ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
---|---|
管理番号 | 1341555 |
審判番号 | 不服2017-11061 |
総通号数 | 224 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2018-08-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2017-07-25 |
確定日 | 2018-07-17 |
事件の表示 | 特願2014-265014「情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月11日出願公開、特開2016-126419、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成26年12月26日の出願であって,平成28年11月2日付けで拒絶の理由が通知され,平成29年1月5日に手続補正がなされ,同年6月9日付けで拒絶査定(謄本送達日同年6月13日)がなされ,これに対して同年7月25日に審判請求がなされると共に手続補正がなされ,同年10月2日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成29年6月9日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1乃至9に係る発明は,以下の引用文献1乃至3に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2012-048428号公報 2.特開2014-142824号公報 3.特開2014-059772号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正(以下,「本件補正」という。)は,以下に示すとおり,特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 本件補正によって本件補正前の請求項1,8の 「前記作成手段は、アプリケーションのペアとなるライセンスファイルが前記情報処理装置に対応していない場合、当該アプリケーションが除外された前記インストールタスクリストを作成する」 という事項を 「前記作成手段は、前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」(以下,「補正事項」という。) と変更する補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるか,また,補正事項は,当初明細書の段落49乃至50及び58並びに図面の図11のステップS1102,S1104等に記載されているから,当該補正は新規事項を追加するものではないかについて検討する。 当該箇所には次の記載が認められる。 「【0049】 図11は、クイックインストールサービス209における、jarとlicのペア抽出処理のフローチャートである。まず、S1100において、ペア抽出処理が開始される。S1101において、インストール対象フォルダ850にある全てのライセンスファイルに対して次のチェックを行う。S1102において、ライセンスファイルに記載されるシリアル番号902が、インストール対象の画像形成装置のシリアル番号と一致するかどうかを判断する。あるいは、シリアル番号902がワイルドカード*指定されているかどうかを判断する。 【0050】 S1102の結果、一致する、もしくは、ワイルドカード指定の場合は、S1103に進み、ライセンスファイル候補リストに追加し、S1104に進む。S1102の結果、一致しない場合は、S1104に進み、全てのライセンスファイルをチェックしたかどうかを判断する。他にもライセンスファイルが残っている場合は、S1102に戻り引き続き処理を行う。こうして全てのライセンスファイルのチェックが完了した後、S1105に進む。この時点で、画像形成装置130で利用可能な、ライセンスファイル候補リストが作成されているので、次に、このライセンスファイルに対応するアプリを探索する。」 「【0058】 図13は、ホストバンドルとフラグメントバンドルを含むクイックインストールサービス209における、クイックインストールのフローチャートである。まず、S1300において、クイックインストール処理が開始される。S1301において、クイックインストールサービス209が、ストレージサービス210からのUSBメモリ挿入のイベント通知を検知すると、S1302において、アプリファイル(jar)とライセンスファイル(lic)のペア抽出を行う。このペア抽出の方法については、図11で示した方法と同じである。」 図11 上記記載によれば,クイックインストールサービス209において,jarとlicのペア抽出処理を行い,当該処理は,まず,ペア抽出処理が開始され,インストール対象フォルダ850にある全てのライセンスファイルに対して,当該ライセンスファイルに記載されるシリアル番号902が,インストール対象の画像形成装置のシリアル番号と一致するかどうかを判断し,その結果,一致すれば,ライセンスファイル候補リストに追加し,一致しない場合は,全てのライセンスファイルをチェックしたかどうかを判断し,全てのライセンスファイルのチェックが完了した時点で,画像形成装置130で利用可能な,ライセンスファイル候補リストが作成され,次に,このライセンスファイルに対応するアプリを探索することが読み取れる。(段落49乃至50) また,ホストバンドルとフラグメントバンドルを含むクイックインストールサービス209における,クイックインストールでは,クイックインストール処理が開始されるとクイックインストールサービス209が,ストレージサービス210からのUSBメモリ挿入のイベント通知を検知し,アプリファイル(jar)とライセンスファイル(lic)のペア抽出を行い,このペア抽出の方法については,上記方法と同じであることが読み取れる。 上記記載内容と上記補正事項とを対比するに,補正事項における,「第1の種別のアプリケーション」,「第2の種別のアプリケーション」,「可搬媒体」,「ライセンスファイル」及び「情報処理装置」は,上記記載内容においてそれぞれ,「ホストバンドル」,「フラグメントバンドル」(以上,jar),「USBメモリ」,「ライセンスファイル」(lic)及び「画像形成装置130」に対応する。上記記載内容によれば,「インストール対象フォルダ850にある全てのライセンスファイルに対して,当該ライセンスファイルに記載されるシリアル番号902が,インストール対象の画像形成装置のシリアル番号と一致するかどうかを判断し,その結果,一致すれば,ライセンスファイル候補リストに追加」した上で,「画像形成装置130で利用可能な,ライセンスファイル候補リストが作成され」ることから,補正事項において,「対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーション」については,当該ライセンスファイル候補リスト内には存在しない,すなわち,除外されるものであると理解される。したがって,補正事項の「前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」ことも,上記記載内容から読み取ることができるといえるから,当初明細書等に記載された事項であり,新規事項を追加するものではないといえる。 さらに,上記補正事項は,「作成手段」につき,「前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」ものであることを限定するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものといえる。 さらに,本件補正では,明細書の段落12,15及び42における,「従来技術を用いた」との語を削除する補正も含まれるが,当初明細書等の記載からみて,明らかな誤記の訂正とまではいえず,当該語の削除によって,新たな技術的事項が追加されるものではないので,新規事項を追加するとまではいえない。 そして,「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように,補正後の請求項1乃至9に係る発明は,独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 本願請求項1乃至9に係る発明(以下「本願発明1」乃至「本願発明9」という。)は,特許請求の範囲の請求項1乃至9に記載された,次のとおりのものと認める。 「 【請求項1】 情報処理装置であって、 第1の種別のアプリケーションと、前記アプリケーションの機能を拡張するため前記アプリケーションに付加される第2の種別のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを記憶する可搬媒体の接続を検知する検知手段と、 前記検知手段による検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成手段と、 前記作成手段により作成されたインストールタスクリストに基づき、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするインストール手段と、 前記インストール手段によるインストールの後、前記第2の種別のアプリケーションを有効化した後に、前記第1の種別のアプリケーションを開始する制御手段と、 を有し、 前記作成手段は、前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成することを特徴とする情報処理装置。 【請求項2】 前記可搬媒体に記憶されている複数のアプリケーションのうち、前記第1の種別に属するアプリケーションと、前記第2の種別に属するアプリケーションにグループ分けする手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記インストール手段は、前記第2の種別のアプリケーションを一旦仮インストールすることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記制御手段は、前記インストール手段が仮インストールした前記第2の種別のアプリケーションを有効化する際に、前記第1の種別のアプリケーションを停止し、停止した前記第1の種別のアプリケーションを前記有効化の後に開始することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記インストール手段は、前記第1の種別のアプリケーションが開始されている場合、前記第1の種別のアプリケーションの停止の後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールし、前記制御手段は、前記インストールの後、前記第1の種別のアプリケーションを開始することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記制御手段は、前記第1の種別のアプリケーションの開始が前記情報処理装置の再起動を必要とする場合、再起動後に前記第1の種別のアプリケーションを開始する状態にすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。 【請求項7】 前記第1の種別のアプリケーションおよび第2の種別のアプリケーションは、OSGi(Open Services Gateway Initiative)におけるホストバンドルに対応するアプリケーションおよびフラグメントバンドルに対応するアプリケーションであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。 【請求項8】 情報処理装置の制御方法であって、 第1の種別のアプリケーションと、前記アプリケーションの機能を拡張するため前記アプリケーションに付加される第2の種別のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを記憶する可搬媒体の接続を検知する検知ステップと、 前記検知ステップによる検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成ステップと、 前記作成ステップにより作成されたインストールタスクリストに基づき、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするインストールステップと、 前記インストールステップによるインストールの後、前記第2の種別のアプリケーションを有効化した後に、前記第1の種別のアプリケーションを開始する制御ステップと、 を有し、 前記作成ステップは、前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成することを特徴とする情報処理装置の制御方法。 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置をコンピュータで実現させるためのプログラム。」 第5 引用例,引用発明等 1 引用例1に記載された事項 原審における平成28年11月2日付けの拒絶理由(以下,これを「原審拒絶理由」という。)において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2012-48428号公報(平成24年3月8日公開。以下,これを「引用例1」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。 A 「【0001】 本発明は、コンピュータへのプログラムのインストールに関する。」 B 「【0004】 まず、図5に示すコンピュータ1は、例えば、パーソナルコンピュータである。そして、コンピュータ1は、図5に示すように、演算処理や、圧縮や解凍などのデータ処理や、コンピュータ1の各部の動作を制御する処理部11を有する。処理部11は、例えば、基板として構成され、CPU11aのような演算、処理用の素子を含む。」 C 「【0030】 図6(a)、図6(b)を用いて説明したように、従来、複数のインストール対象ファイルは、1つのファイルにまとめられていた(1ファイル化されていた)。複数のインストール対象ファイルを1ファイル化することで、解凍を行う対象の個数が少なくて済み、明瞭、簡易であるという利点はある。そして、プログラムモジュールD1(インストーラ)の実行を指示すると、プログラムモジュールD1によって、1ファイル化された複数のインストール対象ファイルD3の解凍や、記憶部12へのインストールが自動的に行われる。使用者は、専門的知識がなくても、複雑な操作をすることなくプログラムをコンピュータ1にインストールできる。 【0031】 しかし、1ファイル化されたインストール対象ファイルD3をコンピュータ1の記憶部12(HDD)等にインストールするとき、解凍処理を一気に行うため、1ファイル化された複数種のインストール対象ファイルD3の全て(全内容)を、記憶部12のテンポラリフォルダにいったん展開(解凍)してしまう必要がある。尚、図6(b)のように、プログラムモジュールD1まで一緒に圧縮されている場合、プログラムモジュールD1及び複数種のインストール対象ファイルD3も、記憶部12のテンポラリフォルダへの解凍を一気に行うことになる。 【0032】 そして、一時的な展開完了後、テンポラリフォルダ内のそれぞれのインストール対象ファイルD3はコピーされ(移動され)、本来のインストール先のフォルダに本格的に記憶される。しかし、このようなインストール方法では、テンポラリフォルダへの展開と、テンポラリフォルダから本来のインストール先フォルダへのコピーの、少なくとも2回、同じ内容(データ)の書込が行われる。従って、2重に時間を要し、2度手間となり、プログラムのインストールに時間を要してしまうという問題がある。」 D 「【0052】 (コンピュータ1) まず、図1に基づき、本発明の実施形態に係るコンピュータ1の概要を説明する。図1は本発明の実施形態に係るコンピュータ1の一例を示すブロック図である。 【0053】 まず、図1に示す本実施形態のコンピュータ1は、例えば、パーソナルコンピュータであり、図5を用いた従来例と同様、コンピュータ1は、記憶部12、RAM13、ディスプレイ14、入力部15、読取部16を含む。そして、図1に示す本発明の実施形態のコンピュータ1は、従来例として示した図5のコンピュータと同様でよい。そこで、図1において、従来例の図5と共通する部分には、同一の符号を付し、説明を援用するものとして説明を省略する。」 E 「【0057】 本実施形態でも、プログラムをコンピュータ1にインストールするためのインストール用データDは、例えば、インストール媒体17に記憶される。そこで、本実施形態でのインストール媒体17に格納されるインストール用データDの構成の一例を説明する。 【0058】 図2に示すように、インストール媒体17には、インストール用データDとしてプログラムモジュールD1、設定ファイルD2、インストール対象ファイルD3が別々に記憶される。 【0059】 プログラムモジュールD1は、プログラムをコンピュータ1にインストールするためのモジュールであり、インストーラである。プログラムモジュールD1は、インストールを行うためのプログラムといえる。そして、プログラムモジュールD1は、インストール媒体17に格納され、例えば、プログラムモジュールD1の実行指示が入力部15で行われると、プログラムモジュールD1は、インストール媒体17からRAM13に転送される。そして、処理部11を動作させ、インストールを実行させる。」 F 「【0065】 インストール媒体17に記憶されるインストール対象ファイルD3は、複数(複数種)である。又、目的、用途、言語等に応じ、インストール媒体17には更に複数のインストール対象ファイルD3が記憶される場合もある。このように、複数のインストール対象ファイルD3がインストール媒体17に記憶される(図1では、便宜上1つのみ図示)。 【0066】 そして、インストール対象ファイルD3は、例えば、順に、インストール媒体17からRAM13に転送される。処理部11は、RAM13に転送されたインストール対象ファイルD3を解凍し、記憶部12の予め定められた記憶先(インストール先)に記憶させる。この記憶先は、設定ファイルD2に定められる。 【0067】 そして、設定ファイルD2は、インストール対象ファイルD3のリストファイルである。プログラムモジュールD1に基づき、処理部11は、設定ファイルD2の記載内容を参照し、インストール対象ファイルD3の解凍や記憶部12への記憶処理を行わせる。例えば、設定ファイルD2は、iniファイルである。そこで、設定ファイルD2の内容を図2に例示する。」 G 「【0079】 このように、プログラムモジュールD1を修正することなく、設定ファイルD2の記述内容を修正するだけでインストール対象ファイルD3の追加、差し替えができる。従来、インストール対象ファイルD3の追加、差し替えを行う場合、インストール対象ファイルD3の1ファイル化を再度行う必要があったが、本発明では目的とするインストール対象ファイルD3の差し替えや追加と、設定ファイルD2の記述内容を僅かに修正、追加するだけで済む。これにより、煩雑な1ファイル化の処理がなくなり、インストール媒体17の提供までのプログラムの開発の効率を高めることができる。」 H 「【0083】 まず、図3のスタートの前段階では、プログラムのインストールのため、コンピュータ1の読取部16に、CDやDVDのディスクなどのインストール媒体17がセットされる。そして、コンピュータ1の入力部15を用い、プログラムモジュールD1(インストーラ)の実行が指示される。これにより、プログラムのインストールが開始される。このとき、プログラムモジュールD1は例えばRAM13に転送され、処理部11が、プログラムモジュールD1に基づいた処理を開始する(スタート)。」 I 「【0107】 又、インストール用データDは、インストール媒体17に格納され、コンピュータ1は、インストール媒体17を読み取る読取部16を備えるようにしてもよい。これにより、インストール媒体17からコンピュータ1の記憶部12に直接インストール対象ファイルD3等がインストールされる。従って、コンピュータ1にプログラムを高速にインストールすることができる。尚、インストール媒体17には、例えば、CD-ROMや、DVDの可搬性のあるディスク状のインストール媒体17を用いることができる。しかし、USBメモリ等の半導体メモリが用いられてもよい。」 上記記載事項A乃至Iより,引用例1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「コンピュータへのプログラムのインストールに関し, 従来のインストール方法では,テンポラリフォルダへの展開と,テンポラリフォルダから本来のインストール先フォルダへのコピーの,少なくとも2回,同じ内容(データ)の書込が行われ,2重に時間を要するといった課題を解決するものであり, コンピュータ1は,記憶部12,RAM13,ディスプレイ14,入力部15,読取部16及び処理部11を含み, インストール用データDがインストール媒体17に記憶され,前記インストール媒体17には,インストール用データDとしてプログラムモジュールD1,設定ファイルD2,インストール対象ファイルD3が別々に記憶され, 前記プログラムモジュールD1は,プログラムをコンピュータ1にインストールするためのインストーラであり, 前記インストール媒体17に記憶されるインストール対象ファイルD3は,複数(複数種)であって,目的,用途,言語等に応じ,複数のインストール対象ファイルD3が記憶され, 前記インストール対象ファイルD3は,順に,インストール媒体17からRAM13に転送され, 処理部11は,RAM13に転送されたインストール対象ファイルD3を解凍し,記憶部12の予め定められた記憶先(インストール先)に記憶させ,この記憶先は,設定ファイルD2に定められ,前記設定ファイルD2は,インストール対象ファイルD3のリストファイルであり,前記プログラムモジュールD1に基づき,設定ファイルD2の記載内容を参照し,インストール対象ファイルD3の解凍や記憶部12への記憶処理を行わせ, プログラムモジュールD1を修正することなく,設定ファイルD2の記述内容を修正するだけでインストール対象ファイルD3の追加,差し替えができ, コンピュータ1の読取部16にインストール媒体17がセットされ,コンピュータ1の入力部15を用い,プログラムモジュールD1(インストーラ)の実行が指示されると,プログラムのインストールが開始され, 前記インストール媒体17はUSBメモリ等の半導体メモリが用いられてもよい コンピュータ1。」 2 引用例2に記載された事項 原審拒絶理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2014-142824号公報(平成26年8月7日公開。以下,これを「引用例2」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。 J 「【0023】 図5は、フラグメントバンドルの概念の一例を示す図である。 ここでは、ユーザの指示に基づいて画像形成装置130が、ホストバンドル400に対し、フラグメントバンドル401と、フラグメントバンドル402とをインストールする場合の例について説明する。 ユーザは、画像形成装置130のホストバンドルにフラグメントバンドルをインストールするために、図5に示されるマニフェスト及びバンドルパーミッションを指定する必要がある。以下、ユーザが指定するマニフェスト及びバンドルパーミッションの一例について説明する。」 K 「【0026】 画像形成装置130が上記条件を満たす状態でフラグメントバンドルをインストールする場合、画像形成装置130のOSGi206は、フラグメントバンドルのマニフェスト情報からホストバンドルを特定する。そして、OSGi206は、ホストバンドルのクラスパスにフラグメントバンドル自身のクラスパスの追加を行う。ここで、「クラスパス」とは、画像形成装置130がJavaアプリを実行する際に、Java VM203がどの場所からクラスファイルを読み込めばよいかを指定するための情報である。更に、ホストバンドルのクラスローダは、フラグメントバンドル内の全てのクラスと、リソースとをロードする。ここで、「クラスローダ」とは、クラスのロードやリソースを検索するオブジェクトであり、全てのクラスはクラスローダによってJava VM203にロードされる。 ホストバンドルのクラスローダは、上記のロード処理をホストバンドル起動時に行うため、必ずホストバンドルを一度停止し、クラスパスを追加した上でロードする必要がある。つまり、画像形成装置130は、ホストバンドルを停止させた状態でなければ、フラグメントバンドルをインストールすることができない。」 L 「【0035】 S802で、インストール制御部208は、ホストバンドルがログインアプリであるか否かを判定し、ホストバンドルがログインアプリであると判定した場合、処理をS804に進める。一方、S802で、インストール制御部208は、ホストバンドルがログインアプリでないと判定した場合、処理をS805に進める。より具体的には、インストール制御部208は、アプリ管理部207が管理するアプリ管理情報に基づいてホストバンドルがログインアプリであるか否かを判定する。なお、ログインアプリは、上述したように画像形成装置130に複数インストールされていない限り、停止不可能なアプリである。本実施形態では、画像形成装置130にログインアプリが1つだけインストールされているものとして説明する。なお、S802の処理は、停止可能なアプリであるか否かを判定する判定処理の一例である。 S805の処理については上述した通りであるため、説明を省略する。 S804で、インストール制御部208は、ホストバンドルであるログインアプリが起動状態であるか否かを判定し、起動状態であると判定した場合、処理をS806に進める。一方、S804で、インストール制御部208は、起動状態でない(停止状態)と判定した場合、処理をS807に進める。より具体的には、インストール制御部208は、アプリ管理部207が管理するアプリ管理情報に基づいてホストバンドルであるログインアプリが起動状態であるか否かを判定する。 【0036】 S807で、インストール制御部208は、フラグメントバンドルのインストール処理を行い、S811で処理を終了する。なお、フラグメントバンドルのインストール処理についての詳細は、図5を用いて説明した通りであるため、説明を省略する。 S806で、インストール制御部208は、インストール対象であるフラグメントバンドルのjarファイル(以下、フラグメントファイルという)を、図8に示されるTMPフォルダに仮置きし、処理をS808に進める。なお、TMPフォルダは、HDD104やROM102等の記憶領域に格納されているフォルダである。 S808で、インストール制御部208は、図8で後述するinstall.onファイルを作成してROM102やHDD104等の記憶領域に格納し、処理をS809に進める。なお、S808の処理は、作成処理の一例である。 S809で、インストール制御部208は、アプリ管理部207に再起動指示ステータスを返却し、S811で処理を終了する。 【0037】 図8は、install.onファイルの一例を示す図である。なお、install.onファイルは、インストール指示ファイルの一例である。 install.onファイルのフォーマット900は、インストール対象のフラグメントバンドルのアプリケーションID901と、S806で仮置きされたフラグメントファイルのパス902との記載を含む。なお、アプリケーションID901は、識別情報の一例である。また、パス902は、保存場所情報の一例である。 install.onファイルの一例903に示されるように、install.onファイルには、1行毎に各フラグメントバンドルのアプリケーションID901と、フラグメントファイルのパス902とが対応付けられて記載される。ここで、アプリケーションID901と、フラグメントファイルのパス902とは、install.onファイルに複数記載されていてもよい。install.onファイルにアプリケーションID901と、フラグメントファイルのパス902とが複数記載されている場合、画像形成装置130は、後述する図9のフローチャートに従い、対象のフラグメントバンドル全てを順次インストールする。」 M 「【0040】 S1107で、OSGi拡張部211は、サービス起動順リストに従いサービスを順次起動させ、処理をS1108に進める。 S1108で、OSGi拡張部211は、ログインアプリを起動させ、処理をS1109に進める。 S1109で、OSGi拡張部211は、インストール制御部208を起動させ、S1110で処理を終了する。」 3 引用例3に記載された事項 原審拒絶理由において引用した,本願の出願前に既に公知である,特開2014-59772号公報(平成26年4月3日公開。以下,これを「引用例3」という。)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。 N 「【0026】 アプリケーション205、206は、画像形成装置130において各種処理をユーザに提供する。例えば、画像の加工や圧縮アプリケーション、印刷制限などの部門管理を行うアプリケーション、ログインユーザを管理するログインアプリケーションなどがある。フラッシュメモリ121を画像形成装置130に接続すると、USBインタフェース120がフラッシュメモリ121の接続を認識し、USBドライバ208を介して、USB制御管理部207に伝わる。フラッシュメモリ121の内容は、USBドライバ208を介してUSBインタフェース120に伝わり把握可能となる。なお、本実施形態では、画像形成装置に接続可能な可搬媒体として、USBメモリを用いているが、これに限定するものではない。」 O 「【0063】 [処理フロー] 次に図13は、画像形成装置1000に対してUSB1001が接続された際のインストーラ209の動作を示すフローチャートである。S1401において、インストーラ209は、USBドライバ208にUSB1001が接続されているかを問い合わせる。USB1001が接続されていない場合は(S1401にてNO)S1403に進み、インストーラ209は図9に示すフローに従ってアプリケーションのプレインストールを行う。 【0064】 一方、USB1001が接続されている場合は(S1401にてYES)S1402に進む。S1402において、インストーラ209は、USB1001内のPREINSTディレクトリに.preinstallファイルおよびライセンスファイルが格納されているかをUSBドライバ208に問い合わせる。各ファイルがある場合は、画像形成装置1000内にある同ファイルを使用せずにUSB1001内にある同ファイルを使用して、図9に示すフローに従って、プレインストールを実行する。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「コンピュータ1」は,本願発明1の「情報処理装置」に対応し,同「インストール媒体17」は,「USBメモリ等の半導体メモリが用いられてもよい」ことから本願発明1の「可搬媒体」に相当する。 (イ)引用発明の「インストール媒体17」には,「インストール用データDとしてプログラムモジュールD1,設定ファイルD2,インストール対象ファイルD3が別々に記憶され」ており,そのうち,「インストール対象ファイルD3」は,「複数(複数種)であって,目的,用途,言語等に応じ,複数のインストール対象ファイルD3が記憶され」ていることから,複数のインストール対象ファイルに対応したアプリケーションのうちいずれか1つを“第1の種別のアプリケーション”といい,それ以外を“第2の種別のアプリケーション”ということができる。そして,引用発明において,「コンピュータ1の読取部16にインストール媒体17がセットされ,コンピュータ1の入力部15を用い,プログラムモジュールD1(インストーラ)の実行が指示されると,プログラムのインストールが開始され」ることは,当該「インストール媒体17がセット」されたことを検知しているといえることから,引用発明と本願発明1の「第1の種別のアプリケーションと、前記アプリケーションの機能を拡張するため前記アプリケーションに付加される第2の種別のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを記憶する可搬媒体の接続を検知する検知手段」とは,下記の点で相違するものの“第1の種別のアプリケーションと,第2の種別のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを記憶する可搬媒体の接続を検知する検知手段”を有する点で一致する。 (ウ)引用発明の「設定ファイルD2」は,「インストール対象ファイルD3のリストファイルであり,前記プログラムモジュールD1に基づき,設定ファイルD2の記載内容を参照し,インストール対象ファイルD3の解凍や記憶部12への記憶処理」が行われることから,本願発明1の「インストールタスクリスト」に対応し,引用発明と本願発明1の「前記作成手段により作成されたインストールタスクリストに基づき、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするインストール手段」とは,下記の点で相違するものの,“インストールタスクリストに基づき、アプリケーションをインストールするインストール手段”を有する点で一致する。 (エ)以上,(ア)乃至(ウ)の検討から,引用発明と本願発明1とは,次の一致点及び相違点を有する。 〈一致点〉 情報処理装置であって, 第1の種別のアプリケーションと,第2の種別のアプリケーションとを含む複数のアプリケーションを記憶する可搬媒体の接続を検知する検知手段と, インストールタスクリストに基づき,アプリケーションをインストールするインストール手段と, を有する情報処理装置。 〈相違点1〉 本願発明1の「可搬媒体」に記憶される「第2の種別のアプリケーション」は,「前記アプリケーションの機能を拡張するため前記アプリケーションに付加される」ものであるのに対し,引用発明では,第1のアプリケーション及び第2のアプリケーションは記憶するものの,その両者の関係は明らかでない点。 〈相違点2〉 本願発明1が,「前記検知手段による検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成手段」を有し,当該「作成手段」が,「前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」ものであるのに対し,引用発明は,そのような手段を有しない点。 〈相違点3〉 本願発明1の「インストール手段」が,「前記作成手段により作成されたインストールタスクリストに基づき、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールする」ものであるのに対し,引用発明は,「設定ファイルD2の記載内容」が「参照」され,「インストール対象ファイルD3の解凍や記憶部12への記憶処理」が行われるものである点。 である点。 〈相違点4〉 本願発明1が,「前記インストール手段によるインストールの後、前記第2の種別のアプリケーションを有効化した後に、前記第1の種別のアプリケーションを開始する制御手段」を有するのに対し,引用発明はそのような手段を有しない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み,先に相違点2について検討するに,本願発明1は,画像形成装置(情報処理装置)の機能やユーザビィリティの向上を図るために,JAVA環境などの環境下で動作するアプリを作成し,画像形成装置にインストールすることで,当該アプリにより所望の機能を実現できることを背景とし(本願明細書段落2),USBメモリに代表されるようなフラッシュメモリの中にドライバソフトを配置しておき,該メモリが画像形成装置のようなデバイスに挿入されたことを検知して,該メモリの中に配置されたドライバソフトをインストールする仕組みが,従来提案されていた(同段落4)ものの,フラグメントバンドル(第2の種別のアプリケーション)は,単独では動作せず,ホストバンドル(第1の種別のアプリケーション)のクラスローダ空間にバンドル自身を追加(アタッチ)する形式のバンドルであり,このフラグメントバンドルをインストールする時には,ホストバンドルが停止していることがOSGiの規約として求められ(制限1),フラグメントバンドルは単独では動作しないので,インストール時には,必ずホストバンドルがインストールされている必要がある(制限2)といった制限があることを前提とし(同段落8),このような順番依存を考慮するときに,予めユーザがインストールする順番を記載した設定ファイルをフラッシュメモリの中に配置しておき,その順番に従ってインストールすることが考えられるものの,そのためには,フラッシュメモリ(USBメモリ)を用意するユーザがホストバンドルとフラグメントバンドルを認識する必要があり,ユーザにとっての負荷が発生するという課題があった(同段落9)ことを解決するものである。 そして,本願発明1の「前記検知手段による検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成手段」は,上記ユーザにとっての負荷の発生といった問題を解決する手段であり,さらに当該「作成手段」が,「前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」ものであることによって,ユーザが第1の種別のアプリケーション(ホストバンドル)と第2の種別のアプリケーション(フラグメントバンドル)を認識する必要がなくなるといった効果を奏するものである。 翻って引用発明は,「従来のインストール方法では,テンポラリフォルダへの展開と,テンポラリフォルダから本来のインストール先フォルダへのコピーの,少なくとも2回,同じ内容(データ)の書込が行われ,2重に時間を要するといった課題を解決」するものであって,「プログラムモジュールD1を修正することなく,設定ファイルD2の記述内容を修正するだけでインストール対象ファイルD3の追加,差し替えができ」るものであり,そもそも当該インストールにあたって,アプリケーションのインストール順などを認識する必要性が存在せず,また,本願発明1の「インストールタスクリスト」に対応する「設定ファイルD2」には,単にインストールすべきアプリケーションに係る情報が記録されているに過ぎないから,本願発明1のような「インストールタスクリスト」を作成する動機付けも無かったといえる。 したがって,上記その余の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明,引用例2及び3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2乃至7について 本願発明2乃至7は,本願発明1を直接乃至間接的に引用するものであって,本願発明1の「前記検知手段による検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成手段」及び当該「作成手段」が,「前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」のと同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても引用発明,引用例2及び3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3 本願発明8,9について 本願発明8は,本願発明1に対応する方法の発明であり,本願発明9は,本願発明1乃至7に対応するプログラムに関する発明であって,本願発明1の「前記検知手段による検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成手段」及び当該「作成手段」が,「前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」のに対応する構成を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても引用発明,引用例2及び3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第7 原査定について <特許法第29条第2項について> 本件補正により,本願発明1乃至9は実質的に「前記検知手段による検知に応じて、前記第1の種別のアプリケーションを先にインストールし、その後、前記第2の種別のアプリケーションをインストールするという順番を規定したインストールタスクリストを作成する作成手段」及び当該「作成手段」が,「前記第1の種別のアプリケーションおよび前記第2の種別のアプリケーションの夫々のアプリケーションのペアとなる、前記可搬媒体に記憶されたライセンスファイルが前記情報処理装置に対応しているか否か確認し、対応していないライセンスファイルのペアとなる前記第1の種別および/または第2の種別のアプリケーションを除外した前記インストールタスクリストを作成する」という事項を有するものとなっており,当業者であっても引用発明,引用例2及び3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第8 むすび 以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-07-03 |
出願番号 | 特願2014-265014(P2014-265014) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 坂庭 剛史 |
特許庁審判長 |
仲間 晃 |
特許庁審判官 |
山崎 慎一 辻本 泰隆 |
発明の名称 | 情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム |
代理人 | 岡部 讓 |
代理人 | 齋藤 正巳 |
代理人 | 越智 隆夫 |
代理人 | 吉澤 弘司 |