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審決分類 |
審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1338596 |
審判番号 | 不服2017-6081 |
総通号数 | 221 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-04-27 |
確定日 | 2018-03-15 |
事件の表示 | 特願2015-171672号「遊技台」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月 7日出願公開、特開2016- 337号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成25年2月1日に出願した特願2013-18706号の一部を平成26年5月21日に新たな特許出願(特願2014-105184号)とし、さらにその一部を平成27年9月1日に新たな特許出願(特願2015-171672号)としたものであって、平成28年8月16日付けで拒絶の理由が通知され、平成28年9月21日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年3月13日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年4月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に明細書及び特許請求の範囲に係る手続補正がなされたものである。 一方、当審において、平成29年11月13日付けで拒絶の理由を通知し、平成29年12月14日に意見書及び手続補正書が提出されたところである。 2 本願発明 この出願の請求項1?19に係る発明は、平成29年12月14日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?19に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める(当審において請求項1をA?Oに分説した。)。 「【請求項1】 A 遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段と、 B 複数の演出を実行可能な演出手段と、 C 複数の表示を表示可能な表示手段と、 D 大当り遊技を開始可能な制御手段と、 を備えた遊技台であって、 E 前記複数の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、 前記第一の表示は、前記操作手段に関する表示であり、 F 複数の前記第一の表示が表示される場合(以下、「第一の場合」という。)があり、 G 前記複数の表示のうちの一の表示は、第二の表示であり、 前記操作手段の操作に関する受付が有効である期間(以下、「第三の期間」という。) において前記第二の表示が表示され、 H 前記複数の演出のうちの一の演出は、第一の演出であり、 I 前記複数の演出のうちの一の演出は、第二の演出であり、 J 前記第一の場合において、前記操作手段に対して一回の操作がされたことに関連して前記第一の演出を実行可能であり、 K 前記第一の場合において、前記操作手段に対して複数回の操作がされたことに関連して前記第二の演出を実行可能であり、 L 前記第一の演出は、装飾図柄とは異なる表示が表示される演出であり、 M 前記第一の演出は、前記大当り遊技の実行中に開始可能な演出であり、 N 前記第二の演出は、前記大当り遊技の実行中に開始可能な演出であり、 O 前記第一の表示は、複数の態様で表示可能な表示であり、 前記複数の態様のうちの一の態様は、第一の態様であり、 前記複数の態様のうちの一の態様は、第二の態様であり、 前記第一の態様と前記第二の態様は、異なる態様であり、 前記第一の場合において、前記第一の態様の前記第一の表示と前記第二の態様の該第一の表示が表示されている場合がある、 ことを特徴とする遊技台。」 3 先願 当審の拒絶の理由において、本願の特許出願の日前の他の出願であって、その出願後に公開された特願2011-279215号(特開2013-128622号公報)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている(下線は審決で付したものである。)。 (1-a)「【0001】 本発明は弾球遊技機に関し、特に、遊技者により操作される操作手段を有する弾球遊技機に関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、このように操作手段を使用する演出は、弾球遊技機において既に目新しいものではなく、出願人はこの演出において遊技者に目新しさを感じさせるには工夫が必要と考えた。 【0005】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、操作手段を使用する演出において遊技者に目新しさを感じさせて当該演出への参加意欲を刺激し、遊技の興趣を向上させることができる弾球遊技機を提供することを目的とする。」 (1-b)「【0010】 上皿6には、図1に示すように、操作手段としての演出ボタン6Aが装着されている。この演出ボタン6Aは遊技者が手指で操作入力するものであり、上皿6の上面から上方へ突出する初期位置および初期位置より下方の押込み位置相互間で上下方向へスライド可能にされている。また、この演出ボタン6Aにはスプリングが連結されている。このスプリングは演出ボタン6Aに押込み力が作用していない状態で演出ボタン6Aを上方の初期位置に保持するものであり、演出ボタン6Aはスプリングのばね力に抗して下方へ押込み操作されることに基づいて初期位置から押込み位置へ移動し、操作力が除去されることに基づいてスプリングのばね力で押込み位置から初期位置に復帰する。この演出ボタン6Aにはボタンスイッチ6B(図3参照)の操作子が機械的に連結されている。このボタンスイッチ6Bは自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、上皿6の内部に固定されている。このボタンスイッチ6Bは演出ボタン6Aの初期位置で操作子が演出ボタン6Aを介してオフ位置に保持されることに基づいて電気的なオフ状態になるものであり、演出ボタン6Aの押込み位置では操作子が演出ボタン6Aを介してオン位置に移動操作されることに基づいて電気的なオン状態になる。」 (1-c)「【0050】 メイン制御装置23は図柄確定指令を出力すると、図4のステップS14へ移行し、ステップS4の判定結果が大当りであると判断し、ステップS15へ移行する。そして、大入賞口ソレノイド21を駆動制御することに基づいて上述の大当り動作を実行し、ステップS2に復帰する。 【0051】 また、図4のステップS7で予告演出表示を行うと判定されて図4のステップS18へ移行した場合には、図5に示すような予告演出決定処理を行う。 【0052】 表示制御装置26は、図5のステップS21で、まず、演出ボタン6Aを表す(演出ボタン6Aに似せた)操作手段画像としての演出ボタン画像100を図柄表示装置25の表示画面25Aに表示して、演出ボタン6Aが操作された場合には所定の結末を表示する予告演出を表示するか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、所定の結末として、後述するように、キャラクタ画像500が出現する表示を行うか、または、キャラクタ画像500が出現しないで終了する表示を行うか、のどちらかの表示を行うようになっている。ここで、演出ボタン6Aを表す演出ボタン画像100を表示する予告演出を表示しない場合には、図5のステップS22へ移行し、表示制御装置26に予め記憶された他の予告演出を表示した後、図4のステップS8に戻る。なお、演出ボタン6Aを表す演出ボタン画像100を表示するものでない予告演出については、説明を省略する。」 (1-d)「【0059】 第2のパターンの第1例では、まず、当該予告演出が開始されると、第1及び第2のパターンで共通の表示態様となる第1の演出画像として、図7の(a)に示すように、所定の背景画像(ここでは、家の画像が表示されている)200の手前側に、左列図柄401,右列図柄402,中列図柄403がそれぞれ透明かつ高速で変動表示され、その手前側に、上皿6に配設された演出ボタン6Aに似せた演出ボタン画像100が1つ表示される。演出ボタン画像100が表示される際には、白色・灰色等の色でまず表示され、その後、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっている。このとき、遊技者としては、そのまま演出ボタン画像100が1つの予告演出が行われるか、演出ボタン画像100が複数に増える予告演出が行われるかが不明であるため、遊技者にドキドキ感と期待感を持って演出ボタン画像100がどうなるかに注目させることができる。 【0060】 次に、第2のパターンの第1例では、第3の演出画像の第1例として、図7の(b)?(c),図8の(d)?(e)に示すように、最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう1つ演出ボタン画像100が表示される。このとき、本実施の形態では、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり(図7の(b)?(c),図8の(d)?(e))、一度最初に表示された演出ボタン画像100より大きくなってから少し小さくなって、最初に表示された演出ボタン画像100と同じ大きさになり、その後、並んだ2つの演出ボタン画像100が、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっている。 【0061】 それから、第3の演出画像の第1例として、図8の(e)?(i)に示すように、当該左隣の演出ボタン画像100と同様にして、最初に表示された演出ボタン画像100の右側、下側、左下側、右下側の順に、演出ボタン画像100を表示させていく。 【0062】 このようにして、第2のパターンの第1例では、まず演出ボタン画像100を1つ表示する第1及び第2のパターンで共通の表示態様の第1の演出画像を表示した後、複数の演出ボタン画像100に増加させて表示する第3の演出画像(ここでは、6つの演出ボタン画像100を表示する第3の演出画像の第1例)を表示するようになっている。 【0063】 6つの演出ボタン画像100が表示されたら、次に、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示を行い(図示省略)、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、図8の(j)に示すように、左上の演出ボタン画像100が消去され、その代わりに、画面手前側から画面奥側に向かって複数のブロック300が飛んでいく特定演出画像が表示される(このように演出ボタン6Aの操作に応じて表示される演出画像を本発明の特定演出画像と定義する)。 【0064】 そして、画面奥側にはガラス板があるようなイメージになっており、飛んでいったブロック300でガラス板が割れるかどうか、という映像になっている。そのため、図8の(k)に示すように、ブロック300がある程度まで飛んでいくと、当該ガラス板にぶつかってブロック300が砕けるような表示がなされる。これを、遊技者が演出ボタン6Aを操作するのに対応させて、図8の(l),図9の(m)?(p)に示すように、右上、左下、真ん中下、右下、真ん中上という順で、さらに5回分繰り返していく。 【0065】 そして、図4のステップS4において予め外れリーチ又は大当りと判定されている場合、本実施の形態では、所定の結末として、図9の(p)に示すように、6回目の演出ボタン6Aの操作で、ブロック300がガラス板にひびを入れ、この後、図9の(q)に示すように、ガラス板が割れて、その後ろ側からキャラクタ画像500が出現するようになっている。なお、本実施の形態では、ブロック300でガラス板を割ってキャラクタ画像500が出現すると、リーチ発生が確定するように設定されており、図9の(p)?(r)に示すように、ガラス板が割れてキャラクタ画像500が出現するのと同時に、左列図柄401が停止し、右列図柄402が左列図柄401と同じ図柄で停止して、リーチ状態を発生させるようになっている(図4のステップS8?S9)。」 (1-e)「【0086】 また、本実施の形態によれば、図柄表示装置25の表示画面25Aに表示される演出ボタン画像(操作手段画像)100が1つから複数に増加し、その数に応じて、遊技者のボタン6Aの操作によって表示される特定演出画像の最大表示回数が決定されるという演出を有している。 【0087】 これらにより、遊技者を表示画面25Aの演出ボタン画像100の状態に注目させて、演出ボタン(操作手段)6Aを使用する演出において遊技者に目新しさを感じさせて当該演出への遊技者の参加意欲を刺激することができ、遊技の興趣を向上させることができる。」 (1-f)「【0096】 また、前記した実施の形態では、演出ボタン(操作手段)6Aの操作を促す演出ボタン画像(操作手段画像)100を表示し、この演出ボタン画像100が1つ表示された共通の表示態様の第1の演出画像から増加しない第2の演出画像を表示する第1のパターンと複数に増加した第3の演出画像を表示する第2のパターンを有する演出は、予告演出(又はリーチ演出)で行われるようになっていたが、本発明はこれに限るものではなく、大当り中に演出ボタン画像100を含む演出パターンの演出画像を表示させるようになっていても良い。この場合には、例えば、大当り遊技後に確率変動状態となるか否かを大当り中に表示するような演出において、演出ボタン画像100の数が多い方が確率変動状態になる信頼度が高い等の違いを持たせておくことで、遊技者にドキドキ感と期待感を与えることができるものである。」 (1-g)段落【0052】には、「表示制御装置26は、・・・演出ボタン6Aが操作された場合には所定の結末を表示する予告演出を表示するか否かの判定を行う。なお、本実施の形態では、所定の結末として、後述するように、キャラクタ画像500が出現する表示を行う」と記載され、段落【0059】には、「まず、当該予告演出が開始されると、・・・上皿6に配設された演出ボタン6Aに似せた演出ボタン画像100が1つ表示される。」と記載され、段落【0063】には、「6つの演出ボタン画像100が表示されたら、・・・遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、・・・左上の演出ボタン画像100が消去され、」と記載されているから、表示制御装置26は、予告演出を行うものであり、該予告演出は、キャラクタ画像500が出現する演出や左上の演出ボタン画像100が消去される演出を含むものといえる。 よって、先願明細書等には、演出ボタン画像100が消去される演出や、キャラクタ画像500が出現する演出を含む予告演出を行う表示制御装置26が記載されているといえる。 (1-h)段落【0052】には、「演出ボタン6Aを表す(演出ボタン6Aに似せた)操作手段画像としての演出ボタン画像100を図柄表示装置25の表示画面25Aに表示して」と記載され、段落【0063】には、「6つの演出ボタン画像100が表示されたら、次に、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aを操作するように促す表示を行い」と記載され、図8には、6つの演出ボタン画像が図柄表示装置25の表示画面25Aに表示されていることが示されている。 よって、先願明細書等には、演出ボタン画像100の表示や、演出ボタン6Aの操作を促す表示を行う図柄表示装置25の表示画面25Aが記載されているといえる。 (1-i)段落【0060】には、「最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう1つ演出ボタン画像100が表示される。このとき、本実施の形態では、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり・・・、一度最初に表示された演出ボタン画像100より大きくなってから少し小さくなって、最初に表示された演出ボタン画像100と同じ大きさになり、その後、並んだ2つの演出ボタン画像100が、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっている。」ことが記載され、段落【0061】には、「当該左隣の演出ボタン画像100と同様にして、最初に表示された演出ボタン画像100の右側、下側、左下側、右下側の順に、演出ボタン画像100を表示させていく。」と記載されている。 以上を踏まえると、演出ボタン画像100が左下側まで表示された後、右下側の演出ボタン画像100が表示される場合に、左下側の演出ボタン画像100の表示態様は、白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままであり、右下側の演出ボタン画像100が表示される場合には、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様で表示されている場合があるといえる。 そして、左下側の演出ボタン画像100は、5つ目の演出ボタン画像100であり、右下側の演出ボタン画像100は、6つ目の演出ボタン画像100であるといえる。 よって、先願明細書等には、6つの演出ボタン画像100が表示される場合に、5つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様で表示され、6つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様で表示されている場合があることが記載されているといえる。 上記(1-a)?(1-f)の記載事項及び(1-g)?(1-i)の認定事項を総合すると、先願明細書等には次の発明が記載されていると認められる(以下「先願発明」という。)。 「a 上皿6に装着された遊技者が手指で操作入力する演出ボタン6Aと(段落【0010】)、 b 演出ボタン画像100が消去される演出や、キャラクタ画像500が出現する演出を含む予告演出を行う表示制御装置26と(認定事項1-g)、 c 演出ボタン画像100の表示や、演出ボタン6Aの操作を促す表示を行う図柄表示装置25の表示画面25Aと(認定事項1-h)、 d 大入賞口ソレノイド21を駆動制御することに基づいて大当り動作を実行するメイン制御装置23と(段落【0050】)、 を備えた弾球遊技機であって(段落【0001】)、 e 前記図柄表示装置25の表示画面25Aが表示するもののうちの1つの表示は、演出ボタン画像100の表示であり(認定事項1-h)、 前記演出ボタン画像100は、演出ボタン6Aを表す(演出ボタン6Aに似せた)操作手段画像であり(段落【0052】)、 f 最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう一つの演出ボタン画像100が表示され、さらに、同様にして、最初に表示された演出ボタン画像の右側、下側、左下側、右下の順に演出ボタン画像100を表示させていき、6つの演出ボタン画像100が表示される場合があり(段落【0060】、【0061】、【0063】)、 g 前記図柄表示装置25の表示画面25Aが表示するもののうちのもう1つの表示は、演出ボタン6Aの操作を促す表示であり(認定事項1-h)、 この表示は、6つの演出ボタン画像100が表示されたら、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す表示を行うものであり(段落【0063】)、 h 表示制御装置26が行う演出のうちの1つの演出は、演出ボタン画像100が消去される演出であり(認定事項1-g)、 i 表示制御装置26が行う演出のうちのもう1つの演出は、キャラクタ画像500が出現する演出であり(認定事項1-g)、 j 6つの演出ボタン画像100が表示されたら、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す表示を行い、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像が消去され、その代わりに、画面手前側から画面奥側に向かって複数のブロック300が飛んでいく特定演出画像が表示され、これを、遊技者が演出ボタン6Aを操作するのに対応させて、さらに5回分繰り返していく(段落【0063】、【0064】)、 k 6回目の演出ボタン6Aの操作で、ブロック300がガラス板にひびを入れ、この後、ガラス板が割れて、その後ろ側からキャラクタ画像500が出現して、リーチ発生が確定する予告演出を実行するものであり、(段落【0065】)、 l 予告演出が開始されると、所定の背景画像200の手前側に、左列図柄401、右列図柄402、中列図柄403がそれぞれ透明かつ高速で変動表示され、その手前側に1つの演出ボタン画像100が表示され(段落【0059】)、 m、n 予告演出に限らず、大当り中に演出ボタン画像100を含む演出パターンの演出画像を表示させ、大当り終了後に確率変動状態となるか否かを大当り中に表示するような演出を行ってもよく(段落【0096】)、 o 演出ボタン画像100の表示は、 演出ボタン画像100が1つ表示される際には、白色・灰色等の色でまず表示され、その後、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっており、 最初に表示された1つの演出ボタン画像100の左隣にもう1つの演出ボタン画像が表示される際には、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、一度最初に表示された演出ボタン画像100より大きくなってから少し小さくなって、最初に表示された演出ボタン画像100と同じ大きさになり、その後、並んだ2つの演出ボタン画像100が、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっており(段落【0059】、【0060】)、 6つの演出ボタン画像100が表示される場合に、5つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様で表示され、6つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様で表示されている場合がある(認定事項(1-i))、 弾球遊技機。」 4 対比 本願発明と先願発明とを対比する(下記の(a)?(o)は、先願発明の構成に対応している。)。 (a)先願発明における「演出ボタン6A」は、「上皿6に装着され」ているとともに、「遊技者が手指で操作入力する」ものであるから、遊技者が操作可能な位置に設けられていることは、明らかである。 よって、先願発明の「上皿6に装着された遊技者が手指で操作入力する演出ボタン6A」は、本願発明の「遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段」に相当する。 (b)先願発明の「表示制御装置26」は、「演出ボタン画像100が消去される演出」や「キャラクタ画像500が出現する演出」を行うから複数の演出を実行可能であるといえる。 よって、先願発明の「演出ボタン画像100が消去される演出や、キャラクタ画像500が出現する演出を含む予告演出を行う表示制御装置26」は、本願発明の「複数の演出を実行可能な演出手段」に相当する。 (c)先願発明の「図柄表示装置25の表示画面25A」は、「演出ボタン画像100の表示」や「演出ボタン6Aの操作を促す表示」を行うから複数の表示を表示可能であるといえる。 よって、先願発明の「演出ボタン画像100の表示や、演出ボタン6Aの操作を促す表示を行う図柄表示装置25の表示画面25A」は、本願発明の「複数の表示を表示可能な表示手段」に相当する。 (d)先願発明において、「メイン制御装置23」は、「大入賞口ソレノイド21を駆動制御することに基づいて大当り動作を実行する」から、大当り遊技を実行するとともに大当り遊技を開始可能であることは明らかである。 よって、先願発明の「大入賞口ソレノイド21を駆動制御することに基づいて大当り動作を実行するメイン制御装置23」は、本願発明の「大当り遊技を開始可能な制御手段」に相当する。 また、先願発明の「弾球遊技機」は、本願発明の「遊技台」に相当する。 (e)先願発明の「演出ボタン画像100の表示」は、本願発明の「第一の表示」に相当する。 よって、先願発明の「図柄表示装置25の表示画面25Aが表示するもののうちの1つの表示は、演出ボタン画像100の表示であ」る点は、本願発明の「複数の表示のうちの一の表示は、第一の表示であ」る点に相当する。 また、先願発明の「演出ボタン画像100」は、「演出ボタン6Aを表す(演出ボタン6Aに似せた)操作手段画像であ」るから、演出ボタン6A(操作手段)に関する表示であるといえる。 よって、先願発明の「演出ボタン画像100は、演出ボタン6Aを表す(演出ボタン6Aに似せた)操作手段画像であ」る点は、本願発明の「第一の表示は、操作手段に関する表示であ」る点に相当する。 (f)先願発明においては、「最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう一つの演出ボタン画像100が表示され」るから、複数の「演出ボタン画像100の表示」(第一の表示)が表示される場合があるといえる。 よって、先願発明の「最初に表示された演出ボタン画像100の左隣にもう一つの演出ボタン画像100が表示され、さらに、同様にして、最初に表示された演出ボタン画像の右側、下側、左下側、右下の順に演出ボタン画像100を表示させていき、6つの演出ボタン画像100が表示される場合があ」る点は、本願発明の「複数の第一の表示が表示される場合(以下、「第一の場合」という。)があ」る点に相当する。 (g)先願発明の「演出ボタン6Aの操作を促す表示」は、本願発明の「第二の表示」に相当する。 よって、先願発明の「図柄表示装置25の表示画面25Aが表示するもののうちのもう1つの表示は、演出ボタン6Aの操作を促す表示であ」る点は、本願発明の「複数の表示のうちの一の表示は、第二の表示であ」る点に相当する。 そして、先願発明において「演出ボタン6Aの操作を促す表示」は、6つの演出ボタン画像100が表示されたら、表示されるものであるから、ある期間において表示されるものであるといえる。 よって、先願発明の「この表示は、6つの演出ボタン画像100が表示されたら、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す表示を行うものであ」る点と、本願発明の「操作手段の操作に関する受付が有効である期間(以下、「第三の期間」という。)において第二の表示が表示され」る点とは、ある期間において第二の表示が表示される点において共通する。 (h)先願発明の「演出ボタン画像100が消去される演出」は、上記(f)により、本願発明の「第一の演出」に相当する。 よって、先願発明の「表示制御装置26が行う演出のうちの1つの演出は、演出ボタン画像100が消去される演出であ」る点は、本願発明の「複数の演出のうちの一の演出は、第一の演出であ」る点に相当する。 (i)先願発明の「キャラクタ画像500が出現する演出」は、本願発明の「第二の演出」に相当する。 よって、先願発明の「表示制御装置26が行う演出のうちのもう1つの演出は、キャラクタ画像500が出現する演出であ」る点は、本願発明の「複数の演出のうちの一の演出は、第二の演出であ」る点に相当する。 (j)先願発明の「6つの演出ボタン画像100が表示され」る場合は、上記(f)より、本願発明の「第一の場合」、すなわち、複数の第一の表示が表示される場合に相当する。そして、先願発明の「遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像が消去され」、「これを遊技者が演出ボタン6Aを操作するのに対応させて、さらに5回分繰り返していく」点は、本願発明の「操作手段に対して一回の操作がされたことに関連して第一の演出を実行可能」である点に相当する。 よって、先願発明の「6つの演出ボタン画像100が表示されたら、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す表示を行い、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像が消去され、その代わりに、画面手前側から画面奥側に向かって複数のブロック300が飛んでいく特定演出画像が表示され、これを、遊技者が演出ボタン6Aを操作するのに対応させて、さらに5回分繰り返していく」点は、本願発明の「第一の場合において、操作手段に対して一回の操作がされたことに関連して第一の演出を実行可能であ」る点に相当する。 (k)上記(j)から、先願発明において、演出ボタン6Aを操作するのは、「6つの演出ボタン画像100が表示され」る場合(第一の場合)であるといえる。 そして、先願発明における「6回目の演出ボタン6Aの操作で」「キャラクタ画像500が出現」する点は、本願発明の「複数回の操作がされたことに関連して第二の演出を実行可能」とする点に相当する。 よって、先願発明の「6回目の演出ボタン6Aの操作で、ブロック300がガラス板にひびを入れ、この後、ガラス板が割れて、その後ろ側からキャラクタ画像500が出現して、リーチ発生が確定する予告演出を実行する」点は、本願発明の「第一の場合において、操作手段に対して複数回の操作がされたことに関連して前記第二の演出を実行可能であ」る点に相当する。 (l)先願発明の「左列図柄401、右列図柄402、中列図柄403」は、本願発明の「装飾図柄」に相当する。また、上記(h)から、先願発明の「演出ボタン画像100が消去される演出」は、本願発明の「第一の演出」に相当する。 そして、先願発明においては、「左列図柄401、右列図柄402、中列図柄403がそれぞれ透明かつ高速で変動表示され、その手前側に1つの演出ボタン画像100が表示され」るから、演出ボタン画像100が表示され、そして、演出ボタン画像100が消去される演出は、左列図柄401、右列図柄402、中列図柄403とは異なる表示がされるといえる。 よって、先願発明の「予告演出が開始されると、所定の背景画像200の手前側に、左列図柄401、右列図柄402、中列図柄403がそれぞれ透明かつ高速で変動表示され、その手前側に1つの演出ボタン画像100が表示され」る点は、本願発明の「第一の演出は、装飾図柄とは異なる表示が表示される演出であ」る点に相当する。 (m、n)先願発明においては、構成bから、「演出ボタン画像100が消去される演出や、キャラクタ画像500が出現する演出を含む予告演出を行う」ものである。 また、上記(e)、(g)から、先願発明の「演出ボタン画像100が消去される演出」は、本願発明の「第一の演出」に相当し、先願発明の「キャラクタ画像500が出現する演出」は、本願発明の「第二の演出」に相当するものである。 そして、先願発明においては、予告演出に限らず、大当り中に表示するような演出を行ってもよいから、「演出ボタン画像100が消去される演出」(第一の演出)や「キャラクタ画像500が出現する演出」(第二の演出)を大当り中に表示し、大当り中に開始可能な演出も記載されているといえる。 よって、先願発明の「予告演出に限らず、大当り中に演出ボタン画像100を含む演出パターンの演出画像を表示させ、大当り終了後に確率変動状態となるか否かを大当り中に表示するような演出を行ってもよ」い点は、本願発明の「第一の演出は、大当り遊技の実行中に開始可能な演出であ」る点、及び「第二の演出は、大当り遊技の実行中に開始可能な演出であ」る点に相当する。 (o)本願発明の「第1の場合」とは、上記(f)、(j)より、「複数の第一の表示が表示される場合」であるから、本願発明において「第一の態様」と「第二の態様」とを比較するタイミングは、複数の第一の表示(操作手段に関する表示)がされる場合であるといえる。 そうすると、先願発明において「6つの演出ボタン画像100が表示される場合」における「5つ目の演出ボタン画像100」の「白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様」は、本願発明の「第一の態様」に相当する。 また、先願発明において「6つ目の演出ボタン画像100」の「白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様」は、本願発明の「第二の態様」に相当する。 そして、先願発明における「5つ目の演出ボタン画像100」の「白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様」と、「6つ目の演出ボタン画像100」の「白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様」とは、演出ボタン画像100の大きさが異なるから、表示態様が異なるといえる。 さらに、6つの演出ボタン画像100が表示される場合(第一の場合)に、「5つ目の演出ボタン画像100」の「白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様」(第一の態様)の演出ボタン画像100の表示(第一の表示)と、「6つ目の演出ボタン画像100」の「白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様」(第二の態様)の演出ボタン画像100の表示(第一の表示)を行うことは明らかである。 よって、先願発明の「演出ボタン画像100の表示は、 演出ボタン画像100が1つ表示される際には、白色・灰色等の色でまず表示され、その後、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっており、 最初に表示された1つの演出ボタン画像100の左隣にもう1つの演出ボタン画像が表示される際には、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、一度最初に表示された演出ボタン画像100より大きくなってから少し小さくなって、最初に表示された演出ボタン画像100と同じ大きさになり、その後、並んだ2つの演出ボタン画像100が、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっており、 6つの演出ボタン画像100が表示される場合に、5つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様で表示され、6つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様で表示されている場合がある」点は、 本願発明の「第一の表示は、複数の態様で表示可能な表示であり、 複数の態様のうちの一の態様は、第一の態様であり、 複数の態様のうちの一の態様は、第二の態様であり、 第一の態様と第二の態様は、異なる態様であり、 第一の場合において、第一の態様の第一の表示と第二の態様の該第一の表示が表示されている場合がある」点に相当する。 以上のことからみて、本願発明と先願発明とは、 「A 遊技者が操作可能な位置に設けられた操作手段と、 B 複数の演出を実行可能な演出手段と、 C 複数の表示を表示可能な表示手段と、 D 大当り遊技を開始可能な制御手段と、 を備えた遊技台であって、 E 前記複数の表示のうちの一の表示は、第一の表示であり、 前記第一の表示は、前記操作手段に関する表示であり、 F 複数の前記第一の表示が表示される場合(以下、「第一の場合」という。)があり、 G’ 前記複数の表示のうちの一の表示は、第二の表示であり、 ある期間において前記第二の表示が表示され、 H 前記複数の演出のうちの一の演出は、第一の演出であり、 I 前記複数の演出のうちの一の演出は、第二の演出であり、 J 前記第一の場合において、前記操作手段に対して一回の操作がされたことに関連して前記第一の演出を実行可能であり、 K 前記第一の場合において、前記操作手段に対して複数回の操作がされたことに関連して前記第二の演出を実行可能であり、 L 前記第一の演出は、装飾図柄とは異なる表示が表示される演出であり、 M 前記第一の演出は、前記大当り遊技の実行中に開始可能な演出であり、 N 前記第二の演出は、前記大当り遊技の実行中に開始可能な演出であり、 O 前記第一の表示は、複数の態様で表示可能な表示であり、 前記複数の態様のうちの一の態様は、第一の態様であり、 前記複数の態様のうちの一の態様は、第二の態様であり、 前記第一の態様と前記第二の態様は、異なる態様であり、 前記第一の場合において、前記第一の態様の前記第一の表示と前記第二の態様の該第一の表示が表示されている場合がある、 ことを特徴とする遊技台。」 である点で一致し、次の点で一応相違する。 [相違点] 第二の表示に関して、本願発明は、「操作手段の操作に関する受付が有効である期間(第三の期間)において表示されるのに対して、先願発明は、そのように特定されていない点。 5 判断 ア 上記相違点について検討する。 先願発明においては、「押して!押して!」、「プッシュ!プッシュ!」等の遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す表示を行い、遊技者がそれに応じて演出ボタン6Aを操作したら、演出ボタン画像が消去されるものである。 ここで、遊技機の技術分野において、操作手段の操作の有効期間においてバー状の表示が表示される点は、本願の出願遡及日前において周知の技術である。 (例えば、特開2012-239839号公報の段落【0040】?【0043】、図14Dの有効期間中に演出ボタン11を連打する際に、「連打せよ」といったメッセージ60とともに、総有効期間と残有効期間とを表示するバー状の残期間表示部61が表示される点、特開2012-223472号公報の段落【0111】、【0112】、図6の複数回の操作タイミングが指定され、その操作タイミングで操作を行ったか否かにより演出が変化するようになっているものにおいて、「PUSH」といった遊技者に操作ボタン25の操作を促す表示が行われるとともに、演出ボタン25の操作の有効期間を示す有効期間表示41aがなされる点、特開2007-167457号公報の段落【0069】?【0072】、図8のプッシュボタンの操作回数に伴って操作情報表示部300のゲージが情報に延びるようにしたものにおいて、「決められた時間内にプッシュボタンを押し続けろ」の文字を表示し、決められた時間情報を表示する時間情報表示部310を設けた点を参照のこと。) そして、先願発明において、遊技者に演出ボタン6Aの操作を促す表示に関連して上記周知の技術を付加し、これを第二の表示とすることは、遊技の興趣を向上する(先願明細書の段落【0005】参照。)という課題解決のための具体化手段における微差であり、上記周知の技術の付加により新たな効果を奏するものとはいえない。 したがって、本願発明は、先願発明と実質的に同一である。 イ 請求人の主張 請求人は、平成29年12月14日付け意見書において、「本願請求項1は、「前記第一の表示は、複数の態様で表示可能な表示であり、前記複数の態様のうちの一の態様は、第一の態様であり、前記複数の態様のうちの一の態様は、第二の態様であり、前記第一の態様と前記第二の態様は、異なる態様であり、前記第一の場合において、前記第一の態様の前記第一の表示と前記第二の態様の該第一の表示が表示されている場合がある、」という特徴的な発明特定事項を有しています。これに対し、先願(特願2011-279215号(特開2013-128622号公報))の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「先願明細書」という。)に記載された発明は、この特徴的な発明特定事項を有していません。」と主張する(第2頁第41?48行)。 しかしながら、先願発明は、構成oとして「演出ボタン画像100の表示は、演出ボタン画像100が1つ表示される際には、白色・灰色等の色でまず表示され、その後、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっており、最初に表示された1つの演出ボタン画像100の左隣にもう1つの演出ボタン画像が表示される際には、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、一度最初に表示された演出ボタン画像100より大きくなってから少し小さくなって、最初に表示された演出ボタン画像100と同じ大きさになり、その後、並んだ2つの演出ボタン画像100が、一旦赤色等の目立つ色に変化し、また、白色・灰色等に戻るような表示態様となっており、6つの演出ボタン画像100が表示される場合に、5つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等に戻り、最初に表示された演出ボタン画像100と同一形状のままの表示態様で表示され、6つ目の演出ボタン画像100は、白色・灰色等の演出ボタン画像100が生まれてくる又は生えてくるようなイメージで段々画像が大きくなり、最初に表示された演出ボタン画像100よりも大きくなる表示態様で表示されている場合がある」との構成を有しており、上記4(o)で検討したとおり、先願発明は、本願発明の上記構成を備えているといえる。 したがって、請求人の主張は採用できない。 6 むすび 以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一ではなく、また、本願の出願時に、その出願人が上記先願の出願人と同一でもないので、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-01-15 |
結審通知日 | 2018-01-16 |
審決日 | 2018-01-30 |
出願番号 | 特願2015-171672(P2015-171672) |
審決分類 |
P
1
8・
161-
WZ
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大浜 康夫 |
特許庁審判長 |
長崎 洋一 |
特許庁審判官 |
平城 俊雅 青木 洋平 |
発明の名称 | 遊技台 |
代理人 | 森岡 正樹 |