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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C02F |
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管理番号 | 1341345 |
審判番号 | 訂正2018-390043 |
総通号数 | 224 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-08-31 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2018-03-05 |
確定日 | 2018-06-14 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6264503号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6264503号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?7〕、〔8?14〕について」)訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判に係る特許は、発明の名称を「粒子分別装置を備えた膜分離方法および装置」とする特許第6264503号(以下、「本件特許」という。)であって、平成29年3月31日(優先権主張 平成28年12月28日 シンガポール)を国際出願日とする特願2017-519590号の請求項1?14に係る発明について、平成30年1月5日に設定登録がなされたものである。 その後、本件特許に対し、平成30年3月5日に訂正審判の請求がなされ、平成30年4月12日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?14について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 2 訂正の内容 平成30年4月12日付けで手続補正された本件訂正審判に係る特許請求の範囲の訂正の内容は、以下に示す、訂正事項1?8である(これらを併せて「本件訂正」という。)。なお、下線は訂正箇所を示すものである。 (1)請求項1?7に係る訂正 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項5及び7も同様に訂正する。) イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項5及び7も同様に訂正する。) ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項5?7も同様に訂正する。) エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項4の記載を引用する請求項5?7も同様に訂正する。) (2)請求項8?14に係る訂正 ア 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項8に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項8の記載を引用する請求項14も同様に訂正する。) イ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項9に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項9の記載を引用する請求項14も同様に訂正する。) ウ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項10に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項10の記載を引用する請求項12?14も同様に訂正する。) エ 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項11に記載された「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と訂正する。(請求項11の記載を引用する請求項12?14も同様に訂正する。) 第3 当審の判断 1 請求項1?7に係る訂正(訂正事項1?4)について (1)訂正の目的の適否について 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1?4には、それぞれ「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」と記載されているが、「粒経」との用語は日本語として意味をなさず、本件特許の願書に添付された明細書の段落【0050】の「粒径範囲が0.03から0.4μm,ピーク0.1μmのサブミクロンの粒子」との記載や、段落【0048】?【0051】の「粒径」との記載も考慮すれば、「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」の誤記であることは明白である。 したがって、訂正事項1?4は、明白な誤記を本来の意味に正す訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。 (2)新規事項の有無について 本件特許の願書に最初に添付した明細書の段落【0050】にも「粒径範囲が0.03から0.4μm,ピーク0.1μmのサブミクロンの粒子」と記載されているため、訂正事項1?4は、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。 したがって、訂正事項1?4は、特許法第126条第5項に規定する要件を満たすものである。 (3)特許請求の範囲の実質的拡張又は変更の存否について 訂正事項1?4は、単なる誤記の訂正に過ぎないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではない。 したがって、訂正事項1?4は、特許法第126条第6項に規定する要件を満たすものである。 (4)独立特許要件の充足について 訂正前の特許請求の範囲の請求項1?7に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、上記(1)で指摘したとおり、訂正事項1?4に係る訂正は、特許請求の範囲における明白な誤記を訂正するものであり、新たな拒絶理由が生じるものではないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1?7に係る発明も、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。 したがって、訂正事項1?4は、特許法第126条第7項に規定する要件を満たすものである。 (5)一群の請求項について 訂正事項1?4に関連する請求項1?7は、訂正前の請求項5及び7が訂正前の請求項1?4を引用し、訂正前の請求項6が訂正前の請求項3及び4を引用するため、一群の請求項である。 したがって、訂正事項1?4は、特許法第126条第3項に規定する要件を満たすものである。 2 請求項8?14に係る訂正(訂正事項5?8)について (1)訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の実質的拡張又は変更の存否について 訂正事項5?8は、訂正事項1?4と同様に、「粒経範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」を「粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子」に訂正するものであるから、上記1(1)?(3)で検討したとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであって、同条第5項及び第6項に規定する要件を満たすものである。 (2)独立特許要件の充足について 訂正前の特許請求の範囲の請求項8?14に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、上記(1)で指摘したとおり、訂正事項5?8に係る訂正は、特許請求の範囲における明白な誤記を訂正するものであり、新たな拒絶理由が生じるものではないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項8?14に係る発明も、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。 したがって、訂正事項5?8は、特許法第126条第7項に規定する要件を満たすものである。 (3)一群の請求項について 訂正事項5?8に関連する請求項8?14は、訂正前の請求項12及び13が訂正前の請求項10及び11を引用し、訂正前の請求項14が訂正前の請求項8?11を引用するため、一群の請求項である。 したがって、訂正事項5?8は、特許法第126条第3項に規定する要件を満たすものである。 第4 結び 以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第3項、及び、同条第5項?第7項までの規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 固液分離のための膜分離装置と、 製造された少なくとも二つの分別固液混合体の流出口を有する粒子分別装置と を備え、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は、前記膜分離装置による膜分離の前に前記粒子分別装置に供され、 前記分別固液混合体の第一の分別水は前記粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口から前記膜分離装置に供され、当該第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されている 水処理装置。 【請求項2】 固液分離のための膜分離装置と、 製造された少なくとも二つの第一の分別固液混合体の流出口を有する第一の粒子分別装置と、 製造された少なくとも二つの第二の分別固液混合体の流出口を有する第二の粒子分別装置と、 を備え、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は、前記膜分離装置による膜分離の前に前記第一の粒子分別装置に供され、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口からの前記第一の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離装置に供され、当該第一の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されており、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの他の流出口からの前記第一の分別固液混合体の第二の分別水が前記第二の粒子分別装置に供され、 前記第二の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうち一つの流出口からの前記第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離装置に供され、当該第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記第一の分別固液混合体の第二の分別水よりも低減されている 水処理装置。 【請求項3】 固液分離のための膜分離装置と、 前記膜分離装置による膜分離を行う前の前処理のための反応槽と、 少なくとも二つの分別固液混合体の流出口を有する粒子分別装置と、を備え、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は、前記膜分離装置による膜分離の前に前記粒子分別装置に供給され、 前記分別固液混合体の第一の分別水は前記粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口から前記膜分離装置または前記前処理のための反応槽に供され、当該第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されている 水処理装置。 【請求項4】 固液分離のための膜分離装置と、 前記膜分離装置による膜分離を行う前の前処理のための反応槽と、 製造された少なくとも二つの第一の分別固液混合体の流出口を有する第一の粒子分別装置と、 製造された少なくとも二つの第二の分別固液混合体の流出口を有する第二の粒子分別装置と、 を備え、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は前記膜分離装置による膜分離の前に前記第一の粒子分別装置に供給され、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口からの前記第一の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離装置に供され、当該第一の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されており、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの他の流出口からの前記第一の分別固液混合体の第二の分別水は前記第二の粒子分別装置に供され、 前記第二の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうち一つの流出口からの前記第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離装置または前記前処理のための反応槽に供され、当該第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記第一の分別固液混合体の第二の分別水よりも低減されている 水処理装置。 【請求項5】 前記粒子分別装置は、少なくも一つのハイドロサイクロンを有する 請求項1から4のいずれか1項に記載の水処理装置。 【請求項6】 前記膜分離を行う前の前処理のための反応槽は、生物学的処理プロセスを含む 請求項3または4に記載の水処理装置。 【請求項7】 前記膜分離を行う前の前処理のための反応槽は、凝集処理のような物理化学処理プロセスを含む 請求項3から5のいずれか1項に記載の水処理装置。 【請求項8】 膜分離装置を用いた固液分離のための膜分離工程と、 少なくとも二つの分別固液混合体の流出口を有する粒子分別装置を用いて当該分別固液混合体を製造する分別工程と を有し、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は前記膜分離装置内の膜による前記膜分離工程に供される前に前記分別工程に供され、 前記分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離装置に供され、当該第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されている 水処理方法。 【請求項9】 膜分離装置を用いた固液分離のための膜分離工程と、 少なくとも二つの第一の分別固液混合体の流出口を有する第一の粒子分別装置を用いて当該第一の分別固液混合体を製造する第一の分別工程と、 少なくとも二つの第二の分別固液混合体の流出口を有する第二の粒子分別装置を用いて当該第二の分別固液混合体を製造する第二の分別工程と を有し、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は前記膜分離工程の前に前記第一の分別工程に供され、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口からの前記第一の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離工程に供され、当該第一の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されており、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの他の流出口からの前記第一の分別固液混合体の第二の分別水は前記第二の粒子分別装置に供され、 前記第二の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうち一つの流出口からの前記第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離工程に供され、当該第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記第一の固液混合体の第二の分別水よりも低減されている 水処理方法。 【請求項10】 膜分離装置を用いた固液分離のための膜分離工程と、 前記膜分離工程の前の前処理工程と、 少なくとも二つの分別固液混合体の流出口を有する粒子分別装置を用いて当該分別固液混合体を製造する分別工程と を有し、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は前記膜分離工程の前に前記分別工程に供され、 前記分別工程における粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口からの前記分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離工程または前記前処理工程に供され、当該第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されている 水処理方法。 【請求項11】 固液分離のための膜分離工程と、 前記膜分離工程の前の前処理工程と、 少なくとも二つの第一の分別固液混合体の流出口を有する第一の粒子分別装置を用いて当該第一の分別固液混合体を製造する第一の分別工程と、 少なくとも二つの第二の分別固液混合体の流出口を有する第二の粒子分別装置を用いて当該第二の分別固液混合体を製造する第二の分別工程と を有し、 粒径範囲が0.03?0.4μmのサブミクロン粒子を含む大きさの異なる粒子を含んだ液体は前記膜分離工程の前に前記第一の粒子分別装置に供され、 前記第一の粒子分別装置からの前記第一の分別固液混合体の第一の分別水は当該第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの一つの流出口から前記膜分離工程または前記前処理工程に供され、当該第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記液体よりも低減されており、 前記第一の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうちの他の流出口からの前記第一の分別固液混合体の第二の分別水は前記第二の粒子分別装置に供され、 前記第二の粒子分別装置の少なくとも二つの流出口のうち一つの流出口からの前記第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記膜分離工程または前記前処理工程に供され、当該第二の分別固液混合体の第一の分別水は前記サブミクロン粒子の含有量が前記第一の分別固液混合体の第二の分別水よりも低減されている 水処理方法。 【請求項12】 前記膜分離工程の前の前処理工程は、生物学的処理プロセスを含む請求項10または11に記載の水処理方法。 【請求項13】 前記膜分離工程の前の前処理工程は、凝集処理のような物理化学的処理プロセスを含む 請求項10または11に記載の水処理方法。 【請求項14】 前記粒子分別装置は、少なくも一つのハイドロサイクロンを有する 請求項8から13のいずれか1項に記載の水処理方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2018-05-18 |
結審通知日 | 2018-05-22 |
審決日 | 2018-06-04 |
出願番号 | 特願2017-519590(P2017-519590) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(C02F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 菊地 寛 |
特許庁審判長 |
大橋 賢一 |
特許庁審判官 |
宮澤 尚之 新居田 知生 |
登録日 | 2018-01-05 |
登録番号 | 特許第6264503号(P6264503) |
発明の名称 | 粒子分別装置を備えた膜分離方法および装置 |
代理人 | 太田 友幸 |
代理人 | 鵜澤 英久 |
代理人 | 小林 博通 |
代理人 | 鵜澤 英久 |
代理人 | 小林 博通 |
代理人 | 富岡 潔 |
代理人 | 太田 友幸 |
代理人 | 富岡 潔 |