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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1338918
審判番号 不服2017-9224  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-23 
確定日 2018-03-29 
事件の表示 特願2012-157021号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成26年2月3日出願公開、特開2014-18252号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年7月13日の出願であって、平成28年4月15日付けの拒絶理由の通知に対し、同年6月23日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年8月30日付けの最後の拒絶理由の通知に対し、同年11月2日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成29年3月14日付け(発送日:同年3月28日)で平成28年11月2日の手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して平成29年6月23日に審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成28年6月23日にされた手続補正の特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。また、A?Iについては発明を分説するため当審で付与した。)。

(平成28年6月23日の手続補正)
「【請求項1】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
遊技者の第1動作を検出する第1検出手段と、
遊技者の前記第1動作とは異なる第2動作を検出する第2検出手段と、
遊技者に前記第1動作を行うことを促進する第1促進演出と、遊技者に前記第2動作を行うことを促進する第2促進演出とを実行する促進演出実行手段と、
を備え、
前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあり、
前記促進演出実行手段は、
一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合、前記第1促進演出の実行前の所定期間と実行後の所定期間との少なくともいずれか一方と、前記第1促進演出の実行中の期間は前記第2促進演出を実行せず、
前記第1促進演出は、前記第1検出手段により前記第1動作が検出されたときに終了し、
前記第2促進演出は、前記第2検出手段により前記第2動作が検出されたときに終了する
ことを特徴とする遊技機。」

(本件補正)
「【請求項1】
A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 動作検出有効期間内に動作されたことに応じて第1演出を実行するための遊技者の第1動作を検出する第1検出手段と、
C 遊技者の前記第1動作とは異なる動作であって、動作検出有効期間内に動作されたことに応じて前記第1演出とは異なる第2演出を実行するための第2動作を検出する第2検出手段と、
D 遊技者に前記第1動作を行うことを促進する第1促進演出と、遊技者に前記第2動作を行うことを促進する第2促進演出とを実行する促進演出実行手段と、
を備え、
E 前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあり、
F 前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する実行期間決定手段を備え、
G 前記促進演出実行手段は、
前記実行期間決定手段の決定結果にもとづいて、一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合、前記第1促進演出の実行前の所定期間と実行後の所定期間との少なくともいずれか一方と、前記第1促進演出の実行中の期間は前記第2促進演出を実行せず、
H 前記第1促進演出は、前記第1検出手段により前記第1動作が検出されたときに終了し、
I 前記第2促進演出は、前記第2検出手段により前記第2動作が検出されたときに終了する
ことを特徴とする遊技機。」

2 補正の適否
本件補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「遊技者の第1動作を検出する第1検出手段」の目的について、「動作検出有効期間内に動作されたことに応じて第1演出を実行するための」ものであるという限定を付加するとともに、同発明特定事項である「遊技者の前記第1動作とは異なる第2動作を検出する第2検出手段」の目的について、「動作検出有効期間内に動作されたことに応じて前記第1演出とは異なる第2演出を実行するための」ものであるという限定を付加し、また、同発明特定事項である「第1促進演出」と「第2促進演出」の「実行可能な期間」に関して、「前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する実行期間決定手段を備え」るという限定を付加し、さらに、同発明特定事項である「一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合、前記第1促進演出の実行前の所定期間と実行後の所定期間との少なくともいずれか一方と、前記第1促進演出の実行中の期間は前記第2促進演出を実行」しない態様について、「前記実行期間決定手段の決定結果にもとづいて」行うという限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は、明細書の段落【0071】、【0073】、図11、16、17、補正前の請求項2等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、前記1に記載したとおりのものである。
ここで、「E 前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあ」ることは、「F 前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する」ことと矛盾するように見えることから、以下検討する。
これらの記載は、平成28年6月23日の意見書の「(2)補正の概要」の記載を参酌すれば、明細書の段落【0215】の「ステップS537の処理では、例えば、図13に示すように、変動開始から「左」と「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5Rで可変表示される飾り図柄が停止表示されるまでの期間を、「期間1」?「期間7」といった7つの期間に分け、いずれかの期間を選択することにより、第1促進演出の実行期間を決定する。・・・なお、「期間1」?「期間7」のそれぞれ期間の長さは、第1促進演出と第1特定演出とを実行するに十分な長さを有している。また、それぞれの期間の長さは、第2促進演出と第2特定演出とを実行するに十分な長さを有している。」との記載、段落【0219】の「図11に示すステップS537における第1促進演出の実行期間を決定する処理と同様の処理により、第2促進演出の実行期間を決定する(ステップS603)。」との記載、段落【0221】の「例えば、図13に示す期間1?期間7の各期間のうち、図11に示すステップS537の処理で決定した期間と図12のステップS603の処理で決定した期間とが同じ期間であるか否かなどを判定する(例えば、第1促進演出の実行期間が図13に示す期間3で、第2促進演出の実行期間も図13に示す期間3であることなどを判定する)ことにより、第1促進演出の実行期間と第2促進演出の実行期間とが同期間があるか否かを判定する(ステップS605)。」との記載、段落【0222】の「図14に示すステップS605の処理にて、第1促進演出の実行期間と第2促進演出の実行期間とが同期間であると判定した場合(ステップS605;Yes)、例えば、図13に示す期間1?7のうち、図14に示すステップS603の処理で決定した期間を除外し(例えば、ステップS603の処理で決定した期間が期間3であった場合には、期間3を除外し)、残りの6つの期間(例えば、期間1?2、期間4?7)のうちのいずれかの期間を、第2促進演出の実行期間として再度決定する(ステップS606)。」との記載を根拠とするものである。
そうすると、本願補正発明の「E 前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあ」るとは、第1促進演出の実行期間を決定するに際してのその選択対象となる期間(例えば、「期間1」?「期間7」)と第2促進演出の実行期間を決定するに際してのその選択対象となる期間(例えば、「期間1」?「期間7」)とが重複することがあるということを意味するのであって、第1促進演出を実行する第1実行期間と第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複して第1促進演出と第2促進演出が同時に行われることがあることを意味するのではないと解する。
また、本願補正発明の「F 前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する」とは、第1促進演出を実行する第1実行期間と第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複することにより第1促進演出と第2促進演出が同時に行われることがないように、第1実行期間と第2実行期間とを決定することを意味するものと解する。

(2)引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-177421号公報(以下「引用文献」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。」

「【0011】
第1操作ボタン12は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、図1,図2に示すように例えば平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有し、この操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によって内部の検出スイッチ(図示省略)がONに切り替わるように構成されている。この第1操作ボタン12は、後述する第1操作演出で用いられるもので、第1操作演出が開始されて第1操作ボタン12の操作を促す第1操作誘導報知が行われ、所定の第1操作有効期間中にこの第1操作ボタン12が押圧操作されることを条件に、後述する第1特別処理が所定の確率で実行されるようになっている。
【0012】
第2操作ボタン13は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、図1?図3に示すように例えばドーム型の操作ボタン部16を有し、この操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によって内部の検出スイッチ(図示省略)がONに切り替わるように構成されている。この第2操作ボタン13は、後述する第2操作演出で用いられるもので、第2操作演出が開始されて第2操作ボタン13の操作を促す第2操作誘導報知が行われ、所定の第2操作有効期間中にこの第2操作ボタン13が押圧操作されることを条件に、後述する第2特別処理が所定の確率で実行されるようになっている。」

「【0027】
大入賞手段47は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板59を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段52の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。」

「【0045】
本実施形態では、第1操作演出と第2操作演出の2種類の操作演出を実行可能であるとする。第1操作演出は、遊技者による第1操作ボタン12の操作を伴う操作演出で、この第1操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第1操作ボタン12を操作した場合に、複数種類の第1特別処理のうちの何れか、例えば演出図柄の背景色を青色に変更する「青背景処理」と赤色に変更する「赤背景処理」との何れかが、変動パターンに応じた所定の確率で実行されるようになっている。一方の第2操作演出は、遊技者による第2操作ボタン13の操作を伴う操作演出で、この第2操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第2操作ボタン13を操作した場合に、1種類の第2特別処理、例えば回転灯20を作動させる「回転灯作動処理」が、変動パターンに応じた所定の確率で実行されるようになっている。
【0046】
操作演出決定手段104は、第1,第2操作演出を行うか否かを夫々単位演出期間毎、即ち特別図柄の図柄変動毎に決定するもので、操作演出抽選手段104a等を備えており、例えば主制御基板61から変動パターン指定コマンドを受信することを条件に図6に示す操作演出決定処理を実行するように構成されている。即ち、操作演出決定手段104による操作演出決定処理は、特別図柄の変動開始毎に実行される。
【0047】
この操作演出決定処理(図6)では、まず操作演出抽選手段104aにより、第1操作演出を行うか否か、及び第1操作演出を行う場合には第1特別処理の種類(ここでは青背景処理と赤背景処理の何れか)が抽選により決定される(S1)。このS1における抽選では、例えば0?99の間で繰り返し生成される第1操作演出判定乱数値が1個取得され、その乱数値に応じて「演出なし」、「演出あり:青背景処理」、「演出あり:赤背景処理」の3種類の何れかが選択される。このように本実施形態では、演出ありの場合には青背景処理と赤背景処理との何れかが必ず選択されるため、操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作された場合に第1特別処理が実行される確率である操作検出時実行確率は100%である。」

「【0050】
このS1の抽選で当選した場合、即ち第1操作演出を行う旨の「演出あり:青背景処理」、「演出あり:赤背景処理」の何れかが選択された場合には(S2:Yes)、続くS3以下の処理が実行される。即ち、図11のP1に示すように、第1操作演出を実行するか否かを示す第1操作演出実行フラグF1aがONに切り換えられ(S3)、第1演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための第1管理タイマT1aに初期値が設定される(S4)。
【0051】
このS4においては、例えば特別図柄の変動開始から5秒後に第1演出誘導報知を実行する場合には、5秒に対応する計数値が初期値として第1管理タイマT1aにセットされる。第1演出誘導報知を実行するまでの時間は、例えば予め変動パターン毎に設定されるが、複数の中からその都度抽選等により選択するようにしてもよい。なお、第1管理タイマT1aの値は、所定の減算手段により、所定時間経過毎にその経過時間に対応する値が逐次減算されるようになっている。
【0052】
また、第1特別処理フラグF2aに、S1の抽選で選択された第1特別処理の種類に応じた値、例えば青背景処理が選択された場合には0が、赤背景処理が選択された場合には1がセットされる(S5?S7)。
【0053】
これらS3?S7の処理が終了するか、又はS1の抽選で「演出なし」が選択された場合には(S2:No)、操作演出抽選手段104aにより、第2操作演出を行うか否か、及び第2操作演出を行う場合には第2特別処理を実行するか否かが抽選により決定される(S8)。なお、このS8の処理は、S3?S7の前にS1の処理と略同時に行ってもよい。このS8における抽選では、例えば0?99の間で繰り返し生成される第2操作演出
判定乱数値が1個取得され、その乱数値に応じて「演出なし」、「演出あり:特別処理なし」、「演出あり:特別処理あり」の3種類の何れかが選択される。」

「【0056】
このS8の抽選で当選した場合、即ち第2操作演出を行う旨の「演出あり:特別処理なし」、「演出あり:特別処理あり」の何れかが選択された場合には(S9:Yes)、続くS11以下の処理が実行される。即ち、第2操作演出を実行するか否かを示す第2操作演出実行フラグF1bがONに切り換えられ(S10)、第2演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための第2管理タイマT1bに初期値が設定される(S11)。」

「【0059】
操作演出管理手段105は、第1,第2操作演出における第1,第2操作誘導報知の開始タイミング等を管理するもので、操作誘導報知を行わせる操作誘導報知制御手段105a等を備え、図7に示す操作演出管理処理を、例えば定期割り込みにより所定時間間隔で実行されるようになっている。」

「【0062】
この第1操作誘導報知開始処理(図8)では、図11のP2に示すように、第1操作ボタン12の操作が有効な第1操作有効期間中であることを示す第1操作有効フラグF3aがONに切り換えられ(S31)、また第1操作有効期間終了までの時間を計時するための第1有効タイマT2aに初期値が設定され(S32)、第1操作誘導報知が開始される(S33)。このように本実施形態では、第1操作演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には、単位演出期間中(特別図柄の変動中)の所定のタイミングで、第1操作有効期間が開始されると同時に第1操作誘導報知が開始されるようになっている。」

「【0065】
なお本実施形態では、仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても(図6のS1,S8)、第1操作有効期間と、第2操作ボタン13の操作が有効な第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されているものとする。従って、以上の第1操作誘導報知開始処理(S24)が実行された後は、S25以下の処理を行うことなく操作演出管理処理は終了するようになっている。」

「【0069】
この第2操作誘導報知開始処理(図8)では、第1操作誘導報知開始処理と同様、第2操作ボタン13の操作が有効な第2操作有効期間中であることを示す第2操作有効フラグF3bがONに切り換えられ(S31)、また第2操作有効期間終了までの時間を計時するための第2有効タイマT2bに初期値が設定され(S32)、第2操作誘導報知が開始される(S33)。このように本実施形態では、第2操作演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には、単位演出期間中(特別図柄の変動中)の所定のタイミングで、第2操作有効期間が開始されると同時に第2操作誘導報知が開始されるようになっている。」

「【0075】
S43において第1操作ボタン12の操作が検出されたと判定された場合には(S43:Yes)、図11のP3に示すように、第1操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作されたことを示す第1操作フラグF4aがONに切り換えられる(S44)と共に、第1操作有効フラグF3aがOFFに切り換えられ(S45)、第1有効タイマT2aがクリアされ(S46)、第1操作誘導報知が停止され(S47)、操作入力管理処理は終了する。即ち、第1操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作された場合には、その時点で第1操作有効期間は終了し、第1操作誘導報知も終了する。
【0076】
一方、図11のP3aに示すように、S42において第1有効タイマT2aの値が0である、即ち第1操作有効期間の開始から所定時間が経過してその終了時期に到達したと判定された場合には(S42:=0)、S43,S44はスキップされてS45?S47の処理が実行される。即ち、第1操作ボタン12が操作されることなく第1操作有効期間が経過した場合には、その第1操作有効期間の終了と同時に第1操作誘導報知が停止され、第1特別処理(青背景処理又は赤背景処理)が実行されることなくそのまま第1操作演出は終了する。」

「【0080】
S50において第2操作ボタン13の操作が検出されたと判定された場合には(S50:Yes)、第2操作有効期間中に第2操作ボタン13が操作されたことを示す第2操作フラグF4bがONに切り換えられる(S51)と共に、第2操作有効フラグF3bがOFFに切り換えられ(S52)、第2有効タイマT2bがクリアされ(S53)、第2操作誘導報知が停止され(S54)、操作入力管理処理は終了する。即ち、第2操作有効期間中に第2操作ボタン13が操作された場合には、その時点で第2操作有効期間は終了し、第2操作誘導報知も終了する。
【0081】
一方、S49において第2有効タイマT2bの値が0である、即ち第2操作有効期間の開始から所定時間が経過してその終了時期に到達したと判定された場合には(S49:=0)、S50,S51はスキップされてS52?S54の処理が実行される。即ち、第2操作ボタン13が操作されることなく第2操作有効期間が経過した場合には、その第2操作有効期間の終了と同時に第2操作誘導報知が停止され、第2特別処理(回転灯作動処理)が実行されることなくそのまま第2操作演出は終了する。」

上記記載事項を総合すれば、引用文献には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(a?iについては本願補正発明のA?Iに対応させて付与した。)。

「a 特別図柄表示手段52の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させる(【0027】)遊技機(【0001】)であって、
b 遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、例えば平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有し、この操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によってONに切り替わるように構成され、第1操作演出が開始されて操作を促す第1操作誘導報知が行われ、所定の第1操作有効期間中に押圧操作されることを条件に(【0011】)、演出図柄の背景色を青色に変更する「青背景処理」と赤色に変更する「赤背景処理」との何れかが、変動パターンに応じた所定の確率で実行されるようになっている(【0045】)第1操作ボタン12の内部の検出スイッチ(【0011】)と、
c 遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、例えばドーム型の操作ボタン部16を有し、この操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によってONに切り替わるように構成され、第2操作演出が開始されて操作を促す第2操作誘導報知が行われ、所定の第2操作有効期間中に押圧操作されることを条件に(【0012】)、回転灯20を作動させる「回転灯作動処理」が、変動パターンに応じた所定の確率で実行されるようになっている(【0045】)第2操作ボタン13の内部の検出スイッチ(【0012】)と、
d 第1,第2操作演出における第1,第2操作誘導報知を行わせる操作誘導報知制御手段105a(【0059】)と、
e1 第1操作演出を行うか否か、及び第1操作演出を行う場合には第1特別処理の種類(ここでは青背景処理と赤背景処理の何れか)が抽選により決定され(【0047】)、この抽選で当選した場合、複数の中からその都度抽選等により選択された(【0051】)第1演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための第1管理タイマT1aに初期値が設定され(【0050】)、
e2 これらの処理が終了するか、又は第1操作演出の抽選で「演出なし」が選択された場合には、第2操作演出を行うか否か、及び第2操作演出を行う場合には第2特別処理を実行するか否かが抽選により決定され(【0053】)、この抽選で当選した場合、第2演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための第2管理タイマT1bに初期値が設定される(【0056】)、
e3 操作演出決定処理を、特別図柄の変動開始毎に実行する操作演出決定手段104(【0046】)と、
f1 第1操作演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には、第1操作有効期間終了までの時間を計時するための第1有効タイマT2aに初期値が設定され、単位演出期間中(特別図柄の変動中)の所定のタイミングで、第1操作有効期間が開始されると同時に第1操作誘導報知が開始されるようになっており(【0062】)、
f2 第2操作演出を行う旨の抽選結果が得られた場合には、第2操作有効期間終了までの時間を計時するための第2有効タイマT2bに初期値が設定され、単位演出期間中(特別図柄の変動中)の所定のタイミングで、第2操作有効期間が開始されると同時に第2操作誘導報知が開始されるようになっている(【0069】)、
f3 仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と、第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されている(【0065】)、
f4 操作演出管理処理を、定期割り込みにより所定時間間隔で実行する操作演出管理手段105(【0059】)と、
を備え、
h 第1操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作された場合には、その時点で第1操作有効期間は終了し、第1操作誘導報知も終了し(【0075】)、一方、第1操作ボタン12が操作されることなく第1操作有効期間が経過した場合には、その第1操作有効期間の終了と同時に第1操作誘導報知が停止され(【0076】)、
i 第2操作有効期間中に第2操作ボタン13が操作された場合には、その時点で第2操作有効期間は終了し、第2操作誘導報知も終了し(【0080】)、一方、第2操作ボタン13が操作されることなく第2操作有効期間が経過した場合には、その第2操作有効期間の終了と同時に第2操作誘導報知が停止される(【0081】)
遊技機。」

(3)対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出し(a)?(i)は、本願補正発明のA?I及び引用発明のa?iに対応させている。

(a)引用発明の「a 特別図柄表示手段52の変動後の特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板59が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させる遊技機」は、本願補正発明の「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。

(b)引用発明のbの「所定の第1操作有効期間中に押圧操作されることを条件に、演出図柄の背景色を青色に変更する「青背景処理」と赤色に変更する「赤背景処理」との何れかが、変動パターンに応じた所定の確率で実行されるようになっている第1操作ボタン12の内部の検出スイッチ」は、本願補正発明の「B 動作検出有効期間内に動作されたことに応じて第1演出を実行するための遊技者の第1動作を検出する第1検出手段」に相当する。

(c)引用発明のbの「第1操作ボタン」とcの「第2操作ボタン」に関して、いずれも「遊技者の押圧操作」という遊技者の同種の操作を検出可能とするものであるが、それらの操作は「第1操作ボタン」と「第2操作ボタン」という異なる対象に向けられた押圧操作であるから、両者は異なる動作といえる。
したがって、引用発明のcの「所定の第2操作有効期間中に押圧操作されることを条件に、回転灯20を作動させる「回転灯作動処理」が、変動パターンに応じた所定の確率で実行されるようになっている第2操作ボタン13の内部の検出スイッチ」は、本願補正発明の「C 遊技者の前記第1動作とは異なる動作であって、動作検出有効期間内に動作されたことに応じて前記第1演出とは異なる第2演出を実行するための第2動作を検出する第2検出手段」に相当する。

(d)引用発明の「d 第1,第2操作演出における第1,第2操作誘導報知を行わせる操作誘導報知制御手段105a」は、それがbとcの「遊技者の押圧操作」を「促す第1操作誘導報知」と「第2操作誘導報知を行」うことは明らかであるから、本願補正発明の「D 遊技者に前記第1動作を行うことを促進する第1促進演出と、遊技者に前記第2動作を行うことを促進する第2促進演出とを実行する促進演出実行手段」に相当するものを有するといえる。

(e)本願補正発明の「E 前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあ」るとは、前記2(1)で検討したように、第1促進演出の実行期間を決定するに際してのその選択対象となる期間(例えば、「期間1」?「期間7」)と第2促進演出の実行期間を決定するに際してのその選択対象となる期間(例えば、「期間1」?「期間7」)とが重複することがあるということを意味するものと解する。
これに対して、引用発明においては、「f3 仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と、第2操作有効期間とは互いに重ならないように」わざわざ「設定され」ているのであるから、e3の「特別図柄の変動開始毎に実行する」「操作演出決定処理」において、e1の「第1操作演出を行うか否か」の「抽選」に当選しe2の「第2操作演出を行うか否か」の「抽選」にも当選したときに、e1の「複数の中からその都度抽選等により選択された第1演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための」「T1a」と、その設定方法が具体的に特定されていないが、例えば、e1の「T1a」と同様の範囲において、複数の中からその都度抽選等により選択されるなどしたe2の「第2演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための」「T1b」とが、近い値に「設定」され、e1の「T1a」とf1の「T2a」で画される「第1操作有効期間」と、e2の「T1b」とf2の「T2b」で画される「第2操作有効期間」とが重複することがあることは明らかである。
そして、引用発明のf1の「第1操作有効期間が開始されると同時に第1操作誘導報知が開始される」こと、及び、hの「第1操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作された場合には、その時点で第1操作有効期間は終了し、第1操作誘導報知も終了し、一方、第1操作ボタン12が操作されることなく第1操作有効期間が経過した場合には、その第1操作有効期間の終了と同時に第1操作誘導報知が停止され」ることによれば、第1操作有効期間と第1操作誘導報知がなされる期間とは同視できる。
同様に、f2の「第2操作有効期間が開始されると同時に第2操作誘導報知が開始される」こと、及び、iの「第2操作有効期間中に第2操作ボタン13が操作された場合には、その時点で第2操作有効期間は終了し、第2操作誘導報知も終了し、一方、第2操作ボタン13が操作されることなく第2操作有効期間が経過した場合には、その第2操作有効期間の終了と同時に第2操作誘導報知が停止される」ことによれば、第2操作有効期間と第1操作誘導報知がなされる期間とは同視できる。
したがって、引用発明は、第1操作誘導報知がなされる期間と第2誘導操作報知がなされる期間とが重複することがあることは明らかであるから、本願発明の「E 前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあ」る構成を備えるといえる。

(f)本願補正発明の「F 前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する」とは、前記2(1)で検討したように、第1促進演出を実行する第1実行期間と第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複することにより第1促進演出と第2促進演出が同時に行われることがないように、第1実行期間と第2実行期間とを決定することを意味するものと解する。
そうすると、引用発明のf4の「操作演出管理処理」は「第1操作誘導報知」の現実の「開始」と「第2操作誘導報知」の現実の「開始」に係る「操作演出管理処理」を「実行する」ものであるから、引用発明の「f3 仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と、第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定され」ているf4の「操作演出管理処理を」「実行する操作演出管理手段105」は、上記(e)で検討した、第1操作有効期間と第1操作誘導報知がなされる期間は同視でき、第2操作有効期間と第1操作誘導報知がなされる期間は同視できることを踏まえれば、本願補正発明の「F 前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する実行期間決定手段」に相当する。
なお、引用発明のe1?e3の操作演出決定処理において、設定された「第1操作有効期間」たる「第1操作誘導報知」がなされる期間と、設定された「第2操作有効期間」たる「第2操作誘導報知」がなされる期間とが重複する場合に、「f3 仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と第2操作有効期間とは互いに重ならないように」するための具体化手段は特定されていないが、一方を無効にしたり、再抽選をしてずらすなどの処理を行ったりすることは当業者に自明な設計的事項にすぎず、引用発明の認定に支障は生じない。

(g)引用発明において、e1?e3の「操作演出決定処理」は「特別図柄の変動開始毎に実行」されるから、e1の「T1a」とf1の「T2a」で画される「第1操作有効期間」たる「第1操作誘導報知」がなされる期間と、e2の「T1b」とf2の「T2b」で設定された「第2操作有効期間」たる「第2操作誘導報知」がなされる期間とは、1回の特別図柄の変動中に多くとも1回ずつまでしか実行されないことは明らかである。
そうすると、引用発明のdの「操作誘導報知制御手段105a」は、第1演出誘導報知がなされる前の所定期間となされた後の所定期間との少なくともいずれか一方の期間は第2演出誘導報知を実行しないことは明らかであるから、本願補正発明の「G 前記促進演出実行手段は、前記実行期間決定手段の決定結果にもとづいて、一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合、前記第1促進演出の実行前の所定期間と実行後の所定期間との少なくともいずれか一方」「の期間は前記第2促進演出を実行せず」に相当するものを備えるといえる。
また、上記(f)の検討を踏まえれば、引用発明のdの「操作誘導報知制御手段105a」は、本願補正発明の「G 前記促進演出実行手段は、前記実行期間決定手段の決定結果にもとづいて、一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合」、「前記第1促進演出の実行中の期間は前記第2促進演出を実行せず」に相当するものを備えるといえる。

(h)引用発明の「h 第1操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作された場合には、その時点で」「第1操作誘導報知も終了」することは、bの「その操作ボタン部15の移動によって」「内部の検出スイッチ」が「ONに切り替わる」ことに鑑みれば、本願補正発明の「H 前記第1促進演出は、前記第1検出手段により前記第1動作が検出されたときに終了」することに相当する。

(i)引用発明の「i 第2操作有効期間中に第2操作ボタン13が操作された場合には、その時点で」「第2操作誘導報知も終了する」ことは、cの「その操作ボタン部16の移動によって」「内部の検出スイッチ」が「ONに切り替わる」ことに鑑みれば、本願補正発明の「I 前記第2促進演出は、前記第2検出手段により前記第2動作が検出されたときに終了する」ことに相当する。

そうすると、両者は、
「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 動作検出有効期間内に動作されたことに応じて第1演出を実行するための遊技者の第1動作を検出する第1検出手段と、
C 遊技者の前記第1動作とは異なる動作であって、動作検出有効期間内に動作されたことに応じて前記第1演出とは異なる第2演出を実行するための第2動作を検出する第2検出手段と、
D 遊技者に前記第1動作を行うことを促進する第1促進演出と、遊技者に前記第2動作を行うことを促進する第2促進演出とを実行する促進演出実行手段と、
を備え、
E 前記第1促進演出を実行可能な期間と前記第2促進演出を実行可能な期間とは重複することがあり、
F 前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する実行期間決定手段を備え、
G 前記促進演出実行手段は、
前記実行期間決定手段の決定結果にもとづいて、一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合、前記第1促進演出の実行前の所定期間と実行後の所定期間との少なくともいずれか一方と、前記第1促進演出の実行中の期間は前記第2促進演出を実行せず、
H 前記第1促進演出は、前記第1検出手段により前記第1動作が検出されたときに終了し、
I 前記第2促進演出は、前記第2検出手段により前記第2動作が検出されたときに終了する
遊技機。」
である点で一致し、相違点はない。

したがって、本願補正発明は、引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(仮の相違点)本願補正発明の構成Cに関して
仮に、上記(c)の検討で、引用発明のbの「第1操作ボタン」とcの「第2操作ボタン」に関して、いずれも「遊技者の押圧操作」という遊技者の同種の操作を検出可能とするものであることから両者は異なる動作とはいえないと解した場合、本願補正発明と引用発明とは、次の点で相違する。
「第2検出手段」が「検出する」「遊技者の動作であって、動作検出有効期間内に動作されたことに応じて前記第1演出とは異なる第2演出を実行するための第2動作」が、本願補正発明は「前記第1動作とは異なる」ものであるのに対し、引用発明はそのようなものではない点。

(仮の相違点について)
引用発明のbの「第1操作ボタン12の内部の検出スイッチ」と、引用発明のcの「第2操作ボタン13の内部の検出スイッチ」とは、共に「押圧操作」されるものであるが、前者が「平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有し、この操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によってONに切り替わるように構成され」ているものを例示し、後者が「ドーム型の操作ボタン部16を有し、この操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によってONに切り替わるように構成され」いるものを例示しており、異なる種類のものを例示していること、引用発明の「押圧操作」は「所定操作の一例」として挙げられていること、さらには、遊技機において演出を実行するために遊技者の押圧操作以外の動作を検出する検出手段を備えることは、例えば、

ア 特開2004-57276号公報(下線は当審で付した。)
(「【0111】
図10(a)に示すように、LCD10の上段10a及び下段10cには、左右方向に沿った中央部に「7」の図柄が表示されてリーチ表示が現出した状態となっており、中段10bには、図柄リールが変動表示されると共に、中段10bの図柄リールに重なって「ボールを回せ!」の表示が行われている。この「ボールを回せ!」の表示が行われている間には、遊技者によってトラックボール19aが操作されると、そのトラックボール19aの操作がボール回動検出器20に検出されることにより(図9、S75参照)、特別演出フラグ33cがオンされて変速期間が開始される。
【0112】
このように、遊技者には、LCD10に「ボールを回せ!」の表示をすることにより、トラックボール19aを操作して図柄リールの操作が可能な変速期間が設定された変動表示であることを容易に認識させることができる。また、遊技中の遊技者は、大当たりの発生を図柄の組み合わせで示すLCD10に意識を傾注しており、特に、最後に変動が停止する図柄リールが表示されたLCD10の中段10bに意識を傾注しているので、そのLCD10(特に、その中段10bに)図柄リールの操作が可能なことを示唆する表示を行うことにより、遊技者に変速期間が設定されて図柄リールの操作が可能な変動表示が行われていることをより確実に告知することができる。」)

イ 特開2011-152213号公報(下線は当審で付した。)
「【0452】
…図59(5)に示すように、スティックコントローラ122が振動動作している時間(所定の振動時間)内に、遊技者によってスティックコントローラ122を手前方向に傾斜させる操作が行われた場合には、図59(6)(7)に示すように、クレーン200によって賞品を掴み取ることに成功する態様の演出が実行され、図59(8)に示すように、所定の遊技状態(大当りやスーパーリーチ)となる可能性を予告する表示が行われる。なお、図59(8)に示す例では、予告演出設定処理(ステップS8016参照)において操作予告演出の種類として「予告C」が決定されたことにもとづいて(ステップS1510参照)、「チャンス!」などの文字列が表示される場合が示されている。」

に記載されているように周知技術であることに鑑みれば、操作手段に多様性を持たせて遊技の興趣を高めるために、引用発明の「第1操作ボタン12の内部の検出スイッチ」または「第2操作ボタン13の内部の検出スイッチ」の一方を押圧操作以外の動作を検出する検出手段とすることに格別の困難性はなく、そのようにして仮の相違点に係る本願補正発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
また、仮の相違点に係る本願補正発明の構成の奏する効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものではない。

したがって、仮に、本願補正発明と引用発明との間に相違点があったとしても、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(請求人の主張について)
請求人は、審判請求書において、引用文献では、第1操作有効期間や第2操作有効期間、第1操作演出や第2操作演出の演出期間を決定する処理を行うものとはなっておらず、従って、引用文献の段落【0065】には、第1操作有効期間と第2操作有効期間とが初めから重複しないように作りこまれているものが記載されているにすぎず、期間が重複しないように積極的に期間の決定を行う処理を行うものではないから、本願補正発明のE、F、Gの構成に想到することはできない旨、主張する。
しかしながら、上記(e)に記載したように、引用発明においては、「f3 仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と、第2操作有効期間とは互いに重ならないように」わざわざ「設定され」ているのであるから、e3の「特別図柄の変動開始毎に実行する」「操作演出決定処理」において、e1の「第1操作演出を行うか否か」の「抽選」に当選しe2の「第2操作演出を行うか否か」の「抽選」にも当選したときに、e1の「複数の中からその都度抽選等により選択された第1演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための」「T1a」と、その設定方法が具体的に特定されていないが、例えば、e1の「T1a」と同様の範囲において、複数の中からその都度抽選等により選択されるなどしたe2の「第2演出誘導報知を実行するまでの時間を計時するための」「T1b」とが、近い値に「設定」され、e1の「T1a」とf1の「T2a」で画される「第1操作有効期間」と、e2の「T1b」とf2の「T2b」で画される「第2操作有効期間」とが重複することがあることは明らかであるから、引用発明は本願補正発明のEの構成を備えるものといえる。
さらに、引用発明が本願補正発明のF及びGの構成を備えることは、上記(f)、(g)で検討したとおりである。
したがって、請求人の主張に理由はなく、これを採用することができない。

3 本件補正についてのむすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成28年6月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定の拒絶の理由は、
1.(新規性)この出願の請求項1ないし2に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、
2.(進歩性)この出願の請求項1ないし2に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
というものである。

引用文献:特開2011-177421号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献の記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明の発明特定事項である「遊技者の第1動作を検出する第1検出手段」の目的について、「動作検出有効期間内に動作されたことに応じて第1演出を実行するための」ものであるという限定事項を削除するとともに、同発明特定事項である「遊技者の前記第1動作とは異なる第2動作を検出する第2検出手段」の目的について、「動作検出有効期間内に動作されたことに応じて前記第1演出とは異なる第2演出を実行するための」ものであるという限定事項を削除し、また、同発明特定事項である「第1促進演出」と「第2促進演出」の「実行可能な期間」に関して、「前記第1促進演出を実行する第1実行期間と前記第2促進演出を実行する第2実行期間とが重複しないように、該第1実行期間と該第2実行期間とを決定する実行期間決定手段を備え」るという限定事項を削除し、さらに、同発明特定事項である「一の可変表示において前記第1促進演出を実行する場合、前記第1促進演出の実行前の所定期間と実行後の所定期間との少なくともいずれか一方と、前記第1促進演出の実行中の期間は前記第2促進演出を実行」しない態様について、「前記実行期間決定手段の決定結果にもとづいて」行うという限定事項を削除したものでる。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2[理由]2(3)に記載したとおり、引用文献に記載された発明であり、仮に、引用発明との相違点があったとしても引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用文献に記載された発明であり、仮に引用発明との相違点があったとしても引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、または特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-01-24 
結審通知日 2018-01-30 
審決日 2018-02-13 
出願番号 特願2012-157021(P2012-157021)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 113- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 遠藤 孝徳貝沼 憲司  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 青木 洋平
藤田 年彦
発明の名称 遊技機  
代理人 眞野 修二  
代理人 岩壁 冬樹  
代理人 井伊 正幸  
代理人 塩川 誠人  
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