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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1339058
審判番号 不服2017-6126  
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-04-27 
確定日 2018-04-05 
事件の表示 特願2015-142954号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月26日出願公開、特開2015-211898号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年7月22日に出願した特願2013-151854号の一部を平成27年7月17日に新たな特許出願としたものであって、平成28年7月5日付けの拒絶理由の通知に対し、同年9月9日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成29年2月14日付け(発送日:同年2月21日)で拒絶査定がなされ、これに対して平成29年4月27日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、その後、当審による同年11月7日付けの最後の拒絶理由に対し、同年12月26日に意見書が提出されるとともに手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成29年4月27日にされた手続補正の特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。また、A?Nについては発明を分説するため当審で付与した。)。

(平成29年4月27日の手続補正)
「【請求項1】
遊技者が操作可能な操作手段と、
操作有効期間中に前記操作手段が操作された場合に所定演出を実行する所定演出制御手段と、
前記操作有効期間における前記操作手段の操作を促す特定演出を実行する特定演出制御手段と、
前記操作有効期間の経過に応じて、有効期間表示部の表示態様を開始表示状態から途中表示状態を経て終了表示状態へと変化させる有効期間表示手段とを備え、
前記操作有効期間を、図柄表示手段による図柄変動中における所定期間に設定した
遊技機において、
前記特定演出は、一回押し態様の第1特定演出を含み、
前記図柄変動を、少なくとも通常変動とリーチ変動とで構成し、
前記リーチ変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間を、前記通常変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間よりも長く設定し、
前記操作手段は、択一的に操作可能な第1操作手段と第2操作手段とを含み、
前記第1操作手段の操作有効期間である第1操作有効期間と、前記第2操作手段の操作有効期間である第2操作有効期間とを異なる期間に設定し、
前記第1操作有効期間と前記第2操作有効期間の前記開始表示状態の表示態様は同一であり、
前記第1操作有効期間と前記第2操作有効期間とで、前記開始表示状態から前記途中表示状態を経て前記終了表示状態へと変化させる変化速度を異ならせた
ことを特徴とする遊技機。」

(本件補正)
「【請求項1】
A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 操作有効期間中に前記操作手段が操作された場合に所定演出を実行する所定演出制御手段と、
C 前記操作有効期間における前記操作手段の操作を促す特定演出を実行する特定演出制御手段と、
D 前記操作有効期間の経過に応じて、有効期間表示部の表示態様を開始表示状態から途中表示状態を経て終了表示状態へと変化させる有効期間表示手段とを備え、
E 前記操作有効期間を、図柄表示手段による図柄変動中における所定期間に設定した
F 遊技機において、
G 前記特定演出は、一回押し態様の第1特定演出を含み、
H 前記図柄変動には、リーチ状態を経由しない通常変動とリーチ状態を経由するリーチ変動とがあり、
I 前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定され、
J 前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定されており、
K 前記操作手段は、択一的に操作可能な第1操作手段と第2操作手段とを含み、
L 前記第1操作手段の操作有効期間である第1操作有効期間と、前記第2操作手段の操作有効期間である第2操作有効期間とを異なる期間に設定し、
M 前記第1操作有効期間と前記第2操作有効期間の前記開始表示状態の表示態様は同一であり、
N 前記第1操作有効期間と前記第2操作有効期間とで、前記開始表示状態から前記途中表示状態を経て前記終了表示状態へと変化させる変化速度を異ならせた
ことを特徴とする遊技機。」

2 補正の適否
本件補正後の請求項1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記リーチ変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間」に関して、「前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定されて」いるという限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
なお、補正前の請求項1に記載された「前記図柄変動を、少なくとも通常変動とリーチ変動とで構成し、前記リーチ変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間を、前記通常変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間よりも長く設定し」という記載を、「前記図柄変動には、リーチ状態を経由しない通常変動とリーチ状態を経由するリーチ変動とがあり、前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定され」という記載に変更する補正は、平成29年11月7日付けの最後の拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてする、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当し、発明特定事項の技術的範囲を実質的に変更しないものである。
そして、本件補正は、明細書の段落【0137】?【0139】、図26の記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、前記1に記載したとおりのものである。

(2)引用文献に記載された事項
ア 当審による拒絶の理由で引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2011-212363号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0012】
第1操作ボタン12は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、図1,図2に示すように例えば平坦な略楕円形の操作ボタン部15を有し、この操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によって内部の検出スイッチ(図示省略)がONに切り替わるように構成されている。この第1操作ボタン12は、後述する第1操作演出で用いられるもので、第1操作演出が開始されて第1操作ボタン12の操作を促す第1操作誘導報知が行われ、所定の第1操作有効期間中にこの第1操作ボタン12が押圧操作されることを条件に、後述する第1特別処理が所定の確率で実行されるようになっている。
【0013】
第2操作ボタン13は、遊技者の押圧操作(所定操作の一例)を検出可能な押しボタン式の操作検出手段で、図1?図3に示すように例えばドーム型の操作ボタン部16を有し、この操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によって内部の検出スイッチ(図示省略)がONに切り替わるように構成されている。この第2操作ボタン13は、後述する第2操作演出で用いられるもので、第2操作演出が開始されて第2操作ボタン13の操作を促す第2操作誘導報知が行われ、所定の第2操作有効期間中にこの第2操作ボタン13が押圧操作されることを条件に、後述する第2特別処理が所定の確率で実行されるようになっている。」

「【0027】
演出画像表示手段56は、第1操作演出中における第1操作誘導報知、第2操作演出中における第2操作誘導報知等を行うもので、例えば画像表示手段35の表示画面35a上の所定位置に設けられており、例えば第1操作演出中の所定の第1操作有効期間中に、例えば第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知を行い、また第2操作演出中の所定の第2操作有効期間中に、例えば第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を行うように構成されている。」

「【0039】
変動パターン選択手段78は、演出図柄の変動パターンを選択するもので、例えば特別利益状態抽選手段76による大当たり/外れの抽選結果が大当たり(当選)であった場合には1又は複数種類のリーチ大当たり変動パターンの何れかを、大当たり/外れの抽選結果が外れであった場合には特別停止図柄選択手段77により選択された停止図柄がリーチ態様であるか否かに応じて1又は複数種類のリーチ外れ変動パターン又はリーチなし外れ変動パターンの何れかを、所定の乱数生成手段から取得した変動パターン乱数値に基づいて選択するように構成されている。」

「【0056】
操作演出制御手段103は、遊技者による所定操作を伴う操作演出を制御するもので、操作演出決定手段104、操作演出管理手段105、操作入力管理手段106、特別処理制御手段107等を備えている。操作演出は、例えば特別図柄及び演出図柄の図柄変動中の各期間を単位演出期間として、その図柄変動(単位演出期間)毎に所定の確率で実行され、その操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が所定操作を行った場合に、例えばその図柄変動の結果に応じて所定の確率で所定の特別処理が実行されるようになっている。
【0057】
本実施形態では、第1操作演出と第2操作演出の2種類の操作演出を実行可能であるとする。第1操作演出は、遊技者による第1操作ボタン12の操作を伴う操作演出で、この第1操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第1操作ボタン12を操作した場合に、複数種類の第1特別処理のうちの何れか、例えば演出図柄の背景色を青色に変更する「青背景処理」と赤色に変更する「赤背景処理」との何れかが、特別図柄の変動結果に応じた所定の確率で実行されるようになっている。一方の第2操作演出は、遊技者による第2操作ボタン13の操作を伴う操作演出で、この第2操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第2操作ボタン13を操作した場合に、1種類の第2特別処理、例えば回転灯20を作動させる「回転灯作動処理」が、特別図柄の変動結果に応じた所定の確率で実行されるようになっている。」

「【0059】
この操作演出決定処理(図8)では、まず操作演出抽選手段104aにより、第1操作演出を行うか否か、及び第1操作演出を行う場合には第1特別処理の種類(ここでは青背景処理と赤背景処理の何れか)が抽選により決定される(S1)。このS1における抽選では、例えば0?99の間で繰り返し生成される第1操作演出判定乱数値が1個取得され、その乱数値に応じて「演出なし」、「演出あり:青背景処理」、「演出あり:赤背景処理」の3種類の何れかが選択される。このように本実施形態では、演出ありの場合には青背景処理と赤背景処理との何れかが必ず選択されるため、操作有効期間中に第1操作ボタン12が操作された場合に第1特別処理が実行される確率である操作検出時実行確率は100%である。
【0060】
ここで、それら「演出なし」、「演出あり:青背景処理」、「演出あり:赤背景処理」に対する振分率は、図7(a)に示すように特別図柄の変動結果(大当たり態様となるか否か、大当たり態様となる場合には特別利益状態及び特別遊技状態の種類)に応じて予め定められており、例えば外れ態様となる場合には50:30:20、大当たり態様となって特別利益状態A及び時短状態が発生する場合には80:5:15、大当たり態様となって特別利益状態B及び高確率状態が発生する場合には20:10:70に夫々設定されている。」

「【0065】
これらS3?S7の処理が終了するか、又はS1の抽選で「演出なし」が選択された場合には(S2:No)、操作演出抽選手段104aにより、第2操作演出を行うか否か、及び第2操作演出を行う場合には第2特別処理を実行するか否かが抽選により決定される(S8)。なお、このS8の処理は、S3?S7の前にS1の処理と略同時に行ってもよい。このS8における抽選では、例えば0?99の間で繰り返し生成される第2操作演出判定乱数値が1個取得され、その乱数値に応じて「演出なし」、「演出あり:特別処理なし」、「演出あり:特別処理あり」の3種類の何れかが選択される。
【0066】
ここで、それら「演出なし」、「演出あり:特別処理なし」、「演出あり:特別処理あり」に対する振分率は、図7(b)に示すように特別図柄の変動結果に応じて予め定められており、例えば外れ態様となる場合には90:10:0、大当たり態様となって特別利益状態A及び時短状態が発生する場合には80:20:0、大当たり態様となって特別利益状態B及び高確率状態が発生する場合には0:0:100に夫々設定されている。」

「【0076】
S32においては、第1操作有効期間の継続時間が例えば10秒である場合にはその10秒に対応する計数値が初期値として第1有効タイマT2aにセットされる。第1操作有効期間の継続時間は、例えば予め変動パターン毎に設定される。なお、第1有効タイマT2aの値は、所定の減算手段により、所定時間経過毎にその経過時間に対応する値が逐次減算されるようになっている。」

「【0078】
なお本実施形態では、仮に第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても(図8のS1,S8)、第1操作有効期間と、第2操作ボタン13の操作が有効な第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されているものとする。従って、以上の第1操作誘導報知開始処理(S24)が実行された後は、S25以下の処理を行うことなく操作演出管理処理は終了するようになっている。」

「【0083】
S32においては、第2操作有効期間の継続時間が例えば10秒である場合にはその10秒に対応する計数値が初期値として第2有効タイマT2bにセットされる。第2操作有効期間の継続時間は、例えば予め変動パターン毎に設定される。ここで、第2操作有効期間の継続時間は第1操作有効期間の継続時間と異なっていてもよい。なお、第2有効タイマT2bの値は、所定の減算手段により、所定時間経過毎にその経過時間に対応する値が逐次減算されるようになっている。」

「【0117】
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。」

上記記載事項を総合すれば、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(a?lについては本願補正発明のA?Lに対応させて付与した。)。

「a 遊技者により平坦な略楕円形の操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によって内部の検出スイッチがONに切り替わるように構成されている第1操作ボタン12(【0012】)、及び、遊技者によりドーム型の操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によって内部の検出スイッチがONに切り替わるように構成されている第2操作ボタン13(【0013】)と、
b 第1操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第1操作ボタン12を操作した場合に演出図柄の背景色を青色に変更する「青背景処理」と赤色に変更する「赤背景処理」のうちの何れかを特別図柄の変動結果に応じた所定の確率で実行し、第2操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第2操作ボタン13を操作した場合に回転灯20を作動させる「回転灯作動処理」を特別図柄の変動結果に応じた所定の確率で実行する操作演出制御手段103と(【0056】、【0057】)、
c 第1操作演出中の所定の第1操作有効期間中に第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知を行い、また第2操作演出中の所定の第2操作有効期間中に第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を行う演出画像表示手段56と(【0027】)、
e 前記操作有効期間を、演出図柄の図柄変動中の各期間を単位演出期間として、その図柄変動(単位演出期間)毎に所定の確率で実行される操作演出中の所定の期間とした(【0056】)
f 遊技機において(【0117】)、
g 前記第1操作誘導報知は、第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示し、前記第2操作誘導報知は、第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示し(【0027】)、
h 演出図柄の変動パターンにはリーチなし外れ変動パターンとリーチ外れ変動パターンとリーチ大当たり変動パターンとがあり(【0039】)、
i 第1操作演出の「演出なし」、「演出あり:青背景処理」、「演出あり:赤背景処理」に対する振分率は、特別図柄の変動結果に応じて予め、外れ態様となる場合には50:30:20、大当たり態様となって特別利益状態A及び時短状態が発生する場合には80:5:15、大当たり態様となって特別利益状態B及び高確率状態が発生する場合には20:10:70に夫々設定され(【0059】、【0060】)、第2操作演出の「演出なし」、「演出あり:特別処理なし」、「演出あり:特別処理あり」に対する振分率は、特別図柄の変動結果に応じて予め、外れ態様となる場合には90:10:0、大当たり態様となって特別利益状態A及び時短状態が発生する場合には80:20:0、大当たり態様となって特別利益状態B及び高確率状態が発生する場合には0:0:100に夫々設定されており(【0065】、【0066】)、
k 前記第1操作ボタン12と前記第2操作ボタン13とは、第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されており(【0057】、【0078】)、
l 前記第1操作有効期間の継続時間と前記第2操作有効期間の継続時間は、予め変動パターン毎に設定され、前記第2操作有効期間の継続時間は前記第1操作有効期間の継続時間と異ならせた(【0076】、【0083】)
遊技機。」

イ 当審による拒絶の理由で引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2013-13527号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0045】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。」

「【0205】
この特定保留表示m4が表示されると、同時に操作有効期間メーターTが表示領域41a(例えば保留表示m1?m4の下方)に表示される。この操作有効期間メーターTは、表示開始直後から表示値(黒く塗りつぶされた部分)を最大値の状態から最小値(0)になるまで一定の速度で減少させていくことにより、演出ボタン25の操作を演出に反映させることが可能(操作が有効)な期間(以下、操作有効期間と称する)が開始されてからの経過時間(当該期間が終了するまでの残存時間)を可視化して表示するものである。表示値が最小値になると演出ボタン25の操作がなされても、無効な操作として演出に反映されなくなる。」

ウ 当審による拒絶の理由で引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2007-300999号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【0035】
図5に示すように、リーチ発展型の演出パターン番号1?7のうち、特定種類の演出パターン番号1?6に対応して、左・中・右ボタン3L,3C,3R何れかの操作によりピストルフィギア7p及びミニドラム7rに所定動作を行わせる操作ボタンイベントを実行可能にしている。リーチ発展型演出の中で出現率は最も低いが、信頼度すなわちその演出が出現した後に大当たりとなる確率が最も高い演出パターン番号7は、操作ボタンイベントの無い別のスーパーリーチ演出としている。もっとも、演出パターン番号7も含めて操作ボタンイベント付きの演出にしても勿論よい。
【0036】
操作ボタンイベントパターン番号0は、操作ボタンイベントが開始されるタイミングは無く、操作ボタンイベントは行わない。操作ボタンイベントパターン番号1は、演出パターン番号1による演出が開始されてから、例えばリーチ発展時又はその直前若しくはリーチ前半に相当する作動タイミングT1=5秒後にボタン操作が有効となり、この有効状態が作動継続期間T2=3秒間継続される。操作ボタンイベントパターン番号2は、演出パターン番号1による演出が開始されてから、例えばリーチ発展後に相当するT1=10秒後にボタン操作が有効となり、この有効状態がT2=5秒間継続される。
【0037】
操作ボタンイベントパターン番号3,5,7,10,13は、演出パターン番号2,3,4,5,6の総演出時間に対応させた遅めのリーチ時期に合わせ、各リーチ発展時又はその直前若しくはリーチ前半等に相当するT1=8秒、10秒、12秒、20秒、25秒後に各々ボタン操作が有効となる。操作ボタンイベントパターン番号4,6,8,11,14は、演出パターン番号2,3,4,5,6による各リーチ後半で且つ総演出時間の終盤に合わせ、各演出開始からT1=18秒、23秒、25秒、30秒、40秒後に各々ボタン操作が有効となる。それぞれ、ボタン操作が有効となる時期が遅いほど、有効状態が継続する期間をT2=3秒間、5秒間、7秒間、8秒間と、長めにしている。」

「【0041】
図7に示すように、図6のステップS29に続き、左・中・右ボタン3L,3C,3Rによる操作検知を開始し(S30)、何れかのボタン操作が作動継続期間T2内に有ると(S31,S32)、実動作演出要素7Bにおけるピストルフィギア7pを回動させて銃口をミニドラム7rに向けると共に第2周辺制御部SC2との連携によりスピーカ51,52から銃弾発射音を出音させ、これを契機にミニドラム7rを回転させる(S33)。
【0042】
ミニドラム7rの回転は、例えば1秒後等の所定時間経過後に停止し、内部当選フラグと所定の振り分け抽選に基づき、大当たりを確定報知させる「Victory」、大当たりを期待させる「Chance」、外れを確定報知させる「Lost」の何れかを正面に止める。「Victory」:「Chance」:「Lost」の出現比は、内部当選フラグが0の外れ時は、例えば0:80:20、内部当選フラグが1の大当たり時は、例えば20:80:0としている。ミニドラム7rの停止後、ピストルフィギア7pはガンベルト7bに収められる。尚、ミニドラム7rは、ステップS30と同時又はその直前若しくは直後に回転し、ステップS33において、ピストルフィギア7pの回動に続く銃弾発射音により停止するものとしてもよい。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出し(a)?(l)は、本願補正発明のA?L及び引用発明のa?lに対応させている。

(a)引用発明の「a 遊技者により平坦な略楕円形の操作ボタン部15が内部の弾性部材による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部15の移動によって内部の検出スイッチがONに切り替わるように構成されている第1操作ボタン12、及び、遊技者によりドーム型の操作ボタン部16が内部の戻しバネ33による付勢力に抗して押圧操作されたとき、その操作ボタン部16の移動によって内部の検出スイッチがONに切り替わるように構成されている第2操作ボタン13」は、本願補正発明の「A 遊技者が操作可能な操作手段」に相当する。

(b)引用発明の「b 第1操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第1操作ボタン12を操作した場合に演出図柄の背景色を青色に変更する「青背景処理」と赤色に変更する「赤背景処理」のうちの何れかを」「実行し、第2操作演出中の所定の操作有効期間中に遊技者が第2操作ボタン13を操作した場合に回転灯20を作動させる「回転灯作動処理」を」「実行する操作演出制御手段103」は、本願補正発明の「B 操作有効期間中に前記操作手段が操作された場合に所定演出を実行する所定演出制御手段」に相当する。

(c)引用発明の「c 第1操作演出中の所定の第1操作有効期間中に第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示する第1操作誘導報知を行い、また第2操作演出中の所定の第2操作有効期間中に第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示する第2操作誘導報知を行う演出画像表示手段56」は、本願補正発明の「C 前記操作有効期間における前記操作手段の操作を促す特定演出を実行する特定演出制御手段」に相当する。

(e)引用発明の「e 前記操作有効期間を、演出図柄の図柄変動中の各期間を単位演出期間として」「実行される操作演出中の所定の期間とした」ことは、本願補正発明の「E 前記操作有効期間を、図柄表示手段による図柄変動中における所定期間に設定した」ことに相当する。

(f)引用発明の「f 遊技機」は、本願補正発明の「F 遊技機」に相当する。

(g)引用発明の「第1操作ボタン12」及び「第2操作ボタン13」は、aの「操作ボタン部15」及び「操作ボタン部16」が「付勢力に抗して押圧操作されたとき」、その「操作ボタン部15」及び「操作ボタン部16」の「移動によって内部の検出スイッチがONに切り替わるように構成されている」ことから、いずれも、一回押し態様の操作ボタンであるといえ、これに対応した引用発明のgの「第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像」及び「第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像」が一回押し態様のものであることは明らかである。
したがって、引用発明の「g 前記第1操作誘導報知は、第1操作ボタン12が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第1操作誘導画像を表示し、前記第2操作誘導報知は、第2操作ボタン13が押圧操作されるアニメーション画像等よりなる第2操作誘導画像を表示」することは、本願補正発明の「G 前記特定演出は、一回押し態様の第1特定演出を含」むことに相当する。

(h)引用発明の「h 演出図柄の変動パターンにはリーチなし外れ変動パターンとリーチ外れ変動パターンとリーチ大当たり変動パターンとがあ」ることは、本願補正発明の「H 前記図柄変動には、リーチ状態を経由しない通常変動とリーチ状態を経由するリーチ変動とがあ」ることに相当する。

(i)引用発明において、「i 第1操作演出の『演出なし』、『演出あり:青背景処理』、『演出あり:赤背景処理』に対する振分率は」、「外れ態様となる場合には50:30:20」に「設定され」、「第2操作演出の『演出なし』、『演出あり:特別処理なし』、『演出あり:特別処理あり』に対する振分率は」、「外れ態様となる場合には90:10:0」に「設定され」ているのであり、これらの「外れ態様となる場合」とは、hの「リーチなし外れ変動パターンとリーチ外れ変動パターン」を区別していない、すなわち、「リーチなし外れ変動パターン」と「リーチ外れ変動パターン」のいずれにおいても、上記振分率によって演出が行われ、kの「第1操作有効期間と第2操作有効期間と」が「設定され」ることは明らかである。
したがって、引用発明のこれらの構成と、本願補正発明の「I 前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定され」ることとは、「I’前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間と、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間」とが「設定され」る点で共通する。

(k)引用発明の「k 前記第1操作ボタン12と前記第2操作ボタン13とは、第1操作演出と第2操作演出との両方に当選したとしても、第1操作有効期間と第2操作有効期間とは互いに重ならないように設定されて」いることは、本願補正発明の「K 前記操作手段は、択一的に操作可能な第1操作手段と第2操作手段とを含み」ことに相当する。

(l)引用発明の「l 第2操作有効期間の継続時間は第1操作有効期間の継続時間と異ならせた」ことは、本願補正発明の「L 前記第1操作手段の操作有効期間である第1操作有効期間と、前記第2操作手段の操作有効期間である第2操作有効期間とを異なる期間に設定し」たことに相当する。

そうすると、両者は、
「A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 操作有効期間中に前記操作手段が操作された場合に所定演出を実行する所定演出制御手段と、
C 前記操作有効期間における前記操作手段の操作を促す特定演出を実行する特定演出制御手段と、
を備え、
E 前記操作有効期間を、図柄表示手段による図柄変動中における所定期間に設定した
F 遊技機において、
G 前記特定演出は、一回押し態様の第1特定演出を含み、
H 前記図柄変動には、リーチ状態を経由しない通常変動とリーチ状態を経由するリーチ変動とがあり、
I’前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間と、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間とが設定され、
K 前記操作手段は、択一的に操作可能な第1操作手段と第2操作手段とを含み、
L 前記第1操作手段の操作有効期間である第1操作有効期間と、前記第2操作手段の操作有効期間である第2操作有効期間とを異なる期間に設定した
遊技機。」
である点で一致し、以下の相違点で相違する。

(相違点1)
本願補正発明は「D 前記操作有効期間の経過に応じて、有効期間表示部の表示態様を開始表示状態から途中表示状態を経て終了表示状態へと変化させる有効期間表示手段」を備えるのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(相違点2)
「I’前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間と、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間とが設定され」る点について、本願補正発明は「I 前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定され」ているのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(相違点3)
本願補正発明は「J 前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定されて」いるのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(相違点4)
本願補正発明は「M 前記第1操作有効期間と前記第2操作有効期間の前記開始表示状態の表示態様は同一であ」るのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(相違点5)
本願補正発明は「N 前記第1操作有効期間と前記第2操作有効期間とで、前記開始表示状態から前記途中表示状態を経て前記終了表示状態へと変化させる変化速度を異ならせた」のに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(4)判断
以下、相違点について検討する。
(相違点1について)
引用文献2には、
「【0045】…遊技機10」に関して、
「【0205】…操作有効期間メーターTは、表示開始直後から表示値(黒く塗りつぶされた部分)を最大値の状態から最小値(0)になるまで一定の速度で減少させていくことにより、演出ボタン25の操作を演出に反映させることが可能(操作が有効)な期間(以下、操作有効期間と称する)が開始されてからの経過時間(当該期間が終了するまでの残存時間)を可視化して表示するものである。」
と記載されており、相違点1に係る本願補正発明の「D 前記操作有効期間の経過に応じて、有効期間表示部の表示態様を開始表示状態から途中表示状態を経て終了表示状態へと変化させる有効期間表示手段」を開示するものといえる。
そして、引用発明において、操作有効期間中の時間経過を把握し易くするために「誘導報知」の画像に引用文献2に記載された上記技術事項を適用して相違点1に係る本願補正発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。

(相違点2について)
引用発明は、「l 第1操作有効期間の継続時間と第2操作有効期間の継続時間は、予め変動パターン毎に設定され」るのであるから、通常、リーチあり変動パターン(リーチ外れ変動パターンとリーチ大当たり変動パターン)の変動期間がリーチなし変動パターンの変動期間よりも長く設定されることは技術常識であることに鑑みれば、変動パターン毎の変動期間の長さに対応させて、リーチあり変動パターン(リーチ外れ変動パターンとリーチ大当たり変動パターン)のときに設定される操作有効期間の継続時間を、リーチなし外れ変動パターンのときに設定される操作有効期間の継続時間よりも長く設定して相違点2に係る本願補正発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。

(相違点3について)
引用文献3には、
「【0035】図5に示すように…」
「【0036】…操作ボタンイベントパターン番号1は、演出パターン番号1による演出が開始されてから…リーチ発展時又はその直前若しくはリーチ前半に相当する作動タイミングT1=5秒後にボタン操作が有効となり、この有効状態が作動継続期間T2=3秒間継続される。操作ボタンイベントパターン番号2は、演出パターン番号1による演出が開始されてから…リーチ発展後に相当するT1=10秒後にボタン操作が有効となり、この有効状態がT2=5秒間継続される。」
「【0037】…ボタン操作が有効となる時期が遅いほど、有効状態が継続する期間をT2=3秒間、5秒間…と、長めにしている。」
「【0041】…何れかのボタン操作が作動継続期間T2内に有ると…ピストルフィギア7pを回動させて銃口をミニドラム7rに向けると共に…スピーカ51,52から銃弾発射音を出音させ、これを契機にミニドラム7rを回転させ」
「【0042】
ミニドラム7rの回転は、例えば1秒後等の所定時間経過後に停止し…大当たりを確定報知させる「Victory」…外れを確定報知させる「Lost」の何れかを正面に止める」
と記載されており、相違点3に係る本願補正発明の構成である「J 前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定されて」いることを開示するものといえる。
そして、引用発明において、第1操作有効期間及び第2操作有効期間の設定期間の多様性を向上させて遊技の興趣を高めるために引用文献3に記載された上記技術事項を適用して相違点3に係る本願補正発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。

(相違点4について)
(相違点1について)で検討したように、操作有効期間の経過に応じて、有効期間表示部の表示態様を開始表示状態から途中表示状態を経て終了表示状態へと変化させる有効期間表示を行うという引用文献2に記載の技術事項を引用発明に適用する際に、第1操作誘導画像と第2操作誘導画像のいずれに付加する場合も、単純に同様の有効期間表示とすること、すなわち、開始表示状態の表示態様を同一として相違点4に係る本願発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。

(相違点5について)
(相違点1について)及び(相違点4について)で検討したように、引用文献2に記載の技術事項を引用発明に適用する際に、第1操作誘導画像と第2操作誘導画像のいずれに付加する場合も同様の有効期間表示とする場合、引用発明が「第2操作有効期間の継続時間は第1操作有効期間の継続時間と異な」るのであれば、第1操作有効期間と第2操作有効期間とで、開始表示状態から途中表示状態を経て終了表示状態へと変化する変化速度が異なるものとなることは明らかである。
このことは、引用文献2には、操作有効メーターTについて「【0206】…始動記憶の数が多ければ表示値の減少スピードが下がって操作有効期間は長くなり、始動記憶の数が少なければ減少スピードが上がって操作有効期間は短くなる。」と記載され、操作有効期間の長さに応じて変化速度が異なるものとすることができることからも許容されるといえる。
よって、引用発明に引用文献2に記載の技術事項を適用して相違点5に係る本願補正発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。

(効果について)
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明並びに引用文献2及び3に記載された技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

(まとめ)
したがって、本願補正発明は、引用発明並びに引用文献2及び3に記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(請求人の主張について)
請求人は、平成29年12月26日の意見書において、本願発明は、引用文献1?3に開示も示唆もされていない「I 前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定され」、「J 前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定されて」いる構成を具備することにより、リーチ成立後の第1特定演出については、それが遊技者の最も興味のある図柄変動結果を報知するものである場合には、それ以外の場合に比べて操作有効期間を長くすることにより、遊技者の期待感の高まりに応じて、期待感が高いほど遊技者操作を長時間促すことで演出効果をより高めることができるという格別の効果を奏するものであるから、当業者といえども、引用文献1?3に記載の発明に基づいて本願発明に容易に想到し得たものとは解し得ない旨、主張する。
しかしながら、「I 前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定」することは、上記(相違点2について)で記載したように、引用発明は、「l 第1操作有効期間の継続時間と第2操作有効期間の継続時間は、予め変動パターン毎に設定され」るのであるから、通常、リーチあり変動パターン(リーチ外れ変動パターンとリーチ大当たり変動パターン)の変動期間がリーチなし変動パターンの変動期間よりも長く設定されることは技術常識であることに鑑みれば、変動パターン毎の変動期間の長さに対応させて、リーチあり変動パターン(リーチ外れ変動パターンとリーチ大当たり変動パターン)のときに設定される操作有効期間の継続時間を、リーチなし外れ変動パターンのときに設定される操作有効期間の継続時間よりも長く設定することは、当業者が容易になし得るものである。
また、「J 前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定」することは、上記(相違点3について)で記載したように、引用文献3に開示された事項であり、引用発明において、第1操作有効期間及び第2操作有効期間の設定期間の多様性を向上させて遊技の興趣を高めるために引用文献3に記載された上記技術事項を適用して相違点3に係る本願補正発明の構成に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
さらに、リーチ成立後の第1特定演出については、それが遊技者の最も興味のある図柄変動結果を報知するものである場合には、それ以外の場合に比べて操作有効期間を長くすることにより、遊技者の期待感の高まりに応じて、期待感が高いほど遊技者操作を長時間促すことで演出効果をより高めることができるという請求人が主張する効果は、引用発明及び引用文献3に記載の技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
したがって、請求人の主張に理由はなく、これを採用することができない。

3 本件補正についてのむすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年4月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1に記載のとおりのものである。

2 当審の拒絶理由
当審の拒絶の理由は、
1.(省略)
2.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願遡及日前に頒布された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願遡及日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、
というものである。
引用文献1:特開2011-212363号公報
引用文献2:特開2013-13527号公報
引用文献3:特開2007-300999号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし3の記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明の発明特定事項である「前記リーチ変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間」に関して、「前記リーチ変動の最終段階で実行され且つ前記所定演出によって前記図柄変動の結果を報知可能な前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間が、前記リーチ変動中における該リーチ変動の最終段階以外で実行される前記特定演出が前記第1特定演出であった場合の前記操作有効期間よりも長くなるように設定されて」いるという限定事項を削除し、さらに、同発明特定事項である「前記図柄変動には、リーチ状態を経由しない通常変動とリーチ状態を経由するリーチ変動とがあり、前記リーチ変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間が、前記通常変動中に行われる前記第1特定演出の前記操作有効期間よりも長くなるように設定され」る構成について、技術的範囲を実質的に変更しないが明瞭でない記載を含む「前記図柄変動を、少なくとも通常変動とリーチ変動とで構成し、前記リーチ変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間を、前記通常変動中に行われる第1特定演出の操作有効期間よりも長く設定」する構成に変更したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明並びに引用文献2及び3に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明並びに引用文献2及び3に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-01-31 
結審通知日 2018-02-06 
審決日 2018-02-20 
出願番号 特願2015-142954(P2015-142954)
審決分類 P 1 8・ 575- WZ (A63F)
P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河本 明彦  
特許庁審判長 平城 俊雅
特許庁審判官 藤田 年彦
青木 洋平
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人谷藤特許事務所  
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