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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G01R |
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管理番号 | 1341045 |
異議申立番号 | 異議2017-700321 |
総通号数 | 223 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2018-07-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-03-31 |
確定日 | 2018-04-20 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6001237号発明「電子部品取り扱い処理用のアセンブリ及び方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6001237号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕,8について訂正することを認める。 特許第6001237号の請求項1-8に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第6001237号の請求項1-8に係る特許についての出願は、平成28年9月9日付けでその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人中澤佳樹より請求項1-8に対して特許異議の申立てがされ、平成29年6月26日付けで取消理由が通知され、平成29年9月26日に意見書の提出及び訂正請求がされ、平成29年12月5日に特許異議申立人中澤佳樹から意見書が提出され、平成29年12月25日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、平成30年3月7日に意見書の提出及び訂正請求がされたものである。 2.訂正の適否 (1)訂正の内容 ア 特許権者は、特許請求の範囲の請求項1を以下の事項により特定されるとおりの請求項1として訂正する(訂正事項1)。また、請求項2-7も同様に訂正する。 「【請求項1】 電子部品を処理するためのアセンブリ(1)であり、その構成は、 -少なくとも幾つかの処理ステーションが電気的なアクチュエータ(8)を一つ備えた、該電子部品処理用の複数の処理ステーション(3)と、 -例えばタレットのような、一つの処理ステーションから次の処理ステーションへと電子部品を搬送するためのコンベヤ(2)と、 -前記複数の処理ステーションを指揮するための中央演算処理装置(5)とから成る構成のアセンブリであって、 -複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかには、前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)が備えられ、前記複数の処理ステーション(3)で発生された前記指令信号(74)は複数のモータを駆動するための複数のアナログ信号から成り、 -前記処理ステーション(3)が更に、前記処理ステーション(3)のタイプの認証から成るメモリー部分(720)から成り、認証が中央演算処理装置(5)により回収されるか、或いは中央演算処理装置に伝送され、 -前記中央演算処理装置(5)は、ディジタル信号バス(6)を介して、前記局所演算処理ユニット(7)に接続され、 -前記中央演算処理装置は、前記複数の局所演算処理ユニットに、そして、前記ディジタル信号バス(6)を介して、ハイレベルのディジタル指令命令(75)を伝送するように配置されており、 -前記ハイレベルのディジタル指令命令が示すのは、:開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つであり、 -前記局所演算処理ユニットは、前記ハイレベルのディジタル指令命令を解読して、前記指令信号(74)を確定するために配置されている、 ことを特徴とする、電子部品を処理するためのアセンブリ。」(下線は訂正箇所。) イ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項8を以下の事項により特定されるとおりの請求項8として訂正する(訂正事項2)。 「【請求項8】 電子部品を処理するための方法であり、以下の手順、すなわち、 -複数の処理ステーション(3)で同時に該電子部品を処理し; -該電子部品を一つの処理ステーション(3)から次の処理ステーションへとタレットのようなコンベヤ(2)を用いて搬送し; -前記処理ステーションを中央演算処理装置(5)から指揮する; という手順からなる方法であって、 さらに、以下の手順、すなわち、 -前記処理ステーション(3)のメモリー部分(720)に貯蔵されている前記処理ステーション(3)のタイプの認証を前記中央演算処理装置(5)により回収させるか、或いは前記中央演算処理装置(5)に伝送し、 -開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つを示すハイレベルのディジタル指令命令(75)を、前記中央演算処理装置(5)において発生し、 前記ハイレベルのディジタル指令命令(75)を、前記中央演算処理装置(5)と前記複数の処理ステーション(3)との間でディジタル信号バス(6)を介して伝送し、 -前記ハイレベルのディジタル指令命令(75)を前記処理ステーションにおいて解読することにより、前記処理ステーションのアクチュエータのための指令信号(74)を確定し、前記ディジタル指令命令の解読を、前記処理ステーション(3)の中の局所演算処理ユニットを用いて行い、そして、その解読内容に基づいて、前記処理ステーションのアクチュエータを駆動するためのアナログ信号を発生するという手順から成ることを特徴とする、電子部品を処理するための方法。」(下線は訂正箇所。) (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、一群の請求項及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正前の請求項1-7は、請求項2-7が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。 イ 訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)小括 したがって、上記訂正請求による訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項及び第4項、並びに同条第9項で準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合する。また、訂正後の請求項2-7は請求項1を直接または間接的に引用するものであって、それ自体の内容は訂正されていない。 したがって、訂正後の請求項〔1-7〕,8について訂正を認める。 3.当審の判断 (1)平成29年12月25日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について ア 訂正後の請求項1-8に係る発明 上記訂正請求により訂正された訂正後の請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」-「本件発明8」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 電子部品を処理するためのアセンブリ(1)であり、その構成は、 -少なくとも幾つかの処理ステーションが電気的なアクチュエータ(8)を一つ備えた、該電子部品処理用の複数の処理ステーション(3)と、 -例えばタレットのような、一つの処理ステーションから次の処理ステーションへと電子部品を搬送するためのコンベヤ(2)と、 -前記複数の処理ステーションを指揮するための中央演算処理装置(5)とから成る構成のアセンブリであって、 -複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかには、前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)が備えられ、前記複数の処理ステーション(3)で発生された前記指令信号(74)は複数のモータを駆動するための複数のアナログ信号から成り、 -前記処理ステーション(3)が更に、前記処理ステーション(3)のタイプの認証から成るメモリー部分(720)から成り、認証が中央演算処理装置(5)により回収されるか、或いは中央演算処理装置に伝送され、 -前記中央演算処理装置(5)は、ディジタル信号バス(6)を介して、前記局所演算処理ユニット(7)に接続され、 -前記中央演算処理装置は、前記複数の局所演算処理ユニットに、そして、前記ディジタル信号バス(6)を介して、ハイレベルのディジタル指令命令(75)を伝送するように配置されており、 -前記ハイレベルのディジタル指令命令が示すのは、:開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つであり、 -前記局所演算処理ユニットは、前記ハイレベルのディジタル指令命令を解読して、前記指令信号(74)を確定するために配置されている、 ことを特徴とする、電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項2】 前記ディジタル信号バス(6)がパケット主体のバスであることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項3】 前記局所演算処理ユニット(7)のそれぞれは、 前記ディジタル信号バスを介してデータの受信と送信を行うためのバス・コントローラ(70)と; 前記バス・コントローラを介して受信した前記ディジタル指令命令(75)を解読するためのプロセッサ(71)と、 前記指令信号を発生するために、前記プロセッサ(71)の指揮を受け、前記アクチュエータに接続されたアクチュエータ・コントローラ(73)を少なくとも一つ を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項4】 前記アクチュエータ・コントローラ(73)は、一つまたは幾つかの調節クローズドループの一部であることを特徴とする、請求項3に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項5】 前記局所演算処理ユニット(7)のそれぞれに認証ID(720)が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項6】 前記中央演算処理装置(5)は、複数の処理ステーション(3)が行う複数の作業を同期させるパソコンであることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項7】 前記中央演算処理装置(5)には、各ステーションで行われる手順を同期させるための、前記複数の処理ステーション全てに送るクロック信号を発する中央クロックシステムが備えられることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項8】 電子部品を処理するための方法であり、以下の手順、すなわち、 -複数の処理ステーション(3)で同時に該電子部品を処理し; -該電子部品を一つの処理ステーション(3)から次の処理ステーションへとタレットのようなコンベヤ(2)を用いて搬送し; -前記処理ステーションを中央演算処理装置(5)から指揮する; という手順からなる方法であって、 さらに、以下の手順、すなわち、 -前記処理ステーション(3)のメモリー部分(720)に貯蔵されている前記処理ステーション(3)のタイプの認証を前記中央演算処理装置(5)により回収させるか、或いは前記中央演算処理装置(5)に伝送し、 -開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つを示すハイレベルのディジタル指令命令(75)を、前記中央演算処理装置(5)において発生し、 前記ハイレベルのディジタル指令命令(75)を、前記中央演算処理装置(5)と前記複数の処理ステーション(3)との間でディジタル信号バス(6)を介して伝送し、 -前記ハイレベルのディジタル指令命令(75)を前記処理ステーションにおいて解読することにより、前記処理ステーションのアクチュエータのための指令信号(74)を確定し、前記ディジタル指令命令の解読を、前記処理ステーション(3)の中の局所演算処理ユニットを用いて行い、そして、その解読内容に基づいて、前記処理ステーションのアクチュエータを駆動するためのアナログ信号を発生するという手順から成ることを特徴とする、電子部品を処理するための方法。」 イ 刊行物の記載 平成29年12月25日付け取消理由通知(決定の予告)において引用した刊行物は、以下のとおりである。 甲第1号証:特開2006-292630号公報 甲第2号証:「GS 34M6H60-02 F3NC96-0N 位置決めモジュール(MECHATROLINK-II通信対応)」、2004年1月、横河電機株式会社 甲第5号証:「Σ-IIシリーズ SGDH MECHATROLINK-IIアプリケーションモジュール ユーザーズマニュアル」、2002年、株式会社安川電機 (ア)引用発明1 上記甲第1号証には、以下のように記載されている。(下線は当審による。) 「【0007】 本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、生産性に優れ、かつ測定における信頼性の高い圧電振動板の周波数測定方法および周波数測定装置を提供するとともに、圧電振動板の周波数分類方法および周波数分類装置を提供することを目的とするものである。」 「【0028】 図1において1はパーツフィーダ、2は第1の移載装置、3はインデックステーブル、4は周波数測定部、5は第2の移載装置、6は収納箱、Qは水晶振動板(圧電振動板)である。」 「【0031】 パーツフィーダの排出口12に送られた水晶振動板Qは第1の移載装置2により取り出される。第1の移載装置2は基体20に対して平面視直角の方向に伸長する位置にアーム21が取着され、当該アーム2は基体20に対して直角方向(X方向)と基体に沿う方向(Y方向)に動作するとともに、上下方向(Z方向)にも動作し、3次元的な動作が可能となっている。アーム21は図示しない電動アクチュエータにより動作し、当該電動アクチュエータは後述する第1移載制御部の指令により動作する。アーム21の先端部分には水晶振動板Qを吸引する吸引口21aが形成されている。当該吸引機構は例えば負圧のエアを供給または停止することにより、吸引または吸引解除を行う。なお、第1の移載装置において、水晶振動板Qをピックアップする方法は前述の吸引による方法のみならず、例えば水晶振動板の外周を把持するチャッキングであってもよい。これは第2の移載装置においても同様である。 【0032】 水晶振動板Qが第1の移載装置によって移載されるインデックステーブル3は平面で見て円板形状であり、その表面の外周領域には下電極体31,32,33,34,35,36,37,38が所定の等間隔を保って全周に渡って設けられている。当該下電極体は円柱形状の導電セラミックスからなり、その上面はインデックステーブル上面とほぼ平行な平面を有している。また各下電極体は絶縁体を介してインデックステーブルに固定されており、各々電気的に独立した状態で通電可能となっている。なお下電極体で用いる導電セラミックスは金属に較べて耐摩耗性に優れ、硬質な水晶による摩耗を防ぐことができ、また金属と同様、上部面をポリッシュ加工することにより、平行で平滑な平面を得ることができる。 【0033】 また当該インデックステーブル3において、パーツフィーダから移載される場所は供給ステーションIとなり、また供給ステーションIの対面には排出ステーションOが形成されている。また周波数測定部4の配置位置は測定ステーションSとなる。 【0034】 ところでインデックステーブル3は平面的に回転駆動可能となっており、当該回転は例えばサーボモータで駆動される。サーボモータはインデックステーブル駆動制御部からのパルス信号で駆動し、回転速度、回転量等を制御するが、これによりインデックステーブル3を任意の設定で動作させることができる。本実施の形態においては、下電極体を均等な間隔を持って8つ設けているので、周波数測定実行時には45度づつ間欠的に回転を行う。この回転量は周波数測定以外の必要な製造工数がある場合等によって任意に設定することができ、サーボモータへの制御信号により調整することができる。もちろん下電極体を90度毎にインデックステーブルに配置した4つの構成であってもよく、この場合は90度毎の回転量となる。 【0035】 このようなインデックステーブル3には供給ステーションIから時計回りに90度回転したところに、周波数測定部4が配置され、また排出ステーションOから時計回りに90度回転したところに、排出確認部45が配置されてた確認ステーションCが設けられている。 【0036】 周波数測定部4は電動アクチュエータ41と電動アクチュエータ41によって上下動する絶縁体42と上電極体43とを有する。上部電極体43は例えば銅、真鍮、SK材等からなる導電性の良好な材料が用いられ、下電極体との対向面は平行を保つことができるよう平行平面が形成されている。上電極体43は下電極体とともに適切なギャップが構成され、下電極体の上面に圧電振動板を配置することにより、エアギャップ方式にて圧電振動板の周波数を測定する。 【0037】 電動アクチュエータ41は外部からの制御信号により所定量の動作を行う構成であり、例えばステッピングモータによる回転運動をボールねじとカップリングにより直線運動させる構成や、あるいはサーボモーターとエンコーダとボールねじとカップリングによる構成や、あるいは圧電素子を用いた超音波モータにより所定量の動作を行わせる構成をあげることができる。本実施の形態ではステッピングモータとボールねじとカップリングによるアクチュエータを用いており、上電極体43は電動アクチュエータ41により高速かつ高精度に上下動作する。なお、ステッピングモータを用いた場合は、オープンループ型で一方通行的な制御になるが、近年はモータの基本ステップ角の小さいものを採用したり、脱調レス機能を付加すること等により、精度を向上させることができる。またサーボモータを用いた場合は、クローズドループ型での回転位置を検出するエンコーダを高分解能なものにすることにより、より高精度の位置決めを行うことができる。 【0038】 第2の移載装置5はインデックステーブル3の排出ステーションOに送られた水晶振動子Qを収納箱に移載する機能を有している。当該第2の移載装置も第1の移載装置と同じく、基本的にはアーム51の先端部分には水晶振動板Qを吸引する吸引口51aが形成されており、当該吸引機構は例えば負圧のエアを供給または停止することにより、吸引または吸引解除を行う。当該アーム51は基体50に対して直角方向(X方向)と基体に沿う方向(Y方向)に動作するとともに、上下方向(Z方向)にも動作し、3次元的な動作が可能となっている。これにより排出ステーションOにある水晶振動板Qをアーム51の吸引口51aにより吸引し、上部方向へ移動後、XY方向に移動し、さらに下方向に移動して吸引を解除し収納箱6の所定の場所に移載する。」 「【0042】 図3は本実施の形態による制御システムを示している。図3における制御システムは、例えばCPUからなる中央制御部70に各機構の制御部が接続される構成であり、第1の移載装置2は第1の移載制御部72を介して、第2の移載装置5は第2の移載制御部73を介してそれぞれ中央制御部70に接続されている。それぞれの移載制御部は各移載装置移動動作、移動量、吸引動作等を制御する。またインデックステーブル3はインデックステーブル駆動制御部74を介して、周波数測定部4と電動アクチュエータ41は制御部75を介して、それぞれ中央制御部に接続されている。また中央制御部70には周波数測定データ等を記憶するメモリ71が接続されている。」 「【0049】 次に、水晶振動板の周波数測定作業を行う。まずパーツフィーダ1には多数個の水晶振動板Qを投入し、これによりパーツフィーダ1の搬送動作により排出口12に順次水晶振動板Qが送られる。第1の移載装置2は第1の移載制御部72の指令により、アーム21により排出口にある水晶振動板Qを吸引し、搭載ステーションに位置する下電極体31の上面に順次移載する。 【0050】 インデックステーブル3はインデックステーブル駆動制御部74の指示により、サーボモータが駆動し、時計回りである矢印B方向に間欠的な回転動作が行われる。インデックステーブル3が間欠的に回転することにより、次の下電極体32が搭載ステーションに位置すると順次下電極体に水晶振動板Qが移載される。 【0051】 下電極体31に搭載された水晶振動板Qが搭載ステーションから2段階間欠回転すると測定ステーションSに移動する。当該測定ステーションSでは、周波数測定部が設置され、制御部の指示により、先に下電極体31に対する動作補正情報をメモリ71から読み出し、当該動作補正情報に基づく移動距離分上電極体が下電極体に近接する。この近接あるいは離間動作は制御部75からの命令により電動アクチュエータが動作することにより行われる。この非接触状態で両電極体間に所定周波数の電圧を印加することにより、エアギャップ方式により水晶振動板Qの周波数の測定を行う。測定された周波数データは中央制御部を介してメモリに転送され、周波数毎に定められた収納箱6のポケット位置が決定される。 【0052】 水晶振動板Qが測定ステーションSからさらに2段階間欠回転すると排出ステーションOに移動する。排出ステーションOにおいては第2の移載装置により下電極体上面の水晶振動板Qが収納箱に移載される。この第2の移載装置は中央制御部からの周波数測定データに基づいて第2移載制御部の指令により動作し、下電極体上面にある水晶振動板をアーム51により吸引し、3次元動作により、収納箱の周波数帯毎に定められたポケットに移載される。なお、収納箱が平面的に移動することにより、移載するポケットを特定する構成であってもよい。 【0053】 この後インデックステーブル3は順次回転し、下電極体31が確認ステーションCに移動した際に排出確認部45により、当該下電極体に残っている水晶振動板Qがあれば吸引チューブバルブにより強制的に排出される。 【0054】 このような一連の動作をパーツフィーダ1から供給された水晶振動板Qについて順次行うことにより、水晶振動板の周波数測定と周波数分類を進める。」 「【0058】 水晶振動子、水晶発振器等の圧電振動デバイスあるいは他の電子部品の量産に適用できる。」 上記記載より、甲第1号証には以下の発明が記載されていると認められる。 「水晶振動子、水晶発振器等の圧電振動デバイスあるいは他の電子部品の量産に適用できる装置であって、(【0058】) 電動アクチュエータにより動作するアーム21を有する第1の移載装置2(【0031】)と、サーボモータを用いて高精度の位置決めを行う電動アクチュエータ41を有する周波数測定部4(【0036】、【0037】)と、インデックステーブル3の排出ステーションOに送られた水晶振動子Qを収納箱に移載する第2の移載装置5(【0038】)と、 パーツフィーダから移載される場所は供給ステーションIとなり、また供給ステーションIの対面には排出ステーションOが形成され、また周波数測定部4の配置位置は測定ステーションSとなる、平面で見て円板形状のインデックステーブル3と(【0032】、【0033】)を有し、 CPUからなる中央制御部70に各機構の制御部が接続される構成であり、第1の移載装置2は第1の移載制御部72を介して、第2の移載装置5は第2の移載制御部73を介してそれぞれ中央制御部70に接続され、それぞれの移載制御部は各移載装置移動動作、移動量、吸引動作等を制御し、また周波数測定部4と電動アクチュエータ41は制御部75を介して、中央制御部に接続されている(【0042】)、装置。」(以下、「引用発明1」という。) (イ)引用発明2 甲第2号証は、「一台のFAコントローラで,複数のFAユニット(サーボパック,インバータ,入出力モジュールなど)を分散制御するためのフィールドネットワーク」である「MECHATROLINK-II通信」(第3ページ)に対応する「位置決めモジュール」である「F3NC96-0N」(第1ページ)を解説するものであって、「高速モーションネットワーク「MECHATROLINK-II」のインタフェース(C1マスタ局)機能を持ち、CPUモジュールからの指令に基づいて,MECHATROLINK-IIコマンドを外部機器(スレーブ局)へ送信します。」(第1ページ)とされ、また、「■接続可能な外部機器」として、「Σ-IIシリーズSGDH-□E型サーボパック」(第2ページ)が挙げられ、さらに「MECHATROLINK-II通信の接続形態は,C1マスタ局が1局,スレーブ局が最大30局のバス接続によるネットワークシステムです。」(第3ページ)と説明されている。また、「■仕様」の表の「伝送バイト数」「32バイト」(第1ページ)という記載や、「4.位置決め機能概要」における各種コマンドの説明(第7?10ページ)から、「MECHATROLINK-II通信」において伝送される信号が、ディジタル・プログラム・コマンド、すなわち「ハイレベルのディジタル指令命令」であることは明らかといえる。 また、甲第5号証は、甲第2号証において接続可能な外部機器として挙げられている「Σ-IIシリーズ」「SGDH」モジュールのユーザーズマニュアルであり、サーボパックと周辺機器との接続方法として、例えば「3.1.1主回路が単相(100Vまたは200V)仕様の場合」(3-3ページ)の図において、サーボパックがモータのUVW及びアース端子に接続されている態様が示されており、このことから、サーボパックからモータへ電力出力、すなわちアナログ信号の供給が行われていることがわかる。さらに、「3.5.1MECHATROLINK-II通信の接続例」(3-12ページ)の図には、複数のサーボパックと上位装置との接続形態が示されている。該図の接続形態は、いわゆるデイジーチェーン(数珠つなぎ)による接続ではあるが、その終端部にターミネータが設けられていることから、電気的にはバス接続となっていることがわかる。 したがって、甲第2号証及び甲第5号証から、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が読み取れる。 「一台のコントローラで,複数のサーボパックなどを分散制御するためのフィールドネットワークであって、コントローラはディジタル信号バスを介してサーボパックに接続され、サーボパックからモータを駆動するためのアナログ信号が発生され、コントローラからサーボパックへ、ハイレベルのディジタル指令命令が伝送される、フィールドネットワーク。」 ウ 対比・検討 (ア)本件発明1について 本件発明1と引用発明1とを、主たる構成要件毎に、順次対比する。 まず、引用発明1における「水晶振動子、水晶発振器等の圧電振動デバイスあるいは他の電子部品の量産に適用できる装置」は、本件発明1における「電子部品を処理するためのアセンブリ(1)」に相当する。 また、引用発明1における「電動アクチュエータにより動作するアーム21」及び「サーボモータを用いて高精度の位置決めを行う電動アクチュエータ41」は、本件発明1における「電気的なアクチュエータ(8)」に相当するから、引用発明1における「電動アクチュエータにより動作するアーム21を有する第1の移載装置2」、「サーボモータを用いて高精度の位置決めを行う電動アクチュエータ41を有する周波数測定部4」及び「インデックステーブル3の排出ステーションOに送られた水晶振動子Qを収納箱に移載する第2の移載装置5」と、それぞれに接続された「第1の移載制御部72」、「制御部75」及び「第2の移載制御部73」との組合せが、本件発明1における「少なくとも幾つかの処理ステーションが電気的なアクチュエータ(8)を一つ備えた、該電子部品処理用の複数の処理ステーション(3)」に相当する。 そして、引用発明1の「周波数測定部4」及び「制御部75」並びに「インデックステーブル3の排出ステーションOに送られた水晶振動子Qを収納箱に移載する第2の移載装置5」及び「第2の移載制御部73」とが、本件発明1における「処理ステーション」に相当するものであるから、引用発明1における「パーツフィーダから移載される場所は供給ステーションIとなり、また供給ステーションIの対面には排出ステーションOが形成され、また周波数測定部4の配置位置は測定ステーションSとなる、平面で見て円板形状のインデックステーブル3」は、本件発明1における「例えばタレットのような、一つの処理ステーションから次の処理ステーションへと電子部品を搬送するためのコンベヤ」に相当するといえる。 次に、引用発明1においては、「CPUからなる中央制御部70に各機構の制御部が接続される構成であり、第1の移載装置2は第1の移載制御部72を介して、第2の移載装置5は第2の移載制御部73を介してそれぞれ中央制御部70に接続され、それぞれの移載制御部は各移載装置移動動作、移動量、吸引動作等を制御し、また周波数測定部4と電動アクチュエータ41は制御部75を介して、中央制御部に接続されている」のであるから、引用発明1における「中央制御部」は、本件発明1における「前記複数の処理ステーションを指揮するための中央演算処理装置」に相当する。 さらに、引用発明1における「第1の移載制御部72」、「制御部75」及び「第2の移載制御部73」は、本件発明1における「複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかに」備えられている「前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)」に相当するから、引用発明1の「CPUからなる中央制御部70に各機構の制御部が接続される構成であり、第1の移載装置2は第1の移載制御部72を介して、第2の移載装置5は第2の移載制御部73を介してそれぞれ中央制御部70に接続され、それぞれの移載制御部は各移載装置移動動作、移動量、吸引動作等を制御し、また周波数測定部4と電動アクチュエータ41は制御部75を介して、中央制御部に接続されている」構成と、本件発明1の「複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかには、前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)が備えられ、前記複数の処理ステーション(3)で発生された前記指令信号(74)は複数のモータを駆動するための複数のアナログ信号から成」る構成とは、「複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかには、前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)が備えられている」構成である点で共通する。 してみると、両者の一致点及び相違点は、以下のとおりである。 (一致点) 「電子部品を処理するためのアセンブリ(1)であり、その構成は、 -少なくとも幾つかの処理ステーションが電気的なアクチュエータ(8)を一つ備えた、該電子部品処理用の複数の処理ステーション(3)と、 -例えばタレットのような、一つの処理ステーションから次の処理ステーションへと電子部品を搬送するためのコンベヤ(2)と、 -前記複数の処理ステーションを指揮するための中央演算処理装置(5)とから成る構成のアセンブリであって、 -複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかには、前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)が備えられている、 ことを特徴とする、電子部品を処理するためのアセンブリ。」 (相違点) 相違点1:本件発明1においては、「複数の処理ステーション(3)で発生された前記指令信号(74)は複数のモータを駆動するための複数のアナログ信号から成」るとされているのに対し、引用発明1の「第1の移載制御部72」、「第2の移載制御部73」、及び「制御部75」からの伝送信号が「複数のモータを駆動するための複数のアナログ信号から成」るかどうかは不明である点。 相違点2:本件発明1においては、「中央演算処理装置(5)は、ディジタル信号バス(6)を介して、前記局所演算処理ユニット(7)に接続され」るとされているのに対し、引用発明1の「CPUからなる中央制御部70」に対する「第1の移載装置2」及び「第1の移載制御部72」、「第2の移載装置5」及び「第2の移載制御部73」、「周波数測定部4と電動アクチュエータ41」及び「制御部75」の接続形態は、甲第1号証の図3からはバス接続であるともとれるものの、具体的な説明は無く、不明である点。 相違点3:本件発明1においては、「中央演算処理装置は、前記複数の局所演算処理ユニットに、そして、前記ディジタル信号バス(6)を介して、ハイレベルのディジタル指令命令(75)を伝送するように配置され」、「前記局所演算処理ユニットは、前記ハイレベルのディジタル指令命令を解読して、前記指令信号(74)を確定するために配置されている」のに対し、引用発明1においては「CPUからなる中央制御部70」からの伝送信号がどのようなものであるのかは不明である点。 相違点4:本件発明1においては、「前記ハイレベルのディジタル指令命令が示すのは、:開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つであ」るとされているのに対し、引用発明1においてはそのような特定はなされていない点。 相違点5:本件発明1においては、「前記処理ステーション(3)が更に、前記処理ステーション(3)のタイプの認証から成るメモリー部分(720)から成り、認証が中央演算処理装置(5)により回収されるか、或いは中央演算処理装置に伝送され」るとされているのに対し、引用発明1においてはそのような特定はなされていない点。 a 相違点1-3についての検討 本件発明1の技術内容に鑑み、上記相違点1-3につき併せて検討する。 引用発明2(上記「イ 刊行物の記載(イ)」)は、 「一台のコントローラで,複数のサーボパックなどを分散制御するためのフィールドネットワークであって、コントローラはディジタル信号バスを介してサーボパックに接続され、サーボパックからモータを駆動するためのアナログ信号が発生され、コントローラからサーボパックへ、ハイレベルのディジタル指令命令が伝送される、フィールドネットワーク。」 であって、その「モータを駆動するためのアナログ信号」、「ディジタル信号バス」及び「ハイレベルのディジタル指令命令」は、それぞれ上記相違点1-3の「モータを駆動するため」の「アナログ信号」、「ディジタル信号バス」及び「局所演算処理ユニット」により「解読」される「ハイレベルのディジタル指令命令」に相当する。 そして、引用発明1は、中央制御部により複数のサーボモータ等の制御を行う装置であって、中央制御部に各機構の制御部が接続される構成を有するものであり、これに対して引用発明2は、「一台のコントローラで,複数のサーボパックなどを分散制御するための」汎用のネットワークであるから、これを引用発明1の接続構造として採用し、上記相違点1-3に係る構成とすることは、当業者であれば容易になし得るものである。 b 相違点4についての検討 引用発明1において、少なくとも「第1の移載装置2」及び「第2の移載装置5」の動作制御が、「インデックステーブル3」の動作とタイミングを調整して行われることは明らかである。したがって、その「CPUからなる中央制御部70」から「第1の移載装置2」及び「第1の移載制御部72」、「第2の移載装置5」及び「第2の移載制御部73」へ伝送される制御信号が、移載前後の位置情報や移載タイミングなど(本件発明1の「開始時間」「終了位置」「インデックス位置」などに相当。)を含むことも明らかといえる。したがって、相違点4は実質的な相違点ではない。 また、もし仮に引用発明1において上記制御信号が、移載前後の位置情報や移載タイミングを含まないものであるとしても、例えば甲第5号証において「4.3.25位置決め(POSING:35H)」の表の説明欄に「・目標速度(TSPD)で目標位置(TPOS)に位置決めします。」「・指令する目標位置(TPOS)は符号付き4バイトです。・・・」「・指令する目標速度(TSPD)は符号無し4バイトです。・・・」と記載されているように、機器の機械的駆動制御命令を時間、位置、速度などを2つ以上含むものとすることは極めて一般的であって、引用発明1においてもこれを採用し、上記相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものといえる。 c 相違点5についての検討 引用発明2は、「一台のコントローラで,複数のサーボパックなどを分散制御するためのフィールドネットワークであって、コントローラはディジタル信号バスを介してサーボパックに接続され」、「コントローラからサーボパックへ、ハイレベルのディジタル指令命令が伝送される」のであるから、コントローラが個々のサーボパックなどを識別するための情報が必要であり、このことは、甲第5号証において「4.2.1通信仕様の設定」の表の名称欄に「局アドレス設定」とあることからも明らかといえる。 しかしながら、「4.2.1通信仕様の設定」においては、「局アドレス設定」を含む通信仕様の設定について、ディップスイッチで行う旨が記載されており、アドレス(認証)にメモリを用いるとはされていない。 相違点5に関しては、特許異議申立人は意見書において甲第10,12,13号証を引用し、それらに記載の認証メモリに関する構成を甲第1号証の発明に採用して相違点5に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たとの主張を行っている。しかしながら、引用発明1は認証に関する構成を有しておらず、該メモリを採用する動機を見いだすことはできない。また念のために検討すると、引用発明2は上記のようにアドレス(認証)の設定をディップスイッチにより行う構成であるから、やはり該メモリを採用する動機を見いだすことはできない。 したがって、本件発明1は、引用発明1及び引用発明2に基いて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (イ)本件発明2-7について 本件発明2-7も、本件発明1の相違点5に係る構成と同一の構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 (ウ)本件発明8について 本件発明8も、本件発明1の相違点5に係る構成に対応する、 「前記処理ステーション(3)のメモリー部分(720)に貯蔵されている前記処理ステーション(3)のタイプの認証を前記中央演算処理装置(5)により回収させるか、或いは前記中央演算処理装置(5)に伝送し、」 という構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用発明2に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 4.むすび 以上のとおり、本件発明1-8に係る特許については、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。さらに、他に本件発明1-8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 電子部品を処理するためのアセンブリ(1)であり、その構成は、 -少なくとも幾つかの処理ステーションが電気的なアクチュエータ(8)を一つ備えた、該電子部品処理用の複数の処理ステーション(3)と、 -例えばタレットのような、一つの処理ステーションから次の処理ステーションへと電子部品を搬送するためのコンベヤ(2)と、 -前記複数の処理ステーションを指揮するための中央演算処理装置(5)とから成る構成のアセンブリであって、 -複数の処理ステーション(3)の少なくとも幾つかには、前記複数の電気的なアクチュエータ(8)のための指令信号(74)を発生するための局所演算処理ユニット(7)が備えられ、前記複数の処理ステーション(3)で発生された前記指令信号(74)は複数のモータを駆動するための複数のアナログ信号から成り、 -前記処理ステーション(3)が更に、前記処理ステーション(3)のタイプの認証から成るメモリー部分(720)から成り、認証が前記中央演算処理装置(5)により回収されるか、或いは前記中央演算処理装置に伝送され、 -前記中央演算処理装置(5)は、ディジタル信号バス(6)を介して、前記局所演算処理ユニット(7)に接続され、 -前記中央演算処理装置は、前記複数の局所演算処理ユニットに、そして、前記ディジタル信号バス(6)を介して、ハイレベルのディジタル指令命令(75)を伝送するように配置されており、 -前記ハイレベルのディジタル指令命令が示すのは、:開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つであり、 -前記局所演算処理ユニットは、前記ハイレベルのディジタル指令命令を解読して、前記指令信号(74)を確定するために配置されている、 ことを特徴とする、電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項2】 前記ディジタル信号バス(6)がパケット主体のバスであることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項3】 前記局所演算処理ユニット(7)のそれぞれは、 前記ディジタル信号バスを介してデータの受信と送信を行うためのバス・コントローラ(70)と; 前記バス・コントローラを介して受信した前記ディジタル指令命令(75)を解読するためのプロセッサ(71)と、 前記指令信号を発生するために、前記プロセッサ(71)の指揮を受け、前記アクチュエータに接続されたアクチュエータ・コントローラ(73)を少なくとも一つを備えることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項4】 前記アクチュエータ・コントローラ(73)は、一つまたは幾つかの調節クローズドループの一部であることを特徴とする、請求項3に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項5】 前記局所演算処理ユニット(7)のそれぞれに認証ID(720)が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項6】 前記中央演算処理装置(5)は、複数の処理ステーション(3)が行う複数の作業を同期させるパソコンであることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項7】 前記中央演算処理装置(5)には、各ステーションで行われる手順を同期させるための、前記複数の処理ステーション全てに送るクロック信号を発する中央クロックシステムが備えられることを特徴とする、請求項1に記載の電子部品を処理するためのアセンブリ。 【請求項8】 電子部品を処理するための方法であり、以下の手順、すなわち、 -複数の処理ステーション(3)で同時に該電子部品を処理し; -該電子部品を一つの処理ステーション(3)から次の処理ステーションへとタレットのようなコンベヤ(2)を用いて搬送し; -前記処理ステーションを中央演算処理装置(5)から指揮する; という手順からなる方法であって、 さらに、以下の手順、すなわち、 -前記処理ステーション(3)のメモリー部分(720)に貯蔵されている前記処理ステーション(3)のタイプの認証を前記中央演算処理装置(5)により回収させるか、或いは前記中央演算処理装置(5)に伝送し、 -開始時間;終了位置;一本または幾本かの軸に沿った変位の値;速度;加速度;インデックス位置;あるいは軌道のうちの少なくとも二つを示すハイレベルのディジタル指令命令(75)を、前記中央演算処理装置(5)において発生し、 前記ハイレベルのディジタル指令命令(75)を、前記中央演算処理装置(5)と前記複数の処理ステーション(3)との間でディジタル信号バス(6)を介して伝送し、 -前記ハイレベルのディジタル指令命令(75)を前記処理ステーションにおいて解読することにより、前記処理ステーションのアクチュエータのための指令信号(74)を確定し、前記ディジタル指令命令の解読を、前記処理ステーション(3)の中の局所演算処理ユニットを用いて行い、そして、その解読内容に基づいて、前記処理ステーションのアクチュエータを駆動するためのアナログ信号を発生するという手順から成ることを特徴とする、電子部品を処理するための方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2018-04-11 |
出願番号 | 特願2010-542618(P2010-542618) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(G01R)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 菅藤 政明 |
特許庁審判長 |
小林 紀史 |
特許庁審判官 |
中塚 直樹 須原 宏光 |
登録日 | 2016-09-09 |
登録番号 | 特許第6001237号(P6001237) |
権利者 | イスメカ セミコンダクター ホールディング エス アー |
発明の名称 | 電子部品取り扱い処理用のアセンブリ及び方法 |
代理人 | 太田 恵一 |
代理人 | 清田 栄章 |
代理人 | 江崎 光史 |
代理人 | 中村 真介 |
代理人 | 清田 栄章 |
代理人 | 篠原 淳司 |
代理人 | 中村 真介 |
代理人 | 太田 恵一 |
代理人 | 江崎 光史 |
代理人 | 鍛冶澤 實 |
代理人 | 篠原 淳司 |
代理人 | 鍛冶澤 實 |