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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 C01B 審判 全部申し立て 2項進歩性 C01B 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C01B |
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管理番号 | 1340126 |
異議申立番号 | 異議2017-700847 |
総通号数 | 222 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-06-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-09-07 |
確定日 | 2018-04-10 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6095613号発明「クロロシランの精製方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6095613号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1,2,4,6〕及び〔3,5,7〕について訂正することを認める。 特許第6095613号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1.手続の経緯 特許第6095613号は、平成26年 7月10日に出願された特願2014-142208号について、平成29年 2月24日に設定登録がされたものであり、その後、その請求項1?6に係る特許に対し、平成29年 9月 7日付けで特許異議申立人 星 正美により特許異議の申立てがされ、平成29年11月28日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年 1月24日付けで意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して、特許異議申立人に意見を求めたものの応答がなかったものである。 第2.訂正の適否についての判断 1.訂正の内容 平成30年 1月24日付け訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次の訂正事項1?4よりなる。 (ア)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、「下記工程Aにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」とあるのを、「下記工程Aにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」に訂正する。 (イ)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1?5の何れか1項に記載のクロロシランの精製方法。」とあるのを、「請求項1、2、4の何れか1項に記載のクロロシランの精製方法。」に訂正する。 (ウ)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「下記工程Dにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」とあるのを、「下記工程Dにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」に訂正する。 (エ)訂正事項4 訂正事項2に伴い、請求項6において請求項1,2,4との引用関係を解消させた部分を新たな請求項7とし、「前記クロロシランは、SiCl_(4)、SiHCl_(3)、SiH_(2)Cl_(2)、SiH_(3)Cl、SiH_(4)のうちの何れかの単一組成のもの、若しくは、前記組成のものが複数混合されたものである、請求項3または5に記載のクロロシランの精製方法。」に訂正する。 2.訂正の適否 (ア)訂正事項1について 訂正事項1は、請求項1の「下記工程Aにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」なる記載を「下記工程Aにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」なる記載に訂正するものであり、訂正前の請求項1の記載では、クロロシランに接液させる不活性ガスが露点管理されたものであることが明らかである一方、当該不活性ガスの露点および水分濃度が具体的に特定されていないのに対し、訂正後の請求項1の記載は、上記クロロシランに接液させる不活性ガスの露点が-70?-80℃であり、水分濃度が0.5?2.5ppmであることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定されている特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、当該訂正事項1は、本件特許明細書の段落【0051】の「一般的に用いられるプロセスガスとしての不活性ガスは、露点が-70?-80℃であり、水分濃度は、0.5?2.5ppmであり、この水分が接液によりクロロシラン中に溶け込み、シラノールやシロキサン化合物を生成させる。」との記載に基づくものであり、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 (イ)訂正事項3について 訂正事項3は、請求項3の「下記工程Dにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」なる記載を、「下記工程Dにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、」なる記載に訂正するものであり、訂正前の請求項3の記載では、クロロシランに接液させる不活性ガスが露点管理されたものであることが明らかである一方、当該不活性ガスの露点および水分濃度が具体的に特定されていないのに対し、訂正後の請求項3の記載は、上記クロロシランに接液させる不活性ガスの露点が-70?-80℃であり、水分濃度が0.5?2.5ppmであることを明らかにすることで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定されている特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、当該訂正事項3は、本件特許明細書の段落【0051】の「一般的に用いられるプロセスガスとしての不活性ガスは、露点が-70?-80℃であり、水分濃度は、0.5?2.5ppmであり、この水分が接液によりクロロシラン中に溶け込み、シラノールやシロキサン化合物を生成させる。」との記載に基づくものであり、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 (ウ)訂正事項2,4について 訂正事項2は、請求項6に「請求項1?5の何れか1項に記載のクロロシランの精製方法。」とあるのを、「請求項1、2、4の何れか1項に記載のクロロシランの精製方法。」に訂正するものであり、訂正前の請求項6記載の特許発明は請求項1?5の何れか1項に従属する関係にあったものの、請求項1?5のうちの、請求項3(独立項)および5(請求項3の従属項)との引用関係を解消させ、請求項1、2、4の何れか1項に従属することを明らかにするためのものであり、また、訂正事項4は、訂正事項2に伴い、訂正前の請求項6において請求項1(独立項)、2(請求項1の従属項)、4(請求項1の従属項)との引用関係を解消させた部分を新たな請求項7とし、「前記クロロシランは、SiCl_(4)、SiHCl_(3)、SiH_(2)Cl_(2)、SiH_(3)Cl、SiH_(4)のうちの何れかの単一組成のもの、若しくは、前記組成のものが複数混合されたものである、請求項3または5に記載のクロロシランの精製方法。」に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第4号に規定されている他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 そして、当該訂正事項2,4は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものである。 さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項の規定に適合するものである。 3.一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項1を、訂正前の請求項2,4,6は直接的または間接的に引用しているものであって、請求項1に連動して訂正されるものである。 また、訂正事項3に係る訂正前の請求項3を、訂正前の請求項5,6は直接的または間接的に引用しているものであって、請求項3に連動して訂正されるものである。 ただし、訂正後の請求項6,7は、引用関係の解消を目的とする訂正であって、請求項1,3とは別途訂正することを求めるものである。 したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項〔1,2,4,6〕及び〔3,5,7〕について請求するものと認める。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とし、同法第120条の5第4項及び第9項の規定によって準用する第126条第5項及び第6項に適合するので、訂正後の請求項〔1,2,4,6〕及び〔3,5,7〕について訂正を認める。 第3.特許異議の申立てについて 1.本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1?7に係る発明(以下「訂正発明1」?「訂正発明7」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定される次のとおりのものと認められる。 「【請求項1】 下記の工程A?Cによりクロロシラン中のボロン含有化合物を除去してクロロシランを精製する方法であって、 下記工程Aにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、吸着剤ないし添加剤を用いることなく該クロロシランの一部の加水反応により前記シラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる、ことを特徴とする方法。 クロロシラン中にシラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる工程A: 前記クロロシランに含まれるボロン含有化合物と前記シラノール若しくはシロキサン化合物を反応させて前記ボロン含有化合物をボロン酸化物とする工程B: 前記クロロシランを蒸留して前記ボロン酸化物を除去する工程C: 【請求項2】 前記工程Bは前記クロロシランに含まれる金属含有化合物を前記ボロン酸化物に吸着させて付加化合物とする工程でもあり、前記工程Cは前記付加化合物を除去する工程でもある、請求項1に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項3】 下記の工程D?Fによりクロロシラン中の金属含有化合物を除去してクロロシランを精製する方法であって、 下記工程Dにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、吸着剤ないし添加剤を用いることなく該クロロシランの一部の加水反応により前記シラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる、ことを特徴とする方法。 クロロシラン中にシラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる工程D: 前記クロロシランに含まれる金属含有化合物を前記シラノール若しくはシロキサン化合物に吸着させて付加化合物とする工程E: 前記クロロシランを蒸留して前記付加化合物を除去する工程F: 【請求項4】 前記ボロン含有化合物は、ボロン塩化物またはボロン水素化物の少なくとも一方の化合物である、請求項1に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項5】 前記金属含有化合物は、鉄、クロム、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムの何れかの塩化物のうちの少なくともひとつの塩化物である、請求項3に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項6】 前記クロロシランは、SiCl_(4)、SiHCl_(3)、SiH_(2)Cl_(2)、SiH_(3)Cl、SiH_(4)のうちの何れかの単一組成のもの、若しくは、前記組成のものが複数混合されたものである、請求項1、2、4の何れか1項に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項7】 前記クロロシランは、SiCl_(4)、SiHCl_(3)、SiH_(2)Cl_(2)、SiH_(3)Cl、SiH_(4)のうちの何れかの単一組成のもの、若しくは、前記組成のものが複数混合されたものである、請求項3または5に記載のクロロシランの精製方法。」 2.取消理由について (1)訂正前の請求項1?6に係る特許に対して、平成29年11月28日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 請求項1?6に係る発明は、クロロシランに接液させる不活性ガスの水分濃度が特定されていないことからして、下記の場合を含み、湿分を含まない不活性ガスの場合、クロロシランの加水分解は起こらないか不十分なレベルにとどまり、シラノールやシロキサンの生成が起こらず、本件発明の課題を解決できないことが想定され、また、湿分を多量に含む露点の高い不活性ガスの場合、クロロシランが多量に加水分解し、本件発明の課題を解決できないことが想定されることから、請求項1?6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載された発明とはいえず、同発明に係る特許は、特許法第36条第6項第1号の規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものであるから、取り消されるべきものである。 (2)クロロシランに接液させる不活性ガスの水分濃度について通知した取消理由に対し、平成30年 1月24日付けで行われた訂正の請求により、訂正発明1?7のクロロシランに接液させる不活性ガスは「露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppm」であることが特定され、クロロシランの精製において、低コストで且つ高効率にボロン不純物および金属不純物を分離除去する課題を解決できるものであることが明らかとなった。 よって、訂正発明1?7は、発明の詳細な説明に記載された発明である。 (3)取消理由についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものでない。 3.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について (1)申立理由の概要 申立人は、上記取消理由の他に、甲第1?2号証(以下、「甲1?2」という。)を提出し、訂正前の請求項1?6に係る発明は、甲1に記載された発明であるか、甲1,2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第1項第3号または第2項の規定に違反してされたものであると主張している(以下、「申立理由」という。)。 甲第1号証:特開2012-158515号公報 甲第2号証:特表2011-524328号公報 (2)申立理由について 甲1の請求項5,6、【0055】、【0056】、実施例3,4、【図1】には、DCSを含むホウ素濃度が高められた塔頂流(6a)を第4の塔(7)に供給し、その際にH_(2)O 1ppmvより少ない残留水分を有する不活性ガスを供給し、前記第4の塔(7)からのホウ素濃度が高められたDCSを含む塔頂流(7a)を搬出し、前記第4の塔(7)からの塔底流(7b)を、分離塔に返送し、排ガスを含む二次流を(7c)を第4の塔(7)から廃棄する、クロロシランを蒸留により精製する方法が記載されているものと認められる。 しかしながら、甲1には、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスをクロロシランに接液させることや、該不活性ガスをクロロシランに接液させることによって、低沸点化合物であるボロン含有化合物を高沸点化合物であるボロン酸化物にすることは記載も示唆もされておらず、むしろ、甲1に記載された発明は、【0095】?【0097】に記載されているように、不活性ガスの供給によって、塔の排ガス量を高め、ボロン化合物を排ガス流7c中に濃縮することを目的としているものであるから、訂正発明1と異なるものである。 また、甲2においても、「露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスをクロロシランに接液させること」については、記載も示唆もされていない。 してみれば、訂正発明1,3は、甲1,2に記載された発明でも、甲1,2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 また、訂正発明2,4?7についても同様である。 したがって、この申立理由には理由がない。 第4.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の工程A?Cによりクロロシラン中のボロン含有化合物を除去してクロロシランを精製する方法であって、 下記工程Aにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、吸着剤ないし添加剤を用いることなく該クロロシランの一部の加水反応により前記シラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる、ことを特徴とする方法。 クロロシラン中にシラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる工程A: 前記クロロシランに含まれるボロン含有化合物と前記シラノール若しくはシロキサン化合物を反応させて前記ボロン含有化合物をボロン酸化物とする工程B: 前記クロロシランを蒸留して前記ボロン酸化物を除去する工程C: 【請求項2】 前記工程Bは前記クロロシランに含まれる金属含有化合物を前記ボロン酸化物に吸着させて付加化合物とする工程でもあり、前記工程Cは前記付加化合物を除去する工程でもある、請求項1に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項3】 下記の工程D?Fによりクロロシラン中の金属含有化合物を除去してクロロシランを精製する方法であって、 下記工程Dにおいて、湿分付与されることなく露点管理された不活性ガスであって、露点が-70?-80℃で水分濃度が0.5?2.5ppmの不活性ガスを前記クロロシランに接液させて該不活性ガス中に含まれる水分を溶け込ませ、吸着剤ないし添加剤を用いることなく該クロロシランの一部の加水反応により前記シラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる、ことを特徴とする方法。 クロロシラン中にシラノールおよびシロキサン化合物の少なくとも一方を生成させる工程D: 前記クロロシランに含まれる金属含有化合物を前記シラノール若しくはシロキサン化合物に吸着させて付加化合物とする工程E: 前記クロロシランを蒸留して前記付加化合物を除去する工程F: 【請求項4】 前記ボロン含有化合物は、ボロン塩化物またはボロン水素化物の少なくとも一方の化合物である、請求項1に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項5】 前記金属含有化合物は、鉄、クロム、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムの何れかの塩化物のうちの少なくともひとつの塩化物である、請求項3に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項6】 前記クロロシランは、SiCl_(4)、SiHCl_(3)、SiH_(2)Cl_(2)、SiH_(3)Cl、SiH_(4)のうちの何れかの単一組成のもの、若しくは、前記組成のものが複数混合されたものである、請求項1、2、4の何れか1項に記載のクロロシランの精製方法。 【請求項7】 前記クロロシランは、SiCl_(4)、SiHCl_(3)、SiH_(2)Cl_(2)、SiH_(3)Cl、SiH_(4)のうちの何れかの単一組成のもの、若しくは、前記組成のものが複数混合されたものである、請求項3または5に記載のクロロシランの精製方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-03-29 |
出願番号 | 特願2014-142208(P2014-142208) |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YAA
(C01B)
P 1 651・ 121- YAA (C01B) P 1 651・ 537- YAA (C01B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 廣野 知子 |
特許庁審判長 |
豊永 茂弘 |
特許庁審判官 |
中澤 登 山崎 直也 |
登録日 | 2017-02-24 |
登録番号 | 特許第6095613号(P6095613) |
権利者 | 信越化学工業株式会社 |
発明の名称 | クロロシランの精製方法 |
代理人 | 片山 健一 |
代理人 | 片山 健一 |