハズレパターンが当選した場合には、意図的にハズレが報知されることとなるが、RT(2)の残り3ゲームで、いずれのボーナスも当選していない場合に、ハズレパターンに基づく連続演出を開始した場合には、連続演出が開始してから終了するまでにいずれかのボーナスに当選し、連続演出の終了までに当選したボーナスが入賞しなかったときに、そのまま連続演出を終了してハズレの結果を報知したままでは、RT(2)の終了時点における状況とは異なった内容を遊技者に報知してしまうこととなる。
【0299】
このため、RT(2)の残り3ゲームで開始したハズレパターンの連続演出では、最終ゲームの開始時点において、演出が開始した後にいずれかのボーナスに当選したかどうかを判断し、連続演出が開始した後にいずれのボーナスにも当選していない場合には、当該ゲームの終了時にハズレの結果が報知され、連続演出が開始した後にいずれかのボーナスに当選した場合には、最終ゲームの演出の結果を差し替えてボーナスに当選している旨が確定的に報知されるか、差し替えずに次のゲームで追加演出を実行し、この追加演出でボーナスに当選している旨が確定的に報知される。
【0300】
連続演出及び追加演出には、複数のパターンがある。図13(a)?(c)は、連続演出及び追加演出のパターンを選択するための連続演出選択テーブルを示す図である。連続演出選択テーブルには、図13(a)に示す非当選時テーブルと、図13(b)に示す当選時テーブルと、図13(c)に示す追加演出テーブルの3種類がある。連続演出のパターンは、連続演出パターン選択用の乱数に従って、非当選時テーブルまたは当選時テーブルを参照することにより決定される。
【0301】
図13(a)に示す非当選時テーブルは、ハズレパターンを選択するためのテーブルである。非当選時テーブルには、これに従って選択されたパターンで行われている連続演出が終了するゲームまでにいずれかのボーナスに当選したときに、最終ゲームにおいて差し替えられる演出の内容も登録されている。特に差し替えられる演出の内容は、差し替えがなかった場合には含まれない内容が登録されている。このため、連続演出の途中でいずれかのボーナスに当選し、演出の内容が差し替えられる場合には、演出の内容が差し替えられなかった場合の演出とは異なる態様の演出が行われることとなる。
【0302】
図13(b)に示す当選時テーブルは、当たりパターンを選択するためのテーブルである。いずれのテーブルに従って連続演出のパターンが選択される場合であっても、連続演出の継続するゲーム数は、3ゲームである。
【0303】
図13(c)に示す追加演出テーブルは、既に連続演出が行われている状態で新たにボーナスに当選したときに、当該連続演出が終了した後に続けて行われる追加演出のパターンを選択するためのテーブルである。追加演出のパターンは、そのときに行われていた連続演出のパターンに応じて選択される。また、追加演出の内容は、連続演出には含まれない内容が登録されている。このため、追加演出が行われる場合には、連続演出とは異なる態様の演出が行われることとなる。
【0304】
また、CPU91aは、初期遊技状態やRT(1)中においても、ボーナスと同時当選する可能性のあるチェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)が入賞したとき(チェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)の当選を示す内部当選コマンドを受信したとき)、またはチェリー、1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)、またはいずれかのボーナスに当選していることを条件に導出されるチャンス目が導出されたこと(リール停止コマンドが示す各リールの停止位置の組み合わせがチャンス目となったこと)を契機に連続演出を実行するか否かを決定する連続演出抽選を実行し、連続演出抽選に当選した場合にも3ゲームにわたり連続演出を実行する。尚、初期遊技状態及びRT(1)中において実行する連続演出抽選においては、RT(2)中において実行する連続演出抽選に比較して高い確率で連続演出の実行が決定されるようになっており、初期遊技状態及びRT(1)中においてはRT(2)中よりも高い頻度で連続演出が実行されるようになっている。
【0305】
また、CPU91aは、初期遊技状態、RT(1)中及びRT(2)中における前述した単発演出として、特別役が当選しているか否かに関わらず実行されるが、特別役に当選しているときに特別役に当選していないときよりも高い確率で実行されることで特別役に当選している可能性を示すチャンス演出を実行する。チャンス演出は、内部当選コマンドを受信した際に実行する演出パターン選択処理において、チャンス演出用の演出パターンが選択されることにより実行される。演出パターン選択処理では、初期遊技状態及びRT(1)中において、RT(2)中に比較して高い確率でチャンス演出用の演出パターンを選択するようになっており、初期遊技状態及びRT(1)中においてはRT(2)中よりも高い頻度でチャンス演出が実行されるようになっている。
【0306】
また、CPU91aは、初期遊技状態、RT(1)中及びRT(2)中における単発演出としてリプレイまたは特別役が当選しているときに、リプレイまたは特別役のいずれかが当選している旨を示すリプレイ告知演出を実行するようになっている。リプレイ告知演出は、基本的にリプレイ当選時に実行されるものであり、当該リプレイ告知演出が実行されるとリプレイが入賞することとなるが、特別役の当選時に実行されるとリプレイが入賞しないこととなるため、リプレイ告知演出が実行され、かつリプレイが入賞しないことにより特別役の当選が示唆されることとなる。リプレイ告知演出は、内部当選コマンドを受信した際に実行する演出パターン選択処理において、リプレイ告知演出用の演出パターンが選択されることにより実行される。演出パターン選択処理では、RT(2)中においてリプレイが当選した際に、初期遊技状態及びRT(1)中においてリプレイが当選した場合に比較して低い確率でリプレイ告知演出用の演出パターンを選択するようになっている。
【0307】
また、CPU91aは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)の終了時に特典付与抽選を実行し、特典付与抽選に当選すると特典を入手するための特典入手情報を作成し、2次元コード化して液晶表示器51の所定領域(画面左下、図1参照)に表示する制御を行う。
【0308】
そして、CPU91aは、以上のように作成された特典入手情報を、2次元コード作成用の手順で2次元コードに変換し、変換した2次元コードを液晶表示器51の所定領域(図1参照)に、遊技者が所持する携帯電話などに搭載された2次元コードリーダにて読み取り可能に表示するようになっている。2次元コードとしては、周知の技術(例えば、QRコード(登録商標)など)を用いれば良い。
【0309】
また、CPU91aは、特典入手情報を変換した2次元コードを液晶表示器51に表示した後、遊技者によって2次元コードの表示終了操作(賭数設定操作)がなされるか、2次元コードの表示開始後、表示終了時間(本実施例では60秒)が経過した時点で2次元コードの表示を終了するようになっている。
【0310】
また、CPU91aは、図14に示すように、特典入手情報を特定可能な2次元コードを液晶表示器51に表示されている間は、デモ演出の実行を禁止するようになっており、この間に、待機コマンドを受信した場合、すなわちゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間が経過した場合、クレジットの精算操作がなされた場合、賭数の精算操作がなされた場合であっても、遊技者によって2次元コードの表示終了操作(賭数設定操作)がなされるか、2次元コードの表示開始後、表示終了時間(本実施例では60秒)が経過して2次元コードの表示が終了するまでは、デモ演出が実行されることがなく、2次元コードの表示が終了した時点で、表示中に待機コマンドを受信しており、かつその後BETコマンドを受信していなければ、その時点からデモ演出を実行するようになっている。
【0311】
特典付与抽選では、当日におけるビッグボーナス(1)(2)の合計回数に応じて異なる当選確率を適用するようになっている。詳しくは、ビッグボーナス(1)(2)の合計回数が40回未満で、5の倍数以外であれば、1/50の当選確率を適用し、ビッグボーナス(1)(2)の合計回数が、5回、10回、15回、20回、25回、30回、35回であれば、それぞれ1/10、1/8、1/6、1/5、1/4、1/3、1/2の当選確率を適用し、ビッグボーナス(1)(2)の合計回数が、40回以上であれば常に1/1.5の当選確率を適用するようになっている。
【0312】
このように、本実施例では、ビッグボーナス(1)(2)の合計回数が40回未満においては、5の倍数の回数のときに、それ以外の回数のときよりも高い割合で特典付与抽選に当選するようになっており、5の倍数であっても、回数が多い方が少ないときよりも高い割合で特典付与抽選に当選するようになっており、40回以上であれば、39回未満のときよりも高い割合で特典付与抽選に当選するようになっている。すなわち特典付与抽選では、ビッグボーナスの履歴に応じて当選確率が変動するようになっている。
【0313】
特典を入手するための特典入手情報は、特典付与サーバにアクセスするためのURLと、特典を入手する際に必要となる文字列と、からなり、図15に示す手順で作成される。
【0314】
以下に、特典入手情報の作成手順について説明すると、CPU91aは、特典付与抽選に当選すると、時計装置97から現在の日時(年/月/日/時/分/秒)(作成日時)を取得し、所定の範囲でランダムに変動するCPU91aのRレジスタの値を取得し、RAM91cの遊技履歴格納領域に格納されているその時点の遊技履歴(ビッグボーナス(1)の回数/ビッグボーナス(2)の回数/レギュラーボーナスの回数/ボーナス間ゲーム数/総ゲーム数/差枚数)を取得する。
【0315】
そして取得した作成日時、Rレジスタの値、遊技履歴に当該スロットマシンの機種に固有の機種IDを付加して後述する特典付与サーバにて提供する特典を抽出する際に使用する特典抽出用パラメータを作成する。
【0316】
次いで、特典抽出用パラメータを、特典付与サーバに格納されているものと同一の共通鍵にて特典抽出用パラメータを暗号化し、さらに特典抽出用パラメータを暗号化した文字列を、特典付与サーバのURLにパラメータとして付加することによって特典入手情報が作成される。
【0317】
次に、特典入手情報の利用例について説明する。
【0318】
遊技者が液晶表示器51に表示された2次元コードを遊技者が所持する携帯電話などに搭載された2次元コードリーダで読み取ることにより、テキストデータとしての特典入手情報、すなわち特典付与サーバのURLにパラメータとして特典抽出用パラメータを暗号化した文字列がURLパラメータとして付加された文字列に変換されて取得される。遊技者が所持する携帯電話がインターネットへの接続機能を有する場合であれば、変換された特典入手情報に基づいて特典付与サーバに直接アクセスすることが可能となる。尚、特典付与サーバへのアクセスは、2次元コードリーダを搭載した携帯電話からに限らず、読み取った特典入手情報を用いてインターネットへの接続が可能な他の端末からもアクセス可能である。
【0319】
特典付与サーバには、遊技者に特典として付与されるコンテンツが格納されたコンテンツデータベースと、過去に特典の付与に用いられた特典入手情報を履歴として保存する特典付与履歴テーブルと、機種ID、作成日時、遊技履歴に基づいて付与するコンテンツを抽出するための抽出プログラムと、が搭載されており、特典付与サーバが、特典入手情報に基づいてアクセスを受けると、特典入手情報のURLに付加されたパラメータを前述した共通鍵にて複合化し、特典入手情報から特典抽出用パラメータを取得する。
【0320】
特典抽出用パラメータには、機種ID、作成日時、Rレジスタの値、遊技履歴が含まれており、特典付与サーバは、特典抽出用パラメータに含まれる機種ID、作成日時、Rレジスタの値、遊技履歴を、特典付与履歴テーブルに保存されている特典入手情報の履歴と照合し、機種ID、作成日時、Rレジスタの値、遊技履歴の全てが一致する特典入手情報の履歴が存在する場合には、既に特典を付与していると判断して、当該特典入手情報が使用できない旨を返信する。また、機種ID、作成日時、Rレジスタの値、遊技履歴の全てが一致する特典入手情報の履歴が存在しなければ、特典抽出用パラメータに含まれる機種ID、作成日時、遊技履歴に基づいて、抽出条件と一致するコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツを返信する。これにより、特典入手情報に基づいてアクセスした遊技者は、特典付与サーバが抽出したコンテンツを特典として取得できるようになっている。尚、抽出条件と一致するコンテンツが複数抽出された場合には、抽出したコンテンツ複数のコンテンツからいずれか1つのコンテンツの選択を促す旨を返信し、これに基づいて選択されたコンテンツを送信するようになっている。
【0321】
特典付与サーバに搭載された抽出プログラムには、機種ID、機種ID毎に予め定められた複数の期間(例えば、設置後1ヶ月まで、設置後1ヶ月?3ヶ月まで、設置後3ヶ月以降など)毎にコンテンツの抽出条件が設定されているとともに、さらに、遊技履歴に応じた抽出条件(例えば、ビッグボーナス10回未満、10回以上、差枚数が既定値未満、既定値以上、総ゲーム数が規定数未満、規定数以上、ボーナス間ゲーム数が規定数未満、規定数以上など)が設定されており、特典抽出用パラメータに含まれる機種ID、特典抽出用パラメータの作成日時が含まれる期間、特典抽出用パラメータの遊技履歴と一致する条件のコンテンツを抽出するようになっている。また、これら特典付与サーバの運営者が抽出条件は任意に変更できるようになっている。
【0322】
本実施例においてサブ制御部91のCPU91aは、移行役及び転落役種類報知抽選、報知実行抽選、報知モード抽選、連続演出抽選、背景選択抽選、演出パターン選択処理、特典付与抽選を行う際に、同一の乱数カウンタから取得した乱数を用いるようになっている。すなわち複数種類の抽選に対して同一の乱数カウンタから取得した乱数を用いて抽選を行うようになっており、これら複数種類の抽選のそれぞれに対して乱数カウンタを設ける必要がない。尚、本実施例では、これら全ての抽選に対して同一の乱数カウンタから取得した乱数を用いて抽選を行うようになっているが、全ての抽選に対して同一の乱数カウンタから取得した乱数を用いる場合でなくとも、少なくとも複数種類の抽選に対して同一の乱数カウンタから取得した乱数を用いるものであれば上記の効果は得られる。
【0323】
また、CPU91aは、リール回転開始コマンドを受信してから全てのリールについてのリール停止コマンドを受信するまでの間、常にリールLED55を点灯状態とする制御を行うようになっている。これは、少なくともリールの変動中においては、リールLED55を点灯し、リールを背後から照射することによりリールの視認性を高めるために行うものである。
【0324】
本実施例においてメイン制御部41は、ゲーム終了後から賭数の設定操作がなされずに一定時間(30秒)経過したとき、クレジットの精算操作がなされたとき、賭数の精算操作がなされたときに待機コマンドを送信するようになっている。
【0325】
一方、サブ制御部91のCPU91aは、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、待機コマンドを受信したときに、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)を行うようになっている。
【0326】
このため、図16(a)に示すように、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、ゲーム終了後から遊技の進行操作がなされずに一定時間(30秒)が経過したときに、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われることとなる。
【0327】
また、図16(b)に示すように、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前であっても、クレジットの精算操作がなされたときには、一定時間の経過を待たず、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われることとなる。
【0328】
また、メイン制御部41は、賭数が設定されている状態においては、ゲーム終了後から経過した時間に関わらず待機コマンドを送信しないようになっている。
【0329】
このため、図17(a)に示すように、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前に賭数が設定されたときには、ゲーム終了後から一定時間が経過しても遊技効果音の消音制御は行われず、その後、賭数の精算操作がなされ、待機コマンドが送信されたときに、遊技効果音の消音制御が行われるうようになっている。
【0330】
また、図17(b)に示すように、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前に賭数が設定され、かつゲーム終了後から一定時間が経過する前であっても、賭数の精算操作がなされ、待機コマンドが送信されたときには、一定時間の経過を待たず、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われることとなる。
【0331】
尚、CPU91aは、消音制御を行った後、賭数が設定されたとき、すなわち待機コマンドを受信した後、BETコマンドを受信したときに遊技効果音を通常音量(MAX)に戻すようになっている。
【0332】
また、CPU91aは、図18に示すように、賭数が設定されている状態、すなわちBETコマンドを受信した後、賭数の精算に伴う待機コマンドを受信していない状態においては、メニュー画面の表示を禁止するようになっており、賭数が既に設定されており、遊技者がゲームを開始する意志がある状態では、遊技履歴の閲覧や演出モードの変更を行うためのメニュー画面の表示が行われないようになっている。
【0333】
また、賭数が既に設定されている状態において、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過した場合でも、メイン制御部41が待機コマンドを送信しないようになっている。このため、CPU91aは、図18に示すように、ゲーム終了後から一定時間が経過した場合でも、賭数が既に設定されており、遊技者がゲームを開始する意志がある状態であれば、デモ演出を行わないようになっている。
【0334】
また、賭数が既に設定されている状態において、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過した場合でも、メイン制御部41が待機コマンドを送信しないようになっているので、この状態で遊技効果音が継続して出力されている場合でも、CPU91aは、図18に示すように、遊技者がゲームを開始する意志がある状態であるため、遊技効果音を消音する制御は行わないようになっている。
【0335】
次に、液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92について説明する。
【0336】
表示制御回路92は、図19に示すように、CPU91aからの制御指示に従って液晶表示器51に表示される画像の描画制御や表示制御などを行うグラフィックコントローラ1200と、液晶表示器51に表示される動画像を構成するストリーム(圧縮された一連の動画データ、各画像データをフレームとも呼ぶ)やスプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納される画像要素データ記憶手段としてのCGROM1205、VRAM(ビデオRAM)領域として使用される画像データ記憶手段としてのSDRAM(シンクロナスDRAM)1210と、を備える。
【0337】
グラフィックコントローラ1200は、グラフィックコントローラ1200の各種設定などが格納されるシステムレジスタ1202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ1203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部1206、描画制御部1206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するためのパレットバッファ1207、描画制御部1206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCGデータバッファ1208、CGROM1205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部1211、CGROM1205に格納されたストリームをVRAM領域に展開する圧縮動画デコーダ1212、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部1213、表示制御部1213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して液晶表示器51に出力するDAコンバータ1214などが搭載された集積回路である。
【0338】
また、液晶表示器51は、グラフィックコントローラ1200から出力されたアナログ信号を受けて液晶素子の駆動を行う液晶駆動回路1215を有している。液晶駆動回路1215は、グラフィックコントローラ1200からビデオ信号(アナログ信号)が出力されていない状態において、全ての液晶素子の駆動を行わない(電圧を印加しない)ようになっており、このような場合には、液晶表示器51の表示領域51aが透過状態となる。
【0339】
グラフィックコントローラ1200の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス1201を介してサブ制御部91のCPU91aと接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス1204を介してCGROM1205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ1202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ1203が接続されており、CPU91aは、システムレジスタ1202及びアトリビュートレジスタ1203にアクセスできるようになっている。
【0340】
また、描画制御部1206、データ転送制御部1211、圧縮動画デコーダ1212、表示制御部1213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ1202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部1206、データ転送制御部1211、圧縮動画デコーダ1212はCGバスに接続されており、CGROM1205、アトリビュートレジスタ1203にアクセスできるようになっている。
【0341】
また、グラフィックコントローラ1200の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス1209を介してSDRAM1210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部1206、データ転送制御部1211、圧縮動画デコーダ1212、表示制御部1213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM1210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
【0342】
システムレジスタ1202には、初期設定、描画、データ転送、圧縮動画データのデコードの実行などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタ、展開するストリームの格納アドレス、展開するストリームのタイプ、VRAM領域においてストリームが展開される展開用バッファの配置領域、ストリームの展開時に用いるテンプレートであるDCネストの配置位置、現在展開を行っているフレームや全フレームの展開が終了した旨を示すステータスなどを格納するデコードレジスタなどが割り当てられている。
【0343】
CPUインターフェイス1201は、Vブランク(画像を更新する周期であり、本実施例では、33.3ms)の開始毎にCPU91aに対してVブランク割込信号を出力するとともに、割込制御レジスタの設定状態に応じて、描画終了時にその旨を示す描画終了割込信号を、アトリビュートの読込終了時にその旨を示す読込終了割込信号を、データ転送終了時にその旨を示す転送終了割込信号を、CPU91aに対してそれぞれ出力する。
【0344】
描画制御部1206、データ転送制御部1211、圧縮動画デコーダ1212、表示制御部1213は、システム制御レジスタに初期設定の命令が格納されると、各デバイスの初期化を実行する。そして、全てのデバイスの初期化完了信号の出力が命令された時点で、CPUインターフェイス1201は、初期化が完了した旨を示す初期化完了信号をCPU91aに対して出力する。
【0345】
描画制御部1206は、システム制御レジスタにアトリビュートの読込の実行命令が格納されると、アトリビュートレジスタ1203に格納されているアトリビュートを読み込み、アトリビュートの読み込みが終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。
【0346】
また、描画制御部1206は、システム制御レジスタに描画の実行命令が格納されると、アトリビュートレジスタ1203から読み込んだアトリビュートに従って、VRAM領域に配置されているキャラクタ、ストリームから展開されたフレームを、VRAM領域において指定された描画領域に描画する描画処理を行い、描画が終了すると描画終了割込信号の出力を命令する。
【0347】
データ転送制御部1211は、システム制御レジスタにデータ転送の実行命令が格納されると、データ転送レジスタにて指定されたCGROM1205に格納されているキャラクタやパレットデータをVRAM領域の指定された位置に転送するデータ転送処理を行い、データ転送が終了すると転送終了割込信号の出力を命令する。
【0348】
圧縮動画デコーダ1212は、システム制御レジスタにデコードの実行命令が格納されると、デコードレジスタにて指定されたストリームをVRAM領域に展開する展開処理を行い、ストリームを構成する各フレームの展開が終了する毎にデコードレジスタのステータスを更新し、全てのフレームの展開が終了したときに、デコードレジスタのステータスに全フレームの展開の終了を設定する。
【0349】
表示制御部1213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、表示領域と描画領域とがVブランク毎に交互に切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
【0350】
図20は、SDRAM1210のVRAM領域の構成を示す図である。
【0351】
VRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、液晶表示器51に表示される画像データが格納される表示領域、描画処理によってキャラクタなどが描画されるフレームメモリまたはフレーム領域としての描画領域、起動時に使用頻度の高いキャラクタがCGROM1205から読み出されてキャラクタに応じて割り当てられたアドレス領域に常時格納される専用キャラクタ用バッファL1、使用状況に応じて必要なキャラクタがCGROM1205から読み出されて格納される一時記憶領域としての汎用キャラクタ用バッファL2、エラー発生画面や前述した促進報知画面等に道いられるキャラクタがCGROM1205から読み出されて格納されるエラー用キャラクタ用バッファL3などの各領域が割り当てられている。
【0352】
特に、パレット領域、専用キャラクタ用バッファL1、エラー用キャラクタ用バッファL3は固定的に割り当てられており、その領域に他のデータが配置されることはなく、また、これらバッファが固定的に割り当てられているキャラクタについては、他の領域に配置されることがない。また、表示領域と描画領域は同一サイズの領域であり、交互に切り替えて割り当てられており、一方の領域に描画している状態で、他方の領域の画像データが液晶表示器51に表示されることとなる。このため、描画領域への描画処理と表示領域の表示処理とを並行して実行できるとともに、1ラインに描画できるキャラクタの数が制限されないようになっている。更に、動画の再生中にフレームレート(一定期間で表示が更新される割合)を変更することもできる。尚、表示領域及び描画領域として割り当てられた2つの領域も固定的に割り当てられており、その領域に他のデータが配置されることはない。また、これら以外の領域に、動画のソースデータとなるキャラクタなどが配置されるようになっている。
【0353】
前述のように、サブ制御部91のCPU91aは、CPUインターフェイス1201を介してシステムレジスタ1202及びアトリビュートレジスタ1203にアクセスできるようになっており、前述した液晶表示器51の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ1202及びアトリビュートレジスタ1203に実行命令や必要なデータを格納することで、グラフィックコントローラ1200を間接的に制御する。
【0354】
プロセスデータには、Vブランク毎にCPU91aがシステムレジスタ1202やアトリビュートレジスタ1203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ1202の設定内容としては、描画、データ転送、デコードの実行命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定などがある。また、アトリビュートレジスタ1203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。
【0355】
また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
【0356】
次に、描画制御について説明する。
【0357】
描画制御部1206が描画処理を行うためには、描画に必要なキャラクタやストリームから展開されたフレームがVRAM領域に配置されている必要がある。このうちストリームから展開されたフレームは、圧縮動画デコーダによって展開用バッファに格納されるため、描画用ポインタが示す展開用バッファに格納されているフレームを用いれば良いので、これとは別にスプライト画像のソースデータとなるキャラクタをVRAM領域に配置する必要がある。
【0358】
このため、CPU91aは、動画再生を行う際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM1205からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部1211によって動画再生に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。動画再生を行う場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM1205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように動画再生を行う最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM1205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。尚、起動時に予め専用キャラクタ用バッファL1に転送されている使用頻度の高いキャラクタについてはこの限りではない。また、本実施例では、CPU91aが動画再生を行う際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM1205からVRAM領域への転送命令を行うようになっているが、描画に必要なキャラクタの転送命令をその都度行うようにしても良い。
【0359】
本実施例では、CPU91aは、起動時に液晶表示器51の表示領域51aにおける透過領域51bに対応する形状及び大きさであり、液晶表示器51に表示させた際に透過色(本実施例では白色)となる透過領域用キャラクタを含む使用頻度の高いキャラクタのCGROM1205からVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部1211によって使用頻度の高いキャラクタがVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1に配置されることとなる。このため、使用頻度の高いキャラクタについては、動画再生毎にCGROM1205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済むこととなる。
【0360】
描画制御部1206が描画処理を行うためには、アトリビュートレジスタ1203にアトリビュートが設定されている必要がある。アトリビュートは、Vブランク毎に異なるため、Vブランク毎にプロセスデータに従ったアトリビュートをアトリビュートレジスタ1203に格納する。
【0361】
そして、CPU91aは、動画再生を開始した後、Vブランク毎に、アトリビュートをアトリビュートレジスタ1203に設定した後、アトリビュートの読込の実行を命令する。これに伴い描画制御部1206は、アトリビュートレジスタ1203のアトリビュートを読み込んで、読込が終了すると読込終了割込信号の出力を命令する。これを受けてCPU91aは描画の実行を命令し、描画制御部1206は、読み込んだアトリビュートに従って描画領域に画像データの描画を行う。
【0362】
図21は、VRAM領域に必要なキャラクタが配置された状態の一例を示す図であり、図22は、描画制御部1206による描画領域へのキャラクタなどの描画の状況の一例を示す図である。
【0363】
ここで、キャラクタA?Cを用いて描画する場合の制御状況を図21及び図22に基づいて説明する。尚、以下では、描画に用いるキャラクタA?Cなどの画像データをオブジェクトとも呼ぶ。
【0364】
描画制御部1206は、図21に示すように、描画に必要なキャラクタA?C、透過領域用キャラクタがVRAM領域に配置された状態で描画の実行命令を受けると、描画領域への描画を開始する。
【0365】
これらVRAM領域に配置されたオブジェクトが描画される順番は、アトリビュートレジスタ1203から読み込んだアトリビュートによって定められている。アトリビュートには、オブジェクトが描画される順番として視覚者から見て手前側に表示するオブジェクト(3D空間のZ軸方向において視点に最も近くなるオブジェクト)ほど高い優先順位が定められており、描画制御部1206は、優先順位の高いオブジェクトから順に描画を行う。ここでは、アトリビュートに透過領域用オブジェクト、キャラクタA、B、Cの順番で描画する順番が定められている。尚、本実施例においてCPU91aは、リールの変動中において、必ず透過領域用オブジェクトを最優先で描画されるようにアトリビュートを設定するようになっている。このため、リールの変動中においては必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも先に描画されるとともに、必ず透過領域用オブジェクトが他のオブジェクトよりも視覚者から見て手前側に描画されるようになっている。
【0366】
描画制御部1206は、まず、図22に示すように、VRAM領域の描画領域において液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に透過領域用キャラクタを描画する。
【0367】
次いで、アトリビュートに設定された描画の順番のうち次に優先順位の高いキャラクタAをアトリビュートによって指定された領域に描画する。この際、キャラクタAを描画する領域のうち、既に描画されているオブジェクト、すなわち透過領域オブジェクトと重なる領域については、描画を行わない。具体的には、キャラクタAを描画する領域を、描画領域の画素毎に既にオブジェクトが描画されているか否かを判定し、オブジェクトが描画されていない画素については、キャラクタAの対応する画素を描画し、オブジェクトが既に描画されている画素については、描画を行わないようになっている。
【0368】
キャラクタAの描画が終了すると、次に優先順位の高いキャラクタBをアトリビュートによって指定された領域に描画する。キャラクタBについても同様で描画する領域のうち、既に描画されているオブジェクトと重なる領域については、描画を行わない。そして、同様にしてキャラクタCの描画を行い、最も優先順位の低いオブジェクトの描画が終了した時点で描画終了割込信号の出力を命令する。尚、キャラクタCのように描画領域をはみ出して配置されるオブジェクトについては、既に描画されているオブジェクトと重なる領域と同様にはみ出している領域の画素については、描画を行わず、描画領域に含まれる画素についてのみ描画を行う。
【0369】
このように描画制御部1206は、描画領域のうち、アトリビュートによって設定された最も手前側のオブジェクトから順番に描画するようになっている。この際、既にオブジェクトが配置されている領域については、描画を行わない。すなわち描画の必要のない画素については、描画を行わないようになっている。
【0370】
また、リールの変動中においては、液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に、透明色(白)の透過領域用オブジェクトを最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画する旨が設定されたアトリビュートが設定されるので、リールの変動中は、液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に、透明色(白)の透過領域用オブジェクトが常に最初に描画され、VRAM領域に設定された表示領域において、液晶表示器51の表示領域51aのうち常に画像が表示されることのない透過領域51bに対応する領域に、その他のオブジェクトの描画が行われることがない。
【0371】
尚、本実施例では、描画制御部1206が、描画領域のうち、アトリビュートによって設定された最も手前側のオブジェクトから順番に描画するとともに、既にオブジェクトが配置されている領域については、描画を行わないようになっているが、描画領域の各画素についてアトリビュートを参照し、該当する画素に位置するオブジェクトのうち視覚者から見て最も手前側に位置するオブジェクトを判定し、最も手前側に位置すると判定されたオブジェクトの描画を行うようにしても良い。そして、このようにした場合にも、リールの変動中において、液晶表示器51の透過領域51bに対応する領域に、透明色(白)の透過領域用オブジェクトを最優先で(視覚者から見て最も手前側に)描画する旨が設定されたアトリビュートが設定されることにより、液晶表示器51の透過領域51bに対応する画素には、常に透明色(白)の透過領域用オブジェクトが描画され、その他のオブジェクトが描画されることはない。
【0372】
また、本実施例では、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出、確定演出、デモ演出、メニュー画面(履歴の閲覧画面、演出タイプの選択画面を含む)の表示などを行う際に、これら各演出に伴う動画再生に必要なキャラクタをVRAM領域の汎用キャラクタ用バッファL2に転送するようになっているが、汎用キャラクタ用バッファL2の容量上、例えば、連続演出に必要なキャラクタと、デモ演出に必要なキャラクタまたはメニュー画面(履歴の閲覧画面、演出タイプの選択画面を含む)の表示に必要なキャラクタと、を汎用キャラクタ用バッファL2に同時に転送することができない。このため、新たに動画再生を行う際には、汎用キャラクタ用バッファL2に格納されている、それまで行われていた動画再生のためのキャラクタに対して新たな動画再生のためのキャラクタを上書きするようになっている。
【0373】
しかしながら、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出の実行中にデモ演出を行ったりメニュー画面を表示すると、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出に用いていた汎用キャラクタ用バッファL2のキャラクタがデモ演出やメニュー画面(履歴の閲覧画面、演出タイプの選択画面を含む)の表示に用いるキャラクタに上書きされてしまい、デモ演出やメニュー画面から連続演出(追加演出含む)やボーナス演出に復帰する際には、再びCGROM1205から連続演出(追加演出含む)やボーナス中演出に用いるキャラクタを読み出して汎用キャラクタ用バッファL2に転送する必要がある。このため、本実施例では、図23(a)に示すように、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出の実行中においては、デモ演出の実行やメニュー画面の表示(履歴の閲覧、演出タイプの変更)が禁止されるようになっており、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出の実行中にデモ演出が実行されたり、履歴の閲覧や演出のタイプの選択のためにメニュー画面が表示されることにより、デモ演出やメニュー画面の表示のために、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出のキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
【0374】
また、本実施例では、特に連続演出(追加演出含む)やボーナス演出の実行中においては、メニュー画面の表示が禁止されるので、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出の実行中に演出タイプの変更がなされることがなく、仮にメニュー画面の表示に伴ってVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に展開されている連続演出やボーナス演出のキャラクタが上書きされない場合でも、連続演出やボーナス演出の実行中に演出モードが変更されてしまうことに伴い、変更後の演出モードに応じた連続演出やボーナス演出のキャラクタをCGROM1205から読み出して、読み出したキャラクタを、VRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に展開されている連続演出やボーナス演出のキャラクタ、すなわち変更前の演出モードに基づく連続演出やボーナス演出のキャラクタに対して上書きするというオーバーヘッドが生じることをなくすことができる。
【0375】
また、図23(b)に示すように、確定演出が実行され、確定画面が表示されている状態においても、デモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっており、確定演出の実行中にデモ演出が実行されたり、履歴の閲覧や演出タイプの選択のためにメニュー画面が表示されることにより、デモ演出やメニュー画面の表示のために、確定画面を構成するキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
【0376】
また、本実施例では、エラー報知画面を表示する際に、それに伴う動画再生に必要なキャラクタを汎用キャラクタ用バッファL2とは別に割り当てられたエラー用キャラクタ用バッファL3に転送するようになっている。このため、連続演出(追加演出含む)やボーナス演出の実行中にエラー報知画面を表示し、かつエラーの解消に伴って元の演出の画面に復帰させる場合でも、汎用キャラクタ用バッファL2のキャラクタが上書きされることがなく、エラー報知画面を表示するために、連続演出やボーナス演出のキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に再度書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
【0377】
また、本実施例では、確定演出が実行されている間は、デモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっており、確定演出によってボーナスの当選が報知されている状態でデモ演出の実行やメニュー画面の表示がなされることによって確定画面が消えてしまうことがない。
【0378】
また、ボーナスの当選を示す演出結果となり、当該ゲームの終了後(遊技状態コマンドを受信した後)、BETコマンドを受信することで確定演出の実行を待っている間においても、デモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっており、既にボーナスの当選を示す演出結果が報知されているにも関わらず、確定演出が実行されるまでの間にデモ演出が実行されることによって当該演出結果が消えてしまうことがない。
【0379】
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図24?図37に基づいて以下に説明する。
【0380】
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図24のフローチャートに示す起動処理を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
【0381】
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
【0382】
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa4)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
【0383】
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa7)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図25に示すエラー処理に移行する。
【0384】
Sa8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図25に示すエラー処理に移行する。
【0385】
エラー処理では、図25に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
【0386】
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードがRAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーを示すエラーコードである場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を行った後(Sb4)、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
【0387】
Sb3のステップにおいて、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb6)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
【0388】
そして、Sb5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb6のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb7)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb8)、もとの処理に戻る。
【0389】
このようにエラー処理においては、RAM異常エラー及び異常入賞エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーまたは異常入賞エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
【0390】
図24に戻り、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa11)、破壊診断用データをクリアする(Sa12)。次いで、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
【0391】
Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa15)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(Sa16)。次いで、割込を許可して(Sa17)、図26に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行し(Sa18)、設定変更処理の終了後、ゲーム処理に移行する。
【0392】
設定変更処理では、図26に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
【0393】
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
【0394】
Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図24のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
【0395】
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、エラー処理に移行する。RAM異常エラーによるエラー処理では、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理(メイン)は行われない。すなわち電断割込処理(メイン)において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
【0396】
そして、RAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
【0397】
図27は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0398】
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
【0399】
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
【0400】
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
【0401】
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
【0402】
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
【0403】
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
【0404】
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、RTに関連する制御を行うRT処理についても行われる。
【0405】
図28は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0406】
本実施例の内部抽選処理では、まず、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定枚数を読み出し(Se1)、Se2のステップに進む。規定枚数は、初期遊技状態、RT(1)及びRT(2)においては3枚、レギュラーボーナスの遊技状態においては1枚とされている。
【0407】
Se2のステップでは、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Se1のステップにて読み出した規定枚数か否かを判定し、メダルの投入枚数が規定枚数であればSe3のステップに進み、メダルの投入枚数が規定枚数でなければSe4のステップに進む。
【0408】
Se3のステップでは、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1?6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し、設定値が1?6の範囲であればSe5のステップに進み、1?6の範囲でなければSe4のステップに進む。
【0409】
Se4のステップでは、RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定されたため、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに格納し、図25に示すエラー処理に移行する。
【0410】
Se5のステップでは、当該ゲームに用いる乱数を取得する乱数取得処理を行い、Se6のステップに進む。乱数取得処理では、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出し、抽出した乱数に対して所定の論理演算を行い、その結果を乱数として取得する。
【0411】
Se6のステップでは、当該ゲームの遊技状態に応じて状態番号(0?4のいずれか)をRAM41cに格納し、Se7のステップに進む。Se7のステップでは、状態番号が示す遊技状態において最初に抽選対象とする役番号をRAM41cに格納し、Se8のステップに進む。Se7のステップでは、状態番号が0?2の場合、すなわち初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、最初に抽選対象とする役番号として0(ビッグボーナス(1))を設定し、状態番号が3?5の場合、すなわち初期遊技状態、RT(1)またはRT(2)においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、最初に抽選対象とする役番号として11(リプレイ)を設定し、状態番号が6の場合、すなわちレギュラーボーナスの場合には、最初に抽選対象とする役番号として15(スイカ)を設定する。
【0412】
Se8のステップでは、抽選対象とする役番号が21であるか否か、すなわち抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、21である場合、すなわち抽選対象となる全ての役の抽選が終了している場合にはSe9のステップに進む。21でない場合にはSe10のステップに進む。
【0413】
Se9のステップでは、RAM41cにおいて一般役の当選フラグが格納される一般役格納ワークをクリアして、内部抽選処理を終了し、図27に示すフローチャートに復帰する。
【0414】
Se10のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて、役別テーブルに登録されている共通フラグが1か否かを確認し、1である場合にはSe11のステップに進み、1でない場合にはSe12のステップに進む。
【0415】
Se11のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Se13のステップに進む。
【0416】
Se12のステップでは、まず、RAM41cに格納されている設定値を読み出し、更に、処理対象の役番号と読み出した設定値に対応付けて、役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Se13のステップに進む。
【0417】
Se13のステップでは、内部抽選用の乱数値に、Se11またはSe12のステップにおいて取得した判定値数を加算し、加算の結果を新たな乱数値とし、Se14のステップに進み、判定値数を内部抽選用の乱数値に加算したときにオーバーフローが生じたかを判定する。尚、オーバーフローの発生は、処理対象の役番号に該当する役が当選した旨を示している。そしてオーバーフローが生じた場合にはSe16のステップに進み、オーバーフローが生じなかった場合にはSe15のステップに進む。
【0418】
Se15のステップでは、処理対象の役番号に1を加算し、Se8のステップに戻る。
【0419】
Se16のステップでは、役番号が0?10であるか、すなわち特別役または特別役を含む役の組み合わせを示す役番号か否かを確認し、役番号が0?10の場合にはSe17のステップに進み、役番号が0?10でない場合にはSe18のステップに進む。
【0420】
Se17のステップでは、RAM41cにおいて特別役の当選フラグが格納される特別役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する特別役の当選フラグを設定し、Se18のステップでは、RAM41cの一般役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する一般役の当選フラグを設定して、内部抽選処理を終了し、図27に示すフローチャートに復帰する。尚、Se18のステップでは、役番号が1?3の場合、一般役は当選していないため、この場合には、RAM41cの一般役格納ワークをクリアする。
【0421】
図29は、CPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0422】
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Sf1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
【0423】
そして、Sf1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Sf2)。
【0424】
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Sf3)。そして、テーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、役の当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成し(Sf4)、停止準備完了時の設定を行う(Sf5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理(メイン)の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
【0425】
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Sf6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Sf8、Sf9)、Sf7?Sf9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Sf6のステップに戻る。
【0426】
Sf8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSf9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf10)、図25に示すエラー処理に移行する(Sf11)。そして、エラーが解除された場合には、再びSf6のステップに戻る。
【0427】
Sf7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Sf12)、図25に示すエラー処理に移行する(Sf13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSf3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
【0428】
Sf6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Sf14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Sf15)。
【0429】
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、当該リールに対応するストップスイッチの操作の検出を無効化した後、全てのリールが停止したか否かを判定し(Sf16)、全てのリールが停止していなければ、Sf4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図27のフローチャートに復帰する。
【0430】
図30は、CPU41aがSd4の入賞判定処理において実行する入賞時処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0431】
入賞時処理では、まず、ROM41bに格納された役別テーブルを参照し、当該ゲームの遊技状態(状態番号)及び入賞役に対応するメダルの払出枚数を設定し(Sg1)、Sg2のステップに進む。
【0432】
Sg2のステップにおいては、ビッグボーナス(1)が入賞したか否かを判定し、ビッグボーナス(1)が入賞していれば、Sg3のステップに進み、ビッグボーナス(1)中を示すビッグボーナス(1)中フラグをRAM41cに設定し、Sg6のステップに進む。
【0433】
Sg2のステップにおいてビッグボーナス(1)が入賞していなければ、Sg4のステップに進み、ビッグボーナス(2)が入賞したか否かを判定し、ビッグボーナス(2)が入賞していれば、Sg5のステップに進み、ビッグボーナス(2)中を示すビッグボーナス(2)中フラグをRAM41cに設定し、Sg6のステップに進む。
【0434】
尚、Sg4のステップにおいてビッグボーナス(2)に入賞していなければ、Sg8のステップに進む。
【0435】
Sg6のステップでは、RAM41cの特別役格納ワークをクリア(00Hを格納する)し、Sg7のステップに進み、RAM41cにおいてビッグボーナス中のメダルの払出総数が格納されるビッグボーナス中払出数カウンタの値を初期化(0とする)し、Sg8のステップに進む。
【0436】
Sg8のステップにおいては、レギュラーボーナスが入賞したか否かを判定する。Sg8のステップにおいてレギュラーボーナスが入賞していなければ、入賞時処理を終了して、元の処理に復帰する。
【0437】
Sg8のステップにおいてレギュラーボーナスが入賞していれば、Sg9のステップに進み、レギュラーボーナス中を示すレギュラーボーナス中フラグをRAM41cに設定するとともに、RAM41cの特別役格納ワークをクリア(00Hを格納する)し、Sg10のステップに進む。
【0438】
Sg10のステップでは、レギュラーボーナスゲーム数カウンタの値及びレギュラーボーナス中の入賞回数が格納されるレギュラーボーナス中入賞カウンタの値を初期化した後、入賞時処理を終了して、元の処理に復帰する。
【0439】
図31?図33は、CPU41aがSd6のステップにおいて実行するゲーム終了時処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0440】
ゲーム終了時処理では、まず、RAM41cにRT(1)中フラグが設定されているか否かに基づいてRT(1)中か否かを判定し(Sh1)、RT(1)中でなければ、Sh7のステップに進む。Sh1のステップにおいてRT(1)中であれば、RT(1)及びRT(2)の残りゲーム数を格納するためにRAM41cに割り当てられたRTゲーム数カウンタの値を1減算し(Sh2)、残りRTゲーム数が0か、すなわちRTゲーム数カウンタの値が0か否かを判定する(Sh3)。Sh3のステップにおいて残りRTゲーム数が0でなければ、Sh4のステップに進み、残りRTゲーム数が0であれば、RAM41cに設定されているRT(1)中フラグをクリアするとともに、当該ゲームでRTが終了した旨を示すRT終了フラグをRAM41cに設定し(Sh6)、Sh7のステップに進む。
【0441】
Sh4のステップでは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが入賞しているか否かを判定し、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかの特別役が入賞していれば、RAM41cに設定されているRT(1)中フラグをクリアするとともに、RT終了フラグをRAM41cに設定し(Sh7)、Sh8のステップに進み、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが入賞していなければ、Sh5のステップに進む。
【0442】
Sh5のステップでは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが当選しているか否かを判定し、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが当選していれば、Sh8のステップに進み、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれのボーナスも当選していなければ、Sh6のステップに進む。
【0443】
Sh6のステップでは、リプレイ(2)、リプレイ(3)、またはリプレイ(4)のいずれかのリプレイが入賞しているか否かを判定し、リプレイ(2)、リプレイ(3)、またはリプレイ(4)のいずれかのリプレイが入賞していれば、RAM41cに設定されているRT(1)中フラグをクリアするとともに、RT終了フラグをRAM41cに設定し(Sh7)、Sh8のステップに進み、リプレイ(2)、リプレイ(3)、またはリプレイ(4)のいずれかのリプレイが入賞していなければ、Sh8のステップに進む。
【0444】
Sh8のステップでは、RAM41cにRT(2)中フラグが設定されているか否かに基づいてRT(2)中か否かを判定し、RT(2)中でなければ、Sh15のステップに進む。Sh8のステップにおいてRT(2)中であれば、RTゲーム数カウンタの値を1減算し(Sh9)、残りRTゲーム数が0か、すなわちRTゲーム数カウンタの値が0か否かを判定する(Sh10)。Sh10のステップにおいて残りRTゲーム数が0でなければ、Sh11のステップに進み、残りRTゲーム数が0であれば、RAM41cに設定されているRT(2)中フラグをクリアするとともに、RT終了フラグをRAM41cに設定し(Sh14)、Sh15のステップに進む。
【0445】
Sh11のステップでは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが入賞しているか否かを判定し、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかの特別役が入賞していれば、RAM41cに設定されているRT(2)中フラグをクリアするとともに、RT終了フラグをRAM41cに設定し(Sh14)、Sh15のステップに進み、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが入賞していなければ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが当選しているか否かを判定する(Sh12)。
【0446】
Sh12のステップにおいてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが当選していれば、Sh15のステップに進み、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれのボーナスも当選していなければ、1枚(1)、1枚(2)、または1枚(3)のいずれかが入賞しているか否かを判定する(Sh13)。
【0447】
Sh13のステップにおいて1枚(1)、1枚(2)、または1枚(3)のいずれかが入賞していれば、RAM41cに設定されているRT(2)中フラグをクリアするとともに、RT終了フラグをRAM41cに設定し(Sh14)、Sh15のステップに進み、1枚(1)、1枚(2)、または1枚(3)のいずれも入賞していなければ、Sh15のステップに進む。
【0448】
Sh15のステップでは、初期遊技状態であるか否か、すなわちビッグボーナス(1)中フラグ、ビッグボーナス(2)中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、RT(1)中フラグ、RT(2)中フラグ、RT終了フラグのいずれも設定されていない状態であるか否かを判定し、初期遊技状態でなければ、Sh35のステップに進み、初期遊技状態であれば、Sh16のステップに進み、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが当選しているか否かを判定する(Sh16)。
【0449】
Sh16のステップにおいてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれかのボーナスが当選していれば、Sh35のステップに進み、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、またはレギュラーボーナスのいずれのボーナスも当選していなければ、1枚(1)が入賞しているか否かを判定し、1枚(1)が入賞していれば、RTゲーム数カウンタに200を設定し(Sh18)、RAM41cにRT(1)中フラグを設定し(Sh19)、Sh20のステップに進み、1枚(1)が入賞していなければ、Sh20のステップに進む。
【0450】
Sh20のステップでは、1枚(2)が入賞しているか否かを判定し、1枚(2)が入賞していれば、RTゲーム数カウンタに250を設定し(Sh21)、RAM41cにRT(1)中フラグを設定し(Sh22)、Sh23
のステップに進み、1枚(2)が入賞していなければ、Sh23のステップに進む。
【0451】
Sh23のステップでは、1枚(3)が入賞しているか否かを判定し、1枚(3)が入賞していれば、RTゲーム数カウンタに300を設定し(Sh24)、RAM41cにRT(1)中フラグを設定し(Sh25)、Sh26のステップに進み、1枚(3)が入賞していなければ、Sh26のステップに進む。
【0452】
Sh26のステップでは、リプレイ(2)が入賞しているか否かを判定し、リプレイ(2)が入賞していれば、RTゲーム数カウンタに50を設定し(Sh27)、RAM41cにRT(2)中フラグを設定し(Sh28)、Sh29のステップに進み、リプレイ(2)が入賞していなければ、Sh29のステップに進む。
【0453】
Sh29のステップでは、リプレイ(3)が入賞しているか否かを判定し、リプレイ(3)が入賞していれば、RTゲーム数カウンタに100を設定し(Sh30)、RAM41cにRT(2)中フラグを設定し(Sh31)、Sh32のステップに進み、リプレイ(3)が入賞していなければ、Sh32のステップに進む。
【0454】
Sh32のステップでは、リプレイ(4)が入賞しているか否かを判定し、リプレイ(4)が入賞していれば、RTゲーム数カウンタに150を設定し(Sh33)、RAM41cにRT(2)中フラグを設定し(Sh34)、Sh35のステップに進み、リプレイ(4)が入賞していなければ、Sh35のステップに進む。
【0455】
Sh35のステップでは、レギュラーボーナス中か否かを判定する。Sh35のステップでは、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されており、かつRB中信号がONの状態である場合にレギュラーボーナス中と判定する。
【0456】
Sh35のステップにおいてレギュラーボーナス中でなければ、Sh39のステップに進む。Sh35のステップにおいてレギュラーボーナス中であれば、レギュラーボーナスゲーム数カウンタの値を1減算し、入賞が発生していればレギュラーボーナス中入賞カウンタの値を1加算し(Sh36)、レギュラーボーナスの終了条件が成立したか否か、すなわちレギュラーボーナスゲーム数カウンタの値が0、もしくはレギュラーボーナス中入賞カウンタの値が8であるか否かを判定する(Sh37)。Sh37のステップにおいてレギュラーボーナスの終了条件が成立していなければ、Sh39のステップに進み、レギュラーボーナスの終了条件が成立していれば、RAM41cに設定されているレギュラーボーナス中フラグをクリアして(Sh38)、Sh39のステップに進む。
【0457】
Sh39のステップでは、ビッグボーナス中か否かを判定する。Sh39のステップでは、RAM41cにビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されており、かつBB中信号がONの状態である場合にビッグボーナス中と判定する。
【0458】
Sh39のステップにおいてビッグボーナス中でなければ、Sh49のステップに進み、ビッグボーナス中であれば、ビッグボーナス中払出数カウンタの値に、当該ゲームのメダルの払出枚数を加算し(Sh40)、ビッグボーナス中払出数カウンタの値が300枚を超えているか否かを判定する(Sh41)。Sh41のステップにおいてビッグボーナス中払出数カウンタの値が300枚を超えていなければ、Sh46のステップに進み、ビッグボーナス中払出数カウンタの値が300枚を超えていれば、RAM41cにビッグボーナス(2)中フラグが設定されているか否か、すなわち当該ビッグボーナスがビッグボーナス(2)であるか否かを判定する(Sh42)。
【0459】
Sh42のステップにおいてビッグボーナス(2)中フラグが設定されていない場合、すなわち当該ビッグボーナスがビッグボーナス(1)であれば、更ビッグボーナス中払出数カウンタの値が465枚を超えているか否かを判定する(Sh43)。Sh43のステップにおいてビッグボーナス中払出数カウンタの値が465枚を超えていなければ、Sh46のステップに進み、ビッグボーナス中払出数カウンタの値が465枚を超えていれば、ビッグボーナス(1)の終了ゲームを示すビッグボーナス(1)終了フラグをRAM41cに設定し(Sh44)、RAM41cに設定されているビッグボーナス(1)中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグをクリアし(Sh45)、Sh49のステップに進む。
【0460】
Sh42のステップにおいてビッグボーナス(2)中フラグが設定されている場合、すなわち当該ビッグボーナスがビッグボーナス(2)であれば、RAM41cに設定されているビッグボーナス(2)中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグをクリアし(Sh45)、Sh49のステップに進む。
【0461】
Sh46のステップでは、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されていない状態であるか否か、すなわちビッグボーナス中でかつレギュラーボーナスが未作動の状態であるか否かを判定する。Sh46のステップにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されている状態であれば、Sh49のステップに進み、Sh46のステップにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されていない状態であれば、レギュラーボーナス中を示すレギュラーボーナス中フラグ及びレギュラーボーナスの作動開始を示すレギュラーボーナス作動開始フラグをRAM41cに設定し(Sh47)、レギュラーボーナスゲーム数カウンタの値及びレギュラーボーナス中の入賞回数が格納されるレギュラーボーナス中入賞カウンタの値を初期化した後(Sh48)、Sh49のステップに進む。
【0462】
Sh49のステップでは、外部出力信号のうちRB中信号がONの状態か否かを判定する。Sh49のステップにおいてRB中信号がONの状態でなければ、Sh53のステップに進み、RB中信号がONの状態であれば、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されているか否かを判定する(Sh50)。Sh50のステップにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されていない場合、すなわちレギュラーボーナスが終了し、その後もレギュラーボーナスが再開しない場合には、Sh52のステップに進む。Sh50のステップにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されている場合には、RAM41cにレギュラーボーナス作動開始フラグが設定されているか否かを判定する(Sh51)。Sh51のステップにおいてレギュラーボーナス作動開始フラグが設定されている場合、すなわちビッグボーナス中にレギュラーボーナスが再作動する場合には、Sh52のステップに進み、Sh51のステップにおいてレギュラーボーナス作動開始フラグが設定されていない場合、すなわちレギュラーボーナス中でかつレギュラーボーナスの終了条件も成立していない場合には、Sh53のステップに進む。Sh52のステップでは、RB中信号をOFFの状態としてSh53のステップに進む。
【0463】
Sh53のステップでは、RAM41cにレギュラーボーナス作動開始フラグが設定されているか否かを判定する。Sh53のステップにおいてレギュラーボーナス作動開始フラグが設定されていなければ、Sh56のステップに進み、Sh53のステップにおいてレギュラーボーナス作動開始フラグが設定されている場合、すなわち次ゲームからレギュラーボーナスが開始する場合には、RAM41cのレギュラーボーナス作動開始フラグをクリアし(Sh54)、RB中信号の出力待ち時間が経過するまで待機し(Sh55)、出力待ち時間が経過した時点でSh56のステップに進む。
【0464】
Sh56のステップでは、RAM41cにビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されているか否かを判定する。Sh56のステップにおいてビッグボーナス(1)中フラグもビッグボーナス(2)中フラグも設定されていなければ、Sh62のステップに進み、ビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されていれば、外部出力信号のうちBB中信号がONの状態か否かを判定する(Sh57)。Sh57のステップにおいてBB中信号がONの状態である場合、すなわちビッグボーナス中であり、かつ次回のゲームがビッグボーナスの開始ゲームではない場合には、Sh62のステップに進み、Sh57のステップにおいてBB中信号がONの状態でない場合、すなわち次回のゲームからビッグボーナスが開始する場合には、外部出力信号のうちBB中信号をONの状態とし(Sh58)、BB入賞時演出の演出待ち時間をレジスタに設定し(Sh59)、精算スイッチ10の操作の検出を有効化した後(Sh60)、Sh59のステップにおいて設定された演出待ち時間が経過するまで待機する演出待ち処理を行う(Sh61)。そして、演出待ち処理の終了後、Sh62のステップに進む。
【0465】
Sh61のステップにおける演出待ち処理では、レジスタに設定された演出待ち時間をRAM41cの汎用時間カウンタに設定し、汎用時間カウンタに設定された演出待ち時間が経過するまで精算スイッチ10の操作の検出状況を監視し、この状態で精算スイッチ10の操作が検出された場合には、精算処理を行い、汎用時間カウンタに設定された演出待ち時間が経過した場合には、演出待ち処理を終了し、元の処理に復帰する。
【0466】
Sh62のステップでは、RAM41cにレギュラーボーナス中フラグが設定されているか否かを判定する。Sh62のステップにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、Sh65のステップに進み、Sh65のステップにおいてレギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、外部出力信号のうちRB中信号がONの状態か否かを判定する(Sh63)。Sh63のステップにおいてRB中信号がONの状態である場合、すなわちレギュラーボーナス中であり、かつ次回のゲームがレギュラーボーナスの開始ゲームではない場合には、Sh65のステップに進み、Sh63のステップにおいてRB中信号がONの状態でない場合、すなわち次回のゲームからレギュラーボーナスが開始する場合には、外部出力信号のうちRB中信号をONの状態とし(Sh64)、Sh65のステップに進む。
【0467】
Sh65のステップでは、外部出力信号のうちBB中信号がONの状態か否かを判定する。Sh65のステップにおいてBB中信号がONの状態でなければ、Sh83のステップに進み、Sh65のステップにおいてBB中信号がONの状態であれば、RAM41cにビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されているか否かを判定する(Sh66)。Sh66のステップにおいてビッグボーナス(1)中フラグまたはビッグボーナス(2)中フラグが設定されている場合、すなわちビッグボーナスが終了しない場合には、Sh83のステップに進み、Sh66のステップにおいてビッグボーナス(1)中フラグもビッグボーナス(2)中フラグも設定されていない場合、すなわちビッグボーナスが終了する場合には、外部出力信号のうちBB中信号をOFFの状態とし(Sh67)、Sh68のステップに進む。
【0468】
Sh68のステップでは、エンディング演出の演出待ち時間をレジスタに設定し、精算スイッチ10の操作の検出を有効化した後(Sh69)、Sh68のステップにおいて設定された演出待ち時間が経過するまでSh57と同様の演出待ち処理を行う(Sh70)。そして、Sh70のステップにおける演出待ち処理の終了後、Sh71のステップに進む。
【0469】
Sh71のステップでは、自動精算機能が有効に設定されているか否かを判定し、自動精算機能が有効に設定されていなければ、Sh73のステップに進み、Sh71のステップにおいて自動精算機能が有効に設定されていれば、精算処理を行い(Sh72)、その後、Sh73のステップに進む。
【0470】
Sh73のステップでは、打止機能が有効に設定されているか否かを判定する。Sh73のステップにおいて打止機能が有効に設定されていなければ、Sh83のステップに進み、Sh73のステップにおいて打止機能が有効に設定されていれば、打止状態を示す打止コードをレジスタに設定し(Sh74)、レジスタに格納されている打止コードを遊技補助表示器12に表示する(Sh75)。そして、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sh76)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sh77)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、更に精算スイッチ10の操作が検出されているか否かを判定し(Sh78)、精算スイッチ10の操作も検出されていなければ、Sh76のステップに戻る。Sh76のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、Sh77のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、Sh80のステップに進み、Sh78のステップにおいて精算スイッチ10の操作が検出された場合には、精算処理を行い(Sh79)、Sh74のステップに戻る。
【0471】
Sh80のステップでは、レジスタに格納されている打止コードをクリアする。そして、遊技補助表示器12の表示状態をクリアして(Sh81)、Sh82のステップに進む。
【0472】
Sh82のステップでは、RAM41cの未使用領域及び未使用スタック領域に加えてビッグボーナス(1)終了フラグの設定領域を含む一般ワークを初期化する初期化2を行った後、Sh83のステップに進む。
【0473】
Sh83のステップでは、RAM41cにRT終了フラグが設定されていればクリアし、Sh84のステップでは、RAM41cの未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化4を行った後、ゲーム終了時処理を終了し、図27に示すフローチャートに復帰する。
【0474】
以上のように、ゲーム終了時処理では、ビッグボーナス中にレギュラーボーナスが未作動か否かの判定を1ゲーム毎に行い、ビッグボーナス中にレギュラーボーナスが未作動の場合には、レギュラーボーナスを作動させるようになっている。
【0475】
また、レギュラーボーナスが未作動か否かの判定を行う前に、ビッグボーナスの終了条件が成立したか否かの判定を行い、当該判定においてビッグボーナスの終了条件が成立していない場合に、レギュラーボーナスが未作動か否かの判定を行い、未作動の場合には、レギュラーボーナスを作動させるようになっている。
【0476】
また、レギュラーボーナスを作動させる際には、レギュラーボーナス中を示すRB中信号の出力待ち時間が経過するまでRB中信号を停止した状態で待機し、出力待ち時間が経過した時点で、RB中信号の出力を開始するようになっており、ビッグボーナス中に連続してレギュラーボーナスを作動させる場合でも、RB中信号の出力が停止し、この状態で出力待ち時間が経過した時点で、再度RB中信号の出力が再開するようになっている。
【0477】
また、BB入賞時演出やエンディング演出の演出待ち時間が経過するまでの期間においては、精算スイッチ10の操作の検出が有効化され、この間に精算スイッチ10の操作が検出されると、クレジットの精算制御が行われることとなる。また、打止状態においても精算スイッチ10の操作の検出が有効化され、この間に精算スイッチ10の操作が検出された場合にも、クレジットの精算制御が行われることとなる。
【0478】
また、ビッグボーナスの入賞時やビッグボーナスの終了時においてBB入賞時演出やエンディング演出を行うための演出待ち時間が経過するまで、次ゲームのBET処理に移行することがなく、演出待ち時間が経過して賭数の設定が許可されるまでは、メダルの貸出も許可されないようになっている。
【0479】
また、ビッグボーナスの終了時において自動精算が行われる場合には、自動精算が終了するまで、次ゲームのBET処理に移行することがなく、自動精算が終了して賭数の設定が許可されるまでは、メダルの貸出も許可されないようになっている。更に、ビッグボーナスの終了時において打止状態に制御される場合には、打止状態が解除されるまで、次ゲームのBET処理に移行することがなく、打止状態が解除されて賭数の設定が許可されるまでは、メダルの貸出も許可されないようになっている。
【0480】
図34及び図35は、CPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【0481】
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Si1)。すなわち、タイマ割込処理(メイン)の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Si2)。
【0482】
次いで、4種類のタイマ割込1?4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Si3)。Si3のステップでは、分岐用カウンタ値が0?2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
【0483】
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Si4)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSi8のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSi23の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Si5)。
【0484】
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Si6)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Si7)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Si8)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Si9)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
【0485】
Si6のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Si10)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Si11)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Si12)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Si13)、コマンドキューに格納されたコマンドを演出制御基板90に対して送信するコマンド送信処理(Si14)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Si15)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
【0486】
Si4のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Si16)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理(Si17)、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているかを確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する処理を行う原点通過時処理(Si18)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Si19)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
【0487】
Si16のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が判定されたときに、停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Si22)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Si23)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Si24)を順次実行した後、Si2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Si20)、Si1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Si21)、割込前の処理に戻る。
【0488】
図36は、CPU41aが前述したタイマ割込処理(メイン)のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0489】
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたか否かを判定し(Si101、Si102)、全てのリールについて停止操作が検出されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図35のフローチャートに復帰する。
【0490】
Si101のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合には、Si103のステップに進み、当該リールに対応する停止制御テーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し、Si104のステップに進む。
【0491】
Si104のステップでは、現在のリール基準位置からのステップ数から、Si103のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後、停止スイッチ処理を終了し、図35のフローチャートに復帰する。
【0492】
図37は、CPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
【0493】
電断割込処理(メイン)においては、まず、割込を禁止する(Sj1)。すなわち電断割込処理(メイン)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sj2)。尚、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
【0494】
次いで、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sj3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Sj2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sj4)、Sj1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sj5)、割込前の処理に戻る。
【0495】
Sj3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sj6)、全ての出力ポートを初期化する(Sj7)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sj8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sj9)。
【0496】
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Sj10、尚、Sj10は、Sj3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
【0497】
尚、本実施例では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行わず、ループ処理が行われている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしても良い。
【0498】
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図38?図40のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0499】
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図38に示す起動処理(サブ)を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びサブ制御部91の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU91aの起動時及びCPU91aの不具合または表示制御回路92の不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
【0500】
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化する(Sk1)とともに、初期化命令をシステム制御レジスタに設定することで、グラフィックコントローラ1200に対して初期化を指示した後(Sk2)、グラフィックコントローラ1200からの初期化完了信号の入力待ちの状態となる(Sk3)。
【0501】
Sk3のステップにおいて初期化完了信号が入力された後、透過領域用オブジェクトを含む使用頻度の高いCGデータのVRAM領域への転送命令をシステム制御レジスタに設定することで、使用頻度の高いCGデータの転送を指示した後(Sk4)、グラフィックコントローラ1200からの転送終了割込信号の入力待ちの状態となる(Sk5)。
【0502】
Sk5のステップにおいて転送終了割込信号が入力された後、RAM91cへのアクセスを許可する(Sk6)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sk7)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sk8)。
【0503】
RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sk8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、RAM91cに格納されているデータが正常であるので、Sk9のステップに進み、電断前の演出状態を復帰させる。Sk9のステップでは、電断前に最後に実行していた制御パターンを設定した後、コマンド受信割込処理のみを許可し(Sk10)、Sk11のステップに進む。
【0504】
Sk8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、RAM91cを初期化し(Sk18)、デモパターンを制御パターンとして設定した後(Sk19)、コマンド受信割込処理のみを許可し(Sk10)、Sk11のステップに進む。
【0505】
Sk11のステップでは、RAM91cに再起動フラグが設定されているか否か、すなわち表示制御回路92の不具合に伴う再起動であるか否かを判定し、再起動フラグが設定されていればSk16のステップに進み、再起動フラグが設定されていない場合、すなわち電源投入に伴う起動であればSk12のステップに進む。
【0506】
Sk12のステップでは、初期化コマンドを受信したか否かを判定し、初期化コマンドを受信していない場合には、Sk13のステップに進み、電源投入コマンドを受信した否かを判定する。また、初期化コマンドを受信した場合には、RAM91cを初期化した後(Sk20)、設定中報知パターンを制御パターンとして設定し(Sk21)、Sk16のステップに進む。
【0507】
Sk13のステップにおいて、電源投入コマンドを受信しなかった場合には、再びSk12のステップに戻り、電源投入コマンドを受信した場合には、Sk14のステップに進む。
【0508】
Sk14のステップでは、Sk13のステップにおいて受信した電源投入コマンドに基づいて電断前の状態で特別役が当選しているか否かを判定し、電断前の状態で特別役が当選している場合には、特別役の当選を報知する特別役告知パターンを制御パターンとして設定した後(Sk15)、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sk16)、全ての割込を許可して(Sk17)、ループ処理に移行する。
【0509】
Sk14のステップにおいて、電断前の状態で特別役が当選していない場合には、Sk9のステップにおいて設定された制御パターン、すなわち電断前に設定されていた制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sk16)、全ての割込を許可して(Sk17)、ループ処理に移行する。
【0510】
図39は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)において実行する表示制御確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【0511】
表示制御確認処理では、まず前回Vブランク割込信号が入力されてからの時間を計測するためにRAM91cに割たてられたVブランク待ち時間カウンタの値を1加算し(Sy1)、加算後のVブランク待ちカウンタの値に基づいて、前回Vブランク割込信号が入力されてからの経過時間が許容時間(グラフィックコントローラ1200がハングアップしている可能性が高いと判断する時間)を超えたか否かを判定し(Sy2)、前回Vブランク割込信号が入力されてからの経過時間が許容時間を超えている場合には、表示制御回路92の不具合に伴う再起動を示す再起動フラグをRAM91cに設定し(Sy12)、後述する電断割込処理(サブ)の先頭にジャンプする。
【0512】
Sy2のステップにおいて前回Vブランク割込信号が入力されてからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、CGデータの転送命令に伴う転送終了待ちの状態か否かを判定し(Sy3)、転送終了待ちでなければ、Sy6のステップに進む。
【0513】
Sy3のステップにおいて転送終了待ちであれば、CGデータの転送を命令してからの時間を計測するためにRAM91cに割たてられた転送終了待ち時間カウンタの値を1加算し(Sy4)、加算後の転送終了待ちカウンタの値に基づいて、CGデータの転送命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えたか否かを判定し(Sy5)、CGデータの転送命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えている場合には、表示制御回路92の不具合に伴う再起動を示す再起動フラグをRAM91cに設定し(Sy12)、後述する電断割込処理(サブ)の先頭にジャンプする。
【0514】
Sy5のステップにおいてCGデータの転送命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、Sy6のステップに進む。
【0515】
Sy6のステップでは、アトリビュートの読込命令に伴う読込終了待ちの状態か否かを判定し、読込終了待ちでなければ、Sy9のステップに進む。
【0516】
Sy6のステップにおいて読込終了待ちであれば、アトリビュートの読込を命令してからの時間を計測するためにRAM91cに割たてられた読込終了待ち時間カウンタの値を1加算し(Sy7)、加算後の読込終了待ちカウンタの値に基づいて、アトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えたか否かを判定し(Sy8)、アトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えている場合には、表示制御回路92の不具合に伴う再起動を示す再起動フラグをRAM91cに設定し(Sy12)、後述する電断割込処理(サブ)の先頭にジャンプする。
【0517】
Sy8のステップにおいてアトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、Sy9のステップに進む。
【0518】
Sy9のステップでは、描画命令に伴う描画終了待ちの状態か否かを判定し、描画終了待ちでなければ、表示制御確認処理を終了する。
【0519】
Sy9のステップにおいて描画終了待ちであれば、描画を命令してからの時間を計測するためにRAM91cに割たてられた描画終了待ち時間カウンタの値を1加算し(Sy10)、加算後の描画終了待ちカウンタの値に基づいて、描画命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えたか否かを判定し(Sy11)、描画命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えている場合には、表示制御回路92の不具合に伴う再起動を示す再起動フラグをRAM91cに設定し(Sy12)、後述する電断割込処理(サブ)の先頭にジャンプする。
【0520】
Sy11のステップにおいてアトリビュートの読込命令を実行してからの経過時間が許容時間を超えていない場合には、表示制御確認処理を終了する。
【0521】
このようにCPU91aは、許容時間を超えてVブランク割込信号が入力されない場合、グラフィックコントローラ1200に対して命令してから、当該命令による処理の終了を示す割込信号が許容時間を超えて入力されない場合に、表示制御回路92の不具合に伴う再起動を示す再起動フラグをRAM91cに設定して、電断割込処理(サブ)の先頭にジャンプするようになっている。
【0522】
図40は、電断検出回路98からの電圧低下信号が入力されたとき、及び許容時間を超えてVブランク割込信号が入力されない場合、グラフィックコントローラ1200に対して命令してから、当該命令による処理の終了を示す割込信号が許容時間を超えて入力されない場合、すなわちグラフィックコントローラ1200がハングアップしている可能性が高い場合に実行する電断割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
【0523】
電断割込処理(サブ)においては、まず、割込を禁止する(Sz1)。すなわち電断割込処理(サブ)の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sz2)。
【0524】
次いで、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sz3)、全ての出力ポートを初期化する(Sz4)。次いでRAM41cの全ての格納領域の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sz5)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sz6)。
【0525】
そして、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。また、電断ではなく、グラフィックコントローラ1200の不具合によって電断割込処理が行われた場合には、一定時間が経過することによりリセット回路95からリセット信号が入力され、CPU91aは再起動することとなる。
【0526】
本実施例では、遊技制御基板40と遊技用電子部品との間のコネクタ接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難としている。具体的には、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続は、コネクタ規制部材500aによってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、及び基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612gとの接続は、コネクタ規制部材650によってその解除が規制されるようになっている。
【0527】
また、遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ接続の解除を規制することで、遊技制御基板40と演出制御基板90との接続の解除を困難としている。具体的には、遊技制御基板40と演出制御基板90との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620dとケーブル600dのケーブル側コネクタ610dとの接続、ケーブル600dのケーブル側コネクタ611dと演出中継基板80の基板側コネクタ621dとの接続、演出中継基板80の基板側コネクタ622pとケーブル601pのケーブル側コネクタ612pとの接続、ケーブル601pのケーブル側コネクタ613pと演出制御基板90の基板側コネクタ623pとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620dとケーブル側コネクタ610dとの接続は、コネクタ規制部材500bによってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611dと基板側コネクタ621dとの接続、及び基板側コネクタ622dとケーブル側コネクタ612dとの接続、ケーブル側コネクタ613pと基板側コネクタ623pとの接続は、それぞれ図示しないコネクタ規制部材によってその解除が規制されるようになっている。
【0528】
これらコネクタ規制部材は、互いに接続された基板側コネクタからのケーブル側コネクタの抜脱を規制可能に構成され、コネクタでの接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能とする接続解除規制状態を形成するもの、つまりは接続解除規制状態を解除した場合にその痕跡が残るように構成されていれば、その形態は任意であり、種々に変更可能である。
【0529】
具体的には、例えば基板側コネクタ及びケーブル側コネクタとは別個に形成され、両コネクタを接続した状態で装着することでコネクタの抜脱を規制することが可能なカバー体であっても良いし、あるいは、基板側コネクタまたはケーブル側コネクタのうち少なくとも一方に設けられ、コネクタ同士を互いに接続したときに互いに離脱不能に係止する係止部等であっても良いし、あるいは基板側コネクタが搭載される基板を収納可能な基板収納ケース等に設けられ、基板収納ケースにて基板を収納して封止状態としたときにコネクタの抜脱を規制する接続解除規制状態を形成する規制部等であっても良いし、あるいは互いに接続されたコネクタ同士を接着する接着剤等であっても良い。
【0530】
次に、遊技制御基板40を収納する基板ケース200及びコネクタ規制部材500a、500bの詳細な構造について説明する。
【0531】
図41及び図42は、基板ケース200及び基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に取り付けるための取付ベース250、コネクタ規制部材500a、500bを示す分解斜視図であり、図43は、基板ケース200を取付ベース250に組み付けた状態を示す斜視図であり、図44は、コネクタ規制部材500a、500bを構成する取付側部材510及びコネクタカバー520の要部拡大斜視図であり、図45(a)は、図44のA-A断面図であり、図45(b)(c)は、図44のB-B断面図であり、図46は、基板ケース200を取付ベース250に組み付け、更に取付側部材510に対してコネクタカバーを装着した状態を示す斜視図であり、図47(a)は、図46のC-C断面図であり、図47(b)は、図46のD-D断面図である。
【0532】
基板ケース200は、図41及び図42に示すように、遊技制御基板40の裏面側を覆うケース本体としての下部ケース201と、遊技制御基板40の実装面側を覆う上部ケース203と、から構成され、遊技制御基板40を挟持するように組み付けられるものである。尚、遊技制御基板40の実装面には、特に詳細な図示はしないが、CPU41a、ROM41b、RAM41c等の電子素子や、他の基板からのケーブルの一端に設けられたケーブル側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a?620d等が多数実装されている。
【0533】
下部ケース201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板の周囲を囲むように形成された側壁と、により上面が開放する直方体状に成形されている。
【0534】
下部ケース201の一方の短辺の側壁201cには、2つの封止片211、211が外方に突出して設けられているとともに、他方の短辺の側壁201dには、2対の係止部210が外方に突出して設けられている。また、下部ケース201の底板201aの裏面における側壁201cよりの両長辺側端及び側壁201dよりの両長辺側端には、後述する取付側部材510、510の係止片511が係合する係合溝212がそれぞれ形成されている。
【0535】
上部ケース203は、透明な合成樹脂からなり、図41及び図42に示すように、下面が開放するとともに、上面中央が膨出し、両短辺側に段部203a、203bが形成された凸型の箱状に成形されている。上部ケース203の下面は、下部ケース201と同型であり、下部ケース201と上部ケース203とを組み付けることで、内部に遊技制御基板40を収容する空間が形成されるようになっている。
【0536】
上部ケース203の一方の短辺の側壁203cには、下部ケース201の一方の短辺の側壁201cに設けられた封止片211、211と対応する箇所にそれぞれ封止片231、231が外方に突出して設けられており、封止片231、231の間には、等間隔に4つの封止片232が外方に突出して設けられている。上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、下部ケース201の他方の短辺の側壁に設けられた2対の係止部210と対応する箇所にそれぞれ1対の係止部210と係合する係合部230がそれぞれ設けられている。また、上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、係合部230よりも外方よりの位置に、後述する取付ベース250の係止孔251a、251aに係合する係止片235、235がそれぞれ設けられている。
【0537】
また、上部ケース203の両短辺側の段部203a、203bには、それぞれ凹部203e、203fが形成されているとともに、段部203aの凹部203eの底面には、基板ケース200内に収容した遊技制御基板40の基板側コネクタ620dに対応する箇所に基板側コネクタ620dを挿通可能な挿通孔234bが形成されており、段部203bの凹部203fの底面には、基板ケース200内に収容した遊技制御基板40の基板側コネクタ620aに対応する箇所に基板側コネクタ620aを挿通可能な挿通孔234aが形成されている。
【0538】
取付ベース250は、基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に対して固定するための部材である。取付ベース250は、合成樹脂からなり、図41及び図42に示すように、下部ケース201の底板201aよりも大きい略長方形状に形成される底板250aと、該上板の周縁辺のうち2つの長縁辺に形成された側壁250b、250cとにより上面が開放する直方体状に形成されている。取付ベース250の底板250aには、複数箇所にビス孔252が形成されているとともに、一方の短辺側の縁辺には、中央部に切り欠き250eを有する側壁250dが形成されており、底板250aには、側壁250dの切り欠き250eから中央に向かって1対のガイド254、254が設けられている。ガイド254、254の対向する面には、後述する固着部材255の両端部に形成された係止部257、257が嵌入されるガイド溝254a、254aが形成されている。
【0539】
固着部材255は、合成樹脂からなり、上面に4カ所の固着孔256が形成された固着片255aの両端から下方(図中後方)に伸びる垂下片255b、255bが延設され、更に垂下片255b、255bの両端部から左右方向(図中上下方向)を向く係止部257、257が形成された略コ字状に成形されている。固着部材255は、その係止部257、257を取付ベース250のガイド254、254に形成されたガイド溝254a、254aに対してそれぞれ嵌入することで、取付ベース250に取り付けられる。
【0540】
取付ベース250における側壁250dが形成された短辺側には、先端に内方向きの係止爪253aを有する係止柱253が底板250aから立設されているとともに、反対側の短辺側の両端部には、上部ケース203の係合部230が挿入される係止孔251a、251aが底板250aから連設された係止孔部251、251が立設されている。
【0541】
コネクタ規制部材500aは、図41及び図42に示すように、基板ケース200に対して取り付けられる取付側部材510と、取付側部材510に対して装着され、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆するコネクタカバー520と、から構成され、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付け、コネクタカバー520を装着することで、基板側コネクタ620aからのケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制される。コネクタ規制部材500bも、コネクタ規制部材500aとほぼ同一の構成であり、基板ケース200に対して取り付けられる取付側部材510と、取付側部材510に対して装着され、基板側コネクタ620dに接続されたケーブル側コネクタ610dの一部を被覆するコネクタカバー520と、から構成され、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付け、コネクタカバー520を装着することで、基板側コネクタ620dからのケーブル側コネクタ610dの抜脱が規制される。
【0542】
取付側部材510は、透明な合成樹脂からなり、図41及び図42に示すように、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の表面形状に沿った形状に成形されている。詳しくは、取付側部材510は、上部ケース203の係合部230が設けられた短辺側に装着されるものであり、その形状は、基板ケース200への取付時に上部ケース203における段部203bの凹部203f(段部203aの凹部203e)の底面に当接するとともに、ケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)を逃がす切り欠き512及び内側に係止孔513aを有する筒状の係止孔部513が形成された基片510aの両端から起立する起立片510b、510bを介して上部ケース203における段部203b(段部203a)の両端部上面に当接する上片510c、510cが延設され、更に上片510c、510cの両端から垂下する側片510d、510dを介して係止部257、257が内向きに延設された形状であり、基板ケース200への取付時に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203b(段部203a)の上面及び凹部203f(凹部203e)の底面にそれぞれ当接するようになっている。
【0543】
係止孔部513における係止孔513aの内面には、図44に示すように、中心を挟んで対向する位置に係止溝514が、係止孔513aの下端から上方に向かって設けられている。係止溝514は、係止孔513aの下端からの深さの浅い浅溝部514aとそれよりも深い深溝部514bとからなる略L字状で、対向する係止溝514、514の浅溝部514a、514a同士、深溝部514b、514b同士が、それぞれ中心を挟んで対向する位置に形成されている。すなわち係止溝514、514は、中心を挟んで点対称に形成されている。
【0544】
コネクタカバー520は、透明な合成樹脂からなり、図41及び図42に示すように、基板ケース200に取り付けられた取付側部材510に対して取り付けた際に、基板側コネクタ620a(基板側コネクタ620d)に接続されたケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)の一部を被覆する断面視略コ字状の被覆部521が成形されているとともに、被覆部521の長手方向側面の一方の側面521aに取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aの内周とほぼ同径の係止筒522が接続片522aを介して設けられている。
【0545】
被覆部521の一方の側面521aの下端は、取付側部材510に取り付けた際にその基片510aの上面に当接するとともに、側面521aの背面には、リブ521b、521bが設けられ、そのリブ521b、521bの下面も基片510aの上面に当接するようになっている。
【0546】
係止筒522は、図44に示すように、中心を挟んで対向する位置に、先端に外向きの係止爪523aが形成され、内方に弾性変形可能な係合部523、523が設けられている。係合部523、523は、その係止爪523a、523aが、コネクタカバー520を基板側コネクタ620a(基板側コネクタ620d)にケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)が接続されている状態で取付側部材510に取り付けた際に、係止孔513aに形成された係止溝514、514の浅溝部514a、514aに対して係合する位置に設けられている。
【0547】
次に、コネクタ規制部材500a、500bの基板ケース200への取付状況及び基板ケース200の筐体への取付状況について説明する。
【0548】
まず、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の内部に遊技制御基板40を収容して封止状態とする。下部ケース201及び上部ケース203を封止状態とするには、下部ケース201の2対の係止部210に対して、それぞれ対応する上部ケース203の係合部230を係合させた後、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着する。
【0549】
ワンウェイネジは、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである。このため、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着すると、封止片211及び封止片231のいずれか一方を破断させなければ、これらの固着を解除できないようになっている。
【0550】
そして、封止片211及び封止片231を固着することにより、下部ケース201に対する上部ケース203の長手方向の移動が規制され、その結果、下部ケース201の係止部210に対する上部ケース203の係合部230の係合の解除も規制されることとなり、上部ケース203と下部ケース201は、内部に遊技制御基板40を収容した状態で一体化され、封止片211及び封止片231を破断しなければ、開放することができない状態となる。
【0551】
次に、遊技制御基板40を封止状態とした基板ケース200に対して、コネクタ規制部材500a、500bをそれぞれ構成する取付側部材510、510を取り付ける。取付側部材510は、その両側片510d、510dを外方に向かって弾性変形させ、上部ケース203の段部203b(段部203a)に装着する。そして弾性変形を解除することで、係止片511、511を下部ケース201の裏面における係合溝212、212に係合させることで取り付けられる。この際、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cは、それぞれ上部ケース203の段部203b(段部203a)上面、凹部203f(凹部203e)の底面に当接するとともに、基片510aに設けられた切り欠き512が、上部ケース203の凹部203fに設けられた挿通孔234a(凹部203eに設けられた挿通孔234b)と一致し、これら切り欠き512及び挿通孔234a(挿通孔234b)を介して、基板ケース200に収容された遊技制御基板40の基板側コネクタ620a(基板側コネクタ620d)が基板ケース200内から外部に露出するようになっている。
【0552】
次に、取付ベース250のビス孔252を介して取付ネジ259を筐体側の壁に螺入し、取付ベース250を筐体に対して固定するとともに、固着部材255の係止部257、257を取付ベース250のガイド溝254a、254aにそれぞれ嵌入し、固着部材255を取付ベース250に対して装着する。
【0553】
次に、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200を取付ベース250に対して組み付ける。詳しくは、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235をそれぞれ取付ベース250の係止孔部251、251の係止孔251a、251aに挿入した後、図43に示すように、基板ケース200を取付ベース250の側壁250b、250cの間に収容させるとともに、係止柱253の係止爪253aによって基板ケース200の他端側段部203aの上面を係止して基板ケース200を取付ベース250に仮止めする。この状態で上部ケース203の一端に設けられた4つの封止片232と取付ベース250に装着された固着部材255の固着孔256がそれぞれ対応する位置となり、この状態で、いずれかの封止片232の上方から対応する固着孔256に対して前述のワンウェイネジを螺入することで、封止片232と固着部材255とを固着する。
【0554】
そして、封止片232及び固着部材255を固着することにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が規制されるとともに、係止柱253によって基板ケース200の封止片232側への水平移動も規制されるので、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから外すことも不可能となる。更に、この状態では、取付ベース250の底板250aのビス孔252は全て基板ケース200に被覆され、取付ネジへの259へのアクセスも不能となり、取付ベース250を筐体から取り外すことも不可能となる。このようにして、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200は、取付ベース250を介して筐体に固定され、封止片232または固着部材255を破断しなければ、基板ケース200を筐体から取り外すことができない状態となる。
【0555】
また、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、図47(a)に示すように、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる。
【0556】
次に、図43に示すように、基板ケース200の挿通孔234a、234b及び取付側部材510における基片510aの切り欠き512を介して露呈する遊技制御基板40の基板側コネクタ620a、620bに対してケーブル600aのケーブル側コネクタ610a、ケーブル600dのケーブル側コネクタ610dをそれぞれ接続した後、これら基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610a、基板側コネクタ620dとケーブル側コネクタ610dを接続した状態で、図46に示すように、コネクタカバー520の被覆部521でケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dの上方を被覆するとともに、コネクタカバー520の係止筒522を取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aに嵌入させる。これにより係止筒522の係合部523、523は、係止孔513aの内周に当接して内方に弾性変形する。この際、係合部523、523は、被覆部521でケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dを被覆する位置とすると、自ずと係止孔513aの内面に形成された係止溝514、514のうち浅溝部514a、514aに位置決めされることとなり、係止筒522を更に嵌入し、係合部523、523の先端の係止爪523a、523aが係止溝514、514の浅溝部514a、514aに到達することで、図45(a)に示すように、係合部523、523の内方への弾性変形が開放され、係止爪523a、523aがそれぞれ浅溝部514a、514aに係合し、係止筒522の上方への移動が規制されるとともに、被覆部521の側面521aと基板側コネクタ620a及びケーブル側コネクタ610aの側面、基板側コネクタ620d及びケーブル側コネクタ610dの側面とが当接して、係止筒522の係止孔部513に対する回転が規制されることにより、取付側部材510とコネクタカバー520とが連結し、一体化されたコネクタ規制部材500aが形成された状態となる。この状態では、係合部523、523が係止孔部513によって被覆されるため、外部から係合部523、523を内方に弾性変形させることが不可能となり、コネクタカバー520または取付側部材510を破断しなければ、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すことが不可能となる。
【0557】
また、コネクタカバー520を取付側部材510に対して取り外し不能に取り付けると、図47(a)(b)に示すように、被覆部521によってケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dの上面の一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dの基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dの基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dからの抜脱が規制されるようになっている。
【0558】
このように、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、ケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dを基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dに接続し、その状態で基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dの基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dからの抜脱が不能化されるようになっている。
【0559】
次に、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続、ケーブル側コネクタ610dと基板側コネクタ620dとの接続を解除する際の状況について説明する。
【0560】
ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続、ケーブル側コネクタ610dと基板側コネクタ620dとの接続を解除するには、取付側部材510またはコネクタカバー520を破断してコネクタカバー520を取付側部材510から取り外すか、基板ケース200の封止片232または固着部材255を破断して、基板ケース200を取付ベース250から取り外し、コネクタカバー520が取り付けられた状態のままの取付側部材510を基板ケース200から取り外す必要がある。
【0561】
例えば、ケーブル600a、600dの故障などによりケーブル側コネクタ610aまたはケーブル側コネクタ610dを基板側コネクタ620aまたは基板側コネクタ620dから外す必要がある場合には、前者の方法で取り外し、基板の故障などにより基板ケース200ごと交換する場合には、後者の方法で取り外せば良い。
【0562】
まず、ケーブル600a(ケーブル600d)を交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)を基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、コネクタ規制部材500a(コネクタ規制部材500b)を構成するコネクタカバー520を取付側部材510から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具でコネクタカバー520の被覆部521と係止筒522とを繋ぐ接続片522aを破断する。これにより被覆部521が分離するとともに、係止筒522の係止孔部513に対する回転が可能な状態となる。この状態で、係止筒522を、上面視反時計回りに回転させることで、係合部523、523が係止溝514、514の浅溝部514a、514aから深溝部514b、514bの位置に移動し、図45(a)に示すように、係止爪523a、523aが浅溝部514a、514aに係合している状態から、図45(b)に示すように、係止爪523a、523aと浅溝部514a、514aの係合が解除された状態となる。これにより、係止筒522の上方への移動が可能となり、図45(c)に示すように、係止筒522を上方に引き抜くと、係止爪523a、523aが深溝部514b、514bに係合するが、この状態では、係合部523、523が露呈するため、内方に弾性変形させることが可能となり、係合部523、523を内方に弾性変形させることにより、係止爪523a、523aと深溝部514b、514bとの係合が解除され、係止筒522を取付側部材510から取り外すことができ、これによりコネクタカバー520が取付側部材510から完全に分離し、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)の抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)と基板側コネクタ620a(基板側コネクタ620d)との接続を解除することができるようになる。
【0563】
尚、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すと、被覆部521と係止筒522とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610a(ケーブル側コネクタ610d)と基板側コネクタ620a(基板側コネクタ620d)との接続を解除した痕跡が残ることとなる。
【0564】
次に、基板ケース200ごと交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dを基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dから外す必要がある場合に、取付側部材510をコネクタカバー520ごと基板ケース200から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具で固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する。これにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が可能となるので、係止柱253の係止爪253aと基板ケース200の段部203aとの係合を解除する。これに伴って封止片232側への水平方向への移動も可能となるので、基板ケース200の係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから取り外す。これにより、基板ケース200が取付ベース250から取り外され、取付側部材510の側片510d、510dを外方に変形することが可能な状態となり、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが可能となり、これによりコネクタカバー520と一体化された状態で取付側部材510を基板ケース200から取り外すことにより、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610a、ケーブル側コネクタ610dと基板側コネクタ620a、基板側コネクタ620dとの接続を解除することができるようになる。
【0565】
尚、この方法によっても取付側部材510を基板ケース200から取り外すためには、固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する必要があり、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続、ケーブル側コネクタ610dと基板側コネクタ620dとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
【0566】
また、この方法によれば、基板ケース200の封止片232が破断され、固着部材255に残るが、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外せるため、交換用に遊技制御基板40が収容された新たな基板ケース200にコネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けることで、新たな基板ケース200においてケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続、ケーブル側コネクタ610dと基板側コネクタ620dとの接続の解除が不能化されるとともに、新しい固着部材255を取付ベース250に装着し、コネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けた新たな基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、再び取付側部材510の取り外しが不可能な状態となり、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続、ケーブル側コネクタ610dと基板側コネクタ620dとの接続を解除した場合には、その痕跡を残せる状態となる。すなわちこのような場合には、取付側部材510とコネクタカバー520とを再利用することが可能となる。
【0567】
尚、本実施例では、取付側部材510の係止片511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付側部材510が基板ケース200に取り付けられるとともに、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる構成であるが、例えば、取付側部材の一部を基板ケース200の裏面でネジや取り外し可能な係止ピンで固定するとともに、基板ケース200を筐体(取付ベース)に取り外し不能に取り付けた際に、これらネジや係止ピンが隠蔽される構造とし、基板ケース200を筐体に対して取り付けることで、取付側部材の基板ケース200からの取り外しが規制される構成としても良く、取付側部材を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、取付側部材が基板ケース200から取り外せなくなる構成であれば、どのような構成を採っても良い。
【0568】
次に、コネクタ規制部材650の詳細な構造について説明する。
【0569】
図48は、コネクタ規制部材650を構成する載置台660及びカバー部材680を示す分解斜視図であり、図49は、載置台660に対してカバー部材680を組み付けた状態を示す斜視図であり、図50(a)は、図49のE-E断面図であり、図50(b)は、図49のF-F断面図である。
【0570】
コネクタ規制部材650は、図48及び図49に示すように、操作部中継基板110を載置する載置台660と、載置台660を上方から被覆するカバー部材680と、から構成され、載置台660に操作部中継基板110を収容した後、操作部中継基板110の基板側コネクタ621a、622gに、それぞれに対応するケーブル600a、601gのケーブル側コネクタ611a、612gを接続した後、カバー部材680をケース体610に取り付けることで、基板側コネクタ621a、622gからのケーブル側コネクタ611a、612gの抜脱が規制される。
【0571】
載置台660は、透明な合成樹脂からなり、操作部中継基板110よりも大径の略長方形状に成形されている。操作部中継基板110には、図48に示すように、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d?622f、622gが実装されており、載置台660の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、操作部中継基板110を載置した際に、操作部中継基板110において差し込み口が実装面と水平方向に開口する基板側コネクタ622a、622b、622c、622d?622f、622gが位置する部位を避けて、外方に突出するように、係止孔661bを有する係止孔部661がそれぞれ1つずつ接続片661aを介して設けられている。係止孔661bの内周面には、中心を挟んで対向する位置に中心向きの係止爪661c、661cが1対形成されている。
【0572】
カバー部材680は、透明な合成樹脂からなり、載置台660とほぼ同形状に成形されており、一方の長辺側には、操作部中継基板110の基板側コネクタ621aに対応する位置に手前に向かって膨出する被覆部681が、他方の長辺側には、操作部中継基板110の基板側コネクタ622a、622bに対応する位置に手前側に向かって膨出するカバー部688、基板側コネクタ622c、622g、622d?622fに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部689がそれぞれ形成されている。
【0573】
被覆部681の上面681aには、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aの長辺の長さよりも狭い、基板側コネクタ621aに接続されたケーブル600aを逃がすための切り欠き681bが外側の側面にかけて形成され、これにより、上面681aの両側端には、それぞれ被覆部681、681が形作られる。
【0574】
カバー部688には、基板側コネクタ622a、622bに接続されたケーブル601a、601bを逃がすための切り欠き682aが形成されているとともに、カバー部689には、基板側コネクタ622cに接続されたケーブル601cを逃がすための切り欠き682b、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル601gを逃がすための切り欠き632c、基板側コネクタ622d?fに接続されたケーブル601d?fを逃がすための切り欠き682dがそれぞれ形成されている。特に、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル601gを逃がすための切り欠き682cは、ケーブル601gの長辺の長さよりも狭幅に形成されており、その両端には、カバー部689から垂下する被覆片683、683がそれぞれ設けられている。
【0575】
また、カバー部材680の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、載置台660の係止孔部661と対応する位置に、外方に突出するように、係止孔661bの内周面とほぼ同径の係止筒684が接続片684aを介して設けられている。係止筒684の外周面には、係止孔661bの内周に設けられた1対の係止爪661cと対応する箇所にそれぞれ係止孔684aが形成されており、係止爪661cが係合できるようになっている。
【0576】
次に、載置台660とカバー部材680の取付状況について説明すると、まず、図48に示すように、載置台660に操作部中継基板110を載置し、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d?622f、622gにそれぞれ対応するケーブル側コネクタ611a、612a、612b、612c、612d?612f、612gを接続する。これらケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続した後、カバー部材680を載置台660に対して取り付ける。
【0577】
詳しくは、カバー部材680の係止筒634を載置台660の対応する係止孔部661の係止孔661bに嵌入する。そして係止筒634を係止孔661bに押し込むことにより、係止孔661b内の係止爪661cが係止筒684の係止孔684aに係合する。これにより、外方から係止爪661cと係止孔684aとの係合を解除することが不可能な状態となり、図49に示すように、載置台660とカバー部材680とが、係止孔部661または係止筒634を破断しなければ取り外し不能に組み付けられた状態となる。
【0578】
そして、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図50(a)に示すように、操作部中継基板110の基板側コネクタ621aに接続されたケーブル側コネクタ611aの両端部上面がカバー部材680の被覆面681c、681cに被覆され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜脱が規制されるようになっている。
【0579】
載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図50(b)に示すように、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gに接続されたケーブル側コネクタ612gの両端部上面がカバー部材680の被覆片683、683に被覆され、ケーブル側コネクタ612gの基板側コネクタ622gからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ612gの基板側コネクタ622gからの抜脱が規制されるようになっている。
【0580】
次に、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続を解除する際の状況について説明する。
【0581】
ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続を解除するには、ニッパーなどの工具でカバー部材680の係止筒684を繋ぐ接続片684aを破断する。これにより、カバー部材680の本体と係止筒684とが分離して、カバー部材680を載置台660から取り外すことが可能となり、カバー部材680を載置台660から取り外すことにより、被覆面681、681によるケーブル側コネクタ611aの抜き方向の移動の規制が解除されるとともに、被覆片683、683によるケーブル側コネクタ612gの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続を解除することができるようになる。
【0582】
尚、カバー部材680を載置台660から取り外すと、カバー部材680の本体と係止筒684とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないうえに、分離した係止筒684が載置台660の係止孔部661の係止孔661b内に残るため、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ612gと基板側コネクタ622gとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
【0583】
以上説明したように本実施例のスロットマシンにおいては、ビッグボーナス(1)(2)の終了時に、特典付与抽選を行い、この抽選に当選したときに、特典を入手するための特典入手情報を特定可能な2次元コードが、遊技者の所持する携帯電話などに搭載された2次元コードリーダにて読み取り可能に液晶表示器51に表示されることで、スロットマシン1において直接付与される利益とは別に特典を付与することができる。
【0584】
また、本実施例では、ビッグボーナスの履歴に応じて特典付与抽選の当選確率が変動するようになっており、ビッグボーナスの履歴に応じて特典が付与されることに対する期待感にメリハリを持たせることができる。
【0585】
また、本実施例では、特典付与サーバが特典を抽出する際に用いる特典抽出用パラメータを暗号化して特典入手情報が作成されるようになっており、特典抽出用パラメータを解析して特典入手情報を偽造し、特典付与サーバから不正に特典が取得されてしまうことを防止できる。
【0586】
スロットマシンは、一般的に他のスロットマシンやコンピュータとの双方向の通信を行うことができない状態で設置されるので、特典入手情報それぞれに固有のIDを付与することができないため、複数の異なるスロットマシンにおいて同一の特典入手情報が作成される可能性があり、一の特典入手情報に対して排他的に特典を付与することが困難であるが、本実施例では、特典入手情報を構成する特典抽出用パラメータに、機種ID及び作成日時に加えて、一定の範囲でランダムに変動するRレジスタの値を含むため、特典入手情報それぞれに完全に固有のIDを付与することはできないが、同一機種において、同一日時に、Rレジスタの値が同一となる可能性は極めて低く、これら機種ID、作成日時、Rレジスタの値を組み合わせることによって、実質的に特典入手情報をそれぞれ個別に識別することが可能となるため、一の特典入手情報に対して排他的に特典を付与すること、すなわち同一の特典入手情報で、複数のアクセスがあった場合でも、一の特典入手情報に対して重複して特典が付与されてしまうことを防止できる。
【0587】
尚、本実施例では、一定の範囲でランダムに変動する値としてRレジスタの値を用いているが、一定の範囲でランダムに変動する値であれば、ハード乱数やソフト乱数などその他の値を利用しても良い。
【0588】
また、本実施例では、特典入手情報をそれぞれ識別するための情報(機種ID、作成日時、Rレジスタの値)が特典抽出用パラメータに含まれ、暗号化された状態でURLに付加されることとなるため、これらの情報を改竄することは非常に困難であり、特典入手情報をそれぞれ識別するための情報を改竄して、同一内容の特典を重複して入手するといった不正行為を防止できる。
【0589】
また、スロットマシンは一度設置されると、メイン制御部やサブ制御部のプログラムを事後的に変更することはできず、特典付与抽選の結果のみを特典入手情報として適用すると、特典入手情報に基づいて提供できる特典の内容や数が特典付与抽選の結果に依存することとなるため、それ以上に特典の内容や数を拡張することができなくなってしまうが、本実施例では、特典入手情報が特典付与抽選の結果そのものではなく、特典入手情報を構成する特典抽出用パラメータに、その時点で様々な組み合わせとなり得る遊技履歴が含まれるため、スロットマシンが設置された後でも、特典付与サーバ側で、遊技履歴の組み合わせ分までは、特典の内容や数を拡張できるとともに、差枚数やボーナス確率の違いなどによって異なる特典を付与するなど、遊技履歴に応じて付与する特典の内容に違いを持たせることができる。
【0590】
さらに、特典抽出用パラメータに、作成日時が含まれるため、特典入手情報が作成された期間に応じて異なる特典を付与することも可能となり、予想以上に設置期間が長くなった場合などでも、その期間に応じて入手できる特典を変更することができるとともに、特典入手情報を入手したまま、特典の付与を受けず、その間に入手できる特典が変更された場合であっても、実際の作成日時に基づいた特典を付与することが可能となる。
【0591】
尚、本実施例では、遊技履歴として(ビッグボーナス(1)の回数/ビッグボーナス(2)の回数/レギュラーボーナスの回数/ボーナス間ゲーム数/総ゲーム数/差枚数)を適用しているが、その他の遊技履歴、例えば、特定の小役の入賞または当選回数、ボーナス間の特定の小役の入賞または当選回数、ボーナス間など特定期間の差枚数などを適用しても良い。
【0592】
また、本実施例では、特典入手情報を変換した2次元コードを液晶表示器51に表示した後、遊技者によって2次元コードの表示終了操作(賭数設定操作)がなされるか、2次元コードの表示開始後、表示終了時間(本実施例では60秒)が経過した時点で2次元コードの表示を終了するようになっており、表示終了時間が経過する前であっても遊技者の意志で2次元コードの表示を終了させることができるようになっており、必要以上に長い間表示させることにより、他人に2次元コードが読み取られてしまうことを防止できる。
【0593】
また、特典入手情報を特定可能な2次元コードを液晶表示器51に表示されている間は、デモ演出の実行を禁止するようになっており、この間に、待機コマンドを受信した場合、すなわちゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間が経過した場合、クレジットの精算操作がなされた場合、賭数の精算操作がなされた場合であっても、遊技者によって2次元コードの表示終了操作(賭数設定操作)がなされるか、2次元コードの表示開始後、表示終了時間(本実施例では60秒)が経過して2次元コードの表示が終了するまでは、デモ演出が実行されることがなく、遊技者が2次元コードを読み取る時間を確保することができ、遊技者が2次元コードを確実に読み取ることができる。
【0594】
本実施例のスロットマシン1においては、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材500a及びコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。これにより、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板40のメイン制御部41にゲームの進行に関わる不正な信号を入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、例えば、打ち込み器具などを接続して、ボーナスが当選した状態としたスロットマシンを開店時に提供したり、前述した特典入手情報を入手しやすい状態(例えば、本実施例では、ビッグボーナスの合計回数が5の倍数である場合に、特典付与抽選に当選する確率が高い状態となるため、ビッグボーナスの回数が5の倍数の1回前の状態などが特典入手情報を入手しやすい状態となる)としたスロットマシンを開店時に提供するといった不正営業の実施等を効果的に防止できる。
【0595】
また、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続を解除するためには、基板ケース200の封止片232やコネクタカバー520の接続片522a、カバー部材680の接続片684aを破断しなければならず、これにより、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正営業をより効果的に抑制することができる。
【0596】
また、本実施例では、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板40のメイン制御部41にゲームの進行に関わる不正な信号を入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、上記不正営業の実施等を効果的に防止できる。
【0597】
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力する第1の電子部品5、6、7、8L、8C、8R、31、33L、33C、33R、35及びゲームの進行に応じて遊技制御基板40から信号が出力される第2の電子部品32L、32C、32R、34のうち、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ31(投入メダルセンサ31からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板40との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的に進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
【0598】
尚、本実施例では、投入メダルセンサ31と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しているが、スタートスイッチ7と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。また、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかと遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしても同様の効果が得られる。
【0599】
また、本実施例では、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板40と操作部中継基板110との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
【0600】
尚、メイン制御部41とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
【0601】
また、本実施例では、遊技制御基板40と操作部中継基板110とを接続するケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板110の基板側コネクタ621aとの接続の解除、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31とを接続するケーブル601gのケーブル側コネクタ612gと操作部中継基板110の基板側コネクタ622gとの接続の解除が、1つのコネクタ規制部材650によって、同時に規制されるので、これら複数のコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
【0602】
また、本実施例では、取付側部材510とコネクタカバー520とからなるコネクタ規制部材500aを基板ケース200に取り付けることで、当該基板ケース200に収容された遊技制御基板の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの抜脱が規制されるとともに、この状態で基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、基板ケース200からのコネクタ規制部材500aの取り外しが規制されることになり、基板ケース200の封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除するか、取付側部材510またはコネクタカバー520の取り付け状態を解除しなければ、基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを抜脱できない状態となる。すなわち封止片232の破断、または接続片522aの破断という痕跡を残さなければケーブル側コネクタ610aを抜脱することができない状態となり、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなるため、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
【0603】
また、故障などにより遊技制御基板40を収容した基板ケース200ごと遊技制御基板40を交換する場合には、封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除すれば、コネクタ規制部材500aを基板ケース200から取り外してケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから抜脱可能となるため、無駄にコネクタ規制部材500aを破壊したり、基板ケース200を破壊して開封することなく基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを分離させることができる。
【0604】
また、コネクタ規制部材500aを取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっており、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続した後、基板側コネクタ620aの周辺に位置する取付側部材510の係止孔部513の係止孔513aにコネクタカバー520の係止筒522を嵌入し、コネクタカバー520を取付側部材510に取り付けるのみで、コネクタカバー520によりケーブル側コネクタ610aの一部が被服され、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を軽減できる。
【0605】
また、遊技制御基板40が基板ケース200に収容された状態であっても、そのままの状態でケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その後コネクタカバー520を取り付けるのみで良く、このような場合には、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を一層効果的に軽減できる。
【0606】
また、コネクタカバー520は、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分全体を被覆するのではなく、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向側の一部のみを被覆する構成であるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制できるばかりでなく、コネクタカバー520の製造に必要な材料が少なく済む。
【0607】
また、コネクタカバー520は、取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるので、コネクタカバー520及び取付側部材510の構造を簡素化できることから好ましいが、コネクタカバー520に係止筒522を複数箇所設けるとともに、取付側部材510にもそれぞれ対応する箇所に係止孔513aを設け、コネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けるようにしても良く、このようにすることで、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱をより強固に規制することができる。更にこの場合には、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分を跨ぐ複数箇所でコネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けることが好ましく、このようにすれば、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を更に強固に規制することができる。
【0608】
また、コネクタカバー520が取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるが、コネクタカバー520の一方の側壁には、取付側部材510の基片510aの表面に当接するリブ521b、521bが形成されており、コネクタカバー520の移動が規制されるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制することができる。
【0609】
また、取付側部材510の基片510aから延設される両端部には、内向きの係止片511、511がそれぞれ形成されており、係止片511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200に組み付けて基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付側部材510が基板ケース200に取り付けられるようになっているため、コネクタ規制部材500aを基板ケース200に取り付けるにあたり、ネジやピンなどの他の部材を用いることなく取り付けることができるので、部品点数を削減できる。
【0610】
また、コネクタ規制部材500aを構成する取付側部材510を基板ケース200に取り付けた際に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっており、コネクタ規制部材500aと基板ケース200の表面との間に不正部品などが取り付けられることを効果的に防止することができる。
【0611】
また、コネクタ規制部材500aを構成する取付側部材510及びコネクタカバー520は、ともに透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500aにより損なわれることがないので、遊技制御基板40の監視に支障をきたすことがない。また、コネクタ規制部材500aと基板ケース200との隙間に不正部品が取り付けられた場合でも容易に発見することが可能となる。
【0612】
本実施例では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、CPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信すると、特別役の当選を示す告知演出を実行するとともに、この告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるようになっている。
【0613】
また、サブ制御部91は、電源投入コマンドか、後述するようにメイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示す初期化コマンドを受信するまでは、バックアップが正常であってもその演出状態に復帰することもなく、他のコマンドを受信してもそれに応じて演出の制御は行わないようになっている。このため、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続とし、その後メイン制御部41とサブ制御部91とを接続しても、サブ制御部91は、電源投入コマンドや初期化コマンドを受信していないため、演出の制御が行われることはなく、起動時にメイン制御部41とサブ制御部91のコマンド送信ラインを非接続としても、サブ制御部91側で電源投入コマンドの受信を回避し、特別役の当選を示す告知演出の実行を回避することは不可能であり、このようにメイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、必ず特別役の当選が報知されることとなる。
【0614】
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
【0615】
また、告知演出は特別役の入賞を示す入賞判定コマンドを受信するまで、すなわち当選した特別役が入賞するまで継続して実行されるので、特別役が入賞すること、すなわち特別役の当選フラグがクリアされるまでは告知演出が停止することはなく、遊技店によって特別役の当選を維持したまま告知演出を解除することが不可能となるため、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより一層効果的に抑止することができる。
【0616】
また、本実施例では、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合には、CPU41aが特別役の当選を示す電源投入コマンドを送信し、特別役の当選を示す電源投入コマンドをサブ制御部91が受信することで、特別役の当選を示す告知演出を、サブ制御部91が制御する液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置にて実行するようになっており、不正に特別役の当選を設定しても、メイン制御部41を再起動させた際に、特別役に当選していることが演出装置で報知され、一層判別しやすい状態となるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を一層確実に防止することができる。
【0617】
また、本実施例では、遊技制御基板40と演出制御基板90の間のコネクタ接続の解除がコネクタ規制部材により規制されるようになっており、メイン制御部41を起動させた後、演出制御基板90を接続することで特別役の報知をさせないといった細工をすることが困難となるため、遊技店による不正営業を一層確実に防止することができる。更に、コネクタ規制部材は、互いに接続された基板側コネクタからのケーブル側コネクタの抜脱を規制可能に構成され、コネクタでの接続に関わる解除規制部位を破壊しない限り、解除不能とする接続解除規制状態が形成され、接続解除規制状態を解除した場合にその痕跡が残るように構成されているので、コネクタ同士での接続を解除するためには解除規制部位を破壊しなければならず、これにより接続を解除した後に再度接続解除規制状態を形成することが極めて困難となり、かつ、手間がかかるため、上記不正行為をより効果的に防止することができる。
【0618】
また、本実施例では、停電時において遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視し、遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶する断線監視IC50を遊技制御基板40に有し、CPU41aが、その起動時において断線監視IC50に断線フラグの確認要求を行い、これに伴う断線監視IC50からの返信に基づき断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合、すなわち遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態が解除された場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化し、元の状態に復帰不可能となるので、メイン制御部41を起動させた後、演出制御基板90を接続することで特別役の報知をさせないといった細工をした場合には、RAM41cが初期化されてしまい元の状態に復帰不可能となるため、遊技店による不正営業を一層確実に防止することができる。
【0619】
尚、本実施例では、サブ制御部91が制御する演出装置にて特別役の当選が報知されるようになっているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、メイン制御部41が直接制御するクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13にて特別役の当選を報知するようにしても良い。また、メイン制御部41が直接制御する電子部品として特別役の当選を報知する告知LEDを設け、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、告知LEDを用いて特別役の当選を報知するようにしても良い。
【0620】
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、メイン制御部41の起動時に電断前の状態に復帰し、かつ電断前から特別役が当選している場合に、その旨を報知することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
【0621】
本実施例では、断線監視IC50が、停電時において遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態についても監視し、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶するとともに、CPU41aが、その起動時において断線監視IC50に断線フラグの確認要求を行い、これに伴う断線監視IC50からの返信に基づき断線フラグの記憶状態を取得し、断線フラグが記憶されている場合、すなわち遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化し、元の状態に復帰不可能となる。
【0622】
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することで、断線監視IC50に断線フラグが記憶され、CPU41aを起動させた際に、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンや特典入手情報を入手しやすい状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に防止することができる。
【0623】
また、断線監視IC50は、通電時においても遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態を監視し、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶するとともに、CPU41aは、起動後もタイマ割込処理において定期的に断線フラグの記憶状態を確認し、断線フラグが記憶されている場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化し、元の状態に復帰不可能となるため、電源を落とさないまま、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除した場合でも、断線監視IC50に断線フラグが記憶され、これに伴い、断線異常によるエラー状態に制御され、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンや特典入手情報を入手しやすい状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業をより確実に防止することができる。
【0624】
また、本実施例では、一度断線異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM41cの初期化に伴ってスロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
【0625】
尚、本実施例では、CPU41aが断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御することに伴って、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域が初期化され、元の状態に復帰不可能となる構成となっているが、断線異常エラーによるエラー状態においては、RAM41cの初期化はされないが、その後RAM41cの初期化操作(本実施例では、設定変更モードへの移行操作が該当するが、これとは別に、電源投入時に検出されることで、RAM41cの初期化が行われる初期化スイッチを設け、初期化スイッチによるRAM41cの初期化操作を適用しても良い。)が行われたことを条件に、エラー状態を解除し、ゲームが可能な状態となるようにしても良く、このようにした場合には、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定したり、特典入手情報を入手しやすい状態に設定したりしても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することで、断線監視IC50に断線フラグが記憶され、CPU41aを起動させた際に、RAM41cの初期化操作がなされて、RAM41cが初期化されるまでゲームの進行が不能化されるので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンや特典入手情報を入手しやすい状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に防止することができる。
【0626】
また、本実施例では、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制することによっても不正器具の使用を防止しているが、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態を監視し、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態が解除された場合には、その旨を示す断線フラグを記憶するとともに、CPU41aが、起動時及び起動後において断線フラグの記憶状態を確認し、断線フラグが記憶されている場合には、断線異常と判定し、断線異常エラーによるエラー状態に制御して、ゲームの進行を不能化するとともに、RAM41cの領域のうちCPU41aが使用中の領域を除く全ての領域を初期化すること、または初期化操作がなされてRAM41cが初期化されるまでゲームの進行を不能化することで、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造とするか否かに関わらず、打ち込み器具の使用を防止できるため、コネクタ同士の抜き差しを規制する構造にしないことも可能であり、このようにすることで、コネクタ同士の抜き差しを規制するために部品の大幅な構造変更を必要としないうえに、故障時などのメンテナンス性を向上させることもできる。
【0627】
また、本実施例では、断線監視IC50が、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態を監視しているが、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ7や、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rなど)を監視するものであっても、上記と同様の効果が得られる。
【0628】
また、本実施例では、断線監視IC50が、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間の電気的な接続状態を監視するとともに、CPU41aが、起動時においてゲームの進行に応じて遊技制御基板40に対して信号を入力または出力する電子部品(投入メダルセンサ31)と遊技制御基板40との間の断線を判定した場合に、RAM41cを初期化することで、遊技店による不正営業を防止するようになっているが、図65に示すように、メイン制御部41のバックアップ電源が、遊技制御基板40から、遊技制御基板40と操作部中継基板110を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板110、操作部中継基板110と投入メダルセンサ31を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ31で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板110、ケーブル600aを経由して再度遊技制御基板40に戻り、メイン制御部41に供給されるように構成しても良く、このような構成とすることで、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31の間のコネクタ同士の接続が1ヶ所でも解除されることで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、メイン制御部41のRAM41cのデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、メイン制御部41のRAM41cに保持されているバックアップデータが消失する。一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選を設定したり、特典入手情報を入手しやすい状態に設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することでRAM41cのデータが初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシンや特典入手情報を入手しやすい状態に設定したスロットマシンを、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
【0629】
尚、バックアップ電源が、遊技制御基板40から投入メダルセンサ31を経由して再度遊技制御基板40に戻り、メイン制御部41に対して供給されることで、この間のコネクタ接続が解除された場合にRAM41cのデータが消失するようになっているが、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ7や、本実施例のようにリールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rなど)を経由するものであっても、上記と同様の効果が得られる。
【0630】
また、バックアップ電源を蓄積するコンデンサや電池などを、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品の取付基板やこれら電子部品の中継基板(操作部中継基板110など)に搭載し、これら取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからのバックアップ電源の供給ラインが、電子部品の信号線とともにケーブルを介して遊技制御基板に接続され、メイン制御部41に対して供給されるようにしても良く、この場合でも、これら取付基板や中継基板と遊技制御基板40との間のコネクタ接続が解除された場合にRAM41cのデータが消失することとなるため、上記と同様の効果を得られるうえに、遊技制御基板40には取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからケーブルを介してバックアップ電源が供給されることとなるため、ケーブルを抜いた際にメイン制御部41に対してバックアップ電源を供給し続けるためには、基板間を跨いでバックアップ電源の供給ラインを短絡させる必要があり、バックアップ電源を供給し続けた状態でコネクタ接続を解除することが非常に困難となるため、打ち込み器具の接続を効果的に防止することができる。
【0631】
本実施例のスロットマシン1では、メダルの増加が期待できるRT(2)が開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選した場合には、RT(2)を終了させず、いずれかの特別役が入賞したとき、いずれかの転落役が入賞したとき、または特別役も転落役も入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT(2)を終了させるようになっており、RT(2)の開始後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選しても、その当選した特別役が入賞しなければ、特別役の当選をもってRT(2)が終了することがなく、当選した特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(2)に継続して制御することが可能となるため、RT(2)において特別役が当選してもその当選した特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(2)を消化することが可能となり、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
【0632】
また、特別役の当選フラグは、該特別役が入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RT(2)が規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選した特別役を入賞させることが可能となるので、RT(2)の終了時に特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0633】
また、初期遊技状態においては、リプレイ(2)?(4)が入賞することでメダルの増加が期待できる遊技者にとって有利なRT(2)へ移行する可能性がある一方、1枚(1)?(3)が入賞することでメダルの増加が期待できないうえに、RT(2)へ移行することのない遊技者にとって不利なRT(1)へ移行する可能性がある。そして、初期遊技状態において1枚(1)?(3)が入賞すると遊技者にとって不利なRT(1)へ移行するが、RT(1)が終了することで再度初期遊技状態に移行することとなる。このため、初期遊技状態においてRT(2)へ移行することなくRT(1)へ移行した場合でも、その後再び初期遊技状態に移行するので、周期的にRT(2)へ移行する可能性のある初期遊技状態が訪れることとなり、RT(2)への遊技者の期待感を持続させることができる。
【0634】
また、RT(2)への移行契機となる役が複数種類(リプレイ(2)?(4))からなり、その種類に応じて、その後移行するRT(2)の規定ゲーム数、すなわち獲得が期待できるメダル数が変動するので、RT(2)への移行契機となる役の種類に応じてメダルの増減にメリハリを持たせることができる。
【0635】
また、初期遊技状態において、リプレイ(2)?(4)のいずれかが当選した際に、リプレイ(2)?(4)の入賞条件と一致する操作手順、すなわちリプレイ(2)?(4)の組み合わせの引込範囲内のタイミングにて遊技者が停止操作を行うこと、すなわち遊技者の技術介入によってRT(2)に移行させることができるので、初期遊技状態での興趣を高めることができる。この際、リプレイの種類によって入賞条件となる操作手順が変化するうえに、全ての種類のリプレイに共通の入賞手順が存在しないため、遊技者がどの種類のリプレイが当選したのかを推察し、それが当たるか否かによってRT(2)に移行するか否かが決定されることとなり、初期遊技状態での興趣を一層高めることができる。
【0636】
また、初期遊技状態においては、リプレイ(2)?(4)のいずれかに当選したときに、報知モードに応じた確率でその種類を報知する移行役種類報知が行われるので、移行役種類報知が行われることで、遊技者は当選したリプレイの種類を認識でき、その結果、リプレイの入賞条件に一致する操作手順を知ることができ、RT(2)へ移行させることが可能となり、移行役種類報知がなされるか否かによってRT(2)へ移行する確率を変動させることができるため、初期遊技状態での興趣を更に高めることができる。
【0637】
また、RT(1)への移行契機となる役が複数種類(1枚(1)?(3))からなり、その種類に応じて、その後移行するRT(1)の規定ゲーム数、すなわち遊技者にとって不利な遊技状態のゲーム数が変動するので、RT(1)への移行契機となる役の種類によってもメダルの増減にメリハリを持たせることができる。
【0638】
また、初期遊技状態において、1枚(1)?(3)のいずれかが当選しても、1枚(1)?(3)の入賞を回避する操作手順、すなわち1枚(1)?(3)の組み合わせの引込範囲外のタイミングにて遊技者が停止操作を行うこと、すなわち遊技者の技術介入によって初期遊技状態を継続させることができるので、初期遊技状態での興趣を高めることができる。この際、1枚(1)?(3)のいずれが当選したかによって入賞を回避するための操作手順が変化するうえに、1枚(1)?(3)全てに共通の回避手順が存在しないため、遊技者がどの種類の移行役が当選したのかを推察し、それが当たるか否かによって初期遊技状態が継続するか否かが決定されることとなり、初期遊技状態での興趣を一層高めることができる。
【0639】
また、初期遊技状態においては、1枚(1)?(3)のいずれかに当選したときに、報知モードに応じた確率でその種類を報知する移行役種類報知が行われるので、移行役種類報知が行われることで、遊技者は当選した1枚(1)?(3)の種類を認識でき、その結果、1枚(1)?(3)の入賞を回避する操作手順を知ることができ、初期遊技状態を継続させることが可能となり、移行役種類報知がなされるか否かによって初期遊技状態が継続するゲーム数、すなわちRT(2)へ移行可能なチャンスゾーンのゲーム数を大きく変動させることができるため、初期遊技状態での興趣を更に高めることができる。
【0640】
また、RT(2)の開始後、転落役が当選しても、転落役の入賞を回避する操作手順、すなわち転落役の組み合わせの引込範囲外のタイミングにて遊技者が停止操作を行い、かつ特別役が揃わないように停止操作を行うこと、すなわち遊技者の技術介入によってRT(2)を継続させることができるので、RT(2)に伴う興趣を高めることができる。この際、転落役の種類によって入賞を回避するための操作手順が変化するうえに、全ての種類の転落役に共通の回避手順が存在しないため、遊技者がどの種類の転落役が当選したのかを推察し、それが当たるか否かによってRT(2)が継続するか否かが決定されることとなり、RT(2)に伴う興趣を一層高めることができる。
【0641】
また、転落役である1枚(1)、1枚(2)、1枚(3)は、RT(2)中において特別役と同時に当選し得る役であるため、RT(2)の開始後、いずれかの転落役を入賞させてしまった場合でも、同時に特別役が当選している可能性があるため、このような場合であっても特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。更に本実施例では、比較的遊技者にとって有利度の高いビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のみが転落役と同時に当選し得る可能性があるので、いずれかの転落役を入賞させてしまった場合でも、同時にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)が当選している可能性があるため、このような場合であっても更に遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0642】
また、RT(2)中に転落役が入賞しても、いずれかの特別役が当選している場合にはRT(2)が終了しないようになっており、RT(2)中に転落役が入賞してしまってもその後RT(2)が継続することで特別役の当選が確実となるため、転落役を入賞させてしまった場合でも興趣を高めることができる。
【0643】
また、RT(2)の転落役となる1枚(1)?(3)の当選確率が異なっており、RT(1)中においては最も当選確率の高い1枚(3)の入賞手順で停止操作を行うことで、RT(1)中でのメダルの払出率を上げることができ、RT(2)中においては当選確率の高い1枚(2)、(3)の回避手順にて停止操作を行うことで、RT(2)の終了を回避する確率を高めることができる。すなわち遊技者が技術介入を行うか否かによって遊技者にとっての有利度に差が生まれるため、興趣を高めることができる。
【0644】
また、RT(2)においては、複数種類の転落役のうちいずれかの種類の転落役が当選したときに、報知モードに応じた確率で転落役の種類を報知する転落役種類報知が行われるので、転落役種類報知が行われることで、遊技者は当選した転落役の種類を認識でき、その結果、転落役の入賞を回避する操作手順を知ることができ、RT(2)を継続させることが可能となり、転落役種類報知がなされるか否かによってRT(2)が継続するゲーム数を大きく変動させることができるため、RT(2)に伴う興趣を更に高めることができる。
【0645】
また、移行役種類報知や転落役種類報知が行われるか否かを決定する移行役及び転落役種類報知抽選を、ビッグボーナス中に行うとともに、その結果がビッグボーナス中に特有のビッグボーナス演出にて報知されるため、ビッグボーナス中の興趣を高めることができる。
【0646】
また、遊技者が選択したBB演出モードに対応する契機で移行役及び転落役種類報知抽選を実行するとともに、その際の当選確率もBB演出モードに対応する確率を適用するようになっており、遊技者が選択したBB演出モードに応じて移行役及び転落役種類報知を行うか否かを決定するタイミングや、そのタイミングでの期待感が変化するので、遊技者が遊技に積極的に参加しているという意識を高めることができる。更に移行役及び転落役種類報知抽選に当選した旨の告知もBB演出モードに対応する契機で行うようになっているので、移行役及び転落役種類報知抽選のタイミングとその告知タイミングとを適格に関連させることができる。
【0647】
また、移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合に、その後の初期遊技状態でリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)が当選した際に移行役種類報知が実行される確率及びRT(2)で転落役が当選した際に転落役種類報知が実行される確率(報知確率)の異なる複数種類の報知モードからいずれかの報知モードを選択する報知モード抽選が実行されるようになっており、報知モード抽選で当選した報知モードによって、その後の初期遊技状態でリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)が当選した際に移行役種類報知が実行される確率及びRT(2)で転落役が当選した際に転落役種類報知が実行される確率が変化し、その結果、初期遊技状態の継続が期待できるゲーム数、RT(2)への移行確率及びRT(2)の継続が期待できるゲーム数も変化するので、初期遊技状態やRT(2)での興趣を一層高めることができる。
【0648】
また、本実施例では、複数種類の特別役(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)を備えており、それぞれ入賞することで期待できるメダルの獲得枚数がそれぞれ異なるため、特別役が入賞した場合には、その種類によって付与される価値の有利度が変動するので、興趣を高めることができる。
【0649】
特に本実施例では、ビッグボーナスが入賞すると、これに伴うビッグボーナス中に獲得が期待できるメダル枚数が、レギュラーボーナスが入賞したことに伴うレギュラーボーナス中よりも大幅に多いうえに、ビッグボーナスの終了後は移行役種類報知や転落役種類報知が実行される可能性があり、更なるメダルの獲得が期待できるようになっている。
【0650】
また、ビッグボーナスには、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)があり、ビッグボーナス(1)の方がビッグボーナス(2)よりもビッグボーナス中に獲得が期待できるメダル枚数が多いうえに、ビッグボーナス(1)の方が報知確率の高い報知モードが選択される割合が高いので、ビッグボーナス(1)の方がビッグボーナス(2)よりも更なるメダルの獲得が期待できるようになっている。
【0651】
このように本実施例では、特別役の種類に応じて、ボーナス中に獲得が期待できるメダル数のみならず、その後の初期遊技状態で移行役種類報知がなされる確率、RT(2)で転落役種類報知がなされる確率、すなわちその後獲得が期待できるメダル数も変動するので、特別役の種類に応じてメダルの増減にメリハリを持たせることができる。
【0652】
本実施例では、ボーナスと同時当選する可能性のある役が入賞したとき、またはボーナスに当選している可能性の高いチャンス目が導出されたことを契機に連続演出を実行するか否かを決定する連続演出抽選を実行し、連続演出抽選に当選した場合に連続演出を実行し、最終的に特別役に当選しているか否かを報知するとともに、RT(2)の残りゲーム数が3ゲームとなったときに、RT(2)の終了までの3ゲームにわたり連続演出を必ず実行し、RT(2)の最終ゲーム、または最終ゲームの次のゲームにおいて特別役に当選しているか否かを報知するのに対して、これら連続演出が実行され、ボーナスの当選が報知される前に、転落役が入賞してRT(2)が終了してしまった場合には、そのゲームの終了時、または次のゲームにおいてボーナスに当選しているか否かを示す演出結果を導く転落終了時演出を実行するようになっており、RT(2)の開始後、規定ゲーム数に到達する前に転落役を入賞させてしまい、RT(2)が終了してしまったために連続演出がなされない場合でも、RT(2)の終了時において特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0653】
また、本実施例では、RT(2)中においてボーナスと同時当選する可能性のある役が入賞したとき、またはボーナスに当選している可能性の高いチャンス目が導出されたことを契機に連続演出を実行するか否かを決定する連続演出抽選を実行し、連続演出抽選に当選した場合に連続演出を実行するようになっており、ボーナスの当選している可能性がある事象が発生した場合にのみ連続演出が実行されることとなるため、連続演出によるボーナスの当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0654】
尚、本実施例では、RT(2)中においてボーナスと同時当選する可能性のある役が入賞したとき、またはボーナスに当選している可能性の高いチャンス目が導出されたことを契機に連続演出を実行するようになっているが、RT(2)中においてはいずれの役も入賞せずチャンス目が導出されない場合でも、ボーナスに当選している可能性があり、このような状況はRT(2)中において頻度が低いことから、チャンス目が導出されない場合にも連続演出が実行されるようにしても良く、このようにした場合でも、連続演出によるボーナスの当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0655】
また、本実施例では、いずれかのボーナスに当選している場合に連続演出抽選で当たりパターンが決定され、決定された当たりパターンに基づく連続演出が実行され、ボーナスの当選が報知されることで、RT(2)演出における表示画面の背景を選択する背景選択抽選を行い、RT(2)演出における表示画面の背景を背景選択抽選で選択された背景に変更するようになっており、RT(2)においてRT(2)演出の背景が変化することによってボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができるため、RT(2)演出に伴う興趣を効果的に高めることができる。
【0656】
また、背景選択抽選では、レギュラーボーナスに当選しているときよりもビッグボーナス(2)に当選しているときの方が夕方、夜が高い割合で選択され、ビッグボーナス(2)に当選しているときの方が更に夕方、夜が高い割合で選択されるようになっている。このため、背景が夕方や夜に変更されることで、より遊技者にとって有利度の高いビッグボーナス(1)の当選が期待できるようになっている。一方、ビッグボーナス(1)が当選している場合でも、50%は昼が選択され、背景が変更されないことがあるため、背景が変更しない場合でもビッグボーナス(1)の当選に期待が持てるようになっている。
【0657】
このように背景選択抽選では、当選した特別役の種類に応じた確率で背景を選択するようになっており、RT(2)演出の背景の変化の仕方に応じて当選した特別役の種類を示唆することが可能となるので、RT(2)演出に伴う興趣を一層効果的に高めることができる。
【0658】
尚、本実施例では、RT(2)中においてボーナスと同時当選する可能性のある役が入賞したとき、またはボーナスに当選している可能性の高いチャンス目が導出されたことを契機とする連続演出を境にRT演出の演出態様(背景)が変更されるようになっているが、演出態様が変更する可能性を示す変更演出を境に演出態様を変更するようにしても良く、このようにした場合にも、RT(2)中においてボーナスと同時当選する可能性のある役が入賞したとき、ボーナスに当選している可能性の高いチャンス目が導出されたことを契機に変更演出を実行することが好ましく、このようにすることで、ボーナスの当選している可能性がある事象が発生した場合にのみ変更演出が実行されることとなるため、変更演出によるボーナスの当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。尚、いずれの役も入賞しなかった場合に変更演出を実行しても上記と同様の効果が得られる。
【0659】
また、本実施例では、RT(2)中においてボーナスと同時当選する可能性のある役が入賞したとき、またはボーナスに当選している可能性の高いチャンス目が導出されたことを契機とする連続演出を境にRT演出の演出態様(背景)が変更されるようになっているが、RT(2)中にボーナスに当選していることを条件に、ボーナスの当選した可能性の低い事象またはその事象のみではボーナスの当選した可能性を示すものではない事象を契機に連続演出や前述した変更演出を行ってRT(2)演出の演出態様を変更したり、これらの事象を契機に連続演出や変更演出を伴わずRT(2)演出の演出態様を変更するようにしても良く、このようにすることでボーナスの当選報知に意外性を持たせることができる。
【0660】
また、本実施例では、ボーナスに当選していることを条件にRT(2)演出の演出態様が変化するようになっているが、ボーナスに当選しているときの方がボーナスに当選していないときよりも高い確率でRT(2)演出の演出態様が変化するようにしても良く、このようにすることで、演出態様が変化した場合でもボーナスの当選が確定しないので、RT(2)が終了するまで興趣を持続させることができる。
【0661】
また、本実施例では、初期遊技状態及びRT(1)においても連続演出を実行するが、初期遊技状態及びRT(1)においてはRT(2)中よりも高い頻度で連続演出が実行されるようになっており、RT(2)中に比較して単調となりやすい初期遊技状態及びRT(1)においてボーナスに対する遊技者の期待感を持続させることができる。
【0662】
また、本実施例では、初期遊技状態、RT(1)中及びRT(2)中における前述した単発演出として、特別役に当選している可能性を示すチャンス演出を実行するとともに、初期遊技状態及びRT(1)中においてはRT(2)中よりも高い頻度でチャンス演出が実行されるようになっており、RT(2)中に比較して単調となりやすい初期遊技状態及びRT(1)中においてボーナスに対する遊技者の期待感を持続させることができる。
【0663】
また、本実施例では、初期遊技状態、RT(1)中及びRT(2)中における前述した単発演出として、リプレイまたは特別役のいずれかが当選している旨を示すリプレイ告知演出を実行するとともに、RT(2)中においてリプレイが当選した際に、初期遊技状態及びRT(1)中においてリプレイが当選した場合に比較して低い確率でリプレイ告知演出が実行されるようになっており、RT(2)に移行することによってリプレイの確率が高くなってもそれに伴ってリプレイ告知演出の頻度が極端に高くなってしまうことがなく、適度な演出のバランスを保つことができる。
【0664】
本実施例のスロットマシン1では、ビッグボーナスへの移行と同時に、レギュラーボーナスを作動させるとともに、ビッグボーナス中は1ゲーム毎に、レギュラーボーナスが作動中か否かを判定し、レギュラーボーナスが未作動であると判定された場合には、再度レギュラーボーナスを作動させることで、ビッグボーナスが作動している間、常にレギュラーボーナスに制御するようになっている。このため、ビッグボーナスが作動している間は、レギュラーボーナスにのみ制御すれば良いので、ビッグボーナスへの移行に伴う制御を簡素化することができるとともに、1ゲーム毎にレギュラーボーナスが作動中か否かの判定が行われるため、ビッグボーナス中の各ゲームの制御プログラムを、レギュラーボーナスの作動中か否かに関わらず共通化することができるのでプログラム容量を削減することができる。
【0665】
また、ビッグボーナスが作動している間は、常にレギュラーボーナスに制御されることにより、ビッグボーナス中においてメダルを最も速く増加させることができるので、従来のようにJACIN入賞に伴いレギュラーボーナスが作動するよりもビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。特に、本実施例のようにレギュラーボーナスへの移行回数でビッグボーナスが終了することなく、ビッグボーナス中のメダルの払出総数が規定値(本実施例では、465枚または300枚)を超えることで終了条件が成立する場合には、ビッグボーナス中の純増枚数を高めることができるので、更にビッグボーナスへの移行に伴う遊技者の興趣を高めることができる。
【0666】
また、本実施例では、レギュラーボーナスが未作動か否かの判定を行う前に、ビッグボーナスの終了条件が成立したか否かの判定を行い、当該判定においてビッグボーナスの終了条件が成立していない場合に、レギュラーボーナスが未作動か否かの判定を行い、未作動の場合には、レギュラーボーナスを作動させるようになっているので、ビッグボーナスが終了してしまうにも関わらず、レギュラーボーナスを再度作動させるための判定、すなわち不要な判定が行われることがない。
【0667】
尚、本実施例では、レギュラーボーナスの作動が開始した後、レギュラーボーナスに制御されたゲーム数が規定のゲーム数(本実施例では12ゲーム)に到達するか、規定回数(本実施例では8回)入賞が発生することで終了するようになっているが、いずれか一方のみの条件でレギュラーボーナスが終了するようにしても良く、更には、1ゲームのみで終了するものや1回入賞が発生するのみで終了するものであっても良い。また、レギュラーボーナス中のメダルの払出総数や純増枚数(メダルの払出総数から賭数の設定に消費したメダルの総数を減算した枚数)が規定数を超えることで終了するものであっても良いし、これらの条件のうち、いずれかの条件が成立することで終了するものであっても良い。
【0668】
また、本実施例では、ビッグボーナスの作動が開始した後、ビッグボーナス中のメダルの払出総数が規定値(本実施例では、465枚または300枚)を超えることでビッグボーナスが終了するようになっているが、その他の条件でビッグボーナスが終了するものであっても良く、例えば、ビッグボーナス中のメダルの純増枚数(メダルの払出総数から賭数の設定に消費されたメダルの総数を減算した枚数)が規定値を超えたときに終了するものや、ビッグボーナスに制御されたゲーム数が規定のゲーム数に到達すること、レギュラーボーナスへの移行回数が規定回数に到達し、かつ当該レギュラーボーナスが終了することなどでビッグボーナスの終了条件が成立するようにしたり、これらの条件のうちいずれかが成立することでビッグボーナスの終了条件が成立するようにしても良い。
【0669】
また、本実施例では、ビッグボーナス中、1ゲーム毎にレギュラーボーナスが作動中か否かの判定が行われるようになっているが、ビッグボーナスへの移行と同時に、レギュラーボーナスを作動させるとともに、レギュラーボーナスの終了時に、再度レギュラーボーナスを作動させることで、ビッグボーナスが作動している間、常にレギュラーボーナスに制御するようにしても良く、このようにした場合にも、ビッグボーナスが作動している間は、レギュラーボーナスにのみ制御すれば良いので、ビッグボーナスへの移行に伴う制御を簡素化することができるとともに、1ゲーム毎にレギュラーボーナスが作動中か否かの判定を行う必要がなく、レギュラーボーナスが終了したときのみレギュラーボーナスを再作動させるための処理を行えば良いので、レギュラーボーナスの制御が終了していない状態で不要な処理が行われることがない。
【0670】
また、この場合には、レギュラーボーナスの終了時に、再度レギュラーボーナスを作動させる前に、ビッグボーナスの終了条件が成立したか否かの判定を行い、当該判定においてビッグボーナスの終了条件が成立していない場合に、再度レギュラーボーナスを作動させることが好ましく、このようにすることで、ビッグボーナスが終了してすぐに終了してしまうにも関わらずレギュラーボーナスが再作動されてしまうことがない。
【0671】
また、ビッグボーナスに移行後、最初のレギュラーボーナスについては、特定の入賞が発生することなどを契機として移行し、その後のレギュラーボーナスについては、レギュラーボーナス終了時に再作動する構成としても良い。
【0672】
また、本実施例では、レギュラーボーナスを作動させる際に、レギュラーボーナス中を示すRB中信号の出力待ち時間が経過するまでRB中信号を停止した状態で待機し、出力待ち時間が経過した時点で、RB中信号の出力を開始するようになっており、ビッグボーナス中に連続してレギュラーボーナスを作動させる場合でも、RB中信号の出力が停止し、この状態で出力待ち時間が経過した時点で、再度RB中信号の出力が再開するようになっている。このため、レギュラーボーナスが一旦途切れたことをRB中信号を入力した外部機器にて判別することが可能となり、例えば、外部出力された信号からスロットマシンが正常に動作しているか否かなどの試験を外部機器にて適正に実施することができる。
【0673】
本実施例のスロットマシン1では、サブ制御部91のCPU91aが動画再生を行う際に、当該動画再生に必要な全てのキャラクタのCGROM1205からVRAM領域への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部1211によって動画再生に必要な全てのキャラクタがVRAM領域に配置されることとなる。動画再生を行う場合には、何度も繰り返して同じキャラクタを描画に用いることが多いが、CGROM1205に格納されたデータは圧縮されており、これを読み出すのに時間を要するので、前述のように動画再生を行う最初の段階で、必要な全てのキャラクタをVRAM領域に配置することにより、各フレーム毎にCGROM1205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済む。
【0674】
また、本実施例では、CPU91aが起動時に、透過領域用キャラクタを含む使用頻度の高いキャラクタのCGROM1205からVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1への転送命令を行う。これに伴いデータ転送制御部1211によって使用頻度の高いキャラクタがVRAM領域の専用キャラクタ用バッファL1に配置されることとなる。このため、使用頻度の高いキャラクタについては、動画再生毎にCGROM1205からデータを読み出すのに比較して描画に要する時間が少なくて済む。
【0675】
また、本実施例では、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出、確定演出、デモ演出、メニュー画面の表示などを行う際に、前述のような理由からこれら各演出に伴う動画再生に必要なキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAM領域上の汎用キャラクタ用バッファL2に転送するようになっているが、汎用キャラクタ用バッファL2の容量上、例えば、連続演出(追加演出を含む)に必要なキャラクタと、デモ演出に必要なキャラクタまたはメニュー画面の表示に必要なキャラクタと、を汎用キャラクタ用バッファL2に同時に転送することができない。このため、新たに動画再生を行う際には、汎用キャラクタ用バッファL2に格納されている、それまで行われていた動画再生のためのキャラクタに対して新たな動画再生のためのキャラクタを上書きするようになっており、これらキャラクタの読み出し/転送処理のオーバーヘッドが生じる。連続演出(追加演出を含む)に用いるキャラクタやボーナス演出に用いるキャラクタは、これらの演出が複数ゲームに亘って実行されるものであるため、単発演出のキャラクタよりもデータ量が大きくなっており、単発演出のキャラクタに比べて読み出し/転送に要するオーバーヘッドが大きくなる。
【0676】
ここで、連続演出(追加演出を含む)の実行中やボーナス演出の実行中であってもゲームとゲームの間の期間において一定期間に亘って遊技操作がされないときにはデモ演出が実行されるものとすると、そのときにはデモ演出のキャラクタをCGROM1205から読み出して、VRAM領域上の汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。この場合、デモ演出のキャラクタを連続演出(追加演出を含む)のキャラクタに上書きしなければならないので、何らかの遊技操作がされてデモ演出を終了した場合に、元の連続演出を改めて再開しようとすれば、再び連続演出(追加演出を含む)のキャラクタをCGROM1205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。これに加えて、デモ演出の開始時に連続演出(追加演出を含む)がどこまで実行されていたかを示すデータを退避し、デモ演出の終了時において復帰させなければならない。遊技者が遊技履歴の閲覧や演出タイプの変更のためにメニュー画面を表示させる操作を行った場合も同じである。
【0677】
また、確定演出の実行中においてもゲームとゲームの間の期間において一定期間に亘って遊技操作がされないときにはデモ演出が実行されるものとすると、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出の場合と同様に、そのときにはデモ演出のキャラクタをCGROM1205から読み出して、VRAM領域上の汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。この場合、デモ演出のキャラクタを確定演出のキャラクタに上書きしなければならないので、何らかの遊技操作がされてデモ演出を終了した場合に、確定演出を改めて再開しようとすれば、確定演出のキャラクタをCGROM1205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。遊技者が遊技履歴の閲覧や演出タイプの変更のためにメニュー画面を表示させる操作を行った場合も同じである。
【0678】
これに対して、本実施例では、連続演出(追加演出を含む)、もしくはボーナス演出の実行中、確定演出の実行中においては、デモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっている。つまり、デモ演出のキャラクタやメニュー画面(履歴の閲覧画面や演出タイプの選択画面を含む)のキャラクタのCGROM1205からの読み出しと汎用キャラクタ用バッファL2への転送が禁止されているので、実行中の連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出、確定演出のキャラクタがデモ演出やメニュー画面(履歴の閲覧画面や演出タイプの選択画面を含む)のキャラクタによって上書きされて汎用キャラクタ用バッファL2から消去されてしまうことがない。消去されることがないから、改めて連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出、確定演出のキャラクタをCGROM1205から読み出して、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならないということも生じない。
【0679】
このため、現在の遊技の進行状況とは直接的には関係しないデモ演出やメニュー画面の表示を実行するために、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出、確定演出のキャラクタをCGROM1205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送する処理のオーバーヘッドが重複して生じることがなくなる。また、デモ演出やメニュー画面の開始時に連続演出がどこまで実行されていたかを示すデータを退避し、デモ演出やメニュー画面の終了時において復帰させるという処理のオーバーヘッドが生じることもない。
【0680】
また、連続演出(追加演出を含む)の実行中やボーナス演出の実行中において演出モードの切り替えを可能とすると、そのときには新たな演出モードで対応するキャラクタをCGROM1205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならない。これを許容するとなると、演出モードが切り替えられる度に、何度も同じ処理を行わなければならないこととなる。
【0681】
これに対して、本実施例では、連続演出(追加演出含む)、ボーナス演出の実行中においては、メニュー画面の表示を禁止されるようになっており、演出モードを変更しないようになっているので、連続演出(追加演出含む)、ボーナス演出のキャラクタが汎用キャラクタ用バッファL2に書き込まれ、これに応じた連続演出(追加演出含む)、ボーナス演出が終了するまでの間は、現在選択されている演出モードとは異なる演出モードに基づく連続演出(追加演出含む)、ボーナス演出のキャラクタが汎用キャラクタ用バッファL2に書き込まれることがない。このため、連続演出(追加演出含む)、ボーナス演出中に演出モードが変更されることによって、演出モードが異なるだけで同じ状況に対応したキャラクタをCGROM1205から読み出し、汎用キャラクタ用バッファL2に転送しなければならないというオーバーヘッドが生じるのを防ぐことができる。
【0682】
また、本実施例では、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出の実行中にエラーが発生した場合には、実行中の演出を中断し、エラーの発生を示すエラー報知画面を液晶表示器51に表示させて、その旨を確実に報知できるようになっている。
【0683】
また、エラー報知画面を表示する際に、エラー報知画面の表示に伴う動画再生に必要なキャラクタを汎用キャラクタ用バッファL2とは別に割り当てられたエラー用キャラクタ用バッファL3に転送するようになっている。このため、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出の実行中にエラー報知画面の画像を表示し、かつエラーの解消に伴って元の演出の画面に復帰させる場合でも、汎用キャラクタ用バッファL2のキャラクタが上書きされることがなく、エラー報知画面を表示するために、一般的にデータ量の多い連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出のキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に再度書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができる。
【0684】
尚、本実施例では、エラー報知画面を表示する際に、それに伴う動画再生に必要なキャラクタを汎用キャラクタ用バッファL2とは別に割り当てられたエラー用キャラクタ用バッファL3に転送するようになっているが、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出の実行中にエラー報知画面を表示する際には、それに伴う動画再生に必要なキャラクタを汎用キャラクタ用バッファL2転送するとともに、エラーの解消に伴って、連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出を再開させないようにしても良く、このようにした場合にも、一般的にデータ量の多い連続演出(追加演出を含む)やボーナス演出のキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に再度書き込むというオーバーヘッドが重複して生じることをなくすことができるうえに、VRAMに汎用キャラクタ用バッファL2とは別にエラー用キャラクタ用バッファを設ける必要がなくなるので、VRAMの管理が簡単になるうえに必要な容量も軽減できる。
【0685】
また、本実施例では、賭数が設定されている状態においてはメニュー画面の表示が禁止されるようになっており、賭数が既に設定されており、遊技者がゲームを開始する意志がある状態で、メニュー画面の表示を禁止することにより、ゲームの開始を促すことができるとともに、無駄にメニュー画面の表示に用いるキャラクタ、すなわちすぐに使用されなくなるキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に書き込んでしまうことを防止できる。
【0686】
また、賭数が既に設定されている状態において、ゲーム終了後から所定時間が経過した場合でも、メイン制御部41が待機コマンドを送信しないようになっている。このため、サブ制御部91のCPU91aは、ゲーム終了後から所定時間が経過した場合でも、賭数が既に設定されており、遊技者がゲームを開始する意志がある状態であれば、デモ演出を行わないようになっており、これによりゲームの開始を促すことができるとともに、無駄にデモ演出に用いるキャラクタ、すなわちすぐに使用されなくなるキャラクタをCGROM1205から読み出してVRAMの汎用キャラクタ用バッファL2に書き込んでしまうことを防止できる。
【0687】
本実施例では、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、ゲーム終了後から遊技の進行操作がなされずに一定時間(30秒)が経過したときに、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われるが、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前であっても、クレジットの精算操作がなされたときには、一定時間の経過を待たず、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われるとともに、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前に賭数が設定され、かつゲーム終了後から一定時間が経過する前であっても、賭数の精算操作がなされ、待機コマンドが送信されたときには、一定時間の経過を待たず、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われるようになっており、前回のゲームが終了してから一定時間(30秒)が経過する前であっても、遊技者の意思により連続遊技効果音の音量を下げることができるため、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
【0688】
また、連続演出やボーナス演出により遊技効果音を継続して出力している状態において、ゲーム終了後から所定時間が経過した場合でも、賭数が設定されている状態であれば、遊技効果音を消音する制御は行わないようになっており、遊技者がゲームを開始する意志がある状態であり、すぐに元の音量に戻さなければなないにも関わらず、遊技効果音を消音してしまうことがない。
【0689】
また、本実施例では、確定演出が実行されている間は、デモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるので、確定演出によってボーナスの当選が報知されている状態でデモ演出の実行やメニュー画面の表示がなされることによって確定画面が消えてしまうことがなく、ボーナスの確定を示す確定画面、すなわち遊技者にとって特に重要な演出内容を、ボーナスが入賞するまでの間、継続して報知することができる。
【0690】
また、ボーナスの当選を示す演出結果となり、当該ゲームの終了後、BETコマンドを受信することで確定演出の実行を待っている間においても、デモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるようになっており、既にボーナスの当選を示す演出結果が報知されているにも関わらず、確定演出が実行されるまでの間にデモ演出が実行されたり、メニュー画面が表示されることによって当該演出結果が消えてしまうことがなく、ボーナスの当選を示す演出結果、すなわち遊技者にとって特に重要な演出結果を、次ゲームの賭数が設定され、確定演出が実行されるまでの間、継続して報知することができる。そして、このような状況においては次ゲームの賭数が設定されることで、確定演出が実行され、ボーナスの確定が報知されるとともに、確定演出が実行されている間もデモ演出の実行やメニュー画面の表示が禁止されるので、結果としてボーナスが入賞するまでの間、ボーナスの当選を継続して報知することができる。
【0691】
尚、本実施例では、賭数が設定されている状態においてデモ演出が実行されないようになっているが、賭数が設定されている状態であっても、一定期間遊技を進行するための操作がなされない場合に、デモ演出を行うようにしても良く、このようにすれば、賭数が設定された状態で放置されている場合にはデモ演出が実行されることとなり、遊技客が遊技を行っていない旨を確認することができる。
【0692】
また、ボーナスの当選を示す演出結果となり、当該ゲームの終了後、BETコマンドを受信すること、すなわちメダルの投入や1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作がなされることで確定演出が実行されるようになっているが、次のゲームを開始させるための操作を契機に確定演出が実行されるものであれば良く、例えば、ゲームを開始可能な賭数を設定する操作がなされた時点(ゲームを開始可能な枚数のメダルが投入された時点、1BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6の操作によってゲームを開始可能な賭数が設定される状態で、これら1BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6の操作がなされた時点)で確定演出を実行するものや、ゲームを開始可能な賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作された時点で確定演出を実行するものであっても良い。
【0693】
更に、ボーナスの当選を示す演出結果となり、当該終了ゲームが、リプレイの場合には、遊技者が賭数の設定操作をすることなく、賭数が設定されてしまうが、このような場合には、遊技者が賭数の設定操作を必要とする場合に、賭数の設定操作がなされた時点で確定演出を実行し、賭数の設定が自動的に行われる場合など、遊技者が賭数の設定操作を必要としない場合に、スタートスイッチ7が操作された時点で確定演出を実行するようにしても良い。
【0694】
また、本実施例では、確定演出の例として、開始した後、当選したボーナスが入賞するまで継続して報知するようになっているが、断続的に報知するもの、例えば、リプレイが当選したゲームなど、そのゲームではボーナスを揃えられない場合に、報知を一時的に中断し、揃えられる状態となることで報知を再開したり、報知態様を一時的に変化させるものなどであっても良い。
【0695】
また、賭数が設定されている状態であってもデモ演出を行うものにおいて、かつスタートスイッチ7の操作がなされることにより確定演出を行う場合には、ボーナスの当選を示す演出結果となり、当該ゲームの終了後、スタートスイッチ7の操作による確定演出の実行を待っている間においても、デモ演出の実行やメニュー画面の表示を禁止することが好ましく、このような場合にも、既にボーナスの当選を示す演出結果が報知されているにも関わらず、確定演出が実行されるまでの間にデモ演出が実行されたり、メニュー画面が表示されることによって当該演出結果が消えてしまうことがなく、ボーナスの当選を示す演出結果、すなわち遊技者にとって特に重要な演出結果を、次ゲームの賭数が設定され、確定演出が実行されるまでの間、継続して報知することができる。
【0696】
本実施例では、サブ制御部91のCPU91aが、グラフィックコントローラ1200からのVブランク割込信号が一定期間入力されなかった場合、グラフィックコントローラ1200に対して命令したにも関わらず、命令に対応する完了割込信号が一定期間入力されなかった場合に、演出状態のバックアップを行う電断割込処理(サブ)を実行するとともに、再起動して電断割込処理においてバックアップした制御状態を復帰させる。そして、CPU91aの再起動に伴って、グラフィックコントローラ1200を初期化して、再起動前に実行していた制御パターンに基づく命令を再度グラフィックコントローラ1200に対して行うことにより、グラフィックコントローラ1200の動作を再開させるようになっている。これにより、グラフィックコントローラ1200がハングアップした場合でも、ハングアップする前の状態に復旧させることができる。また、ハングアップにより途中となっていた表示動作を復旧後に再開させることができ、異常な表示状態からのより適切な復旧が可能になる。
【0697】
また、本実施例では、再起動の際に制御状態を復旧させるための処理として、電断時に実行される電断割込処理(サブ)を流用しており、グラフィックコントローラ1200がハングアップした際に実行する専用の処理を実行する必要がないので、プログラム容量の増大や処理の複雑化を防止しつつ、異常な表示状態から適切に復旧させることができる。
【0698】
また、本実施例では、表示制御回路92がハングアップした場合において、電断割込処理(サブ)を実行する前にRAM91cに再起動フラグを設定し、その後起動したCPU91aが、再起動フラグの有無を判定することにより、電源投入による起動であるか、表示制御回路92のハングアップによる再起動であるか、を区別できるようになっており、CPU91aは、表示制御回路92のハングアップによる再起動であると判定した場合において、再起動前の演出状態に復帰可能であれば、初期化コマンドまたは電源投入コマンドの受信を待たず、再起動前の演出状態に復帰させるようになっている。このため、CPU91aが、電源投入による起動ではなく、表示制御回路92のハングアップによって再起動する場合であるにも関わらず、初期化コマンドも電源投入コマンドも受信できずに、演出が行われなくなってしまうことを防止できる。
【0699】
本実施例では、CPU41aが演出制御基板90に対して遊技の進行に応じたコマンドを送信し、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されたコマンドに基づいて演出の制御を行うようになっており、CPU41aは、コマンドを送信するのみで演出の制御を行う必要がないので、CPU41aの処理負荷を軽減できるうえに、演出を多彩なものにできる。
【0700】
また、遊技制御基板40から演出制御基板90にコマンドが送信されるコマンド伝送ラインが、遊技制御基板40と演出制御基板90との間で演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40に演出制御基板90が直接接続される構成ではないので、コマンド伝送ラインからCPU41aに対して外部から不正な信号が入力され、遊技の制御に影響を与えられてしまうことを防止できる。
【0701】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0702】
例えば、前記実施例では、特典を入手するための特典入手情報を2次元コードに変換して表示しているが、少なくとも遊技者から読み取り可能な態様で表示すれば良く、1次元コードに変換して表示しても良い。更には、特典入手情報が2次元コードリーダなどの端末によってのみ読み取り可能な態様で表示されるものに限らず、特典入手情報を予め定められた規則に従って変換した文字列として液晶表示器51に表示し、遊技者が読み取れるようにしても良い。
【0703】
前記実施例では、特典入手情報に特典付与サーバのURLが含まれており、特典入手情報に基づいて特典付与サーバにアクセスし、特典を入手する構成としているが、特典入手情報が特典付与サーバのURLを含まず、パスワードや特典抽出用パラメータのみから構成し、規定の特典付与サーバにアクセスし、これらパスワードや特典抽出用パラメータを入力することで特典を入手できる構成としたり、これらパスワードや特典抽出用パラメータを電子メールや郵送などで応募することにより特典を入手できる構成としたりしても良い。
【0704】
前記実施例では、ビッグボーナス(1)(2)の終了時に特典付与抽選を行い、特典付与抽選に当選することで、特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されるようになっているが、例えば、特定のボーナスが終了したとき、ボーナスが入賞または当選したとき、ボーナスの回数が規定の回数に到達したとき、特定のボーナスが入賞または当選したとき、特定のボーナスの回数が規定の回数に到達したとき、ボーナス終了後、規定のゲーム数以内に連続してボーナスが入賞または当選した回数が規定の回数に到達したとき、RT(2)に連続して移行した回数(RT(2)の終了後、RT(1)へ移行することなく再びRT(2)へ移行した回数)が規定の回数に到達したとき、特定の小役が入賞または当選したとき、特定の小役が入賞または当選した回数が規定の回数に到達したとき、ボーナス確率が一定確率を上回ったときまたは下回ったとき、差枚数が規定の閾値を上回ったときまたは下回ったとき、前回のボーナス終了から経過したゲーム数が規定のゲーム数に到達したとき、前回のボーナス終了から特定の小役が入賞または当選した回数が規定の回数に到達したとき、ボーナス終了からのゲーム数が規定のゲーム数を超えてボーナスが当選、入賞またはそのボーナスが終了したとき、ボーナスまたはRT(2)の終了後、RT(2)に移行していないゲーム数が規定のゲーム数に到達したとき、ボーナスまたはRT(2)の終了からのゲーム数が規定のゲーム数を超えてボーナスが当選、入賞またはそのボーナスが終了したとき、またはRT(2)が開始したときなど、ゲームの結果が一定の条件を満たしたときに、特典付与抽選を行い、当選することで特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されるようにしたり、これらの契機に抽選などを行わず一律に特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されるようにしたりしても良い。
【0705】
特に、ボーナス終了後、規定のゲーム数以内に連続してボーナスが入賞または当選した回数が規定の回数に到達したとき、RT(2)に連続して移行した回数が規定の回数に到達したときなど、比較的起こりにくい事象を契機とする場合や、ボーナス確率が一定確率を下回ったとき、差枚数が規定の閾値を下回ったとき、前回のボーナス終了から経過したゲーム数が規定のゲーム数に到達したとき、前回のボーナス終了から特定の小役が入賞または当選した回数が規定の回数に到達したとき、ボーナス終了からのゲーム数が規定のゲーム数を超えてボーナスが当選、入賞またはそのボーナスが終了したとき、ボーナスまたはRT(2)の終了後、RT(2)に移行していないゲーム数が規定のゲーム数に到達したとき、ボーナスまたはRT(2)の終了からのゲーム数が規定のゲーム数を超えてボーナスが当選、入賞またはそのボーナスが終了したとき、またはRT(2)が開始したときなど、遊技者にとって不利な事象を契機とする場合には、抽選などを行わず一律に特典入手情報を特定可能な2次元コードが表示されるようにすることが好ましい。
【0706】
また、例えば、ボーナス終了からおゲーム数が第1の規定ゲーム数に到達したときには、特典付与抽選を行い、当選することで特典入手情報を特定可能な2次元コードを表示し、その後、第1の規定ゲーム数よりも多い第2の規定ゲーム数に到達したときには、抽選などを行わずに一律に特典入手情報を特定可能な2次元コードを表示するといったように、第1の段階では抽選の結果に基づいて特典入手情報を特定可能な2次元コードを表示し、それを超える第2の段階では抽選に関わらず、一律に特典入手情報を特定可能な2次元コードを表示するようにしても良い。
【0707】
また、特典入手情報によって入手可能となる特典は、特典付与サーバに格納されたデータコンテンツに限らず、現実の賞品や、賞品を獲得可能となる権利(抽選権など)であっても良い。
【0708】
前記実施例では、ビッグボーナスの回数に応じて特典付与抽選の当選確率が変動するようになっているが、その他の遊技履歴、例えば、ボーナスの当選確率、差枚数、ボーナス間ゲーム数、ボーナス間における特定の小役の入賞回数(当選回数)或いは入賞確率(当選確率)、総ゲーム数などに応じて特典付与抽選の当選確率が変動するようにしても良い。また、ビッグボーナスのうち特定の条件を満たす場合(例えば、5の倍数の場合のみ)特典付与抽選を行うものであっても良い。
【0709】
前記実施例では、機種ID、作成日時、Rレジスタの値を組み合わせることによって特典入手情報をそれぞれ別個に識別できるようになっているが、例えば、機種IDとRレジスタの値、作成日時とRレジスタの値を組み合わせるのみでも、重複する割合は若干高まるものの、実質的には特典入手情報をそれぞれ識別することは可能である。また、作成日時も年/月/日/時/秒まで特定できるものであれば、実質的に同一となる可能性は低く、作成日時と機種IDを組み合わせるのみであっても、実質的には特典入手情報をそれぞれ識別することは可能である。また、遊技履歴も同一時刻に同一内容となることは希であるため、作成日時と遊技履歴の組み合わせによっても、実質的には特典入手情報をそれぞれ識別することは可能である。
【0710】
前記実施例では、特典入手情報を変換した2次元コードを液晶表示器51に表示した後、遊技者によって2次元コードの表示終了操作(賭数設定操作)がなされるか、2次元コードの表示開始後、表示終了時間(本実施例では60秒)が経過した時点で2次元コードの表示を終了するようになっているが、特典入手情報を変換した2次元コードを液晶表示器51に表示した後、経過した時間に関わらず、2次元コードの表示終了操作がなされるまで継続して表示するようにしても良いし、特典入手情報を変換した2次元コードを液晶表示器51に表示した後、遊技者の操作とは関連せずに一律に表示終了時間まで表示されるようにしても良い。
【0711】
前記実施例では、ゲームの終了後、賭数が設定されずに経過した時間をメイン制御部41が計時し、ゲーム終了後、賭数が設定されずに経過した時間が一定時間に到達することで待機コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、サブ制御部91がデモ演出を実行するようになっているが、メイン制御部41からのコマンドに基づいてサブ制御部91が、ゲームの終了後、賭数が設定されずに経過した時間を計時し、ゲーム終了後、賭数が設定されずに経過した時間が一定時間に到達することでデモ演出を実行するようにしても良い。
【0712】
前記実施例では、メイン制御部41が賭数が設定されている状態において待機コマンドを送信しないことにより、このような状態でデモ演出が実行されない構成とされているが、上述のようにサブ制御部91がゲーム終了後に経過した時間を計時する場合には、ゲーム終了後から経過した時間が一定時間に到達した場合でも、賭数が設定されている状態であれば、デモ演出を実行しない構成としても良い。
【0713】
前記実施例では、サブ制御部91のCPU91aがメイン制御部41から待機コマンドを受信したことを契機にデモ演出を実行するとともに、特典入手情報を特定可能な2次元コードを液晶表示器51に表示されている間は、待機コマンドを受信してもデモ演出の実行を禁止するようになっているが、前述のようにメイン制御部41からのコマンドに基づいてサブ制御部91のCPU91aが、ゲームの終了後、賭数が設定されずに経過した時間を計時し、この経過時間に基づいてゲーム終了から一定時間が経過した時点でデモ演出を実行するとともに、特典入手情報を特定可能な2次元コードを液晶表示器51に表示されている間は、ゲーム終了から所定時間が経過してもデモ演出を実行を行わないようにしても良い。また、ゲーム終了後、デモ演出を実行するまでの時間を、2次元コードを表示している場合において、2次元コードが表示されていないときよりも長く設定するようにしても、遊技者が2次元コードを読み取る時間を確保することができる。
【0714】
前記実施例では、待機コマンドや選択スイッチ56の操作の検出を無視し、該当するプログラムを実行しない構成とすることで、デモ演出やメニュー画面の表示を禁止していたが、デモ演出無効フラグや選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作無効フラグを設定し、これらのフラグが設定されている間は、待機コマンドを受信した場合や選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作がなされてもデモ演出やメニュー画面の表示が実行されないようにするといった、積極的な制御によってデモ演出やメニュー画面の表示を禁止するようにしても良い。
【0715】
前記実施例では、演出制御基板90に、演出制御用プロセッサとしてのCPU91aと、描画処理用プロセッサとしてのグラフィックコントローラ1200と、がそれぞれ搭載されており、これら2つのプロセッサにより液晶表示器51の画像表示制御を行っているが、CPU91aが演出制御用プロセッサ及び描画処理用プロセッサの双方の機能を有していても良い。この場合には、CPU91aがCGROMに直接アクセスし、CGROMから読み出したキャラクタをVRAMに書き込み、フレーム期間毎にVRAM上のキャラクタを用いて描画領域に描画を行うようにすれば良い。
【0716】
前記実施例では、CPU91aのワークメモリとして用いるRAM91cとは別個に、VRAM用のSDRAM1210を搭載しているが、RAM91cの記憶領域の一部にVRAM用の領域を割り当てて用いるようにしても良い。この場合には、グラフィックコントローラ1200がCGROMから読み出したキャラクタをVRAMとして割り当てられたRAM91cの記憶領域に転送し、フレーム期間毎にこのキャラクタを用いて描画領域に描画を行うようにすれば良い。また、CPU91aが演出制御用プロセッサ及び描画処理用プロセッサの双方の機能を有する場合には、CPU91aがCGROMから読み出したキャラクタをVRAMとして割り当てられたRAM91cの記憶領域に転送し、フレーム期間毎にこのキャラクタを用いて描画領域に描画を行うようにすれば良い。
【0717】
前記実施例では、スタートスイッチ7の操作から全てのリールが停止するまでのゲーム中以外の期間であっても、連続演出及び追加演出が実行中の期間、並びにボーナス入賞から該ボーナスが終了するまでの期間、2次元コードが表示されている期間では、待機コマンドを受信した場合や、選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作が検出された場合でも、これら待機コマンドや選択スイッチの操作の検出を無視し、該当するプログラムを実行しない構成とすることで、デモ演出やメニュー画面の表示を禁止していたが、これらの期間中においてデモ演出無効フラグや選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作無効フラグを設定し、これらのフラグが設定されている間は、待機コマンドを受信した場合や選択スイッチ56や決定スイッチ57の操作がなされてもデモ演出やメニュー画面の表示が実行されないようにするといった、積極的な制御によってデモ演出やメニュー画面の表示を禁止するようにしても良い。
【0718】
前記実施例では、VRAM領域に必要なキャラクタが転送されていることを条件にVRAM領域に転送されたキャラクタを用いて描画を行うグラフィックコントローラを用いており、CPU91aは、描画を命令する際に予め描画に必要なキャラクタを転送するようになっているが、CPU91aがCGROM内のキャラクタの格納領域(転送元アドレス)と、描画領域における描画位置(転送先アドレス)を指定するのみで、グラフィックコントローラが自動的に転送元アドレスのキャラクタをVRAMに割り当てられた自動転送領域に転送し、自動転送領域に転送されたキャラクタを用いて描画領域の転送先アドレスに当該キャラクタの描画を行うようにしても良い。
【0719】
前記実施例では、メダルの増加が期待できるRT(2)を適用しているが、直接的にメダルの増加が期待できるものでなくても良く、直接的にメダルの増加は期待できないが、何らかの価値(例えば、メダルの増加が期待できる遊技状態(当選している役の種類が報知される報知遊技状態(いわゆるAT))などの抽選機会やその抽選機会の高確率状態など)が付与されることによって間接的にメダルの増加が期待できるものであっても良い。
【0720】
前記実施例では、いずれかのボーナスが持ち越されている状態では、RT(1)中またはRT(2)中に転落役が入賞してもRT(1)またはRT(2)が終了しないようになっているが、いずれかのボーナスが持ち越されているか否かに関わらずRT(1)中またはRT(2)中に転落役が入賞した場合にはRT(1)またはRT(2)を終了させるようにしても良い。
【0721】
前記実施例では、RT(1)に移行する移行役及びRT(2)の転落役となる1枚(1)?(3)の当選確率が異なっているが、RT(1)に移行する移行役及びRT(2)の転落役となる1枚(1)?(3)の当選確率が全て同一確率であっても良い。
【0722】
前記実施例では、RT(1)への移行役となる1枚(1)?(3)の全てについて取りこぼす操作手順が存在するが、取りこぼすことのないRT(1)への移行役を設けても良い。同様にRT(2)への移行役となるリプレイ(2)?(4)の全てについて取りこぼす操作手順が存在するが、取りこぼすことのないRT(2)への移行役を設けても良い。
【0723】
前記実施例では、RT(2)への移行役となるリプレイ(2)?(4)を構成する図柄を、それぞれ引込範囲を超えて配置することにより、リプレイ(2)?(4)の入賞条件を異なるものとしているが、例えば、複数種類の移行役となるリプレイに対して入賞条件となるリールの停止順を定めておき、いずれかの種類の移行役となるリプレイが当選した際に、その移行役となるリプレイの種類に対応して定められた入賞条件と一致する停止順で停止操作がなされた場合に、当選した移行役となるリプレイが入賞するように制御し、入賞条件と一致しない停止順で停止操作がなされた場合に、当選した移行役となるリプレイが入賞しないようにしても良く、このようにすることで比較的簡単な技術介入で移行役となるリプレイを入賞させるることができる。尚、この場合には、移行役となるリプレイと同時に他のリプレイが当選するようにし、移行役となるリプレイを取りこぼした場合に同時に当選している他のリプレイが入賞することが好ましく、このようにすることで移行役となるリプレイを取りこぼした場合でも他のリプレイが入賞し、メダルを獲得することができる。
【0724】
前記実施例では、RT(1)への移行役となる1枚(1)?(3)を構成する図柄を、引込範囲を超えて配置することにより、引込範囲外のタイミングでリールの停止操作を行うことにより1枚(1)?(3)の入賞を回避できるようになっているが、例えば、複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)に対して入賞を回避するための異なるリールの停止順を定めておき、いずれかの複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)が当選した際に、その複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)の種類に対応して定められた入賞を回避するためのリールの停止順で停止操作がなされた場合に、複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)を取りこぼすように制御し、該入賞を回避するためのリールの停止順とは異なる順番で停止操作がなされた場合に、複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)を入賞させるようにしても良く、このようにすることで比較的簡単な技術介入で複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)を入賞させないようにすることができる。尚、この場合には、複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)と同時に他の小役が当選するようにし、複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)を取りこぼした場合に同時に当選している他の小役が入賞することが好ましく、このようにすることで複数種類の移行役となる1枚(1)?(3)を取りこぼした場合でも小役が入賞し、メダルを獲得することができる。
【0725】
前記実施例では、初期遊技状態においてリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選したときに、報知モードに応じた確率で移行役の種類を報知する移行役種類報知が行われるようになっているが、一定の確率で移行役の種類を報知するようにしても良いし、更には100%の確率で移行役の種類を報知するようにしても良く、特に100%の確率で移行役の種類を報知するものであれば、リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選したときに確実にその種類を認識できるため、技術介入によって確実にリプレイ(2)?(4)を入賞させることが可能となり、1枚(1)?(3)を入賞させないようにすることが可能となる。
【0726】
前記実施例では、移行役種類報知が行われるか否かを決定する移行役及び転落役種類報知抽選を、ビッグボーナス中に行うようになっているが、それ以外の契機、例えば初期遊技状態の開始時、または初期遊技状態中(初期遊技状態中において抽選契機となる役が当選したり、入賞したときなど)に行うようにしても良く、このようにすることで、初期遊技状態での興趣を一層高めることができる。
【0727】
前記実施例では、移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合に、その後の初期遊技状態でリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した際に移行役種類報知が実行される確率(報知確率)の異なる複数種類の報知モードからいずれかの報知モードを選択する報知モード抽選が実行されるようになっており、報知モード抽選で当選した報知モードによって、その後移行する初期遊技状態でリプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)のいずれかが当選した際に移行役種類報知が実行される確率が変化することで、RT(1)、RT(2)への移行確率を変動させるようにしているが、例えば、移行役種類報知が実行される回数を、複数の異なる回数から選択し、選択した回数分リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)が当選した際に、移行役種類報知を実行したり、特定の期間(例えばビッグボーナス中)において移行役種類報知の実行回数を付与するか否かを決定し、付与することが決定された回数の合計回数分リプレイ(2)?(4)、1枚(1)?(3)が当選した際に、移行役種類報知を実行したりすることによって、RT(1)、RT(2)の移行確率を変化させるようにしても良く、このようにした場合にも初期遊技状態での興趣を一層高めることができる。
【0728】
前記実施例では、RT(1)が開始した後、いずれかの特別役が入賞したとき、転落役(リプレイ(2)?(4))が入賞したとき、または特別役、転落役が入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT(1)を終了させるようになっているが、転落役を設けず、規定ゲーム数に到達するか特別役が入賞したときにRT(1)を終了させるようにしたり、RT(1)に規定ゲーム数を設けず、RT(1)が開始した後、いずれかの特別役が入賞したときまたはいずれかの転落役が入賞したときにRT(1)を終了させるようにしても良い。
【0729】
前記実施例では、RT(1)において転落役が当選した際に、特にその種類は報知されない構成であるが、RT(1)において転落役が当選した際に、その種類を所定の確率で報知するようにしても良く、このようにすることで、転落役を入賞させてRT(1)を終了させることが可能となるため、初期遊技状態へ移行し、RT(2)へ移行することへの遊技者の期待感を高めることができる。
【0730】
前記実施例では、RT(2)が開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選した場合には、RT(2)を終了させず、いずれかの特別役が入賞したとき、いずれかの転落役が入賞したとき、または特別役も転落役も入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT(2)を終了させるようになっているが、RT(2)に転落役を設けず、規定ゲーム数に到達するか特別役に入賞することでRT(2)を終了させるようにしても良いし、RT(2)に規定ゲーム数を設けず、RT(2)が開始した後、いずれかの特別役が入賞したときまたはいずれかの転落役が入賞したときにRT(2)を終了させるようにしても良い。
【0731】
前記実施例では、遊技者が操作し得る全ての操作手順に対して、必ずいずれかの種類の転落役の入賞手順が割り当てられているとともに、いずれかの種類の転落役の入賞を回避する操作手順には、必ず他の少なくとも1種類の転落役の入賞手順を含む構成とすることにより、全種類の転落役に共通の回避手順が存在しないようになっているが、少なくとも全種類の転落役に共通の回避手順が存在しない構成であれば良く、異なる種類の転落役の入賞手順の一部または全部が共通する構成であっても良い。
【0732】
前記実施例では、全種類の転落役について入賞を回避する操作手順が存在するが、入賞を回避する操作手順が存在しない強制転落役を設けても良い。
【0733】
前記実施例では、転落役を構成する図柄を、引込範囲を超えて配置することにより、引込範囲外のタイミングでリールの停止操作を行うことにより転落役の入賞を回避できるようになっているが、例えば、複数の転落役に対して入賞を回避するための異なるリールの停止順を定めておき、いずれかの転落役が当選した際に、その転落役の種類に対応して定められた入賞を回避するためのリールの停止順で停止操作がなされた場合に、転落役を取りこぼすように制御し、該入賞を回避するためのリールの停止順とは異なる順番で停止操作がなされた場合に、転落役を入賞させるようにしても良く、このようにすることで比較的簡単な技術介入で転落役を入賞させないようにすることができる。尚、この場合には、転落役と同時に他の小役が当選するようにし、転落役を取りこぼした場合に同時に当選している他の小役が入賞することが好ましく、このようにすることで転落役を取りこぼした場合でも小役が入賞し、メダルを獲得することができる。
【0734】
前記実施例では、左リールにおいて転落役を回避可能なタイミングで停止操作を行い、中リール、右リールにおいて特別役を回避可能なタイミングで停止操作を行うことにより、転落役及び特別役の双方を回避できるようになっているが、例えば、いずれかのリールについて転落役の引込範囲外の停止操作位置と、特別役の引込範囲外の停止操作位置と、が重なるように図柄を配置することで、いずれかのリールに転落役の種類に応じてその転落役及び特別役の双方を回避可能な停止操作位置(当選した転落役を構成する図柄の引込範囲外であり、かつ特別役を構成する図柄の引込範囲外となる停止操作位置)を設け、このような停止操作位置で停止操作を行うことにより特別役及び転落役の双方を回避可能としても良く、このようにすることでいずれか1つのリールの停止操作を行うのみで特別役及び転落役の双方を回避できる。
【0735】
前記実施例では、RT(2)の転落役として小役を適用しているが、リプレイ(2)?リプレイ(4)など、リプレイ(1)とは異なる特殊なリプレイを転落役として適用しても良い。
【0736】
前記実施例では、比較的遊技者にとって有利度の高いビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のみ、すなわち特定の特別役のみが転落役と同時に当選し得るようになっているが、全ての種類の特別役が転落役と同時に当選するようにしても良く、このようにすることで、RT(2)の開始後、いずれかの転落役を入賞させてしまい、RT(2)が終了してしまった場合でも、同時に全ての特別役について当選している可能性があるため、このような場合であっても特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0737】
前記実施例では、複数種類の転落役のうちいずれかの種類の転落役が当選したときに、報知モードに応じた確率で転落役の種類を報知する転落役種類報知が行われるようになっているが、一定の確率で転落役の種類を報知するようにしても良いし、更には100%の確率で転落役の種類を報知するようにしても良く、特に100%の確率で転落役の種類を報知するものであれば、転落役が当選したときに確実にその種類を認識できるため、技術介入によって確実に転落役を入賞させないようにすることが可能となる。
【0738】
前記実施例では、転落役種類報知が行われるか否かを決定する移行役及び転落役種類報知抽選を、ビッグボーナス中に行うようになっているが、それ以外の契機、例えば初期遊技状態やRT(2)の開始時、または初期遊技状態やRT(2)中(初期遊技状態やRT(2)中において抽選契機となる役が当選したり、入賞したときなど)に行うようにしても良く、このようにすることで、初期遊技状態やRT(2)中の興趣を一層高めることができる。
【0739】
前記実施例では、移行役及び転落役種類報知抽選に当選した場合に、その後のRT(2)で転落役が当選した際に転落役種類報知が実行される確率(報知確率)の異なる複数種類の報知モードからいずれかの報知モードを選択する報知モード抽選が実行されるようになっており、報知モード抽選で当選した報知モードによって、その後移行するRT(2)で転落役が当選した際に転落役種類報知が実行される確率が変化することで、RT(2)の継続ゲーム数を変動させるようにしているが、例えば、転落役種類報知が実行される回数を、複数の異なる回数から選択し、選択した回数分転落役が当選した際に、転落役種類報知を実行したり、特定の期間(例えばビッグボーナス中)において転落役種類報知の実行回数を付与するか否かを決定し、付与することが決定された回数の合計回数分転落役が当選した際に、転落役種類報知を実行したりすることによって、RT(2)の継続が期待できるゲーム数を変化させるようにしても良く、このようにした場合にもRT(2)に伴う興趣を一層高めることができる。
【0740】
前記実施例では、移行役種類報知及び転落役種類報知を実行するかを共通の移行役及び転落役種類報知抽選にて決定しており、一方の種類が報知される場合には他方の報知も行われるようになっているが、リプレイ種類報知を実行するか否かの抽選、転落役種類報知を実行するか否かの抽選を別個に行い、それぞれ独立して報知するか否かを決定するようにしても良い。また、報知モードの選択についても同様である。
【0741】
前記実施例では、RT(1)への移行役の種類報知、及びRT(2)への移行役の種類報知を実行するか否かを共通の抽選で決定しており、一方の種類が報知される場合には他方の報知も行われるようになっているが、RT(1)への移行役の種類報知を実行するか否かの抽選、RT(2)への移行役の種類報知を実行するか否かの抽選を別個に行い、それぞれ独立して報知するか否かを決定するようにしても良い。また、報知モードの選択についても同様である。
【0742】
前記実施例では、付与される価値が異なる複数種類の特別役を備えているが、単一の種類の特別役のみを備えるものであっても良い。
【0743】
前記実施例では、いずれかのボーナスに当選している場合に連続演出抽選で当たりパターンが決定され、決定された当たりパターンに基づく連続演出が実行され、ボーナスの当選が報知されることで、RT(2)演出における表示画面の背景を選択する背景選択抽選を行い、RT(2)演出における表示画面の背景を背景選択抽選で選択された背景に変更するようになっているが、少なくともRT(2)演出における演出態様を変更するものであれば同様の効果を得られるものであり、例えば、BGMや演出効果音、LED、ランプなどの点灯態様を変更するものであっても良い。
【0744】
前記実施例では、当選した特別役の種類に応じた確率で演出態様を変更するようになっているが、当選した特別役の種類に応じた確率で、演出態様を変更するタイミング(ゲーム開始時、第1停止時、第2停止時、第3停止時、役の入賞時など)を選択するようにしても良く、このようにした場合でも、RT(2)演出の演出態様の変化するタイミングに応じて当選した特別役の種類を示唆することが可能となるので、RT(2)演出に伴う興趣を一層効果的に高めることができる。
【0745】
前記実施例では、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前であっても、クレジットの精算操作がなされたとき、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前に賭数が設定され、かつゲーム終了後から一定時間が経過する前であっても、賭数の精算操作がなされ、待機コマンドが送信されたときには、一定時間の経過を待たず、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)が行われるようになっているが、例えば、後述のように遊技球を用いて遊技を行う場合においては、内部に遊技球を取り込むための取込装置に対して供給される遊技球が待機する上皿から、取込装置などから返却された遊技球などが排出される下皿に対して遊技球を返却させる操作、取込装置の内部に残っている遊技球を下皿に返却させる操作などがなされた場合に、ゲーム終了後から一定時間(30秒)が経過する前であっても、一定時間の経過を待たず、通常音量(MAX)にて出力中の遊技効果音を下げる制御(消音制御)を行うようにしても良く、このような構成とした場合にも、前回のゲームが終了してから一定時間(30秒)が経過する前であっても、遊技者の意思により連続遊技効果音の音量を下げることができるため、遊技を中断しても周囲の遊技者に迷惑をかけることがない。
【0746】
前記実施例では、コネクタ規制部材500a、500bを基板ケース200に取り付けることによるコネクタの抜脱を規制する方法を、遊技制御基板40と操作部中継基板110とを接続するケーブル600a及び遊技制御基板40と演出中継基板80とを接続するケーブル600dと、遊技制御基板40とのコネクタ接続に適用しているが、その他のコネクタ接続に適用しても良い。
【0747】
前記実施例では、コネクタ同士の接続の解除を規制する方法について説明しているが、例えば、投入メダルセンサ31やスタートスイッチ7などのゲームの進行上必要な信号の入出力を行う電子部品と、これら電子部品とケーブルとの接続箇所に対して、外部からアクセス不能に被覆する被覆部材を取り付けることが好ましく、このようにすることで、ゲームの進行上必要な信号の入出力を行う電子部品とケーブルとの接続箇所に対して打ち込み器具などの不正器具が取り付けられてしまうことを防止できる。また、これら電子部品とケーブルとの接続箇所を被覆する被覆部材を取り外した際に、その痕跡が残る構造(被覆部材の一部を破壊しなければ取り外せない構造など)とすることが好ましく、このようにすることで、不正器具が取り付けられた痕跡を残すことが可能となり、事後に不正行為があった可能性を把握できる。
【0748】
前記実施例では、コネクタ規制部材500a、500bを基板ケース200と別体に構成し、基板ケース200を取付ベース250から取り外すことで、基板ケース200からコネクタ規制部材500a、500bを取り外し、コネクタの抜脱の規制を解除できるようになっているが、例えば、コネクタ規制部材500a、500bを一度基板ケース200に取り付けた場合には、基板ケース200またはコネクタ規制部材500a、500bの一部を破壊しなければ、コネクタ規制部材500a、500bを基板ケース200から取り外してコネクタの抜脱の規制を解除できないようにしても良い。
【0749】
前記実施例では、コネクタ規制部材500a、500bを取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付けた後、基板側コネクタにケーブル側コネクタを接続した状態で、コネクタカバー520を取付側部材510に装着することで、コネクタの抜脱が規制されるようになっているが、基板側コネクタにケーブル側コネクタを接続した状態で、最初から一体化されたコネクタ規制部材500a、500bを基板ケース200に取り付けることでコネクタの抜脱が規制されるようにしても良い。
【0750】
前記実施例では、基板ケースに収容された基板の基板側コネクタとケーブル側コネクタの接続の解除を規制する方法として、コネクタ規制部材500a、500bを用いた例を説明したが、他の方法であっても良い。
【0751】
以下にケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する抜脱の規制方法の変形例について説明する。
【0752】
[変形例1]
【0753】
図51は、変形例1における基板ケース700、コネクタカバー710の構造を示す斜視図である。
【0754】
図51に示すように、変形例1における基板ケース700は、遊技制御基板40を収容する下部ケース700aと下部ケース700aの上部を被覆する上部ケース700bとから構成されている。これら下部ケース700aと上部ケース700bとは、前述した実施例の基板ケース200と同様に、それぞれ対応する封止片(図示略)が設けられており、対応する封止片同士をワンウェイネジなどの固着部材によって固着することによって封止片を切断しなければ、開封して収容されている遊技制御基板40を取り出すことができないようになっている。
【0755】
上部ケース700bにおいて、収容された遊技制御基板40の基板側コネクタ620aに対応する箇所には、基板側コネクタ620aを挿通させるための挿通孔701が形成されている。また、上部ケース700bの挿通孔701の両側近傍には、係止孔703が形成された係止片702、702がそれぞれ立設されている。
【0756】
コネクタカバー710は、図中の下面及び後面が開口する箱状に形成されており、基板側コネクタ620a及び係止片702、702を下面及び後面の開口で被覆可能な長さを有する。
【0757】
コネクタカバー710の図中前面には、基板側コネクタ620a及び係止片702、702を被覆した際に、係止片702、702にそれぞれ形成された係止孔703、703と対応する位置に係止孔711、711がそれぞれ形成されており、その周辺には、係止孔711、711よりも大径の凹溝712、712がそれぞれ形成されている。
【0758】
また、コネクタカバー710の図中前面及び上面における係止孔711、711の中央よりの位置には、切り欠き713及び長孔714を形成することにより肉薄部715がそれぞれ形成されている。
【0759】
次に図52?54に基づいて変形例1におけるケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する抜脱の規制方法及びその解除方法について説明する。
【0760】
図52に示すように、基板側コネクタ620aに対してケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、コネクタカバー710により基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610a及び係止片702、702を被覆する。これによりコネクタカバー710の係止孔711、711と係止片702の係止孔703、703とが連通した状態となり、これら連通した係止孔711及び係止孔703に係止ピン720を装着する。
【0761】
係止ピン720は、凹溝712と略同径の頭部に、先端が内方に弾性変形可能な係止爪721が形成された部材であり、図52の拡大断面図に示すように、係止ピン720の係止爪721側を係止孔711及び係止孔703に挿入することで、係止爪721は、内側に弾性変形し、係止ピン720の頭部が凹溝712に埋まるまで挿入されることで係止爪721の弾性変形が解放され、係止爪721が係止片702に係合し、係止ピン720がコネクタカバー710及び係止片702に対して取り外し不能に装着され、これに伴いコネクタカバー710が係止片702を介して上部ケース700bから取り外し不能に固定される。
【0762】
図52に示すように、コネクタカバー710により基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610a及び係止片702、702を被覆し、係止ピン720を係止孔711及び係止孔703に装着することで、コネクタカバー710と上部ケース700bの表面とにより基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aが被覆され、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制されることとなる。また、コネクタカバー710は、係止ピン720の装着により係止片702を介して上部ケース700bから取り外し不能に固定されるので、コネクタカバー710または上部ケース700bの係止片702を破壊しなければ基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除できない状態となる。
【0763】
また、図53に示すように、コネクタカバー710に形成された肉薄部715をニッパーNなどの工具で切断することで、図54に示すように、コネクタカバー710のうち基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの被覆部分が、係止片702、702と繋がった部分710’、710’から分離され、その被覆が解除されて基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除することが可能となる。尚、この場合でもコネクタカバー710のうち係止片702、702と繋がった部分710’、710’が上部ケース700bに固定された状態で残るので、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続が解除された痕跡を残すことができる。
【0764】
尚、変形例1の方法では、係止片702、702が上部ケース700bに立設されているが、前記実施例のように基板ケースに取り付けられる取付側部材を備え、取付側部材に形成された基板側コネクタ620aを挿通させるための挿通孔の両側近傍に係止片を立設し、取付側部材の係止片に対してコネクタカバー710を固定することで、コネクタ規制部材を構成するようにしても良く、このようにすることで、基板を基板ケースごと交換する場合でも、基板ケースを破壊して開封したり、取付側部材またはコネクタカバー710を破壊して分離せずとも、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aの接続を解除することができる。
【0765】
[変形例2]
【0766】
図55は、変形例2における基板ケース730、コネクタカバー740の構造を示す斜視図である。
【0767】
図55に示すように、変形例2における基板ケース730は、遊技制御基板40を収容する下部ケース730aと下部ケース730aの上部を被覆する上部ケース730bとから構成されている。これら下部ケース730aと上部ケース730bとは、前述した実施例の基板ケース200と同様に、それぞれ対応する封止片(図示略)が設けられており、対応する封止片同士をワンウェイネジなどの固着部材によって固着することによって封止片を切断しなければ、開封して収容されている遊技制御基板40を取り出すことができないようになっている。
【0768】
上部ケース730bにおいて、収容された遊技制御基板40の基板側コネクタ620aに対応する箇所には、基板側コネクタ620aを挿通させるための挿通孔731が形成されている。また、上部ケース730bの挿通孔731の両側近傍には、先端が内方に弾性変形可能な係止爪736、736がそれぞれ形成された係止ピン735、735が立設されている。
【0769】
またコネクタカバー740は、図中の下面及び後面が開口するように形成されており、基板側コネクタ620aを被覆可能で、かつ係止ピン735、735の離間幅より長い長さを有している。またコネクタカバー740の両端部の下面の一部には、取付面746、746が形成されており、この取付面746、746には基板側コネクタ620aを被覆した際に、係止ピン735、735と対応する位置に長孔747、747がそれぞれ形成されている。またそれぞれの長孔747は、係止ピン735の係止爪736、736に対して垂直方向に長径に形成されており、長孔747の短径部分の幅が、係止爪736、736の先端同士の距離よりも狭幅に形成されている。
【0770】
またコネクタカバー740の図中前面及び上面における長孔747、747の中央よりの位置には、切欠743及び長孔744を形成することにより肉薄部745がそれぞれ形成されている。
【0771】
次に図55?58に基づいて変形例2におけるケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する抜脱の規制方法及びその解除方法について説明する。
【0772】
図55の拡大断面図に示すように、基板側コネクタ620aに対してケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、上部ケース730bの係止ピン735、735にコネクタカバー740の両取付面746、746に形成された長孔747、747を挿入させる。係止ピン735、735が長孔747、747に挿入されることで、係止爪736、736は内方に弾性変形し、コネクタカバー740の取付面746と上部ケース730bの上面が当接するまで係止ピン735、735が挿入されることで、係止爪736、736の弾性変形が解放され、係止爪736、736が取付面746に係合し、係止ピン735、735がコネクタカバー740に対して取り外し不能に装着され、これに伴いコネクタカバー740が係止ピン735、735を介して上部ケース730bから取外し不能に固定される。
【0773】
図56に示すように、コネクタカバー740により基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aを被覆し、係止ピン735、735を長孔747に装着することで、コネクタカバー740と上部ケース730bの表面とにより基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aが被覆され、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制されることとなる。また、コネクタカバー740は、係止ピン735、735が長孔747、747に係止されることにより上部ケース730bから係止ピン735、735を介してコネクタカバー740が取り外し不能に固定されるので、コネクタカバー740または上部ケース730bの係止ピン735、735を破壊しなければ基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除できない状態となる。
【0774】
また、図56に示すように、コネクタカバー740に形成された肉薄部745をニッパーNなどの工具で切断することで、図57に示すように、コネクタカバー740のうち基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの被覆部分が、係止ピン735、735と繋がった部分740’、740’から分離され、その被覆が解除されて基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除することが可能となる。
【0775】
コネクタカバー740の繋がったままの部分740’の取り外しは、図58に示すように、長孔747の長手方向(図58紙面上下方向)に揃うように、コネクタカバー740の繋がったままの部分740’を図中黒塗矢印方向aに回転させる。これにより係止ピン735とコネクタカバー740の繋がったままの部分740’の係合が解除される。そして、図中黒塗矢印方向bにコネクタカバー740の繋がったままの部分740’を引き抜くことで、コネクタカバー740の繋がったままの部分740’、740’を上部ケース730bから取り外すことができる。尚、この場合でもコネクタカバー740は破壊され、元に戻すことはできないので、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続が解除されたことの痕跡が残ることとなる。
【0776】
尚、変形例2の方法では、係止ピン735、735が上部ケース730bに立設されているが、前記実施例のように基板ケースに取り付けられる取付側部材を備え、取付側部材に形成された基板側コネクタ620aを挿通させるための挿通孔の両側近傍に係止ピン735、735を立設し、取付側部材の係止ピン735、735に対してコネクタカバー740を固定することで、コネクタ規制部材を構成するようにしても良く、このようにすることで、基板を基板ケースごと交換する場合でも、基板ケースを破壊して開封したり、取付側部材またはコネクタカバー740を破壊して分離せずとも、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aの接続を解除することができる。
【0777】
[変形例3]
【0778】
図59は、変形例3における基板ケース750、コネクタカバー760の構造を示す斜視図である。
【0779】
図59に示すように、変形例3における基板ケース750は、遊技制御基板40を収容する下部ケース750aと下部ケース750aの上部を被覆する上部ケース750bとから構成されている。これら下部ケース750aと上部ケース750bとは、前述した実施例の基板ケース200と同様に、それぞれ対応する封止片(図示略)が設けられており、対応する封止片同士をワンウェイネジなどの固着部材によって固着することによって封止片を切断しなければ、開封して収容されている遊技制御基板40を取り出すことができないようになっている。
【0780】
上部ケース750bにおいて、収容された遊技制御基板40の基板側コネクタ620aに対応する箇所には、基板側コネクタ620aを挿通させるための挿通孔751が形成されている。また、上部ケース750bの挿通孔751の後方に位置する側面には、取付孔754、754が形成されている。また、下部ケース750aにおける上部ケース750bの挿通孔751近傍には、係止孔753が形成された係止片752が突設されている。
【0781】
コネクタカバー760は、図中の下面から後面にかけて開口するように形成されており、基板側コネクタ620aを被覆可能な長さを有している。コネクタカバー760の図中後面には、基板側コネクタ620aを被覆した際に、取付孔754、754に対応する位置に、先端に係止爪を有する取付片764、764が後方に向かって突設されている。また、コネクタカバー760の図中前面には、基板側コネクタ620aを被覆した際に、係止片752に対応する位置に、係止孔763を有する係止片762が形成されている。
【0782】
次に図60に基づいて変形例3におけるケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する抜脱の規制方法及びその解除方法について説明する。
【0783】
図60(a)に示すように、基板側コネクタ620aに対してケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、コネクタカバー760により基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aを被覆する。そして上部ケース750bの取付孔754、754にコネクタカバー760の対応する取付片764、764を挿入すると、取付片764、764の係止爪が取付孔754、754に係合し、コネクタカバー760が上部ケース750bから取り外し不能な状態となる。このようにコネクタカバー760を上部ケース750bに取り付けると、コネクタカバー760の係止片762の係止孔763と下部ケース750aの係止片752の係止孔753とが連通した状態となり、これら連通した係止孔763及び係止孔753に結束バンド769を装着する。
【0784】
結束バンド769は、図60に示すように、ID管理ができるID番号等が付与されたラベル部768と、係合孔766aが形成された係合部766と、一部に所定ピッチ毎に形成された係止突起767aを有するバンド部767と、から一体的に形成されており、係合孔766aには、係合孔766aにバンド部767が挿通された際に、係止突起767aを係止させるべく図示されない係合爪が形成されている。これにより、一度係合孔766aにバンド部767が挿通されると、係合孔766aに挿通する方向に対して逆方向に向かうバンド部767の抜脱が規制されるようになっている。
【0785】
結束バンド769のバンド部767を係合孔766aに挿通させると、バンド部767の係止突起767aと係合孔766aの係合爪との係合により、バンド部767が係合孔766aからの抜脱が規制されるため、係止片762と係止片752とが固定される。そして、取付片764、764と取付孔754、754との係合、結束バンド769による係止片762と係止片752との結合により、コネクタカバー760の上下左右の移動が規制され、コネクタカバー760が基板ケースに750に対して取り外し不能に取り付けられた状態となる。
【0786】
図60(b)に示すように、コネクタカバー760が基板ケース750に取り付けられた状態では、コネクタカバー760により基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aが被覆され、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制されることとなる。また、取付片764、764は取付孔754、754と係合し、係止片762と係止片752は結束バンド769により取り外し不能に固定されているため、結束バンド769を切断しなければ基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除できない状態となる。
【0787】
基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続の解除については、例えば、結束バンド769をニッパーなどの工具で切断することで、係止片762と係止片752との固定が解除され、コネクタカバー760を上に向かって開放可能となり、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が可能となるため、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除することが可能となる。尚、結束バンド769を切断して、新しい結束バンドに交換しても、結束バンド769のラベル部768にID番号等が付与されているため、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続が解除された痕跡を残すことができる。
【0788】
尚、変形例3の方法では、係止片752が下部ケース730aに突設されているが、前記実施例のように基板ケースに取り付けられる取付側部材を備え、取付側部材に取付孔及び係止孔を有する係止片を設け、取付側部材の係止片に対してコネクタカバー760を固定することで、コネクタ規制部材を構成するようにしても良く、このようにすることで、基板を基板ケースごと交換する場合でも、基板ケースを破壊して開封したり、結束バンド769したりせずに、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aの接続を解除することができる。
【0789】
[変形例4]
【0790】
図61は、変形例4における基板ケース770、コネクタカバー780の構造を示す斜視図である。
【0791】
図61に示すように、変形例4における基板ケース770は、遊技制御基板40を収容する下部ケース770aと下部ケース770aの上部を被覆する上部ケース770bとから構成されている。これら下部ケース770aと上部ケース770bとは、前述した実施例の基板ケース200と同様に、それぞれ対応する封止片(図示略)が設けられており、対応する封止片同士をワンウェイネジなどの固着部材によって固着することによって封止片を切断しなければ、開封して収容されている遊技制御基板40を取り出すことができないようになっている。
【0792】
上部ケース770bにおいて、収容された遊技制御基板40の基板側コネクタ620aに対応する箇所には、基板側コネクタ620aを挿通させるための挿通孔771が形成されている。また、挿通孔771近傍の下部ケース770aの前面には、係止孔773、773が形成された係止片772、772が突設されている。
【0793】
コネクタカバー780は、図中の下面及び後面が開口するように形成されており、基板側コネクタ620aを被覆可能な長さを有している。
【0794】
コネクタカバー780の図中前面には、基板側コネクタ620aを被覆した際に、係止片772、772に対応する位置に係止片782、782がそれぞれ突設されている。係止片782、782には、係止片772、772に形成された係止孔773、773と対応する位置に係止孔783、783が形成されている。係止孔783の上部には、ネジ頭を収容可能な段部が形成されている。
【0795】
次に図62?64に基づいて変形例4におけるケーブル側コネクタの基板側コネクタに対する抜脱の規制方法及びその解除方法について説明する。
【0796】
図62に示すように、基板側コネクタ620aに対してケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、コネクタカバー780により基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aを被覆する。そして、コネクタカバー780の係止片782、782の係止孔783、783と係止片772、772の係止孔773、773とが連通した状態で、これら連通したいずれかの係止孔783及び対応する係止孔773、773にワンウェイネジPを、図63に示すように、その頭が段部に収容されるまで螺入する。
【0797】
これにより、コネクタカバー780の係止片782と下部ケース770aの係止片772とが固着され、コネクタカバー780が基板ケース770に対して取り外し不能に固定されることとなる。この状態では、コネクタカバー780と上部ケース770bの表面とにより基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aが被覆され、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、基板側コネクタ620aに対するケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制されることとなる。また、コネクタカバー780は、ワンウェイネジPの螺着により基板ケース770から取り外し不能に固定されるので、コネクタカバー780または下部ケース770aの係止片772を破壊しなければ基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除できない状態となる。
【0798】
また、図64に示すように、コネクタカバー780に形成された係止片782、782のうち係止片772と固着された係止片782をニッパーNなどの工具で破断することで、コネクタカバー780を基板ケース770から取り外すことが可能となり、コネクタカバー780を基板ケース770から取り外すことで、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動が可能となり、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除することが可能となる。尚、この場合でもコネクタカバー780の本体から破断された係止片782が係止片772に固着された状態で残るので、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続が解除された痕跡を残すことができる。
【0799】
また、コネクタカバー780には、複数の係止片782が形成されているとともに、下部ケース770aにも対応して複数の係止片772が形成されており、複数の係止片782のいずれか1つと対応する係止片772を固着するのみで、コネクタカバー780を基板ケース770に対して取り外し不能に固定し、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続の解除が規制されるので、係止片782を破断し、コネクタカバー780を取り外して、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続を解除しても、未使用の係止片782が残っていれば、未使用の係止片782と対応する係止片772とを固着することにより、取り外したコネクタカバー780を再度基板ケース770に対して取り外し不能に固定し、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続の解除を規制することができる。すなわち未使用の係止片782が残っているうちは、コネクタカバー780を繰り返し使用できるうえに、取り外した痕跡を残したまま再利用することが可能となる。
【0800】
尚、変形例4の方法では、係止片772、772が下部ケース770aに突設されているが、前記実施例のように基板ケースに取り付けられる取付側部材を備え、取付側部材に係止孔を有する係止片を設け、取付側部材の係止片とコネクタカバー780の係止片782とを固着することで、コネクタ規制部材を構成するようにしても良く、このようにすることで、基板を基板ケースごと交換する場合でも、基板ケースを破壊して開封したり、取付側部材またはコネクタカバー780を破壊して分離せずとも、基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aの接続を解除することができる。
【0801】
前記実施例では、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の封止や、基板ケース200の取付ベース250に対する固着をワンウェイネジを用いて行っているが、一度取り付けると取り外し不可となる係止ピンを用いるなど、他の部材を用いて行っても良い。
【0802】
前記実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0803】
更に、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。
【実施例2】
【0804】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例2について説明する。尚、本実施例のスロットマシンの構成は、RTに関連する構成以外は、前述した実施例1と同一であるため、ここでは異なる点について主に説明する。
【0805】
実施例1では、転落役として1枚(1)?(3)が適用されていたが、本実施例では、転落役としてチェリーを適用する。すなわちCPU41aは、RT(2)を開始させた後、いずれのボーナスもチェリーも入賞せずに規定ゲーム数に到達するか、規定ゲーム数に到達する前にいずれかのボーナスに入賞するかチェリーが入賞することでRT(2)を終了させるようになっている。尚、RT(2)中にいずれかのボーナスが当選した場合には、以後、規定ゲーム数に到達するか、当選したボーナスが当選するまでは、チェリーが入賞してもRT(2)は終了することがない。
【0806】
1枚(1)?(3)を構成する「赤7」図柄、「白7」図柄または「黒BAR」図柄のいずれの図柄も入賞ライン上に停止させない停止操作位置が存在しないので、意図的に「赤7」図柄、「白7」図柄及び「黒BAR」図柄を入賞ライン上に停止させないことができないようになっており、1枚(1)?(3)を意図的に取りこぼすことができないのに対して、「チェリー」については、左リールについて入賞ライン上に停止させない停止操作位置(領域番号7?12、20のタイミング)が存在するので、本実施例では、転落役であるチェリーの当選時に、意図的に取りこぼすことができるようになっている。
【0807】
このため、遊技者はRT(2)中にチェリーが当選した場合でも、取りこぼし続けることで、特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(2)を継続させることができるようになっている。
【0808】
以上説明したように、本実施例のスロットマシンでは、RT(2)が開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選した場合には、RT(2)を終了させず、いずれかの特別役が入賞したとき、転落役であるチェリーが入賞したとき、または特別役も転落役も入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT(2)を終了させるようになっており、RT(2)の開始後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選しても、その当選した特別役が入賞しなければ、特別役の当選をもってRT(2)が終了することがなく、当選した特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(2)に継続して制御することが可能となるため、RT(2)において特別役が当選してもその当選した特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(2)を消化することが可能となり、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
【0809】
また、特別役の当選フラグは、該特別役が入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RT(2)が規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選した特別役を入賞させることが可能となるので、RT(2)の終了時に特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0810】
また、RT(2)の開始後、転落役が当選しても、転落役の入賞を回避する操作手順、すなわち左リールのチェリーの引込範囲外のタイミングにて遊技者が停止操作を行い、かつ特別役が揃わないように停止操作を行うこと、すなわち遊技者の技術介入によってRTを継続させることができるので、RT(2)に伴う興趣を高めることができる。この際、転落役の回避手順が常に一定なため、遊技者の技量が高ければ確実に転落役を回避して、規定ゲーム数に到達するまでRT(2)を継続させることができる。
【0811】
また、転落役であるチェリーは、RT(2)中において特別役と同時に当選し得る役であるため、RT(2)の開始後、転落役を入賞させてしまった場合でも、同時に特別役が当選している可能性があるため、このような場合であっても特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。更に本実施例では、比較的遊技者にとって有利度の高いビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)のみが転落役と同時に当選し得る可能性があるので、転落役を入賞させてしまった場合でも、同時にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)が当選している可能性があるため、このような場合であっても更に遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
【0812】
また、RT(2)中にチェリーが入賞しても、いずれかの特別役が当選している場合にはRT(2)が終了しないようになっており、RT(2)中にチェリーが入賞してしまってもその後RT(2)が継続することで特別役の当選が確実となるため、チェリーを入賞させてしまった場合でも興趣を高めることができる。
【0813】
また、本実施例では、複数種類の特別役(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス)を備えており、それぞれ入賞することで期待できるメダルの獲得枚数がそれぞれ異なるため、特別役が入賞した場合には、その種類によって付与される価値の有利度が変動するので、興趣を高めることができる。
【0814】
特に本実施例では、ビッグボーナスが入賞すると、これに伴うビッグボーナス中に獲得が期待できるメダル枚数が、レギュラーボーナスが入賞したことに伴うレギュラーボーナス中よりも大幅に多いうえに、ビッグボーナスの終了後は移行役種類報知や転落役種類報知が実行される可能性があり、更なるメダルの獲得が期待できるようになっている。
【0815】
また、ビッグボーナスには、ビッグボーナス(1)とビッグボーナス(2)があり、ビッグボーナス(1)の方がビッグボーナス(2)よりもビッグボーナス中に獲得が期待できるメダル枚数が多いうえに、ビッグボーナス(1)の方が報知確率の高い報知モードが選択される割合が高いので、ビッグボーナス(1)の方がビッグボーナス(2)よりも更なるメダルの獲得が期待できるようになっている。
【0816】
このように本実施例では、特別役の種類に応じて、ボーナス中に獲得が期待できるメダル数のみならず、その後の初期遊技状態で移行役種類報知がなされる確率、RT(2)で転落役種類報知がなされる確率、すなわちその後獲得が期待できるメダル数も変動するので、特別役の種類に応じてメダルの増減にメリハリを持たせることができる。
【0817】
以上、本発明の実施例2を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例2に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、実施例1と同一もしくは類似する構成については、実施例1で説明したものと同様の効果を有するものである。また、実施例1について例示した変形例についても実施例2に適用可能である。
【符号の説明】
【0818】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
40 遊技制御基板
41 メイン制御部
51 液晶表示器
90 演出制御基板
91 サブ制御部
91a CPU
91b ROM
91c RAM
92 表示制御回路
200 基板ケース
250 取付ベース
500a、500b コネクタ規制部材
510 取付側部材
520 コネクタカバー
1200 グラフィックコントローラ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者にとっての有利度が異なる複数の遊技状態のうち一の遊技状態において、表示結果が導出される前に、前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって有利な有利状態に移行させる第1終了入賞と、前記一の遊技状態を終了させて遊技者にとって不利な不利状態に移行させる第2終了入賞と、前記一の遊技状態から他の遊技状態に移行させることなく前記一の遊技状態を継続させる継続入賞と、を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
を備え、
前記第1終了入賞及び前記継続入賞はいずれも再遊技の付与を伴う再遊技入賞であり、
前記事前決定手段は、前記一の遊技状態において、
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定する第1決定と、
前記第1終了入賞の発生を許容する旨及び前記継続入賞の発生を許容する旨を同時に決定するものであり前記第1決定とは異なる第2決定と、
前記第1終了入賞の発生を許容する旨も前記第2終了入賞の発生を許容する旨も許容せず前記継続入賞の発生を許容する旨のみを決定する第3決定と、
前記第2終了入賞の発生を許容する旨を決定する第4決定と、
前記第2終了入賞の発生を許容するものであり前記第4決定とは異なる第5決定と、
を決定可能であり、
前記導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり、かつ第1手順で操作されたときには、前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第1決定となり、かつ前記第1手順とは異なる第2手順で操作されたときには、前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり、かつ前記第2手順で操作されたときには、前記第1終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第2決定となり、かつ前記第1手順で操作されたときには、前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第3決定となったときには、前記第1手順で操作されても前記第2手順で操作されても前記継続入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり、かつ第3手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第4決定となり、かつ前記第3手順とは異なる第4手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず、
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり、かつ前記第4手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出し、
前記事前決定手段の決定が前記第5決定となり、かつ前記第3手順で操作されたときには、前記第2終了入賞を発生させる表示結果を導出せず、
前記第1手順と前記第3手順とは共通の手順であり、
前記第2手順と前記第4手順とは共通の手順であり、
前記一の遊技状態において、前記第1決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高く、かつ前記第2決定がされる確率よりも前記第3決定がされる確率の方が高い、スロットマシン。
【図面】

































































 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-01-25 
出願番号 特願2016-90214(P2016-90214)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (A63F)
P 1 651・ 5- YAA (A63F)
P 1 651・ 113- YAA (A63F)
P 1 651・ 537- YAA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岡崎 彦哉  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 瀬津 太朗
川崎 優
登録日 2016-12-16 
登録番号 特許第6058189号(P6058189)
権利者 株式会社三共
発明の名称 スロットマシン  
代理人 重信 和男  
代理人 溝渕 良一  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 溝渕 良一  
代理人 林 修身  
代理人 石川 好文  
代理人 堅田 多恵子  
代理人 大久保 岳彦  
代理人 黒田 博道  
代理人 林 修身  
代理人 石川 好文  
代理人 重信 和男  
代理人 堅田 多恵子  

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