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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 G06Q
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1340676
審判番号 不服2017-6683  
総通号数 223 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-10 
確定日 2018-06-12 
事件の表示 特願2015- 29394「表示装置及び表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月22日出願公開、特開2016-151919、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成27年2月18日の出願であって、その手続の経緯は以下の通りである。

平成28年 8月 1日付け:拒絶理由の通知
平成28年 9月28日 :意見書の提出
平成28年11月14日付け:拒絶理由の通知
平成28年12月27日 :意見書、手続補正書の提出
平成29年 2月 7日付け:拒絶査定
平成29年 5月10日 :審判請求書、手続補正書の提出
平成29年 6月15日 :前置報告


第2 平成29年5月10日付けの手続補正の補正却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成29年5月10日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1.本件補正について

本件補正は、平成28年12月27日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1(以下、「拒絶査定時の請求項1」という。)を平成29年5月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1(以下、「補正後の請求項1」という。)の通りに補正することを含むものである。

<拒絶査定時の請求項1>

「クレジットカードの請求額を表示する第1画面と、前記クレジットカード及びプリペイドカードの利用額を表示する第2画面とを切り替え可能に表示する表示制御部と、
前記クレジットカードが利用されたタイミングを示す第1時間情報、前記クレジットカードの利用に対する決済処理が行われたタイミングを示す第2時間情報、及び前記クレジットカードの利用額を含む前記クレジットカードの利用履歴と、前記プリペイドカードの利用履歴と、前記クレジットカードの利用に対する請求を行う請求期間と、前記利用額を表示する前記利用履歴の集計期間とを取得する取得部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記第1画面を表示する場合、前記取得部が取得した前記クレジットカードの利用履歴のうち前記第2時間情報が前記請求期間内である利用履歴の前記利用額に基づいて、前記第1画面を表示し、
前記第2画面を表示する場合、前記取得部が取得した前記クレジットカードの利用履歴のうち前記第1時間情報が前記集計期間内である利用履歴の前記利用額、及び前記集計期間内の前記プリペイドカードの利用履歴に基づいて、前記第2画面を表示する、
表示装置。」

<補正後の請求項1>(なお、下線は請求人により付されたものである。)

「クレジットカードの請求額を表示する第1画面と、前記クレジットカード及びプリペイドカードの利用額を表示する第2画面とを表示する表示装置であって、
前記第1画面と、前記第2画面とを切り替え可能に表示する表示制御部と、
前記表示装置又は前記表示装置のユーザを識別する識別情報を用いた認証によって、サーバから、前記クレジットカードが利用されたタイミングを示す第1時間情報、前記クレジットカードの利用に対する決済処理が行われたタイミングを示す第2時間情報、及び前記クレジットカードの利用額を含む前記クレジットカードの利用履歴と、前記プリペイドカードの利用履歴と、前記クレジットカードの利用に対する請求を行う請求期間と、前記利用額を表示する前記利用履歴の集計期間と、前記クレジットカード及び前記プリペイドカードの利用によって前記ユーザに付与され、前記ユーザが保有するポイントであって、支払いに割り当て可能なポイントの量を示すポイント数とを取得する取得部と、
を備え、
前記表示制御部は、
前記第1画面と前記第2画面との少なくともいずれかに、前記ポイント数を表示させ、
前記第1画面を表示する場合、前記取得部が取得した前記クレジットカードの利用履歴のうち前記第2時間情報が前記請求期間内である利用履歴の前記利用額に基づいて、前記第1画面を表示し、
前記第2画面を表示する場合、前記取得部が取得した前記クレジットカードの利用履歴のうち前記第1時間情報が前記集計期間内である利用履歴の前記利用額、及び前記集計期間内の前記プリペイドカードの利用履歴に基づいて、前記第2画面を表示する、
表示装置。」

2.新規事項の追加の有無について

平成29年5月10日付け手続補正書により、『前記利用額を表示する前記利用履歴の集計期間』は、「取得部」が「サーバ」から「取得」する情報の一部となった。

しかしながら、本願の出願当初の明細書の段落【0061】には、「・・・また、プリペイドカード及びクレジットカードの集計期間は、例えば、ユーザが利用したカード11の利用額を集計する1ヶ月等の期間であり、ユーザの操作に基づいて取得する。」と記載されており、また、同明細書の段落【0067】には、「・・・期間選択部241は、カード11の利用額を集計する集計期間を選択するための操作部である。取得部931は、期間選択部241を介してユーザが選択した期間を集計期間として取得する。・・・」と記載されている。

当該明細書の記載から明らかな様に、前記『前記利用額を表示する前記利用履歴の集計期間』は、「ユーザの操作に基づいて取得する」情報であり、サーバから取得する情報ではない。

してみると、“『前記利用額を表示する前記利用履歴の集計期間』を「取得部」が「サーバ」から「取得」する情報の一部とする”補正事項を含む本件補正は、出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものである。

3.むすび

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。


第3 本願発明について

平成29年5月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?6に係る発明は、平成28年12月27日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。

そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-05-28 
出願番号 特願2015-29394(P2015-29394)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
P 1 8・ 561- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮地 匡人上田 威田付 徳雄  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 上嶋 裕樹
佐藤 智康
発明の名称 表示装置及び表示方法  
代理人 泉 通博  

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