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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04L
管理番号 1339445
審判番号 不服2017-7407  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-23 
確定日 2018-05-08 
事件の表示 特願2017- 20070「コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 7月27日出願公開,特開2017-130936,請求項の数(4)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,特許法第41条に基づく優先権主張を伴う平成22年5月21日(優先日:平成21年9月9日,特願2009-208687号)の出願である特願2010-117832号の一部を,特許法第44条第1項の規定により,平成25年10月28日に新たな特許出願とした特願2013-222966号の一部を,特許法第44条第1項の規定により,平成27年3月11日に新たな特許出願とした特願2015-048794号の一部を,特許法第44条第1項の規定により,平成28年3月31日に新たな特許出願とした特願2016-072185号の一部を,特許法第44条第1項の規定により,平成29年2月7日に新たな特許出願としたものであって,
出願と同日付けで審査請求がなされ,平成29年2月14日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成29年3月6日付けで意見書が提出されたが,平成29年3月7日付けで審査官により拒絶査定がなされ(謄本送達;平成29年3月14日),これに対して平成29年5月23日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,平成29年6月22日付けで審査官により特許法第164条第3項の規定に基づく報告がなされたものである。

第2.原査定の概要
原審における平成29年3月7日付けの拒絶査定(以下,これを「原査定」という)の概要は,次のとおりである。

請求項1-4に係る発明は,引用文献1-2に記載された発明及び引用文献3-4に記載された周知技術に基づいて,当業者であれば容易になし得たものであるから,依然として,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2005-204094号公報
2.特開2004-180020号公報
3.特開2007-164299号公報(周知技術を示す文献)
4.特開2003-186778号公報(周知技術を示す文献)

第3.補正の適否
1.補正事項
平成29年5月23日付けの手続補正(以下,これを「審判請求時補正」という)は,出願時の請求項1?請求項4に記載の「所定の台数」を,「所定台数」と補正し(以下,これを「補正事項1」という),
出願時の請求項1,及び,請求項3に記載の「リモート・アクセスでコンテンツを利用する装置」を,「リモートアクセスで放送コンテンツを利用可能な装置」と補正し(以下,これを「補正事項2」という),
同請求項1,及び,請求項3に記載の「リモート・アクセスでコンテンツの利用をするとき」を,「リモート・アクセスで放送コンテンツの利用を要求するとき」と補正し(以下,これを「補正事項3」という),
同請求項1,及び,請求項3に記載の「第2の相互認証手続きを介して」を,「第2の相互認証手続きにおいて」と補正し(以下,これを「補正事項4」という),
同請求項1,及び,請求項3に記載の「第2の所定台数のコンテンツ利用装置」を,「第2の所定台数までのコンテンツ利用装置」と補正し(以下,これを「補正事項5」という),
同請求項1,及び,請求項3に記載の「コンテンツの利用を行うための交換鍵」を,「リモートアクセス用の交換鍵」と補正し(以下,これを「補正事項6」という),
同請求項1,及び,請求項3に記載の「暗号化したコンテンツを送信する手段」を,「暗号化した放送コンテンツを送信する手段」と補正するものである(以下,これを「補正事項7」という)。

2.補正事項の適否の判断
補正事項6は,願書に最初に添付された明細書(以下,これを「当初明細書」という)の段落【0053】に基づくものであって,補正事項1?補正事項5,及び,補正事項7は,請求項1,及び,請求項3における記載の整合性を図るものであることは,明らかであるから,補正事項1?補正事項7は,当初明細書の記載の範囲内でなされたものであり,特許法第17条の2第3項の規定を満たすものである。
そして,補正事項6は,特許請求の範囲の減縮を目的としたものであるから,審判請求時補正は,全体として,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって,特許法第17条の2第5項の規定を満たすものである。
そして,以下,「第4 本願発明」から「相違点についての当審の判断」までに示すように,審判請求時補正後の請求項1?同請求項4に係る発明は,独立特許要件を満たすものである。

第4.本願発明
本願の請求項1?本願の請求項4に係る発明(以下,これを「本願発明1」?「本願発明4」という)は,審判請求時補正により補正された請求項1?請求項4に記載された次の事項により特定されるものである。

「 【請求項1】
インターネット経由でリモート・アクセスによる放送コンテンツの利用を可能にするコンテンツ提供装置であって,
放送コンテンツを受信する手段と,
事前に屋内で,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課した第1の相互認証手続きを経て第1の所定台数までのコンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録する手段と,
前記登録されたコンテンツ利用装置がリモート・アクセスで放送コンテンツの利用を要求するとき,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課さない第2の相互認証手続きにおいて,前記登録されたコンテンツ利用装置のうち第2の所定台数までのコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信し,前記交換鍵を送信したコンテンツ利用装置に前記交換鍵から生成されるコンテンツ鍵を用いて暗号化した放送コンテンツを送信する手段と,
を有し,
前記第1の所定台数は2以上であり,前記第2の所定台数は前記第1の所定台数より少ない,
コンテンツ提供装置。
【請求項2】
前記第2の所定台数は1である,請求項1に記載のコンテンツ提供装置。
【請求項3】
インターネット経由でリモート・アクセスにより要求された放送コンテンツを提供するコンテンツ提供方法において,
放送コンテンツを受信し,
事前に屋内で,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課した第1の相互認証手続きを経て第1の所定台数までのコンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録し,
前記登録されたコンテンツ利用装置がリモート・アクセスで放送コンテンツの利用を要求するとき,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課さない第2の相互認証手続きに
いて,前記登録されたコンテンツ利用装置のうち第2の所定台数までのコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信し,前記交換鍵を送信したコンテンツ利用装置に前記交換鍵から生成されるコンテンツ鍵を用いて暗号化した放送コンテンツを送信し,
前記第1の所定台数は2以上であり,前記第2の所定台数は前記第1の所定台数より少ない,
コンテンツ提供方法。
【請求項4】
前記第2の所定台数は1である,請求項1に記載のコンテンツ提供方法。」

第5.引用文献に記載の事項,及び,発明
1.引用文献に記載の事項
(1)原審における平成29年2月14日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という)に引用された,本願の原出願の優先日前に既に公知である,特開2005-204094号公報(平成17年7月28日公開,以下,これを「引用文献1」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

A.「【0002】
パーソナルコンピュータ(以下PCと記す)の演算速度や記憶容量など処理能力の発展に伴い,PCに内蔵されるハードディスクドライブ(以下HDDと記す)も大容量化が進んでいる。こうした状況のもとで最近では一般の家庭で利用されるようなランクのPCにおいてもHDDを利用してTV放送番組を録画し,これをPCのディスプレイで視聴を行うといった使い方ができるようになってきた。またその一方では大容量HDDの低価格化により,家庭用の録画装置としてもHDDを内蔵してこれに映像音声情報をデジタル記録するようなHDD録画装置が登場してきており,ディスクを録画媒体として使うことに拠る使い勝手の良さが着目されている。
・・・(中略)・・・
【0004】
そこで,このような録画装置に有線あるいは無線LAN(Local Area Network)のインターフェースを搭載して,ネットワークを介して他のPCあるいは受信装置に送信することにより,宅内のどこでも録画された映像音声情報を視聴できるようにすることが考えられている。
一方コンテンツ等の情報の著作権保護のため,デジタルAV機器に取り入れられているコピープロテクトの方法の一例として例えばIEEE1394バス上でのコピープロテクト方法を定めたDigital Transmission Content Protection(DTCP)方式がある(非特許文献1に記載)。
そして,装置間,あるいはネットワーク間での著作権保護のためのコピープロテクトを実現するための技術がいくつか開示されている。例えば特許文献1,特許文献2に開示されている。」

B.「【0024】
以上のことから,コンテンツ送信装置100は,コンテンツ受信装置200を認証する時に,上記機器情報登録手段108に登録されている機器情報を元に,登録されたコンテンツ受信装置200を特定することが可能となる。
ここで,装置固有情報として,ネットワークを介して接続されるコンテンツ送信装置とコンテンツ受信装置との間のコンテンツ伝送にコピープロテクト方法を定めたDTCPを用いた時,お互いを認証する際に使用する公開鍵を例にとって説明しているが,特に公開鍵に限定されるものではなく,装置を特定可能なユニークな情報を登録するようにする。
また本実施の形態では,コンテンツ送信装置100がコンテンツ受信装置200の機器情報を登録する方法について述べたが,コンテンツ受信装置200がコンテンツ送信装置100を登録する方法についても上記説明通りである。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。」

C.「【0026】
始めにコンテンツ受信装置200側から認証要求を作成する。認証要求には前記した装置固有の公開鍵と,該公開鍵に対する証書を付してコンテンツ送信装置100に送る。認証要求を受け取りその受信確認をコンテンツ受信装置200に送ると,コンテンツ送信装置100は自分の側からの認証要求を作成し,コンテンツ受信装置の場合と同様に認証機関が発行したコンテンツ送信装置100の固有の公開鍵とその証書を付してコンテンツ受信装置200に送り,タイマー回路107をスタートさせ,認証要求に対する受信確認がコンテンツ受信装置200から受信されるまでの時間T1を測定する。
【0027】
タイマー回路107での計測値が所定の値(T)を超えない場合,すなわちT1<Tである時,コンテンツ受信装置200は個人的利用の範囲内に存在する装置であることを認証(以下,時間認証と呼ぶ)する。この時,上記コンテンツ受信装置200側から認証要求をコンテンツ送信装置100へ送信する時,タイマー回路207をスタートさせ,コンテンツ送信装置100からの受信確認が受信されるまでの時間T2を測定することで,時間認証を行うことも可能である。
【0028】
以上のようにして相互に認証に成功すると互いに共通の認証鍵が生成されて共有される。上記認証鍵の生成には周知の鍵交換アルゴリズムを利用すればよい。認証鍵の共有が完了するとコンテンツ送信装置100は交換鍵と乱数を生成し,交換鍵と乱数をそれぞれ認証鍵により暗号化してコンテンツ受信装置200に送る。なお,図5では交換鍵と乱数を別々にコンテンツ送信装置100からコンテンツ受信装置200に送信しているがこれらをまとめて送るようにしてもよい。
【0029】
コンテンツ受信装置200では認証鍵を用いてコンテンツ送信装置100から送信された交換鍵を復号し,同様に受信して復号した乱数と共に保有する。続いてコンテンツ送信装置100およびコンテンツ受信装置200各々の側で交換鍵と乱数を用いて予め定められた計算アルゴリズムに従い共通鍵を生成する。このようにして得た共通鍵によってコンテンツ送信装置100からコンテンツを暗号化して送信し,コンテンツ受信装置200では復号化されたコンテンツを受信することができるようになる。
【0030】
コンテンツ送信装置100とコンテンツ受信装置200間で認証が成功した場合,コンテンツ受信装置200はコンテンツ送信装置100へ向けてコンテンツ送信要求が送られ,これをきっかけに暗号化されたコンテンツの送信を行うようにする。必要なコンテンツの送信が完了したらコンテンツ送信装置100は認証鍵,交換鍵,コンテンツの暗号化と復号化に必要な共通鍵を破棄する。コンテンツ受信装置200においても上記同様に認証鍵,交換鍵,共通鍵を破棄し,再度コンテンツの受信を行おうとする際には新たに認証要求から行えば良いが,本発明の実施の形態ではコンテンツ受信装置200が時間認証された時,前記したようにコンテンツ送信装置100の機器情報登録回路108にコンテンツ受信装置200のアドレス情報と装置固有の機器情報が登録される。
これにより,コンテンツ送信装置100の機器情報登録回路108に登録されたコンテンツ受信装置200に対して,コンテンツ送信装置100とコンテンツ受信装置200は上記共通鍵を破棄せずに保持することで,再度コンテンツの受信を行う際,新たに認証要求から行う必要はない。
・・・(中略)・・・
【0033】
以上のことから本発明の第2の実施の形態において,コンテンツ送信装置は一度時間認証されたコンテンツ受信装置のアドレス情報と装置固有の機器情報をコンテンツ送信装置が登録し,再度コンテンツの受信を行う際,コンテンツ受信装置の時間認証を行うことなく,暗号化されたコンテンツを送信することができ,コンテンツの受信毎に行っていた時間認証を省略することができる。」

D.「【0034】
以下本発明の実施例3について説明する。
また,本発明の実施例3によると,例えば携帯端末によりインターネットを介してコンテンツ送信装置100からコンテンツ視聴も可能となる。
図7はインターネットを介したコンテンツ視聴時の構成図である。200cはコンテンツ送信装置が一度時間認証した携帯用コンテンツ受信装置である。本来なら,インターネットに接続された携帯用コンテンツ受信装置200cはコンテンツ送信装置100との時間認証でT1>Tとなり認証されず,コンテンツ送信装置100から送信されるコンテンツを受信できないが,本発明によると,コンテンツ送信装置100は携帯用コンテンツ受信装置200cを一度時間認証し,携帯用コンテンツ受信装置200cのアドレス情報と装置固有の公開鍵を機器情報登録手段108に登録する。
【0035】
これにより,時間認証でT1>Tとなる所でも機器情報登録手段108に登録されている携帯用コンテンツ受信装置200cは時間認証を行わなくてもコンテンツ送信装置100から送信されるコンテンツを受信することができる。また,コンテンツ送信装置100から送信されるコンテンツを受信し視聴できるのは,機器情報登録手段108に登録されている装置のみとなるので,コンテンツの不正な複製を防止するコピープロテクションを実施することができ,しかもコンテンツの正当な視聴や複製の作成が個人的利用の範囲に制限することができる。」

E.「【0041】
図10は,本発明の実施の形態において,例えばPDA(Personal Digital Assistance)を用いた例について示した図である。(a)は,PDA(800)とコンテンツ送信装置100,500との認証時の接続を示しており,(b)は上記認証されたPDA(800)を用いて,宅外から宅内のコンテンツ送信装置100,500のコンテンツを視聴する時の図を示したものである。800は,コンテンツ送信装置100,500から配信されるコンテンツを視聴することができるPDAを,900は宅内においてコンテンツ送信装置100,500が配信するコンテンツを視聴できるディスプレイであり,例えばプラズマディスプレイや液晶ディスプレイである。
【0042】
例えば,購入してきたPDA(800)を宅内で接続し,時間認証をコンテンツ送信装置100とコンテンツ送信装置500との間で行い,夫々のコンテンツ送信装置100,500で認証された場合,コンテンツ送信装置100,500はPDA(800)のアドレス情報と上記時間認証時に使用する機器固有情報である共通鍵を登録し機器を管理することで,従来宅外のPDA(800)は時間認証により宅内のコンテンツ受信装置100,500から配信されるコンテンツの受信を許可されないが,本発明により一度コンテンツ送信装置100,500で時間認証を受け機器情報を登録されているので宅内のコンテンツ送信装置100,500から配信されるコンテンツを視聴することが出来るようになる。」
(下線は,当審にて説明の都合上,附加したものである。以下,同じ。)

(2)原審拒絶理由に引用された,本願の原出願の優先日前に既に公知である,特開2004-180020号公報(平成16年6月24日公開,以下,これを「引用文献2」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

F.「【要約】
【課題】宅内ネットワーク間で送受信される情報を,著作権保護を図りつつ,宅外ネットワーク間でも送受信を行う。
【解決手段】本発明に係る通信システムは,ユーザ宅1内に設置された送信装置2,ホームネットワーク3及び宅外DTCPブリッジ4と,ユーザ宅1にインターネット5を介して接続される宅外の受信装置6とを備えている。宅外DTCPブリッジ4は,宅内ネットワークI/F部11と,DTCP関連パケットフィルタ12,13と,DTCP処理部14と,ホームルータ及びファイアウォール部15と,宅外ネットワークI/F部16とを有する。ユーザ宅1内の宅外DTCPブリッジ4に宅外デバイス登録テーブル25を設け,このテーブルに予め登録された受信装置6のみにユーザ宅1内からのコンテンツ送信を許可するため,著作権保護を図る必要のあるコンテンツの不正コピーや不正取得を防止しつつ,正規のユーザに対して宅外でもコンテンツを利用できる機会を与えることができる。」

G.「【0019】
DTCP処理部14は,DTCPブリッジ処理部21と,自動構成認識及び家電制御用Webサーバ処理部22と,宅内側DTCP AKE処理部23と,宅外側DTCP AKE処理部24と,宅外デバイス登録テーブル25と,ユーザ認証登録テーブル26とを有する。」

H.「【0021】
宅内側DTCP AKE処理部23は,宅内側のDTCP認証・鍵交換処理を行う。ここで,AKEとは,Authentication and key exchangeの略である。DTCP認証鍵交換は,例えばIPパケット上の特定のポート番号(DTCP-AKEに割り当てられたポート番号)で示されるパケット,あるいは無線LANやイーサネット上のDTCP専用のフレーム,あるいはIEEE1394のAV/Cパケットのセキュリティコマンド等を使って行われる。宅内にて行われる認証・鍵交換は,これが成立する範囲を家庭内に限定するために,例えばTTL(Time To Live)の値を1にする,IPアドレスとしてリンクローカルアドレスを使う(特開2001-285284号公報参照),伝送パケットにIPパケットの代わりにイーサネットフレームを使う,または,パケットが届くまでのタイムアウト時間を制限する(特願2002-19135号参照)等の工夫が施されていてもよい。」

I.「【0022】
宅外側DTCP AKE処理部24は,宅外側のDTCP認証・鍵交換処理を行う。宅外のDTCP認証鍵交換は,例えばIPパケット上の特定のポート番号で示されるパケット,あるいは,HTMLの特定のラベル(例えばX-DTCP)を使ってDTCPパケットであることを示した上でHTTPを使ってやり取りされる。HTTPを使って送受すると,認証鍵交換の経路途中にプロキシサーバやネットワークアドレス変換装置(NAT)が存在していても,通信を継続できる場合がある,という利点がある。宅外のDTCP認証鍵交換は,通信相手となる装置(本実施形態の場合は受信装置6)が,DTCPブリッジからどれだけ離れた場所に位置しているかわからないため,例えばTTLの値等に制限を設ける必要はないし,グローバルIPアドレスで通信が成立していてもよい。」

J.「【0023】
DTCPには,シンクリミテーションなる仕組みが定義されている。即ち,同時に通信できる装置の数(あるいは,同一AVストリームを同時にやり取りできる装置の数)を,一定以下の数に制限する仕組みである。シンクリミテーションの仕組みを導入しない場合,事実上無制限の数の装置が同一ネットワーク上に接続されて,1本のAVストリームから,大量の接続装置へのAVデータのコピーが行われ,コピーコンテンツが大量に生成されてしまうため,このような不具合を未然に防止するためにシンクリミテーションが導入される。
【0024】
本実施形態の宅外DTCPブリッジ4は,シンクリミテーションの仕組みを更に強化し,以下の(1)乃至(4)の特徴を持つ。なお,(1)乃至(4)の一部だけを実現してもよい。
【0025】
(1)宅外側からアクセスされるデバイス(例えば,受信装置6)を予め宅外デバイス登録テーブル25に登録しておき,この登録テーブルに登録されたデバイス以外からの通信(認証鍵交換の申し込み)を拒否する。
【0026】
(2)宅外デバイス登録テーブル25に登録できるデバイス数を一定以下(例えば16台)に制限する(つまり,テーブルの大きさに上限がある)。
・・・(中略)・・・
【0028】
(4)宅外デバイステーブルへの登録は,宅内からのみ行えるようにする。」

K.「【0052】
第2の登録手順は,ホームネットワーク3に受信装置6を接続し(ステップS11),宅外DTCPブリッジ4を登録モードに変更した上で(ステップS12),宅外DTCPブリッジ4と受信装置6間でDTCP認証鍵交換を実行させて(ステップS13),その結果(受信装置6のDTCPデバイスIDと固有ID)を宅外DTCPブリッジ4が,宅外デバイス登録テーブル25に記憶するものである(ステップS14)。なお,受信装置がDTCPデバイスIDを2つ以上持っている場合には,宅外通信用に用いるDTCPデバイスIDを,宅外デバイス登録テーブル25に記憶するようにする。」

(3)原審拒絶理由に引用された,本願の原出願の優先日前に既に公知である,特開2007-164299号公報(平成19年6月28日公開,以下,これを「引用文献3」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

L.「【0021】
センタ装置1は,図3に示すようにインターネットを介して各ゲートウェイ装置GWn(インターネット接続装置4)並びに端末装置2との間でデータ通信を行う通信部10と,同時に通信可能であるゲートウェイ装置GWnの上限台数を決定する上限台数決定部11と・・・(中略)・・・とを備えている。
・・・(中略)・・・
【0022】
上限台数決定部11は,予めセンタ装置1に登録されているゲートウェイ装置GWnの登録台数に応じて上限台数を決定するものであって,例えば,登録台数が3台であれば上限台数は1台,登録台数が10であれば上限台数は3台,登録台数が50台であれば上限台数は12台というように決定する。あるいは,センタ装置1が同時に通信可能である単位時間当たりの通信数(通信容量)に応じて上限台数を決定してもよく,例えば,前記通信数が1時間当たり3であれば上限台数は1台,通信数が1時間当たり10であれば上限台数は3台,通信数が1時間当たり50であれば上限台数は12台というように決定する。」

(4)原審拒絶理由に引用された,本願の原出願の優先日前に既に公知である,2003-186778号公報(平成15年7月4日公開,以下,これを「引用文献4」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

M.「【0018】配信サーバDS2,DS3は,それぞれにデフォルト(配信元)として設定されているクライアント端末からコンテンツ配信要求がある場合,コンテンツの配信を開始する。図1の場合,配信サーバDS2には,クライアント21とクライアント22がデフォルトとして設定され,配信サーバDS3には,クライアント31とクライアント32とがデフォルトとして設定されている。
【0019】配信サーバDS2,DS3は,コンテンツの配信を同時に行えるクライアント数に制限(同時送信限界値〈台数〉)があるため,夫々にデフォルトとして設定されている全てのクライアントに対し,同時に複数からコンテンツ配信要求があった場合には,配信を行えない可能性がある。このため,各配信サーバDS2,DS3は,コンテンツ配信中であるクライアントのリストAと,同時送信限界値のために送信できないクライアントのリストBと,を持っている。」

2.引用文献に記載の発明
(1)引用文献1に記載の発明
ア.上記Dの「本発明の実施例3によると,例えば携帯端末によりインターネットを介してコンテンツ送信装置100からコンテンツ視聴も可能となる」という記載,及び,同じく,上記Dの「図7はインターネットを介したコンテンツ視聴時の構成図である。200cはコンテンツ送信装置が一度時間認証した携帯用コンテンツ受信装置である」という記載から,引用文献1には,
“携帯用コンテンツ受信装置によりインターネットを介してコンテンツ送信装置からコンテンツ視聴を可能とする,コンテンツ視聴システム”
が記載されていることが読み取れる。

イ.上記Aの「こうした状況のもとで最近では一般の家庭で利用されるようなランクのPCにおいてもHDDを利用してTV放送番組を録画し,これをPCのディスプレイで視聴を行うといった使い方ができるようになってきた」という記載,及び,同じく,上記Aの「このような録画装置に有線あるいは無線LAN(Local Area Network)のインターフェースを搭載して,ネットワークを介して他のPCあるいは受信装置に送信することにより,宅内のどこでも録画された映像音声情報を視聴できるようにすることが考えられている」という記載と,上記ア.において検討した事項から,引用文献1においては,
“コンテンツ送信装置”は,“TV放送番組を受信し録画する手段”を有するものを含むことが読み取れる。

ウ.上記Bの「コンテンツ送信装置100がコンテンツ受信装置200の機器情報を登録する方法」という記載,上記Cの「始めにコンテンツ受信装置200側から認証要求を作成する。認証要求には前記した装置固有の公開鍵と,該公開鍵に対する証書を付してコンテンツ送信装置100に送る。認証要求を受け取りその受信確認をコンテンツ受信装置200に送ると,コンテンツ送信装置100は自分の側からの認証要求を作成し,コンテンツ受信装置の場合と同様に認証機関が発行したコンテンツ送信装置100の固有の公開鍵とその証書を付してコンテンツ受信装置200に送り,タイマー回路107をスタートさせ,認証要求に対する受信確認がコンテンツ受信装置200から受信されるまでの時間T1を測定する」という記載,同じく,上記Cの「タイマー回路107での計測値が所定の値(T)を超えない場合,すなわちT1<Tである時,コンテンツ受信装置200は個人的利用の範囲内に存在する装置であることを認証(以下,時間認証と呼ぶ)する」という記載,及び,上記Dの「コンテンツ送信装置100は携帯用コンテンツ受信装置200cを一度時間認証し,携帯用コンテンツ受信装置200cのアドレス情報と装置固有の公開鍵を機器情報登録手段108に登録する」という記載と,上記Cの記載から,引用文献1においては,「個人的利用の範囲内」が,「宅内」を含むものであるといえ,上記Dに記載の「一度」とは,“携帯用コンテンツ受信装置からのコンテンツ送信要求前”であることも明らかであることから,上記ア.において検討した事項と併せて,引用文献1においては,
“コンテンツ送信装置”は,“携帯用コンテンツ受信装置からのコンテンツ送信要求前に,認証要求に対する受信確認が携帯用コンテンツ受信装置から受信されるまでの時間Tを測定し,測定値T1が,所定の値(T)に対して,T1<Tである時,携帯用コンテンツ受信装置は宅内に存在する装置あることを認証する時間認証を行い,前記携帯用コンテンツ受信装置のアドレス情報と装置固有の公開鍵を登録する機器情報登録手段”を有するものであることが読み取れる。

エ.上記Cの「交換鍵と乱数をそれぞれ認証鍵により暗号化してコンテンツ受信装置200に送る。なお,図5では交換鍵と乱数を別々にコンテンツ送信装置100からコンテンツ受信装置200に送信しているがこれらをまとめて送るようにしてもよい」という記載,同じく,上記Cの「コンテンツ送信装置100とコンテンツ受信装置200間で認証が成功した場合,コンテンツ受信装置200はコンテンツ送信装置100へ向けてコンテンツ送信要求が送られ,これをきっかけに暗号化されたコンテンツの送信を行うようにする」,同じく,上記Cの「コンテンツ送信装置は一度時間認証されたコンテンツ受信装置のアドレス情報と装置固有の機器情報をコンテンツ送信装置が登録し,再度コンテンツの受信を行う際,コンテンツ受信装置の時間認証を行うことなく,暗号化されたコンテンツを送信する」という記載,上記Eの「(a)は,PDA(800)とコンテンツ送信装置100,500との認証時の接続を示しており,(b)は上記認証されたPDA(800)を用いて,宅外から宅内のコンテンツ送信装置100,500のコンテンツを視聴する時の図を示したものである。800は,コンテンツ送信装置100,500から配信されるコンテンツを視聴することができるPDA」という記載,及び,同じく,上記Eの「宅外のPDA(800)は時間認証により宅内のコンテンツ受信装置100,500から配信されるコンテンツの受信を許可されないが,本発明により一度コンテンツ送信装置100,500で時間認証を受け機器情報を登録されているので宅内のコンテンツ送信装置100,500から配信されるコンテンツを視聴することが出来るようになる」という記載と,上記ア.?上記ウ.において検討した事項から,引用文献1においては,
“時間認証に成功すると,コンテンツ送信装置は,携帯用コンテンツ受信装置に,交換鍵と乱数を送信し,
コンテンツ送信装置に登録されている携帯用コンテンツ受信装置から,宅外からコンテンツの送信要求が送られたとき,暗号化された放送コンテンツを送信する”ものであることが読み取れる。

オ.上記ウ.においても言及したが,上記エ.に検討した事項を併せると,引用文献1において,「個人的利用の範囲内」が,「宅内」を含むものであることは明らかであって,上記ウ.において言及したとおり,「一度」とは,“コンテンツ送信要求前”であることも明らかであるから,上記イ.?エ.において検討した事項と,上記Cの「コンテンツ受信装置200では認証鍵を用いてコンテンツ送信装置100から送信された交換鍵を復号し,同様に受信して復号した乱数と共に保有する。続いてコンテンツ送信装置100およびコンテンツ受信装置200各々の側で交換鍵と乱数を用いて予め定められた計算アルゴリズムに従い共通鍵を生成する。このようにして得た共通鍵によってコンテンツ送信装置100からコンテンツを暗号化して送信し,コンテンツ受信装置200では復号化されたコンテンツを受信することができるようになる」という記載から,引用文献1においては,
“携帯用コンテンツ受信装置は,
時間認証を経て,コンテンツ送信装置に,コンテンツ送信要求前に,屋内で装置登録を行い,
コンテンツ送信装置から,交換鍵と乱数を受信し,
屋外からインターネットを介して,コンテンツ送信装置から,暗号化された放送コンテンツを受信し,
受信した,暗号化された放送コンテンツを,交換鍵と乱数を用いて予め定められた計算アルゴリズムに従って生成した共通鍵を用いて復号化する”ものであることが読み取れる。

カ.以上,上記ア.?オ.において検討した事項から,引用文献1には,次の発明(以下,これを「引用発明1」という)が記載されているものと認める。

「携帯用コンテンツ受信装置によりインターネットを介してコンテンツ送信装置からコンテンツ視聴を可能とする,コンテンツ視聴システムであって,
コンテンツ送信装置は,
TV放送番組である放送コンテンツを受信する手段と,
携帯用コンテンツ受信装置からのコンテンツ送信要求前に,認証要求に対する受信確認が前記携帯用コンテンツ受信装置から受信されるまでの時間Tを測定し,測定値T1が,所定の値(T)に対して,T1<Tである時,前記携帯用コンテンツ受信装置は宅内に存在する装置あることを認証する時間認証を行い,前記携帯用コンテンツ受信装置のアドレス情報と装置固有の公開鍵を登録する機器情報登録手段を有し,
時間認証に成功すると,コンテンツ送信装置は,携帯用コンテンツ受信装置に,交換鍵と乱数を送信し,
前記コンテンツ送信装置に登録されている携帯用コンテンツ受信装置から,宅外からコンテンツの送信要求が送られたとき,暗号化された放送コンテンツを送信し,
携帯用コンテンツ受信装置は,
時間認証を経て,コンテンツ送信装置に,コンテンツ送信要求前に,屋内で装置登録を行い,
コンテンツ送信装置から,交換鍵と乱数を受信し,
屋外からインターネットを介して,コンテンツ送信装置から,暗号化された放送コンテンツを受信し,
受信した,暗号化された放送コンテンツを,交換鍵と乱数を用いて予め定められた計算アルゴリズムに従って生成した共通鍵を用いて復号化する,コンテンツ視聴システム。」

(2)引用文献2に記載の発明
上記「1.引用文献に記載の事項」の(2)において,F?Kに引用した,引用文献2の記載内容にうち,特に,下線を附した記載内容から,引用文献2には,次の発明(以下,これを「引用発明2」という)が記載されているものと認める。

「送信装置から受信装置にコンテンツを送信する通信システムであって,
家庭内に限定した相互認証が成立した受信装置のみを予めデバイス登録テーブルに登録しておき,登録できるデバイス数は一定以下に制限され,
TTLの値等に制限を設けない相互認証が成立し,デバイス登録テーブルに登録された受信装置からのみ,宅外の受信装置からの通信を許可する通信システム」

第6.本願発明と引用発明との対比・判断
1.本願発明1と引用発明1との対比
(1)引用発明1における「携帯用コンテンツ受信装置」,「コンテンツ送信装置」が,それぞれ,本願発明1における「コンテンツ利用装置」,「コンテンツ提供装置」に相当し,引用発明において,「コンテンツ送信装置」は,「携帯用コンテンツ受信装置」が,「インターネットを介して」,「コンテンツ視聴を可能とする」ものであることは,明らかであるから,
引用発明1における「携帯用コンテンツ受信装置によりインターネットを介してコンテンツ送信装置からコンテンツ視聴を可能とする」が,
本願発明1における「インターネット経由でリモート・アクセスによる放送コンテンツの利用を可能にするコンテンツ提供装置」に相当する。

(2)引用発明1における「TV放送番組である放送コンテンツを受信する手段」が,
本願発明1における「放送コンテンツを受信する手段」に相当する。

(3)引用発明1において,「認証要求に対する受信確認が前記携帯用コンテンツ受信装置から受信されるまでの時間Tを測定し,測定値T1が,所定の値(T)に対して,T1<Tである時,前記携帯用コンテンツ受信装置は宅内に存在する装置あることを認証する」ことは,「携帯用コンテンツ受信装置」と,「コンテンツ送信装置」との間の「認証要求」の送受信における「遅延時間」を測定することに他ならず,
引用発明1における「携帯用コンテンツ受信装置からのコンテンツ送信要求前」が,
本願発明1における「事前」に,相当するものであるから,
引用発明1における「携帯用コンテンツ受信装置からのコンテンツ送信要求前に,認証要求に対する受信確認が前記携帯用コンテンツ受信装置から受信されるまでの時間Tを測定し,測定値T1が,所定の値(T)に対して,T1<Tである時,前記携帯用コンテンツ受信装置は宅内に存在する装置あることを認証する時間認証を行い,前記携帯用コンテンツ受信装置のアドレス情報と装置固有の公開鍵を登録する機器情報登録手段」と,
本願発明1における「事前に屋内で,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課した第1の相互認証手続きを経て第1の所定台数までのコンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録する手段」とは,
“事前に屋内で,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課した第1の相互認証手続きを経て,コンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録する手段”点で共通する。

(4)引用発明1において,「交換鍵」と「乱数」は,「コンテンツ送信装置」と,「携帯用コンテンツ受信装置」において,「放送コンテンツ」を「暗号化」,「復号化」するために用いる「共通鍵」を生成するために用いられるものであるから,
引用発明1における「交換鍵」,「共通鍵」が,それぞれ,本願発明1における「交換鍵」,「コンテンツ鍵」に相当し,
引用発明においては,「携帯用コンテンツ受信装置」が,「放送コンテンツ」を要求するときは,「時間認証」は行わず,当該「携帯用コンテンツ受信装置」が,「コンテンツ送信装置」に「登録」されていれば,「コンテンツ送信装置」から,「携帯用コンテンツ受信装置」に,「暗号化された放送コンテンツ」が送信されるので,
引用発明1における「時間認証に成功すると,コンテンツ送信装置は,携帯用コンテンツ受信装置に,交換鍵と乱数を送信し」と,
本願発明1における「登録されたコンテンツ利用装置がリモート・アクセスで放送コンテンツの利用を要求するとき,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課さない第2の相互認証手続きにおいて,前記登録されたコンテンツ利用装置のうち第2の所定台数までのコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信し」とは,
“登録されたコンテンツ利用装置がリモート・アクセスで放送コンテンツの利用を要求するとき,前記登録されたコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信”する点で共通し,
引用発明1における「コンテンツ送信装置に登録されている携帯用コンテンツ受信装置から,宅外からコンテンツの送信要求が送られたとき,暗号化された放送コンテンツを送信し」が,
本願発明1における「交換鍵を送信したコンテンツ利用装置に前記交換鍵から生成されるコンテンツ鍵を用いて暗号化した放送コンテンツを送信する手段」に相当する。

(5)以上(1)?(4)において検討した事項から,本願発明1と,引用発明1との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
インターネット経由でリモート・アクセスによる放送コンテンツの利用を可能にするコンテンツ提供装置であって,
放送コンテンツを受信する手段と,
事前に屋内で,コマンドの往復遅延時間に関する制限を課した第1の相互認証手続きを経て,コンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録する手段と,
前記登録されたコンテンツ利用装置がリモート・アクセスで放送コンテンツの利用を要求するとき,前記登録されたコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信し,交換鍵を送信したコンテンツ利用装置に前記交換鍵から生成されるコンテンツ鍵を用いて暗号化した放送コンテンツを送信する手段と,
を有する,コンテンツ提供装置。

[相違点1]
“コンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録する手段”に関して,
本願発明1においては,「第1の所定台数までのコンテンツ利用装置をリモート・アクセスで放送コンテンツを利用可能な装置として登録する手段」であるのに対して,
引用発明1においては,「第1の所定台数」に関しては,言及されていない点。

[相違点2]
“登録されたコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信”に関して,
本願発明1においては,「コマンドの往復遅延時間に関する制限を課さない第2の相互認証手続きにおいて,前記登録されたコンテンツ利用装置のうち第2の所定台数までのコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信」するものであるのに対して,
引用発明1には,「放送コンテンツ送信要求」時には,「時間認証」を行わない点は言及されているが,「コマンドの往復遅延時間に関する制限を課さない第2の相互認証手続き」を行う点については,特に言及されておらず,「登録されたコンテンツ利用装置のうち第2の所定台数までのコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信」する点についても,言及がない点。

2.相違点についての当審の判断
(1)[相違点2]について
引用発明2は,“予めデバイス登録テーブルに,一定以下に制限されたデバイス数のデバイスを登録する”こと,及び,“登録された受信装置のみ,宅外からの通信を許可する”点については言及されているが,当該「一定以下に制限されたデバイス数」は,本願発明1における「第1の所定台数」に相当するものであり,引用発明2には,「第1の所定の台数」の「コンテンツ利用装置」に対して,それより数の少ない「第2の所定台数」に「リモート・アクセス用の交換鍵」を送信する構成に相当する構成については,言及されていない。
引用文献3の上記Lに引用した記載内容においては,“通信可能のゲートウェイの上限台数を登録台数より少ない台数に決定する”ことが述べられているが,引用文献3に記載の技術は,引用発明1,及び,引用発明2と技術分野が異なり,また,登録台数に制限が設けられているか否かについての言及もない。
したがって,引用発明2,及び,引用文献3に記載の発明から,“第1の所定台数より少ない,第2の所定台数のコンテンツ利用装置に対しリモート・アクセス用の交換鍵を送信する”という構成を導き出すことが,容易であるとはいえない。
また,引用文献4の上記Mに引用した記載内容を見ても,上記指摘の本願発明1の構成を,当業者が容易に想到し得たとはいえない。
したがって,上記その他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明1,引用発明2,及び,引用文献3,引用文献4に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明2?本願発明4について
本願発明2は,本願発明1を引用するものであるから,上記指摘の[相違点2]に係る構成を内包し,
本願発明3は,カテゴリが相違するものの,本願発明1と,同等の構成を有するものであるから,上記指摘の[相違点2]に係る構成を有し,
本願発明4は,本願発明3を引用するものであるから,上記指摘の[相違点2]に係る構成を内包している。
したがって,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用発明2,及び,引用文献3,引用文献4に記載された発明に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7.原査定について
審判請求時の補正により,本願発明1?本願発明4は上記指摘の[相違点2]に係る構成を有するものとなっており,当業者であっても,拒絶査定において引用された引用文献1?引用文献4に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。

第8.むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-04-19 
出願番号 特願2017-20070(P2017-20070)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 青木 重徳  
特許庁審判長 高木 進
特許庁審判官 石井 茂和
山崎 慎一
発明の名称 コンテンツ提供装置及びコンテンツ提供方法  
代理人 宮田 正昭  
代理人 特許業務法人大同特許事務所  
代理人 佐々木 榮二  
代理人 山田 英治  
代理人 澤田 俊夫  
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