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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1340043
審判番号 不服2017-11050  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-25 
確定日 2018-05-07 
事件の表示 特願2013-240332号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年5月28日出願公開、特開2015-97745号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年11月20日の出願であって、平成28年10月13日付け拒絶理由通知に対して、同年12月26日付けで手続補正がなされたところ、平成29年4月14日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年4月25日)、これに対して、同年7月25日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに、同日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、特許請求の範囲の請求項1について本件補正前に、
(平成28年12月26日付け手続補正)
「【請求項1】
複数種類の識別図柄が配置されたリールを回動させることで前記識別図柄を変動表示可能な可変表示装置と、
複数の巻線を有し、前記リールを回動及び停止させるステッピングモータと、
前記巻線への通電を制御することにより前記ステッピングモータの励磁状態を制御し、前記リールを回動及び停止させる制御を可能なモータ制御手段と、
遊技者が前記リールの回動を開始させる開始操作を可能な開始操作手段と、
遊技者が前記リールの回動を停止させる停止操作を可能な停止操作手段と、
前記停止操作を契機として、予め定められた引込み範囲内に位置する識別図柄の中から導出させる識別図柄を特定する識別図柄特定手段と、
前記識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を演算する回数演算手段と、を備え、
前記モータ制御手段は、
前記複数の巻線のうち一部の巻線に通電する第1励磁状態と、前記複数の巻線のうち前記第1励磁状態よりも多い一部の巻線に通電する第2励磁状態とに所定期間毎に切り替えて前記ステッピングモータを制御し、前記リールを回動させる回動制御と、
前記複数の巻線のうち全ての巻線に通電する全励磁状態に前記ステッピングモータを制御し、前記リールを停止させる停止制御と、を可能であり、
前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには前記所定期間の経過に伴って前記第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており、
前記全励磁状態に制御する時間は、前記第1制御を行う場合と前記第2制御を行う場合とで同じ時間であり、前記第1制御を行うのに要する時間と前記第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間であることを特徴とする遊技機。」
とあったものを、

(本件補正である平成29年7月25日付け手続補正)
「【請求項1】
複数種類の識別図柄が配置されたリールを回動させることで前記識別図柄を変動表示可能な可変表示装置と、
複数の巻線を有し、前記リールを回動及び停止させるステッピングモータと、
前記巻線への通電を制御することにより前記ステッピングモータの励磁状態を制御し、前記リールを回動及び停止させる制御を可能なモータ制御手段と、
遊技者が前記リールの回動を開始させる開始操作を可能な開始操作手段と、
遊技者が前記リールの回動を停止させる停止操作を可能な停止操作手段と、
前記停止操作を契機として、予め定められた引込み範囲内に位置する識別図柄の中から導出させる識別図柄を特定する識別図柄特定手段と、
前記識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を演算する回数演算手段と、を備え、
前記モータ制御手段は、
前記複数の巻線のうち一部の巻線に通電する第1励磁状態と、前記複数の巻線のうち前記第1励磁状態よりも多い一部の巻線に通電する第2励磁状態とに所定期間毎に切り替えて前記ステッピングモータを制御し、前記リールを回動させる回動制御と、
前記複数の巻線のうち全ての巻線に通電する全励磁状態に前記ステッピングモータを制御し、前記リールを停止させる停止制御と、を可能であり、
前記第1励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり、前記第2励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり、前記回動制御における前記複数の第1励磁状態及び前記複数の第2励磁状態の切り替え順序は、前記第1励磁状態と前記第2励磁状態とが交互に制御されるように、且つそれぞれ1回ずつ制御されるように定められており、前記切り替え順序に従って繰り返し制御され、
前記モータ制御手段は、
前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには、前記所定期間の経過に伴って、前記複数の第2励磁状態のうち前記切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており、
前記全励磁状態に制御する時間は、前記第1制御を行う場合と前記第2制御を行う場合とで同じ時間であり、前記第1制御を行うのに要する時間と前記第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間であることを特徴とする遊技機。」と補正することを含むものである(下線部は補正箇所を示す。)。

2 補正の適否
本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「第1励磁状態」と「第2励磁状態」を、それぞれ、「前記第1励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり」、「前記第2励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり」と限定するとともに、両者の関係を「前記回動制御における前記複数の第1励磁状態及び前記複数の第2励磁状態の切り替え順序は、前記第1励磁状態と前記第2励磁状態とが交互に制御されるように、且つそれぞれ1回ずつ制御されるように定められており、前記切り替え順序に従って繰り返し制御され」るに限定し、
補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「全励磁状態に制御する第2制御」に関して、「前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには前記所定期間の経過に伴って前記第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており」とあったものを「前記モータ制御手段は、前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには、前記所定期間の経過に伴って、前記複数の第2励磁状態のうち前記切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており」と限定するものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Kは、分説するため当審で付した。)。
「【請求項1】
A 複数種類の識別図柄が配置されたリールを回動させることで前記識別図柄を変動表示可能な可変表示装置と、
B 複数の巻線を有し、前記リールを回動及び停止させるステッピングモータと、
C 前記巻線への通電を制御することにより前記ステッピングモータの励磁状態を制御し、前記リールを回動及び停止させる制御を可能なモータ制御手段と、
D 遊技者が前記リールの回動を開始させる開始操作を可能な開始操作手段と、
E 遊技者が前記リールの回動を停止させる停止操作を可能な停止操作手段と、
F 前記停止操作を契機として、予め定められた引込み範囲内に位置する識別図柄の中から導出させる識別図柄を特定する識別図柄特定手段と、
G 前記識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を演算する回数演算手段と、を備え、
H 前記モータ制御手段は、
H1 前記複数の巻線のうち一部の巻線に通電する第1励磁状態と、前記複数の巻線のうち前記第1励磁状態よりも多い一部の巻線に通電する第2励磁状態とに所定期間毎に切り替えて前記ステッピングモータを制御し、前記リールを回動させる回動制御と、
H2 前記複数の巻線のうち全ての巻線に通電する全励磁状態に前記ステッピングモータを制御し、前記リールを停止させる停止制御と、を可能であり、
I 前記第1励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり、前記第2励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり、前記回動制御における前記複数の第1励磁状態及び前記複数の第2励磁状態の切り替え順序は、前記第1励磁状態と前記第2励磁状態とが交互に制御されるように、且つそれぞれ1回ずつ制御されるように定められており、前記切り替え順序に従って繰り返し制御され、
J 前記モータ制御手段は、
前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには、前記所定期間の経過に伴って、前記複数の第2励磁状態のうち前記切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており、
K 前記全励磁状態に制御する時間は、前記第1制御を行う場合と前記第2制御を行う場合とで同じ時間であり、前記第1制御を行うのに要する時間と前記第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間であることを特徴とする遊技機。」

(2)刊行物に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2004-135469号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。

・記載事項
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の回胴を回転させたあとにこれら回胴を停止させることによって遊技を行うスロットマシンなどに適用して好適な遊技機に関する。
・・・
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら複数、通常3つの回胴を回転駆動する駆動モータとしては、従来よりステッピングモータが使用されている場合が多い。ステッピングモータはトルクが大きく、しかも停止精度もよいことから、回転および停止を頻繁に繰り返し、しかも複数の回胴に取り付けられたシールに描かれた複数の図柄を違和感のない程度に揃えて停止させる回胴駆動用として好適であるからである。」

(イ)「【0028】
(手段15)「手段1から手段12のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。」このような遊技機(複合機)の基本構成としては、遊技状態に応じてその遊技状態を識別させるための複数の識別情報からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、さらに操作レバーなどの始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始されると共に、ストップボタンなどの停止用操作手段の操作に起因して、或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成された遊技機を言う。」

(ウ)「【0036】
左回胴L、中回胴M、右回胴Rは同様のユニットにより構成されているため、ここでは左回胴Lを例に挙げて図4および図5に基づいて説明する。図4は左回胴Lの組立斜視図、図5は左回胴Lに巻かれたシール47の展開図である。左回胴Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材40の外周面に21個の図柄(識別要素)が等間隔ごとに描かれたシール47が巻かれたものであり、円筒骨格部材40のボス部41が円盤状のボス補強板42を介して左回胴用ステッピングモータ71Lの駆動軸に取り付けられている。
・・・
【0040】
図6はステッピングモータ71Lの動作原理を示す接続図である。ステッピングモータ71Lとしてこの実施の形態では、1-2相励磁方式を採用したハイブリッド(HB)型の2相ステッピングモータを使用した場合である。ステッピングモータはハイブリッド型や2相に限らず、3相あるいは5相のステッピングモータなど、種々のステッピングモータを使用することができる。
【0041】
ハイブリッド型のステッピングモータ71Lは周知のように中央に配置されたロータ(回転子)60と、このロータ60の周囲に配された第1?第4ポール601?604から構成される。
【0042】
ロータ60は、N極に着磁された手前側ロータ60aと、S極に着磁された奥側ロータ60bとで構成され、手前側ロータ60aの周囲に設けられた歯(小歯)と歯の間に、奥側ロータ60bの周囲に設けられた歯が位置するように1/2ピッチだけ相対的にずらされた状態で回転軸に取り付けられている。そして、手前側ロータ60aと奥側ロータ60bとの間には筒状磁石(図示はしない)が取着されている。
【0043】
第1と第3ポール601,602には図7に示すように、励磁コイルL0とL2がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL0の巻き終わり端と励磁コイルL2の巻き始め端とが結線されて、ここに所定の直流電源(例えば+24ボルト)が印加される。同じく、第2と第4ポール602,604にも、励磁コイルL1とL3がバイファイラ巻きされ、励磁コイルL1の巻き終わり端と励磁コイルL3の巻き始め端とが結線されて、ここに所定の直流電源(例えば+24ボルト)が印加される。
【0044】
ここで、第1の励磁コイルL0に励磁信号を印加して、第1ポール601をS極に励磁すると共に、第3ポール603をN極に例示する相をA相とし、第3の励磁コイルL2に励磁信号を印加して、第1ポール601をN極に励磁すると共に、第3ポール603をS極に例示する相をA-相とし、さらに第2の励磁コイルL1に励磁信号を印加して、第2ポール602をS極に励磁すると共に、第4ポール604をN極に例示する相をB相とし、
第4の励磁コイルL3に励磁信号を印加して、第2ポール602をN極に励磁すると共に、第4ポール604をS極に例示する相をB-相と称する。
・・・
【0047】
これに対して、この実施の形態では、1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。1-2相励磁駆動では以下の▲1▼?▲8▼の励磁順序に従って励磁が行われる。
【0048】
すなわち、図8にも示すように、1-2相励磁駆動は、▲1▼A相に通電し(1相励磁)、▲2▼A相とB相の両方に通電し(2相励磁)、以下同様に▲3▼B相に通電し、▲4▼B相とA-相の両方に通電し、▲5▼A-相に通電し、▲6▼A-相とB-相の両方に通電し、▲7▼B-相に通電し、▲8▼B-相とA相の両方に通電し、その後▲1▼に戻るような駆動方式である。この1-2相励磁駆動を採用することにより、1ステップあたりの角度変化は、1相励磁駆動の1ステップあたり約0.714°となる。
【0049】
ステッピングモータ71L、71M、71Rに対する駆動信号は、図8に示すように励磁相を決定する励磁相パターンデータ(以下励磁データという)としてモータドライバー712に与えられる。この励磁データは図3に示すRAM76に格納されており、後述する回胴制御処理ルーチン内で、タイマー割り込み処理によってCPU72からの指令に基づいて入出力処理回路80に出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ71L、71M、71Rに対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。」

(エ)「【0054】
スタートレバー52は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルがベットされているときにこのスタートレバー52が操作されると、スタートスイッチ52a(図3参照)がオンされてスタート指令が発生し、このスタート指令によって各回胴L,M,Rが一斉に回転し始める。
【0055】
左回胴用ストップボタン53、中回胴用ストップボタン54、右回胴用ストップボタン55は、それぞれ回転中の左回胴L、中回胴M、右回胴Rを停止させるときに遊技者が指で押すためのボタンであり、各ボタン53,54,55が押されるとそれに連動して左回胴用ストップスイッチ53a、中回胴用ストップスイッチ54a、右回胴用ストップスイッチ55a(図3参照)がオンされて停止指令が発生する。各ストップボタン53,54,55は、各回胴が等速回転している間、図示しないランプにより点灯表示され、回転が停止すると消灯される。」

(オ)「【0067】
ところで、スロットマシンの回胴駆動モータとしてこのステッピングモータ71L(71M、71R)を使用する場合にあっては、図9に示すような駆動特性が要求される。この駆動特性は、スタートボタン(スタート用操作レバーでもよい)が操作されてからステッピングモータ71Lが回転を始め、一定の定速回転に至るまでの加速期間Taと、定速回転期間Tbと、ストップボタンの操作に関連して所定のすべりを含めた停止期間Tcに分けられる。加速期間Taをいくらにしなければならないかという規制はないのに対して、加速期間Taに定速期間Tbを加えた時間は30秒以上でなければならないと言う規制がある。また停止期間Tcもストップボタンを操作してから最大約190msec以内に駆動モータに対する励磁相を固定することが要求されている。
・・・
【0083】
第2の加速期間では、1-2相励磁を交互に繰り返すが、励磁相への割り込みタイミング、換言すれば相励磁の保持期間として、図10のように1相励磁の励磁保持期間と2相励磁の励磁保持期間とが細かく制御される。この実施の形態では、第2の加速期間に突入すると、2相励磁に続く1相励磁(図10では励磁順3)が8割り込み分行われ、したがって8割り込み分の相励磁保持が行われ、その次の2相励磁は7割り込み分だけ行われるように、割り込みが漸次短くなるように設定して励磁時間を短縮すると共に、最後には最小の割り込み間隔で励磁相が順次切り替わる通常の1-2相励磁に遷移できるような割り込みに設定されている。」

(カ)「【0097】
続いて、回胴L、M、Rの停止処理(ブレーキ処理)について説明する。ストップボタンが操作されてからは、すべり処理(後述するように1?4図柄分の回転処理)を含め、図13に示す規定時間ts(=190msec)以内に回胴L、M、Rを停止させなければならない。そのため、この実施の形態では停止処理のときには、1-2相励磁から4相励磁に切り替える。4相励磁によって全てのポール601?604に吸引力が作用するので、回転が乱調せずにスムーズに回胴L、M、Rを停止させることができる。
【0098】
1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後である。これはステッピングモータ71L、71M、71Rは1相励磁よりも2相励磁のときの方が回転位置が特定し易いため、2相励磁の直後に停止処理を行った方が停止位置精度を高めることができるからである。こうすれば上述した回転制御処理と相俟って回胴の停止位置誤差Δを僅少にすることができる。」

(キ)「【0109】
[回胴制御処理ルーチン]
回胴制御処理ルーチンでは、図17に示すように、制御装置70のCPU72は、まず、ウエイト処理を行う(ステップS300)。このウエイト処理は、前回のゲームにおいて回胴の回転が開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいて回胴の回転を開始せずに待機(ウエイト)する処理である。このため、遊技者がベットしてスタートレバー52を操作したとしても、直ちに左、中、右回胴L,M,Rが回転しないことがある。このウエイト処理に続いて後述する回胴回転処理を行い(ステップS310)、左、中、右回胴L,M,Rのそれぞれに対し図9に示すような駆動特性となるように回転処理を行う。
【0110】
第1の加速期間は2相励磁を130割り込み分行い、第2の加速期間は1相励磁と2相励磁を所定の割り込み分だけ順次交互に行って加速する。このときRAM76を参照して補正用の回転角度情報(固定値)を読み出し、この回転角度情報を回転制御情報に加算する。回胴L、M、Rが定速回転しているときの励磁信号用データの出力タイミングは、回胴制御処理以外の処理を待たずに、上述したようにタイマー割り込み処理タイミングに同期して行われる。
・・・
【0113】
続いて、左、中、右回胴用ストップボタン53,54,55のいずれかが押されて停止指令が発生したか否かを判定し(ステップS320)、停止指令が発生していないときには予め定められた最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定し(ステップS330)、最大回転時間を経過していないときには再びステップS320へ戻り、最大回転時間を経過したときには回転中のすべての回胴を強制的に停止させる強制停止処理を、2相励磁直後に4相励磁に切り替えて行う(ステップS340)。停止処理したときは、その都度図柄番号および図柄オフセット用のカウンタ77(図3参照)の値(図柄番号と、図柄オフセット値)がRAM76に保存される。
【0114】
一方、ステップS320で左、中、右回胴用ストップボタン53,54,55のいずれかが押されて停止指令が発生したときには回胴停止実行処理を行う(ステップS350)。この回胴停止実行処理では、左、中、右回胴用ストップボタン53,54,55のうち今回押されたストップボタンに対応する回胴を停止させる。回胴停止は上述したと同じように2相励磁直後に4相励磁に切り替えて行う。4相励磁への切り替えによってストップボタン53,54,55に対応したステッピングモータ71L、71M、71Rは一種の回生モードとなる。
【0115】
役の抽選で役に当選して当選フラグがセットされていたときには、RAM76のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶようにする。例えば、下段水平ライン上に図柄「ベル」が並ぶという役に当選したときに、図柄「ベル」が上段水平ラインに停止するタイミングでボタンが押されたときには、図柄2つ分だけ回転させて下段水平ラインに停止するように滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップボタンを押したタイミングによっては下段水平ライン上に図柄「ベル」が停止しないこともある。なお、前出の強制停止処理においても当選フラグがセットされているときにはこれと同様の処理を行う。」

・認定事項
(ア)【0036】に「左回胴L、中回胴M、右回胴Rは同様のユニットにより構成されている」と記載され、
【0041】?【0043】に「ステッピングモータ71Lは・・・励磁コイルL0とL2・・・励磁コイルL1とL3・・・」と記載され、
【0067】に「ステッピングモータ71L(71M、71R)を使用する場合にあっては、図9に示すような駆動特性が要求される。」と記載され、
【0109】に「左、中、右回胴L,M,Rのそれぞれに対し図9に示すような駆動特性となるように回転処理を行う。」と記載され、
【0114】に「回胴停止実行処理を行う・・・」と記載されている。
したがって、刊行物1には、励磁コイルL0とL2と励磁コイルL1とL3を有し、左、中、右回胴L,M,Rの回転処理、及び、回胴停止実行処理を行うステッピングモータ71L,71M,71Rについて記載されているものと認められる。

(イ)【0049】に「ステッピングモータ71L、71M、71Rに対する駆動信号は、図8に示すように励磁相を決定する励磁相パターンデータ(以下励磁データという)としてモータドライバー712に与えられる。この励磁データは・・・回胴制御処理ルーチン内で・・・CPU72からの指令に基づいて・・・出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ71L、71M、71Rに対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。」と記載され、
【0109】に「[回胴制御処理ルーチン]・・・制御装置70のCPU72は、・・・回胴回転処理を行い・・・左、中、右回胴L,M,Rのそれぞれに対し図9に示すような駆動特性となるように回転処理を行う。」と記載され、
【0114】に「回胴停止実行処理を行う・・・」と記載されている。
したがって、刊行物1には、回胴制御処理ルーチン内で、ステッピングモータ71L、71M、71Rに対する励磁相を定める励磁データをモータドライバー712に与えるように指令することにより、ステッピングモータ71L、71M、71Rの定められた励磁相に電流を通電し、左、中、右回胴L,M,Rの回転処理、及び、回胴停止実行処理を行う回胴制御処理を行う制御装置70のCPU72について記載されているものと認められる。

(ウ)【0040】に「ステッピングモータ71Lの動作・・・ステッピングモータ71Lとして・・・、1-2相励磁方式を採用した・・・」と記載され、
【0047】に「1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。」と記載され、
【0049】に「ステッピングモータ71L、71M、71Rに対する駆動信号は、図8に示すように励磁相を決定する励磁相パターンデータ(以下励磁データという)としてモータドライバー712に与えられる。この励磁データは・・・CPU72からの指令に基づいて・・・出力されることになる。この励磁データによってステッピングモータ71L、71M、71Rに対する励磁相が定まり、その励磁相に対して励磁信号(電流)が通電される。」と記載され、
【0083】に「第2の加速期間では、1-2相励磁を交互に繰り返すが、励磁相への割り込みタイミング、換言すれば相励磁の保持期間・・・漸次短くなるように設定して励磁時間を短縮すると共に、最後には最小の割り込み間隔で励磁相が順次切り替わる通常の1-2相励磁に遷移できるような割り込みに設定されている。」と記載され、
【0109】に「制御装置70のCPU72は、」と記載されている。
そして、【図10】には、第2の加速期間において、1相励磁駆動と2相励磁駆動とを1?8割込みの範囲内の保持期間で交互に行うことが図示されている。
したがって、刊行物1には、制御装置70のCPU72は、モータドライバー712に励磁データを与えるように指令し、この励磁データによって、ステッピングモータ71L、71M、71Rは、1相励磁駆動と2相励磁駆動とを1?8割込みの範囲内の保持期間で交互に行う1-2相励磁駆動により動作されることが記載されている。

・刊行物発明
上記(ア)?(キ)の記載事項、及び、上記(ア)?(ウ)の認定事項を総合すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(記号a?kは、本願補正発明の記号A?Kに対応させて付した。)。
「a 複数の識別情報からなる図柄列が外周面に描かれた左、中、右回胴L,M,Rを変動表示する表示装置(【0028】、【0036】)と、

b 励磁コイルL0とL2と励磁コイルL1とL3を有し、左、中、右回胴L,M,Rの回転処理、及び、回胴停止実行処理を行うステッピングモータ71L,71M,71R(認定ア)と、

c 回胴制御処理ルーチン内で、ステッピングモータ71L、71M、71Rに対する励磁相を定める励磁データをモータドライバー712に与えるように指令することにより、ステッピングモータ71L、71M、71Rの定められた励磁相に電流を通電し、左、中、右回胴L,M,Rの回転処理、及び、回胴停止実行処理を行う回胴制御処理を行う制御装置70のCPU72(認定イ)と、

d 遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであるスタートレバー52(【0054】)と、

e 回転中の左、中、右回胴L,M,Rを停止させるときに遊技者が指で押すためのボタンである、回胴用ストップボタン53?55(【0055】)と、

f 下段水平ライン上に図柄「ベル」が並ぶという役に当選したときに、図柄「ベル」が上段水平ラインに停止するタイミングでボタンが押されたときに、図柄「ベル」を予め決められている範囲(最大で図柄4つ分)のうちの図柄2つ分だけ回転させて下段水平ラインに停止するように滑らせ(【0115】)、

g ステッピングモータ71L、71M、71Rの駆動特性には、ストップボタンの操作に関連して所定のすべりを含めた停止期間Tcにおける駆動特性が含まれ(【0067】)、

h、h1 制御装置70のCPU72は、
モータドライバー712に励磁データを与えるように指令し、この励磁データによりステッピングモータ71L、71M、71Rは、1相励磁駆動と2相励磁駆動とを1?8割込みの範囲内の保持期間で交互に行う1-2相励磁駆動により動作され(認定ウ)、

h2 停止処理のときには、1-2相励磁駆動から4相励磁駆動に切り替えられ(【0097】)、

i 1-2相励磁駆動では次の[1]?[8]の励磁順序に従って励磁が行われ(【0047】、【0048】)
([1];A相に通電(1相励磁)し、
[2];A相とB相の両方に通電(2相励磁)し、以下同様に
[3];B相に通電し、
[4];B相とA-相の両方に通電し、
[5];A-相に通電し、
[6];A-相とB-相の両方に通電し、
[7];B-相に通電し、
[8];B-相とA相の両方に通電し、その後[1]に戻る。)
(【0047】、【0048】)、

j、k 1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後であり、停止位置精度を高めた遊技機(【0001】、【0098】)。」

イ 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-159627号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。

・記載事項
(ア)「【0024】図7は、ステッピングモータを1、2相励磁方式により駆動している場合の停止制御を示すもので、停止釦スイッチによる停止操作が行われると、必要に応じてシンボルの引込みを行った後に、2相励磁(図示例では、B相およびC相を励磁)による前段階の停止制御を所定の時間長さだけ実行した後に、全相励磁による停止制御を所定の時間長さだけ実行して、ステッピングモータを停止させる。」

(イ)「【0034】まず、ST5-2では、CPU61はモータ駆動回路65を介して2相励磁による停止制御を実行させ(ST5-2)、この停止制御の継続時間についての計時を開始する(ST5-3)。設定時間が経過すると、ST5-4の判定が「YES」となり、次にCPU61はモータ駆動回路65を介して全相励磁による停止制御を実行させ(ST5-5)、この停止制御の継続時間についての計時を開始する(ST5-6)。設定時間が経過すると、ST5-7の判定が「YES」となり、CPU61は全相励磁による停止制御を終了させる(ST5-8)。」

(ウ)「【0035】
【発明の効果】この発明によれば、慣性が大きな大型リールであっても、リールのすべり量を最小限に抑えることができ、リールを所定位置に止めることが可能であり、リールの停止動作について遊技者に違和感を覚えさせることもない。」

(3)対比
本願補正発明と刊行物発明とを対比する(対比にあたっては、本願補正発明の構成A?Kと刊行物発明の構成a?kについて、それぞれ(a)?(k)の見出しを付して行った。)。
(a)刊行物発明における「複数の識別情報からなる図柄列」、「外周面に描かれ」ることは、それぞれ、本願補正発明における「複数種類の識別図柄」、「配置された」ことに相当する。
そして、刊行物発明における「左、中、右回胴L,M,Rを変動表示する」ことは、各回胴の外周面に描かれた図柄列が回動することであるから、本願補正発明における「リールを回動させることで前記識別図柄を変動表示可能な」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「表示装置」は、本願補正発明における「可変表示装置」に相当する。

(b)刊行物発明における「励磁コイルL0とL2と励磁コイルL1とL3」、「左、中、右回胴L,M,Rの回転処理、及び、回胴停止実行処理を行う」ことは、それぞれ、本願補正発明における「複数の巻線」、「リールを回動及び停止させる」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「ステッピングモータ71L,71M,71R」は、本願補正発明における「ステッピングモータ」に相当する。

(c)刊行物発明における「ステッピングモータ71L、71M、71Rの定められた励磁相に電流を通電」することは、ステッピングモータ71L、71M、71Rのうち,対応するステッピングモータへの励磁状態を各々制御することであるから、本願補正発明における「巻線への通電を制御することによりステッピングモータの励磁状態を制御」することに相当する。
そして、刊行物発明における「左、中、右回胴L,M,Rの回転処理、及び、回胴停止実行処理を行う回胴制御処理を行う」ことは、本願補正発明における「リールを回動及び停止させる制御を可能な」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「制御装置70のCPU72」は、本願補正発明における「モータ制御手段」としての機能を有する。

(d)刊行物発明における「遊技者がゲームを開始する」こと、「手で押し操作する」ことは、それぞれ、本願補正発明における「遊技者がリールの回動を開始させる」こと、「開始操作を可能な」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「レバーであるスタートレバー52」は、本願補正発明における「開始操作手段」に相当する。

(e)刊行物発明における「回転中の左、中、右回胴L,M,Rを停止させる」こと、「遊技者が指で押す」ことは、それぞれ、本願補正発明における「リールの回動を停止させる」こと、「遊技者が」「停止操作を可能な」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における「回胴用ストップボタン53?55」は、本願補正発明における「停止操作手段」に相当する。

(f)刊行物発明における「図柄「ベル」が上段水平ラインに停止するタイミングでボタンが押されたとき」は、本願補正発明における「停止操作を契機と」することに相当する。
そして、刊行物発明における「図柄「ベル」を予め決められている範囲(最大で図柄4つ分)のうちの図柄2つ分だけ」は、本願補正発明における「予め定められた引込み範囲内に位置する識別図柄の中」に相当する。
また、刊行物発明における「下段水平ラインに停止するように滑らせ」ることは、「下段水平ラインに停止する」図柄が「ベル」であることが特定されていることを前提とするものであるから、刊行物発明は、本願補正発明における「導出させる識別図柄を特定する」構成を備えるものであるといえる。

(h、h1)刊行物発明における「ステッピングモータ71L、71M、71Rは、1相励磁駆動」を「行う」こと、「ステッピングモータ71L、71M、71Rは」「2相励磁駆動」を「行う」ことは、それぞれ、本願補正発明における「複数の巻線のうち一部の巻線に通電する第1励磁状態」に「ステッピングモータを制御」すること、「複数の巻線のうち第1励磁状態よりも多い一部の巻線に通電する第2励磁状態」に「ステッピングモータを制御」することに相当する。
そして、刊行物発明における「1?8割込みの範囲内の保持期間」は、本願補正発明における「所定期間」に相当する。
したがって、刊行物発明における「制御装置70のCPU72」は、本願補正発明における「回動制御」を可能とする機能を有する。

(h2)刊行物発明における「4相励磁駆動」は、本願補正発明における「複数の巻線のうち全ての巻線に通電する全励磁状態」に相当する。
そして、刊行物発明において、「4相励磁駆動」されるのは、「ステッピングモータ71L、71M、71R」である。
そうすると、刊行物発明における「1-2相励磁駆動から4相励磁駆動に切り替えられ」ることは、本願補正発明における「全励磁状態にステッピングモータを制御」することに相当する。
したがって、刊行物発明における「停止処理」は、本願補正発明における「リールを停止させる停止制御」に相当する。

(i)刊行物発明における「[1];A相に通電(1相励磁)」すること、「[3];B相に通電」すること、「[5];A-相に通電」すること、及び、「[7];B-相に通電」することは、本願補正発明における「第1励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があ」ることを前提とするものである。
そして、刊行物発明における「[2];A相とB相の両方に通電(2相励磁)」すること、「[4];B相とA-相の両方に通電」すること、「[6];A-相とB-相の両方に通電し」、及び、「[6];A-相とB-相の両方に通電」すること、「[8];B-相とA相の両方に通電」することは、本願補正発明における「第2励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があ」ることを前提とするものである。
また、刊行物発明における「次の[1]?[8]の励磁順序に従って励磁が行われ([1];A相に通電(1相励磁)し、[2];A相とB相の両方に通電(2相励磁)し、以下同様に[3];B相に通電し、[4];B相とA-相の両方に通電し、[5];A-相に通電し、[6];A-相とB-相の両方に通電し、[7];B-相に通電し、[8];B-相とA相の両方に通電し、その後[1]に戻る。)」ることは、[1]、[3]、[5]、[7]の1相励磁と、[2]、[4]、[6]、[8]の2相励磁とが、交互に、かつ、それぞれ1回ずつ励磁順序に従って切り替えられ、繰り返し励磁が行われることであるから、本願補正発明における「回動制御における複数の第1励磁状態及び複数の第2励磁状態の切り替え順序は、第1励磁状態と第2励磁状態とが交互に制御されるように、且つそれぞれ1回ずつ制御されるように定められており、切り替え順序に従って繰り返し制御され」ることに相当する。
さらに、刊行物発明における「1-2相励磁駆動」は、構成h、h1より「制御装置70のCPU72」(本願補正発明における「回動制御」を可能とする機能を有する。)により実行されるものである。
したがって、刊行物発明における構成iは、本願補正発明における構成Iに相当する。

(j、k)刊行物発明は、「1相励磁駆動と2相励磁駆動とを交互に行う1-2相励磁駆動により動作され」るものである。
そうすると、刊行物発明における「1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後である」とは、切り替えるタイミングにおいて、「1-2相励磁」のうち、2相励磁の場合、当該2相励磁から4相励磁に切り替え、「1-2相励磁」のうち、1相励磁の場合、一旦、1相励磁から「1-2相励磁」のうちの1相励磁に続く2相励磁に切り替え、その後に、切り替えられた2相励磁から4相励磁に切り替えることを意味することは当業者にとって自明である。
そして、刊行物発明における「1-2相励磁駆動」は、構成cより「制御装置70のCPU72」(「モータ制御手段」としての機能を有する。)により実行されるものである。
また、上記h1より、刊行物発明において、交互に行われる1相励磁状態、及び、2相励磁状態が所定期間続くことは明らかである。

したがって、刊行物発明における構成jの「1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後である」ことと、本願補正発明における構成Jの「停止制御を実行する場合、回数演算手段が演算した切り替え回数分だけステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、第2励磁状態に制御しているときには全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、第1励磁状態に制御しているときには、所定期間の経過に伴って、複数の第2励磁状態のうち切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、全励磁状態に制御する第2制御を行うようになって」いる「モータ制御手段」とは、「停止制御を実行する場合」「第2励磁状態に制御しているときには全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、第1励磁状態に制御しているときには、所定期間の経過に伴って、複数の第2励磁状態のうち切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、全励磁状態に制御する第2制御を行うようになって」いる「モータ制御手段」である点で共通する。

ところで、刊行物発明は、「1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)」において2相励磁の場合は、切り替えるタイミングにおいて1相励磁の場合よりも、1相励磁から2相励磁に切り替えられ、所定期間2相励磁が続く分だけ、4相励磁に切り替えるまでに長い時間を要することは明らかである。
したがって、刊行物発明における構成kの「1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後である」ことと、本願補正発明における構成Kの「全励磁状態に制御する時間は、第1制御を行う場合と第2制御を行う場合とで同じ時間であり、第1制御を行うのに要する時間と第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間である」こととは、「第1制御を行うのに要する時間と第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間である」点で共通する。

上記(a)?(k)の検討により、本願補正発明と刊行物発明とは、
[一致点]
「【請求項1】
A 複数種類の識別図柄が配置されたリールを回動させることで前記識別図柄を変動表示可能な可変表示装置と、
B 複数の巻線を有し、前記リールを回動及び停止させるステッピングモータと、
C 前記巻線への通電を制御することにより前記ステッピングモータの励磁状態を制御し、前記リールを回動及び停止させる制御を可能なモータ制御手段と、
D 遊技者が前記リールの回動を開始させる開始操作を可能な開始操作手段と、
E 遊技者が前記リールの回動を停止させる停止操作を可能な停止操作手段と、
F 前記停止操作を契機として、予め定められた引込み範囲内に位置する識別図柄の中から導出させる識別図柄を特定する識別図柄特定手段と、を備え、
H 前記モータ制御手段は、
H1 前記複数の巻線のうち一部の巻線に通電する第1励磁状態と、前記複数の巻線のうち前記第1励磁状態よりも多い一部の巻線に通電する第2励磁状態とに所定期間毎に切り替えて前記ステッピングモータを制御し、前記リールを回動させる回動制御と、
H2 前記複数の巻線のうち全ての巻線に通電する全励磁状態に前記ステッピングモータを制御し、前記リールを停止させる停止制御と、を可能であり、
I 前記第1励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり、前記第2励磁状態には、相互に通電する巻線が異なる複数の励磁状態があり、前記回動制御における前記複数の第1励磁状態及び前記複数の第2励磁状態の切り替え順序は、前記第1励磁状態と前記第2励磁状態とが交互に制御されるように、且つそれぞれ1回ずつ制御されるように定められており、前記切り替え順序に従って繰り返し制御され、
J’前記モータ制御手段は、
前記停止制御を実行する場合、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには、前記所定期間の経過に伴って、前記複数の第2励磁状態のうち前記切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており、
K’前記第1制御を行うのに要する時間と前記第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間である遊技機。」
である点で一致し、構成G、J、Kに関して次の点で相違する。

[相違点1](構成G)
本願補正発明は、識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を演算する回数演算手段を備えるが、刊行物発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点。

[相違点2](構成J)
停止制御を実行する場合に関して、本願補正発明は、回数演算手段が演算した切り替え回数分だけステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に全励磁状態に制御するが、刊行物発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点。

[相違点3](構成K)
本願補正発明は、全励磁状態に制御する時間は、第1制御を行う場合と第2制御を行う場合とで同じ時間であるのに対して、刊行物発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点。

(4)当審における判断
ア 相違点1?2について
上記相違点1?2は、識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数に関する技術であり、互いに関連するのでまとめて検討する。
リールの回転を制御する遊技機の技術分野において、リールを回転させる1-2相励磁方式により駆動されるステッピングモータと、遊技者による停止操作手段の操作により識別図柄を導出表示させる際に、識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を演算する回数演算手段とを備え、回数演算手段が演算した切り替え回数分だけステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に2相励磁の直後に最終的な全相励磁状態に制御し、リールを完全に停止させることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2011-234825号公報には、リールをステッピングモータ79により駆動するスロットマシン10において(【0207】)、ステッピングモータを1-2相励磁方式により駆動し(【0217】)、ストップボタンの操作に応じて停止予定図柄を決定し(【0367】)、決定された停止予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでのスローダウン期間におけるステッピングモータの励磁相の切り換え回数を決定し(【0376】、【図33】、【図34】)、減速カウンタ84nに所定の値を設定し(【0306】?【0308】)、減速カウンタ84nの値が最終的に「0」となると、全相励磁処理が実行されてリールを完全に停止させる(【0343】、【0344】)ことについて記載されている。
また、前置報告書において新たに提示された特開2012-16383号公報には、リールをステッピングモータ79により駆動するスロットマシン10において(【0209】)、ステッピングモータを1-2相励磁方式により駆動し(【0219】)、リール制御処理によりストップボタンの操作に応じて停止予定図柄を決定し(【0301】、【0304】)、決定された停止予定図柄を有効ライン上に位置させた状態でリールを停止させるまでのスローダウン期間におけるステッピングモータの励磁相の切り換え回数を決定し(【0307】、【0308】、【0516】、【図33】、【図34】)、減速カウンタ84nに所定の値を設定し(【0314】)、減速カウンタ84nの値が最終的に「0」となると、全相励磁処理が実行されてリールを完全に停止させる(【0345】、【0346】)ことが記載されている。以下「周知の技術事項1」という。)。

そして、刊行物発明と上記周知の技術事項1とは、1-2相励磁方式によりステッピングモータを駆動することによりリールの回転を制御し、1-2相励磁のうちの2相励磁の直後に、最終的に全相励磁を行ってリールを停止させるスロットマシンという点において、同一の技術に属するものである。
また、刊行物発明は、「1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後であり、停止位置精度を高めた」ものであるから、刊行物発明と上記周知の技術事項1とは、リールの停止処理において、最終的に全相励磁とすることにより、リールの停止精度を高めるという共通の作用を奏するものである。
したがって、刊行物発明における構成gの「ストップボタンの操作に関連して所定のすべりを含めた停止期間Tcにおける駆動特性」に従って駆動制御されるステッピングモータ71L、71M、71Rの停止制御に上記周知の技術事項1を適用し、ストップボタンが操作された際に、識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を決定し、該決定された切り替え回数分だけステッピングモータの励磁状態を切り替えた後に、最終的に励磁相を全相励磁状態に制御し、リールを完全に停止させ、上記相違点1?2における本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

イ 相違点3について
刊行物2の【0024】に「全相励磁による停止制御を所定の時間長さだけ実行」することが記載され、【0034】に「2相励磁による停止制御を実行させ・・・設定時間が経過すると、・・・全相励磁による停止制御を実行させ・・・設定時間が経過すると、・・・全相励磁による停止制御を終了させる。」ことが記載され、【0035】に「リールを所定位置に止めることが可能であり、リールの停止動作について遊技者に違和感を覚えさせることもない。」ことが記載されているから、刊行物2には、「2相励磁による停止制御を設定時間実行した後に、全相励磁による停止制御を設定時間実行することにより、リールを所定位置に止めることが可能である。」という技術事項が記載されている。
そうすると、刊行物発明と刊行物2に記載された技術事項とは、ステッピングモータを駆動することによりリールの回転を制御し、ステッピングモータの励磁相を2相励磁した直後に、最終的に全相励磁を行ってリールを停止させるスロットマシンという同一の技術に属するものである。
そして、刊行物発明は、「1-2相励磁から4相励磁に切り替えるタイミング(割り込み)は、2相励磁の直後であり、停止位置精度を高めた」(構成j、k)ものである。
したがって、刊行物発明と刊行物2に記載された技術事項とは、2相励磁の直後に全相励磁を行うことにより、停止位置精度を高めたという共通の作用を奏するものである。
他方で、スロットマシンの技術分野において。全励磁状態に、減速パターンに関わらず特定の時間だけ制御し、リールを完全に停止させることは、本願出願前に周知の技術事項でもある(例えば、上記特開2011-234825号公報の【0315】?【0317】、【図31】や、上記特開2012-16383号公報の【0317】?【0318】、【図31】には、第1スローダウン、第2スローダウンに関わらず、一定の「ブレーキ時間」だけ全相励磁停止状態を維持することが記載されている。以下「周知の技術事項2」という。)。
よって、刊行物発明のステッピングモータの停止させる際における4相励磁駆動に刊行物2に記載された技術事項を適用することにより、あるいは、上記周知の技術事項2を参酌することにより、ステッピングモータの4相励磁駆動時間を所定時間実行し、上記相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

ウ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「本願発明1と、引用文献1,2に記載の発明とは、第2励磁状態に制御してから全励磁状態に制御する点で一致している一方で、本願発明1は「前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に・・・前記第1励磁状態に制御しているときには、前記所定期間の経過に伴って、前記複数の第2励磁状態のうち前記切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行う」ように構成されているが、引用文献1,2に記載の発明は、そのような構成を具備していない点で相違している。」(第7頁第17?24行)と主張する。

しかしながら、請求人が本願補正発明が備えると主張する特有の構成に関しては、上記(3)対比(j、k)において検討したように刊行物発明が備える構成である。
しかも、1-2相励磁方式によりステッピングモータを駆動し、リールの回転を制御するスロットマシンの技術分野において、2相励磁の直後に最終的な全相励磁状態に制御し、リールを完全に停止させることは、上記周知の技術事項1にも示されるように本願出願前に周知の技術事項でもある。
したがって、請求人が主張する本願補正発明の「特有の構成」は、上記周知の技術事項1に示されるように本願出願前に周知の技術事項に過ぎない。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(5)まとめ
本願補正発明により奏される効果は、刊行物発明、刊行物2に記載された技術事項、及び、上記周知の技術事項1?2から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、新たな効果を奏するものとはいえない。
そうすると、上記(4)において検討したとおり、本願補正発明は、刊行物発明、刊行物2に記載された技術事項、及び、上記周知の技術事項1?2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
上記1?3より、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明は、平成28年12月26日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
A 複数種類の識別図柄が配置されたリールを回動させることで前記識別図柄を変動表示可能な可変表示装置と、
B 複数の巻線を有し、前記リールを回動及び停止させるステッピングモータと、
C 前記巻線への通電を制御することにより前記ステッピングモータの励磁状態を制御し、前記リールを回動及び停止させる制御を可能なモータ制御手段と、
D 遊技者が前記リールの回動を開始させる開始操作を可能な開始操作手段と、
E 遊技者が前記リールの回動を停止させる停止操作を可能な停止操作手段と、
F 前記停止操作を契機として、予め定められた引込み範囲内に位置する識別図柄の中から導出させる識別図柄を特定する識別図柄特定手段と、
G 前記識別図柄特定手段が特定した識別図柄を導出するために必要な励磁状態の切り替え回数を演算する回数演算手段と、を備え、
H 前記モータ制御手段は、
H1 前記複数の巻線のうち一部の巻線に通電する第1励磁状態と、前記複数の巻線のうち前記第1励磁状態よりも多い一部の巻線に通電する第2励磁状態とに所定期間毎に切り替えて前記ステッピングモータを制御し、前記リールを回動させる回動制御と、
H2 前記複数の巻線のうち全ての巻線に通電する全励磁状態に前記ステッピングモータを制御し、前記リールを停止させる停止制御と、を可能であり、
J’前記停止制御を実行する場合、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには前記所定期間の経過に伴って前記第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており、
K 前記全励磁状態に制御する時間は、前記第1制御を行う場合と前記第2制御を行う場合とで同じ時間であり、前記第1制御を行うのに要する時間と前記第2制御を行うのに要する時間とは、異なる時間であることを特徴とする遊技機。」

2 刊行物に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1、2の記載事項、及び、刊行物発明の認定については、上記「第2[理由]3(2)刊行物に記載された事項」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]」で検討した本願補正発明から、構成Iを省くとともに、「全励磁状態に制御する第2制御」に関して、「前記モータ制御手段は、前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには、前記所定期間の経過に伴って、前記複数の第2励磁状態のうち前記切り替え順序における次の第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており」とあったものを「前記停止制御を実行する場合、前記回数演算手段が演算した切り替え回数分だけ前記ステッピングモータの励磁状態を切り替えた場合に、前記第2励磁状態に制御しているときには前記全励磁状態に制御する第1制御を行う一方で、前記第1励磁状態に制御しているときには前記所定期間の経過に伴って前記第2励磁状態に制御した後、前記全励磁状態に制御する第2制御を行うようになっており」とその限定を省くものである。
そうすると、本願発明と刊行物発明とは、本願補正発明と同様に、前記相違点1?3において相違し、その余の点において一致する。
したがって、本願発明は、本願補正発明と同様に、刊行物発明、刊行物2に記載された技術事項、及び、前記周知の技術事項1?2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-03-05 
結審通知日 2018-03-06 
審決日 2018-03-20 
出願番号 特願2013-240332(P2013-240332)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池谷 香次郎  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 長崎 洋一
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
代理人 恩田 誠  
代理人 山本 実  
代理人 恩田 博宣  

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