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審決分類 審判 訂正 発明同一 訂正する G02F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G02F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G02F
管理番号 1338426
審判番号 訂正2017-390155  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-12-25 
確定日 2018-02-22 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4470922号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4470922号の明細書及び特許請求の範囲を本件訂正審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[2-3]について訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4470922号は、平成14年7月1日に出願した特願2002-191579号(以下「原出願」という。)の一部を平成18年8月2日に新たな特許出願としたものであり、以後の主な手続は以下のとおりである。

平成21年 9月30日:拒絶理由通知(10月6日発送)
同年12月 1日:手続補正書・意見書
平成22年 2月 3日:特許査定(2月9日送達)
同年 3月12日:設定登録
同年 6月 2日:特許掲載公報発行
平成29年10月23日:一回目の訂正審判の請求
同年12月11日:審決(12月21日送達)
同年12月25日:二回目の訂正審判(本件訂正審判)の請求

第2 訂正の適否
1 訂正の要旨
平成29年12月25日付けの訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。また、本件訂正請求書による訂正を、以下「本件訂正」という。)は、特許第4470922号の明細書及び特許請求の範囲を本件訂正審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[2-3]について訂正することを認める、との審決を求めるものである。

2 訂正の内容(当審注:訂正箇所に下線を付した。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項2の「前記チャンバ内に搬入して前記上テーブルに受け渡し、」との記載を、
「前記チャンバ内に搬入して、該搬入された前記基板を、粘着材により物理的に保持する保持機構を備えた前記上テーブルに受け渡し、」と訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する。)。

(2)訂正事項2
本件特許明細書の段落【0011】の「前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記上テーブルに受け渡し、」との記載を、
「前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入し、該搬入された前記基板を、粘着材により物理的に保持する保持機構を備えた前記上テーブルに受け渡し、」と訂正する。

3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、一群の請求項について
(1)訂正事項1
訂正事項1は、訂正前の「上テーブル」を、「搬入された基板を、粘着材により物理的に保持する保持機構を備えた」ものに限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
また、本件特許明細書の【0029】に「減圧状態での上側テーブル2による上側基板の保持機構は、静電チャックにより電気的に保持する機構、あるいは粘着材により物理的に保持する機構のいずれでも良い。」と、【0030】に「上側テーブル2と下側テーブル24の吸着方法の組み合わせは、上側テーブル2,下側テーブル24いずれも静電チャックとするか、上側テーブル2、あるいは下側テーブル24のいずれか一方を静電チャックとし他方を粘着材とすることが基準となる平坦部を持ち、テーブル間を平行に組立てることが容易となり、よって上下の基板を均一に貼り合せることが可能となるという点で好ましい。」と、【00390】に「上側テーブル2が粘着を利用している場合には、複数のピンにより上側基板を機械的に下側の基板に押し付け、ピンを下側に押し付けた状態で上側テーブル2のみを上昇することにより上側の基板の保持を中断する。」と記載されているから、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内においてなされるものであることは明らかであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、訂正事項1に伴い訂正された特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
また、また、本件特許明細書の【0029】に「減圧状態での上側テーブル2による上側基板の保持機構は、静電チャックにより電気的に保持する機構、あるいは粘着材により物理的に保持する機構のいずれでも良い。」と、【0030】に「上側テーブル2と下側テーブル24の吸着方法の組み合わせは、上側テーブル2,下側テーブル24いずれも静電チャックとするか、上側テーブル2、あるいは下側テーブル24のいずれか一方を静電チャックとし他方を粘着材とすることが基準となる平坦部を持ち、テーブル間を平行に組立てることが容易となり、よって上下の基板を均一に貼り合せることが可能となるという点で好ましい。」と、【00390】に「上側テーブル2が粘着を利用している場合には、複数のピンにより上側基板を機械的に下側の基板に押し付け、ピンを下側に押し付けた状態で上側テーブル2のみを上昇することにより上側の基板の保持を中断する。」と記載されているから、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内においてなされるものであることは明らかであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)一群の請求項
ア 訂正前の請求項2及び請求項3は、訂正前の請求項3が、請求項2の記載を引用し、訂正事項1により記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものであり、訂正前において「一群の請求項」に該当するものであるから、本件訂正は、一群の請求項ごとになされたものであって、特許法第126条第3項の規定に適合する。

イ 訂正事項2は、訂正事項1に伴って本件特許明細書の【0011】に記載されている請求項2に対応する部分について訂正するものであって、訂正後の請求項2及び訂正後の請求項2の記載を引用する請求項3を含めた一群の請求項2及び請求項3の全てに関係することから、本件訂正は、特許法第126条第4項の規定に適合する。

4 独立特許要件について
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるから、同条第7項の規定に基づき、訂正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて、以下に検討する。

(1)訂正後の発明
本件訂正後の請求項2及び請求項3に係る発明は、以下のとおりのものである(以下「本件訂正発明2」及び「本件訂正発明3」という。)。
なお、訂正箇所に下線を付した。

「【請求項2】
チャンバ内に上下に2枚の基板を対向して間隔を開けて保持するための上テーブルと下テーブルとを設け、この上テーブルを移動してテーブル間隔を縮めることで基板を貼り合せる基板組み立て装置に基板を搬出入するロボットにおいて、
2つのアームを有し、
前記2つのアームのうちの一方のアームで前記2枚の基板のうちの一方の基板を保持すると同時に、他方のアームで他方の基板を保持して前記基板組み立て装置に移動し、前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して、該搬入された前記基板を、粘着材により物理的に保持する保持機構を備えた前記上テーブルに受け渡し、しかる後、前記一方のアームに前記チャンバ内の貼り合わせが完了した基板を保持して前記チャンバ内から搬出するとともに、前記他方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記下テーブルに受け渡すことを特徴とするロボット。
【請求項3】
請求項2に記載のロボットにおいて、
前記一方のアームと前記他方のアームとは、前記一方のアームが下側に、前記他方のアームが上側に夫々位置し、
前記一方のアームが前記チャンバ内に前記基板を搬入したときには、前記一方のアームは前記上テーブルが降下して当該基板を吸着する位置に設定され、
前記他方のアームが前記チャンバ内に前記基板を搬入したときには、前記他方のアームは前記下テーブル側の保持爪昇降機構が上昇して当該基板を持ち上げる位置に設定される
ことを特徴とするロボット。」

(2)特許法第29条の2についての判断
ア 独立特許要件に関し、請求人は、原出願の出願日(平成14年7月1日)前の出願であって、本件特許出願の出願日後に公開された下記の3件の特許出願を提示している。

特願2002-181395号(特開2003-241202号公報)
特願2002-188279号(特開2003-233053号公報)
特願2002-188557号(特開2003-255297号公報)
上記特許出願は、何れも、「液晶表示素子用真空貼り合わせ装置」に関するものである。

特願2002-181395号の願書に最初に添付された明細書又は図面(以下「先願明細書1」という。)には、図とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0059】以下、上述したような構成を有する本実施形態の液晶表示素子用貼り合わせ装置を用いた基板間の貼り合わせ過程をより概略的に説明する。
【0060】まず、図4のように、ローダ部300は各アーム310,320を制御して下部ステージにローディングされる第1基板510と、上部ステージにローディングされる第2基板520とをそれぞれ搭載する。この状態で真空チャンバ110の出入口111が開放すると、前記ローダ部は第2アーム320を制御し、シール剤が塗布された前記第2基板520を開放した出入口111を介して真空チャンバ110内の上側空間に設けられた上部ステージ121に搬入する。
【0061】この場合、上部ステージ121に連結された真空ポンプ123が動作することにより、前記上部ステージ121に形成された各真空ホール121bに真空力を伝達して、第2アーム320により搬入された第2基板520を吸着して前記上部ステージ121に固定する。
【0062】仮に、かかる過程において、下部ステージ122に貼り合わせ済みの基板が存在するときは、前記第2アーム320が前記第2基板を搬入した後に前記貼り合わせ基板をアンローディングすることが好ましい。
【0063】そして、前記過程が完了して第2アームが真空チャンバの外部に抜け出ると、ローダ部は第1アーム310を制御して、前記液晶が滴下された第1基板510を前記真空チャンバ110内の下部ステージ122に搬入する。
【0064】その後、下部ステージ122に連結された真空ポンプ(図示せず)が動作することにより、第1アーム310により搬入された第1基板510を吸着して前記下部ステージ122に固定する。そして、前記ローダ部の第1アームは真空チャンバの外部に抜け出ることにより、各基板510、520のローディング過程が完了する。
【0065】前記した過程で一般にシール剤が塗布された第2基板520を液晶が滴下された第1基板510より先に搬入させる理由は、第1基板510を先に搬入した状態で第2基板520を搬入すると、前記第2基板520の搬入過程中に発生し得る塵埃などが前記既に搬入されていた第1基板510の液晶が滴下された領域に落ちることがあるので、このような問題を未然に防止するためである。
【0066】そして、前記した過程を通じて各基板510、520のローディングが完了すると、前記真空チャンバ110の出入口111に設けられた遮蔽ドア114(図6A参照)が動作しつつ前記出入口111を閉鎖することにより、前記真空チャンバ110の内部は密閉した状態になる。」

(イ)図4は、以下のものである。


上記記載からして、先願明細書1には、次の発明(以下「先願発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「液晶表示素子用貼り合わせ装置の真空チャンバ110内に基板を搬出入するための、第1アーム310及び第2アーム320を有するローダ部300であって、
前記第1アーム310は、真空チャンバ110内の下部ステージ122に搬入される液晶が滴下された第1基板を搭載し、第2アーム320は、真空チャンバ110内の上部ステージ121に搬入されるシール材が塗布された第2基板を搭載し、
第2アーム320により前記上部ステージ121に搬入された第2基板は、上部ステージ121に連結された真空ポンプ123が動作することにより前記上部ステージ121に吸着して固定され、
前記下部ステージ122に貼り合わせ済みの基板が存在するときは、前記第2アーム320が前記第2基板を搬入した後に前記貼り合わせ基板を搬出し、
前記第2アーム320が真空チャンバ110の外部に抜けると、前記第1アーム310が前記第1基板を前記真空チャンバ110内の下部ステージ122に搬入する、ローダ部300。」

ウ 当審の判断
(ア)本件訂正発明2と先願発明1とを対比する。
a 先願発明1の「真空チャンバ110」は、本件訂正発明2の「チャンバ」に相当し、
以下、同様に、
「上部ステージ121」は、「上テープ」に、
「下部ステージ122」は、「下テーブル」に、
「第1アーム310及び第2アーム320」は、「2つのアーム」に、
「ローダ部300」は、「ロボット」に相当する。

b 先願発明1の「第2基板」は、「上部ステージ121」に吸着して固定されることから、該「上部ステージ121」は、基板を物理的に保持する保持機構を備えているといえる。

c また、先願発明1の「液晶表示素子用貼り合わせ装置」は、「上部ステージ121」の「シール材が塗布された第2基板」と「下部ステージ122」の「液晶が滴下された第1基板」を貼り合わせ、「貼り合わせ済みの基板」が「下部ステージ122」に位置することから、先願発明1の「ローダ部300」は、「基板を貼り合せる基板組み立て装置」に「基板」を搬出入する装置(ロボット)であるといえる。

d してみると、本件訂正発明2と先願発明1とは、以下の点で一致する。
<一致点>
「チャンバ内に上下に2枚の基板を対向して間隔を開けて保持するための上テーブルと下テーブルとを設け、この上テーブルを移動してテーブル間隔を縮めることで基板を貼り合せる基板組み立て装置に基板を搬出入するロボットにおいて、
2つのアームを有し、
前記2つのアームのうちの一方のアームで前記2枚の基板のうちの一方の基板を保持すると同時に、他方のアームで他方の基板を保持して前記基板組み立て装置に移動し、前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して、該搬入された前記基板を物理的に保持する保持機構を備えた前記上テーブルに受け渡し、しかる後、前記一方のアームに前記チャンバ内の貼り合わせが完了した基板を保持して前記チャンバ内から搬出するとともに、前記他方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記下テーブルに受け渡す、ロボット。」

e 一方、両者は、以下の点で相違する。
<相違点>
基板を物理的に保持する保持機構に関して、
本件訂正発明2は、「粘着材により基板を物理的に保持する」のに対して、
先願発明1は、吸着(真空力)により基板を物理的に保持する点。

(イ)また、特願2002-188279号の願書に最初に添付された明細書又は図面、及び特願2002-188557号の願書に最初に添付された明細書又は図面にも、先願発明1と同様の「液晶表示素子用貼り合わせ装置の真空チャンバ110内に基板を搬出入するための、第1アーム310及び第2アーム320を有するローダ部300」が記載され、何れも、吸着(真空力)により基板を物理的に保持するものであって、粘着材により基板を物理的に保持することは記載されていない。

(ウ)そして、両者の「基板を物理的に保持する機構」は、構造的に全く異なるものであって、「粘着材により基板を物理的に保持する」ことが周知技術ないし慣用技術であるか否かにかかわらず、本件訂正発明2と先願発明1との相違点が、課題解決のための具体化手段における微差であるということはできない。

(エ)まとめ
本件訂正発明2、及び本件訂正発明2の発明特定事項をすべて備える本件訂正発明3は、上記3件の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であるとはいえない。

(3)独立特許要件についてのまとめ
以上の検討によれば、本件訂正発明2及び本件訂正発明3について、特許出願の際独立して特許を受けられないとすべき理由を発見しない。
また、他に本件訂正発明2及び本件訂正発明3について、特許出願の際独立して特許を受けられないとすべき理由を発見しない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第7号の規定に適合する。

5 訂正の適否についてのまとめ
本件訂正請求は適法であることから、訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[2-3]について訂正することを認める。

第3 むすび
以上のとおり、本件訂正請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第3項から第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
基板搬出入方法とロボット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板貼合装置に係り、特に、減圧チャンバ内で貼り合わせる基板同士をそれぞれ保持して対向し、間隔を狭めて貼り合せる液晶表示パネルなどの組み立てに好適な基板の搬入方法と基板を搬出入するためのロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶表示パネルの製造装置として、特許文献1に記載されたものがある。この公報には、透明電極や薄膜トランジスタアレイを設けた2枚のガラス基板の一方側に液晶をコーティングし、更にスペーサを分散配置した後、他方の基板を上下機構を有するピンで上に載せ、その基板を装置左右方向に設けた位置決めピンで位置合せをした後、チャンバ内を真空にして基板を重ねた後、再度位置合せを行った後に、チャンバ内圧力を大気圧側に戻すことで貼り合せを行うようにしている。
【0003】
また、特許文献2には、一体構造の真空チャンバ内に上面または下面に両基板の何れか一方を脱着自在に固着させる第一のテーブルと下面または上面に両基板の他方を脱着自在に固着させる第二のテーブルをそれぞれの基板を固着させる上面および下面が対向するように備え、両テーブルの一方は弾性体を介して真空チャンバと気密に移動可能に結合しており、かつ該一方のテーブルは前記弾性体で区画された真空チャンバの大気側に真空チャンバに対して少なくとも水平方向に移動する駆動手段を備える構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、チャンバを上下2つに分割して、下側チャンバを基板の搬送及び液晶滴下装置を備えた基板組立て装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10-26763号公報
【特許文献2】特開2001-305563号公報
【特許文献3】特開2001-5401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、基板の加圧は基板間と基板外側の気圧差のみを用いて行うもので、この場合、基板間のシール材が上下基板間を確実に埋めた状態となるようにしなけばならない。このため使用するシール材の量が多く必要になると共に、表示部側に広がる恐れもある。また、真空中での基板の保持を下側の基板は平坦なステージに載置しているが、上側の基板はその周縁の適宜な個所をピン状の部材で支えるため、大型基板1m×1m以上の大型基板の場合、撓んで、上下の両基板の正確な位置決めをすることが困難となる。
【0007】
さらに、上下の基板を真空チャンバの中に直接搬送し、搬送後にチャンバ内を大気圧から真空に排気するため排気に時間がかかり、生産性を高くすることができないという問題もある。
【0008】
また、特許文献2の構成では、一体構造の真空チャンバ内に上下のテーブルが配置されているために、チャンバ内で基板が破損した場合、あるいは基板への付着物質でテーブル表面が汚染した場合にチャンバ内部にあるテーブルを清掃することが困難であるという問題があった。また、貼り合せ後の基板を取り出すために、基板を持ち上げる昇降,あるいは位置ずれを防止するために基板を仮止めする機構,基板の位置決めを行うためのマーク認識あるいは照明機構は、一体構成の真空チャンバあるいは真空チャンバ外部の構造体側に固定しており、真空チャンバと下側テーブルとは位置決め時に相対的に移動するために、下側テーブルに設ける、昇降機構,仮止め,認識あるいは位置決め用の溝、あるいは穴の大きさが大きくなるという問題があった。テーブルに設ける穴、あるいは溝の大きさが大きくなると、基板を位置決め後、加圧する際に、局所的な圧力の変動が発生し接着剤が均一に潰れないという影響が出る場合がある。
【0009】
さらに、従来の2分割チャンバを備えた装置においては、下テーブルと下側チャンバとは一体化されておらずテーブルとチャンバ間とをシールし、下側チャンバに対して下側テーブルが自由に回転等の動きができるようにしてある。このため、基板の位置合せはXY方向にはチャンバ全体を、θ方向の動きは基板載置テーブルを動かすためにシール構造が上下チャンバ間と、下側テーブルと下側チャンバ間の2箇所となり、気密保持の点から問題が発生する場合がある。
【0010】
それゆえ本発明の目的は、基板が大型化しても貼り合せを高精度かつ高速に行うことができ、生産性が高い基板貼合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本発明は、チャンバ内に上下に2枚の基板を対向して間隔を開けて保持するための上テーブルと下テーブルとを設け、この上テーブルを移動してテーブル間隔を縮めることで基板を貼り合せる基板組み立て装置に基板を搬出入するロボットにおいて、2つのアームを有し、前記2つのアームのうちの一方のアームで前記2枚の基板のうちの一方の基板を保持すると同時に、他方のアームで他方の基板を保持して前記基板組み立て装置に移動し、前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入し、該搬入された前記基板を、粘着材により物理的に保持する保持機構を備えた前記上テーブルに受け渡し、しかる後、前記一方のアームに前記チャンバ内の貼り合わせが完了した基板を保持して前記チャンバ内から搬出するとともに、前記他方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記下テーブルに受け渡すように構成した。
【発明の効果】
【0012】
本発明の基板の搬出入を行うためのロボット及び搬出入方法によれば、基板搬出入時間を大幅に短縮でき、基板製作のスループットを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0014】
図1において、基板組立て装置は、下チャンバT1部と上チャンバT2部から構成されている。上チャンバT2部には、上側テーブル2が、上チャンバT2を貫通する支持脚3および複数の調整脚4により上下方向に移動可能に備えられている。支持脚3はOリング5により、また調整脚4は溶接ベローズ6により上チャンバT2内部が大気に連通しないように遮断している。上側テーブル2の支持脚3および調整脚4は加圧ベース板7に固定されている。
【0015】
さらに、この加圧ベース板7の中央部が中間ベース板8に固定されている。中間ベース板8は天井フレーム9に取り付けられた駆動モータ10および減速機11、およびボールネジ12から構成される駆動機構を動作させることにより、ボールスプラインガイド13をガイドとして上下に移動可能に構成されている。また、架台1上にボールスプラインガイドとは別に設けた支持柱により天井フレーム9が支持されている。加圧ベース板7に一端が固定された各調整脚4の他端側は、中間ベース板8に取り付けた駆動モータ14により駆動されるボールネジ15に連結されている。この駆動モータ14とボールネジ15からなる上下調整機構を駆動して、加圧ベース板7に力を作用させることにより上側テーブル2が平坦度を保持しながら上下に移動することができる。
【0016】
図2に上チャンバT2の駆動のための機構の一例を示す。上チャンバT2にはシリンダ50によって駆動されるレバー51と、T字状の締結部材52からなる上側テーブル2との締結機構を設けてある。加圧ベース板7には締結部材52が上下できるように貫通穴が設けてある。加圧ベース板7が下降した状態で、T字型の締結部材52と加圧ベース板7の上面との間にレバー51を差し入れることで、加圧ベース板7を持ち上げると上チャンバT2も一緒に上側に移動できる構成としてある。なお、上チャンバT2もボールスプラインガイド13をガイドとして上下に移動可能に、前後左右(水平方向)には剛に近い形で取り付けてある。このボールスプライン13は装置の架台1に一端部が固定されている。すなわち、上チャンバT2を移動するために、締結機構で上側テーブル2と上チャンバT2を上下に一緒に移動できるように構成してある。
【0017】
また、チャンバ内に基板の搬入・搬出を行うためのドアバルブ16が上チャンバT2の側方外壁側に設置されている。さらにドアバルブ16の対向する上チャンバ側壁の位置には、イオン化超音波エアーを基板表面に吹き付けることで、基板の除電を行うことが出来るようにイオナイザ17を設置してある。さらに、チャンバ外側のドアバルブ16の近傍にもイオナイザ17aが設けてあり、これにより、ドアを開いた状態でイオン化エアーを吹き付けることで基板の除電効果を上げることが出来る。なおチャンバ内のイオナイザ17を上チャンバT2に設けたが、基板面にイオン風が吹き付けられればよく、下側チャンバT1に取り付ける構成としても良いことは言うまでもない。このドアバルブ16から基板の搬入,貼り合せた液晶パネルの搬出を行う。
【0018】
上チャンバT2の上面外壁には、複数個のブッシュ構造のサブガイド18がチャンバ内にセンタ軸19を突出して設けてある。このセンタ軸19は、上側テーブル2の外周に設けた突出部に設けた穴に契合して上側テーブル2の水平方向の調整を行うことが出来る。すなわち、上側テーブル2の水平調整機構としてサブガイド18とセンタ軸19が動作する。このように、上側テーブル2も水平方向の位置を微調整できるようにすることで、基板の位置合せが容易になると共に、基板に加わる加圧力も均一化できる。
【0019】
上チャンバT2には、チャンバ内側に凸形状の窓枠下端に基板マーク観測用の複数の観測窓が設けてある。この観測用の窓枠内にカメラの鏡筒21を挿入して、基板に設けたマークをカメラにより認識する。カメラの鏡筒21は、水平方向(X,Y方向)移動軸および垂直方向(Z方向)の移動軸を備えた移動ステージ上に設置されており、その移動ステージは上チャンバT2上に固定してある。さらに、上側テーブル2には、基板マーク認識用の穴が、上記観測窓と対応する位置に設けてある。
【0020】
本実施形態ではカメラをチャンバの外に配置する構成としたが、このカメラを上側テーブル2に直接取り付けた構成とすることで、観測窓が不用になりチャンバ内の気密性を向上できる他、カメラを基板に近づけて配置でき、カメラによるマーク認識精度が向上し、基板間の位置合せ精度を向上できる。
【0021】
さらに、基板への加圧力を測定するために、支持脚3の中間ベースとボールネジの間にロードセル22を設けてある。また、上テーブルの平坦度を調整する際に、各調整脚4を駆動するモータ14が過負荷とならないようにモニタするために、加圧ベース板7上の各調整脚毎にロードセル23をそれぞれ設けてある。
【0022】
下側チャンバT1内には下側テーブル24が固定されている。この下側テーブル24は、全面を下チャンバに接合固定すると、減圧時に下チャンバT1が変形した場合に、その変形がそのまま下側テーブルに伝達され平坦度がずれる恐れがある。そのため、下チャンバT1の変形の影響を受けないように下側テーブルの周辺部のみを下側チャンバに固定している。また、下チャンバT1の全周には、後述するシールリング25を配置し、上チャンバT2がシールリング25に接触し、且つドアバルブ16が閉じた状態では内部が機密となり減圧室が構成されるようになっている。
【0023】
下チャンバT1は、モータ26と図示していないボールネジおよび、回転ベアリング27により回転駆動するように構成したθベーステーブル28の上に設置してある。θベーステーブル28と下チャンバT1の締結には、箱型部材を介在させて所定のスペースを確保できるようにしてある。このスペースは下チャンバT1の下側にUV照射機構40や基板保持爪昇降機構41,基板リフト機構43を取り付けるために設けたものである。θベーステーブル28はYテーブル32上に回転ベアリング27を介して取り付けてある。また、Yテーブル32はXテーブル33に設けたリニアレール上をモータ29により移動できるように設置されている。さらにXテーブル33は架台1側に設けたリニアレール上をモータ30を駆動することで移動できるように設けてある。このように、下側テーブルを固定した下側チャンバの駆動機構は、下側チャンバの外側に配置され、下側チャンバを移動することで下側テーブル上の基板の位置決めをすることができるようにしてある。このため、チャンバ内の気密性を保持できるとともに、駆動機構を外部配置としたため、駆動機構が動作することで発生する塵埃の影響を基板が受けず精度の良い貼り合せを行うことができる。
【0024】
また、上チャンバT2が下チャンバT1のシールリング25に接触して減圧室を構成したときに、シールリング25の潰れ量を一定にするため、θベーステーブル28の外周部上に複数個の上チャンバ用のボールベア34と、アジャスト機構つきの受け座35を設けてある。これらのボールベア34と受け座35で上チャンバ部T2の下降位置を調整している。なお、本実施形態では上チャンバT2と下チャンバT1の結合は上チャンバT2の自重で行っている。このように上チャンバT2の自重だけでも、内部を減圧していくことで、大気側からチャンバ内部に向かって力が作用することになり、十分な押し付け力が上チャンバに作用するため大きな結合力でチャンバ同士を結合できる。また、ボールベア34には上チャンバT2を上下に微動させるための微小高さ昇降機構を備えている。
【0025】
さらにθベーステーブル28が変形しないように、θベーステーブル28の外周部を支持するように、装置ベース(架台)1上に固定した部材に複数個のθベーステーブル28用のボールベア37と、アジャスト機構つきの受け座38を設けてある。これでθベーステーブル28からの荷重を受けている。このように、チャンバ用のボールベア34と、θベーステーブル用のボールベア37との2段で上下チャンバの周囲の荷重を受けるように構成したため、チャンバの変形を小さく抑えることができる。
【0026】
下チャンバT1にはマーク認識を行うための複数の透過照明39を設け、下側テーブル24の対応する位置に穴をあけてある。さらに、下チャンバT1内には、貼合せた基板がずれないようにUV接着剤を潰して硬化させるために、複数の加圧・UV照射機構40を設けてある。さらに、基板の搬入・搬出を行う際、基板の幅方向のたわみを防ぐための保持爪昇降機構41や、ロボットハンドのたわみ、ならびに前後方向の基板のたわみを防ぐための回転昇降ピンや、貼り合せた基板を昇降するための基板リフト機構43がそれぞれ設けてある。
【0027】
下側テーブル24には、加圧・UV照射機構40が下側テーブル24内を上下に移動出来るように穴が設けてある。なお、加圧・UV照射機構40は、回転昇降ピンを兼用できるようにしてある。また基板リフト機構43が上下に移動できるように、基板支持側に溝(きり欠き部)がそれぞれ設けてある。基板の搬入及び搬出の際に、この基板リフト機構43を動作させて基板下面側にロボットハンドが挿入できるようにしている。これらの穴、あるいは溝は、下チャンバT1に下側テーブル24を固定してあるため、最小の余裕台を設けるのみでよい。
【0028】
さらに、加圧・UV照射機構40と、保持爪昇降機構41と、基板リフト機構42とは、それぞれ下チャンバT1を貫通する上下移動機構を持っているが、下チャンバT1とこれら上下移動機構部との間にOリングが設けてあり、これにより気密を保つ構造としている。
【0029】
減圧状態での上側テーブル2による上側基板の保持機構は、静電チャックにより電気的に保持する機構、あるいは粘着材により物理的に保持する機構のいずれでも良い。静電チャックにより電気的に保持する場合には、印加電圧を切断し、一定の除電時間後に上側テーブル2を上昇することにより、上側テーブル2による保持を中断できる。また、粘着材により保持する場合には、上側基板を機械的に下側の基板に押し付ける複数のピンを設けておき、ピンを下側に押し付けた状態で上側テーブル2のみを上昇することにより上側の基板の保持を中断できる。
【0030】
他方減圧状態での下側テーブル24による下側基板の保持機構も同様に、静電チャックにより電気的に保持する方法、あるいは粘着材により物理的に保持する方法のいずれでも良い。上側テーブル2と下側テーブル24の吸着方法の組み合わせは、上側テーブル2,下側テーブル24いずれも静電チャックとするか、上側テーブル2、あるいは下側テーブル24のいずれか一方を静電チャックとし他方を粘着材とすることが基準となる平坦部を持ち、テーブル間を平行に組立てることが容易となり、よって上下の基板を均一に貼り合せることが可能となるという点で好ましい。なお、本実施形態では負圧による吸引吸着をする構成と静電力による静電吸着の両方を兼用できるように構成してある。
【0031】
減圧チャンバ内の減圧は、上下いずれかのチャンバに設けた図示していない排気口を通して真空バルブ、およびドライポンプあるいはターボ分子ポンプの真空ポンプに接続して行う。またチャンバ内の大気ベントは、これも図示していない上下いずれかのチャンバに設けたバルブを通して窒素などの不活性ガス、あるいは大気を導入して行う。大気ベントはチャンバへの水分の付着を少なくし、チャンバ内を減圧するための時間を短縮する意味から、水分子の含有量が少ない窒素などの不活性ガスが好ましい。
【0032】
次に、本発明になる基板組立て装置により、液晶パネルを貼り合わせる動作について説明する。まず、接着剤を枠状に液晶パネルの外周を囲むブラックマトリクス状あるいはこの近辺に塗布した上側基板を、接着剤を塗布した面が下側となるように反転した状態で配置し、ロボットの下側に位置する一方のロボットアーム上に、また表面に予め液晶を塗布した下側基板を液晶の滴下面が上側になるように配置した状態で上側に位置するロボットの他方のアーム上に搭載する。このように2枚の基板を上下のアーム上に搭載した状態でロボットが基板組立て装置の前に移動する。基板組立て装置の制御装置の指令では上チャンバT2のドアバルブ16を開け、ロボットは下側ロボットアーム上にある反転した上側基板をチャンバ内に挿入する。
【0033】
上基板が挿入されると制御装置の指令により上側テーブル2を下降し、負圧による吸引吸着により上側テーブル2の下に反転した上側基板を吸着保持する。ロボットアーム先端を延ばした際のたわみが大きく吸引吸着が困難な場合には、ロボットアームの先端をチャンバ内の、回転昇降ピンを用いて下側から突き上げ支える。下側ロボットアームは一旦チャンバ内から後退し、この後退を待って基板組立て装置の制御装置は、下側テーブル24上にある既に貼り合せの終わった液晶パネルを基板リフト機構43や、保持爪昇降機構41に制御指令を出して基板を上方に持ち上げる。ロボットは下側ロボットアームを再びチャンバ内の液晶パネル下側に挿入し、ハンドを上方に持ち上げた後、これを後退させることにより液晶パネルをチャンバ内から外部に取り出す。その後、制御装置の指令で基板リフト機構43、および保持爪昇降機構41が下降する。
【0034】
次に、ロボットは上側のロボットアーム上にある予め液晶を塗布した下側基板を、チャンバ内に挿入する。チャンバ内に下基板が挿入されると保持爪昇降機構41を上昇し、下側基板を持ち上げロボットアームの後退を待って下側基板を下側テーブル24の上に設置、下側基板を負圧により吸引吸着する。
【0035】
次に、上側基板の基板マーク位置をカメラの鏡筒21を垂直方向の移動軸CZを下降して測定し、水平方向移動軸CX,CYを用いて上側基板のマーク中心位置とカメラの鏡筒21の中心が一致する位置に移動する。続いて、上側テーブル2を下降し、上側基板と下側基板のマーク位置のずれをカメラの鏡筒21により測定する。次に、ボールベア34を図示していない微小高さ昇降機構で持ち上げ、上チャンバ側に設けてあるアジャスト機構つきの受け座35と一緒に上チャンバT2を上昇し、シールリング25と上チャンバT2が微小接触するか接触しない位置に持ち上げる。その後、下チャンバ部T1をθ軸駆動モータ26と、Y軸駆動モータ29と、X軸駆動モータ30とを駆動してXYθ方向に水平移動して、下基板と上基板とのアライメントマークの粗位置決めを行う。
【0036】
粗位置決め終了後、ボールベア34を下降する。そして上下のテーブルが静電チャックによる基板吸着を用いている場合には、静電チャックに電圧を印加し、基板の吸着を行う。この状態で、ドアバルブ16を閉じ真空ポンプを用いチャンバ内の空気を排気する。排気中は上下基板間のガスが排気されやすいように上側テーブル2を上昇しておく。チャンバ内が一定の減圧状態になった後、再び上側テーブル2を下降し、上下の基板間の位置ずれを測定し、下チャンバT1をモータ26,モータ29,モータ30を駆動することによりXYθ方向に水平移動して、下基板と、上基板のアライメントマークの微位置決めを行う。このように、上チャンバT2が下チャンバT1に契合した状態で下チャンバをXYθ方向に微小移動した場合に、上チャンバT2が移動しないように、下チャンバT1に配置したシールリング25が工夫されている。
【0037】
図3に、本実施形態で用いたシールリング25の断面形状の一例を示す。すなわち、本実施形態で用いているシールリング25は上下方向の弾性力に比べ前後左右方向が小さな弾性力となる形状(図3の(a)、または(b)の形状)のシールリング25を用いている。更に上チャンバT2は先に述べたように、上下方向は移動可能であるが前後左右方向(水平方向)はほとんど動かないようにボールスプラインガイド13に取り付けてあるため、下チャンバT1を水平方向に微小移動させても上チャンバにつられて移動せず、上下のテーブルの位置合せが可能である。なお、本シールリングの形状は、図3の形状に限るものではなく、前述の特性を出せるものであればどのような形状でもよいことは言うまでもない。
【0038】
微位置決め終了後、ロードセル22の値を測定しながら、さらに上側テーブル2を下降し、基板の加圧・貼合せを行う。加圧力が接着剤を潰す所定の値に到達した後、加圧を終了し、加圧・UV照射機構40により、基板の仮止め位置に予め塗布された仮止め用のUV接着剤を、加圧しながらUV光を照射、基板の位置がずれないよう仮止めを行う。
【0039】
仮止めが終了した後、加圧・UV照射機構40を上昇する。上側テーブル2が静電チャックによる減圧状態での吸着を利用している場合には、電圧を切断し、イオナイザ17を用いて除電する。除電時間分待機した後上側テーブル2を上昇する。除電時間の短縮を図るために電源供給線に切換えスイッチでアースに落とすことも可能である。上側テーブル2が粘着を利用している場合には、複数のピンにより上側基板を機械的に下側の基板に押し付け、ピンを下側に押し付けた状態で上側テーブル2のみを上昇することにより上側の基板の保持を中断する。
【0040】
この後、チャンバに設けたバルブを通して窒素などの不活性ガス、あるいは大気をチャンバ内に導入し大気に開放する。続いてドアバルブ16を開放し、基板の搬入および搬出を行う。
【0041】
基板組立て装置のチャンバ内について、クリーニング等のメンテナンスを行う場合には、上チャンバ部T2に取り付けたシリンダ駆動のレバー51を、加圧ベース板7が下降した状態で加圧ベース板7と上チャンバT2に取り付けた締結部材52の間に差し入れ、この状態で駆動モータ10を用いて上側テーブル2と一緒にZ軸方向に持ち上げる。このように、上チャンバT2と上側テーブル2とを締結機構で結合し、上側テーブル2の加圧に用いた駆動用モータ10を用いて上チャンバT2を持ち上げることが出来るため、上チャンバT2持ち上げ用の駆動機構を別に設ける必要がなくなり、装置の簡素化を図ることが出来る。また、これによりチャンバを開放した状態で上下テーブルのメンテナンスを行うことが可能となる。
【0042】
以上のように、本発明では基板組立て時には、上下チャンバを一体化した状態で一連の作業を行うが、所定量の基板貼り合せが終了し、装置のメンテナンスを行うときに上下チャンバを切り離して行う構成としているため、貼り合せの時間短縮を図れるとともに、メンテナンスの時間短縮も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態になる基板組立て装置の構成を示す図である。
【図2】上チャンバと加圧ベース板とを接続して移動するための締結機構を示す図である。
【図3】上チャンバと下チャンバ間のシールリングの断面形状の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…架台、2…上側テーブル、3…支持脚、4…調整脚、5…Oリング、6…溶接ベローズ、7…加圧ベース板、8…中間ベース板、9…天井フレーム、10,14…駆動モータ、11…減速機、13…ボールスプラインガイド、15…ボールネジ、16…ドアバルブ、17…イオナイザ、18…サブガイド、19…センタ軸、21…カメラの鏡筒、22,23…ロードセル、24…下側テーブル、25…シールリング、26,29,30…モータ、27…回転ベアリング、28…ベーステーブル、32…Yテーブル、33…Xテーブル、34,37…ボールベア、35,38…アジャスト機構つきの受け座、39…透過照明、40…加圧・UV照射機構、41…保持爪昇降機構、42…回転昇降ピン、43…基板リフト機構、T1…上チャンバ、T2…下チャンバ。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に上下に2枚の基板を対向して間隔を開けて保持するための上テーブルと下テーブルとを設け、この上テーブルを移動してテーブル間隔を縮めることで基板を貼り合せる基板組み立て装置にロボットによって基板を搬出入する基板搬出入方法において、
前記上テーブルには、当該上テーブルによる基板の保持機構として粘着材により基板を物理的に保持する保持機構を備えており、
前記ロボットは基板を保持する2つのアームを有しており、
前記ロボットが、前記2枚の基板のうちの一方の基板を前記2つのアームのうちの一方のアームで保持すると同時に、他方の基板を他方のアームで保持した状態で前記基板組み立て装置に移動する第1の工程と、
前記第1の工程に続いて、前記ロボットが前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記上テーブルに受け渡す第2の工程と、
前記第2の工程に続いて、前記ロボットが前記チャンバ内の前記下テーブル上の貼り合わせが完了した基板を前記下テーブルの面から離間させて前記一方のアームに保持し、前記チャンバ内から搬出する第3の工程と、
前記第3の工程に続いて、前記ロボットが前記他方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記下テーブルに受け渡す第4の工程とを有しており、前記第2の工程中に前記上テーブルに受け渡された基板は、前記保持機構により物理的に保持されることを特徴とする基板搬出入方法。
【請求項2】
チャンバ内に上下に2枚の基板を対向して間隔を開けて保持するための上テーブルと下テーブルとを設け、この上テーブルを移動してテーブル間隔を縮めることで基板を貼り合せる基板組み立て装置に基板を搬出入するロボットにおいて、
2つのアームを有し、
前記2つのアームのうちの一方のアームで前記2枚の基板のうちの一方の基板を保持すると同時に、他方のアームで他方の基板を保持して前記基板組み立て装置に移動し、前記一方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して、該搬入された前記基板を、粘着材により物理的に保持する保持機構を備えた前記上テーブルに受け渡し、しかる後、前記一方のアームに前記チャンバ内の貼り合わせが完了した基板を保持して前記チャンバ内から搬出するとともに、前記他方のアームに保持された前記基板を前記チャンバ内に搬入して前記下テーブルに受け渡すことを特徴とするロボット。
【請求項3】
請求項2に記載のロボットにおいて、
前記一方のアームと前記他方のアームとは、前記一方のアームが下側に、前記他方のアームが上側に夫々位置し、
前記一方のアームが前記チャンバ内に前記基板を搬入したときには、前記一方のアームは前記上テーブルが降下して当該基板を吸着する位置に設定され、
前記他方のアームが前記チャンバ内に前記基板を搬入したときには、前記他方のアームは前記下テーブル側の保持爪昇降機構が上昇して当該基板を持ち上げる位置に設定される
ことを特徴とするロボット。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-01-30 
結審通知日 2018-02-01 
審決日 2018-02-14 
出願番号 特願2006-210451(P2006-210451)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (G02F)
P 1 41・ 851- Y (G02F)
P 1 41・ 161- Y (G02F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山口 裕之  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 居島 一仁
星野 浩一
登録日 2010-03-12 
登録番号 特許第4470922号(P4470922)
発明の名称 基板の搬出入方法とロボット  
代理人 牧野 知彦  
代理人 中村 守  
代理人 牧野 知彦  
代理人 中村 守  
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