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審決分類 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する F16H
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F16H
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F16H
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F16H
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する F16H
管理番号 1341316
審判番号 訂正2018-390001  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2017-12-28 
確定日 2018-05-17 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4036066号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4036066号の明細書、及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4036066号(以下、「本件特許」という。)は、平成14年9月13日に出願され、平成19年11月9日に特許権の設定登録がされたものであって、平成29年12月28日に本件訂正審判請求がされ、その後、平成30年3月7日付けで訂正拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年3月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 平成30年3月30日付け手続補正書による訂正審判の審判請求書の補正、及びその適否
1 訂正審判の審判請求書の補正
平成30年3月30日付け手続補正書の補正の内容のうち、訂正の要旨に関する補正は、平成29年12月28日付け審判請求書の訂正事項のうち、訂正事項3、訂正事項4、及び訂正事項6を削除するものである。

2 補正の適否
審判請求書においては、訂正事項として訂正事項1?6を請求していたところ、上記審判請求書の補正は、当該訂正事項のうちの一部の訂正事項である、訂正事項3、訂正事項4、及び訂正事項6について削除する補正であるから、当該補正は、請求書の要旨を変更するものとはせず、当該補正を認める。

第3 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、審判請求書の請求の趣旨に記載されるとおり、特許第4036066号の明細書、及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものであって、前記「第2」のとおりであるので、その内容は次のとおりである。(審決注:下線部分が訂正箇所である。)

1 訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw<0.2の範囲内に設定した」とあるのを、
「前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw≦0.16の範囲内に設定した」に訂正する(請求項1を直接引用する請求項2においても同様に訂正する。)。

2 訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0007】に「前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw<0.2の範囲内に設定した」とあるのを、
「前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw≦0.16の範囲内に設定した」に訂正する。

3 訂正事項5
本件特許の明細書の段落【0016】に「応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.05以下になるとボール循環こまの寿命比が5以下の値となり」とあるのを、
「応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.05以下になるとボール循環こまの寿命比が5未満の値となり」に訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、応力集中緩和面の曲率半径Rとボールの直径Dwとの比の数値範囲について、「0.05<R/Dw<0.2」とされているのを、「0.05<R/Dw≦0.16」に狭めるものであるから、当該訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)の段落【0014】(【表1】)及び【図5】には、応力集中緩和面の曲率半径Rとボールの直径Dwとの比が、ボール循環こま「TP6」(R/Dwが0.06)、「TP7」(R/Dwが0.1)、及び「TP8」(R/Dwが0.16)では、ボール循環こまの寿命比がほぼ「5」の値をとることが示されているから、訂正事項1の「前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw≦0.16の範囲内に設定した」との事項は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、応力集中緩和面の曲率半径Rとボールの直径Dwとの比の数値範囲について、より狭くするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

(4)独立特許要件について
ア 訂正後の請求項1について
前記「(1)」のとおり、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、応力集中緩和面の曲率半径Rとボールの直径Dwとの比の数値範囲について、より狭くするものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により当該請求項に係る発明が特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。

イ 訂正後の請求項2について
訂正後の請求項2に係る発明は、訂正事項1により間接的に訂正されるものであるが、訂正後の請求項1に係る発明を更に限定したものであるから、当該請求項に係る発明について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、訂正事項1により特許法第36条第4項第1項又は第6項(第4号を除く)に規定する要件を満たさなくなるものでもない。

ウ 小括
以上のことから、訂正後の請求項1及び2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
前記「1(2)」と同様の理由により、訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項2は、特許請求の範囲の記載との整合を図るために、明細書の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

3 訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0016】には、「図5は、ボール循環こまTP1?TP14の寿命比とR/Dwとの関係を示す図である。同図から明らかなように、応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.05以下になるとボール循環こまの寿命比が5以下の値となり」と記載されているのに対して、後記「(2)」で述べるとおり、【図5】には、R/Dwが0.05以下の場合に寿命比が5未満であることが示されているから、明細書の発明の詳細な説明の記載と図面の記載とが対応しておらず、明瞭でないといえるところ、訂正事項5は、明細書の記載と図面の記載との整合を図るための訂正である。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
本件特許明細書等の段落【0014】(【表1】)、及び【図5】には、ボール循環こま「TP1」(R/Dwが0.0)、「TP2」(R/Dwが0.01)、「TP3」(R/Dwが0.03)、「TP4」(R/Dwが0.04)、及び「TP5」(R/Dwが0.05)の場合に寿命比が5未満であることが示されているから、訂正事項5の「応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.05以下になるとボール循環こまの寿命比が5未満の値となり」との事項は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項5は、図面に記載した事項との整合を図るために、明細書の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 当審が通知した訂正拒絶理由について
当審では、平成30年3月30日付けの手続補正書による補正前の訂正請求のうち、訂正事項3、4及び6は、特許法第126条第1項だたし書各号のいずかを目的としたものではなく、かつ、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものでもないから、訂正事項3、4及び6を含む本件訂正は不適法なものであって、これを認めることはできない旨を、平成30年3月7日付けの訂正拒絶理由で通知した。
しかし、前記「第2」に記載したように、平成30年3月30日付けの手続補正書の補正によって、訂正事項3、4及び6は、審判請求書の請求の理由から削除された結果、この訂正拒絶理由は解消した。

第5 まとめ
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項から第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ボールねじ用ボール循環こま及びボールねじ
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールねじのボールを無限循環させる部品として使用されるボール循環こまの改良に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械の送り装置などで使用されるボールねじは、外周面に螺旋状のボール軌道溝を有するねじ軸と、このねじ軸のボール軌道溝と対向する螺旋状のボール軌道溝を内周面に有する円筒状のナットと、このナットとねじ軸との間に組み込まれた多数のボールとからなり、ねじ軸またはナットの一方を軸回りに回転させると、ねじ軸とナットの両ボール軌道溝間に形成された螺旋状ボール転動路をボールが転動し、これによってナットまたはねじ軸が軸方向に直線運動するようになっている。
【0003】
このようなボールねじのナットまたはねじ軸を継続的に直線運動させるためには、ボールを無限循環させる必要があるが、ボールを無限循環させる部品として、ボール循環チューブを使用したボールねじでは、ボールの公転速度が大きくなるにつれて騒音や振動などが発生し易くなるなどの問題がある。また、ボール循環チューブをナットに固定するための平面部をナットの外周面に形成する必要があるため、コスト高を招くなどの問題もある。そこで、このような問題を解消するために、ボールを無限循環させる部品として、図6のようなボール循環こま19を使用したボールねじが下記の特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
独国実用新案第DE295048号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のボールねじでは、ボール循環こま19が樹脂で形成されているため、騒音や振動の発生を抑制することができる。また、チューブ式ボールねじのように、ボール循環チューブをナットに固定するための平面部をナットの外周面に形成する必要がないので、コストの上昇を抑制することができるが、次のような問題点を有していた。すなわち、上述したボールねじでは、図6のようなタング部19aをボール循環こま19に設け、このタング部19aでボールを掬い上げてナットに形成されたボール戻し通路に導入しているため、タング部19bの両側に形成されたV字状切込み部19bの隅部に応力集中が発生する。このため、切込み部19bの隅部に亀裂等が生じ、ボール循環こま19の破損に至るおそれがあった。
【0006】
本発明は上記のような問題点に着目してなされたものであり、切込み部の隅部に応力集中が発生することを抑制して耐久性および信頼性の向上を図ることのできるボールねじ用ボール循環こま及びこれを使用したボールねじを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、外周面に螺旋状のボール軌道溝を有するねじ軸と、前記ボール軌道溝に対応する螺旋状のボール軌道溝を内周面に有し且つ軸方向に貫通するボール戻し通路を有するナットと、前記ねじ軸または前記ナットの相対的な回転運動により前記ボール軌道溝間に形成された螺旋状ボール転動路を転動する多数のボールとを備えてなるボールねじに使用され、前記ボールを前記螺旋状ボール転動路から掬い上げるタング部を有し、前記タング部の両側に形成された切込み部の隅部に応力集中を緩和するためのスリットを設けたボール循環こまであって、前記スリットが円弧状の応力集中緩和面を有し、前記ボールの直径をDw、前記応力集中緩和面の曲率半径をRとしたとき、前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw≦0.16の範囲内に設定したことを特徴とする。
【0008】
このような構成によると、切込み部の隅部に発生する応力集中がスリットによって緩和され、切込み部の隅部に亀裂等が発生することを抑制できるので、ボール循環こまの耐久性と信頼性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1至図4は本発明の一実施形態を示す図であり、図1に示されるように、ボールねじ10のねじ軸11の外周面には、螺旋状のボール軌道溝12が形成されている。このボール軌道溝12はナット13の内周面に形成された螺旋状のボール軌道溝14と対向しており、ねじ軸11またはナット13の一方が軸回りに回転すると、ねじ軸11とナット13との間に組み込まれた多数のボール15がボール軌道溝12,14間に形成された螺旋状ボール転動路16を転動するようになっている。
【0010】
ナット13には、ボール15を戻すためのボール戻し通路17が形成されている。このボール戻し通路17はナット13の軸方向に貫通しており、ナット13の両端部には、螺旋状ボール転動路16とボール戻し通路17との間にボール15のリターン案内路18を形成するボール循環こま19が設けられている。
ボール循環こま19は樹脂を所定の形状に射出成形または切削加工して形成されており、ナット13の両端面に形成された凹陥部20(図2参照)に嵌め込まれている。また、ボール循環こま19はボール15を螺旋状ボール転動路16から掬い上げるためのタング部19a(図3及び図4参照)を有しており、このタング部19aの両側に形成されたV字状切込み部19bの隅部には、応力集中を緩和するためのスリット21がナット13の内周面に形成されたボール軌道溝14のリード角方向に沿って設けられている。
【0011】
スリット21は円弧状の応力集中緩和面21a(図4参照)を有しており、ボール15の直径をDw、応力集中緩和面21aの曲率半径をRとすると、両者の比は0.06<R/Dw<0.2の範囲内に設定されている。
上述のように、タング部19aの両側に形成された切込み部19bの隅部にスリット21を設けると、切込み部19bの隅部に発生する応力集中がスリット21によって緩和される。したがって、切込み部の隅部に亀裂等が発生することを抑制できるので、ボール循環こま19の耐久性と信頼性を向上させることができる。
【0012】
また、上述した実施形態のように、切込み部19bの隅部にスリット21をボール軌道溝14のリード角方向に沿って設けると、切込み部の隅部にスリットをねじ軸に対して垂直に設けた場合と比較して、タング部19aの削り代が少なくて済むので、タング部19aの機械的強度を大幅に低下させることなくボール循環こま19の耐久性と信頼性を向上させることができる。
【0013】
次に、ボール15の直径に対する応力集中緩和面21aの曲率半径R/Dwを0.05<R/Dw<0.2の範囲内に設定した理由について表1および図5を参照して説明する。
【0014】
【表1】

【0015】
本発明者らは、応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが表1に示す通りのボール循環こまTP1?TP14を作成し、これらのボール循環こまTP1?TP14を使用してボールねじの耐久性試験を使用ボールねじ名:NSKボールねじ(呼び番 40×40×1300)、使用試験機名:ボールねじ高速耐久試験機、最高回転数:7500min^(-1)、ストローク:1000mmの試験条件で行った。そして、各ボール循環こまに亀裂が生じるまでの時間を測定し、その測定結果を基に各ボール循環こまの寿命比を評価した。
【0016】
図5は、ボール循環こまTP1?TP14の寿命比とR/Dwとの関係を示す図である。同図から明らかなように、応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.05以下になるとボール循環こまの寿命比が5未満の値となり、早期破損に至ることがわかる。これは、応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.05以下になると、タング部両側の切込み部の隅部に応力集中が生じ、ボール循環こまに亀裂が生じるためである。
【0017】
また、応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.2以上になると、ボール循環こまの寿命比が5以下の値となり、早期破損に至ることがわかる。これは、応力集中緩和面21aの曲率半径比R/Dwが0.2以上になると、タング部の幅寸法が狭くなることによって強度が不足するためである。
したがって、応力集中を緩和してボール循環こまの耐久性を高めるためには、応力集中緩和面21aの曲率半径Rをボール15の直径Dwに対して0.05<R/Dw<0.2の範囲内に設定すればよいことがわかる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が実施可能である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、切込み部の隅部に発生する応力集中がスリットによって緩和され、切込み部の隅部に亀裂等が発生することを抑制できるので、ボール循環こまの耐久性と信頼性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、耐久性と信頼性の向上を図ることのできるボールねじを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボール循環こまを備えたボールねじの軸方向断面図である。
【図2】図1に示すナットの正面図である。
【図3】本発明に係るボール循環こまの一実施形態を示す斜視図である。
【図4】図3のボール循環こまを示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】ボール循環こまの寿命比と応力集中緩和面の曲率半径比との関係を示す図である。
【図6】従来のボール循環こまを示す図である。
【符号の説明】
10 ボールねじ
11 ねじ軸
12 ボール軌道溝
13 ナット
14 ボール軌道溝
15 ボール
16 螺旋状ボール転動路
17 ボール戻し通路
18 リターン案内路
19 ボール循環こま
19a タング部
19b 切込み部
20 凹陥部
21 スリット
21a 応力集中緩和面
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に螺旋状のボール軌道溝を有するねじ軸と、前記ボール軌道溝に対応する螺旋状のボール軌道溝を内周面に有し且つ軸方向に貫通するボール戻し通路を有するナットと、前記ねじ軸または前記ナットの相対的な回転運動により前記ボール軌道溝間に形成された螺旋状ボール転動路を転動する多数のボールとを備えてなるボールねじに使用され、前記ボールを前記螺旋状ボール転動路から掬い上げるタング部を有し、前記タング部の両側に形成された切込み部の隅部に応力集中を緩和するためのスリットを設けたボール循環こまであって、前記スリットが円弧状の応力集中緩和面を有し、前記ボールの直径をDw、前記応力集中緩和面の曲率半径をRとしたとき、前記応力集中緩和面の曲率半径と前記ボールの直径との比を、0.05<R/Dw≦0.16の範囲内に設定したことを特徴とするボール循環こま。
【請求項2】
請求項1記載のボール循環こまを備えたことを特徴とするボールねじ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2018-04-17 
結審通知日 2018-04-19 
審決日 2018-05-07 
出願番号 特願2002-268795(P2002-268795)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (F16H)
P 1 41・ 853- Y (F16H)
P 1 41・ 851- Y (F16H)
P 1 41・ 855- Y (F16H)
P 1 41・ 854- Y (F16H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 冨岡 和人  
特許庁審判長 平田 信勝
特許庁審判官 尾崎 和寛
小関 峰夫
登録日 2007-11-09 
登録番号 特許第4036066号(P4036066)
発明の名称 ボールねじ用ボール循環こま及びボールねじ  
代理人 松山 美奈子  
代理人 松山 美奈子  

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