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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1341492
審判番号 不服2018-1728  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-07 
確定日 2018-07-03 
事件の表示 特願2016-114626「ゲーム用記録媒体、及びゲーム機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月27日出願公開、特開2016-185340、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年7月28日(以下「優先日」という。)に出願した特願2011-165859号を先の出願として、平成24年6月18日付けで特許法第41条第1項に規定する優先権の主張を伴う特許出願とした特願2012-137315号の一部を、平成25年7月8日に特願2013-142837号として新たに出願し、さらにその一部を平成28年6月8日に特願2016-114626号として新たに出願されたものであって、同年7月7日付けで手続補正がされ、平成29年3月30日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月12日付けで手続補正がされ、同年6月27日付けで拒絶理由通知がされ、同年8月22日付けで意見書が提出され、同年8月30日付けで拒絶理由通知がされ、同年11月2日付けで意見書が提出され、同年11月9日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。



第2 原査定の概要
原査定(平成29年11月2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

この出願の請求項1-4に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2002-65936号公報
2.特開2007-130453号公報
3.特開2003-135852号公報



第3 本願発明
本願請求項1-4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明4」という。)は、平成28年7月7日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
キャラクタ画像に対応するキャラクタを定義するゲーム情報及び当該ゲーム情報を示す情報を含むコードが視認可能に印刷されたゲーム情報記録媒体の前記コードを介して前記ゲーム情報を取得してゲームで利用するゲーム機であって、
前記ゲーム情報に対応する前記キャラクタの前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現することにより、前記ゲーム情報を前記ゲームで利用する再現手段と、
前記再現手段によって再現された前記キャラクタ画像を利用した前記ゲームの結果に応じて前記ゲーム情報が変化した場合に、変化後ゲーム情報及び当該変化後ゲーム情報を示す情報を含む変化後コードが視認可能に印刷される変化後ゲーム情報記録媒体が前記ゲーム情報記録媒体とは別に生成されるように、前記変化後ゲーム情報を提供する変化後情報提供手段と、
を備え、
前記ゲームとして、前記キャラクタを育成する育成ゲームが採用され、
前記再現手段は、前記変化後ゲーム情報記録媒体が生成された後においても、当該変化後ゲーム情報記録媒体の生成の基礎とされた前記ゲーム情報記録媒体の前記コードを介して当該ゲーム情報記録媒体の前記ゲーム情報が取得された場合には、当該ゲーム情報に対応する前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現する、ことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
二次元コードを読み取って当該二次元コードに含まれる情報を取得可能な読み取り装置を更に備え、
前記変化後情報提供手段は、前記読み取り装置で読み取り可能なゲーム用二次元コードが前記変化後コードとして前記変化後ゲーム情報記録媒体に印刷されるように前記変化後ゲーム情報を提供する、請求項1に記載のゲーム機。
【請求項3】
キャラクタ画像に対応するキャラクタを定義するゲーム情報及び当該ゲーム情報を示す情報を含むコードが視認可能に印刷されたゲーム情報記録媒体の前記コードを介して前記ゲーム情報を取得してゲームで利用するゲーム機に組み込まれるコンピュータを、
前記ゲーム情報に対応する前記キャラクタの前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現することにより、前記ゲーム情報を前記ゲームで利用する再現手段、及び前記再現手段によって再現された前記キャラクタ画像を利用した前記ゲームの結果に応じて前記ゲーム情報が変化した場合に、変化後ゲーム情報及び当該変化後ゲーム情報を示す情報を含む変化後コードが視認可能に印刷される変化後ゲーム情報記録媒体が前記ゲーム情報記録媒体とは別に生成されるように、前記変化後ゲーム情報を提供する変化後情報提供手段として機能させるように構成され、
前記ゲームとして、前記キャラクタを育成する育成ゲームが採用され、
前記再現手段を、前記変化後ゲーム情報記録媒体が生成された後においても、当該変化後ゲーム情報記録媒体の生成の基礎とされた前記ゲーム情報記録媒体の前記コードを介して当該ゲーム情報記録媒体の前記ゲーム情報が取得された場合には、当該ゲーム情報に対応する前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現する手段として更に機能させるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。
【請求項4】
キャラクタ画像に対応するキャラクタを定義するゲーム情報及び当該ゲーム情報を示す情報を含むコードが視認可能に印刷されたゲーム情報記録媒体の前記コードを介して前記ゲーム情報を取得してゲームで利用するゲーム機に組み込まれるコンピュータに、
前記ゲーム情報に対応する前記キャラクタの前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現することにより、前記ゲーム情報を前記ゲームで利用する再現手順と、
前記再現手順によって再現された前記キャラクタ画像を利用した前記ゲームの結果に応じて前記ゲーム情報が変化した場合に、変化後ゲーム情報及び当該変化後ゲーム情報を示す情報を含む変化後コードが視認可能に印刷される変化後ゲーム情報記録媒体が前記ゲーム情報記録媒体とは別に生成されるように、前記変化後ゲーム情報を提供する変化後情報提供手順と、
を実行させ、
前記ゲームとして、前記キャラクタを育成する育成ゲームが採用され、
前記再現手順にて、前記変化後ゲーム情報記録媒体が生成された後においても、当該変化後ゲーム情報記録媒体の生成の基礎とされた前記ゲーム情報記録媒体の前記コードを介して当該ゲーム情報記録媒体の前記ゲーム情報が取得された場合には、当該ゲーム情報に対応する前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現する手順を更に実行させる、制御方法。」



第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、次の事項が記載されている。(下線は審決で付した。以下同じ。)

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイメージコード情報を読み取ってゲーム展開のためのデータを変更したり、新たなキャラクタを加えてゲームを展開させたりすることができるゲーム装置に関する。」

「【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1(a)にはゲーム装置1が示されている。このゲーム装置1はゲーム装置本体2にイメージコード読取手段としてのQRコードリーダ3を着脱可能に装着して構成されている。QRコードリーダ3はイメージコードとしてのQRコードを読み取ってデコードするもので、図2に示すように光学的読取手段としての二次元CCD4を有している。また、QRコードリーダ3は照明用のLED5を備えており、このLED5は読み取り対象部分であるQRコードの印刷部分を照明する。そして、二次元CCD4はLED5の反射光をレンズ6を介して受けて露光し、QRコードのパターンを記憶する。二次元CCD4に記憶されたQRコードのパターンは制御回路7により読み出されてデコードされ、イメージコード情報としてのQRコードのデコードデータはゲーム装置本体2に送られるようになっている。」

「【0016】さて、前記QRコードリーダ3によって読み取られるQRコードは、新規キャラクタを登録するためのガード、キャラクタの特技を登録するカード、キャラクタのアイテムを登録するためのカード、キャラクタのレベルを変化させるためのカード、ゲームのストーリーを変化させるためのカードなど、各種のカードに印刷されている。
【0017】上記カードのうち、新規キャラクタを登録するためのガード23は図1(b)に示されており、新規に登録するキャラクタのイメージ(姿)が上部にプリントされ、そのキャラクタのイメージの下方に、当該キャラクタの特性データを示すQRコードと、特性の一部を数字化して示す数値表示欄とが左右に並べてプリントされている。なお、この実施例では、QRコードに表された特性データには、キャラクタをイメージ化するためのデータが含まれているが、これについては後述する。
【0018】この図1(b)のカードのQRコードを図4(a)に示すが、当該QRコードによって表されるキャラクタの特性データには、同図(b)、(c)および(d)に示すように、レベル、体力、攻撃力および魔力などのデータと、画像表示用のデータと、キャラクタ合成用のデータとが含まれており、図示はしないが、その他にキャラクタの特技を示すデータ、キャラクタが持っているアイテムを示すデータなどが含まれている。」

「【0020】レベル、体力、攻撃力および魔力を示すデータ列のAAA以降の数字列のうち、最初の4桁はレベルを示し、以下、4桁ずつの数字が体力、攻撃力、魔力を示している。なお、レベルとは、ゲームでそのキャラクタが通過した難関の程度や数、或いは格闘して倒した相手や数などに応じて獲得する地位や変化した姿などをいう。攻撃力とは、キャラクタが持っている技のレベルや、パンチなど相手を倒すための攻撃手段の強さなどをいう。
【0021】また、画像表示用のデータ列のBBB以降の数字列のうち、最初の4桁は顔パラメータを示し、以下、4桁ずつの数字が胴体パラメータ、手足部パラメータ、表示角度パラメータを示している。そして、ゲームプログラムには、顔パターン、胴体パターン、手足部パターンがそれぞれ多数テーブル化して登録されており、CPU12は、そのテーブルデータから、画像表示用のデータのパラメータによって指定されたパターンを取り出して合成(合成手段)し、その合成パターンを表示角度パラメータによって指定された方向から見たイメージ(姿)を演算して液晶表示部9に表示するようにしている。
【0022】以上により、図1(b)に示すカード23に表示されたキャラクタがゲーム装置本体2に取り込まれて図1(a)に示すようにカード23に表示されているキャラクタと同一のキャラクタがゲーム装置本体2の液晶表示部9に表示されるものである。」

「【0034】さて、或る種のゲームでは、そのゲームの進行に伴ってキャラクタのレベルなどが高くなった場合、そのキャラクタの姿が変化したり、新しい特技やアイテムを獲得したり、新しいストーリーが展開されたりする。このゲーム装置1では、キャラクタ、特技やアイテム、新たなストーリーを展開するためのデータなどを物品、例えばカードにプリントすることができるようになっている。
【0035】そのカードへの印刷の一例を、ゲームに登場したキャラクタを印刷する場合に適用して説明する。なお、このキャラクタのカードへのプリントは、カード23によりゲーム装置本体2に登録した新たなキャラクタがゲーム展開によって成長して姿を変化させた場合、そのキャラクタをカードにプリントしたり、もともと登録されているキャラクタ、当該キャラクタの成長して姿を変えた場合などに適用できる。
【0036】カードへのプリントは、まず、キースイッチ10を操作してカード印刷モードに設定し、キャラクタを選択する。すると、ゲーム装置本体2のCPU12が選択されたキャラクタの特性データを抽出し、当該特性データを、QRコードに変換するためのデータにエンコードしてIrDAI/F回路18から出力する。
【0037】IrDAI/F回路18から出力されたエンコードデータはプリンタに受信される。このプリンタはゲームプログラムに記載されたと同様に、画像表示用データのパラメータに対応したパターンをテーブル化して記憶している。そして、プリンタはゲーム装置本体2から送信されたデコード信号を解析してキャラクタのイメージを作成し、カードにキャラクタのイメージおよびQRコードを印刷する。」

ここで、引用文献1の段落【0016】、【0017】に記載の「新規キャラクタを登録するためのガード」は、「新規キャラクタを登録するためのカード」の誤記であることは明らかである。
また、引用文献1の段落【0037】及び図1(b)を参照すると、新規キャラクタを登録するためのカードには、キャラクタのイメージ(姿)、当該キャラクタの特性データを示すQRコードと、特性の一部であるレベル、体力、攻撃力を数字化して示す数値表示欄がプリントされている点が示されている。

上記の記載を総合すると、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「イメージコード情報を読み取ってゲーム展開のためのデータを変更したり、新たなキャラクタを加えてゲームを展開させたりすることができるゲーム装置に関するものであって、
このゲーム装置1はゲーム装置本体2にイメージコード読取手段としてのQRコードリーダ3を着脱可能に装着して構成され、
QRコードリーダ3によって読み取られるQRコードは、新規キャラクタを登録するためのカード、キャラクタの特技を登録するカード、キャラクタのアイテムを登録するためのカード、キャラクタのレベルを変化させるためのカード、ゲームのストーリーを変化させるためのカードなど、各種のカードに印刷されており、
新規キャラクタを登録するためのカード23は、新規に登録するキャラクタのイメージ(姿)が上部にプリントされ、そのキャラクタのイメージの下方に、当該キャラクタの特性データを示すQRコードと、特性の一部であるレベル、体力、攻撃力を数字化して示す数値表示欄とが左右に並べてプリントされており、
当該QRコードによって表されるキャラクタの特性データには、レベル、体力、攻撃力および魔力などのデータと、画像表示用のデータと、キャラクタ合成用のデータとが含まれ、更に、キャラクタの特技を示すデータ、キャラクタが持っているアイテムを示すデータなども含まれており、
カード23に表示されたキャラクタがゲーム装置本体2に取り込まれてカード23に表示されているキャラクタと同一のキャラクタがゲーム装置本体2の液晶表示部9に表示され、
ゲームの進行に伴ってキャラクタのレベルなどが高くなった場合、そのキャラクタの姿が変化し、キャラクタをカードにプリントすることができるようになっており、
カード23によりゲーム装置本体2に登録した新たなキャラクタがゲーム展開によって成長して姿を変化させた場合、そのキャラクタおよびQRコードがカードにプリントされる、
ゲーム装置。」


2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、キャラクタカードに記録されたカード情報に基づいてゲームを実行するゲーム装置及びゲームシステムに関するものである。」

「【0016】
図1に示すように、ゲームシステム10は、サーバ12と、このサーバ12に周知の通信ネットワーク14を介して接続される複数のゲーム装置16とから構成される。このゲームシステム10は、ゲーム装置16によって発行されたキャラクタカード18を用いてゲームを実行する。
【0017】
図2に示すように、キャラクタカード18は、カード状の専用のメディア19の表面に、ゲームに登場するモンスターやアイテムなどのキャラクタ画像20、及びこのキャラクタカード18に関するカード情報がプリントされている。カード情報としては、キャラクタの体力や得意技などのキャラクタ情報21、入手難易度を表すカードランク22、最大発行枚数に対する発行順位を示すカードナンバー23などがある。また、メディア19の表面には、キャラクタカード18にプリントされたカード情報を、光学的に読み取り可能な符号化情報として表したバーコード24がプリントされている。」

「【0024】
ゲーム装置16の電気的な構成を示す図4において、ゲーム装置16の内部には、通信部46、バーコードリーダ48、プリンタ50、制御部52が設けられている。通信部46は、通信ネットワーク14に接続され、ゲーム装置16とサーバ12との間で行われる情報の送受信を中継する。バーコードリーダ48は、カードスロット42の内部に設けられ、カードスロット42にセットされたキャラクタカード18にプリントされたバーコード24からカード情報を読み取って、制御部52に出力する。
【0025】
プリンタ50としては、周知のインクジェットプリンタ、レーザープリンタ、サーマルプリンタなどが用いられる。プリンタ50は、メディア装填室54、搬送機構、印画ヘッド56を備えている。メディア装填室54には、キャラクタカード18のもとになる白紙状態のメディア19が装填される。搬送機構は、メディア装填室54から1枚ずつメディア19を取り出す取り出しローラ58や、メディア19を前面、背面の両面から挟み込みこんで搬送する搬送ローラ対60などから構成され、メディア装填室54から取り出したメディア19を、カード払い出し口44へ向けて搬送する。
【0026】
印画ヘッド56は、搬送中のメディア19に対してキャラクタ画像20、キャラクタ情報21、カードランク22、カードナンバー23、バーコード24をプリントする。これにより、新たなキャラクタカード18が発行され、このキャラクタカード18がカード払い出し口44から払い出される。」

「【0038】
ユーザーの認識が完了すると、キャラクタカード18が発行される。このとき、モニタ34には、ユーザーランクに応じて定められている上限以下のカードランクのキャラクタカード18であり、かつ、このユーザーに対して未発行であるキャラクタカード18のリストが表示される。ユーザーはリストの中から発行するキャラクタカード18を選択することができる。この選択されたキャラクタカード18が発行され、カード払い出し口44より払い出される。このキャラクタカード18には、キャラクタ画像20、キャラクタ情報21、カードランク22、カードナンバー23、バーコード24がプリントされている。また、キャラクタカード18の発行後は、発行履歴がサーバ12に記録される。
【0039】
この後、カードスロット42にキャラクタカード18をセットすると、バーコード24からカード情報が読み取られ、このカード情報に基づいてゲームを行うことができる。また、ゲームの開始時には、ユーザーIDに対応付けされたセーブデータがサーバ12から読み込まれ、前回の続きからゲームを再開できる。さらに、ゲーム終了時には、ゲーム結果、ゲーム結果に応じて格付けされたユーザーランクやキャラクタレベルを対応付けしたセーブデータがサーバ12に記録される。」

上記の記載を総合すると、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「キャラクタカードに記録されたカード情報に基づいてゲームを実行するゲーム装置であって、
キャラクタカード18は、カード状の専用のメディア19の表面に、ゲームに登場するモンスターやアイテムなどのキャラクタ画像20、及びこのキャラクタカード18に関するカード情報がプリントされており、カード情報としては、キャラクタの体力や得意技などのキャラクタ情報21があり、
キャラクタカード18にプリントされたカード情報を光学的に読み取り可能な符号化情報として表したバーコード24がプリントされており、
ゲーム装置16の内部には、通信部46、バーコードリーダ48、プリンタ50、制御部52が設けられており、
プリンタ50は、メディア装填室54、搬送機構、印画ヘッド56を備え、メディア装填室54には、キャラクタカード18のもとになる白紙状態のメディア19が装填され、
印画ヘッド56は、搬送中のメディア19に対してキャラクタ画像20、キャラクタ情報21、カードランク22、カードナンバー23、バーコード24をプリントし、これにより、新たなキャラクタカード18が発行され、このキャラクタカード18がカード払い出し口44から払い出され、
ユーザの認識が完了されて発行されるキャラクタカード18は、ユーザーランクに応じて定められている上限以下のカードランクのキャラクタカード18であり、かつ、このユーザーに対して未発行であるキャラクタカード18のリストから選択されたものであり、
カードスロット42にキャラクタカード18をセットすると、バーコード24からカード情報が読み取られ、このカード情報に基づいてゲームを行うことができ、また、ゲームの開始時には、ユーザーIDに対応付けされたセーブデータがサーバ12から読み込まれ、前回の続きからゲームを再開できる、
ゲーム装置。」


3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3には、次の事項が記載されている。

「【0002】
【従来の技術】従来、ゲーム中、任意の箇所、或いは予め定められたセーブ箇所にて、そのときのプレイ状況を表すセーブデータを、メモリカードやハードディスク記憶装置等の不揮発性記憶装置に保存できるようにしたコンピュータゲームシステムが知られている。こうしたコンピュータゲームシステムでは、不揮発性記憶装置からセーブデータを読み出し、該セーブデータに基づいてゲームを中断箇所から再開させることができるため、特に1プレイに長時間を要するゲームに必須の機能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうしたセーブデータは、プレイヤが不正に好ゲーム成績を収めるために用いられることがある。すなわち、ゲームが順調に進展しているうちにセーブデータを保存しておけば、その後、ゲーム操作に失敗して好ゲーム成績を収めることができない状況となっても、そのゲームを中断してから、先に保存しておいたセーブデータを読み出し、該セーブデータに基づいてゲームが順調に進展していた箇所からゲームを再開することができる。このため、セーブデータを活用しながら、プレイヤにとって納得のいくプレイを継ぎ接ぎにして好ゲーム成績を収めることができるのである。しかしながら、こうした不正なセーブデータの利用法を認めると、ゲームに緊張感が無くなり、ゲームの魅力を損ねる。」

上記の記載を総合すると、上記引用文献3には次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。

「ゲーム中、任意の箇所、或いは予め定められたセーブ箇所にて、そのときのプレイ状況を表すセーブデータを、メモリカードやハードディスク記憶装置等の不揮発性記憶装置に保存でき、
ゲームが順調に進展しているうちにセーブデータを保存し、その後、ゲーム操作に失敗して好ゲーム成績を収めることができない状況となっても、そのゲームを中断してから、先に保存しておいたセーブデータを読み出し、該セーブデータに基づいてゲームが順調に進展していた箇所からゲームを再開することができる、
コンピュータゲームシステム。」



第5 対比・判断
1 本願発明1について

(1)対比
本願発明1と引用発明1とを対比する。

後者の「新規に登録するキャラクタのイメージ(姿)」は、前者の「キャラクタ画像」に相当する。
また、後者の「新規キャラクタを登録するためのカード23」は、前者の「ゲーム情報記録媒体」に相当する。
また、後者の「キャラクタのイメージ(姿)」及び「特性の一部であるレベル、体力、攻撃力」は、いずれもキャラクタを特徴付けるものであり、前者の「キャラクタを定義するゲーム情報」に相当するといえる。
また、後者の「QRコードによって表されるキャラクタの特性データ」には、「レベル、体力、攻撃力」の「データ」、及び、「画像表示用のデータ」が含まれており、これらは、「特性の一部であるレベル、体力、攻撃力」及び「キャラクタのイメージ(姿)」を示すものであるから、当該「QRコード」は、前者の「当該ゲーム情報を示す情報を含むコード」に相当する。
また、後者において、上記の「特性の一部であるレベル、体力、攻撃力」、「キャラクタのイメージ(姿)」及び「QRコード」は、「新規キャラクタを登録するためのカード23」に「プリント」あるいは「印刷」されているから、それらの情報は、前者と同様、「視認可能に印刷された」ものといえる。
また、後者の「ゲーム装置」は、「イメージコード情報を読み取ってゲーム展開のためのデータを変更したり、新たなキャラクタを加えてゲームを展開させたりすることができるゲーム装置に関するもの」であり、新たなキャラクタを加える際には、当然、「レベル、体力、攻撃力」の「データ」、及び、「画像表示用のデータ」が含まれた「QRコード」が、「QRコードリーダ3によって読み取られる」から、当該「ゲーム装置」は、前者の「前記コードを介して前記ゲーム情報を取得してゲームで利用するゲーム機」に相当する。
また、後者においては、「カード23に表示されたキャラクタがゲーム装置本体2に取り込まれてカード23に表示されているキャラクタと同一のキャラクタがゲーム装置本体2の液晶表示部9に表示され」、「ゲームの進行に伴ってキャラクタのレベルなどが高くなった場合、そのキャラクタの姿が変化し」、「キャラクタがゲーム展開によって成長して姿を変化させ」るから、前者の「前記ゲーム情報に対応する前記キャラクタの前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現することにより、前記ゲーム情報を前記ゲームで利用する再現手段」に相当するものを有している。
また、後者においては、「カード23によりゲーム装置本体2に登録した新たなキャラクタがゲーム展開によって成長して姿を変化させた場合、そのキャラクタおよびQRコードがカードにプリントされ」るから、「前記再現手段によって再現された前記キャラクタ画像を利用した前記ゲームの結果に応じて前記ゲーム情報が変化した場合に、変化後ゲーム情報及び当該変化後ゲーム情報を示す情報を含む変化後コードが視認可能に印刷される変化後ゲーム情報記録媒体」が生成されているといえ、前者の「変化後ゲーム情報を提供する変化後情報提供手段」に相当するものを有している。
また、後者においては、上記のとおり、「キャラクタがゲーム展開によって成長して姿を変化させ」るから、前者と同様に、「前記ゲームとして、前記キャラクタを育成する育成ゲームが採用され」ているといえる。

したがって、両者の間には、次の一致点、相違点がある。

(一致点)
「キャラクタ画像に対応するキャラクタを定義するゲーム情報及び当該ゲーム情報を示す情報を含むコードが視認可能に印刷されたゲーム情報記録媒体の前記コードを介して前記ゲーム情報を取得してゲームで利用するゲーム機であって、
前記ゲーム情報に対応する前記キャラクタの前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現することにより、前記ゲーム情報を前記ゲームで利用する再現手段と
前記再現手段によって再現された前記キャラクタ画像を利用した前記ゲームの結果に応じて前記ゲーム情報が変化した場合に、変化後ゲーム情報及び当該変化後ゲーム情報を示す情報を含む変化後コードが視認可能に印刷される変化後ゲーム情報記録媒体が生成されるように、前記変化後ゲーム情報を提供する変化後情報提供手段と、
を備え、
前記ゲームとして、前記キャラクタを育成する育成ゲームが採用された、
ゲーム機。」

(相違点)
(相違点1)
本願発明1は、変化後ゲーム情報記録媒体が「ゲーム情報記録媒体とは別に」生成されるのに対し、引用発明1では、ゲーム装置本体2に登録した新たなキャラクタがゲーム展開によって成長して姿を変化させた場合、そのキャラクタおよびQRコードがプリントされるカードが、新規キャラクタを登録するためのカードとは別のものであるのか明らかではない点。
(相違点2)
本願発明1は、「前記再現手段は、前記変化後ゲーム情報記録媒体が生成された後においても、当該変化後ゲーム情報記録媒体の生成の基礎とされた前記ゲーム情報記録媒体の前記コードを介して当該ゲーム情報記録媒体の前記ゲーム情報が取得された場合には、当該ゲーム情報に対応する前記キャラクタ画像を前記ゲーム内に再現する」のに対し、引用発明1はそのような構成を有しない点。


(2)相違点についての判断

(相違点2について)
まず、上記相違点2について検討する。

まず、引用発明3についてみると、引用発明3は上記「第5 3」のとおりであって、引用発明3の「プレイ状況を表すセーブデータ」と、本願発明1の「キャラクタ画像に対応するキャラクタを定義するゲーム情報」とは、「ゲームに関する情報」との概念で共通する。
また、引用発明3の「メモリカードやハードディスク記憶装置等の不揮発性記憶装置」と、本願発明1の「ゲーム情報記録媒体」とは、「ゲームに関する情報が記録された媒体」との概念で一致する。
しかしながら、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は、引用発明3に示されていない。

次に、引用発明2についてみると、引用発明2は上記「第5 2」のとおりであって、引用発明2の「キャラクタ画像」は本願発明1の「キャラクタ画像」に相当し、以下同様に、「(「カード情報」に含まれる)キャラクタの体力や得意技などのキャラクタ情報」は、「キャラクタ画像に対応するキャラクタを定義するゲーム情報」に、「キャラクタカード18にプリントされたカード情報を光学的に読み取り可能な符号化情報として表したバーコード24」は「当該ゲーム情報を示す情報を含むコード」に、「キャラクタカード18」は「ゲーム情報記録媒体」に、それぞれ相当する。
しかしながら、引用発明2についても、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項が示されていないことは明らかである。

してみれば、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項は、引用発明2、3のいずれにも開示されていないし、これを示唆するものもない。

また、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。

そして、本願発明1は上記相違点2に係る発明特定事項を備えることによって、
「更に、印刷されたキャラクタカードKCには、キャラクタカードKCにて定義されるキャラクタの情報を含む二次元バーコードNBも含まれている。このため、このキャラクタカードKCを次回以降のゲームにて利用することができる。これにより、キャラクタの継続的育成、つまり継続的なゲームのプレイを促すことができるので、プレイ回数の増加を促すことができる。一方で、キャラクタの育成等、ゲーム結果に納得がいかない場合には、プレイ前のカードを利用して、育成し直すこともできる。この場合もゲームの再プレイに対する動機づけができるので、プレイ回数の増加を促すことができる。」(段落【0048】参照。)という作用効果を奏するものである。

したがって、上記相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明1ないし3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。


2 本願発明2-4について
本願発明2は、本願発明1を減縮した発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1ないし3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
本願発明3、4は、それぞれ、本願発明1に対応するコンピュータプログラム、制御方法の発明であるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1ないし3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。



第6 原査定について
上記「第2」のとおり、原査定は、本願発明1-4は、引用発明1ないし3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたというものであるが、上記「第5」のとおりであるから、本願発明1-4は、引用発明1ないし3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

したがって、原査定の理由を維持することはできない。



第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-06-18 
出願番号 特願2016-114626(P2016-114626)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 柴田 和雄  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 荒井 隆一
黒瀬 雅一
発明の名称 ゲーム用記録媒体、及びゲーム機  
代理人 山本 晃司  
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