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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1339765
審判番号 不服2017-10550  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-14 
確定日 2018-04-26 
事件の表示 特願2015- 70719「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年11月10日出願公開、特開2016-189862〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年3月31日に特許出願されたものであって、平成28年2月3日付けで拒絶理由通知がなされ、同年4月6日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年10月14日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、同年12月22日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成29年4月7日付け(発送日:同年4月18日)で平成28年12月22日付け手続補正書でした補正に対する補正却下の決定及び拒絶査定がなされ、これに対して同年7月14日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、これに対して平成29年9月12日付けで前置報告がなされたものである。

第2 平成29年7月14日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成29年7月14日付けの手続補正(以下、本件補正という)を却下する。

[理由]

1.本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1、請求項2及び請求項3の記載の補正を含む補正であり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、
補正前(平成28年4月6日付け手続補正)の
「【請求項1】
A 遊技を開始させる場合に操作される開始操作手段と、
B 複数種類の図柄を遊技が開始された場合に変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示可能な可変表示手段と、
C 前記図柄を停止表示する場合に操作される停止操作手段と、
D 遊技媒体を投入可能な投入手段と、
E 遊技媒体が投入された場合に遊技を開始可能とし、各遊技において当選役を決定し、前記停止操作手段に対する遊技者の停止操作態様と前記当選役とに応じて前記図柄組合せを前記可変表示手段に停止表示させるとともに、停止表示した前記図柄組合せを判定し、所定の図柄組合せが停止表示されたと判断した場合、当該所定の図柄組合せに対応する払出個数の遊技媒体を払出すメイン制御手段と、
F 前記メイン制御手段からの各種のコマンドにより制御されるサブ制御手段と、
G 前記メイン制御手段により制御され、所定の前記当選役が決定されたとき、前記所定の図柄組合せを停止表示させるための停止操作態様を特定可能な第1の表示態様に制御されるとともに、前記所定の図柄組合せが停止表示された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な第2の表示態様に制御される特定表示手段とを具備し、
H 前記メイン制御手段は、所定の前記当選役が決定された遊技において、少なくとも前記停止操作手段の操作が可能になってから最後の前記停止操作手段が操作されるまでの期間では、前記第1の表示態様に前記特定表示手段を制御し、前記所定の図柄組合せが停止表示された後に、前記第1の表示態様と相違し、且つ、前記第2の表示態様と相違する第3の表示態様に前記特定表示手段を制御してから前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能な
J 遊技機。」
から、
補正後(本件補正である平成29年7月14日付け手続補正)の
「【請求項1】
A 遊技を開始させる場合に操作される開始操作手段と、
B 複数種類の図柄を遊技が開始された場合に変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示可能な可変表示手段と、
C 前記図柄を停止表示する場合に操作される停止操作手段と、
D 遊技媒体を投入可能な投入手段と、
E 遊技媒体が投入された場合に遊技を開始可能とし、各遊技において当選役を決定し、前記停止操作手段に対する遊技者の停止操作態様と前記当選役とに応じて前記図柄組合せを前記可変表示手段に停止表示させるとともに、停止表示した前記図柄組合せを判定し、所定の図柄組合せが停止表示されたと判断した場合、当該所定の図柄組合せに対応する払出個数の遊技媒体を払出すメイン制御手段と、
F 前記メイン制御手段からの各種のコマンドにより制御されるサブ制御手段と、
G 前記メイン制御手段により制御され、所定の前記当選役が決定されたとき、前記所定の図柄組合せを停止表示させるための停止操作態様を特定可能な第1の表示態様に制御されるとともに、前記所定の図柄組合せが停止表示された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な第2の表示態様に制御される特定表示手段とを具備し、
H’ 前記メイン制御手段は、所定の前記当選役が決定された遊技において、少なくとも前記停止操作手段の操作が可能になってから最後の前記停止操作手段が操作されるまでの期間では、前記第1の表示態様に前記特定表示手段を制御し、前記所定の図柄組合せが停止表示された後に、前記第1の表示態様と相違し、且つ、前記第2の表示態様と相違する第3の表示態様に前記特定表示手段を予め定められた時間長に亘り制御し、その後、特定の操作を要することなく前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能であり、
I 前記予め定められた時間長は、前記特定表示手段が前記第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる時間長である
J 遊技機。」

へ補正された(記号は分節のため当審で付した。下線は補正箇所を示す)。

2.補正の適否
上記補正事項は、補正前の請求項1における
(1)「メイン制御手段」について、「第3の表示態様に前記特定表示手段を制御してから前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能な」という記載を、「第3の表示態様に前記特定表示手段を予め定められた時間長に亘り制御し、その後、特定の操作を要することなく前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能であり、」とする補正、
(2)「前記予め定められた時間長は、前記特定表示手段が前記第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる時間長である」という記載を追加する補正、
を行ったことによるものである。

そして、上記補正(1)は補正前の請求項1の発明特定事項である「メイン制御手段」について、「特定表示手段」を「第3の表示態様に制御」する時間を「予め定められた時間長に亘り」と限定するとともに、「第2の表示態様に特定表示手段を制御可能」とするために「その後、特定の操作を要することなく」ことを限定する補正であり、上記補正(2)は、上記補正(1)における「予め定められた時間長」を「特定表示手段が第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる時間長である」と限定する補正である。
また、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する限定的減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。

3.独立特許要件
次に、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)先願明細書等
原査定の理由に用いられた、本願出願日以前に出願された特願2015-18197号(特開2016-140554号公報参照)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「先願明細書等」という)には以下の記載がある。(下線は合議体が審決にて付した。以下、同じ)


ア 「【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を有する。
すなわち、本発明に係る遊技機(スロットマシンS)は、外周面に複数の図柄が付された複数の回転リール61?63と、前記複数の回転リール61?63を回転させるスタートスイッチ20と、回転中の前記回転リール61?63を個々に停止させる複数の停止スイッチ31?33と、通電により表示単位(セグメントa?g)を可視可能にして所定の表示態様を表示可能な表示部(操作態様表示部16)と、演出を行うための演出装置(画像表示部70、電飾ランプ80、報知ランプ85、スピーカ90)と、遊技の進行を制御するメイン制御装置100と、前記メイン制御装置100からの出力信号を一方向的に入力して前記演出装置による演出を制御するサブ制御装置200と、を備えている。」

イ 「【0012】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
【0013】
前扉Dには、図1に示すように、3個の回転リール61?63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を開始するためのベットメダルに代えるための投入操作手段としてのベットスイッチ10が設けられている。また、操作部Cの上面であってメダル投入口5とベットスイッチ10の間には、遊技者がスロットマシンSの報知モードを選択することができる選択スイッチ50が設けられている。」

ウ 「【0025】
払出表示部13は、図1に示すように、図柄表示窓Wの下方に設けられた7セグメント表示器であり、入賞により払い出されるメダル数を表示するものである。ここで、本実施の形態においては、この払出表示部13は、遊技中においてメダルが払い出されない期間、具体的には、遊技終了後(回転リール61?63の全停止後又はメダルの払い出し終了後)から次遊技における回転リール61?63の全停止までの間は、スロットマシンSの内部状態に関する表示を行うための状態表示部15、及び操作態様表示部16として機能するようになっているが、これについては後述する。」

エ 「【0026】
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、遊技状態移行手段160、AT制御手段170、メイン演出制御手段180及び報知モード決定手段190の各手段として機能する。」

オ 「【0027】
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、遊技結果判定手段140の判定結果に基づいて、1回の遊技を行うためのメダルが掛けられた状態(ベット状態)を設定するためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定する。
【0028】
なお、投入されたメダル数に応じて、ベット表示部11にはベット表示が行われる。また、規定数のベット状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61?63の回転開始が許容される。」

カ 「【0031】
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、回転リール61?63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものである。」

キ 「【0043】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31?33の操作信号に基づいて、回転リール61?63の回転及び停止を制御するためのものである。
・・・
【0048】
(停止制御)
リール制御手段130は、リールセンサ2A(図2参照)の検出信号に基づき回転リール61?63の回転角度を把握し、回転リール61?63の回転角度から、所定位置(例えば上段位置)にある図柄を特定すること(図柄参照)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止スイッチ31?33の作動時点(停止スイッチ31?33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)において所定位置にある回転リール61?63の図柄を基準図柄として、回転リール61?63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば4コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば5コマ)の範囲内となるように、回転リール61?63を停止させることができる。
・・・
【0050】
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61?63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61?63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行う。」

ク 「【0058】
(遊技結果判定手段140)
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31?33の操作によって回転リール61?63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61?63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び遊技状態移行手段160に送信する。
【0059】
(払出制御手段150)
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。」

ケ 「【0077】
(メイン演出制御手段180)
メイン演出制御手段180は、メイン制御装置100の制御に基づくメイン演出、具体的には、遊技の進行を停止させているフリーズ中に擬似的に遊技を進行させる擬似遊技及び回転リール61?63を利用したリール回転演出などの回胴演出や、状態表示部15及び操作態様表示部16の表示を制御するものであり、図2に示すように、フリーズ設定手段181、回胴演出制御手段182及び表示制御手段183を備えている。」

コ 「【0105】
(表示制御手段183)
表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき、スロットマシンSの内部状態を報知するためのものであり、払出表示部13を状態表示部15及び操作態様表示部16として機能させ、それらの表示を制御するものである。
状態表示部15は、スロットマシンSの内部状態を報知するためのものである。スロットマシンSの内部状態としては、遊技状態(通常状態、BB内部中、BB作動中)と、演出状態(通常演出状態、AT準備状態、AT作動状態)とがあるが、本実施の形態では、遊技状態がほぼ常にBB内部中となっている仕様であるので、状態表示部15による表示の対象となるスロットマシンSの内部状態は、主として、演出状態に係るものとなる。また、操作態様表示部16は、停止スイッチ31?33の操作態様に関する表示を行うものである。本実施の形態では、「打順ベル」の当選時に、正解打順を表すとともに、停止操作のタイミングを表すこともできるようになっている。」

サ 「【0117】
(操作態様表示部16による操作態様表示の一例)
例えば、図12(B)に示すように、図11(B)のいずれの点灯パターンとも重複しない点灯パターンとして、左側の回転リール61に対応する点灯パターン(左リール)、中央の回転リール62に対応する点灯パターン(中リール)、右側の回転リール63に対応する点灯パターン(右リール)を設定する。そして、これらの点灯パターンと、図11(B)のいずれかの点灯パターンとを重ねた点灯パターンによって、正解打順や、停止操作のタイミングを知らせる操作態様表示を行わせることができる。ここで、図11(B)の「0」?「20」は、各回転リール61?63に付されている図柄の図柄番号に対応させている。すなわち、これらの点灯パターンを図12(B)の各点灯パターンと重ねた点灯パターンは、どの回転リール61?63についてどの位置で停止操作すべきか(操作タイミング)の情報を表示するものとなる。また、図12(B)の各点灯パターンと「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンは、操作タイミングは問わず、どの回転リール61?63を停止させるべきか(打順)の情報を表示するものとなる。
【0118】
そして、表示制御手段183は、役抽選の結果に基づいて、操作態様表示部16に表示させる点灯パターンを決定し、その後、決定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させる。そして、回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させる。
具体的には、AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順が「中右左」であった場合、回転リール61?63が全て回転しているときには、図12(C)に示すように、中リールに対応する点灯パターンに「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させ、最初の停止スイッチ31?33が操作された場合(回転リール61?63が2個回転しているとき)には、右リールに対応する点灯パターンに「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる。そして、2番目の停止スイッチ31?33が操作された場合(回転リール61?63が1個回転しているとき)には、左リールに対応する点灯パターンに「ANY」の点灯パターンを重ねた点灯パターンを表示させる。このように、一つの操作態様表示部16において、停止操作が行われるごとに表示内容を切り替えていくことで、正解打順の情報を表示することができる。なお、正解打順の表示は、正解打順で停止操作されたか否かに関わらず、停止操作が行われるごとに切り替えて表示させるようにすることができる。
・・・
【0125】
正解打順の表示の他の例として、停止スイッチ31?33の操作順を示す点灯パターンをあらかじめ設定しておいてもよい。例えば、図12(E)に示すように、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、図11(B)に示す「1」?「6」の数字に対応する点灯パターン(打順1?打順6)、及び「ANY」に対応する点灯パターン(打順なし)を設定する。すなわち、「1」には打順1(左中右)、「2」には打順2(左右中)・・・を対応させる。そして、表示制御手段183は、AT作動中においては、「打順ベル」の当選時に当該領域に設定された正解打順(図6参照)に対応する点灯パターン(打順3?6)を表示させ、打順が設定されていない抽選結果(「1枚役」や「リプレイ」や「不当選」や「BB」)の当選時には、打順なしに対応する点灯パターンや、打順1又は打順2(左押し)に対応する点灯パターンを表示させる。それらのいずれを表示させるかは抽選により決定してもよい。」

シ 「【0148】
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理の概略を、図16のフローに基づき説明する。
まず、規定数のメダルがベットされた場合には(S100でYes)、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理が行われる(S101、S102)。なお、役抽選の結果に関する情報がサブ制御装置200に出力される。その後、役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61?63の回転開始処理が行われる(S104)。そして、回転リール61?63の回転中にいずれかの停止スイッチ31?33がONとなった場合には、対応する回転リール61?63についての回転停止処理が行われる(S105、S106)。全ての回転リール61?63が停止するまでS105、106が繰り返され(S105?S107)、全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理及び判定結果に応じた処理が行われるとともに(S108、S109)、遊技終了時の処理が行われる(S110)。なお、判定結果に応じた処理とは、小役の入賞によるメダルの払い出し処理や、リプレイの入賞による自動ベット処理や、ボーナスの入賞又は非入賞による遊技状態の移行処理である。そして、1回の遊技が終了する。」

ス 「【0149】
次に、上記したS103の役抽選に伴う処理について、図17乃至図20のフローに基づき説明する。
まず、演出状態が通常演出状態である場合(図17のS200でYes)には、役抽選の結果、AT移行抽選の契機となる特定抽選結果(図8(A)参照)が発生したか否かが判断され、特定抽選結果が発生している場合には(S201でYes)、AT抽選モードに応じたAT移行抽選が行われる(S202)。そして、ただちにAT作動状態に移行する場合(S203でYes)には、AT作動中の設定が行われるとともに(S204)、AT移行報知回胴演出決定処理が行われる(S205)。なお、AT作動中の設定とは、演出状態がAT作動状態であることを所定の記憶部に記憶し、ATカウンタにAT遊技回数の初期回数(最低保障回数)を設定することである。また、AT移行報知回胴演出決定処理は、図20(A)に示すように、報知モードが液晶演出報知モードでないことを条件に(S300でNo)、報知モードに応じた回胴演出の実行を決定する(S301)処理である。すなわち、擬似遊技報知モードであれば擬似遊技実行フラグをONにし、リール回転演出報知モードであればリール回転演出実行フラグをONにする。
【0150】
一方、ただちにAT作動状態に移行しない場合(S203でNo)には、AT準備状態への移行が決定されていれば(S206でYes)、AT準備中の設定を行う(S207)。AT準備中の設定とは、演出状態がAT準備状態であることを所定の記憶部に記憶するとともに、AT準備状態の期間(AT準備中遊技の回数)としてN値を設定することである。
S205、S207の後、及び、特定抽選結果が発生していない場合(S201でNo)やAT準備状態へ移行しない場合(S206でNo)つまりAT移行抽選に当選しなかった場合も、状態表示部15の表示態様が決定される(S208)。そして、遊技開始時決定情報、すなわち役抽選に伴う処理において決定された演出状態の移行や状態表示に関する決定情報が、サブ制御装置200に出力される(S209)。そして、役抽選に伴う処理が終了する。
【0151】
演出状態が通常演出状態でなく(S200でNo)、AT作動中である場合(図18のS210でYes)には、ATカウンタの減算が行われ(S211)、役抽選で「打順ベル」が当選している場合(S212でYes)には正解打順を報知する打順報知の決定が行われる(S213)。打順報知の決定に基づき、操作態様表示部16には正解打順に対応する表示が行われる。」

セ 上記アの【0005】には「遊技機(スロットマシンS)は、外周面に複数の図柄が付された複数の回転リール61?63と、前記複数の回転リール61?63を回転させるスタートスイッチ20と、回転中の前記回転リール61?63を個々に停止させる複数の停止スイッチ31?33と、通電により表示単位(セグメントa?g)を可視可能にして所定の表示態様を表示可能な表示部(操作態様表示部16)と、演出を行うための演出装置(画像表示部70、電飾ランプ80、報知ランプ85、スピーカ90)と、遊技の進行を制御するメイン制御装置100と、前記メイン制御装置100からの出力信号を一方向的に入力して前記演出装置による演出を制御するサブ制御装置200と、を備え」と記載されていることから、
先願明細書等には
「外周面に複数の図柄が付された複数の回転リール61?63と、
前記複数の回転リール61?63を回転させるスタートスイッチ20と、
回転中の前記回転リール61?63を個々に停止させる複数の停止スイッチ31?33と、
通電により表示単位(セグメントa?g)を可視可能にして所定の表示態様を表示可能な表示部(操作態様表示部16)と、
遊技の進行を制御するメイン制御装置100と、
演出を行うための演出装置(画像表示部70、電飾ランプ80、報知ランプ85、スピーカ90)と、
前記メイン制御装置100からの出力信号を一方向的に入力して前記演出装置による演出を制御するサブ制御装置200と、
を備えた遊技機(スロットマシンS)」
が記載されているといえる。

ソ 上記イの【0012】?【0013】には、「スロットマシンSは、・・・前扉Dを備え・・・前扉Dには、・・・図柄表示窓Wが形成されて・・・図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなって・・・操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を開始するためのベットメダルに代えるための投入操作手段としてのベットスイッチ10が設けられ」ていることが記載されていることから、
先願明細書等には、「スロットマシンSには、メダル投入口5とスロットマシンSに電子的に貯留されるメダルであるクレジットメダルを、遊技を開始するためのベットメダルに代えるための投入操作手段としてのベットスイッチ10が設けられ」ていることが記載されているといえる。

タ 上記エの【0026】の「メイン制御装置100を構成するメイン基板には、・・・遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU・・・が備えられて・・・、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、・・・投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、・・・メイン演出制御手段180・・・の各手段として機能する」と記載されていることから、
先願明細書等には「メイン制御装置100を構成するメイン基板には、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPUが備えられて、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、メイン演出制御手段180の各手段として機能する」ことが記載されているといえる。

チ 上記オの【0027】?【0028】には「投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定」し、「規定数のベット状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61?63の回転開始が許容される」ことが、
上記カの【0031】には「役抽選手段120は、回転リール61?63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものであ」ることが、それぞれ記載されている。
また、上記キの【0043】には「リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31?33の操作信号に基づいて、回転リール61?63の回転及び停止を制御するためのものであ」ること、【0048】には「リール制御手段130は、・・・回転リール61?63を停止させる」こと、【0050】には、「リール制御手段130は、これらの処理を、・・・役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行」うことが記載されており、これらの記載から、
「リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31?33の操作信号に基づいて、回転リール61?63の回転及び停止を制御するためのものであって、役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて回転リール61?63を停止させる処理を行」うことが記載されているといえる。
さらに、上記クの【0058】?【0059】には、「遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31?33の操作によって回転リール61?63が全て停止したときに、・・・有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断」し、「所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定」し、「払出制御手段150は、・・・遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ」ることが、
上記ケの【0077】には、「メイン演出制御手段180は、・・・表示制御手段183を備え」ることが、それぞれ記載されているから、

先願明細書等には、
「投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定し、規定数のベット状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61?63の回転開始を許容するものであり、
役抽選手段120は、回転リール61?63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものであり、
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31?33の操作信号に基づいて、回転リール61?63の回転及び停止を制御するためのものであって、役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて回転リール61?63を停止させる処理を行い、
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31?33の操作によって回転リール61?63が全て停止したときに、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断し、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、
メイン演出制御手段180は、表示制御手段183を備え」ることが記載されているといえる。

ツ 上記ウの【0025】には、「払出表示部13は、・・・入賞により払い出されるメダル数を表示するものであ」り、「払出表示部13は、遊技中においてメダルが払い出されない期間、具体的には、遊技終了後(回転リール61?63の全停止後又はメダルの払い出し終了後)から次遊技における回転リール61?63の全停止までの間は、・・・操作態様表示部16として機能する」ことが記載されていることから、先願明細書等には、「払出表示部13は、入賞により払い出されるメダル数を表示するものであって、メダルの払い出し終了後から次遊技における回転リール61?63の全停止までの間は操作態様表示部16として機能する」ものであることが記載されているといえる。

また、上記コの【0105】には「表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき、・・・払出表示部13を・・・操作態様表示部16として機能させ、それらの表示を制御する」、「操作態様表示部16は、停止スイッチ31?33の操作態様に関する表示を行うものである」と記載されていることから、
先願明細書等には、「表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき、払出表示部13を操作態様表示部16として機能させ、操作態様表示部16の表示を制御する」ものであり、「操作態様表示部16は、停止スイッチ31?33の操作態様に関する表示を行うものであ」ることが記載されているといえる。

さらに、上記サの【0118】には「表示制御手段183は、役抽選の結果に基づいて、操作態様表示部16に表示させる点灯パターンを決定し、その後、決定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させ・・・回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ・・・AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順」「正解打順の情報を表示する」と、【0125】には「正解打順の表示・・・として、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、・・・「1」?「6」の数字に対応する点灯パターン(打順1?打順6)・・・を設定する」と記載されている。
ここで、「操作態様表示部16に表示される点灯パターン」とは「AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順の情報を表示する」「停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターン」であることから、
先願明細書等には、
「表示制御手段183は、役抽選の結果に基づいて、AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順の情報を、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、「1」?「6」の数字に対応する点灯パターン(打順1?打順6)を設定し、設定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させて表示し、回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」ることが記載されているといえる。

そうすると、先願明細書等には、
「払出表示部13は、入賞により払い出されるメダル数を表示するものであって、メダルの払い出し終了後から次遊技における回転リール61?63の全停止までの間は操作態様表示部16として機能するものであり、
表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき、払出表示部13を操作態様表示部16として機能させ、操作態様表示部16の表示を制御するものであり、
操作態様表示部16は停止スイッチ31?33の操作態様に関する表示を行うものであり、
表示制御手段183は、役抽選の結果に基づいて、AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順の情報を、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、「1」?「6」の数字に対応する点灯パターン(打順1?打順6)を設定し、設定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させて表示し、回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」ることが記載されているものといえる。

テ 上記シの【0148】には、「メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理・・・を、・・・説明する。」「規定数のメダルがベットされた場合には・・・、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、・・・役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61?63の回転開始処理が行われ・・・(S104)・・・回転リール61?63の回転中にいずれかの停止スイッチ31?33がONとなった場合には、対応する回転リール61?63についての回転停止処理が行われ・・・(S105、S106)・・・、全ての回転リール61?63が停止するまでS105、S106が繰り返され、・・・全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理及び判定結果に応じた処理が行われるとともに(S108、S109)、遊技終了時の処理が行われ・・・判定結果に応じた処理とは、小役の入賞によるメダルの払い出し処理や、リプレイの入賞による自動ベット処理や、ボーナスの入賞又は非入賞による遊技状態の移行処理であ」ると記載されている。
ここで、「全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に」行われる「遊技結果判定処理及び判定結果に応じた処理(S108,S109)」について、「判定結果に応じた処理とは、小役の入賞によるメダルの払い出し処理や、リプレイの入賞による自動ベット処理や、ボーナスの入賞又は非入賞による遊技状態の移行処理であ」ることから、判定結果に応じた処理には、小役の入賞によるメダルの払い出し処理が含まれる。
また、上記ツのとおり、「メイン制御装置100の制御に基づき」「操作態様表示部16の表示を制御する」「表示制御手段183は」「回転リール61?63が全て停止したときには操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」ること、「メダルの払い出し終了後から次遊技における回転リール61?63の全停止までの間は操作態様表示部16として機能する」「払出表示部13は、入賞により払い出されるメダル数を表示するもの」であるから、メイン制御装置100は、払出表示部13を、全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に消灯し、払い出し処理を行う時点(S109)で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するように制御するといえる。

加えて、上記スの【0149】【0151】には、「役抽選に伴う処理について」「演出状態が・・・AT作動中である場合・・・、役抽選で「打順ベル」が当選している場合・・・には正解打順を報知する打順報知の決定が行われ・・・打順報知の決定に基づき、操作態様表示部16には正解打順に対応する表示が行われ」と記載されている。

そうすると、先願明細書等には
「メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理は、規定数のメダルがベットされた場合には、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61?63の回転開始処理が行われ(S104)、回転リール61?63の回転中にいずれかの停止スイッチ31?33がONとなった場合には、対応する回転リール61?63についての回転停止処理が行われ(S105、S106)、全ての回転リール61?63が停止するまでS105、S106が繰り返され、全ての回転リールが停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理及び小役の入賞によるメダルの払い出し処理を含む判定結果に応じた処理が行われるとともに(S108、S109)、遊技終了時の処理が行われ、
メイン制御装置100は、払出表示部13を、全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に消灯し、払い出し処理を行う時点(S109)で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するように制御し、
役抽選に伴う処理について、演出状態がAT作動中である場合、役抽選で「打順ベル」が当選している場合には正解打順を報知する打順報知の決定が行われ、打順報知の決定に基づき、操作態様表示部16には正解打順に対応する表示が行われ」ることが記載されているといえる。

上記ア?スの記載事項及び上記セ?テの認定事項から、先願明細書等には、

「外周面に複数の図柄が付された複数の回転リール61?63と、
前記複数の回転リール61?63を回転させるスタートスイッチ20と、
回転中の前記回転リール61?63を個々に停止させる複数の停止スイッチ31?33と、
通電により表示単位(セグメントa?g)を可視可能にして所定の表示態様を表示可能な表示部(操作態様表示部16)と、
遊技の進行を制御するメイン制御装置100と、
演出を行うための演出装置(画像表示部70、電飾ランプ80、報知ランプ85、スピーカ90)と、
前記メイン制御装置100からの出力信号を一方向的に入力して前記演出装置による演出を制御するサブ制御装置200と、
を備えた遊技機(スロットマシンS)であって、(認定事項セ)
スロットマシンSには、メダル投入口5とスロットマシンSに電子的に貯留されるメダルであるクレジットメダルを、遊技を開始するためのベットメダルに代えるための投入操作手段としてのベットスイッチ10が設けられ、(認定事項ソ)
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPUが備えられて、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、遊技結果判定手段140、払出制御手段150、メイン演出制御手段180の各手段として機能するものであり、(認定事項タ)
投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定し、規定数のベット状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61?63の回転開始を許容するものであり、
役抽選手段120は、回転リール61?63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものであり、
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31?33の操作信号に基づいて、回転リール61?63の回転及び停止を制御するためのものであって、役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて回転リール61?63を停止させる処理を行い、
遊技結果判定手段140は、停止スイッチ31?33の操作によって回転リール61?63が全て停止したときに、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断し、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、
払出制御手段150は、遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、
メイン演出制御手段180は、表示制御手段183を備え、(認定事項チ)
払出表示部13は、入賞により払い出されるメダル数を表示するものであって、メダルの払い出し終了後から次遊技における回転リール61?63の全停止までの間は操作態様表示部16として機能するものであり、
表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき、払出表示部13を操作態様表示部16として機能させ、操作態様表示部16の表示を制御するものであり、
操作態様表示部16は停止スイッチ31?33の操作態様に関する表示を行うものであり、
表示制御手段183は、役抽選の結果に基づいて、AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順の情報を、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、「1」?「6」の数字に対応する点灯パターン(打順1?打順6)を設定し、設定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させて表示し、回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ、(認定事項ツ)
メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理は、規定数のメダルがベットされた場合には、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61?63の回転開始処理が行われ(S104)、回転リール61?63の回転中にいずれかの停止スイッチ31?33がONとなった場合には、対応する回転リール61?63についての回転停止処理が行われ(S105、S106)、全ての回転リール61?63が停止するまでS105、S106が繰り返され、全ての回転リールが停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理及び小役の入賞によるメダルの払い出し処理を含む判定結果に応じた処理が行われるとともに(S108、S109)、遊技終了時の処理が行われ、
メイン制御装置100は、払出表示部13を、全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に消灯し、払い出し処理を行う時点(S109)で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するように制御し、
役抽選に伴う処理について、演出状態がAT作動中である場合、役抽選で「打順ベル」が当選している場合には正解打順を報知する打順報知の決定が行われ、打順報知の決定に基づき、操作態様表示部16には正解打順に対応する表示が行われる、(認定事項テ)
遊技機(スロットマシンS)。」

という発明(以下、先願発明という)が開示されていると認める。

(2)本件補正発明と先願発明との対比

本件補正発明と先願発明とを対比する(なお、本件補正発明の構成A?G、H’、Jに対応して、当審で見出し(A)から(H)、(J)を付与した)。


(A) 先願発明における「スタートスイッチ20」は、本件補正発明の「遊技を開始させる場合に操作される開始操作手段」に相当する。

(B) 先願発明における「回転リール61?63」は、本件補正発明の「複数種類の図柄を遊技が開始された場合に変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示可能な可変表示手段」に相当する。

(C) 先願発明における「複数の停止スイッチ31?33」は、本件補正発明の「前記図柄を停止表示する場合に操作される停止操作手段」に相当する。

(D) 先願発明における「メダル投入口5」は、本件補正発明の「遊技媒体を投入可能な投入手段」に相当する。

(E) 先願発明における「メイン制御手段100を構成するメイン基板」に備えられた「遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU」について、「CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで」「機能する」「投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130,遊技結果判定手段140、払出制御手段150、メイン演出制御手段180の各手段」について検討する。

(E-1) 先願発明における「投入制御手段110」が行う「メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出することに伴って、規定数を限度として、検出された数のメダルをベットされたメダルとして取り扱い、ベット状態を設定し、規定数のベット状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61?63の回転開始を許容する」ことは、本件補正発明のメイン制御手段において「遊技媒体が投入された場合に遊技を開始可能と」することに相当する。

(E-2) 先願発明における「役抽選手段120」が行う「1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出」することは、本件補正発明のメイン制御手段において「各遊技において当選役を決定」することに相当する。

(E-3) 先願発明における「リール制御手段130」が行う「停止スイッチ31?33の操作信号に基づいて、回転リール61?63の」「停止を制御する」こと、「役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて回転リール61?63を停止させる」ことは、本件補正発明のメイン制御手段において「停止操作手段に対する遊技者の停止態様と前記当選役に応じて前記図柄組合せを前記可変表示手段に停止させる」ことに相当する。

(E-4) 先願発明における「遊技結果判定手段140」が行う「停止スイッチ31?33の操作によって回転リール61?63が全て停止したときに、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものであるかどうかを判断し、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定」すること、「払出制御手段150」が行う「遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ」ることは、本件補正発明の「停止表示した前記図柄組合せを判定し、所定の図柄組合せが停止表示されたと判断した場合、当該所定の図柄組合せに対応する払出個数の遊技媒体を払出す」ことに相当する。

以上のことから、先願発明における「CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130,遊技結果判定手段140、払出制御手段150、メイン演出制御手段180の各手段として機能する」「メイン基板」の「遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU」を備えた「メイン制御装置100」は、
本件補正発明の「遊技媒体が投入された場合に遊技を開始可能とし、各遊技において当選役を決定し、前記停止操作手段に対する遊技者の停止操作態様と前記当選役とに応じて前記図柄組合せを前記可変表示手段に停止表示させるとともに、停止表示した前記図柄組合せを判定し、所定の図柄組合せが停止表示されたと判断した場合、当該所定の図柄組合せに対応する払出個数の遊技媒体を払出すメイン制御手段」に相当する。

(F) 先願発明における「メイン制御装置100からの出力信号を一方向的に入力して前記演出手段による演出を制御するサブ制御装置200」は、本件補正発明の「前記メイン制御手段からの各種のコマンドにより制御されるサブ制御手段」に相当する。

(G) 先願発明における、「操作態様表示部16として機能」し「入賞により払い出されるメダル数を表示する」「払出表示部13」について検討する。

(G-1) 先願発明における「入賞により」とは、上記(E-4)における「遊技結果判定手段140が小役の入賞を判定した場合」であり、この場合当該小役の入賞に応じたメダルが払い出されることから、先願発明における「入賞により払い出されるメダル数を表示する」とは、「遊技結果判定手段140」が「小役の入賞を判定した場合に」、「当該小役の入賞に応じ」て「払い出されるメダル数を表示する」ことであり、本件補正発明の「前記所定の図柄組合せが停止された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な表示態様に制御する」ことに相当する。
また、先願発明における「表示制御部183は、メイン制御装置100の制御に基づき、払出表示部13を操作態様表示部16として機能させ、表示を制御する」ものであるから、払出表示部13はメイン制御装置100により制御されることは明らかである。
そうすると、先願発明における「入賞により払い出されるメダル数を表示する」「払出表示部13」は、本件補正発明の「前記メイン制御手段により制御され、前記所定の図柄組合せが停止表示された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な表示態様に制御される特定表示手段」に相当する。

(G-2) 先願発明における「払出し表示部13」は「メダルの払出し終了後から次遊技における回転リール61?63の全停止までは操作態様表示部16として機能する」ものである。
また、先願発明における「AT作動中において、当選した「打順ベル」の正解打順として、停止スイッチ31から33の6通りの操作順を示す点灯パターンとして、「1」?「6」の数字に対応する点灯パターンを設定」することは、本件補正発明の「所定の前記当選役が決定されたとき、前記所定の図柄組合せを停止表示させるための停止操作態様を特定可能な表示態様に制御」されることに相当する。

以上のことから、先願発明における、「操作態様表示部16として機能」し「入賞により払い出されるメダル数を表示する」「払出表示部13」は、本件補正発明の「前記メイン制御手段により制御され、所定の前記当選役が決定されたとき、前記所定の図柄組合せを停止表示させるための停止操作態様を特定可能な第1の表示態様に制御されるとともに、前記所定の図柄組合せが停止表示された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な第2の表示態様に制御される特定表示手段」に相当する。

(H-1) 先願発明における「表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき」、「役抽選の結果に基づいて」「当選した「打順ベル」の正解打順の情報を、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターン」「を設定し、設定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させて表示し、回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」ることについて検討する。
先願発明においては、認定事項テにあるように、「役抽選に伴う処理について、演出状態がAT作動中である場合は、役抽選で「打順ベル」が当選している場合には正解打順を報知する打順報知の決定が行われ、打順報知の決定に基づき操作態様表示部16には正解打順に対応する表示が行われる」ことから、「役抽選が行われ得る」のは「役抽選処理が行われ(S103)」る時であり、この後「回転リール61?63の回転処理が行われ(S104)、回転リール61?63の回転中にいずれかの停止スイッチ31?33がONとなった場合には、対応する回転リール61?63についての回転停止処理が行われ」る(S105、S106)。
ここで、停止スイッチ31?33の操作が可能となるのは、回転リール61?63の回転処理が行われてから(S104)停止スイッチ31?33がONとなって回転リール61?63の停止処理が行われる(S105、S106)までの間であることは明らかであるが、これより前の、役抽選処理が行われるS103には操作態様表示部16のセグメントが点灯する。
また、先願発明において、「回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」ることから、少なくとも最後に回転している回転リールの停止操作が行われるまでは操作態様表示部16のセグメントが点灯していることも明らかである。

そうすると、先願発明における「表示制御手段183は、メイン制御装置100の制御に基づき」、「役抽選の結果に基づいて」「当選した「打順ベル」の正解打順の情報を、停止スイッチ31?33の6通りの操作順を示す点灯パターン」「を設定し、設定した点灯パターンとなるように操作態様表示部16のセグメントを点灯させて表示し、回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」ることは、本件補正発明の「メイン制御手段は、所定の前記当選役が決定された遊技において、少なくとも前記停止操作手段の操作が可能になってから最後の前記停止操作手段が操作されるまでの期間では、前記第1の表示態様に前記特定表示手段を制御」することを含んでいる。

(H-2) 先願発明において、認定事項テにあるように、「メイン制御装置100は、払出表示部13を、全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に消灯し、払い出し処理を行う時点(S109)で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するよう制御」するが、この間に遊技者は何らの操作を必要とするものではないことは自明である。

そうすると、先願発明における「メイン制御装置100は」、「操作態様表示部16として機能」し「入賞により払い出されるメダル数を表示する」「払出表示部13」を、「回転リール61?63が全て停止したときには、操作態様表示部16のセグメントを消灯させ」た後、「判定結果に応じた処理」に含まれる「払い出し処理を行う時点」「で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するように制御」することは、本件補正発明の「所定の図柄組合せが停止表示された後に、前記第1の表示態様と相違し、且つ、前記第2の表示態様と相違する第3の表示態様に前記特定表示手段を制御し、その後、特定の操作を要することなく前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能であ」ることに相当する。

また、先願発明において、メイン制御装置100は、払出表示部13を、全ての回転リールが停止したとき消灯し、払い出し処理を行う時点で点灯することから、払出表示部13をこの期間消灯しておくことは、本件補正発明において「第3の表示態様に特定表示手段を予め定められた時間長に亘り制御」することと、「予め定められた期間に亘り制御」する点で共通する。

(J) 先願発明の「遊技機(スロットマシンS)」は本件補正発明の「遊技機」に相当する。

以上のことから、本件補正発明と先願発明は、

「遊技を開始させる場合に操作される開始操作手段と、
複数種類の図柄を遊技が開始された場合に変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示可能な可変表示手段と、
前記図柄を停止表示する場合に操作される停止操作手段と、
遊技媒体を投入可能な投入手段と、
遊技媒体が投入された場合に遊技を開始可能とし、各遊技において当選役を決定し、前記停止操作手段に対する遊技者の停止操作態様と前記当選役とに応じて前記図柄組合せを前記可変表示手段に停止表示させるとともに、停止表示した前記図柄組合せを判定し、所定の図柄組合せが停止表示されたと判断した場合、当該所定の図柄組合せに対応する払出個数の遊技媒体を払出すメイン制御手段と、
前記メイン制御手段からの各種のコマンドにより制御されるサブ制御手段と、
前記メイン制御手段により制御され、所定の前記当選役が決定されたとき、前記所定の図柄組合せを停止表示させるための停止操作態様を特定可能な第1の表示態様に制御されるとともに、前記所定の図柄組合せが停止表示された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な第2の表示態様に制御される特定表示手段とを具備し、
前記メイン制御手段は、所定の前記当選役が決定された遊技において、少なくとも前記停止操作手段の操作が可能になってから最後の前記停止操作手段が操作されるまでの期間では、前記第1の表示態様に前記特定表示手段を制御し、前記所定の図柄組合せが停止表示された後に、前記第1の表示態様と相違し、且つ、前記第2の表示態様と相違する第3の表示態様に前記特定表示手段を予め定められた間に亘り制御し、その後、特定の操作を要することなく前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能である、
遊技機。」

という点で一致する。

一方、両者は次の点で一応相違する。

(相違点)
「第2の表示態様と相違する第3の表示態様に特定表示手段を」「制御する」「予め定められた期間」について、本件補正発明は「予め定められた時間長であって、第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる時間長である」のに対して、先願発明では「回転リール61?63が全て停止した時からメダルの払い出し処理が行われるまでの期間」である点。

(3)相違点に対する判断
上記相違点について検討する。
先願発明における、操作態様表示部16としても機能する払出表示部13は、AT作動中において当選した「打順ベル」の正解打順を表示し、全ての回転リール61?63が停止した場合に消灯し、払い出し処理を行う時点で入賞により払い出されるメダル数を表示するものであるが、表示器一般の技術分野において、1つの表示器で異なる内容の表示を行うときに、表示内容の切り替え時に区切りのための消灯時間を設け、表示内容が切り替わったことを利用者が認識するようにすることは周知慣用の技術にすぎず(例えば、特開2004-44869号公報には、【0013】に「該表示器12は、2桁の7セグメントLEDによって構成されており、タイマ時間及び後述する異常時の識別コードが2桁の数字で表示可能となっている」という記載があり、【0023】?【0024】に「次に、・・・異常表示制御部37による表示器12へのエラー表示について説明する。・・・STEP16によりエラー表示が開始されると、先ず、STEP17により表示器12にエラーコード(異常内容)を点灯表示させる。・・・次いでSTEP18に進み、0.5秒間エラーコードを表示させたところで、STEP19へ進んでエラーコードを消灯させる。続いて、STEP20において0.5秒間消灯させた後、STEP21に進んで表示器12に各バーナ2,3,4及びグリル5のうち異常が検出されたもの(異常箇所)の識別コードを表示させる。」という記載があり、【0026】に「異常表示制御部37によって異常内容を示すエラーコードと各バーナ2,3,4及びグリル5の識別コードを交互に表示させるので、3桁以上の表示は不要であり、表示器12が2桁であっても異常個所とその内容を容易に確認することができる」という記載があることから、7セグメントLEDによって構成される表示器12に、エラーコードと異常箇所の識別コードを交互に表示させる場合に、エラーコードを表示してから識別コードを表示するまでの間に区切りの消灯時間を入れることが示されているといえる。また、特開2013-257094号公報には、【0040】?【0045】に「図6は、リモコンの表示画面を示す図である。図7は、図6のリモコンの表示画面における操作情報の表示例の説明図である。この表示画面は、2つの7セグメントLEDが隣接して配置された構成の表示領域21と、運転内容を表示するため表示領域22とを有し、表示領域21側に、点灯と消灯とを交互に複数回、繰り返すことで操作情報を表示する。・・・まず最初に、リモコン3は、(1)「履歴No.」として「01」を表示領域21に表示する。そして、その表示を消灯する。・・・次に、(5)「操作機器アドレス(百)」として「0」を表示領域21に表示する。これは、操作機器アドレスの百桁目を意味している。そして、その表示を消灯する。次に、(6)「操作機器アドレス(+、-)」として「00」を表示領域21に表示する。この(5)と(6)の表示により、表示を確認している管理者は、「操作機器アドレス」が「000」であることを認識する。そして、その表示を消灯する。次に、(7)「操作要因」として「01」を表示する。ここでは、手元操作の場合には「01」、スケジュールの場合には「02」、接点入力の場合には「03」といったように、予め操作要因毎に識別番号が付されており、該当する番号を表示する。この(7)の表示により、表示を確認している管理者は、「操作要因」が「手元操作」であることを認識する。そして、リモコン3はその表示を消灯する。次に、(8)「操作時刻(年:下2桁)」として「12」を表示領域21に表示し、そしてその表示を消灯させる。これ以降、図示省略するが、同様にして表示と消灯を繰り返し、「操作時刻:時間:月」、「操作時刻:日」、「操作時刻:時間」、「操作時刻:分」を表示する。」という記載があり、2つの7セグメントLEDから構成される表示領域21に、操作機器アドレス、操作要因、操作時刻といった異なる内容の情報を、表示の切り替え時に消灯しながら表示を行うことで、表示を確認している管理者がどのような情報が表示されているのかを認識することが示されているといえる。)、先願発明において、払出表示部13を回転リール61?63が全て停止した時からメダルの払い出し処理が行われるまでの間消灯することは、上記周知慣用手段の具体化手段の1つにすぎない。
そうすると、先願発明における、「全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に消灯し」てから、「払い出し処理を行う時点(S109)で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するように制御する」までの時間長を、本件補正発明のように「第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる程度の予め定められた時間長とする」とすることは、1つの表示器で異なる内容の表示を行うときに、表示内容の切り替え時に区切りのための時間を設け、区切りであることを遊技者が認識可能な時間長とするための具体化手段における微差にすぎず、かつ当該構成をとることにより得られる効果は「指示情報が表示される期間と払出枚数が表示される期間との間に、非表示の期間が介在するため、指示情報と払出枚数との混同が抑制される」という効果に過ぎず、先願発明の「1つの表示器で異なる内容の表示を行うときに、表示内容の切り替え時に区切りのための消灯時間を設ける」という課題から見て新たな効果を奏するものでもない。
したがって、上記相違点は課題解決のための具体化手段における微差に過ぎず、実質的な相違点ではない。

(4)審判請求人の主張について
審判請求人は平成28年12月22日付け審判請求書の第3頁下から4行?第4頁第14行、第4頁第15行?第18行において、以下のように主張している。

(A) 「しかし、先願発明1の構成では、全リールが停止して、その後、払出期間が設けられない場合(例えばリプレイが停止表示された場合)、全リール停止後に払出表示部13の1桁目のセグメントは操作態様表示部16として機能する。以上の場合、払出表示部13の1桁目のセグメントは、全リールが停止した後に消灯し、その後、払出枚数表示は行わない(消灯した状態を維持する)。また、先願発明1の構成では、全リールが停止して、その後、払出期間が設けられる場合(例えばベルが停止表示された場合)、操作態様表示から直ちに払出枚数表示が表示されると解される。
以上の通り、文脈により引用文献1を理解した場合、本願発明の「所定の図柄組合せが停止表示された後に、第1の表示態様と相違し、且つ、第2の表示態様と相違する第3の表示態様に特定表示手段を…制御し、その後…第2の表示態様に特定表示手段を制御可能」という構成を先願発明1は具備しない。すなわち、先願発明1と本願発明とは同一ではない。
また、本願発明は、以上の構成を具備することで、停止操作態様を特定可能な第1の表示態様と払出個数を特定可能な第2表示態様とが連続しないため特定表示手段が表示している情報が停止操作態様から払出個数に切替えられたことを遊技者が把握し易くなるという効果を奏するものである(本願明細書の段落0183参照)。以上の効果は、先願発明1では奏せられない新規な効果である。したがって、本願発明と先願発明1とは、実質的にも同一ではない。」

(B) 「さらに、今回の補正において、請求項1を「第3の表示態様に前記特定表示手段を予め定められた時間長に亘り制御し、その後、…前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能」という内容に限定した。引用文献1には、第3の表示態様に払出表示部13(特定表示手段)を予め定められた時間長に亘り制御する構成は記載されると認められない。」

上記(A)について、上記(1)における先願発明の認定、及び(2)における本件補正発明と先願発明との一致点の認定のとおり、先願発明における動作態様表示部16としても機能する払出表示部13は、AT作動中において当選した「打順ベル」の正解打順を表示し、全ての回転リール61?63が停止した場合に消灯し、払い出し処理を行う時点で入賞により払い出されるメダル数を表示するものである以上、メダルを払い出す場合に正解打順を消灯してから時間をおいて払い出すメダル数を表示するために点灯するといえる。

上記(B)について、上記(3)の「相違点に対する判断」において示したとおり、先願発明における、「全ての回転リール61?63が停止した場合(S107でYes)に消灯し」てから、「払い出し処理を行う時点(S109)で、入賞により払い出されるメダル数を表示するために点灯するように制御する」までの時間長を、本件補正発明のように「第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる程度の予め定められた時間長とする」とすることは、1つの表示器で異なる内容の表示を行うときに、表示内容の切り替え時に区切りのための時間を設け、区切りであることを遊技者が認識可能な時間長とするための具体化手段における微差にすぎず、かつ当該構成をとることにより得られる効果は「指示情報が表示される期間と払出枚数が表示される期間との間に、非表示の期間が介在するため、指示情報と払出枚数との混同が抑制される」という効果に過ぎず、先願発明の「1つの表示器で異なる内容の表示を行うときに、表示内容の切り替え時に区切りのための時間を設ける」という課題から見て新たな効果を奏するものでもない。

以上のとおりであるから、審判請求人の主張は採用できない。

(5)小括
以上のとおり、本件補正発明は、先願発明と同一の発明であり、しかも、本件補正発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとはいえず、また、本願出願日において、その出願人が先願発明の出願人と同一であるともいえないので、特許法第29条の2の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4.むすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成28年4月6日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、上記第2の1.において記載した次のとおりのものである。
「A 遊技を開始させる場合に操作される開始操作手段と、
B 複数種類の図柄を遊技が開始された場合に変動表示するとともに、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示可能な可変表示手段と、
C 前記図柄を停止表示する場合に操作される停止操作手段と、
D 遊技媒体を投入可能な投入手段と、
E 遊技媒体が投入された場合に遊技を開始可能とし、各遊技において当選役を決定し、前記停止操作手段に対する遊技者の停止操作態様と前記当選役とに応じて前記図柄組合せを前記可変表示手段に停止表示させるとともに、停止表示した前記図柄組合せを判定し、所定の図柄組合せが停止表示されたと判断した場合、当該所定の図柄組合せに対応する払出個数の遊技媒体を払出すメイン制御手段と、
F 前記メイン制御手段からの各種のコマンドにより制御されるサブ制御手段と、
G 前記メイン制御手段により制御され、所定の前記当選役が決定されたとき、前記所定の図柄組合せを停止表示させるための停止操作態様を特定可能な第1の表示態様に制御されるとともに、前記所定の図柄組合せが停止表示された場合、前記所定の図柄組合せに対応する払出個数を特定可能な第2の表示態様に制御される特定表示手段とを具備し、
H 前記メイン制御手段は、所定の前記当選役が決定された遊技において、少なくとも前記停止操作手段の操作が可能になってから最後の前記停止操作手段が操作されるまでの期間では、前記第1の表示態様に前記特定表示手段を制御し、前記所定の図柄組合せが停止表示された後に、前記第1の表示態様と相違し、且つ、前記第2の表示態様と相違する第3の表示態様に前記特定表示手段を制御してから前記第2の表示態様に前記特定表示手段を制御可能な
J 遊技機。」

2.拒絶理由通知の概要
平成28年10月14日付け拒絶理由通知は、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないというものである。

3.先願明細書等及び先願発明の発明
先願明細書等に記載されている、先願発明の認定は前記「第2 平成29年7月14日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.独立特許要件」に記載したとおりである。

4.対比・判断
本願発明は、本件補正発明から、上記第2の2.(1)(2)に記載した補正事項を削除したものであり、当該補正事項のうち、
(1)は補正前の請求項1の発明特定事項である「メイン制御手段」について、「特定表示手段」を「第3の表示態様に制御」する時間を「予め定められた時間長に亘り」と限定するとともに、「その後、特定の操作を要することなく」「第2の表示態様に」「制御可能」とすることを限定する補正であり、
上記補正(2)は、上記補正(1)における「予め定められた時間長」を「特定表示手段が第3の表示態様で制御されていることを遊技者が認識できる時間長である」と限定する補正である。

そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の限定を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3.に記載したとおり、先願発明と実質的に同一の発明であることから、本願発明も同様の理由により、先願発明と実質的に同一の発明であるといえる。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、先願発明の発明と実質的に同一の発明であり、しかも、本願発明の発明者が先願発明の発明者と同一であるとはいえず、また、本願の出願日時点において、その出願人が先願発明の出願人と同一であるともいえないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-02-14 
結審通知日 2018-02-20 
審決日 2018-03-12 
出願番号 特願2015-70719(P2015-70719)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 161- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池谷 香次郎佐藤 史彬  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 川崎 優
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
代理人 鈴木 均  
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