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審決分類 審判 全部申し立て 特許請求の範囲の実質的変更  F23J
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  F23J
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  F23J
審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  F23J
審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  F23J
審判 全部申し立て 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張  F23J
審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  F23J
審判 全部申し立て 2項進歩性  F23J
管理番号 1340088
異議申立番号 異議2017-700146  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-16 
確定日 2018-03-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5971438号発明「ボイラのダスト除去装置及びダスト除去方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5971438号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1-10〕、〔11-20〕について訂正することを認める。 特許第5971438号の請求項1、2、4、5、9ないし12、14、15、19及び20に係る特許を維持する。 特許第5971438号の請求項3、6ないし8、13及び16ないし18に係る特許についての申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第5971438号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし20に係る特許(以下、それぞれを「請求項1に係る特許」などという。)についての出願(以下、「本件出願」という。)は、平成28年2月23日(優先権主張平成27年7月7日)に特許出願され、平成28年7月22日にその特許権の設定登録(特許掲載公報発行日:平成28年8月17日)がされ、その後、その特許について、平成29年2月16日に特許異議申立人 中塚英治(以下、「申立人1」という。)により特許異議の申立て(以下、「申立て1」という。)がされ、同日に特許異議申立人 日立造船株式会社(以下、「申立人2」という。)により特許異議の申立て(以下、「申立て2」という。)がされ、平成29年2月17日に特許異議申立人 谷川康治(以下、「申立人3」という。)により特許異議の申立て(以下、「申立て3」という。)がされ、平成29年6月28日付けで申立人1及び申立人2に対して審尋がされ、平成29年7月14日に申立人1より回答書が提出され、平成29年7月18日に申立人2より回答書が提出され、平成29年9月4日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年11月7日に特許権者 JFEエンジニアリング株式会社(以下、「特許権者」という。)から意見書の提出及び訂正の請求がされ、平成29年12月15日付けで申立人1ないし3に対して特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知がされ、平成30年1月16日に申立人3から意見書が提出され、平成30年1月18日に申立人1及び2から意見書が提出されたものである。

第2 訂正の請求について
1 訂正の内容
平成29年11月7日付けの訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、本件出願の願書に添付した特許請求の範囲、明細書を、平成29年11月7日付け訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲、訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1ないし20について訂正することを求めるものであって、次の訂正事項よりなる。(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設する」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間と、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設する」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設する」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記過熱器との間と、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設する」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に
「請求項1乃至8のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。」と記載されているのを、
「請求項1、2、4、5のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。」とし、従属関係を訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10に
「請求項1乃至9のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。」と記載されているのを、
「請求項1、2、4、5、9のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。」とし、従属関係を訂正する。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項11に
「前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項12に
「前記スクリーン管と前記3次過熱器との間と、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項13を削除する。
(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項14に
「前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項15に
「前記スクリーン管と前記過熱器との間と、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にとの間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(16)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項16を削除する。
(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項17を削除する。
(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項18を削除する。
(19)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項19に
「請求項11乃至18のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。」と記載されているのを、
「請求項11、12、14、15のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。」とし、従属関係を訂正する。
(20)訂正事項20
特許請求の範囲の請求項20に
「請求項11乃至19のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。」と記載されているのを、
「請求項11、12、14、15、19のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。」とし、従属関係を訂正する。
(21)訂正事項21
明細書の段落0024に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設する」に訂正する。
(22)訂正事項22
明細書の段落0025に
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室において、スクリーン管と2次過熱器との間と、3次過熱器と1次過熱器との間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室において、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」に訂正する。
(23)訂正事項23
明細書の段落0026に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間と、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設する」に訂正する。
(24)訂正事項24
明細書の段落0027を削除する。
(25)訂正事項25
明細書の段落0028に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設する」に訂正する。
(26)訂正事項26
明細書の段落0029に
「圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管と前記過熱器との間と、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間に配設する」と記載されているのを、
「圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設する」に訂正する。
(27)訂正事項27
明細書の段落0030を削除する。
(28)訂正事項28
明細書の段落0031を削除する。
(29)訂正事項29
明細書の段落0032を削除する。
(30)訂正事項30
明細書の段落0033を削除する。
(31)訂正事項31
明細書の段落0034を削除する。
(32)訂正事項32
明細書の段落0035を削除する。
(33)訂正事項33
明細書の段落0036を削除する。
(34)訂正事項34
明細書の段落0037を削除する。
(35)訂正事項35
明細書の段落0041に
「前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(36)訂正事項36
明細書の段落0042に
「前記スクリーン管と前記3次過熱器との間と、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(37)訂正事項37
明細書の段落0043を削除する。
(38)訂正事項38
明細書の段落0044に
「前記スクリーン管と前記2次過熱器との間と、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(39)訂正事項39
明細書の段落0045に
「前記スクリーン管と前記過熱器との間と、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にとの間に配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」と記載されているのを、
「前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」に訂正する。
(40)訂正事項40
明細書の段落0046を削除する。
(41)訂正事項41
明細書の段落0047を削除する。
(42)訂正事項42
明細書の段落0048を削除する。
(43)訂正事項43
明細書の段落0071に
「実施形態Bは、」と記載されているのを、
「参考形態Bは、」に訂正する。
(44)訂正事項44
明細書の段落0072に
「上記実施形態A、A’、A”、A'''、Bでは、」と記載されているのを、
「上記実施形態A、A’、A”、A'''、参考形態Bでは、」に訂正する。
(45)訂正事項45
明細書の段落0073に
「実施形態B’、C、Dについて」と記載されているのを、
「参考形態B’、実施形態C、Dについて」に訂正する。
(46)訂正事項46
明細書の段落0074に
「実施形態B’では、実施形態Bと同様の構成において、・・・、実施形態Bと同様に、」と記載されているのを、
「参考形態B’では、参考形態Bと同様の構成において、・・・、参考形態Bと同様に、」に訂正する。
(47)訂正事項47
明細書の段落0077に
「実施形態B、B’、Cのように、」と記載されているのを、
「参考形態B、B’、実施形態Cのように、」に訂正する。
(48)訂正事項48
明細書の段落0079に
「実施形態A、A’、A”が請求項1に対応し、実施形態A'''が請求項2に対応し、実施形態B、B’ が請求項3に対応し、実施形態Cが請求項4に対応し、実施形態Dが請求項5に対応している。」と記載されているのを、
「実施形態A、A’、A”が請求項1に対応し、実施形態A'''が請求項2に対応し、実施形態Cが請求項4に対応し、実施形態Dが請求項5に対応している。」に訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15について
ア 訂正の目的について
訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15は、それぞれ順に訂正前の請求項1、2、4 、5、11、12、14及び15に記載された「圧力波放出ノズル」について、配設箇所を限定するものである。
したがって、訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15による訂正後の構成は、それぞれ以下のとおり、特許明細書等に記載されている。
(ア)訂正事項1及び11について
明細書の段落【0067】ないし【0069】並びに図1及び図2A、A’、A”には、対流伝熱室30内の圧力波放出ノズルの配置について、スクリーン管32と2次過熱器34との間、及び、3次過熱器36と1次過熱器38との間にのみ配設することが記載されている。
(イ)訂正事項2及び12について
明細書の段落【0070】及び図2A'''には、対流伝熱室30内の圧力波放出ノズルの配置について、スクリーン管32と3次過熱器36との間、及び、2次過熱器34と1次過熱器38との間にのみ配設することが記載されている。
(ウ)訂正事項4及び14について
明細書の段落【0075】及び図2Cには、対流伝熱室30内の圧力波放出ノズルの配置について、スクリーン管32と2次過熱器34との間、及び、水平蒸発管44と第1エコノマイザ51との間にのみ配設することが記載されている。
(エ)訂正事項5及び15について
明細書の段落【0076】及び図2Dには、対流伝熱室30内の圧力波放出ノズルの配置について、スクリーン管32と過熱器46との間、及び、第1エコノマイザ51と第2エコノマイザ42との間にのみ配設することが記載されている。
したがって、訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15は、それぞれ、上記アのように訂正前の請求項1、2、4 、5、11、12、14及び15における「圧力波放出ノズル」について、配設箇所を限定するものであるから、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1、2、4 、5、11、12、14及び15は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(2)訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18について
ア 訂正の目的について
訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18は、それぞれ順に特許請求の範囲の請求項3、6ないし8、13及び16ないし18を削除するというものである。
したがって、訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記アに記載したとおり、訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18は、それぞれ順に特許請求の範囲の請求項3、6ないし8、13及び16ないし18を削除するというものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アに記載したとおり、訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18は、それぞれ順に特許請求の範囲の請求項3、6ないし8、13及び16ないし18を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項3、6ないし8、13及び16ないし18は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(3)訂正事項9、10、19及び20について
ア 訂正の目的について
訂正事項9、10、19及び20は、それぞれ順に訂正前の多数項を引用している請求項9、10、19及び20について、訂正後の請求項9、10、19及び20において、引用請求項数を減少するものである。
したがって、訂正事項9、10、19及び20は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項9及び10は、請求項3及び6ないし8の削除に伴い、それぞれ順に請求項9及び10が請求項3及び6ないし8の記載を引用しないものとするのであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、訂正事項19及び20は、請求項13及び16ないし18の削除に伴い、それぞれ順に請求項19及び20が請求項13及び16ないし18の記載を引用しないものとするのであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項9、10、19及び20は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9及び10は、請求項3及び6ないし8の削除に伴い、それぞれ順に請求項9及び10が請求項3及び6ないし8の記載を引用しないものとするのであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
また、訂正事項19及び20は、請求項13及び16ないし18の削除に伴い、それぞれ順に請求項19及び20が請求項13及び16ないし18の記載を引用しないものとするのであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項9、10、19及び20は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)訂正事項21ないし48について
ア 訂正の目的について
訂正事項21ないし48は、訂正事項1ないし8及び11ないし18により、訂正後の請求項1ないし8及び11ないし18とすることに伴い、不整合が生じた訂正前の明細書の記載を、訂正後の明細書の記載において以下の関係で正すものである。
(ア)訂正事項21及び22は、訂正後の請求項1に整合。
(イ)訂正事項23は、訂正後の請求項2に整合。
(ウ)訂正事項24及び43ないし48は、訂正後の請求項3(削除)に整合。
(エ)訂正事項25は、訂正後の請求項4に整合。
(オ)訂正事項26は、訂正後の請求項5に整合。
(カ)訂正事項27ないし29は、訂正後の請求項6(削除)に整合。
(キ)訂正事項30は、訂正後の請求項7(削除)に整合。
(ク)訂正事項31ないし34は、訂正後の請求項8(削除)に整合。
(ケ)訂正事項35は、訂正後の請求項11に整合。
(コ)訂正事項36は、訂正後の請求項12に整合。
(サ)訂正事項37は、訂正後の請求項13(削除)に整合。
(シ)訂正事項38は、訂正後の請求項14に整合。
(ス)訂正事項39は、訂正後の請求項15に整合。
(セ)訂正事項40は、訂正後の請求項16(削除)に整合。
(ソ)訂正事項41は、訂正後の請求項17(削除)に整合。
(タ)訂正事項42は、訂正後の請求項18(削除)に整合。
したがって、訂正事項21ないし48は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記アに記載したとおり、訂正事項21ないし48は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である訂正事項1ないし8及び11ないし18により、訂正後の請求項1ないし8及び11ないし18とすることに伴い、不整合が生じた訂正前の明細書の記載を、訂正後の明細書の記載において正すものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項21ないし48は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アに記載したとおり、訂正事項21ないし48は、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である訂正事項1ないし8及び11ないし18により、訂正後の請求項1ないし8及び11ないし18とすることに伴い、不整合が生じた訂正前の明細書の記載を、訂正後の明細書の記載において正すものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項21ないし48は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

3 一群の請求項について
本件訂正は、請求項〔1ないし10〕という一群の請求項及び請求項〔11ないし20〕という一群の請求項について請求されており、一群の請求項ごとに請求されたものであるから、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。

4 小括
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第4項並びに同条第9項で準用する同法第126条第4項ないし第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1ないし10〕及び〔11ないし20〕並びに訂正後の明細書について訂正を認める。

第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明について
本件訂正の請求により訂正された請求項1、2、4、5、9ないし12、14、15、19及び20に係る発明(以下、「本件発明1」などという。)は、その特許請求の範囲の請求項1、2、4、5、9ないし12、14、15、19及び20に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)
「【請求項1】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項2】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、3次過熱器、2次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項3】(削除)
【請求項4】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、1次過熱器、水平蒸発管及びエコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項5】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、過熱器、第1エコノマイザ及び第2エコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項6】(削除)
【請求項7】(削除)
【請求項8】(削除)
【請求項9】
前記ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザにも、前記圧力波放出ノズルを配設することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。
【請求項10】
前記圧力波放出ノズルをマンホール位置に配設することを特徴とする請求項1、2、4、5、9のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。
【請求項11】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項12】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、3次過熱器、2次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項13】(削除)
【請求項14】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、1次過熱器、水平蒸発管及びエコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項15】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、過熱器、第1エコノマイザ及び第2エコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項16】(削除)
【請求項17】(削除)
【請求項18】(削除)
【請求項19】
前記ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザ内にも、圧力波を放出することを特徴とする請求項11、12、14、15のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。
【請求項20】
マンホール位置に配設された圧力波放出ノズルから圧力波を放出することを特徴とする請求項11、12、14、15、19のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。」

2 申立人1ないし3による証拠方法
(1)申立人1による証拠方法
申立人1は、本件特許の請求項1ないし20に係る特許が、特許法第29条第2項の規定に違反しており、また、本件特許の請求項6ないし10及び16ないし20に係る特許が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと、さらに、本件特許の請求項6ないし10及び16ないし20に係る特許が、特許法第36条第6号第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたことを理由に、本件特許の請求項1ないし20に係る特許を取り消すべき旨の申立てをしているところ、証拠方法として甲第1ないし11号証を提出している。

(2)申立人2による証拠方法
申立人2は、本件特許の請求項1ないし20に係る特許が、特許法第29条第2項の規定に違反しており、また、本件特許の請求項6ないし10及び16ないし20に係る特許が、特許法第36条第6号第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたことを理由に、本件特許の請求項1ないし20に係る特許を取り消すべき旨の申立てをしているところ、証拠方法として甲第1号証の1ないし13号証を提出している(なお、甲第8ないし13号証は、平成30年1月18日付け意見書と共に追加で提出されたものである。)。

(3)申立人3による証拠方法
申立人3は、本件特許の請求項1ないし20に係る特許が、特許法第29条第2項の規定に違反しており、また、本件特許の請求項6ないし8及び16ないし18に係る特許が、特許法第36条第6号第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたことを理由に、本件特許の請求項1ないし20に係る特許を取り消すべき旨の申立てをしているところ、証拠方法として甲第1ないし4号証を提出している。

(4)申立人1ないし3による証拠方法のまとめ
申立て1ないし3を併合して審理するにあたり、申立人1ないし3による証拠方法を、以下のように改称して整理する(括弧内に、申立人1ないし3による証拠方法との関係及び新たな呼称を記す。)。なお、甲1ないし16は、当審において通知した取消理由において引用した引用文献1ないし16と同じである。

甲1:VGB PowerTech,(独),3/2011,vol.91,p.58-64,100(申立て1の甲第1号証、申立て2の甲第1号証の1、申立て3の甲第3号証である。以下、「甲1」という。)
甲2:特開平9-243041号公報(申立て1の甲第3号証である。以下、「甲2」という。)
甲3:特開2002-22133号公報(申立て2の甲第4号証、申立て3の甲第4号証である。以下、「甲3」という。)
甲4:特開2001-336897号公報(申立て1の甲第2号証である。以下、「甲4」という。)
甲5:特開2001-173935号公報(申立て2の甲第3号証である。以下、「甲5」という。)
甲6:特開2003-120902号公報(申立て2の甲第5号証である。以下、「甲6」という。)
甲7:特開2012-241951号公報(申立て2の甲第6号証である。以下、「甲7」という。)
甲8:特開平7-239104号公報(申立て3の甲第1号証である。以下、「甲8」という。)
甲9:特許第2769671号公報(申立て3の甲第2号証である。以下、「甲9」という。)
甲10:特開2004-278921号公報(申立て1の甲第5号証である。以下、「甲10」という。)
甲11:SAXONIA Standortentwicklungs- und -verwaltungsgesellschaft mbH,”Dampferzeugerkorrosion 2013”,(独),2013,p.237-244(申立て2の甲第2号証の1である。以下、「甲11」という。)
甲12:“Belagsentfernung durch Explosionsgenerator und Schall im MHKW Offenbach“,[online],2012年6月13日,エクスプロージョンパワーゲーエムベーハ ホームページ[平成28年12月26日検索],インターネット<URL:http://www.explosionpower.ch/assets/Uploads/Mediathek/120625-Vortrag-Fuele-EG10.pdf?>(申立て1の甲第6号証である。以下、「甲12」という。)
甲13:特開2000-107692号公報(申立て1の甲第7号証である。以下、「甲13」という。)
甲14:特開2004-116798号公報(申立て1の甲第8号証である。以下、「甲14」という。)
甲15:“廃棄物焼却炉向けボイラークリーニングシステム販売開始?圧力波利用でボイラー延命?”,2016年1月21日,JFEエンジニアリング株式会社ホームページ,[2017年2月5日検索],インターネット<URL:http://www.jfe-eng.co.jp/news/2016/20160121.html>(申立て1の甲第11号証である。以下、「甲15」という。)
甲16:特開2007-162987号公報(申立て2の甲第7号証である。以下、「甲16」という。)
甲17:“Continuous Boiler Cleaning with Explosion Generators - the Alternative to Soot Blowers, Shower Cleaning and Water Can-ons“,[online],2012年7月,エクスプロージョンパワーゲーエムベーハ ホームページ[平成28年12月26日検索],インターネット<URL:http://www.explosionpower.ch/assets/Uploads/Mediathek/Explosion-Generator-english-paper.pdf?>(申立て1の甲第9号証である。以下、「甲17」という。)
甲18:過熱器の英語・英訳 英和辞典・和英辞典 Weblio,[online],[2017年1月18日検索],インターネット<URL:http://ejje.weblio.jp/content/%E9%81%8E%E7%86%B1%E5%99%A8>(申立て1の甲第10号証である。以下、「甲18」という。)
甲19:VGB PowerTech,(独),12/2005,p.82-85(申立て1の甲第4号証である。以下、「甲19」という。)
甲20:陳述書,松山市環境部清掃施設課西クリーンセンター所長 桃枝幹太氏,平成30年1月11日作成(申立て2の甲第8号証である。以下、「甲20」という。)
甲21:Hitz技報 Vol.77 No1,日立造船株式会社,2016年10月31日発行,表紙,2-7頁,奥付(申立て2の甲第9号証である。以下、「甲21」という。)
甲22:「松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事 全体組立断面図」と題する書面,日立造船株式会社,平成22年11月作成(申立て2の甲第10号証の1である。以下、「甲22」という。)
甲23:「甲第10号証の1の部分拡大図」と題する書面(申立て2の甲第10号証の2である。以下、「甲23」という。)
甲24:「松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事 炉・ボイラー及び、排ガス処理設備廻り点検歩廊敷設図(10/10)側面図」と題する書面,日立造船株式会社,平成23年8月2日作成(なお、申立て2の甲第11号証の1である。以下、「甲24」という。)
甲25:「甲第11号証の1の部分拡大図」と題する書面(申立て2の甲第11号証の2である。以下、「甲25」という。)
甲26:「ごみ処理施設整備の計画・設計要領2006改訂版」,社団法人全国都市清掃会議,平成18年6月20日発行,表紙,252-253頁,256-257頁,奥付(申立て2の甲第12号証である。以下、「甲26」という。)
甲27:「ごみ発電の技術開発動向と実用化」,株式会社エヌ・ティー・エス,1995年4月8日発行,表紙,前付,66頁,奥付(なお、申立て2の甲第13号証である。以下、「甲27」という。)

3 特許権者による証拠方法
特許権者は、平成29年11月7日付けの意見書において、以下の証拠方法を提出している。
乙1:日本規格協会 発行,日本工業標準調査会 審議,平成17年9月20日改正,「火力発電用語-ボイラ及び附属装置(JIS B 0126:2005)」,表紙,奥付,p.6(乙第1号証である。以下、「乙1」という。)
乙2:一般社団法人廃棄物資源循環学会 発行,廃棄物学会誌,1995年,第6巻,第3号,「蒸気の高温高圧化」,石関 幸二・稲田 武彦,p.195?204(乙第2号証である。以下、「乙2」という。)
乙3:特開2015-31495号公報(乙第3号証である。以下、「乙3」という。)
乙4:特開2003-14397号公報(乙第4号証である。以下、「乙4」という。)
乙5:特開2001-173935号公報(乙第5号証であり、申立て2の甲第3号証と同じである。以下、「乙5」という。)

4 取消理由の概要
本件訂正前に平成29年9月4日付けで特許権者に対して通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。
(1)理由1(進歩性)
本件特許の請求項1ないし20に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2及び3に例証される周知技術、甲2ないし9に例証される技術常識並びに甲4、6及び9に例証される慣用技術に基いて、又は、甲1に記載された発明、周知技術、技術常識、慣用技術及び甲1に記載された技術に基いて、又は、これらの技術の組合せのいずれかにさらに甲13ないし16に例証される周知技術2を加えた技術の組合せに基いて、本件出願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1ないし20に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

(2)理由2(明確性)
本件特許の請求項6ないし10及び16ないし20に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

(3)理由3(サポート要件)
本件特許の請求項6ないし10及び16ないし20に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。

5 取消理由の検討
5-1 取消理由の理由1(進歩性)について
(1)甲1について
ア 甲1の記載
本件出願の優先日前に頒布された甲1(VGB PowerTech,(独),3/2011,vol.91)には、「エクスプロージョンジェネレータを用いた連続ボイラクリーニング」に関して、次の記載がある。なお、独文について、以降、aウムラウトはae、oウムラウトはoe、uウムラウトはue、エスツエットはssとした。また、()内は翻訳文である。

1a)”Abstract
Continuous boiler cleaning with Explosion Generators-The alternative to soot blowers
The Explosion Generator ・・・ so that deposits fall off.”(第58頁左欄第1ないし22行)

(要約
エクスプロージョンジェネレータを用いた連続ボイラクリーニング - スートブロワーの代替手段
エクスプロジョンジェネレータは、Explosion Power有限責任会社(GmbH)によって、最近開発された。エクスプロージョンジェネレータでは、天然ガスと酸素の制御されたガス爆発によって生じる、圧力波によってボイラが清掃される。エクスプロージョンジェネレータは、ボイラの外側に取り付けられ、ボイラの連続運転中に、定期的(例えば一時間毎)な爆発によって、伝熱面を清浄に保つ。 ・・・ ボイラ内では、その壁及び伝熱管群は短い振動におかれ、その結果、堆積物が落下する。)

1b)”Einleitung
Der Explosionsgenerator ist ・・・ dass dadurch die Belaege abfallen.”(第58頁中央欄第1ないし26行)
(序論
エクスプロージョンジェネレータは、Explosion Power有限責任会社(GmbH)の新開発製品である。Kesselreinigung Rueegg有限責任会社(GmbH) [1] 製の手動によるBang&Clean洗浄方法と同様に、ボイラは、可燃性のガスと純酸素との混合物が爆発することにより引き起こされる圧力波で洗浄される。しかし、Bang&Cleanは、主に、既に非常に汚れたボイラの洗浄および障害物除去のために使用されるのに対して、エクスプロージョンジェネレータはボイラに固定して取り付けられる。そして、自動化された周期的な爆発により伝熱面がきれいに保たれる。
Bang&Clean方法では、上述の爆発性のガス混合物を入れた袋は、ボイラの中で膨らまされて点火される。エクスプロージョンジェネレータの場合は、爆発は、ボイラの外側で、頑丈な耐爆発性の容器において引き起こされる。引き起こされた爆発の圧力波は、バルブおよび管部分を介してボイラに伝達される。ボイラ内で、圧力波は、振動で表面の堆積物が剥がれ落ちるように、該ボイラの管部分および壁を振動させる。)

1c)”Durch den schlagartigen Druckanstieg im Explosionsraum auf rd. 350 bar wird ・・・ dann kugelformig ausbreitet.”(第58頁右欄下から第14行ないし下から第7行)
(爆発室における約350barの急激な圧力上昇によって、ピストンを後方に移動させ、排出口は開放される。これによって、圧力波は、ボイラの排出管を通って伝達され、そこで、初めは線状に、それから、球状に広がる。)

1d)”In unmittelbarer Austrittsrichtung werden Staeube ・・・ mit schwingungsfaehigen Kesselrohren erreicht wird.”(第58頁右欄下から第6行ないし第59頁左欄第4行)
(ダストおよび付着物が、まっすぐな流出方向に、まっすぐに吹き飛ばされる。離れている領域では、圧力波によって、ノックの振動と同じ様に、壁および管の束が短く振動する。空の流通路においては、浸入は10mの深さまで至り、そこまで洗浄の効果が得られることが予想できる。ここで、振動可能なボイラ管において、最良の洗浄効果が得られる。)

1e)”Referenz Kehrichtverwertungsanlage Luzern
Die laengste Betriebserfahrung ・・・ und eine Kugelregenanlage abgestellt.”(第59頁右欄第25行ないし第60頁右欄第6行)

(参考 ルツェルンの廃棄物焼却プラント
エクスプロージョンジェネレータを使用して最も長く稼動している実績を有するのが、KVAルツェルン廃棄物焼却プラントである。ルツェルン廃棄物焼却プラントでは、3つのボイララインに8つのエクスプロージョンジェネレータEG10が取り付けられている。2010年11月までに、10万回以上の爆発が実施されている。エクスプロージョンジェネレータ以外の洗浄装置はもう稼動していない。合計で20個のスートブロワが解体され、1つのショットクリーニング装置の運転が停止されている。)

1f)”Detailinformation zu den Kessel 1 und 2 (Leistung je 10 MW)
Vorversuche mit Explosionsgeneratoren fanden ・・・ von 30 bis 120 min eingestellt.”(第60頁右欄第7行ないし第17行)
(ボイラ1および2の詳細情報(出力はそれぞれ10MW)
2008年の夏以降、エクスプロージョンジェネレータの予備実験が実施された。2009年2月に、ボイラ2において、垂直な第3流通路の6つの圧縮空気スートブロワは、2つのエクスプロージョンジェネレータに取り替えられた(図6)。2009年7月に、ボイラ1において、同じ取り替えが実施された。爆発頻度は、その時の需要に応じて、30分間隔から120分間隔までの範囲において、廃棄物焼却プラントの運営会社によって設定される。)

1g)”Seit dem 11.Februar 2009 ・・・ und dor Anbackungen absprengt.”(第60頁右欄第42ないし53行)

(2009年11月2日以来、ボイラクリーニングは、2つのエクスプロージョンジェネレータEG10のみでなされている。特に、第3流通路への入口での煙道ガス温度が、第2流通路の付着物が減らされたために、非常に低い範囲に保たれていることは明白である。このことは、ボイラの第3流通路に設置されたエクスプロージョンジェネレータの圧力波が、煙道ガスの流れに対して第2流通路にも逆流し、そこで付着物を除去していることを意味している。)

1h)”Detailinformation zu Kessel 3 (Leistung 16 MW)
Im Juni 2009 ・・・ von 30 bid 240 min eingestellt.”(第61頁左欄第1ないし10行)
(ボイラ3の詳細情報(出力は16MW)
2009年6月に、垂直な第3流通路の8つの圧縮空気スートブロワは、2つのエクスプロージョンジェネレータに取り替えられた(図8)。洗浄効率をさらに高める目的で、2009年11月および2010年2月に、2つのさらなるエクスプロージョンジェネレータが追加で導入された。外側のエコノマイザに対するショットクリーニングは停止された。爆発頻度は、その時の需要に応じて、30分間隔から240分間隔までの範囲において、その都度、設定される。)

1i)”Bis Juni 2009 ・・・ im Eco.”(第61頁左欄末行ないし同頁中央欄第3行)
(2009年6月迄は、ボイラクリーニングのため、エコノマイザ内のショットクリーニングに加え、第3流通路内に8つのスートブロワが設置されていた。)

1j)”Die im Juni 2009 ・・・ nicht mehr notwendig ist.”(第61頁中央欄第11行ないし第63頁右欄第3行)
(2009年6月に設置された2つのエクスプロージョンジェネレータEG10は、第3流通路への入口での煙道ガス温度の増加を減らすことはできたが、650℃以下に保つことはできなかった。その理由は、ボイラ1及び2に比べてボイラ容量が大きいことと、第2流通路にある異なるタイプの蒸発器と、にある。2009年11月に3つ目のエクスプロージョンジェネレータを第3流通路の後壁に設置することによって、その温度は100℃以上急激に減少させられ、現在では650℃以下に恒久的に維持され得る。このことは、このエクスプロージョンジェネレータの圧力波が、煙道ガスの流れに対して第2の流通路にも逆流し、付着物の防止に効果的に貢献していることを意味する。2010年2月に、外部エコノマイザのショットクリーニングが4つ目のエクスプロージョンジェネレータによって置き換えられ、以前よりここ数年の間、ボイラ出口での煙道ガス温度が一年を通じてより低く保たれている。従って、ボイラは12カ月連続運転しても清浄に保つことができる。
KVAルツェルン廃棄物焼却プラントのオペレータがこれらの肯定的結果によって更に導入した措置は、将来、メンテナンスコストを更に削減するであろう。すなわち、保護シェルが熱交換管群から取り外された。管のそのような保護は、圧力波クリーニングにもはや不要になるからである。)

1k)”Andere Referenzen und Einbauorte
Gute Resultate wurden auch bei groesseren ・・・ im Horizontalzug festgestellt (Bild 10).”(第63頁右欄第9ないし14行)
(他の参考及び他の取り付け箇所
同様に、より大規模なごみ燃焼ボイラ及びバイオマス燃焼ボイラ(表2)、並びに、その他の取り付け位置(例えば、空および水平の流通路内など)において、優れた結果が認められる(図10)。)

1l)”Bei Einbau im Leerzug kann ・・・ die Nachschaltheizflaechen.”(第63頁右欄第15行ないし第64頁左欄第3行)
(エクスプロージョンジェネレータは、空の流通路に設置された時、ウォーターキャノンやシャワークリーニングのような管クリーニングシステムを置き換える。通常、流通路の壁はトラス内である程度の柔軟性を備えている。そのため、圧力波がこの壁に当たり、壁を短く振動させ始めると、付着堆積物を空の流通路の全エリアから落下させ得る。それで、各エクスプロージョンジェネレータは大型ボイラのボリュームに適用することができる。その結果、空の流通路の付着物レベルは、恒久的に低く抑えられ、下流の加熱面の入口温度を殆ど一定に維持することができる。)

1m)”Waehrend bei der Klopfung ・・・ das gesamte Rohrbuendel.”(第64頁左欄第21ないし25行)
(エクスプロージョンジェネレータの圧力波は、全ての管群に当たり、・・・(以下略))

なお、図6(第61頁)は、ルツェルン廃棄物焼却プラントのボイラ2における、スートブロワの取り付け位置(2009年2月まで)、および、エクスプロージョンジェネレータの取り付け位置(2009年2月から)を示す図であり、側面の圧縮空気-スートブロワRB、背面壁の圧縮空気-スートブロワRB及び側面のエクスプロージョンジェネレータEGが示されている。
また、図8(第62頁)は、ルツェルン廃棄物焼却プラントのボイラ3における、スートブロワの取り付け位置(2009年6月まで)、および、エクスプロージョンジェネレータの取り付け位置(2009年6月、2009年11月、および、2010年2月から)を示す図であり、側面の圧縮空気-スートブロワRB、側面のエクスプロージョンジェネレータEG及び背面壁のエクスプロージョンジェネレータEGが示されている。

イ 上記ア及び図面から分かること
1n)上記アの1e及び1fの記載によれば、甲1には、廃棄物焼却炉に連設されるボイラが記載されていることが分かる。
また、ボイラが、廃棄物焼却炉の排ガスから熱回収することは明らかである。

1l)上記アの1e及び1f並びに図6の記載によれば、ボイラは、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VD』が付された機器、『ECO』が付された機器及び『ND VD』が付された機器を有することが分かる。

1o)上記アの1eないし1h及び図8の記載によれば、ボイラは、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VDII』が付された機器及び『VDI』が付された機器を有し、『ECO』が付された4つの機器がボイラの下流側に連設されることが分かる。

1p)上記アの1aないし1dの記載によれば、エクスプロージョンジェネレータは、天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出することが分かる。

1q)上記1nないし1pを、上記アの1aないし1m並びに図6及び8の記載と合わせてみると、第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置又はダスト除去方法において、天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを設けることが分かる。

1r)上記1nないし1pを、図6の記載と合わせてみると、エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設することが分かる。

1s)上記1nないし1pを、図8の記載と合わせてみると、エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VDII』が付された機器との間に配設し、さらに、ボイラの下流側に連設された、『ECO』が付された4つの機器にも、圧力波放出ノズルを配設することが分かる。

ウ 甲1に記載された発明
上記ア及びイ並びに図面を総合すると、甲1には、以下の事項からなる各発明(以下、順に「甲1発明1」ないし「甲1発明4」という。)が記載されているといえる。
(ア)甲1発明1
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VD』が付された機器、『ECO』が付された機器及び『ND VD』が付された機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを設けると共に、
該エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、前記第3室においては、前記『EUE』が付された機器と前記『VUE2』が付された機器との間と、前記『VUE1』が付された機器と前記『VD』が付された機器との間に配設するボイラのダスト除去装置。」

(イ)甲1発明2
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VDII』が付された機器及び『VDI』が付された機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを設けると共に、
該エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、前記第3室においては、前記『EUE』が付された機器と前記『VUE2』が付された機器との間と、前記『VUE1』が付された機器と前記『VDII』が付された機器との間に配設し、
前記ボイラの下流側に連設された、『ECO』が付された4つの機器にも、前記圧力波放出ノズルを配設するボイラのダスト除去装置。」

(ウ)甲1発明3
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2及び第3室を備え、該第3室(対流伝熱室)が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VD』が付された機器、『ECO』が付された機器及び『ND VD』が付された機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する際に、
天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを用いて、
前記第3室においては、前記『EUE』が付された機器と前記『VUE2』が付された機器との間と、前記『VUE1』が付された機器と前記『VD』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記第3室内に圧力波を放出するボイラのダスト除去方法。」

(エ)甲1発明4
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2及び第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VDII』が付された機器及び『VDI』が付された機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する際に、
天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを用いて、
前記第3室においては、前記『EUE』が付された機器と前記『VUE2』が付された機器との間と、前記『VUE1』が付された機器と前記『VDII』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記第3室内に圧力波を放出し、
前記ボイラの下流側に連設された、『ECO』が付された4つの機器内にも、圧力波を放出するボイラのダスト除去方法。」

(2)本件発明1の検討
ア 対比
本件発明1と甲1発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・甲1発明1における「廃棄物焼却炉」は、本件発明1における「廃棄物焼却炉」に相当し、以下同様に、以下同様に、「排ガス」は「排ガス」に、「ボイラ」は「ボイラ」に、「ダスト」は「ダスト」に、「ボイラのダスト除去装置」は「ボイラのダスト除去装置」に、「天然ガス」は「燃料ガス」に、「酸素」は「酸化剤ガス」に、「圧力波」は「圧力波」に、「エクスプロージョンジェネレータ」は「圧力波発生装置」に、「圧力波放出ノズル」は「圧力波放出ノズル」に、それぞれ相当する。
・甲1発明1における「第1、第2室」は、本件発明1における「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」に、「第1、第2室」という限りにおいて一致する。
・甲1発明1における「第3室」は、本件発明1における「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」に、「第3室」という限りにおいて一致する。
・甲1発明1における「第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VD』が付された機器、『ECO』が付された機器及び『ND VD』が付された機器を有する」は、本件発明1における「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」に、「第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」という限りにおいて一致する。
・甲1発明1における「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」は、本件発明1における「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」に、「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」という限りにおいて一致する。
・甲1発明1における「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設する」は、本件発明1における「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」に、「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」という限りにおいて一致する。
したがって、両者は
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設するボイラのダスト除去装置。」の点で一致し、次の点で相違する。

(ア)相違点A1-1
「第1、第2室」に関し、本件発明1においては「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」であるのに対して、甲1発明1においては「第1、第2室」が放射室であることは不明である点(以下、「相違点A1-1」という。)。

(イ)相違点A1-2
「第3室」に関し、本件発明1においては「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」であるのに対して、甲1発明1においては「第3室」が対流伝熱室であることは不明である点(以下、「相違点A1-2」という。)。

(ウ)相違点A1-3
「第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」ことに関し、本件発明1においては「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」のに対して、甲1発明1においては「第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VD』が付された機器、『ECO』が付された機器及び『ND VD』が付された機器を有する」点(以下、「相違点A1-3」という。)。

(エ)相違点A1-4
「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」ことに関し、本件発明1においては「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」のに対して、甲1発明1においては「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」点(以下、「相違点A1-4」という。)。

(オ)相違点A1-5
圧力波発生装置が燃料ガスと酸化剤ガスを混合することに関し、本件発明1においては、「高圧下で混合」するのに対して、甲1発明1においては、そのような特定はされていない点(以下、「相違点A1-5」という。)。

(カ)相違点A1-6
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明1においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲1発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設する」点(以下、「相違点A1-6」という。)。

イ 判断
(ア)当審において通知した取消理由の理由1によれば、訂正前の本件発明1については、甲1発明1、周知技術、技術常識及び慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとしている。
ここで、周知技術、技術常識及び慣用技術は以下のとおりである。
・「周知技術」については、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室及び第3室を備えたボイラにおいて、第1、第2室を、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた放射室とすることは、例えば甲2(特に、段落【0007】及び図1)及び甲3(特に、段落【0029】及び図1)に記載されているように本件出願の優先日前に周知の技術であるというものである。
・「技術常識」については、廃棄物焼却炉に連接されるボイラにおいて、熱回収をするために、排ガスの連通路中に対流伝熱室を備え、対流伝熱室に、蒸気を発生させる水平蒸発管、発生した蒸気をさらに加熱して熱量の高い蒸気とする過熱器、過熱器を保護するスクリーン管、給水を予熱するエコノマイザー等を必要に応じて設けることは、例えば甲2(特に、段落【0007】及び図1)、甲3(特に、段落【0029】及び図1)、甲4(特に、段落【0003】、【0004】及び【0007】並びに図10)、甲5(特に、段落【0010】及び【0011】並びに図1)、甲6(特に、段落【0003】並びに図4及び5)、甲7(特に、段落【0032】及び図1)、甲8(特に、段落【0010】、【0015】及び【0016】並びに図3)及び甲9(特に、段落【0013】及び図3)に記載されているように本件出願の優先日前に技術常識であるというものである。
・「慣用技術」については、ボイラに設けられる過熱器等の熱交換器を、複数次の熱交換器に分割して構成することは、例えば甲4(特に、段落【0004】及び図10)、甲6(特に、段落【0003】並びに図4及び5)及び甲9(特に、段落【0013】及び図3)に記載されているように本件出願の優先日前にごく普通に行われていることであるというものである。

(イ)そこで、事案に鑑み、本件訂正により訂正された部分に関連する相違点A1-6について以下に検討する。
a 乙1の6頁の表には、番号が「1247」の「スラグスクリーン」について「火炉出口ガスを適当な温度に下げ,溶融灰を凝固させる目的のために取り付けられた管間隔の広い管群。」と記載されており、スクリーン管を排ガス温度が高い上流側に配設することが示唆されていること、乙2の199頁左欄13ないし25行には、「4.1 ごみ焼却廃熱ボイラの概要 ごみ焼却廃熱ボイラでは ・・・ ガスに含まれる飛灰は溶融し易く付着性が高いのでボイラ輻射室で600-650℃まで冷却してから管群部を通す。管群部にはスクリーン蒸発管群,過熱器管群,蒸発管群,エコノマイザ管群等が配置されている。 ・・・ したがって,第一番の管群は管と管のスペースを十分にとったスクリーン蒸発管群を配置している。」と記載されており、スクリーン管を最上流に配設することが示唆されていること、及び、甲4の段落【0003】ないし【0007】及び図10には、スクリーン管5が、焼却炉のボイラ内接触伝熱部3において最上流に配設する例が示されていることを考慮すると、甲1発明1において、スクリーン管を第3室(対流伝熱室)の最上流に配設することは、当業者が容易に想到できたことである。
しかしながら、甲1発明1において、『EUE』が付された機器が必ずしもスクリーン管になるとは限らず、『EUE』が付された機器の上流にスクリーン管が設置される態様も考えられ、しかも、ボイラにおけるスクリーン管の清掃に圧力波を用いることは、甲1には記載も示唆もなく、本件出願の優先日前に技術常識であったということもできないから、上記(ア)の技術常識及び慣用技術を考慮したとしても、直ちにエクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、スクリーン管と2次過熱器との間に配設するものとはいえない。

b また、甲4の段落【0007】における「請求項1の発明は、焼却炉のボイラ内接触伝熱部にある管群及び対流伝熱を行う空気予熱器の表面に付着堆積した灰の清掃装置であって、水平方向への移動手段(10)と、移動手段に取り付けられたノズルを備えたショットブラスト機構(S)と、を備えたことを特徴とする灰の清掃装置により前記課題を解決する。ここに「焼却炉のボイラ内接触伝熱部にある管群」とは、スクリーン管、過熱器、水平蒸発管、エコノマイザー等の水平配管をいう。」との記載によれば、スクリーン管を含む伝熱管群の表面に付着堆積した灰を清掃することが示唆されており、また、甲26の256頁下から4行ないし3行における「管群部への飛灰の付着は主に管群入口部に起こることが知られているので、むやみに装備台数を増すことなく効果的に配置することが有効である。」との記載によれば、スートブロアについて、装備台数を増すことなく効果的に配置することが有効であることが示唆されているところ、これら甲4及び甲26に記載された事項は、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルについて、スクリーン管に対する具体的な配設配置を示唆するものではない。

c 結局のところ、甲1ないし19、26及び27、並びに乙1ないし5のいずれにも、圧力波発生装置を用いてスクリーン管のダストを除去することがそもそも記載されておらず、対流伝熱室の排ガス流れ方向で最上流に配設されたスクリーン管の下流直後に圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを配設することは記載も示唆もされていない。

d そして、本件発明1は、上記相違点A1-6に係る本件発明1の発明特定事項を備えることにより、スクリーン管に多量のダストを容易に剥離できる状態で付着堆積させて、スクリーン管の圧力波放出ノズルと向き合っていない側においても、伝わった圧力波による振動により多量のダストを剥離することが可能となり、付着ダストの剥離除去作用効果を確実に奏すると同時に、付着ダストの除去を低い設備費及び運転費で行うことができるという所期の効果を奏するのであるから、上記相違点A1-6に係る本件発明1の発明特定事項が、設計事項であるということはできない。

e そうすると、甲1発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点A1-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。

f したがって、相違点A1-1ないしA1-5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項1に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(3)本件発明2の検討
ア 対比
本件発明2と甲1発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A2
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明2においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲1発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設する」点(以下、「相違点A2」という。)。

イ 判断
上記(2)イの検討を踏まえると、甲1発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点A2に係る本件発明2の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、甲1発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項2に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(4)本件発明4の検討
ア 対比
本件発明4と甲1発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A4
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明4においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設する」のに対して、甲1発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設する」点(以下、「相違点A4」という。)。

イ 判断
上記(2)イの検討を踏まえると、甲1発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点A4に係る本件発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明4は、甲1発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項4に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(5)本件発明5の検討
ア 対比
本件発明5と甲1発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A5
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明5においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設する」のに対して、甲1発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設する」点(以下、「相違点A5」という。)。

イ 判断
上記(2)イの検討を踏まえると、甲1発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点A5に係る本件発明5の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明5は、甲1発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項5に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(6)本件発明9の検討
ア 対比
ア-1 本件発明1を引用する本件発明9と甲1発明2との対比
本件発明1を引用する本件発明9と甲1発明2とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・甲1発明2における「廃棄物焼却炉」は、本件発明9における「廃棄物焼却炉」に相当し、以下同様に、以下同様に、「排ガス」は「排ガス」に、「ボイラ」は「ボイラ」に、「ダスト」は「ダスト」に、「ボイラのダスト除去装置」は「ボイラのダスト除去装置」に、「天然ガス」は「燃料ガス」に、「酸素」は「酸化剤ガス」に、「圧力波」は「圧力波」に、「エクスプロージョンジェネレータ」は「圧力波発生装置」に、「圧力波放出ノズル」は「圧力波放出ノズル」に、それぞれ相当する。
・甲1発明2における「第1、第2室」は、本件発明9における「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」に、「第1、第2室」という限りにおいて一致する。
・甲1発明2における「第3室」は、本件発明9における「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」に、「第3室」という限りにおいて一致する。
・甲1発明2における「第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VDII』が付された機器及び『VDI』が付された機器を有する」は、本件発明9における「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」に、「第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」という限りにおいて一致する。
・甲1発明2における「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」は、本件発明9における「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」に、「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」という限りにおいて一致する。
・甲1発明2における「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VDII』が付された機器との間に配設」するは、本件発明9における「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」に、「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設」するという限りにおいて一致する。
・甲1発明2における「ボイラの下流側に連設された、『ECO』が付された4つの機器にも、圧力波放出ノズルを配設する」は、本件発明9における「ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザにも、圧力波放出ノズルを配設する」に、「ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための所定の機器にも、圧力波放出ノズルを配設する」という限りにおいて一致する。
したがって、両者は
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設し、
ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための所定の機器にも、圧力波放出ノズルを配設するボイラのダスト除去装置。」の点で一致し、次の点で相違する。

(ア)相違点A9-1
「第1、第2室」に関し、本件発明9においては「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」であるのに対して、甲1発明2においては「第1、第2室」が放射室であることは不明である点(以下、「相違点A9-1」という。)。

(イ)相違点A9-2
「第3室」に関し、本件発明9においては「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」であるのに対して、甲1発明2においては「第3室」が対流伝熱室であることは不明である点(以下、「相違点A9-2」という。)。

(ウ)相違点A9-3
「第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」ことに関し、本件発明9においては「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」のに対して、甲1発明2においては「第3室が排ガス流れ方向で上流側から『EUE』が付された機器、『VUE2』が付された機器、『VUE1』が付された機器、『VDII』が付された機器及び『VDI』が付された機器を有する」点(以下、「相違点A9-3」という。)。

(エ)相違点A9-4
「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」ことに関し、本件発明9においては「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」のに対して、甲1発明2においては「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」点(以下、「相違点A9-4」という。)。

(オ)相違点A9-5
圧力波発生装置が燃料ガスと酸化剤ガスを混合することに関し、本件発明9においては、「高圧下で混合」するのに対して、甲1発明2においては、そのような特定はされていない点(以下、「相違点A9-5」という。)。

(カ)相違点A9-6
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設」することに関し、本件発明9においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲1発明2においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VDII』が付された機器との間に配設」する点(以下、「相違点A9-6」という。)。

(キ)相違点A9-7
「ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための所定の機器にも、圧力波放出ノズルを配設する」ことに関し、本件発明9においては「ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザにも、圧力波放出ノズルを配設する」のに対して、甲1発明2においては「ボイラの下流側に連設された、『ECO』が付された4つの機器にも、圧力波放出ノズルを配設する」点(以下、「相違点9-7」という。)。

ア-2 本件発明2、4及び5のいずれかを引用する本件発明9と甲1発明2との対比
本件発明2、4及び5のいずれかを引用する本件発明9と甲1発明2とを対比した場合、相違点A9-6に対応する相違点は、上記ア-1に示した相違点A9-6に係る本件発明9の発明特定事項が、本件発明2を引用した場合は上記(3)ア(ア)に示した相違点A2に係る本件発明2の発明特定事項に置き換えられ、本件発明4を引用した場合は上記(4)ア(ア)に示した相違点A4に係る本件発明4の発明特定事項に置き換えられ、本件発明5を引用した場合は上記(5)ア(ア)に示した相違点A5に係る本件発明5の発明特定事項に置き換えられたものとなる。

イ 判断
上記(2)イ、(3)イ、(4)イ及び(5)イの検討を踏まえると、本件発明9が本件発明1、2、4及び5のいずれを引用した場合であっても、甲1発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、上記相違点A9-6又はその対応する相違点に係る本件発明9の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明9は、甲1発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項9に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(7)本件発明10の検討
本件発明10は、本件発明1、2、4、5及び9を引用するものであって、本件発明1、2、4、5及び9の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明9と同様に、甲1発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、請求項10に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(8)本件発明11の検討
ア 対比
本件発明11は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明1を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明11と甲1発明3とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A11
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明11においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲1発明3においては「第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」点(以下、「相違点A11」という。)。

イ 判断
上記(2)イの検討を踏まえると、甲1発明3において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点A11に係る本件発明11の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明11は、甲1発明3、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項11に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(9)本件発明12の検討
ア 対比
本件発明12は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明2を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明12と甲1発明3とを、上記(3)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A12
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明12においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲1発明3においては「第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」点(以下、「相違点A12」という。)。

イ 判断
上記(3)イの検討を踏まえると、甲1発明3において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点A12に係る本件発明12の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明12は、甲1発明3、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項12に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(10)本件発明14の検討
ア 対比
本件発明14は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明4を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明14と甲1発明3とを、上記(4)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A14
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明14においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲1発明3においては「第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」点(以下、「相違点A14」という。)。

イ 判断
上記(4)イの検討を踏まえると、甲1発明3において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点A14に係る本件発明14の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明14は、甲1発明3、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項14に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(11)本件発明15の検討
ア 対比
本件発明15は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明5を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明15と甲1発明3とを、上記(5)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A15
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明15においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲1発明3においては「第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VD』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」点(以下、「相違点A15」という。)。

イ 判断
上記(5)イの検討を踏まえると、甲1発明3において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点A15に係る本件発明15の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明15は、甲1発明3、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項15に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(12)本件発明19の検討
ア 対比
ア-1 本件発明11を引用する本件発明19と甲1発明4との対比
本件発明19は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明9を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明19と甲1発明4とを、上記(6)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点A19
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明19においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲1発明4においては「第3室においては、『EUE』が付された機器と『VUE2』が付された機器との間と、『VUE1』が付された機器と『VDII』が付された機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出」する点(以下、「相違点A19」という。)。

ア-2 本件発明12、14及び15のいずれかを引用する本件発明19と甲1発明4との対比
本件発明12、14及び15のいずれかを引用する本件発明19と甲1発明4とを対比した場合、相違点A19に対応する相違点は、上記ア-1に示した相違点A19に係る本件発明19の発明特定事項が、本件発明12を引用した場合は上記(9)ア(ア)に示した相違点A12に係る本件発明12の発明特定事項に置き換えられ、本件発明14を引用した場合は上記(10)ア(ア)に示した相違点A14に係る本件発明14の発明特定事項に置き換えられ、本件発明15を引用した場合は上記(11)ア(ア)に示した相違点A15に係る本件発明15の発明特定事項に置き換えられたものとなる。

イ 判断
また、上記(8)イ、(9)イ、(10)イ及び(11)イの検討を踏まえると、本件発明19が本件発明11、12、14及び15のいずれを引用した場合であっても、甲1発明4において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、上記相違点A19又はその対応する相違点に係る本件発明19の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明19は、甲1発明4、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項19に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(13)本件発明20の検討
本件発明20は、本件発明11、12、14、15及び19を引用するものであって、本件発明11、12、14、15及び19の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明19と同様に、甲1発明4、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、請求項20に係る特許は、取消理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

5-2 取消理由の理由2(明確性)及び理由3(サポート要件)について
当審において通知した取消理由の理由2及び理由3は、本件訂正前の請求項6ないし8及び16ないし18の記載が、特許法第36条第6項第2号及び同項第1号に規定する要件を満たしていないとし、それに伴い、本件訂正前の請求項6ないし8を引用する請求項9及び10並びに請求項16ないし18を引用する請求項19及び20の記載についても、特許法第36条第6項第2号及び同項第1号に規定する要件を満たしていないとした。
しかしながら、本件訂正後の特許請求の範囲の記載において、訂正前の請求項6ないし8及び16ないし18が削除されたことにより、請求項6ないし8及び16ないし18に係る特許に対する取消理由の理由2及び理由3は対象が存在しないものとなった。
また、本件訂正後の特許請求の範囲の記載において、請求項9及び10は、削除された請求項6ないし8を引用しないものとされ、また、請求項19及び20は、削除された請求項16ないし18を引用しないものとされたことにより、請求項9、10、19及び20に係る特許については、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号及び同項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものとはいえず、特許法第113条第4号に該当しないのであるから、取消理由の理由2及び理由3によって取り消すべきものとすることができない。

5-3 小括
以上の検討によれば、当審が通知した取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。

6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の検討
申立人2は、請求項1ないし20に係る特許に対して、甲11(申立て2の甲第2号証の1)を主引例とした場合についても、特許法第29条第2項違反の申立理由を主張している。
また、申立人3は、請求項1ないし20に係る特許に対して、甲8(申立て3の甲第1号証)を主引例とした場合について、特許法第29条第2項違反の申立理由を主張している。
さらに、申立人1は、請求項6ないし8に係る特許、請求項6ないし8を引用する請求項9及び10に係る特許、請求項16ないし18に係る特許、並びに請求項16ないし18を引用する請求項19及び20に係る特許に対して、明細書の発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされた旨の申立理由を主張している。
そこで、これら申立理由について以下に検討する。

6-1 甲11を主引例とした場合の特許法第29条第2項違反の申立理由について
(1)甲11について
ア 甲11の記載
本件出願の優先日前に頒布された甲11(SAXONIA Standortentwicklungs- und -verwaltungsgesellschaft mbH,”Dampferzeugerkorrosion 2013”,(独),2013,p.237-244)には、「エクスプロージョンジェネレータを用いた連続ボイラクリーニング」に関して、次の記載がある。()内は翻訳文である。

11a)”Erfolgreiche Knalleffekte - Die Online-Reinigung mit Explosionsgeneratoren”(第237頁の表題)
(爆発により得られる好ましい結果-エクスプロージョンジェネレータを用いたオンライン洗浄)

11b)”2. Aufbau und Funktion
Der Explosionsgenerator (S. Bild 1) ist ・・・ bis zu ca. 10 m.”(第237頁下から第13行ないし第238頁第26行)
(2.構造および機能
エクスプロージョンジェネレータ(図1参照)は、Explosion Power有限責任会社(GmbH)というスイス企業の開発製品である。Kesselreinigung Rueegg有限責任会社(GmbH)(M. Buerginら, 2005)製の手動によるBang&Clean洗浄方法と同様に、ボイラは、気体混合物が爆発することにより引き起こされる圧力波で洗浄される。
手動による上述の方法とは異なり、ジェネレータの場合には、爆発は、ボイラの外側で、頑丈な耐爆発性の容器において、自動的に引き起こされる。引き起こされた圧力波は、管部分を介してボイラに伝達される。ボイラ内で、圧力波は、振動で表面の堆積物が剥がれ落ちるように、ボイラの管部分および壁を振動させる。
エクスプロージョンジェネレータ(EG)は、基本的に、混合容器と、ピストンおよびバルブ台を含むバルブ筐体と、天然ガスおよび酸素のための2つの自動配水タンクと、爆発性の気体混合物のための爆発タンクと、ボイラ内に爆発圧力波を流入させるための流出管とから構成されている。
スイスでは、エクスプロージョンジェネレータは、とりわけ、耐圧性および耐熱性を有する材料および高価な部品で製造され、その後、テストされる。このエクスプロージョンジェネレータは、CE規格に適合した、カテゴリIIまたはカテゴリIIIの圧力機器である。
必要な圧力波を起こすために、エクスプロージョンジェネレータは、天然ガスまたはメタン、および、酸素で満たされる。両方の気体は混合され、点火されることにより爆発が引き起こされる。圧力波は、ピストンバルブを開けることで、ボイラに送り込まれる(図2参照)。圧力波が浸入する深さは、最大で約10mになる。)

11c)”3. Die Gluehkerze wird gezuendet ・・・ dann kugelfoermig aus.”(第239頁第5ないし9行)
(3.予熱プラグが点火され、爆発が起こる。爆発室における約350barの急激な圧力上昇によって、ピストンを後方に移動させ、排出口は開放される。
4.圧力波は、ボイラの排出管を通って伝達され、そこで、初めは線状に、それから、球状に広がる。)

11d)”3. Einsatz der Explosionsgeneratoren
Die Generatoren werden sowohl ・・・ fuer unterschiedliche Einbaupositionen aufgefuehrt.”(第240頁第13行ないし末行)
(3.エクスプロージョンジェネレータの使用
このジェネレータは、既存の設備において、導入済み技術の置き換えまたは導入済み技術に対する補充として利用されていることに加え、新規の設備においてもますます利用されている。ジェネレータによって、鉄鋼建造物および改築された建造物の体積をかなり小さくすることができ、その結果、さらに、設備コストの削減を実現する。ジェネレータの体積が1つのジェネレータあたり約1m^(3)小さくなったことによって、狭いまたは近づきにくい状況下にある場所での取り付けも可能である。また、取り付けおよび試運転を、ボイラの稼動中に実施できる。現在、100より遥かに多いエクスプロージョンジェネレータが、13ヵ国において、良好に稼動している。種々の廃棄物のためのいくつかの焼却設備の他に、バイオマス発電所および火力発電所が、これらのイノベーションを活用している。このジェネレータは、過熱器、エコノマイザ群、および放熱ダクトを清潔に保つのに使用される。他の使用ケースとして、液体燃焼ボイラ、セメントプラント、亜鉛精製工場、および、排気ガスを洗浄するコンポーネントなどが考えられる。これらの機器に対する最初の耐久試験は、発電所の実際の稼働中に実施される。
様々な出版物において、エクスプロージョンジェネレータの採用実績に関して報告されている。以下に様々な取り付け位置の参考例を挙げる。)

11e)”Einsatzbeispiel Vertikalzug (S. Buld 7)
Kehrichtverbrennungsanlage Luzern, K3
Dampfleistung 16 t/h
Mit Abstand die laengste Betriebserfahrung liegt ・・・ im Dauerbetrieb auf nahezu sauberem Zustand gehalten werden. ”(第243頁第1ないし末行)
(垂直流通路における使用例(図7参照)
ルツェルンの廃棄物焼却プラント、K3
蒸気産出量 16t/h
極めて最も長く稼動している実績を有するのが、ルツェルンの施設である。この施設は、別のところで既に報告されており(Dr. C. Steinerら, 2011)、該施設の3つのボイラは、依然としてエクスプロージョンジェネレータのみで洗浄されている。
2009年6月に、ボイラ3の中の8つの圧縮空気スートブロワは、3つのエクスプロージョンジェネレータに取り替えられた。下方の背面壁に取り付けられたジェネレータは、流向の逆方向にも作用し、これによって、非常に効率的に第2流通路を清潔に保つことに貢献している。2010年2月から、外側のエコノマイザにおいて、以前にそこに取付けられていたショットクリーニング装置は、さらに1つのジェネレータに取り替えられた。これらの措置によって、ボイラ末端における煤煙温度を相当下げることができた。取り付けられたジェネレータにより、ボイラは、12ヵ月の間連続運転しながらも、ほとんどきれいな状態を維持することができる。)

イ 上記ア及び図面から分かること
11f)上記アの11dの記載によれば、甲1には、廃棄物のための焼却設備に連設されるボイラが記載されていることが分かる。
また、ボイラが、廃棄物のための焼却設備の排ガスから熱回収することは明らかである。

11g)上記アの11d及び11e並びに図7の記載によれば、ボイラは、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器、第2の機器、第3の機器、第4の機器及び第5の機器を有することが分かる。

11h)上記アの11e及び図7の記載によれば、4つの機器がボイラの下流側に連設されることが分かる。

11i)上記アの11b及び11cの記載によれば、エクスプロージョンジェネレータは、天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出することが分かる。

11j)上記11fないし11iを、上記アの11aないし11e及び図7の記載と合わせてみると、第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置又はダスト除去方法において、天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを設けることが分かる。

11k)上記11fないし11iを、図7の記載と合わせてみると、エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設することが分かる。

ウ 甲11に記載された発明
上記ア及びイ並びに図面を総合すると、甲11には、以下の事項からなる各発明(以下、順に「甲11発明1」及び「甲11発明2」という。)が記載されているといえる。
(ア)甲11発明1
「廃棄物のための焼却設備に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器、第2の機器、第3の機器、第4の機器及び第5の機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを設けると共に、
該エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、前記第3室においては、前記第1の機器と前記第2の機器との間と、前記第3の機器と前記第4の機器との間に配設し、
前記ボイラの下流側に連設された、4つの機器にも、前記圧力波放出ノズルを配設するボイラのダスト除去装置。」

(イ)甲11発明2
「廃棄物のための焼却設備に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2及び第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器、第2の機器、第3の機器、第4の機器及び第5の機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する際に、
天然ガスと酸素を混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出するエクスプロージョンジェネレータを用いて、
前記第3室においては、前記第1の機器と前記第2の機器との間と、前記第3の機器と前記第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、前記第3室内に圧力波を放出し、
前記ボイラの下流側に連設された、4つの機器内にも、圧力波を放出するボイラのダスト除去方法。」

(2)本件発明1の検討
ア 対比
本件発明1と甲11発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・甲11発明1における「廃棄物のための焼却設備」は、本件発明1における「廃棄物焼却炉」に相当し、以下同様に、以下同様に、「排ガス」は「排ガス」に、「ボイラ」は「ボイラ」に、「ダスト」は「ダスト」に、「ボイラのダスト除去装置」は「ボイラのダスト除去装置」に、「天然ガス」は「燃料ガス」に、「酸素」は「酸化剤ガス」に、「圧力波」は「圧力波」に、「エクスプロージョンジェネレータ」は「圧力波発生装置」に、「圧力波放出ノズル」は「圧力波放出ノズル」に、それぞれ相当する。
・甲11発明1における「第1、第2室」は、本件発明1における「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」に、「第1、第2室」という限りにおいて一致する。
・甲11発明1における「第3室」は、本件発明1における「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」に、「第3室」という限りにおいて一致する。
・甲11発明1における「第1の機器、第2の機器、第3の機器、第4の機器及び第5の機器を有する」は、本件発明1における「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」に、「第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」という限りにおいて一致する。
・甲11発明1における「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」は、本件発明1における「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」に、「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」という限りにおいて一致する。
・甲11発明1における「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と前記第4の機器との間に配設」することは、本件発明1における「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」に、「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」
という限りにおいて一致する。
したがって、両者は
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、第3室を備え、該第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有するボイラで、前記第3室の各機器の表面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設するボイラのダスト除去装置。」の点で一致し、次の点で相違する。

(ア)相違点B1-1
「第1、第2室」に関し、本件発明1においては「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」であるのに対して、甲11発明1においては「第1、第2室」が放射室であることは不明である点(以下、「相違点B1-1」という。)。

(イ)相違点B1-2
「第3室」に関し、本件発明1においては「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」であるのに対して、甲11発明1においては「第3室」が対流伝熱室であることは不明である点(以下、「相違点B1-2」という。)。

(ウ)相違点B1-3
「第3室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」ことに関し、本件発明1においては「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」のに対して、甲1発明1においては「第1の機器、第2の機器、第3の機器、第4の機器及び第5の機器を有する」点(以下、「相違点B1-3」という。)。

(エ)相違点B1-4
「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」ことに関し、本件発明1においては「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」のに対して、甲1発明1においては「第3室の各機器の表面に付着したダストを除去する」ことが、対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去することであるか否かは不明である点(以下、「相違点B1-4」という。)。

(オ)相違点B1-5
圧力波発生装置が燃料ガスと酸化剤ガスを混合することに関し、本件発明1においては、「高圧下で混合」するのに対して、甲11発明1においては、そのような特定はされていない点((以下、「相違点B1-5」という。)。

(カ)相違点B1-6
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明1においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲11発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と前記第4の機器との間に配設」する点(以下、「相違点B1-6」という。)。

イ 判断
事案に鑑み、相違点B1-6について検討する。
上記5-1(2)イの検討を踏まえると、甲11発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点B1-6に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、相違点B1-1ないしB1-5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲11発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項1に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(3)本件発明2の検討
ア 対比
本件発明2と甲11発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B2
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明2においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲11発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設」する点(以下、「相違点B2」という。)。

イ 判断
上記5-1(3)イの検討を踏まえると、甲11発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点B2に係る本件発明2の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、甲11発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項2に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(4)本件発明4の検討
ア 対比
本件発明4と甲11発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B4
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明4においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設する」のに対して、甲11発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設」する点(以下、「相違点B4」という。)。

イ 判断
上記5-1(4)イの検討を踏まえると、甲11発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点B4に係る本件発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明4は、甲11発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項4に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(5)本件発明5の検討
ア 対比
本件発明5と甲11発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B5
「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設する」ことに関し、本件発明5においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設する」のに対して、甲11発明1においては「エクスプロージョンジェネレータの圧力波放出ノズルを、第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設」する点(以下、「相違点B5」という。)。

イ 判断
上記5-1(5)イの検討を踏まえると、甲11発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、エクスプロージョンジェネレータ(圧力波発生装置)の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点B5に係る本件発明5の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明5は、甲11発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項5に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(6)本件発明9及び10の検討
本件発明9は、本件発明1、2、4及び5を引用するものであって、本件発明1、2、4及び5の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明1、2、4及び5と同様に、甲11発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本件発明10は、本件発明1、2、4、5及び9を引用するものであって、本件発明1、2、4、5及び9の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明1、2、4、5及び9と同様に、甲11発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、請求項9及び10に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(7)本件発明11の検討
ア 対比
本件発明11は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明1を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明11と甲11発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B11
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明11においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲11発明2においては「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出」する点(以下、「相違点B11」という。)。

イ 判断
上記5-1(8)イの検討を踏まえると、甲11発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点B11に係る本件発明11の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明11は、甲11発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項11に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(8)本件発明12の検討
ア 対比
本件発明12は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明2を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明12と甲11発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B12
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明12においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲11発明2においては「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出」する点(以下、「相違点B12」という。)。

イ 判断
上記5-1(9)イの検討を踏まえると、甲11発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点B12に係る本件発明12の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明12は、甲11発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項12に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(9)本件発明14の検討
ア 対比
本件発明14は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明4を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明14と甲11発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B14
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明14においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲11発明2においては「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出」する点(以下、「相違点B14」という。)。

イ 判断
上記5-1(10)イの検討を踏まえると、甲11発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点B14に係る本件発明14の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明14は、甲11発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項14に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(10)本件発明15の検討
ア 対比
本件発明15は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明5を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明15と甲11発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点B15
「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出する」ことに関し、本件発明15においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲11発明2においては「第3室においては、第1の機器と第2の機器との間と、第3の機器と第4の機器との間に配設された圧力波放出ノズルから、第3室内に圧力波を放出」する点(以下、「相違点B15」という。)。

イ 判断
上記5-1(11)イの検討を踏まえると、甲11発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点B15に係る本件発明15の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明15は、甲11発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項15に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(11)本件発明19及び20の検討
本件発明19は、本件発明11、12、14及び15を引用するものであって、本件発明11、12、14及び15の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明11、12、14及び15と同様に、甲11発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本件発明20は、本件発明11、12、14、15及び19を引用するものであって、本件発明11、12、14、15及び19の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明11、12、14、15及び19と同様に、甲11発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、請求項19及び20に係る特許は、申立人2の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

6-2 甲8を主引例とした場合の特許法第29条第2項違反の申立理由について
(1)甲8について
ア 甲8の記載
本件出願の優先日前に頒布された甲8(特開平7-239104号公報)には、「燃焼ボイラーにおける伝熱管構造」に関して、図面とともに次の記載がある。
8a)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼却ボイラーにおける伝熱管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉などの焼却ボイラーにおける蒸発器管や過熱器管の伝熱管表面には、ごみの焼却により燃焼灰が付着して堆積してしまう。そしてこの堆積した燃焼灰は伝熱管の熱伝導率を低下させるので、これを除去するために一日に数回、スートブロー管から伝熱管に付着した燃焼灰に対し蒸気を噴射して、熱伝導率の安定化を図っている。
【0003】ところで、スートブロー管から蒸気が伝熱管の表面に噴射されると、伝熱管の表面にエロージョンが発生するので、従来は伝熱管の表面を露出させずに、図8および図9に示すように、伝熱管50にステンレス製の半割り状管体(例えば長さ1m程度のもの)51,52を外嵌し、この管体51,52どうしを溶接することによってプロテクター53として伝熱管50の表面の腐食を防止している。」(段落【0001】ないし【0003】)

8b)「【0010】本発明の第一実施例は、図3の全体図に示すように、焼却ボイラー1の焼却炉2が、ごみ焼却用の燃焼室3と、該燃焼室3に連通されるとともに仕切り壁4,5で仕切られた第一煙道6、第二煙道7、第三煙道8と、該第三煙道8の側壁に配置された伝熱管、すなわち複数の管群からなる蒸発管10および過熱器管11と、蒸発管10および過熱器管11の表面に、蒸気を噴射するためのスートブロー管12と、前記伝熱管に連通接続された蒸気ドラム13とを有している。
【0011】図1の拡大正面図、図2の拡大側面図に示すように、前記蒸発管10および過熱器管11の表面のうち前記蒸気が噴射される部分に5(mm)の厚みを有する高熱伝導性モルタル14が施され、該高熱伝導性モルタル14の外側にステンレス製(SUS310S)のエロージョン防止用プロテクター15が取付けられている。
【0012】該プロテクター15は、例えば長さ1(m)程度、厚みが3(mm)の半割り状管体16,17どうしを突き合わせたものからなり、該半割り状管体16,17どうしの突き合わせ部どうしが溶接18されることによって互いに固定されている。
【0013】前記高熱伝導性モルタル14は、アルミナ系モルタルの熱伝導率が1?3(kcal/mh°C)のものまたは、SiC系モルタルの熱伝導率が2.8(kcal/mh°C)のものあるいは、銅粒子入りSiC系モルタル、例えばCu30%,SiC60%,Al_(2) O_(3) +SiO_(2) 10%(いずれも重量%)、熱伝導率が3.7(kcal/mh°C)のものが用いられる。
【0014】なお高熱伝導性モルタル14の厚みを5(mm)としたのは、この厚み以上にすると、蒸発管10どうしの間隔や過熱器管11どうしの間隔が狭くなり過ぎてしまい、煙道内の燃焼ガスの流れが不均一になり、熱回収率が低下してしまうということ、プロテクター15を取付ける際の作業性が悪くなること、また不経済になることからである。」(段落【0010】ないし【0014】)

8c)「【0015】上記構成において、燃焼室3で発生した燃焼ガスは600(°C)?700(°C)であり、この燃焼ガスは、第一煙道6、第二煙道7を通過して第三煙道8に到り、蒸発管10、過熱器管11によって熱回収される。このとき、蒸発管10、過熱器管11の表面温度は、その内部を通過する熱回収用蒸気によって熱回収されて250(°C)?420(°C)の間にある。
【0016】ところで一日に数回、スートブロー管12から蒸気を噴射し、蒸発管10、過熱器管11に設けたプロテクター15に堆積した燃焼灰を除去する必要がある。ここで、蒸発管10および過熱器管11のそれぞれとプロテクター15との間の隙間には高熱伝導性モルタル14が介在しており、この高熱伝導性モルタル14を介して蒸発管10および過熱器管11とプロテクター15とがそれぞれ密着しているので、蒸発管10および過熱器管11のそれぞれの表面とプロテクター15の間に燃焼ガスや蒸気が入り込むことを防止でき、高熱伝導性モルタル14によってプロテクター15の熱が蒸発管10および過熱器管11に良好に伝えられ、プロテクター15の温度が蒸発管10や過熱器管11の表面温度とほぼ等しい温度に維持される。
【0017】従って、プロテクター15の温度が燃焼ガスの温度にまで上昇してしまうといった状態を回避できるので、プロテクター15の高温腐食を防止でき、もってプロテクター15の寿命を延長することができる。」(段落【0015】ないし【0017】)

イ 上記ア及び図面から分かること
8d)上記アの8aないし8c及び図3の記載によれば、甲8には、ごみ焼却用の焼却炉2に連設される焼却ボイラー1が記載されていることが分かる。
また、焼却ボイラー1が、ごみ焼却用の焼却炉2の燃焼ガスから熱回収することは明らかである。

8e)上記アの8b及び8c並びに図3の記載によれば、焼却ボイラー1は、燃焼ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第一煙道6、第二煙道7、及び、燃焼ガスと伝熱管の表面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する第三煙道8を備え、該第三煙道8が燃焼ガス流れ方向で上流側から蒸発管10、上流側の過熱器管11、中間の過熱器管11、下流側の過熱器管11、5番目の機器及び6番目の機器を有することが分かる。

8f)上記アの8b及び8c並びに図3の記載によれば、スートブロー管12は、蒸発管10及び過熱器管11に向けて蒸気を噴射して焼却灰の付着を防止することが分かる。

8g)上記8dないし8fを、上記アの8aないし8c及び図3の記載と合わせてみると、第三煙道8の対流伝熱面に付着した焼却灰を除去するための焼却ボイラー1の焼却灰除去装置又は焼却ボイラー1の焼却灰除去方法において、蒸発管10及び過熱器管11に向けて蒸気を噴射して焼却灰の付着を防止するスートブロー管12を設けることが分かる。

8h)上記8dないし8fを、図3の記載と合わせてみると、スートブロー管12を、第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設することが分かる。

ウ 甲8に記載された発明
上記ア及びイ並びに図面を総合すると、甲8には、以下の事項からなる各発明(以下、順に「甲8発明1」及び「甲8発明2」という。)が記載されているといえる。
(ア)甲8発明1
「ごみ焼却用の焼却炉2に連設され燃焼ガスから熱回収するための、燃焼ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第一煙道6、第二煙道7、及び、燃焼ガスと伝熱管の表面との熱交換により蒸気を発生して過熱する第三煙道8を備え、該第三煙道8が燃焼ガス流れ方向で上流側から蒸発管10、上流側の過熱器管11、中間の過熱器管11、下流側の過熱器管11、5番目の機器及び6番目の機器を有する焼却ボイラー1で、前記第三煙道8の伝熱管の表面に付着した焼却灰を除去するための焼却ボイラー1の焼却灰除去装置において、
蒸発管10及び過熱器管11に向けて蒸気を噴射して焼却灰の付着を防止するスートブロー管12を設けると共に、
該スートブロー管12を、前記第三煙道8においては、前記蒸発管10の上流側と、前記蒸発管10と前記上流側の過熱器管11との間と、前記上流側の過熱器管11と前記中間の過熱器管11との間と、前記中間の過熱器管11と前記下流側の過熱器管11との間に配設する焼却ボイラー1のダスト除去装置。」

(イ)甲8発明2
「ごみ焼却用の焼却炉2に連設され燃焼ガスから熱回収するための、燃焼ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第一煙道6、第二煙道7、及び、燃焼ガスと伝熱管の表面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する第三煙道8を備え、該第三煙道8が燃焼ガス流れ方向で上流側から蒸発管10、上流側の過熱器管11、中間の過熱器管11、下流側の過熱器管11、5番目の機器及び6番目の機器を有する焼却ボイラー1で、前記第三煙道8の伝熱管の表面に付着した焼却灰を除去する際に、
蒸発管10及び過熱器管11に向けて蒸気を噴射して焼却灰の付着を防止するスートブロー管12を用いて、
前記第三煙道8においては、前記蒸発管10の上流側と、前記蒸発管10と前記上流側の過熱器管11との間と、前記上流側の過熱器管11と前記中間の過熱器管11との間と、前記中間の過熱器管11と前記下流側の過熱器管11との間に配設されたスートブロー管12から、前記第三煙道8内に蒸気を噴射する焼却ボイラー1の焼却灰除去方法。」

(2)本件発明1の検討
ア 対比
本件発明1と甲8発明1とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
・甲8発明1における「ごみ焼却用の焼却炉2」は、本件発明1における「廃棄物焼却炉」に相当し、以下同様に、以下同様に、「燃焼ガス」は「排ガス」に、「伝熱管の表面」は「伝熱管の対流伝熱面」及び「対流伝熱面」に、「焼却ボイラー1」は「ボイラ」に、「焼却灰」は「ダスト」に、「焼却ボイラー1の焼却灰除去装置」は「ボイラのダスト除去装置」に、それぞれ相当する。
・甲8発明1における「第一煙道6、第二煙道7」は、本件発明1における「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」に、「第1、第2室」という限りにおいて一致する。
・甲8発明1における「燃焼ガスと伝熱管の表面との熱交換により蒸気を発生して過熱する第三煙道8」は、本件発明1における「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室」に、「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して過熱する対流伝熱室」という限りにおいて一致する。
・甲8発明1における「第三煙道8が燃焼ガス流れ方向で上流側から蒸発管10、上流側の過熱器管11、中間の過熱器管11、下流側の過熱器管11、5番目の機器及び6番目の機器を有する」は、本件発明1における「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」に、「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」という限りにおいて一致する。
・甲8発明1における「第三煙道8の伝熱管の表面に付着した焼却灰を除去する」は、本件発明1における「対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する」に相当する。
・甲8発明1における「蒸発管10及び過熱器管11に向けて蒸気を噴射して焼却灰の付着を防止するスートブロー管12」は、本件発明1における「燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置」に、「所定のダスト除去装置」という限りにおいて一致する。
・甲8発明1における「スートブロー管12を、第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設する」は、本件発明1における「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」に、「所定のダスト除去手段を、所定の位置に配設する」という限りにおいて一致する。
したがって、両者は
「廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、第1、第2室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
所定のダスト除去手段を設けると共に、
該所定のダスト除去手段を、所定の位置に配設するボイラのダスト除去装置。」の点で一致し、次の点で相違する。

(ア)相違点C1-1
「第1、第2室」に関し、本件発明1においては「排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室」であるのに対して、甲8発明1においては「第1、第2室」が放射室であることは不明である点(以下、「相違点C1-1」という。)。

(イ)相違点C1-2
「排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して過熱する対流伝熱室」に関し、本件発明1においては「更に過熱する」ものであるのに対して、甲8発明1においては「更に過熱する」ものであるか否か不明である点(以下、「相違点C1-2」という。)。

(ウ)相違点C1-3
「ボイラ」が「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側から第1の機器ないし所定数の順番の機器を有する」ことに関し、本件発明1においては「対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有する」のに対して、甲8発明1においては「第三煙道8が燃焼ガス流れ方向で上流側から蒸発管10、上流側の過熱器管11、中間の過熱器管11、下流側の過熱器管11、5番目の機器及び6番目の機器を有する」点(以下、「相違点C1-3」という。)。

(エ)相違点C1-4
「所定のダスト除去手段」に関し、本件発明1においては「燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置」であるのに対して、甲8発明1においては「蒸発管10及び過熱器管11に向けて蒸気を噴射して焼却灰の付着を防止するスートブロー管12」である点(以下、「相違点C1-4」という。)。

(オ)相違点C1-5
「所定のダスト除去手段を、所定の位置に配設する」ことに関し、本件発明1においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲8発明1においては「スートブロー管12を、第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設する」点(以下、「相違点C1-5」という。)。

イ 判断
事案に鑑み、相違点C1-5について検討する。
上記5-1(2)イの検討を踏まえると、甲8発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点C1-5に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、相違点C1-1ないしC1-4について検討するまでもなく、本件発明1は、甲8発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項1に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(3)本件発明2の検討
ア 対比
本件発明2と甲8発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点C2
「所定のダスト除去手段を、所定の位置に配設する」ことに関し、本件発明2においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設する」のに対して、甲8発明1においては「スートブロー管12を、第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設する」点(以下、「相違点C2」という。)。

イ 判断
上記5-1(3)イの検討を踏まえると、甲8発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点C2に係る本件発明2の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明2は、甲8発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項2に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(4)本件発明4の検討
ア 対比
本件発明4と甲8発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点C4
「所定のダスト除去手段を、所定の位置に配設する」ことに関し、本件発明4においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設する」のに対して、甲8発明1においては「スートブロー管12を、第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設する」点(以下、「相違点C4」という。)。

イ 判断
上記5-1(4)イの検討を踏まえると、甲8発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点C4に係る本件発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明4は、甲8発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項4に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(5)本件発明5の検討
ア 対比
本件発明5と甲8発明1とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点C5
「所定のダスト除去手段を、所定の位置に配設する」ことに関し、本件発明5においては「圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設する」のに対して、甲8発明1においては「スートブロー管12を、第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設する」点(以下、「相違点C5」という。)。

イ 判断
上記5-1(5)イの検討を踏まえると、甲8発明1において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設すること、すなわち、上記相違点C5に係る本件発明5の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明5は、甲8発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項5に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(6)本件発明9及び10の検討
本件発明9は、本件発明1、2、4及び5を引用するものであって、本件発明1、2、4及び5の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明1、2、4及び5と同様に、甲8発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本件発明10は、本件発明1、2、4、5及び9を引用するものであって、本件発明1、2、4、5及び9の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明1、2、4、5及び9と同様に、甲8発明1、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、請求項9及び10に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(7)本件発明11の検討
ア 対比
本件発明11は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明1を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明11と甲8発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
ここで、甲8発明2における「第三煙道8内に蒸気を噴射する」は、本件発明11における「対流伝熱室内に圧力波を放出する」に、「対流伝熱室内に所定の形態の除去用エネルギーを放出する」という限りにおいて一致する。
(ア)相違点C11
「所定の位置に配設された所定のダスト除去手段から、対流伝熱内に所定の形態の除去用エネルギーを放出する」ことに関し、本件発明11においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲8発明2においては「第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設されたスートブロー管12から、第三煙道8内に蒸気を噴射する」点(以下、「相違点C11」という。)。

イ 判断
上記5-1(8)イの検討を踏まえると、甲8発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点C11に係る本件発明11の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明11は、甲8発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項11に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(8)本件発明12の検討
ア 対比
本件発明12は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明2を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明12と甲8発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点C12
「所定の位置に配設された所定のダスト除去手段から、対流伝熱内に所定の形態の除去用エネルギーを放出する」ことに関し、本件発明12においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲8発明2においては「第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設されたスートブロー管12から、第三煙道8内に蒸気を噴射する」点(以下、「相違点C12」という。)。

イ 判断
上記5-1(9)イの検討を踏まえると、甲8発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と3次過熱器との間、及び、2次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点C12に係る本件発明12の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明12は、甲8発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項12に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(9)本件発明14の検討
ア 対比
本件発明14は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明4を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明14と甲8発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点C14
「所定の位置に配設された所定のダスト除去手段から、対流伝熱内に所定の形態の除去用エネルギーを放出する」ことに関し、本件発明14においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲8発明2においては「第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設されたスートブロー管12から、第三煙道8内に蒸気を噴射する」点(以下、「相違点C14」という。)。

イ 判断
上記5-1(10)イの検討を踏まえると、甲8発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、水平蒸発管とエコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点C14に係る本件発明14の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明14は、甲8発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項14に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(10)本件発明15の検討
ア 対比
本件発明15は、「ボイラのダスト除去装置」についての本件発明5を「ボイラのダスト除去方法」にカテゴリーを変更したものであって、実質的な内容に差異はない。
そこで、本件発明15と甲8発明2とを、上記(2)アの検討を踏まえて対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
(ア)相違点C15
「所定の位置に配設された所定のダスト除去手段から、対流伝熱内に所定の形態の除去用エネルギーを放出する」ことに関し、本件発明15においては「対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出する」のに対して、甲8発明2においては「第三煙道8においては、蒸発管10の上流側と、蒸発管10と上流側の過熱器管11との間と、上流側の過熱器管11と中間の過熱器管11との間と、中間の過熱器管11と下流側の過熱器管11との間に配設されたスートブロー管12から、第三煙道8内に蒸気を噴射する」点(以下、「相違点C15」という。)。

イ 判断
上記5-1(11)イの検討を踏まえると、甲8発明2において、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、対流伝熱室においては、スクリーン管と過熱器との間、及び、第1エコノマイザと第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、対流伝熱室内に圧力波を放出すること、すなわち、上記相違点C15に係る本件発明15の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
したがって、本件発明15は、甲8発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

ウ まとめ
よって、請求項15に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

(11)本件発明19及び20の検討
本件発明19は、本件発明11、12、14及び15を引用するものであって、本件発明11、12、14及び15の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明11、12、14及び15と同様に、甲8発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本件発明20は、本件発明11、12、14、15及び19を引用するものであって、本件発明11、12、14、15及び19の発明特定事項を置き換えることなく限定するものであるから、本件発明11、12、14、15及び19と同様に、甲8発明2、周知技術、技術常識、慣用技術、甲1ないし19、26及び27に記載された事項、並びに乙1ないし5に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、請求項19及び20に係る特許は、申立人3の主張する理由により特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとすることはできず、同法第113条第2号に該当するものではないから、取り消すことはできない。

6-3 公然実施を伴う申立理由について
申立人2は、平成30年1月18日付けの意見書と共に甲20ないし25を提出し、「ごみ焼却発電施設のボイラの対流伝熱室の最上流の傾斜管の下流側直後に圧力波発生装置を配設することが公然実施されていたのである。この傾斜管は本件発明のスクリーン管に相当するものである。」と主張する。
そこで検討すると、甲20の陳述書及び甲21の記載によれば、本件出願の優先日前である平成27年5月から松山市西クリーンセンターのごみ焼却発電施設において、圧力波発生装置であるショック・パルス・スートブロア(以下、「SPS」という。)の実証運用試験が行われたことが認められる。
しかしながら、申立人2が提出した甲22及び23の「松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事 全体組立断面図」と題する書面によれば、第1の室から第2の室への上部の折り返し部分にスクリーン管を配置することが記載されており、第3の室である対流伝熱室における最上流に位置する傾斜管がスクリーン管であるとは直ちに認めることができないから、甲24及び25の「松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事 炉・ボイラー及び、排ガス処理設備廻り点検歩廊敷設図(10/10)側面図」と題する書面において、最上流のスクリーン管の下流側直後に圧力波発生装置を配設することが記載されているとはいえない。
また、甲24及び25の「松山市新西クリーンセンター整備・運営事業建設工事 炉・ボイラー及び、排ガス処理設備廻り点検歩廊敷設図(10/10)側面図」と題する書面について、赤字を除いたものは、平成23年8月2日に日立造船株式会社が作成したことは認められるが、赤字を加えたものは、いつ、誰が作成したものであるのか特定できない。
さらに、甲20の陳述書において、「3 前記実証運用試験中、前記ごみ焼却発電施設のボイラの構造は、不特定人に公然知られ得る状況下にありました。具体的には、観覧者からの要望に応じて、案内者は、前記ごみ焼却発電施設のボイラ構造を観覧者に見せるとともに、当該構造について観覧者に説明をする用意がありました。」と記載されているが、ボイラ構造だけでなく実証運用試験の内容までもが不特定人に公然知られ得る状況下にあったとは認めることができない。
そうすると、甲20ないし25によっては、本件出願の優先日前にごみ焼却発電施設のボイラの対流伝熱室の最上流のスクリーン管の下流側直後に圧力波発生装置を配設することが公然実施されていたとはいえないから、申立人2による上記主張は認めることができない。
したがって、甲20ないし25を考慮したとしても、上記5-1、6-1及び6-2の検討に影響を及ぼすものではないから、申立人2の公然実施を伴う申立理由によっては、請求項1、2、4、5、9ないし12、14、15、19及び20に係る特許を取り消すことはできない。

6-4 発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない旨の申立理由について
本件訂正後の特許請求の範囲の記載において、訂正前の請求項6ないし8及び16ないし18が削除されたことにより、請求項6ないし8及び16ないし18に係る特許に対する申立人1による発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない旨の申立理由は対象が存在しないものとなった。
また、本件訂正後の特許請求の範囲の記載において、請求項9及び10は、削除された請求項6ないし8を引用しないものとされ、また、請求項19及び20は、削除された請求項16ないし18を引用しないものとされたことにより、請求項9、10、19及び20に係る特許については、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものとはいえず、特許法第113条第4号に該当しないのであるから、申立人1による申立理由によって取り消すべきものとすることができない。

6-5 小括
以上6-1、6-2、6-3及び6-4の検討によれば、取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、当審において通知した取消理由及び申立て1ないし3の特許異議申立書に記載した申立理由によっては、請求項1、2、4、5、9ないし12、14、15、19及び20に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、2、4、5、9ないし12、14、15、19及び20に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件訂正により請求項3、6ないし8、13及び16ないし18が削除されたため、請求項3、6ないし8、13及び16ないし18に係る特許に対して、申立人1ないし3がした特許異議の申立てについては、対象が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ボイラのダスト除去装置及びダスト除去方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラのダスト除去装置及びダスト除去方法に係り、特に、発電設備を有するごみ焼却施設に用いるのに好適な、ボイラのダスト除去装置及びダスト除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電設備を有するごみ焼却施設の運営において、発電量・売電量の維持と向上は、ごみの安定処理に次ぐ最重要項目のひとつである。
【0003】
ごみ焼却施設における発電は、焼却炉でのごみの燃焼から得られる高温の排ガスからボイラにて熱回収を行い、所定の温度・圧力の蒸気を発生させてタービン発電機に導入することにより行われている。
【0004】
ボイラは、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備える放射室、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生し更に過熱する対流伝熱室とを備えている。
【0005】
放射室には、排ガス流路を囲む鋼製側壁の外側に加温水を流通させ放射加熱により蒸気を発生させる放射伝熱管が放射伝熱面として配設されている。
【0006】
対流伝熱室には、排ガス流路内に排ガスと接触して対流伝熱により蒸気を発生させ更に過熱する伝熱管(過熱器とも称する)が対流伝熱面として配設されている。対流伝熱面は水平方向に伝熱管が複数配設された伝熱管群が高さ方向に複数段配設されて構成されている。
【0007】
対流伝熱室には、排ガス流路内に水を加熱して加温水とする伝熱管を有するエコノマイザが配設されることがある。
【0008】
ごみ焼却において発生する排ガス中には、塩素・硫黄・重金属類等を含む小粒径のダストが含まれるが、これらがボイラの放射伝熱面、対流伝熱面に付着すると、その付着ダストが断熱材の役割をするので伝熱効率が低下する。それにより、熱回収効率も低下する。その結果、蒸気発生量が低下し、タービン発電機の発電量が減少する。その他にも、伝熱管同士の間隙が付着ダストにより閉塞し、排ガスの流通に支障が生じることもある。
【0009】
このため、付着したダストを定期的に除去する設備が必要となる。対流伝熱面に付着するダストを除去する技術として、石炭ボイラや多くのボイラでの実績のある装置として蒸気式スートブロワ(SB)が挙げられる。蒸気式スートブロワは複数のノズルから水蒸気を伝熱管に向けて噴射し、伝熱管表面に付着したダストを剥離し除去するもので、定期的なタイミングで噴射される。
【0010】
蒸気式スートブロワは、伝熱管上に付着したダストの除去には効果的であるが、以下に示す問題がある。
【0011】
(1)水蒸気の噴射と共にスートブロワ装置の配管内に凝縮・残留していた水滴を共に噴射してしまうことがあり、その場合は伝熱管に対して「ドレンアタック」と呼ばれる損傷を与えることがある。それに加えてボイラ内に設置されたスートブロワ本体のガイドの役割を担うエレメントパイプにおいて、噴射された蒸気及び水滴により、付着ダスト中の塩素及び硫黄が溶解してエレメントパイプに付着しこれを腐食させることが生じ、交換のためのコストがかかっている。このドレンアタックを防止するためのプロテクタを設置する場合もあるが、これの設置及び交換にもコストがかかっている。
【0012】
(2)ダストが堆積して長時間経過するとダスト堆積層の厚みが増す。そうすると、排ガス温度より低い伝熱管表面温度でのダスト冷却を行えなくなり、ダスト堆積層表面温度が上昇する。ダスト堆積層表面温度が上昇して溶融し、固着すると、スートブロワでも除去できなくなり、ボイラ閉塞につながる。
【0013】
(3)焼却炉から排出される排ガスを煙突へ導くために誘引送風機を運転し、焼却炉内圧を負圧に維持するようにしているが、スートブロワを運転すると、噴射した蒸気により排ガス量が増大して焼却炉内圧が大きく変動し、負圧から正圧になり、焼却炉内ガス・ダストが噴出する危険がある。
【0014】
(4)スートブロワを運転すると、噴射した蒸気により排ガス温度変動も大きくなり、ボイラより下流側の減温塔入口温度も変動して、冷却噴霧水量制御が対応できなくなり、排ガス温度を所定内に維持することが難しくなることがある。
【0015】
(5)スートブロワが噴射する過熱蒸気は、ボイラが発生した過熱蒸気の一部を用いるため、スートブロワ運転時は蒸気タービンに供給する過熱蒸気量が減少して発電量が低下することになり、好ましくない。
【0016】
また、放射伝熱面に付着したダストは、蒸気式スートブロワにより除去することは困難であり、廃棄物焼却施設の運転休止時に放射室内で足場を組み、手作業で除去することが行われており、そのため、メンテナンス費用は高く、多くの時間も必要となる。
【0017】
さらに、ごみ焼却施設の運転中に放射伝熱面に付着するダストの影響で、放射伝熱面の伝熱効率が低下し熱回収率が低下して、下流側の伝熱管群入口ガス温度が上昇することとなり、伝熱管に付着するダストが融着し固着して、スートブロワを行っても効率的なダスト除去が困難になることもある。
【0018】
これらの問題を解決するため、蒸気式スートブロワを使用しないボイラのダスト除去方法が検討されており、衝撃波によるダスト除去装置(特許文献1参照)や圧力波によるダスト除去装置(特許文献2参照)が知られている。
【0019】
特許文献1に記載の装置では、排ガス熱交換器内に、加圧エアを10秒間隔で0.5秒間噴射する衝撃波発射管を設け、伝熱管に向けて衝撃波を間欠的に発射し、衝撃波の衝撃で伝熱管表面に付着するダストを吹き飛ばし除去する。
【0020】
特許文献2に記載の装置では、プロパンガスと空気を混合して点火プラグにより着火する爆轟管、又は、排気ガスを供給するディーゼルエンジンで構成される圧力波発生器により、ボイラ内の排ガス流路空間内に外部から気体を周期的な間隔で間欠的に噴射して当該排ガス流路空間内に圧力波を送り圧力変動を生じさせ、ボイラ構成部材を損傷させることなく、効果的にダストの付着を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2001-141391号公報
【特許文献2】特開2004-278921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、衝撃波もしくは圧力波を用いてボイラ内の付着ダスト除去を行う場合、その効果の及ぶ範囲は限定的であり、複数の衝撃波発射管や圧力波発生器を設置する必要がある。その設置台数が不足すると付着ダストを除去する効果が低下する。また、過剰に設置すると設備コスト及びランニングコストが増加し、好ましくない。このように衝撃波発射管あるいは圧力波発生装置の適切な設置条件について特許文献1、2には明確にされていない。
【0023】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたもので、廃棄物焼却施設等のボイラの放射伝熱面と対流伝熱面のダストを圧力波を用いて除去する際に、圧力波発生装置を適切に配設することができ、効率よくかつ低い設備費、運転費で行うことができるボイラのダスト除去装置及びダスト除去方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設することにより、前記課題を解決したものである。
【0025】
ここで、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、対流伝熱室において、スクリーン管と2次過熱器との間、及び、3次過熱器と1次過熱器との間にのみ配設するのは、圧力波放出ノズルを対流伝熱室のそれぞれの位置に配設することにより、圧力波放出ノズルから放出する圧力波によりスクリーン管と2次過熱器の対流伝熱面、及び3次過熱器と1次過熱器の対流伝熱面に振動と風圧を受けさせ付着ダストを剥離除去することができるためである。この二つの位置に圧力波放出ノズルを配設することにより、対流伝熱室の構成機器のそれぞれに隙間なく圧力波を放射させ、圧力波による付着ダストの剥離除去作用効果を確実に奏することができるからである。
【0026】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、3次過熱器、2次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設することにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0027】(削除)
【0028】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、1次過熱器、水平蒸発管及びエコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設することにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0029】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、過熱器、第1エコノマイザ及び第2エコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設することにより、同様に前記課題を解決したものである。
【0030】(削除)
【0031】(削除)
【0032】(削除)
【0033】(削除)
【0034】(削除)
【0035】(削除)
【0036】(削除)
【0037】(削除)
【0038】
更に、前記ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザにも、前記圧力波放出ノズルを配設することができる。
【0039】
この別置エコノマイザに配設した圧力波放出ノズルにより圧力波を放出することにより別置エコノマイザ内の複数段のエコノマイザの付着ダストを剥離除去することができる。
【0040】
更に、圧力波放出ノズルをマンホール位置に配設することができる。圧力波放出ノズルをマンホール位置に配設するようにして、圧力波放出ノズルをマンホール蓋に取り付けることにより、圧力波発生装置を容易に配設することができ、配設費用やメンテナンス費用を低減することができる。
【0041】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法を提供するものである。
【0042】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、3次過熱器、2次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法を提供するものである。
【0043】(削除)
【0044】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、1次過熱器、水平蒸発管及びエコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法を提供するものである。
【0045】
本発明は、又、廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、過熱器、第1エコノマイザ及び第2エコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法を提供するものである。
【0046】(削除)
【0047】(削除)
【0048】(削除)
【0049】
ここで、前記ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザ内にも、圧力波を放出することができる。
【0050】
又、マンホール位置に配設された圧力波放出ノズルから圧力波を放出することができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、例えば廃棄物焼却施設ボイラの放射伝熱面と対流伝熱面のダストを圧力波を用いて除去する際に圧力波発生装置を適切に配設することができ、ダスト除去を効率よくかつ低い設備費、運転費で行うことができる。
【0052】
また、本発明により、ボイラの運転中にスートブロワを運転しなくてもボイラ内壁に付着したダストを効率的に除去することが可能になり、ボイラの収熱量を維持することができる。スートブロワの運転がなくなるので、前述したドレンアタックに起因する腐食・減肉トラブルがなくなり、経済的である。また、スートブロワを用いる場合に生じる前述の問題を防ぐことができる。
【0053】
また、スートブロワの運転は一般的に一日あたり1回あるいは2回であるのに対し、圧力波発生装置は1時間から6時間の間に1回以上運転する。つまり、短時間の間にダストを除去することになる。そうすると、付着するダスト量を低減することが可能になるので、付着したダスト中に含まれる重金属類、塩類などによるボイラ内壁面、伝熱管表面の腐食進行を防止することができ、メンテナンス費を下げ、運転管理も容易な廃棄物焼却施設ボイラ操業が可能になる。加えて必要最低限の圧力波発生装置の設置により、経済面にも有利な装置運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す断面図
【図2】本発明の実施形態である対流伝熱室の圧力波放出ノズルの配設位置を示す図
【図3】本発明の(A)実施例と(B)比較例の運転状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0056】
本発明が適用される、図1に示す如く、焼却炉10に連設され、排ガスから熱回収するためのボイラ20は、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部21、22により区分され、排ガス流れ方向の上流側から、第1放射室26、第2放射室28、及び対流伝熱室30を備えている。焼却炉10から排ガスを受け入れる第1放射室26の入口近傍はガス混合室24となっている。焼却炉10から導入される排ガスは、第1放射室26の下方から上方へ、第2放射室28の上方から下方へ、対流伝熱室30の下方から上方へ流通される。
【0057】
前記第1放射室26及び第2放射室28は、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面をそれぞれ備えている。
【0058】
前記対流伝熱室30は、排ガス流れ方向の上流側から、スクリーン管32、2次過熱器34、3次過熱器36、1次過熱器38、及び第2エコノマイザ42を備えている。2次過熱器34、3次過熱器36、1次過熱器38は、それぞれ、水平方向に配列した複数の伝熱管を高さ方向に多段に設けた伝熱管群を備えており、伝熱管が対流伝熱面を構成しており、排ガスとの熱交換により蒸気を発生して更に過熱するようにされている。スクリーン管32は伝熱管が旗形に備えられ対流伝熱室30に導入される排ガスを冷却するようにされている。
【0059】
ボイラ20の下流側には別置エコノマイザ50が接続されている。別置エコノマイザ50内には第1エコノマイザ51が配設され、別置エコノマイザ50の第1エコノマイザ51と対流伝熱室30の第2エコノマイザ42には伝熱管が配設され、排ガスとの熱交換により水が加熱され加温水が生成され、ボイラ20に供給される。
【0060】
本実施形態においては、前記第2放射室28の放射伝熱面と前記対流伝熱室30の対流伝熱面及び第1エコノマイザ51の伝熱面に付着したダストを除去するための、燃料ガス(例えばメタンガス)と酸化剤ガス(例えば酸素ガス)を混合ガスホルダ内で高圧下で混合し、例えば点火プラグで着火し爆発燃焼させて圧力波を発生させ圧力波放出ノズル(図示省略)からボイラ内部に圧力波を放出させる4台の圧力波発生装置61?64が設けられている。
【0061】
図において、70は制御盤である。
【0062】
ここで、圧力波発生装置61の圧力波放出ノズルは、前記第2放射室28の放射伝熱面近傍に配設され、圧力波発生装置62、63の圧力波放出ノズルは、前記対流伝熱室30の対流伝熱面近傍に配設され、更に圧力波発生装置64の圧力波放出ノズルは、前記第1エコノマイザ51の最上段の上部に配設されている。
【0063】
前記対流伝熱室30に設ける圧力波発生装置62、63の圧力波放出ノズルは、それぞれ、スクリーン管32と2次過熱器34との間、及び、3次過熱器36と1次過熱器38との間に設けることができる。また、これらの位置に設けられたマンホール(図示省略)に圧力波放出ノズルを取り付けることができる。
【0064】
ここで、対流伝熱室30の高さが10m以上20m以下であるとき、該対流伝熱室30に設ける圧力波発生装置62、63の圧力波放出ノズルの高さ方向配設間隔は、3m以上7m以下とすることができる。
【0065】
前記制御盤70から与えられる指示により、前記圧力波発生装置61?64は、混合ガスを点火プラグで点火して圧力波を発生させる。
【0066】
具体的には、圧力波発生装置の混合ガスホルダにメタンガスと酸素ガスを充填・混合し、点火プラグで着火し、爆発燃焼させる。爆発燃焼時の混合ガスホルダ内の圧力は例えば最高53.2barに達する。これにより、ボイラ20内の圧力波放出ノズル先端からボイラ20内部に圧力波が放出される。その際、放射伝熱面及び対流伝熱面に振動及び風圧を与え、付着ダストを剥離し除去する。圧力波放出ノズルから放出される圧力波が、放射伝熱面及び対流伝熱面に付着ダストを剥離させる程度の振動及び風圧を与える範囲は、圧力波放出ノズルから上方及び下方へそれぞれ3.5m程度の範囲である。そのため、放射伝熱室及び対流伝熱室における圧力波放出ノズルの高さ方向配設間隔を7m以下とすることが好ましく、付着ダストを剥離させる作用が及ぶ範囲を、隣接する範囲との間に隙間が生じることなく設けることができる。さらに、圧力波放出ノズルの高さ方向配設間隔を3m以上とすることが好ましく、隣接する圧力波放出ノズルから放出する圧力波同士が干渉して圧力波の作用効果が低下することなく、付着ダストを確実に剥離させることができる。このように、対流伝熱室の伝熱管群に十分な振動と風圧を与えるためには、圧力波放出ノズルの高さ方向配設間隔を3m以上7m以下とすることが好ましい。
【0067】
図2に、本発明の実施形態である対流伝熱室30内の圧力波放出ノズルの配設位置を示す。実施形態Aは、対流伝熱室30が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管32、2次過熱器34、3次過熱器36及び1次過熱器38を有するボイラで、前記対流伝熱室30の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管32と前記2次過熱器34との間と、前記3次過熱器36と前記1次過熱器38との間に配設している。
【0068】
なお、実施形態A’のように、前記1次過熱器38の下流側(即ち最下流側)に第2エコノマイザ42が設けられていたり、実施形態A”のように、同じく前記1次過熱器38の下流側(即ち最下流側)に水平蒸発管44が設けられていても良い。
【0069】
ここで、前記水平蒸発管44は、エコノマイザにより加温された水を加熱し、蒸気を発生させる伝熱管である。
【0070】
実施形態A’’’は、対流伝熱室30が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管32、3次過熱器36、2次過熱器34及び1次過熱器38を有するボイラ20で、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管32と前記3次過熱器36との間と、前記2次過熱器34と前記1次過熱器38との間に配設している。さらに、前記1次過熱器38の下流側(即ち最下流側)に第2エコノマイザ42が設けられていたり、同じく前記1次過熱器38の下流側(即ち最下流側)に水平蒸発管44が設けられていても良い。
【0071】
参考形態Bは、前記対流伝熱室30が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管32、水平蒸発管44、2次過熱器34、1次過熱器38及び第2エコノマイザ42を有するボイラで、前記対流伝熱室30の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラ20のダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記水平蒸発管44と前記2次過熱器34との間と、前記1次過熱器38と前記第2エコノマイザ42との間に配設している。
【0072】
なお、上記実施形態A、A’、A”、A’’’、参考形態Bでは、いずれも図1に示した別置エコノマイザ50が設けられ、その中に第1エコノマイザ51が設けられている。
【0073】
次に、別置エコノマイザ50を設けず、対流伝熱室30内に第1エコノマイザ51及び第2エコノマイザ42を設けた参考形態B’、実施形態C、Dについて説明する。
【0074】
参考形態B’では、参考形態Bと同様の構成において、対流伝熱室30内の第2エコノマイザ42の下流側(即ち最下流側)に第1エコノマイザ51が設けられており、参考形態Bと同様に、圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記水平蒸発管44と前記2次過熱器34との間と、前記1次過熱器38と前記第2エコノマイザ42との間に配設している。
【0075】
又、実施形態Cは、前記対流伝熱室30が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管32、2次過熱器34、1次過熱器38、水平蒸発管44及び第1、第2エコノマイザ51、42を有するボイラで、前記対流伝熱室30の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管32と前記2次過熱器34との間と、前記水平蒸発管44と前記第1エコノマイザ51との間に配設している。
【0076】
又、実施形態Dは、前記対流伝熱室30が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管32、過熱器46、第1エコノマイザ51及び第2エコノマイザ42を有するボイラで、前記対流伝熱室30の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記スクリーン管32と前記過熱器46との間と、前記第1エコノマイザ51と前記第2エコノマイザ42との間に配設している。
【0077】
実施形態A、A’、A”、A’’’、Dでは、前記対流伝熱室30の過熱器へ、放射室の放射伝熱面で加熱され発生した蒸気を供給し、蒸気を加熱して加熱蒸気とするが、参考形態B、B’、実施形態Cのように、水平蒸発管44を設ける場合は、これに加えて対流伝熱室30でも蒸気を発生させる。
【0078】
なお、前記対流伝熱室30の高さは10m以上20m以下とし、前記圧力波放出ノズルの高さ方向配設間隔は3m以上7m以下とすることができる。
【0079】
ここで、実施形態A、A’、A”が請求項1に対応し、実施形態A’’’が請求項2に対応し、実施形態Cが請求項4に対応し、実施形態Dが請求項5に対応している。
【実施例】
【0080】
図1のように都市ごみ焼却炉10に連設された、実施形態A’に対応するボイラ20に、4台の圧力波発生装置61?64を配設した。焼却炉は連続操業である。
【0081】
圧力波発生装置61?64による圧力波放出を2時間に1回の頻度で70日間行い、第1エコノマイザ51出口の排ガス温度の経時変化を計測したところ、図3(A)に示すような結果が得られた。横軸は運転時間である。
【0082】
一方、比較例としてスートブロワによるダスト除去を行った際の第1エコノマイザ51出口の排ガス温度の経時変化を計測したところ、図3(B)に示すような結果が得られた。比較例では、第1エコノマイザ51出口の排ガス温度測定値が設定値以上に上昇した際に、スートブロワを稼働させた。
【0083】
図3から明らかなように、第1エコノマイザ51出口の排ガス温度の平均値は、実施例では224℃であり、比較例では219℃であり、大きな差が無く、伝熱面に付着したダストが除去されていて伝熱効率が低下することを抑制していることを意味し、本発明により伝熱面に付着したダストを除去する効果は、スートブロワによるダスト除去と同等の効果であることが確認できた。
【0084】
実施例では、圧力波放出ダスト除去運転を2時間に1回の間隔で実施したところ、ダストを除去する間隔が短く伝熱効率の低下が小さいので、第1エコノマイザ51出口温度の変動は少なくなり、ボイラ20内での収熱量の変動が小さいことを示しており、蒸気発生量の安定化につながることが確認できた。
【0085】
一方、比較例では、第1エコノマイザ51出口の排ガス温度測定値が設定値以上に上昇した際に、スートブロワが稼働するため、12?24時間に1回程度の頻度でダスト除去することとなり、付着ダスト量が多く伝熱効率の低下が大きいため、第1エコノマイザ51出口の温度の変動が大きく、ボイラ20内での収熱量の変動が大きいことを示している。
【0086】
圧力波放出ダスト除去運転を1?6時間に1回の間隔で実施することが、伝熱面へのダスト付着が軽微なうちに除去できるため好ましく、2?3時間に1回の間隔で実施することが、より短時間の間にダストを除去でき、ダスト付着による問題の発生を確実に抑制することができるので、より好ましい。
【0087】
このようにして、本発明により、スートブロワを用いずにボイラ20内部のダストを効果的に除去することが可能であり、ボイラ20の収熱量を維持して、スートブロワを用いる場合に生じる問題を防ぐことができる。
【0088】
なお、前記実施例では、圧力波放出ノズルを第2放射室28に1個、対流伝熱室30に2個、第1エコノマイザ51に1個配設していたが、圧力波放出ノズルの配設位置及び個数はこれに限定されず、第2放射室28や第1エコノマイザ51の圧力波放出ノズルを省略したり、対流伝熱室30に圧力波放出ノズルを1個配設することもできる。
【0089】
また、前記実施例では、本発明を都市ごみ焼却炉に連設されたボイラに適用していたが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0090】
10…焼却炉
20…ボイラ
21、22…変向部
26…第1放射室
28…第2放射室
30…対流伝熱室
32…スクリーン管
34…2次過熱器
36…3次過熱器
38…1次過熱器
42…第2エコノマイザ
44…水平蒸発管
46…過熱器
50…別置エコノマイザ
51…第1エコノマイザ
61?64…圧力波発生装置
70…制御盤
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項2】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、3次過熱器、2次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項3】(削除)
【請求項4】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、1次過熱器、水平蒸発管及びエコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項5】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、過熱器、第1エコノマイザ及び第2エコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去するためのボイラのダスト除去装置において、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設けると共に、
該圧力波発生装置の圧力波放出ノズルを、前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設することを特徴とするボイラのダスト除去装置。
【請求項6】(削除)
【請求項7】(削除)
【請求項8】(削除)
【請求項9】
前記ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザにも、前記圧力波放出ノズルを配設することを特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。
【請求項10】
前記圧力波放出ノズルをマンホール位置に配設することを特徴とする請求項1、2、4、5、9のいずれかに記載のボイラのダスト除去装置。
【請求項11】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、3次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記3次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項12】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、3次過熱器、2次過熱器及び1次過熱器を有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記3次過熱器との間、及び、前記2次過熱器と前記1次過熱器との間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項13】(削除)
【請求項14】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、2次過熱器、1次過熱器、水平蒸発管及びエコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記2次過熱器との間、及び、前記水平蒸発管と前記エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項15】
廃棄物焼却炉に連設され排ガスから熱回収するための、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部により区分された、上流側から、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備えた第1、第2放射室、及び、排ガスと伝熱管の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生して更に過熱する対流伝熱室を備え、該対流伝熱室が排ガス流れ方向で上流側からスクリーン管、過熱器、第1エコノマイザ及び第2エコノマイザを有するボイラで、前記対流伝熱室の対流伝熱面に付着したダストを除去する際に、
燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を用いて、
前記対流伝熱室においては、前記スクリーン管と前記過熱器との間、及び、前記第1エコノマイザと前記第2エコノマイザとの間にのみ配設された圧力波放出ノズルから、前記対流伝熱室内に圧力波を放出することを特徴とするボイラのダスト除去方法。
【請求項16】(削除)
【請求項17】(削除)
【請求項18】(削除)
【請求項19】
前記ボイラの下流側に連設された、ボイラに供給する水を加熱するための別置エコノマイザ内にも、圧力波を放出することを特徴とする請求項11、12、14、15のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。
【請求項20】
マンホール位置に配設された圧力波放出ノズルから圧力波を放出することを特徴とする請求項11、12、14、15、19のいずれかに記載のボイラのダスト除去方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-03-15 
出願番号 特願2016-32492(P2016-32492)
審決分類 P 1 651・ 853- YAA (F23J)
P 1 651・ 536- YAA (F23J)
P 1 651・ 121- YAA (F23J)
P 1 651・ 537- YAA (F23J)
P 1 651・ 851- YAA (F23J)
P 1 651・ 841- YAA (F23J)
P 1 651・ 855- YAA (F23J)
P 1 651・ 854- YAA (F23J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 渡邉 洋  
特許庁審判長 佐々木 芳枝
特許庁審判官 槙原 進
松下 聡
登録日 2016-07-22 
登録番号 特許第5971438号(P5971438)
権利者 JFEエンジニアリング株式会社
発明の名称 ボイラのダスト除去装置及びダスト除去方法  
代理人 須藤 修三  
代理人 松山 圭佑  
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK  
代理人 高矢 諭  
代理人 藤田 崇  
代理人 須藤 修三  
代理人 藤田 崇  
代理人 松山 圭佑  
代理人 高矢 諭  
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