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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1341824
審判番号 不服2017-12220  
総通号数 224 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2018-08-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-08-17 
確定日 2018-07-05 
事件の表示 特願2014-212818号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月16日出願公開、特開2016- 77603号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、平成26年10月17日の出願であって、平成29年1月30日付けで拒絶の理由が通知され、それに対し、同年3月28日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月30日付けで拒絶査定(発送日:同年6月6日)がなされ、それに対し、同年8月17日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、前置審査において同年10月24日付けで最後の拒絶理由が通知され、それに対して、同年12月6日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 平成29年12月6日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年12月6日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1について本件補正前に、
(平成29年8月17日付け手続補正)
「【請求項1】
遊技が可能な遊技機であって、
遊技者の動作を検出する検出手段と、
遊技状態を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段と、
前記保留記憶手段が記憶する保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、
前記保留表示手段によって表示される前記保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段とを備え、
前記演出制御手段は、
遊技者の動作を検出可能な有効期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、特定演出の実行を制御し、
前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御し、
前記保留表示態様制御手段は、前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記保留表示の態様を変化させる、遊技機。」
とあったものを、
(本件補正である平成29年12月6日付け手続補正)
「【請求項1】
遊技が可能な遊技機であって、
遊技者の動作を検出する検出手段と、
遊技状態を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段と、
前記保留記憶手段が記憶する保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、
前記保留表示手段によって表示される前記保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段とを備え、
前記演出制御手段は、
遊技者の動作を検出可能な有効期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、特定演出の実行を制御し、
前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御し、
前記保留表示態様制御手段は、前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させ、前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させない、遊技機。」
と補正するものである(下線部は補正箇所を示す。)。

2 補正の適否
本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「保留表示態様制御手段」に関して、「前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させる」とあったものを「前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させ、前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させない」と限定するものである。

そして、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の段落【0292】、図22等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Jは、分説するため当審で付した。)。
「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 遊技者の動作を検出する検出手段と、
C 遊技状態を制御する遊技制御手段と、
D 前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
E 変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段と、
F 前記保留記憶手段が記憶する保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、
G 前記保留表示手段によって表示される前記保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段とを備え、
H 前記演出制御手段は、
遊技者の動作を検出可能な有効期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、特定演出の実行を制御し、
I 前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御し、
J 前記保留表示態様制御手段は、前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させ、前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させない、遊技機。」

(2)引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由及び前置審査における拒絶理由通知の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012-223472号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

・記載事項

ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の操作入力を受付可能な操作入力受付手段と、
前記操作手段に関する所定の報知を行う報知制御手段と、
前記操作入力受付手段が受け付けた前記操作手段の操作入力が所定条件を満たす場合に特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、
前記報知制御手段は、
前記操作入力受付手段が前記操作手段の操作入力を受付可能な有効期間を報知するとともに、当該報知されている有効期間において、前記特定演出実行手段による前記特定演出を実行するための所定条件を報知可能であることを特徴とする遊技機。」

イ 「【0006】
本発明の目的は、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、操作部の操作演出に継続的な興味を抱くことができるようにすることである。」

ウ 「【0035】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。」

エ 「【0048】
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1?4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。」

オ 「【0057】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。」

カ 「【0091】
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。」

キ 「【0098】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。」

ク 「【0103】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。」

ケ 「【0104】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0105】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0106】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。」

コ 「【0109】
また、本実施形態の遊技機は、特図変動表示ゲームの実行中に行われる演出ボタン25を用いた演出(PB演出)に特徴を有している。図5には従来の演出ボタン25を用いた演出の一例を示した。この演出では、図5(a)に示すように遊技者に演出ボタン25の操作を促す表示が行われるとともに、演出ボタン25の操作の有効期間を示す有効期間表示41aがなされる。有効期間表示41aは、始点が有効期間の開始に対応するとともに終点が有効期間の終了に対応する帯状の表示であって、図5(b)に示すように有効期間の開始からの経過時間を、当該有効期間表示41aにおける経過時間に対応する位置を示すことで報知するように構成されている。」

サ 「【0158】
そして、設定された変動パターンの前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA249)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA250)、コマンド設定処理(ステップA251)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA252)、コマンド設定処理(ステップA253)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA249、A250にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA252にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。」

シ 「【0208】
今回の特定ポイント演出情報とは、どのような特定演出を行うかの情報である。図24(a)には、各特定ポイントで操作があった場合の特定演出の内容の選択態様の一例として、結果が大当りであり、PB演出設定テーブルAに基づき演出パターンAが選択された場合の選択態様を示した。この場合の選択態様にはパターンAからCの3種類がある。
【0209】
なお、信頼度とは大当りとなる可能性の高さであり、信頼度100%の演出とは大当りとなることが明確に報知される演出である。操作タイミングで演出ボタン25が操作された場合に実行される特定演出では、図24(b)に示すような信頼度に対応するキャラクタを表示することで遊技に関する情報の示唆、報知として、大当りとなる可能性の高さを報知する。これに対して、操作タイミング以外で演出ボタン25が操作された場合に実行される通常演出では、図24(b)に示すキャラクタのうち、信頼度が対応付けられていないキャラクタを表示し、遊技に関する情報を示唆、報知しない。
【0210】
図24(a)に示すパターンAは、操作タイミングにおける1回目の演出ボタン25の操作に基づき信頼度10%の特定演出を行い、後の操作タイミングにおける2回目の演出ボタン25の操作に基づき信頼度30%の特定演出を行い、さらに後の操作タイミングにおける3回目の演出ボタン25の操作に基づき信頼度70%の特定演出を行うパターンである。すなわち、操作タイミングでの操作回数に基づき実行する特定演出が選択される演出となっている。
【0211】
このパターンAが選択された場合に、演出パターンAにおける3回の操作タイミングである目盛り5、9及び10の各タイミングで演出ボタン25の操作があれば、目盛り5のタイミングで信頼度10%、目盛り9のタイミングで信頼度30%、目盛り10のタイミングで信頼度70%の特定演出が行われる。また、目盛り5のタイミングで演出ボタン25の操作がなく、目盛り9及び10のタイミングで演出ボタン25の操作があれば、目盛り5のタイミングでは特定演出が行われず、目盛り9のタイミングで信頼度10%、目盛り10のタイミングで信頼度30%の特定演出が行われる。
【0212】
さらに、目盛り9のタイミングで演出ボタン25の操作がなく、目盛り5及び10のタイミングで演出ボタン25の操作があれば、目盛り5のタイミングで信頼度10%の特定演出が行われ、目盛り9のタイミングでは特定演出が行われず、目盛り10のタイミングで信頼度30%の特定演出が行われる。また、目盛り5及び9のタイミングで演出ボタン25の操作がなく、目盛り10のタイミングで演出ボタン25の操作があれば、目盛り5及び9のタイミングでは特定演出が行われず、目盛り10のタイミングで信頼度10%の特定演出が行われる。」

ス 「【0236】
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、PB演出の実行態様が異なる。
【0237】
本変形例の遊技機は、図19に示したPB演出設定テーブルに加え、図30に示すPB演出設定テーブルDが選択可能である。このPB演出設定テーブルDは、結果が大当りとなる場合に、大当りでない場合よりも選択される割合が高くなっている。このPB演出設定テーブルDにより選択される演出では、有効期間表示41aの形状も選択されるようになっている。これにより、有効期間表示41aの形状から特図変動表示ゲームの結果を示唆することが可能となる。
【0238】
図31には、PB演出設定テーブルDにおいて演出パターンDが選択された場合の例を示した。図31(a)に示すようにこの有効期間表示41aでは、タイミング表示41bを有効期間表示41aの表示色を変更することで行っている。演出の内容は上述の第1実施形態と同様であり、図31(b)に示すようにタイミング表示41bで示された操作タイミング以外のタイミングで演出ボタン25を操作した場合は、遊技に関する情報を示唆、報知しない通常演出が行われる。ここでは、キャラクタが登場しない演出となっている。
【0239】
そして、図31(c)に示すように有効期間が経過し、図31(d)に示すようにタイミング表示41bで示された操作タイミングで演出ボタン25を操作すると、図31(e)に示すように、遊技に関する情報を示唆、報知するキャラクタが表示される特定演出が行われる。」

セ 「【0246】
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機でのPB演出では、遊技者が操作タイミングで演出ボタン25を操作した場合に行われる特定演出で、始動記憶についての先読み結果を示唆、報知する先読み演出を行うようにしている。
【0247】
図33には演出の一例を示した。図33(a)に示すように、有効期間表示41a及びタイミング表示41bが表示され、図33(b)に示すように遊技者が操作タイミングで演出ボタン25を操作すると、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するキャラクタが登場する。そして、図33(c)に示すように、登場したキャラクタが先読み結果の示唆、報知の対象となる始動記憶に対応する特図始動記憶表示41cを指し示すことで、当該特図始動記憶表示41cの表示態様が変化する。この変化の内容により当該特図始動記憶表示41cに対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が示唆、報知される。
【0248】
その後、図33(d)に示すように有効時間が経過し、図33(e)に示すように次の操作タイミングでも遊技者が演出ボタン25を操作すると、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するキャラクタが再度登場する。そして、図33(f)に示すように、登場したキャラクタが先読み結果の示唆、報知の対象となる始動記憶に対応する特図始動記憶表示41cを指し示すことで、当該特図始動記憶表示41cの表示態様が変化する。ここでは、すでに先読み結果が示唆された特図始動記憶表示41cについて再度先読み結果を示唆、報知する演出が行われ、当該特図始動記憶表示41cの表示態様が、より大当りとなる可能性が高いことを示す表示態様に変化している。
【0249】
さらに、図33(g)に示すように有効時間が経過し、図33(h)に示すように次の操作タイミングでも遊技者が演出ボタン25を操作すると、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するキャラクタが再度登場する。そして、図33(i)に示すように、登場したキャラクタが先読み結果の示唆、報知の対象となる始動記憶に対応する特図始動記憶表示41cを指し示すことで、当該特図始動記憶表示41cの表示態様が変化する。ここでは、すでに先読み結果が示唆された特図始動記憶表示41cについて再度先読み結果を示唆、報知する演出が行われ、当該特図始動記憶表示41cの表示態様が、大当りとなることを報知する表示態様に変化している。このような演出とすることで、演出に参加した遊技者に対して先読み結果を示唆するという特典を与えることができ、演出に参加する意欲を持たせることができる。」

・認定事項
ア 上記記載事項アの【請求項1】の「変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機」との記載、及び、上記記載事項クの【0103】の「遊技(変動表示ゲーム等)」との記載から、引用文献1には、「遊技を実行する遊技機」が記載されているといえる。

イ 上記記載事項ウの【0035】には、遊技者が演出ボタン25を操作することが記載されている。
また、上記記載事項キの【0098】の記載から、引用文献1には、演出ボタン25のオン/オフ状態を検出するスイッチ入力回路336が記載されているといえる。
よって、引用文献1には、「遊技者が操作する演出ボタン25のオン/オフ状態を検出するスイッチ入力回路336」が記載されているといえる。

ウ 上記記載事項ケの【0104】?【0106】の記載から、引用文献1には、「特別遊技状態、高確率状態、時短状態等の遊技状態を発生させる遊技制御装置100」が記載されているといえる。

エ 上記記載事項クの【0103】の記載から、引用文献1には、「前記遊技制御装置100からの演出制御コマンドに基づいて遊技に関する演出を制御する演出制御装置300」が記載されているといえる。

オ 上記記載事項オの【0057】の「この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。」との記載から、引用文献1には、「大当り乱数値等の情報を特図始動記憶として記憶可能な特図記憶領域」が記載されているといえる。

カ 上記記載事項サの【0158】の「特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。」との記載から、遊技者に結果関連情報を報知するために、「飾り特図始動記憶表示」の表示は「結果関連情報」に対応したものとなるといえ、また、【0158】の「始動記憶に対応した結果関連情報」との記載から、「飾り特図始動記憶表示」の表示は「始動記憶」に対応したものとなるといえる。さらに、【0158】の「始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム」との記載から、上記「始動記憶」は、「特図」に関する「始動情報」であり、「特図始動記憶」を意味するといえる。
上記記載事項カの【0091】の記載から、VDP(Video Display Processor)313を備える演出制御装置300が、表示装置41に映像を表示させることが記載されているといえる。
以上より、引用文献1には、「演出制御装置300は、特図始動記憶に対応して飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示すること」が記載されていると認められる。

キ 上記記載事項サの【0158】の記載から、引用文献1には、「演出制御装置300は、前記表示装置41によって表示される前記飾り特図始動記憶表示を変化させること」が記載されているといえる。

ク 上記記載事項スの【0238】の「図31(b)に示すようにタイミング表示41bで示された操作タイミング以外のタイミングで演出ボタン25を操作した場合」との記載から、タイミング表示41bで示された操作タイミング以外のタイミングで遊技者により演出ボタン25の操作が行われたことが分かり、また、図31(b)から、「失敗・・・」との文字列を表示する演出が行われることが分かる。上記記載事項サの【0239】の「図31(d)に示すようにタイミング表示41bで示された操作タイミングで演出ボタン25を操作すると」との記載から、タイミング表示41bで示された操作タイミングで遊技者により演出ボタン25の操作が行われたことが分かり、また、図31(d)から、「成功!!」との文字列を表示する演出が行われることが分かる。そして、図31には、上記「タイミング表示41bで示された操作タイミング以外のタイミング」と上記「タイミング表示41bで示された操作タイミング」とで構成される「有効期間表示41a」で示される期間に2回の遊技者により演出ボタン25の操作が行われた場合の演出が示されているが、該期間に1回の遊技者により演出ボタン25の操作が行われた場合には、『失敗・・・』又は『成功!!』のいずれかの文字列を表示する演出を行うことが自明である。
また、図31における「有効期間表示41a」は、記載事項コの【0109】の記載から、「演出ボタン25の操作の有効期間を示す」ものである。
そして、図31に記載される、「失敗・・・」又は「成功!!」との文字列を表示する演出は、上記記載事項クの【0103】の「演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。」との記載や、「演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定」「を行う」との記載から、演出制御装置300が行っているものと認められる。
以上より、引用文献1には、「演出制御装置300は、有効期間表示41aで示される遊技者による演出ボタン25の操作の有効期間に1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、『失敗・・・』又は『成功!!』との文字列を表示する演出を行うこと」が記載されていると認められる。

ケ 上記記載事項スの【0238】の「演出の内容は上述の第1実施形態と同様であり」との記載から、第2変形例の図30に示される演出パターンDが選択されたときにも、上記記載事項シの【0212】に記載される演出(「目盛り5及び9のタイミングで演出ボタン25の操作がなく、目盛り10のタイミングで演出ボタン25の操作があれば、目盛り5及び9のタイミングでは特定演出が行われず、目盛り10のタイミングで信頼度10%の特定演出が行われる。」)と同様の演出が行われるものと認められる。すなわち、すなわち、図30に示される演出パターンDが選択されたときにも、表示色が変更されたタイミング表示31bで示される3つの操作タイミング(メータ2?4のタイミング、メータ11?13のタイミング、メータ25のタイミング)のうち、遊技者による演出ボタン25の操作が、1つの操作タイミング(メータ25のタイミング)で行われた場合、つまり、1回行われた場合に、信頼度に対応するキャラクタを表示する演出を行うものであると認められる。
また、図30に示される演出パターンDの演出を図示する図31に記載される「失敗・・・」又は「成功!!」との文字列を表示する演出もあわせて考えれば、図30に示される演出パターンDが選択されたときには、有効期間のうちのタイミング表示41bで示される操作タイミングに1回の遊技者による演出ボタンの操作が行われた場合に、前記文字列を表示する演出に加えて信頼度に対応するキャラクタ(図31(e)のダンゴ)を表示する演出が行われると認められる。
そして、認定事項クでの検討と同様の検討により、前記文字列を表示する演出に加えて信頼度に対応するキャラクタを表示する演出は、演出制御装置300が行っているものと認められる。
以上より、引用文献1には、「前記演出制御装置300は、前記有効期間のうちのタイミング表示41bで示される操作タイミングに1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、前記文字列を表示する演出に加えて信頼度に対応するキャラクタを表示する演出を行うこと」が記載されていると認められる。

コ 上記ア?スの記載事項、及び、上記ア?ケの認定事項を総合すると、引用文献1には、第2変形例を中心に次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a?jは、本願補正発明の記号A?Jに対応させて付した。)。
「a 遊技を実行する遊技機であって、
b 遊技者が操作する演出ボタン25のオン/オフ状態を検出するスイッチ入力回路336と、
c 特別遊技状態、高確率状態、時短状態等の遊技状態を発生させる遊技制御装置100と、
d 前記遊技制御装置100からの演出制御コマンドに基づいて遊技に関する演出を制御する演出制御装置300と、
e 大当り乱数値等の情報を特図始動記憶として記憶可能な特図記憶領域とを備え、
f 前記演出制御装置300は、
特図始動記憶に対応して飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示し、
g、j 前記表示装置41によって表示される前記飾り特図始動記憶表示を変化させ、
h 有効期間表示41aで示される遊技者による演出ボタン25の操作の有効期間に1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、『失敗・・・』又は『成功!!』との文字列を表示する演出を行い、
i 前記有効期間のうちのタイミング表示41bで示される操作タイミングに1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、前記文字列を表示する演出に加えて信頼度に対応するキャラクタを表示する演出を行う、遊技機。」

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する(対比にあたっては、本願補正発明の構成A?Jと引用発明の構成a?jについて、それぞれ(a)?(j)の見出しを付して行った。)。

(a) 引用発明の「遊技を実行する遊技機」は、本願補正発明の「遊技が可能な遊技機」 に相当する。

(b) 引用発明において、「遊技者が操作する演出ボタン25のオン/オフ状態を検出する」ことは、本願補正発明において、「遊技者の動作を検出する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「遊技者が操作する演出ボタン25のオン/オフ状態を検出するスイッチ入力回路336」は、本願補正発明の「遊技者の動作を検出する検出手段」に相当する。

(c) 引用発明において、「特別遊技状態、高確率状態、時短状態等の遊技状態を発生させる」ことは、本願補正発明において、「遊技状態を制御する」ことに相当することから、引用発明の「特別遊技状態、高確率状態、時短状態等の遊技状態を発生させる遊技制御装置100」は、本願補正発明の「遊技状態を制御する遊技制御手段」に相当する。

(d) 引用発明の「前記遊技制御装置100からの演出制御コマンドに基づいて遊技に関する演出を制御する演出制御装置300」は、本願補正発明の「前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて演出の実行を制御する演出制御手段」に相当する。

(e) 引用発明の「大当り乱数値等の情報」は、本願補正発明の「変動表示に関する情報」に相当する。そして、引用発明の「特図記憶領域」に記憶される「特図始動記憶」は、上記記載事項エの【0048】の「(始動記憶数=保留数)」との記載から、保留に関する情報であることが明らかであり、本願補正発明の「保留記憶情報」に相当する。また、引用発明の「特図記憶領域」は、本願補正発明の「保留記憶手段」に相当する。
したがって、引用発明の「大当り乱数値等の情報を特図始動記憶として記憶可能な特図記憶領域」は、本願補正発明の「変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段」に相当する。

(f) 引用発明の「飾り特図始動記憶表示」は、本願補正発明の「保留表示」に相当し、引用発明の「表示装置41」及び「演出制御装置300」は、本願補正発明の「保留表示手段」に相当する。
したがって、引用発明の「特図始動記憶に対応して飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示」する「演出制御装置300」は、本願補正発明の「前記保留記憶手段が記憶する保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段」に相当する。

(g)、(j) 引用発明の「前記表示装置41によって表示される前記飾り特図始動記憶表示を変化させ」る「演出制御装置300」は、本願補正発明の「前記保留表示手段によって表示される前記保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段」に相当する。

(h) 引用発明の「有効期間表示41aで示される遊技者による演出ボタン25の操作の有効期間」は、本願補正発明の「遊技者の動作を検出可能な有効期間」に相当する。
上記記載事項スの【0236】の「基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており」との記載から、第2変形例においても、演出ボタン25の操作の検出には、スイッチ入力回路336が用いられているものと認められ、当該「スイッチ入力回路336」は、本願補正発明の「検出手段」に相当する。したがって、引用発明の「1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合」は、本願補正発明の「前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合」に相当する。
引用発明において、「『失敗・・・』又は『成功!!』との文字列を表示する演出を行」うことは、本願補正発明において、「特定演出の実行を制御」することに相当する。
よって、引用発明の「演出制御装置300は」、「有効期間表示41aで示される遊技者による演出ボタン25の操作の有効期間に1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、『失敗・・・』又は『成功!!』との文字列を表示する演出を行」うことは、本願補正発明の「前記演出制御手段は、遊技者の動作を検出可能な有効期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、特定演出の実行を制御」することに相当する。

(i) 引用発明の「前記有効期間のうちのタイミング表示41bで示される操作タイミング」 は、本願補正発明の「前記有効期間のうちの特別期間」に相当する。
上記(h)での検討と同様の検討から、引用発明の「1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合」は、本願補正発明の「前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合」に相当するといえる。
引用発明の「信頼度に対応するキャラクタを表示する演出」は、本願補正発明の「特別演出」に相当する。
よって、引用発明の「前記有効期間のうちのタイミング表示41bで示される操作タイミングに1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、前記文字列を表示する演出に加えて信頼度に対応するキャラクタを表示する演出を行う」ことは、本願補正発明の「前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御」することに相当する。

上記(a)?(j)の検討により、本願補正発明と引用発明とは、

[一致点]
「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 遊技者の動作を検出する検出手段と、
C 遊技状態を制御する遊技制御手段と、
D 前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
E 変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段と、
F 前記保留記憶手段が記憶する保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、
G 前記保留表示手段によって表示される前記保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段とを備え、
H 前記演出制御手段は、
遊技者の動作を検出可能な有効期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、特定演出の実行を制御し、
I 前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御する、遊技機。」
である点で一致し、構成Jに関して次の点で相違する。

[相違点1](構成J)
本願補正発明は、保留表示態様制御手段が、「前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させ、前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させない」との構成を備えるが、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

(4)当審における判断
ア 相違点1について
上記相違点1について検討する。
第4変形例に関する上記記載事項セの【0246】、【0247】の記載から、引用文献1には、有効期間のうちのタイミング表示41bで示される操作タイミングに1回の遊技者による演出ボタン25の操作が行われた場合に、特定演出として特図始動記憶表示41cの態様を変化させることが記載されているといえる。また、上記記載事項セの【0246】に、「上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており」と記載されている点、及び、上記記載事項スの【0238】に、操作タイミング以外のタイミングで遊技者が演出ボタン25を操作した場合には、特定演出を行わないことが記載されている点も考慮すれば、引用文献1には、有効期間のうちの特別期間に検出手段により1回の遊技者による動作が検出された場合には、特図始動記憶表示の態様を変化させ、前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記特図始動記憶表示の態様を変化させない技術事項(以下、「技術事項1」という。)が記載されているといえる。
一方、演出用のボタンの操作に基づき、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するとともに、先読み結果を示唆、報知することが、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、引用文献1の上記記載事項セの【0247】?【0249】には、演出ボタン25の操作に基づき、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を信頼度に対応するキャラクタを表示することで示唆、報知するとともに、特図始動記憶表示41cの表示態様を変化させることで先読み結果を示唆、報知することが記載されている。また、特開2012-210348号公報の【0299】、【0343】、図22(g)には、チャンスボタン136の操作に基づき、パンダのキャラクタが登場し予告報知Aが行われるとともに、保留表示703の表示態様が△に変化することが記載されている。その他、特開2012-183186号公報の【0442】?【0444】、図54(2)、特開2010-233743号公報の【0118】、図27(3)等にも同様の技術事項が記載されている。)。
引用発明、技術事項1、及び、上記周知の技術事項は、いずれも演出用のボタンの操作が可能な遊技機という点で共通の技術分野に属するものである。また、引用発明は、構成g、jより「飾り特図始動記憶表示を変化させ」るものであり、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報の示唆、報知だけでなく、先読み結果の示唆、報知を行うものである。
これらのことからみて、引用発明に上記周知の技術事項を適用し、演出用ボタンの操作に基づき、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するとともに、先読み結果を示唆、報知することとし、該先読み結果の示唆、報知の具体的手段として、引用文献1の技術事項1を採用し、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 請求人の主張について
審判請求人は、平成29年3月28日付け意見書において、「しかしながら、引用文献1に記載の発明は、図6や図31に記載されているように、ボタン操作の有効期間における所定の操作タイミングが複数設定されている発明です。つまり、引用文献1に記載の発明は、有効期間において“複数回の操作”を実行可能であることが前提で、複数設定されている操作タイミングで操作がされた場合に異なる演出を実行するの発明です。それに対し、補正後の本願発明は、“1回の遊技者の動作”が検出された場合を前提にし、このような1回の遊技者の動作が有効期間のうちの特別期間に検出されたか否かにより異なる演出が実行される発明です。このように、引用文献1に記載の発明と本願発明とでは、有効期間内の操作回数の前提が異なっています。よって、本願発明は、引用文献1に記載された発明と同一ではありません。」との主張をしている。
しかしながら、平成29年12月6日付け手続補正後の請求項1の記載は、上記「第2[理由]3(1)本願補正発明」で認定したとおりのものであり、「遊技者の動作」の回数に関しては、「前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御し、前記保留表示態様制御手段は、前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させ、前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させない」との記載があるだけであり、「1回の遊技者の動作が検出された場合」の制御を記載するのみである。したがって、本願補正発明は、1回の遊技者の動作が検出された場合に、それ以外にも1回又は複数回の遊技者の動作が検出されることを排除するものではなく、複数回の遊技者の動作が検出される遊技機も包含するものである。よって、本願補正発明は、有効期間における操作タイミング(本願補正発明の「特別期間」に相当)が複数設定されており、有効期間において複数回の操作を検出可能である引用発明を包含するものである。

(5)まとめ
本願補正発明により奏される効果は、引用発明、技術事項1、及び、周知の技術事項から当業者が予測できる範囲内のものであり、格別顕著なものとは言えない。
そうすると、上記(4)において検討したとおり、本願補正発明は、引用発明、技術事項1、及び、上記周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
上記1?3より、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明は、平成29年8月17日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
A 遊技が可能な遊技機であって、
B 遊技者の動作を検出する検出手段と、
C 遊技状態を制御する遊技制御手段と、
D 前記遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて演出の実行を制御する演出制御手段と、
E 変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段と、
F 前記保留記憶手段が記憶する保留記憶情報に対応して保留表示を表示する保留表示手段と、
G 前記保留表示手段によって表示される前記保留表示の態様を変化させる保留表示態様制御手段とを備え、
H 前記演出制御手段は、
遊技者の動作を検出可能な有効期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、特定演出の実行を制御し、
I 前記有効期間のうちの特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記特定演出に加えて特別演出の実行を制御し、
J’ 前記保留表示態様制御手段は、前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記保留表示の態様を変化させる、遊技機。」

2 前置審査における最後の拒絶の理由
前置審査における最後の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された周知事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2012-223472号公報
引用文献2:特開2012-210348号公報

3 引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由及び前置審査における拒絶理由通知の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項、及び、引用発明の認定については、上記「第2[理由]3(2)引用文献に記載された事項」に記載したとおりである。

4 対比
本願発明と引用発明とは、下記相違点2において相違し、その余の点において一致する。
[相違点2](構成J’)
本願発明は、保留表示態様制御手段が、「前記有効期間のうちの前記特別期間に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記保留表示の態様を変化させる」との構成を備えるが、引用発明は、そのような構成を備えていない点。

5 当審における判断
上記相違点2について検討する。
上記相違点1についての検討で述べたとおり、演出用のボタンの操作に基づき、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するとともに、先読み結果を示唆、報知することが、本願出願前に周知の技術事項である。
そして、引用発明、及び、上記周知の技術事項は、いずれも演出用のボタンの操作が可能な遊技機という点で共通の技術分野に属するものである。また、引用発明は、構成g、jより「飾り特図始動記憶表示を変化させ」るものであり、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報の示唆、報知だけでなく、先読み結果の示唆、報知を行うものである。
これらのことからみて、引用発明に上記周知の技術事項を適用し、演出用ボタンの操作に基づき、実行中の特図変動表示ゲームに関する情報を示唆、報知するとともに、先読み結果を示唆、報知することとし、特別期間を含む有効期間において、「前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合に、前記保留表示の態様を変化させる」ようにすることで、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、本願発明は引用発明、及び、上記周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ところで、本願発明のJ’においては、本願補正発明のJにおける「前記有効期間のうちの前記特別期間外に前記検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合には、前記保留表示の態様を変化させない」との限定がないため、特別期間外において検出手段により1回の遊技者の動作が検出された場合にも、保留表示の態様を変化させるものであってもよいものと解釈し、上記のとおり判断したが、仮に、本願発明のJ’の記載を上記限定がある場合と同じように解釈するとしても、引用文献1に記載される技術事項1(上記「第2[理由]3(4)当審における判断」を参照)も参酌すれば、本願発明は、引用発明、及び、周知の技術事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2018-04-27 
結審通知日 2018-05-08 
審決日 2018-05-21 
出願番号 特願2014-212818(P2014-212818)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤田 真治  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 樋口 宗彦
荒井 誠
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
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