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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1339939
審判番号 不服2017-8656  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-14 
確定日 2018-06-01 
事件の表示 特願2016- 22952「順番管理システム、順番管理装置およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月17日出願公開、特開2017-142616、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成28年2月9日の出願であって、平成28年5月26日付けで拒絶理由通知がなされ、平成28年7月29日付けで手続補正がなされ、平成28年10月25日付けで拒絶理由通知(最後)がなされ、平成28年12月26日付けで手続補正がされたが、平成29年3月13日付けで補正の却下の決定がなされると共に拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、平成29年6月14日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の概要

原査定(平成29年3月13日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-5に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2005-182424号公報
2.特開2008-210054号公報
3.特開2014-197371号公報
4.特開2004-302696号公報

第3 本願発明

本願請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、平成29年6月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である(下線は、当審において付与した。)。

「【請求項1】
施設における顧客の順番待ちを管理する順番管理システムであって、
新規の順番待ちの入力操作を受け付け、該順番待ちを受け付けた旨を表す受付情報を生成する受付端末と、
各順番待ちの状況を表す順番待ちステータスの変更操作を受け付け、該順番待ちステータスを変更した旨を表すステータス変更情報を生成する順番管理端末と、
前記受付端末および前記順番管理端末と通信ネットワークを介して接続され、前記受付情報および前記ステータス変更情報に基づいて順番待ちを管理する順番管理サーバと、
を備え、
前記順番管理サーバは、
前記受付端末が受け付けた順番待ちを受付時刻順に並べたテーブルを作成するテーブル作成部と、
前記通信ネットワークを介して当該順番管理サーバと接続可能な端末装置から入力される予約情報であって、前記顧客に予め与えられた特典を特定するための識別情報を含む予約情報に基づいて、前記受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付ける受付処理部と、
前記予約情報に含まれる識別情報が有効である場合に、該予約情報に対応する順番待ちを、前記テーブルにおける順番待ちの並び順の所定の順位に挿入する割込み処理部と、
前記特典を特定するための識別情報と、前記特典の利用状況を表す利用ステータスとを格納する特典管理データベースと、
前記特典管理データベースを管理する特典管理部と、
を有し、
前記割込み処理部は、前記予約情報が予約時間を指定する情報を含む場合、前記テーブルに並べられた各順番待ちの順番が到来する時刻を見積り、前記見積もった時刻が前記指定された予約時間に近い順位に、前記予約情報に対応する順番待ちを割り込んで挿入し、
前記利用ステータスは、前記特典がまだ利用されていない状態である第1ステータスと、前記特典の利用を伴う順番待ちが受け付けられている状態である第2ステータスと、前記特典が利用済みの状態である第3ステータスと、を含み、
前記特典管理部は、
前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された際に、当該特典の利用ステータスを前記第1ステータスから前記第2ステータスに変更し、
前記特典の利用を伴う順番待ちの順番が到来した際に、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第3ステータスに変更し、
前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された後で、前記テーブルにおいて前記特定の利用を伴う順番待ちがキャンセルされた場合、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第1ステータスに変更する、
順番管理システム。」

なお、下線部の「前記特定の利用を伴う順番待ち」の記載が、「前記特典の利用を伴う順番待ち」の誤記であることは自明であるので、以降、「前記特典の利用を伴う順番待ち」と訂正して、引用発明等との対比判断を行う。

また、本願発明2、3の概要は以下のとおりである。
本願発明2は、本願発明1の順番管理システムにおける順番管理サーバに対応し、これを順番管理装置とした発明である。
本願発明3は、本願発明1の順番管理システムにおける順番管理サーバに対応し、これを順番管理装置に実行させるプログラムとした発明である。
なお、本願発明2、3についても、上記本願発明1と同様の誤記がある。

第4 引用文献、引用発明等

1.引用文献1(特開2005-182424号公報)について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0001】
本発明は、顧客受付システムに関するものである。」

イ.「【0030】
・・・(中略)・・・金融機関側に配設されているCTI(Computer Telephony Integration)サーバ22」

ウ.「【0031】
・・・(中略)・・・また、前記受付管理サーバ25は、営業店の窓口での受付の順番等を管理するものであり、顧客11への予約結果を連絡する機能と、予約情報を一時保留する一時保留部26とを備え、顧客データベースサーバ27と接続され、該顧客データベースサーバ27に対して顧客情報の照会を行う。」

エ.「【0033】
そして、前記受付管理サーバ25は、前記内部ネットワーク24を介して受付端末としての店頭受付端末31と通信可能に接続されている。該店頭受付端末31は、・・・(中略)・・・受付番号の付与された整理券を発券する発券機等を備えるコンピュータである。そして、営業店の窓口を訪れる顧客11は、自ら店頭受付端末31を操作して、自己のカードを読み取り部にセットし、さらに、自己の用件等を入力すると、該当する窓口番号、前記顧客11の受付番号、予想される待ち時間等の情報が表示手段、音声出力手段、発券機等から出力されるようになっている。」

オ.「【0035】
また、前記受付管理サーバ25は、前記内部ネットワーク24を介して窓口カウンタ端末41及び待行列管理サーバ51に接続されている。」

カ.「【0036】
ここで、前記待行列管理サーバ51は、顧客11が窓口で受け付けられる順番である待行列に関する情報としての顧客待行列情報を更新する。該顧客待行列情報は、基本的には、前記店頭受付端末31によって付与された受付番号に基づいて作成されるが、前記受付管理サーバ25において処理された事前予約や顧客ランクに応じて修正されて更新されるようになっている。例えば、優良顧客である顧客11を前記待行列の先頭に割り込ませるように、顧客待行列情報は更新される。」

キ.「【0041】
まず、顧客11は、営業店の窓口での受付を事前に予約するために、すなわち、来店前に受付申告を行うために、顧客端末15を公衆ネットワーク21を介してCTIサーバ22又はウェブサーバ23に接続して、予約発信を行う(図2(1))。ここで、前記顧客端末15が固定電話機、携帯電話機、PHS電話機等の音声通話用の装置である場合には、CTIサーバ22に接続される。そして、前記顧客11は、音声通話によって予約内容を通知する。なお、該予約内容は、顧客11の口座番号、営業店名、予約日時、用件等である。すると、予約内容がCTIサーバ22へ送信され、予約内容通知が行われる(図2(2))。そして、該CTIサーバ22は、口座番号、営業店名、予約日時、用件等の予約内容を内部ネットワーク24介して受付管理サーバ25に送信して、予約内容通知を行う(図2(3))。
【0042】
次に、該受付管理サーバ25は、前記予約内容に含まれる顧客識別情報に基づいて、顧客データベースサーバ27にアクセスして顧客情報照会を行う(図2(4))。この場合、前記受付管理サーバ25は、顧客11からの予約内容の情報と、顧客情報照会の結果とを照合して、前記顧客11の顧客ランクが優遇対象顧客であるか否かを判断する。」

ク.「【0044】
そして、前記受付管理サーバ25は、顧客11が優遇対象顧客である場合には、営業店の窓口で前記顧客11を優先的に受け付けるための予約、すなわち、優先予約を受け付け、顧客11が優遇対象顧客でない場合には、優先予約を受け付けない、すなわち、優先予約不可とする。」

ケ.「【0047】
次に、予約結果として優先予約受付済を受信した顧客11は、優先予約顧客として、指定した優先予約の日時に、指定した営業店に出向き、該営業店に配設されている店頭受付端末31のカード/通帳読取部34に、自分の所持するカード12を挿入し、読み込ませる。すると、前記店頭受付端末31は、前記カード12の記憶手段に格納された顧客コード等の情報を読み取り、来店受付を行う(図2(8))。」

コ.「【0048】
続いて、受付管理サーバ25は、一時保留部26に一時保留された予約情報と、店頭受付端末31から受信した来店受付情報とのマッチング、すなわち、照合を行い、同一の顧客11であるか否かを判断する(図2(10))。そして、同一の顧客11であると確認することができた場合、前記受付管理サーバ25は受付番号優先割り込みを実行する(図2(11))。この場合、前記受付管理サーバ25は、常にそれぞれの窓口の受付状況を顧客待行列情報として管理する処理機能を備える。そして、前記受付管理サーバ25は、来店受付情報によって優先予約顧客の来店したことを確認すると、窓口で受け付けられる順番である待行列に対する優先割込み処理を起動させる。これにより、前記受付管理サーバ25は、待行列を再編成して、優先予約顧客を待行列の一番前に割り込ませることができる。すなわち、優先予約顧客の優先割込挿入が行われる(図2(12))。また、前記受付管理サーバ25は、前記優先予約顧客に付与される受付番号としての優遇顧客番号を取得し(図2(13))、さらに、再編成された待行列における受付番号、すなわち、再編番号を取得する(図2(14))。
【0049】
続いて、受付管理サーバ25は、前記優遇顧客番号を店頭受付端末31に返信する。そして、該店頭受付端末31は、前記優遇顧客番号を優先予約顧客としての顧客11に付与された受付番号として、表示手段、音声出力手段、発券機等から出力する。」

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

<引用発明>

「営業店の窓口を訪れる顧客11が操作して、自己のカードを読み取り部にセットし、用件を入力すると、顧客11の受付番号の情報を表示手段、発券機から出力する店頭受付端末31と(【0033】)、
公衆ネットワーク21を介してCTI(Computer Telephony Integration)サーバ22に接続して、窓口での受付を予約するために、顧客11の口座番号、営業店名、予約日時、用件を含む予約内容を送信する顧客端末15と(【0041】)、
予約内容を内部ネットワーク24介して受付管理サーバ25に送信するCTIサーバ22と(【0041】)、
内部ネットワーク24を介して店頭受付端末31と接続され(【0033】)、営業店の窓口での受付の順番を管理し、予約情報を一時保留する一時保留部26を備えた受付管理サーバ25と(【0031】)、
内部ネットワーク24を介して受付管理サーバ25に接続され(【0035】)、顧客11が窓口で受け付けられる順番である待行列に関する顧客待行列情報を更新し、該顧客待行列情報を受付番号に基づいて作成する待行列管理サーバ51(【0036】)とを備え、
受付管理サーバ25は、予約内容の情報と顧客情報照会の結果とを照合して、顧客11が優遇対象顧客であるか否かを判断し(【0042】)、優遇対象顧客である場合には、営業店の窓口で前記顧客11を優先的に受け付けるための優先予約を受け付け(【0044】)、
優先予約顧客が、指定した優先予約の日時に指定した営業店に出向き、店頭受付端末31に自分の所持するカード12を読み込ませると、店頭受付端末31は、カード12の記憶手段に格納された顧客コードの情報を読み取って来店受付を行い(【0047】)、
受付管理サーバ25は、一時保留部26の予約情報と、店頭受付端末31から受信した来店受付情報との照合を行い、優先予約顧客の来店を確認すると、優先予約顧客を待行列の一番前に割り込ませ(【0048】)、優遇顧客番号を店頭受付端末31に返信し(【0049】)、
店頭受付端末31は、前記優遇顧客番号を受付番号として、表示手段、発券機から出力する(【0049】)、
顧客受付システム(【0001】)。」

2.引用文献2(特開2008-210054号公報)について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0029】
・・・(中略)・・・図4の順番待ち制御装置1は、窓口事務連携部41,発券制御部42,予約受付部43,番号調整部44,前倒し調整部45,本発行部46,処理条件テーブル47,番号テーブル48,仮押さえ番号作業テーブル49を有する構成である。」

イ.「【0035】
図6は発券制御部が行う発券処理の一例を示したフローチャートである。ステップS11に進み、発券制御部42は発券機2から受付番号券の発券要求を受け付ける。ステップS12に進み、発券制御部42は番号調整部44に後述の番号調整処理を行わせる。
【0036】
ステップS13に進み、発券制御部42は図7に示す番号テーブル48のレコードを番号順に読み出す。図7は番号テーブルの一例の構成図である。図7の番号テーブル48のレコードは番号およびフラグを項目として含む構成である。項目「番号」は、受付番号を表すものである。また、項目「フラグ」は発行した受付番号の状態を表すものである。
【0037】
例えば項目「フラグ」は、未設定の受付番号を「-」、設定済の受付番号のうち窓口での取引等が終了した受付番号を「済」、設定済の受付番号のうち窓口での取引等を行っている最中の受付番号を「中」、設定済の受付番号のうち順番待ち中の受付番号を「待ち」、設定できない受付番号を「欠」、仮押さえ中の受付番号を「仮押さえ」で表している。
【0038】
ステップS14に進み、発券制御部42はフラグが「-」である未設定の受付番号を含むレコードのうち、最初のレコードの番号を受付番号として発券機2に受付番号券を発券させる。」

したがって、上記引用文献2には次の事項が記載されている。

<引用文献2の記載事項>
「発券制御部42と番号テーブル48とを有し、
番号テーブル48のレコードは、番号およびフラグを項目として含み、
項目「番号」は、受付番号を表し、
項目「フラグ」は、発行した受付番号の状態を表し、未設定の受付番号を「-」、設定済の受付番号のうち窓口での取引等が終了した受付番号を「済」、設定済の受付番号のうち窓口での取引等を行っている最中の受付番号を「中」、設定済の受付番号のうち順番待ち中の受付番号を「待ち」で表し、
発券制御部42は、フラグが「-」である未設定の受付番号を含むレコードのうち、最初のレコードの番号を受付番号として発券機2に受付番号券を発券させる、
順番待ち制御装置1。」

3.引用文献3(特開2014-197371号公報)について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
「【0139】
<第5の実施形態>
続いて、図17と図18を参照して、第5の実施形態に係るクーポンキャンセル処理について説明する。クーポンキャンセル処理とは、利用済みのクーポンを再度利用可能にする処理である。
【0140】
第5の実施形態のシステム構成は、図1に示すクーポン認証システム100と同様である。
・・・(中略)・・・
【0144】
図18は、第5の実施形態に係る携帯端末2に表示する画面例を示す。図18の(a)に、クーポンキャンセル画面80を示す。クーポンキャンセル画面80には、キャンセルボタン80aが配置される。
【0145】
携帯端末2の制御部21は、キャンセルボタン80aが押下されたことを検知すると、クーポン配信アプリケーションを介してQRコード(登録商標)読取用機能を起動し(ステップS602)、店舗の店員が提示するQRコード(登録商標)を読み取る(ステップS603)。携帯端末2の表示部25には、図9に示す利用済み設定バーコード読取り画面50と同様の画面が表示される。
【0146】
読み取られるQRコード(登録商標)のコード情報には店舗テーブル31の「店舗コード」、「認証コード」、及び「処理ID」が含まれる。「処理ID」は、クーポンのキャンセルを示すものであり、例えば、「9999」等の数値で表される。
【0147】
携帯端末2の制御部21は、直前に使用したクーポン一覧が表示される管理モード画面81を表示部25に表示する(ステップS604)。管理モード画面81の一例を図18の(b)に示す。管理モード画面81には直前に使用したクーポン81a(アプリケーション内に記憶されている)ごとにボタン81bが配置される。ボタン81bはクーポンを利用可に戻す場合に、店員またはユーザによって押下される。
【0148】
携帯端末2の制御部21は、管理モード画面81のクーポン81aからキャンセルする1または複数のクーポンの選択を受付け(ステップS605)、入力されたQRコード(登録商標)から得られた「店舗コード」、「認証コード」、記憶部22に記憶される「端末ID」、ステップS605にて選択されたクーポンの「クーポンコード」を、クーポン管理サーバ1に送信する(ステップS606)。
【0149】
クーポン管理サーバ1の制御部11は、「店舗コード」と「認証コード」と「端末ID」と「クーポンコード」を、携帯端末2から受信する(ステップS607)。
【0150】
クーポン管理サーバ1の制御部11は、クーポンはキャンセル可能か判定する(ステップS608)。
具体的には、クーポン管理サーバ1の制御部11は、クーポンテーブル32から、受信したクーポンコードに対応する利用可能な店舗の店舗コードを取得し、受信した店舗コードと比較する。一致した場合には、クーポン管理サーバ1の制御部11は、店舗テーブル31から当該店舗コードに対応する認証コードを取得し、受信した認証コードと比較する。一致した場合には、クーポン管理サーバ1の制御部11は、受信した認証コード等が正しいものとする。
【0151】
クーポン管理サーバ1の制御部11は、正しいとした場合には、さらに、クーポン利用履歴テーブル34を参照して、受信した端末IDとクーポンコードと店舗コードとに対応するアクセス日時を取得し、クーポンが一定時間内にユーザによって利用されたものであるか判定しても良い。
【0152】
正しいものであれば(ステップS608のYES)、クーポン管理サーバ1の制御部11は、クーポン利用可否テーブル35を検索し、受信した端末IDとクーポンコードとに対応する利用可否を、“利用可”に更新する(ステップS610)。」

したがって、上記引用文献3には次の事項が記載されている。

<引用文献3の記載事項>

「携帯端末2は、
キャンセルボタン80aが配置されたクーポンキャンセル画面80を表示し(【0144】)、
キャンセルボタン80aが押下されたことを検知すると、QRコード読取用機能を起動し、店舗の店員が提示するQRコードを読み取り(【0145】)、
当該QRコードのコード情報には店舗テーブル31の店舗コード、認証コード、及び、クーポンのキャンセルを示す処理IDが含まれ(【0146】)、
直前に使用したクーポン一覧が表示される管理モード画面81を表示部25に表示し、管理モード画面81には直前に使用したクーポン81aごとにボタン81bが配置され、ボタン81bはクーポンを利用可に戻す場合に押下され(【0147】)、
管理モード画面81のクーポン81aからキャンセルする1または複数のクーポンの選択を受付け、入力されたQRコードから得られた店舗コード、認証コード、選択されたクーポンのクーポンコードを、クーポン管理サーバ1に送信し(【0148】)、
クーポン管理サーバ1は、
クーポンテーブル32から、受信したクーポンコードに対応する利用可能な店舗の店舗コードを取得し、受信した店舗コードと比較し、一致した場合には、店舗テーブル31から当該店舗コードに対応する認証コードを取得し、受信した認証コードと比較し、一致した場合には、受信した認証コード等が正しいものとし(【0150】)、
正しいものであれば、クーポン利用可否テーブル35を検索し、受信した端末IDとクーポンコードとに対応する利用可否を、“利用可”に更新する(【0152】)、
クーポン認証システム100(【0140】)。」


4.引用文献4(特開2004-302696号公報)について

原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。

ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医療システムに関し、特に、患者の診察順番を管理する待ち行列管理サーバ、待ち行列管理システム、待ち行列管理方法、待ち行列管理プログラムに関する。」

イ.「【0047】
次に、図8を用いて、当日の診察に関連する情報を管理する当日診察DBについて説明する。当日診察DBは、『受付時刻』と、『患者ID』と、『氏名』と、『診察DR』と、『診療科』と、『予約』の情報を有する。
【0048】
このうち、『受付時刻』は、患者が受付をした時刻を表す。『予約』は、患者の予約の有無を表す。」

ウ.「【0057】
図11を用いて、A処理の説明をする。ステップS201で、待ち行列管理サーバ10は、当日診察DB104を検索する。次に、待ち行列管理サーバ10は、ステップS202で、医師指定があるかどうか判断し、医師指定がない場合はステップS206へ処理を進める。医師指定がある場合、待ち行列管理サーバ10は、ステップS203へ処理を進める。
【0058】
ステップS203で、待ち行列管理サーバ10は、時間予約があるかどうか判断する。時間予約がある場合、待ち行列管理サーバ10は、ステップS204のA-1処理を行う。時間予約がない場合、待ち行列管理サーバ10は、ステップS205で、受け付けた患者を、医師待ち行列の最後尾へ入れ、処理を終了する。
【0059】
ステップS202の処理に戻り、医師指定がない場合、待ち行列管理サーバ10は、ステップS206で、時間予約があるかどうか判断する。時間予約がある場合、待ち行列管理サーバ10は、ステップS207のA-1処理を行う。時間予約がない場合、待ち行列管理サーバ10は、ステップS208で、受け付けた患者を、医師待ち行列の最後尾へ入れ、処理を終了する。このステップS208とステップS205は、最後尾段階に対応する。
【0060】
次に、A-1処理の説明に先立ち、A-1処理の概要を図で説明する。本実施の形態における待ち行列に対する処理は、原則として受付時刻に基づいた順番で患者を並べる処理となっている。例外として、予約患者の受付時刻は、予約患者の実際の受付時刻よりも早い受付時刻に補正することで、予約患者の順番を待ち行列に割り込ませるようにしている。
【0061】
以下、この補正した受付時刻を補正時刻ということにする。また、実際の受付時刻からどの程度補正するかを優先度ということにする。従って、優先度の単位は分などの時間である。
【0062】
このように実際の受付時刻を早める場合、予約時刻にかなり余裕を持って受け付けた予約患者の補正時刻は、さほど早める必要がなく、受付時刻ぎりぎりに受け付けた予約患者の補正時刻は、早める必要がある。」

したがって、上記引用文献4には次の事項が記載されている。

<引用文献4の記載事項>

「患者の診察順番を管理する、待ち行列管理システムであって(【0001】)、
当日診察DBは、当日の診察に関連する情報を管理し、受付時刻と、患者IDと、氏名と、診察DRと、診療科と、予約の情報を有し(【0047】)、
待ち行列管理サーバ10は、
当日診察DB104を検索し、医師指定があるかどうか判断し(【0057】)、
医師指定がある場合には時間予約があるかどうか判断し、時間予約がある場合はA-1処理を行い、時間予約がない場合は、受け付けた患者を医師待ち行列の最後尾へ入れ(【0058】)、
医師指定がない場合には時間予約があるかどうか判断し、時間予約がある場合はA-1処理を行い、時間予約がない場合は受け付けた患者を医師待ち行列の最後尾へ入れ(【0059】)、
前記A-1処理は、予約患者の受付時刻を、予約患者の実際の受付時刻よりも早い受付時刻に補正することで、予約患者の順番を待ち行列に割り込ませるものであり、予約時刻にかなり余裕を持って受け付けた予約患者の受付時刻はさほど早めず、予約時刻ぎりぎりに受け付けた予約患者の受付時刻は早めるように補正する(【0060】【0062】)、
待ち行列管理システム(【0001】)。」

第5 対比・判断

1.本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

・ 引用発明の「顧客受付システム」は、営業店の窓口を訪れる顧客の待行列情報を管理することから、本願発明1の「施設における顧客の順番待ちを管理する順番管理システム」に相当する。
・ 引用発明の「営業店の窓口を訪れる顧客11が操作して、自己のカードを読み取り部にセットし、用件を入力すると、顧客11の受付番号の情報を表示手段、発券機から出力する店頭受付端末31」は、本願発明1の「新規の順番待ちの入力操作を受け付け、該順番待ちを受け付けた旨を表す受付情報を生成する受付端末」に相当する。
・ 引用発明のCTIサーバ22、受付管理サーバ25、及び、待行列管理サーバ51は、全体として本願発明1の「順番待ちを管理する順番管理サーバ」に相当する。
また、引用発明の受付管理サーバ25は、内部ネットワーク24を介して店頭受付端末31と接続され、受付管理サーバ25と待行列管理サーバ51は、受付の順番を管理する。
したがって、引用発明の、CTIサーバ22、受付管理サーバ25、待行列管理サーバ51全体と、本願発明1の「前記受付端末および前記順番管理端末と通信ネットワークを介して接続され、前記受付情報および前記ステータス変更情報に基づいて順番待ちを管理する順番管理サーバ」は、「前記受付端末と通信ネットワークを介して接続され、前記受付情報に基づいて順番待ちを管理する順番管理サーバ」の点で共通する。
・ 引用発明の待行列管理サーバは、「顧客11が窓口で受け付けられる順番である待行列に関する顧客待行列情報を更新し、該顧客待行列情報を受付番号に基づいて作成する」ことから、店頭受付端末が受け付けた順番待ちの情報を作成する作成部を有するといえる。
引用発明の上記作成部と、本願発明1の「前記受付端末が受け付けた順番待ちを受付時刻順に並べたテーブルを作成するテーブル作成部」は、「前記受付端末が受け付けた順番待ちの情報を作成する作成部」の点で共通する。
・ 引用発明のCTIサーバ22は、公衆ネットワーク21を介して接続された顧客端末15から、窓口での受付を予約するための予約内容を受信する。
予約は待行列の一番前に割り込むことから、この予約内容を受信することは、店頭受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付けることといえる。
したがって、引用発明のCTIサーバ22が予約内容を受信するための手段と、本願発明1の「前記通信ネットワークを介して当該順番管理サーバと接続可能な端末装置から入力される予約情報であって、前記顧客に予め与えられた特典を特定するための識別情報を含む予約情報に基づいて、前記受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付ける受付処理部」は、「前記通信ネットワークを介して当該順番管理サーバと接続可能な端末装置から入力される予約情報に基づいて、前記受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付ける受付処理部」の点で共通する。
・ 引用発明の受付管理サーバ25における、優先予約顧客を待行列の一番前に割り込ませるための手段と、本願発明1の「前記予約情報に含まれる識別情報が有効である場合に、該予約情報に対応する順番待ちを、前記テーブルにおける順番待ちの並び順の所定の順位に挿入する割込み処理部」は、「該予約情報に対応する順番待ちを、順番待ちの並び順の所定の順位に挿入する割込み処理部」の点で共通する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

<一致点>
「施設における顧客の順番待ちを管理する順番管理システムであって、
新規の順番待ちの入力操作を受け付け、該順番待ちを受け付けた旨を表す受付情報を生成する受付端末と、
前記受付端末と通信ネットワークを介して接続され、前記受付情報に基づいて順番待ちを管理する順番管理サーバと、
を備え、
前記順番管理サーバは、
前記受付端末が受け付けた順番待ちの情報を作成する作成部と、
前記通信ネットワークを介して当該順番管理サーバと接続可能な端末装置から入力される予約情報に基づいて、前記受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付ける受付処理部と、
該予約情報に対応する順番待ちを、順番待ちの並び順の所定の順位に挿入する割込み処理部と、
を有する、
順番管理システム。」

<相違点1>
本願発明1は「各順番待ちの状況を表す順番待ちステータスの変更操作を受け付け、該順番待ちステータスを変更した旨を表すステータス変更情報を生成する順番管理端末」を備えるのに対し、引用発明は当該順番管理端末を備えていない点。

<相違点2>
順番管理サーバが、本願発明1では、順番管理端末と接続され、ステータス変更情報に基づいて順番待ちを管理するのに対し、引用発明では、順番管理端末と接続されておらず、ステータス変更情報に基づいて順番待ちを管理するものでもない点。

<相違点3>
作成部によって作成される情報が、本願発明1では、「順番待ちを受付時刻順に並べたテーブル」であるのに対し、引用発明では、「順番待ちを受付時刻順に並べたテーブル」ではない点。
また、作成部が、本願発明1では「テーブル作成部」であるのに対し、引用発明では「テーブル作成部」ではない点。

<相違点4>
予約情報が、本願発明1では「前記顧客に予め与えられた特典を特定するための識別情報を含む」のに対し、引用発明は、当該識別情報を含まない点。

<相違点5>
割込み処理部による挿入が、本願発明1では「前記予約情報に含まれる識別情報が有効である場合」に行われるのに対し、引用発明では「前記予約情報に含まれる識別情報が有効である場合」に行われるものではない点。

<相違点6>
割込み処理部が、本願発明1では「前記予約情報が予約時間を指定する情報を含む場合、前記テーブルに並べられた各順番待ちの順番が到来する時刻を見積り、前記見積もった時刻が前記指定された予約時間に近い順位に、前記予約情報に対応する順番待ちを割り込んで挿入」するものであるのに対し、引用発明では「優先予約顧客を待行列の一番前に割り込ませ」るものである点。

<相違点7>
本願発明1は「前記特典を特定するための識別情報と、前記特典の利用状況を表す利用ステータスとを格納する特典管理データベース」を有し、その利用ステータスは「前記特典がまだ利用されていない状態である第1ステータスと、前記特典の利用を伴う順番待ちが受け付けられている状態である第2ステータスと、前記特典が利用済みの状態である第3ステータス」とを含むのに対し、引用発明は当該特典管理データベースを有しない点。

<相違点8>
本願発明1は「前記特典管理データベースを管理する特典管理部」を有し、この特典管理部は「前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された際に、当該特典の利用ステータスを前記第1ステータスから前記第2ステータスに変更し、前記特典の利用を伴う順番待ちの順番が到来した際に、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第3ステータスに変更し、前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された後で、前記テーブルにおいて前記特典の利用を伴う順番待ちがキャンセルされた場合、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第1ステータスに変更する」ものであるのに対し、引用発明は当該特典管理部を有しない点。

(2)相違点についての判断

割り込む順位に関する上記相違点6について検討すると、相違点6に係る本願発明1の「前記割込み処理部は、前記予約情報が予約時間を指定する情報を含む場合、前記テーブルに並べられた各順番待ちの順番が到来する時刻を見積り、前記見積もった時刻が前記指定された予約時間に近い順位に、前記予約情報に対応する順番待ちを割り込んで挿入し」は、上記引用文献1-4には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
また、特典に関する上記相違点4、5、7、8について検討すると、これらの相違点に係る本願発明1の「前記顧客に予め与えられた特典を特定するための識別情報を含む予約情報に基づいて、前記受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付ける受付処理部」、「前記予約情報に含まれる識別情報が有効である場合に、該予約情報に対応する順番待ちを、前記テーブルにおける順番待ちの並び順の所定の順位に挿入する割込み処理部」、「前記特典を特定するための識別情報と、前記特典の利用状況を表す利用ステータスとを格納する特典管理データベース」、「前記特典管理データベースを管理する特典管理部」、「前記利用ステータスは、前記特典がまだ利用されていない状態である第1ステータスと、前記特典の利用を伴う順番待ちが受け付けられている状態である第2ステータスと、前記特典が利用済みの状態である第3ステータスと、を含み」、「前記特典管理部は、前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された際に、当該特典の利用ステータスを前記第1ステータスから前記第2ステータスに変更し、前記特典の利用を伴う順番待ちの順番が到来した際に、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第3ステータスに変更し、前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された後で、前記テーブルにおいて前記特典の利用を伴う順番待ちがキャンセルされた場合、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第1ステータスに変更する」は、上記引用文献1-4には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、本願発明1は、他の相違点を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明、引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2,3について

本願発明2は、本願発明1の順番管理システムにおける順番管理サーバに対応し、これを順番管理装置とした発明である。また、本願発明3は、本願発明1の順番管理システムにおける順番管理サーバに対応し、これを順番管理装置に実行させるプログラムとした発明である。
本願発明2、3は、いずれも、相違点6及び相違点4、5、7、8に係る本願発明1の上記構成に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2-4に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第6 原査定について

審判請求時の補正により、本願発明1は、「前記割込み処理部は、前記予約情報が予約時間を指定する情報を含む場合、前記テーブルに並べられた各順番待ちの順番が到来する時刻を見積り、前記見積もった時刻が前記指定された予約時間に近い順位に、前記予約情報に対応する順番待ちを割り込んで挿入し」、「前記顧客に予め与えられた特典を特定するための識別情報を含む予約情報に基づいて、前記受付端末とは別に新規の順番待ちを受け付ける受付処理部」、「前記予約情報に含まれる識別情報が有効である場合に、該予約情報に対応する順番待ちを、前記テーブルにおける順番待ちの並び順の所定の順位に挿入する割込み処理部」、「前記特典を特定するための識別情報と、前記特典の利用状況を表す利用ステータスとを格納する特典管理データベース」、「前記特典管理データベースを管理する特典管理部」、「前記利用ステータスは、前記特典がまだ利用されていない状態である第1ステータスと、前記特典の利用を伴う順番待ちが受け付けられている状態である第2ステータスと、前記特典が利用済みの状態である第3ステータスと、を含み」、「前記特典管理部は、前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された際に、当該特典の利用ステータスを前記第1ステータスから前記第2ステータスに変更し、前記特典の利用を伴う順番待ちの順番が到来した際に、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第3ステータスに変更し、前記特典の利用を伴う順番待ちが前記並び順に挿入された後で、前記テーブルにおいて前記特典の利用を伴う順番待ちがキャンセルされた場合、当該特典の利用ステータスを前記第2ステータスから前記第1ステータスに変更する」という事項を有し、また、本願発明2、3は、これらに対応する事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-4に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-05-22 
出願番号 特願2016-22952(P2016-22952)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山本 雅士谷川 智秀  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 金子 幸一
石川 正二
発明の名称 順番管理システム、順番管理装置およびプログラム  
代理人 大貫 敏史  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 江口 昭彦  
代理人 内藤 和彦  
代理人 伊藤 健太郎  
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