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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G01R
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01R
管理番号 1338980
審判番号 不服2017-8049  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-05 
確定日 2018-05-01 
事件の表示 特願2012-192741「導体を通る電流を検知するのに使用されるセンサデバイスおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年4月4日出願公開、特開2013-61326、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
この審判事件に関する出願(以下、「本願」という。)は、2011年(平成23年)9月9日にアメリカ合衆国でされた特許出願に基づくパリ条約の優先権を主張して平成24年9月3日にされた特許出願である。そして、平成28年9月21日に特許請求の範囲についての補正がされ、平成29年1月30日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、同年2月6日に査定の謄本が送達された。
これに対して、同年6月5日に拒絶査定不服審判が請求され、それと同時に、特許請求の範囲についての補正がされた。
その後、当審は、平成30年1月19日付けで拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)を通知し(発送日:同22日)、請求人は、同年2月23日に特許請求の範囲についての補正(以下、「本件補正」という。)をするとともに意見書を提出した。

第2 本願に係る発明
本願の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項6に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、本願の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項6に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
導体(14)の電流を検出するのに使用するセンサデバイス(12)であって、
当該ボビン間での回動運動のため互いにヒンジ接続された複数のボビン(124、126、128、130、132、134)と、
前記ボビンの各々上に形成された第1のシールド(140)と、
当該コイルの一部が各ボビン上に形成されていて前記第1のシールド(104)を覆っている、というコイル(104)と、
前記ボビンの各々上に形成され、当該ボビン上に形成された前記コイルの前記一部と前記第1のシールド(140)とを覆っている第2のシールド(142)と、
当該センサデバイスから延びて撚線の組を形成している複数のリード線(136,138,144)と、
を備え、
各ボビンは、誘電材料(108)で製造されており、非磁性材料の基板(102)を含んでおり、
前記第1のシールド(140)は、各ボビンの外面上に巻きつけられたマグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており、前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻っており、
前記コイル(104)は、各ボビンに巻きつけられたマグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており、前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻っており、
前記第2のシールド(142)は、前記第1のシールド(140)がそれによって形成されているのと同一のマグネットワイヤの一部の複数の巻回部で形成されており、前記同一のマグネットワイヤの前記一部が各ボビン上に巻き付けられており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており、前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻っており、
前記複数のリード線の2つが、前記コイルを形成するマグネットワイヤの各終端から延びており、
前記複数のリード線の第3のリード線が、前記第1のシールド(140)及び前記第2のシールド(142)の一方から延びていて、前記第1のシールド(140)及び/または前記第2のシールド(142)からの雑音が当該センサデバイスによって供給される電流信号の復帰経路に注入されるのを防止する低域通過フィルタ要素として作用する
ことを特徴とするセンサデバイス。
【請求項2】
各ボビン(124、126、128、130、132、134)は、断面において実質的に円形であり、その各端部に形成されたフランジを有している
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項3】
各ボビンは、円筒形状を有している
ことを特徴とする請求項2に記載のセンサデバイス。
【請求項4】
前記第1のシールド(140)及び前記第2のシールド(142)は、当該センサデバイス(12)に対する電磁波妨害(EMI)を防止するように構成されたファラデーシールドを形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項5】
前記誘電材料(108)は、3.5以上の誘電率を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサデバイス。
【請求項6】
実質的に前記誘電材料で形成され、当該センサデバイスが収容される筺体(112)を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載のセンサデバイス。」

なお、本願発明2ないし本願発明6は、いずれも本願発明1の構成を全て含む。

第3 原査定の概要
本願発明1ないし本願発明3は、後記の引用文献1に記載された発明と例えば後記の引用文献2に記載された周知技術とに基づいて、本願発明4ないし本願発明6は、さらに後記の引用文献3に記載された発明とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:米国特許出願公開第2011/0148561号明細書
引用文献2:実願昭60-84784号(実開昭61-201329号)
のマイクロフィルム
引用文献3:特開2005-33209号公報

第4 当審拒絶理由の概要
本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
すなわち、請求項1の記載からは、「第3のリード線」が「当該センサデバイスから延びて撚線の組を形成している複数のリード線」に含まれるのか否かを明確に理解することができない。
したがって、請求項1に係る発明は、明確でない。請求項1の記載を直接又は間接的に引用して記載された請求項2ないし請求項6に係る発明も、同様である。

第5 引用文献に記載された発明等
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載
引用文献1には、以下の記載がある。下線は、当審が付した。原文の引用の後に、当審が作成した日本語訳を記載する。

「[0003] The present invention relates generally to circuit elements
and more particularly in one exemplary aspect to devices for the
sensing of current, and methods of utilizing and manufacturing the
same.」
「[0003]本発明は、一般に回路素子、より具体的には、1つの例示的な態様において、電流の検出のためのデバイス並びにその利用及び製造方法に関する。」

「[0004] A myriad of different configurations of current sensing
devices are known in the prior art. One common approach to the
manufacture of current sensing devices is via the use of a so-called"Rogowski coil". A Rogowski coil is an electrical device for
measuring alternating current ("AC"). It typically consists of a
helical coil of wire with the lead from one end returning through
the center of the coil and passing through the helical coil of wire
to the other end. The whole helical coil of wire is then positioned
around an alternate current carrying conductor whose current is to
be measured. The voltage that is induced in the coil is proportional
to the rate of change of current in the conductor such that the
output of the Rogowski coil is indicative to the amount of current
passing through the conductor.」
「[0004]無数の電流検出デバイスの異なる構成が従来技術で知られている。電流検出デバイスを製造する1つの一般的な方法は、いわゆる「ロゴスキーコイル」の使用によるものである。ロゴスキーコイルは、交流(「AC」)を測定するための電気デバイスである。それは、典型的には、一端からコイルの中心を通って戻り、他端までワイヤの螺旋状コイルを通り抜ける導線を有するワイヤの螺旋状コイルで構成される。ワイヤの螺旋状コイル全体は、測定されるべき交流電流が流れる導線の周りに配置される。コイルに誘起される電圧は、導体内の電流の変化率に比例するので、ロゴスキーコイルの出力は、導体を通り抜ける電流量を指示する。」

「[0183] Referring now to FIGS. 2-2C, a second exemplary embodiment
of a header- or bobbin-based current sensing apparatus 200 is shown
and described in detail. Specifically, the current sensing apparatus
200 of FIGS. 2-2C comprise multiple ones of segmented bobbin
elements 210. Each of these bobbin elements 210 is disposed next to
one another via an optionally hinged coupling 220. In one exemplary
embodiment, this hinged coupling 220 includes features (such as
snaps and the like) which retain adjacent segmented bobbin elements
so that they remain attached to one another, however it is
recognized that in alternative embodiments the hinged coupling may
provide only a pivoting, as opposed to a pivoting and retaining
function. In an alternative embodiment, the hinged coupling may be
accomplished by molding a thin web of connecting material between
adjacent ones of bobbin elements 210. Such a configuration could be
made static (such as for use in embodiments in which the final
application geometry is known) or flexible as described previously
herein. The coupling may also be made frangible; i.e., severable
after a limited number of loading cycles, if desired, so as to
facilitate selective separation of the components.」
「[0183]図2-図2Cを参照すると、ヘッダ又はボビンに基づく電流検出装置200の第2実施形態が示され、詳細に記載されている。具体的には、図2-図2Cの電流検出装置200は、セグメント化されたボビン要素210の複数のものを含む。これらのボビン要素210のそれぞれは、必要に応じてヒンジ継ぎ手220を介して互いに隣り合うように配置されている。1つの例示的な実施形態では、このヒンジ継ぎ手220は、隣接するセグメント化されたボビン要素を保持して、それらを互いに取り付けられたままにする機構(スナップなど)を含むが、代替の実施形態では、ヒンジ継ぎ手は、回動及び保持機能とは対照的に、回動を提供するだけでもよいことが認識される。ある代替の実施例では、ヒンジ継ぎ手は、ボビン要素210の隣接するもの同士の間に接続材料の薄いウェブを成形することによって達成することができる。そのような構成は、(最終的な適用における幾何学的配置が知られている実施形態における使用のように)静的にしたり、前述したように柔軟にしたりすることができる。継ぎ手は、所望の場合は、部品の選択的分離が容易になるように、脆弱に、すなわち、負荷を所定回かけた後で分離できるように作られてもよい。」

「[0184] Referring now to FIGS. 2 and 2A, a partial segment of a
current sensing apparatus 200 is shown. Specifically, only a forty-
five degree (45°) segment of a three-hundred sixty degree (360°)
apparatus 200 is illustrated. Accordingly, as can be seen in the
illustrated embodiment, the complete apparatus 200 would consist of
eight (8) segmented bobbin elements 210. While eight elements are
contemplated, this number is arbitrarily defined by the underlying
geometry of the current sensing apparatus application as well as
defined performance parameters. Hence, it is readily recognized that
more or less elements or elements of different shapes or
configurations (including also heterogeneous "mixes" of two or more
different bobbin element configurations) could be utilized in
alternative embodiments.」
「[0184]図2及び図2Aを参照すると、電流検出装置200の部分的なセグメントが示されている。具体的には、360度装置200の45度セグメントのみが示されている。しがって、図示の実施形態に見られるように、完全な装置200は、8つにセグメント化されたボビン要素210で構成されることになる。8つ要素が考慮されているが、この数は、性能パラメータによって、また同様に、電流検出装置適用の基礎となる幾何学的配置によっても、任意に定義される。よって、(2以上の異なるボビン要素構成の不均一な「混合」を含む)異なる形状又は構成のもっと多い又は少ない要素が、代替の実施形態において利用できることが容易に理解される。」

「[0185] The embodiment illustrated in FIGS. 2-2C also includes a
central passageway 230 that is intended to position the pass through
conductor at a precise location within each of the segmented bobbin
elements. In the illustrated configuration, the passageway is
positioned along the longitudinal axis (i.e., the geometrical
center) of each of the cylindrical bobbin elements 210; however, as
noted elsewhere herein, the position of the central conductor(s) may
be (i) non-symmetrical with respect to the cross-section of
passageway 230 or bobbin element; (ii) may be variable or
changeable; and/or (iii) may reside at other locations.」
「[0185]図2-図2Cに示された実施形態はまた、セグメント化されたボビン要素のそれぞれの内部の正確な位置に通過導体を位置決めすることを意図する中央通路230を備える。図示する構成では、通路は、円筒状のボビン要素210のそれぞれの長手方向の軸線(すなわち、幾何学的中心)に沿って配置されているが、他の箇所で述べているように、(1本又は複数本の)中心導体の位置は、通路230又はボビン要素の断面との関係で、(i)非対称でもよいし、(ii)多様又は可変でもよいし、及び/又は(iii)他の場所にあってもよい。」

「[0186] FIGS. 2B and 2C illustrate differing perspective views of a
single segmented bobbin element 210 according to one embodiment. The
bobbin element 210 is characterized by a winding channel 212 adapted
for receiving one or more layers of windings, while flanges 218
retain the windings in the winding channel 212 resulting in a
uniform distribution of the windings within the bobbin element 210.
While the winding channel is illustrated with a smooth winding
barrel, it is appreciated that grooves could be formed into the
winding barrel in order to provide additional features to guide the
windings so that they are wound more uniformly. Moreover, the
cross-section of this "barrel" need not be symmetric, and/or can
also include segmentation (i.e., may comprise an octagon, ellipse,
polygon, etc. in cross-section).」
「[0186]図2B及び図2Cは、本実施形態に係るセグメント化された単独のボビン要素210の異なる斜視図を示す。ボビン要素210は、巻き線の1つ以上の層を受け入れるように適合された巻き付けチャネル212を特徴とし、フランジ218は、巻き線を巻き付けチャネル212内に保持して、ボビン210内の巻き線の均一な分布をもたらす。巻き付けチャネルは、滑らかな巻き付け胴とともに示されているが、より均一に巻かれるように巻き線を案内する追加の機構を提供するために、巻き付け胴に溝を形成できることを理解されたい。さらに、「胴」の断面は、対称である必要はなく、及び/又はセグメント化を含んでも(すなわち、断面が八角形、楕円形、多角形などでも)よい。」

「[0187] Positioned on opposing ends of the flanges are alignment
posts 216 positioned above standoffs 240. These alignment posts 216
are optional but are utilized to facilitate individual placement of
the bobbin elements 210 within an encapsulating header (see for
example FIG. 4A, 460 described subsequently herein). Routing posts
214 are utilized for facilitating the routing of the windings
between individual ones of bobbin elements 210 during automated
winding on a mandrel as will be discussed more fully subsequently
herein. These routing posts 214 act as entry/exit points for the
wire wound within the winding channel 212.」
「[0187]フランジの対向する端部上に配置されたスタンドオフ240の上方に位置する位置合わせポスト216がある。これらのアライメントポスト216は任意であるが、カプセル化ヘッダ(例えば後述の図4(a)、460参照)内のボビン要素210の個々の配置を容易にするために利用される。配線ポスト214は、本明細書で以下により十分に説明するように、マンドレル上での自動巻き付けの際に、個々のボビン要素210の間で巻き線の配線を容易にするために利用される。これらの配線ポスト214は、巻き付けチャネル212内に巻かれたワイヤのための入口/出口として作用する。」

「[0188] Recall the discussion of the hinged coupling 220 with
regards to FIG. 2A. As can be seen in FIGS. 2B and 2C, the hinged
coupling comprises a protruding portion 222 and a respective
receptacle portion 224 which is sized so as to accommodate the
protruding portion from an adjacent bobbin element 210. Routing
channel 232 can also optionally be utilized to route the exit wire
of the last segment to the return wire inside the coil. Note that in
the illustrated embodiment the hinged coupling 220 does not include
elements that allow adjacent elements 210 to remain movably coupled
to one another. Rather, the tension associated with the respective
windings and pass through conductor is actually used to retain the
assembled current sensing device in its finished torus-like shape.
However, it is recognized that alternative embodiments may readily
include features that physically couple adjacent elements 210 to one
another, use adhesives or other bonding agents, etc.」
「[0188]図2Aに関するヒンジ継ぎ手220の説明を想起されたい。図2B及び図2Cにおいて見ることができるように、ヒンジ継ぎ手は、突出部222と、隣接するボビン要素210からの突出部を収納するような寸法を有する収納部224とからなる。配線チャンネル232は、これも必要に応じて、最後のセグメントから出てくるワイヤをコイル内のリターンワイヤに配線するために利用することができる。図示の実施形態において、ヒンジ継ぎ手220は、隣接する要素210を互いに移動可能に結合することを可能にする素子を含んでいないことに留意されたい。むしろ、それぞれの巻き線及び通過導体に関連する張力が、組み立てられた電流検出デバイスをその完成したトーラス状に保持するために、実際には使用される。ただし、代替の実施形態は、容易に、隣接した要素210を互いに物理的に接続する機構を含んだり、接着剤又は他の結合剤を使用したりすることができることを理解されたい。」

「[0236] While the embodiment illustrated in FIG. 19A includes
self-leaded terminals that are formed simultaneously with the bobbin
elements themselves using a high temperature polymer that can
withstand the temperatures experienced in conventional solder
processes, it is appreciated that these self-leaded terminals could
be readily substituted with metallic terminals that are either
insert molded or post inserted into the bobbin element. These
metallic terminals could either be inserted into the sidewall 1924
of the flange or alternatively could be inserted into the bottom (or
top) surface 1914 of the bobbin element which is useful, for
example, when inserting through hole leads into the bobbin
element.」
「[0236]図19Aに示される実施形態は、従来のはんだ工程で経験する温度に耐える高温ポリマーを使用するボビン要素それ自体と同時に形成される自己リード端子を含んでいるが、これらの自己リード端子は、ボビン要素にインサート成形されるか後で挿入される金属端子で容易に置換できることを理解されたい。これらの金属端子は、フランジの側壁1924に挿入されるか、あるいは、これは例えばボビン要素に貫通リードを挿入する際に有用だが、ボビン要素の下面1914(又は上面)に挿入される。」

「[0260] Referring now to FIG. 32, an exemplary interleaved shielded
winding configuration 3200 is shown and described in detail. FIG. 32
illustrates a cross sectional view of a wound bobbin element 3202,
with winding layers originating at one or more terminal posts 3204.
The configuration illustrated shows three (3) layers of windings;
i.e., first layer 3210, second layer 3220 and third layer 3230. Four
(4) or more layers could be also be used. In the embodiment
illustrated, the shielding layers are interleaved with the sensor
winding layers. For example, layers 3210 and 3220 consist of
shielding layers, while layer 3230 is made up of a sensor winding
layer. In the context of a four (4) layer embodiment, with the
fourth layer disposed atop the top layer 3210, the fourth layer and
layer 3230 could be shielding layers, while layers 3210, 3220
consist of sensor winding layers. These and other interleaved
embodiments would be readily apparent to one of ordinary skill given
the present disclosure.」
「[0260]図32を参照すると、例示的な交互配置遮蔽巻き線構成3200が示され、詳細に記載されている。図32は、巻かれたボビン要素3202の断面図を、1つ又は複数の端子3204を起点とする巻き付け層とともに示す。図示された構成は、3層の巻き線、すなわち、第1の層3210、第2の層3220及び第3の層3230を示す。4つ以上の層を使用することもできる。図示された実施形態では、遮蔽層が検出巻き線層と交互に配置されている。例えば、層3210及び層3220は、遮蔽層から構成され、一方、層3230は、検出巻き線層で構成される。最上層3210の上に配置された第4層を伴う、4層の実施形態の文脈においては、第4層及び層3230は遮蔽層でもよく、一方、層3210、3220は、検出巻き線層で構成される。これらの及び他の交互配置された実施形態は、本開示を与えられた当業者には容易に明らかであろう。」

「[0324] Referring now to FIGS. 18A-18S, one embodiment of the
methodology for assembling an exemplary Rogowski coil device of the
invention is shown in detail. FIG. 18A illustrates a first exemplary
step in the manufacturing process. In FIG. 18A, the starting end
clip 1890 is inserted within a respective aperture located on the
starting end bobbin segment 1810. The end clip 1890 is in one
variant manufactured from a conductive sheet of metal, which is
stamped and optionally plated so as to protect the surface finish of
the clip. After insertion, the clip is subsequently bent. This bend
1891 is, in the illustrated example, formed at a 60-degree angle
with respect to the non-bent portion of the clip 1890.
Alternatively, the starting end clip can be insert molded into the
bobbin element during the injection molding process. In an exemplary
process, the clip is formed up away from the surface of the bobbin
segment by hand subsequent to insertion. Furthermore, exemplary
embodiments incorporate notches at the bend line of the end clip so
as to reduce the force needed to perform the bend operation thereby
reducing the possibility of cracking the bobbin segment during the
bend operation.」
「[0324]図18A-図18Sを参照すると、本発明の例示的なロゴスキーコイルデバイスを組み立てるための方法の1つの実施形態が詳細に示されている。図18Aは、製造工程における第1工程の一例を示す。図18Aでは、開始端クリップ1890は、開始端ボビンセグメント1810上に配置されたそれぞれの開口の中に挿入される。端クリップ1890は、一変形例では、金属製の導電性シートから作製されており、成形され、また、必要な場合は、クリップの表面仕上げを保護するようにメッキされている。挿入後、それに引き続いて、クリップは折り曲げられる。この折り曲げ部1891は、図示の例では、クリップ1890の非折り曲げ部に対して、60°の角度をなして形成される。あるいは、開始端クリップは、射出成型工程の間に、ボビン要素にインサート成形することができる。例示的な方法では、クリップは、挿入に続けて、手作業で、ボビンセグメントの表面から離れて形成される。さらに、例示的な実施形態は、折り曲げ操作を行うのに必要な力を減少させるために、端クリップの曲げ線にノッチを組み込んでおり、それによって、折り曲げ操作時にボビンセグメントが割れる可能性を低減させる。」

「[0325] FIG. 18B illustrates the insertion of the finish end clip
1892 into the finish end bobbin segment 1810. Note that the bobbin
segments themselves are identical between that shown in FIG. 18A and
that shown in FIG. 18B (i.e. the start and end bobbin segments are
identical with only the clips being different between the segments).
Furthermore, also note that the "start" end clip of FIG. 18A and the"finish" end clip of FIG. 18B are disposed on opposite ends of their
respective bobbin segments. The finish end clip 1892 is also
preferably not bent prior to insertion, such that the notched end of
the end clip 1892 is positioned over the pass through conductor
passageway 1893.」
「[0325]図18Bは、終了端ボビンセグメント1810への終了端クリップ1892の挿入を示す。ボビンセグメント自体は、図18Aに示したものと図18Bに示したものとで同一であることに留意されたい(すなわち、開始及び端ボビンセグメントは、セグメント間でクリップが異なるだけで、同一である)。さらに、図18Aの「開始」端部クリップと図18Bの「終了」端クリップとは、それぞれのボビンセグメントの反対側の端部に配置されることにも留意されたい。終了端クリップ1892は、端クリップ1892のノッチ付き端部が通過導体の通路1893を覆うように配置されるように、挿入前に折り曲げないことが好ましい。」

「[0326] FIG. 18C illustrates the next step in the exemplary
process, wherein each of the bobbin elements 1810 are loaded onto a
winding mandrel 1870. The end clip bobbin element 1810 (i.e., the
bobbin element discussed with regards to FIG. 18B) is inserted onto
the mandrel first, followed by six (6) bobbin elements that are
devoid of any conductive clips. Finally, the starting bobbin element
(i.e., the bobbin element discussed with regards to FIG. 18A) is
inserted on the end of the string of bobbin elements with the
starting end clip 1890 facing away from the other assembled bobbin
elements.」
「[0326]図18Cは、例示的なプロセスにおける次のステップを示し、各ボビン要素1810は、巻き付けマンドレル1870の上に載置される。端クリップボビン要素1810(すなわち、図18Bに関して論じたボビン要素)が最初にマンドレル上に挿入され、導電性クリップを欠く6個のボビン要素がそれに続く。最後に、開始ボビン要素(すなわち、図18Aに関して論じたボビン要素)が、その開始端クリップ1890が組み立てられた他のボビン要素の反対側を向くように、ボビン要素の列の端部に挿入される。」

「[0327] Referring now to FIG. 18D, a polymer cord 1860 is slid into
a groove 1813 that is collectively formed by the assembly of bobbin
elements 1810. Note that the end of the cord is trimmed so that the
end of the cord does not protrude past the outer wall 1811 of the
end bobbin element flange. In an exemplary embodiment, the cord is
manufactured from an electrical grade polytetraflouroethylene
(PTFE). The diameter illustrated is 0.031 inches although it is
recognized that other shapes (i.e. rectangular, polygonal, etc.) and
sizes could be readily be substituted in alternative designs. This
cord is utilized to create a connective "spine" that ultimately
holds the assembly together in its final form. While illustrated as
using a PTFE cord, it is recognized that other items (such as tape,
etc.) could also be readily substituted in order to provide the so-
called connective "spine" to the finished Rogowski coil device.」
「[0327]図18Dを参照すると、ポリマーコード1860は、ボビン要素1810の組み立て体の全体によって形成される溝1813内に挿入される。コードの端部は、刈り込まれて、端ボビン要素フランジの外壁1811を越えて突出しないことに留意されたい。例示的実施形態において、コードは、電気用ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から製造される。図示の直径は0.031インチであるが、代替設計において、他の形状(長方形、多角形など)や大きさに容易に置換されることを理解されたい。コードは、最終的に組み立て体をその最終的な形状に一体に保持する接続「脊椎」を作成するために利用される。PTFEコードを用いるものとして示したが、他の品物(テープなど)も、仕上げられたロゴスキーコイルデバイスにいわゆる接続「脊椎」を提供するために、容易に置換されることが認められる。」

「[0328] FIG. 18E illustrates the start of the winding process.
Specifically, the wire 1862 to be wound onto the bobbin elements is
first secured to the winding pin 1872 of the mandrel and
subsequently secured to the end clip 1892. The conductive wire is,
in the illustrated embodiment, wrapped around the end clip 1892
twice prior to being routed into the bobbin element winding
barrel.」
「[0328]図18Eは、巻き付け処理の開始を示す。特に、ボビン要素上に巻かれるワイヤ1862は、最初に、マンドレルの巻き付けピン1872に固定され、続いて端クリップ1892に固定される。導電ワイヤは、図示された実施形態では、ボビン要素巻き付け胴へ配線される前に、端クリップ1892の周囲に2回巻き付けられる。」

「[0329] FIG. 18F illustrates the remainder of the end bobbin
element 1810 being wound with the required number of turns of wire
1862. In the illustrated example, three (3) layers of wire are wound
onto the bobbin element with fifty-two (52) turns of wire being
wound in each layer. The layers are constructed with the first layer
being wound from left-to-right; the second layer being wound from
right-to-left; and the third layer being wound again from left-to-
right, although other numbers of layers and/or lay patterns may be
used consistent with the invention. For instance, all of the turns
(e.g., 52 in this example) could be wound in a single layer in one
direction. Alternatively, a two-layer back-and-forth pattern could
be utilized.」
「[0329]図18Fは、ワイヤ1862の必要な数の巻き回しで巻かれた端ボビン要素1810の剰余を示す。図示の例では、3層のワイヤがボビン要素上に巻かれており、各層にワイヤの52の巻き回しが巻かれている。層は、左から右へ巻かれた第1の層、右から左へ巻かれた第2層、及び再び左から右へ巻かれた第3層で構成されているが、他の層数及び/又は撚りパターンも本発明と整合して用いられ得る。例えば、全ての巻き回し(例えば、この例では52)は、1つの方向において1層で巻かれることができる。あるいは、2層往復パターンを利用することができる。」

「[0330] FIG. 18G illustrates the routing of the wire 1862 from the
newly wound end bobbin element to an adjacent bobbin element. Note
that both bobbin elements shown include a transition feature 1863
comprised of a protrusion that includes a curved edge. This curved
edge helps prevent damage to the wire as it is routed between
adjacent bobbin elements. The adjacent bobbin element is then wound
identically to that seen in FIG. 18F (i.e. with three (3) layers
comprised of fifty-two (52) turns each. The remaining bobbin
elements 1810 are then similarly wound as illustrated in FIG. 18H.」
「[0330]図18Gは、新たに巻かれた端ボビン要素から隣接するボビン要素へのワイヤ1862の配線を示す。示されている両方のボビン要素は、曲がった端部を含む凸部からなる遷移機能1863を含むことに留意されたい。この曲がった端部は、ワイヤが隣接するボビン要素間を配線されるときに、ワイヤが損傷するのを防止する助けになる。隣接するボビン要素は、次に、図18Fに示されるものと同様に巻かれる(すなわち、それぞれ52の巻き回しで構成される3層。残りのボビン要素1810は、図18Hに示されるように同様に巻かれる。」

「[0331] FIG. 18I illustrates the end of the winding 1862 subsequent
to being routed over each of the previously discussed bobbin
elements, and secured to the starting clip 1890. Similar to the end
clip, the wire is secured to the starting clip by wrapping the wire
around the start clip twice, although other mechanisms may be
used.」
「[0331]図18Iは、前述のボビン要素のそれぞれの上に配線された後、開始クリップ1890に固定された巻き付け1862の端部を示す。端クリップと同様、ワイヤは、開始クリップの周囲に2回巻き付けることにより、開始クリップに固定されるが、他の機構を用いてもよい。」

「[0332] FIG. 18J illustrates the winding of the shielding layer
1864 onto the bobbin elements. As can be seen in FIG. 18J, the
shielding layer is composed of an additional layer of fifty-two (52)
turns that are wound in the opposite direction of the previously
wound winding layers. Note also that the wire that makes up the
shielding wire is the same wire that was used to previously wind the
bobbin elements. The process is continued on as shown in FIG. 18K,
with the remaining bobbin elements each receiving a shielding layer.
The use of the same wire that was used in the previous windings is
particularly advantageous from the perspective of manufacturing
cost. As the bobbin elements are already disposed onto a winding
mandrel for the purposes of automating the placement of the
windings, no additional processing steps need to be performed by an
operator in order to wind the shielding layer onto the bobbin
elements. Accordingly, the only additional costs added to the device
by adding the shielding layer comes from the additional time the
bobbin elements spend on the winding mandrel, which is minimal,
along with the added material cost associated with the shielding
layer which is also minimal. Furthermore, it has been found that the
use of the same wire 1862 for the shielding layer is just as
effective at providing shielding for the device as other more labor intensive methods which utilize copper foil, etc.」
「[0332]図18Jは、ボビン要素上への遮蔽層1864の巻き付けを示す。図18Jに見られるように、遮蔽層は、以前に巻かれた巻き付け層と反対方向の52の巻き回しからなる追加の層で構成される。遮蔽ワイヤを構成するワイヤは、以前、ボビン要素を巻くのに用いられたものと同じワイヤであることに留意されたい。処理は、残りのボビン要素がそれぞれ遮蔽層を受け取るまで、図18Kに示すように続けられる。先行する巻き線と同じワイヤの使用は、製造コストの観点から特に有利である。ボビン要素は、巻き線の配置を自動化する目的で既に巻き付けマンドレル上に配置されているので、ボビン要素上に遮蔽層を巻くために、追加の処理工程が作業者によって実行される必要はない。したがって、遮蔽層の付加によりデバイスに付加される唯一の追加コストは、遮蔽層に関連する最小限の追加の材料費とともに、ボビン要素が巻き付けマンドレル上で費やす追加の時間に由来するが、これも最小限である。さらに、遮蔽層に同じワイヤ1862を使用することは、デバイスに遮蔽を提供するという点で、銅箔の利用などもっと労働集約的な他の方法と全く同じように有効であることが見いだされた。」

「[0333] FIG. 18L illustrates how the wire 1862 is secured to the
bobbin element assembly. Specifically, FIG. 18L illustrates how the
end of the shielding layer wire is secured at the end bobbin
element. Essentially, a single turn of tape 1870 is wound onto the
end bobbin element and the end of the wire 1862 is then routed over
this single layer of tape and subsequently secured by the additional
wrapping of extra layers of tape. Both the excess wire 1862 and
excess tape 1870 is then trimmed. Note that the end of the shielding
layer wire is not secured to the end clip 1892.」
「[0333]図18Lは、ワイヤ1862がどのようにしてボビン要素組み立て体に固定されるかを示す。特に、図18Lは、遮蔽ワイヤの端部がどのようにして端ボビン要素に固定されるかを示す。本質的には、テープ1870の単一の巻き回しが、端ボビン要素上に巻かれ、ワイヤ1862の端部が、テープのこの単一の層の上に配線され、続いてテープの余分な層の追加のラップによって固定される。余分なワイヤ1862も過剰なテープ1870も、その後、刈り込まれる。遮蔽ワイヤの端部は、端クリップ1892に固定されていないことに留意されたい。」

「[0334] Referring now to FIG. 18M, the wound bobbin elements are
removed from the mandrel and the wire is secured to both the end
clip 1892 and the starting clip 1890 (not shown). The securing of
the wire to these clips can be accomplished in any number of
differing ways. One implementation utilizes a resistance welding
process to weld a portion 1866 of the wire to the respective clips.
Alternatively, a eutectic soldering operation could be used to
physically and electrically secure the wire to the respective clips.
Yet other methods will be recognized by those of ordinary skill
given the present disclosure.」
「[0334]図18Mを参照すると、巻かれたボビン要素は、マンドレルから取り外され、ワイヤは、端クリップ1892及び開始クリップ1890(図示せず)の両方に固定される。これらのクリップへのワイヤの固定は、任意の数の異なる方法で達成することができる。一つの実装は、抵抗溶接プロセスを利用して、各クリップにワイヤの部分1866を溶接する。あるいは、ワイヤを各クリップに物理的かつ電気的に固定するために、共晶半田付け作業を使用することができる。さらに他の方法は、本開示を与えられた当業者によって認識されるであろう。」

「[0335] FIG. 18N illustrates the installation of the return wire
1850. The return wire is inserted into the central passageway of the
starting end bobbin element (i.e., the end with start clip 1890) and
routed through each of the bobbin elements until it meets the end
clip element 1892 on the end bobbin segment. This return wire 1850
is then subsequently electrically secured to the end clip 1892 via a
eutectic soldering operation, resistance welding, etc. FIG. 18O
illustrates that the finish wire 1852 is secured to the start clip
1890. Again this can be accomplished by using e.g., either solder or
resistance welding to secure the finish wire to the start clip on
the starting bobbin element.」
「[0335]図18Nは、リターンワイヤ1850の設置を示す。リターンワイヤは、端ボビンセグメントの端クリップ要素1892に当接するまで、開始端ボビンの中央通路(開始クリップ1890を備えた端部)に挿入され、ボビン要素のそれぞれを介して送られる。リターンワイヤ1850は、その後、共晶半田付け、抵抗溶接などによって端クリップ1892に電気的に固定される。図18Oは、仕上がりワイヤ1852が開始クリップ1890に固定されることを示す。再びこれは、例えば半田や抵抗溶接を用いて仕上がりワイヤを開始ボビン要素上の開始クリップに固定することで成し遂げることができる。」

「[0336] FIG. 18P illustrates the insertion of the bobbin element
assembly into a housing 1880. The end bobbin element 1810 (i.e., the
bobbin with tape 1870 mounted thereon) is inserted into a respective
cavity 1886 located on the housing first, and subsequent bobbin
elements are inserted into their respective housing cavities around
the ring-like shape of the housing. Note also that the end bobbin
element is disposed adjacent the finish wire groove 1884 and return
wire groove 1882 associated with the housing.」
「[0336]図18Pは、ボビン要素組み立て体の挿入ハウジング1880を示す。端ボビン要素1810(すなわち、テープ1870が搭載されたボビン)は、第1の筐体に配置されたそれぞれのキャビティ1886内に挿入され、それより後ろのボビン要素は、ハウジングのリング状の形状の周囲のそれぞれのハウジングキャビティに挿入される。端ボビン要素は、ハウジングに関連した仕上がりワイヤ溝1884及びリターンワイヤ溝1882に隣接して配置されることにも留意されたい。」

「[0338] Referring now to FIG. 18R, small drops of epoxy 1888 or
another adhesive is inserted into each of the cavities 1889 of the
top housing 1883. In addition, a light bead of epoxy is also applied
to the middle hole wall 1887. The top housing 1883 is then mounted
onto the housing 1880 as illustrated in FIG. 18S. The finish wire
1852 and return wire 1850 are then twisted together in a clockwise
direction for the purposes of mitigating the effects of external
electrical interference.」
「[0338]図18Rを参照すると、エポキシ樹脂1888や他の接着剤の小滴が上部ハウジング1883のキャビティ1889内に挿入される。さらに、エポキシのビーズは、中央の孔壁1887にも同様に適用される。上部筐体1883は、図18Sに示すように、筐体1880に取り付けられる。仕上がりワイヤ1852及びリターンワイヤ1850は、外部の電気的干渉の効果を緩和する目的で時計方向に撚り合わされる。」

図2


図2A


図2B


図2C


図18A


図18B


図18C


図18D


図18E


図18F


図18G


図18H


図18I


図18J


図18K


図18L


図18M


図18N


図18O


図18P


図18Q


図18R


図18S


図32


(2)引用文献1に記載された発明
引用文献1の前記(1)の記載によれば、以下のことが認められる。

ア 引用文献1には、ロゴスキーコイルを利用して、導体内を流れる電流を検出する電流検出装置200が記載されている([0003]、[0004]、[0183]、図2ないし図2C)。

イ 電流検出装置200は、回動を提供するヒンジ継ぎ手220を介して互いに隣り合うように配置された8個のボビン要素210を含み、各ボビン要素210は、巻き付けチャネル212及びフランジ218を有する([0183]、[0184]、[0186]、図2ないし図2C)。

ウ ボビン要素210の内部には、ボビン要素210の長手方向の軸線に沿って、通過導体を位置決めするための中央通路230が配置される([0185]、図2ないし図2C)。

エ 各ボビン要素210の巻き付けチャネル212には巻き線からなる遮蔽層3220が形成され、遮蔽層3220の上には巻き線からなる検出巻き線層3230が形成され、検出巻き線層3230の上には巻き線からなる遮蔽層3210が形成される([0186]、[0260]、図2B、図2C、図32)。

オ 各ボビン要素210は、従来のはんだ工程で経験する温度に耐える高温ポリマーで形成される([0236])。

カ ロゴスキーデバイスは、以下のようにして組み立てられる。なお、「ボビンセグメント1810」と「ボビン要素1810」とは同じものを指すので([0324]、[0326])、以下、「ボビン要素1810」で表記を統一する。

(ア)開始端ボビン要素1810に配置された開口の中に、金属製の導電シートで作成した開始端クリップ1890を挿入し、それを折り曲げる([0324]、図18A)。

(イ)終了端ボビン要素1810に終了端クリップ1892を挿入し、終了端クリップ1892のノッチ付き端部が通路1893を覆うように配置する([0325]、図18B)。

(ウ)開始端ボビン要素1810と終了端ボビン要素1810とは、挿入するクリップが異なるだけで、同一のものであり、また、開始端クリップ1890と終了端クリップ1892とは、各ボビン要素(開始端ボビン要素1810及び終了端ボビン要素1810)の互いに反対側の端部に配置される([0325])。
したがって、各ボビン要素は、その両端部に開口が配置されており、開始端クリップ1890は、開始端ボビン要素1810の一方の端部に配置された開口に挿入し、終了端クリップ1892は、終了端ボビン要素1810の他方の端部に配置された開口に挿入することになる。

(エ)終了端クリップ1892を挿入した終了端ボビン要素1810、導電性クリップ(すなわち、開始端クリップ1890及び終了端クリップ1892)を欠く6個のボビン要素1810、及び開始端クリップ1890を挿入した開始端ボビン要素1810を、この順に、かつ、終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890が8個のボビン要素1810からなる列の両端部に位置するように、巻き付けマンドレル1870に載置する([0326]、図18C)。

(オ)ワイヤ1862を終了端クリップ1892に固定し、最初に終了端ボビン要素1810にワイヤ1862を巻いて、ワイヤ1862の層を形成し、次にそれに隣接するボビン要素1810に同じようにワイヤ1862を巻いて、ワイヤ1862の層を形成し、以下同様に繰り返し、最後に開始端ボビン要素1810に同じようにワイヤ1862を巻いて、ワイヤ1862の層を形成した後、ワイヤ1862を開始端クリップ1890に固定する([0328]ないし[0331]、[0334]、図18Eないし図18I、図18M)。
この結果、終了端ボビン要素1810、6個のボビン要素1810及び開始端ボビン要素1810からなる合計8個のボビン要素1810の全てにワイヤ1862の層を形成することになる。

(カ)開始端ボビン要素1810に、開始端クリップ1890に固定したワイヤ1862それ自体を、ワイヤ1862の層を形成したときとは逆向きに巻いて、遮蔽層1864を形成し、以下同様に繰り返して、終了端ボビン要素1810を含む残り7個のボビン要素1810の全てに遮蔽層1864を形成した後、ワイヤ1862の端部を、終了端クリップ1892ではなく、終了端ボビン要素1810に巻かれたテープにより固定する([0332]、[0333]、図18J図ないし18L)。

(キ)リターンワイヤ1850を開始端ボビン要素1810の通路に挿入し、8個のボビン要素1810のそれぞれの通路を通過させて、終了端ボビン要素1810の終了端クリップ1892に当接させて、そこに固定するとともに、仕上がりワイヤ1852を開始端クリップ1890に固定する([0335]、図18N、図18O)。

(ク)外部の電気的干渉の効果を緩和するために、仕上がりワイヤ1852及びリターンワイヤ1850を時計方向に撚り合わせる([0338]、図18S)。

キ 前記カのロゴスキーデバイスの組み立て方法は、「本発明の例示的なロゴスキーコイルデバイスを組み立てるための方法の1つの実施形態」([0324])とされている。また、電流検出装置200を構成するボビン要素210は、回動を提供するヒンジ継ぎ手220を介して互いに隣り合うように配置されるから(前記イ)、ロゴスキーデバイスを構成するボビン要素1810と同様、直線状に配置することも可能であると認められる。さらに、ボビン要素210は中央通路230を有し(前記ウ)、同様に、ボビン要素1810は通路1893を有する(前記カ(イ)、(キ))。そして、図2ないし図2Cと図18A及び図18Bとの比較から、ボビン要素210とボビン要素1810とは、全体的な形状がほぼ同じであることが認められる。
そうすると、電流検出装置200の検出巻き線層3230は、ワイヤ1862の層(前記カ(オ)、(キ))と同様の方法で形成されると認められる。
したがって、検出巻き線層3230は、1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)から始めて8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、順方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次ワイヤ1862を巻くことにより形成されたコイルであり、コイルの両端は、終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890に固定されている。そして、コイルの両端である終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890からは、それぞれリターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852が延びており、それらは、時計方向に撚り合わされている。

ク 同様に、電流検出装置200の遮蔽層3220及び遮蔽層3210のうち、少なくとも検出巻き線層3230の上に形成される遮蔽層3210は、遮蔽層1864(前記カ(カ))と同様の方法で形成されると認められる。
したがって、遮蔽層3210は、8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)から始めて1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、逆方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次、検出巻き線層3230を形成したものとワイヤ1862を巻くことにより形成されたコイルであり、コイルの一端は、開始端クリップ1890に固定され、コイルの他端は、終了端クリップ1892を挿入したボビン要素210に巻かれたテープにより固定される。

ケ 以上のことをまとめると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「導体内を流れる電流を検出する電流検出装置200であって、
回動を提供するヒンジ継ぎ手220を介して互いに隣り合うように配置された8個のボビン要素210であって、それぞれが巻き付けチャネル212及びフランジ218を有する8個のボビン要素210と、
各ボビン要素210の巻き付けチャネル212に形成された巻き線からなる遮蔽層3220、遮蔽層3220の上に形成された巻き線からなる検出巻き線層3230、及び検出巻き線層3230の上に形成された巻き線からなる遮蔽層3210と、
を備え、
各ボビン要素210は、従来のはんだ工程で経験する温度に耐える高温ポリマーで形成され、
検出巻き線層3230は、1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)から始めて8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、順方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次ワイヤ1862を巻くことにより形成されたコイルであり、コイルの両端は、終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890に固定され、
遮蔽層3210は、8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)から始めて1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、逆方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次、検出巻き線層3230を形成するのに用いたワイヤ1862それ自体を巻くことにより形成されたコイルであり、コイルの一端は、開始端クリップ1890に固定され、コイルの他端は、終了端クリップ1892を挿入したボビン要素210に巻かれたテープにより固定され、
終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890からは、それぞれリターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852が延びており、それらは、外部の電気的干渉の効果を緩和するために時計方向に撚り合わされている、
電流検出装置200。」

2 引用文献2
引用文献2には、環状の鉄心と、鉄心に巻き回された1次巻き線及び2次巻き線と備えた変圧装置において、1次巻き線と2次巻き線との間にシールド巻き線を巻き回し、シールド巻き線の両端を共通接続して接地することにより、外部から加わる雑音を吸収処理して外部に出力しないようにすることが記載されている。

3 引用文献3
引用文献3には、電力変換器回路の電磁干渉性能を向上させるために、シールド巻き線を設けることが記載されている。

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のとおりである。

ア 引用発明の「導体内を流れる電流を検出する電流検出装置200」は、本願発明1の「導体(14)の電流を検出するのに使用するセンサデバイス(12)」に相当する。

イ 引用発明の「8個のボビン要素210」は、本願発明1の「複数のボビン(124、126、128、130、132、134)」に相当し、引用発明の「回動を提供するヒンジ継ぎ手220を介して互いに隣り合うように配置された」は、本願発明1の「ボビン間での回動運動のため互いにヒンジ接続された」に相当するから、引用発明の「回動を提供するヒンジ継ぎ手220を介して互いに隣り合うように配置された8個のボビン要素210」は、本願発明1の「当該ボビン間での回動運動のため互いにヒンジ接続された複数のボビン(124、126、128、130、132、134)」に相当する。

ウ 前記イを踏まえると、引用発明の「各ボビン要素210の巻き付けチャネル212に形成された巻き線からなる遮蔽層3220」は、本願発明1の「前記ボビンの各々上に形成された第1のシールド(140)」に相当する。

エ 引用発明の「検出巻き線層3230」は、「8個のボビン要素210の全てに順次ワイヤ1862を巻くことにより形成されたコイルであり」、したがって、「各ボビン要素210」の「検出巻き線層3230」は、「コイル」の一部である。また、引用発明の「検出巻き線層3230」は、「遮蔽層3220の上に形成された」ものである以上、「遮蔽層3220」を覆っていることが明らかである。
したがって、前記ウを踏まえると、引用発明の「遮蔽層3220の上に形成された巻き線からなる検出巻き線層3230」は、本願発明1の「当該コイルの一部が各ボビン上に形成されていて前記第1のシールド(104)を覆っている、というコイル(104)」に相当する。

オ 前記ウ及びエを踏まえると、引用発明の「検出巻き線層3230の上に形成された巻き線からなる遮蔽層3210」は、本願発明1の「前記ボビンの各々上に形成され、当該ボビン上に形成された前記コイルの前記一部と前記第1のシールド(140)とを覆っている第2のシールド(142)」に相当する。

カ 引用発明の「リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852」は、それぞれ引用発明の「電流検出装置200」の構成部材である「終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890から延びて」いるから、結局のところ、「電流検出装置200」から延びていることになる。
そして、引用発明の「時計方向に撚り合わされている」は、本願発明1の「撚線の組を形成している」に相当する。
したがって、前記アを踏まえると、引用発明の「終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890から」「それぞれ」「延びており、」「時計方向に撚り合わされている」「リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852」は、本願発明1の「当該センサデバイスから延びて撚線の組を形成している複数のリード線(136,138,144)」に相当する。

キ 引用発明の「従来のはんだ工程で経験する温度に耐える高温ポリマー」は、「ポリマー」であることから、誘電材料であると認められる。
したがって、前記イを踏まえると、引用発明の「各ボビン要素210」が「従来のはんだ工程で経験する温度に耐える高温ポリマーで形成され」ることは、本願発明1の「各ボビンは、誘電材料(108)で製造されて」いることに相当する。

ク 前記イを踏まえると、引用発明の「8個のボビン要素210」の「それぞれが」「有する」「巻き付けチャネル212及びフランジ218」は、本願発明1の「各ボビン」が「含んで」いる「基板(102)」に相当する。

ケ 引用発明の「ワイヤ1862」は、本願発明1の「マグネットワイヤ」に相当する。

コ 前記イ、エ及びケを踏まえると、引用発明の「検出巻き線層3230」が「1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)から始めて8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、順方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次ワイヤ1862を巻くことにより形成されたコイルであり、コイルの両端は、終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890に固定され」ることは、本願発明1の「前記コイル(104)」が「各ボビンに巻きつけられたマグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成され」ることに相当する。

サ 前記イ、ウ、オ及びケを踏まえると、引用発明の「遮蔽層3210」が「8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)から始めて1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、逆方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次、検出巻き線層3230を形成するのに用いたワイヤ1862それ自体を巻くことにより形成されたコイルであり、コイルの一端は、開始端クリップ1890に固定され、コイルの他端は、終了端クリップ1892を挿入したボビン要素210に巻かれたテープにより固定され」ることと、本願発明1の「前記第2のシールド(142)」が「前記第1のシールド(140)がそれによって形成されているのと同一のマグネットワイヤの一部の複数の巻回部で形成されており、前記同一のマグネットワイヤの前記一部が各ボビン上に巻き付けられており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており、前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻って」いることとは、「前記第2のシールド」が「マグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、前記マグネットワイヤが各ボビン上に巻き付けられており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの全ての上に順に形成されて」いる点で共通する。

シ 前記エ、カ、ケ及びコを踏まえると、引用発明の「リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852が」「それぞれ」「終了端クリップ1892及び開始端クリップ1890から」「延びて」いることは、本願発明1の「前記複数のリード線の2つが、前記コイルを形成するマグネットワイヤの各終端から延びて」いることに相当する。

(2)一致点及び相違点
前記(1)の対比の結果をまとめると、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

ア 一致点
「導体の電流を検出するのに使用するセンサデバイスであって、
当該ボビン間での回動運動のため互いにヒンジ接続された複数のボビンと、
前記ボビンの各々上に形成された第1のシールドと、
当該コイルの一部が各ボビン上に形成されていて前記第1のシールドを覆っている、というコイルと、
前記ボビンの各々上に形成され、当該ボビン上に形成された前記コイルの前記一部と前記第1のシールドとを覆っている第2のシールドと、
当該センサデバイスから延びて撚線の組を形成している複数のリード線と、
を備え、
各ボビンは、誘電材料で製造されており、基板を含んでおり、
前記コイルは、各ボビンに巻きつけられたマグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており、
前記第2のシールドは、マグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、前記マグネットワイヤが各ボビン上に巻き付けられており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの全ての上に順に形成されており、
前記複数のリード線の2つが、前記コイルを形成するマグネットワイヤの各終端から延びている
センサデバイス。」

イ 相違点
(ア)相違点1
本願発明1の「基板(102)」は、「非磁性材料」であるのに対し、
引用発明の「8個のボビン要素210」の「それぞれが」「有する」「巻き付けチャネル212及びフランジ218」(本願発明1の「基板(102)」に相当する。)は、非磁性材料であるか不明な点。

(イ)相違点2
本願発明1の「第1のシールド(140)は、各ボビンの外面上に巻きつけられたマグネットワイヤの複数の巻回部で形成されており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており、前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻って」いるのに対し、
引用発明の「遮蔽層3220」(本願発明1の「第1のシールド(140)」に相当する。)は、どのようにして形成されたものか不明である点。

(ウ)相違点3
本願発明1の「コイル(104)は、」「前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻って」いるのに対し、
引用発明の「検出巻き線層3230」(本願発明1の「コイル(104)」に相当する。)は、「8個のボビン要素210」(本願発明1の「複数のボビン」に相当する。)に沿って戻っていない点。

(エ)相違点4
本願発明1の「第2のシールド(142)」の「マグネットワイヤ」は、「前記第1のシールド(140)がそれによって形成されているのと同一」であるのに対し、
引用発明の「遮蔽層3210」の「ワイヤ1862」(本願発明1の「第2のシールド(142)」の「マグネットワイヤ」に相当する。)は、「検出巻き線層3230を形成するのに用いたワイヤ1862それ自体」(本願発明1の「コイル(104)」の「マグネットワイヤ」に相当する。)である点。

(オ)相違点5
本願発明1の「第2のシールド(142)は、」「マグネットワイヤの前記一部が各ボビン上に巻き付けられており、それによって、前記ワイヤの複数の巻回部が、前記複数のボビンの最初のボビン上に形成され、続いて順に前記複数のボビンの最後までの他のボビンの各々上に形成されており」、その後、「前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻って」いるのに対し、
引用発明の「遮蔽層3210は、」「8個目のボビン要素210(開始端クリップ1890を有するボビン要素210)から始めて1個目のボビン要素210(終了端クリップ1892を有するボビン要素210)で終わるまで(換言すれば、逆方向に)、8個のボビン要素210の全てに順次、」「ワイヤ1862」「を巻くことにより形成されたコイルであり」、本願発明1の用語に従えば、最初から「前記複数のボビンの最後から前記複数のボビンの最初まで順に戻るように前記ボビンに沿って戻って」いるだけである点。

(カ)相違点6
本願発明1の「複数のリード線(136,138,144)」は、「第3のリード線」を含み、「第3のリード線が、前記第1のシールド(140)及び前記第2のシールド(142)の一方から延びていて、前記第1のシールド(140)及び/または前記第2のシールド(142)からの雑音が当該センサデバイスによって供給される電流信号の復帰経路に注入されるのを防止する低域通過フィルタ要素として作用する」のに対し、
引用発明の「リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852」(本願発明1の「複数のリード線(136,138,144)」に相当する。)は、その他のリード線を含まない点。

(3)相違点6についての判断
事案に鑑み、まず、相違点6について検討する。
引用発明の遮蔽層3210又は遮蔽層3220を形成するワイヤ1862からリード線を延ばして、リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852と撚り合わせ、遮蔽層3210又は遮蔽層3220からの雑音を除去する低域通過フィルタ要素として作用させることは、引用文献1に記載も示唆もされていない。
引用文献2には、シールド巻き線の両端を共通接続して接地することが記載されているが、これは、引用発明の遮蔽層3210又は遮蔽層3220を形成するワイヤ1862からリード線を延ばして、リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852と撚り合わせ、遮蔽層3210又は遮蔽層3220からの雑音を除去する低域通過フィルタ要素として作用させることを示唆するものではない。
引用文献3には、電力変換器回路の電磁干渉性能を向上させるために、シールド巻き線を設けることが記載されているが、引用発明は、既にシールド巻き線に相当する遮蔽層3210及び遮蔽層3220を備えているから、引用文献3に記載された事項は、引用発明に何らかの変更を加えることを示唆するものではない。
したがって、相違点6に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献2及び引用文献3に記載された事項とに基づいて当業者が容易に思い付くことであるということはできない。

(4)本願発明1についてのまとめ
前記(3)のとおり、相違点6に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献2及び引用文献3に記載された事項とに基づいて当業者が容易に思い付くことであるということはできないから、相違点1ないし相違点5について検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献1に記載された発明と例えば引用文献2に記載された周知技術とに基づいて、又はさらに引用文献3に記載された発明に基づいても、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

2 本願発明2ないし本願発明6について
本願発明2ないし本願発明6は、いずれも本願発明1の構成を全て含むから、少なくとも本願発明1と引用発明との相違点1ないし相違点6(前記1(2)イ(ア)ないし(カ))で引用発明と相違する。
そして、前記1(3)のとおり、相違点6に係る本願発明1の構成は、引用発明と引用文献2及び引用文献3に記載された事項とに基づいて当業者が容易に思い付くことであるということはできないから、相違点6に係る本願発明2ないし本願発明6の構成も同様である。
したがって、本願発明2ないし本願発明6は、引用文献1に記載された発明と例えば引用文献2に記載された周知技術とに基づいて、又はさらに引用文献3に記載された発明に基づいても、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

第7 当審拒絶理由について
本件補正により、本件補正後の請求項1には「当該センサデバイスから延びて撚線の組を形成している複数のリード線(136,138,144)」について、「前記複数のリード線の2つが、前記コイルを形成するマグネットワイヤの各終端から延びており、」「前記複数のリード線の第3のリード線が、前記第1のシールド(140)及び前記第2のシールド(142)の一方から延びて」いると記載されることになり、「第3のリード線」が「当該センサデバイスから延びて撚線の組を形成している複数のリード線」に含まれることが明確になったので、本件補正前の請求項1ないし請求項6についての当審拒絶理由(前記第4)は、解消された。

第8 原査定について
原査定は、シールド巻き線の端部を接地することは例えば引用文献2に記載されているように周知であるから、引用発明においてシールドとしての機能を有するコイルである遮蔽層3210及び遮蔽層3220の端部を接地させることは、当業者が容易に想到し得ることであり、その際に、接地用のリード線を設けることは、当然に行い得ることであると判断した。
しかし、引用文献2に記載されているのは変圧装置であるから、シールド巻き線の端部を接地することが、引用発明のようにロゴスキーコイルを利用して電流を検出する電流検出装置においても周知であるとまでいうことはできない。
また、仮に引用文献2に記載された事項に基づいて、遮蔽層3210及び遮蔽層3220を形成するコイルの両端を共通接続して接地したとしても、その結果は、遮蔽層3210及び遮蔽層3220が単に接地されるだけのことであり、リターンワイヤ1850及び仕上がりワイヤ1852と撚り合わせ、遮蔽層3210又は遮蔽層3220からの雑音を除去する低域通過フィルタ要素として作用させることにはならない。
したがって、原査定の理由は、維持することができない。

第9 むすび
以上のとおりであるから、原査定の理由によっては、本願は拒絶をするべきものであるということはできない。
また、他に、本願は拒絶をするべきものであるとする理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-04-13 
出願番号 特願2012-192741(P2012-192741)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01R)
P 1 8・ 537- WY (G01R)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 仁之川瀬 正巳  
特許庁審判長 中塚 直樹
特許庁審判官 小林 紀史
須原 宏光
発明の名称 導体を通る電流を検知するのに使用されるセンサデバイスおよび方法  
代理人 倉澤 伊知郎  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 松下 満  
代理人 弟子丸 健  
代理人 山本 泰史  
代理人 磯貝 克臣  
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