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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  C09K
審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C09K
管理番号 1340096
異議申立番号 異議2017-700190  
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2018-06-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-02-27 
確定日 2018-03-30 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5980272号発明「フルオロオレフィンを含む組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第5980272号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?7〕、8、9について訂正することを認める。 特許第5980272号の請求項1?6に係る特許を維持する。 特許第5980272号の請求項7に係る特許についての申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

本件特許異議の申立てに係る特許第5980272号は、ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニーが所有するものであり、平成26年7月11日、特願2014-142853号として出願され(当該出願は、平成18年8月29日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理平成18年3月30日、平成18年7月13日、ともに米国(US))を国際出願日とする特願2009-502752号の一部を、平成24年5月22日に新たな特許出願とした特願2012-116967号を、さらに分割したものである。)、平成28年8月5日、発明の名称を「フルオロオレフィンを含む組成物」、請求項の数を「9」として特許権の設定登録を受けたものである。
その後、請求項1?9のうちの、請求項1?7を対象として、平成29年2月27日、特許異議申立人 小宮邦彦より本件特許異議の申立てがなされた。
そして、平成29年5月26日付けで取消理由通知が通知され、これに対して、同年8月30日、特許権者から上申書が提出された。
さらに、平成29年10月6日付けで取消理由通知(決定の予告)が通知され、これに対して、平成30年1月11日、特許権者から訂正請求書及び意見書が提出された。
なお、当該訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)に対する、特許異議申立人からの意見書の提出はなかった。

第2 本件訂正の適否

1 本件訂正の請求の趣旨
本件訂正の請求は、「特許第5980272号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?9について訂正することを求める。」ことを趣旨とし、特許法第120条の5第3項及び第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項1?9について訂正することを求めるものである。

2 訂正事項
本件訂正に係る訂正事項1?4は、次のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下のとおりに訂正する。
「【請求項1】
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
80質量パーセントのHFC-1234yfおよび20質量パーセントのHFC-152a;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;および
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物。」
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項8の記載を、以下のとおりに訂正する。
「(a)組成物を発泡性組成物に加えること、および
(b)発泡体を形成するのに有効な条件下に発泡性組成物を反応させること
を含む発泡体の成形方法であって、
ここで、前記組成物が、
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
1質量パーセント?57質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?43質量パーセントのHFC-32;
1質量パーセント?51質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?49質量パーセントのHFC-125;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-134;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-152a;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-161;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのHFC-143a;
29質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび71質量パーセント?1質量パーセントのHFC-227ea;
66質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび34質量パーセント?1質量パーセントのHFC-236fa;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-1243zf;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?20質量パーセントのプロパン;
71質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび29質量パーセント?1質量パーセントのn-ブタン;
60質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのジメチルエーテル;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのイソブタン;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;
1質量パーセント?50質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-134および19質量パーセント?90質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-134および29質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?20質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?30質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?90質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?40質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-227eaおよび29質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
40質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?59質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?20質量パーセントのブタン;
30質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?69質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?40質量パーセントのn-ブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;および
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?50質量パーセントのイソブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル、
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物である、
前記方法。」
(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項9の記載を、以下のとおりに訂正する。
「組成物をエアゾール容器中の活性成分に加える工程を含むエアゾール製品の製造方法であって、該組成物が噴射剤として機能し、
ここで、前記組成物が、
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
1質量パーセント?57質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?43質量パーセントのHFC-32;
1質量パーセント?51質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?49質量パーセントのHFC-125;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-134;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-152a;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-161;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのHFC-143a;
29質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび71質量パーセント?1質量パーセントのHFC-227ea;
66質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび34質量パーセント?1質量パーセントのHFC-236fa;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-1243zf;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?20質量パーセントのプロパン;
71質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび29質量パーセント?1質量パーセントのn-ブタン;
60質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのジメチルエーテル;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのイソブタン;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;
1質量パーセント?50質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-134および19質量パーセント?90質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-134および29質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?20質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?30質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?90質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?40質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-227eaおよび29質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
40質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?59質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?20質量パーセントのブタン;
30質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?69質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?40質量パーセントのn-ブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;および
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?50質量パーセントのイソブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル、
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物である、
前記方法。」

3 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1) 訂正事項1、2について
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に記載されていた組成物の選択肢の一部を削除するとともに、明細書の【0195】【表58】の記載に基づいて、当該組成物のうちの「1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-152a」をさらに特定の組成に限定するものであり、訂正事項2は、本件訂正前の請求項7を単に削除するものであるから、これらの訂正事項は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるといえる。
また、これらの訂正事項は、上記のとおり、単に、選択肢の削除、組成のさらなる限定及び請求項の削除を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないことも明らかである。
したがって、訂正事項1、2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、同法同条第9項で準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合するものと認められる。
(2) 訂正事項3、4について
訂正事項3、4は、本件訂正前、請求項1を引用する引用形式で記載されていた請求項8、9を、単に、引用関係を解消して独立形式に書き下すものであるから、これらの訂正事項の訂正の目的は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、に該当するといえる。また、これらの訂正事項が、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、かつ実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないことも明らかである。
したがって、訂正事項3、4は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる事項を目的とするものであり、同法同条第9項で準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合するものと認められる。

4 小括
本件訂正の請求は、上記1のとおり、特許法第120条の5第3項及び第4項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項1?9について訂正を求めるものであり、その訂正事項1?4はいずれも、上記3のとおり、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、本件訂正後の請求項〔1?7〕、8、9について訂正することを認める。
なお、上記「3(2)」のとおり、請求項8、9に係る訂正事項3、4は、引用関係の解消を目的とする訂正であって、その訂正は認められるものであるところ、特許権者から、本件訂正後の請求項8、9について訂正が認められるときは請求項1とは別の訂正単位として扱われることの求めがあったことから、本件訂正後の請求項〔1?7〕、請求項8及び請求項9をそれぞれ別の訂正単位として訂正することを認めることとした。

第3 本件特許請求の範囲の記載

上記「第2」のとおり、本件訂正は認容し得るものであるから、本件特許異議の申立ての対象とされた請求項1?7の記載は、本件訂正後の請求項1?7に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
80質量パーセントのHFC-1234yfおよび20質量パーセントのHFC-152a;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;および
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物。
【請求項2】
ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテン、およびポリ(アルファ)オレフィンからなる群から選択された潤滑油をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
冷熱を生成させるための方法であって、冷却しようとする本体の近くで請求項1に記載の組成物を蒸発させること、およびその後前記組成物を凝縮させることを含む方法。
【請求項4】
温熱を生成させるための方法であって、加熱しようとする本体の近くで請求項1に記載の組成物を凝縮させること、およびその後前記組成物を蒸発させることを含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物を伝熱流体組成物として使用する方法であって、該組成物を熱源からヒートシンクに運ぶことを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物を含有する冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置。
【請求項7】
(削除)」
以下、本件訂正後の各請求項に係る特許を項番号に合わせて「本件特許1」などといい、まとめて「本件特許」という。また、本件訂正後の各請求項に係る発明を「本件発明1」などといい、まとめて「本件発明」という。なお、本件訂正前のものをいうときは、これらと区別して、「本件訂正前の本件特許1」などという。

第4 本件訂正前の本件特許1?7に対して通知された取消理由の概要

当審は、平成29年10月6日付けの取消理由通知(決定の予告)において、本件特許異議の申立てがなされた、本件訂正前の本件特許1?7は、次の取消理由により取り消すべきものである旨通知した。
・取消理由1:(サポート要件)本件訂正前の本件特許1?7は、特許法 第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特 許出願に対してされたものであるから、特許法第113条 第4号に該当する。
・取消理由2:(進歩性)本件訂正前の本件発明1?7は、特許異議申立 人が提出した甲第1号証に記載された発明に基いて、当業 者が容易に発明をすることができたものであり、本件訂正 前の本件特許1?7は、特許法第29条第2項に違反して されたものであるから、特許法第113条第2号に該当す る。
以下、上記取消理由1、2が、本件訂正後においても依然として妥当するか否かを順に検討していくが、本件訂正により請求項7は削除されたため、本件特許1?6(本件発明1?6)を検討対象とする。なお、上記取消理由は、本件特許異議の申立ての理由と同旨のものである。

第5 取消理由1(サポート要件)についての当審の判断

特許請求の範囲と、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲あるいはその記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲(以下、まとめて「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」という。)を対比し、それらの広狭関係(すなわちサポート要件適合性)について検討する。

1 本件発明が解決しようとする課題について
本件発明が解決しようとする課題は、発明の詳細な説明の【発明が解決しようとする課題】(【0005】?【0007】)の記載を斟酌すると、おおむね次のように理解することができる。
すなわち、現在、自動車業界をはじめ、冷凍およびエアコン業界のすべての分野において使用される冷媒は、地球温暖化係数にかかわる規制に直面しつつあり、現行のHFC冷媒に代わる、地球温暖化係数の低い新たな冷媒が必要とされているところ(【0005】)、例えば、現行のHFC-134a(カーエアコン用の冷媒)の代替冷媒として提案されている、HFC-152aなどの代替品の多くは、毒性、引火性、エネルギー効率などの点で問題があり、新たな代替冷媒が捜し求められている(【0006】)。本件発明は、このような状況を鑑みてなされたものであって、その課題(目的)は、「低いまたはゼロのオゾン破壊係数および現在の冷媒と比べてより低い地球温暖化係数という要求を満たすために独特の特性を提供する新規な冷媒組成物および伝熱流体組成物を提供すること」(【0007】)にあるといえる。
そうすると、本件発明が解決しようとする当該課題は、本件発明に至る上記の背景にも照らすと、低いまたはゼロのオゾン破壊係数および現在の冷媒と比べてより低い地球温暖化係数という要求を満たし、独特の特性を提供し、現行冷媒の代替冷媒たり得る(現行冷媒の代替品として有用である)、新規な冷媒組成物および伝熱流体組成物を提供することにあると解するのが相当である。
なお、上記課題の認定に際しては、特許権者が平成29年8月30日に提出した上申書の38、39頁「a 本件発明が解決しようとする課題」も参酌した。

2 発明の詳細な説明の記載について
本件特許明細書の発明の詳細な説明には、次の事項についての記載を認めることができる(なお、記載内容の摘示は省略した。)。
なお、本件発明の課題は、上記「1」のとおり、特定の組成物の提供を主眼とするものであり、かつ、本件発明2?6は、いずれも本件発明1に係る組成物を発明特定事項とするものであるから、以下、発明の詳細な説明の記載を精査するにあたっては、特に、当該本件発明1に係る組成物に関連する記載に着目することとする。
(1) 2成分あるいは3成分の共沸・擬共沸組成物について
【0037】【表16】には、本件発明1に係る2成分擬共沸組成物(HFC-1234yf/HFC-152aの2成分系)が、さらに、【0041】【表19】、【0042】【表20】には、本件発明1に係る3成分擬共沸組成物(HFC-125/HFC-1234yf/n-ブタンの3成分系、HFC-32/HFC-125/HFC-1234yfの3成分系、及びHFC-1234yf/HFC-125/イソブタンの3成分系)が、それぞれ記載されている。
そして、【0046】には、本件発明1において、ある組成物が共沸・擬共沸組成物に該当するのか、非共沸組成物に該当するのかの判別は、「組成物の50質量パーセントが蒸発またはボイリングオフなどによって除去された後に、元の組成物と元の組成物の50質量パーセントが除去された後に残った組成物との間の蒸気圧の差が約10パーセントより大きい」か否かによりなされていることが記載され、実施例1(【0165】?【0191】)には、種々の組成物についての、その検証結果が示されている。
そうすると、本件発明1に係る2成分あるいは3成分の共沸または擬共沸組成物自体は、実施例1のような検証を経て、上記表のとおり整理されたものから導出されたものと解することができる。
(2) オゾン破壊係数・地球温暖化係数について
【0054】には、本件発明1に係る組成物は、ゼロまたは低いオゾン破壊係数および低い地球温暖化係数(GWP)を有すること、現在使用中の多くのハイドロフルオロカーボン冷媒より少ない地球温暖化係数を有し、その一態様は、1000未満、500未満、150未満、100未満、または50未満の地球温暖化係数の冷媒を提供すること、及び、フルオロオレフィンを加えることによって冷媒混合物のGWPを低下させることが記載されている。
(3) 現行冷媒との代替について
【0055】には、本件発明1に係る組成物は、R134aをはじめとする種々の現行冷媒の、低い地球温暖化係数(GWP)代替品として有用であることが記載されている。
(4) 用途について
【0123】?【0125】には、本件発明1に係る組成物を冷媒として用いた場合の用途として、冷凍、エアコン、ヒートポンプ装置などが記載されている。
(5) 具体例(実施例)について
【0165】?【0226】には、実施例1?6の6つの具体例が記載されているところ、実施例1では、上記のとおり、本件発明1に係る組成物のにつき、共沸(擬共沸)であるか否かの検証がなされ(実施例1のタイトルは「蒸気漏洩の影響」となっているが、その内容は、当該検証にほかならない。)、実施例2?5では、現行冷媒であるHFC-134a、R404A、R410Aなどと、冷却性能データが比較され、実施例6では、引火性について検証されている。
ここで、当該実施例2?6の冷却性能試験において実際に検証されているものは、実施例2において、HFC-134aと比較されている、HFO-1234yf/HFO-152a(80/20)、実施例3において、R404Aなどと比較されている、HFC-125/HFO-1234yf/n-ブタン(87.1/11.5/1.4)及びHFC-125/HFO-1234yf/イソブタン(87.1/11.5/1.4)、実施例4において、R410Aなどと比較されている、HFC-32/HFC-125/HFO-1234yf(40/50/10、23/25/52、15/45/40、10/60/30)であり、本件発明1に係る組成物の選択肢(成分系)と整合している。なお、実施例5及び実施例6において検証されている組成に、本件発明1に係る組成物に該当するものはない。

3 「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」について
上記「2」の発明の詳細な説明の記載、さらには、本件特許の優先日当時の技術常識を踏まえて、「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」について考えると、上記発明の詳細な説明の記載から、当業者は、本件発明1に係る組成物は、共沸または擬共沸という特性を有していること(2(1)参照)、及び、当該組成物はゼロまたは低いオゾン破壊係数である上、GWPの低いHFO-1234yfを含んでいることから、現行のHFC冷媒よりもGWPが低いものであること(2(2)参照)を認識することができるといえる。さらに、上記発明の詳細な説明の記載から、当業者は、本件発明1に係る組成物が、現行冷媒の代替冷媒となり得る可能性、及び、その用途の可能性について理解し(2(3)、(4)参照)、実際に実施例において検証されている組成物と同じ成分系の組成物(本件発明1の組成物)については、おおむね、現行冷媒の代替冷媒たり得るものであること(現行冷媒の代替品として有用なものであること、2(5)参照)を認識することができるというべきである。
そうすると、「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」は、本件発明1に係る組成物を含むものと考えるのが合理的である。

4 サポート要件適合性
上記「3」のとおり、「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」は、本件発明1に係る組成物を包含するものであるから、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された範囲(本件発明1)は、当該「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」内のものといえる。また、当該請求項1を引用する請求項2?6に記載された範囲(本件発明1に係る組成物を具備する本件発明2?6)についても、当該「発明の詳細な説明の記載により課題解決できると認識できる範囲」内のものということができる
したがって、当該特許請求の範囲の記載は、サポート要件に適合するものである。

5 小括
以上のとおり、本件特許1?6は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものとはいえず、同法第113条第4号に該当するものではない。

第6 取消理由2(進歩性)について

1 引用刊行物とその記載事項
特許異議申立人が提出した甲第1号証、すなわち、本件特許の最先の優先日(平成18年3月30日)前に頒布されたことが明らかな特開平4-110388号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、次の記載がある。
(1) 「特許請求の範囲
1.分子式:C_(3)H_(m)F_(n)(但し、m=1?5,n=1?5且つm+n=6)で示され且つ分子構造中に二重結合を1個有する有機化合物からなる熱媒体。」(特許請求の範囲の請求項1)
(2) 「産業上の利用分野
本発明は、冷凍機、ヒートポンプなどで使用される熱伝達用流体に関する。」(1頁左下欄9?11行)
(3) 「従来技術とその問題点
従来、ヒートポンプの熱媒体(冷媒)としては、クロロフルオロ炭化水素、フルオロ炭化水素、これらの共沸組成物ならびにその近辺の組成物が知られている。これらは、一般にフロンと称されており、現在R-11(トリクロロモノフルオロメタン)、R-22(モノクロロジフルオロメタン)、R-502(R-22+クロロペンタフルオロエタン)などが主に使用されている。
しかしながら、近年、大気中に放出された場合に、ある種のフロンが成層圏のオゾン層を破壊し、その結果、人類を含む地球上〔原文ママ〕の生態系に重大な悪影響を及ぼすことが指摘されている。従って、オゾン層破壊の危険性の高いフロンについては、国際的な取決めにより、使用および生産が規制されるに至っている。規制の対象になっているフロンには、R-11とR-12とが含まれており、またR-22については、オゾン層破壊への影響が小さいため、現在規制の対象とはなっていないが、将来的には、より影響の少ない冷媒の出現が望まれている。冷凍・空調設備の普及に伴って、需要が毎年増大しつつあるフロンの使用および生産の規制は、居住環境をはじめとして、現在の社会機構全般に与える影響が極めて大きい。従って、オゾン層破壊問題を生じる危険性のない或いはその危険性の極めて小さい新たなヒートポンプ用の熱媒体(冷媒)の開発が緊急の課題となっている。」(1頁左下欄14行?2頁左上欄4行)
(4) 「問題点を解決するための手段
本発明者は、ヒートポンプ或いは熱機関に適した熱伝達用流体であって、且つ当然のことながら、大気中に放出された場合にもオゾン層に及ぼす影響が小さいか或いは影響のない新たな熱伝達用流体を得るべく種々研究を重ねてきた。その結果、特定の構造を有する有機化合物がその目的に適合する要件を具備していることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の熱伝達用流体を提供するものである:
「分子式:C_(3)H_(m)F_(n)
(但し、m=1?5,n=1?5且つm+n=5)
で示され且つ分子中に二重結合を1個有する有機化合物からなる熱伝達用流体。」」(2頁左上欄5行?末行)
(5) 「本発明において熱伝達用流体として使用するC_(3)H_(m)F_(n)で示される化合物は、オゾン層に影響を与える塩素原子および臭素原子を全く含まないので、オゾン層の破壊問題を生じる危険性はない。
また、一方では、C_(3)H_(m)F_(n)で示される化合物は、ヒートポンプ用熱媒体としての特性にも優れており、成績係数、冷凍能力、凝縮圧力、吐出温度などの性能において、バランスが取れている。さらに、この化合物の沸点は、現在広く使用されているR-12,R-22、R-114およびR-502のそれに近いため、これら公知の熱媒体の使用条件下、即ち蒸発温度-20から10℃および凝縮温度30から60℃での使用に適している。」(2頁左下欄9行?右下欄5行)
(6) 「また、本発明においては、C_(3)H_(m)F_(n)で示される化合物を少なくとも含み、R-22(CHClF_(2)),R-32(CH_(2)F_(2)),R-124(CF_(3)CHClF),R-125(CF_(3)CF_(2)H),R-134a(CF_(3)CFH_(2)),R-142b(CH_(3)CClF_(2))、143a(CF_(3)CH_(3))およびR-152(CHF_(2)CH_(3))からなる群から選ばれた少なくとも一種を含む混合物を熱伝達用流体として使用しても良い。この混合物を使用する場合には、低沸点の冷媒を混合することにより、更に冷凍能力を向上させたり、蒸発潜熱の大きな冷媒を混合することにより、成績係数を向上させたり、或いは冷凍機油との溶解性を改善したりすることができる。
本発明で使用するC_(3)H_(m)F_(n)で示される化合物或いはC_(3)H_(m)F_(n)で示される化合物とR-22,R-32,R-124,R-125,R-134a,R-142b,R-143aおよびR-152aの少なくとも一種との混合物は、ヒートポンプ用の熱媒体に対して要求される一般的な特性(例えば、潤滑油との相溶性、材料に対する非浸蝕性など)に関しても、問題はないことが確認されている。」(2頁右下欄6行?3頁左上欄11行)
(7) 「発明の効果
本発明による熱伝達用流体によれば、下記の様な顕著な効果が達成される。
(1)従来からR-12,R-22或いはR-502を熱媒体として使用してきたヒートポンプと同等以上のサイクル性能が得られる。
(2)熱媒体としての優れた性能のゆえに、機器設計上も有利である。
(3)仮に本発明による熱伝達用流体が大気中に放出された場合にも、オゾン層破壊の危険性はない。」(3頁左上欄12行?右上欄4行)
(8) 「実施例1
熱媒体としてF_(3)C-CH=CH_(2)(3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン)を使用する1馬力のヒートポンプにおいて、蒸発器における熱媒体の蒸発温度を-10℃,-5℃,5℃および10℃とし、凝縮器における凝縮温度を50℃とし、過熱度および過冷却度をそれぞれ5℃および3℃として、運転を行なった。
また、比較例として、R-12(比較例1)、R-22(比較例2)およびR-502(比較例3)を熱媒体として使用して、上記と同1条件下にヒートポンプの運転を行なった。
これらの結果から、成績係数(COP)および冷凍効果を次式により、求めた(第1図に示すモリエル線図参照)。
COP=(h_(1)-h_(4))/(h_(2)-h_(1))
冷凍効果=h_(1)-h_(4)
h_(1)・・・蒸発器出口の作動流体のエンタルピー
h_(2)・・・凝縮器入口の作動流体のエンタルピー
h_(4)・・・蒸発器入口の作動流体のエンタルピー
本実施例ならびに比較例で使用した冷凍サイクルの回路図を第2図に示す。
COPおよび冷凍能力の算出結果を比較例1?3の結果と対比して第3図および第4図にそれぞれ示す。
なお、第3図に示す成績係数は、R-22を熱媒体とした場合の蒸発温度5℃における測定値(COP_(B))で、それぞれの熱媒体の測定値(COP_(A))を除したものである。特に、本発明による熱媒体の結果は、“○”で示してある。
また、第4図に示す冷凍能力は、R-22を熱媒体とした場合の蒸発温度5℃における測定値(能力B)で、それぞれの熱媒体の測定値(能力A)を除したものである。本発明による熱媒体の結果は、やはり“○”で示してある。
第3図から明らかな様に、本実施例による作動流体は、COPに関して、R-12およびR-22と同程度の良好な値を示している。さらに、第4図から明らかな様に、冷凍効果に関して、R-12よりも高めの値を示している。」(3頁右上欄8行?右下欄11行)
(9) 「実施例5
熱媒体としてF_(3)C-CF=CH_(2)を使用する以外は実施例1と同様にして、ヒートポンプの運転を行なったところ、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。」(4頁右下欄8?12行)
(10) 「第1図は、実施例において成績係数(COP)および冷凍効果求めるために使用したモリエル線図である。
第2図は、本実施例ならびに比較例で使用した冷凍サイクルの回路図である。
第3図は、実施例1および比較例1?3によるCOPを示すグラフである。
第4図は、実施例1および比較例1?3による冷凍能力を示すグラフである。
(図の摘示は省略)」(4頁右下欄14行?7頁)

2 引用刊行物に記載された発明(引用発明)
引用刊行物には、「分子式:C_(3)H_(m)F_(n)(但し、m=1?5,n=1?5且つm+n=6)で示され且つ分子構造中に二重結合を1個有する有機化合物からなる熱媒体」(以下、単に「特定熱媒体」という。)が記載され(摘記事項(1))、当該特定熱媒体は、冷凍機、ヒートポンプなどで使用されるものであり(摘記事項(2))、ヒートポンプ用熱媒体としての特性に優れる(摘記事項(5))旨説明されている。
また、引用刊行物には、当該特定熱媒体を、R-22、R-32、R-124、R-125、R-134a、R-142b、R-143aおよびR-152aの少なくとも一種と混合した混合物についても記載され、当該混合物は、ヒートポンプ用の熱媒体に対して要求される一般的な特性(例えば、潤滑油との相溶性、材料に対する非浸蝕性など)に関しても、問題はない旨説明されているから(摘記事項(6))、当該特定熱媒体は、R-22などと混合して使用すること、さらに潤滑油(冷凍機油)との混和物として使用することを予定したものであることが分かる(なお、ヒートポンプにおいて、冷媒と潤滑油の混和物を使用することは通常のことである。)。
そうすると、引用刊行物には、次の発明(以下、まとめて「引用発明」という。)が記載されているといえる。
・「特定熱媒体とR-22、R-32、R-124、R-125、R-1 34a、R-142b、R-143aおよびR-152aの少なくとも 一種との混合物」
・「当該混合物と潤滑油の混和物」
・「当該混和物を用いたヒートポンプ及び当該混和物のヒートポンプにお ける使用」

3 本件発明1について
(1) 対比
本件発明1に係る組成物と引用発明に係る混合物とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違するといえる。
・相違点:本件発明1に係る組成物は、HFC-1234yfと特定の化 合物を特定の組成・混合比で混合した、共沸または擬共沸組成 物であるのに対して、引用発明のものは、「特定熱媒体とR- 22、R-32、R-124、R-125、R-134a、R -142b、R-143aおよびR-152aの少なくとも一 種との混合物」である点
(2) 相違点についての検討
引用刊行物記載の実施例5(摘記事項(9))には、特定熱媒体として「F_(3)C-CF=CH_(2)」(化合物名でいうと「2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)」)を使用してヒートポンプの運転を行った態様が実際に記載されているのであるから、引用発明の特定熱媒体は、具体的化合物としてHFO-1234yfを内包すること(HFO-1234yfに代表されるものであること)は明らかである。
したがって、引用発明は、「HFO-1234yf」と「R-22、R-32、R-124、R-125、R-134a、R-142b、R-143aおよびR-152aの少なくとも一種」との混合物を内包しているということができる。
しかしながら、本件発明1に係る組成物のうちの、以下のものは、引用発明の混合物とは成分系が異なるものである。
・「80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量 パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量 パーセント?10質量パーセントのn-ブタン」
・「1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パー セント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント ?55質量パーセントのHFC-1234yf」
・「1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、5 9質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量 パーセント?20質量パーセントのイソブタン」
そこで、本件発明1に係る組成物のうちの「80質量パーセントのHFC-1234yfおよび20質量パーセントのHFC-152a」について、さらに検討する。
引用発明の混合物を使用するにあたっては、「HFO-1234yf」と、「R-22、R-32、R-124、R-125、R-134a、R-142b、R-143aおよびR-152aの少なくとも一種」との組成・混合比を決定する必要があるところ、一般に、冷凍サイクルを利用したヒートポンプ(エアコン等)において使用される混合冷媒は、冷媒分離による組成変動や温度グライドなどに鑑み、共沸組成物あるいは擬共沸(共沸様)組成物であることが望まれていることに照らすと(要すれば、甲第4号証:「The International Symposium on HCFC Alternative Refrigerants ‘96(HCFC代替冷媒国際シンポジウム‘96)」(1996年12月5-6日・神戸国際会議場で開催)、11?26、29?33頁、特に12頁右欄37?43行、29頁左欄下から2行目?右欄6行参照。さらに必要であれば、下記参考文献1?3も参照。なお、これらの文献に記載された事項は、本件特許明細書の【0025】に記載された共沸組成物に関する説明とも符合するものである。)、当該組成・混合比として、共沸組成物あるいは擬共沸(共沸様)組成物となるような組成を選択すること(三元系を含めて)は、当業者が適宜行うことといえる。
しかしながら、本件発明1では、「80質量パーセントのHFC-1234yfおよび20質量パーセントのHFC-152a」と組成比を限定することにより、本件特許明細書の実施例2(【0192】?【0198】、特に【0195】【表58】)に記載された有利な効果、すなわち、現行冷媒であるHFC-134aの代替品として有用であるという効果を認めることができる。
そして、この点は、引用刊行物の記載からは、当業者といえども予測困難といえる。
以上の点を併せ考えると、本件発明1に係る組成物は、引用発明の混合物とは成分系が異なるものであるか、あるいは、成分組成の選択による有利な効果を認めることができるものであるから、引用発明に基いて当業者が容易に想到し得るものであるということはできない。
<参考文献>
1.特表平7-509225号公報(「発明の背景」の項目参照)
2.特表平11-505259号公報(「発明の背景」の項目参照)
3.特表2005-532899号公報(【0003】?【0008】参 照)

4 本件発明2?6について
本件発明2?6は、本件発明1に係る組成物を具備するものであるから、本件発明1と同様の理由により、引用発明から容易想到のものとはいえない。

5 小括
以上のとおり、本件発明1?6は容易想到のものとはいえないから、本件特許1?6は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものとはいえず、同法第113条第2号に該当するものではない。

第7 結び

以上のとおりであるから、本件特許1?6は、特許法第29条の規定に違反してされたものであるとも、同法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるともいえず、同法第113条第2号、第4号のいずれにも該当しないから、上記取消理由通知に記載した取消理由(すなわち、本件特許異議申立書に記載された特許異議申立の理由)によっては、取り消すことはできない。
また、上記のとおり、本件訂正により、請求項7は削除されたので、本件特許7に対する特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しないため、却下する。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
80質量パーセントのHFC-1234yfおよび20質量パーセントのHFC-152a;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;および
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物。
【請求項2】
ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール、ポリビニルエーテル、鉱油、アルキルベンゼン、合成パラフィン、合成ナフテン、およびポリ(アルファ)オレフィンからなる群から選択された潤滑油をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
冷熱を生成させるための方法であって、冷却しようとする本体の近くで請求項1に記載の組成物を蒸発させること、およびその後前記組成物を凝縮させることを含む方法。
【請求項4】
温熱を生成させるための方法であって、加熱しようとする本体の近くで請求項1に記載の組成物を凝縮させること、およびその後前記組成物を蒸発させることを含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物を伝熱流体組成物として使用する方法であって、該組成物を熱源からヒートシンクに運ぶことを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物を含有する冷凍、エアコン、またはヒートポンプ装置。
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(a)組成物を発泡性組成物に加えること、および
(b)発泡体を形成するのに有効な条件下に発泡性組成物を反応させることを含む発泡体の成形方法であって、
ここで、前記組成物が、
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
1質量パーセント?57質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?43質量パーセントのHFC-32;
1質量パーセント?51質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?49質量パーセントのHFC-125;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-134;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-152a;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-161;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのHFC-143a;
29質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび71質量パーセント?1質量パーセントのHFC-227ea;
66質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび34質量パーセント?1質量パーセントのHFC-236fa;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-1243zf;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?20質量パーセントのプロパン;
71質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび29質量パーセント?1質量パーセントのn-ブタン;
60質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのジメチルエーテル;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのイソブタン;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;
1質量パーセント?50質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-134および19質量パーセント?90質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-134および29質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?20質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?30質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?90質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?40質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-227eaおよび29質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
40質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?59質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?20質量パーセントのブタン;
30質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?69質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?40質量パーセントのn-ブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;および
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?50質量パーセントのイソブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル、
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物である、
前記方法。
【請求項9】
組成物をエアゾール容器中の活性成分に加える工程を含むエアゾール製品の製造方法であって、該組成物が噴射剤として機能し、
ここで、前記組成物が、
HFC-1234yfを含む共沸または擬共沸組成物であって、
1質量パーセント?57質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?43質量パーセントのHFC-32;
1質量パーセント?51質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?49質量パーセントのHFC-125;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-134;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-152a;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-161;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのHFC-143a;
29質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび71質量パーセント?1質量パーセントのHFC-227ea;
66質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび34質量パーセント?1質量パーセントのHFC-236fa;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのHFC-1243zf;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?20質量パーセントのプロパン;
71質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび29質量パーセント?1質量パーセントのn-ブタン;
60質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび40質量パーセント?1質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?99質量パーセントのHFC-1234yfおよび99質量パーセント?1質量パーセントのジメチルエーテル;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのイソブタン;
80質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125、1質量パーセント?19質量パーセントのHFC-1234yfおよび1質量パーセント?10質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?55質量パーセントのHFC-1234yf;
1質量パーセント?50質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-32および1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?60質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143a;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-125および1質量パーセント?20質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-134および19質量パーセント?90質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-134および29質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
1質量パーセント?40質量パーセントのHFC-1234yf、59質量パーセント?98質量パーセントのHFC-143aおよび1質量パーセント?20質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?30質量パーセントのn-ブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?90質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?40質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-152aおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?70質量パーセントのHFC-227eaおよび29質量パーセント?98質量パーセントのプロパン;
40質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?59質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?20質量パーセントのブタン;
30質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?69質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?30質量パーセントのイソブタン;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?80質量パーセントのHFC-227eaおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?40質量パーセントのn-ブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル;および
1質量パーセント?98質量パーセントのHFC-1234yf、1質量パーセント?50質量パーセントのイソブタンおよび1質量パーセント?98質量パーセントのジメチルエーテル、
からなる群から選択された共沸または擬共沸組成物である、
前記方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2018-03-19 
出願番号 特願2014-142853(P2014-142853)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (C09K)
P 1 652・ 537- YAA (C09K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安藤 達也  
特許庁審判長 冨士 良宏
特許庁審判官 佐々木 秀次
日比野 隆治
登録日 2016-08-05 
登録番号 特許第5980272号(P5980272)
権利者 ザ ケマーズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
発明の名称 フルオロオレフィンを含む組成物  
代理人 竹林 則幸  
代理人 結田 純次  
代理人 竹林 則幸  
代理人 結田 純次  

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