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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 H04M
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04M
管理番号 1339888
審判番号 不服2017-1591  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-03 
確定日 2018-05-22 
事件の表示 特願2014-505972「情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 9月26日国際公開、WO2013/140680、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成24年12月12日(優先権主張 平成24年 3月23日)の出願であって、平成27年1月16日付けで手続補正がされ、平成28年4月18日付けで拒絶理由通知がされ、同年6月7日付けで手続補正がされ、同年11月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成29年2月3日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。


第2 原査定の概要
原査定(平成28年11月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.本願請求項1-13に係る発明は、以下の引用文献1-3に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2005-100364号公報
2.特開平08-195979号公報
3.特開2008-109527号公報


第3 本願発明
本願請求項1-13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明13」という。)は、平成29年2月3日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-13に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置に対し、前記通信事業者との間でサービス提供会社により事前に契約された契約認証情報に基づいて特定サービスの提供に用いる接続権を新たに貸与するための制御を行う制御部と、
前記貸与された接続権を用いて接続される無線通信装置に前記基地局と前記所定のネットワークとを経由して前記特定サービスを提供する提供部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記特定サービスの提供を開始するタイミングで前記無線通信装置に貸与した前記接続権を有効化し、前記特定サービスの提供を終了するタイミングで当該接続権を無効化するための制御を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、使用時間の制限が付された前記接続権を前記無線通信装置に貸与し、当該貸与後に前記制限に係る所定時間が経過した場合には前記接続権を無効化するための制御を行う請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記特定サービスの提供にのみ用いる接続権を前記無線通信装置に貸与するための制御を行う請求項1乃至3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記特定サービスの提供要求を受け付けた場合に当該提供要求を送信した無線通信装置に前記接続権を貸与するための制御を行う請求項1乃至4の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定サービスの提供を受けることができる無線通信装置を管理する第1管理部をさらに具備し、
前記制御部は、前記提供要求を送信した無線通信装置が前記特定サービスの提供を受けることができるか否かを前記第1管理部における管理内容に基づいて判断し、前記特定サービスの提供を受けることができると判断された無線通信装置にのみ前記接続権を貸与するための制御を行う
請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1管理部は、前記特定サービスの提供を受けることができる無線通信装置を特定するための識別情報とパスワードと機種情報とのうちの少なくとも1つを含む管理情報を記憶し、
前記制御部は、前記提供要求に含まれる情報と前記管理情報とが一致するか否かに基づいて当該提供要求を送信した無線通信装置が前記特定サービスの提供を受けることができるか否かを判断する
請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定サービスの提供時に貸与される前記接続権を管理する第2管理部をさらに具備し、
前記制御部は、前記提供要求を送信した無線通信装置に前記接続権を貸与することができるか否かを前記第2管理部における管理内容に基づいて判断し、前記接続権を貸与することができると判断された無線通信装置にのみ前記接続権を貸与するための制御を行う
請求項5記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2管理部は、前記接続権を貸与することができる無線通信装置の上限値を記憶し、
前記制御部は、前記提供要求を受け付けた際に前記接続権が貸与されている無線通信装置の数が前記上限値に達していない場合には前記無線通信装置に前記接続権を貸与することができると判断する
請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置に対し、前記通信事業者との間でサービス提供会社により事前に契約された契約認証情報に基づいて特定サービスの提供に用いる接続権を新たに貸与するための制御を行う制御部を備える情報処理装置と、
前記貸与された接続権を用いて前記情報処理装置に接続して前記基地局と前記ネットワークとを経由した前記特定サービスの提供を受け付ける無線通信装置と
を具備する通信システム。
【請求項11】
前記特定サービスの提供を受けることができる無線通信装置を管理する第1管理装置をさらに具備し、
前記第1管理装置は、前記特定サービスの提供を受けることができるか否かを無線通信装置毎に判断し、
前記制御部は、前記第1管理装置により前記特定サービスの提供を受けることができると判断された無線通信装置にのみ前記接続権を貸与するための制御を行う
請求項10記載の通信システム。
【請求項12】
前記特定サービスの提供時に貸与される前記接続権を管理する第2管理装置をさらに具備し、
前記第2管理装置は、前記接続権を貸与することができるか否かを無線通信装置毎に判断し、
前記制御部は、前記第2管理装置により前記接続権を貸与することができると判断された無線通信装置にのみ前記接続権を貸与するための制御を行う
請求項10記載の通信システム。
【請求項13】
制御部が、通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置に対し、前記通信事業者との間でサービス提供会社により事前に契約された契約認証情報に基づいて特定サービスの提供に用いる接続権を新たに貸与するための制御を行う制御手順と、
サービス提供部が、前記貸与された接続権を用いて接続される無線通信装置に前記基地局と前記所定のネットワークとを経由して前記特定サービスを提供する通信手順と
を具備する情報処理方法。」


第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-100364号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与。)。

(1)
「【0026】
関門装置11は、ネットワーク事業者が運用する無線通信ネットワークの基地局装置からなる。例えば、無線通信ネットワークが公衆無線LAN(Local Area Network)システムであればその基地局からなる。アクセス装置13は、例えば公衆無線LAN用の無線通信インタフェースを備えるパーソナル・コンピュータ、或いはPDA(Personal Digital Assistants)からなり、上記無線LANのサービスエリアにおいて上記関門装置12に接続される。そして、この関門装置11から、さらに図示しないインターネット等のコンピュータ・ネットワークを介してコンテンツ管理装置14に接続される。」

「【0066】
図3は、この発明に係わるコンテンツ配信システムの第3の実施形態を示すブロック図である。なお、同図において前記図1及び図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
関門装置11には、図1及び図2に示したアクセス先検出機能1101及びアクセス先問い合わせ機能1102に代えて、ユーザ検出機能1106及びユーザ問い合わせ機能1107が設けてある。ユーザ検出機能1106は、ユーザのアクセス装置13からアクセス要求が到来した場合に、当該アクセス元のユーザの識別情報を検出する。検出するユーザ識別情報としては、例えばユーザIDやパスワード、アクセス装置の製造番号や製品番号などの固有番号が使用される。」

「【0073】
次に、以上のように構成されたシステムの動作を説明する。
所望のコンテンツを購入しようとする際、ユーザは自身のアクセス装置13から関門装置11を経由してコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスする。このとき、先に第1の実施形態で述べたように、コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約により、コンテンツ売買管理装置14bのアクセス先情報(URL)をユーザ認証装置16のユーザ情報管理テーブル機能1601に事前に記憶しておけば、ユーザはたとえ上記ネットワーク事業者に対し利用登録を行っていなくても、関門装置11を経由してコンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスすることが可能である。
【0074】
ユーザのアクセス装置13とコンテンツ売買管理装置14bとの間でコンテンツの購入処理が行われると、コンテンツ売買管理装置14bではコンテンツユーザ提示機能1405により、上記購入されたコンテンツをユーザが取得するために必要なアクセス権情報としてユーザIDとパスワードからなるユーザ識別情報が発行される。そして、このユーザ識別情報は関門装置11を経由して購入元のユーザのアクセス装置13に通知される。また、上記発行されたユーザ識別情報は、コンテンツ提供指示機能1404によりユーザ認証装置16に通知される。ユーザ認証装置16ではユーザ情報登録機能1203により、上記通知されたユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1201に記憶される。
【0075】
さらに、コンテンツ売買管理装置14bにおいてコンテンツの購入処理が行われると、コンテンツ提供指示機能1404によりコンテンツ準備装置17に対し、上記購入されたコンテンツの準備指示が与えられる。この準備指示を受け取るとコンテンツ準備装置17では、配信対象のコンテンツを含む配信情報が作成される。そして、この作成された配信情報はコンテンツ配信元となるコンテンツ提供装置14aに送られ、コンテンツ記憶部に格納される。
かくして購入されたコンテンツの配信準備が整えられる。
【0076】
さて、この状態でユーザが、上記コンテンツ購入時にコンテンツ売買管理装置14bから通知されたユーザ識別情報に従い、関門装置11を経由してコンテンツ提供装置14aに対しアクセスしたとする。そうすると関門装置11では、先ず上記アクセス装置13が自己の無線通信ネットワークシステムに対し利用登録を行っているユーザであるか否かが判定され、利用登録がなされているユーザであればそのままアクセスが実施される。これに対し、利用登録がなされていないユーザだった場合には、ユーザ問い合わせ機能1107からユーザ認証装置16に対しユーザ許否の問い合わせが行われる。
【0077】
ユーザ認証装置16は、上記問い合わせがあったユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されているか否かをユーザ許否決定機能1602で判定する。そして、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにおいて正当に購入手続きされたものであれば、当該コンテンツのユーザ識別情報がユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されているので上記ユーザは許可され、その旨の応答が関門装置11に通知される。これに対し、コンテンツがコンテンツ売買管理装置14bにより正当な手続きを経て購入されたものでない場合には、ユーザ識別情報はユーザ情報管理テーブル機能1601に記憶されていないため上記ユーザは不許可と判定され、その旨の応答が関門装置11に通知される。
【0078】
関門装置11では、ユーザ認証装置16から通知される応答の内容がユーザ許可であれば、上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される。かくして、アクセス装置13とコンテンツ提供装置14aとの間では以後通信が可能となる。なお、応答の内容がユーザ不許可であれば、上記アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスは中断される。
【0079】
上記通信が可能となった状態でアクセス装置13からコンテンツの取得要求が到来すると、コンテンツ提供装置14aはコンテンツ準備提供機能1403によりコンテンツ記憶部から該当するコンテンツを選択的に読み出し、読み出されたコンテンツを含む配信情報を要求元のアクセス装置13へ向け送信する。コンテンツ提供装置14aから送信されたコンテンツの配信情報は、関門装置11を経由してアクセス装置13に伝送され、アクセス装置13のメモリに保存される。
【0080】
また、上記コンテンツの配信動作中に関門装置11では、配信終了検出機能1104によりコンテンツの伝送の終了監視が行われる。そして、伝送終了が検出されると、配信終了通知機能1105からユーザ認証装置16に対し伝送終了が通知され、この通知を受けてユーザ認証装置16ではユーザ情報削除機能1604によりユーザ情報管理テーブル機能1601から該当するユーザ情報が削除される。このため、ユーザが購入したコンテンツの取得は1回のみ可能となる。」

(2)引用文献1の段落【0073】-【0074】によれば、「コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約」によるアクセス先情報の登録により、ユーザがネットワーク事業者に対し利用登録を行っていなくても「コンテンツ売買管理装置14bに対しアクセスすることが可能」であり、アクセス装置13とコンテンツ売買管理装置14bとの間でコンテンツの購入処理が行われると、ユーザ識別情報がユーザ認証装置16に通知される。
そして、引用文献1の段落【0076】-【0078】によれば、「コンテンツ提供装置14aに対しアクセスした」ときに、関門装置11において、「アクセス装置13が自己の無線通信ネットワークシステムに対し利用登録を行っているユーザであるか否かが判定され」て、「利用登録がなされていないユーザ」の場合に、「ユーザ認証装置16に対しユーザ許否の問い合わせ」を行って、ユーザ認証装置16においてユーザ識別情報に基づいたユーザの許可か不許可かが判定されて、「ユーザ認証装置16から通知される応答の内容がユーザ許可」であれば、アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される。

ここで、ユーザの「ネットワーク事業者に対」する「利用登録」とは、移動体通信の技術常識に照らして「自己の無線通信ネットワークシステムに対」する「利用登録」であることは明らかである。

そうすると、「利用登録がなされていないユーザ」の「アクセス装置13」に対して、コンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施されるには、コンテンツ売買管理装置14bへのアクセスを行ってコンテンツの購入処理をする必要があり、コンテンツ売買管理装置14bへのアクセスは「コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約」によるアクセス先情報の登録が前提であるから、「利用登録がなされていないユーザ」の「アクセス装置13」に対してコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される制御は、「コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約」によるアクセス先情報の登録に基づいているといえる。

また、「ユーザ許可」というユーザ認証装置16から通知される応答により、アクセス装置13からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施されるから、該「ユーザ許可」の通知は、「コンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施される」ための制御であるといえる。

引用文献1の段落【0080】によれば、配信終了検出機能1104によりコンテンツの伝送終了が検出されると、配信終了通知機能1105からユーザ認証装置16に対し伝送終了が通知され、この通知を受けてユーザ認証装置16ではユーザ情報削除機能1604によりユーザ情報管理テーブル機能1601から該当するユーザ情報が削除されるため、「アクセス装置13」からコンテンツ提供装置14aに対するアクセスがそのまま実施されるのは1回のみであることは明らかである。つまり、「利用登録がなされていないユーザ」の「アクセス装置13」に対して、「ユーザ許可」というユーザ認証装置16から通知される応答によって、一時的なアクセスを実施しているといえる。


よって、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ネットワーク事業者に対する利用登録がなされていないユーザのアクセス装置13に対し、コンテンツ事業者とネットワーク事業者との間の契約によるアクセス先情報に基づいてコンテンツ提供装置14aに対するアクセスを一時的に実施するための制御であるユーザ許可の通知を行うユーザ認証装置16と、
アクセスが一時的に実施されたアクセス装置13に基地局装置からなる関門装置11と無線通信ネットワークとを経由してコンテンツの配信情報を送信するコンテンツ提供装置14aと
を具備するコンテンツ配信システム。」


第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

引用発明における「ネットワーク事業者」、「利用登録」、「アクセス装置13」、「アクセス」は、本願発明1における「通信事業者」、通信事業者とユーザとの間の「契約」、「無線通信装置」、「接続」に相当する。

引用発明における「無線通信ネットワーク」、「コンテンツ事業者」、「コンテンツの配信」、「送信」は、本願発明1における「所定のネットワーク」、「サービス提供会社」、「特定サービス」、「提供」に含まれる。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「所定の無線通信装置に対し、通信事業者との間でサービス提供会社により事前に契約された情報に基づいて特定サービスの提供に用いる接続を一時的に実施するための制御を行う構成と、
接続される無線通信装置に基地局と所定のネットワークとを経由して前記特定サービスを提供する構成と
を具備する機構。」

(相違点)
(相違点1)「所定の無線通信装置」として、本願発明1は「通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置」であるのに対し、引用発明は「ネットワーク事業者に対する利用登録がなされていないユーザのアクセス装置13」である点。

(相違点2)「事前に契約された情報」が、本願発明1は「契約認証情報」であるのに対し、引用発明は「アクセス先情報」である点。

(相違点3)「接続を一時的に実施するための制御」が、本願発明1は「接続権を新たに貸与するための制御」であるのに対し、引用発明は「ユーザ許可の通知」である点。

(相違点4)「機構」が、本願発明1は、制御部、提供部を具備する情報処理装置であるのに対し、引用発明は、ユーザ認証装置16、コンテンツ提供装置14aとを具備するシステムである点。


(2)相違点についての判断
相違点1について検討すると、引用文献1の段落【0076】の記載によれば、利用登録がなされているユーザのアクセス装置13に対しては、そのままアクセスが実施されること、すなわち、利用登録がなされているユーザのアクセス装置13に対しては、コンテンツ提供装置14aに対するアクセスを一時的に実施する制御は行われないことが引用発明の前提となっていると解されることから、引用発明の「ユーザのアクセス装置13」を、相違点1に係る本願発明1の、「通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置」であると構成することには、そもそも動機付けがなく、また、当該構成は、引用文献1-3には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。

したがって、本願発明1は、相違点2-4を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明、引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。


2.本願発明2-12について
本願発明2-12も、本願発明1の、「所定の無線通信装置」が「通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置」であるという同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明13について
本願発明13は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の、「所定の無線通信装置」が「通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置」であるという対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2、3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 原査定について
1.理由1(特許法第29条第2項)について
審判請求時の補正により、本願発明1-13は、制御の対象となる「所定の無線通信装置」が「通信事業者との間でユーザにより契約された契約認証情報に基づいて基地局に接続して所定のネットワークに接続するための接続権を有する無線通信装置」であるという事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-3に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由1を維持することはできない。


第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-05-09 
出願番号 特願2014-505972(P2014-505972)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04M)
P 1 8・ 575- WY (H04M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 永田 義仁  
特許庁審判長 大塚 良平
特許庁審判官 吉田 隆之
佐藤 実
発明の名称 情報処理装置、通信システムおよび情報処理方法  
代理人 丸島 敏一  
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