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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1341667
審判番号 不服2017-7250  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-05-19 
確定日 2018-07-17 
事件の表示 特願2014- 30003「情報表示装置、情報配信装置、情報表示方法、情報表示プログラムおよび情報配信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月27日出願公開、特開2015-156057、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年2月19日の出願であって、平成28年8月2日付けで拒絶理由通知がされ、同年10月6日付けで意見書の提出とともに手続補正がされ、平成29年2月17日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年5月19日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成30年4月26日付けで拒絶理由通知がされ、同年5月28日付けで手続補正がされたものである。

第2 本願発明
本願請求項1-8に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は、平成30年5月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1および本願発明5は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
所定のコンテンツを画面に表示する表示部と、
前記表示部に表示されたコンテンツの任意の位置をダブルタップするダブルタップ操作を検出する検出部と、
前記検出部が前記ダブルタップ操作を検出した後で、接触位置が前記画面の第一の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続し、その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける変更部と
を有することを特徴とする情報表示装置。

【請求項5】
配信されたコンテンツを画面に表示する情報表示装置に対する操作のうち、当該情報表示装置が表示するコンテンツの任意の位置をダブルタップするダブルタップ操作を検出する検出部と、
前記検出部が前記ダブルタップ操作を検出した後で、接触位置が前記画面の第一の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツを順次拡大または縮小させたコンテンツを前記情報表示装置へ配信し、その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを順次回転させたコンテンツを前記情報表示装置へ配信する配信部と
を有することを特徴とする情報配信装置。」

なお、本願発明2-4,6-8の概要は以下のとおりである。
本願発明2-4は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明6、8は、それぞれ本願発明1、5に対応する方法の発明であり、本願発明7は、本願発明1に対応するプログラムの発明であり、本願発明1、5とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第3 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1(米国特許出願公開第2013/0055119号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている。
なお、括弧内は当審でした仮翻であり、以下の検討においては仮翻を用いる。

a.段落[0033]の記載
「[0033] Attention is now directed toward embodiments of portable devices with touch-sensitive displays. FIG. 1A is a block diagram illustrating portable multifunction device 100 with touch-sensitive displays 112 in accordance with some embodiments. Touch-sensitive display 112 is sometimes called a “touch screen” for convenience, and may also be known as or called a touch-sensitive display system. Device 100 may include memory 102 (which may include one or more computer readable storage mediums), memory controller 122, one or more processing units (CPU's) 120, peripherals interface 118, RF circuitry 108, audio circuitry 110, speaker 111, microphone 113, input/output (I/O) subsystem 106, other input or control devices 116, and external port 124. Device 100 may include one or more optical sensors 164. These components may communicate over one or more communication buses or signal lines 103.」
(訳:
[0033] ここでは、タッチ感応型ディスプレイを有するポータブル装置の実施形態に注意が向けられている。図1Aは、いくつかの実施形態に従って、タッチ感応型ディスプレイ112を有するポータブル装置100を説明するブロックダイアグラムである。タッチ感応型ディスプレイ112は、便宜上「タッチスクリーン」と時々呼ばれること、あるいは、タッチ感応型ディスプレイシステムと呼ばれたりすることも同じく知られているかもしれない。装置100は、(1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含むかもしれない)メモリ102と、メモリコントローラー122と、1つ以上の処理ユニット(CPU’s)120と、周辺機器インターフェース118と、RF回路108と、オーディオ回路110と、スピーカー111と、マイクロフォン113と、入出力(I/O)サブシステム106と、その他の入力あるいは制御装置116と、外部ポート124とを有するかもしれない。装置100は、1つ以上の光学センサー164を有するかもしれない。これらのコンポーネントは、1つ以上の通信バスあるいは信号線103を介して通信可能である。)

b.段落[0041]の記載
「[0041] Touch-sensitive display 112 provides an input interface and an output interface between the device and a user. Display controller 156 receives and/or sends electrical signals from/to touch screen 112. Touch screen 112 displays visual output to the user. The visual output may include graphics, text, icons, video, and any combination thereof (collectively termed “graphics”). In some embodiments, some or all of the visual output may correspond to user-interface objects.」
(訳:
[0041] タッチ感応型ディスプレイ112は、装置とユーザとの間における、入力インターフェースと出力インターフェースを提供する。ディスプレイコントローラー156は、タッチスクリーン112からの/に向けた電気信号を受信及び/又は送信する。タッチスクリーン112は、ユーザに向けて視覚的出力を表示する。視覚的出力は、グラフィックス、テキスト、アイコン、ビデオと、それらを組み合わせたもの(統合して「グラフィックス」と呼ばれる)を含むかもしれない。いくつかの実施形態では、視覚的出力のいくつか又はすべては、ユーザインターフェース・オブジェクトに対応するかもしれない。)

c.段落[0163]の記載。
「[0163] FIG. 5E shows page 500-1 with page indicator 504 and tray 506. Gesture 516 is detected on a location on touch-sensitive display 112 corresponding to page indicator 504. In some embodiments, gesture 516 is a double tap and hold gesture (i.e., a tap on touch-sensitive display 112 with liftoff, and then a finger contact is tapped onto touch-sensitive display 112 and maintained). For convenience, the maintained finger contact in gesture 516 is referred to as finger contact 516 in the Figures. In response to the detection of gesture 516, selection object 518 and selection marker 521 are displayed, as shown in FIG. 5F. Selection marker 521 is displayed around icon 502-1. In some embodiments, selection object 518 is centered on gesture 516 and is displayed in proximity to page indicator 504.」
(訳:
[0163] 図5Eは、ページインジケータ504とトレイ506を有するページ500 - 1を示している。ジェスチャ516は、ページインジケータ504に対応するタッチ感応型ディスプレイ112上の位置に検出される。いくつかの実施態様においては、ジェスチャ516は、ダブルタップアンドホールドジェスチャである(すなわち、リフトオフを伴うタッチ感応型ディスプレイ112上へのタップと、その後に、指接触がタッチ感応型ディスプレイ112上でタップされ、そして保持される)。便宜上、ジェスチャ516における保持された指接触は、図において指接触516として参照される。図5Fに示されるように、ジェスチャ516の検出に応答して、選択オブジェクト518及び選択マーカー521が表示される。選択マーカー521は、アイコン502 - 1の周囲に表示される。いくつかの実施形態においては、選択オブジェクト518は、ジェスチャ516上に中心があり、ページインジケータ504の近傍に表示される。)

d.段落[0169]-[0175]の記載。
「[0169] FIG. 5I illustrates camera interface 522 displayed on touch-sensitive display 112 of device 100. Camera interface 522 includes live preview (or “viewfinder”) area 524, where live image preview 532 is displayed, and shutter button 526. In some embodiments, other user interface objects, such as still image-video toggle switch 528 and camera roll icon 530, are included in camera interface 522.
[0170] Gesture 534 is detected on a location on touch-sensitive display 112 corresponding to shutter button 526. In some embodiments, gesture 534 is a tap and hold gesture (i.e., a finger contact is tapped onto touch-sensitive display 112 and maintained). For convenience, the maintained finger contact in gesture 534 is referred to as finger contact 534 in the Figures. In response to the detection of gesture 534, function object 536 and zoom level bar 540, with zoom level indicator 542, are displayed, as shown in FIG. 5J. In some embodiments, function object 536 is centered on gesture 534 and is displayed in proximity to shutter button 526.
[0171] Function object 536 is associated with three concentric areas 512 that may be hidden. The three concentric areas are centered on function object 536. Each concentric area 512 corresponds to a respective relative speed. The center-most area 512-A corresponds to a slow speed. The next area 512-B corresponds to a medium speed. The outermost area 512-C corresponds to a fast speed.
[0172] Movement 538 of gesture 534 is detected. In response to the detection of movement 534, live image preview 532 is zoomed (in or out) to a different level in accordance with the direction of movement 538. The zooming continues as long as contact 534 is maintained. For example, in FIG. 5K, live image preview 532 is zoomed to a larger size, as indicated by a different position of zoom level indicator 542 along zoom level bar 540.
[0173] As gesture 534 moves, finger contact 534 is positioned in one of the concentric areas 512. The speed of the zooming varies with the position of contact 534 of gesture 534 with respect to the concentric areas 512. If contact 534 is positioned in area 512-A, the zooming is relatively slow. If contact 534 is positioned in area 512-B, the zooming is at a “medium” speed. If contact 534 is positioned in area 512-C, the zooming is at a “fast” speed. In some embodiments, the position of contact 534 is determined based on the centroid of the maintained contact 534.
[0174] In FIG. 5K, contact 534 is positioned in area 512-C. In response, the zooming is faster. For example, live image preview 532 is zoomed to a larger level at the fast speed, as shown in FIG. 5L. With the ceasing of gesture 534 (e.g., liftoff of contact 534), the zooming stops and function object 536 ceases to be displayed.
[0175] In some embodiments, if contact 534, after some movement, stops moving but is not lifted off, then live image preview 532 is zoomed in or out (in accordance with the direction of the stopped movement) at a speed based on the position of contact 534 with respect to concentric areas 512. 」
(訳:
[0169] 図5Iは、装置100のタッチ感応型ディスプレイ112に表示されているカメラインターフェース522を示している。カメラインターフェース522は、ライブ画像プレビュー532が表示されるライブプレビュー(または「ビューファインダ」)領域524と、シャッターボタン526とを備えている。いくつかの実施形態においては、静止画-ビデオのトグルスイッチ528やカメラロールアイコン530のような、その他のユーザインターフェース・オブジェクトがカメラインターフェース522に含まれる。
[0170] ジェスチャ534は、シャッターボタン526の位置に対応するタッチ感応型ディスプレイ112上の位置に検出される。いくつかの実施態様においては、ジェスチャ534は、タップアンドホールドジェスチャである(すなわち、指接触は、タッチ感応型ディスプレイ112上でタップされ、保持される)。便宜上、ジェスチャ534での保持された指接触は、図において指接触534として参照される。図5Jに示されるように、ジェスチャ534の検出に応答して、ズームレベルインジケータ542とともに、機能オブジェクト536およびズームレベルバー540が表示されている。いくつかの実施形態においては、機能オブジェクト536は、ジェスチャ534上に中心があり、シャッターボタン526の近傍に表示される。
[0171] 機能オブジェクト536は、隠すことができる3つの同心領域512に関連付けられている。3つの同心領域は、機能オブジェクト536を中心としている。各同心領域512はそれぞれの相対的な速度に対応する。最中央領域512-Aはゆっくりとした速度に対応している。次の領域512-Bは中速度に対応する。最外周領域512-Cは高速度に対応する。
[0172] ジェスチャ534の動作538が検出される。動作534の検出に応答して、ライブ画像プレビュー532は、動作538の向きに応じて異なったレベルのズーム(イン又はアウト)処理となる。ズーム処理は接触534が維持される限り継続する。例えば、図5Kにおいて、ズームレベルバー540に沿って異なる位置のズームレベルインジケータ542によって指示されるように、ライブ画像プレビュー532は、より大きなサイズにズームされる。
[0173] ジェスチャ534の移動に伴って、指接触534は、同心領域512のうちの1つに配置されている。ズーム処理の速度は、同心領域512に対するジェスチャ534の接触534の位置に応じて変化する。接触534が領域512-Aに位置する場合、ズーム処理は比較的遅い。接触534が領域512-Bに位置する場合、ズーム処理が「中」の速度になる。接触534が領域512-Cに位置する場合、ズーム処理が「速い」速度となる。いくつかの実施形態においては、接触534の位置は、保持されている接触534の重心に基づいて決定される。
[0174] 図5Kにおいて、接触534は領域512-Cに位置している。これに応答して、ズーム処理がより速くなる。図5Lに示すように、例えば、ライブ画像プレビュー532は、速い速度で大きなレベルまでズームされる。ジェスチャ534を終わらせる(例えば、接触534のリフトオフ)ことで、ズーム処理が停止し、機能オブジェクト536の表示が終了する。
[0175] いくつかの実施形態においては、もし接触534が、いくらかの移動した後、移動を停止するものの、リフトオフされていない場合には、ライブ画像プレビュー532は、同心領域512に対する接触534の位置に基づいた速度により、(停止された移動の方向に応じて)ズームインまたはアウトされる。)

したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

〈引用発明〉
「ユーザに向けて、グラフィックス、テキスト、アイコン、ビデオなどの視覚的出力を表示するタッチ感応型ディスプレイを有するポータブル装置であって、
少なくとも、ライブ画像プレビューが表示されるライブプレビュー領域と、シャッターボタンとを備えるカメラインターフェースを表示するタッチ感応型ディスプレイと、
前記タッチ感応型ディスプレイに表示されたシャッターボタンに対応する位置を指接触でタップして保持するジェスチャを検出する手段と、
前記ジェスチャの検出に応答して、ズームレベルインジケータとともに、機能オブジェクトおよびズームレベルバーが表示され、前記ジェスチャの動作の向きに応じて異なったレベルのズーム(イン又はアウト)処理となり、ズーム処理はジェスチャの指接触が保持される限り継続し、指接触のリフトオフにより前記ジェスチャを終わらせることで、ズーム処理が停止し、機能オブジェクトの表示が終了する手段と
を有するポータブル装置」

2.引用文献2について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2011-028635号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

e.段落0023-0062の記載。
「【0023】
<1.第1の実施形態>
[表示制御の概要]
まず、図1および図2に基づいて、本発明の実施形態にかかる表示制御装置により制御された画面の表示処理について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかる表示制御装置により画面スクロール処理が実行されているときのユーザの操作状態および画面の表示状態を示す説明図である。図2は、本実施形態にかかる表示制御装置によりのズーム率変更処理が実行されているときのユーザの操作状態および画面の表示状態を示す説明図である。
【0024】
本実施形態では、図1に示すようなモバイルデバイス200において、モバイルデバイス200を保持する手で操作体を画面上で動作させることにより、操作体の動作に関連付けられた操作処理を実行する表示制御装置について説明する。モバイルデバイス200は、表示面210に操作体が接触したか否かを検出する検出部を備えており、検出部による検出値から画面上での操作体の動作を解析することができる。本実施形態では、操作体である指Fを表示面210上で上下左右にドラッグさせる指Fの移動によって画面のスクロール操作を行うことができ、指の接触位置を移動させるという指Fの移動によって表示画像のズーム率変更操作を行うことができる。表示制御装置は、指Fの動きや接触位置に基づいて、ユーザが画面のスクロール操作と表示画像のズーム率変更操作とのうちいずれの操作を行っているかを推定し、推定された操作処理を指Fの動きに基づき実行する。なお、以下において、指の接触位置とは、指が表示面に接触する接触領域における重心位置を指すとする。
【0025】
具体的には、図1に示すように、表示面210に接触させた指Fを大きく移動させている場合には、表示制御装置は画面のスクロール処理を実行する。指Fが表示面210に接触された状態で指Fが左右方向にドラックされると、表示面210に表示された画像が左右方向にスクロールされ、指Fが上下方向にドラックされると、表示面210に表示された画像が上下方向にスクロールされる。一方、図2に示すように表示面210に指Fを押し込んだり指Fを倒したりして、指Fを移動させることで、ユーザは、表示画像のズーム率変更処理を実行させることができる。
【0026】
本実施形態の表示制御装置は、指Fが表示面210に接触されてから、指Fの接触位置が所定の領域に所定時間より長く位置していることを検出すると、指Fのドラッグ動作によって実行される操作処理を画面スクロール処理からズーム率変更処理に切り換える。これにより、1つの操作体の動作に異なる操作処理が対応付けられている場合にも、実行させる操作処理を容易に切り換えることができる。特に、図1および図2に示すようなモバイルデバイス200に本実施形態にかかる表示制御装置を備えることにより、ユーザは片手でモバイルデバイス200を保持した状態で、1本指操作によって画面スクロールと表示画像のズーム率の変更とを行うことができる。以下、図3?図8に基づいて、本実施形態にかかる表示制御装置とこれを用いた表示制御方法について、詳細に説明する。
【0027】
[表示制御装置の機能構成]
まず、図3に基づいて、本実施形態にかかる表示制御装置100の機能構成について説明する。なお、図3は、本実施形態にかかる表示制御装置100の構成を示す機能ブロック図である。本実施形態にかかる表示制御装置100は、検出部110と、モード切換判定部120と、位置算出部130と、タイマー部140と、スクロール処理部150と、ズーム処理部160と、表示部170と、記憶部180とを備える。
【0028】
検出部110は、操作体が表示面210に接触したか否かを判定する。検出部110には、例えばタッチパネルを用いることができ、静電容量の変化を検出するセンサや、表示部170にかかる圧力を検出するセンサ、光量の変化(影の濃さ)を検出することで操作体の近接を検知する光学方式のセンサ等を用いて構成することができる。検出部110は、その方式によって検出される静電容量や圧力、光量等を検出値として検出する。他の機能部は、検出部110による検出値の大きさや変化から、表示面210への操作体の接触あるいは近接を判定することができる。本実施形態では、例えば透明導電膜(ITO)が設けられたフィルムやガラスを透明導電膜間が向い合う方向に貼り合わせ、操作体により押圧されたときに透明導電膜同士が接触することによって入力を検知する、圧力検知式のタッチパネルを用いる。検出部110は、表示部170の表示面210の各位置の圧力の大きさを検出し、検出した圧力の大きさを検出値として、モード切換判定部120、位置算出部130およびタイマー部140へ出力する。
【0029】
モード切換判定部120は、検出部110による検出値や操作体の動きに基づいて、画面スクロール処理と表示画像のズーム率変更処理との切り換えを判定する。本実施形態では、モード切換判定部120は、検出部110の検出値から操作体が表示面210に接触していることを検知すると、タイマー部140に対して操作体が表示面210に接触している接触時間のカウントを指示する。また、モード切換判定部120は、位置算出部130に対して、モード切換判定に用いる位置領域情報を算出させる。ここで、位置領域情報とは、例えば、near領域、far領域、現在の接触位置等である。なお、位置領域情
報の規定については、後述する。モード切換判定部120は、操作体が表示面210に接触している時間や位置領域情報に基づいて実行する操作処理を推定し、推定結果に応じてスクロール処理部150またはズーム処理部160を機能させる。
・・・(中略)・・・
【0032】
スクロール処理部150は、操作体の動作に応じて表示面210に表示された画面をスクロールさせるための表示処理を行う。スクロール処理部150は、モード切換判定部120によって操作体の動作に応じて画面スクロール処理を実行すると判定された場合に機能し、位置算出部130により算出された操作体の接触位置の動きに応じて、表示面210に表示された画面がスクロールするように表示処理する。スクロール処理部150は、表示処理した表示情報を表示部170へ出力する。
【0033】
ズーム処理部160は、操作体の動作に応じて表示面210に表示された表示画像のズーム率変更処理を行う。ズーム処理部160は、モード切換判定部120によって操作体の動作に応じて表示画像のズーム率変更処理を実行すると判定された場合に機能する。ズーム処理部160は、位置算出部130により算出された操作体の接触位置の動きや、タイマー部140により検出された表示面210に対する操作体の接触時間等に応じて、表示面210に表示された表示画像のズーム率が変更されるように表示処理する。ズーム処理部160は、表示処理した表示情報を表示部170へ出力する。
【0034】
表示部170は、テキストやアイコン、図形などのオブジェクトを表示する機能部であって、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を用いることができる。本実施形態では、表示部170の表示面側は検出部110が設けられており、ユーザは表示部170の表示内容を視認するとともに、表示面210上で指Fを動作することにより表示部170の表示内容を操作することができる。したがって、ユーザが操作体を接触させる面は厳密には検出部110の表面であるが、以下においては、このように操作体を接触させる面を「(表示部170)の表示面210」として説明する場合もある。
・・・(中略)・・・
【0051】
このように、指Fを表示面210に接触させた後の指Fの動きによって、ドラッグ動作に関連付けられた画面スクロール処理と表示画像のズーム率変更処理とのうちいずれを実行させるかを決定する。これにより、1本の指で操作処理を切り換えることが可能となる。また、本実施形態にかかる表示制御装置100は、一度操作処理が決定されると、ユーザが指Fを表示面210からリリースするまでは、ドラック動作による操作処理は変更されない。これにより、操作処理が頻繁に切り替わってしまい返って操作性が低下してしまうのを回避することができる。
・・・(中略)・・・
【0062】
以上、本実施形態にかかる表示制御装置100とこれによる表示制御方法について説明した。本実施形態によれば、指Fの接触位置の移動状態に基づいて、ユーザが画面スクロール処理と表示画像のズーム率変更処理とのうちいずれの操作処理を意図しているかを推定し、適切に操作処理を機能させることができる。また、指Fの表示面に対する接触位置を移動させることによって、ズーム率変更を指1本で操作することもできる。このように、本実施形態にかかる表示制御装置100を用いることによって、ユーザは、片手でモバイルデバイス200を持ち、指1本で画面のスクロールおよびズーム率の変更を容易に操作することができる。また、画面上にズーム率変更のためのGUI部品を表示する必要もないため、画像を表示可能な表示領域のうち広い範囲を画像表示に利用することもできる。」

したがって、引用文献2には、「タッチパネルを用いたUIにおいて、画面上における指の接触位置の移動状態に基づいて、画面スクロール処理と表示画像のズーム率変更処理との切り換えを判定し、操作処理を決定する。一度操作処理が決定されると、ユーザが指を表示面からリリースするまでは、ドラック動作による操作処理は変更されない。」という技術的事項が記載されていると認められる。

3.引用文献3について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3(特開2013-011981号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

f.【要約】の記載。
「【課題】簡単容易な操作によりスクロール表示が可能な表示制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示画面に、複数の項目
を表示する第1領域を設定し、表示画面に対するドラッグ操作の始点に対応する初期座標と現在座標とを検出し、ドラッグ操作のうち、初期座標と現在座標との差から算出した第1方向についての変位量に基づいて、第1領域に表示される複数の項目の表示サイズを変更し、ドラッグ操作のうち、第1方向とは異なる第2方向についての変位量に基づいて、第1領域に表示される項目をスクロールさせる表示制御方法であって、第1領域に表示される複数の項目の一部と複数の項目の他の一部とで、第1方向についての変位量に基づく表示サイズの変更量が異なることを特徴とする。」

したがって、引用文献3には、「第1方向へのドラッグ操作で表示項目の表示サイズを変更し、第2方向へのドラッグ操作でスクロールする表示制御方法」という技術的事項が記載されていると認められる。

4.引用文献4について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4(特表2007-525757号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。

g.段落0022-0023の記載。
「【0022】
ズームインする間に、ユーザインタフェース102の中で興味があるポイント105を中心に置くことは、ズーム機能を、同時に作用するパン機能と組み合わせることによって達成され得る。パンは、同様に、垂直または水平のいずれかの次元において画面を変換することを指す。パンの処理の結果、興味があるポイント105は、インタフェース102の中心点108と一致する。
【0023】
ズームを達成するために入力装置の作動ボタンが押されるので、興味があるポイント105は、点線の距離ライン106に沿って、インタフェース102の中心点108まで移動することができる。この線に沿ったポインタの動きの増加は、動画の形式で例証され得る。好ましい実施例において、興味があるポイント105をユーザインタフェース102の中心点108と一致させるためのパンは、所望のズームレベルが達成されるのと同時に完了され得る。興味があるポイント105が各ズームステップにおいて受ける移動(または、変位)の量が、計算され得る。上述のように、インタフェースの中心点108は、興味があるポイントを、この移動の結果として表す。」

したがって、引用文献4には、「ズームインする際に、パン機能と組み合わせることでポインタが配置された興味のあるポイントを中心に置くようにズームする」という技術的事項が記載されていると認められる。

5.引用文献5について
また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5(国際公開第2007/063588号)には、図面とともに次の事項が記載されている。

h.段落0064-0067の記載。
「[0064] ユーザは、必要に応じて、画像の拡大、縮小等の操作を実行する。携帯機器30の CPU31は、タツチパネルキーパッド制御回路32によってユーザ操作を検知し(この処理を実行する CPU31が本発明の操作検知部に相当する。)、検知した操作を通信インターフェース9により無線通信でホスト計算機20に送信する。例えば、どの部分をどの程度拡大するか、という指示情報がホスト計算機に送信される (この処理を実行する CPU31が本発明の検知情報送信部に相当する。 )。
[0065] また、ユーザは、携帯機器 30に表示された画像中の操作対象 (メニューあるいはァ イコン等)を操作する。すると、操作された位置座標が、操作されたことを示すイベント とともに、ホスト計算機 20に送信される。
[0066] ホスト計算機 20は、受信した位置座標をホスト計算機 20での相対座標(あるいは、 実行中のアプリケーションプログラム上の相対座標)に変換する。そして、ホスト計算 機 20は、変換された相対座標から、画像中の操作対象を特定する。
[0067] 一方、ユーザは、携帯機器 30の LCD12を通じて、ホスト計算機 20で実行中のァ プリケーシヨンプログラムが生成した画面の変化をあた力もテレビ画像を見るようにし て、サーバ装置 20から送信される画像を認識する。ユーザが、タツチパネル 16ある いはキーパッド 17によって LCD 12上の操作対象を操作すると、ホスト計算機 20上の 対応する画面上のイベントが発生し、 LCD12上の画面が遷移することになる。」

したがって、引用文献5には、「携帯機器のタッチパネル上での操作情報をホスト計算機に送り、ホスト計算機では携帯端末機での表示内容を作成・送信し、携帯機器は該表示内容を受信して表示するシステム」という技術的事項が記載されていると認められる。


第4 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

1)引用発明の「ポータブル装置」は、「ユーザに向けて、グラフィックス、テキスト、アイコン、ビデオなどの視覚的出力を表示する」ことから、本願発明1の「情報表示装置」に相当する。

2)引用発明の「ライブ画像プレビュー」、「シャッターボタン」は、本願発明1の「所定のコンテンツ」に対応し、このことから、引用発明の「ライブ画像プレビューが表示されるライブプレビュー領域と、シャッターボタンとを備えるカメラインターフェース」を表示する「タッチ感応型ディスプレイ」は、本願発明1の「所定のコンテンツを画面に表示する表示部」に対応する。

3)引用発明における「前記タッチ感応型ディスプレイに表示されたシャッターボタンに対応する位置を指接触でタップして保持するジェスチャを検出する手段」と、本願発明1における「前記表示部に表示されたコンテンツの任意の位置をダブルタップするダブルタップ操作を検出する検出部」とは、いずれも「表示部に表示されたコンテンツの位置をタップするタップ操作を検出する手段」である点で共通している。
しかしながら、本願発明1では、「表示されたコンテンツの任意の位置をダブルタップするダブルタップ操作を検出する」のに対し、引用発明では、「表示されたシャッターボタンに対応する位置(表示されたコンテンツの特定の位置)をタップするジェスチャ(ダブルタップではない)を検出する」点で相違している。

4)引用発明の「前記ジェスチャの検出に応答して、ズームレベルインジケータとともに、機能オブジェクトおよびズームレベルバーが表示され、前記ジェスチャの動作の向きに応じて異なったレベルのズーム(イン又はアウト)処理となり、ズーム処理はジェスチャの指接触が保持される限り継続し、指接触のリフトオフにより前記ジェスチャを終わらせることで、ズーム処理が停止し、機能オブジェクトの表示が終了する手段」と、本願発明1の「前記検出部が前記ダブルタップ操作を検出した後で、接触位置が前記画面の第一の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続し、その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける変更部」とは、いずれも「前記検出する手段が前記タップ操作を検出した後で、接触位置が前記画面の所定の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続する手段」である点で共通している。
しかしながら、本願発明1の変更部は、「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」のに対し、引用発明では、このような機能手段を備えていない点で相違する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「所定のコンテンツを画面に表示する表示部と、
前記表示部に表示されたコンテンツの位置をタップするタップ操作を検出する手段と、
前記検出する手段が前記タップ操作を検出した後で、接触位置が前記画面の所定の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続する手段とを有する情報表示装置。」

(相違点1)
本願発明1では、「表示されたコンテンツの任意の位置をダブルタップするダブルタップ操作を検出する」のに対し、引用発明では、「表示されたシャッターボタンに対応する位置(表示されたコンテンツの特定の位置)をタップするジェスチャ(ダブルタップではない)を検出する」点。

(相違点2)
本願発明1の変更部は、「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」のに対し、引用発明では、このような機能手段を備えていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み、先ず上記相違点2について検討する。
上記「第3」の2.に示したように、引用文献2には、「タッチパネルを用いたUIにおいて、画面上における指の接触位置の移動状態に基づいて、画面スクロール処理と表示画像のズーム率変更処理との切り換えを判定し、操作処理を決定する。」という技術的事項が記載されているものの、「一度操作処理が決定されると、ユーザが指を表示面からリリースするまでは、ドラック動作による操作処理は変更されない。」という技術的事項も記載されていることから、引用文献2に記載された技術的事項を考慮したとしても、相違点2に係る本願発明1の「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」ことが、当業者が容易に想到し得たものとは認められない。
また、引用文献3-5に記載された技術的事項や、本願出願時の技術水準に照らしてみても、相違点2に係る本願発明1の構成が当業者が容易に想到し得たものとは認められない。
さらに、本願発明1は、当該相違点に係る構成により、明細書記載の「表示された情報の表示態様を変更する際の操作性を改善できる。」との作用効果を奏するものである。
したがって、上記相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項並びに当該技術分野の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-4について
本願発明2-4は、本願発明1を引用する発明であって、本願発明1と同じく「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項並びに当該技術分野の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3.本願発明5について
本願発明5は、「情報配信装置」に係る発明であるが、本願発明1と同様に、「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」との構成を備える。
したがって、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項並びに当該技術分野の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4.本願発明6について
本願発明6は、「情報表示装置」に係る本願発明1を用いた「情報表示方法」に係る発明である。
本願発明6は、本願発明1と同様に、「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項並びに当該技術分野の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

5.本願発明7について
本願発明7は、「情報表示方法」に係る本願発明6をコンピュータにおいて実行させるための「情報表示プログラム」に係る発明である。
本願発明7は、本願発明6と同様に「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明6と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項並びに当該技術分野の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

6.本願発明8について
本願発明8は、本願発明5の「情報配信装置」において実行される「情報配信方法」に係る発明である。
本願発明8は、本願発明5と同様に、「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」との構成を備える。
したがって、本願発明5と同様の理由により、当業者であっても、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項並びに当該技術分野の周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第5 原査定の概要及び原査定についての判断
原査定(平成29年2月17日付け拒絶査定)は、請求項1-8について上記引用文献1-5に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。
しかしながら、平成30年5月28日付け手続補正により補正された請求項1-8は、「その後、接触が解消されることなく接触位置が前記画面の前記第一の方向と直交する第二の方向に移動した場合は、接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、当該コンテンツを回転させる処理を継続し続ける」という事項に対応する構成を有するものとなっており、上記のとおり、本願発明1-8は、上記引用文献1に記載された発明及び上記引用文献2-5に記載された技術的事項当業者並びに当該技術分野の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第6 当審拒絶理由について
特許法第36条第6項第2号について
当審では、請求項8の「前記ダブルタップ操作を検出した後で、・・・接触が解消されるまでの間、の拡大または縮小を継続させながら、・・・配信する配信工程」という記載が日本語として明確でないとの拒絶の理由を通知しているが、平成30年5月28日付けの補正において、「前記ダブルタップ操作を検出した後で、・・・接触が解消されるまでの間、前記画面に表示されるコンテンツの拡大または縮小を継続させながら、・・・配信する配信工程」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-8は、当業者が引用発明及び引用文献2-5に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2018-07-02 
出願番号 特願2014-30003(P2014-30003)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅原 浩二  
特許庁審判長 安久 司郎
特許庁審判官 松田 岳士
▲吉▼田 耕一
発明の名称 情報表示装置、情報配信装置、情報表示方法、情報表示プログラムおよび情報配信方法  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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